特許第5769286号(P5769286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769286
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】イメージング装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/10 20060101AFI20150806BHJP
   A61B 17/11 20060101ALI20150806BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20150806BHJP
   A61B 1/04 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   A61B17/10
   A61B17/11
   A61B1/00 334Z
   A61B1/04 372
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2010-200378(P2010-200378)
(22)【出願日】2010年9月7日
(62)【分割の表示】特願2009-264422(P2009-264422)の分割
【原出願日】2002年4月22日
(65)【公開番号】特開2011-31051(P2011-31051A)
(43)【公開日】2011年2月17日
【審査請求日】2010年9月7日
(31)【優先権主張番号】60/285,193
(32)【優先日】2001年4月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/300,107
(32)【優先日】2001年6月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/344,648
(32)【優先日】2001年12月31日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501289751
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ピー. ホイットマン
【審査官】 安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−061777(JP,A)
【文献】 特開平11−253402(JP,A)
【文献】 特開平06−142081(JP,A)
【文献】 特開平08−024208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
A61B 17/00−17/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用イメージングシステムであって、
外科用装置と、
該外科用装置に配置されている画像捕獲装置であって、該画像捕獲装置は、レンズおよび画像センサのうちの少なくとも1つを含み、該画像センサは、画像を捕獲し、画像データを提供するように構成され、該画像捕獲装置は、画像化されるべき物体を照射するための光源をさらに含む、画像捕獲装置と、
該画像捕獲装置と通信する回路装置であって、該回路装置は、該光源によって提供される照明の量を制御するように構成されている、回路装置と、
該回路装置に含まれるユーザ入力装置であって、該ユーザ入力装置は、ユーザからのコマンドを無線で受信するための無線受信機を有し、該コマンドは、該光源によって提供される照明の量を制御するためのユーザコマンドを含む、ユーザ入力装置と
を備えている、外科用イメージングシステム。
【請求項2】
前記回路装置は、前記光源によって提供される照明の量を制御するための制御データを前記画像捕獲装置に提供するように構成されている、請求項1に記載の外科用イメージングシステム。
【請求項3】
前記ユーザ入力装置は、前記ユーザから受信した前記コマンドに従ってユーザ入力データを生成し、該ユーザ入力データを処理装置に伝送する、請求項1に記載の外科用イメージングシステム。
【請求項4】
電源装置をさらに備えている、請求項1に記載の外科用イメージングシステム。
【請求項5】
レンズ上の破片を掃除するクリーニング装置をさらに備えている、請求項1に記載の外科用イメージングシステム。
【請求項6】
前記クリーニング装置は、データ・バスに通信可能に結合されている、請求項5に記載の外科用イメージングシステム。
【請求項7】
前記外科用装置は、電気機械駆動装置によって駆動されるように構成されている、請求項1に記載の外科用イメージングシステム。
【請求項8】
前記外科用装置は、外科用ステープラーである、請求項1に記載の外科用イメージングシステム。
【請求項9】
前記画像捕獲装置と前記回路装置とは、該画像捕獲装置および該回路装置の両方に隣接して配置されているデータ・バスを介して互いに通信する、請求項1に記載の外科用イメージングシステム。
【請求項10】
外科用イメージング装置であって、
外科用装置の外面に取り外し可能に結合するように構成されているハウジングと、
該ハウジング内にあり、画像を捕獲し、画像データを提供するように構成されている画像捕獲装置であって、該画像捕獲装置は、画像化されるべき物体を照射するための光源を備えている、画像捕獲装置と、
該画像捕獲装置と通信するユーザ入力装置であって、該ユーザ入力装置は、ユーザからのコマンドを無線で受信するための無線受信機を有し、該コマンドは、該光源によって提供される照明の量を制御するためのユーザコマンドを含む、ユーザ入力装置
を備えている、外科用イメージング装置。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記外科用イメージング装置に滑らせて結合するように構成されている、請求項10に記載の外科用イメージング装置。
【請求項12】
前記ハウジングは、紐状部材によって前記外科用イメージング装置に結合するように構成されている、請求項10に記載の外科用イメージング装置。
【請求項13】
前記画像捕獲装置によって生成される前記画像データは、静止画像データおよびビデオ・データのうちの1つを含む、請求項10に記載の外科用イメージング装置。
【請求項14】
前記画像捕獲装置は、レンズを含む、請求項10に記載の外科用イメージング装置。
