特許第5769267号(P5769267)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5769267無線通信端末、通信システム、通信システムの制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769267
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】無線通信端末、通信システム、通信システムの制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20150806BHJP
   H04W 8/24 20090101ALI20150806BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20150806BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   H04L12/70 100A
   H04W8/24
   H04M1/00 U
   H04M11/00 303
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-43858(P2013-43858)
(22)【出願日】2013年3月6日
(65)【公開番号】特開2014-175691(P2014-175691A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2014年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】門奈 正巳
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−090148(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/157565(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/70
H04M 1/00
H04M 11/00
H04W 8/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方式の変換を行うメディアアダプタ装置と接続される接続部と、
無線回線事業者網と通信する無線通信部と、
前記メディアアダプタ装置および前記無線回線事業者網を介して所定のネットワークと接続するアダプタ通信を行うルータ装置と前記メディアアダプタ装置とのそれぞれに設定された前記アダプタ通信に係るパラメータを、前記無線通信部と前記無線回線事業者網との間の通信状態に基づいて変更する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記アダプタ通信を制御するための管理情報を、前記無線通信事業者網に接続された管理サーバから取得し、前記管理情報および前記通信状態に基づいて前記パラメータを変更する、無線通信端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記ルータ装置が当該無線通信端末と通信するための通信情報を前記ルータ装置に通知することで、前記ルータ装置に前記パラメータを設定するための通信を確立させる、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記管理情報として、前記無線通信部と前記無線回線事業者網との通信プロトコルに応じたデータ形式を有する、前記アダプタ通信による通信先までの経路情報を取得し、前記ルータ装置が使用しているルーティングプロトコルに応じて、前記取得した経路情報のデータ形式を変換する、請求項1または2に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記制御部は、前記ルータ装置または前記メディアアダプタ装置が前記アダプタ通信を制御するための制御情報を前記無線通信端末に通知するように、前記ルータ装置または前記メディアアダプタ装置のパラメータを変更する、請求項1ないしのいずれか1項に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記制御情報は、前記ルータ装置または前記メディアアダプタ装置が前記アダプタ通信を用いて送信するデータを一時記憶するバッファの状態を示す情報であり、
前記制御部は、前記制御情報に基づいて、前記バッファのサイズを変更する、請求項に記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記制御部は、前記メディアアダプタ装置が当該メディアアダプタ装置自身のインタフェースの状態を前記無線通信端末に通知するように、前記メディアアダプタ装置のパラメータを変更する、請求項1ないしのいずれか1項に記載の無線通信端末。
【請求項7】
無線回線事業者網と接続された無線通信端末と、
前記無線通信端末と接続されたメディアアダプタ装置と、
前記メディアアダプタ装置および前記無線通信端末を介して所定のネットワークと接続するアダプタ通信を確立するルータ装置と、を備え、
前記無線通信端末は、
前記ルータ装置および前記メディアアダプタ装置のそれぞれに設定された前記アダプタ通信に係るパラメータを、当該無線通信端末と前記無線回線事業者網との間の通信状態に基づいて変更し、
前記アダプタ通信を制御するための管理情報を、前記無線通信事業者網に接続された管理サーバから取得し、前記管理情報および前記通信状態に基づいて前記パラメータを変更する、通信システム。
