特許第5769063号(P5769063)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769063
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】アンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 9/16 20060101AFI20150806BHJP
   H01P 7/04 20060101ALI20150806BHJP
   H01Q 19/13 20060101ALI20150806BHJP
   H01Q 3/20 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   H01Q9/16
   H01P7/04
   H01Q19/13
   H01Q3/20
【請求項の数】12
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2011-90550(P2011-90550)
(22)【出願日】2011年4月15日
(65)【公開番号】特開2012-227573(P2012-227573A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2014年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】511068692
【氏名又は名称】株式会社サクマアンテナ
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】作間 正雄
【審査官】 佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−325010(JP,A)
【文献】 特開2005−086794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 7/04
H01Q 3/20
H01Q 9/04
H01Q 19/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向へ延びる不平衡給電材と、前記不平衡給電材の外周面の外側に配置されて長さ方向へ延びる導体管とを備え、前記不平衡給電材が、所定長さの給電部と、前記給電部から長さ方向後方へ延びる所定長さの無給電部とを有するアンテナにおいて、
前記アンテナが、所定距離離間して配置されて該アンテナの周り方向へ延びる電波反射部材を含み、前記導体管が、前記給電部の外側に位置して該給電部の外周面を包被する共振用導体管と、前記無給電部の外側に位置して該無給電部の外周面を包被するグランド用導体管とから形成され、前記共振用導体管と前記グランド用導体管とが、前記不平衡給電材と該共振用導体管との間に介在するとともに該不平衡給電材と該グランド用導体管との間に介在する接続用導体ガイドに固定手段を介して電気的に固定され、前記給電部が、前記共振用導体管から長さ方向前方へ所定寸法露出する露出部分を有し、前記接続用導体ガイドの前記共振用導体管を固定する前部の径方向の厚み寸法が、該接続用導体ガイドの前記グランド用導体管を固定する後部の厚み寸法よりも小さく、前記グランド用導体管の内周面から前記不平衡給電材の無給電部の外周面までの離間距離が、前記共振用導体管の内周面から前記不平衡給電材の給電部の中心までの離間距離よりも大きいことを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
前記アンテナでは、前記不平衡給電材の長さ方向へ延びる中心軸線と前記電波反射部材を周り方向に二分して長さ方向へ延びる該反射部材の中心線とが一致するとともに、前記中心軸線から前記電波反射部材の一方の側縁までの距離と該中心軸線から該反射部材の他方の側縁までの距離とが同一となるように、前記電波反射部材に対して前記アンテナが配置されている請求項1記載のアンテナ。
【請求項3】
前記電波反射部材が、前記アンテナを取り囲むように該アンテナの周り方向へ円弧を画いている請求項1または請求項2に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記不平衡給電材の中心軸線と前記電波反射部材の両側縁とのなす角度が、120°である請求項1ないし請求項3いずれかに記載のアンテナ。
【請求項5】
前記電波反射部材が、前記アンテナの周り方向へ旋回可能に配置されている請求項1ないし請求項4いずれかに記載のアンテナ。
【請求項6】
前記グランド用導体管の内周面から前記不平衡給電材の無給電部の外周面までの離間距離が、8〜12mmの範囲にある請求項1ないし請求項5いずれかに記載のアンテナ。
【請求項7】
前記共振用導体管の内周面から前記不平衡給電材の給電部の中心までの離間距離が、4〜10mmの範囲にある請求項1ないし請求項6いずれかに記載のアンテナ。
【請求項8】
前記グランド用導体管の内周面から前記不平衡給電材の無給電部の外周面までの離間距離が、前記共振用導体管の内周面から前記不平衡給電材の給電部の外周面までの離間距離よりも大きい請求項7記載のアンテナ。
【請求項9】
前記不平衡給電材が、第1導体と、前記第1導体の外周面を包被する第1絶縁体と、前記第1絶縁体の外周面を包被する第2導体と、前記第2導体の外周面を包被する第2絶縁体とのうちの少なくとも第1および第2導体と第1絶縁体とから作られ、前記不平衡給電材の給電部が、前記第1導体と前記第1絶縁体とから形成され、前記不平衡給電材の無給電部が、前記第1および第2導体と前記第1および第2絶縁体とのうちの少なくとも第1および第2導体と第1絶縁体とから形成されている請求項1ないし請求項8いずれかに記載のアンテナ。
【請求項10】
前記不平衡給電材の給電部では、前記第1導体が前記第1絶縁体から長さ方向前方へ所定長さ露出している請求項9記載のアンテナ。
【請求項11】
前記給電部において第1絶縁体から露出する前記第1導体には、所定長さの第3導体が電気的に固定されている請求項10記載のアンテナ。
【請求項12】
前記給電部において第1絶縁体から露出する前記第1導体には、所定長さの第3絶縁体が固定されている請求項10記載のアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不平衡給電材と不平衡給電材の外周面の外側に配置された導体管とを備えたアンテナに関し、特に携帯電話の基地局に好適に使用されるアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
所定長さの第1導波部と、第1導波部につながる所定長さの第2導波部とを備え、第1導波部が同軸ケーブルの芯線と芯線を包被する第1絶縁体とから形成され、第2導波部が同軸ケーブルの第2絶縁体に固定された第1導体管とその第1導体管に摺動可能に取り付けられた第2導体管とから形成されたアンテナがある(特許文献1参照)。このアンテナは、第1導体管に対して第2導体管をそれらの長さ方向へ移動させることで、通信周波数におけるアンテナの効率が高くなるように第2導波部の長さを調節することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−100921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示のアンテナは、第2導体管をその長さ方向へ移動させることで、共振周波数を変えることができるが、その使用周波数帯域(被周波数帯域)がアンテナとして使用可能な周波数帯域のうちの10%程度をカバーしているに過ぎず、使用周波数帯域を広げることが難しく、広帯域(ブロードバンド)における使用ができない。また、アンテナは、その使用周波数帯域を高い方へ移動させることができない。さらに、このアンテナは、電波がその周り方向の四方に発射されてしまい、特定方向への指向性を持たせることができない。
【0005】
本発明の目的は、広い周波数帯域において電波を送受信することができ、高い利得を得ることができるとともに、使用周波数帯域の高低を自由に調節することができるアンテナを提供することにある。本発明の他の目的は、特定方向への指向性を持たせることができるアンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の前提は、長さ方向へ延びる不平衡給電材と、不平衡給電材の外周面の外側に配置されて長さ方向へ延びる導体管とを備え、不平衡給電材が、所定長さの給電部と、給電部から長さ方向後方へ延びる所定長さの無給電部とを有するアンテナである。
【0007】
