(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モード選択区間が複数設けられている場合の最初のモード選択区間では、前記モード抽選確率が次に開始されるモード選択区間の最初に設定されている前記モード抽選確率より遊技者に有利となるように設定され、
且つ、
前記最初のモード選択区間では所定のモード抽選確率が共通に用いられ、
前記モード決定手段は、
前記最初のモード選択区間の通常遊技(以下、「第5の通常遊技」とする。)で特典遊技(以下、「第5の特典遊技」とする。)への移行抽選に当選した場合、
前記最初のモード選択区間では、次に開始されるモード選択区間の最初に設定されている前記モード抽選確率よりも前記第5の特典遊技の次の特典遊技(以下、「第6の特典遊技」とする。)への移行可能性が高いモード抽選確率を用いて、
前記第5の特典遊技終了後の通常遊技(以下、「第6の通常遊技」とする。)のモードを決定可能とし、
前記制御装置は、
前記モード決定手段により決定されたモードに従って、前記第6の通常遊技を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来発明では、BB遊技に当選するまでの通常遊技の遊技回数が多いほど、BB遊技終了後の特典遊技としてのAT遊技を優遇するものであり、これらのBB遊技やAT遊技等の特典遊技が終了した後の通常遊技が、特典遊技終了前の通常遊技中の特典遊技に当選するまでの遊技回数に基づいて変更するものではない。すなわち、特典遊技(BB遊技やART遊技)に当選するまでの通常遊技の遊技回数に基づいて、その特典遊技の内容には影響を及ぼしても、その特典遊技の終了後の通常遊技の内容に何ら影響を及ぼすものではなかった。
上述したような従来技術では、通常遊技の遊技回数に基づいて、特典遊技の内容が変わるだけであり、既に従来の遊技機で行われているものであり、こうした手法だけでは、遊技興趣の更なる向上を図ることが困難になっているという第1の問題点があった。
【0008】
さらに、通常遊技中に特典遊技に当選するまでの遊技回数に応じて、特典遊技の遊技内容(特典)が変動するものであって、その特典遊技終了後の通常遊技における次の特典遊技の当選のし易さや当選のし難さ、いわゆるはまり具合に影響を与えるものではない。
遊技者の気持ちとしては、通常遊技において例えば100ゲームの少ない遊技回数で移行抽選に当選した場合は、特に不満はないものの、通常遊技において例えば700ゲームの多い遊技回数で移行抽選に当選した場合は、その特典遊技終了後の次の通常遊技の移行抽選では少ない遊技回数で移行抽選に当選して欲しいと考える。また、通常遊技において例えば1000ゲームを超えるような大変多い遊技回数で移行抽選に当選した場合は、その特典遊技終了後の次の通常遊技における移行抽選では前回なかなか当選しなかったのだから今回は当然少ない遊技回数で移行抽選に当選して然るべきだと考える。すなわち、前回の通常遊技では、移行抽選になかなか当選しないはまりの状態になったのだから、今回の通常遊技では直ぐに移行抽選に当選しないと困ると考え、そのような期待感を持つことになる。
【0009】
従来の遊技機では、通常遊技における特典遊技に当選するまでの遊技回数(合計遊技回数)の結果が、その特典遊技終了後の通常遊技における特典遊技への移行抽選のし易さ(難さ)に全く影響せず一切反映しない(関連性が無い)ので、上述したような遊技者の気持ちや当選しないはまったなりの期待感に応えることができないという第2の問題点があった。
【0010】
本願における請求項1記載の発明は、上記の第1の問題点に鑑み、特典遊技に当選するまでの通常遊技の遊技回数に基づいて、その特典遊技の終了後の次の通常遊技の特典遊技への移行のし易さ(難さ)に影響を及ぼすことができて面白みを増すことができ、興趣に富む遊技にすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0011】
本願における請求項2記載の発明は、上記の第2の問題点に鑑み、上記した請求項1に記載の発明の目的に加え、遊技者のはまりの状態のときの気持ちや期待感に応えることができ、遊技者の不満を抑えることができるとともに、遊技者の利益量の調整が可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は2に記載の発明の目的に加え、特典遊技への移行条件が異なるものとなり遊技の複雑性を増すことができ、遊技性を興趣に富むものにすることができ、多くの遊技回数を経過(消化)した遊技者を救済することができて利益付与という点で全体としてバランスのとれたものにすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、上記した請求項2又は3に記載の発明の目的に加え、はまりが深ければ深いほど大きな利益をもたらすという単調な遊技性に変化を与えて、特典遊技終了直後のはまりが浅いときには逆に利益を大きくすることができるという意外性のあるものにすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、上記した請求項1、2、3又は4に記載の発明の目的に加え、役抽選の結果に基づいて実行される移行抽選で当選せずにチャンスが訪れないときであっても、所定の遊技回数を消化することで、通常遊技の所定の遊技回数の経過に基づく移行抽選が実行されることになって特典遊技への移行チャンスが訪れ、単調な遊技性に変化を与えることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、上記した請求項5に記載の発明の目的に加え、遊技者自ら勝ち取ったことへの特典としての意味をもたせることができ、自ら勝ち取ったことに満足感を与えることができ、遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、上記した請求項6に記載の発明の目的に加え、特典遊技終了後の通常遊技のモードは、複数のモードのうち利益が最大となる前記モードが採用される可能性が高くなり、大きな利益を遊技者に対して付与することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0017】
請求項8記載の発明は、上記した請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の発明の目的に加え、遊技が単調となることを防止し、意外性のある遊技にすることができ、遊技の面白みを増すことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0018】
請求項9記載の発明は、上記した請求項8に記載の発明の目的に加え、利益の重複付与を回避することができて利益付与のバランスをとって利益付与の調整をすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(請求項1)
請求項1記載の発明は、遊技を制御する制御装置100を備え、遊技として、通常の遊技である通常遊技と、前記通常遊技中において移行するか否かの抽選(以下、「移行抽選」とする。)に当選することで移行可能であり前記通常遊技よりも多くの特典を付与可能な特典遊技とを備えた遊技機10であって、前記通常遊技には、前記特典遊技への移行可能性が異なることで遊技者への利益付与の可能性が異なる複数のモードが設けられ、前記制御装置100は、前記通常遊技の所定の契機から前記移行抽選に当選するまでの遊技回数(以下、「合計遊技回数」とする。)をカウントする遊技回数カウント手段190と、前記特典遊技への移行抽選に当選した場合の前記特典遊技終了後の通常遊技の前記モードを前記複数のモードの中のいずれのモードにするかを抽選(具体的には、モード種類抽選)で決定可能なモード決定手段200と、前記モード決定手段200の前記抽選(モード種類抽選)に用いる前記各モードの抽選確率(以下、「モード抽選確率」とする。)を前記合計遊技回数に基づいて記憶したモード抽選テーブル210とを備え、前記モード抽選確率は、前記モード抽選テーブル210を参照することで前記合計遊技回数に基づいて変更可能に設定され、前記特典遊技終了後の前記通常遊技は、前記モード決定手段200の決定したモードで実行され、前記特典遊技への移行抽選に当選した場合の前記合計遊技回数に基づいて前記モード抽選テーブル210に記憶した前記モード抽選確率を用いた抽選で前記特典遊技終了後の通常遊技の前記モードが決定されることで、この通常遊技から移行可能な特典遊技の移行可能性を変化可能としたことを特徴とする。
【0020】
本発明では、モード決定手段200は、特典遊技終了後の通常遊技のモードを複数のモードの中のいずれのモードにするかを抽選(モード種類抽選)で決定する。その抽選(モード種類抽選)に用いられるモード抽選確率は、合計遊技回数に基づいてモード抽選テーブル210に記憶されている。このモード抽選確率は、モード抽選テーブル210を参照することで合計遊技回数に基づいて変更可能に設定されているものである。
【0021】
通常遊技の所定の契機から特典遊技への移行抽選に当選するまでの遊技回数、いわゆる合計遊技回数に基づいて、特典遊技の終了後の通常遊技のモードが、遊技者への利益付与の可能性が異なる複数のモードから決定される。これにより、合計遊技回数に基づいて、該特典遊技終了後の通常遊技のモードを、遊技者への利益付与の可能性が異なる複数のモードの中から、所定のモードを選択することが可能となる。
【0022】
すなわち、通常遊技における特典遊技に当選するまでの遊技回数の結果(合計遊技回数)を、その特典遊技終了後の次の通常遊技における特典遊技への移行可能性に影響させ、反映させる(関連付けさせる)ことが可能となり、結果として特典遊技終了後の将来の遊技者への利益付与の可能性に影響を与え、反映させることができる。これにより、全く対応(関連付け)されていないようなものと比較して、通常遊技から移行した特典遊技が終了した後の将来の遊技に対する設計の自由度が増え、その利益量を調整したり、又は、出玉の波を大きなものにする等の興趣に富むものにすることが可能となる。
【0023】
具体的には、本発明では、利益量の変動が穏やかとなるように調整された遊技機10や、利益量の変動が激しい遊技機10を出現させることが可能となる。
例えば、通常遊技において多くの遊技回数を経過してから移行抽選に当選し合計遊技回数が多くなって遊技者の不利益が大となった場合に、特典遊技終了後の通常遊技では遊技者への利益付与が他のモードと比べて大きくなるようなモードのモード抽選確率が高くなるようにしたり、次の特典遊技への移行可能性が他のモードと比べて大きくなるようなモードのモード抽選確率を高く設定することで、遊技者への利益付与の可能性が大きくなるように設定することができる。これにより、少ない遊技回数で次の特典遊技への移行が期待でき(はまり難くなって)、遊技者のはまりの状態のときの気持ちや期待感に応えることができ、遊技者の不満を抑えることが可能となる。遊技者にとって合計遊技回数が増えて不利益が大となっても特典遊技終了後の通常遊技では、遊技者への利益付与の可能性が大となって、結果として、利益量の変動が穏やかになるように遊技者の利益量を調整することができる。
【0024】
また逆に、例えば、通常遊技において多くの遊技回数を経過せずに僅かな遊技回数で移行抽選に当選し合計遊技回数が少ない状態となって遊技者の利益が大きくなったような場合に、特典遊技終了後の通常遊技でも、特典遊技への移行可能性が大となるようなモードのモード抽選確率を高く設定することで、遊技者への利益付与の可能性をさらに大きくなるように設定することができる。このようにすると、遊技者の利益が極めて短時間に飛躍的に増えて、遊技者が獲得できる利益量の波が非常に大きい傾向の遊技機10にすることもできる。
【0025】
なお、「特典遊技への移行可能性が異なることで遊技者への利益付与の可能性が異なる複数のモード」の「特典遊技への移行可能性が異なる」とは、特典遊技への移行抽選における移行抽選確率そのものの数値が異なるものや、その移行抽選が実行される頻度が異なるものや、移行抽選が実行される契機が短い期間内に発生することで移行可能性を高めたもの等も含まれる。
さらに、所定の遊技回数に到達することで特典遊技へ移行する、いわゆる天井が決定されているもので、その天井に至る前記所定の遊技回数が異なることで特典遊技の移行可能性が異なるようなものが含まれる。また、所定の遊技回数に到達することで特典遊技へ移行するための移行抽選が行われるものであって、その所定の遊技回数が異なることで特典遊技の移行可能性が異なるようなものも含まれる。
ここで、「移行抽選確率そのものの数値が異なる」とは、具体的には、例えば、後述するモードA、B、Cにおいてモード抽選確率が異なるものや、後述する第1移行抽選や第2移行抽選においてモード抽選確率が異なるものが含まれる(例えば、モード抽選確率が高くなると、特典遊技への移行可能性が増加する。)。
また、「その移行抽選が実行される頻度が異なるもの」とは、具体的には、例えば、移行抽選が実行される回数が、後述するモードA、B、Cにおいてそれぞれ異なるものや、後述する第1移行抽選及び第2移行抽選において各移行抽選の契機となる当選役の種類が変化するようなものが含まれる(例えば、第1移行抽選の契機となる当選役の種類が増えると特典遊技への移行可能性が増加する。)。
また、「移行抽選が実行される契機が短い期間内に発生することで移行可能性を高めたもの」とは、通常遊技の所定の遊技回数の経過に基づいて実行可能な後述する第2移行抽選の前記所定の遊技回数が変化するようなものが含まれる(例えば、第2移行抽選の前記所定の遊技回数が少なくなると特典遊技への移行可能性が増加する。)。
また、「天井に至る所定の遊技回数が異なることで特典遊技の移行可能性が異なる」とは、後述する最深解除遊技回数が異なるモードが設定されていることで特典遊技への移行可能性が異なるようなものが含まれる(例えば、最深解除遊技回数が少ないことで特典遊技への移行可能性が増加する。)
【0026】
なお、ここで、「遊技回数カウント手段190」がカウントする通常遊技の遊技回数は、モードを決定するためだけに用いてもよいし、モードを決定する以外の別の用途に用いてもよい。
また、ここで、「モード抽選確率」は、複数のモードにおいて、各モード毎に設定されているものであり、各モードが選択(設定)される確率である。
【0027】
また、ここで、「いずれのモードにするかを抽選(モード種類抽選)で決定可能なモード決定手段200」の「決定」には、移行抽選に当選した後に「最終的に1回だけ行う決定」以外にも、移行抽選に当選する前に「仮に行う決定」も含まれる。具体的には、例えば、通常遊技をある程度消化すると、その時点での通常遊技の遊技回数に基づいてモードを仮決定し、さらに通常遊技を進めると、再び、その時点での通常遊技の遊技回数に基づいてモードを仮決定し、さらに通常遊技を進めると、再び、その時点での通常遊技の遊技回数に基づいてモードを仮決定し、そして、特典遊技への移行が決定すると、最終的な通常遊技の遊技回数に基づいてモードを決定するようにしてもよいものである。このようにすると、通常遊技中に仮決定したモードに基づいて、次の通常遊技に関するモードを示唆することができる。
【0028】
また、ここで、「モード決定手段200」が、モードを決定するタイミングとして、特典遊技への移行抽選に当選したときから、特典遊技後の通常遊技が開始されるまでの間であればよいものである。なお、モードを決定するタイミングを特典遊技への移行抽選に当選したタイミング(遊技)にすると、その後も、遊技回数カウント手段190が、通常遊技の遊技回数を他の用途に用いるためにカウントするとしても、その移行抽選に当選したときの通常遊技の遊技回数を別途、記憶しておく必要がないため、その分の記憶容量等を不要にすることができる。
【0029】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記所定の契機から前記合計遊技回数までは、所定の遊技回数の範囲により少なくとも1つのモード選択区間に分類され、前記モード選択区間
には、遊技回数によって
複数の小区間に区分けされ
ているものが有り、前記モード決定手段200は、
前記複数の小区間を有する前記所定のモード選択区間の通常遊技(以下、「第1の通常遊技」とする。)で特典遊技(以下、「第1の特典遊技」とする。)への移行抽選に当選した場合、該移行抽選に当選する迄の合計遊技回数が増加して遊技回数が多い前記小区間になるほど、前記第1の特典遊技の次の特典遊技(以下、「第2の特典遊技」とする。)への移行可能性が高くなるモード抽選確率を用いて、前記第1の特典遊技終了後の通常遊技(以下、「第2の通常遊技」とする。)のモードを決定可能とし、前記制御装置100は、前記モード決定手段200により決定されたモードに従って、前記第2の通常遊技を制御することを特徴とする。
【0030】
本発明では、第1モード選択区間の通常遊技(第1の通常遊技)で特典遊技(第1の特典遊技)への移行抽選に当選した場合、第1モード選択区間において、合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど(移行するほど)、第1の特典遊技の次の特典遊技(第2の特典遊技)への移行可能性が高くなるモード抽選確率を用いて、第1特典遊技終了後の通常遊技(第2の通常遊技)へのモードが決定される。
第2の通常遊技では、モード決定手段200による抽選のモード抽選確率として、合計遊技回数が多いほど、次の特典遊技(第2の特典遊技)へ移行する可能性が高くなる確率が用いられるため、第2の通常遊技を行う遊技者に対して有利となる。
【0031】
合計遊技回数が増加している状態は、遊技者にとって通常遊技中に特典遊技へ直ぐに移行せずにいわゆるはまりの状態になって遊技者に対する不利益が大きな状態になっているものである。そのような状態のときの遊技者の気持ちとしては、通常遊技において直ぐに移行抽選に当選せずに多い遊技回数で移行抽選に当選した場合(すなわち合計遊技回数が多い場合)は、特典遊技終了後の次の通常遊技の移行抽選では少ない遊技回数で移行抽選に当選して欲しいと考える。
【0032】
