(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記基地局装置は、端末装置との間で無線通信を行わない期間においても、自装置の状態が無線通信可能な通常状態に設定されている。従って、上記基地局装置は、電力を無駄に消費してしまうという問題があった。
【0010】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「電力が無駄に消費される場合が生じること」を解決することが可能な基地局装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である基地局装置は、少なくとも1つの端末装置と無線通信可能に構成された装置である。
【0012】
更に、この基地局装置は、
予め設定された一部の期間において無線通信不能な待機状態に自装置の状態が設定され、且つ、他の期間において無線通信可能な通常状態に自装置の状態が設定されるパワーセーブモードにて作動する上記端末装置が送信先として設定された個別端末宛データを保持する個別端末宛データ保持手段と、
予め設定された報知信号送信間隔が経過する毎に、上記個別端末宛データを保持している場合に当該個別端末宛データを送信する予定である旨を表す送信予定情報を含む報知信号を、上記端末装置へ送信する報知信号送信手段と、
上記端末装置から、上記個別端末宛データの送信を要求する旨を表す制御信号を受信した場合、当該個別端末宛データを当該端末装置へ送信する個別端末宛データ送信手段と、
上記基地局装置との間で無線通信可能な上記端末装置のすべてが上記パワーセーブモードにて作動している場合において、上記個別端末宛データを保持していないとき、上記報知信号を送信してから、次に上記報知信号を送信するまでの期間における当該基地局装置の状態を、上記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定する制御手段と、
を備える。
【0013】
また、本発明の他の形態である基地局装置制御方法は、
少なくとも1つの端末装置と無線通信可能に構成された基地局装置に適用され、
予め設定された一部の期間において無線通信不能な待機状態に自装置の状態が設定され、且つ、他の期間において無線通信可能な通常状態に自装置の状態が設定されるパワーセーブモードにて作動する上記端末装置が送信先として設定された個別端末宛データを保持し、
予め設定された報知信号送信間隔が経過する毎に、上記基地局装置が、上記個別端末宛データを保持している場合に当該個別端末宛データを送信する予定である旨を表す送信予定情報を含む報知信号を、上記端末装置へ送信し、
上記端末装置から、上記個別端末宛データの送信を要求する旨を表す制御信号を受信した場合、当該個別端末宛データを当該端末装置へ送信し、
上記基地局装置との間で無線通信可能な上記端末装置のすべてが上記パワーセーブモードにて作動している場合において、当該基地局装置が、上記個別端末宛データを保持していないとき、上記報知信号を送信してから、次に上記報知信号を送信するまでの期間における当該基地局装置の状態を、上記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定する方法である。
【0014】
また、本発明の他の形態である基地局装置制御プログラムは、
少なくとも1つの端末装置と無線通信可能に構成された基地局装置に、
予め設定された一部の期間において無線通信不能な待機状態に自装置の状態が設定され、且つ、他の期間において無線通信可能な通常状態に自装置の状態が設定されるパワーセーブモードにて作動する上記端末装置が送信先として設定された個別端末宛データを保持し、
予め設定された報知信号送信間隔が経過する毎に、上記基地局装置が、上記個別端末宛データを保持している場合に当該個別端末宛データを送信する予定である旨を表す送信予定情報を含む報知信号を、上記端末装置へ送信し、
上記端末装置から、上記個別端末宛データの送信を要求する旨を表す制御信号を受信した場合、当該個別端末宛データを当該端末装置へ送信し、
上記基地局装置との間で無線通信可能な上記端末装置のすべてが上記パワーセーブモードにて作動している場合において、当該基地局装置が、上記個別端末宛データを保持していないとき、上記報知信号を送信してから、次に上記報知信号を送信するまでの期間における当該基地局装置の状態を、上記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定する、処理を実行させるためのプログラムである。
【0015】
また、本発明の他の形態である無線通信システムは、少なくとも1つの端末装置と、当該端末装置と無線通信可能に構成された基地局装置と、を備えるシステムである。
【0016】
更に、
上記端末装置は、予め設定された一部の期間において無線通信不能な待機状態に自装置の状態が設定され、且つ、他の期間において無線通信可能な通常状態に自装置の状態が設定されるパワーセーブモードにて作動するように構成され、
上記基地局装置は、
上記パワーセーブモードにて作動する上記端末装置が送信先として設定された個別端末宛データを保持する個別端末宛データ保持手段と、
予め設定された報知信号送信間隔が経過する毎に、上記個別端末宛データを保持している場合に当該個別端末宛データを送信する予定である旨を表す送信予定情報を含む報知信号を、上記端末装置へ送信する報知信号送信手段と、
を備え、
上記端末装置は、更に、
上記基地局装置から上記報知信号を受信した場合において、当該報知信号が上記送信予定情報を含むとき、上記個別端末宛データの送信を要求する旨を表す制御信号を上記基地局装置へ送信する制御信号送信手段を備え、
上記基地局装置は、更に、
上記端末装置から上記制御信号を受信した場合、上記保持している個別端末宛データを当該端末装置へ送信する個別端末宛データ送信手段と、