前記前提における本発明の特徴は、アンテナが所定距離離間して配置されてアンテナの周り方向へ延びる電波反射部材を含み、導体管が、給電部の外側に位置して給電部の外周面を包被する共振用導体管と、無給電部の外側に位置して無給電部の外周面を包被するグランド用導体管とから形成され、共振用導体管とグランド用導体管とが不平衡給電材と共振用導体管との間に介在するとともに不平衡給電材とグランド用導体管との間に介在する接続用導体ガイドに固定手段を介して電気的に固定され、給電部が共振用導体管から長さ方向前方へ所定寸法露出する露出部分を有し、接続用導体ガイドの共振用導体管を固定する前部の径方向の厚み寸法が接続用導体ガイドのグランド用導体管を固定する後部の厚み寸法よりも小さく、グランド用導体管の内周面から不平衡給電材の無給電部の外周面までの離間距離が共振用導体管の内周面から不平衡給電材の給電部の中心までの離間距離よりも大きいことにある。
【0008】
本発明の一例として、アンテナでは、不平衡給電材の長さ方向へ延びる中心軸線と電波反射部材を周り方向に二分して長さ方向へ延びる反射部材の中心線とが一致するとともに、中心軸線から電波反射部材の一方の側縁までの距離と中心軸線から反射部材の他方の側縁までの距離とが同一となるように、電波反射部材に対してアンテナが配置されている。
【0009】
本発明の他の一例としては、電波反射部材がアンテナを取り囲むようにアンテナの周り方向へ円弧を画いている。
【0010】
本発明の他の一例としては、不平衡給電材の中心軸線と電波反射部材の両側縁とのなす角度が120°である。
【0011】
本発明の他の一例としては、電波反射部材がアンテナの周り方向へ旋回可能に配置されている。
【0012】
本発明の他の一例としては、グランド用導体管の内周面から不平衡給電材の無給電部の外周面までの離間距離が8〜12mmの範囲にある。
【0013】
本発明の他の一例としては、共振用導体管の内周面から不平衡給電材の給電部の中心までの離間距離が4〜10mmの範囲にある。
【0014】
本発明の他の一例としては、グランド用導体管の内周面から不平衡給電材の無給電部の外周面までの離間距離が共振用導体管の内周面から不平衡給電材の給電部の外周面までの離間距離よりも大きい。
【0015】
本発明の他の一例としては、不平衡給電材が、第1導体と、第1導体の外周面を包被する第1絶縁体と、第1絶縁体の外周面を包被する第2導体と、第2導体の外周面を包被する第2絶縁体とのうちの少なくとも第1および第2導体と第1絶縁体とから作られ、不平衡給電材の給電部が第1導体と第1絶縁体とから形成され、不平衡給電材の無給電部が第1および第2導体と第1および第2絶縁体とのうちの少なくとも第1および第2導体と第1絶縁体とから形成されている。
【0016】
本発明の他の一例として、不平衡給電材の給電部では、第1導体が第1絶縁体から長さ方向前方へ所定長さ露出している。
【0017】
本発明の他の一例として、給電部において第1絶縁体から露出する第1導体には、所定長さの第3導体が電気的に固定されている。
【0018】
本発明の他の一例として、給電部において第1絶縁体から露出する第1導体には、所定長さの第3絶縁体が固定されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかるアンテナによれば、給電部とその外周面を包被する共振用導体管とが管内共振するとともに、無給電部とその外周面を包被するグランド用導体管とが共振することで、複数の共振周波数を得ることが可能であり、得られた複数の共振周波数が一方向へ連続して隣り合うとともにそれら共振周波数の一部が重なり合うから、アンテナにおける使用周波数帯域を大幅に広げることができる。アンテナは、高い利得を得ることができるのみならず、それが使用可能な周波数帯域のうちのすべての帯域において電波を送信または受信することができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能であり、1本のみで広帯域の電波を送受信可能なアンテナを作ることができる。アンテナは、共振用導体管の給電部を覆う寸法を自由に設定することができるとともに、グランド用導体管の無給電部を覆う寸法を自由に設定することができるから、共振用導体管の給電部を覆う寸法のみを変更することができ、グランド用導体管の無給電部を覆う寸法のみを変更することができることはもちろん、それら寸法の両者を変更することができる。アンテナは、共振用導体管の給電部を覆う寸法とグランド用導体管の無給電部を覆う寸法とのうちの少なくとも一方の寸法を変更することで、その使用周波数帯域を高い方と低い方とのいずれかへ移動させることができ、使用周波数帯域の高低を自由に調節することができる。アンテナは、その周り方向へ延びる電波反射材を備えており、アンテナから発射された電波が電波反射材によって反射されるから、アンテナから発射された電波のすべてを所定の方向へ発射することができ、広い使用周波数帯域を有するアンテナに特定方向への指向性を持たせることができる。また、所定方向から進入した電波のうち、アンテナを通過した電波が電波反射部材によって反射してアンテナに向かうから、電波をアンテナ全体で受信することができ、電波を効率よく受信することができる。
【0020】
不平衡給電材の中心軸線と電波反射部材を周り方向に二分する中心線とが一致するとともに、中心軸線から反射部材の一方の側縁までの距離と中心軸線から反射部材の他方の側縁までの距離とが同一となるように、反射部材に対してアンテナが配置されたアンテナは、アンテナにおける使用周波数帯域を広げることができることや高い利得を得ることができることはもちろん、アンテナから発射された電波が電波反射材によって確実に反射されるから、アンテナから発射された電波のすべてを所定の方向へ発射することができるとともに、所定方向から進入する電波をアンテナ全体で受信することができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能かつ高い利得を有するアンテナに特定方向への指向性を持たせることができる。
【0021】
電波反射部材がアンテナを取り囲むようにアンテナの周り方向へ円弧を画いているアンテナは、アンテナから発射された電波が電波反射部材によって確実に反射され、その電波がアンテナから所定方向へ発射されるから、アンテナから発射された電波のすべてをアンテナから所定方向へ発射することができるとともに、所定方向から進入する電波が電波反射部材によってアンテナに向かって確実に反射され、反射部材によって反射された電波をアンテナ全体で受信することができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能かつ高い利得を有するアンテナに特定方向への指向性を持たせることができる。
【0022】
不平衡給電材の中心軸線と電波反射部材の両側縁とのなす角度が120°であるアンテナは、アンテナを中心とした360°を3分割した範囲(アンテナを中心とした120°の範囲)に電波を確実に発射することができるとともに、3分割した範囲から電波を確実に受信することができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能かつ高い利得を有するアンテナに360°を3分割した範囲への指向性を持たせることができる。
【0023】
電波反射部材がアンテナの周り方向へ旋回可能に配置されているアンテナは、電波反射部材をアンテナを中心としてその周り方向へ旋回可能にすることで、指向性の方向を任意かつ自由に変えることができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能かつ高い利得を有するアンテナに所望の方向への指向性を持たせることができる。
【0024】
グランド用導体管の内周面から不平衡給電材の無給電部の外周面までの離間距離が8〜12mmの範囲にあるアンテナは、離間距離をその範囲にすることで、無給電部とそれを包被するグランド用導体管との電波の共振効率が最適となり、無給電部とグランド用導体管とを効率よく共振させることができる。アンテナは、給電部と共振用導体管とが効率よく共振するとともに、無給電部とグランド用導体管とが効率よく共振することで、複数の共振周波数を得ることが可能であり、得られた複数の共振周波数が一方向へ連続して隣り合うとともにそれら共振周波数の一部が重なり合うから、アンテナにおける使用周波数帯域を大幅に広げることができる。アンテナは、高い利得を得ることができるのみならず、それが使用可能な周波数帯域のうちのすべての帯域において電波を送信または受信することができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能であり、1本のみで広帯域の電波を送受信可能なアンテナを作ることができる。