すなわち、前回(第1の通常遊技)の移行抽選ではなかなか当選しなかったのだから所定の確率で正常に抽選が行われているのであれば今回(第2の通常遊技)は当然少ない遊技回数で移行抽選に当選して然るべきだと考える。そして、前回(第1の通常遊技)の通常遊技では、移行抽選になかなか当選しないはまりの状態になったのだから、今回(第2の通常遊技)の通常遊技では直ぐに移行抽選に当選しないと困ると考え、そのような期待感を持つことになる。
【0033】
第1の通常遊技における合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど、第1の特典遊技終了後の第2の通常遊技では、第2の特典遊技への移行可能性が高くなるように設定されているモード抽選確率を用いるため、遊技者への利益付与の可能性が大きくなって(少なくとも不利な状態にならず)、結果として、遊技者への利益量を合計遊技回数の増加に伴って調整することができる。
【0034】
これにより、遊技者のはまりの状態(合計遊技回数が多くなった状態)のときの気持ちや期待感に応えることができ、遊技者の不満を抑えることが可能となる。
また、本発明では、先の通常遊技(第1の通常遊技)において移行抽選に長期間、当選せずに合計遊技回数が多くなったときには、第1の特典遊技終了後の次の通常遊技(第2の通常遊技)では、遊技者に対して有利となるようなモード抽選確率(次の特典遊技(第2の特典遊技)へ移行する可能性が高くなるモード抽選確率)を用いて第2の通常遊技のモードが決定可能であるため、長期間にわたって遊技者に対する利益等の遊技全体のバランスをとることが可能となる。
【0035】
また、本発明では、通常遊技中に今回の特典遊技(第1の特典遊技)を獲得するために、第1の通常遊技において多くの遊技回数を要した場合、次の特典遊技(第2の特典遊技)を獲得するために要する次の通常遊技(第2の通常遊技)の遊技回数が少なくなり易くなる。このため、第1の通常遊技において多くの遊技回数を行って(多くの投資を行って)第1の特典遊技が終了した場合であっても、次の特典遊技(第2の特典遊技)を獲得しようと遊技を継続させる意欲を遊技者に喚起させることができる。特典遊技の終了により遊技を中止しようとする者に対して遊技を継続させる意欲を持たせることができる。
【0036】
なお、ここで、該移行抽選に当選する迄の合計遊技回数が増加して遊技回数が多い前記小区間になるほど、第2の特典遊技への移行可能性が高くなるモード抽選確率を用いて、第2の通常遊技のモードを決定可能にするとは、合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど、特定のモードのモード抽選確率が高くなって遊技者に対して有利となるようなものを含む。具体的には、例えば、合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど、遊技者に対して有利なモード(例えば、後述する天国モード)へのモード抽選確率が高くなるように設定されているようなものが含まれる。
【0037】
また、「前記所定の契機から前記合計遊技回数までは、所定の遊技回数の範囲により少なくとも1つのモード選択区間に分類され、」とは、具体的には、例えば、合計遊技回数は、遊技回数カウント手段190によりカウントが開始される所定の契機が成立した遊技から、移行抽選に当選した遊技までの遊技回数を示すものであり、言い換えると、所定の契機が成立した遊技から、移行抽選に当選した遊技までの遊技区間(期間)が、少なくとも1つのモード選択区間に分類されているようなものが含まれる。
また、ここで、「合計遊技回数」と、「モード選択区間」との関係は、具体的には例えば、以下のようなものが含まれる。
【0038】
モード決定手段200は、所定のモード選択区間の通常遊技aで特典遊技aへの移行抽選に当選した場合、当該移行抽選に当選するまでの合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど、次回の特典遊技bへの移行可能性が高くなるように設定されているモード抽選確率を用いて、特典遊技aの終了後の通常遊技bのモードを決定し、遊技制御手段は、モード決定手段200により決定されたモードに従って、特典遊技aの終了後の通常遊技bを制御するようなものが含まれる。
【0039】
また、ここで、「移行抽選に当選する迄の合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど第2の特典遊技への移行可能性が高くなるように設定されているモード抽選確率」とは、合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間に移行するほど、複数のモードのうち遊技者に対する利益が最大となるモードへのモード抽選確率が増加するように設定されているモード抽選確率を含む。このようなモード抽選確率が用いられると、合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど、第2の通常遊技のモードを決定する抽選では、複数のモードのうち遊技者に対する利益が最大となるモードが選択される可能性が高くなる。すなわち、合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど、第2の通常遊技のモードは、利益が最大となる前記モードが採用される可能性が高くなり、より大きな利益を遊技者に対して付与することができ、遊技者に対して不利にならないようにすることができる。
また、ここで、「小区間」とは、少なくとも1回の遊技であればよいものである。すなわち、合計遊技回数が1回の遊技毎にモード抽選確率が増加するようなものも含まれる。このような場合、遊技回数毎に予めモード抽選確率をデータとして記憶させてもよいが、データ量が多くなるため、演算手段により遊技回数毎にモード抽選確率が僅かずつ増加するような演算式を用いて、その都度、モード抽選確率を決定するようにしてもよいものである。
【0040】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記所定の契機から前記合計遊技回数までは、所定の遊技回数の範囲により複数のモード選択区間に分類され、前記モード選択区間の最後のモード選択区間では、他のモードと比べて遊技者に対して有利なモードの前記モード抽選確率が他のモード選択区間より低く設定され、且つ、前記合計遊技回数が予め定められた所定の閾値に達したとき、必ず前記特典遊技への移行が決定され、前記モード決定手段200は、前記最後のモード選択区間の通常遊技(以下、「第3の通常遊技」とする。)で特典遊技(以下、「第3の特典遊技」とする。)への移行に決定した場合、他のモード選択区間よりも前記第3の特典遊技の次の特典遊技(以下、「第4の特典遊技」とする。)への移行可能性が低いモード抽選確率を用いて、前記第3の特典遊技終了後の通常遊技(以下、「第4の通常遊技」とする。)のモードを決定可能とし、前記制御装置100は、前記モード決定手段200により決定されたモードに従って、前記第4の通常遊技を制御するようにしたことを特徴とする。
【0041】
本発明では、最後のモード選択区間を除いたモード選択区間では、移行抽選に当選すると特典遊技へ移行することができるが、当選しなければ特典遊技へ移行することはできない。
一方、最後のモード選択区間では、合計遊技回数が予め定められた所定の閾値に達したとき、必ず特典遊技への移行が決定される。
【0042】
複数のモード選択区間では、特典遊技への移行が移行抽選に当選したときに移行が決定されて当選しなければ移行が決定されない場合と、必ず移行することに決定される場合とが発生することになる。このように特典遊技への移行条件が異なるものとなり、遊技の複雑性を増すことができる。また、特典遊技への移行条件として移行抽選に当選することよりも必ず移行することの方が遊技者にとって有利となるため、かかる有利な条件が得られるように最後のモード選択区間となることに興味を抱かせることができる。結果として、遊技の複雑性を増し、遊技性を興趣に富むものにすることができる。
【0043】
この最後のモード選択区間であるということは、ここに至るまでに多くの遊技回数を経過(消化)し、多くの通常遊技を消化している(投資が行われている)ことになる。最後のモード選択区間で必ず特典遊技への移行が行われるようにしたことで、かかる遊技者を救済することができ、利益付与という点で全体としてバランスのとれたものにすることができる。
なお、ここで「必ず前記特典遊技への移行が決定される」の「決定」は、移行抽選を行って決定してもよいし、移行抽選を行わずに決定してもよいものである。すなわち、移行抽選の抽選確率を100%に設定して移行抽選の実行により必ず特典遊技の移行が決定されてもよいし、また、移行抽選を行うことなく、必ず特典遊技への移行が決定されるようにしてもよいものである。
【0044】
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記した請求項2又は3に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記モード選択区間が複数設けられている場合の最初のモード選択区間では、前記モード抽選確率が次に開始されるモード選択区間の最初に設定されている前記モード抽選確率より遊技者に有利となるように設定され、且つ、前記最初のモード選択区間では所定のモード抽選確率が共通に用いられ、前記モード決定手段200は、前記最初のモード選択区間の通常遊技(以下、「第5の通常遊技」とする。)で特典遊技(以下、「第5の特典遊技」とする。)への移行抽選に当選した場合、前記最初のモード選択区間では、次に開始されるモード選択区間の最初に設定されている前記モード抽選確率よりも前記第5の特典遊技の次の特典遊技(以下、「第6の特典遊技」とする。)への移行可能性が高いモード抽選確率を用いて、前記第5の特典遊技終了後の通常遊技(以下、「第6の通常遊技」とする。)のモードを決定可能とし、前記制御装置100は、前記モード決定手段200により決定されたモードに従って、前記第6の通常遊技を制御することを特徴とする。
【0045】
本発明では、最初のモード選択区間では、次に開始されるモード選択区間の最初に設定されているモード抽選確率よりも次の特典遊技(第6の特典遊技)への移行可能性が高くなるように設定されているモード抽選確率を用いて第6の通常遊技のモードを決定することができることで、次に開始されるモード選択区間の最初よりも遊技者に有利に設定されている(優遇されている)。すなわち、特典遊技が終了した直後の一定区間(最初のモード選択区間)では、その後のモード選択区間の最初よりも、遊技者にとって比較的有利なモードが抽選により選択されやすいことになる。
【0046】
本発明では、最初のモード選択区間において、比較的優遇されており、しかも、最初のモード選択区間ではモード抽選確率が共通に用いられている。これにより、この最初のモード選択区間では、遊技者に有利な状態が連続して発生しやすい状態となる。
具体的には、最初のモード選択区間内で特典遊技(第5の特典遊技)への移行抽選に当選した場合、前回の特典遊技から短い間隔で特典遊技(第5の特典遊技)へ移行することになる。その後、この特典遊技(第5の特典遊技)が終了した後の通常遊技(第6の通常遊技)は、特典遊技(第6の特典遊技)への移行可能性が高いモードに設定されるため、比較的短い間隔で特典遊技(第6の特典遊技)へ移行する可能性が高くなる。この様に、一旦、最初のモード選択区間内で特典遊技への移行抽選に当選すると、その後の特典遊技への移行が短い間隔で発生し易くなる(いわゆる、連荘を期待できる)ため、遊技者に有利な状態が連続して発生し易くなる。
また、この最初のモード選択区間では、モード抽選確率が共通に用いられているため、当該区間の最初に当選しても遊技者に対する優遇に差は発生せず不利な状態は発生し難いものとなる。例えば、はまれば、はまるほど大きな利益、はまらない場合には小さな利益のような設定になっていると、区間の最初に当選すると、その後は小さな利益となって遊技者に対して冷遇した状態が発生するが当該最初のモード選択区間ではそのような状態は発生せず安定して有利な状態が発生することになる。
結果として、特典遊技終了直後のモード選択の抽選をいわゆるはまりに関係なく、非常に有効なものにすることができる。単にはまりが深ければ深いほど大きな利益をもたらすという単調な遊技性に変化を与えて、特典遊技終了直後のはまりが浅いときには逆に利益を大きくすることができるという意外性のあるものにすることができる。
なお、請求項4に係る「最初のモード選択区間」は、請求項2に係る「モード選択区間」に比べて、その区間の長さ(遊技回数)を少なく設定しておくと良い。これにより、遊技者へ過大な利益をもたらして必要以上に射幸性が煽られることが避けられ、また、遊技店側も必要以上の損失を被る危険性が少なくなる。
【0047】
(請求項5)
請求項5記載の発明は、上記した請求項1、2、3又は4に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段120を備え、前記移行抽選は、前記役抽選手段120の役抽選の結果に基づいて実行可能な第1移行抽選と、通常遊技の
予め定めた遊技回数の経過に基づいて実行可能な第2移行抽選とを備え、各移行抽選に対応した前記モード抽選テーブル210がそれぞれ設けられ、前記モード決定手段200は、各移行抽選毎に対応するモード抽選テーブル210を用いて、いずれのモードにするかを抽選(モード種類抽選)で決定することを特徴とする。
【0048】
本発明では、役抽選の結果に基づいて実行される第1移行抽選で当選せずにチャンスが訪れないときであっても、所定の遊技回数を消化することで、通常遊技の所定の遊技回数の経過に基づく第2移行抽選が実行されることになって特典遊技への移行チャンスが訪れる。これにより、単調な遊技性に変化を与えることができる。
本発明では、第1移行抽選又は第2移行抽選に当選した場合に、それに対応するモード抽選テーブル210を特定し、特定したモード抽選テーブル210に基づいて、合計遊技回数に対応する各モードの抽選確率を特定することになる。この様に、各移行抽選の当選を契機に参照されるモード抽選テーブル210は、各移行抽選毎に設けられているため、例え合計遊技回数によって区分けされる小区間が多くなったとしても、各々の移行抽選において各モードの抽選確率に関する情報を特定し易くなっている。
【0049】
(請求項6)
請求項6記載の発明は、上記した請求項5に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記モード決定手段200における抽選(モード種類抽選)に用いる前記モード抽選確率は、前記第2移行抽選により移行が決定された前記特典遊技終了後の通常遊技のモードを決定するためのモード抽選確率よりも、前記第1移行抽選により移行が決定された前記特典遊技終了後の通常遊技のモードを決定するためのモード抽選確率の方が、遊技者に有利となるように優遇されていることを特徴とする。
【0050】
通常遊技の所定の遊技回数の経過により得られる第2移行抽選よりも、役抽選の結果に基づいて実行可能な第1移行抽選の方が遊技者自ら勝ち取ったという印象が強く満足感が高いものとなる。
第2移行抽選の抽選確率よりも第1移行抽選の抽選確率を高くして、第2移行抽選よりも第1移行抽選を優遇させることで、遊技者自ら勝ち取ったことへの特典としての意味をもたせることができる。これにより、自ら勝ち取ったことに満足感を与えることができ、遊技意欲の向上を図ることができる。
【0051】
(請求項7)
請求項7記載の発明は、上記した請求項6に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記モード抽選確率が遊技者に対して有利となるように優遇されているとは、複数のモードのうち遊技者に対する利益が最大となるモードへの前記モード抽選確率がより大きな値に設定されていることであることを特徴とする。
【0052】
本発明では、複数のモードのうち遊技者に対する利益が最大となるモードへのモード抽選確率が増加すると、モード決定手段200により、モード抽選確率に基づいて特典遊技終了後の通常遊技のモードを決定する抽選(モード種類抽選)の結果、複数のモードのうち利益が最大となるモードが選択される可能性が高くなる。すなわち、特典遊技終了後の通常遊技のモードは、複数のモードのうち利益が最大となる前記モードが採用される可能性が高くなり、大きな利益を遊技者に対して付与することができる。
【0053】
(請求項8)
請求項8記載の発明は、上記した請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記通常遊技中にカウントされる前記合計遊技回数の一部をストックする遊技回数ストック手段と、前記遊技回数ストック手段によりストックされた遊技回数(以下、「ストック遊技回数」とする。)を、その通常遊技から移行した特典遊技の終了後以降に開始される通常遊技の合計遊技回数に加算する遊技回数加算手段とを備えたことを特徴とする。
【0054】
合計遊技回数の一部をストックして、特典遊技終了後以降に開始される通常遊技の合計遊技回数に加算することで、合計遊技回数を不連続に変動させ、合計遊技回数の変動に伴うモード抽選確率の変動を発生させ、遊技が単調となることを防止し、意外性のある遊技にすることができ、遊技の面白みを増すことができる。
本発明では、ストックされた分の合計遊技回数を、次の通常遊技のさらに次の通常遊技におけるモードを決定(抽選)する場面で使用することが可能となるため、特典遊技を獲得した後でも、さらに遊技を続けようとする意欲を遊技者に持たせることができる。
【0055】
(請求項9)
請求項9記載の発明は、上記した請求項8に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記遊技回数ストック手段が前記合計遊技回数のストックを実行している間、前記モード抽選確率は、前記合計遊技回数が増加しても
前記ストックを実行する直前の値と同じになるように設定されていることを特徴とする。
【0056】
遊技回数ストック手段による合計遊技回数のストック実行中、モード抽選確率は、合計遊技回数が増加しても