【請求項15】
前記ハウジング内に配置されている回路装置をさらに備え、該回路装置は、前記画像データを少なくとも1つの遠隔装置に通信するよう構成されている、請求項10に記載の外科用イメージング装置。
【請求項16】
前記ハウジング内にある電源装置をさらに含み、前記回路装置は、前記画像捕獲装置と前記外科用イメージング装置に電力を供給するための該電源装置とに電気的に結合されている、請求項15に記載の外科用イメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用装置と組み合わせて使用することのできるイメージング装置に関する。
〔関連する出願の相互参照〕
【0002】
本出願には、以下に示す各特許出願の全体が、参考として組み込まれているものとする:1999年6月2日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/324,452号、2000年11月28日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/723,715号、1999年6月2日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/324,451号、1999年7月12日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/351,534号、2000年2月22日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/510,923号、2000年2月22日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/510,927号、2000年2月22日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/510,932号、2001年4月17日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/836,781号、2001年6月22日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/887,789号。本出願は、2001年4月20日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第60/285,193号、2001年6月22日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第60/300,107号、2001年12月31日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第60/344,648号のそれぞれの便益も主張するものであり、そのそれぞれの全体が参考としてこの明細書に明らかな形で含まれているものとする。
【背景技術】
【0003】
外科医は、腹腔間や胸郭間の手術、あるいはそれ以外の同様の手術を行なうため、さまざまな外科用器具を使用する。一般に、外科医は侵襲を最少にする外科的テクニックを用いてこれらの手術を実行しようとする。例えば内視鏡を用いる手術の場合には、患者に小さな切開部を作って内視鏡を体内に挿入し、外科医が手術を行なう予定の体腔を眺める。このタイプの外科手術では、一般に、外科医が、手術中に体腔の様子と使用している外科用器具の操作状況を見ることのできる内視鏡を使用する必要がある。多くの場合、外科医は、内視鏡と外科用器具の両方を同じ切開部から挿入するか、あるいは器具ごとに別の切開部を利用することができる。内視鏡を用いたほとんどの手術では、外科医チームの一人が、内視鏡の位置を連続的にモニターして体腔の適切な画像を維持するとともに、外科用器具の操作も連続的にモニターする。
【0004】
内視鏡を使用することに加え、外科用器具の中には使用中の構成部分の位置を示す装置が含まれているものがある。遠隔式の状況表示器が、この情報を、電磁センサに接続されたLCD表示器を通じてユーザに提供する。一実施態様では、外科用器具がアンビル部とステープル、刃およびリザーバ(SBR)部を備えることができる。この外科用器具は、シャフトを介して電気機械駆動装置に対して取り外し可能に結合されている。外科医は、その付属物のシャフトとSBR部を体腔の中に入れる。アンビル部の基部とSBR部ハウジングの外縁部には、ハンドルのLCD表示器に接続された電磁センサを含むことができる。これにより外科医は、外科手術を行なっている間、アンビル部とSBR部の位置を知ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようにLCD表示器を用いると外科医に外科用器具の位置に関する何らかの情報が伝わるが、このようなLCD表示器は内視鏡と組み合わせて使用されてもよい。内視鏡に加えてLCD表示器を使用することで、外科医は体腔の視覚的画像を(内視鏡を通じて)受け取るとともに、手術中の外科用器具の位置に関する表示も(LCD表示器を通じて)受け取ることができる。外科用器具そのものに結合されたイメージング装置を提供することは有利なことである。そのようなイメージング装置は、手術を行なっている間、外科医に体腔の画像と外科用器具を操作しているところの画像の両方を提供することができる。画像を受信すべく適合されたさまざまな外科用器具において再使用可能なイメージング装置を提供することもまた有利なことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
外科用装置の外面に取り外し可能に結合されたハウジングと、
上記ハウジング内にあって、画像を捕獲して画像データを提供する画像捕獲装置と、
を備えることを特徴とする外科用イメージング装置。
(項目2)
上記ハウジングが、滑らせて上記外科用装置に結合されるよう構成されている、項目1に記載の外科用イメージング装置。
(項目3)
上記ハウジングが、紐状部材を通じて上記外科用装置に結合されている、項目1に記載の外科用イメージング装置。
(項目4)
上記画像捕獲装置が生成した画像データが、静止画像データまたはビデオ・データを含む、項目1に記載の外科用イメージング装置。
(項目5)
上記画像捕獲装置がレンズを備える、項目1に記載の外科用イメージング装置。
(項目6)
