特許第5769361号(P5769361)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5769361高血糖症および関連障害の処置のための、ヒトGタンパク質共役レセプターおよびそのモジュレーター
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769361
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】高血糖症および関連障害の処置のための、ヒトGタンパク質共役レセプターおよびそのモジュレーター
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20150806BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20150806BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20150806BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20150806BHJP
   A61P 5/48 20060101ALI20150806BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20150806BHJP
   A61P 9/02 20060101ALI20150806BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20150806BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20150806BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20150806BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20150806BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20150806BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20150806BHJP
   G01N 33/15 20060101ALI20150806BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   C12N15/00 AZNA
   A61K31/454
   A61K31/4709
   A61P3/10
   A61P5/48
   A61P9/00
   A61P9/02
   A61P9/10 101
   A61P9/12
   A61P13/12
   A61P25/00
   A61P27/02
   C12Q1/02
   G01N33/15 Z
   G01N33/50 Z
【請求項の数】28
【全頁数】148
(21)【出願番号】特願2008-104153(P2008-104153)
(22)【出願日】2008年4月11日
(62)【分割の表示】特願2007-508478(P2007-508478)の分割
【原出願日】2005年4月12日
(65)【公開番号】特開2008-263979(P2008-263979A)
(43)【公開日】2008年11月6日
【審査請求日】2008年4月11日
【審判番号】不服2011-22273(P2011-22273/J1)
【審判請求日】2011年10月14日
(31)【優先権主張番号】60/561,954
(32)【優先日】2004年4月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500478097
【氏名又は名称】アリーナ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジュン キュー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート アール. ウェッブ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジェイ. ウネット
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル イー. ガトリン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ティー. コノリー
【合議体】
【審判長】 今村 玲英子
【審判官】 植原 克典
【審判官】 高堀 栄二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−315332(JP,A)
【文献】 特開2002−000281(JP,A)
【文献】 特開2004−346059(JP,A)
【文献】 Biochim.Biophys.Acta,1996年7月13日,Vol.1312,No.2,pp.132−136
【文献】 Horm.Metab.Res.,1997年9月,Vol.29,No.9,pp.417−421
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N15/00-15/90
C12Q1/00-1/70
PubMed
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)候補化合物を、配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むGタンパク質共役レセプターと接触させる工程であって、該Gタンパク質共役レセプターは、細胞上または単離された細胞膜上に存在する、工程;
(b)該化合物が、該Gタンパク質共役レセプターと接触した後にGs共役経路を活性化する能力を決定する工程;および
(c)該化合物がグルコース代謝を増加するか否かを決定する工程;
を包含する、グルコース代謝を増加する化合物をスクリーニングするための方法。
【請求項2】
(a)試験リガンドを、配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むGタンパク質共役レセプターを発現する脂肪細胞または骨格筋細胞と接触させる工程;
(b)該Gタンパク質共役レセプターに結合したリガンドを検出する工程;および
(c)該リガンドがグルコース代謝を増加するか否かを決定する工程;
を包含する、グルコース代謝を増加するリガンドをスクリーニングするための方法。
【請求項3】
以下の工程:
(a)候補化合物をGタンパク質共役レセプターと接触させる工程であって、該Gタンパク質共役レセプターは以下:
(a’)配列番号2のアミノ酸配列;
(b’)配列番号2のアミノ酸2〜330;
(c’)配列番号2のアミノ酸2〜330であって、該タンパク質共役レセプターは配列番号2のアミノ酸1位のメチオニン残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2〜330;
(d’)(a’)、(b’)または(c’)のアミノ酸配列であって、配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンで置換されている、アミノ酸配列;
(e’)配列番号6のアミノ酸配列;
(f’)配列番号2のアミノ酸配列における1個または数個のアミノ酸の置換、欠失、もしくは付加によって配列番号2から誘導されたアミノ酸配列を有する、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列;
(g’)ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされる、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列;または
(h’)配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列を含、該Gタンパク質共役レセプターは、細胞または単離されたその膜に存在する、工程;
(b)該化合物が、該Gタンパク質共役レセプターと接触した後にGs共役経路を活性化する能力を決定する工程;および
(c)該化合物がグルコース代謝を増加するか否かを決定する工程
を包含する、グルコース代謝を増加する化合物をスクリーニングするための方法。
【請求項4】
以下の工程:
(a)試験リガンドをGタンパク質共役レセプターを発現する脂肪細胞または骨格筋細胞と接触させる工程であって、該Gタンパク質共役レセプターは、以下:
(a’)配列番号2のアミノ酸配列;
(b’)配列番号2のアミノ酸2〜330;
(c’)配列番号2のアミノ酸2〜330であって、該タンパク質共役レセプターは配列番号2のアミノ酸1位のメチオニン残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2〜330;
(d’)(a’)、(b’)または(c’)のアミノ酸配列であって、配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンで置換されている、アミノ酸配列;
(e’)配列番号6のアミノ酸配列;
(f’)配列番号2のアミノ酸配列における1個または数個のアミノ酸の置換、欠失、もしくは付加によって配列番号2から誘導されたアミノ酸配列を有する、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列;
(g’)ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされる、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列;
(h’)配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列;または
(i’)配列番号2のアミノ酸配列を有するヒトRUP43 GPCRの対立遺伝子または哺乳動物オルソログの、アミノ酸配列
を含む工程;
(b)該Gタンパク質共役レセプターに結合したリガンドを検出する工程;および
(c)該リガンドがグルコース代謝を増加するか否かを決定する工程
を包含する、グルコース代謝を増加するリガンドをスクリーニングするための方法。
【請求項5】
(a)候補化合物と、配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むGタンパク質レセプターを発現する細胞を接触させる工程;および
(b)該化合物が、該Gタンパク質共役レセプターを発現する該細胞におけるグルコース取り込みを増加するかどうかを決定する工程
を包含する、Gタンパク質共役レセプターを発現する細胞におけるグルコース取り込みを増加する化合物をスクリーニングするための方法。
【請求項6】
以下の工程:
(a)候補化合物をGタンパク質共役レセプターを発現する細胞と接触させる工程であって、該Gタンパク質共役レセプターは以下:
(a’)配列番号2のアミノ酸配列;
(b’)配列番号2のアミノ酸2〜330;
(c’)配列番号2のアミノ酸2〜330であって、該タンパク質共役レセプターは配列番号2のアミノ酸1位のメチオニン残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2〜330;
(d’)(a’)、(b’)または(c’)のアミノ酸配列であって、配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンで置換されている、アミノ酸配列;
(e’)配列番号6のアミノ酸配列;
(f’)配列番号2のアミノ酸配列における1個または数個のアミノ酸の置換、欠失、もしくは付加によって配列番号2から誘導されたアミノ酸配列を有する、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列;
(g’)ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされる、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列;
(h’)配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列;または
(i’)配列番号2のアミノ酸配列を有するヒトRUP43 GPCRの対立遺伝子または哺乳動物オルソログの、アミノ酸配列
を含む工程;および
(b)該化合物が、該Gタンパク質共役レセプターを発現する該細胞におけるグルコース取り込みを増加するかどうかを決定する工程
を包含する、Gタンパク質共役レセプターを発現する細胞におけるグルコース取り込みを増加する化合物をスクリーニングするための方法。
【請求項7】
前記Gタンパク質共役レセプターを発現する前記細胞は脂肪細胞である、請求項1または3に記載の方法。
【請求項8】
前記Gタンパク質共役レセプターを発現する前記細胞は骨格筋細胞である、請求項1または3に記載の方法。
【請求項9】
前記化合物が、前記Gタンパク質共役レセプターと接触した後にGs共役経路を活性化する能力を決定する前記工程が、cAMPの増加を検出することを包含する、請求項1または3に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物が、前記Gタンパク質共役レセプターと接触した後にGs共役経路を活性化する能力を決定する前記工程が、レセプターアッセイの使用を包含する、請求項1または3に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物がグルコース代謝を増加するか否かを決定する前記工程が、哺乳動物において低下した血中グルコース濃度を検出することを包含する、請求項1または3に記載の方法。
【請求項12】
前記化合物がグルコース代謝を増加するか否かを決定する前記工程が、哺乳動物において低下したインスリン抵抗を検出することを包含する、請求項1または3に記載の方法。
【請求項13】
前記化合物がグルコース代謝を増加するか否かを決定する前記工程が、増加したグルコース取り込みを検出することを包含する、請求項1または3に記載の方法。
【請求項14】
前記脂肪細胞または骨格筋細胞が脂肪細胞である、請求項2または4に記載の方法。
【請求項15】
前記脂肪細胞または骨格筋細胞は骨格筋細胞である、請求項2または4に記載の方法。
【請求項16】
前記リガンドがグルコース代謝を増加するか否かを決定する前記工程は、哺乳動物において低下した血中グルコース濃度を検出することを包含する、請求項2または4に記載の方法。
【請求項17】
前記リガンドがグルコース代謝を増加するか否かを決定する前記工程は、哺乳動物において低下したインスリン抵抗を検出することを包含する、請求項2または4に記載の方法。
【請求項18】
前記リガンドがグルコース代謝を増加するか否かを決定する前記工程は、増加したグルコース取り込みを検出することを包含する、請求項1または3に記載の方法。
【請求項19】
前記Gタンパク質共役レセプターを発現する前記細胞が脂肪細胞である、請求項5または6に記載の方法。
【請求項20】
前記Gタンパク質共役レセプターを発現する前記細胞は骨格筋細胞である、請求項5または6に記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、
(c)前記化合物が、前記Gタンパク質共役レセプターと接触した後にGs共役経路を活性化する能力を決定する工程
をさらに包含する、請求項5または6に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、
(c)前記Gタンパク質共役レセプターに結合した化合物を検出する工程
をさらに包含する、請求項5または6に記載の方法。
【請求項23】
前記候補化合物は胆汁酸ではない、請求項1、3、5〜13、または19〜2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記リガンドは胆汁酸ではない、請求項2、4、または14〜18いずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、高血糖、糖尿病、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性および高インスリン血症から選択される代謝障害を予防または処置するための薬剤として試験リガンドをスクリーニングするための方法である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
症候群X、アテローム性動脈硬化症、アテローム性疾患、心臓病、高血圧症、発作、ニューロパシー、網膜症、腎症および末梢脈管疾患からなる群より選択される、上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置するための薬剤として試験リガンドをスクリーニングするための方法である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記Gタンパク質共役レセプターは組換え体である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記Gタンパク質共役レセプターは、配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、示した日に、米国速達郵便によって米国特許商標庁に出願した以下の仮出願に
よる優先権の利益を主張する:2004年4月13日に出願した米国仮出願第60/56
1,954号。上記仮出願の開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、1以上の候補化合物がGタンパク質共役レセプター(GPCR)のモジュレ
ーターであるか、または血中グルコース濃度のモジュレーターであるかを同定する方法に
関する。特定の実施形態では、GPCRはヒトGPCRである。本発明はまた、GPCR
のモジュレーターを用いる方法に関する。好ましいモジュレーターはアゴニストである。
本発明のアゴニストは、血中グルコース濃度を低下させるための治療剤として、特定の代
謝障害(例えば、インスリン抵抗性、グルコース寛容減損、および糖尿病)を予防または
処置するための治療剤として、そして上昇した血中グルコース濃度の合併症(例えば、ア
テローム性動脈硬化症、心臓病、発作、高血圧症および末梢脈管疾患)を予防または処置
するための治療剤として、有用である。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
以下の考察は、本発明の理解を促進することを意図するが、本発明の先行技術であるこ
とを意図するわけでも認めるわけでもない。
【0004】
(A.高血糖症)
血中グルコース濃度は、代表的に、狭い範囲に維持される。血中グルコース濃度の上昇
は通常、インスリンの放出増加をもたらし、次いでこれは、標的細胞に作用して、グルコ
ース取り込みを増加させる。血中グルコースホメオスタシスの調節不全は、血中グルコー
ス濃度の持続した上昇、すなわち、高血糖症をもたらし得る。高血糖症を有する一部の個
体は、2型糖尿病を発症することになり得る。組織が高血糖に慢性的にさらされることに
より、ニューロパシー、網膜症および腎症の微小血管の問題ならびに発作、冠状心臓病、
および末梢脈管疾患の大血管(macrovascular)合併症を含む多様な合併症
がもたらされ得る。高血糖症は、より良好な管理選択肢を必要とする、主な、そして増え
つつある医療問題である[非特許文献1;この開示は、その全体が本明細書中に参考とし
て援用される]。
【0005】
(B.Gタンパク質共役レセプター)
多数のレセプタークラスがヒトに存在するが、これまでのところ、最も豊富でかつ治療
的に適切であるのは、Gタンパク質共役レセプター(GPCR)クラスによって表される
。約30,000〜約40,000の遺伝子がヒトゲノムに存在すると見積もられ、そし
てこれらのうち、約2%がGPCRをコードすると見積もられる。
【0006】
GPCRは、薬学的製品の開発のための重要な領域を表す;100の公知のGPCRの
うち約20から、全ての処方薬剤のうちの約60%が開発された。例えば、1999年に
は、上位100位のブランド名の処方薬物のうち、以下の薬物は、GPCRと相互作用す
る(薬物に関連する処置される原発性疾患および/または原発性障害は、カッコ内に示さ
れる):
【0007】
【表1】

GPCRは、共通の構造モチーフを共有し、7つのαらせんを形成する、22と24と
の間の疎水性アミノ酸の7つの配列を有し、これらのαらせんの各々は、膜を貫通する(
各貫通は、数字によって同定される、すなわち、膜貫通−1(TM−1)、膜貫通−2(
TM−2)など)。これらの膜貫通らせんは、細胞膜の外側(すなわち、「細胞外」側)
において、膜貫通−2と膜貫通−3との間、膜貫通−4と膜貫通−5との間、そして膜貫
通−6と膜貫通−7との間でアミノ酸鎖によって連結される(これらは、それぞれ、「細
胞外」領域1、2および3(EC−1、EC−2およびEC−3)と呼ばれる)。これら
の膜貫通らせんはまた、細胞膜の内側(すなわち「細胞内」側)において、膜貫通−1と
膜貫通−2との間、膜貫通−3と膜貫通−4との間、そして膜貫通−5と膜貫通−6との
間でアミノ酸鎖によって連結される(これらは、それぞれ、「細胞内」領域1、2および
3(IC−1、IC−2およびIC−3)と呼ばれる)。これらのレセプターの「カルボ
キシ」(「C」)末端は、細胞内の細胞内腔に位置し、そしてこれらのレセプターの「ア
ミノ」(「N」)末端は細胞外の細胞外腔に位置する。
【0008】
一般に、リガンドがレセプター(しばしば、レセプターの「活性化」と呼ばれる)と結
合した場合、細胞内領域と細胞内「Gタンパク質」との間での共役を促進する、そのレセ
プターのコンホメーション変化が存在する。GPCRがGタンパク質に関して「無差別」
であること、すなわち、GPCRが1種より多くのGタンパク質と相互作用し得ることが
報告されている。非特許文献2を参照のこと。他のGタンパク質が存在するとはいえ、現
在、Gq、Gs、Gi、GzおよびGoは、同定されたGタンパク質である。Gタンパク
質とのリガンド活性化GPCR共役は、シグナル伝達カスケードプロセスを示す(「シグ
ナル伝達」といわれる)。正常な条件下で、シグナル伝達は最終的に、細胞の活性化また
は細胞阻害をもたらす。理論によって束縛されることを望まないが、レセプターのIC−
3ループならびにカルボキシ末端がGタンパク質と相互作用すると考えられる。
【0009】
ホスホリパーゼC経路へのいくつかのクラスのGPCRと共役するようである、無差別
のGタンパク質(例えば、Gα15またはGα16[非特許文献3])または同じ経路へ
の多数の異なるGPCRと共役するように設計されたキメラGタンパク質(例えば、ホス
ホリパーゼC[非特許文献4])もまた存在する。
【0010】
生理学的条件下で、GPCRは、2つの異なるコンホメーション(「不活性」状態およ
び「活性」状態)の間で平衡して細胞膜中に存在する。不活性状態のレセプターは、細胞
内シグナル伝達経路に連結して、シグナル伝達を開始して生物学的応答をもたらすことが
できない。レセプターのコンホメーションを活性状態に変更することにより、(Gタンパ
ク質による)シグナル伝達経路への連結が可能により、生物学的応答を生じる。
【0011】
レセプターは、リガンドまたは化合物(例えば、薬物)によって活性状態で安定化され
得る。近年の知見(このレセプターのアミノ酸配列への改変を含むが、排他的に限定しな
い)は、活性状態のコンホメーションのこのレセプターを促進して安定化する、リガンド
または薬物以外の手段を提供する。これらの手段は、このレセプターへのリガンド結合の
効果をシミュレートすることにより、活性状態のこのレセプターを効果的に安定化する。
このようなリガンド依存性手段による安定化は、「構成的レセプター活性化」と呼ばれる
【0012】
(RUP43)
RUP43(ここで、内因性RUP43がGPR131(例えば、GenBank(登
録商標)登録番号NM_170699)であり得ることが理解される)は、胆汁酸につい
てのレセプターとして作用すると近年報告された[特許文献1として2004年1月7日
に公開された欧州特許出願第02717114.9号;および非特許文献5;これらの各
々の開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される]。白血球内でのRUP43
発現は、単球に特異的であることが報告され、そして単球のRUP43において作用する
胆汁酸は、腫瘍壊死因子α(TNFα)の発現を阻害することが報告された。特許文献1
に開示される化合物は、本発明の方法において用いられ得る。
【特許文献1】欧州特許公開1378749号明細書
【非特許文献1】Nesto,Reviews in Cardiovascular Medicine(2003)4:S11−S18
【非特許文献2】Kenakin,T.,43 Life Sciences 1095(1988)
【非特許文献3】OffermannsおよびSimon,J Biol Chem(1995)270:15175−80
【非特許文献4】MilliganおよびRees,Trends in Pharmaceutical Sciences(1999)20:118−24
【非特許文献5】Kawamataら,J Biol Chem(2003)278:9435−9440
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
出願人は、RUP43のアゴニストが脂肪細胞および骨格筋細胞におけるグルコース取
り込みを増加させることを予想外に見出した。出願人は、RUP43のアゴニストが、哺
乳動物において血中グルコース濃度を低下させる予想外の有用性を有することを開示する
。出願人はさらに、RUP43においてアゴニスト活性を有する新規化合物およびそのた
めの用途を開示する。
【0014】
第一の局面では、本発明は、1以上の候補化合物をRUP43 GPCRのモジュレー
ターとして同定する方法を特徴とし、このレセプターは、GPR131アミノ酸配列を含
み、このレセプターは、Gタンパク質と共役し;この方法は、工程:(a)候補化合物を
このレセプターと接触させる工程;および(b)このレセプターの機能性が調節されるか
否かを決定する工程;を包含し、ここで、レセプターの機能性における変化は、この候補
化合物がRUP43 GPCRのモジュレーターであることを示す。
【0015】
特定の実施形態では、このGPR131アミノ酸配列は、以下からなる群より選択され
る:
(a)配列番号2のアミノ酸配列;
(b)配列番号2のアミノ酸2−330;
(c)RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメチオ
ニン残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;
(d)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、この核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号
3のプライマーおよび配列番号4のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセス
によって入手可能である、アミノ酸配列;
(e)配列番号6のアミノ酸配列;
(f)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、この核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号
7のプライマーおよび配列番号8のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセス
によって入手可能である、アミノ酸配列;
(g)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸配列;
(h)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸2−330;
(i)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されており、ただし、
RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメチオニン残基
を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;および
(j)ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズするポリヌク
レオチドによってコードされる、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列。
【0016】
特定の実施形態では、上記RUP43 GPCRは、組換え体である。特定の実施形態
では、上記接触させる工程が、このGPCRを発現する宿主細胞またはこのGPCRを発
現する宿主細胞の膜と接触させることを含み、上記宿主細胞は、上記レセプターをコード
するポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、上記接触させる工程は、このGPCRの公知のリガンドの存
在下で実施される。いくつかの実施形態では、上記接触させる工程は、このGPCRの公
知のモジュレーターの存在下で実施される。いくつかの実施形態では、上記接触させる工
程は、このGPCRの公知のアゴニストの存在下で実施される。いくつかの実施形態では
、このGPCRの上記公知のアゴニストは、化合物1、化合物2、または化合物3である
。いくつかの実施形態では、GPCRの上記公知のアゴニストは、化合物1である。いく
つかの実施形態では、このGPCRの上記公知のアゴニストは、化合物2である。いくつ
かの実施形態では、このGPCRの上記公知のアゴニストは、化合物3である。いくつか
の実施形態では、上記公知のアゴニストは、上記決定する工程のために、約EC50〜約
EC75で存在する。
【0018】
本発明はまた、1以上の候補化合物を哺乳動物における血中グルコース濃度のモジュレ
ーターと同定する方法に関し、この方法は、工程:
候補化合物を、GPR131アミノ酸配列を含むGPCRと接触させる工程であって、
ここでこのレセプターがGタンパク質と共役する、工程;および
このレセプターの機能性が調節されるか否かを決定する工程;
を包含し、ここで、レセプターの機能性における変化は、この候補化合物が、哺乳動物に
おける血中グルコース濃度のモジュレーターであることを示す。
【0019】
特定の実施形態では、このGPR131アミノ酸配列は、以下からなる群より選択され
る:
(a)配列番号2のアミノ酸配列;
(b)配列番号2のアミノ酸2−330;
(c)RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメチオ
ニン残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;
(d)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、この核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号
3のプライマーおよび配列番号4のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセス
によって入手可能である、アミノ酸配列;
(e)配列番号6のアミノ酸配列;
(f)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、この核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号
7のプライマーおよび配列番号8のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセス
によって入手可能である、アミノ酸配列;
(g)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸配列;
(h)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸2−330;
(i)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されており、ただし、
RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメチオニン残基
を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;および
(j)ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズするポリヌク
レオチドによってコードされる、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列。
【0020】
特定の実施形態では、レセプターの機能性の上昇は、この候補化合物が、哺乳動物にお
ける血中グルコース濃度を低下させる化合物であることを示す。
【0021】
特定の実施形態では、上記GPCRは組換え体である。特定の実施形態では、上記接触
させる工程は、このGPCRを発現する宿主細胞またはこのGPCRを発現する宿主細胞
の膜と接触させることを含み、上記宿主細胞は、このレセプターをコードするポリヌクレ
オチドを含む発現ベクターを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、上記接触させる工程は、このGPCRの公知のリガンドの存
在下で実施される。いくつかの実施形態では、上記接触させる工程は、このGPCRの公
知のモジュレーターの存在下で実施される。いくつかの実施形態では、上記接触させる工
程は、このGPCRの公知のアゴニストの存在下で実施される。いくつかの実施形態では
、このGPCRの上記公知のアゴニストは、化合物1、化合物2、または化合物3である
。いくつかの実施形態では、このGPCRの上記公知のアゴニストは、化合物1である。
いくつかの実施形態では、このGPCRの上記公知のアゴニストは、化合物2である。い
くつかの実施形態では、このGPCRの上記公知のアゴニストは、化合物3である。いく
つかの実施形態では、上記公知のアゴニストは、上記決定する工程のために、約EC50
〜約EC75で存在する。
【0023】
特定の実施形態では、上記1以上の候補化合物は、抗体でもその抗原結合誘導体でもな
い。
【0024】
特定の実施形態では、上記1以上の候補化合物はペプチドではない。
【0025】
特定の実施形態では、上記1以上の候補化合物は胆汁酸ではない。
【0026】
いくつかの実施形態では、このGPR131アミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸配
列である。いくつかの実施形態では、このGPR131アミノ酸配列は、配列番号2のア
ミノ酸配列の改変体である。いくつかの実施形態では、配列番号2のアミノ酸配列の上記
改変体は、上記アミノ酸配列の対立遺伝子改変体または哺乳動物オルソログである。いく
つかの実施形態では、配列番号2のアミノ酸配列の上記改変体は、上記アミノ酸配列また
は上記アミノ酸配列の対立遺伝子改変体もしくは哺乳動物オルソログの非内因性の構成的
に活性化された変異体である。特定の実施形態では、配列番号2のアミノ酸配列の上記改
変体は、上記アミノ酸配列または上記アミノ酸配列の対立遺伝子改変体もしくは哺乳動物
オルソログの生物学的に活性なフラグメントである。特定の実施形態では、配列番号2の
アミノ酸配列または上記アミノ酸配列の対立遺伝子改変体もしくは哺乳動物オルソログの
上記生物学的に活性なフラグメントは、N末端メチオニンがない、配列番号2または上記
アミノ酸配列の対立遺伝子改変体もしくは哺乳動物オルソログのアミノ酸配列である。特
定の実施形態では、配列番号2のアミノ酸配列の上記改変体は、配列番号2のアミノ酸配
列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくと
も約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくと
も約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくと
も約98%または少なくとも約99%同一である。いくつかの実施形態では、配列番号2
のアミノ酸配列の上記改変体は、配列番号2のアミノ酸配列に対して、少なくとも約90
%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94
%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98
%または少なくとも約99%同一である。
【0027】
特定の実施形態では、GPR131アミノ酸配列を含む上記RUP43 GPCRは、
1以上のエピトープタグをさらに含む融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、
上記1以上のエピトープタグを含む融合タンパク質は、配列番号6のアミノ酸配列である
【0028】
特定の実施形態では、上記Gタンパク質は、細胞内cAMPのレベルの上昇をもたらす
。いくつかの好ましい実施形態では、上記Gタンパク質はGsである。
【0029】
特定の実施形態では、上記Gタンパク質は、百日咳毒素感受性である。特定の実施形態
では、上記Gタンパク質はGiまたはGoである。特定の実施形態では、上記Gタンパク
質はGiである。特定の実施形態では、上記Gタンパク質はGoである。
【0030】
特定の実施形態では、上記Gタンパク質はGα15またはGα16である。特定の実施
形態では、上記Gタンパク質はGα15である。特定の実施形態では、上記Gタンパク質
はGα16である。
【0031】
特定の実施形態では、上記Gタンパク質はGqである。
【0032】
特定の実施形態では、上記方法は、候補化合物によって引き起こされるレセプターの調
節を、このレセプターを公知のレセプターモジュレーターと接触させることにより引き起
こされるこのレセプターの第2の調節に対して比較する工程をさらに包含する。特定の実
施形態では、上記公知のモジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、上記
アゴニストは、化合物1、化合物2、または化合物3である。特定の実施形態では、上記
アゴニストは化合物1である。特定の実施形態では、上記アゴニストは化合物2である。
特定の実施形態では、上記アゴニストは化合物3である。
【0033】
いくつかの好ましい実施形態では、上記決定する工程または上記比較する工程は、上記
GPCRを含む膜へのGTPγS結合の測定を通してである。特定の実施形態では、上記
GTPγSは、[35S]で標識される。
【0034】
特定の実施形態では、上記決定する工程または上記比較する工程は、サイクリックAM
P(cAMP)、サイクリックGMP(cGMP)、イノシトール三リン酸(IP)、
ジアシルグリセロール(DAG)、MAPキナーゼ活性、およびCa2+からなる群より
選択されるセカンドメッセンジャーのレベルの測定を通してである。特定の好ましい実施
形態では、上記セカンドメッセンジャーはcAMPである。特定の好ましい実施形態では
、cAMPのレベルが上昇する。特定の実施形態では、cAMPの上記測定は、細胞全体
のアデニリルシクラーゼアッセイを用いて実施される。特定の実施形態では、cAMPの
上記測定は、上記GPCRを含む膜を用いて実施される。特定の実施形態では、上記セカ
ンドメッセンジャーはMAPキナーゼ活性である。特定の実施形態では、MAPキナーゼ
活性のレベルが上昇する。
【0035】
いくつかの好ましい実施形態では、上記決定する工程または上記比較する工程は、CR
E−レポーターアッセイを通してである。特定の実施形態では、上記レポーターはルシフ
ェラーゼである。いくつかの実施形態では、上記レポーターはβ−ガラクトシダーゼであ
る。
【0036】
特定の実施形態では、上記決定する工程または上記比較する工程は、細胞内IPの測
定を通してである。
【0037】
特定の実施形態では、上記決定する工程または上記比較する工程は、細胞内Ca2+
測定を通してである。
【0038】
特定の実施形態では、上記決定する工程または上記比較する工程は、哺乳動物から得ら
れた脂肪細胞によるグルコース取り込みの測定を通してである。
【0039】
特定の実施形態では、上記決定する工程または上記比較する工程は、哺乳動物から得ら
れた骨格筋細胞によるグルコース取り込みの測定を通してである。
【0040】
特定の好ましい実施形態では、上記決定する工程または上記比較する工程は、メラニン
保有細胞アッセイの使用を通してである。
【0041】
第二の局面では、本発明は、以下の式(II)の化合物またはその薬学的に受容可能な
塩を特徴とし:
【0042】
【化2】

ここで:
は、HまたはC1−6アルキルであり;
は、2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−3−イル
基である;または
およびRは、それらが結合する窒素と一緒になって、3,4−ジヒドロ−2H−
キノリン−1−イル基を形成し;そして
10およびR11は、各々独立して、Hまたはハロゲンである
第三の局面では、本発明は、第一の局面の方法に従って同定されたGPCRのモジュレ
ーターを特徴とする。特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗原結
合誘導体でもない。特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。特定
の実施形態では、このモジュレーターは胆汁酸ではない。特定の実施形態では、このモジ
ュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを増加させる化
合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた骨格筋
細胞によるグルコース取り込みを増加させる化合物である。
【0043】
本発明はまた、第一の局面の方法に従って同定可能なGPCRのモジュレーターを特徴
とする。特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗原結合誘導体でも
ない。特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。特定の実施形態で
は、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを
増加させる化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得
られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを増加させる化合物である。
【0044】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニ
ストおよびアンタゴニストからなる群より選択される。特定の実施形態では、上記モジュ
レーターはアゴニストである。特定の実施形態では、上記モジュレーターは部分アゴニス
トである。特定の実施形態では、上記モジュレーターは逆(inverse)アゴニスト
である。特定の実施形態では、上記モジュレーターはアンタゴニストである。
【0045】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは好ましくはアゴニストである。特定の実施
形態では、上記アゴニストは、第二の局面による化合物である。
【0046】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満、または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形
態では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10
nM〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつ
かの実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される
値未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、配
列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペ
プチドを発現するトランスフェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体
のcAMPアッセイ;および配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換
えRUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細
胞を用いて実施されるメラニン保有細胞アッセイからなる群より選択されるアッセイを用
いて決定される。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおい
て10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有するア
ゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおい
て10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8μM未
満の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、上記ア
ッセイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイにおい
て3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μM未満
の、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未満の、
上記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の、上記
アッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上記アッ
セイにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記アッセイ
において100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイにおい
て80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて60n
M未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM未満の
、上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、または
上記アッセイにおいて10nM未満の、EC50を有するアゴニストである。いくつかの
実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μMの区
間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では
、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択され
る値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレ
ーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未満の
EC50を有するアゴニストである。
【0047】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、GPCRに選択的である。
【0048】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1(「Cmpd#1」,表1
を参照のこと)、化合物2(「Cmpd#2」、表1を参照のこと)、または化合物3(
「Cmpd#3」、表1を参照のこと)である。いくつかの実施形態では、上記モジュレ
ーターは化合物1である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは化合物2であ
る。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは化合物3である。
【0049】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能(bio
available)である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用能は
、腹腔内投与と比較して、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なく
とも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35
%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記
経口での生物学的利用能は、腹腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25
%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%
である。
【0050】
いくつかの実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、
血液−脳関門を越えることができる。
【0051】
第四の局面では、本発明は、薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を調製す
る方法を特徴とし、この方法は、キャリアとRUP43 GPCRのモジュレーターとを