前記ストックを実行する直前の値と同じになるように設定されている。
仮に、今回の通常遊技において、合計遊技回数のストック実行中に合計遊技回数が増加することにより、例えばモード抽選確率の増加等の遊技者に対する利益が付与されるようにすると、この利益付与に加えて、ストックした遊技回数が加算される将来の通常遊技においても、合計遊技回数にストック分が加算されて増加した分の利益が遊技者に付与されることになる。すなわち、合計遊技回数の増加による利益が今回及び将来の通常遊技において、重複して付与されることになり、遊技者に対する利益付与が増大してしまう。
本発明では、ストック実行中は、合計遊技回数が増加しても遊技者に対して有利にならないようにして、利益付与のバランスをとることができる(利益付与の調整をすることができる。)。
【発明の効果】
【0057】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、特典遊技に当選するまでの通常遊技の遊技回数に基づいて、その特典遊技の終了後の次の通常遊技の特典遊技への移行のし易さ(難さ)に影響を及ぼすことができて面白みを増すことができ、興趣に富む遊技にすることが可能な遊技機を提供することができる。
【0058】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、遊技者のいわゆるはまりの状態のときの気持ちや期待感に応えることができ、遊技者の不満を抑えることができるとともに、遊技者の利益量の調整をすることができ、さらに、長期間にわたって遊技者に対する利益に関して遊技全体のバランスをとることができ、さらに、多くの遊技回数を行って特典遊技が終了した場合であっても、次の特典遊技を獲得しようと遊技を継続させる意欲を遊技者に喚起させることができ、特典遊技の終了により遊技を中止しようとする者に対して遊技を継続させる意欲を持たせることができるようにした遊技機を提供することができる。
【0059】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、特典遊技への移行条件が異なるものとなり遊技の複雑性を増すことができ、最後のモード選択区間となることに興味を抱かせることができて遊技性を興趣に富むものにすることができ、最後のモード選択区間で必ず特典遊技への移行が行われるようにしたことで多くの遊技回数を経過(消化)した遊技者を救済することができて利益付与という点で全体としてバランスのとれたものにすることが可能な遊技機を提供することができる。
【0060】
請求項4記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明の効果に加えて、特典遊技終了直後のモード選択の抽選をいわゆるはまりに関係なく、非常に有効なものにすることができ、単にはまりが深ければ深いほど大きな利益をもたらすという単調な遊技性に変化を与えて、特典遊技終了直後のはまりが浅いときには逆に利益を大きくすることができるという意外性のあるものにすることが可能な遊技機を提供することができる。
【0061】
請求項5記載の発明によれば、請求項1、2、3又は4に記載の発明の効果に加えて、役抽選の結果に基づいて実行される第1移行抽選で当選せずにチャンスが訪れないときであっても、所定の遊技回数を消化することで、通常遊技の所定の遊技回数の経過に基づく第2移行抽選が実行され、特典遊技への移行チャンスが付与され、単調な遊技性に変化を与えることが可能な遊技機を提供することができる。
【0062】
請求項6記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の効果に加えて、第2移行抽選の抽選確率よりも第1移行抽選の抽選確率を高くして、第2移行抽選よりも第1移行抽選を優遇させることで、遊技者自ら勝ち取ったことへの特典としての意味をもたせることができ、自ら勝ち取ったことに満足感を与えることができ、遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供することができる。
【0063】
請求項7記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の効果に加えて、特典遊技終了後の通常遊技のモードは、複数のモードのうち利益が最大となる前記モードが採用される可能性が高くなり、大きな利益を遊技者に対して付与することが可能な遊技機を提供することができる。
【0064】
請求項8記載の発明によれば、請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の発明の効果に加えて、合計遊技回数の一部をストックして、将来の通常遊技の合計遊技回数に加算することで、その合計遊技回数を不連続に変動させ、合計遊技回数の変動に伴うモード抽選確率の変動を発生させ、遊技が単調となることを防止し、意外性のある遊技にすることができ、遊技の面白みを増すことが可能な遊技機を提供することができる。
【0065】
請求項9記載の発明によれば、請求項8に記載の発明の効果に加えて、ストック実行中
、モード抽選確率は、合計遊技回数が増加しても
ストックを実行する直前の値と同じになるようにして、合計遊技回数の増加にともなう利益の重複付与を回避することができて利益付与のバランスをとって利益付与の調整をすることが可能な遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0067】
(第1の実施の形態)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向も、遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0068】
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0069】
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個の駆動モータ(図示せず)と、この各駆動モータによってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記駆動モータ及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させる演出装置70が形成されている。この演出装置70は、前扉14に配置されているものであって、スピーカー72と、表示装置84と、演出用ランプ78とを備えている。なお、回転リール62は、通常、遊技進行のために用いられるが、遊技の進行を停止している状態において、通常の回転動作とは異なる挙動による演出(いわゆるリール演出)を示すことにより演出装置70の一種として使用してもよい。
【0070】
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置を有する演出ユニットを構成するものである。
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0071】
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38からあらかじめメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0072】
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。この精算スイッチ36の左側には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。このスタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。なお、後述するCBB中には上記3枚投入が2枚投入に設定されている。
【0073】
なお、マックスベットスイッチ34に加えて、又はマックスベットスイッチ34に代えて、クレジットしたメダル数を1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチを設けてもよい。
前記前扉14の下部の後方向(奥方向)には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払出手段24(
図3参照)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置(図示せず)とが配置されている。
【0074】
前記前扉14の下部には、所定の場合に貯留払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0075】
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、後述するメイン制御装置110の各遊技状態に対応した抽選テーブルを用いて役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0076】
なお「有効ライン86」は後述の停止図柄判定手段150の判定対象となるラインを意味し、後述する小役の「入賞」等は有効ライン86上に役に対応した図柄61の組合せが揃うことを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64、中回転リール66の中段と、右回転リール68の下段とを結んだ折れ線状の1本のみからなるものである。
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「赤7」、「青7」、「白7」、「ベル(BEL)」、「リプレイ(REP)」、「チェリー1(CH1)」、「チェリー2(CH2)」、「スイカ1(WM1)」、「スイカ2(WM2)」、「BAR」の複数の種々の図柄61が形成されている。
【0077】
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄61の番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0078】
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御装置110と、このメイン制御装置110からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出状態を制御するサブ制御装置300とを備えている。
【0079】
ここで、メイン制御装置110の制御に基づくスロットマシンの作動状態を遊技状態といい、サブ制御装置300の制御に基づくスロットマシンの作動状態を演出状態というものとする。なお、メイン制御装置110とサブ制御装置300との間は、メイン制御装置110への不正操作を防止するために、メイン制御装置110からサブ制御装置300への一方向の通信により行われ、サブ制御装置300からメイン制御装置110への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御装置110は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び貯留払出手段24の作動を制御する。サブ制御装置300は、メイン制御装置110から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御装置300の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0080】
なお、特に図示していないが、メイン制御装置110を有するメイン基板と、サブ制御装置300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御装置110は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御装置300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0081】
メイン制御装置110及びサブ制御装置300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0082】
本実施の形態に係る遊技機10では、通常に行われる通常遊技が設けられている。この通常遊技よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)状態と、ストップスイッチ50の停止操作順番や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組合せを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態とが設けられている。なお、RT状態は、メイン制御装置110により制御され、AT状態は、主にサブ制御装置300により制御される。上記アシストタイム(AT)状態は、通常状態よりも遊技者に利益となる特典を付与する可能性が高い特典遊技となるように形成されている。
【0083】
ここで、AT状態であり、且つ、RT状態で行われている遊技をアシストリプレイタイム遊技(ART遊技)としている。
すなわち、本実施の形態に係る遊技機10では、遊技として、通常の遊技である通常遊技と、この通常遊技中において移行するか否かの抽選(移行抽選)に当選することで移行可能であり通常遊技よりも多くの特典を付与可能な特典遊技(ART遊技)とを備えている。
【0084】
特典遊技としてのART遊技は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、特典遊技としてのART遊技は、役抽選の抽選結果、所定の移行役に当選した場合や、後述する移行抽選手段330により所定の移行抽選に当選した場合に開始可能であり、所定の遊技回数到達により終了可能なものである。なお、これらの開始条件や終了条件に限定されるものではなく、他の内容の条件に設定してもよいものである。
特典遊技としてのART遊技は、所定の移行抽選の結果に応じて所定の遊技回数だけ実行可能であるが、この実行可能な遊技回数は、所定の抽選により上乗せ可能に設定されている。この上乗せを決定する際には、特典遊技の遊技回数に上乗せするときの演出、いわゆる上乗せ演出が実行可能であり、この上乗せ演出としては、回転リール62を用いたリール演出と、表示装置84を用いた表示演出との両方が実行可能に形成されている。
【0085】
リール演出は、回転リール62を用いた演出であって、3個の回転リール62の回転や停止、回転方向の変更、回転速度の変更、回転加速度の変更、所定図柄61を揃えた状態で回転させる等の種々の手段により行われるものである。表示演出は、液晶表示装置84である表示装置84に表示される動画像や静止画像等により行われる演出である。なお、表示演出に伴ってスピーカー72からの音声や音楽や効果音等は適宜行われる。
【0086】
特典遊技としてのART遊技には、特典遊技(ART遊技)の開始条件の達成により開始され繰り返し実施可能な第1状態と、この第1状態の終了後に繰り返し実施可能な第2状態と、この第2状態の終了後に繰り返し実施可能な第3状態とが設けられている。
特典遊技(ART遊技)の開始に伴って第1状態が開始されるものであり、第2状態では、上乗せ演出の実行を示唆する前兆演出が実行可能であり、第3演出において上乗せ演出が実行可能となっている。
【0087】
メイン制御装置110は、役抽選手段120、リール制御手段130、停止図柄判定手段150、通常遊技制御手段160、RT制御手段170、ボーナス遊技制御手段180、遊技回数カウント手段190、モード決定手段200、モード抽選テーブル210、状態移行手段240、リール演出実行手段245、払出制御手段250、移行抽選手段330及び送信手段260の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0088】
なお、これらの手段、特に、遊技回数カウント手段190、モード決定手段200、モード抽選テーブル210、移行抽選手段330等は、メイン制御装置110ではなく、サブ制御装置300が有しても良い。その際、サブ制御装置300からメイン制御装置110へのデータの直接的な送信は行われていないので、そのような送信が必要な場合は、サブ制御装置300によりストップスイッチ50による停止操作の順番を演出装置70により遊技者に報知して、遊技者がその停止操作順番で停止操作すること等の間接的な伝達手段を介して、サブ制御装置300からの情報がメイン制御装置110へ伝達される。
以上の構成をもって、メイン制御装置110は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
【0089】
メイン制御装置110は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段120により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。なお、本実施の形態では、後述するボーナス遊技(CBB)中のみ上記規定数が2に設定されている。
【0090】
本実施の形態では、役として、大別すると、小役(メダルの払い出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
【0091】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
【0092】
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0093】
本実施の形態に係る遊技機10では、遊技状態として、通常に行われる(一般的な遊技である)通常状態と、この通常状態において役抽選手段120の役抽選によりボーナス(CBB)に当選したにもかかわらず当該ボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止しなかった場合に、通常状態から移行するRT1状態(CBB当選中状態)と、このRT1状態(CBB当選中状態)においてボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止した場合に移行し、通常状態よりも遊技者へ付与される利益がより大きくなり得るボーナス状態(CBB状態)とが設けられている(
