特許第5769215号(P5769215)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5769215高くした後部床を有するシャーシ及び組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769215
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】高くした後部床を有するシャーシ及び組立方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   B62D25/20 G
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-521179(P2013-521179)
(86)(22)【出願日】2011年7月11日
(65)【公表番号】特表2013-532606(P2013-532606A)
(43)【公表日】2013年8月19日
(86)【国際出願番号】FR2011051643
(87)【国際公開番号】WO2012010769
(87)【国際公開日】20120126
【審査請求日】2014年4月15日
(31)【優先権主張番号】1056042
(32)【優先日】2010年7月23日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】タビュトー, パスカル
(72)【発明者】
【氏名】モデュイ, トマ
(72)【発明者】
【氏名】ビスロール, オリヴィエ
【審査官】 田合 弘幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−344955(JP,A)
【文献】 特開平06−344954(JP,A)
【文献】 特開2007−039020(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00554889(EP,A1)
【文献】 特開2009−193942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00−25/08
B62D 25/14−29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側方床補強材(4)を形成する2つのプレートによって前面部分を覆われ且つ閉じられるU字型部分の2つの縦部材(2)と、前記縦部材を接続する後部中央クロスメンバ(3)であって、前記側方床補強材(4)と同じ高さにある後部中央クロスメンバ(3)とを備え、前記側方床補強材(4)が溶接ストリップ(7a)を含む内側縁部(7)を有している自動車シャーシ(1)であって、
シート及びエネルギー貯蔵タンク用のハウジング(34)の両方を形成する高くした床領域を備え、前記高くした床領域が、横補強材(5)を形成すると共に溶接によって前記2つの側方床補強材(4)に固定されたレイザプレートの上方と、溶接により前記後部中央クロスメンバに固定された後部レイザ部分(14)の上方と、側方レイザ部分(13)を形成すると共に各々が溶接によって側方床補強材(4)の溶接ストリップ(7a)の一方に沿って固定された2つのプレートの上方とに配置されたシートクッション支持部(21)を形成するプレートを備えており、前記高くした床領域の前記シートクッション支持部(21)が、溶接によって、前記2つの側方レイザ部分(13)と、前記後部レイザ部分(14)と、前記横補強材(5)とに固定されていることを特徴とする、自動車シャーシ。
【請求項2】
前記自動車シャーシ(1)が、溶接によって前記2つの縦部材(2)と前記後部レイザ部分(14)とに固定されている後部床部分(6)も有している、請求項1に記載の自動車シャーシ。
【請求項3】
前記高くした床領域の前記シートクッション支持部(21)が、前記横補強材(5)を覆う前面プレート(22)であって、前記前面プレート及び前記横補強材によって画定される中空体(46)を形成するように少なくとも2つの溶接ビード(35,36)によって前記横補強材に組み付けられた前記前面プレート(22)を有している、請求項1又は2に記載の自動車シャーシ。