混合する工程を包含し、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含む。特定の実
施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗原結合誘導体でもない。特定の実施
形態では、このモジュレーターはペプチドではない。特定の実施形態では、このモジュレ
ーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを増加させる化合物
である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた骨格筋細胞
によるグルコース取り込みを増加させる化合物である。特定の実施形態では、このモジュ
レーターは、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およびアンタゴニストからな
る群より選択される。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。特
定の実施形態では、このモジュレーターは部分アゴニストである。特定の実施形態では、
このモジュレーターは逆アゴニストである。特定の実施形態では、このモジュレーターは
アンタゴニストである。特定の実施形態では、このモジュレーターは好ましくはアゴニス
トである。特定の実施形態では、上記アゴニストは、第二の局面による化合物である。
【0052】
本発明はまた、薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を調製する方法を特徴
とし、この方法は、RUP43 GPCRのモジュレーターを同定する工程であって、上
記レセプターがGPR131アミノ酸配列を含む工程、次いでキャリアとこのモジュレー
ターとを混合する工程であって、このモジュレーターが、第一の局面に従った方法により
同定可能である工程を包含する。特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局
面に従って同定される。特定の実施形態では、このモジュレーターは抗体でもその抗原結
合誘導体でもない。特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。特定
の実施形態では、このモジュレーターは、好ましくはアゴニストである。特定の実施形態
では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込み
を増加させる化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から
得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを増加させる化合物である。特定の実施形
態では、このモジュレーターは、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およびア
ンタゴニストからなる群より選択される。特定の実施形態では、このモジュレーターはア
ゴニストである。特定の実施形態では、このモジュレーターは部分アゴニストである。特
定の実施形態では、このモジュレーターは逆アゴニストである。特定の実施形態では、こ
のモジュレーターはアンタゴニストである。特定の実施形態では、このモジュレーターは
好ましくはアゴニストである。特定の実施形態では、上記アゴニストは、第二の局面によ
る化合物である。
【0053】
特定の実施形態では、上記組成物は薬学的組成物である。特定の実施形態では、上記組
成物は薬学的に受容可能である。
【0054】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、配列
番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプ
チドを発現するトランスフェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体の
cAMPアッセイ;および配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換え
RUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞
を用いて実施されるメラニン保有細胞アッセイからなる群より選択されるアッセイを用い
て決定される。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて
10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴ
ニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて
10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8μM未満
の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、上記アッ
セイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイにおいて
3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μM未満の
、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未満の、上
記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の、上記ア
ッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上記アッセ
イにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記アッセイに
おいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイにおいて
80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて60nM
未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM未満の、
上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、または上
記アッセイにおいて10nM未満の、EC50を有するアゴニストである。いくつかの実
施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μMの区間
から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、
上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択される
値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレー
ターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未満のE
50を有するアゴニストである。
【0055】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、GPCRに選択的である。
【0056】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは化合物1である。いくつかの
実施形態では、上記モジュレーターは化合物2である。いくつかの実施形態では、上記モ
ジュレーターは化合物3である。
【0057】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。
いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用能は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用能は、腹
腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なく
とも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0058】
いくつかの実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、
血液−脳関門を越えることができる。
【0059】
第五の局面では、本発明は、RUP43 GPCRの活性を調節する方法を特徴とし、
上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含み、この方法は、このレセプターとこの
レセプターのモジュレーターとを接触させる工程を包含する。特定の実施形態では、この
モジュレーターは、第一の局面の方法に従う方法により同定可能である。特定の実施形態
では、このモジュレーターは、第一の局面の方法に従って同定される。特定の実施形態で
は、このモジュレーターは抗体でもその抗原結合誘導体でもない。特定の実施形態では、
このモジュレーターはペプチドではない。特定の実施形態では、このモジュレーターは、
アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およびアンタゴニストからなる群より選択
される。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態
では、このモジュレーターは部分アゴニストである。特定の実施形態では、このモジュレ
ーターは逆アゴニストである。特定の実施形態では、このモジュレーターはアンタゴニス
トである。特定の実施形態では、このモジュレーターは、好ましくはアゴニストである。
特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグル
コース取り込みを増加させる化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは
、哺乳動物から得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを増加させる化合物である
。特定の実施形態では、上記アゴニストは、第二の局面による化合物である。
【0060】
本発明はまた、RUP43 GPCRの活性を調節する方法を特徴とし、上記レセプタ
ーはGPR131アミノ酸配列を含み、この方法は、このレセプターをこのレセプターの
モジュレーターと接触させる工程を包含し、このモジュレーターは、第一の局面の方法に
より同定可能である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の方法に
従って同定される。特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗原結合
誘導体でもない。特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。特定の
実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース
取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動
物から得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物である。特定の実
施形態では、このモジュレーターは、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およ
びアンタゴニストからなる群より選択される。特定の実施形態では、このモジュレーター
はアゴニストである。特定の実施形態では、このモジュレーターは部分アゴニストである
。特定の実施形態では、このモジュレーターは逆アゴニストである。特定の実施形態では
、このモジュレーターはアンタゴニストである。特定の実施形態では、このモジュレータ
ーは好ましくはアゴニストである。特定の実施形態では、上記アゴニストは、第二の局面
による化合物である。
【0061】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、配列
番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプ
チドを発現するトランスフェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体の
cAMPアッセイ;および配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換え
RUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞
を用いて実施されるメラニン保有細胞アッセイからなる群より選択されるアッセイを用い
て決定される。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて
10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴ
ニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて
10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8μM未満
の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、上記アッ
セイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイにおいて
3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μM未満の
、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未満の、上
記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の、上記ア
ッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上記アッセ
イにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記アッセイに
おいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイにおいて
80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて60nM
未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM未満の、
上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、または上
記アッセイにおいて10nM未満の、EC50を有するアゴニストである。いくつかの実
施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μMの区間
から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、
上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択される
値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレー
ターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未満のE
50を有するアゴニストである。
【0062】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、GPCRに選択的である。
【0063】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは化合物1である。いくつかの
実施形態では、上記モジュレーターは化合物2である。いくつかの実施形態では、上記モ
ジュレーターは化合物3である。
【0064】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。
いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用能は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用能は、腹
腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なく
とも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0065】
いくつかの実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、
血液−脳関門を越えることができる。
【0066】
特定の実施形態では、上記接触させる工程は、このレセプターを含む膜へのこのモジュ
レーターの投与を包含する。
【0067】
特定の実施形態では、上記接触させる工程は、このモジュレーターを、このレセプター
を含む細胞に投与することを含む。
【0068】
特定の実施形態では、上記接触させる工程は、このモジュレーターを、このレセプター
を含む組織に投与することを含む。
【0069】
特定の実施形態では、上記接触させる工程は、このモジュレーターを、このレセプター
を含む個体に投与することを含む。特定の実施形態では、このレセプターを含む個体への
モジュレーターの上記投与は、経口投与である。特定の実施形態では、上記個体は哺乳動
物である。特定の実施形態では、上記個体は非ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では
、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、
非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット
、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ましいのはヒトである。
【0070】
第六の局面では、本発明は、RUP43 GPCRの活性を調節する方法を特徴とし、
上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含み、ここで上記調節は、上記調節を必要
とする個体において血中グルコース濃度を低下させるためであり、この方法は、上記レセ
プターを該レセプターの治療有効量のモジュレーターと接触させる工程を包含する。特定
の実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。
【0071】
本発明はまた、RUP43 GPCRの活性を調節する方法を特徴とし、上記レセプタ
ーはGPR131アミノ酸配列を含み、ここで上記調節は、上記調節を必要とする個体に
おいて代謝障害を予防または処置するためであり、この方法は、上記レセプターを該レセ
プターの治療有効量のモジュレーターと接触させる工程を包含する。特定の実施形態では
、このモジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、この代謝障害は、以下
からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0072】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0073】
本発明はまた、RUP43 GPCRの活性を調節する方法を特徴とし、上記レセプタ
ーはGPR131アミノ酸配列を含み、ここで上記調節は、上記調節を必要とする個体に
おいて上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置するためであり、この方法
は、上記レセプターを該レセプターの治療有効量のモジュレーターと接触させる工程を包
含する。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態
では、この合併症は、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0074】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧である
。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特定の実施形態では、この合併症
は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形
態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では、この合併症はニューロパシー
である。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患である。特定の実施形態では、
この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態では、この合併症は高脂血症で
ある。
【0075】
特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の方法に従った方法により同
定可能である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の方法に従って
同定される。特定の実施形態では、このモジュレーターは抗体でもその抗原結合誘導体で
もない。特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。特定の実施形態
では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込み
を刺激する化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得
られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態で
は、上記モジュレーターは、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およびアンタ
ゴニストからなる群より選択される。特定の好ましい実施形態では、上記モジュレーター
はアゴニストである。特定の実施形態では、上記アゴニストは、第二の局面による化合物
である。
【0076】
特定の実施形態では、上記モジュレーターはGPCRに選択的である。
【0077】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは化合物1である。いくつかの
実施形態では、上記モジュレーターは化合物2である。いくつかの実施形態では、上記モ
ジュレーターは化合物3である。
【0078】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。いく
つかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は
、腹腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少
なくとも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0079】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、血液
−脳関門を越えることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、配列
番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプ
チドを発現するトランスフェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体の
cAMPアッセイ;および配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換え
RUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞
を用いて実施されるメラニン保有細胞アッセイからなる群より選択されるアッセイを用い
て決定される。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて
10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴ
ニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて
10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8μM未満
の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、上記アッ
セイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイにおいて
3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μM未満の
、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未満の、上
記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の、上記ア
ッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上記アッセ
イにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記アッセイに
おいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイにおいて
80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて60nM
未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM未満の、
上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、または上
記アッセイにおいて10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施
形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μMの区間か
ら選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上
記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレータ
ーは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未満のEC
50を有するアゴニストである。
【0081】
特定の実施形態では、上記接触させる工程は、上記個体への上記モジュレーターの経口
投与を包含する。
【0082】
特定の実施形態では、上記個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記個体は非
ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ
、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形
態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ま
しいのはヒトである。
【0083】
第七の局面では、本発明は、上記低下を必要とする個体において血中グルコース濃度を
低下させる方法を特徴とし、この方法は、治療有効量のRUP43 GPCRのモジュレ
ーターを上記レセプターと接触させる工程を包含し、上記GPCRはGPR131アミノ
酸配列を含む。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。
【0084】
本発明はさらに、哺乳動物中の血中グルコース濃度を低下させる方法を特徴とし、この
方法は、上記低下を必要とする哺乳動物にRUP43 GPCRのモジュレーターを提供
または投与する工程を包含し、上記GPCRはGPR131アミノ酸配列を含む。特定の
実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、RUP4
3 GPCRアゴニストはGPR131 GPCRアゴニストであり、ここで、GPR1
31 GPCRは内因性RUP43 GPCRであることが理解される。
【0085】
本発明はまた、代謝障害の予防または処置を必要とする個体における代謝障害を予防ま
たは治療する方法を特徴とし、この方法は、治療有効量のRUP43 GPCRのモジュ
レーターを上記レセプターと接触させる工程を包含し、上記レセプターはGPR131ア
ミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。特定
の実施形態では、この代謝障害は、以下からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0086】
本発明はさらに、代謝障害を予防または処置する方法を特徴し、この方法は、上記予防
または処置を必要とする哺乳動物にRUP43 GPCRのモジュレーターを投与する工
程を包含し、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、
このモジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、RUP43 GPCRア
ゴニストはGPR131 GPCRアゴニストであり、ここで、GPR131 GPCR
は内因性RUP43 GPCRであることが理解される。特定の実施形態では、この代謝
障害は、以下からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0087】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0088】
本発明はまた、上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防または処置を必要とする個
体において上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置する方法を特徴とし、
この方法は、治療有効量のRUP43 GPCRのモジュレーターを上記レセプターと接
触させる工程を包含し、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施
形態では、このモジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、この合併症は
、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0089】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0090】
本発明はさらに、上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置する方法を特
徴とし、この方法は、上記予防または処置を必要とする哺乳動物にRUP43 GPCR
のモジュレーターを提供または投与する工程を包含し、上記レセプターはGPR131ア
ミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。特定
の実施形態では、RUP43 GPCRアゴニストはGPR131 GPCRアゴニスト
であり、ここで、GPR131 GPCRは内因性RUP43 GPCRであることが理
解される。特定の実施形態では、この合併症は、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0091】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0092】
特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の方法に従う方法を実施する
ことにより同定可能である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の
方法に従って同定される。特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗
原結合誘導体でもない。特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。
特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグル
コース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、
哺乳動物から得た脂肪細胞におけるグルコース取り込みを刺激する化合物である。特定の
実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた骨格筋細胞によるグルコー
ス取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳
動物から得た骨格筋細胞におけるグルコース取り込みを刺激する化合物である。特定の実
施形態では、上記モジュレーターは、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およ
びアンタゴニストからなる群より選択される。特定の好ましい実施形態では、上記モジュ
レーターはアゴニストである。特定の実施形態では、上記アゴニストは、第二の局面によ
る化合物である。
【0093】
特定の実施形態では、上記モジュレーターはGPCRに選択的である。
【0094】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは化合物1である。いくつかの
実施形態では、上記モジュレーターは化合物2である。いくつかの実施形態では、上記モ
ジュレーターは化合物3である。
【0095】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。いく
つかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用能は、腹
腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なく
とも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0096】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、血液
−脳関門を越えることができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、以下
からなる群より選択されるアッセイを用いて決定される:配列番号2もしくは配列番号6
のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフ
ェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体のcAMPアッセイ;および
配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリ
ペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞を用いて実施されるメラニ
ン保有細胞アッセイ。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有す
るアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8μ
M未満の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、上
記アッセイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイに
おいて3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μM
未満の、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未満
の、上記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の、
上記アッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上記
アッセイにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記アッ
セイにおいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイに
おいて80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて6
0nM未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM未
満の、上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、ま
たは上記アッセイにおいて10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μMの
区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態で
は、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択さ
れる値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュ
レーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未満
のEC50を有するアゴニストである。
【0098】
特定の実施形態では、上記接触させる工程は、上記個体への上記モジュレーターの経口
投与を包含する。
【0099】
特定の実施形態では、上記個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記個体は非
ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ
、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形
態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ま
しいのはヒトである。
【0100】
第八の局面では、本発明は、薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を特徴と
し、該薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物は、RUP43 GPCRのモジ
ュレーターを含むか、RUP43 GPCRのモジュレーターから本質的になるか、また
はRUP43 GPCRのモジュレーターからなり、上記レセプターは、GPR131ア
ミノ酸配列を含む。
【0101】
特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の方法に従う方法を実施する
ことにより同定可能である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の
方法に従って同定される。特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗
原結合誘導体でもない。特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。
特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグル
コース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、
哺乳動物から得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物である。特
定の実施形態では、上記モジュレーターは、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト
、およびアンタゴニストからなる群より選択される。特定の好ましい実施形態では、上記
モジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、上記アゴニストは、第二の局
面による化合物である。
【0102】
特定の実施形態では、上記組成物は薬学的組成物である。特定の実施形態では、この薬
学的組成物は、RUP43 GPCRのモジュレーターを含む。特定の実施形態では、こ
の薬学的組成物は、RUP43 GPCRのモジュレーターから本質的になる。特定の実
施形態では、この薬学的組成物は、RUP43 GPCRのモジュレーターからなる。
【0103】
特定の実施形態では、上記組成物は、薬学的に受容可能である。特定の実施形態では、
この生理学的に受容可能な組成物は、RUP43 GPCRのモジュレーターを含む。特
定の実施形態では、この生理学的に受容可能な組成物は、RUP43 GPCRのモジュ
レーターから本質的になる。特定の実施形態では、この生理学的に受容可能な組成物は、
RUP43 GPCRのモジュレーターからなる。
【0104】
特定の実施形態では、上記モジュレーターはGPCRに選択的である。
【0105】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは化合物1である。いくつかの
実施形態では、上記モジュレーターは化合物2である。いくつかの実施形態では、上記モ
ジュレーターは化合物3である。
【0106】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。いく
つかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用能は、腹
腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なく
とも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0107】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、血液
−脳関門を越えることができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、以下
からなる群より選択されるアッセイを用いて決定される:配列番号2もしくは配列番号6
のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフ
ェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体のcAMPアッセイ;および
配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリ
ペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞を用いて実施されるメラニ
ン保有細胞アッセイ。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて、10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有
するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイ
において、10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて
8μM未満の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の
、上記アッセイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセ
イにおいて3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1
μM未満の、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM
未満の、上記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満
の、上記アッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、
上記アッセイにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記
アッセイにおいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセ
イにおいて80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおい
て60nM未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40n
M未満の、上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の
、または上記アッセイにおいて10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いく
つかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μ
Mの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形
態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選
択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モ
ジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。
【0109】
第九の局面では、本発明は、血中グルコース濃度を低下させる方法を特徴とし、この方
法は、上記低下を必要とする個体に、第八の局面の上記薬学的組成物または生理学的に受
容可能な組成物を提供または投与する工程を包含する。
【0110】
本発明はまた、代謝障害を予防または処置する方法を特徴とし、この方法は、上記予防
または処置を必要とする個体に、第八の局面の上記薬学的組成物または生理学的に受容可
能な組成物を提供または投与する工程を包含する。特定の実施形態では、この代謝障害は
、以下からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0111】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0112】
本発明はまた、上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置する方法を特徴
とし、この方法は、上記予防または処置を必要とする個体に、第八の局面の上記薬学的組
成物または生理学的に受容可能な組成物を提供または投与する工程を包含する。特定の実
施形態では、この合併症は、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0113】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0114】
特定の実施形態では、上記モジュレーターはアゴニストである。
【0115】
特定の実施形態では、治療有効量の上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成
物は、上記個体に提供または投与される。
【0116】
特定の実施形態では、上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を提供する
工程または投与する工程は経口的である。
【0117】
特定の実施形態では、上記個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記個体は非
ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ
、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形
態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ま
しいのはヒトである。
【0118】
第十の局面では、本発明は、治療によるヒトまたは動物体の処置方法において使用する
ためのRUP43 GPCRのモジュレーターを特徴とし、上記レセプターはGPR13
1アミノ酸配列を含む。
【0119】
特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の方法に従う方法を実施する
ことにより同定可能である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の
方法に従って同定される。特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗
原結合誘導体でもない。特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。
特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグル
コース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、
ヒトまたは動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物である
.