図4参照)。
【0094】
さらに、再遊技役(リプレイ役)の抽選状態として、再遊技役(リプレイ役)の抽選確率が異なる複数の状態が設けられている。遊技状態として、再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が通常遊技状態での遊技よりも高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム状態(RT状態)が設けられている。このRT状態は、メイン基板を有するRT制御手段170により制御される。
【0095】
ボーナス状態は、移行役としてのボーナス移行役に当選し、さらにボーナス移行役に対応した図柄61の組合せ(例えば、「青7、青7、BAR」)が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技から開始される遊技である。なお、ボーナス移行役は、当選時の遊技で有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組合せが揃わなくても、次回の遊技以降、有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組合せが揃うまでボーナス移行役に当選した状態が有効である。その他の役は、当選時の遊技で有効ライン86上に役に対応する図柄61の組合せが揃わなければ、次回の遊技以降は無効となる。ボーナス状態は、ボーナス状態中に遊技者へ払い出したメダルの総枚数が予め設定された枚数を超えたときに終了する。
【0096】
本実施の形態では、ボーナス状態として、主にメイン制御装置110により制御されるチャレンジボーナス状態(CBB状態)が設けられている。チャレンジボーナス状態は、全ての小役を当選状態にすることで小役の入賞を容易にしているものである。なお、チャレンジボーナス状態中は所定の場合にストップスイッチ50の操作時から75ms以内に停止させることになっており、通常状態よりもいわゆる滑りコマ数が少なくなっている。具体的には、本実施の形態に係るチャレンジボーナス状態では、右回転リール68は、右ストップスイッチRを停止操作したときのタイミングで表示位置にある図柄61と、その図柄61の1コマ上の図柄61との2コマの範囲内の中から停止可能な、いわゆる「1コマすべり」の状態となっている。本実施の形態に係るチャレンジボーナス状態は28枚を超える払出枚数で終了する。もちろん、この終了条件は28枚に限定されるものではなく、他の枚数でもよいものである。
【0097】
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0098】
役抽選手段120は、メイン制御装置110が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段120は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類として通常状態用、ボーナス状態(CBB状態)用、RT1状態(CBB当選中状態)用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御装置110のROM上に記憶されている。役抽選手段120は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段120による処理は、後述するステップ113(
図9参照)において行われる。
【0099】
なお、役抽選手段120の役抽選に用いる抽選確率は、予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その抽選確率を規定するための値である設定値を変更するための筐体12内部の設定変更スイッチ(図示せず)を操作することにより、複数の設定値(具体的には、1〜6の6個)のうちいずれか1つを選択することで前記抽選確率の変更が可能となる。本実施の形態では、1〜6の6個の設定値が設けられ、設定値の数値が大きくなるほど、抽選確率が遊技者に原則として有利となるように規定されている。
【0100】
リール制御手段130は、メイン制御装置110が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段130は、役抽選手段120の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段130は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(停止操作順番)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。リール制御手段130による処理は、後述するステップ114(
図9参照)において行われる。
また、リール制御手段130は、遊技の進行が停止している、いわゆるフリーズ状態において、所定のリール演出を実行可能なものである。
【0101】
停止図柄判定手段150は、メイン制御装置110が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段150による処理は、後述するステップ115(
図9参照)において行われる。
【0102】
通常遊技制御手段160は、通常遊技の進行を制御するものである。ここで、通常遊技とは、後述するRT制御手段170によるリプレイタイム(RT)や、ボーナス遊技制御手段180によるCBB以外の遊技状態をいう。なお、通常遊技中における再遊技役の当選確率は、リプレイタイム(RT)状態よりも低く設定されている。
ここで、通常遊技には、特典遊技(ART遊技)への移行可能性が異なることで遊技者への利益付与の可能性が異なる複数のモードが設けられている。このモードは、所定の遊技回数(以下、「最深解除遊技回数」とする。)に到達すると、特典遊技(ART遊技)へ移行するように設定されているものである。この最深解除遊技回数は、いわゆる天井と呼ばれるものであって、この最深解除遊技回数が各モードで異なる数値が設定されていることで、各モードにより特典遊技(ART遊技)への移行可能性が異なるように設定されているものである。具体的には、本実施の形態では、モードとしては、各々異なる最深解除遊技回数を有するモードA(最深解除遊技回数1200回)、モードB(最深解除遊技回数800回)、モードC(最深解除遊技回数100回)、モードD(最深解除遊技回数1000回)の4種類のモードが設けられている(
図7参照。)。モードの種類の数は、これに限定されるものではなく、複数であればよいものであって、2又は3種類でもよく、また、5種類以上の数に設定してもよいものである。なお、これらのモードの内容等については後で詳細に説明する。
【0103】
また、この通常遊技は、所定の契機(具体的には、特典遊技の終了)から移行抽選に当選するまでの遊技回数(合計遊技回数)までは、所定の遊技回数の範囲により複数のモード選択区間に分類されている。具体的には、本実施の形態では、複数のモード選択区間としては、第1モード選択区間と、第2モード選択区間と、第3モード選択区間との3つからなる(
図6参照。)。このモード選択区間は、3つに分類されているが、特にこれに限定されるものではなく、少なくとも1つのモード選択区間が存在すればよいものである。このモード選択区間は、遊技回数1回でも可能なものである。なお、これらのモード選択区間の内容は、後で詳細に説明する。
【0104】
RT制御手段170は、本実施の形態では、リプレイタイム(RT)状態を制御するものである。
ボーナス遊技制御手段180は、ボーナス遊技、具体的には、CBB状態を制御するものである。
遊技回数カウント手段190は、通常遊技の所定の契機から移行抽選に当選するまでの遊技回数(合計遊技回数)をカウントするものである。ここで、「所定の契機」とは、特典遊技(ART遊技)の終了であって、特典遊技終了後に開始される通常遊技から遊技回数がカウントされるものである。なお、遊技回数カウント手段190がカウントする通常遊技の遊技回数は、モードを決定する以外の別の用途に用いてもよい。
遊技回数カウント手段190がカウントする遊技回数(合計遊技回数)には、後述するペナルティ状態であるときの遊技回数を含めずにカウントしないように設定されているが、もちろん、カウントするようにしてもよい。
なお、遊技回数カウント手段190は、通常遊技中にモード決定手段200によりモードが決定された場合には、当該通常遊技中でモード決定後の遊技回数のカウントは停止されるものである。
【0105】
モード決定手段200は、特典遊技(ART遊技)への移行抽選に当選した場合の特典遊技(ART遊技)終了後の通常遊技のモードを複数のモードの中のいずれのモードにするかを抽選(モード種類抽選)で決定可能なものである。そして、特典遊技(ART遊技)終了後の通常遊技は、制御装置100により、このモード決定手段200の決定したモードで実行される。
なお、このモード決定手段200のモード種類抽選に用いる各モードの抽選確率は、「モード抽選確率」として、後述するモード抽選テーブル210に記憶されている。
【0106】
モード決定手段200は、特典遊技への移行抽選に当選した場合の合計遊技回数に基づいてモード抽選テーブル210に記憶したモード抽選確率を用いたモード種類抽選で特典遊技終了後の通常遊技のモードを決定する。このため、この通常遊技から移行可能な次の特典遊技の移行可能性を変化させることができるように形成されている。
【0107】
ここで、通常遊技から移行可能な特典遊技の移行可能性を変化させるとは、具体的には、複数のモード(A、B、C)の中で最深解除遊技回数が100回に設定されて最も遊技者にとって有利となるモードC(天国モード)の抽選確率が、合計遊技回数に基づいて設定されていることを意味する。具体的には、合計遊技回数の予め定めた範囲毎に、モードCの移行抽選確率が変更されているものである。もちろん、特典遊技の移行可能性を変化させることは、これに限定されるものではなく、他のモードの移行抽選確率の変更を含めてもよいものであり、複数のモードの移行抽選確率の変更を含めてもよい。
【0108】
具体的には、モード決定手段200は、第1モード選択区間の通常遊技(第1の通常遊技)で特典遊技(第1の特典遊技)への移行抽選に当選した場合、この移行抽選に当選する迄の合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど、第1の特典遊技の次の特典遊技(第2の特典遊技)への移行可能性が高くなるように設定されているモード抽選確率を用いて、第1の特典遊技終了後の通常遊技(第2の通常遊技)のモードを決定可能としている。そして、制御装置100は、モード決定手段200により決定されたモードに従って、第2の通常遊技を制御する。
【0109】
また、モード決定手段200は、最後のモード選択区間(具体的には、第3モード選択区間、
図6参照。)の通常遊技(第3の通常遊技)で特典遊技(第3の特典遊技)への移行に決定した場合、他のモード選択区間(第1モード選択区間及び第2モード選択区間)よりも第3の特典遊技の次の特典遊技(第4の特典遊技)への移行可能性が低くなるように設定されているモード抽選確率を用いて、第3の特典遊技終了後の通常遊技(第4の通常遊技)のモードを決定可能としている。そして、制御装置100は、モード決定手段200により決定されたモードに従って、第4の通常遊技を制御する。
【0110】
また、モード決定手段200は、最初のモード選択区間(具体的には、第2モード選択区間、
図6参照。)の通常遊技(第5の通常遊技)で特典遊技(第5の特典遊技)への移行抽選に当選した場合、最初のモード選択区間(第1モード選択区間、
図6参照。)では、次に開始されるモード選択区間(具体的には、第1モード選択区間)の最初に設定されているモード抽選確率よりも第5の特典遊技の次の特典遊技(第6の特典遊技)への移行可能性が高くなるように設定されているモード抽選確率を用いて、第5の特典遊技終了後の通常遊技(第6の通常遊技)のモードを決定可能としている。そして、制御装置100は、モード決定手段200により決定されたモードに従って、第6の通常遊技を制御する。
【0111】
モード抽選テーブル210は、モード決定手段200のモード種類抽選に用いる各モードの抽選確率(モード抽選確率)を合計遊技回数に基づいて記憶したものである(
図8参照。)。
最初のモード選択区間(第2モード選択区間)では、モード抽選確率が次に開始されるモード選択区間(第1モード選択区間)の最初に設定されているモード抽選確率より遊技者に有利となるように設定され、且つ、最初のモード選択区間(第2モード選択区間)では所定のモード抽選確率が共通に用いられている。
【0112】
具体的には、最深解除遊技回数が100回に設定され遊技者に最も有利なモードCの移行抽選確率が、第2モード選択区間では、60%に設定され、次に開始される第1モード選択区間の最初に設定されているモード抽選確率の40%よりも遊技者に有利となるように設定され、且つ、第2モード選択区間ではこのモードCのモード抽選確率が60%で共通に用いられている(
図8参照。)。
【0113】
次に開始される第1モード選択区間では、移行抽選に当選する迄の合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど、次の特典遊技(第2特典遊技)への移行可能性が高くなるように設定されている。具体的には、合計遊技回数の予め設定された範囲が101〜200、201〜300、301〜500、501〜800、801〜1200のように増加すると、全モードの中で遊技者にとって最も有利なモードCの移行抽選確率が、順に40%、50%、60%、70%、90%と高くなるように設定されている(
図8参照。)。
【0114】
次に、モード選択区間の最後のモード選択区間(第3モード選択区間)では、他のモードと比べて遊技者に対して有利なモードCのモード抽選確率が0%に設定され、他のモード選択区間(第1モード選択区間、第2モード選択区間)のモード抽選確率40〜90%より低く設定され、且つ、合計遊技回数が予め定められた所定の閾値(具体的には1201回)に達したとき、必ず特典遊技への移行が決定されるように設定されている(
図8参照。)。
【0115】
状態移行手段240は、特典遊技中における第1状態(ART中通常状態)、第2状態(ART中上乗せ演出の前兆状態)及び第3状態(ART中上乗せ演出状態)の各状態の移行を行うためものものである。
【0116】
特典遊技(ART)では、いずれかの上乗せ演出の実行が決定された場合、さらに上乗せ演出の取得が可能になっている。
具体的には、状態移行手段240は、第1状態で上乗せ演出の実行が決定された場合、第2状態へ移行させ、第2状態の終了後に第3状態へ移行させる。
状態移行手段240は、第3状態の終了後に上乗せ演出の権利が残っていない場合、第1状態へ移行させる。
【0117】
状態移行手段240は、第3状態の終了後に上乗せ演出の権利が残っている限り、第2状態へ移行させ、第2状態の終了後に第3状態へ移行させて、第3状態の終了後の上乗せ演出の権利の残り数に基づいて同様のループ処理を繰り返すように設定されている。
リール演出実行手段245は、上乗せ演出としてのリール演出を演出装置70として作動中の回転リール62により実行するためのものである。このリール演出実行手段245は、上乗せ演出のリール演出を実行する。
【0118】
払出制御手段250は、停止図柄判定手段150の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段250は、停止図柄判定手段150の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
移行抽選手段330は、ART状態へ移行するか否かを抽選(移行抽選)で決定するものである。移行抽選手段330は、役抽選手段120の役抽選の結果に基づいて実行可能な第1移行抽選と、通常遊技の所定の遊技回数の経過に基づいて実行可能な第2移行抽選とを実行可能である。第1移行抽選は、役抽選手段120の役抽選の結果、所定の特定役に当選した場合に行われる移行抽選である。第2移行抽選は、本実施の形態では、遊技回数100回の経過毎に行うように設定されているが、特にこれに限定されるものではなく、所定の遊技回数(100回、200回、300回、500回、800回)等に設定してもよく、また、もっと頻繁に実行されるように50回や、20回の経過毎に行うように設定してもよい。
【0119】
さらに、上記以外にも、第2移行抽選は、例えば、第2移行抽選を実行した後や、特典遊技が終了した後に、所定の遊技回数の抽選テーブルから抽選により選択される遊技回数を決定し、この抽選で決定された遊技回数が経過したことを契機として第2移行抽選を実行するようにしてもよい。ここでの、遊技回数の抽選テーブルは、複数のモード(モードA・モードB・モードC)に対応した遊技回数が選択されるように予め設けておいても良い。この場合、遊技回数を設定するタイミングに応じた通常遊技のモードに対応する遊技回数が設定されることになる。
また、本実施の形態では、第2移行抽選の抽選確率は、一定の抽選確率に設定されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、第2移行抽選の抽選確率を規定する第2移行抽選テーブルを設け、この第2移行抽選テーブルの抽選確率を参照して第2移行抽選を実行するようにしてもよい。このときの第2移行抽選テーブルは、モード別に抽選確率が異なるように設定することで、第2移行抽選の抽選結果を、その時点での通常遊技で設定されているモードの種類によって左右させる(影響を与える)ことができる。
送信手段260は、サブ制御装置300へ信号を送信するためのものである。
【0120】
サブ制御装置300は、受信手段310及びART制御手段320の各手段を有する。ART制御手段320は、表示演出実行手段370及び終了判定手段380の各手段を有する。
受信手段310は、送信手段260からの信号を受信するものである。
ART制御手段320は、ART状態の演出状態を制御するものである。具体的には、ART制御手段320は、表示演出実行手段370と、終了判定手段380とを備えている。