【請求項8】
通信方式の変換を行うメディアアダプタ装置と接続される接続部と、
無線回線事業者網と通信する無線通信部と、を備える無線通信端末が、
前記メディアアダプタ装置および前記無線回線事業者網を介して所定のネットワークと接続するアダプタ通信を確立するルータ装置と前記メディアアダプタ装置とのそれぞれに設定された前記アダプタ通信に係るパラメータを、前記無線通信部と前記無線回線事業者網との間の通信状態に基づいて変更し、
前記アダプタ通信を制御するための管理情報を、前記無線通信事業者網に接続された管理サーバから取得し、前記管理情報および前記通信状態に基づいて前記パラメータを変更する、通信システムの制御方法。
【請求項9】
通信方式の変換を行うメディアアダプタ装置と接続される接続部と、
無線回線事業者網と通信する無線通信部と、を備える無線通信端末に、
前記メディアアダプタ装置および前記無線回線事業者網を介して所定のネットワークと接続するアダプタ通信を確立するルータ装置と前記メディアアダプタ装置とのそれぞれに設定された前記アダプタ通信に係るパラメータを、前記無線通信部と前記無線回線事業者網との間の通信状態に基づいて変更させ、
前記アダプタ通信を制御するための管理情報を、前記無線通信事業者網に接続された管理サーバから取得し、前記管理情報および前記通信状態に基づいて前記パラメータを変更させる手順を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末、通信システム、通信システムの制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信方式の変換を行うメディアアダプタ装置には、Ethernet(登録商標)などの有線通信方式の電気信号と無線回線事業者網で伝送される無線通信方式の信号との変換を行うものがある。このようなメディアアダプタ装置は、例えば無線回線事業者網と接続された無線通信端末、およびルータ装置と接続され、ルータ装置がメディアアダプタ装置、無線通信端末および無線回線事業者網を介して所定のネットワークに接続するために用いられることがある。
【0003】
例えば特許文献1には、ルータ装置がメディアアダプタ装置および無線回線事業者網を介して所定のネットワークに接続する通信システムが開示されている。この通信システムでは、メディアアダプタ装置が無線回線事業者網とルータ装置とを接続させる接続処理を実行する。以下、ルータ装置がメディアアダプタ装置および無線回線事業者網を介して所定のネットワークに接続する通信をアダプタ通信と称する。
【0004】
図11は、特許文献1に記載された通信システムを説明するための図である。この通信システムは、ルータ装置91と、メディアアダプタ装置92と、無線通信端末93とを有し、メディアアダプタ装置92は、ルータ装置91および無線通信端末93とそれぞれ接続されている。また無線通信端末93は、無線回線事業者網94と接続されており、無線回線事業者網94はインターネット網95と接続されている。ルータ装置91は、メディアアダプタ装置92および無線回線事業者網94を介してインターネット網95に接続することができる。
【0005】
またこの通信システムでは、ルータ装置91とメディアアダプタ装置92との間に、実際にデータを送受信するための接続とは別に、バッファ制御に係る処理を行うための管理用の接続が確立される。メディアアダプタ装置92は、管理用の接続を確立するための通信情報を予め記憶しており、ルータ装置91とケーブルを介して接続されると、通信情報をルータ装置91に送信する。ルータ装置91は、メディアアダプタ装置92から受信した通信情報を用いて管理用の接続を確立する。
【0006】
メディアアダプタ装置92は、管理用の接続を用いて、バッファの状態や、メディアアダプタ装置92と所定のネットワークとの間の通信速度をルータ装置91に通知する。ルータ装置91は、通知されたバッファの状態や通信速度に基づいて、バッファサイズや、ルータ装置91とメディアアダプタ装置92との間の通信速度を調整する。
【0007】
このように、特許文献1に記載の通信システムでは、ルータ装置91およびメディアアダプタ装置92内に予め記憶された処理手順に従って、ルータ装置91およびメディアアダプタ装置92に設定されたパラメータをルータ装置91が変更することで、アダプタ通信のバッファサイズや通信速度を調整するトラフィック制御が行われる。
【0008】
アダプタ通信のトラフィック制御の内容を変更しようとする場合、ルータ装置91およびメディアアダプタ装置92内に予め記憶された処理手順を変更し、ルータ装置91およびメディアアダプタ装置92に設定されたパラメータを変更する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2012−90148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の通信システムは、ルータ装置91およびメディアアダプタ装置92内に予め記憶された処理手順や、ルータ装置91およびメディアアダプタ装置92に設定されたパラメータをネットワークを介して変更することに関する記載はない。したがって、アダプタ通信のトラフィック制御の内容を変更するためには、専門知識を有する人員がルータ装置91およびメディアアダプタ装置92の設置された場所に行かなければならなかった。
【0011】
本発明の目的は、メディアアダプタ装置および無線回線事業者網を介してルータ装置が所定のネットワークに接続するアダプタ通信のトラフィック制御の内容を容易に変更することが可能な無線通信端末、通信システム、通信システムの制御方法、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による無線通信端末は、