上記基地局装置との間で無線通信可能な上記端末装置のすべてが上記パワーセーブモードにて作動している場合において、上記個別端末宛データを保持していないとき、上記報知信号を送信してから、次に上記報知信号を送信するまでの期間における当該基地局装置の状態を、上記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定する制御手段と、
を備える。
【0017】
また、本発明の他の形態である無線通信制御方法は、
少なくとも1つの端末装置と、当該端末装置と無線通信可能に構成された基地局装置と、を備える無線通信システムに適用され、
予め設定された一部の期間において無線通信不能な待機状態に自装置の状態が設定され、且つ、他の期間において無線通信可能な通常状態に自装置の状態が設定されるパワーセーブモードにて上記端末装置が作動し、
上記パワーセーブモードにて作動する上記端末装置が送信先として設定された個別端末宛データを上記基地局装置が保持し、
予め設定された報知信号送信間隔が経過する毎に、上記基地局装置が、上記個別端末宛データを保持している場合に当該個別端末宛データを送信する予定である旨を表す送信予定情報を含む報知信号を上記端末装置へ送信し、
上記端末装置が、上記基地局装置から上記報知信号を受信した場合において、当該報知信号が上記送信予定情報を含むとき、上記個別端末宛データの送信を要求する旨を表す制御信号を上記基地局装置へ送信し、
上記基地局装置が、上記端末装置から上記制御信号を受信した場合、上記保持している個別端末宛データを当該端末装置へ送信し、
上記基地局装置との間で無線通信可能な上記端末装置のすべてが上記パワーセーブモードにて作動している場合において、当該基地局装置が、上記個別端末宛データを保持していないとき、上記報知信号を送信してから、次に上記報知信号を送信するまでの期間における当該基地局装置の状態を、上記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定する方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上のように構成されることにより、無駄に消費される電力の量を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る、基地局装置、基地局装置制御方法、基地局装置制御プログラム、無線通信システム、及び、無線通信制御方法、の各実施形態について
図1〜
図6を参照しながら説明する。
【0021】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る無線通信システム1は、基地局装置10と、複数の端末装置20,…と、を備える。なお、無線通信システム1は、端末装置20を1つだけ備えていてもよい。
【0022】
基地局装置10は、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.11に準拠した、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントを構成する通信装置である。本例では、基地局装置10は、インフラストラクチャモードにて作動する。
基地局装置10は、複数の端末装置20,…のそれぞれとの間で無線通信可能に構成されている。
【0023】
基地局装置10は、通信ケーブルを介して通信回線(本例では、IP(Internet Protocol)網を構成する通信回線)NWに接続されている。基地局装置10は、通信回線NWを介して接続された他の装置と通信可能に構成されている。
【0024】
各端末装置20は、IEEE802.11に準拠した、無線LANクライアントを構成する通信装置である。本例では、各端末装置20は、パーソナル・コンピュータである。なお、各端末装置20は、携帯電話端末、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance、Personal Digital Assistant)、スマートフォン、カーナビゲーション端末、又は、ゲーム端末等であってもよい。
【0025】
各端末装置20は、アクティブモード、及び、パワーセーブモード、のいずれかのモードにて作動する。アクティブモードは、端末装置20(自装置)の状態が、常に、無線通信可能な通常状態(Awake)に設定されるモードである。パワーセーブモードは、予め設定された一部の期間において無線通信不能な待機状態(Sleep)に自装置の状態が設定され、且つ、他の期間において自装置の状態が通常状態に設定されるモードである。
【0026】
無線通信システム1においては、
図3に示したように、報知信号送信間隔INT1、全端末宛データ送信間隔INT2、及び、報知信号受信間隔(Listen Interval)INT3が予め設定されている。報知信号送信間隔INT1は、後述する報知信号(ビーコン)が基地局装置10から端末装置20へ送信される間隔である。
【0027】
全端末宛データ送信間隔INT2は、後述する全端末宛データが基地局装置10から端末装置20へ送信される間隔である。全端末宛データ送信間隔INT2は、報知信号送信間隔INT1を整数倍(本例では、5倍)した間隔である。
【0028】
報知信号受信間隔INT3は、後述する報知信号を、端末装置20が基地局装置10から受信する間隔である。報知信号受信間隔INT3は、報知信号送信間隔INT1を整数倍(本例では、3倍)した間隔である。
【0029】
各端末装置20は、パワーセーブモードにて作動する場合、全端末宛データ送信間隔INT2が経過する毎に、報知信号が送信されてから、次に報知信号が送信されるまでの期間である全端末宛データ送信期間TAにて、自装置の状態を通常状態に設定する。
【0030】
更に、各端末装置20は、パワーセーブモードにて作動する場合、報知信号受信間隔INT3が経過する毎に、報知信号が送信されてから、予め設定された時間(本例では、報知信号送信間隔INT1よりも短い時間)が経過するまでの期間TPにて、自装置の状態を通常状態に設定する。
【0031】