【0121】
表示演出実行手段370は、表示装置84により行われる表示演出を実行するためのものである。
終了判定手段380は、ART状態の終了条件を満足したか否かを判定し、終了条件を満足した場合にART状態を終了させるものである。ART状態の終了の判断は、特に図示していないが、後述するフローチャートとは別個独立に行われており、ART状態の終了条件を満足した場合には、強制的に終了させる。ART状態の終了条件は、所定の遊技回数が終了した場合や、所定の停止操作順序に従わなかった場合や、所定の役を入賞させた場合に設定されている。もちろん、終了条件は、これらに限定されるものでない。
【0122】
なお、これらの手段はメイン制御装置110に配置してもよいものであり、表示演出実行手段370及び終了判定手段380を、サブ制御装置300ではなくメイン制御装置110に配置してもよい。
以上の構成をもって、サブ制御装置300は、メイン制御装置110からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
【0123】
図4に示すように、メイン制御装置110における移行状態は、通常状態と、RT1状態(CBB当選中状態)と、ボーナス状態(CBB状態)とがある。
通常状態は、通常遊技制御手段160により制御される通常遊技が行われる遊技状態である。通常状態において役抽選手段120による役抽選によりボーナス(CBB)に当選した場合に、通常状態からRT1状態(CBB当選中状態)に移行する。なお、このRT1状態(CBB当選中状態)では、通常状態よりも再遊技の抽選確率が高いリプレイタイム状態(RT状態)となっている。
【0124】
なお、本実施の形態において、通常状態中では数ゲーム以内にボーナス(CBB)に当選するように設定されており、遊技状態は、RT1状態(CBB当選中状態)で遊技される割合が大きいように設定されている。
【0125】
このRT1状態(CBB当選中状態)におけるRT状態は、RT制御手段170により制御される再遊技が高確率で当選する遊技状態である。RT状態において、CBBのボーナス移行役の図柄61の組合せ(青7、青7、BAR)が揃った場合に、CBB当選中状態、いわゆるRT状態からボーナス状態(CBB状態)に移行する。このボーナス状態(CBB状態)は、ボーナス遊技制御手段180により制御される。
ボーナス状態(CBB状態)において所定枚数、例えば、28枚の払出がされた場合に、CBB状態から通常状態に移行する。
【0126】
図5に示すように、特典遊技(ART)中における移行状態には、第1状態としてのART中通常状態と、第2状態としてのART中上乗せ演出の前兆状態と、第3状態としてのART中上乗せ演出状態との3つが設けられている。
【0127】
第1状態としてのART中通常状態において、役抽選の結果、所定役に当選する等の所定の契機において、上乗せ演出獲得抽選処理の結果、当選し、上乗せ演出の実行が決定された場合には、第2状態及び第3状態へ移行可能となり、更に上乗せ演出の取得が可能となる。
なお、特典遊技(ART)は、特に図示していないが、所定の遊技回数経過等の所定の終了条件を達成したときに、終了するように設定されている。
第3状態のART中上乗せ演出状態において、上乗せ演出が実行される。第2状態のART中上乗せ演出の前兆状態では、第3状態での上乗せ演出の実行を示唆する前兆演出が実行可能なものである。
【0128】
第1状態、第2状態及び第3状態のいずれにおいても、上乗せ演出の実行の権利を獲得可能であり、且つ、それに伴う上乗せ演出の実行の権利数のカウントが可能になっている。
第2状態の終了後に第3状態へ移行し、この第3状態の終了後に所定条件を満たすことで第1状態へ移行する場合と、他の条件を満たすことで第2状態へ戻り、この第2状態の終了後に第3状態へ移行して、同様のループ処理が繰り返される場合とがある。
【0129】
なお、いずれの状態にあっても、特典遊技(ART)の所定の終了条件を満たしたときには、特典遊技(ART)は終了するように形成されているが、終了のタイミングは必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、特典遊技(ART)は、終了条件を満たしたときには、第1状態では即終了し、第2状態及び第3状態では、第3状態の終了後に特典遊技(ART)が終了するようにしてもよい。
【0130】
図6に示すように、本実施の形態では、所定の契機(具体的には、特典遊技(ART)の終了)の後の通常遊技からカウントして次の移行抽選に当選するまでの遊技回数、すなわち合計遊技回数までは、3つのモード選択区間(第1モード選択区間、第2モード選択区間、第3モード選択区間)が設けられている。この3つのモード選択区間は、第1モード選択区間が遊技回数101〜1200回に設定され、第2モード選択区間が遊技回数1〜100回に設定され、第3モード選択区間が遊技回数1201回の1回の遊技だけに設定されている。なお、この第3モード選択区間は、その区間の長さが1201回の1回の遊技だけであるが、これに限定されるものではなく、複数回の遊技に設定してもよい。
【0131】
なお、
図6では、上段の横棒グラフ(帯グラフ)に遊技回数を示し、中段の柱状グラフの縦軸がモードCのモード抽選確率のデータ値(
図8参照)、横軸が遊技回数の範囲を示し、下段の横棒グラフ(帯グラフ)に遊技回数の範囲に対応するモード選択区間を示しているものである(
図12、
図16、
図18、
図20、
図26において同じ。)。
図6において、設定値が3の場合、モードCのモード抽選確率は、遊技回数1〜100回の第2モード選択区間より、第1モード選択区間の最初の小区間の方(遊技回数101〜300回)が低く設定されている。モードCのモード抽選確率は、第1モード選択区間において、段階的に徐々に高くなるように設定されている。モードCのモード抽選確率は、第3モード選択区間(遊技回数1201回)において、0に設定されている(
図8参照。)。
【0132】
図7に示すように、本実施の形態では、各々異なる最深解除遊技回数が設定された4種類のモード(モードA、モードB、モードC、モードD)が設けられている。
モードAは、最深解除遊技回数が1200回に設定されている最もハマリが深いモード、いわゆる「ハマリモード」と呼ばれるものであり、通常遊技状態のときモード決定手段200のモード種類抽選により設定可能なものである。
【0133】
モードBは、最深解除遊技回数が800回に設定され、モードAほどではないもののハマリが深いモード、いわゆる「ハマリモード」と呼ばれるものであり、通常遊技状態のときにモード決定手段200のモード種類抽選により設定可能なものである。
モードCは、最深解除遊技回数が100回に設定され、当たり(当選)し易い(ハマリ難い)モードであり、いわゆる「天国モード」と呼ばれるものであり、通常遊技状態のときモード決定手段200のモード種類抽選により設定可能なものである。
【0134】
モードDは、最深解除遊技回数が1000回に設定され、モードAとモードBとの中間程度にハマリが深いモードであり、設定値(1〜6)の変更が実施される設定変更時に設定されるモード、いわゆる「設定変更モード」と呼ばれるものである。なお、この設定変更は、当該遊技機10が設置された遊技ホールのホール管理者が筐体12内部の設定変更スイッチを操作することで役抽選の抽選確率を変更させるための設定値(1〜6)を変更させるものである。また、モードDは、上述したように設定変更時に設定されるものであるが、この設定変更時に加えて、特典遊技(ART)の終了時にも、この設定変更モードに設定してもよいものである。
【0135】
図8に示すように、本実施の形態の第1モード選択区間は、通常遊技の遊技回数が101〜1200回の範囲であって、当該区間内で特典遊技(ART)への移行抽選に当選した場合、この移行抽選に当選するまでの合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど、前記特典遊技の次の特典遊技への移行可能性が高くなるようにモード抽選確率が設定されている。
【0136】
この第1モード選択区間は、当選タイミング(つまり、実際にハマった分)に応じて、次の通常遊技のモードが遊技者(詳しくは、次の通常遊技を行う遊技者)に対して優遇可能となるような範囲である。
この第1モード選択区間は、他のモード選択区間よりも長い範囲(101〜1200回)に設定されてあり、複数の範囲(101〜200回、201〜300回等の深度レベル)に応じて、はまりが深い範囲になるほど、モードのモード抽選確率が遊技者に対して有利となる(優遇される)ようになっている。
【0137】
具体的には、第1モード選択区間は、101〜200回(合計100回)、201〜300回(合計100回)、301〜500回(合計200回)、501〜800回(合計300回)、801〜1200回(合計400回)の5つの遊技回数の範囲(小区間)が設けられている。例えば、複数のモードの中で遊技者に最も有利となるモードC(天国モード)のモード抽選確率は、遊技回数範囲101〜200回の40%よりも、遊技回数範囲201〜300回の50%の方が高確率である。第1モード選択区間では、最初の100回の遊技回数範囲より、次の100回の遊技回数範囲の方がモードC(天国モード)が採用され易くなっており、遊技者に有利となり、遊技者が優遇されるようになっている。同様に、モードCのモード抽選確率は、遊技回数範囲201〜300回の50%よりも、遊技回数範囲301〜500回の60%の方が高確率に設定され、遊技回数範囲301〜500回の60%よりも、遊技回数範囲501〜800回の70%の方が高確率に設定され、遊技回数範囲501〜800回の70%よりも、遊技回数範囲801〜1200回の90%の方が高確率に設定されている。遊技回数が多くなる範囲に移行するほど、モードC(天国モード)のモード抽選確率が高くなって、遊技者に対して有利となるように設定されている。
【0138】
また、それに伴い、第1モード選択区間では、いわゆる天井(最深解除遊技回数)が遊技回数1200回に設定され、遊技者に対して不利なハマリモードであるモードAのモード抽選確率が、遊技回数が多い範囲(小区間)に移行するほど、30%、25%、20%、15%、0%と減少し、遊技者に対して有利となるように設定されている。
【0139】
また、それに伴い、第1モード選択区間では、いわゆる天井(最深解除遊技回数)が遊技回数800回に設定され、遊技者に対して不利なハマリモードであるモードBのモード抽選確率が、遊技回数が多い範囲(小区間)に移行するほど、30%、25%、20%、15%、10%と減少し、遊技者に対して有利となるように設定されている。
【0140】
すなわち、第1モード選択区間では、遊技回数が多い範囲(小区間)に移行するほど(すなわち多くハマるほど)、遊技者に対して有利となるように設定されている。
なお、本実施の形態の第1モード選択区間では、小区間としての遊技回数の範囲(101〜200回、201〜300回等)毎にモード抽選確率を全て異ならせているが、これに限らず、異なる遊技回数の範囲に対して共通のモード抽選確率を設定しても良い。
また、本実施の形態では、第1モード選択区間では、第2モード選択区間に滞在しているときの遊技回数も、通常遊技の遊技回数として、遊技回数カウント手段190によりカウントされ(
図8参照。)、モード抽選確率に対して反映される(影響を及ぼす)ようになっている。すなわち、遊技回数カウント手段190による遊技回数のカウントは、異なるモード選択区間を跨いで通常遊技の遊技回数をカウントしている。しかし、遊技回数カウント手段190による遊技回数のカウントは、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、第1モード選択区間では、第2モード選択区間の遊技回数をカウントしないようにしてもよいものである。
【0141】
本実施の形態の第2モード選択区間は、通常遊技の遊技回数が1〜100回の範囲である。当該区間内では、特典遊技(ART)の移行抽選に当選するタイミングがいずれのタイミングであっても、共通のモード抽選確率が用いられる。この第2モード選択区間は、遊技回数が100回であって、第1モード選択区間よりも短い範囲(第1モード選択区間の最初の範囲101〜200回の遊技回数100回と同じ長さ)に設定されている。この第2モード選択区間は、第1モード選択区間における最初の範囲(101〜200回)よりも、モード抽選確率に関して遊技者(詳しくは、前記移行抽選に当選した特典遊技の後の通常遊技を行う遊技者)に対して有利となる(優遇される)ように設定されている。すなわち、第2モード選択区間の範囲(1〜100回、遊技回数100回)は、第1モード選択区間における最初の範囲(101〜200回、遊技回数100回)と同じ遊技回数100回であって、第1モード選択区間における最初の範囲(101〜200回)で設定されるモードCのモード抽選確率が40%であるのに対し、当該区間で設定されるモードCのモード抽選確率は60%に設定されている(
図8参照。)。
なお、本実施の形態では、第2モード選択区間に設定されるモードA及びモードBの抽選確率(20%、20%)は、第1モード選択区間の最初の範囲(小区間)に設定されるモードA及びモードBの抽選確率(30%、30%)よりも低確率に設定され、第2モード選択区間では、第1モード選択区間の最初の区間(小区間)よりもモードA及びモードBに決定され難く、遊技者に対して有利となっている(優遇されている)。
また、本実施の形態では、第2モード選択区間に設定されるモードCの抽選確率(60%)は、第1モード選択区間の最後の範囲(小区間)に設定されるモードCの抽選確率(90%)よりも低確率に設定されている。そして、第2モード選択区間に設定されるモードA及びモードBの抽選確率(20%、20%)は、第1モード選択区間の最後の範囲(小区間)に設定されるモードA及びモードBの抽選確率(0%。10%)よりも高確率に設定されている。
つまり、本実施の形態では、第2モード選択区間における「遊技者に対する優遇の程度」は、第1モード選択区間の最初の小区間(ハマリ度合いが少ないとき)の「遊技者に対する優遇の程度」と、第1モード選択区間の最後の小区間(ハマリ度合いが多いとき)の「遊技者に対する優遇の程度」と、の間(ほぼ中間)に設定されている。
【0142】
本実施の形態の第3モード選択区間は、通常遊技の遊技回数が1201回、すなわち1回(1ゲーム)の遊技の範囲であって、当該区間内における特典遊技(ART)の移行抽選の当選の有無に拘わらず、当該区間終了により、次の通常遊技のモードが抽選により選択される。なお、この「区間終了により次の通常遊技のモードが抽選により選択される」とは、区間が終了するまでにモード決定手段200のモード種類抽選によりモードが選択されるという意味である。本実施の形態の場合、第3モード選択区間は遊技回数1回であるので、当該区間の開始は、当該区間の終了でもあり、1201回目の遊技開始を契機にモード決定手段200のモード種類抽選によりモードが選択されるものである。
この第3モード選択区間は、他のモード選択区間(第1モード選択区間及び第2モード選択区間)よりも、次の通常遊技のモードが遊技者に対して不利となる(冷遇される)ように設定されている。すなわち、第1モード選択区間におけるモードCの最低のモード抽選確率が40%、第2モード選択区間におけるモードCの最低のモード抽選確率が60%であるのに対し、第3モード選択区間で設定されるモードCのモード抽選確率は0%に設定されている。
【0143】
本実施の形態の第3モード選択区間は、モード抽選確率に関して他のモード選択区間よりも遊技者に対して不利となる(冷遇されている)ものの、その反面、当該モード区間に突入した時点で、特典遊技(ART)への移行が確定するという、特典が付与される。
本実施の形態では、モード決定手段200は、通常遊技における特典遊技(ART)の移行抽選に当選した場合、予め設けておいたモード抽選テーブル210を参照して、この特典遊技終了後の通常遊技のモードを複数のモードの中のいずれのモードにするかの抽選を実行し、この抽選結果に応じたモードを次の通常遊技のモードに設定する。
【0144】
ここで、本実施の形態のモード抽選テーブル210は、設定値(6段階)に応じて設けた抽選テーブルであって(
図6及び
図8は設定値3の場合のモード抽選テーブル210)、各々のモード抽選テーブル210は、複数のモード選択区間と、各モードのモード抽選確率とを対応させて記憶している。第2及び第3モード選択区間は、各区間の遊技回数範囲内において、モード抽選確率は共通のものを用いており、モードの「優遇」が、各区間の遊技回数範囲内における特典遊技(ART)への移行抽選の当選タイミングに左右されない。
【0145】
なお、第1モード選択区間は、モード抽選確率による優遇の程度が、複数の遊技回数の範囲(5つの範囲(小区間))で異なり、複数の範囲(小区間)のそれぞれにモード抽選確率が設定されている。なお、
図6及び
図8は、設定値3の場合の数値に基づいて作成されているものであるが、他の設定値の場合であっても、数値自体は少々異なっても、上述したような傾向は全て同様となるように設定されている。なお、数値自体は、設定値1から6に数値が増加するほど、遊技者に有利となるように設定されている。
【0146】
なお、本実施の形態では、設定変更時に設定されるモード(いわゆる設定変更モード)を「モードD」として予め定めている(
図7参照。)。これ以外にも、モード抽選確率を規定したモード抽選テーブル210を設けてもよい。
【0147】
本実施の形態では、特典遊技(ART)への移行抽選に当選したタイミング(遊技)で、当該特典遊技終了後の通常遊技におけるモードを決定しているが、これ以外にも、例えば特典遊技(ART)の前兆遊技中や、特典遊技(ART)の遊技開始時など特典遊技(ART)への移行が確定している状態のいずれのタイミングで、この特典遊技終了後の通常遊技のモードを決定してもよい。つまり、「ハマリ」として計数される通常遊技の遊技回数のカウントを記憶しておけば、特典遊技(ART)の移行抽選に当選した後にこの特典遊技終了後の通常遊技のモードを決定するための抽選を実行しても、「ハマリに応じた」ものにすることができる。