通信方式の変換を行うメディアアダプタ装置と接続される接続部と、
無線回線事業者網と通信する無線通信部と、
前記メディアアダプタ装置および前記無線回線事業者網を介して所定のネットワークと接続するアダプタ通信を行うルータ装置と前記メディアアダプタ装置とのそれぞれに設定された前記アダプタ通信に係るパラメータを、前記無線通信部と前記無線回線事業者網との間の通信状態に基づいて変更する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記アダプタ通信を制御するための管理情報を、前記無線通信事業者網に接続された管理サーバから取得し、前記管理情報および前記通信状態に基づいて前記パラメータを変更する構成である。
【0013】
また、本発明による通信システムは、
無線回線事業者網と接続された無線通信端末と、
前記無線通信端末と接続されたメディアアダプタ装置と、
前記メディアアダプタ装置および前記無線通信端末を介して所定のネットワークと接続するアダプタ通信を確立するルータ装置と、を備え、
前記無線通信端末は、
前記ルータ装置および前記メディアアダプタ装置のそれぞれに設定された前記アダプタ通信に係るパラメータを、当該無線通信端末と前記無線回線事業者網との間の通信状態に基づいて変更し、
前記アダプタ通信を制御するための管理情報を、前記無線通信事業者網に接続された管理サーバから取得し、前記管理情報および前記通信状態に基づいて前記パラメータを変更する構成である。
【0014】
また、本発明による通信システムの制御方法は、
通信方式の変換を行うメディアアダプタ装置と接続される接続部と、
無線回線事業者網と通信する無線通信部と、を備える無線通信端末が、
前記メディアアダプタ装置および前記無線回線事業者網を介して所定のネットワークと接続するアダプタ通信を確立するルータ装置と前記メディアアダプタ装置とのそれぞれに設定された前記アダプタ通信に係るパラメータを、前記無線通信部と前記無線回線事業者網との間の通信状態に基づいて変更し、
前記アダプタ通信を制御するための管理情報を、前記無線通信事業者網に接続された管理サーバから取得し、前記管理情報および前記通信状態に基づいて前記パラメータを変更する方法である。
【0015】
また、本発明によるプログラムは、
通信方式の変換を行うメディアアダプタ装置と接続される接続部と、
無線回線事業者網と通信する無線通信部と、を備える無線通信端末に、
前記メディアアダプタ装置および前記無線回線事業者網を介して所定のネットワークと接続するアダプタ通信を確立するルータ装置と前記メディアアダプタ装置とのそれぞれに設定された前記アダプタ通信に係るパラメータを、前記無線通信部と前記無線回線事業者網との間の通信状態に基づいて変更させ、
前記アダプタ通信を制御するための管理情報を、前記無線通信事業者網に接続された管理サーバから取得し、前記管理情報および前記通信状態に基づいて前記パラメータを変更させる手順を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、メディアアダプタ装置および無線回線事業者網を介してルータ装置が所定のネットワークに接続するアダプタ通信のトラフィック制御の内容を容易に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態にかかる通信システムの構成を示す図である。
図2図1の無線通信端末の構成を示すブロック図である。
図3図1の通信システムの動作について説明するための図である。
図4図1の通信システムで確立される通信を概略的に示した図である。
図5】ルータ装置とメディアアダプタ装置との間で送受信される情報について説明するための図である。
図6図1の通信システムで行われるバッファ制御について説明するための図である。
図7図1の通信システムで行われるバッファ制御の動作について説明するための図である。
図8】メディアアダプタ装置から無線通信端末に通知するデータの通知フォーマットの一例を示す図である。
図9】メディアアダプタ装置から無線通信端末に通知するデータの通知フォーマットの一例を示す図である。
図10】本発明の第2の実施形態にかかる通信システムで確立される通信を概略的に示した図である。
図11】本発明に関連する技術について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、同一の機能を有する構成要素については同じ符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態にかかる通信システムの構成を示す図である。
【0020】
図1に示す通信システムは、ルータ装置1と、メディアアダプタ装置2と、無線通信端末3と、管理サーバ4とを有する。
【0021】
ルータ装置1は、LAN(Local Area Network)ケーブル5を介してメディアアダプタ装置2と接続され、メディアアダプタ装置2は、コネクタ6を介して無線通信端末3と接続される。
【0022】
ルータ装置1は、有線回線事業者網7と有線接続されている。また無線通信端末3は、無線回線事業者網8と無線接続されている。有線回線事業者網7および無線回線事業者網8は、それぞれインターネット網9と接続されている。
【0023】