加えて、各端末装置20は、全端末宛データ送信期間TA、及び、上記期間TP以外の期間にて自装置の状態を待機状態に設定する。端末装置20は、無線通信を行う回路への電力の供給を停止することにより、自装置の状態を待機状態に設定する。
【0032】
次に、基地局装置10についてより詳細に説明する。
図2に示したように、基地局装置10は、無線LAN通信部100と、システム制御部11と、有線LAN通信部12と、を備える。
【0033】
無線LAN通信部100は、複数の端末装置20,…のそれぞれとの間で無線通信を行う。無線LAN通信部100は、アンテナ101と、無線トランシーバ102と、ベースバンド処理部103と、無線LAN制御部104と、メモリ105と、を備える。
【0034】
アンテナ101は、無線信号としての電波(電磁波)を外部へ放射(送信)するとともに、外部から無線信号としての電波を受信するように構成されている。
【0035】
無線トランシーバ102は、アンテナ101を介して受信された無線信号の振幅を調整し、調整された無線信号(アナログ信号)をベースバンド処理部103へ出力する。また、無線トランシーバ102は、ベースバンド処理部103により出力されたアナログ信号の振幅を調整し、調整されたアナログ信号を、アンテナ101を介して送信する。
【0036】
ベースバンド処理部103は、無線トランシーバ102により出力されたアナログ信号を、予め設定された変調方式(例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式)に従って、デジタル信号に復調する。ベースバンド処理部103は、このデジタル信号を無線LAN制御部104へ出力する。
【0037】
また、ベースバンド処理部103は、無線LAN制御部104により出力されたデジタル信号を、上記変調方式に従って、アナログ信号に変調する。ベースバンド処理部103は、このアナログ信号を無線トランシーバ102へ出力する。
【0038】
無線LAN制御部104は、端末装置20との間の接続の確立、報知信号(ビーコン)の送信、及び、データの送受信等を含む、無線通信を行うための制御を実行する。無線LAN制御部104のより詳細な機能については、後述する。
【0039】
メモリ105は、無線LAN制御部104が上記制御を実行するための情報を一時的に保持(記憶)する。また、メモリ105は、後述する個別端末宛データを保持する。
【0040】
システム制御部11は、基地局装置10の全体を制御する。システム制御部11は、有線LAN通信部12により受信されたデータを、無線LAN通信部100へ伝送(ブリッジ)するための処理、及び、基地局装置10を構成する各部分への電力の供給を制御するための処理等を実行する。
有線LAN通信部12は、通信回線NWを介して接続された他の装置(外部装置)との間の通信を行う。
【0041】
(機能)
図4は、上記のように構成された無線通信システム1の機能のうちの、本発明に係る機能を表すブロック図である。
【0042】
基地局装置10が備える無線LAN通信部100の機能は、個別端末宛データ保持部(個別端末宛データ保持手段)111と、報知信号送信部(報知信号送信手段)112と、個別端末宛データ送信部(個別端末宛データ送信手段)113と、制御部(制御手段)114と、全端末宛データ送信部(全端末宛データ送信手段)115と、を含む。
端末装置20の機能は、制御信号送信部(制御信号送信手段)21を含む。
【0043】
個別端末宛データ保持部111は、パワーセーブモードにて作動する端末装置20が送信先として設定された個別端末宛データが、基地局装置10により受信された場合、当該受信された個別端末宛データを保持する(メモリ105に記憶させる)。例えば、個別端末宛データは、フレーム、又は、パケットである。本例では、個別端末宛データは、有線LAN通信部12を介して外部装置から受信されたデータである。
【0044】
個別端末宛データ保持部111は、保持している個別端末宛データが個別端末宛データ送信部113により送信された場合、当該個別端末宛データをメモリ105から消去する(当該個別端末宛データの保持を終了する)。
【0045】
報知信号送信部112は、報知信号送信間隔INT1が経過する毎に(
図3の時点PBにて)、報知信号(ビーコン)を、複数の端末装置20,…のそれぞれへ送信する。なお、報知信号送信部112は、パワーセーブモードにて作動する端末装置20,…のみに報知信号を送信するように構成されていてもよい。
【0046】
このとき、報知信号送信部112は、個別端末宛データ保持部111が個別端末宛データを保持している場合、当該個別端末宛データを送信する予定である旨を表す送信予定情報を含む報知信号を送信する。本例では、送信予定情報は、トラフィック通信マップ(TIM:Traffic Indication Map)とも呼ばれる。
【0047】
更に、報知信号送信部112は、制御部114によって、後述するように、報知信号の送信後に基地局装置10の状態が待機状態に設定される場合、その旨を表す待機予定情報を含む報知信号を送信する。
【0048】
制御信号送信部21は、基地局装置10から報知信号を受信する。制御信号送信部21は、受信された報知信号が送信予定情報を含むとき、個別端末宛データの送信を要求する旨を表す制御信号(PS−Poll)を基地局装置10へ送信する。
【0049】
個別端末宛データ送信部113は、送信予定情報を含む報知信号に応答して端末装置20,…により送信された制御信号を受信する。個別端末宛データ送信部113は、制御信号が受信された場合、個別端末宛データ保持部111が保持している個別端末宛データのうちの、当該制御信号を送信してきた端末装置20が送信先として設定された個別端末宛データを、当該端末装置20へ送信する。
【0050】
制御部114は、基地局装置10との間で無線通信可能な(即ち、基地局装置10との間で無線通信による接続が確立されている)端末装置20,…の少なくとも1つがアクティブモード(即ち、パワーセーブモード以外のモード)にて作動している場合、常に(すべての期間において)、基地局装置10の状態を通常状態(Awake)に設定する。