上記画像捕獲装置が、レンズを通して画像を捕獲する位置にある画像センサをさらに備える、項目5に記載の外科用イメージング装置。
(項目7)
上記画像捕獲装置が、画像化する物体を照射する光源をさらに備える、項目6に記載の外科用イメージング装置。
(項目8)
上記ハウジング内に配置され、上記画像データを少なくとも1つの遠隔装置に伝達する回路装置をさらに備える、項目1に記載の外科用イメージング装置。
(項目9)
上記回路装置が、上記画像データを、有線により、あるいは無線により、上記少なくとも1つの遠隔装置に伝送する、項目8に記載の外科用イメージング装置。
(項目10)
外面を有する外科用装置と、
上記外科用装置の外面に取り外し可能に結合されたハウジングと該ハウジング内にあって画像を捕獲して画像データを提供する画像捕獲装置とを有する外科用イメージング装置と、
を備えることを特徴とする外科用アタッチメント。
(項目11)
上記ハウジングが、滑らせて上記外科用装置に結合されている、項目10に記載の外科用アタッチメント。
(項目12)
上記ハウジングが、紐状部材を通じて上記外科用装置に結合されている、項目10に記載の外科用アタッチメント。
(項目13)
上記画像捕獲装置が生成した上記画像データが、静止画像データまたはビデオ・データを含む、項目10に記載の外科用アタッチメント。
(項目14)
上記画像捕獲装置がレンズを備える、項目10に記載の外科用アタッチメント。
(項目15)
上記画像捕獲装置が、レンズを通して画像を捕獲する位置にある画像センサをさらに備える、項目14に記載の外科用アタッチメント。
(項目16)
上記画像捕獲装置が、画像化する物体を照射する光源をさらに備える、項目15に記載の外科用アタッチメント。
(項目17)
上記ハウジング内にあって上記画像データを少なくとも1つの遠隔装置に伝送する回路装置をさらに備える、項目10に記載の外科用アタッチメント。
(項目18)
上記回路装置が、上記画像データを、有線により、あるいは無線により、上記少なくとも1つの遠隔装置に伝送する、項目17に記載の外科用アタッチメント。
(項目19)
電気機械駆動装置と、
外面を有する外科用装置および外科用イメージング装置を有する外科用アタッチメントとを備え、
上記外科用イメージング装置は、上記外科用装置の外面に取り外し可能に結合されたハウジングと該ハウジング内にあって画像を捕獲して画像データを提供する画像捕獲装置とを備える、
ことを特徴とする外科用システム。
(項目20)
上記ハウジングが、滑らせて上記外科用装置に結合されている、項目19に記載の外科用システム。
(項目21)
上記ハウジングが、紐状部材を通じて上記外科用装置に結合されている、項目19に記載の外科用システム。
(項目22)
上記画像捕獲装置が生成した上記画像データが、静止画像データまたはビデオ・データを含む、項目19に記載の外科用システム。
(項目23)
上記画像捕獲装置がレンズを備える、項目19に記載の外科用システム。
(項目24)
上記画像捕獲装置が、上記レンズを通して画像を捕獲する位置にある画像センサをさらに備える、項目23に記載の外科用システム。
(項目25)
上記画像捕獲装置が、画像化する物体を照射する光源をさらに備える、項目24に記載の外科用システム。
(項目26)
上記ハウジング内にあって上記画像データを少なくとも1つの遠隔装置に伝送する回路装置をさらに備える、項目19に記載の外科用システム。
(項目27)
上記回路装置が、上記画像データを、有線により、あるいは無線により、上記少なくとも1つの遠隔装置に伝送する、項目26に記載の外科用システム。
(項目28)
外科用イメージング装置の利用方法および再利用方法であって、
上記外科用イメージング装置を第1の外科用装置に取り外し可能に結合し、
上記外科用イメージング装置を上記第1の外科用装置から取り外し、そして
上記外科用イメージング装置を第2の外科用装置に取り外し可能に結合する、
ステップを備えることを特徴とする方法。
(項目29)
上記外科用イメージング装置を上記第1と第2の外科用装置に取り外し可能に結合する各ステップが、上記外科用イメージング装置を滑らせて上記第1と第2の外科用装置のそれぞれに結合するステップを含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
上記外科用イメージング装置を上記第1と第2の外科用装置に取り外し可能に結合する各ステップが、上記外科用イメージング装置を紐状部材を通じて上記第1と第2の外科用装置のそれぞれに結合するステップを含む、項目28に記載の方法。
(項目31)
画像データを上記外科用イメージング装置を通じて生成させるステップをさらに含む、項目28に記載の方法。
(項目32)
上記外科用イメージング装置によって生成された上記画像データが、静止画像データまたはビデオ・データを含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
画像化する物体を照射するステップをさらに含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
上記画像データを少なくとも1つの遠隔装置に伝送するステップをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目35)
上記伝送ステップは、有線と無線の少なくとも一方により伝送するステップを含む、項目34に記載の方法。
本発明の一実施態様では、外科用器具の外面に取り外し可能に結合されたハウジングと、画像データを生成する画像捕獲装置とを備えるイメージング・ユニットが提供される。このイメージング・ユニットは、ハウジングの内部にあって画像捕獲装置に電気的に結合された回路装置も備えることができる。この場合、回路装置は、画像データを少なくとも1つの遠隔装置に送る構成になっている。
【0007】
本発明の別の実施態様では、外科用器具と、イメージング・ユニットとを備える外科用アタッチメントが提供される。このイメージング・ユニットは、外科用器具の外面に取り外し可能に結合されたハウジングと、画像データを生成する画像捕獲装置とを備えている。イメージング・ユニットはさらに、ハウジングの内部にあって画像捕獲装置に電気的に結合された回路装置も備えることができる。この場合、回路装置は、画像データを少なくとも1つの遠隔装置に伝送する構成になっている。
【0008】