ルータ装置1は、ネットワーク間の通信を中継する通信装置であり、受信パケットの宛先情報に基づいた経路選択などを行う。ルータ装置1は、記憶部10を有し、ルータ装置1に設定されるパラメータであるルータ設定パラメータなどを記憶する。なおインターネット網9は、ルータ装置1が接続する他のネットワークの一例であり、ルータ装置1がメディアアダプタ装置2および無線回線事業者網8を介してインターネット網9に接続する通信を、以下、アダプタ通信と称する。ルータ設定パラメータは、アダプタ通信を行う場合に用いる経路情報や、アダプタ通信で送信するデータを一時記憶するバッファのサイズや、ルータ装置1がアダプタ通信でデータを送信する場合のルータ装置1とメディアアダプタ装置2との間の通信速度などのアダプタ通信に係るパラメータを含む。なお、バッファは、ルータ装置1がアダプタ通信でデータを送信する場合に、このデータを一時記憶する記憶領域である。本実施形態では、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2のそれぞれがバッファを有する。
【0024】
メディアアダプタ装置2は、ルータ装置1および無線通信端末3と接続され、通信方式の変換を行う。具体的には、メディアアダプタ装置2は、ルータ装置1が送受信するEthernetなどの有線通信方式の電気信号と無線通信端末3が送受信する無線通信方式の信号との変換を行う。メディアアダプタ装置2に設定されるパラメータは、メディアアダプタ装置2のバッファサイズや、メディアアダプタ装置2のインタフェースの状態を取得するためのパラメータなどアダプタ通信に係るパラメータを含む。
【0025】
無線通信端末3は、無線回線事業者網8と接続する通信装置であり、例えば、スマートフォンやタブレット端末などの情報処理装置である。無線通信端末3は、記憶部11を有し、通信システムの管理を行うための各種処理手順が記述されたプログラムである設定アプリケーションソフトウェアと、この設定アプリケーションソフトウェアを実行するときに用いられる各種の設定パラメータとが記憶されている。
【0026】
無線通信端末3は、設定アプリケーションソフトウェアを実行することで、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2と管理用の通信を確立し、管理用の通信を用いてルータ装置1およびメディアアダプタ装置2を遠隔操作して、ルータ設定パラメータや、メディアアダプタ装置2に設定するパラメータなどのうちアダプタ通信に係るパラメータを変更する。
【0027】
管理サーバ4は、通信システムを管理するための装置である。管理サーバ4は、無線通信端末3と通信することができる。管理サーバ4は、設定アプリケーションソフトウェアを記憶し、無線通信端末3に設定アプリケーションソフトウェアを提供する。また、管理サーバ4は、設定アプリケーションソフトウェアを実行している無線通信端末3からルータ装置1およびメディアアダプタ装置2の状態を示す情報を収集することもできる。
【0028】
図2は、無線通信端末3の詳細な構成を説明するためのブロック図である。
【0029】
無線通信端末3は、接続部31、無線通信部32、記憶部11、および制御部33を有する。
【0030】
接続部31は、メディアアダプタ装置2と接続するためのインタフェースである。無線通信端末3は、接続部31を介してメディアアダプタ装置2と接続し、データの送受信を行うことができる。接続部31は、制御部33から入力されたデータをメディアアダプタ装置2に送信し、メディアアダプタ装置2から受信したデータを制御部33に送信する。
【0031】
無線通信部32は、無線回線事業者網8と接続するための通信インタフェースであり、例えば無線信号を送受信するアンテナ(図示せず)と、無線回線事業者網8を介して送受信する無線信号に対する各種の信号処理を行う信号処理部(図示せず)とを含む。無線通信部32は、制御部33から入力されたデータを無線回線事業者網8に出力し、無線回線事業者網8から入力されたデータを制御部33に出力する。
【0032】
記憶部11は、設定アプリケーションソフトウェアと、設定アプリケーションソフトウェアを実行しているときに制御部33が用いる設定パラメータとを記憶する。
【0033】
制御部33は、無線通信端末3を制御する。制御部33は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの制御装置であり、記憶部11に記憶されたプログラムを読み込み、その読み込んだプログラムを実行することで、各種の機能を実現する。なお、制御部33は、設定アプリケーションソフトウェアを管理サーバ4からダウンロードして記憶部11に記憶させる。
【0034】
本実施形態では、制御部33は、記憶部11に記憶された設定アプリケーションソフトウェアを実行し、その設定アプリケーションソフトウェアに従って通信システムを制御する。具体的には、制御部33は、ルータ装置1のアダプタ通信を中継する。また制御部33は、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2と管理用の通信を確立し、管理用の通信を用いてルータ装置1およびメディアアダプタ装置2をそれぞれ遠隔操作する。制御部33は、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2を遠隔操作することで、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2のそれぞれに設定されたアダプタ通信に係るパラメータを変更する。
【0035】