【0051】
通常状態は、端末装置20,…と無線通信可能な状態である。本例では、基地局装置10は、無線トランシーバ102及びベースバンド処理部103を含む、基地局装置10を構成するすべての部分へ電力を供給することにより、基地局装置10の状態を通常状態に設定する。
【0052】
一方、制御部114は、基地局装置10との間で無線通信可能な(即ち、基地局装置10との間で無線通信による接続が確立されている)端末装置20,…のすべてがパワーセーブモードにて作動している場合、後述する、第1の待機期間TS1、及び、第2の待機期間TS2において、基地局装置10の状態を待機状態(Sleep)に設定する。
【0053】
待機状態は、端末装置20,…と無線通信不能な状態である。本例では、基地局装置10は、無線トランシーバ102及びベースバンド処理部103への電力の供給を停止することにより、基地局装置10の状態を待機状態に設定する。
【0054】
制御部114は、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべてがパワーセーブモードにて作動している場合、第1の待機期間TS1、及び、第2の待機期間TS2以外のすべての期間において、基地局装置10の状態を通常状態に設定する。
【0055】
第1の待機期間TS1は、報知信号(第1の報知信号)を送信してから、次に報知信号(第1の報知信号に後続する第2の報知信号)を送信するまでの期間のうちの、全端末宛データ送信期間TA以外の期間であり、且つ、第1の報知信号が送信される時点にて、個別端末宛データ保持部111が個別端末宛データを保持していない期間(
図3の期間TS1)である。
【0056】
即ち、制御部114は、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべてがパワーセーブモードにて作動している場合において、個別端末宛データ保持部111が個別端末宛データを保持していないとき、報知信号を送信してから、次に報知信号を送信するまでの期間における基地局装置10の状態を待機状態に設定する、と言うことができる。
【0057】
第2の待機期間TS2は、報知信号(第1の報知信号)を送信してから、次に報知信号(第1の報知信号に後続する第2の報知信号)を送信するまでの期間のうちの、全端末宛データ送信期間TA以外の期間であり、且つ、第1の報知信号が送信される時点にて、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべての状態が待機状態に設定されている期間(
図3の期間TS2)である。
【0058】
即ち、制御部114は、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべてがパワーセーブモードにて作動している場合において、個別端末宛データ保持部111が個別端末宛データを保持しているときであっても、報知信号を送信してから、次に報知信号を送信するまでの期間において、当該端末装置20,…のすべての状態が待機状態に設定されているとき、当該期間における基地局装置10の状態を待機状態に設定する、と言うことができる。
【0059】
また、制御部114は、全端末宛データ送信期間TAにおいて、基地局装置10の状態を通常状態に設定する、と言うこともできる。
【0060】
全端末宛データ送信部115は、基地局装置10との間で無線通信可能な(即ち、基地局装置10との間で無線通信による接続が確立されている)端末装置20,…のすべてが送信先として設定された全端末宛データ(例えば、ブロードキャストフレーム、又は、マルチキャストフレーム)を、全端末宛データ送信期間TAにて送信する。本例では、全端末宛データは、無線LAN制御部104により生成されたデータ、又は、有線LAN通信部12を介して外部装置から受信されたデータである。
【0061】
即ち、全端末宛データ送信部115は、全端末宛データを全端末宛データ送信間隔INT2が経過する毎に、全端末宛データ送信期間TAにて送信する、と言うことができる。
【0062】
(作動)
次に、上述した無線通信システム1の作動について説明する。
基地局装置10は、報知信号送信間隔INT1が経過する毎に(
図3の時点PBにて)、基地局装置10の状態を通常状態に設定する。次いで、基地局装置10は、報知信号を送信するために、
図5にフローチャートにより示した処理を実行する。
【0063】
具体的に述べると、基地局装置10は、この処理を開始すると、基地局装置10との間で無線通信可能な(即ち、基地局装置10との間で無線通信による接続が確立されている)端末装置20,…のすべてがパワーセーブモードにて作動している(作動中である)か否かを判定する(ステップS101)。
【0064】
なお、各端末装置20,…は、自装置の状態を待機状態に設定する場合、その旨を表す待機移行情報を基地局装置10へ送信する。本例では、待機移行情報は、送信フレームのフレーム制御フィールドにおけるパワー・マネージメント・ビットである。
【0065】
先ず、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべてがパワーセーブモードにて作動していない(即ち、少なくとも1つの端末装置20がアクティブモードにて作動している)場合を想定する。
【0066】
この場合、基地局装置10は、「No」と判定してステップS107へ進み、待機予定情報を含まない報知信号を、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のそれぞれへ送信する。
その後、基地局装置10は、この処理を終了する。
【0067】
次に、現時点が、
図3の時点t0であり、且つ、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべてがパワーセーブモードにて作動している場合を想定する。