本発明の別の実施態様では、電気機械駆動装置と、この電気機械駆動装置に取り外し可能に結合された外科用器具と、イメージング・ユニットとを備える外科用システムが提供される。このイメージング・ユニットは、外科用器具の外面に取り外し可能に結合されたハウジングと、画像データを生成する画像捕獲装置とを備えている。イメージング・ユニットはさらに、ハウジングの内部にあって画像捕獲装置に電気的に結合された回路装置も備えることができる。この場合、回路装置は、画像データを少なくとも1つの遠隔装置に伝送する構成になっている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明による外科用システム100の一例を示す図である。
図2a】円形の外科用ステープラー・アタッチメントを示す図である。
図2b】直線状外科用ステープラーを示す図である。
図3a】外科用装置と結合するよう構成された本発明によるイメージング装置の第1の実施例を示す図である。
図3b】外科用装置とこれに結合された図3aのイメージング装置を示す図である。
図4a】本発明による画像捕獲装置の一例を示す図である。
図4b図4aに示した画像捕獲装置の側面図である。
図5】本発明による回路装置の一例を示す図である。
図6】イメージング装置に電力を供給するための本発明による電源の一例を示す図である。
図7a】イメージング・ポッドの形をした別のイメージング装置を示す図である。
図7b図7aに示すイメージング装置を詳細に示した側面図である。
図7c】外科用装置に結合したイメージング・ポッドを有する外科用アタッチメントを示す図である。
図8a】本発明による別のイメージング・ポッドを示す図である。
図8b図8aに示すイメージング・ポッドを受け入れるよう構成された外科用装置のレセプタクルの一例を示す図である。
図9】本発明による別の外科用アタッチメントを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、外科用システム100が図示されている。外科用システム100は、外科用アタッチメント120に取り外し可能に結合された電気機械駆動装置110を備えている。このような電気機械駆動装置は、例えば、「電気機械外科用装置」という名称のアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/723,715号、2001年4月17日に出願された「電気機械外科用装置」という名称のアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/836,781号、2001年6月22日に出願された「電気機械外科用装置」という名称のアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/887,789号に記載されている。なおそれぞれの出願は、参考としてその全体がこの明細書に明らかな形で組み込まれているものとする。電気機械駆動装置110は、例えば遠隔電力コンソール(RPC)105を備えることができる。このRPC105は、前面パネル125を有するハウジング115を備えている。前面パネル125には、ディスプレイ装置130と表示器135a、135bが据えつけられている。前面パネル125には接続用スロット140も設けられている。電気機械駆動装置110は、RPC105に取り付けられたビデオ・ディスプレイ145も備えることができる。ビデオ・ディスプレイ145としては、例えばテレビ・モニタ、コンピュータ・モニタ、CRT、あるいは見るための他の装置が挙げられる。ビデオ・ディスプレイ145は、例えばイメージング装置195から画像信号(例えばビデオ信号)を受信することができる。電気機械駆動装置110は、受信器またはトランシーバ155と、イメージング装置195から受信した信号を変換してビデオ・ディスプレイ145に表示するのに適切な形に変換するよう働く回路160とを有する受信システム150を備えることもできる。この受信システム150はさらに、イメージング装置195から受信した処理済み画像データをバッファおよび/または記憶するためのメモリ装置165も備えることができる。
【0011】
可撓性のあるシャフト170をハウジング115から延ばすことができる。このシャフト170は、第1のカップリング175を通じ、ハウジング115に取り外し可能に固定することができる。この可撓性シャフト170の遠位端180には、外科用アタッチメント120を取り外し可能に固定するための第2のカップリング185を設けることができる。
【0012】
可撓性シャフト170の内部チャネル内には、その長さに沿って、回転可能なシャフト、ステアリングケーブル、1本以上のデータ伝送用ケーブル、電力伝送用リード線を配置することができる。これらすべては、可撓性シャフト170の遠位端180に位置する第2のカップリング185まで延びている。電気機械駆動装置110は、モーター・システム(図示せず)を備えることができる。このモーター・システムは、上記駆動シャフトを回転させて張力を加えたりステアリングケーブルを別の方法で駆動したりすることによって可撓性シャフト170の遠位端180を操縦する1台以上のモーターを備えている。
【0013】
さまざまなタイプの外科用装置190を可撓性シャフト170の遠位端180に取り付けることができる。それは、例えば図2aに概略を示した円形の外科用ステープラー・アタッチメント(CSS)250である。CSS250は、このCSS250を可撓性シャフト170の第2のカップリング185に取り外し可能に結合するのに適したサイズと構造になったカップリング255を備えている。CSS250は、アンビル部260も備えている。このアンビル部260は、アンビル基部270の遠位端に取り付けられたアンビル265を備えている。アンビル基部270は、CSS250の本体部275内に回転可能に固定されたアンビル駆動シャフト(図示せず)を操作すると延びたり引っ込んだり(出し入れ)する。CSS250はさらに、本体部275の中にステープル駆動装置/切断機構(図示せず)を備えている。作動中は、電気機械駆動装置110の内部にあるモータを動かすことにより、アンビル265とステープル駆動装置/切断機構の出し入れを実現することができる。アンビル265とステープル駆動装置/切断機構の動作および制御は、遠隔制御ユニット(図示せず)を用いて実現することができる。アンビル265とステープル駆動装置/切断機構の位置と場所は、電気機械駆動装置110に送信される信号により示され、ユーザのためにディスプレイ装置130と表示器135a、135bに表示される。CSS250はさらに、第2のカップリング185との間で電気的な接続とデータ通信可能な接続とができるよう適合されたデータ・コネクタ(図示せず)を備えている。