例えば、制御部33は、メディアアダプタ装置2が自身のバッファの状態を無線通信端末3に通知するように、メディアアダプタ装置2のパラメータを変更する。また、制御部33は、メディアアダプタ装置2が自身のインタフェースの状態を無線通信端末3に通知するように、メディアアダプタ装置2のパラメータを変更する。また、制御部33は、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2のバッファサイズを示すパラメータをそれぞれ変更する。また、制御部33は、ルータ装置1がアダプタ通信でデータを送信する通信速度を示すパラメータを変更したり、ルータ装置1がアダプタ通信で用いる経路情報を示すパラメータを変更したりする。
【0036】
また制御部33は、管理サーバ4から受信した管理情報に基づいて、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2のそれぞれに設定されたアダプタ通信に係るパラメータを変更することもできる。管理サーバ4から受信した管理情報が、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2が解釈することのできないプロトコルに従ったデータ形式である場合、制御部33は、この管理情報のデータ形式を変換する翻訳機能を有する。制御部33は、この翻訳機能によってデータ形式を変換した管理情報に基づいて、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2のそれぞれに設定されたパラメータを変更する。
【0037】
また、制御部33は、ルータ装置1がメディアアダプタ装置2および無線通信端末3と管理用の通信を確立するための通信情報をルータ装置1に通知する。そしてルータ装置1が、通知された通信情報に基づいて無線通信端末3に管理用の通信を確立する旨の要求メッセージと、認証情報とを送信すると、制御部33は、ルータ装置1から要求メッセージおよび認証情報を受信し、受信した認証情報に基づいて、認証処理を行う。
【0038】
図3は、本発明の第1の実施形態にかかる通信システムの動作について説明するための図である。
【0039】
ユーザは、管理サーバ4から設定アプリケーションソフトウェアをダウンロードした無線通信端末3と、メディアアダプタ装置2とをコネクタ6を介して接続し、メディアアダプタ装置2とルータ装置1とをLANケーブル5で接続する。またユーザは、メディアアダプタ装置2の電源をONにする(ステップS100)。
【0040】
ルータ装置1は、PPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet)接続で、インターネットへの接続を要求する旨の要求メッセージと、インターネット接続に用いる接続パラメータとをメディアアダプタ装置2に送信する(ステップS101)。メディアアダプタ装置2は、この要求メッセージおよび接続パラメータを受信すると、この接続パラメータを確認して、この接続パラメータおよび要求メッセージを無線通信端末3に転送する(ステップS102)。無線通信端末3は、メディアアダプタ装置2から要求メッセージおよび接続パラメータを受信し、この要求メッセージおよび接続パラメータを無線回線事業者網8に転送してインターネット接続のための設定を要求する(ステップS103)。
【0041】
無線回線事業者網8内でインターネット接続処理を行うサーバは、無線通信端末3が転送した要求メッセージおよび接続パラメータを受信する(ステップS104)。そして無線回線事業者網8内のサーバは、受信した接続パラメータに基づいて、ルータ装置1に設定する運用パラメータを決定し、この運用パラメータを無線通信端末3に転送する(ステップS105)。なお、運用パラメータは、アダプタ通信を制御するためにルータ装置1に設定されるパラメータである。無線通信端末3は、無線回線事業者網8内のサーバから運用パラメータを受信し、この運用パラメータをメディアアダプタ装置2に転送する転送処理を行う(ステップS106)。また、メディアアダプタ装置2は、無線通信端末3が転送した信号を受信し、この信号をEthernetで用いられる電気信号に変換する変換処理を行う(ステップS107)。ルータ装置1は、メディアアダプタ装置2から転送された信号に含まれる運用パラメータを自身に設定することで、メディアアダプタ装置2および無線回線事業者網8を介してインターネット網9に接続するインターネット接続を行う(ステップS108)。
【0042】
一方、無線通信端末3は、ステップS100でメディアアダプタ装置2の電源がONにされると、通信情報をメディアアダプタ装置2に送信する(ステップS109)。メディアアダプタ装置2は、通信情報を受信し、ルータ装置1からの要求メッセージに対して応答するときに、応答メッセージのオプション部分に無線通信端末3から受信した通信情報を付加してルータ装置1に送信する(ステップS110)。これにより、ルータ装置1は、通信情報を入手することとなる(ステップS111)。
【0043】
通信情報を入手したルータ装置1は、この通信情報を用いて、PPPoEでメディアアダプタ装置2に接続認証処理を要求する認証要求メッセージと、認証キーとをメディアアダプタ装置2に送信する(ステップS112)。メディアアダプタ装置2は、ルータ装置1から認証要求メッセージおよび認証キーを受信し、受信した認証要求メッセージおよび認証キーを無線通信端末3に送信する(ステップS113)。無線通信端末3は、認証要求メッセージおよび認証キーを受信すると、この認証キーを用いて認証処理を行う(ステップS114)。
【0044】
一方、メディアアダプタ装置2は、認証要求メッセージに応じて、メディアアダプタ装置2にルータ装置1と接続するためのIPアドレスの割り当てを行い、割り当てたIPアドレスをルータ装置1に通知する(ステップS115)。ルータ装置1は、メディアアダプタ装置2から通知されたIPアドレスをルータ装置1自身に登録する(ステップS116)。