この場合、基地局装置10は、ステップS101にて「Yes」と判定してステップS102へ進む。
【0068】
そして、基地局装置10は、現時点が、全端末宛データ送信期間TAの開始時点であるか否かを判定する。本例では、基地局装置10は、予め記憶されている、報知信号送信間隔INT1、及び、全端末宛データ送信間隔INT2を表す情報に基づいて、この判定を行う。
【0069】
この時点t0は、全端末宛データ送信期間TAの開始時点である。従って、基地局装置10は、「Yes」と判定してステップS107へ進み、待機予定情報を含まない報知信号を、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のそれぞれへ送信する。
【0070】
本例では、この時点t0にて、基地局装置10により送信される報知信号は、DTIM(Delivery Traffic Indication Message)を含む。
その後、基地局装置10は、この処理を終了する。
【0071】
そして、基地局装置10は、全端末宛データ送信期間TAにて、全端末宛データを、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のそれぞれへ送信する。
【0072】
次に、現時点が、
図3の時点t1であり、且つ、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべてがパワーセーブモードにて作動している場合を想定する。
この場合、基地局装置10は、ステップS101にて「Yes」と判定してステップS102へ進む。
【0073】
この時点t1は、全端末宛データ送信期間TAの開始時点でない。従って、基地局装置10は、ステップS102にて「No」と判定してステップS103へ進み、個別端末宛データを保持しているか否かを判定する。
【0074】
ここでは、基地局装置10が個別端末宛データを保持している場合を想定する。この場合、基地局装置10は、ステップS103にて「Yes」と判定してステップS106へ進む。そして、基地局装置10は、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべての状態が待機状態であるか否かを判定する。
【0075】
基地局装置10は、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のそれぞれから予め受信された、報知信号受信間隔INT3を表す情報(本例では、Probe Requestにおけるフレーム情報)に基づいて、この判定を行う。
【0076】
ここでは、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべての状態が待機状態である場合を想定する。この場合、基地局装置10は、ステップS106にて「Yes」と判定してステップS104へ進む。
【0077】
次いで、基地局装置10は、送信予定情報及び待機予定情報を含む報知信号を、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のそれぞれへ送信する。そして、基地局装置10は、基地局装置10の状態を待機状態に設定する(ステップS105)。
その後、基地局装置10は、この処理を終了する。
【0078】
次に、現時点が、
図3の時点t3であり、且つ、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべてがパワーセーブモードにて作動している場合を想定する。
この場合、基地局装置10は、ステップS101にて「Yes」と判定してステップS102へ進む。
【0079】
この時点t3は、全端末宛データ送信期間TAの開始時点でない。従って、基地局装置10は、ステップS102にて「No」と判定してステップS103へ進み、個別端末宛データを保持しているか否かを判定する。
【0080】
ここでは、基地局装置10が個別端末宛データを保持している場合を想定する。この場合、基地局装置10は、ステップS103にて「Yes」と判定してステップS106へ進む。そして、基地局装置10は、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべての状態が待機状態であるか否かを判定する。
【0081】
ここでは、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…の少なくとも1つの状態が通常状態である場合を想定する。この場合、基地局装置10は、ステップS106にて「No」と判定してステップS107へ進み、送信予定情報を含み、且つ、待機予定情報を含まない報知信号を、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のそれぞれへ送信する。
その後、基地局装置10は、この処理を終了する。
【0082】
そして、状態が通常状態に設定されている端末装置20は、基地局装置10から報知信号を受信する。次いで、端末装置20は、受信された報知信号が送信予定情報を含むから、制御信号(PS−Poll)を基地局装置10へ送信する。
【0083】
一方、基地局装置10は、端末装置20から制御信号を受信する。そして、基地局装置10は、保持している個別端末宛データのうちの、当該制御信号を送信してきた端末装置20が送信先として設定された個別端末宛データを、当該端末装置20へ送信する。
【0084】
そして、端末装置20は、基地局装置10から個別端末宛データを受信する。その後、端末装置20は、端末装置20の状態を待機状態に設定する。
【0085】
次に、現時点が、
図3の時点t6であり、且つ、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべてがパワーセーブモードにて作動している場合を想定する。
この場合、基地局装置10は、ステップS101にて「Yes」と判定してステップS102へ進む。