【0148】
図9に示すフローチャートに基づいて、メイン制御装置110が1回の遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
ステップ112において、メイン制御装置110により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御装置110により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップ113に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップ112となる。
【0149】
なお、このステップ112の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御装置110により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(2又は3)に達しているか否かの判定が行われる。
【0150】
ステップ113において、役抽選手段120により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップ114に進む。
【0151】
ステップ114において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御装置110により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段130により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する停止操作順番は、メイン制御装置110に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
また、全ての停止操作終了後、メイン制御装置110の送信手段260からサブ制御装置300の受信手段310へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、全ての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップ115に進む。
【0152】
ステップ115において、停止図柄判定手段150により、有効ライン86上の図柄61の組合せに対して所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの入賞等の判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップ116に進む。
ステップ116において、払出制御手段250により、停止図柄判定手段150の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
【0153】
図10に示すフローチャートに基づいて、メイン制御装置110により実施されるモード選択処理について説明する。
先ず、ステップ210において、筐体12内部の設定変更スイッチ(図示せず)等が操作された設定変更時であるか否かが判定される。そして、設定変更時であると判定された場合、次のステップ211に進み、設定変更時でないと判定された場合、ステップ213に進む。
ステップ211において、通常遊技のモードのリセット処理が行われる。具体的には、通常遊技のモードが設定変更モードであるモードDに設定されるものである。そして、次のステップ212に進む。
【0154】
一方、前記ステップ210で設定変更時でないと判定された場合は、ステップ213において第1移行抽選に当選したか否かが判定される。なお、この第1移行抽選は、役抽選手段120の役抽選の結果に基づいて実行可能な移行抽選である。そして、第1移行抽選に当選したと判定された場合は、次のステップ214に進み、第1移行抽選に当選していないと判定された場合は、ステップ215に進む。
ステップ214において、モード種類抽選処理が実行される。そして、次のステップ212に進む。
【0155】
前記ステップ213で第1移行抽選に当選していない場合、ステップ215において、第2移行抽選に当選したか否かが判定される。なお、この第2移行抽選は、通常遊技の所定の遊技回数の経過に基づいて実行可能な移行抽選である。そして、第2移行抽選に当選したと判定された場合、次のステップ216に進み、第2移行抽選に当選していないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ216において、モード種類抽選処理が実行される。そして、次のステップ212に進む。
【0156】
ステップ212において、モードリセット処理又はモード種類抽選処理により決定されたモードを次の通常遊技のモードに設定する。そして、当該処理が終了する。
図11に示すフローチャートに基づいて、モード決定手段200により実施されるモード種類抽選処理について説明する。
【0157】
先ず、ステップ250において、モード決定手段200が、遊技回数カウント手段190によりカウントされた合計遊技回数を取得する。具体的には、モード種類抽選処理が、第1移行抽選に当選したと判定されたとき(ステップ213のYES)、又は、第2移行抽選に当選したと判定されたとき(ステップ215のYES)、に実行されるため、モード決定手段200が、遊技回数カウント手段190により前回の特典遊技終了後に開始される通常遊技から移行抽選(第1移行抽選又は第2移行抽選)に当選するまでにカウントされた遊技回数を取得する。そして、次のステップ251に進む。
ステップ251において、モード決定手段200が、現在の設定値の情報を取得する。そして、次のステップ252に進む。
【0158】
ステップ252において、モード決定手段200が、合計遊技回数と取得した設定値とに対応するモード抽選テーブル210のモード抽選確率を取得する。具体的には、例えば、合計遊技回数が80回で、設定値が3の場合、モード抽選テーブル210(
図8)により、モードAが20/100(20%)、モードBが20/100(20%)、モードCが60/100(60%)のモード抽選確率が取得されるものである。そして、次のステップ253に進む。
ステップ253において、モード決定手段200により、取得したモード抽選テーブル210のモード抽選確率を用いて、抽選が行われる。そして、当該処理が終了する。
【0159】
本実施の形態では、モード決定手段200は、特典遊技終了後の通常遊技のモードを複数のモードの中のいずれのモードにするかをモード種類抽選で決定する。そのモード種類抽選に用いられるモード抽選確率は、合計遊技回数に基づいてモード抽選テーブル210に記憶されている。このモード抽選確率は、モード抽選テーブル210を参照することで合計遊技回数に基づいて変更可能に設定されている。
【0160】
通常遊技の所定の契機(具体的には、前の特典遊技(ART)終了後に開始された通常遊技)から特典遊技(ART)への移行抽選に当選するまでの遊技回数、いわゆる合計遊技回数に基づいて、特典遊技(ART)の終了後の通常遊技のモードが、遊技者への利益付与の可能性が異なる複数のモード(モードA、モードB、モードC)の中から決定される。これにより、合計遊技回数に基づいて、該特典遊技(ART)終了後の通常遊技のモードを、遊技者への利益付与の可能性が異なる複数のモードA、B及びCの中から、所定のモードを選択することが可能となる。
本実施の形態に係る遊技機10は、通常遊技中に多くの遊技回数が経過しても特典遊技への移行抽選に当選せず、いわゆるはまりの状態となって特典遊技に当選した場合、当該特典遊技後の通常遊技をはまり難くするものである。このはまり難くするために、モードCの天国モードのように天井の遊技回数を少なく設定する(具体的には、はまるほど、少ない天井の遊技回数に決定されやすくする)ものである。この天井の異なる遊技回数を選択するためにモードA、B、Cを選択しているものである。つまり、本実施の形態に係る遊技機10は、通常遊技で移行抽選に当選せずに、はまれば、はまるほど、特典遊技終了後の通常遊技ではより少ない天井の遊技回数が設定されることで当該通常遊技においてはまり難くなるものである。(なお、後述する他の実施の形態でも同様である。)
【0161】
すなわち、通常遊技における特典遊技(ART)に当選するまでの遊技回数の結果(合計遊技回数)を、その特典遊技(ART)終了後の次の通常遊技における特典遊技(ART)への移行可能性に影響させ、反映させる(関連付けさせる)ことが可能となり、結果として特典遊技(ART)終了後の将来の遊技者への利益付与の可能性に影響を与え、反映させることができる。これにより、全く対応(関連付け)されていないようなものと比較して、通常遊技から移行した特典遊技(ART)が終了した後の将来の遊技に対する設計の自由度が増え、その利益量を調整したり、又は、出玉の波を激しいものにする等の興趣に富むものにすることが可能となる。
【0162】
本実施の形態では、利益量の変動が穏やかとなる(平均化させる)ように調整された遊技機10にすることができるものである。
通常遊技において多くの遊技回数を経過してから移行抽選に当選し合計遊技回数が多くなって遊技者の不利益が大となった場合、特典遊技(ART)終了後の通常遊技では遊技者への利益付与が他のモードと比べて大きくなるようなモードC(天国モード)のモード抽選確率が高くなるように設定されている。すなわち、次の特典遊技(ART)への移行可能性が他のモードと比べて大きくなっているモードCのモード抽選確率を高く設定していることで、遊技者への利益付与の可能性が大きくなるように設定することができる。これにより、今回の通常遊技のモード選択にあたって、前回の通常遊技では移行抽選になかなか当選しなかったのだから今回の通常遊技の移行抽選では直ぐに当選して欲しいという、前回の通常遊技における遊技者のはまりの状態のときの気持ちや期待感に応えることができ、遊技者の不満を抑えることができる。遊技者にとって合計遊技回数が増えて不利益が大となっても特典遊技(ART)終了後の通常遊技では、遊技者への利益付与の可能性が大となって、結果として、利益量の変動が穏やかになるように遊技者の利益量を調整することができる。
【0163】
なお、仮に、上述した内容とは逆に例えば、通常遊技において多くの遊技回数を経過せずに僅かな遊技回数で移行抽選に当選し合計遊技回数が少ない状態で遊技者の利益が大きくなったような場合に、特典遊技(ART)終了後の通常遊技でも、特典遊技(ART)への移行可能性が大となるようなモードC(天国モード)のモード抽選確率を高く設定して、遊技者への利益付与の可能性をさらに大きくなるようにしてもよい。通常遊技において多くの遊技回数を経過せずに僅かな遊技回数で移行抽選に当選し合計遊技回数が少ない状態で遊技者の利益が大となった場合に、特典遊技終了後の通常遊技でも遊技者への利益付与の可能性が大となるようなモードCが選択されるように予めモード抽選確率を設定するようなものである。このようにすると、遊技者の利益が極めて短時間に飛躍的に増えて、遊技者が獲得できる利益量の波が非常に大きい傾向の遊技機10にすることもできる。
【0164】
本実施の形態では、第1モード選択区間の通常遊技(第1の通常遊技)で特典遊技(第1の特典遊技)への移行抽選に当選した場合、第1モード選択区間において、合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど(移行するほど)、第1の特典遊技の次の特典遊技(第2の特典遊技)への移行可能性が高くなるモード抽選確率を用いて、第1特典遊技終了後の通常遊技(第2の通常遊技)へのモードが決定される。
合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど、第2の通常遊技ではモード抽選確率が高くなり遊技者に対して有利となるように変更されるように設定されている。
【0165】
合計遊技回数が増加している状態は、遊技者にとって通常遊技中に特典遊技へ直ぐに移行せずにいわゆるはまりの状態になって遊技者に対する不利益が大きな状態になっているものである。そのような状態のときの遊技者の気持ちとしては、通常遊技において直ぐに移行抽選に当選せずに多い遊技回数で移行抽選に当選した場合(すなわち合計遊技回数が多い場合)は、特典遊技終了後の次の通常遊技の移行抽選では少ない遊技回数で移行抽選に当選して欲しいと考える。
すなわち、前回の通常遊技(第1の通常遊技)では移行抽選ではなかなか当選しなかったのだから所定の確率で正常に抽選が行われているのであれば今回の通常遊技(第2の通常遊技)では当然少ない遊技回数で移行抽選に当選して然るべきだと考える。そして、前回の通常遊技(第1の通常遊技)では、移行抽選になかなか当選しないはまりの状態になったのだから、今回の通常遊技(第2の通常遊技)では直ぐに移行抽選に当選しないと困ると考え、そのような期待感を持つことになる。
【0166】
第1の通常遊技における合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど、第1の特典遊技終了後の第2の通常遊技では、第2の特典遊技への移行可能性が高くなるように設定されているモード抽選確率を用いるため、遊技者への利益付与の可能性が大きくなって、結果として、遊技者への利益量を合計遊技回数の増加に伴って調整することが可能となる。
この第1モード選択区間では、優遇された(遊技者に有利な)モードでは、特典遊技(ART)への移行が早くなり、合計遊技回数が少なくなり易くなる。合計遊技回数が少なくなると次は冷遇された(遊技者に不利)モードになり易くなる。
一方、冷遇された(遊技者に不利な)モードでは、特典遊技(ART)への移行が遅くなり、合計遊技回数が多くなり易くなる。合計遊技回数が多くなると次は優遇された(遊技者に有利な)モードになり易くなる。
すなわち、(1)通常遊技(冷遇状態)で合計遊技回数が多い。(2)特典遊技。(3)通常遊技(優遇状態)で合計遊技回数が少ない。(4)特典遊技。(5)通常遊技(冷遇状態)で合計遊技回数が多い。(6)特典遊技。この(1)〜(6)のような順番で遊技が進行することになる。このようなモードの選択が行われることで、長期間に渡る遊技全体のバランスをとることができる。
これにより、遊技者のはまりの状態(合計遊技回数が多くなった状態)のときの気持ちや期待感に応えることができ、遊技者の不満を抑えることが可能となる。
また、本実施の形態では、先の通常遊技(第1の通常遊技)において移行抽選になかなか当選せずに合計遊技回数が多くなったときには、第1の特典遊技終了後の次の通常遊技(第2の通常遊技)では、遊技者に対して有利となるようなモード抽選確率を用いて第2の通常遊技のモードが決定可能であるため、長期間にわたって遊技者に対する利益等の遊技全体のバランスをとることが可能となる。
【0167】
また、本実施の形態では、通常遊技中に特典遊技(第1の特典遊技)を獲得するために第1の通常遊技において多くの遊技回数を要した場合、次の特典遊技(第2の特典遊技)を獲得するために要する次の通常遊技(第2の通常遊技)の遊技回数が少なくなり易くなる。このため、第1の通常遊技において多くの遊技回数を行って(多くの投資を行って)第1の特典遊技が終了した場合であっても、次の特典遊技(第2の特典遊技)を獲得しようと遊技を継続させる意欲を遊技者に喚起させることができる。特典遊技の終了により遊技を中止しようとする者に対して遊技を継続させる意欲を持たせることができる。
【0168】
ここで、該移行抽選に当選する迄の合計遊技回数が増加して遊技回数が多い前記小区間になるほど、第2の特典遊技への移行可能性が高くなるモード抽選確率を用いて、第2の通常遊技のモードを決定可能にしている。これは、合計遊技回数が増加して遊技回数が多い小区間になるほど、遊技者に対して有利なモードC(天国モード)へのモード抽選確率が高くなり、遊技者に対して不利なモードA、B(ハマリモード)へのモード抽選確率が低くなるように設定されているものである。なお、本実施の形態では、遊技者に対して有利なモードCと、不利なモードA、Bとの両方のモード抽選確率を調整しているが、有利又は不利のいずれか一方のモードだけで調整するようにしてもよい、かかる場合には、有利にも不利にもならない中立的なモードを設けて、その中立的なモードの抽選確率を増減することで可能となる。
【0169】
本実施の形態では、最後のモード選択区間(第3モード選択区間)を除いたモード選択区間(第2モード選択区間、第1モード選択区間)では、移行抽選に当選すると特典遊技へ移行することができるが、当選しなければ特典遊技へ移行することはできない。
【0170】
一方、最後のモード選択区間(第3モード選択区間)では、合計遊技回数が予め定められた所定の閾値(具体的には、合計遊技回数が1201回)に達したとき、必ず特典遊技への移行が決定される。
複数のモード選択区間(第1、第2及び第3モード選択区間)では、特典遊技(ART)への移行が移行抽選に当選したときに移行が決定されて当選しなければ移行が決定されない場合(第1、第2モード選択区間)と、必ず移行することに決定される場合(第3モード選択区間)とが発生することになる。このように特典遊技(ART)への移行条件が異なるものとなり、遊技の複雑性を増すことができる。また、特典遊技(ART)への移行条件として移行抽選に当選することよりも必ず移行することの方が遊技者にとって有利となるため、かかる有利な条件が得られるように最後のモード選択区間となることに興味を抱かせることができる。結果として、遊技の複雑性を増し、遊技性を興趣に富むものにすることができる。
【0171】
この最後のモード選択区間(第3モード選択区間)であるということは、ここに至るまでに多くの遊技回数を経過(消化)し、多くの通常遊技を消化している(投資が行われている)ことになる。最後のモード選択区間(第3モード選択区間)で必ず特典遊技(ART)への移行が行われるようにしたことで、かかる遊技者を救済することができ、利益付与という点で全体としてバランスのとれたものにすることができる。
本実施の形態では、第3モード選択区間において、合計遊技回数1201回に到達することで移行抽選を行うことなく、必ず特典遊技(ART)への移行が決定されるようにしてあるが、特にこれに限定されることなく、移行抽選の抽選確率を100%に設定して移行抽選の実行により必ず特典遊技の移行が決定されるようにしてもよい。
