特許第5769360号(P5769360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5769360-被検体の撮像方法および装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769360
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】被検体の撮像方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20150806BHJP
   A61B 5/05 20060101ALI20150806BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20150806BHJP
   G01T 1/161 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   A61B5/05 390
   A61B5/05 380
   A61B5/05ZDM
   A61B6/03 377
   G01T1/161 A
   G01T1/161 B
   G01T1/161 C
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2008-37441(P2008-37441)
(22)【出願日】2008年2月19日
(65)【公開番号】特開2008-206978(P2008-206978A)
(43)【公開日】2008年9月11日
【審査請求日】2011年1月7日
(31)【優先権主張番号】102007009183.6
(32)【優先日】2007年2月26日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】ディアナ マルチン
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン シュミット
【審査官】 島田 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−125080(JP,A)
【文献】 特開2006−223573(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0090267(US,A1)
【文献】 特開2008−149147(JP,A)
【文献】 特開2008−155026(JP,A)
【文献】 特開2007−136186(JP,A)
【文献】 特開2006−280929(JP,A)
【文献】 特開2005−021689(JP,A)
【文献】 Markus Schwaiger, et al.,“MR-PET:Combining Function, Anatomy, and More”,Medical Solutions, Special Edition, Molecular Imaging,Siemens medical,2005年 9月,P25-P30,URL:http://www.iss.infn.it/topem/PET-MRI/schwaiger-pet-mri.pdf
【文献】 深津 博,「撮像法の最新動向と今後の方向性」,月刊新医療,株式会社エム・イー振興協会 今元 禎三,2004年,第31巻第6号,P82-P84
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
A61B 6/03
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Wiley Online Library
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも空間分解能または感度が相違する第1および第2の撮像装置を用いた被検体の撮像方法において、
少なくとも第1または第2の撮像装置によって概観画像を作成するステップと、
概観画像に基づいて第1および第2の撮像装置の測定を同時に計画するステップと、
第1および第2の撮像装置によって、計画された測定を同時に実施するステップとを有し、
コンピュータによって測定の同時計画を実行するために、第1および第2の撮像装置に共通な座標系が規定されているユーザインターフェースが準備され、
複合測定の計画化がユーザインターフェースにおいて同期化された表示にて行なわれ、
測定の計画化は第1および第2の撮像装置に必要なパラメータの設定を含み、パラメータの設定は、視野の設定と、スライス厚およびスライス間隔の設定と、測定ボリュームの設定と、第1または第2の撮像装置の重み付けの設定との少なくとも1つを含み、
第1の撮像装置のデータと第2の撮像装置のデータとが共通な座標系において同時に取得されることを特徴とする被検体の撮像方法。
【請求項2】
更に、第1の撮像装置によって撮影された画像と第2の撮像装置によって撮影された画像とを重ね合わせ表示するステップを有することを特徴とする請求項記載の方法。