【0025】
共振用導体管の内周面から不平衡給電材の給電部の中心までの離間距離が4〜10mmの範囲にあるアンテナは、離間距離をその範囲にすることで、給電部とそれを包被する共振用導体管との電波の共振効率が最適となり、給電部と共振用導体管とを効率よく共振させることができる。アンテナは、給電部と共振用導体管とが効率よく共振するとともに、無給電部とグランド用導体管とが効率よく共振することで、複数の共振周波数を得ることが可能であり、得られた複数の共振周波数が一方向へ連続して隣り合うとともにそれら共振周波数の一部が重なり合うから、アンテナにおける使用周波数帯域を大幅に広げることができる。アンテナは、高い利得を得ることができるのみならず、それが使用可能な周波数帯域のうちのすべての帯域において電波を送信または受信することができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能であり、1本のみで広帯域の電波を送受信可能なアンテナを作ることができる。
【0026】
グランド用導体管の内周面から不平衡給電材の無給電部の外周面までの離間距離が共振用導体管の内周面から不平衡給電材の給電部の中心までの離間距離よりも大きいアンテナは、給電部と共振用導体管との電波の共振効率や無給電部とグランド用導体管との電波の共振効率が最適となり、給電部と共振用導体管とを効率よく共振させることができるとともに、無給電部とグランド用導体管とを効率よく共振させることができる。アンテナは、給電部と共振用導体管とが効率よく共振するとともに、無給電部とグランド用導体管とが効率よく共振することで、複数の共振周波数を得ることが可能であり、得られた複数の共振周波数が一方向へ連続して隣り合うとともにそれら共振周波数の一部が重なり合うから、アンテナにおける使用周波数帯域を大幅に広げることができる。アンテナは、高い利得を得ることができるのみならず、それが使用可能な周波数帯域のうちのすべての帯域において電波を送信または受信することができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能であり、1本のみで広帯域の電波を送受信可能なアンテナを作ることができる。
【0027】
不平衡給電材の給電部が第1導体と第1絶縁体とから形成され、不平衡給電材の無給電部が第1および第2導体と第1および第2絶縁体とのうちの少なくとも第1および第2導体と第1絶縁体とから形成されたアンテナは、給電部とそれを包被する共振用導体管とが確実に共振するとともに、無給電部とそれを包被するグランド用導体管とが確実に共振し、それによって複数の共振周波数を得ることが可能であり、得られた複数の共振周波数が一方向へ連続して隣り合うとともにそれら共振周波数の一部が重なり合うから、アンテナにおける使用周波数帯域を大幅に広げることができる。アンテナは、高い利得を得ることができるのみならず、それが使用可能な周波数帯域のうちのすべての帯域において電波を送信または受信することができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能であり、1本のみで広帯域の電波を送受信可能なアンテナを作ることができる。
【0028】
不平衡給電材の給電部において第1導体が第1絶縁体からその長さ方向外方へ所定長さ露出するアンテナは、給電部と共振用導体管との共振点を高い方へ移動させることができ、それによってアンテナの使用周波数帯域を高い方へ移動させることができる。アンテナは、給電部における第1導体の露出長さを変更することで、使用周波数帯域の高低を自由に調節することができる。アンテナは、給電部とそれを包被する共振用導体管とが確実に共振するとともに、無給電部とそれを包被するグランド用導体管とが確実に共振し、それによって複数の共振周波数を得ることが可能であり、得られた複数の共振周波数が一方向へ連続して隣り合うとともにそれら共振周波数の一部が重なり合うから、アンテナにおける使用周波数帯域を大幅に広げることができ、使用可能な周波数帯域のうちのすべての帯域において電波を送信または受信することができる。
【0029】
給電部において第1絶縁体から露出する第1導体に所定長さの第3導体が電気的に固定されたアンテナは、使用周波数帯域内でVSWR(電圧定在波比)を高い周波数において最適化することができるとともに、給電部と共振用導体管との共振点を高い方へ移動させることができ、それによってアンテナの使用周波数帯域を高い方へ移動させることができる。アンテナは、第1導体に固定する第3導体の長さを変更することで、使用周波数帯域の高低を自由に調節することができる。アンテナは、給電部とそれを包被する共振用導体管とが確実に共振するとともに、無給電部とそれを包被するグランド用導体管とが確実に共振し、それによって複数の共振周波数を得ることが可能であり、得られた複数の共振周波数が一方向へ連続して隣り合うとともにそれら共振周波数の一部が重なり合うから、アンテナにおける使用周波数帯域を大幅に広げることができ、使用可能な周波数帯域のうちのすべての帯域において電波を送信または受信することができる。
【0030】
給電部において第1絶縁体から露出する第1導体に所定長さの第3絶縁体が固定されたアンテナは、使用周波数帯域内でVSWR(電圧定在波比)を低い周波数において最適化することができるとともに、給電部と共振用導体管との管内共振の共振波長を長くすることができ、それによって使用周波数帯域を低い方へ移動させることができる。アンテナは、第1導体に固定する第3絶縁体の長さを変更することで、使用周波数帯域の高低を自由に調節することができる。アンテナは、給電部とそれを覆う共振用導体管とが確実に共振するとともに、無給電部とそれを覆うグランド用導体管とが確実に共振し、それによって複数の共振周波数を得ることが可能であり、得られた複数の共振周波数が一方向へ連続して隣り合うとともにそれら共振周波数の一部が重なり合うから、アンテナにおける使用周波数帯域を大幅に広げることができ、使用可能な周波数帯域のうちのすべての帯域において電波を送信または受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】一例として示すアンテナの斜視図。
図2図1の正面図。
図3図1の上面図。
図4図1の4−4線矢視断面図。
図5】固定手段の一例を示す図。
図6】固定手段の他の一例を示す図。
図7】離間距離と使用周波数帯域との相関関係を示す図。
図8】他の一例として示すアンテナの斜視図。
図9図8の正面図。
図10図8の上面図。
図11図8の11−11線矢視断面図。
図12】他の一例として示すアンテナの斜視図。
図13図12の正面図。
図14図12の上面図。
図15図12の15−15線矢視断面図。
図16】一例として示す給電部の斜視図。
図17】他の一例として示す給電部の斜視図。
図18】他の一例として示す給電部の斜視図。
図19】VSWR(電圧定在波比)と使用帯域との相関関係を示す図。
図20】アンテナの周り方向において計測した電波強度を示す図。
図21】アンテナの周り方向において計測した電波強度を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
一例として示すアンテナ10Aの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかるアンテナ(スリーブアンテナ)の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、図1の正面図であり、図3は、図1の上面図である。図4は、図1の4−4線矢視断面図であり、図5は、固定手段の一例を示す図である。図6は、固定手段の他の一例を示す図であり、図7は、離間距離L3,L4と使用周波数帯域との相関関係を示す図である。それら図では、固定手段の図示を省略している。図4では、中心軸線S1を二点鎖線で示すとともに、反射部材15の図示を省略し、不平衡給電材11を切断しない状態で示す。
【0033】
図1〜4では、周り方向を矢印Aで示し(図1,3のみ)、長さ方向を矢印Bで示すとともに(図1,2,4のみ)、径方向を矢印Cで示す(図2,4のみ)。図3では、前後方向前方を矢印D1で示し、前後方向後方を矢印D2で示す。また、図4では、長さ方向前方を矢印B1で示し、長さ方向後方を矢印B2で示す。アンテナ10Aは、長さ方向へ延びる不平衡給電材11(同軸ケーブルまたはセミリジットケーブル)と、共振用導体管12(共振用スリーブ)およびグランド用導体管13(グランド用スリーブ)と、接続用導体ガイド14(接続用導体管)とから形成され、電波反射部材15を備えている。
【0034】