【0014】
ここで図2bを参照すると、別の外科用装置190が直線状外科用ステープラー205として図示されている。これについては、アメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/324,452号に詳しく記載されており、その全体が参考としてこの明細書に明らかな形で組み込まれているものとする。この直線状外科用ステープラー205は、下方あご部210と、上方あご部215と、カップリング220とを備える分離あごシステムを備えることができる。カップリング220は、六角形をした2つのソケット225a、225bを備えることができる。これらソケットの中に、可撓性シャフト70の第2のカップリング185が取り外し可能に受容されている。上方あご部215と下方あご部210の遠位先端には、互いに向かい合った2つの磁気センサ230、235を配置することができる。それぞれの磁気センサは、可撓性シャフト170を通じて電気機械駆動装置110に接続された回路の構成部分(図示せず)に接続されている。下方あご部210と上方あご部215が噛み合うと、この回路が閉じ、電気機械駆動装置110の表示器135a、135bが、下方あご部210のステープリング機構(図示せず)が安全に作動し始めたことを示す信号を出す。直線状外科用ステープラー205はさらに、組織を閉じるため、下方あご部210と上方あご部215を組織上で噛み合わせてステープルを組織の内部に閉じるよう駆動すべく設けられたシャフト兼駆動部材も備えることができる。磁気センサ230、235と、直線状外科用ステープラーアタッチメント205に付随した回路は、例えば組織の一部を十分にクランプしたときにユーザにそのことを示す信号を出すこともできる。
【0015】
直線状外科用ステープラー205はさらに、電極(図示せず)を備えることもできる。電極はコンタクト240を通じてRFエネルギーを受け取り、組織の凝固化および/または網状化を可能にする。直線状外科用ステープラー205は、さまざまな電極および/またはステープリング構造と合体することができる。それは例えば、2001年4月20日に出願された「外科用の直線状クランピング・ステープリング・カッティング装置」という名称のアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第60/285,113号と、2001年5月8日に出願された「バイポーラ式外科用装置」という名称のアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第60/289,370号に記載されている。なおそれぞれの出願は、参考としてその全体がこの明細書に明らかな形で組み込まれているものとする。
【0016】
図2aには円形の外科用ステープラーが図示され、図2bには直線状の外科用ステープラーが図示されているだけだが、外科用装置190には他の構成も含まれることに注意されたい。例えば外科用装置190には、トロカール(trocar)装置が含まれる。これについては、2002年3月14日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第10/098,217号に記載されている。なおこの出願は、参考としてその内容がこの明細書に明らかな形で組み込まれているものとする。
【0017】
ここで図3aを参照すると、外科用装置190(例えば直線状ステープラーまたは外科用円形ステープラー)と結合される構成の第1のイメージング装置300が図示されている。イメージング装置300は、くり抜き部310と、画像捕獲装置315(例えばカメラ)と、画像捕獲装置315に電気的に接続された回路装置320と、イメージング装置300に電力を供給する電源装置330とを有するハウジング315を備えている。
【0018】
イメージング装置300は、外科用装置190をくり抜き部310内に滑り込ませて受容する構成になっている。そのため外科用装置190は、図3bに示したように、くり抜き部310に対して第1の方向325に挿入することができる。外科用装置190は、一旦挿入されると、カップリング機構(図示せず)によってくり抜き部310の内部の所定の位置に保持される。
【0019】
カップリング機構は、くり抜き部310の内部の所定の位置に外科用装置190を取り外し可能に保持するのに適した任意の機構(例えばクランプ、ナット、ボルト、留め金、紐(strap)、摩擦適合装置、スナップ(締め金)適合装置など)を備えうることに注意されたい。したがってイメージング装置300は、外科用装置190の外面に取り外し可能に結合または固定することができる。このような構成にすると、イメージング装置300を外科用装置190とともに使用した後、イメージング装置300を外科用装置190から取り外し、別の外科用装置で再使用することができる。この構成は、例えば外科用装置が使い捨てのものであり、イメージング装置300を数回利用することが望ましい場合に特に好ましい。もちろん別の実施態様では、外科用装置190をイメージング装置300に恒久的に結合させることができる。
【0020】
図3aと図3bには円筒形状のくり抜き部310を示したが、くり抜き部310は、他の外科用装置(形状が円筒形である場合とそうでない場合がありうる)に両立性あるアタッチメントを提供するのに適した形状および構成にできることに注意されたい。
【0021】
ここで図4aを参照すると、図3aと図3bに示した画像捕獲装置315をより詳細に示した正面図が図示してある。この図4aに示されるように、画像捕獲装置315は、レンズ405と、画像化する物体を照射するための光源410(例えば光ファイバー光源、電球、LEDなど)と、レンズ405を通して画像を捕獲できる位置にある画像センサ440(例えば光感受性のある装置で、具体的にはCCDやCMOSタイプの画像センサ)を備えている。一実施態様では、画像捕獲装置315はさらに、レンズ405から破片を掃除するクリーニング装置415を備えることができる。レンズ405、光源410、画像センサ440およびクリーニング装置415のそれぞれは、データ・バス430に伝送可能に結合されている。