【請求項3】
第1の撮像装置は磁気共鳴断層撮影装置(MR)またはコンピュータ断層撮影装置(CT)であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
第2の撮像装置は単光子放出コンピュータ断層撮影装置(SPECT)または陽電子放出断層撮影装置(PET)であることを特徴とする請求項1乃至の1つに記載の方法。
【請求項5】
請求項1乃至の1つに記載の方法を実施する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも空間分解能または感度が相違する第1および第2の撮像装置を用いた被検体の撮像方法および装置に関する。この撮像方法および装置は特に医学的な手術に適している。
【背景技術】
【0002】
このところ医用撮像において、例えばPET−CT、SPECT−CT、MR−PETおよびMR−SPECTのような、いわゆる「ハイブリッドモダリティ」がますます重要性を増している。ここで各略語は次を意味する。
PET:陽電子放出断層撮影
CT:コンピュータ断層撮影
SPECT:単光子放出コンピュータ断層撮影
MR:磁気共鳴断層撮影
【0003】
これらの複合化に関して有利であるのは、高い空間分解能を有するモダリティ(特に、MRまたはCT)と高い感度を有するモダリティ〈特に、例えばSPECTまたはPETのような以下においてNM(Nuclear Medicine)と呼ばれる核医学〉との結合である。
【0004】
このようにして取得されたデータセットの最適な診断上の評価のためには、検査の適切な準備および実施が重要である。
【0005】
既に確立した方法は両モダリティの順次撮影を利用する。それによって取得計画においても順序が生じる。例えば相前後して、例えばCT測定およびPET測定が計画される。
【0006】
しかし、例えばハイブリッドモダリティMR−PETの場合に可能であるような2つのモダリティの同時撮影については、操作者にとっての使い易さの向上と同様に、結果データの質の最適化も達成できることが望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、少なくとも空間分解能または感度が相違する第1および第2の撮像法を用いた被検体の撮像方法および装置において、方法および装置が、操作者にとっての使い易さと結果データの質とを損なうことなく、2つのモダリティの同時撮影を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
被検体の撮像方法に関する課題は、本発明によれば、少なくとも空間分解能または感度が相違する第1および第2の撮像装置を用いた被検体の撮像方法において、
少なくとも第1または第2の撮像装置によって概観画像を作成するステップと、
概観画像に基づいて第1および第2の撮像装置の測定を同時に計画するステップと、
第1および第2の撮像装置によって、計画された測定を同時に実施するステップとを有し、
コンピュータによって測定の同時計画を実行するために、第1および第2の撮像装置に共通な座標系が規定されているユーザインターフェースが準備され、複合測定の計画化がユーザインターフェースにおいて同期化された表示にて行なわれ、測定の計画化は第1および第2の撮像装置に必要なパラメータの設定を含み、パラメータの設定は、視野の設定と、スライス厚およびスライス間隔の設定と、測定ボリュームの設定と、第1または第2の撮像装置の重み付けの設定との少なくとも1つを含み、第1の撮像装置のデータと第2の撮像装置のデータとが共通な座標系において同時に取得されることによって解決される(請求項1)。
被検体の撮像方法に関する本発明の実施態様は次の通りである。
更に、第1の撮像装置によって撮影された画像と第2の撮像装置によって撮影された画像とを重ね合わせ表示するステップが実行される(請求項)。
第1の撮像装置は磁気共鳴断層撮影装置(MR)またはコンピュータ断層撮影装置(CT)である(請求項)。
第2の撮像装置は単光子放出コンピュータ断層撮影装置(SPECT)または陽電子放出断層撮影装置(PET)である(請求項)。
【0009】
本発明による被検体の撮像方法は、少なくとも空間分解能または感度が相違する第1および第2の撮像方装置を用いる。更に、本発明による撮像方法は、少なくとも第1または第2の撮像装置によって概観画像を作成するステップと、概観画像に基づいて第1および第2の撮像装置の測定を同時に計画するステップと、第1および第2の撮像装置によって、計画された測定を同時に実施するステップとを含む。
【0010】
概観画像に基づいて第1および第2の撮像装置の測定を同時に計画する際、第1および第2の撮像装置に共通な座標系が規定されているユーザインターフェースが使用されるとよい。
【0011】
それにより、有利に、使用者にとっての操作の便利性も結果データの質も向上する。なぜならば両モダリティの測定はほぼ完全に描出可能であるからである。
【0012】