特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた骨格筋細胞によるグ
ルコース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは
、ヒトまたは動物から得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物で
ある。特定の実施形態では、上記モジュレーターは、アゴニスト、部分アゴニスト、逆ア
ゴニスト、およびアンタゴニストからなる群より選択される。特定の好ましい実施形態で
は、上記モジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、上記アゴニストは、
第二の局面による化合物である。
【0120】
特定の実施形態では、上記モジュレーターはGPCRに選択的である。
【0121】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは化合物1である。いくつかの
実施形態では、上記モジュレーターは化合物2である。いくつかの実施形態では、上記モ
ジュレーターは化合物3である。
【0122】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。いく
つかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用能は、腹
腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なく
とも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0123】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、血液
−脳関門を越えることができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、以下
からなる群より選択されるアッセイを用いて決定される:配列番号2もしくは配列番号6
のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフ
ェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体のcAMPアッセイ;および
配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリ
ペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞を用いて実施されるメラニ
ン保有細胞アッセイ。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有す
るアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8μ
M未満の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、上
記アッセイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイに
おいて3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μM
未満の、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未満
の、上記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の、
上記アッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上記
アッセイにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記アッ
セイにおいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイに
おいて80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて6
0nM未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM未
満の、上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、ま
たは上記アッセイにおいて10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μMの
区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態で
は、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択さ
れる値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュ
レーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未満
のEC50を有するアゴニストである。
【0125】
特定の実施形態では、上記動物は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物
は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、または非ヒト霊
長類である。ヒトまたは動物のうちでより好ましいのはヒトである。
【0126】
第十一の局面では、本発明は、治療によってヒトまたは動物体の血中グルコース濃度を
低下させる方法において使用するためのRUP43 GPCRのモジュレーターを特徴と
し、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、このモジ
ュレーターはアゴニストである。
【0127】
本発明はまた、治療によってヒトまたは動物体における代謝障害を予防または処置する
方法において使用するためのRUP43 GPCRのモジュレーターを特徴とし、上記レ
セプターはGPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、このモジュレーター
はアゴニストである。特定の実施形態では、この代謝障害は、以下からなる群より選択さ
れる:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0128】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0129】
本発明はまた、治療によってヒトまたは動物体における上昇した血中グルコース濃度の
合併症を予防または処置する方法において使用するためのRUP43 GPCRのモジュ
レーターを特徴とし、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形
態では、このモジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、この合併症は、
以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0130】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0131】
特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の方法に従う方法を実施する
ことにより同定可能である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の
方法に従って同定される。特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗
原結合誘導体でもない。特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。
特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグル
コース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、
ヒトまたは動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物である
。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた骨格筋細胞による
グルコース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーター
は、ヒトまたは動物から得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物
である。特定の実施形態では、上記モジュレーターは、アゴニスト、部分アゴニスト、逆
アゴニスト、およびアンタゴニストからなる群より選択される。特定の好ましい実施形態
では、上記モジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、上記アゴニストは
、第二の局面による化合物である。
【0132】
特定の実施形態では、上記モジュレーターはGPCRに選択的である。
【0133】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは化合物1である。いくつかの
実施形態では、上記モジュレーターは化合物2である。いくつかの実施形態では、上記モ
ジュレーターは化合物3である。
【0134】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。いく
つかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用能は、腹
腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なく
とも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0135】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、血液
−脳関門を越えることができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、以下
からなる群より選択されるアッセイを用いて決定される:配列番号2もしくは配列番号6
のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフ
ェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体のcAMPアッセイ;および
配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリ
ペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞を用いて実施されるメラニ
ン保有細胞アッセイ。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有す
るアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8μ
M未満の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、上
記アッセイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイに
おいて3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μM
未満の、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未満
の、上記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の、
上記アッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上記
アッセイにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記アッ
セイにおいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイに
おいて80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて6
0nM未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM未
満の、上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、ま
たは上記アッセイにおいて10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μMの
区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態で
は、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて10nM〜1μMの区間から選択され
る値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレ
ーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未満の
EC50を有するアゴニストである。
【0137】
特定の実施形態では、上記動物は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物
は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、または非ヒト霊
長類である。ヒトまたは動物のうちでより好ましいのはヒトである。
【0138】
第十二の局面では、本発明は、血中グルコース濃度を低下させるための医薬の調製のた
めにRUP43 GPCRのモジュレーターを使用する方法を特徴とし、上記レセプター
はGPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニ
ストである。特定の実施形態では、RUP43 GPCRアゴニストはGPR131 G
PCRアゴニストであり、ここで、GPR131 GPCRは内因性RUP43 GPC
Rであることが理解される。
【0139】
本発明はまた、代謝障害の予防または処置のための医薬の調製のためにRUP43 G
PCRのモジュレーターを使用する方法を特徴とし、上記レセプターはGPR131アミ
ノ酸配列を含む。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。特定の
実施形態では、RUP43 GPCRアゴニストはGPR131 GPCRアゴニストで
あり、ここで、GPR131 GPCRは内因性RUP43 GPCRであることが理解
される。特定の実施形態では、この代謝障害は、以下からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0140】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0141】
本発明はまた、上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防または処置のための医薬の
調製のためにRUP43 GPCRのモジュレーターを使用する方法を特徴とし、上記レ
セプターはGPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、このモジュレーター
はアゴニストである。特定の実施形態では、RUP43 GPCRアゴニストはGPR1
31 GPCRアゴニストであり、ここで、GPR131 GPCRは内因性RUP43
GPCRであることが理解される。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニ
ストである。特定の実施形態では、この合併症は、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0142】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0143】
特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の方法に従う方法を実施する
ことにより同定可能である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、第一の局面の
方法に従って同定される。特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗
原結合誘導体でもない。特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。
特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグル
コース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、
哺乳動物から得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物である。特
定の実施形態では、上記モジュレーターは、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト
、およびアンタゴニストからなる群より選択される。特定の好ましい実施形態では、上記
モジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、上記アゴニストは、第二の局
面による化合物である。
【0144】
特定の実施形態では、上記モジュレーターはGPCRに選択的である。
【0145】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは化合物1である。いくつかの
実施形態では、上記モジュレーターは化合物2である。いくつかの実施形態では、上記モ
ジュレーターは化合物3である。
【0146】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。いく
つかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用能は、腹
腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なく
とも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0147】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、血液
−脳関門を越えることができる。
【0148】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、以下
からなる群より選択されるアッセイを用いて決定される:配列番号2もしくは配列番号6
のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフ
ェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体のcAMPアッセイ;および
配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリ
ペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞を用いて実施されるメラニ
ン保有細胞アッセイ。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有す
るアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8μ
M未満の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、上
記アッセイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイに
おいて3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μM
未満の、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未満
の、上記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の、
上記アッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上記
アッセイにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記アッ
セイにおいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイに
おいて80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて6
0nM未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM未
満の、上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、ま
たは上記アッセイにおいて10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μMの
区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態で
は、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択さ
れる値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュ
レーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未満
のEC50を有するアゴニストである。
【0149】
第十三の局面では、本発明は、RUP43 GPCRの活性を調節する方法を特徴とし
、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含み、ここで、上記調節は、上記調節
を必要とする個体において血中グルコースを低下させるためであり、この方法は、上記レ
セプターをこのレセプターの治療有効量のモジュレーターと接触させる工程を包含する。
特定の実施形態では、上記方法は、第一の局面による方法を最初に実施し、それによりこ
のモジュレーターを同定する工程を包含する。特定の実施形態では、このモジュレーター
はアゴニストである。
【0150】
本発明はまた、RUP43 GPCRの活性を調節する方法を特徴とし、上記レセプタ
ーは、GPR131アミノ酸配列を含み、ここで、上記調節は、上記調節を必要とする個
体において代謝障害を予防または処置するためであり、この方法は、上記レセプターをこ
のレセプターの治療有効量のモジュレーターと接触させる工程を包含する。特定の実施形
態では、上記方法は、第一の局面による方法を最初に実施し、それによりこのモジュレー
ターを同定する工程を包含する。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニスト
である。特定の実施形態では、この代謝障害は、以下からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0151】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0152】
本発明はまた、RUP43 GPCRの活性を調節する方法を特徴とし、上記レセプタ
ーは、GPR131アミノ酸配列を含み、ここで、上記調節は、上記調節を必要とする個
体において上昇した血中グルコースの合併症を予防または処置するためであり、この方法
は、上記レセプターをこのレセプターの治療有効量のモジュレーターと接触させる工程を
包含する。特定の実施形態では、上記方法は、第一の局面による方法を最初に実施し、そ
れによりこのモジュレーターを同定する工程を包含する。特定の実施形態では、このモジ
ュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、この合併症は、以下からなる群よ
り選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0153】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0154】
特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗原結合誘導体でもない。
特定の実施形態では、上記モジュレーターペプチドではない。特定の実施形態では、この
モジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを刺激する
化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた骨格
筋細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、上記モ
ジュレーターは、第三の局面による。特定の実施形態では、上記モジュレーターは、アゴ
ニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およびアンタゴニストからなる群より選択され
る。特定の好ましい実施形態では、上記モジュレーターはアゴニストである。
【0155】
特定の実施形態では、上記モジュレーターはGPCRに選択的である。
【0156】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは化合物1である。いくつかの
実施形態では、上記モジュレーターは化合物2である。いくつかの実施形態では、上記モ
ジュレーターは化合物3である。
【0157】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。いく
つかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用能は、腹
腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なく
とも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0158】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、血液
−脳関門を越えることができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、以下
からなる群より選択されるアッセイを用いて決定される:配列番号2もしくは配列番号6
のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフ
ェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体のcAMPアッセイ;および
配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリ
ペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞を用いて実施されるメラニ
ン保有細胞アッセイ。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有す
るアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8μ
M未満の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、上
記アッセイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイに
おいて3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μM
未満の、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未満
の、上記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の、
上記アッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上記
アッセイにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記アッ
セイにおいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイに
おいて80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて6
0nM未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM未
満の、上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、ま
たは上記アッセイにおいて10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μMの
区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態で
は、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択さ
れる値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュ
レーターは、上記アッセイにおいて10nM〜100nMの区間から選択される値未満の
EC50を有するアゴニストである。
【0160】
特定の実施形態では、上記接触させる工程は、上記個体への上記モジュレーターの経口
投与を包含する。
【0161】
特定の実施形態では、上記個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記個体は非
ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ
、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形
態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ま
しいのはヒトである。
【0162】
第十四の局面では、本発明は、血中グルコースの低下を必要とする個体において血中グ
ルコースを低下させる方法を特徴とし、この方法は、治療有効量のRUP43 GPCR
のモジュレーターを上記レセプターと接触させる工程を包含し、上記GPCRは、GPR
131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、上記方法は、第一の局面による方法を
最初に実施し、それによりこのモジュレーターを同定する工程を包含する。特定の実施形
態では、このモジュレーターはアゴニストである。
【0163】
本発明はまた、代謝障害の予防または処置を必要とする個体において代謝障害を予防ま
たは処置する方法を特徴とし、この方法は、治療有効量のRUP43 GPCRのモジュ
レーターを上記レセプターと接触させる工程を包含し、上記レセプターは、GPR131
アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、上記方法は、第一の局面による方法を最初に
実施し、それによりこのモジュレーターを同定する工程を包含する。特定の実施形態では
、このモジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、この代謝障害は、以下
からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0164】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0165】
本発明はまた、上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防または処置を必要とする個
体において上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置する方法を特徴とし、
この方法は、治療有効量のRUP43 GPCRのモジュレーターを上記レセプターと接
触させる工程を包含し、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含む。特定の実
施形態では、上記方法は、第一の局面による方法を最初に実施し、それによりこのモジュ
レーターを同定する工程を包含する。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニ
ストである。特定の実施形態では、この合併症は、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0166】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0167】
特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗原結合誘導体でもない。
特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。特定の実施形態では、こ
のモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを刺激す
る化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた骨
格筋細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、上記
このモジュレーターは、第三の局面による。特定の実施形態では、上記モジュレーターは
、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およびアンタゴニストからなる群より選
択される。特定の好ましい実施形態では、上記モジュレーターはアゴニストである。
【0168】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、GPCRに選択的である。
【0169】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1である。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、化合物2である。いくつかの実施形態では、上
記モジュレーターは、化合物3である。
【0170】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。いく
つかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は
、腹腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少
なくとも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0171】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、血液
−脳関門を越えることができる。
【0172】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、以下
からなる群より選択されるアッセイを用いて決定される:配列番号2もしくは配列番号6
のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフ
ェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体のcAMPアッセイ;および
配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリ
ペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞を用いて実施されるメラニ
ン保有細胞アッセイ。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて、10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有
するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイ
において10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8
μM未満の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、
上記アッセイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイ
において3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μ
M未満の、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未
満の、上記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の
、上記アッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上
記アッセイにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記ア
ッセイにおいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイ
において80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて
60nM未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM
未満の、上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、
または上記アッセイにおいて10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつ
かの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μM
の区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択
される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジ
ュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未
満のEC50を有するアゴニストである。
【0173】
特定の実施形態では、上記接触させる工程は、上記モジュレーターを上記個体に経口投
与することを含む。
【0174】
特定の実施形態では、上記個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記個体は非
ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ
、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形
態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ま
しいのはヒトである。
【0175】
第十五の局面では、本発明は、上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を
特徴とし、この組成物は、RUP43 GPCRのモジュレーターを含むか、このモジュ
レーターから本質的になるか、またはこのモジュレーターからなり、上記レセプターは、
GPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、上記モジュレーターは、第一の
局面の方法に従う方法を実施することにより同定可能である。特定の実施形態では、上記
モジュレーターは、第一の局面に従う方法を実施することにより同定される。
【0176】
特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗原結合誘導体でもない。
特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。特定の実施形態では、こ
のモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを刺激す
る化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた骨
格筋細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、上記
モジュレーターは、第三の局面による。特定の実施形態では、上記モジュレーターは、ア
ゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およびアンタゴニストからなる群より選択さ
れる。特定の好ましい実施形態では、上記モジュレーターはアゴニストである。
【0177】
特定の実施形態では、上記組成物は薬学的組成物である。特定の実施形態では、この薬
学的組成物はRUP43 GPCRのモジュレーターを含む。特定の実施形態では、この
薬学的組成物はRUP43 GPCRのモジュレーターから本質的になる。特定の実施形
態では、この薬学的組成物はRUP43 GPCRのモジュレーターからなる。
【0178】
特定の実施形態では、上記組成物は生理学的に受容可能である。特定の実施形態では、
この生理学的に受容可能な組成物は、RUP43 GPCRのモジュレーターを含む。特
定の実施形態では、この生理学的に受容可能な組成物は、RUP43 GPCRのモジュ
レーターから本質的になる。特定の実施形態では、この生理学的に受容可能な組成物は、
RUP43 GPCRのモジュレーターからなる。
【0179】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、GPCRに選択的である。
【0180】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1である。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、化合物2である。いくつかの実施形態では、上
記モジュレーターは、化合物3である。
【0181】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。いく
つかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は
、腹腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少
なくとも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0182】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、血液
−脳関門を越えることができる。
【0183】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、以下
からなる群より選択されるアッセイを用いて決定される:配列番号2もしくは配列番号6
のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフ
ェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体のcAMPアッセイ;および
配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリ
ペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞を用いて実施されるメラニ
ン保有細胞アッセイ。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて、10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有
するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイ
において10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8
μM未満の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、
上記アッセイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイ
において3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μ
M未満の、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未
満の、上記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の
、上記アッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上
記アッセイにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記ア
ッセイにおいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイ
において80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて
60nM未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM
未満の、上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、
または上記アッセイにおいて10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつ
かの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μM
の区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択
される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジ
ュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未
満のEC50を有するアゴニストである。
【0184】
第十六の局面では、本発明はさらに、血中グルコース濃度を低下させる方法を特徴とし
、この方法は、上記低下を必要とする個体に、第十五の局面の上記薬学的組成物または生
理学的に受容可能な組成物を提供または投与する工程を包含する。
【0185】
本発明はまた、代謝障害を予防または処置する方法を特徴とし、この方法は、上記予防
または処置を必要とする個体に、第十五の局面の上記薬学的組成物または生理学的に受容
可能な組成物を提供または投与する工程を包含する。特定の実施形態では、この代謝障害
は、以下からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0186】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0187】
本発明はまた、上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置する方法を特徴
とし、この方法は、上記予防または処置を必要とする個体に、第十五の局面の上記薬学的
組成物または生理学的に受容可能な組成物を提供または投与する工程を包含する。特定の
実施形態では、この合併症は、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0188】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0189】
特定の実施形態では、上記モジュレーターはアゴニストである。
【0190】
特定の実施形態では、治療有効量の上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成
物が上記個体に提供または投与される。
【0191】
特定の実施形態では、上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を提供する
工程または投与する工程は経口的である。
【0192】
特定の実施形態では、上記個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記個体は非
ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ
、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形
態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ま
しいのはヒトである。
【0193】
第十七の局面では、本発明は、治療によるヒトまたは動物体の処置方法において使用す
るためのRUP43 GPCRのモジュレーターを特徴とし、上記レセプターはGPR1
31アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、上記モジュレーターは、第一の局面の方
法に従う方法を実施することにより同定可能である。特定の実施形態では、上記このモジ
ュレーターは、第一の局面に従う方法を実施することにより同定される。
【0194】
特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗原結合誘導体でもない。
特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。特定の実施形態では、こ
のモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを刺激す
る化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた骨
格筋細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、上記
このモジュレーターは、第三の局面による。特定の実施形態では、上記モジュレーターは
、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およびアンタゴニストからなる群より選
択される。特定の好ましい実施形態では、上記モジュレーターはアゴニストである。
【0195】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、GPCRに選択的である。
【0196】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1である。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、化合物2である。いくつかの実施形態では、上
記モジュレーターは、化合物3である。
【0197】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。いく
つかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は
、腹腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少
なくとも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0198】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、血液
−脳関門を越えることができる。
【0199】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、以下
からなる群より選択されるアッセイを用いて決定される:配列番号2もしくは配列番号6
のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフ
ェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体のcAMPアッセイ;および
配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリ
ペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞を用いて実施されるメラニ
ン保有細胞アッセイ。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて、10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有
するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイ
において10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8
μM未満の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、
上記アッセイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイ
において3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μ
M未満の、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未
満の、上記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の
、上記アッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上
記アッセイにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記ア
ッセイにおいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイ
において80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて
60nM未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM
未満の、上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、
または上記アッセイにおいて10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつ
かの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μM
の区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択
される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジ
ュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未
満のEC50を有するアゴニストである。
【0200】
特定の実施形態では、上記動物は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物
は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、または非ヒト霊
長類である。ヒトまたは動物のうち、より好ましいのは、ヒトである。
【0201】
第十八の局面では、本発明は、治療によってヒトまたは動物体における血中グルコース
濃度を低下させる方法において使用するためのRUP43 GPCRのモジュレーターを
特徴とし、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、
上記モジュレーターは、第一の局面の方法に従う方法を実施することにより同定可能であ
る。特定の実施形態では、上記このモジュレーターは、第一の局面に従う方法を実施する
ことにより同定される。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。
【0202】
本発明はまた、治療によってヒトまたは動物体における代謝障害を予防または処置する
方法において使用するためのRUP43 GPCRのモジュレーターを特徴とし、上記レ
セプターは、GPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、上記モジュレータ
ーは、第一の局面の方法に従う方法を実施することにより同定可能である。特定の実施形
態では、上記このモジュレーターは、第一の局面に従う方法を実施することにより同定さ
れる。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態で
は、この代謝障害は、以下からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0203】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0204】
本発明はまた、治療によってヒトまたは動物体において上昇した血中グルコース濃度の
合併症を予防または処置する方法において使用するための、RUP43 GPCRのモジ
ュレーターを特徴とし、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含む。特定の実
施形態では、上記モジュレーターは、第一の局面の方法に従う方法を実施することにより
同定可能である。特定の実施形態では、上記このモジュレーターは、第一の局面に従う方
法を実施することにより同定される。特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニ
ストである。特定の実施形態では、この合併症は、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0205】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0206】
特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗原結合誘導体でもない。
特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。特定の実施形態では、こ
のモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを刺激す
る化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた骨
格筋細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、上記
このモジュレーターは、第三の局面による。特定の実施形態では、上記モジュレーターは
、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およびアンタゴニストからなる群より選
択される。特定の好ましい実施形態では、上記モジュレーターはアゴニストである。
【0207】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、GPCRに選択的である。
【0208】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1である。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、化合物2である。いくつかの実施形態では、上
記モジュレーターは、化合物3である。
【0209】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。いく
つかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は
、腹腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少
なくとも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0210】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、血液
−脳関門を越えることができる。
【0211】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、以下
からなる群より選択されるアッセイを用いて決定される:配列番号2もしくは配列番号6
のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフ
ェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体のcAMPアッセイ;および
配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリ
ペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞を用いて実施されるメラニ
ン保有細胞アッセイ。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて、10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有
するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイ
において10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8
μM未満の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、
上記アッセイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイ
において3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μ
M未満の、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未
満の、上記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の
、上記アッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上
記アッセイにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記ア
ッセイにおいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイ
において80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて
60nM未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM
未満の、上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、
または上記アッセイにおいて10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつ
かの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μM
の区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択
される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジ
ュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未
満のEC50を有するアゴニストである。
【0212】
特定の実施形態では、上記動物は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物
は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、または非ヒト霊
長類である。ヒトまたは動物のうち、より好ましいのは、ヒトである。
【0213】
第十九の局面では、本発明は、血中グルコース濃度を低下させるための医薬の調製のた
めにRUP43 GPCRのモジュレーターを使用する方法を特徴とし、上記レセプター
は、GPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、上記方法は、第一の局面に
よる方法を最初に実施し、それによりこのモジュレーターを同定する工程を包含する。特
定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。
【0214】
本発明はまた、代謝障害の予防または処置のための医薬の調製のためにRUP43 G
PCRのモジュレーターを使用する方法を特徴とし、上記レセプターは、GPR131ア
ミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、上記方法は、第一の局面による方法を実施し、
それによりこのモジュレーターを同定する工程を包含する。特定の実施形態では、このモ
ジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、この代謝障害は、以下からなる
群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0215】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0216】
本発明はまた、上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防または処置のための医薬の
調製のためにRUP43 GPCRのモジュレーターを使用する方法を特徴とし、上記レ
セプターは、GPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、上記方法は、第一
の局面による方法を実施し、それによりこのモジュレーターを同定する工程を包含する。
特定の実施形態では、このモジュレーターはアゴニストである。特定の実施形態では、こ
の合併症は、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0217】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0218】
特定の実施形態では、このモジュレーターは、抗体でもその抗原結合誘導体でもない。
特定の実施形態では、このモジュレーターはペプチドではない。特定の実施形態では、こ
のモジュレーターは、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを刺激す
る化合物である。特定の実施形態では、このモジュレーターは、哺乳動物から得られた骨
格筋細胞によるグルコース取り込みを刺激する化合物である。特定の実施形態では、上記
このモジュレーターは、第三の局面による。特定の実施形態では、上記モジュレーターは
、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およびアンタゴニストからなる群より選
択される。特定の好ましい実施形態では、上記モジュレーターはアゴニストである。
【0219】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、GPCRに選択的である。
【0220】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1、化合物2、または化合物
3である。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、化合物1である。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、化合物2である。いくつかの実施形態では、上
記モジュレーターは、化合物3である。
【0221】
特定の実施形態では、上記モジュレーターは、経口で生物学的に利用可能である。いく
つかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少な
くとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%
、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または
少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は
、腹腔内投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少
なくとも35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0222】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能なモジュレーターはさらに、血液
−脳関門を越えることができる。
【0223】
いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10μM未満、1μM未満、100
nM未満または10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、10nM〜10μMの区間から選択される値未満のEC
を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、10n
M〜1μMの区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつか
の実施形態では、上記モジュレーターは、10nM〜100nMの区間から選択される値
未満のEC50を有するアゴニストである。特定の実施形態では、上記EC50は、以下
からなる群より選択されるアッセイを用いて決定される:配列番号2もしくは配列番号6
のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリペプチドを発現するトランスフ
ェクトされたHEK293細胞を用いて実施される細胞全体のcAMPアッセイ;および
配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を有する組換えRUP43 GPCRポリ
ペプチドを発現するトランスフェクトされたメラニン保有細胞を用いて実施されるメラニ
ン保有細胞アッセイ。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイに
おいて、10μM未満、1μM未満、100nM未満または10nM未満のEC50を有
するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイ
において10μM未満の、上記アッセイにおいて9μM未満の、上記アッセイにおいて8
μM未満の、上記アッセイにおいて7μM未満の、上記アッセイにおいて6μM未満の、
上記アッセイにおいて5μM未満の、上記アッセイにおいて4μM未満の、上記アッセイ
において3μM未満の、上記アッセイにおいて2μM未満の、上記アッセイにおいて1μ
M未満の、上記アッセイにおいて900nM未満の、上記アッセイにおいて800nM未
満の、上記アッセイにおいて700nM未満の、上記アッセイにおいて600nM未満の
、上記アッセイにおいて500nM未満の、上記アッセイにおいて400nM未満の、上
記アッセイにおいて300nM未満の、上記アッセイにおいて200nM未満の、上記ア
ッセイにおいて100nM未満の、上記アッセイにおいて90nM未満の、上記アッセイ
において80nM未満の、上記アッセイにおいて70nM未満の、上記アッセイにおいて
60nM未満の、上記アッセイにおいて50nM未満の、上記アッセイにおいて40nM
未満の、上記アッセイにおいて30nM未満の、上記アッセイにおいて20nM未満の、
または上記アッセイにおいて10nM未満のEC50を有するアゴニストである。いくつ
かの実施形態では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜10μM
の区間から選択される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態
では、上記モジュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜1μMの区間から選択
される値未満のEC50を有するアゴニストである。いくつかの実施形態では、上記モジ
ュレーターは、上記アッセイにおいて、10nM〜100nMの区間から選択される値未
満のEC50を有するアゴニストである。
【0224】
第二十の局面では、本発明は、上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を
調製する方法を特徴とし、この方法は、第二の局面による化合物とキャリアとを混合する
工程を包含する。
【0225】
特定の実施形態では、上記組成物は薬学的組成物である。特定の実施形態では、上記組
成物は、生理学的に受容可能である。
【0226】
特定の実施形態では、上記化合物は経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実施
形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1%
、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくと
も25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくとも
45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投
与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも3
5%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0227】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門
を越えることができる。
【0228】
第二十一の局面では、本発明は、上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物
を特徴とし、この組成物は、第二の局面による化合物を含むか、この化合物から本質的に
なるか、またはこの化合物からなる。
【0229】
特定の実施形態では、上記組成物は薬学的組成物である。特定の実施形態では、この薬
学的組成物は、第二の局面による化合物を含む。特定の実施形態では、この薬学的組成物
は、第二の局面による化合物から本質的になる。特定の実施形態では、この薬学的組成物
は、第二の局面による化合物からなる。
【0230】
特定の実施形態では、上記組成物は生理学的に受容可能である。特定の実施形態では、
この生理学的に受容可能な組成物は、第二の局面による化合物を含む。特定の実施形態で
は、この生理学的に受容可能な組成物は、第二の局面による化合物から本質的になる。特
定の実施形態では、この生理学的に受容可能な組成物は、第二の局面による化合物からな
る。
【0231】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0232】
特定の実施形態では、上記経口で生物学的に利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門
を越えることができる。
【0233】
第二十二の局面では、本発明は、RUP43 GPCRの活性を調節する方法を特徴と
し、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含み、ここで、上記調節は、上記調節
を必要とする個体における血中グルコースレベルを低下させるためであり、この方法は、
上記レセプターを、治療有効量の第二の局面による化合物または治療有効量の第二十一の
局面による上記薬学的組成物もしくは生理学的に受容可能な組成物と接触させる工程を包
含する。特定の実施形態では、上記接触は、治療有効量の第二の局面による化合物との接
触である。特定の実施形態では、上記接触は、治療有効量の第二十一の局面による上記薬
学的組成物または生理学的に受容可能な組成物との接触である。
【0234】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0235】
特定の実施形態では、上記経口での生物学的利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門
を越えることができる。
【0236】
特定の実施形態では、上記個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記個体は非
ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ
、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形
態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ま
しいのはヒトである。
【0237】
第二十三の局面では、本発明は、RUP43 GPCRの活性を調節する方法を特徴と
し、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含み、ここで、上記調節は、上記調節
を必要とする個体における代謝障害を予防または処置するためであり、この方法は、上記
レセプターを、治療有効量の第二の局面による化合物または治療有効量の第二十一の局面
による上記薬学的組成物もしくは生理学的に受容可能な組成物と接触させる工程を包含す
る。特定の実施形態では、上記接触は、治療有効量の第二の局面による化合物との接触で
ある。特定の実施形態では、上記接触は、治療有効量の第二十一の局面による上記薬学的
組成物または生理学的に受容可能な組成物との接触である。特定の実施形態では、この代
謝障害は、以下からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0238】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0239】
本発明はまた、RUP43 GPCRの活性を調節する方法を特徴とし、上記レセプタ
ーはGPR131アミノ酸配列を含み、ここで、上記調節は、上記調節を必要とする個体
における上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置するためであり、この方
法は、上記レセプターを、治療有効量の第二の局面による化合物または治療有効量の第二
十一の局面による上記薬学的組成物もしくは生理学的に受容可能な組成物と接触させる工
程を包含する。特定の実施形態では、上記接触は、治療有効量の第二の局面による化合物
との接触である。特定の実施形態では、上記接触は、治療有効量の第二十一の局面による
上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物との接触である。特定の実施形態で
は、この合併症は、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0240】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0241】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0242】
特定の実施形態では、上記経口で利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門を越えるこ
とができる。
【0243】
特定の実施形態では、上記個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記個体は非
ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ
、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形
態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ま
しいのはヒトである。
【0244】
第二十四の局面では、本発明は、血中グルコース濃度の低下を必要とする個体において
血中グルコース濃度を低下させる方法を特徴とし、この方法は、上記レセプターを、治療
有効量の第二の局面による化合物または治療有効量の第二十一の局面による上記薬学的組
成物もしくは生理学的に受容可能な組成物をRUP43 GPCRと接触させる工程を包
含し、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、上記接
触は、治療有効量の第二の局面による化合物との接触である。特定の実施形態では、上記
接触は、治療有効量の第二十一の局面による上記薬学的組成物または生理学的に受容可能
な組成物との接触である。
【0245】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。特定の実施形態では、上記
経口で利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門を越えることができる。
【0246】
特定の実施形態では、上記個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記個体は非
ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ
、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形
態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ま
しいのはヒトである。
【0247】
第二十五の局面では、本発明は、上記低減を必要とする個体において代謝障害を予防ま
たは処置する方法を特徴とし、この方法は、上記レセプターを、治療有効量の第二の局面
による化合物または治療有効量の第二十一の局面による上記薬学的組成物もしくは生理学
的に受容可能な組成物と、RUP43 GPCRと接触させる工程を包含し、上記レセプ
ターはGPR131アミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、上記接触は、治療有効量
の第二の局面による化合物との接触である。特定の実施形態では、上記接触は、治療有効
量の第二十一の局面による上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物との接触
である。特定の実施形態では、この代謝障害は、以下からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0248】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0249】
本発明はまた、上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防または処置を必要とする個
体において上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置する方法を特徴とし、
この方法は、上記レセプターを、治療有効量の第二の局面による化合物または治療有効量
の第二十一の局面による上記薬学的組成物もしくは生理学的に受容可能な組成物と、RU
P43 GPCRと接触させる工程を包含し、上記レセプターはGPR131アミノ酸配
列を含む。特定の実施形態では、上記接触は、治療有効量の第二の局面による化合物との
接触である。特定の実施形態では、上記接触は、治療有効量の第二十一の局面による上記
薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物との接触である。特定の実施形態では、
この合併症は、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0250】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0251】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0252】
特定の実施形態では、上記経口で利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門を越えるこ
とができる。
【0253】
特定の実施形態では、上記個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記個体は非
ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ
、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形
態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ま
しいのはヒトである。
【0254】
第二十六の局面では、本発明は、血中グルコース濃度を低下させる方法を特徴とし、こ
の方法は、上記低下を必要とする個体に第二の局面による化合物または治療有効量の第二
十一の局面による上記薬学的組成物もしくは生理学的に受容可能な組成物を提供または投
与する工程を包含する。特定の実施形態では、上記化合物を提供または投与する工程は、
第二の局面による化合物を提供または投与することである。特定の実施形態では、上記薬
学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を提供または投与する工程は、第二十一の
局面による上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を提供または投与するこ
とである。
【0255】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0256】
特定の実施形態では、上記経口で利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門を越えるこ
とができる。
【0257】
特定の実施形態では、上記個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記個体は非
ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ
、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形
態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ま
しいのはヒトである。
【0258】
第二十七の局面では、本発明は、代謝障害を処置する方法を特徴とし、この方法は、上
記処置または予防を必要とする個体に、第二の局面による化合物または治療有効量の第二
十一の局面による上記薬学的組成物もしくは生理学的に受容可能な組成物を提供または投
与する工程を包含する。特定の実施形態では、上記化合物を提供または投与する工程は、
第二の局面による化合物を提供または投与することである。特定の実施形態では、上記薬
学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を提供または投与する工程は、第二十一の
局面による上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を提供または投与するこ
とである。特定の実施形態では、この代謝障害は、以下からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0259】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0260】
本発明はまた、上昇した血中グルコース濃度の合併症を処置する方法を特徴とし、この
方法は、上記処置または予防を必要とする個体に、第二の局面による化合物または治療有
効量の第二十一の局面による上記薬学的組成物もしくは生理学的に受容可能な組成物を提
供または投与する工程を包含する。特定の実施形態では、上記化合物を提供または投与す
る工程は、第二の局面による化合物を提供または投与することである。特定の実施形態で
は、上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を提供または投与する工程は、
第二十一の局面による上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を提供または
投与することである。特定の実施形態では、この合併症は、以下からなる群より選択され
る:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0261】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0262】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0263】
特定の実施形態では、上記経口で利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門を越えるこ
とができる。
【0264】
特定の実施形態では、上記個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記個体は非
ヒト哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ
、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、非ヒト霊長類またはヒトである。特定の実施形
態では、上記哺乳動物は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、またはヒトである。最も好ま
しいのはヒトである。
【0265】
第二十八の局面では、本発明は、治療によるヒトまたは動物体の処置方法において使用
するための第二の局面による化合物を特徴とする。
【0266】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0267】
特定の実施形態では、上記経口で利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門を越えるこ