【0086】
この時点t3は、全端末宛データ送信期間TAの開始時点でない。従って、基地局装置10は、ステップS102にて「No」と判定してステップS103へ進み、個別端末宛データを保持しているか否かを判定する。
【0087】
ここでは、基地局装置10が個別端末宛データを保持していない場合を想定する。この場合、基地局装置10は、ステップS103にて「No」と判定してステップS104へ進む。
【0088】
次いで、基地局装置10は、送信予定情報を含まず、かつ、待機予定情報を含む報知信号を、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のそれぞれへ送信する。そして、基地局装置10は、基地局装置10の状態を待機状態に設定する(ステップS105)。
その後、基地局装置10は、この処理を終了する。
【0089】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る基地局装置10は、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべてがパワーセーブモードにて作動している場合において、個別端末宛データを保持していないとき、報知信号を送信してから、次に報知信号を送信するまでの期間における基地局装置10の状態を待機状態に設定する。
【0090】
これによれば、パワーセーブモードにて作動する端末装置20,…との間の無線通信を妨げることなく、基地局装置10が消費する電力の量を低減することができる。
【0091】
更に、本発明の第1実施形態に係る基地局装置10は、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべてがパワーセーブモードにて作動している場合において、個別端末宛データを保持しているときであっても、報知信号を送信してから、次に報知信号を送信するまでの期間において、当該端末装置20,…のすべての状態が待機状態に設定されているとき、当該期間における基地局装置10の状態を待機状態に設定する。
【0092】
ところで、基地局装置10との間で無線通信可能な端末装置20,…のすべての状態が待機状態に設定されている場合、基地局装置10が、送信予定情報を含む報知信号を送信しても、端末装置20,…が当該報知信号を受信することはない。従って、上記のように基地局装置10を構成することにより、基地局装置10が消費する電力の量をより一層低減することができる。
【0093】
加えて、本発明の第1実施形態に係る基地局装置10は、基地局装置10の状態が待機状態に設定される場合、その旨を表す待機予定情報を含む報知信号を、端末装置20,…へ送信する。
【0094】
これによれば、基地局装置10の状態が待機状態に設定される場合、その旨を予め端末装置20,…へ通知することができる。この結果、例えば、端末装置20,…が、基地局装置10へ情報を無駄に送信することを回避することができる。
【0095】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る基地局装置について
図6を参照しながら説明する。
第2実施形態に係る基地局装置500は、少なくとも1つの端末装置と無線通信可能に構成された装置である。
【0096】
更に、この基地局装置500は、
予め設定された一部の期間において無線通信不能な待機状態に自装置の状態が設定され、且つ、他の期間において無線通信可能な通常状態に自装置の状態が設定されるパワーセーブモードにて作動する上記端末装置が送信先として設定された個別端末宛データを保持する個別端末宛データ保持部(個別端末宛データ保持手段)501と、
予め設定された報知信号送信間隔が経過する毎に、上記個別端末宛データを保持している場合に当該個別端末宛データを送信する予定である旨を表す送信予定情報を含む報知信号を、上記端末装置へ送信する報知信号送信部(報知信号送信手段)502と、
上記端末装置から、上記個別端末宛データの送信を要求する旨を表す制御信号を受信した場合、当該個別端末宛データを当該端末装置へ送信する個別端末宛データ送信部(個別端末宛データ送信手段)503と、
基地局装置500との間で無線通信可能な上記端末装置のすべてが上記パワーセーブモードにて作動している場合において、上記個別端末宛データを保持していないとき、上記報知信号を送信してから、次に上記報知信号を送信するまでの期間における基地局装置500の状態を、上記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定する制御部(制御手段)504と、
を備える。
【0097】
これによれば、パワーセーブモードにて作動する端末装置との間の無線通信を妨げることなく、基地局装置500が消費する電力の量を低減することができる。
【0098】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0099】
なお、上記各実施形態において基地局装置10の各機能は、回路等のハードウェアにより実現されていた。ところで、基地局装置10は、処理装置と、プログラム(ソフトウェア)を記憶する記憶装置と、を備えるとともに、処理装置がそのプログラムを実行することにより、各機能を実現するように構成されていてもよい。この場合、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0100】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0101】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0102】
(付記1)
少なくとも1つの端末装置と無線通信可能に構成された基地局装置であって、
予め設定された一部の期間において無線通信不能な待機状態に自装置の状態が設定され、且つ、他の期間において無線通信可能な通常状態に自装置の状態が設定されるパワーセーブモードにて作動する前記端末装置が送信先として設定された個別端末宛データを保持する個別端末宛データ保持手段と、