不平衡給電材11は、所定長さを有する棒状に成型され、長さ方向(軸方向)へ延びている。不平衡給電材11は、断面円形の長さ方向へ延びる第1導体16(中心金属導体)と、第1導体16の外周面全体を包被する断面円形の第1絶縁体17と、第1絶縁体17の外周面全体を包被する断面円筒状の第2導体18(外側金属導体)とから作られている。不平衡給電材11では、第1導体16の外周面と第1絶縁体17の内周面とが固着され、第1絶縁体17の外周面と第2導体18の内周面とが固着されている。
【0035】
不平衡給電材11は、所定長さ(約λ/4)に設定されて長さ方向前方へ延びる給電部19Aと、所定長さ(約λ/4)に設定されて給電部19Aから長さ方向後方へ延びる無給電部20(長さはλ/4+30mm程度付加可能)とを有する。給電部19Aは、第1導体16と第1絶縁体17とから形成されて長さ方向へ略直線状に延びている。無給電部20は、第1導体16と第1絶縁体17と第2導体18とから形成され、給電部19Aから長さ方向後方へ略直線状に延びている。
【0036】
なお、不平衡給電材11は、第1導体16や第1絶縁体17、第2導体18に加え、第2導体18の外周面全体を包被する第2絶縁体(図示せず)を備えていてもよい。この場合、第2導体18の外周面と第2絶縁体の内周面とが固着され、無給電部20が第1導体16と第1絶縁体17と第2導体18と第2絶縁体とから形成される。第1導体16や第2導体18には、アルミニウムや銅等の導電性金属を使用することができ、第1絶縁体17や第2絶縁体には、同軸ケーブルのインピーダンスを固定するための所定の誘電率を有する熱可塑性合成樹脂を使用することができる。熱可塑性合成樹脂には、プラスチック系の誘電率を有するポリテトラフルオロエチレン(フッ化炭素樹脂)を使用することが好ましい。
【0037】
共振用導体管12は、導電性金属(アルミニウムや銅等)から作られ、円筒状に成型されている。共振用導体管12は、不平衡給電材11の給電部19Aの外周面の外側に位置し、給電部19Aの外周面を包被して長さ方向へ延びている。共振用導体管12の内側(内部)には、不平衡給電材11の給電部19Aが挿通されている。給電部19Aは、共振用導体管12から長さ方向前方へ所定寸法露出した露出部分21と、共振用導体管12の内側に延びていて全体が導体管12に包囲された所定寸法の非露出部分22とに区分される。
【0038】
グランド用導体管13は、導電性金属(アルミニウムや銅等)から作られ、円筒状に成型されている。グランド用導体管13は、不平衡給電材11の無給電部20の外周面の外側に位置し、無給電部20の外周面を包被して長さ方向へ延びている。グランド用導体管13の内側(内部)には、無給電部20が挿通されている。無給電部20は、グランド用導体管13から長さ方向後方へ所定寸法露出した露出部分23と、グランド用導体管13の内側に延びていて全体が導体管13に包囲された所定寸法の非露出部分24とに区分される。グランド用導体管13から露出する露出部分23の後端には、コネクタ25が着脱可能に取り付けられている。
【0039】
接続用導体ガイド14は、導電性金属(アルミニウムや銅等)から作られ、円筒状に成型されている。接続用導体ガイド14は、不平衡給電材11と共振用導体管12との間に介在するとともに、不平衡給電材11とグランド用導体管13との間に介在している。接続用導体ガイド14は、その内周面が不平衡給電材11の外周面(第2導体18の外周面)に固定手段を介して電気的に固定され、その外周面が共振用導体管12の内周面に固定手段を介して電気的に固定され、さらに、その外周面がグランド用導体管13の内周面に固定手段を介して電気的に固定されている。
【0040】
固定手段の一例としては、図5に示すように、導電性金属または合成樹脂のビス26を利用することができる。共振用導体管12やグランド用導体管13、接続用導体ガイド14には、それらの径方向へ貫通するビス孔27が作られている。ビス孔27には、ビス26の螺子山(図示せず)が嵌合する螺子溝(図示せず)が作られている。ビス26をビス孔27にねじ込むと、ビス26の螺子山がビス孔27の螺子溝に嵌合しつつ、ビス26がそれら導体管12,13やガイド14のビス孔27に次第に進入する。ビス26がビス孔27に進入すると、ビス26によってそれら導体管12,13とガイド14とが連結され、ビス26がガイド14を不平衡給電材11の外周面(第2導体18の外周面)に押し当て、ガイド14と不平衡給電材11とが固定され、それら導体管12,13とガイド14とが固定される。ビス26を利用してそれらを固定すると、不平衡給電材11とそれら導体管12,13とがガイド14を介して導通する。
【0041】
固定手段の他の一例としては、図6に示すように、銀粉や銅粉等の導電性フィラーまたはカーボンファイバーを含む導電性接着剤28を利用することができる。接続用導体ガイド14の内周面と不平衡給電材11の外周面(第2導体18の外周面)とが導電性接着剤28によって固定され、ガイド14の外周面と共振用導体管12の内周面とが導電性接着剤28によって固定され、ガイド14の外周面とグランド用導体管13の内周面とが導電性接着剤28によって固定される。接着剤28を利用してそれらを固定すると、不平衡給電材11とそれら導体管12,13とがガイド14を介して導通する。
【0042】
アンテナ10Aは、共振用導体管12の給電部19Aを包被する寸法L1(共振用導体管12の長さ方向の寸法L1)やグランド用導体管13の無給電部20を包被する寸法L2(グランド用導体管13の長さ方向の寸法L2)を自由に設定することができる。アンテナ10Aでは、共振用導体管12の給電部19Aを覆う寸法L1のみを変更することができ、グランド用導体管13の無給電部20を覆う寸法L2のみを変更することができることはもちろん、それら寸法L1,L2の両者を変更することができる。
【0043】
共振用導体管12の給電部19Aを包被する寸法L1の変更には、共振用導体管12の長さ寸法を変更する場合、共振用導体管12のガイド14に対する固定位置を長さ方向前方または長さ方向後方へ移動させる場合、または、それらの両者を併用する場合がある。グランド用導体管13の無給電部20を包被する寸法L2の変更には、グランド用導体管13の長さ寸法を変更する場合、グランド用導体管13のガイド14に対する固定位置を長さ方向前方または長さ方向後方へ移動させる場合、または、それらの両者を併用する場合がある。
【0044】
アンテナ10Aでは、共振用導体管12の給電部19Aを覆う寸法L1を図示のそれよりも長くすると、給電部19Aと共振用導体管12との共振点が高い方へ移動し、それによってアンテナ10Aの使用周波数帯域を高い方へ移動させることができる。逆に共振用導体管12の給電部19Aを覆う寸法L1を図示のそれよりも短くすると、給電部19Aと共振用導体管12との管内共振の波長が長くなり、アンテナ10Aの使用周波数帯域を低い方へ移動させることができる。
【0045】
アンテナ10Aでは、グランド用導体管13の無給電部20を覆う寸法L2を図示のそれよりも長くすると、無給電部20とグランド用導体管13との共振波長が長くなり、アンテナ10Aの使用周波数帯域を低い方へ移動させることができる。逆にグランド用導体管13の無給電部20を覆う寸法L2を図示のそれよりも短くすると、無給電部20とグランド用導体管13との共振点が高い方へ移動し、それによってアンテナ10Aの使用周波数帯域を高い方へ移動させることができる。
【0046】
アンテナ10Aでは、グランド用導体管13の内周面と不平衡給電材11の無給電部20の外周面(第2導体18の外周面)との間に所定のスペース29(空隙)が形成され、共振用導体管12の内周面と不平衡給電材11の給電部19Aの外周面(第1絶縁体17の外周面)との間に所定のスペース30(空隙)が形成されている。グランド用導体管13の内周面から不平衡給電材11の無給電部20の外周面(第2導体18の外周面)までの離間距離L3は、8〜12mmの範囲、最も好ましくは10mmである。また、共振用導体管12の内周面から不平衡給電材11の給電部19Aの中心(第1導体16の中心)までの離間距離L4は、離間距離L3と略同一である。
【0047】
アンテナ10Aは、離間距離L3を8〜12mmの範囲、好ましくは10mmにすることで、グランド用導体管13と無給電部20との電波の共振効率が最適となり、グランド用導体管13と無給電部20とを効率よく共振させることができる。また、共振用導体管12と給電部19Aとの電波の共振効率が向上し、共振用導体管12と給電部19Aとを効率よく共振させることができる。なお、不平衡給電材11の無給電部20が第1および第2導体16,18と第1および第2絶縁体17とから形成される場合、離間距離L3は、グランド用導体管13の内周面から第2導体18の外周面までの寸法となる。
【0048】