本発明の基礎をなす課題は同様にして上述の方法を実施する装置によって解決される(請求項)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下において添付図面を参照して本発明の有利な実施例を説明する。図1は本発明による撮像のための装置1を示す。
【0014】
装置1は、ここでは例えばMR−PET装置(MR−SPECT装置も可能)のようなMR−NM複合装置であり、これはMRデータおよびNMデータの同時かつアイソセントリックな測定を可能にする。
【0015】
装置1は公知のMR管2を有する。
【0016】
MR管2内には同軸にて、縦方向の周りにおいて対をなして対向する複数のPET検出ユニット3が配置されている。PET検出ユニット3は、LSO(ルテチウムオキシオルト珪酸塩)結晶4からなる前置アレイを備えたアバランシェフォトダイオード(APD)アレイ5と電気増幅器回路(PMT)6とからなる。しかし、本発明はアバランシェフォトダイオードアレイ5とLSO結晶4からなる前置アレイとを有するPET検出ユニット3に限定されず、同様に他の種類のフォトダイオード、結晶および装置も使用可能である。
【0017】
MR管2は縦方向zに沿って円筒状の第1の視野を規定する。複数のPET検出ユニット3は縦方向zに沿って円筒状の第2の視野を規定する。PET検出ユニット3の第2の視野は実質的にMR管2の第1の視野に一致すると好ましい。これは、例えばPET検出ユニット3の縦方向zに沿った装置厚みの相応の整合によって実現される。
【0018】
画像処理はコンピュータ7によって行なわれる。
【0019】
ここでは模範的に図示の撮像のための装置1によって実施される撮像方法を説明する。
【0020】
先ず、被検体の概観画像が好ましくは低分解能によるMR法によって作成される。この種の概観画像はスカウト(Scout)画像とも呼ばれる。
【0021】
ここで概観画像に基づいて、本来のMR測定およびNM測定の計画化が行なわれる。MR測定およびNM測定の計画化は同時にすなわち同期してかつそれぞれ既に作成された概観画像に基づいて行なわれる。
【0022】
計画化は、とりわけ、例えば視野FoV(=field of view、撮像視野)、スライス厚およびスライス間隔、測定ボリューム、MRシーケンス(T1,T2)の重み付けなどのMR測定およびNM測定に必要なパラメータの一般的に知られた設定を含む。
【0023】
MR測定およびNM測定の同時計画化を実行するために、コンピュータ7を介して適切なユーザインターフェースが準備される。このユーザインターフェースはMR測定およびNM測定の共通な座標系を規定する。複合測定の計画化はユーザインターフェースにおいて同期化された表示にて行なわれる。
【0024】
MR測定およびNM測定の計画化は、結合されたモダリティの画像上でも行なうことができ、例えばMRデータに基づいてだけでなく、PETデータまたは融合データに基づいても行なうことができる。この場合には概観画像がNM法による別の概観画像が作成されなければならない。
【0025】
計画化後に、計画されたMR測定およびNM測定の同時実施が行なわれる。
【0026】
同時に行なわれた測定の測定視野(FoV)は、それぞれ同じ計画画像上に同時に表示され、共通にまたは個別に、例えばグラフィック様式で変更および/または整合(マッチング)が可能である。可視化は、例えばMR測定のみの表示、PET測定のみの表示、または複合表示として、使用者制御によって切換可能である。このために、NM再構成ボリュームを直接にグラフィック様式で例えばMR検査ボリュームに整合させることもできる。
【0027】
大きな測定領域にわたって行われる検査、例えば全身撮影については、たとえ複数の測定ステップに区分されるにしても、全ての層もしくは全部揃った検査ボリュームが可視化される。両モダリティのどの部分ステップが同時に実行されるかは常に可視化されている。
【0028】
複合撮影の空間的割り付けだけでなく時間的割り付けもユーザインターフェースで可視化される。
【0029】
一方または両方のモダリティの測定および/または画像再構成が実行される間、使用者は既に他の計画化を行なうことができると有利である。両モダリティの少なくとも一方の再構成データが存在するや否や、これらのデータは次の測定過程の計画化に使用可能である。この場合に、使用者にそれぞれの測定過程の進行(もしくは再構成)が可視化される。
【0030】
したがって、有利に、使用者にとっての操作の便利性も、結果データの質も向上する。なぜならば、両モダリティの測定が相互に完全に描出可能であるからである。
【0031】
本発明は、開示された実施例によって限定されることなく、特許請求の範囲によって規定されている本発明の枠内における変更および等価な実施形態が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明による撮像のための装置を示す概略図
【符号の説明】
【0033】
撮像のための装置
2 MR管
3 PET検出ユニット
4 LSO結晶
5 アバランシェフォトダイオード(APD)アレイ
6 電気増幅器回路(PMT)
7 コンピュータ
図1