【0045】
また、ルータ装置1は、通信情報に基づいて、ルータ装置1が無線通信端末3と直接接続するための設定パラメータの通知を無線通信端末3に要求する通知要求メッセージをメディアアダプタ装置2に送信し、設定パラメータをダウンロードする設定登録接続を行う。このときルータ装置1は、通信情報に基づいて認証キーおよび通知要求メッセージをメディアアダプタ装置2に送信する(ステップS117)。メディアアダプタ装置2は、この通知要求メッセージおよび認証キーについて通信方式の変換を行い、無線通信端末3に転送する(ステップS118)。無線通信端末3は、受信した認証キーに基づいて認証処理を行い、認証が成功した場合、この通知要求メッセージを管理サーバ4に送信する。そして無線通信端末3は、記憶部11に記憶された設定パラメータをメディアアダプタ装置2に出力する(ステップS119)。管理サーバ4は、通知要求メッセージを無線通信端末3から受信する(ステップS120)。
【0046】
ルータ装置1は、無線通信端末3から設定パラメータをダウンロードすると、この設定パラメータを用いて無線通信端末3と管理用の接続を確立する。管理用の接続が確立されると、無線通信端末3は、メディアアダプタ装置2がバッファの状態やインタフェースの状態を無線通信端末3に通知するようにメディアアダプタ装置2に設定されたパラメータを変更し、メディアアダプタ装置2のバッファの状態やインタフェースの状態を監視する。また、管理サーバ4は、ステップS120で通知要求メッセージを無線通信端末3から受信すると、アダプタ通信を制御するための運用パラメータを無線通信端末3に転送する。無線通信端末3は、管理サーバ4から運用パラメータを受信すると、受信した運用パラメータに基づいて、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2にそれぞれ設定されたパラメータを変更する。また、受信した運用パラメータのデータ形式がルータ装置1またはメディアアダプタ装置2が解釈できないデータ形式である場合、無線通信端末3は、この運用パラメータをルータ装置1またはメディアアダプタ装置2に設定するデータ形式に変換する翻訳処理を行って、ルータ装置1またはメディアアダプタ装置2を遠隔操作してパラメータを変更する(ステップS121〜ステップS124)。
【0047】
また、管理サーバ4は、ネットワークの状態に応じて、運用パラメータが更新されると、この運用パラメータを無線通信端末3に通知する。更新される運用パラメータは、例えば経路情報である。ルータ装置1から通信先までの経路上にネットワーク断が発生し、使用することができない経路が生じた場合、管理サーバ4は、新たな経路情報を出力する(ステップS125)。
【0048】
無線通信端末3は、更新された運用パラメータに基づいて、ルータ装置1またはメディアダプタ装置2に設定されたパラメータを変更する。ここでルータ装置1またはメディアアダプタ装置2が運用パラメータをそのままのデータ形式で解釈することができない場合、無線通信端末3は、この運用パラメータのデータ形式を変換してtelnetセッションを確立し、変換した運用パラメータをルータ装置1またはメディアアダプタ装置2に設定する(ステップS126)。ルータ装置1は、管理用の接続を介して、無線通信端末3によりパラメータが変更される(ステップS127)。
【0049】
図4は、図1の通信システムで確立される通信を説明するための図である。上記ステップS100からステップS127までの各処理によって、ルータ装置1は、メディアアダプタ装置2に対してLANケーブル5を介してPPPoE接続300,301を確立する。またルータ装置1は、メディアアダプタ装置2を介してインターネット網9に接続するアダプタ通信と、無線通信端末の設定アプリケーションとの管理用接続であるtelnet通信309,310とを確立する。また、無線通信端末3は、メディアアダプタ装置2と管理用接続303,304の通信を確立する。
【0050】
図5は、ルータ装置1とメディアアダプタ装置2の間で行われるPPPoE接続で送受信される情報について説明するための図である。
【0051】
ルータ装置1からメディアアダプタ装置2にPPPoE接続される際には、メディアアダプタ装置2は、メディアアダプタ装置2からルータ装置1に応答する情報に、オプション情報としてVender−Specificタグ200と、追加サービス名タグ201とを追加する。
【0052】
追加サービス名タグ201の値は、管理用接続のための別セッション用サービス名であり、Vender−Specificタグ200の値は、別セッションを起動するためのキーである。
【0053】
図6は、本実施形態にかかるバッファ制御について説明するための図である。
【0054】
ルータ装置1とメディアアダプタ装置2との間の通信速度と、メディアアダプタ装置2とインターネット網9との間の通信速度とは、通常異なる。ルータ装置1とメディアアダプタ装置2との間の通信速度が、メディアアダプタ装置2とインターネット網9との間の通信速度よりも遅い場合、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2は、それぞれ送信するデータをバッファに一時記憶して滞留させ、メディアアダプタ装置2とインターネット網9との間の通信速度に合わせて順次データを送出することができる。
【0055】