離間距離L3が8mm未満では、グランド用導体管13と不平衡給電材11の無給電部20との共振が不十分になるとともに、共振用導体管12と不平衡給電材11の給電部19Aとの共振が不十分になり、複数の共振周波数を得ることができず、アンテナ10Aにおける周波数帯域を広げることができない。離間距離L3が12mmを超過すると、アンテナ10Aにおける周波数帯域が最も広い状態で飽和し、それ以上アンテナ10Aの周波数帯域を広げることができないのみならず、離間距離L3を大きくし過ぎると、グランド用導体管13と無給電部20とを共振させることができない場合があるとともに、共振用導体管12と給電部19Aとを管内共振させることができない場合がある。
【0049】
アンテナ10Aは、図7に示すように、離間距離L3が略0.2mm(a点)から大きくなるにつれて使用周波数帯域が急勾配に広がり、離間距離L3が略10mm(b点)で使用周波数帯域が最も広い状態となり、離間距離L3がそれ以上大きくなったとしても、アンテナ10Aの使用周波数帯域は略一定となる。また、離間距離L4が略0.2mm(a点)から大きくなるにつれて使用周波数帯域が急勾配に広がり、離間距離L4が略6mm(b点)で使用周波数帯域が最も広い状態となり、離間距離L4がそれ以上大きくなったとしても、アンテナ10Aの使用周波数帯域は略一定となる。
【0050】
電波反射部材15は、アンテナ10Aから前後方向後方へ所定距離離間して配置されている。電波反射部材15は、アンテナ10Aから発射された電波を反射するとともに、送信された電波をアンテナ10Aに向かって反射する。電波反射部材15は、アンテナ10Aの外周面を包被するカバー部31と、カバー部31の上端部につながってアンテナ10Aの後方へ延びる第1連結部32と、カバー部31の下端部につながってアンテナ10Aの後方へ延びる第2連結部33と、それら連結部32,33につながってアンテナ10Aの周り方向へ円弧(正円)を画く反射部34とから形成されている。
【0051】
カバー部31とそれら連結部32,33とは、所定の誘電率を有する熱可塑性合成樹脂50(好ましくはプラスチック系の誘電率を有するポリテトラフルオロエチレン)から作られている。反射部34は、熱可塑性合成樹脂50と導電性金属51(アルミニウムや銅、メッキ等)とから作られている。導電性金属51は、反射部34を形成する熱可塑性合成樹脂50の内周面に接合され、アンテナ10Aの前後方向後方を取り囲むようにアンテナ10Aの周り方向へ円弧(正円)を画いている。
【0052】
カバー部31は、無給電部20の露出部分23(第2導体18の外周面)に固定手段を介して固定された円形の支持部分35と、支持部分35に回転可能に支持された円筒状の筒状部分36とから形成されている。筒状部分36には、アンテナ10Aが挿通されている。筒状部分36の支持部分35に対向する箇所には、筒状部分36を径方向へ貫通するビス孔37が作られている。ビス孔37には、ビス38の螺子山が嵌合する螺子溝(図示せず)が作られている。
【0053】
カバー部31では、支持部分35の外周面に筒状部分36の内周面が摺動可能に当接し、支持部分35に対して筒状部分36をアンテナ10Aの周り方向へ回転させることができる。その結果、電波反射部材15をアンテナ10Aの周り方向へ旋回させることができる。筒状部分36に形成されたビス孔37にビス38をねじ込むと、ビス38の螺子山がビス孔37の螺子溝に嵌合しつつ、ビス38がビス孔38に次第に進入する。ビス38がビス孔37に進入すると、ビス38の先端が支持部分35の周面に当接し、それによって筒状部分36が支持部分35に固定され、反射部材15がアンテナ10Aの所定の旋回位置に固定される。
【0054】
アンテナ10Aでは、不平衡給電材11の長さ方向へ延びる中心軸線S1(第1導体16の中心)と電波反射部材15を周り方向に二分して長さ方向へ延びる反射部材15の中心線S2とが一致するとともに、中心軸線S1から反射部材15の一方の側縁39までの距離と中心軸線S1から反射部材15の他方の側縁40までの距離とが同一となるように、反射部材15に対してアンテナ10Aが配置されている。アンテナ10Aでは、不平衡給電材11の中心軸線S1と電波反射部材15の内周面との離間距離がλ/4である。
【0055】
なお、不平衡給電材11の中心軸線S1と電波反射部材15の内周面との離間距離がλ/4であるが、このアンテナ10Aは、第1連結部32の表面積により、図3に示すように、不平衡給電材11の中心軸線S1と反射部材15の中心線S2とを結ぶ移動線S3の上を移動させることができる。具体的には、第1連結部32の表面積を大きくすることで、反射部材15の誘電率が高くなり、それによってアンテナ10Aを移動線S3上において電波反射部材15の反射部34に向かって移動させることができ、アンテナ10Aを反射部34に近づけることができる。アンテナ10Aを電波反射部材15の反射部34に近づけることで、アンテナ10Aの全体寸法を小さくすることができ、アンテナ10Aをコンパクトにすることができる。
【0056】
アンテナ10Aでは、不平衡給電材11の中心軸線S1と電波反射部材15の両側縁39,40とのなす角度αが120°である。なお、角度αは120°のみならず、他のあらゆる角度に設定することができる。アンテナ10Aは、図3に矢印D1,D2で示すように、それから前後方向後方へ発射された電波が電波反射材15(反射部34)によって反射され、反射された電波とアンテナ10Aの前面側(反射部材15の非対向側)から発射された電波とが前後方向前方へ向かって発射される。また、アンテナ10Aに送信された電波のうち、アンテナ10Aに受信されずにアンテナ10Aを通過した電波が電波反射部材15(反射部34)によってアンテナ10Aに向かって反射される。
【0057】
アンテナ10Aは、離間距離L3,L4が8〜12mmの範囲にあり、給電部19Aとその外周面を包被する共振用導体管12とが確実に管内共振するとともに、無給電部20とその外周面を包被するグランド用導体管13とが確実に共振し、複数の共振周波数を得ることが可能であり、得られた複数の共振周波数が一方向へ連続して隣り合うとともにそれら共振周波数の一部が重なり合うから、アンテナ10Aにおける使用周波数帯域を大幅に広げることができる。アンテナ10Aは、高い利得を得ることができるのみならず、それが使用可能な周波数帯域のうちのすべての帯域において電波を送信または受信することができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能であり、1本のみで広帯域の電波を送受信可能なアンテナ10Aを作ることができる。
【0058】
アンテナ10Aは、共振用導体管12の給電部19Aを包被する寸法L1を自由に設定することができるとともに、グランド用導体管13の無給電部20を包被する寸法L2を自由に設定することができるから、共振用導体管12の給電部19Aを覆う寸法L1のみを変更することができ、グランド用導体管13の無給電部20を覆う寸法L2のみを変更することができることはもちろん、それら寸法L1,L2の両者を変更することができる。アンテナ10Aは、共振用導体管12の給電部19Aを覆う寸法L1とグランド用導体管13の無給電部20を覆う寸法とのうちの少なくとも一方の寸法L2を変更することで、その使用周波数帯域を高い方と低い方とのいずれかへ移動させることができ、使用周波数帯域の高低を自由に調節することができる。
【0059】
アンテナ10Aは、その後方へ発射された電波が電波反射部材15によって反射され、その電波が前後方向前方へ発射されるから、アンテナ10Aから発射された電波のすべてを前後方向前方(所定の方向)へ発射することができるとともに、前後方向前方(所定の方向)から進入する電波をアンテナ10A全体で受信することができ、広い使用周波数帯域を有するアンテナ10Aに前後方向前方(特定方向)への指向性を持たせることができる。
【0060】
アンテナ10Aは、不平衡給電材11の中心軸線S1と電波反射部材15の両側縁39,40とのなす角度αが120°に設定された場合、アンテナ10Aを中心とした360°を3分割した範囲(アンテナ10Aを中心とした120°の範囲)に電波を確実に発射することができるとともに、3分割した範囲から電波を確実に受信することができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能かつ高い利得を有するアンテナ10Aに360°を3分割した範囲への指向性を持たせることができる。
【0061】