【0172】
本実施の形態では、最初のモード選択区間(第2モード選択区間)では、次に開始されるモード選択区間(第1モード選択区間)の最初に設定されているモード抽選確率(遊技回数101〜200回におけるモード抽選確率(モードA:30%、モードB:30%、モードC:40%))よりも次の特典遊技への移行可能性が高くなるように設定されているモード抽選確率(遊技回数1〜100回におけるモード抽選確率(モードA:20%、モードB:20%、モードC:60%))を用いて通常遊技のモードを決定している。その際、次に開始されるモード選択区間(第1モード選択区間)の最初の小区間(遊技回数101〜200回)よりも遊技者に有利に設定されている(優遇されている)。すなわち、特典遊技が終了した直後の一定区間(最初のモード選択区間(第2モード選択区間))では、その後のモード選択区間(第1モード選択区間)の最初の小区間(遊技回数101〜200回)よりも、遊技者にとって比較的有利なモードが抽選により選択されやすいことになる。
【0173】
本実施の形態では、最初のモード選択区間(第2モード選択区間)において、比較的優遇されており、しかも、最初のモード選択区間(第2モード選択区間)ではモード抽選確率が共通に用いられている(遊技回数1〜100回において、1つの小区間しか設けられていない。)。これにより、この最初のモード選択区間(第2モード選択区間)では、遊技者に有利な状態が連続して発生しやすい状態となる。
【0174】
また、この最初のモード選択区間(第2モード選択区間)では、モード抽選確率が共通に用いられているため、当該区間の最初に当選しても遊技者に対する優遇に差は発生せず不利な状態は発生し難いものとなる。すなわち、遊技回数1〜100回のいずれの遊技回数のタイミングにおいて、移行抽選に当選しても、当該範囲に小区間は1つしかなく、共通の1種類のモード抽選確率だけでモードが決定されるため、当該範囲内では遊技者に対する優遇に差は発生しないことになる。例えば、はまれば、はまるほど大きな利益、はまらない場合には小さな利益のような設定になっていると、区間の最初に当選すると、その後は小さな利益となって遊技者に対して冷遇した状態が発生するが当該最初のモード選択区間ではそのような状態は発生せず安定して有利な状態が発生することになる。
結果として、特典遊技(ART)終了直後のモード選択の抽選をいわゆるはまりに関係なく、非常に有効なものにすることができる。単にはまりが深ければ深いほど大きな利益をもたらすという単調な遊技性に変化を与えて、特典遊技終了直後のはまりが浅いときには逆に利益を大きくすることができるという意外性のあるものにすることができる。
本実施の形態では、
図10に示すように、1回の遊技では、第1移行抽選に当選した場合、第2移行抽選を実行しないように形成されている。すなわち、1回の遊技では、いずれか一方の移行抽選しか当選しないように形成されている。しかし、これに限定されるものではなく、1回の遊技で第1移行抽選及び第2移行抽選の両方の移行抽選を実行するようにしてもよい(なお、後述する
図13や、後述する他の実施の形態でも同様である。)。
また、本実施の形態において、複数回の遊技では、第1移行抽選又は第2移行抽選のいずれかに当選した状態であっても、当該通常遊技中におけるその後の遊技で第1移行抽選及び第2移行抽選が実行可能となるように形成されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、第1移行抽選又は第2移行抽選に当選した状態では、当該通常遊技中におけるその後の遊技で移行抽選(第1移行抽選及び第2移行抽選)は実行しないようにしてもよい(なお、後述する
図13や、後述する他の実施の形態でも同様である。)。
また、本実施の形態では、第1移行抽選により特典遊技(例えば特典遊技Aとする)への移行が確定した場合、この特典遊技Aを実行する前の演出(前兆演出)等を実行するときに当該確定時から特典遊技Aの移行までに複数回の遊技を実行することがある。よって、特典遊技Aの移行が確定したときから特典遊技Aの移行開始までの間に、第2移行抽選に当選し、新たに他の特典遊技(例えば特典遊技Bとする)への移行が確定する場合がある。また、逆に第2移行抽選が先に当選し、第1移行抽選が後に当選する場合もある。
【0175】
このように、第1移行抽選と第2移行抽選とのいずれか一方に当選した場合であっても、他方の移行抽選を許可することで、当選タイミングが異なる複数の特典遊技を獲得することになる。なお、そのとき一方の当選は内部的にストックすることになる。
このようなときには、一方の特典遊技(特典遊技A)と他方の特典遊技(特典遊技B)とを実行した後の通常遊技に対して、例えば第1移行抽選の当選時に抽選で決定したモードを設定することができる。しかし、これ以外にも、通常遊技の遊技回数が多い第2移行抽選の当選時に抽選で決定したモードを設定(この場合は、第1移行抽選時に決定したモードを書き換えることになる。)したり、両方のモードを比較して遊技者に対して優遇されている方を設定するようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、モード抽選テーブル210(
図8)が1種類だけであり、第1移行抽選及び第2移行抽選のいずれにおいても、当選した場合は、1種類の共通のモード抽選テーブル210を用いて、次の通常遊技のモードが決定されていた。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、移行抽選は、役抽選手段120の役抽選の結果に基づいて実行可能な第1移行抽選と、通常遊技の所定の遊技回数の経過に基づいて実行可能な第2移行抽選とが設けられている。
【0176】
本実施の形態に係るモード抽選テーブル210は、各移行抽選に対応したモード抽選テーブル210がそれぞれ設けられている。すなわち、第1移行抽選に対応する第1モード抽選テーブル210と、第2移行抽選に対応する第2モード抽選テーブル210とが設けられているものである。
モード決定手段200は、各移行抽選毎に対応するモード抽選テーブル210を用いて、いずれのモードにするかをモード種類抽選で決定する。すなわち、モード決定手段200は、第1移行抽選に対応する第1モード抽選テーブル210を用い、又は、第2移行抽選に対応する第2モード抽選テーブル210を用いて、次の通常遊技のモードをモード種類抽選により決定しているものである。
図12に示すように、(A)は第1モード抽選テーブル210、(B)は第2モード抽選テーブル210である。
【0177】
モード決定手段200におけるモード種類抽選に用いるモード抽選確率は、
図12(B)の第2モード抽選テーブル210におけるモード抽選確率よりも、
図12(A)の第1モード抽選テーブル210におけるモード抽選確率の方が、遊技者に有利となるように優遇されている。ここで、モード抽選確率が遊技者に対して有利となるように優遇されているとは、複数のモードのうち遊技者に対する利益が最大となるモードC(天国モード)へのモード抽選確率がより大きな値に設定されていることである。また、同時に、複数のモードのうち遊技者に対する利益が小さく、ハマリモードと呼ばれるモードA、Bへのモード抽選確率がより小さな値に設定されていることでもある。
【0178】
具体的には、各モードの中で最も遊技者に対して有利なモードであるモードC(天国モード)のモード抽選確率が
図12(A)では、各範囲毎に、60%、45%、55%、65%、75%、95%、0%であるのに対して、
図12(B)では、各範囲毎に、順に55%、40%、50%、60%、70%、90%、0%に設定されている。遊技者に有利なモードCのモード抽選確率は、第3モード選択区間の0%を除いて、第1モード抽選テーブル210の方の数値が高くなって遊技者に対して有利なものになっている。
また、例えば、遊技者に対して不利なモードであるモードAのハマリモードのモード抽選確率が
図12(A)では、各小区間の範囲(1〜101回、101〜200回、201回〜300、・・・801〜1200回、1201回)毎に、20%、20%、20%、10%、10%、0%、70%であるのに対して、
図12(B)では、各小区間の範囲(1〜101回、101〜200回、201回〜300、・・・801〜1200回、1201回)毎に、順に25%、30%、25%、20%、10%、5%、80%に設定されている。遊技者に不利なモードA、Bのモード抽選確率は、ほとんどの小区間の範囲において(モードBの801〜1200回と、モードCの1201回との同一の場合を除いて)、第1モード抽選テーブル210の方の数値が低くなって遊技者に対して有利なものになっている。
【0179】
なお、本実施の形態では、遊技者に対して有利となるモードCと、不利となるモードA、Bの両方のモード抽選確率を上述したように調整しているが、いずれか一方だけの調整により実施してもよい。かかる場合には、遊技者に対して有利又は不利とならない中立的なモードを新たに設けて、その中立的なモードのモード抽選確率を調整することで可能となる。
【0180】
図13に示すフローチャートに基づいて、モード選択処理について説明する。
第1の実施の形態において
図10で説明したモード選択処理のうち、ステップ214、216では、共通のモード種類抽選処理で処理されていたものが、本実施の形態では、第1移行抽選に当選した場合のステップ314では、第1モード種類抽選処理が行われ、第2移行抽選に当選した場合のステップ316では、第2モード種類抽選処理が行われるものである。その他の内容は、
図10で説明したフローチャートと同一の内容である。
図14に示すにフローチャートに基づいて、上述した第1モード種類抽選処理について説明し、
図15に示すにフローチャートに基づいて、上述した第2モード種類抽選処理について説明する。
【0181】
第1の実施の形態において
図11で説明したモード種類抽選処理のうち、ステップ252では、合計遊技回数と設定値とに対応するモード抽選テーブル210のモード抽選確率を取得していたのに対して、本実施の形態では、
図14の第1モード種類抽選処理のステップ352では、合計遊技回数と設定値とに対応する第1モード抽選テーブル210のモード抽選確率を取得し、
図15の第2モード種類抽選処理のステップ362では、合計遊技回数と設定値とに対応する第2モード抽選テーブル210のモード抽選確率を取得している点が異なるものである。その他の内容は、
図11で説明したフローチャートと同一の内容である。
【0182】
本実施の形態では、役抽選の結果に基づいて実行される第1移行抽選で当選せずにチャンスが訪れないときであっても、所定の遊技回数を消化することで、通常遊技の所定の遊技回数の経過に基づく第2移行抽選が実行されることになって特典遊技への移行チャンスが訪れる。これにより、単調な遊技性に変化を与えることができる。
【0183】
通常遊技の所定の遊技回数の経過により得られる第2移行抽選よりも、役抽選の結果に基づいて実行可能な第1移行抽選の方が遊技者自ら勝ち取ったという印象が強く満足感が高いものとなる。
遊技者に対して最も有利なモードC(天国モード)のモード抽選確率において、第2移行抽選のモード抽選確率よりも第1移行抽選のモード抽選確率を高くして、第2移行抽選よりも第1移行抽選を優遇させることで、遊技者自ら勝ち取ったことへの特典としての意味をもたせることができる。これにより、自ら勝ち取ったことに満足感を与えることができ、遊技意欲の向上を図ることができる。
【0184】
本実施の形態では、複数のモードのうち遊技者に対する利益が最大となるモードCへのモード抽選確率が増加すると、モード決定手段200により、モード抽選確率に基づいて特典遊技終了後の通常遊技のモードを決定するモード種類抽選の結果、複数のモードのうち利益が最大となるモードCが選択される可能性が高くなる。すなわち、特典遊技終了後の通常遊技のモードは、複数のモードのうち利益が最大となる前記モードCが採用される可能性が高くなり、大きな利益を遊技者に対して付与することができるものである。
本実施の形態では、その他の構成や作用や効果は、第1の実施の形態で説明したものと同様であって詳細な説明は省略する。
【0185】
(第3の実施の形態)
図16及び
図17に示すように、本実施の形態では、所定の契機(具体的には、特典遊技(ART)の終了)の後の通常遊技からカウントして次の移行抽選に当選するまでの遊技回数、すなわち合計遊技回数までは、2つのモード選択区間(第1モード選択区間、第3モード選択区間)が設けられている。第1の実施の形態では、3つのモード選択区間が設けられていたのに対して、本実施の形態では、そのうちの第2モード選択区間が無く、残りの第1、3モード選択区間だけになっているものである。遊技回数1〜100回の範囲は、第1の実施の形態では、第2モード選択区間となってモードA、B及びCのモード抽選確率が20%、20%及び60%に設定されているのに対して、本実施の形態における同範囲は、第1モード選択区間の最初の区間となってモードA、B及びCのモード抽選確率が35%、35%及び30%に設定されている。
【0186】
本実施の形態の第1モード選択区間は、通常遊技の遊技回数が1〜1200回の範囲であって、当該区間内で特典遊技(ART)への移行抽選に当選した場合、この移行抽選に当選するまでの合計遊技回数が増加すると、前記特典遊技の次の特典遊技への移行可能性が高くなるようにモード抽選確率が設定されている。すなわち、第1モード選択区間の通常遊技の遊技回数1〜1200回の全ての区間において、この第1モード選択区間は、当選タイミング(つまり、実際にハマった分)に応じて、次の通常遊技のモードが遊技者に対して優遇可能となるような範囲である。その他の構成や、作用及び効果は第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0187】
(第4の実施の形態)
図18及び
図19に示すように、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、所定の契機(具体的には、特典遊技(ART)の終了)の後の通常遊技からカウントして次の移行抽選に当選するまでの遊技回数、すなわち合計遊技回数までは、3つのモード選択区間(第1モード選択区間、第2モード選択区間、第3モード選択区間)が設けられている。第1の実施の形態に係る第3モード選択区間は遊技回数1201回だけの1回の遊技だけに設定されてあったが、本実施の形態に係る第3モード選択区間は、遊技回数1201〜1210回の10回の遊技間に設定されているものである。この場合、予め遊技回数1211回目で特典遊技(ART)が開始するものである。その際、この第3モード選択区間において10回の遊技にわたって前兆演出を行うようにしてもよい。また、この第3モード選択区間の10回の遊技にわたって、高確率で特典遊技(ART)への移行抽選を行うようにしてもよいものである。その際、遊技回数1201回から1210回までに当該移行抽選に当選すれば、その当選した時点で特典遊技(ART)を開始させ、1201回から1210回までに当選しなければ、1211回の遊技で特典遊技(ART)を強制的に開始させるようにするものである。なお、この第3モード選択区間は、この10回に限定されるものではなく、1〜9回又は11回以上の遊技回数に設定してもよいものである。その他の構成や、作用及び効果は第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0188】
(第5の実施の形態)
本実施の形態に係るメイン制御装置110は、通常遊技中にカウントされる合計遊技回数の一部をストックカウンタにストックする遊技回数ストック手段と、この遊技回数ストック手段によりストックされた遊技回数(ストック遊技回数)を、その通常遊技から移行した特典遊技の終了後以降に開始される通常遊技の合計遊技回数に加算する遊技回数加算手段とを備えていることを特徴とするものである。なお、遊技回数ストック手段のストックカウンタは、ストック期間中に更新される合計遊技回数を同時にストックカウンタ値(ストック遊技回数)としてカウントするとともにカウントした結果を記憶するものである。第1の実施の形態で説明した
図3のメイン制御装置110に、上述した遊技回数ストック手段と、遊技回数加算手段とが加わっているものである。
【0189】
そして、本実施の形態では、遊技回数ストック手段が合計遊技回数のストックを実行している間、モード抽選確率は、合計遊技回数が増加しても遊技者に対して有利にならないように設定されている。
図20及び
図21に示すように、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、所定の契機(具体的には、特典遊技(ART)の終了)の後の通常遊技からカウントして次の移行抽選に当選するまでの遊技回数、すなわち合計遊技回数までは、3つのモード選択区間(第1モード選択区間、第2モード選択区間、第3モード選択区間)が設けられている。
【0190】
ここで、第1の実施の形態に係る第1モード選択区間では、遊技回数100〜1200回において、モード抽選確率の相違により、遊技回数101〜200回、201〜300回、301〜500回、501〜800回、801〜1200回の5つの小区間に区分けされていた。それに対して、本実施の形態に係る第1モード選択区間では、遊技回数100〜1200回において、モード抽選確率の相違により、遊技回数101〜200回、201〜300回、301〜500回、501〜1200回の4つの小区間に区分けされている。
【0191】
