【実施例】
【0010】
以下に、
図1ないし
図4を参照しつつ本発明に係る画像提示光学系を用いた視力表示装置の実施例を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る画像提示光学系を内蔵する視力表示装置の一例を示す斜視図である。
【0011】
その
図1において、1は支持台であり、2は筐体である。筐体2は支持台1の上部に配設される。ここでは、支持台1と筐体2とは一体化されて視力装置の本体を構成している。筐体2の前面にはウインドウWが設けられている。このウインドウWには、ここでは、ポリアクリルレート樹脂(PMMA)が用いられ、その厚さは2mmである。
【0012】
その支持台1と筐体2とからなる本体の内部には、画像提示光学系3が設けられている。この画像提示光学系3は、
図2に示すように、表示装置4と、反射ミラーM1と、凸レンズ系L1と、光路折り曲げミラーM2とが設けられている。
【0013】
表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイから構成され、物点Oの位置に存在する表示画面4aに
図3に示すようにランドルト環等の検眼用の画像を表示する。その
図3において、yは像高を示す。
反射ミラーM1はこの表示装置4に表示された画像からの光束を凸レンズ系L1に向けて反射する。
【0014】
凸レンズ系L1は、ここでは、1個の凸レンズにより構成されている。この凸レンズにはBK7等のガラス材料が用いられている。この凸レンズ系L1の焦点距離fは、ここでは、f=1157.7mm(ミリメートル)である。その
図2において、符号f0は凸レンズ系L1の焦点を示している。物点Oは凸レンズ系L1の焦点距離以内にある。
この凸レンズ系L1は、反射ミラーM1により反射された反射光束により虚像を形成する。
【0015】
光路折り曲げミラーM2は、凸レンズ系L1を透過した反射光束の光路を折り曲げて眼のアイポイントIの前方の所定距離の像点位置に虚像を提示する。
ここでは、凸レンズ系L1の焦点距離fは、f=1157.7mmとされている。しかしながら、凸レンズ系L1の焦点距離fは800mm(ミリメートル)よりも大きければ、表示装置4の表示画面4aに表示された画像の歪みを小さくできる。
【0016】
また、表示装置4の像高yと焦点距離fとの関係は、10y<f<24yであるのが望ましい。
ライカ版の大きさの液晶ディスプレイから14インチ相当のサイズのテレビ画面等に表示された画像を被検眼に提示する場合でも、画像歪みを小さくして提供できるからである。
【0017】
下記の表1は、その
図2に示す画像提示光学系の光学データを示している。
【表1】
この表1において、符号Oは物点の位置、面番号1は反射ミラーM1の面、面番号2は凸レンズ系L1の後面、面番号3は凸レンズ系L1の前面、面番号4は光路折り曲げミラーM2の面、面番号5はウインドウWの内面、面番号6はウインドウWの外面、Iはアイポイント、O’は虚像が形成される像点位置を示す。
【0018】
ここでは、物点Oから反射ミラーM1までの面間距離d1は70mm、反射ミラーM1の曲率半径r1は無限大、反射ミラーM1の面1から凸レンズ系L1の後面2までの面間距離d2は814.819mm、凸レンズ系L1の後面2の曲率半径r2は無限大、凸レンズ1の後面2から凸レンズ系L1の前面3までの面間距離(厚さ)d3は16mm、凸レンズ系L1の前面3の曲率半径r3は600mm、光路折り曲げミラーM2の面4の曲率半径r4は無限大、凸レンズ系L1の前面3から光路折り曲げミラーM2の面4までの面間距離d4は150mm、光路折り曲げミラーM2の面4からウインドウWの内面5までの面間距離d5は98.000mm、ウインドウWの内面5の曲率半径r5は無限大、ウインドウWの内面5からウインドウWの外面6までの面間距離d6は2mm、ウインドウWの外面6の曲率半径r6は無限大、ウインドウWの外面6からアイポイントIまでの面間距離d7は800mmであり、虚像は−5000.000ミリメートル(5m)の像点位置O’に提示される。その像高yは82.6mmである。
【0019】
凸レンズ系L1は、
図4に示すように、2枚の凸レンズL1’、L1”から構成しても良い。
下記の表2は、その
図3に示す画像提示光学系の光学データを示している。
【表2】
この実施例では、物点Oから反射ミラーM1の面1までの面間距離d1は65mm、反射ミラーM1のミラー面1の曲率半径r1は無限大、反射ミラーM1の面1から凸レンズ系L1の凸レンズL1’の後面2までの面間距離d2は、791.500mm、凸レンズL1’の後面2の曲率半径r2は−454.2265mm、凸レンズL1’の後面2から凸レンズL1’の前面3までの面間距離d3は、35.000mm、凸レンズL1’の前面3の曲率半径r3は、454.2265mm、凸レンズL1’の前面3から凸レンズL1”の後面4までの面間距離d4は5mm、凸レンズL1”の後面4の曲率半径r4は454.2265mm、凸レンズL1”の後面4から凸レンズL1”の前面5までの面間距離d5は5mm、凸レンズL1”の前面5の曲率半径r5は無限大、凸レンズL1”の前面5から光路折り曲げミラーM2の面6までの面間距離d6は150mm、光路折り曲げミラーM2の面6の曲率半径r6は無限大、光路折り曲げミラーM2の面6からウインドウWの内面7までの面間距離d7は98mm、ウインドウWの内面7の曲率半径r7は無限大、ウインドウWの内面7からウインドウWの外面8までの面間距離d8は2mm、ウインドウWの外面8の曲率半径r8は無限大、ウインドウWの外面8からアイポイントIまでの面間距離d9は800mmであり、虚像は−5000.000ミリメートルの像点位置O’に提示される。
この凸レンズ系L1の焦点距離fは1075.8mmであり、像高yは48.8mmである。
【0020】
この
図4に示す画像提示光学系によれば、被検眼に提示される画像に対して色消し効果がある。
以上、実施例について説明したが、本発明に係る画像提示光学系は、画像を表示する表示装置4と、この表示装置4からの光束により虚像を形成する凸レンズ系L1とを少なくとも備えていれば成り立つものである。
また、実施例に係る画像提示光学系によれば、支持台1の内部に画像提示光学系の光学要素の一部を配設することにしたので、省スペース化を図ることができる。