アンテナ10Aは、不平衡給電材11の中心軸線S1(給電部19Aの中心)と電波反射部材15の内周面との離間距離がλ/4に設定された場合、アンテナ10Aから発射された電波が効率よく反射部材15に達し、その電波が反射部材15によって反射されることで、アンテナ10Aから発射された電波のすべてを前後方向前方(所定の方向)へ発射することができる。また、前後方向前方(所定の方向)から進入して電波反射部材15によって反射した電波が効率よくアンテナ10Aに達し、アンテナ10A全体において電波を効率よく受信することができる。
【0062】
図8は、他の一例として示すアンテナ10Bの斜視図であり、図9は、図8の正面図である。図10は、図8の上面図であり、図11は、図8の11−11線矢視断面図である。それら図では、固定手段の図示を省略している。図11では、中心軸線S1を二点鎖線で示すとともに、電波反射部材15の図示を省略し、不平衡給電材11を切断しない状態で示す。図8〜11では、周り方向を矢印Aで示し(図8,10のみ)、長さ方向を矢印Bで示すとともに(図8,9,11のみ)、径方向を矢印Cで示す(図9,11のみ)。図10では、前後方向前方を矢印D1で示し、前後方向後方を矢印D2で示す。また、図11では、長さ方向前方を矢印B1で示し、長さ方向後方を矢印B2で示す。
【0063】
アンテナ10Bは、図1のそれと同様に、長さ方向へ延びる不平衡給電材11(同軸ケーブルまたはセミリジットケーブル)と、共振用導体管12(共振用スリーブ)およびグランド用導体管13(グランド用スリーブ)と、接続用導体ガイド14(接続用導体管)とから形成され、電波反射部材15を備えている。このアンテナ10Bが図1のそれと異なるところは接続用導体ガイド14の径方向の厚み寸法に差が形成されている点にあり、その他の構成は図1のアンテナ10のそれらと同一であるから、図1のアンテナ10の説明を援用するとともに、図1と同一の符号を付すことで、このアンテナ10Bのその他の構成の説明は省略する。
【0064】
アンテナ10Bでは、グランド用導体管13の内周面と不平衡給電材11の無給電部20の外周面(第2導体18の外周面)との間に所定のスペース29(空隙)が形成され、共振用導体管12の内周面と不平衡給電材11の給電部19Aの外周面(第1絶縁体17の外周面)との間に所定のスペース30(空隙)が形成されている。接続用導体ガイド14は、共振用導体管12を固定する前部41と、グランド用導体管13を固定する後部43とを有する。接続用導体ガイド14では、前部41の径方向の厚み寸法L5が後部42の径方向の厚み寸法L6よりも小さい。ゆえに、アンテナ10Bでは、グランド用導体管13の内周面から不平衡給電材11の無給電部20の外周面(第2導体18の外周面)までの離間距離L3が共振用導体管12の内周面から不平衡給電材11の給電部19Aの中心(第1導体16の中心)までの離間距離L4よりも大きくなっている。
【0065】
共振用導体管12のガイド14(ガイド14の前部41)への固定やグランド用導体管13のガイド(ガイド14の後部42)への固定は、ビス26を利用した図5の固定手段、または、導電性接着剤28を利用した図6の固定手段が用いられる。グランド用導体管13の内周面から不平衡給電材11の無給電部20の外周面(第2導体18の外周面)までの離間距離L3は、8〜12mmの範囲、最も好ましくは10mmである。共振用導体管12の内周面から不平衡給電材11の給電部19Aの中心(第1導体16の中心)までの離間距離L4は、4〜10mmの範囲、最も好ましくは6mmである。
【0066】
アンテナ10Bは、離間距離L3を8〜12mmの範囲、好ましくは10mmにすることで、無給電部20とグランド用導体管13との電波の共振効率が最適となり、無給電部20とグランド用導体管13とを効率よく共振させることができる。また、離間距離L4を4〜10mmの範囲、好ましくは6mmにすることで、給電部19Aと共振用導体管12との電波の共振効率が最適となり、給電部19Aと共振用導体管12とを効率よく共振させることができる。なお、不平衡給電材11の無給電部20が第1および第2導体16,18と第1および第2絶縁体17とから形成される場合、離間距離L3は、グランド用導体管13の内周面から第2導体18の外周面までの寸法となる。
【0067】
離間距離L3を前記範囲にする理由は、図1のアンテナ10Aのそれと同一である。離間距離L4が6mm未満では、共振用導体管12と不平衡給電材11の給電部19Aとの共振が不十分となり、複数の共振周波数を発生させることができず、アンテナ10Bにおける周波数帯域を広げることができない。離間距離L4が10mmを超過すると、アンテナ10Bにおける周波数帯域が最も広い状態で飽和し、それ以上アンテナ10Bにおける周波数帯域を広げることができないのみならず、離間距離L4を大きくし過ぎると、共振用導体管12と給電部19Aとを共振させることができない場合がある。なお、離間距離L3,L4と使用周波数帯域との相関関係は、図7を援用するとともにその説明を援用することで、その説明は省略する。
【0068】
アンテナ10Bは、図1のアンテナ10Aと同様に、共振用導体管12の給電部19Aを包被する寸法L1やグランド用導体管13の無給電部20を包被する寸法L2を自由に設定することができる。アンテナ10Bでは、共振用導体管12の給電部19Aを覆う寸法L1のみを変更することができ、グランド用導体管13の無給電部20を覆う寸法L2のみを変更することができることはもちろん、それら寸法L1,L2の両者を変更することができる。アンテナ10Bは、共振用導体管12の給電部19Aを覆う寸法L1とグランド用導体管13の無給電部20を覆う寸法L2とのうちの少なくとも一方の寸法L1,L2を変更することで、その使用周波数帯域を高い方と低い方とへ自由に移動させることができる。
【0069】
電波反射部材15は図1のそれと同一であるから、図1における反射部材15の説明を援用するとともに、図1の反射部材15と同一の符号を付すことで、反射部材15の詳細な説明は省略する。電波反射部材15は、アンテナ10Bから発射された電波を反射するとともに、送信された電波をアンテナ10Bに向かって反射する。電波反射部材15は、アンテナ10Bの外周面を包被するカバー部31と、カバー部31の上端部につながってアンテナ10Bの後方へ延びる第1連結部32と、カバー部31の下端部につながってアンテナ10Bの後方へ延びる第2連結部33と、それら連結部32,33につながってアンテナ10Bの周り方向へ円弧(正円)を画く反射部34とから形成されている。カバー部31では支持部分35に対して筒状部分36をアンテナ10Bの周り方向へ回転させることができ、その結果、電波反射部材15をアンテナ10Bの周り方向へ旋回させることができる。なお、ビス38をビス孔37に螺着することによって筒状部分36が支持部分35に固定され、反射部材15がアンテナ10Bの所定の旋回位置に固定される。
【0070】
アンテナ10Bでは、図10に示すように、不平衡給電材11の長さ方向へ延びる中心軸線S1(第1導体16の中心)と電波反射部材15を周り方向に二分して長さ方向へ延びる反射部材15の中心線S2とが一致するとともに、中心軸線S1から反射部材15の一方の側縁39までの距離と中心軸線S1から反射部材15の他方の側縁40までの距離とが同一となるように、反射部材15に対してアンテナ10Bが配置されている。アンテナ10Bでは、不平衡給電材11の中心軸線S1と電波反射部材15の内周面との離間距離がλ/4である。なお、このアンテナ10Bは、図1のそれと同様に、第1連結部32の表面積により、不平衡給電材11の中心軸線S1と反射部材15の中心線S2とを結ぶ移動線S3の上を移動させることができる。
【0071】
アンテナ10Bでは、不平衡給電材11の中心軸線S1と電波反射部材15の両側縁39,40とのなす角度αが120°である。なお、角度αは120°のみならず、他のあらゆる角度に設定することができる。アンテナ10Bは、図10に矢印D1,D2で示すように、それから前後方向後方へ発射された電波が電波反射部材15(反射部34)によって反射され、反射された電波とその前面側(反射部材15の非対向側)から発射された電波とが前後方向前方へ向かって発射される。また、アンテナ10Bに送信された電波のうち、アンテナ10Bに受信されずにアンテナ10Bを通過した電波が電波反射部材15(反射部34)によってアンテナ10Bに向かって反射される。ゆえに、このアンテナ10Bは、前後方向前方(特定方向)への指向性を有する。
【0072】
アンテナ10Bは、図1のアンテナ10Aが有する効果に加え、以下の効果を有する。アンテナ10Bは、グランド用導体管13の内周面から不平衡給電材11の無給電部20の外周面までの離間距離L3を共振用導体管12の内周面から不平衡給電材11の給電部19Aの中心までの離間距離L4よりも大きくすることで、給電部19Aと共振用導体管12との電波の共振効率や無給電部20とグランド用導体管13との電波の共振効率が最適となり、給電部12と共振用導体管19Aとを効率よく共振させることができるとともに、無給電部20とグランド用導体管13とを効率よく共振させることができる。