しかしながら、バッファサイズ以上のデータが滞留してしまうと、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2は、送信するデータ400を処理しきれず、その一部が送信されず、未送信データ401となるバッファ溢れと呼ばれる現象が発生する場合がある。
【0056】
このバッファ溢れと呼ばれる現象は、例えば、メディアアダプタ装置2とインターネット網9との間で大きな遅延や、輻輳が生じた場合に発生しやすい。一度バッファ溢れが発生すると、TCP(Transmission Control Protocol)の再送機能で未送信データが再送されることがあり、この場合、通信路上に出力されるデータ量が増えるため、さらに多くのデータがメディアアダプタ装置2に出力され、未送信データの量はさらに増える。
【0057】
バッファ溢れは、バッファサイズを大きくすることや、ルータ装置1とメディアアダプタ装置2との間の通信速度を低下させるバッファ制御を行うことで抑制することが可能である。バッファ制御は、メディアアダプタ装置2とインターネット網9との間の通信速度およびバッファの状態に応じて行われることが望ましい。このため本実施形態では、無線通信端末3は、設定アプリケーションの機能で、メディアアダプタ装置2とインターネット網9との間の通信速度およびバッファの状態に応じたバッファ制御を行う。
【0058】
図7は、本発明の第1の実施形態にかかる通信システムのバッファ制御の動作について説明するための図である。
【0059】
図3に示したステップS127の処理により、管理用接続が確立されると、ルータ装置1は、現在のメディアアダプタ装置2のバッファの状態、無線回線事業者網8の回線速度、およびバッファの状態を判定するための閾値など通信システムの状態を確認するためのデータを無線通信端末3に送信する(ステップS200)。
【0060】
一方、メディアアダプタ装置2は、無線通信端末3からの設定に従い、定期的にメディアアダプタ装置2のバッファの状態を確認する(ステップS201)。
【0061】
また、メディアアダプタ装置2は、確認したバッファの状態を示すデータを通知する。メディアアダプタ装置2は、例えば閾値を用いて、バッファに閾値以上のデータが記憶されているか否かを判定し、閾値以上のデータが記憶されている場合に、バッファ量が所定以上であることを示すデータを無線通信端末3に通知する。また、無線通信端末3に通知されるデータは、現在のバッファサイズや、データ量、判定に用いた閾値を含んでもよい(ステップS202)。
【0062】
図8および図9は、メディアアダプタ装置2から無線通信端末3に通知するデータの通知フォーマットの一例を示す図である。メディアアダプタ装置2は、設定アプリケーションソフトウェアで予め決められた通知フォーマット507および508を用いて無線通信端末3にデータを通知する。
【0063】
無線通信端末3は、無線回線事業者網8の回線速度を取得し、またメディアアダプタ装置2から受信したデータに基づき、現在の通信システムの状態を確認する(ステップS203)。そして無線通信端末3は、取得したデータに基づいて、設定パラメータを決定し、ルータ装置1に通知する(ステップS204)。
【0064】
ルータ装置1は、無線通信端末3からデータの通知を受けると、このデータに基づいてバッファ状態を確認する(ステップS205)。
【0065】
ルータ装置1は、バッファ溢れの状態であると判断すると、メディアアダプタ装置2と接続されたインタフェースのシェーピング処理を行い、ルータ装置1とメディアアダプタ装置2との間の通信速度を低下させる(ステップS206)。
【0066】
また、ルータ装置1は、バッファサイズの調整処理を行う。ルータ装置1は、ルータ装置およびメディアアダプタ装置2に備わったバッファのサイズを増加させる(ステップS207)。
【0067】
ルータ装置1は、ステップS206のシェーピング処理で通信速度を所定の値まで低下させた場合、および、ステップS207のバッファサイズ調整処理でバッファサイズを所定の値まで増加させた場合、再びステップS205のバッファ状態確認処理を行う。
【0068】
また、ここでは図示していないが、ルータ装置1は、所定の限界値まで通信速度を低下させ、バッファサイズを増加させてもバッファ溢れの状態となる場合、さらに経路制御を行うこともできる。この場合、無線通信端末3が管理サーバ4から経路情報を取得して、この経路情報に基づいて経路制御が行われることもある。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、通信方式の変換を行うメディアアダプタ装置2および無線回線事業者網8と接続された無線通信端末3は、メディアアダプタ装置2および無線回線事業者網8を介して所定のネットワークであるインターネット網9に接続するアダプタ通信を確立するルータ装置1およびメディアアダプタ装置2のそれぞれに設定されたアダプタ通信に係るパラメータを、無線通信部32と無線回線事業者網8との間の通信情報に基づいて変更する。これにより、アダプタ通信のトラフィック制御が無線通信端末3により行われる。無線通信端末3は、無線回線事業者網8と接続されているため、ネットワークを介してアプリケーションをダウンロードしたり、ネットワークを介した設定変更を受け付けたりすることができる。このため、アダプタ通信のトラフィック制御の内容を容易に変更することが可能になる。
【0070】
また、本実施形態によれば、ルータ装置1が無線通信端末3と通信を確立するための通信情報は、無線通信端末3からルータ装置1に通知され、この通信情報に基づいて、ルータ装置1のパラメータを変更するための通信が確立される。これにより、通信情報の内容を容易に変更することが可能になる。