【0022】
作動中は、画像センサ440が、例えば外科用装置190の遠位端から見た画像をレンズ405を通じて受信する。画像捕獲装置315は、画像に従った画像データを発生させ、その画像データをデータ・バス430を介して回路装置320に伝送する。
【0023】
図示した実施態様では、画像センサ440はレンズ405の後ろに位置している。しかし画像センサ440をレンズ405から離れた位置に配置し、レンズ405からの光が例えば光ファイバー接続を通じて画像センサ440に伝送されるようにすることもできる。一実施態様では、画像センサ440はハウジング305の中に配置される。別の実施態様では、画像センサ440は、可撓性シャフト170の中、および/またはこの可撓性シャフト170へのカップリングの中、および/または電気機械駆動装置110の中に配置される。いずれにせよ、画像データは、無線接続または有線接続を通じて電気機械駆動装置に伝送することができる。
【0024】
ここで図4bを参照すると、図4aに示した画像捕獲装置315の側面図が図示してある。クリーニング装置415は、例えば空気/水混合物をレンズ405を横断してまき散らすための中空幹420を備えることができる。そのため中空軸420の近位端(図示せず)には、遠隔装置(図示せず)例えば、電気機械駆動装置110からの空気/水混合物を受け入れることができる。空気/水混合物は、中空幹を通じて駆り立てられ、中空幹420の遠位端425から外に出る。このようにすると、空気/水混合物がレンズ405を横断してまき散らさせ、使用中はレンズ405から破片を掃除するのを助ける。
【0025】
画像捕獲装置315は、画像データをデータ・バス430を介して回路装置320に伝送することに加え、データ・バス430を介して回路装置320から制御データを受信する。制御データによって行なうことができる制御は、例えばレンズ405のズーミング制御、および/または光源410により発生する照明の制御、および/またはクリーニング装置415の中空幹420を通過して駆り立てられた空気/水混合物の流速制御である。
【0026】
画像捕獲装置315は、1つ以上のレンズ405および/または1つ以上の画像センサ440および/または1つ以上の光源410を備えることができる。複数のレンズ405および/または画像センサ440があると、ユーザは異なるレンズ405間で切り換えて異なる視点からの複数の像を得ることができる。例えばユーザは、外科手術プロセスのすべてのステップを介して異なる画像を見ることができる。さらに、複数のレンズがあると、パノラマ画像または幅広の画像を得ることができる。
【0027】
ここで図5を参照すると、図3aと図3bに示した回路装置320の詳細が図示されている。回路装置320は、画像捕獲装置315からの画像データを受信して、かつその画像データを遠隔電源(例えば電気機械駆動装置110)に伝送するのに適した回路を備えている。この回路は、例えばイメージング装置300のハウジング305の内部に位置する堅固な回路板または可撓性のある回路板に物理的に置くことができる。回路装置320は、処理装置505と、メモリ装置510と、ユーザ入力装置525と、伝送装置515とを備えることができる。これら各装置は、データ・バス520を介して互いに結合されている。画像捕獲装置315のデータ・バス430も、このデータ・バス520に通信可能に結合されている。このようにすると、画像データを画像捕獲装置315から受信し、データ・バス520を介して処理装置505および/またはメモリ装置510に伝送することができる。
【0028】
メモリ装置510は、画像データを格納可能な読み出し/書き込み可能な任意のメモリ装置(例えばRAM、FLASH、EPROM、EEPROMなど)を備えることができる。画像捕獲装置315から受信した画像データは、処理装置505により引続き処理するため例えばメモリ装置510に直接記憶できる。この場合には、メモリ装置510が画像捕獲装置315から画像データを受信し、次いでその画像データを処理装置505に送る。他に、画像データを処理装置505に直接伝送して処理させることもできる。このようにすると、処理装置505はデータ・バス520を通じて直接画像捕獲装置315から画像データを受信する。さらに、メモリ装置510は、処理装置505からの処理済み画像を、受信して記憶し、それを後で処理し、および/または処理装置505からの処理済み画像を、伝送装置515を介して遠隔装置に直接送ることができる。他に、画像データを画像捕獲装置315から電気機械駆動装置110のプロセッサに直接伝送することもできる。
【0029】
ユーザ入力装置525は、ユーザからのコマンドを受け取る構成になっている。コマンドとしては、例えばレンズ405をズームにするコマンド、異なるビューに切り換えるコマンド、連続的画像(すなわちビデオ)または静止画像を受信するコマンド、光源410による発生される照明を制御するコマンド、クリーニング装置415の中空幹420を通過して押し込まれる空気/水混合物の流速を制御するコマンド、パノラマビューに切り換えるコマンドなどが挙げられる。
【0030】
この目的で、ユーザ入力装置520は、例えば遠隔制御ユニットから無線でコマンドを受信するための無線受信器を備えることができる。他に、ユーザ入力装置520は、例えば可撓性シャフト170の内部または外部に配置した電線(ワイヤー)により電気機械駆動装置110に通信可能に結合するための電気的コンタクトを備えることもできる。このようにすると、ユーザ入力装置520は、電気機械駆動装置110の遠隔電力コンソール105を通じてコマンドを受信することができる。
【0031】
ユーザ入力装置525は、ユーザから受け取ったコマンドに従ってユーザ入力データを生成し、そのユーザ入力データをデータ・バス520を通じて処理装置505に伝送する。処理装置505は、画像捕獲装置315を制御し、ユーザ入力装置520から受信したユーザ入力データに従って画像データを処理する構成になっている。
【0032】