【0073】
アンテナ10Bは、離間距離L3が8〜12mmの範囲、好ましくは10mm、離間距離L4が4〜10mmの範囲、好ましくは6mmであり、給電部19Aとその外周面を包被する共振用導体管12とが確実に共振するとともに、無給電部20とその外周面を包被するグランド用導体管13とが確実に共振し、複数の共振周波数を得ることが可能であり、得られた複数の共振周波数が一方向へ連続して隣り合うとともにそれら共振周波数の一部が重なり合うから、アンテナ10Bにおける使用周波数帯域を大幅に広げることができる。アンテナ10Bは、高い利得を得ることができるのみならず、それが使用可能な周波数帯域のうちのすべての帯域において電波を送信または受信することができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能であり、1本のみで広帯域の電波を送受信可能なアンテナ10Bを作ることができる。
【0074】
図12は、他の一例として示すアンテナ10Cの斜視図であり、図13は、図12の正面図である。図14は、図12の上面図であり、図15は、図12の15−15線矢視断面図である。それら図では、固定手段の図示を省略している。図15では、中心軸線S1を二点鎖線で示すとともに、電波反射部材15の図示を省略し、不平衡給電材11を切断しない状態で示す。図12〜15では、周り方向を矢印Aで示し(図12,14のみ)、長さ方向を矢印Bで示すとともに(図12,13,15のみ)、径方向を矢印Cで示す(図13,15のみ)。図14では、前後方向前方を矢印D1で示し、前後方向後方を矢印D2で示す。また、図15では、長さ方向前方を矢印B1で示し、長さ方向後方を矢印B2で示す。
【0075】
アンテナ10Cは、図1のそれと同様に、長さ方向へ延びる不平衡給電材11(同軸ケーブルまたはセミリジットケーブル)と、共振用導体管12(共振用スリーブ)およびグランド用導体管13(グランド用スリーブ)と、接続用導体ガイド14(接続用導体管)とから形成され、電波反射部材15を備えている。このアンテナ10Cが図1のそれと異なるところは共振用導体管12のガイド14に固定される部分43の径方向の厚み寸法L7がグランド用導体管13のガイド14に固定される部分44の径方向の厚み寸法L8よりも小さい点にあり、その他の構成は図1のアンテナ10Cのそれらと同一であるから、図1のアンテナ10Cの説明を援用するとともに、図1と同一の符号を付すことで、このアンテナ10Cのその他の構成の説明は省略する。
【0076】
アンテナ10Cでは、グランド用導体管13の内周面と不平衡給電材11の無給電部20の外周面(第2導体18の外周面)との間に所定のスペース29(空隙)が形成され、共振用導体管12の内周面と不平衡給電材11の給電部19Aの外周面(第1絶縁体17の外周面)との間に所定のスペース30が形成されている。共振用導体管12は、ガイド14に固定される部分43の径方向の厚み寸法L7がグランド用導体管13のガイド14に固定される部分44の径方向の厚み寸法L8よりも小さい。ゆえに、アンテナ10Cでは、グランド用導体管13の内周面から無給電部20の外周面までの離間距離L3が共振用導体管12の内周面から給電部19Aの中心までの離間距離L4よりも大きくなっている。
【0077】
共振用導体管12のガイド14への固定やグランド用導体管13のガイド14への固定は、ビス26を利用した図5の固定手段、または、導電性接着剤28を利用した図6の固定手段が用いられる。グランド用導体管13の内周面から不平衡給電材11の無給電部20の外周面までの離間距離L3は、8〜12mmの範囲、最も好ましくは10mmである。共振用導体管12の内周面から給電部19Aの中心までの離間距離L4は、4〜10mmの範囲、最も好ましくは6mmである。
【0078】
アンテナ10Cは、離間距離L3を8〜12mmの範囲、好ましくは10mmにすることで、無給電部20とグランド用導体管13との電波の共振効率が最適となり、無給電部20とグランド用導体管13とを効率よく共振させることができる。また、離間距離L4を4〜10mmの範囲、好ましくは6mmにすることで、給電部19Aと共振用導体管12との電波の共振効率が最適となり、給電部19Aと共振用導体管20とを効率よく共振させることができる。なお、不平衡給電材11の無給電部20が第1および第2導体16,18と第1および第2絶縁体17とから形成される場合、離間距離L3は、グランド用導体管13の内周面から第2導体18の外周面までの寸法となる。離間距離L3,L4を前記範囲にする理由は、図1図8のアンテナ10A,10Bのそれらと同一である。なお、なお、離間距離L3,L4と使用周波数帯域との相関関係は、図7を援用するとともにその説明を援用することで、その説明は省略する。
【0079】
アンテナ10Cは、図1のアンテナ10Cと同様に、共振用導体管12の給電部19Aを包被する寸法L1やグランド用導体管13の無給電部20を包被する寸法L2を自由に設定することができる。アンテナ10Cでは、共振用導体管12の給電部19Aを覆う寸法L1のみを変更することができ、グランド用導体管13の無給電部20を覆う寸法L2のみを変更することができることはもちろん、それら寸法L1,L2の両者を変更することができる。アンテナ10Cは、共振用導体管12の給電部19Aを覆う寸法L1とグランド用導体管13の無給電部20を覆う寸法L2とのうちの少なくとも一方の寸法L1,L2を変更することで、その使用周波数帯域を高い方と低い方とへ自由に移動させることができる。
【0080】
電波反射部材15は図1図8のそれと同一であるから、図1における反射部材15の説明を援用するとともに、図1の反射部材15と同一の符号を付すことで、反射部材15の説明は省略する。アンテナ10Cでは、図14に示すように、不平衡給電材11の長さ方向へ延びる中心軸線S1(第1導体16の中心)と電波反射部材15を周り方向に二分して長さ方向へ延びる反射部材15の中心線S2とが一致するとともに、中心軸線S1から反射部材15の一方の側縁39までの距離と中心軸線S1から反射部材の他方の側縁40までの距離とが同一となるように、反射部材15に対してアンテナ10Cが配置されている。アンテナ10Cでは、不平衡給電材11の中心軸線S1と電波反射部材15の内周面との離間距離がλ/4である。なお、このアンテナ10Cは、図1のそれと同様に、第1連結部32の表面積により、不平衡給電材11の中心軸線S1と反射部材15の中心線S2とを結ぶ移動線S3の上を移動させることができる。
【0081】
アンテナ10Cでは、不平衡給電材11の中心軸線S1と電波反射部材15の両側縁39,40とのなす角度αが120°である。なお、角度αは120°のみならず、他のあらゆる角度に設定することができる。アンテナ10Cは、図に矢印D1,D2で示すように、それから前後方向後方へ発射された電波が電波反射材15(反射部34)によって反射され、反射された電波とその前面側(反射材15の非対向側)から発射された電波とが前後方向前方へ向かって発射される。また、アンテナ10Cに送信された電波のうち、アンテナ10Cに受信されずにアンテナ10Cを通過した電波が電波反射部材15(反射部34)によってアンテナ10Cに向かって反射される。ゆえに、このアンテナ10Cは、前後方向前方(特定方向)への指向性を有する。
【0082】
アンテナ10Cは、図1のそれが有する効果に加え、以下の効果を有する。アンテナ10Cは、グランド用導体管13の内周面から不平衡給電材11の無給電部20の外周面までの離間距離L3を共振用導体管12の内周面から不平衡給電材11の給電部19Aの中心までの離間距離L4よりも大きくすることで、給電部19Aと共振用導体管12との電波の共振効率や無給電部20とグランド用導体管13との電波の共振効率が最適となり、給電部19Aと共振用導体管12とを効率よく共振させることができるとともに、無給電部20とグランド用導体管13とを効率よく共振させることができる。
【0083】
アンテナ10Cは、離間距離L3が8〜12mmの範囲、好ましくは10mm離間距離L4が4〜10mmの範囲、好ましくは6mmであり、給電部19Aとそれを覆う共振用導体管12とが確実に共振するとともに、無給電部20とそれを覆うグランド用導体管13とが確実に共振し、複数の共振周波数を得ることが可能であり、得られた複数の共振周波数が一方向へ連続して隣り合うとともにそれら共振周波数の一部が重なり合うから、アンテナ10Cにおける使用周波数帯域を大幅に広げることができる。アンテナ10Cは、高い利得を得ることができるのみならず、それが使用可能な周波数帯域のうちのすべての帯域において電波を送信または受信することができ、広帯域(ブロードバンド)における使用が可能であり、1本のみで広帯域の電波を送受信可能なアンテナ10Cを作ることができる。