【0071】
また、本実施形態によれば、無線通信端末3は、アダプタ通信を制御するための管理情報を管理サーバ4から取得し、取得した管理情報に基づいて、ルータ装置1またはメディアアダプタ装置2のパラメータを変更する。これにより、管理情報を容易に変更することができ、アダプタ通信の制御をネットワークを介して行うことが可能になる。
【0072】
また、管理情報は、アダプタ通信に係る経路情報であってもよい。また、無線通信端末3は、ルータ装置1が使用しているルーティングプロトコルに応じて、取得した経路情報のデータ形式を変換してルータ装置1のパラメータを変更することが可能である。これにより、新しいルーティングプロトコルがネットワーク上で利用される場合に、ルータ装置1が、このルーティングプロトコルに基づいてルータ装置1を制御するソフトウェアを実行することができない場合であっても、ルータ装置1を新しいルーティングプロトコルに従って動作させることが可能になる。
【0073】
また、本実施形態によれば、無線通信端末3は、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2のパラメータを変更することで、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2にアダプタ通信を制御するための情報を通知させる。これにより、アダプタ通信の制御が無線通信端末3を介して行われるため、アダプタ通信の制御内容を容易に変更することが可能になる。
【0074】
また、無線通信端末3は、アダプタ通信を制御するための情報として、ルータ装置1およびメディアアダプタ装置2バッファの状態を示す情報を通知させてもよい。そして無線通信端末3は、通知された情報に基づいて、バッファのサイズを変更することができる。これにより、アダプタ通信におけるバッファ溢れを抑制することができ、アダプタ通信のトラフィックを適切に制御することが可能になる。
【0075】
また、本実施形態によれば、無線通信端末3は、メディアアダプタ装置2のパラメータを変更することで、無線通信端末3にインタフェースの状態を通知させる。これにより、メディアアダプタ装置2のインタフェースの状態ネットワークを介して把握することができるようになる。このため、メディアアダプタ装置2が故障した場合であっても、メディアアダプタ装置2が設置された現地まで行かなくても、故障原因を特定することが可能になる。
【0076】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、ルータ装置1がメディアアダプタ装置2および無線回線事業者網8を介してインターネット網9に接続するアダプタ通信にPPPoEを用いてが、本発明はかかる例に限定されず、アダプタ通信には、PPPoE以外の方式が用いられてもよい。以下、アダプタ通信にDHCP(Dynamic Host COnfiguration Protocol)を用いる場合について第2の実施形態として説明する。
【0077】
図10は、本発明の第2の実施形態にかかる通信システムの動作について説明するための図である。
【0078】
なお、本実施形態において、通信システムの構成や各構成要素の基本的な機能については、第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0079】
ルータ装置1は、PPPoEを用いてメディアアダプタ装置2と接続501を行う。そしてこの接続501を用いて、図3に示した各処理を行い、ステップS121に示した運用パラメータのダウンロードを行うと、インターネットに接続するアダプタ通信をDHCPクライアントへ変更し、DHCPでインターネット接続502を行う。
【0080】
また、このときセカンダリのIPアドレスを登録し、無線通信端末3をセカンダリネットワークのDHCPクライアントにすることを要求する要求メッセージ503を無線通信端末3に送信する。そしてルータ装置1は、DHCPサーバとして機能し、無線通信端末3にIPアドレスを付与して、DHCPの通信504を確立する。
【0081】
以上説明したように、本実施形態においても、アダプタ通信のトラフィック制御の内容を容易に変更することが可能になる。
【0082】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0083】
例えば、上記実施形態では、無線通信端末3は、スマートフォンまたはタブレット端末であることとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、無線通信端末3は、ゲーム機器、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)、ナビゲーション装置、音楽再生装置、および映像処理装置などである。また映像処理装置には、カメラ、レコーダ、プレイヤなども含まれる。
【0084】
また上記実施形態では、通信システムに含まれる各装置の構成および機能について説明したが、これら各装置により行われる方法や、各装置の実行する処理手順を記述したプログラム、このプログラムを記憶した記憶媒体などを提供することもできる。
【符号の説明】
【0085】
1 ルータ装置
2 メディアアダプタ装置
3 無線通信端末
4 管理サーバ
5 LANケーブル
6 コネクタ
7 有線回線事業者網
8 無線回線事業者網
9 インターネット網
11 記憶部
31 接続部
32 無線通信部
33 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11