処理装置505は、画像捕獲装置315を制御するため、ユーザ入力装置520から受信したユーザ入力データに従って画像捕獲装置315のさまざまな機能を制御するための制御データを生成させることができる。この目的で、処理装置505は、データ・バス430、520を通じて制御データを画像捕獲装置315に伝送する。制御データは、例えば、レンズ405をズームにする制御、光源410により発生する照明の制御、および/またはクリーニング装置415の中空幹420を通過して押し込まれる空気/水混合物の流速の制御を行う。
【0033】
処理装置505は、また、ユーザ入力装置520から受信したユーザ入力データに従って画像データを処理する。この場合、処理装置505は、画像データを処理して連続画像または静止画像を送信し、ディジタル・ズームを実行することなどができる。このようにすると、外科用アタッチメント120を挿入して例えば患者の大腸領域を介して探査しているとき、イメージング装置300は、外科医にビデオ画像を提供することができる。連続画像と静止画像の両方をイメージング装置300から外科医に提供することができる。例えば外科医が大腸を調べて悪性腫瘍組織の位置を特定しようとしているとき、イメージング装置300は大腸の連続画像を提供することができる。外科医は、動画よりは静止画像として眺めたい画像に出会ったとき、対応する制御機構を作動させることによって動画を瞬間的に凍結させることができる。したがって、凍結したフレーム画像は、回転させたり、ズームにしたり、および/または拡大したりと、望みのままに操縦することができる。動画は、記憶させておき、後で望みのままに視覚的解析を行なうこともできる。
【0034】
伝送装置515は、データ・バス520を通じて処理装置505から処理済み画像を受信し、その処理済み画像を遠隔装置(図示せず)に伝送する。この目的で、伝送装置515は、無線によって遠隔装置に受信させるため、処理済み画像をRF伝送データに変換することが可能な無線送信器を備えることができる。他に、伝送装置515は、例えば可撓性シャフト170の内部または外部に配置された電線(ワイヤー)により電気機械駆動装置110に結合するための電気的コンタクトを備えることもできる。このようにすると、伝送装置515は、電気機械駆動装置110のビデオ・ディスプレイ145に処理済み画像データを伝送することができる。
【0035】
ここで図6を参照すると、図3aと図3bに例示した電源装置325の詳細が図示されている。電源装置325は、電力をイメージング装置300に供給するバッテリー式電源ユニット605を備えている。バッテリー式電源ユニット605としては、例えばニッケルカドミウム電池、ニッケルメタル水素化物電池、リチウム電池などが挙げられる。電源装置330は、バッテリー式電源ユニット605に加えて、あるいはバッテリー式電源ユニット605の代わりに、外部電源(図示せず)、例えば電気機械駆動装置110からの電力を受け取るための電力用コンタクト610を備えることができる。このようにすると、電気機械駆動装置110は、可撓性シャフト170の内部または外部に配置された電線(ワイヤー)により電力を電源装置330に伝送することができる。
【0036】
バッテリー式電源ユニット605は、例えば、電力用コンタクト610に外部電源(例えば電気機械駆動装置110)から電力が供給されていないときに、電力をイメージング装置300に供給する構成にすることができる。このようにすると、バッテリー式電源ユニット605は、“バッテリーのバックアップ”として機能し、外部電源からの電力供給が中断および/または除去されたときにイメージング装置300に電力が確実に供給されるようになる。
【0037】
ここで図7aを参照すると、イメージング・ポッド700の形態をした別のイメージング装置が例示してある。イメージング・ポッド700は、アタッチメント装置710を有するハウジング705を備えている。ハウジングの中には、画像捕獲装置715が収容されている。画像捕獲装置715は、1つ以上の光源730と、集束用レンズ735を有する光学系720とを備えている。アタッチメント装置710は、イメージング・ポッド700を外科用装置190の対応するレセプタクルに取り外し可能に結合する構成にするため、例えばピン、バネ付きベアリング、隆起部などを備えることができる。ハウジング705は、例えば透明なプラスチック材料で形成することができるが、他の材料で形成することも可能である。
【0038】
ここで図7bを参照すると、図7aに示したイメージング・ポッド700の詳細が図示されている。この図7bに示されているように、画像捕獲装置715は、さらに画像センサ(例えば光感受性装置、具体的には電荷結合素子(CCD)725)を備えている。イメージング・ポッドが画像化する物体の方を向くと、集束用レンズ735が反射光をCCD725の表面に集束させる。無線送信器(または例えばトランシーバ)740がハウジング705の内部に設置されていて、CCD725とも通信可能に結合されている。このような無線送信器の一例は、アメリカ合衆国特許第5,604,531号に記載されている。なおこの特許は、参考としてその全体がこの明細書に明らかな形で組み込まれているものとする。さらに、電源745(例えば小さなバッテリー)が、ハウジング705の内部に設置されていて、CCD725、光源730および無線送信器740に電力を伝送するよう操作可能になっている。作動中は、CCD725が捕獲した画像を、無線送信器740を通じ、遠隔装置(例えば電気機械駆動装置110)の内部にある対応する受信器(またはトランシーバ)に無線で送信することができる。
【0039】
この実施態様では画像センサとしてCCDを用いた場合について説明したが、適切な他の画像センサ(例えばCMOS(コンプリメンタリ金属酸化物半導体))も使用することができる。CMOS画像センサは、CCD画像センサよりも光に対する感受性が大きいため、必要とする電力がCCD画像センサよりも少なくて済む可能性がある。CMOS画像センサは、画像化する物体からの反射光を検出するため、例えばフォトダイオードおよび/またはフォトトランジスタを備えることができる。CMOS画像センサは、画像データを、アナログ信号として、あるいはアナログ−ディジタル変換器によって処理した後のディジタル信号として伝送することができる。
【0040】