予め設定された報知信号送信間隔が経過する毎に、前記個別端末宛データを保持している場合に当該個別端末宛データを送信する予定である旨を表す送信予定情報を含む報知信号を、前記端末装置へ送信する報知信号送信手段と、
前記端末装置から、前記個別端末宛データの送信を要求する旨を表す制御信号を受信した場合、当該個別端末宛データを当該端末装置へ送信する個別端末宛データ送信手段と、
前記基地局装置との間で無線通信可能な前記端末装置のすべてが前記パワーセーブモードにて作動している場合において、前記個別端末宛データを保持していないとき、前記報知信号を送信してから、次に前記報知信号を送信するまでの期間における当該基地局装置の状態を、前記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定する制御手段と、
を備える基地局装置。
【0103】
これによれば、パワーセーブモードにて作動する端末装置との間の無線通信を妨げることなく、基地局装置が消費する電力の量を低減することができる。
【0104】
(付記2)
付記1に記載の基地局装置であって、
前記制御手段は、前記基地局装置との間で無線通信可能な前記端末装置のすべてが前記パワーセーブモードにて作動している場合において、前記個別端末宛データを保持しているときであっても、前記報知信号を送信してから、次に前記報知信号を送信するまでの期間において、当該端末装置のすべての状態が前記待機状態に設定されているとき、当該期間における当該基地局装置の状態を、前記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定するように構成された基地局装置。
【0105】
基地局装置との間で無線通信可能な端末装置のすべての状態が待機状態に設定されている場合、基地局装置が、送信予定情報を含む報知信号を送信しても、端末装置が当該報知信号を受信することはない。従って、上記のように基地局装置を構成することにより、基地局装置が消費する電力の量をより一層低減することができる。
【0106】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の基地局装置であって、
前記報知信号送信手段は、前記制御手段によって、前記基地局装置の状態が前記待機状態に設定される場合、その旨を表す待機予定情報を含む前記報知信号を、前記端末装置へ送信するように構成された基地局装置。
【0107】
これによれば、基地局装置の状態が待機状態に設定される場合、その旨を予め端末装置へ通知することができる。この結果、例えば、端末装置が、基地局装置へ情報を無駄に送信することを回避することができる。
【0108】
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれかに記載の基地局装置であって、
前記基地局装置との間で無線通信可能な前記端末装置のすべてが送信先として設定された全端末宛データを、前記報知信号送信間隔を整数倍した全端末宛データ送信間隔が経過する毎に、前記報知信号を送信してから、次に前記報知信号を送信するまでの期間である全端末宛データ送信期間にて送信する全端末宛データ送信手段を備え、
前記制御手段は、前記全端末宛データ送信期間において、前記基地局装置の状態を前記端末装置と無線通信可能な通常状態に設定するように構成された基地局装置。
【0109】
(付記5)
付記1乃至付記4のいずれかに記載の基地局装置であって、
インフラストラクチャモードにて作動する基地局装置。
【0110】
(付記6)
少なくとも1つの端末装置と無線通信可能に構成された基地局装置に適用され、
予め設定された一部の期間において無線通信不能な待機状態に自装置の状態が設定され、且つ、他の期間において無線通信可能な通常状態に自装置の状態が設定されるパワーセーブモードにて作動する前記端末装置が送信先として設定された個別端末宛データを保持し、
予め設定された報知信号送信間隔が経過する毎に、前記基地局装置が、前記個別端末宛データを保持している場合に当該個別端末宛データを送信する予定である旨を表す送信予定情報を含む報知信号を、前記端末装置へ送信し、
前記端末装置から、前記個別端末宛データの送信を要求する旨を表す制御信号を受信した場合、当該個別端末宛データを当該端末装置へ送信し、
前記基地局装置との間で無線通信可能な前記端末装置のすべてが前記パワーセーブモードにて作動している場合において、当該基地局装置が、前記個別端末宛データを保持していないとき、前記報知信号を送信してから、次に前記報知信号を送信するまでの期間における当該基地局装置の状態を、前記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定する、基地局装置制御方法。
【0111】
(付記7)
付記6に記載の基地局装置制御方法であって、
前記基地局装置との間で無線通信可能な前記端末装置のすべてが前記パワーセーブモードにて作動している場合において、当該基地局装置が、前記個別端末宛データを保持しているときであっても、前記報知信号を送信してから、次に前記報知信号を送信するまでの期間において、当該端末装置のすべての状態が前記待機状態に設定されているとき、当該期間における当該基地局装置の状態を、前記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定するように構成された基地局装置制御方法。
【0112】
(付記8)
少なくとも1つの端末装置と無線通信可能に構成された基地局装置に、
予め設定された一部の期間において無線通信不能な待機状態に自装置の状態が設定され、且つ、他の期間において無線通信可能な通常状態に自装置の状態が設定されるパワーセーブモードにて作動する前記端末装置が送信先として設定された個別端末宛データを保持し、