【請求項4】
前記横補強材(5)が、前記2つの側方床補強材(4)の内側縁部(7)の間に単独で延びている、請求項1から3のいずれか一項に記載の自動車シャーシ。
【請求項5】
前記後部レイザ部分(14)が、垂直プレート(19)及び水平プレート(18)を備えており、前記垂直プレート(19)及び水平プレート(18)によって、前記後部中央クロスメンバ(3)への溶接による固定が行われ、中空補強ボックス構造(33)が、前記水平プレート(18)と、溶接によって前記水平プレートに固定された閉鎖フレーム(25)を形成するプレートと、前記床のシートクッション支持部(21)の延長部(30)とによって後側に画定されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の自動車シャーシ。
【請求項6】
前記中空補強ボックス構造(33)が、前記後部レイザ部分(14)の前記垂直プレート(19)と前記閉鎖フレーム(25)とに固定された少なくとも1つのアンカ補強材(24)を内側に備えている、請求項5に記載の自動車シャーシ。
【請求項7】
自動車シャーシの構成要素を組み付ける方法であって、
−下部シャーシ部分を設けるステップであって、前記下部シャーシ部分が、側方床補強材(4)を形成する2つのプレートによって前面を覆われた2つの縦部材(2)を備え、且つ、前記縦部材を結合する後部中央クロスメンバ(3)であって、前記側方床補強材(4)と同じ高さにある後部中央クロスメンバ(3)を備え、前記側方床補強材(4)が溶接ストリップ(7a)を含む内側縁部(7)を有しているステップと、
−前記2つの側方床補強材(4)間に横補強材(5)を形成するレイザプレートを、溶接によって前記2つの側方床補強材(4)に固定すること、後部レイザ部分(14)を溶接によって前記後部中央クロスメンバに固定すること、側方レイザ部分(13)を形成する2つのプレートの各々を、溶接によって側方床補強材(4)の前記溶接ストリップ(7a)の一方に沿って固定すること、及びシートクッション支持部(21)を形成するプレートを、前記2つの側方レイザ部分(13)と、前記後部レイザ部分(14)と、横補強材(5)とに、前記3つのレイザ部分及び前記横補強材の上方において、溶接により組み付けることにより、シート及びエネルギー貯蔵タンク用ハウジング(34)の両方を形成する高くした床領域を前記下部部分に組み付けるステップと
を含む方法。
【請求項8】
部床部分(6)、前記2つの縦部材(2)と前記後部レイザ部分(14)とに、溶接によって固定されている、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車シャーシの分野に関し、具体的には電気駆動又はハイブリッド自動車に関する。電気駆動又はハイブリッド自動車に十分な自律性を与えるために、蓄電池を装着する必要がある。前記電池の容積は、例えば燃料タンクのような従来のエネルギー貯蔵タンクによって占められる容積より実質的に大きい。
【0002】
1つの解決法は、前記容積を車室から分離するように床の輪郭を変更することによって、座席の下に画定される容積を使用することである。したがって、座席は床の高くした領域の上に直接載る。座席の高さは、内燃機関によって駆動されるように設計された同じレンジの自動車と同じか、又はそれより高くすることができる。
【0003】
したがって、特開平07−156826号公報には電気駆動自動車用のシャーシ構造が開示されており、このシャーシ構造では、前記容積を車室から分離することによって、前部及び後部座席の下の容積が電池のために確保される。垂直レイザプレートが座席の前面及び背面に配置され、高くした床シートクッション領域が、前記垂直レイザプレートと、車体の側方部分に取り付けられる側方レイザ支持部との間に延在する。
【0004】
このような構造は、側方レイザ支持部が組み付けられる固定された車体側方部分に後部座席が接する必要があるため、3ドア自動車に適用することができない。さらに、同じ自動車を電気駆動モデル及び内燃機関によって駆動されるモデルとして提供することが望まれる場合、床要素を自動車の縦部材に組み付ける溶接点のラインを、電気自動車と、内燃機関によって駆動される自動車とで同じジオメトリにすることができない。したがって、2つの自動車の生産のために、2つの別個の溶接ラインを配置する必要があり、開発コスト及び製造コストの両方が増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来の燃料タンクより大きなエネルギー貯蔵タンク容積を必要とする電気自動車又は他の自動車のためのシャーシジオメトリを提案することである。