ここで図7cを参照すると、外科用装置190に結合されたイメージング・ポッド700を備える外科用アタッチメント750が図示されている。イメージング・ポッド700は、外科用装置190のレセプタクル755に取り外し可能に受容される。したがって、外科用装置190が使い捨てユニットとして設計されている場合には、イメージング・ポッド700を外科用装置190から取り外し、かつ別の外科用装置に関連して再利用することができる。他に、イメージング・ポッド700は、外科用装置190に恒久的に固定すること、あるいは外科用装置190と一体化することさえ可能である。この場合、恒久的に結合されたイメージング・ポッド700は、外科用装置190とともに廃棄することになろう。
【0041】
ここで図8aを参照すると、別の典型的なイメージング・ポッド180が図示されている。イメージング・ポッド800は、図7a、図7b、図7cを参照して説明したイメージング・ポッド700と同様であるが、相違点は、イメージング・ポッド800が、画像データを遠隔装置(例えば電気機械駆動装置110)に伝送するための有線接続部を備えている点である。図8に示したように、イメージング・ポッド800は、外科用装置190のレセプタクル755のソケットに受容されるサイズの接触ピン805を備えている。これによりプラグ−イン・タイプの接続がなされる。イメージング・ポッド800を外科用装置190に挿入したとき、接触ピン805によって回路760との接続が実現する。この回路760は、イメージング・ポッド800の適切な部品に電力を供給するとともに、CCD725からの信号を例えば外科用装置190と可撓性シャフト170を通じて遠隔装置(例えば電気機械駆動装置110)内の対応する受信器に送信する。
【0042】
ここで図8bを参照すると、イメージング・ポッド800を受け入れる構成になった外科用装置190のレセプタクル755の一典型例が図示されている。この図8bに示されているように、レセプタクル755は、イメージング・ポッド800の接触ピン805を受け入れるサイズのソケット810を備えている。ソケット810は、接触ピン805を外科用装置190の内の電気リード線(図示せず)と電気的に結合する。電気リード線は、遠隔装置(例えば電気機械駆動装置110)との間を、例えば電気機械駆動装置110の可撓性シャフト170の内部に設けた電線(ワイヤー)により電気的に結合している。
【0043】
イメージング・ポッド800は、電力供給用のバッテリを備え、CCDからの信号を送信するのに電線(ワイヤー)を使用するようにもできるし、あるいは電力を電線(ワイヤー)により受け取り、CCDからの信号を無線送信するように利用できることに注意されたい。
【0044】
ここで図9を参照すると、別の典型的外科用アタッチメント900が図示されている。この実施態様では、イメージング装置905は、外科用装置190の外面に結合する、あるいは取り付ける構成になっている。もちろんイメージング装置905は、他の外科用装置に取り付ける構成にすることもできる。これについては、例えば参考としてこの明細書に組み込んだ上記のアメリカ合衆国特許出願に記載されている。
【0045】
この実施態様によると、外科用装置190は、円形の外科用ステープラーである。イメージング装置905は、外科用装置190の本体910に取り付けられている。外科用装置190は、カップリング915と、アンビル部920と、本体910とを備えている。アンビル部920は、アンビル925とアンビル幹(stem)部930を備えている。画像データを遠隔装置(例えば電気機械駆動装置110、図示せず)に伝送するため、可撓性ワイヤーアセンブリ940が設けられている。
【0046】
イメージング装置905は、滑らせて本体910にフィットさせることができる。イメージング装置905は、本体910に対して恒久的に取り付けること、あるいは取り外し可能に取り付けることができる。図9に示した実施態様では、イメージング装置905は、弾性体(例えばプラスチック製の紐状部材(strap)935または弾性のある紐状部材935)を介して本体910に取り外し可能に取り付けられている。紐状部材935は、例えば取り外すことができる。そのようにすると、イメージング装置905を別の外科用装置または外科用アタッチメントと組み合わせて再利用することが可能になる。他に、シュー(図示せず)を通じてイメージング装置905を外科用装置190に取り付けることもできる。このシューは、カメラのフラッシュ・ユニットと組み合わせて使用されるタイプのものと同じタイプのものである。
【0047】
外科用システム100は、無線接続によって、あるいは可撓性ワイヤーアセンブリ940を介して有線接続によって、例えばプロセッサに結合することができる。可撓性ワイヤーアセンブリ940は、電力線、制御線、データ線を備えることができる。可撓性ワイヤーアセンブリ940は、例えば遠隔電力コンソールのプロセッサに結合することができる。これについては例えばアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/836,781号に記載されている。もちろん、可撓性ワイヤーアセンブリ940を用いる代わりに、イメージング装置905と例えばプロセッサとの間の有線接続は、電気機械駆動装置110の可撓性シャフト170の内部または外部に配置された個々の電線(ワイヤー)を介して有効となる。
【0048】
画像データをイメージング装置905から例えばプロセッサに伝送するための可撓性ワイヤーアセンブリ940および/または電気機械駆動装置110の可撓性シャフト170の内部または外部に配置された電線(ワイヤー)は、光ファイバー接続で置き換えることができることは有難度いことである。
【0049】
イメージング装置905は、上記のイメージング装置300および700と同様の特徴を備えている。例えばイメージング装置905は、画像捕獲装置(例えばカメラ)と、この画像捕獲装置に電気的に結合された回路装置と、イメージング装置905に電力を供給する電源装置とを備えることができる。
【0050】
イメージング装置905の画像捕獲装置は、レンズと、画像化する物体を照射するための光源(例えば光ファイバー光源、電球、LEDなど)と、レンズを通して画像を捕獲できる位置にある画像センサ(CCDまたはCMOSタイプの画像センサ)を備えることができる。一実施態様では、イメージング装置905の画像捕獲装置は、レンズから破片を清掃するクリーニング装置を備えることもできる。レンズ、光源、画像センサ、クリーニング装置のそれぞれは、データ・バスにデータ通信可能に結合されている。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図9