とができる。
【0268】
特定の実施形態では、上記動物は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物
は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、または非ヒト霊
長類である。ヒトまたは動物のうち、より好ましいのは、ヒトである。
【0269】
第二十九の局面では、本発明は、治療によるヒトまたは動物体における血中グルコース
濃度を低下させる方法において使用するための第二の局面による化合物を特徴とする。
【0270】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0271】
特定の実施形態では、上記経口で利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門を越えるこ
とができる。
【0272】
特定の実施形態では、上記動物は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物
は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、または非ヒト霊
長類である。ヒトまたは動物のうち、より好ましいのは、ヒトである。
【0273】
第三十の局面では、本発明は、治療によるヒトまたは動物体における代謝障害の予防ま
たは処置の方法において使用するための第二の局面による化合物を特徴とする。特定の実
施形態では、この代謝障害は、以下からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0274】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0275】
本発明はまた、治療によるヒトまたは動物体における上昇した血中グルコース濃度の合
併症の予防または処置の方法において使用するための第二の局面による化合物を特徴とす
る。特定の実施形態では、この合併症は、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0276】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0277】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0278】
特定の実施形態では、上記経口で利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門を越えるこ
とができる。
【0279】
特定の実施形態では、上記動物は哺乳動物である。特定の実施形態では、上記哺乳動物
は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、または非ヒト霊
長類である。ヒトまたは動物のうち、より好ましいのは、ヒトである。
【0280】
第三十一の局面では、本発明は、血中グルコース濃度の低減のための医薬の調製のため
に第二の局面による化合物を使用する方法を特徴とする。
【0281】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0282】
特定の実施形態では、上記経口で利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門を越えるこ
とができる。
【0283】
第三十二の局面では、本発明は、代謝障害の予防または処置のための医薬の調製のため
に第二の局面による化合物を使用する方法を特徴とする。特定の実施形態では、この代謝
障害は、以下からなる群より選択される:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症。
【0284】
いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態では、
糖尿病は2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は糖尿病である。特定の
実施形態では、この代謝障害は1型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害は
2型糖尿病である。特定の実施形態では、この代謝障害はグルコース寛容減損である。特
定の実施形態では、この代謝障害はインスリン抵抗性である。特定の実施形態では、この
代謝障害は高インスリン血症である。特定の実施形態では、この代謝障害は、この個体に
おける上昇した血中グルコース濃度に関連する。
【0285】
本発明はまた、上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置するための医薬
の調製のために第二の局面による化合物を使用する方法を特徴とする。特定の実施形態で
は、この合併症は、以下からなる群より選択される:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患。
【0286】
心臓病としては、心不全、冠状動脈不全、冠状動脈疾患、および高血圧が挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態では、この合併症は症候群Xである。特定の実施
形態では、この合併症はアテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態では、この合併
症はアテローム性疾患である。特定の実施形態では、この合併症は心臓病である。特定の
実施形態では、この合併症は心不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈
不全である。特定の実施形態では、この合併症は冠状動脈疾患である。特定の実施形態で
は、この合併症は高血圧である。特定の実施形態では、この合併症は高血圧症である。特
定の実施形態では、この合併症は発作である。特定の実施形態では、この合併症はニュー
ロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は網膜症である。特定の実施形態では
、この合併症はニューロパシーである。特定の実施形態では、この合併症は末梢脈管疾患
である。特定の実施形態では、この合併症は多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態
では、この合併症は高脂血症である。
【0287】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0288】
特定の実施形態では、上記経口で利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門を越えるこ
とができる。
【0289】
第三十三の局面では、本発明は、RUP43 GPCRを調節する方法を特徴とし、上
記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含み、この方法は、上記レセプターを、第
二の局面による化合物または第二十一の局面による上記薬学的組成物もしくは生理学的に
受容可能な組成物と接触させる工程を包含する。特定の実施形態では、上記接触は、第二
の局面による化合物との接触である。特定の実施形態では、上記接触は、第二十一の局面
による上記薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物との接触である。
【0290】
特定の実施形態では、上記化合物は、経口で生物学的に利用可能である。いくつかの実
施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内投与と比較して、少なくとも1
%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なく
とも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、または少なくと
も45%である。いくつかの実施形態では、上記経口での生物学的利用可能性は、腹腔内
投与と比較して、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも
35%、少なくとも40%、または少なくとも45%である。
【0291】
特定の実施形態では、上記経口で利用可能な化合物はさらに、血液−脳関門を越えるこ
とができる。
【0292】
第三十四の局面では、本発明は、1以上の候補化合物をRUP43 GPCRに結合す
る化合物と同定する方法を特徴とし、このレセプターは、GPR131アミノ酸配列を含
み、この方法は、(a)このレセプターを、この候補化合物の存在下または非存在下で、
該レセプターの検出可能に標識されたGFCRの公知のリガンドと接触させる工程;およ
び(b)上記標識されたリガンドの結合が、この候補化合物の存在下で阻害されるか否か
を決定する工程を包含し;ここで、上記阻害は、この候補化合物が、RUP43 GPC
Rに結合する化合物であることを示す。
【0293】
特定の実施形態では、このGPR131アミノ酸配列は、以下からなる群より選択され
る:
(a)配列番号2のアミノ酸配列;
(b)配列番号2のアミノ酸2−330;
(c)RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメチオ
ニン残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;
(d)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、この核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号
3のプライマーおよび配列番号4のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセス
によって入手可能である、アミノ酸配列;
(e)配列番号6のアミノ酸配列;
(f)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、この核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号
7のプライマーおよび配列番号8のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセス
によって入手可能である、アミノ酸配列;
(g)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸配列;
(h)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸2−330;
(i)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されており、ただし、
前記RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメチオニン
残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;および
(j)ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズするポリヌク
レオチドによってコードされる、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列。
【0294】
特定の実施形態では、このRUP43 GPCRは組換え体である。特定の実施形態で
は、上記接触させる工程は、このGPCRを発現する宿主細胞またはこのGPCRを発現
する宿主細胞の膜と接触させることを含む。特定の実施形態では、上記GPCRを発現す
る宿主細胞は、このレセプターをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む
【0295】
いくつかの実施形態では、このGPR131アミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸配
列である。いくつかの実施形態では、このGPR131アミノ酸配列は、配列番号2のア
ミノ酸配列の改変体である。いくつかの実施形態では、上記配列番号2のアミノ酸配列の
改変体は、上記アミノ酸配列の対立遺伝子改変体または哺乳動物オルソログである。いく
つかの実施形態では、上記配列番号2のアミノ酸配列の改変体は、上記アミノ酸配列また
は上記アミノ酸配列の対立遺伝子改変体もしくは哺乳動物オルソログの、非内因性の構成
的に活性化された変異体である。特定の実施形態では、上記配列番号2のアミノ酸配列の
改変体は、上記アミノ酸配列または上記アミノ酸配列の対立遺伝子改変体もしくは哺乳動
物オルソログの生物学的に活性なフラグメントである。特定の実施形態では、配列番号2
のアミノ酸配列または配列番号2のアミノ酸配列の対立遺伝子改変体もしくは哺乳動物オ
ルソログの上記生物学的に活性なフラグメントは、N末端メチオニンのない、配列番号2
のアミノ酸配列または配列番号2のアミノ酸配列の対立遺伝子改変体もしくは哺乳動物オ
ルソログである。特定の実施形態では、上記配列番号2のアミノ酸配列の改変体は、配列
番号2のアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも
約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも
約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも
約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%同一である。いくつかの実施形
態では、上記配列番号2のアミノ酸配列の改変体は、配列番号2のアミノ酸配列に対して
、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%
、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%
、少なくとも約98%または少なくとも約99%同一である。
【0296】
特定の実施形態では、上記膜調製物は、Brinkman PolytronOでの細
胞の均質化によって作製される。特定の実施形態では、上記膜調製物は、上記polyt
ronの各々10〜20秒間の持続期間の3回のバーストを用いた均質化によって作製さ
れる。
【0297】
特定の実施形態では、上記候補化合物は抗体でもその誘導体でもない。
【0298】
特定の実施形態では、上記候補化合物はペプチドではない。
【0299】
特定の実施形態では、上記公知のリガンドは第二の局面による化合物である。
【0300】
特定の実施形態では、上記公知のリガンドは、第三の局面によるモジュレーターである
【0301】
特定の実施形態では、上記公知のリガンドは、化合物1、化合物2、または化合物3で
ある。特定の実施形態では、上記公知のリガンドは化合物1である。特定の実施形態では
、上記公知のリガンドは化合物2である。特定の実施形態では、上記公知のリガンドは化
合物3である。
【0302】
特定の実施形態では、上記公知のリガンドは、GPCRに特異的な抗体、またはこの抗
体の抗原結合誘導体である。
【0303】
特定の実施形態では、上記標識は、以下からなる群より選択される:
(a)放射性同位体;
(b)酵素;および
(c)発蛍光団。
【0304】
特定の実施形態では、上記標識は放射性同位体である。特定の実施形態では、上記標識
は、H、14C、35S、および125Iからなる群より選択される。
【0305】
化合物1、化合物2、または化合物3は、以下の当該分野で公知の技術を用いて放射標
識され得る。特定の実施形態では、化合物1、化合物2、または化合物3は、Hまたは
14Cで放射標識される。
【0306】
他の実施形態では、上記方法は、標識された第一の公知のリガンドの結合の、この候補
化合物による阻害レベルを、上記標識された第一の公知のリガンドの結合の、このGPC
Rに結合することが公知の第二のリガンドによる第二の阻害レベルに対して比較する工程
をさらに包含する。
【0307】
第三十五の局面では、本発明は、RUP43 GPCRに結合するリガンドを決定する
ための方法を特徴とし、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含み、この方法
は、以下の工程を包含する:試験リガンドを、上記レセプターと上記試験リガンドとの間
の相互作用を許容する条件下で、上記レセプターを発現する宿主細胞または上記レセプタ
ーを発現する宿主細胞の膜と接触させる工程;および上記レセプターに結合したリガンド
を検出する工程。
【0308】
特定の実施形態では、このGPR131アミノ酸配列は、以下からなる群より選択され
る:
(a)配列番号2のアミノ酸配列;
(b)配列番号2のアミノ酸2−330;
(c)RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメチオ
ニン残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;
(d)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、この核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号
3のプライマーおよび配列番号4のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセス
によって入手可能である、アミノ酸配列;
(e)配列番号6のアミノ酸配列;
(f)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、この核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号
7のプライマーおよび配列番号8のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセス
によって入手可能である、アミノ酸配列;
(g)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸配列;
(h)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸2−330;
(i)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されており、ただし、
前記RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメチオニン
残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;および
(j)ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズするポリヌク
レオチドによってコードされる、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列。
【0309】
いくつかの実施形態では、このGPR131アミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸配
列である。いくつかの実施形態では、このGPR131アミノ酸配列は、配列番号2のア
ミノ酸配列の改変体である。いくつかの実施形態では、上記配列番号2のアミノ酸配列の
改変体は、上記アミノ酸配列の対立遺伝子改変体または哺乳動物オルソログである。いく
つかの実施形態では、上記配列番号2のアミノ酸配列の改変体は、上記アミノ酸配列また
は上記アミノ酸配列の対立遺伝子改変体もしくは哺乳動物オルソログの非内因性の構成的
に活性化された変異体である。特定の実施形態では、上記配列番号2のアミノ酸配列の改
変体は、上記アミノ酸配列または上記アミノ酸配列の対立遺伝子改変体もしくは哺乳動物
オルソログの生物学的に活性なフラグメントである。特定の実施形態では、配列番号2の
アミノ酸配列または配列番号2のアミノ酸配列の対立遺伝子改変体もしくは哺乳動物オル
ソログの上記生物学的に活性なフラグメントは、N末端メチオニンのない、配列番号2の
アミノ酸配列または配列番号2のアミノ酸配列の対立遺伝子改変体もしくは哺乳動物オル
ソログである。特定の実施形態では、上記配列番号2のアミノ酸配列の改変体は、配列番
号2のアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約
85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約
93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約
97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%同一である。いくつかの実施形態
では、上記配列番号2のアミノ酸配列の改変体は、配列番号2のアミノ酸配列に対して、
少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、
少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、
少なくとも約98%または少なくとも約99%同一である。
【0310】
特定の実施形態では、このRUP43 GPCRは組換え体である。特定の実施形態で
は、上記接触させる工程は、このGPCRを発現する宿主細胞またはこのGPCRを発現
する宿主細胞の膜と接触させることを含む。特定の実施形態では、上記GPCRを発現す
る宿主細胞は、このレセプターをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む
【0311】
特定の実施形態では、上記試験リガンドは、抗体でもその抗原結合誘導体でもない。
【0312】
特定の実施形態では、上記試験リガンドはペプチドではない。
【0313】
特定の実施形態では、上記膜調製物は、Brinkman PolytronOでの細
胞の均質化によって作製される。特定の実施形態では、上記膜調製物は、上記polyt
ronの各々10〜20秒間の持続期間の3回のバーストを用いた均質化によって作製さ
れる。
【0314】
特定の実施形態では、上記試験リガンドは標識される。特定の実施形態では、上記標識
は放射性同位体である。特定の実施形態では、上記標識は、H、14C、35S、およ
125Iからなる群より選択される。
【0315】
・本発明はまた、以下を提供し得る:
・(項目1)
1以上の候補化合物をRUP43 GPCRのモジュレーターと同定する方法であって
、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含み、上記レセプターは、Gタンパク質と
共役し;上記方法は、工程:
(a)候補化合物を上記レセプターと接触させる工程;および
(b)上記レセプターの機能性が調節されるか否かを決定する工程;
を包含し、ここで、レセプターの機能性における変化は、上記候補化合物がRUP43 G
PCRのモジュレーターであることを示す、方法。
・(項目2)
上記GPR131アミノ酸配列が:
(a)配列番号2のアミノ酸配列;
(b)配列番号2のアミノ酸2−330;
(c)上記RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメ
チオニン残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;
(d)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、上記核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号3
のプライマーおよび配列番号4のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセスに
よって入手可能である、アミノ酸配列;
(e)配列番号6のアミノ酸配列;
(f)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、上記核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号7
のプライマーおよび配列番号8のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセスに
よって入手可能である、アミノ酸配列;
(g)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸配列;
(h)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸2−330;
(i)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されており、ただし、
上記RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメチオニン
残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;および
(j)ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズするポリヌク
レオチドによってコードされる、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列
からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
・(項目3)
上記RUP43 GPCRが組換え体である、項目1または項目2に記載の方法。
・(項目4)
上記接触させる工程が、上記RUP43 GPCRを発現する宿主細胞または上記RU
P43 GPCRを発現する宿主細胞の膜と接触させることを含み、上記宿主細胞は、上記R
UP43 GPCRをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む、項目1
〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
・(項目5)
上記接触させる工程が、上記RUP43 GPCRの公知のアゴニストの存在下で実施
される、項目1〜4のいずれか1項に記載の方法。
・(項目6)
上記接触させる工程が、化合物1、化合物2、または化合物3の存在下で実施される、
項目5に記載の方法。
・(項目7)
1以上の候補化合物を哺乳動物における血中グルコース濃度のモジュレーターと同定す
る方法であって、工程:
(a)候補化合物を、GPR131アミノ酸配列を含むGPCRと接触させる工程であ
って、ここで上記レセプターがGタンパク質と共役する、工程;および
(b)上記レセプターの機能性が調節されるか否かを決定する工程;
を包含し、ここで、レセプターの機能性における変化は、上記候補化合物が、哺乳動物にお
ける血中グルコース濃度のモジュレーターであることを示す、方法。
・(項目8)
上記GPR131アミノ酸配列が:
(a)配列番号2のアミノ酸配列;
(b)配列番号2のアミノ酸2−330;
(c)上記RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメ
チオニン残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;
(d)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、上記核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号3
のプライマーおよび配列番号4のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセスに
よって入手可能である、アミノ酸配列;
(e)配列番号6のアミノ酸配列;
(f)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、上記核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号7
のプライマーおよび配列番号8のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセスに
よって入手可能である、アミノ酸配列;
(g)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸配列;
(h)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸2−330;
(i)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されており、ただし、
上記RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメチオニン
残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;および
(j)ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズするポリヌク
レオチドによってコードされる、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列
からなる群より選択される、項目7に記載の方法。
・(項目9)
上記RUP43 GPCRが組換え体である、項目7または項目8に記載の方法。
・(項目10)
上記接触させる工程が、上記RUP43 GPCRを発現する宿主細胞または上記RU
P43 GPCRを発現する宿主細胞の膜と接触させることを含み、上記宿主細胞は、上記R
UP43 GPCRをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む、項目7
〜項目9のいずれか1項に記載の方法。
・(項目11)
上記接触させる工程が、上記RUP43 GPCRの公知のアゴニストの存在下で実施
される、項目7〜10のいずれか1項に記載の方法。
・(項目12)
上記接触させる工程が、化合物1、化合物2、および化合物3の存在下で実施される、
項目11に記載の方法。
・(項目13)
レセプター機能性の上昇は、上記候補化合物が、哺乳動物における血中グルコース濃度
を低下させる化合物であることを示す、項目1〜12のいずれか1項に記載の方法。
・(項目14)
上記決定する工程が、サイクリックAMP(cAMP)、サイクリックGMP(cGM
P)、イソシトール(isositol)三リン酸(IP3)、ジアシルグリセロール(
DAG)およびCa2+からなる群より選択されるセカンドメッセンジャーのレベルの測
定を通してである、項目1〜13のいずれか1項に記載の方法。
・(項目15)
cAMPの細胞内レベルが上昇している、項目14に記載の方法。
・(項目16)
上記決定する工程が、メラニン保有細胞アッセイの使用を通して、または上記RUP4
3 GPCRを含む膜へのGTPγS結合の測定を通してである、項目1〜13のいず
れか1項に記載の方法。
・(項目17)
RUP43 GPCRのモジュレーターを作製するためのプロセスであって、工程:
(a)項目1〜16のいずれか1項に記載の方法に従って上記モジュレーターを同定す
る工程;および
(b)(a)において同定されたモジュレーターを合成する工程
を包含する、プロセス。
・(項目18)
項目1〜16のいずれか1項に記載の方法によって同定された、モジュレーター。
・(項目19)
上記モジュレーターが、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストおよびアンタゴニ
ストからなる群より選択される、項目18に記載のモジュレーターまたは項目17に
記載のプロセス。
・(項目20)
上記モジュレーターがアゴニストである、項目18に記載のモジュレーターまたは請
求項17に記載のプロセス。
・(項目21)
上記アゴニストが部分アゴニストである、項目20に記載のアゴニスト。
・(項目22)
上記モジュレーターが、上記RUP43 GPCRの機能性を上昇させる、項目18
に記載のモジュレーターまたは項目17に記載のプロセス。
・(項目23)
上記モジュレーターが、cAMPの細胞内レベルを上昇させる、項目18に記載のモ
ジュレーターまたは項目17に記載のプロセス。
・(項目24)
式(II)
・(化1)

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで、:
は、HまたはC1−6アルキルであり;
は、2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−3−イル
基である;または
およびRは、それらが結合する窒素と一緒になって、3,4−ジヒドロ−2H−
キノリン−1−イル基を形成し;そして
10およびR11は、各々独立して、Hまたはハロゲンである、化合物またはその薬
学的に受容可能な塩。
・(項目25)
薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を調製する方法であって、
キャリアとRUP43 GPCRのモジュレーターを混合する工程を包含し、上記レセプ
ターは、GPR131アミノ酸配列を含む、方法。
・(項目26)
RUP43 GPCRを調節する方法であって、上記レセプターは、GPR131アミノ
酸配列を含み、上記方法は、上記レセプターと上記レセプターのモジュレーターとを接触させる
工程を包含する、方法。
・(項目27)
RUP43 GPCRを調節する方法であって、上記レセプターは、GPR131アミノ
酸配列を含み、上記調節は、血中グルコース濃度の低下を必要とする哺乳動物における血中
グルコース濃度を低下させるためであり、上記方法は、上記レセプターを上記レセプターの治療
有効量のモジュレーターと接触させる工程を包含する、方法。
・(項目28)
RUP43 GPCRを調節する方法であって、上記レセプターは、GPR131アミノ
酸配列を含み、上記調節は、代謝障害の予防または処置を必要とする哺乳動物における代謝
障害を予防または処置するためであり、上記方法は、上記レセプターを、治療有効量の上記レセ
プターのモジュレーターと接触させる工程を包含し、上記代謝障害は、以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、方法。
・(項目29)
RUP43 GPCRを調節する方法であって、上記レセプターは、GPR131アミノ
酸配列を含み、上記調節は、上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防または処置を必要
とする哺乳動物における上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置するため
であり、上記方法は、上記レセプターを、治療有効量の上記レセプターのモジュレーターと接触
させる工程を包含し、上記合併症は、以下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、方法。
・(項目30)
血中グルコース濃度の低下を必要とする哺乳動物における血中グルコース濃度の低下方
法であって、上記方法は、治療有効量のRUP43 GPCRのモジュレーターを上記レセプ
ターと接触させる工程を包含し、上記レセプターが、GPR131アミノ酸配列を含む、方
法。
・(項目31)
代謝障害を予防または処置する必要のある哺乳動物における代謝障害を予防または処置
する方法であって、上記方法は、治療有効量のRUP43 GPCRのモジュレーターを上記
レセプターと接触させる工程を包含し、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含
み、上記代謝障害は、以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、方法。
・(項目32)
上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防または処置を必要する哺乳動物における上
昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置する方法であって、上記方法は、治療
有効量のRUP43 GPCRのモジュレーターを上記レセプターと接触させる工程を包含
し、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含み、上記合併症は、以下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、方法。
・(項目33)
哺乳動物における血中グルコースを低下させる方法であって、上記方法は、上記低下を必要
とする哺乳動物にRUP43 GPCRのモジュレーターを提供または投与する工程を包
含し、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含む、方法。
・(項目34)
代謝障害を予防または処置する方法であって、上記方法は、上記予防または処置を必要とす
る哺乳動物にRUP43 GPCRのモジュレーターを提供または投与する工程を包含し
、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含み、上記代謝障害は、以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、方法。
・(項目35)
上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置する方法であって、上記方法は、
上記予防または処置を必要とする哺乳動物にRUP43 GPCRのモジュレーターを提供
または投与する工程を包含し、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含み、上記合
併症は、以下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、方法。
・(項目36)
上記哺乳動物がヒトである、項目27〜35のいずれか1項に記載の方法。
・(項目37)
上記モジュレーターが、項目18〜23のいずれか1項による、項目27〜36の
いずれか1項に記載の方法。
・(項目38)
上記RUP43 GPCRのモジュレーターが、上記RUP43 GPCRのアゴニスト
である、項目27〜36のいずれか1項に記載の方法。
・(項目39)
上記モジュレーターが、項目24に記載の化合物である、項目27〜36のいずれ
か1項に記載の方法。
・(項目40)
上記モジュレーターが、化合物1、化合物2、または化合物3である、項目27〜3
6のいずれか1項に記載の方法。
・(項目41)
上記モジュレーターが、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを増
加させる化合物である、項目27〜40のいずれか1項に記載の方法。
・(項目42)
上記モジュレーターが、哺乳動物から得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを
増加させる化合物である、項目27〜40のいずれか1項に記載の方法。
・(項目43)
哺乳動物における血中グルコースを低下させる方法であって、上記方法は、上記低下を必要
とする哺乳動物にGPR131 GPCRのアゴニストを提供または投与する工程を包含
する、方法。
・(項目44)
代謝障害を予防または処置する方法であって、上記方法は、上記予防または処置を必要とす
る哺乳動物にGPR131 GPCRのアゴニストを提供または投与する工程を包含し、
上記代謝障害は、以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、方法。
・(項目45)
上記代謝障害が糖尿病である、項目34に記載の方法。
・(項目46)
上記代謝障害がグルコース寛容減損である、項目34に記載の方法。
・(項目47)
上記代謝障害がインスリン抵抗性である、項目34に記載の方法。
・(項目48)
上記代謝障害が高インスリン血症である、項目34に記載の方法。
・(項目49)
上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置する方法であって、上記方法は、
上記予防または処置を必要とする哺乳動物にGPR131 GPCRのアゴニストを提供ま
たは投与する工程を包含し、上記合併症は、以下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、方法。
・(項目50)
上記哺乳動物がヒトである、項目27〜35のいずれか1項に記載の方法。
・(項目51)
薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物であって、上記組成物は、RUP43
GPCRのモジュレーターを含むか、RUP43 GPCRのモジュレーターから本質的
になるか、またはRUP43 GPCRのモジュレーターからなり、上記レセプターは、G
PR131アミノ酸配列を含む、組成物。
・(項目52)
RUP43 GPCRのモジュレーターを含む薬学的組成物であって、上記レセプターは
、GPR131アミノ酸配列および薬学的に受容可能なキャリアを含む、組成物。
・(項目53)
上記モジュレーターが、項目18〜23のいずれか1項による、項目52に記載の
薬学的組成物。
・(項目54)
上記RUP43 GPCRのモジュレーターが、上記RUP43 GPCRのアゴニスト
である、項目52に記載の薬学的組成物。
・(項目55)
上記モジュレーターが、項目24に記載の化合物である、項目52に記載の薬学的
組成物。
・(項目56)
上記モジュレーターが、化合物1、化合物2、または化合物3である、項目52に記
載の薬学的組成物。
・(項目57)
上記モジュレーターが、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを増
加させる化合物である、項目52〜56のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
・(項目58)
上記モジュレーターが、哺乳動物から得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを
増加させる化合物である、項目52〜56のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
・(項目59)
哺乳動物における血中グルコースを低下させる方法であって、上記方法は、上記低下を必要
とする哺乳動物に項目52〜58のいずれか1項に記載の薬学的組成物を提供または投
与する工程を包含する、方法。
・(項目60)
代謝障害を予防または処置する方法であって、上記方法は、上記予防または処置を必要とす
る哺乳動物に項目52〜58のいずれか1項に記載の薬学的組成物を提供または投与す
る工程を包含し、上記代謝障害は、以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、方法。
・(項目61)
上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置する方法であって、上記方法は、
上記予防または処置を必要とする哺乳動物に項目52〜58のいずれか1項に記載の薬学
的組成物を提供または投与する工程を包含し、上記合併症は、以下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、方法。
・(項目62)
上記哺乳動物がヒトである、項目59〜61のいずれか1項に記載の方法。
・(項目63)
治療によるヒトまたは動物体の処置方法において使用するための、RUP43 GPC
Rのモジュレーターであって、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含む、モジ
ュレーター。
・(項目64)
治療によってヒトまたは動物体の血中グルコース濃度を低下させる方法において使用す
るための、RUP43 GPCRのモジュレーターであって、上記レセプターは、GPR1
31アミノ酸配列を含む、モジュレーター。
・(項目65)
治療によってヒトまたは動物体における代謝障害を予防または処置する方法において使
用するための、RUP43 GPCRのモジュレーターであって、上記レセプターは、GP
R131アミノ酸配列を含み、上記代謝障害は、以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、モジュレーター。
・(項目66)
治療によってヒトまたは動物体における上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防ま
たは処置する方法において使用するための、RUP43 GPCRのモジュレーターであ
って、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含み、上記合併症は、以下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、モジュレーター。
・(項目67)
上記動物が哺乳動物である、項目63〜66のいずれか1項に記載の方法。
・(項目68)
上記モジュレーターが、項目18〜23のいずれか1項による、項目63〜67の
いずれか1項に記載のモジュレーター。
・(項目69)
上記RUP43 GPCRのモジュレーターが、上記RUP43 GPCRのアゴニスト
である、項目63〜67のいずれか1項に記載の方法。
・(項目70)
上記モジュレーターが、項目24に記載の化合物である、項目63〜67のいずれ
か1項に記載のモジュレーター。
・(項目71)
上記モジュレーターが、化合物1、化合物2、または化合物3である、項目63〜6
7のいずれか1項に記載のモジュレーター。
・(項目72)