予め設定された報知信号送信間隔が経過する毎に、前記基地局装置が、前記個別端末宛データを保持している場合に当該個別端末宛データを送信する予定である旨を表す送信予定情報を含む報知信号を、前記端末装置へ送信し、
前記端末装置から、前記個別端末宛データの送信を要求する旨を表す制御信号を受信した場合、当該個別端末宛データを当該端末装置へ送信し、
前記基地局装置との間で無線通信可能な前記端末装置のすべてが前記パワーセーブモードにて作動している場合において、当該基地局装置が、前記個別端末宛データを保持していないとき、前記報知信号を送信してから、次に前記報知信号を送信するまでの期間における当該基地局装置の状態を、前記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定する、処理を実行させるための基地局装置制御プログラム。
【0113】
(付記9)
付記8に記載の基地局装置制御プログラムであって、
前記処理は、
前記基地局装置との間で無線通信可能な前記端末装置のすべてが前記パワーセーブモードにて作動している場合において、当該基地局装置が、前記個別端末宛データを保持しているときであっても、前記報知信号を送信してから、次に前記報知信号を送信するまでの期間において、当該端末装置のすべての状態が前記待機状態に設定されているとき、当該期間における当該基地局装置の状態を、前記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定するように構成された基地局装置制御プログラム。
【0114】
(付記10)
少なくとも1つの端末装置と、当該端末装置と無線通信可能に構成された基地局装置と、を備える無線通信システムであって、
前記端末装置は、予め設定された一部の期間において無線通信不能な待機状態に自装置の状態が設定され、且つ、他の期間において無線通信可能な通常状態に自装置の状態が設定されるパワーセーブモードにて作動するように構成され、
前記基地局装置は、
前記パワーセーブモードにて作動する前記端末装置が送信先として設定された個別端末宛データを保持する個別端末宛データ保持手段と、
予め設定された報知信号送信間隔が経過する毎に、前記個別端末宛データを保持している場合に当該個別端末宛データを送信する予定である旨を表す送信予定情報を含む報知信号を、前記端末装置へ送信する報知信号送信手段と、
を備え、
前記端末装置は、更に、
前記基地局装置から前記報知信号を受信した場合において、当該報知信号が前記送信予定情報を含むとき、前記個別端末宛データの送信を要求する旨を表す制御信号を前記基地局装置へ送信する制御信号送信手段を備え、
前記基地局装置は、更に、
前記端末装置から前記制御信号を受信した場合、前記保持している個別端末宛データを当該端末装置へ送信する個別端末宛データ送信手段と、
前記基地局装置との間で無線通信可能な前記端末装置のすべてが前記パワーセーブモードにて作動している場合において、前記個別端末宛データを保持していないとき、前記報知信号を送信してから、次に前記報知信号を送信するまでの期間における当該基地局装置の状態を、前記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定する制御手段と、
を備える無線通信システム。
【0115】
(付記11)
付記10に記載の無線通信システムであって、
前記制御手段は、前記基地局装置との間で無線通信可能な前記端末装置のすべてが前記パワーセーブモードにて作動している場合において、前記個別端末宛データを保持しているときであっても、前記報知信号を送信してから、次に前記報知信号を送信するまでの期間において、当該端末装置のすべての状態が前記待機状態に設定されているとき、当該期間における当該基地局装置の状態を、前記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定するように構成された無線通信システム。
【0116】
(付記12)
少なくとも1つの端末装置と、当該端末装置と無線通信可能に構成された基地局装置と、を備える無線通信システムに適用され、
予め設定された一部の期間において無線通信不能な待機状態に自装置の状態が設定され、且つ、他の期間において無線通信可能な通常状態に自装置の状態が設定されるパワーセーブモードにて前記端末装置が作動し、
前記パワーセーブモードにて作動する前記端末装置が送信先として設定された個別端末宛データを前記基地局装置が保持し、
予め設定された報知信号送信間隔が経過する毎に、前記基地局装置が、前記個別端末宛データを保持している場合に当該個別端末宛データを送信する予定である旨を表す送信予定情報を含む報知信号を前記端末装置へ送信し、
前記端末装置が、前記基地局装置から前記報知信号を受信した場合において、当該報知信号が前記送信予定情報を含むとき、前記個別端末宛データの送信を要求する旨を表す制御信号を前記基地局装置へ送信し、
前記基地局装置が、前記端末装置から前記制御信号を受信した場合、前記保持している個別端末宛データを当該端末装置へ送信し、
前記基地局装置との間で無線通信可能な前記端末装置のすべてが前記パワーセーブモードにて作動している場合において、当該基地局装置が、前記個別端末宛データを保持していないとき、前記報知信号を送信してから、次に前記報知信号を送信するまでの期間における当該基地局装置の状態を、前記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定する、無線通信制御方法。
【0117】
(付記13)
付記12に記載の無線通信制御方法であって、
前記基地局装置との間で無線通信可能な前記端末装置のすべてが前記パワーセーブモードにて作動している場合において、当該基地局装置が、前記個別端末宛データを保持しているときであっても、前記報知信号を送信してから、次に前記報知信号を送信するまでの期間において、当該端末装置のすべての状態が前記待機状態に設定されているとき、当該期間における当該基地局装置の状態を、前記端末装置と無線通信不能な待機状態に設定するように構成された無線通信制御方法。