【0084】
図16は、一例として示す給電部19Bの斜視図である。図16では、給電部19Bおよび共振用導体管12の一部のみを示し、その他の図示を省略している。給電部19Bのうちの共振用導体管12から長さ方向前方へ露出する露出部分21は、第1導体16のみから形成された前方部位45と、第1導体16と第1絶縁体17とから形成され後方部位46とを有する。ゆえに、給電部19Bでは、第1導体16が第1絶縁体17からその長さ方向前方へ所定長さ露出している。なお、この給電部19Bを有するアンテナのその他の構成は、図1図8図11のいずれかの態様のアンテナ10A,10B,10Cのそれを使用することができる。
【0085】
図16の給電部19Bを有するアンテナ10A,10B,10Cは、給電部の全体が第1導体16と第1絶縁体17とから形成された場合と比較し、給電部19Bと共振用導体管12との共振点が高い方へ移動する。なお、給電部19Bにおける第1導体16の露出長さL9を大きくすると、共振点の高位への移動を大きくすることができ、給電部19Bにおける第1導体16の露出長さL9を小さくすると、共振点の高位への移動を小さくすることができる。
【0086】
図16の給電部19Bを有するアンテナ10A,10B,10Cは、図1図8図11のアンテナ10A,10B,10Cが有する効果に加え、以下の効果を有する。この給電部19Bを有するアンテナ10A,10B,10Cは、給電部19Bにおいて第1導体16を所定長さ露出させることで、共振点を高い方へ移動させることができ、それによってアンテナ10A,10B,10Cの使用周波数帯域を高い方へ移動させることができる。アンテナ10A,10B,10Cは、給電部19Bにおける第1導体16の露出長さL9を変更することで、使用周波数帯域の高低を自由に調節することができる。
【0087】
図17は、他の一例として示す給電部19Cの斜視図である。図17では、給電部19Cおよび共振用導体管12の一部のみを示し、その他の図示を省略している。給電部19Cのうちの共振用導体管12から長さ方向前方へ露出する露出部分21は、第1導体16のみから形成された前方部位45と、第1導体16と第1絶縁体17とから形成され後方部位46とを有する。ゆえに、給電部19Cでは、第1導体16が第1絶縁体17からその長さ方向前方へ所定長さ露出している。前方部位45(第1絶縁体17から露出する第1導体16)には、所定長さの第3金属導体管47(第3導体)が電気的に固定されている。第3金属導体管47は、アルミニウムや銅等から作られている。なお、この給電部19Cを有するアンテナのその他の構成は、図1図8図11のいずれかの態様のアンテナ10A,10B,10Cのそれを使用することができる。
【0088】
図17の給電部19Cを有するアンテナ10A,10B,10Cは、露出部分21が第1導体16と第1絶縁体17とから形成された場合や露出部分21が第1導体16のみから形成された場合と比較し、給電部19Cと共振用導体管12との管内共振点が高い方へ移動する。なお、前方部位45(第1導体16)に固定する第3金属導体管47の長さL10を大きくすると、使用帯域内において高い周波数部分のVSWRを最適化することができる。
【0089】
図17の給電部19Cを有するアンテナ10A,10B,10Cは、図1図8図11のアンテナ10A,10B,10Cが有する効果に加え、以下の効果を有する。この給電部19Cを有するアンテナ10A,10B,10Cは、給電部19Cにおいて第1導体16を露出させるとともに、第1導体16が露出した前方部位45に第3金属導体管47(第3導体)を固定することで、給電部19Cと共振用導体管12との共振点を高い方へ移動させることができ、それによってアンテナ10A,10B,10Cの使用周波数帯域を高い方へ移動させることができるとともに、使用帯域内において高い周波数部分のVSWRを最適化することができる。アンテナ10A,10B,10Cは、前方部位45(第1導体16)に固定する第3金属導体管47の長さL10を変更することで、使用周波数帯域のVSWRを自由に調節することができる。
【0090】
図18は、他の一例として示す給電部19Dの斜視図である。図18では、給電部19Dおよび共振用導体管12の一部のみを示し、その他の図示を省略している。給電部19Dのうちの共振用導体管12から長さ方向前方へ露出する露出部分21は、第1導体16のみから形成された前方部位45と、第1導体16と第1絶縁体17とから形成され後方部位46とを有する。ゆえに、給電部19Dでは、第1導体16が第1絶縁体17からその長さ方向外方へ所定長さ露出している。前方部位45(第1絶縁体17から露出する第1導体16)には、所定長さの第3絶縁体48が固定されている。第3絶縁体48には、所定の誘電率を有する熱可塑性合成樹脂を使用することができる。熱可塑性合成樹脂には、プラスチック系の誘電率を有するポリテトラフルオロエチレンを使用することが好ましい。なお、この給電部19Dを有するアンテナのその他の構成は、図1図8図11のいずれかの態様のアンテナ10A,10B,10Cのそれを使用することができる。
【0091】
図18の給電部19Dを有するアンテナ10A,10B,10Cは、露出部分21が第1導体16のみから形成された場合と比較し、給電部19Dと共振用導体管12との管内共振波長が長くなる。なお、前方部位45(第1導体16)に固定する第3絶縁体48の長さL11を大きくすると、共振波長の長さをより長くすることができ、前方部位45(第1導体16)に固定する第3絶縁体48の長さL11を小さくすると、共振波長の長さを短くすることができる。
【0092】
図18の給電部19Dを有するアンテナ10A,10B,10Cは、図1図8図11のアンテナ10A,10B,10Cが有する効果に加え、以下の効果を有する。この給電部19Dを有するアンテナ10A,10B,10Cは、給電部19Dにおいて第1導体12を露出させるとともに、第1導体12が露出した前方部位45に第3絶縁体48を固定することで、給電部19Dと共振用導体管12との管内共振波長を長くすることができ、それによって使用周波数帯域内において低い周波数部分のVSWRを最適化することができる。アンテナ10A,10B,10Cは、前方部位45(第1導体16)に固定する第3絶縁体48の長さL11を変更することで、使用周波数帯域のVSWRを自由に調節することができる。
【0093】
図19は、VSWR(電圧定在波比)と使用帯域との相関関係を示す図であり、図20,21は、アンテナ10A,10B,10Cの3平面(XY面、YZ面、ZX面)の周り方向において計測した電波強度を示す図である。図20は、XY面アンテナ特性の周り方向(0°〜360°)の電波強度の計測結果を示し、図21は、YZ面またはZX面アンテナ特性の周り方向(0°〜360°)の電波強度の計測結果を示す。
【0094】
それら図示のアンテナ10A,10B,10Cは、図19に示すように、使用周波数が約2.0GHz〜約6.0GHzにおいてVSWR(電圧定在波比)が3以下であり、高いVSWR(電圧定在波比)を維持した状態で、広い使用周波数帯域を持っていることが分かる。また、図20に示すように、XY面アンテナ特性の周り方向(0°〜360°)の電波強度が略真円を画き、図21に示すように、YZ面またはZX面アンテナ特性の周り方向(0°〜360°)の電波強度がバタフライ型を画いており、それらアンテナ10A,10B,10Cが良好な指向性を有していることが分かる。
【符号の説明】
【0095】
10A アンテナ
10B アンテナ
10C アンテナ
11 不平衡給電材
12 共振用導体管
13 グランド用導体管
14 接続用導体ガイド
15 電波反射部材
16 第1導体
17 第1絶縁体
18 第2導体
19A 給電部
19B 給電部
19C 給電部
19D 給電部
20 無給電部
21 露出部分
22 非露出部分
23 露出部分
24 非露出部分
31 カバー部
32 第1連結部
33 第2連結部
34 反射部
35 支持部分
36 筒状部分
39 側縁
40 側縁
41 前部
42 後部
43 部分
44 部分
45 前方部位
46 後方部位
47 第3金属導体管(第3導体)
48 第3絶縁体
L1 包被する寸法
L2 包被する寸法
L3 離間距離
L4 離間距離
L5 厚み寸法
L6 厚み寸法
L7 厚み寸法
L8 厚み寸法
L9 露出長さ
L10 長さ
L11 長さ
S1 中心軸線
S2 中心線
S3 移動線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21