上記モジュレーターが、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを増
加させる化合物である、項目63〜71のいずれか1項に記載のモジュレーター。
・(項目73)
上記モジュレーターが、哺乳動物から得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを
増加させる化合物である、項目63〜71のいずれか1項に記載のモジュレーター。
・(項目74)
血中グルコース濃度を低下させるための医薬の調製のためにRUP43 GPCRのモ
ジュレーターを使用する方法であって、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含
む、方法。
・(項目75)
代謝障害を予防または処置するための医薬の調製のためにRUP43 GPCRのモジ
ュレーターを使用する方法であって、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を含み
、上記代謝障害は、以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、方法。
・(項目76)
上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防または処置のための医薬の調製のためにR
UP43 GPCRのモジュレーターを使用する方法であって、上記レセプターは、GPR
131アミノ酸配列を含み、上記合併症は、以下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、方法。
・(項目77)
上記モジュレーターが、項目18〜23のいずれか1項による、項目74〜76の
いずれか1項に記載の方法。
・(項目78)
上記RUP43 GPCRのモジュレーターが、上記RUP43 GPCRのアゴニスト
である、項目74〜76のいずれか1項に記載の方法。
・(項目79)
上記モジュレーターが、項目24に記載の化合物である、項目74〜76のいずれ
か1項に記載の方法。
・(項目80)
上記モジュレーターが、化合物1、化合物2、または化合物3である、項目74〜7
6のいずれか1項に記載の方法。
・(項目81)
上記モジュレーターが、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを増
加させる化合物である、項目74〜80のいずれか1項に記載の方法。
・(項目82)
上記モジュレーターが、哺乳動物から得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを
増加させる化合物である、項目74〜80のいずれか1項に記載の方法。
・(項目83)
RUP43 GPCRの活性を調節するためのプロセスであって、上記レセプターは、G
PR131アミノ酸配列を含み、上記プロセスは、工程:
(a)上記レセプターのモジュレーターを、項目1〜16のいずれか1項に記載の方法
に従って同定する工程;および
(b)上記レセプターを、(a)において同定されたモジュレーターと接触させる工程
を包含する、プロセス。
・(項目84)
薬学的組成物または生理学的に受容可能な組成物を調製するためのプロセスであって、
上記プロセスは、工程:
(a)RUP43 GPCRのモジュレーターを、項目1〜16のいずれか1項に記
載の方法に従って同定する工程であって、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を
含む、工程;および
(b)キャリアと(a)で同定されたモジュレーターとを混合する工程
を包含する、プロセス。
・(項目85)
RUP43 GPCRの活性を調節するためのプロセスであって、上記レセプターは、G
PR131アミノ酸配列を含み、上記調節は、血中グルコース濃度の低下を必要とする哺乳
動物における血中グルコース濃度を低下させるためであり、上記プロセスは、工程:
(a)上記レセプターのモジュレーターを、項目1〜16のいずれか1項に記載の方法
に従って同定する工程;および
(b)上記レセプターを、(a)において同定された治療有効量のモジュレーターと接触
させる工程
を包含する、プロセス。
・(項目86)
RUP43 GPCRの活性を調節するためのプロセスであって、上記レセプターは、G
PR131アミノ酸配列を含み、上記調節は、代謝障害の予防または処置を必要とする哺乳
動物において代謝障害を予防または処置するためであり、上記プロセスは、工程:
(a)上記レセプターのモジュレーターを、項目1〜16のいずれか1項に記載の方法
に従って同定する工程;および
(b)上記レセプターを、(a)において同定された治療有効量のモジュレーターと接触
させる工程
を包含し;ここで、上記代謝障害は、以下:
(i)糖尿病;
(ii)グルコース寛容減損;
(iii)インスリン抵抗性;および
(iv)高インスリン血症
からなる群より選択される、プロセス。
・(項目87)
RUP43 GPCRの活性を調節するためのプロセスであって、上記レセプターは、G
PR131アミノ酸配列を含み、上記調節は、上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防
または処置を必要とする哺乳動物において上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防ま
たは処置するためであり、上記プロセスは、工程:
(a)上記レセプターのモジュレーターを、項目1〜16のいずれか1項に記載の方法
に従って同定する工程;および
(b)上記レセプターを、(a)において同定された治療有効量のモジュレーターと接触
させる工程
を包含し;ここで、上記合併症は、以下:
(i)症候群X;
(ii)アテローム性動脈硬化症;
(iii)アテローム性疾患;
(iv)心臓病;
(v)高血圧症;
(vi)発作;
(vii)ニューロパシー;
(viii)網膜症;
(ix)腎症;および
(x)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、プロセス。
・(項目88)
血中グルコース濃度の低下を必要とする哺乳動物において血中グルコース濃度を低下さ
せるためのプロセスであって、上記プロセスは、工程:
(a)RUP43 GPCRのモジュレーターを、項目1〜16のいずれか1項に記
載の方法に従って同定する工程であって、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含
む、工程;および
(b)(a)において同定された治療有効量のモジュレーターを、上記レセプターと接触
させる工程
を包含する、プロセス。
・(項目89)
代謝障害の予防または処置を必要とする哺乳動物において代謝障害を予防または処置す
るためのプロセスであって、上記プロセスは、工程:
(a)RUP43 GPCRのモジュレーターを、項目1〜16のいずれか1項に記
載の方法に従って同定する工程であって、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含
む、工程;および
(b)(a)において同定された治療有効量のモジュレーターを上記レセプターと接触さ
せる工程
を包含し;ここで、上記代謝障害は、以下:
(i)糖尿病;
(ii)グルコース寛容減損;
(iii)インスリン抵抗性;および
(iv)高インスリン血症
からなる群より選択される、プロセス。
・(項目90)
上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防または処置を必要とする哺乳動物において
上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置するためのプロセスであって、上記
プロセスは、工程:
(a)RUP43 GPCRのモジュレーターを、項目1〜16のいずれか1項に記
載の方法に従って同定する工程であって、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含
む、工程;および
(b)(a)において同定された治療有効量のモジュレーターを上記レセプターと接触さ
せる工程
を包含し;ここで、上記合併症は、以下:
(i)症候群X;
(ii)アテローム性動脈硬化症;
(iii)アテローム性疾患;
(iv)心臓病;
(v)高血圧症;
(vi)発作;
(vii)ニューロパシー;
(viii)網膜症;
(ix)腎症;および
(x)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、プロセス。
・(項目91)
哺乳動物において血中グルコースを低下させるためのプロセスであって、上記プロセスは
、工程:
(a)RUP43 GPCRのモジュレーターを、項目1〜16のいずれか1項に記
載の方法に従って同定する工程であって、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含
む、工程;および
(b)(a)において同定されたモジュレーターを、上記低下を必要とする哺乳動物に提
供または投与する工程
を包含する、プロセス。
・(項目92)
代謝障害を予防または処置するためのプロセスであって、上記プロセスは、工程:
(a)RUP43 GPCRのモジュレーターを、項目1〜16のいずれか1項に記
載の方法に従って同定する工程であって、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含
む、工程;および
(b)(a)において同定されたモジュレーターを、上記予防または処置を必要とする哺
乳動物に提供または投与する工程
を包含し;ここで、上記代謝障害は、以下:
(i)糖尿病;
(ii)グルコース寛容減損;
(iii)インスリン抵抗性;および
(iv)高インスリン血症
からなる群より選択される、プロセス。
・(項目93)
上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置するためのプロセスであって、
上記プロセスは、工程:
(a)RUP43 GPCRのモジュレーターを、項目1〜16のいずれか1項に記
載の方法に従って同定する工程であって、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含
む、工程;および
(b)(a)において同定されたモジュレーターを、上記予防または処置を必要とする哺
乳動物に提供または投与する工程
を包含し;上記合併症は、以下:
(i)症候群X;
(ii)アテローム性動脈硬化症;
(iii)アテローム性疾患;
(iv)心臓病;
(v)高血圧症;
(vi)発作;
(vii)ニューロパシー;
(viii)網膜症;
(ix)腎症;および
(x)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、プロセス。
・(項目94)
上記哺乳動物がヒトである、項目85〜93のいずれか1項に記載のプロセス。
・(項目95)
血中グルコース濃度を低下させるための医薬の調製のためにRUP43 GPCRのモ
ジュレーターを使用するプロセスであって、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列
を含み、上記プロセスは、項目1〜16のいずれか1項に記載の方法を実施することによ
り上記モジュレーターを同定する工程を包含する、プロセス。
・(項目96)
代謝障害を予防または処置するための医薬の調製のためにRUP43 GPCRのモジ
ュレーターを使用するプロセスであって、上記レセプターは、GPR131アミノ酸配列を
含み、上記プロセスは、項目1〜16のいずれか1項に記載の方法を実施することにより
上記モジュレーターを同定する工程を包含し;上記代謝障害は、以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、プロセス。
・(項目97)
上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置するための医薬の調製のために
RUP43 GPCRのモジュレーターを使用するプロセスであって、上記レセプターは、
GPR131アミノ酸配列を含み、上記プロセスは、項目1〜16のいずれか1項に記載
の方法を実施することにより上記モジュレーターを同定する工程を包含し;上記合併症は、以
下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、プロセス。
・(項目98)
上記モジュレーターが、項目18〜23のいずれか1項による、項目85〜97の
いずれか1項に記載のプロセス。
・(項目99)
上記RUP43 GPCRのモジュレーターが上記RUP43 GPCRのアゴニストで
ある、項目85〜97のいずれか1項に記載のプロセス。
・(項目100)
上記モジュレーターが項目24に記載の化合物である、項目85〜97のいずれか
1項に記載のプロセス。
・(項目101)
上記モジュレーターが化合物1、化合物2、または化合物3である、項目85〜97
のいずれか1項に記載のプロセス。
・(項目102)
上記モジュレーターが、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを増
加させる化合物である、項目85〜101のいずれか1項に記載のプロセス。
・(項目103)
上記モジュレーターが、哺乳動物から得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを
増加させる化合物である、項目85〜101のいずれか1項に記載のプロセス。
・(項目104)
薬学的組成物を調製する方法であって、項目24に記載の化合物と薬学的に受容可能
なキャリアとを混合する工程を包含する、方法。
・(項目105)
上記化合物が化合物1、化合物2、または化合物3である、項目104に記載の方法

・(項目106)
薬学的組成物であって、項目24に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリア
を含む、薬学的組成物。
・(項目107)
上記化合物が化合物1、化合物2、または化合物3である、項目106に記載の薬学
的組成物。
・(項目108)
RUP43 GPCRを調節する方法であって、上記レセプターはGPR131アミノ酸
配列を含み、上記方法は、上記レセプターを項目24に記載の化合物または項目106も
しくは項目107に記載の薬学的組成物と接触させる工程を包含する、方法。
・(項目109)
RUP43 GPCRの活性を調節する方法であって、上記レセプターはGPR131ア
ミノ酸配列を含み、上記調節は、血中グルコース濃度の低下を必要とする哺乳動物における
血中グルコース濃度を低下させるためであり、上記方法は、上記レセプターを、治療有効量の
項目24に記載の化合物または治療有効量の項目106もしくは項目107に記載
の薬学的組成物と接触させる工程を包含する、方法。
・(項目110)
RUP43 GPCRの活性を調節する方法であって、上記レセプターはGPR131ア
ミノ酸配列を含み、上記調節は、代謝障害の予防または処置を必要とする哺乳動物における
代謝障害を予防または処置するためであり、上記方法は、上記レセプターを、治療有効量の請
求項24に記載の化合物または治療有効量の項目106もしくは項目107に記載の
薬学的組成物と接触させる工程を包含し、上記代謝性障害は、以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、方法。
・(項目111)
RUP43 GPCRを調節する方法であって、上記レセプターはGPR131アミノ酸
配列を含み、上記調節は、上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防または処置を必要と
する哺乳動物における上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置するためで
あり、上記方法は、上記レセプターを治療有効量の項目24に記載の化合物または治療有効
量の項目106もしくは項目107に記載の薬学的組成物と接触させる工程を包含し
、上記合併症は、以下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、方法。
・(項目112)
血中グルコース濃度の低下を必要とする哺乳動物において血中グルコース濃度を低下さ
せる方法であって、上記方法は、治療有効量の項目24に記載の化合物または治療有効量
の項目106もしくは項目107に記載の薬学的組成物をRUP43 GPCRと接
触させる工程を包含し、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含む、方法。
・(項目113)
代謝障害の予防または処置を必要とする哺乳動物において代謝障害を予防または処置す
る方法であって、上記方法は、治療有効量の項目24に記載の化合物または治療有効量の
項目106もしくは項目107に記載の薬学的組成物をRUP43 GPCRと接触
させる工程を包含し、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含み、上記代謝障害は、
以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、方法。
・(項目114)
上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防または処置を必要とする哺乳動物において
上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置する方法であって、上記方法は、治
療有効量の項目24に記載の化合物または治療有効量の項目106もしくは項目1
07に記載の薬学的組成物をRUP43 GPCRと接触させる工程を包含し、上記レセプ
ターはGPR131アミノ酸配列を含み、上記合併症は、以下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、方法。
・(項目115)
血中グルコース濃度を低下させる方法であって、上記方法は、上記低下を必要とする哺乳動
物に、治療有効量の項目24に記載の化合物または治療有効量の項目106もしくは
項目107に記載の薬学的組成物を提供または投与する工程を包含する、方法。
・(項目116)
代謝障害を予防または治療する方法であって、上記方法は、上記予防または処置を必要とす
る哺乳動物に治療有効量の項目24に記載の化合物または治療有効量の項目106も
しくは項目107に記載の薬学的組成物を提供または投与する工程を包含し、上記代謝障
害は、以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、方法。
・(項目117)
上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防または処置するための方法であって、上記方
法は、上記予防または処置を必要とする哺乳動物に治療有効量の項目24に記載の化合物
または治療有効量の項目106もしくは項目107に記載の薬学的組成物を投与また
は提供する工程を包含し、上記合併症は、以下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、方法。
・(項目118)
上記哺乳動物がヒトである、項目109〜117のいずれか1項に記載の方法。
・(項目119)
上記化合物が、化合物1、化合物2、または化合物3である、項目108〜118の
いずれか1項に記載の方法。
・(項目120)
上記モジュレーターが、哺乳動物から得られた脂肪細胞によるグルコース取り込みを増
加させる化合物である、項目108〜119のいずれか1項に記載の方法。
・(項目121)
上記モジュレーターが、哺乳動物から得られた骨格筋細胞によるグルコース取り込みを
増加させる化合物である、項目108〜119のいずれか1項に記載の方法。
・(項目122)
治療によるヒトまたは動物体の処置方法において使用するための、項目24に記載の
化合物。
・(項目123)
治療によってヒトまたは動物体における血中グルコース濃度を低下させる方法において
使用するための、項目24に記載の化合物。
・(項目124)
治療によってヒトまたは動物体における代謝障害を予防または処置する方法において使
用するための、項目24に記載の化合物であって、上記代謝障害は、以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、化合物。
・(項目125)
治療によってヒトまたは動物体における上昇した血中グルコース濃度の合併症を予防ま
たは処置する方法において使用するための、項目24に記載の化合物であって、上記合併
症は、以下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、化合物。
・(項目126)
上記化合物が、化合物1、化合物2、または化合物3である、項目122〜125の
いずれか1項に記載の化合物。
・(項目127)
上記動物が哺乳動物である、項目122〜126のいずれか1項に記載の化合物。
・(項目128)
血中グルコース濃度を低下させるための医薬の調製のために項目24に記載の化合物
を使用する方法。
・(項目129)
代謝障害の予防または処置のための医薬の調製のために項目24に記載の化合物を使
用する方法であって、上記代謝障害は、以下:
(a)糖尿病;
(b)グルコース寛容減損;
(c)インスリン抵抗性;および
(d)高インスリン血症
からなる群より選択される、方法。
・(項目130)
上昇した血中グルコース濃度の合併症の予防または処置のための医薬の調製のために請
求項24に記載の化合物を使用する方法であって、上記合併症は、以下:
(a)症候群X;
(b)アテローム性動脈硬化症;
(c)アテローム性疾患;
(d)心臓病;
(e)高血圧症;
(f)発作;
(g)ニューロパシー;
(h)網膜症;
(i)腎症;および
(j)末梢脈管疾患
からなる群より選択される、方法。
・(項目131)
上記化合物が、化合物1、化合物2、または化合物3である、項目128〜130の
いずれか1項に記載の方法。
・(項目132)
1以上の候補化合物を、RUP43 GPCRに結合する化合物と同定する方法であっ
て、上記レセプターはGPR131アミノ酸配列を含み、上記方法は、工程:
(a)上記レセプターを、上記候補化合物の存在下または非存在下で、上記レセプターの検出
可能に標識された既知のリガンドと接触させる工程;および
(b)上記標識された既知のリガンドの上記レセプターに対する結合が、上記候補化合物の存
在下で阻害されるか否かを決定する工程
を包含し;上記阻害は、上記候補化合物が、上記RUP43 GPCRに結合する化合物である
ことを示す、方法。
・(項目133)
項目1に記載の方法であって、上記GPR131アミノ酸配列は、以下:
(a)配列番号2のアミノ酸配列;
(b)配列番号2のアミノ酸2−330;
(c)上記RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメ
チオニン残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;
(d)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、上記核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号3
のプライマーおよび配列番号4のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセスに
よって入手可能である、アミノ酸配列;
(e)配列番号6のアミノ酸配列;
(f)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、上記核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号7
のプライマーおよび配列番号8のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセスに
よって入手可能である、アミノ酸配列;
(g)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸配列;
(h)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸2−330;
(i)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されており、ただし、
上記RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメチオニン
残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;および
(j)ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズするポリヌク
レオチドによってコードされる、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列
からなる群より選択される、方法。
・(項目134)
上記接触させる工程が、上記GPCRを発現する宿主細胞または上記GPCRを発現す
る宿主細胞の膜と接触させることを含む、項目132または項目133に記載の方法

・(項目135)
上記宿主細胞が、上記レセプターをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含
む、項目134に記載の方法。
・(項目136)
上記既知のリガンドが、化合物1、化合物2、または化合物3である、項目132〜
135のいずれか1項に記載の方法。
・(項目137)
RUP43 GPCRに結合するリガンドを検出するための方法であって、上記レセプタ
ーはGPR131アミノ酸配列を含み、上記方法は、工程:
(a)試験リガンドを、上記レセプターと上記試験リガンドとの間の相互作用を許容する条
件下で、上記レセプターを発現する宿主細胞または上記レセプターを発現する宿主細胞の膜と
接触させる工程;および
(b)上記レセプターに結合したリガンドを検出する工程
を包含する、方法。
・(項目138)
項目137に記載の方法であって、上記GPR131アミノ酸配列は、以下:
(a)配列番号2のアミノ酸配列;
(b)配列番号2のアミノ酸2−330;
(c)上記RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメ
チオニン残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;
(d)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、上記核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号3
のプライマーおよび配列番号4のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセスに
よって入手可能である、アミノ酸配列;
(e)配列番号6のアミノ酸配列;
(f)核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役レセプ
ターのアミノ酸配列であって、上記核酸配列は、ヒトDNAサンプルについて、配列番号7
のプライマーおよび配列番号8のプライマーを用いてPCRを行うことを含むプロセスに
よって入手可能である、アミノ酸配列;
(g)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸配列;
(h)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されている、配列番号
2のアミノ酸2−330;
(i)配列番号2のアミノ酸223位のアラニンがリジンに置換されており、ただし、
上記RUP43 Gタンパク質共役レセプターが配列番号2のアミノ酸1位のメチオニン
残基を含まない、配列番号2のアミノ酸2−330;および
(j)ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズするポリヌク
レオチドによってコードされる、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列
からなる群より選択される、方法。
・(項目139)
上記接触させる工程が、上記GPCRを発現する宿主細胞または上記GPCRを発現す
る宿主細胞の膜と接触させることを含む、項目137または項目138に記載の方法

・(項目140)
上記宿主細胞が、上記レセプターをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含
み、上記宿主細胞が、上記レセプターをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含
む、項目139に記載の方法。
出願人は、本発明の実施形態のいずれからも、あらゆる1以上の候補化合物を排除する
権利を確保する。出願人はまた、本発明の実施形態のいずれからも、あらゆる1以上のモ
ジュレーターを排除する権利を確保する。出願人は、本発明の実施形態のいずれからも、
任意のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを排除する権利を確保する。出願人はさらに
、あらゆる代謝障害または上昇した血中グルコース濃度のあらゆる合併症を排除する権利
を確保する。本発明の代謝障害が、個々に、または任意の組合せのいずれにおいても、実
施形態に含まれ得ることもまた明白に意図される。本発明の上昇した血中グルコース濃度
の合併症が、個々に、または任意の組合せのいずれにおいても、実施形態に含まれ得るこ
ともまた明白に意図される。
【0316】
本願を通して、種々の刊行物、特許および公開された特許出願が引用される。本願にお
いて参照されたこれらの刊行物、特許および公開された特許出願の開示は、それらの全体
が本開示において参考として援用される。本明細書で出願人が刊行物、特許または公開さ
れた特許出願を引用したことは、出願人が上記刊行物、特許または公開された特許出願を
先行技術として認めたということではない。
【0317】
当業者の範囲内にある、開示された発明の改変および拡張は、上記開示および特許請求
の範囲に含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0318】
(詳細な説明)
(定義)
レセプター周辺で発展してきた科学文献は、レセプターに対して種々の影響を有するリ
ガンドを言及するために多数の用語を適応させた。明確さおよび一貫性のために、以下の
定義が、本特許文書全体を通して用いられる。これらの定義がこれらの用語についての他
の定義と矛盾しない程度まで、以下の定義が優先する:
「アゴニスト」は、レセプターに結合した際に細胞内応答を活性化する物質(例えば、
リガンド、候補化合物)を意味するものとする。いくつかの実施形態では、アゴニストは
、レセプターに結合する際に細胞内応答を活性化する(例えば、膜へのGTPγS結合を
増強するかまたは細胞内cAMPレベルを上昇させる)ことが以前には公知でなかった物
質である。いくつかの実施形態では、アゴニストは、レセプターに結合する際に、哺乳動
物から得た脂肪細胞または骨格筋細胞におけるグルコース取り込みを刺激することが以前
には公知でなかった物質である。
【0319】
本明細書中で用いられるアミノ酸の略号を表Aに示す:
【0320】
【表1A】

「アンタゴニスト」は、アゴニストと同じ部位でレセプターに競合的に結合するが、細
胞内応答を活性化せず、それによってアゴニストにより誘発される細胞内応答を阻害し得
る、物質(例えば、リガンド、候補化合物)を意味するものとする。アンタゴニストは、
アゴニストの非存在下ではベースラインの細胞内応答を減少させない。いくつかの実施形
態では、アンタゴニストは、レセプターに結合した際にアゴニストと競合して細胞応答を
阻害することが以前には公知でなかった物質である(例えば、細胞応答は、膜へのGTP
γS結合または細胞内cAMPレベルの上昇である)。
【0321】
「抗体」は、本明細書中では、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を包含す
ることが意図される。抗体はさらに、IgG、IgA、IgD、IgE、およびIgMを
包含することが意図される。抗体は、抗体全体(単鎖抗体の全体が挙げられる)およびそ
れらの抗原結合フラグメント(Fab、Fab’、F(ab)2およびF(ab’)2が
挙げられる)を包含する。抗体は、任意の動物期限であり得る。好ましくは、抗体は、ヒ
ト、ネズミ(murine)、ウサギ、ヤギ、モルモット、ハムスター、ラクダ、ロバ、
ヒツジ、ウマまたはニワトリの抗体である。好ましくは、抗体は、5×10−6M未満、
10−6M未満、5×10−7M未満、10−7M未満、5×10−8M未満、10−8
M未満、5×10−9M未満、10−9M未満、5×10−10M未満、10−10M未
満、5×10−11M未満、10−11M未満、5×10−12M未満、10−12M未
満、5×10−13M未満、10−13M未満、5×10−14M未満、10−14M未
満、5×10−15M未満および10−15M未満の解離定数すなわちKd値を有する結
合親和性を有する。本発明の抗体は、当該分野で公知の任意の適切な方法により調製され
得る。抗体の誘導体は、抗原結合フラグメントを包含するがこれに限定されないことが意
図される。
【0322】
GPCRのポリペプチドまたはアミノ酸配列の「生物学的に活性なフラグメント」とは
、天然に存在するGPCRの構造的機能および生化学的機能を有する、このポリペプチド
またはアミノ酸配列のフラグメントを意味するものとする。特定の実施形態では、この生
物学的に活性なフラグメントは、Gタンパク質と共役する。特定の実施形態では、この生
物学的に活性なフラグメントは、内因性リガンドに結合する。
【0323】
「候補化合物」とは、スクリーニング技術に従う分子(例えば、化合物であるがこれに
限定されない)を意味するものとする。
【0324】
化学基、部分またはラジカル:
用語「C1−6アルキル」とは、示した数の炭素を含む、直鎖または分枝鎖の炭素ラジ
カルを示す。例えば、いくつかの実施形態では、アルキルは、「C1−4アルキル」であ
り、そしてこの基は1〜4個の炭素を含み、なお他の実施形態では、アルキルは、「C
−6アルキル」であり、そしてこの基は2〜6個の炭素を含む。アルキルは、いくつかの
実施形態では、1〜3個の炭素を含み、いくつかの実施形態では、1〜2個の炭素を含み
、そしていくつかの実施形態では、1個の炭素を含む。アルキルの例としては、メチル、
エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、t−ブチル、se
c−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、neo−ペンチル、
ヘキシル、iso−ヘキシル、sec−ヘキシル、neo−ヘキシルなどが挙げられるが
これらに限定されない。
【0325】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基またはヨード基
を示す。
【0326】
「コドン」とは、リン酸基に結合したヌクレオシド[アデノシン(A)、グアノシン(
G)、シチジン(C)、ウリジン(U)およびチミジン(T)]を一般に含み、翻訳され
た場合にアミノ酸をコードする、3ヌクレオチド(またはヌクレオチドの等価物)の群を
意味するものとする。
【0327】
「組成物」とは、少なくとも1つの成分を含む物質を意味する。「薬学的組成物」とは
、組成物の例である。
【0328】
「化合物の効力」とは、レセプターの機能を化合物が阻害または刺激する能力(すなわ
ち、レセプター結合活性とは対照的に、シグナル伝達経路を活性化/阻害する能力)の尺
度を意味するものとする。化合物の効力を検出する例示的な手段は、本特許文書の実施例
の節に開示される。
【0329】
「を含む、から本質的になる、およびからなる」は、それらの標準的な意味に従って本
明細書中で定義される。米国審査便覧(M.P.E.P.)に示される定義される意味は
、当該分野における定義された意味よりも優先し、そして統制巡回連邦判例法(cont
rolling Federal Circuit case law)に示される定義
された意味は、米国審査便覧に示される意味よりも優先する。
【0330】
「構成的に活性なレセプター」とは、そのリガンドまたはその化学的等価物へのレセプ
ターの結合によること以外の手段により活性状態で安定化されたレセプターを意味するも
のとする。構成的に活性なレセプターは、内因性であってもよく、または非内因性であっ
てもよい。
【0331】
「構成的に活性化されたレセプター」とは、構成的に活性であるように改変された内因
性レセプターを意味する。
【0332】
「構成的なレセプター活性化」とは、そのリガンドまたはその化学的等価物への結合な
しでのレセプターの活性化を意味する。
【0333】
「接触」、または「接触する」とは、インビトロ系においてであろうとインビボ系にお
いてであろうと、少なくとも2つの部分を合わせることを意味する。
【0334】
「減少する(decrease)」は、測定可能な量での減少を指すために使用され、
そして用語「低下する(reduce)」、「低減する(diminish)」、「下が
る(lower)」および「減る(lessen)」と同義的に使用される。
【0335】
「上昇した血中グルコース濃度」とは、哺乳動物における、その哺乳動物にとっての正
常な空腹時血中グルコース濃度よりも高い空腹時血中グルコース濃度を意味する。例とし
て、正常ヒト空腹時血中グルコース濃度は、100mg/dl未満である。本明細書にお
いて使用される場合、上昇したヒト血中グルコース濃度は、100mg/dl以上の空腹
時血中グルコース濃度である。例としてであり限定ではなく、上昇した血中グルコース濃
度は、高グルコース血症を包含する。
【0336】
「内因性」とは、哺乳動物が天然に産生する物質を意味する。内因性に関して、例とし
てであり限定ではなく、用語「レセプター」は、哺乳動物(例としてであり限定ではなく
、ヒト)によって天然に産生されたものを意味する。内因性は、遺伝子の対立遺伝子改変
体ならびにそれにコードされた対立遺伝子のポリペプチド改変体を包含すると理解される
。本明細書において使用される場合、「内因性GPCR」および「ネイティブGPCR」
は、交換可能に使用される。対照的に、この状況における用語、非内因性は、哺乳動物(
例としてであり限定ではなく、ヒト)によって天然に産生されないものを意味する。例と
してであり限定ではなく、その内因性形態において構成的に活性でないが、操作される場
合に構成的に活性になるレセプターは、最も好ましくは、本明細書において「非内因性の
、構成的に活性化されたレセプター」と称される。
【0337】
「発現ベクター」は、本明細書において、上記発現ベクターについての適切な宿主細胞
組換え体における、クローニングされたDNAの転写のためおよび転写されたmRNAの
翻訳のために必要とされるDNA配列として定義される。適切に構築された発現ベクター
は、宿主細胞における自律的複製のための複製起点、選択マーカー、限定された数の有用
な制限酵素部位、高コピー数となる可能性、および活性プロモーターを含む。転写される
べき上記クローニングされたDNAは、上記発現ベクター内で構成的にまたは条件的に活
性なプロモーターに作動可能に結合されている。例示としてであり限定としてではなく、
pCMVは発現ベクターである。
【0338】
「Gタンパク質共役レセプター融合タンパク質」および「GPCR融合タンパク質」は
、本明細書において開示される本発明の状況において、各々、少なくとも1つのGタンパ
ク質(最も好ましくは、このようなGタンパク質のαサブユニット(これは、GTPに結
合するサブユニットである))に融合された、内因性の構成的に活性なGPCRまたは非
内因性の構成的に活性化されたGPCRを含む、非内因性タンパク質を意味する(好まし
くは、Gタンパク質は、天然で内因性GPCRに結合するGタンパク質と同じ型である)
。例としてであり限定としてではなく、内因性状態において、Gタンパク質「Gsα」が
、GPCRに結合する優勢なGタンパク質である場合、特定のGPCRに基づくGPCR
融合タンパク質は、Gsαに融合したGPCRを含む非内因性タンパク質であり;一部の
環境では、以下に示すように、GPCRに融合され得る非優勢のGタンパク質である。G
タンパク質は、構成的に活性なGPCRのC末端に直接的に融合され得るか、またはそれ
ら2つの間にスペーサーが存在し得る。
【0339】
「宿主細胞」は、それに組み込まれるベクター有し得る細胞を意味する。特定の実施形
態において、ベクターは、発現ベクターである。例示的宿主細胞としては、293細胞、
293T細胞、CHO細胞、MCB3901細胞、およびCOS−7細胞ならびにメラニ
ン保有細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
【0340】
「予防または処置の必要がある」とは、本明細書において使用される場合、ヒトにおい
ては介護者(例えば、医師、看護士、ナースプラクティショナーなど)によって、動物(
非ヒト哺乳動物が挙げられる)においては獣医によってなされる、個体もしくは動物が処
置を必要とするかまたはその処置から利益を受けるという判断を指す。この判断は、介護
者の専門的意見の領域であるが、個体または動物が病気であるか病気になり、結果として
本発明の化合物によって処置可能な状態であるという知見を含む、種々の要因に基づいて
なされる。
【0341】
本明細書において使用される場合、「個体」とは、哺乳動物(好ましくは、マウス、ラ
ット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類、
最も好ましくはヒト)を含む、任意の動物を指す。
【0342】
「阻害」または「阻害する」とは、用語「反応(応答)」に関連して、化合物の非存在
下に対して、化合物の存在下で、反応が減少または防止されることを意味する。
【0343】
「グルコース寛容減損(IGT)」は、本明細書において使用される場合、明白な2型
糖尿病と正常なグルコース寛容(NGT)との中間であるインスリン抵抗性に関連する条
件を示すことを意図される。IGTは、罹患した人物の食後グルコース反応が、食後2時
間での血漿グルコースレベルによって評価される場合に異常であると決定される手順によ
って診断される。この試験において、測定された量のグルコースが患者に与えられ、血中
グルコースレベルが、定期的な間隔(通常、最初の2時間は30分毎、その後1時間毎)
で測定される。「正常」な、または非IGTの個体において、最初の2時間のグルコース
レベルは、140mg/dl未満まで上昇し、次いで急速に低下する。IGT個体におい
ては、血中グルコースレベルは、より高く上昇し、そしてよりゆっくりとした速度で落ち
る。
【0344】
「インスリン抵抗性」は、本明細書において使用される場合、多くの方法のいずれかに
よって行われるインスリン抵抗性の通常の診断を包含することを意図される。上記方法と
しては、静脈内グルコース寛容試験または空腹時インスリンレベルの測定が挙げられるが
、これらに制限されない。空腹時インスリンレベルとインスリン抵抗性の程度との間に強
い相関が存在することは、周知である。したがって、高い空腹時インスリンレベルを、正
常なグルコース寛容(NGT)個体がインスリン抵抗性を有することを同定する目的のた
め、インスリン抵抗性の代理のマーカーとして使用することができる。インスリン抵抗性
の診断はまた、オイグリセミックグルコースクランプ試験を使用して行われ得る。
【0345】
「逆アゴニスト」は、レセプターの内因性形態または構成的に活性化された形態のいず
れかに結合して、アゴニストの非存在下で観察されるそのレセプターのベースラインの細
胞内応答を低下させる物質(例えば、リガンド、候補化合物)を意味する。
【0346】
「単離された」とは、物質がその本来の環境(例えば、それが天然に存在する場合、天
然の環境)から取り出されていること意味する。例えば、生きた動物中に天然に存在する
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されていないが、天然の系に共存する物質の
一部もしくは全てから分離された同じポリヌクレオチドまたはDNAまたはポリペプチド
は、単離されている。このようなポリヌクレオチドは、ベクターの一部であり得、および
/またはこのようなポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは、組成物の一部であり得る
。そしてベクターもしくは組成物が天然の環境の一部にない場合、やはり単離されている
【0347】
「リガンド」とは、GPCRに特異的に結合する分子を意味する。リガンドは、例えば
、ポリペプチド、脂質、小分子、抗体であり得る。内因性リガンドは、ネイティブGPC
Rに対する内因性の天然リガンドである。リガンドは、GPCR「アンタゴニスト」、「
アゴニスト」、「部分アゴニスト」、または「逆アゴニスト」などであり得る。
【0348】
本明細書において使用される場合、用語「調節する」または「改変する」は、特に活性
、機能または分子の、量、質、または効果の増加または減少を指すことを意味する。例示
であって限定ではなく、Gタンパク質共役レセプターのアゴニスト、部分アゴニスト、逆
アゴニスト、およびアンタゴニストは、そのレセプターのモジュレーターである。
【0349】
「部分アゴニスト」とは、それがレセプターに結合する場合、完全アゴニストが活性化
するより少ない程度で細胞内応答を活性化する物質(例えば、リガンド、候補化合物)を
意味する。
【0350】
「薬学的組成物」とは、少なくとも1種の活性成分を含有する組成物を意味する。これ
によって、この組成物は、哺乳動物(例えば、限定ではなく、ヒト)における特定の効果