すなわち、第1の実施の形態では、遊技回数501〜800回のときモードA、B及びCのモード抽選確率が、15%、15%、70%に設定され、遊技回数801〜1200回のときモードA、B及びCのモード抽選確率が、0%、10%、90%に設定されていた。それに対して、本実施の形態では、遊技回数801〜1200回の小区間を設けずに、遊技回数501〜1200回のときモードA、B及びCのモード抽選確率が、15%、15%、70%として共通に用いられるように設定されているものである。そして、遊技回数801〜1200回のとき、遊技回数ストック手段により、通常遊技中にカウントされる合計遊技回数の一部をストックし、遊技回数加算手段が、そのストックされた遊技回数(ストック遊技回数)を、その通常遊技から移行した特典遊技の終了後以降に開始される通常遊技(具体的には、「終了後に開始される通常遊技」)の合計遊技回数に加算するものである。なお、ストック遊技回数を合計遊技回数に加算する通常遊技は、前記「終了後に開始される通常遊技」に限定されるものではなく、その通常遊技から移行した特典遊技終了後の通常遊技又はさらにその後に開始される通常遊技であってもよいものである。
【0192】
なお、本実施の形態において、ストック期間に相当する801〜1200回のモード抽選は、ストック期間の直前の範囲(501〜800回)のモード抽選と同じ(モードA:15%、モードB:15%、モードC:70%)設定としている。これは、801〜1200回の範囲(ストック期間)は、501〜800回の小区間に比べ、よりハマった区間である(より優遇されてしかるべきである)ものの、ストックされた分の遊技回数は次回以降の通常遊技のモードとして反映されるため、次回の通常遊技のモードには反映しないように、501〜800回の範囲よりも優遇されない設定としている。
なお、本実施の形態では、遊技回数加算手段は、前記特典遊技の終了後に開始される通常遊技の合計遊技回数に加算しているが、前記特典遊技の終了後以降に開始される通常遊技であればよいものであって、さらに、前記特典遊技の後の別の特典遊技の終了後に開始される通常遊技にストック遊技回数を加算するようにしてもよい。
【0193】
図22に示すフローチャートに基づいて、遊技回数ストック処理について説明する。
先ず、ステップ410において、役抽選手段120による役抽選の結果、当選役情報を取得したか否かが判定される。当選役情報を取得したと判定された場合、次のステップ411に進み、当選役情報を取得していないと判定された場合、当該処理は終了する。
【0194】
ステップ411において、非ペナルティ遊技であるか否かが判定される。なお、ここで、非ペナルティ遊技とはペナルティ遊技でない遊技を意味し、ペナルティ遊技とは制御装置100により遊技者に対して所定の推奨停止操作順番(ストップスイッチ50の所定の停止操作順番)が報知された際に、その推奨停止操作順番通りに停止操作が行われなかった場合等に所定期間、成立する遊技である。非ペナルティ遊技であると判定された場合、次のステップ412に進み、非ペナルティ遊技でないと判定された場合、すなわちペナルティ遊技であると判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ412において、遊技回数カウンタ手段により合計遊技回数に用いられる遊技回数がカウントされる。そして、次のステップ413に進む。
【0195】
ステップ413において、現在の遊技状態がストック期間であるか否かが判定される。具体的には、遊技回数カウント手段190によりカウントされている遊技回数が801〜1200回の範囲にあるか否かが判定されるものである。現在の遊技状態がストック期間であると判定された場合、次のステップ414に進み、ストック期間でないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ414において、遊技回数カウント手段190によりストック期間中の遊技回数を意味するストックカウンタ値(ストック遊技回数)が+1だけ更新される。そして、当該処理は終了する。
【0196】
図23のフローチャートに基づいて、モード種類抽選処理について説明する。
本実施の形態に係るモード種類抽選処理は、第1の実施の形態の
図11で説明したフローチャートの途中においてステップ452、453、454が加わったものである。
ステップ452において、遊技回数ストック手段により、ストックカウンタ値が0より大きいか否かが判定される。そして、ストックカウンタ値が0より大きいと判定された場合、次のステップ453に進み、ストックカウンタ値が0より大きくないと判定された場合、ステップ455に進む。
ステップ453において、遊技回数ストック手段のストックカウンタに記憶されているストックカウンタ値(ストック遊技回数)を、合計遊技回数に加算し、加算した数値を新たな合計遊技回数とする。そして、次のステップ454に進む。
本実施の形態の具体的な一例を以下に示す。例えば、通常遊技回数が1000回(1000ゲーム目)において移行抽選に当選した場合、遊技回数1000回目の遊技におけるモード種類抽選処理では、遊技回数1000回が属する遊技回数501〜1200回に対応するモード抽選確率(モードA:15%、モードB:15%、モードC:70%)でモード種類抽選が実行され、次の通常遊技におけるモードが決定される。ここで、仮にモードAに決定されたとする。一方、ストック期間内における通常遊技回数は、1000回−800回=200回となるため、最終的なストックカウンタの値は200となる。
その後、特典遊技が終了し、モードAにおいて通常遊技が行われる。このモードAにおける通常遊技において、例えば、遊技回数250回で移行抽選に当選したとすると、250回+200回=450回が属する遊技回数301〜500回に対応するモード抽選確率(モードA:20%、モードB:20%、モードC:60%)でモード種類抽選が実行される。このときのモード抽選確率は、遊技回数250回が属する遊技回数201〜300回に対応するモード抽選確率(モードA:25%、モードB:25%、モードC:50%)よりも遊技者に対して優遇されたものとなる。
【0197】
なお、前記モードAにおける通常遊技において、例えば遊技回数50回で移行抽選に当選した場合、ストックを加算した遊技回数50回+200回=250回が属する遊技回数201〜300回に対応する抽選確率(モードA:25%、モードB:25%、モードC:50%)が、ストックを加算しない遊技回数50回が属する遊技回数1〜100回に対応するモード抽選確率(モードA:20%、モードB:20%、モードC:60%)に比べて遊技者に対して冷遇されている。このようなときには、ストックを加算しないようにしてもよい。つまり、ストック期間内における通常遊技回数(全て又は一部)は、それを加算することで遊技者に対してモード抽選確率が優遇されるときに加算し、加算しなければ、次回以降のモード抽選確率へ持ち越すようにしてもよい。
本実施の形態では、通常遊技中にカウントされる合計遊技回数の一部をストックして、特典遊技(ART)終了後以降に開始される通常遊技の合計遊技回数に加算することで、合計遊技回数を不連続に変動させ、合計遊技回数の変動に伴うモード抽選確率の変動を発生させ、遊技が単調となることを防止し、意外性のある遊技にすることができ、遊技の面白みを増すことができる。
【0198】
本実施の形態では、遊技回数ストック手段による合計遊技回数のストック実行中、モード抽選確率は、合計遊技回数が増加しても遊技者に対して有利にならないように設定されている。
仮に、合計遊技回数のストック実行中にも、合計遊技回数が増加することにより、モード抽選確率の増加等の遊技者に対する利益が付与されるようにすると、この利益付与に加えて、ストックした遊技回数が加算される将来の通常遊技においても、合計遊技回数にストック分が加算されて増加した分の利益が遊技者に付与されることになる。すなわち、合計遊技回数の増加による利益が今回及び将来の通常遊技において、重複して付与されることになり、遊技者に対する利益付与が増大してしまう。このため、本実施の形態のように、ストック実行中は、合計遊技回数が増加しても遊技者に対して有利にならないようにして、利益付与のバランスをとることができるようにした。これにより、本実施の形態では、ストック導入による利益増大を回避し、利益付与の調整をすることができる。
第1モード選択区間の途中で遊技回数のストックを開始し、その途中からの通常遊技の遊技回数は、次回以降のモードを選択するための遊技回数としている。このため、第1モード選択区間を区切る範囲(小区間の遊技回数範囲)を狭めることができ、実際のハマリに対して、より細かに適したモードを選択することが可能となる。例えば、遊技回数100〜1000回を9つの小区間に区分けすると、1つの小区間は、遊技回数100回刻みとなる。それに対して、遊技回数100〜1000回の途中800回でストックを開始するようにして、遊技回数100〜800回を9つの小区間に区分けすると、1つの小区間は、遊技回数約77回刻みにすることができ、より細かくすることができるものである。
【0199】
(第6の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の形態のモード抽選テーブル210が、第2の実施の形態のように、第1モード抽選テーブル210及び第2モード抽選テーブル210の2つ設けられ、さらに、第5の実施の形態のように、第1モード選択区間の遊技回数801〜1200回において、合計遊技回数の一部をストックしているものである。
具体的には、第1及び第5の実施の形態では、モード抽選テーブル210(
図8、
図21)が1種類だけであり、第1移行抽選及び第2移行抽選のいずれにおいても、当選した場合は、1種類の共通のモード抽選テーブル210を用いて、次の通常遊技のモードが決定されていた。
【0200】
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、モード抽選テーブル210は、各移行抽選に対応したモード抽選テーブル210がそれぞれ設けられている。すなわち、第1移行抽選に対応する第1モード抽選テーブル210と、第2移行抽選に対応する第2モード抽選テーブル210とが設けられているものである。
【0201】
さらに、本実施の形態に係るメイン制御装置110は、第5の実施の形態で説明した遊技回数ストック手段と、遊技回数加算手段とを備えているものである。
モード決定手段200は、第1移行抽選に対応する第1モード抽選テーブル210を用い、又は、第2移行抽選に対応する第2モード抽選テーブル210を用いて、次の通常遊技のモードをモード種類抽選により決定しているものである。
【0202】
図24に示すように、(A)は第1モード抽選テーブル210、(B)は第2モード抽選テーブル210である。この第1モード抽選テーブル210及び第2モード抽選テーブル210では、第5の実施の形態のモード抽選テーブル210(
図21参照)と同様に、遊技回数801〜1200回の範囲のモード抽選確率が、遊技回数501〜800回の範囲のモード抽選確率と共通(同一)のものが設定されている。すなわち、遊技回数501〜1200回の範囲を1つの小区間に設定しているものである。そして、第1モード抽選テーブル210及び第2モード抽選テーブル210のいずれも、遊技回数801〜1200回の範囲において、第5の実施の形態で説明した遊技回数ストック手段による合計遊技回数の一部のストックが行われるように設定されている。そして、第5の実施の形態と同様に、遊技回数加算手段によりストック遊技回数を特典遊技終了後以降に開始される通常遊技(具体的には、終了後に開始される通常遊技、もちろん、さらに、その後の通常遊技にしてもよい)の合計遊技回数に加算されるようにしているものである。
【0203】
そして、第1の実施の形態の
図13のフローチャートで説明したモード選択処理が、本実施の形態でも同様に実施される。その際、第1モード種類抽選処理は、
図14のフローチャートで説明した内容ではなく、その代わりに
図25のフローチャートに示される内容となり、また、第2モード種類抽選処理は、
図15のフローチャートで説明した内容ではなく、その代わりに
図26のフローチャートに示される内容となるものである。
図25に示す第1モード種類抽選処理のフローチャートは、第5の実施の形態の
図23に示すフローチャートのステップ455が、ステップ555に変更となって、その変更内容は「モード抽選テーブル210」が、「第1モード抽選テーブル210」に変更されているものである。
【0204】
また、
図26に示す第2モード種類抽選処理のフローチャートは、第5の実施の形態の
図23に示すフローチャートのステップ455が、ステップ565に変更となって、その変更内容は「モード抽選テーブル210」が、「第2モード抽選テーブル210」に変更されているものである。
【0205】
上述した以外の他の構成や作用及び効果は、第1の実施の形態や、上述した各実施の形態で説明した各構成が対応する箇所の内容と同様であって、それらの詳細な説明を省略する。
【0206】
(第7の実施の形態)
図27及び
図28に示すように、本実施の形態は、第3の実施の形態と同様に第2モード選択区間が設けられていない。ただし、第1モード選択区間(遊技回数1〜1200回)の小区間の範囲は、第3の実施の形態では、遊技回数1〜100回、101〜200回、201〜300回、301〜500回、501〜800回、801〜1200回の合計6つの小区間に区分けされていたのに対して、本実施の形態では、遊技回数1〜200回、201〜400回、401〜800回、801〜1200回の4つの小区間に区分けされている。
【0207】
さらに、第5の実施の形態と同様に第1モード選択区間の最後(遊技回数801〜1200回)に遊技回数ストック手段により合計遊技回数の一部をストックし、遊技回数加算手段により、そのストック遊技回数を特典遊技終了後以降に開始される通常遊技の合計遊技回数に加算するようにしているものである。
その他の構成や作用及び効果は、第1の実施の形態をはじめ、各実施の形態において各構成に対応する説明の内容と同様であって、それらの説明を省略する。
上述した第1〜第7の実施の形態において、第1モード選択区間は、当該区間の遊技回数を5個や、6個等に分けて段階的にモードが優遇されるようにモード抽選確率を設定しているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、第1モード選択区間を遊技回数101〜600回として、1回の遊技毎にモード抽選確率を変えて、5個等よりも500個等に区分することでより連続的に優遇されるようにしてもよい。このようにすると、より一層、実際のハマリに応じて次の通常遊技のモードを優遇するようなことが可能となる。この場合、モード抽選確率を、予めデータとして記憶させてもよいが、これに代えて、例えば、初期値を設定しておき、遊技を1回ずつ消化するごとに所定の数値をカウントアップしたものを初期値に加算したものをモード抽選確率の数値にする等の演算手段により算出するようにしてもよい。
上述した第1〜第7の実施の形態において、第1モード選択区間は、遊技回数の範囲(小区間の長さ)を100回、100回、200回、300回、400回等のように範囲が次第に長くなるように設定しているが、特にこれに限定されるものではなく、次第に短くなったり、バラバラな数値に設定してもよいものである。
上述した第1〜第7の実施の形態において、第2モード選択区間は、遊技回数の範囲を遊技回数1〜100回等のように複数回に設定しているが、特にこれに限定されるものではなく、遊技回数1回だけに設定してもよいものである。
上述した第1〜第7の実施の形態において、第2モード選択区間は、遊技回数が1つの小区間(1〜100回)で構成しているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、複数の小区間(1〜50回と、51〜100回との2個の小区間)で構成してもよい。そして、複数の小区間で構成した場合、各小区間におけるモード抽選確率は、共通でもよく、また、異ならせてもよい。
上述した第1〜第7の実施の形態において、移行抽選は、役抽選の結果に基づく第1移行抽選や、所定の遊技回数経過に基づく第2移行抽選に設定されているが、特にこれに限定されるものではない。具体的には、例えば、所定のポイントを貯めて一定値に達すると移行抽選が実行されるものや、所定のミッション(例えば、ベル役を連続して2回当選させる)をクリア(実行)することで移行抽選が実行されるようなものに適用してもよい。
さらに、第1移行抽選と第2移行抽選との両方を設ける以外にも、第1移行抽選又は第2移行抽選のいずれか一方のみを設けてもよい。
上述した第1〜第7の実施の形態において、各モードの最深解除遊技回数が設定されている。例えば第1の実施の形態では、各モードの最深解除遊技回数が、モードAでは1200回、モードBでは800回、モードCでは100回に設定されている(
図7参照。)。そして、モード種類抽選処理においてモードAが選択された場合は天井の遊技回数が1200回、モードBが選択された場合は天井の遊技回数が800回、モードCが選択された場合は天井の遊技回数が100回に設定されている。つまり、各モードの最深解除遊技回数を、そのまま天井の遊技回数に設定している。しかし、これに限定されることなく、例えばモードAが選択された場合、1〜1200回の範囲で選択される遊技回数(例えば、1200回付近の遊技回数が選択され易い抽選により決定する)を採用するなど、モード種類抽選処理において選択されたモードの最深解除遊技回数を上限とした遊技回数の範囲から選択される遊技回数を天井の遊技回数として設定するようにしてもよい。
上述した第1〜第7の実施の形態で説明した内容の全部又は一部は、なお書き等も含めて組み合わせ可能(適用可能)なものであれば、任意の組み合わせで適用してもよいものであり、さらに少なくとも2つ以上の実施の形態を組み合わせてもよいものである。
【課題】特典遊技に当選するまでの通常遊技の遊技回数に基づいて、その特典遊技の終了後の次の通常遊技の特典遊技への移行のし易さ(難さ)に影響を及ぼすことができて面白みを増すことができ、興趣に富む遊技にすることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】モード抽選確率は、モード抽選テーブル210を参照することで合計遊技回数に基づいて変更可能に設定され、特典遊技終了後の通常遊技は、モード決定手段200の決定したモードで実行され、特典遊技への移行抽選に当選した場合の合計遊技回数に基づいてモード抽選テーブル210に記憶したモード抽選確率を用いた抽選で特典遊技終了後の通常遊技のモードが決定されることで、この通常遊技から移行可能な特典遊技の移行可能性を変化可能としたことを特徴とする。