【0006】
本発明の目的は、また、多数の共有構成要素及び生産方法を使用して、電気駆動自動車及び内燃機関によって駆動される自動車を同時に生産することを可能にするシャーシジオメトリを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため、本発明は、側方床補強材を形成する2つのプレートによって前面部分を覆われ且つ閉じられるU字型部分の2つの縦部材と、縦部材を接続する後部中央クロスメンバであって、側方床補強材の領域内で平らな後部中央クロスメンバとを備え、側方床補強材が溶接ストリップを含む内側縁部を有している自動車シャーシを提案する。このシャーシは、シート及びエネルギー貯蔵タンク用ハウジングの両方を形成する高くした床領域を備え、高くした床領域は、横補強材を形成すると共に溶接によって2つの側方床補強材に固定されたレイザプレートの上方と、溶接によって後部中央クロスメンバに固定された後部レイザ部分上と、側方レイザ部分を形成すると共に各々が溶接によって側方補強材の溶接ストリップの一方に沿って固定された2つのプレートの上方とに配置されたシートクッション支持部を形成するプレートを備えており、床のシートクッション支持部は、溶接によって、2つの側方レイザ部分と、後部レイザ部分と、横補強材とに固定されていることを特徴とする。
【0008】
したがって、このようにシートクッション支持部の下に形成されたハウジングは、後部中央クロスメンバの前面に位置し、2つの側方レイザ部分によって側方の境界が定められている。
【0009】
側方レイザ部分を使用することにより、溶接を用いた組み立てプロセスを実質的に変更せずに、床を上昇させるすべての要素を設計することができる。具体的には、内燃機関によって駆動される自動車のシャーシの場合に側方床補強材に沿って設けられる溶接ラインの配置を、側方レイザ部分の組み立てのために維持することができる。したがって、同じ自動組立ラインを、電気駆動自動車及び内燃機関によって駆動される自動車を製造するために使用することができる。
【0010】
床は、溶接によって2つの縦部材及び後部レイザ部分に固定された後部部分を有してもよい。
【0011】
他の実施形態によれば、床の後部部分は、溶接によって2つの縦部材及び後部中央クロスメンバに固定されてもよい。2つの実施形態では、床の後部部分は、床のシートクッション支持部とは別個の部分である。
【0012】
有利には、床のシートクッション支持部は前面プレートを有し、前面プレートは、前面プレート及び側方補強材によって画定される中空体を形成するように、横補強材を覆うと共に、少なくとも2つの溶接ビードによって横補強材に組み付けられる。
【0013】
したがって、この実施形態では、前面プレート及び横補強材は、シートクッション支持部の上部に沿って延在する第1の溶接ラインによって固定されてもよく、前面プレートの下縁に沿って延在する第2の溶接ラインによって固定されてもよい。このようにして、エネルギー貯蔵タンクのハウジングの前部に良好な剛性が得られる。前部床は、第2の溶接ラインによって、前面プレート及び横補強材に組み付けられてもよい。
【0014】
好適には、横補強材は2つの側方床補強材間に単独で延在する。したがって、床の高くした領域は、自動車の車体の側方部分から独立しており、3ドア自動車及び5ドア自動車の両方に同じシャーシを使用することを可能にする。
【0015】
好適な実施形態によれば、後部レイザ部分は垂直プレート及び水平プレートを備え、この垂直プレート及び水平プレートによって、溶接により後部中央クロスメンバに固定される。中空補強ボックス構造が、前記水平プレートと、溶接によって水平プレートに固定された閉鎖フレームを形成するプレートと、床のシートクッション支持部の延長部とによって、後部側に画定される。
【0016】