のある結果についての調査を受けることができる。当業者は、活性成分が当業者の必要性
に基づく所望の効果のなる結果を有するか否かを決定するのに適切な技術を、理解および
認識する。
【0351】
「ポリヌクレオチド」とは、1より多くのヌクレオチドの、短鎖形態もしくは二重鎖形
態の、RNA配列、DNA配列、RNA/DNAハイブリッド配列を意味する。本発明の
ポリヌクレオチドは、任意の公知の方法によって(合成、組換え、エキソビボ生成、また
はこれらの組み合わせ、および当該分野で公知の任意の精製方法を使用して)調製され得
る。
【0352】
「ポリペプチド」は、ポリマーの長さに関係なく、アミノ酸のポリマーを指す。したが
って、ペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質は、ポリペプチドの定義に含まれる。
この用語はまた、ポリペプチドの翻訳後修飾を特定化も排除もしない。例えば、グリコシ
ル基、アセチル基、リン酸基、脂質基などの共有結合を含むポリペプチドは、明確に、用
語ポリペプチドによって包含される。
【0353】
「プライマー」は、標的ヌクレオチド配列に相補的であり、標的ヌクレオチド配列にハ
イブリダイズするために使用される、特定のオリゴヌクレオチド配列を示すために、本明
細書において使用される。プライマーは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、ま
たは逆転写酵素によって触媒されるヌクレオチド重合のための開始点として機能する。
【0354】
「精製された」、とは、他の化合物から分離された本発明のポリヌクレオチドまたはポ
リヌクレオチドベクターを記載するために本明細書において使用される。他の化合物とし
ては、他の核酸、炭水化物、脂質およびタンパク質(例えば、ポリヌクレオチドの合成に
使用される酵素)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、ポ
リヌクレオチドは、サンプルの少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約
75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約
96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または、少なく
とも約99.5%が単一のポリヌクレオチド配列を含む場合、実質的に純粋である。いく
つかの実施形態において、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、代表的に、約50%、約
60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約
99%もしくは、約99.5%重量/重量のポリヌクレオチドサンプルを含む。
【0355】
同様に、用語精製されたとは、他の化合物から分離された本発明のポリペプチドを記載
するために本明細書において使用される。他の化合物としては、核酸、脂質、炭水化物、
および他のタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において
、ポリペプチドは、サンプルのポリペプチドの少なくとも約50%、少なくとも約60%
、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%
、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%
、もしくは少なくとも約99.5%が単一のアミノ酸配列を有する場合、実質的に純粋で
ある。いくつかの実施形態において、実質的に純粋なポリペプチドは、代表的に、約50
%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98
%、約99%もしくは約99.5%重量/重量のタンパク質サンプルを含む。
【0356】
同様に、用語精製されたとは、本発明のモジュレーターを記載するために本明細書にお
いて使用される。特定の実施形態において、実質的に純粋なモジュレーターは、代表的に
、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%
、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%
、もしくは少なくとも約99.5%重量/重量の上記モジュレーターの調製物を含む。特
定の実施形態において、このモジュレーターは、任意の数から小数点以下第3位の範囲に
及ぶ、90%と100%との間(例えば、少なくとも99.995%純粋)の「最低」純
度を有する。
【0357】
さらに、本明細書において使用される場合、用語精製されたは、絶対的純度を必要とせ
ず、むしろ相対的な定義であると意図される。
【0358】
「レセプター機能性」は、刺激を受容して細胞の効果(遺伝子転写の調節、イオン流の
調節、触媒作用の実行、および/またはGタンパク質を介した調節性活性が挙げられるが
、これらに限定されない)を調節する、レセプターの正常な働きを指す。
【0359】
「セカンドメッセンジャー」とは、レセプター活性化の結果として生じる細胞内応答を
意味する。セカンドメッセンジャーとしては、例えば、イノシトール三リン酸(IP
、ジアシルグリセロール(DAG)、サイクリックAMP(cAMP)、サイクリックG
MP(cGMP)、MAPキナーゼ活性、およびCa2+が挙げられ得る。セカンドメッ
センジャー応答は、レセプター活性化の決定に関して測定され得る。さらに、セカンドメ
ッセンジャー応答は、候補化合物を(例えば、逆アゴニスト、部分アゴニスト、アゴニス
ト、およびアンタゴニストとして)同定するために測定され得る。
【0360】
「信号雑音比」とは、活性化、増幅または刺激に応じてシグナルが生成され、このシグ
ナルが、バックグラウンドのノイズまたは非活性化、非増幅、非刺激に応じた基本レベル
より上であることを意味する。
【0361】
「スペーサー」は、遺伝子(例えば、目的のGPCR)の最後のコドンもしくは最後の
アミノ酸の後ろに位置するが、その目的のGタンパク質の開始コドンまたは開始領域の前
に位置する、翻訳された数のアミノ酸を意味する。ここで、この翻訳された数のアミノ酸
は、フレーム内に位置し、目的のGタンパク質の開始領域を有する。この翻訳されたアミ
ノ酸の数は、1つ、2つ、3つ、4つなどであり得、12個までであり得る。
【0362】
「刺激」または「刺激する」とは、用語「応答」に関する場合、化合物の非存在下に対
して化合物の存在下で応答が増加することを意味する。
【0363】
「被験体」とは、霊長類(ヒトおよびヒヒがあげられるが、これらに限定されない)、
ならびにペット動物(例えば、イヌ、ネコ、ラットおよびマウスのような実験室動物)、
ならびにウマ、ヒツジ、および牝ウシのような家畜を意味する。
【0364】
「治療有効量」とは、本明細書において使用される場合、研究者、獣医、医師または他
の医療従事者によって探索されるべき、組織、系、動物、個体もしくはヒトにおいて生物
学的または医学的な反応を誘発する、活性化合物または薬学的因子の量を指す。上記反応
としては、以下の1つ以上が挙げられる:(1)疾患の予防;例えば、その疾患、状態ま
たは障害を被る傾向にあり得るが、まだその疾患の病因または症候を経験または表してい
ない個体における疾患、状態または障害の予防、(2)疾患の阻害;例えば、その疾患の
病因または症候を経験または表していない個体における疾患、状態または障害の阻害(す
なわち、病因および/または症候のさらなる発達の停止)、ならびに(3)疾患の改善;
例えば、その疾患の病因または症候を経験または表していない個体における疾患、状態ま
たは障害の改善(すなわち、病因および/または症候の逆転)。
【0365】
本明細書において使用される用語としての「改変体」は、それぞれ参照ポリヌクレオチ
ドまたは参照ポリペプチドとは異なるが本質的な特徴を保持する、ポリヌクレオチドまた
はポリペプチドである。ポリヌクレオチドの代表的改変体は、別の参照ポリヌクレオチド
とヌクレオチド配列が異なる。改変体のヌクレオチド配列の変化は、参照ポリヌクレオチ
ドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させていても、変化させてい
なくともよい。ポリペプチドの代表的改変体は、別の参照ポリペプチドとアミノ酸配列が
異なる。改変体ポリペプチドと参照ポリペプチドとは、1つ以上の置換、付加、欠失の任
意の組み合わせによって、アミノ酸配列が異なり得る。ポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドの改変体は、対立遺伝子改変体のような天然に存在する改変体であり得るか、または
それは、天然に存在することが知られていない改変体であり得る。ポリヌクレオチドおよ
びポリペプチドの天然に存在しない改変体は、突然変異誘発または直接的合成によって作
製され得る。
(導入)
以下のセクションの順序は、提示上の効果のために示されており、以下の開示または特
許請求の範囲の限定として意図されてはおらず、解釈もされるべきでない。
(B.レセプター発現)
(1.目的のGPCRポリペプチド)
本発明のRUP43 GPCRは、GPR131アミノ酸配列を含む。本明細書におい
て使用される場合、「GPR131アミノ酸配列」は、配列番号2の内因性ヒトGPR1
31アミノ酸配列、および配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約75%、少なくとも
約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも
約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも
約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%もしくは少なくとも約99%同一な
、改変体アミノ酸配列を包含することを意図される。言い換えると、配列番号2のアミノ
酸配列の改変体を含むGPCRはまた、本方法に使用され得る。特定の実施形態において
、本方法に使用され得るGPCRは、配列番号2のアミノ酸配列の対立遺伝子改変体を含
み得る。特定の実施形態において、配列番号2のアミノ酸配列の対立遺伝子改変体は、プ
ライマー(配列番号3および配列番号4)を使用してヒトDNAサンプルにおいてポリメ
ラーゼ連鎖反応(PCR)を行うことによって得ることができる、内因性GPR131ヌ
クレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、配列番号2のアミ
ノ酸配列の対立遺伝子改変体は、配列番号3を含むプライマーおよび配列番号4を含むプ
ライマーを使用してヒトDNAサンプルにおいてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う
ことによって得ることができる、内因性GPR131ヌクレオチド配列によってコードさ
れる。特定の実施形態において、ヒトDNAサンプルは、ヒトゲノムDNAである。特定
の実施形態において、このプロセスは、RT−PCR(逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応)
である。RT−PCR技術は、当業者に周知である。特定の実施形態において、ヒトcD
NAサンプルは、ヒト単球またはヒトマクロファージのcDNAである。特定の実施形態
において、ヒトcDNAサンプルは、ヒト脂肪細胞cDNAである。特定の実施形態にお
いて、ヒトcDNAサンプルは、ヒト骨格筋細胞cDNAである。特定の実施形態におい
て、ヒトDNAサンプルは、提供される。特定の実施形態において、ヒトDNAサンプル
は、販売元から得ることができる。特定の実施形態において、本方法に使用され得る改変
体アミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸配列の哺乳動物オルソログである。例としてで
あり限定ではなく、ウサギ(例えば、GenBank(登録商標)登録番号BAC552
37)、牝ウシ(例えば、GenBank(登録商標)登録番号NP_778219)、
マウス(例えば、GenBank(登録商標)登録番号NP_778150)およびラッ
ト(例えば、GenBank(登録商標)登録番号NP_808797)のGPR131
アミノ酸配列が、「GPR131アミノ酸配列」の範囲内として想定されることが理解さ
れる。本明細書において使用される場合「GPR131 GPCR」は、内因性RUP4
3 GPCRである;例としてであり限定ではなく、内因性ヒトRUP43 GPCRは
、GenBank(登録商標)登録番号NM_170699のヒトGPR131(配列番
号2と同一なアミノ酸配列を有する)およびその対立遺伝子改変体であり、内因性ウサギ
RUP43 GPCRは、GenBank(登録商標)登録番号BAC55237のウサ
ギGPR131およびその対立遺伝子改変体であり、内因性牝ウシRUP43 GPCR
は、GenBank(登録商標)登録番号NP_778219の牝ウシGPR131およ
びその対立遺伝子改変体であり、内因性マウスRUP43 GPCRは、GenBank
(登録商標)登録番号NP_778150のマウスGPR131およびその対立遺伝子改
変体であり、そして内因性ラットRUP43 GPCRは、GenBank(登録商標)
登録番号NP_808797のラットGPR131およびその対立遺伝子改変体である。
【0366】
特定の実施形態において、本方法に使用され得るGPCRは、非内因性の、構成的に活
性化された配列番号2、配列番号2の対立遺伝子、または配列番号2の哺乳動物オルソロ
グのアミノ酸配列の変異体含み得る。当該分野で公知であるように、構成的に活性化され
たGPCRは、種々の方法を使用して作製され得る(例えば、PCT出願番号PCT/U
S98/07496、WO 98/46995として1998年10月22日に公開;お
よび米国特許第6,555,339号を参照のこと;これらの各々の開示は、その全体が
本明細書において参考として援用される)。非内因性の、構成的に活性化された内因性G
PR131の変異体である、配列番号2、配列番号2の対立遺伝子、もしくは配列番号2
の哺乳動物オルソログのアミノ酸配列、または配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約
75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約
91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約
95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%もしくは少なく
とも約99%同一なアミノ酸配列の生物学的に活性なフラグメントは、本方法に使用され
得る。例としてであり限定ではなく、N末端メチオニンまたはN末端シグナルペプチドの
欠失は、本方法に使用され得る生物学的に活性なフラグメントを提供することを想定され
る。さらなる例としてであり限定ではなく、本方法に使用され得るRUP43 GPCR
は、配列番号2のアミノ酸2〜330を含み得る(ただし、RUP43 Gタンパク質共
役レセプターは、配列番号2のアミノ酸1位にメチオニン残基を含まない)。
【0367】
特定の実施形態において、本方法に使用され得るGPCRは、配列番号2のアミノ酸配
列と少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90
%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94
%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98
%もしくは少なくとも約99%同一なアミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態において
、本方法に使用され得るGPCRは、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約95%、
少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%もしくは少なくとも約9
9%同一なアミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態において、本方法に使用され得るG
PCRは、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約75%同一なアミノ酸配列を含み得
る。特定の実施形態において、本方法に使用され得るGPCRは、配列番号2のアミノ酸
配列と少なくとも約80%同一なアミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態において、本
方法に使用され得るGPCRは、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約85%同一な
アミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態において、本方法に使用され得るGPCRは、
配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一なアミノ酸配列を含み得る。特定の
実施形態において、本方法に使用され得るGPCRは、配列番号2のアミノ酸配列と少な
くとも約91%同一なアミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態において、本方法に使用
され得るGPCRは、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約92%同一なアミノ酸配
列を含み得る。特定の実施形態において、本方法に使用され得るGPCRは、配列番号2
のアミノ酸配列と少なくとも約93%同一なアミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態に
おいて、本方法に使用され得るGPCRは、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約9
4%同一なアミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態において、本方法に使用され得るG
PCRは、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約95%同一なアミノ酸配列を含み得
る。特定の実施形態において、本方法に使用され得るGPCRは、配列番号2のアミノ酸
配列と少なくとも約96%同一なアミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態において、本
方法に使用され得るGPCRは、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約97%同一な
アミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態において、本方法に使用され得るGPCRは、
配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約98%同一なアミノ酸配列を含み得る。特定の
実施形態において、本方法に使用され得るGPCRは、配列番号2のアミノ酸配列と少な
くとも約99%同一なアミノ酸配列を含み得る。配列番号2のアミノ酸配列と、例えば少
なくとも95%「同一な」アミノ酸配列を有することは、そのアミノ酸配列が配列番号2
のアミノ酸配列と、配列番号2のアミノ酸配列の各100アミノ酸あたり5個までのアミ
ノ酸変化を含み得ることを除いて同一であることを意味する。したがって、配列番号2に
対して少なくとも95%同一性を有するアミノ酸配列を得るために、その配列中の5%(
100のうち5)までのアミノ酸残基が、配列番号2のアミノ酸配列に対して別のアミノ
酸によって挿入、欠失または置換され得る。これらの変更は、アミノ末端またはカルボキ
シル末端またはこれらの末端位置の間のいずれかにおいて、配列中の残基の中で個別にか
、または配列内の1つ以上の連続する群においてかのいずれかで間隔を空けて、起こり得
る。
【0368】
いくつかの実施形態において、本方法に使用され得るGPR131アミノ酸配列は、フ
ィルタに結合した配列番号1で示される配列を有するDNAに、ストリンジェントな条件
下でハイブリダイズするポリヌクレオチド配列に対して相補的な配列によってコードされ
る、Gタンパク質共役レセプターのアミノ酸配列である。例としてであり限定ではなく、
本方法に使用され得るGPR131アミノ酸配列は、配列番号1の相補体とストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされた、Gタンパク
質共役レセプターのアミノ酸配列である。ハイブリダイゼーション技術は、当業者に周知
である。好ましいストリンジェントな条件としては、以下:50%ホルムアミド、5×S
SC(150mM NaCl、15mMクエン酸3ナトリウム)、50mMリン酸ナトリ
ウム(pH7.6)、5×Denhardt溶液、10%硫酸デキストラン、および20
g/mlの変性せん断サケ精子DNAを含む溶液中での42℃での一晩のインキュベーシ
ョンに続く、約65℃での0.1×SSC中でのフィルタの洗浄を含む。
【0369】
(a.配列同一性)
クエリ配列(例えば、配列番号2のアミノ酸配列)と検索(interrogate)
されるべき配列との間の最も良好に重複したマッチを決定するための好ましい方法はまた
、グローバル配列アラインメントと称され、Brutlagら[Comp App Bi
osci(1990)6:237−245;この開示は、その全体が本明細書により参考
として援用される]のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータプログラムを使用
して決定され得る。配列アラインメントにおいて、クエリ配列および検索配列は、両方と
もアミノ酸配列である。このグローバル配列アラインメントの結果は、パーセント同一性
である。FASTDBアミノ酸アラインメントで使用される好ましいパラメータは、以下
である:マトリクス=PAM 0、k−tuple=2、ミスマッチペナルティ=1、連
結ペナルティ=20、ランダム化グループ=25、長さ=0、カットオフスコア=1、ウ
インドウサイズ=配列長、ギャップペナルティ=5、ギャップサイズペナルティ=0.0
5、ウインドウサイズ=247または検索アミノ酸配列の長さ(短いほう)。
【0370】
内部の欠失ではなくN末端もしくはC末端欠失に起因して検索配列がクエリ配列よりも
短い場合、結果(パーセント同一性)は手動で補正されなければならない。なぜなら、F
ASTDBプログラムは、グローバルパーセント同一性を計算する場合、検索配列のN末
端およびC末端の短縮を把握しないからである。N末端およびC末端で短縮された検索配
列に関しては、クエリ配列に対して、パーセント同一性は、検索配列のN末端およびC末
端である対応する検索配列残基にマッチ/整列しないクエリ配列の残基の数を、クエリ配
列の全塩基のパーセンテージとして計算することによって、補正される。残基がマッチ/
整列するか否かは、FASTDB配列アラインメントの結果によって決定される。次いで
、このパーセンテージは、特定のパラメータを使用して上記のFASTDBプログラムに
よって計算されるパーセント同一性から引き算されて、最終のパーセント同一性スコアを
達成する。この最終のパーセント同一性スコアは、本発明の目的のために使用されるもの
である。クエリ配列とマッチ/整列しない検索配列のN末端およびC末端に対する残基の
みが、パーセント同一性スコアを手動で調節するために考慮される。つまり、検索配列の
最も遠いN末端およびC末端残基の外側にあるクエリアミノ酸残基のみである。
【0371】
例えば、90アミノ酸残基の検索配列が、100残基のクエリ配列とアラインメントさ
れて、パーセント同一性を決定する。検索配列のN末端に欠失が生じ、したがって、FA
STDBアラインメントは、N末端の最初の残基をマッチ/整列しない。10個の対形成
しない残基は、配列の10%(マッチしないN末端およびC末端における残基数/クエリ
配列の残基の総数)を表し、したがって、10%がFASTDBプログラムによって計算
されたパーセント同一性スコアから引き算される。残りの90残基が完全にマッチした場
合、最終パーセント同一性は、90%である。
【0372】
別の例では、90残基の検索配列が100残基のクエリ配列と比較される。今回は、欠
失は内部であり、したがって検索配列のN末端もしくはC末端に、クエリとマッチ/整列
しない残基は存在しない。この場合、FASTDBによって計算されたパーセント同一性
は、手動で補正されない。やはり、被験配列のN末端およびC末端の外部の残基の位置の
みが、FASTDBアラインメントで表示され、クエリ配列とマッチ/整列しない場合、
手動で補正される。他の補正は、本発明の目的のために行われない。
【0373】
(b.融合タンパク質)
特定の実施形態において、目的のポリペプチドは、融合タンパク質であり、例えば、親
和性タグドメインまたはレポータードメインを含み得る。適切な親和性タグとしては、別
の部分(通常、別のポリペプチド、最も通常には、抗体)に特異的に結合し得る任意のア
ミノ酸配列が挙げられる。適切な親和性タグとしては、当該分野で公知であるように、エ
ピトープタグ(例えば、V5タグ、FLAGタグ、HAタグ(血球凝集素インフルエンザ
ウイルス由来)、mycタグなど)が挙げられる。適切な親和性タグとしてはまた、当該
分野で公知であるように、結合する基質が知られているドメイン(例えば、HIS、GS
TおよびMBPタグ)、ならびに特定の結合パートナー(例えば、抗体、特にモノクロー
ナル抗体)が利用可能な他のタンパク質由来のドメインが挙げられる。適切な親和性タグ
としてはまた、適切な結合パートナー(例えば、IgG Fcレセプター)を使用して特
異的に結合されて検出され得る、任意のタンパク質−タンパク質相互作用ドメイン(例え
ば、IgG Fc領域)が挙げられる。このような融合タンパク質が、代替的アミノ酸で
欠失もしくは置換されたN末端メチオニン残基を有していたGPCRとインフレームで融
合した異種N末端ドメイン(例えば、エピトープタグ)を含み得ることが、明らかに企図
される。
【0374】
適切なレポータードメインとしては、ポリペプチドの存在を報告し得る任意のドメイン
が挙げられる。例えば、タグに特異的に結合する標識抗体を使用してポリペプチドの存在
を報告するために、親和性タグが使用され得ることが認識されるが、発光レポータードメ
インが、より一般的に使用され得る。適切な発光レポータードメインとしては、ルシフェ
ラーゼ(例えば、ホタル、Vargula、Renilla reniformisもし
くはRenilla muelleri由来)、またはそれらの発光改変体が挙げられる
。他の適切なレポータードメインとしては、蛍光タンパク質(例えば、クラゲ、サンゴお
よび他の腔腸動物由来のもの、例えば、Aequoria、Renilla、Ptilo
sarcus、Stylatula種に由来するもの)、またはそれらの発光改変体が挙
げられる。これらのレポータータンパク質の発光改変体は、当該分野で非常に周知であり
、ネイティブレポータータンパク質と比較して、より明るくても、より暗くても、または
異なる励起および/もしくは放射スペクトルを有してもよい。例えば、いくつかの改変体
は、変更されて、もはや緑色には見えず、青色、シアン、黄色、増強された黄赤に見えて
もよく(それぞれ、BFP、CFP、YFP、eYFPおよびRFPと称される)、当該
分野で公知であるような他の放射スペクトルを有してもよい。他の適切なレポータードメ
インとしては、生化学的変化または色の変化を介してポリペプチドの存在を報告し得るド
メインが挙げられ得る(例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、クロラ
ムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、および分泌された胚アルカリホスファター
ゼ)。
【0375】
当該分野で公知であるように、親和性タグまたはレポータードメインは、目的のポリペ
プチドの任意の位置に存在し得る。しかし、ほとんどの実施形態において、これらは、目
的のポリペプチドのC末端もしくはN末端に存在する。
【0376】
(2.目的のGPCRポリペプチドをコードする核酸)
遺伝暗号および核酸を操作するための組換え技術は公知であり、そして目的のGPCR
ポリペプチドのアミノ酸配列が上記されているので、目的のGPCRポリペプチドをコー
ドする核酸の設計および生成は、十分当業者の技術範囲内である。特定の実施形態におい
て、標準的な組換えDNA技術法(Ausubelら,Short Protocols
in Molecular Biology,第3版,Wiley & Sons,1
995;Sambrookら,Molecular Cloning:A Labora
tory Manual,第2版,(1989)Cold Spring Harbor
,N.Y.)が使用される。例えば、GPCRをコードする配列は、GPCRをコードす
る配列のライブラリから、種々の組換え法(本明細書において記載する必要はない)のい
ずれか1つまたはその組み合わせを使用して、単離され得る。その後、タンパク質をコー
ドする核酸配列におけるヌクレオチドの置換、欠失および/もしくは付加が、標準的な組
換えDNA技術を使用してまた行われ得る。
【0377】
例えば、部位依存性突然変異誘発およびサブクローニングが、目的のポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチド中の核酸残基を導入/欠失/置換するために使用され得る。他
の実施形態において、PCRが使用され得る。目的のポリペプチドをコードする核酸はま
た、化学合成によって、オリゴヌクレオチドから全体的に生成され得る(例えば、Cel
loら,Science(2002)297:1016−8)。
【0378】
いくつかの実施形態において、目的のポリペプチドをコードする核酸のコドンは、特定
の種の細胞、特に、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、非ヒト霊長類、ま
たはヒト種)細胞における発現について、最適化される。いくつかの実施形態において、
目的のポリペプチドをコードする核酸のコドンは、特定の種(特に、両生類の種)の細胞
における発現について、最適化される。
【0379】
(a.ベクター)
本発明は、本発明の核酸を含むベクター(「構築物」とも称される)をさらに提供する
。本発明の多くの実施形態において、本発明の核酸配列は、配列が発現制御配列(例えば
、プロモーターが挙げられる)に作動可能に連結された後、宿主細胞中で発現される。本
発明の核酸はまた、代表的に、エピソームとしてかまたは宿主の染色体DNAの組み込ま
れた一部としてのいずれかで宿主細胞中で複製され得る、発現ベクター中に配置される。
一般的に、発現ベクターは、選択マーカー(例えば、テトラサイクリンもしくはネオマイ
シン)を含み、所望のDNA配列で形質転換された細胞の検出を可能にする(例えば、米
国特許第4,704,362号を参照のこと、これは、本明細書において参考として援用
される)。ベクター(単一および二重発現カセットベクターを含む)は、当該分野で周知
である(Ausubelら,Short Protocols in Molecula
r Biology,第3版,Wiley & Sons,1995;Sambrook
ら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,
第2版,(1989)Cold Spring Harbor,N.Y.)。適切なベク
ターとしては、ウイルスベクター、プラスミド、コスミド、人工染色体(ヒト人工染色体
、細菌人工染色体、酵母人工染色体など)、小型染色体などが挙げられる。レトロウイル
ス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルスベクターが使用され得る。
【0380】
種々の発現ベクターが、細胞で目的のポリペプチドを生成するために、当業者に利用可
能である。1つの適切なベクターは、pCMVであり、これは特定の実施形態において使
用される。このベクターは、1998年10月13日にAmerican Type C
ulture Collection(ATCC)(10801 University
Blvd.,Manassas,VA 20110−2209 USA)に、特許手続
上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の規定に基づいて寄託された。こ
のDNAは、ATCCによって試験され、生存が確認された。ATCCは、pCMVに、
ATCC#203351の登録番号を割り当てた。
【0381】
本発明の核酸は、通常、目的の本発明のポリペプチドをコードする単一のオープンリー
ディングフレームを含む。しかし、特定の実施形態において、目的のポリペプチドの発現
のための宿主細胞は真核生物細胞(例えば、ヒト細胞のような哺乳動物細胞)であり得る
ので、オープンリーディングフレームは、イントロンによって中断され得る。本発明の核
酸は、代表的に、RNA安定性、翻訳効率などに関与し得る本発明の核酸の3’および5
’未翻訳領域(UTR)に加えて含み得る、転写単位の一部である。本発明の核酸はまた
、本発明の核酸に加えて、目的のポリペプチドの転写および発現に関するプロモーター、
ならびに転写ターミネーターを含む、発現カセットの一部であり得る。
【0382】
真核生物プロモーターは、ウイルスプロモーターおよび真核生物遺伝子由来のプロモー
ターを含む、真核生物宿主細胞で機能性である任意のプロモーターであり得る。例示的な
真核生物プロモーターとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:マウスメ
タロチオネインI遺伝子配列のプロモーター(Hamerら,J.Mol.Appl.G
en.1:273−288,1982);ヘルペスウイルスのTKプロモーター(McK
night,Cell 31:355−365,1982);SV40早期プロモーター
(Benoistら,Nature(London)290:304−310,1981
);酵母gall遺伝子配列プロモーター(Johnstonら,Proc.Natl.
Acad.Sci.(USA)79:6971−6975,1982);Silverら
,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)81:5951−59SS,19
84),CMVプロモーター、EF−1プロモーター、エクジソン反応性プロモーター、
テトラサイクリン反応性プロモーターなど。ウイルスプロモーターは、特に関心のあるも
のであり得る。なぜなら、これらは、一般的に特に強力なプロモーターであるからである
。特定の実施形態において、標的病原体のプロモーターであるプロモーターが使用される
。本発明において使用するためのプロモーターは、それらが導入される細胞型(および/
もしくは動物)において機能性であるように選択される。特定の実施形態において、プロ
モーターは、CMVプロモーターである。
【0383】
特定の実施形態において、本発明のベクターはまた、選択可能なマーカーの発現を提供
し得る。適切なベクターおよび選択可能なマーカーは、当該分野で周知であり、そして以
下において考察されている:Ausubelら(Short Protocols in
Molecular Biology,第3版,Wiley & Sons,1995
)およびSambrookら(Molecular Cloning:A Labora
tory Manual,第3版n,(2001)Cold Spring Harbo
r,N.Y.)。種々の異なる遺伝子が選択可能なマーカーとして利用されており、本発
明のベクターにおいて選択可能なマーカーとして利用される特定の遺伝子は、便宜的に選
択される。公知の選択可能なマーカー遺伝子としては、以下が挙げられる:チミジンキナ
ーゼ遺伝子、ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、キサンチン−グアニンホスホリボシルト
ランスフェラーゼ遺伝子、CAD、アデノシンデアミナーゼ遺伝子、アスパラギンシンテ
ターゼ遺伝子、抗生物質耐性遺伝子(例えば、tetr、ampr、Cmrもしくはca
t、kanrまたはneor(アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子)、ハ
イグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ遺伝子など。
【0384】
上述のように、目的のポリペプチドは、親和性ドメインおよび/またはレポータードメ
インを含む融合タンパク質であり得る。レポーターもしくはタグとGPCR(例えば、G
PCRのC末端もしくはN末端)との間に融合を作製するための方法は、十分に当業者の
技術範囲内であり(例えば、McLeanら,Mol.Pharma.Mol Phar
macol.1999 56:1182−91;Ramsayら,Br.J.Pharm
acology,2001,315−323)、これ以上記載しない。このような融合タ
ンパク質が、N末端メチオニン残基が代替的アミノ酸で欠失されたか置換されたかのいず
れかであるGPCRとインフレームで融合した、異種N末端ドメイン(例えば、エピトー
プタグ)を含み得ることが明確に企図される。目的のポリペプチドがネイティブポリペプ
チドから最初に作製され得、次いで、上記のような適切なレポーター/タグに作動可能に
連結されることが理解される。
【0385】
本発明の核酸はまた、目的のポリペプチドをコードする核酸の構築を促進するために、
制限部位、複数のクローニング部位、プライマー結合部位、ライゲーション末端、組換え
部位などを含み得る。
【0386】
(b.宿主細胞)
本発明はさらに、本発明の核酸を含むベクターを含む宿主細胞を提供する。適切な宿主
細胞としては、原核生物(例えば、細菌細胞(例えば、E.coli))ならびに真核生
物細胞(例えば、動物細胞(例えば、昆虫、哺乳動物、魚類、両生類、鳥類、もしくは爬
虫類の細胞)、植物細胞(例えば、トウモロコシもしくはシロイヌナズナ細胞)、または
真菌細胞(例えば、S.cerevisiae細胞))が挙げられる。特定の実施形態に
おいて、目的のポリペプチドをコードする核酸の発現に適切な任意の細胞が、宿主細胞と
して使用され得る。通常、動物宿主細胞株が使用される例としては、以下である:サル腎
臓細胞(COS細胞)、SV40によって形質転換されたサル腎臓CVI細胞(COS−
7、ATCC CRL 165 1);ヒト胚腎臓細胞(HEK−293(「293」)
、Grahamら,J.Gen Virol.36:59(1977));HEK−29
3T(「293T」)細胞;新生仔ハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 1
0);チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO,UrlaubおよびChasin,P
roc.Natl.Acad.Sci.(USA)77:4216,(1980);シリ
アンゴールデンハムスター細胞MCB3901(ATCC CRL−9595);マウス
セルトーリ細胞(TM4,Mather,Biol.Reprod.23:243−25
1(1980));サル腎臓細胞(CVI ATCC CCL 70);アフリカミドリ
ザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC CRL−1587);ヒト子宮頸癌細胞(H
ELA、ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34)
;バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺
細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(hep G2、HB 80
65);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL 51);TRI細
胞(Matherら,Annals N.Y.Acad.Sci 383:44−68(
1982));NIH/3T3細胞(ATCC CRL−1658);およびマウスL細
胞(ATCC CCL−1)。特定の実施形態において、メラニン保有細胞が使用される
。メラニン保有細胞は、下等脊椎動物に見出される皮膚細胞である。関連する材料および
方法は、米国特許第5,462,856号および同第6,051,386号の開示に従う
。これらの特許の開示は、本明細書によってその全体が参考として援用される。さらなる
細胞株は、当業者に明らかであり、種々の細胞株が、American Type Cu
lture Collection(10801 University Boulev
ard,Manassas,Va.20110−2209)から利用可能である。
【0387】
(C.候補化合物のスクリーニング)
(1.一般的GPCRスクリーニングアッセイ技術)
Gタンパク質レセプターが活性になる場合、それは、Gタンパク質(例えば、Gq,G
s,Gi,Gz,Go)に結合して、GTPのGタンパク質への結合を刺激する。次いで
、Gタンパク質は、GTPaseとして作用し、GTPをGDPへとゆっくりと加水分解
する。これによって、レセプターは、通常の条件下で、脱活性化される。しかし、活性化
したレセプターは、GDPをGTPへと変換し続ける。GTPの非加水分解性アナログで
ある[35S]GTPγSは、活性化されたレセプターを発現する膜への増強された結合
をモニタリングするために使用され得る。リガンドの存在下および非存在下で膜へのGタ
ンパク質共役をモニタリングするために、[35S]GTPγSが使用され得ることが報
告されている。とりわけ当業者に周知であり、利用可能であるモニタリングの例は、Tr
aynorおよびNahorskiによって1995年に報告された。このアッセイの好
ましい使用は、候補化合物の初期スクリーニングのための使用である。なぜなら、この系
は、特定のGタンパク質に関わらず、レセプターの細胞内ドメインと相互作用するあらゆ
るGタンパク質共役レセプターに対して、一般的に適用可能だからである。
【0388】
(2.特異的GPCRスクリーニングアッセイ技術)
一旦候補化合物が「一般的」Gタンパク質共役レセプターアッセイ(すなわち、アゴニ
ストもしくは逆アゴニストである化合物を選択するためのアッセイ)を使用して同定され
た場合、いくつかの実施形態において、化合物がレセプター部位で相互作用することを確
認するためのさらなるスクリーニングが好ましい。例えば、「一般的」アッセイによって
同定される化合物はレセプターに結合していなくともよいが、代わりに、細胞内ドメイン
由来のGタンパク質に「結合しない」だけでもよい。
【0389】
(Gs,GzおよびGi)
Gsは、酵素アデニリルシクラーゼを刺激する。Gi(およびGzおよびGo)は、一
方で、アデニリルシクラーゼを阻害する。アデニリルシクラーゼは、ATPからcAMP
への変換を触媒する。したがって、Gsタンパク質に結合する活性化されたGPCRは、
cAMPの細胞レベルの増加に関連する。一方、Gi(またはGz,Go)タンパク質に
結合する活性化されたGPCRは、cAMPの細胞レベルの減少に関連する。一般的に、
「Indirect Mechanisms of Synaptic Transmi
ssion」第8章,From Neuron To Brain(第3版)Nicho
ls,J.G.ら編、Sinauer Associates,Inc.(1992)を
参照のこと)。従って、cAMPを検出するアッセイは、候補化合物(例えば、逆アゴニ
スト)がレセプターに対する(すなわち、このような化合物は、cAMPレベルを減少さ
せる)ものか否かを決定するために利用され得る。当該分野で公知のcAMPを測定する
ための種々のアプローチが、利用され得る。いくつかの実施形態において、好ましいアプ
ローチは、ELISAベースの形式における抗cAMP抗体の使用に依存する。使用され
得る別の型のアッセイは、全細胞セカンドメッセンジャーレポーターシステムアッセイで
ある。遺伝子上のプロモーターは、特定の遺伝子がコードするタンパク質の発現を駆動す
る。サイクリックAMPは、cAMP反応性DNA結合Gタンパク質、またはcAMP反
応性エレメントと呼ばれる特定の部位でプロモーターに結合してその遺伝子の発現を駆動
する転写因子(CREB)への結合を促進することによって、遺伝子発現を駆動する。レ
ポーター遺伝子の前に複数のcAMP反応性エレメントを含むプロモーターを有するレポ
ーターシステムが構築され得る(例えば、β−ガラクトシダーゼもしくはルシフェラーゼ
)。したがって、活性化されたGs結合レセプターは、次に遺伝子およびレポータータン
パク質の発現を活性化させるcAMPの蓄積を引き起こす。レポータータンパク質(例え
ば、β−ガラクトシダーゼまたはルシフェラーゼは、次いで、標準的な生化学的アッセイ
を使用して検出され得る(Chenら1995)。
【0390】
(GoおよびGq)
GqおよびGoは、酵素ホスホリパーゼCの活性化に関与する。これは次に、リン脂質
PIPを加水分解し、2つの細胞内メッセンジャー(ジアシルグリセロール(DAG)
およびイノシトール1,4,5−三リン酸(IP))を放出する。IPの蓄積の増加
は、Gq関連およびGo関連レセプターの活性化に関する。一般的に、「Indirec
t Mechanisms of Synaptic Transmission」,第
8章,From Neuron To Brain(第3版)Nichols,J.G.