有利には、中空補強ボックス構造は、内側に、後部レイザ部分の垂直プレート及び閉鎖フレームに固定された少なくとも1つのアンカ補強材を備える。
【0017】
他の特徴によれば、自動車シャーシの構成要素の組立方法では、
−下部シャーシ部分を設け、前記下部シャーシ部分は、側方床補強材を形成する2つのプレートによって前面を覆われた2つの縦部材を備え、且つ、長手部材を結合すると共に側方床補強材の領域内で平らな後部中央クロスメンバを備え、側方補強材は溶接ストリップを備える内側縁部を有し、
−前記2つの側方補強材間に横補強材を形成するレイザプレートを、溶接によって2つの側方床補強材に固定すること、後部レイザ部分を溶接によって前記後部中央クロスメンバに固定すること、側方レイザ部分を形成する2つのプレートの各々を、側方補強材の溶接ストリップの一方に沿って溶接によって固定すること、並びに、床のシートクッション支持部を形成するプレートを、溶接によって、2つの側方レイザ部分と、後部レイザ部分と、横補強材とに、3つのレイザ部分及び横補強材上の上方で組み付けることによって、シート及びエネルギー貯蔵タンク用ハウジングの両方を形成する高くした床領域を前記下部部分に組み付ける。
【0018】
このようにして、側方床補強材の内側縁部に沿って設けられる溶接点のラインは、高くされていないシートクッション支持部の組み付けのために、又は、シートクッション支持部と側方床補強材との間に側方レイザ部分を挿入する方法で実現されるシートクッション支持部の組み付けのために、機能することができる。
【0019】
好適な実施形態によれば、後部床部分は、溶接によって2つの縦部材及び後部レイザ部分に固定される。
【0020】
他の実施形態によれば、後部床部分を、溶接によって2つの縦部材及び後部中央クロスメンバに固定することが可能である。
【0021】
好適には、後部レイザ部分の高さに実質的に相当する高さの横補強材が使用される。
【0022】
本発明は、非限定的な例としてあげられ、添付図面によって示されるいくつかの実施例の詳細な説明を読むことによって、より明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明によるシャーシのいくつかの実施例の分解斜視図である。
図2図1に存在する要素と相補的な図1のシャーシのいくつかの要素の斜視図である。
図3図1の部分的に組み立てられたシャーシの斜視図である。
図4図1〜3のシャーシの組み立てられた部分の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1の矢印44は、図1〜4の左に位置する自動車(図示せず)の前方を示す。
【0025】
図1に示すように、シャーシ1は、U字型ビームからなる後部中央クロスメンバ3が側方に接続される、やはりU字型ビームの形態の2つの縦部材2によって側方を画定されている。縦部材2の上部は、2つの側方床補強材4によって後部クロスメンバ3の前面で閉じられる。側方床補強材4は、それぞれ、実質的に水平方向に折り曲げられ、自動車の中心に向かって、側方補強材4の内側縁部7に向かって高くなるシートから構成される。側方床補強材4の内側縁部7は溶接ストリップ7aを備えており、この溶接ストリップ7aは、同様のシートの溶接ストリップで覆うことによって溶接することができ、且つ縦部材2の内側縁部と同時に溶接することができる。溶接点7bのラインが、図1中でストリップ7aに沿って示されており、自動溶接ツール(図示せず)のためのガイドラインを形成している。
【0026】
後部床6は、後部クロスメンバ3の後方で縦部材2の上部に組み付けられるように設計される。横補強材5は、自動車の軸に対して横方向に実質的に垂直方向に折り曲げられたシートの形状であり、通路8が下部中央部に形成されている。横補強材5は、その側方及び上方周囲に、横補強材5をシャーシ1の他のシート要素に組み付けることを可能にする溶接延長部10a、10b及び11を有する。
【0027】
具体的には、横補強材5には、溶接によって側方補強材4及び縦部材2の前端に組み付けることを可能にする延長部10aが設けられている。
【0028】
電気駆動自動車用に設計されたシャーシを製造するために、2つの側方レイザ部分13及び後部レイザ部分14から構成される図2に示すレイザフレーム12は、側方補強材4の内側縁部7及び後部クロスメンバ3に組み付けられている。各側方レイザ部分13は、溶接ストリップ16によってその下縁に沿った境界が定められたほぼ垂直な横部分15を有する、折り曲げられた及び/又は折り畳まれたシート部分であり、そのジオメトリは、図1の側方補強材の内側縁部7の溶接ストリップ7aのジオメトリと相補的である。横補強材5の高さは、図3に示すような側方補強材4への組み付けの後、横補強材5が側方補強材4の上にかなり突き出るようなものである。
【0029】
各側方レイザ部分13は、その上縁に沿って、シートの主平面に対して実質的に直角に折り返された溶接ストリップ17も有する。各側方レイザ部分13は、その前端に、垂直に折り返された溶接部17aも有する。レイザフレーム12は、さらに、後部クロスメンバ3を覆うことができると共に後部床6の前縁及び垂直プレート19を支持することができる水平プレート18を形成するように折り畳まれたシートから作られた後部レイザ部分14を備え、垂直プレート19は、その垂直端部の各々に沿って、側方レイザ部分13の一方に溶接される。後部レイザ部分14の垂直プレート19は、上部に水平溶接ストリップ20を備える。したがって、レイザフレーム12の溶接ストリップ17及び20は、図3に示す床シートクッション支持部21を受けて溶接を可能にする。図1及び2と共通の要素が図3に示されているので、同じ要素は同じ参照番号によって示されている。
【0030】
図1のシャーシの組み付けられた要素が図3に示されている。横補強材5は、延長部10aを側方床補強材4及び縦部材2の前方部分に溶接することによって組み付けられている。後部床6は、溶接によって縦部材2の後部に組み付けられている。レイザフレーム12は、図2にも示されており、その溶接ストリップ16に沿って側方床補強材4の内側縁部7の溶接ストリップ7aに組み付けられている。レイザフレーム12は、水平プレート18を前記後部クロスメンバ3に溶接することによって、後部クロスメンバ3にも組み付けられる。レイザフレーム12は、また、その折り畳まれた溶接部分17aに沿って、且つ横補強材5の溶接延長部10bに沿って、横補強材5の側方縁部に溶接される。横補強材5、側方レイザ部分13、及び後部レイザ部分14の垂直プレート19は、このようにしてシートクッション支持部21を高くすることを可能にし、したがって後部座席の下に利用可能にすることができる容積34(図4に見られる)の範囲を定めることを可能にする。前記容積は、図3の分解図に示す床のシートクッション支持部21によって上部で閉じられる。シートクッション支持部21は、例えば、折り曲げられたシートであってもよい。前記シートクッション支持部は、シート取り付け部品(図示せず)が取り付けられる閉鎖カバー部分23を上部に備える。カバー23は、その周囲に沿って、それぞれ横補強材5に属する溶接ストリップ及び溶接延長部11、17、20と、側方レイザ部分13と、後部レイザ部分14とに組み付けられる。
【0031】
シートクッション支持部21は、カバー23から下方に折り返された前面プレート22も備える。この前面プレート22は横補強材5を覆うことができ、前面プレート22には、横補強材5の通路8とぴったり重なるように設計された通路領域9が形成される。
【0032】
図3に示すように、シャーシ1は、さらに、中空補強ボックス構造33を後部シート25及び後部レイザ部分14間に画定するように配置された、後部レイザ部分14の垂直プレート19と平行な垂直プレート28と、2つの側方プレート29とを含んで閉鎖フレームを形成するシート25を備える。シートクッション支持部21は、中空補強ボックス構造33の上部を閉じる支持プレート30によって後部まで延びる。支持プレート30は、溶接ストリップ20に沿って後部レイザプレート14に組み付けられ、且つ、垂直溶接ストリップ26に沿って後部閉鎖シート25に組み付けられる。前記支持プレートは、閉鎖シート25の側方プレート29の上部に接する溶接ストリップ31に沿って後部閉鎖シート25に組み付けられてもよい。
【0033】
2つのアンカ補強材24が、図示した実施例の中空補強ボックス構造33の内側に組み付けられる。各アンカ補強材24は、U字型に折り畳まれた補強シートを備える。シートは、補強材のU字型のベースを形成する面が、閉鎖シート25の後部の上縁と後部レイザ部分14の垂直プレートの上縁とを接続するように配置される。U字型の端部に対応する補強シートの端部は、後部レイザ部分の水平プレート18に組み付けられる。
【0034】
アンカ補強材24は、シートベルト及びシートの取り付け領域内で、自動車の横軸に対して配置される。アンカ補強材24は、このようにして、床の高くした部分の剛性を向上させるために中空ボックス構造33を堅くするように、且つシートベルト又は座席の取り付け部品からの力を後部クロスメンバ3に伝達するように機能する。図示の実施例では、2つのアンカ補強材24が使用されている。異なった数のアンカ補強材、例えば、単一の中央補強材、或いは、3つの補強材又は4つの補強材等を想定することができることは言うまでもない。
【0035】
図4は、図3の組み立てられたシャーシの概略断面図である。図1〜3と共通の要素が図4に示されており、したがって、同じ要素は同じ参照番号によって示される。図4に示すように、前部床部分32及び後部床6は実質的に同じ高さに位置し、この高さは、前記床が内燃機関によって駆動される自動車で占めることができる高さでもある。前部床部分32は、3つ分の厚さの溶接ライン35に沿って、横補強材5及びシートクッション支持部21の前面プレート22に組み付けられる。
【0036】
前面プレート22及び横補強材5は、また、横補強材5の溶接延長部11に沿って上部で組み付けられる。このようにして、前面プレート22及び横補強材5は中空体46を画定し、中空体46は、中空ビームとして機能すると共に、高くした領域の前面にこのように画定されるエプロンの、自動車の横方向での剛性を向上させる。
【0037】
図3に示すように、シートクッション支持部21のカバー23は、その長手方向縁部に沿って、側方レイザ部分13の上部溶接ストリップ17に溶接される。図4では、前記カバー23が、さらに3つの横溶接ライン36、37及び38に沿って溶接されているのを見ることができる。溶接ライン36は、横補強材5の溶接延長部11に沿って延在する溶接ラインである。ライン37は、後部レイザ部分14の上部水平ストリップ20に沿って延在する溶接ラインであり、溶接ライン38は、それぞれ支持プレート30及び閉鎖フレーム25の縁部の一部を形成する垂直溶接ストリップ27及び26を接続する。
【0038】
溶接ライン39は、後部レイザ部分14の水平プレート18の縁部を後部クロスメンバ3の前縁に接続する。溶接ライン40は、水平プレート18を、閉鎖シート25の水平折り返し部分と、後部クロスメンバ3の後縁とに接続する。溶接ライン41は、後部床6と、閉鎖シート25及び後部クロスメンバ3の後部に向かって突き出る水平プレート18の延長部とを接続する。
【0039】
溶接ストリップ17、7a、20、26及び溶接延長部10a、10b、11に沿って形成される溶接部は、連続する溶接ライン及びスポット溶接の両方であってもよいことに留意すべきである。
【0040】
中空ボックス構造33と、中空ボックス構造に強固に組み付けられる後部中央クロスメンバ3との連携は、使用される材料の量に対して良好な剛性を有する横ビーム構造を得ることを可能にする。後部床6は、後部中央クロスメンバ3の後縁に組み付けられてもよい。
【0041】
図1〜4で説明した配置によって、後部座席の下に容積34が利用可能となり、容積34には、一組の蓄電池又は加圧燃料タンクのようなエネルギー貯蔵タンクを収容することができる。提案した構造は、シートを車体の側方縁部から独立して保持する構造を保つことを可能にし、したがって、3ドア自動車及び5ドア自動車の両方に適している。
【0042】
さらに、電気駆動自動車の製造のために、前記構造は、内燃機関によって駆動される従来の自動車のシャーシを製造するのにも適した多数の部品を再使用することを可能にする。電気自動車用シャーシの製造のために、及び内燃機関によって駆動される自動車用シャーシの製造のために、本構造は、高くした床シートクッション支持領域、又は側方床補強材まで高くされていない床シートクッション支持領域を組み立てるために、同じ溶接ラインを使用することも可能にする。
図1
図2
図3
図4