ら編,Sinauer Associates,Inc.(1992)を参照のこと。I
蓄積を検出するアッセイは、候補化合物が、例えば、Gq関連およびGo関連レセプ
ターの逆アゴニストである(すなわち、このような化合物は、IPのレベルを減少させ
る)か否かを決定するために使用され得る。Gq関連レセプターはまた、APIレポータ
ーアッセイを使用して調べられ得る。このアッセイにおいては、Gq依存性ホスホリパー
ゼCは、APIエレメントを含む遺伝子の活性化を引き起こし、したがって、活性化され
たGq関連レセプターは、このような遺伝子の発現の増加を証明し、それによってその逆
アゴニストは、このような発現の減少を証明し、そしてアゴニストは、このような発現の
増加を証明する。このような検出のための市販のアッセイが利用可能である。
【0391】
(3.GPCR融合タンパク質)
逆アゴニストもしくはアゴニストの直接同定のための候補化合物のスクリーニングに使
用するための、内因性の、構成的に活性なGPCRまたは非内因性の、構成的に活性化さ
れたGPCRの使用は、興味深いスクリーニングの課題を提供する。ここで、定義による
と、レセプターは、それに結合する内因性リガンドの非存在下でもなお活性である。した
がって、このような化合物が逆アゴニストもしくはアゴニストであり得るか、またはこの
ようなレセプターに何の影響も有さないか否かについて理解することを可能にするために
、例えば、候補化合物の存在下での非内因性レセプターと、その化合物の非存在下での非
内因性レセプターとを区別するため、いくつかの実施形態において、利用されるアプロー
チがそのような区別を増強し得ることが好ましい。いくつかの実施形態において、好まし
いアプローチは、GPCR融合タンパク質の使用である。
【0392】
一般的に、上記のアッセイ技術(および当業者に公知の他の技術)を使用して非内因性
GPCRが構成的に活性化されたことが一旦決定されると、内因性GPCRに結合する優
勢なGタンパク質を決定することが可能である。Gタンパク質のGPCRへの結合は、評
価され得るシグナル伝達経路を提供する。いくつかの実施形態において、哺乳動物発現系
を使用してスクリーニングを行うことが好ましい。したがって、系は、その中に内因性G
タンパク質を有することが予測される。したがって、定義されるように、このような系に
おいては、非内因性の、構成的に活性化されたGPCRは、継続的にシグナル伝達される
。いくつかの実施形態において、このシグナルが、例えばレセプターに対する逆アゴニス
トの存在下で、特にスクリーニングの状況下で、レセプターが逆アゴニストと接触する場
合にそのレセプター間で、より容易に区別できる可能性が高まるように、増強されること
が好ましい。
【0393】
GPCR融合タンパク質は、非内因性GPCRとのGタンパク質の結合の効力を増強す
ることが意図される。GPCR融合タンパク質は、内因性の、構成的に活性なGPCRま
たは非内因性の、構成的に活性化されたGPCRのいずれかによってスクリーニングする
ために好まれ得る。なぜなら、このようなアプローチは、このようなスクリーニング技術
において生成されるシグナルを増加させるからである。これは、顕著な「信号対雑音」比
を促進するために重要である。このような明らかな比は、本明細書において開示される候
補化合物のスクリーニングのために好ましい。
【0394】
GPCR融合タンパク質の発現に有用な構築物の構築は、当業者の範囲内である。市販
の発現ベクターおよび発現系は、研究者の特定の必要性に適合し得る種々のアプローチを
提供する。このようなGPCR融合タンパク質構築物の構築における重要な基準としては
、以下が挙げられるが、これらに限定されない:GPCR配列およびGタンパク質配列の
両方がフレーム内であること(好ましくは、内因性GPCRについての配列は、Gタンパ
ク質配列の上流である)、およびGPCRの「停止」コドンが、GPCRの発現の際にG
タンパク質もまた発現され得るように、削除もしくは置き換えられていること。GPCR
はGタンパク質に直接的に結合され得るか、または2つの間にスペーサー残基が存在し得
る(好ましくは、約12以下であるが、この数は当業者によって容易に確認され得る)。
便宜上、スペーサーを使用することが好ましい。いくつかの実施形態において、GPCR
融合タンパク質構築物の作製前に非内因性GPCRに結合するGタンパク質が同定される
ことが好ましい。同定されているGタンパク質は数個しか存在しないため、Gタンパク質
の配列を含む構築物(すなわち、ユニバーサルGタンパク質構築物、実施例5(a)参照
)が、その中への内因性GPCR配列の挿入のために利用可能であることが好ましい。こ
のことは、異なる配列を有する種々の異なる内因性GPCRの大規模スクリーニングの状
況で、さらなる有効性を提供する。
【0395】
上記のように、Gi、GzおよびGoに結合する活性化されたGPCRは、cAMPの
形成を阻害することが予測され、これらの型のGPCR負荷に基づくアッセイを作製する
[すなわち、cAMPシグナルは、活性化により減少し、したがって、例えばアゴニスト
(これは、さらにこのシグナルを減少させる)負荷の、直接的同定を行わせる]。本明細
書において開示されるように、これらの型のレセプターに関して、存続可能なシクラーゼ
ベースのアッセイを確立する目的で、GPCRの内因性Gタンパク質に基づかないGPC
R融合タンパク質を生成する可能性があることが確認された。したがって、例えば、内因
性Gi結合レセプターは、Gsタンパク質に融合され得る。このような融合構築物は、発
現されると、内因性GPCRが、例えば、「天然の」Giタンパク質よりもGsに結合す
ることを、「駆動」または「強制」し、その結果シクラーゼベースのアッセイが確立され
得る。したがって、Gi、GzおよびGo結合レセプターに関しては、いくつかの実施形
態において、GPCR融合タンパク質が使用されて、アッセイがアデニリルシクラーゼ活
性の検出に基づく場合、融合構築物はGs(または、酵素アデニリルシクラーゼの形成を
刺激する等価なGタンパク質)により確立されることが好ましい。
【0396】
【表2】

同等に有効であるのは、Gs、Gi、GzまたはGoタンパク質に融合されたGqタン
パク質を使用するGタンパク質融合構築物である。いくつかの実施形態において、好まし
い融合構築物は、Gタンパク質のαサブユニット(「Gαq」)の最初の6アミノ酸が欠
失されており、GαqのC末端における最後の5アミノ酸が目的のGタンパク質のGαの
対応するアミノ酸に置き換えられている、Gqタンパク質によって達成され得る。例えば
、融合構築物は、Giタンパク質に融合されたGq(6アミノ酸欠失)を有し得る。これ
によって「Gq/Gi融合構築物」が得られる。この融合構築物は、内因性Gi結合レセ
プターをその非内因性Gタンパク質(Gq)に結合させ、その結果セカンドメッセンジャ
ー(例えば、イノシトール三リン酸もしくはジアシルグリセロール)を、cAMP産生の
代わりに測定し得る。
【0397】
(標的Gi結合GPCRとシグナルエンハンサーGs結合GPCRとの同時トランスフ
ェクション(cAMPベースのアッセイ))
Gi結合レセプターは、アデニリルシクラーゼを阻害し、それによってcAMP産生の
レベルを減少させることが知られている。このことは、cAMPレベルの評価をやりがい
のあるものとさせ得る。特定の実施形態において、活性によって優先的にGiに結合する
レセプターの活性化の指標としてのcAMPの産生の減少の測定に有効な技術は、シグナ
ルエンハンサー(例えば、活性化によってGsに優先的に結合する非内因性の、構成的に
活性化されたレセプター(例えば、TSHR−A623I;下記参照))とGi結合GP
CRとの同時トランスフェクションによって達成され得る。明らかであるように、Gs結
合レセプターの活性化は、cAMPの産生の増加に基づいて決定され得る。Gi結合レセ
プターの活性化は、cAMPの産生の減少をもたらす。したがって、これらの「対照的」
影響を有利に活用する同時トランスフェクションアプローチが意図される。例えば、非内
因性の、構成的に活性化されたGs結合レセプター(「シグナルエンハンサー」)と発現
ベクター単独との同時トランスフェクションは、ベースラインcAMPシグナルを提供す
る(すなわち、Gi結合レセプターはcAMPレベルを減少させるが、この「減少」は、
構成的に活性化されたGs結合シグナルエンハンサーによって確立されたcAMPレベル
の実質的な増加と関連する)。従って、シグナルエンハンサーと「標的」レセプターとの
同時トランスフェクションによって、Gi結合標的レセプターの逆アゴニストは、測定さ
れたcAMPシグナルを増加させ、一方Gi結合標的レセプターのアゴニストは、このシ
グナルを減少させる。
【0398】
このアプローチを使用して直接的に同定される候補化合物は、これらがシグナル増強レ
セプターを標的しないことを確実にするために、独立に評価されるべきである(これは、
同時トランスフェクションされたレセプターに対してスクリーニングする前もしくは後に
行われ得る)。
【0399】
(D.医薬品化学)
(候補化合物)
当該分野で公知の任意の分子は、本発明のGPCRの活性を調節(増加もしくは減少)
するその能力について試験され得る。活性を調節する化合物を同定するため、候補化合物
は、レセプターを発現する細胞に直接的に提供され得る。
【0400】
本発明のこの実施形態は、レセプターの量もしくは活性を調節(例えば、阻害、アンタ
ゴナイズ、またはアゴナイズ)する分子の化学ライブラリをスクリーニングするために非
常に適している。化学ライブラリは、ペプチドライブラリ、ペプチド模倣物ライブラリ、
化学的に合成されたライブラリ、組換え(例えば、ファージディスプレイ)ライブラリ、
およびインビトロ翻訳ベースのライブラリ、他の非ペプチド性合成有機物ライブラリなど
であり得る。本発明のこの実施形態はまた、生物学的物質(血漿および組織抽出物が挙げ
られるが、これらに限定されない)を含む内因性候補化合物をスクリーニングするため、
および生物学的活性を有することが公知である内因性化合物のライブラをスクリーニング
するために非常に適している。
【0401】
いくつかの実施形態において、候補化合物の直接同定は、コンビナトリアルケミストリ
技術を介して生成される化合物とあわせて行われ、これによって、数千の化合物は、この
ような分析のために無作為に調製される。候補化合物は、化学ライブラリのメンバーであ
り得る。これは、任意の都合よい数の個別のメンバーを含み得る。メンバーは、例えば、
何十何百何千何百万の適切な化合物、例えば、ペプチド、ペプトイドおよび他のオリゴマ
ー化合物(環状もしくは直鎖状)、ならびにテンプレートベースの小分子(例えば、ベン
ゾジアゼピン、ヒダントイン、ビアリール、炭素環式化合物および多環式化合物(例えば
、ナフタレン、フェノチアジン、アクリジン、ステロイドなど)、炭水化物、ならびにア
ミノ酸誘導体)、ジヒドロピリジン、ベンズヒドリル、ならびに複素環(例えば、トリジ
ン、インドール、チアゾリジンなど)である。引用した数および列挙した化合物の型は、
例示であって限定ではない。好ましい化学ライブラリは、低分子量かつ潜在的な治療因子
である化学化合物を含む。
【0402】
例示的な化学ライブラリは、数箇所の供給元(ArQule、Tripos/PanL
abs、ChemDesign、Pharmacopoeia)から市販されている。い
くつかの場合、これらの化学ライブラリは、メンバー化合物が固定されている基材上のラ
イブラリの各メンバーの識別表示をコードし、したがって有効なモジュレーターである分
子の直接的かつ即時的な同定を可能にする、コンビナトリアル方法を使用して生成される
。したがって、多くのコンビナトリアルアプローチにおいて、化合物のプレート上の位置
は、化合物の組成を特定する。また、一例では、単一のプレート位置が1〜20の化学物
質を有し得、これらは目的の相互作用物を含むウェルへの投与によってスクリーニングさ
れ得る。したがって、調節が検出される場合、ずっと少数の相互作用対が活性の調節に関
してアッセイされ得る。このような方法によって、多くの候補分子がスクリーニングされ
得る。
【0403】
使用のための多くの多様なライブラリは、当該分野で公知であり、本発明に従って試験
される化合物を提供するために使用され得る。あるいは、ライブラリは、標準的な方法を
使用して構築され得る。さらに、より一般的には、構造的に制約された、有機物の多様な
(例えば、非ペプチド)ライブラリが、また使用され得る。例として、ベンゾジアゼピン
ライブラリが使用され得る(例えば、Buninら,1994,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 91:4708−4712を参照のこと)。
【0404】
本発明の別の実施形態において、コンビナトリアルケミストリは、本発明のGPCRの
モジュレーターを同定するために使用され得る。コンビナトリアルケミストリは、数十万
の化合物を含むライブラリを作製し得る。化合物の多くは、構造的に類似している。ハイ
スループットスクリーニングプログラムは、これらの巨大なライブラリを、既知の標的に
対する親和性についてスクリーニングし得るが、より小規模であるが最大の化学的多様性
を提供するライブラリを実現する、新規のアプローチが開発された(例えば、Matte
r,1997,Journal of Medicinal Chemistry 40
:1219−1229を参照のこと)。
【0405】
コンビナトリアルケミストリの1つの方法である親和性フィンガープリンティングは、
規定のタンパク質のパネルに対する結合親和性について個別の小分子のライブラリを試験
するために以前に使用されている。スクリーニングによって得られるフィンガープリント
は、目的の他のタンパク質もしくはレセプター(本発明においては、本発明のレセプター
)に対する個々のライブラリメンバーの親和性を予測するために使用される。フィンガー
プリントは、目的のタンパク質と反応することが知られている他の化合物から得られるフ
ィンガープリントと比較されて、ライブラリ化合物が同様に反応し得るか否かを予測する
。例えば、大きなライブラリ中の全てのリガンドを複合体もしくはタンパク質成分との相
互作用に関して試験するのではなく、その活性を有することが知られている他の化合物と
類似するフィンガープリントを有するリガンドのみが試験され得る。(例えば、Kauv
arら,1995,Chemistry and Biology 2:107−118
;Kauvar,1995,Affinity fingerprinting,Pha
rmaceutical Manufacturing International.
8:25−28;ならびにKauvar,Toxic−Chemical Detect
ion by Pattern Recognition in New Fronti
ers in Agrochemical Immunoassay,D.Kurtz.
L.StankerおよびJ.H.Skerritt編,1995,AOAC:Wash
ington,D.C.,305−312を参照のこと)。
【0406】
(モジュレーターとして同定される候補化合物)
一般的に、このようなスクリーニングの結果は、独特のコア構造を有する化合物である
。その後、これらの化合物は、好ましいコア構造の周りでさらなる化学的修飾に供されて
、その医薬特性をさらに増強され得る。このような技術は、当業者に公知であり、本特許
文献においては詳細を扱わない。
【0407】
特定の実施形態において、上記の同定されたモジュレーターは、バイオアベイラビリテ
ィーがある。薬物の経口バイオアベイラビリティーを予測するための、当業者に利用可能
な多くの計算機的アプローチが開発されている(Oomsら,Biochim Biop
hys Acta(2002)1587:118−25;Clark & Groote
nhuis,Curr OpinDrug Discov Devel(2002)5:
382−90;Chengら,J Comput Chem(2002)23:172−
83;Norinder & Haeberlein,Adv Drug Deliv
Rev(2002)54:291−313;Matterら,Comb Chem Hi
gh Throughput Screen(2001)4:453−75;Podlo
gar & Muegge,Curr Top Med Chem(2001)1:25
7−75;これらの各々の開示は、本明細書によってその全体が参考として援用される)
。さらに、陽電子断層撮影法(PET)は、多数のグループによって、薬物分布の直接的
測定を得るために、成功裏に使用されている(薬物の経口投与後の哺乳動物の体における
(非ヒト霊長類の体およびヒトの体を含む)、経口バイオアベイラビリティーの評価を含
む)[Nodaら,J Nucl Med(2003)44:105−8;Gulyas
ら,Eur J Nucl Med Mol Imaging(2002)29:103
1−8;Kanervaら,Psychopharmacology(1999)145
:76−81;これらの各々の開示は、本明細書によってその全体が参考として援用され
る]。また、実施例25を含む下記参照。
【0408】
特定の実施形態において、上記のバイオアベイラビリティーのある同定されたモジュレ
ーターは、さらに、血液脳関門を横切ることができる。当業者に利用可能な多数の計算機
的アプローチが、血液脳関門の透過を予測するために開発されている(Oomsら,Bi
ochim Biophys Acta(2002)1587:118−25;Clar
k & Grootenhuis,Curr OpinDrug Discov Dev
el(2002)5:382−90;Chengら,J Comput Chem(20
02)23:172−83;Norinder & Haeberlein,Adv D
rug Deliv Rev(2002)54:291−313;Matterら,Co
mb Chem High Throughput Screen(2001)4:45
3−75;Podlogar & Muegge,Curr Top Med Chem
(2001)1:257−75;これらの各々の開示は、本明細書によってその全体が参
考として援用される)。多くのインビトロ法が、薬物の血液脳関門透過性を予測するため
に開発されている[Lohmannら,J Drug Target(2002)10:
263−76;Hansenら,J Pharm Biomed Anal(2002)
27:945−58;Otisら,J Pharmocol Toxicol Meth
ods(2001)45:71−7;Dehouckら,J Neurochem(19
90)54:1798−801;これらの各々の開示は、本明細書によってその全体が参
考として援用される]。さらに、多くの方法が、血液脳関門を横切る薬物送達を増強する
ために開発されている[Scherrmann,Vascul Pharmacol(2
002)38:349−54;Pardridge,Arch Neurol(2002
)59:35−40;Pardridge,Neuron(2002)36:555−8
;これらの各々の開示は、本明細書によってその全体が参考として援用される]。最後に
、陽電子断層撮影法(PET)は、多くのグループによって、哺乳動物の体(非ヒト霊長
類の体およびヒトの体を含む)における、薬物分布(脳内を含む)の直接測定を得るため
に成功裏に使用されている[Nodaら,J Nucl Med(2003)44:10
5−8;Gulyasら,Eur J Nucl Med Mol Imaging(2
002)29:1031−8;Kanervaら,Psychopharmacolog
y(1999)145:76−81;これらの各々の開示は、本明細書によってその全体
が参考として援用される]。また、実施例26を含む下記参照。
【0409】
(E.本発明の化合物)
本発明の1つの局面は、式(II)の化合物:
【0410】
【化3】

または、その薬学的に受容可能な塩に関し、
ここで、
は、HまたはC1−6アルキルであり;
は、2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−3−イル
基であるか;または、
およびRは、それらが結合する窒素と一緒になって、3,4−ジヒドロ−2H−
キノリン−1−イル基を形成し;そして
10およびR11は、各々独立して、Hまたはハロゲンである。
【0411】
(F.本発明の化合物を生成するための合成方法)
(本発明の化合物の調製−一般的合成方法)
本発明の新規化合物は、種々の合成方法に従って容易に調製され得る。これらの合成方
法の全ては、当業者によく知られている。本発明の化合物の調製のために特定の方法とし
ては、下記のスキーム1〜3に記載される方法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0412】
新規の2−ピペリジン−4−イル−チアゾールの中間体(AD)は、スキーム1に示さ
れるように調製され得る。窒素のところで適切な保護基(すなわち、PG)によって保護
されたチオアミド(AA)は、3−ハロ−2−オキソ−プロピオン酸(AB)とのハンチ
様反応を介して環化され、カルボン酸のところで保護されて、ジ−保護化2−ピペリジン
−4−イル−チアゾール(AC)を生じる。一般的に、2つの保護基は異なっている。環
化のための適切な溶媒としては、例えば、アルコール(例えば、メタノール、エタノール
およびプロパノール)、低級ハロゲン化炭素(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン
およびクロロホルム)、DMFなどが挙げられる。環化のための反応温度は、およそ室温
からおよそ使用される溶媒の沸点までの範囲であり得る。一般的に、この温度範囲は、約
50℃〜約90℃である。
【0413】
チオアミド(AA)のための適切な保護基としては、t−ブチルカルバメート(BOC
)、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)な
どが挙げられる。種々の方法が、チオアミド(AA)の窒素を保護するために使用され得
る。例えば、t−ブチルカルバメート基は、種々の試薬(例えば、(BOC)O)と適
切な塩基(例えば、NaOH、KOHもしくはMeNOH)を使用して、適切な溶媒中
(THF、CHCN、DMF、EtOH、MeOH、HO、もしくはそれらの混合物
)で、約0℃〜約50℃の温度で導入され得る。
【0414】
3−ハロ−2−オキソ−プロピオン酸(AB)のための適切な保護基としては、アルキ
ルエステル(例えば、メチル、エチル、プロピルおよびt−ブチル)、置換メチルエステ
ル(例えば、メトキシメチル、メトキシエトキシメチルおよびベンジルオキシメチル)、
必要に応じて置換されたベンジルエステル(例えば、ベンジル、4−メトキシベンジル、
および2,6−ジメトキシベンジル)などが挙げられる。1つの特定の有用な保護化3−
ハロ−2−オキソ−プロピオン酸(AB)は、3−ブロモ−2−オキソ−プロピオン酸エ
チルエステルであり、これはまた一般的に、エチルブロモピルベートとも称される。
【0415】
多岐に渡る合成的変換に適切な他の代表的な保護基は、GreeneおよびWuts,
Protective Groups in Organic Synthesis,第
3版,John Wiley & Sons,New York,1999に開示されて
いる(この開示は、その全体が本明細書において参考として援用される)。
【0416】
便宜上、2−ピペリジン−4−イル−チアゾール(AC)における2つの保護基が選択
され、そして、1つの保護基は、他の保護基に実質的に影響することなく実質的に除去さ
れ得る。この型の方法は、直交保護(orthogonal protection)と
称される。1つの例としては、BOC基により窒素を保護し、カルボン酸をメチルエステ
ルもしくはエチルエステルとして保護することが挙げられる。この例において、BOC基
は、エステル基に実質的に影響することなく酸性条件下で除去され得る。あるいは、BO
C基は、塩基性条件下で実質的に加水分解されないので、エステルがBOC基に実質的に
影響することなく除去され得る。多くの直交保護スキームが当該分野で公知であり、本明
細書において適用され得る。
【0417】
その後、スキーム1に示されるように、2−ピペリジン−4−イル−チアゾール(AC
)のための窒素保護基は除去され(すなわち、脱保護され)、一方カルボン酸保護は実質
的に維持されて、一般的中間体(AD)を生じる。この場合、窒素がBOC基によって保
護される場合、酸、および必要に応じて適切な溶媒の存在下で、有効な切断が達成され得
る。適切な酸としては、HCl(水性もしくは無水)、HBr(水性もしくは無水)、H
SO、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。存在する場合
、適切な溶媒としては、エステル溶媒(例えば、酢酸エチル)、アルキルアルコール(例
えば、メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノールおよびn−ブタノ
ール)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサン)など、ならびに
これらの混合物が挙げられる。必要に応じて、スカベンジャーが添加されて、遊離カチオ
ンを捕捉し得る。適切なスカベンジャーとしては、チオフェノール、アニソール、チオア
ニソール、チオクレゾール、クレゾール、硫化メチルなどが挙げられる。2−ピペリジン
−4−イル−チアゾール(AC)中の窒素の脱保護のための反応温度範囲は、約−20℃
〜およそ使用される溶媒の沸点の範囲であり得る。一般的に、温度範囲は、約−10℃〜
約50℃である。
【0418】
【化4】

中間体(AD)は、スキーム2、方法Aに示されるように、脱水縮合剤および塩基を有
するかもしくは有さない不活性溶媒の存在下でカルボン酸に結合されて、アミド(AE)
を提供する。適切な脱水縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸(EDC・HCl
)、ブロモ−tris−ピロリドン−ホスニウムヘキサフルオロリン酸(PyBroP)
、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロ
ニウムヘキサフルオロリン酸(HATU)、1−シクロヘキシル−3−メチルポリスチレ
ン−カルボジイミドなどが挙げられる。適切な塩基としては、第四級アミン(例えば、N
,N−ジイソプロピル−エチルアミン、N−メチルモルホリン、およびトリエチルアミン
)が挙げられる。適切な不活性溶媒としては、低級ハロゲン化炭素溶媒(好ましくは、ジ
クロロメタン、ジクロロエタン、およびクロロホルム)、エーテル溶媒(例えば、テトラ
ヒドロフランおよびジオキサン)、ニトリル溶媒(例えば、アセトニトリル)、アミド溶
媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、およびN,N−ジメチルアセトアミド)、
またはこれらの混合物が挙げられる。必要に応じて、上記結合反応において他の試薬が使
用され得、そしてこれらの試薬としては、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT
)、HOBT−6−カルボキサミドメチルポリスチレン、1−ヒドロキシ−7−アザベン
ゾトリアゾール(HOAT)などが挙げられる。適切な反応温度は、約−25℃〜約60
℃、および約0℃〜約35℃の範囲である。
【0419】
【化5】

あるいはアミド(AE)が、スキーム2、方法Bに示されるように、酸ハロゲン化物を
使用して、塩基および不活性溶媒の存在下で、中間体(AD)とのアミド化反応によって
得られ得る。適切な酸ハロゲン化物としては、酸塩化物もしくは酸臭化物が挙げられる。
適切な塩基としては、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム
)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウム)、
アルカリ水酸化物(例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム)、第四級アミン(
例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、およびN−メチルモ
ルホリン)、ならびに芳香族アミン(例えば、ピリジン、イミダゾール、およびポリ−(
4−ビニルピリジン))が挙げられる。適切な不活性溶媒としては、低級酸ハロゲン化物
溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、およびクロロホルム)、エーテル溶媒
(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサン)、アミド溶媒(例えば、N,N−ジメ
チルホルムアミド、およびN,N−ジメチルアセトアミド)、および芳香族溶媒(例えば
、トルエン、ベンゼン、およびピリジン)が挙げられる。適切な反応温度は、約−25℃
〜約55℃、好ましくは約−5℃〜約40℃の範囲である。
【0420】
アミド(AE)中の保護された酸基は、除去されて、スキーム3に示されるように、対
応するカルボン酸を生じる。カルボン酸を脱保護するために適切な方法は、当業者に公知
である。例えば、アルキルエステル(例えば、メチル、エチル、およびn−プロピル)は
、塩基および適切な溶媒の存在下での加水分解を介して、カルボン酸に変換され得る。適
切な塩基としては、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム)
、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウム)、お
よびアルカリ水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウ
ム)が挙げられる。脱保護のための適切な溶媒としては、アルキルアルコール(例えば、
メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノールおよびn−ブタノール)
、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサン)など、ならびにこれら
の混合物が挙げられ、好ましくは、加水分解は、HOの存在下で行われる。アミド(A
E)中の酸基の脱保護のための反応温度は、およそ室温〜およそ使用される溶媒の沸点の
範囲であり得る。一般的に、温度範囲は、約50℃〜約90℃である。エステルのための
他の脱保護法および他のさらなる適切な保護基は、GreeneおよびWuts,Pro
tective Groups in Organic Synthesis,第3版,
John Wiley & Sons,New York,1999(上記)に記載され
ている。カルボン酸(AF)は、メチル−(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ
−2H−インダゾール−3−イル)−アミンまたは1,2,3,4−テトラヒドロ−キノ
リンのいずれかに結合されて、式(AG)および式(AH)の化合物をそれぞれ生じる。
一般的に、結合は、脱水縮合剤および塩基を有するかもしくは有さない不活性溶媒の存在
下で実行され得るか、または塩基および不活性溶媒の存在下で、カルボン酸(AF)から
生成される酸ハロゲン化物を使用するアミド化反応によって実行され得る。各々の方法は
、上記スキーム2に記載されるとおりである。
【0421】
【化6】

本発明のいくつかの実施形態は、以下に示されるような表1に例示される化合物を包含
する。
【0422】
【表3】
(G.薬学的組成物)
本発明は、処置(または予防)を必要とする個体に、治療有効量の本発明のモジュレーターを投与することによる処置(および予防)方法を提供する[また、例えばPCT出願番号PCT/IB02/01461(2002年8月29日にWO 02/066505として公開)を参照のこと;これらの各々の開示は、本明細書によってその全体が参考として援用される]。好ましい局面において、上記モジュレーターは、アゴニストである、好ましい局面において、上記モジュレーターは、実質的に精製されている。上記個体は、好ましくは、動物であり(牝ウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、非ヒト霊長類、ネコ、イヌ、ウサギ、ラット、マウスなどのような動物が挙げられるが、これらに限定されない)、好ましくは、哺乳動物であり、最も好ましくは、ヒトである。
【0423】
本発明のモジュレーターは、非ヒト動物[下記の実施例を参照のこと]および/または
ヒトに、単独で、または薬学的もしくは生理学的に受容可能な組成物中(ここで、これら
は、当業者に公知の適切なキャリアもしくは賦形剤技術と混合されている)において、投
与され得る。適切な薬学的に受容可能なキャリアは、当業者に利用可能である。例えば、
Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16版
,1980,Mack Publishing Co.,(Osloら編)を参照のこと
【0424】
次いで、薬学的もしくは生理学的に受容可能な組成物が、治療有効用量で提供される。
治療有効用量とは、本明細書において記載される方法によって、限定ではなく例証的に決
定されるような、障害の症状または生理学的状態の予防または改善をもたらすに十分なモ
ジュレーターの量を指す。ここで、障害の症状または生理学的状態の予防または改善とし
ては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:血中グルコース濃度の低下、特定の
代謝障害(例えば、インスリン抵抗性、グルコース寛容減損および糖尿病)の予防または
処置、ならびに、上昇した血中グルコース濃度の合併症(アテローム性動脈硬化症、心臓
疾患、発作、高血圧症および末梢血管疾患)の予防または処置。
【0425】
本発明のモジュレーターが単独または他の薬学的もしくは生理学的に受容可能な化合物
と組み合わせて提供され得ることが、明確に考慮される。本発明の障害を処置するための
他の化合物は、当該分野で現在周知である(ここで本発明の障害を処置としては、血中グ
ルコース濃度の低下、特定の代謝障害(例えば、インスリン抵抗性、グルコース寛容減損
および糖尿病)の予防または処置、ならびに、上昇した血中グルコース濃度の合併症(ア
テローム性動脈硬化症、心臓疾患、発作、高血圧症および末梢血管疾患)の予防または処
置が挙げられるが、これらに限定されない)。本発明の1つの局面は、本明細書において
開示される実施形態に従う使用を包含し、さらに以下からなる群より選択される1つ以上
の因子を包含する:スルホニル尿素(例えば、グリベンクラミド、グリピジド、グリクラ
ジド、グリメピリド)、メグリチニド(例えば、レパグリニド(repaglinide
)、ナテグリニド)、ビグアナイド(例えば、メトホルミン)、α−グルコシダーゼイン
ヒビター(例えば、アカルボース、エパルレスタット、ミグリトール、ボグリボース)、
チザオリジンジオン(thizaolidinedione)(例えば、ロシグリタゾン
(rosiglitazone)、ピオグリタゾン)、インスリンアナログ(例えば、イ
ンスリンリスプロ、インスリンアスパルト(aspart)、インスリングラルギン(g
largine))、クロミウムピコリネート/ビオチン、および生物学的因子(例えば
、アディポネクチンもしくはそのC末端球状ドメインを含むフラグメント、またはアディ
ポネクチンもしくはそのフラグメントのマルチマー、またはアディポネクチンレセプター
AdipoR1もしくはAdipoR2のアゴニスト(好ましくは、このアゴニストは、
経口的にバイオアベイラビリティーがある))。さらに、本発明のモジュレーター(例え
ば、本発明のアゴニストおよび部分アゴニスト)が、単独またはホスホジエステラーゼ(
PDE)インヒビター(4型cAMP特異的PDE(PDE4)に選択的なインヒビター
(例えば、ロフルミラスト(roflumilast));PDE4Bに選択的なインヒ
ビター;およびPDE4B2に選択的なインヒビターを含む)と組み合わせて提供され得
ることが、明らかに企図される。
【0426】
特定の実施形態において、代謝障害は、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性、高イ
ンスリン血症、および糖尿病からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、
糖尿病は、1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態において、糖尿病は、2型糖尿病
である。特定の実施形態において、代謝障害は、糖尿病である。特定の実施形態において
、代謝障害は、1型糖尿病である。特定の実施形態において、代謝障害は、2型糖尿病で
ある。特定の実施形態において、代謝障害は、グルコース寛容減損である。特定の実施形
態において、代謝障害は、インスリン抵抗性である。特定の実施形態において、代謝障害
は、高インスリン血症である。特定の実施形態において、代謝障害は、個体における上昇
した血中グルコース濃度に関連する。
【0427】
特定の実施形態において、上昇した血中グルコース濃度の合併症は、以下からなる群よ
り選択される:症候群X、アテローム性動脈硬化症、アテローム性疾患、心臓疾患、高血
圧症、発作、ニューロパシー、網膜症、腎症、および末梢血管疾患。心臓疾患としては、
心不全、冠動脈不全、冠動脈疾患、および高血圧が挙げられるが、これらに限定されない
。特定の実施形態において、合併症は、症候群Xである。特定の実施形態において、合併
症は、アテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態において、合併症は、アテローム
性疾患である。特定の実施形態において、合併症は、心臓疾患である。特定の実施形態に
おいて、合併症は、心不全である。特定の実施形態において、合併症は、冠動脈不全であ
る。特定の実施形態において、合併症は、冠動脈疾患である。特定の実施形態において、
合併症は、高血圧である。特定の実施形態において、合併症は、高血圧症である。特定の
実施形態において、合併症は、発作である。特定の実施形態において、合併症は、ニュー
ロパシーである。特定の実施形態において、合併症は、網膜症である。特定の実施形態に
おいて、合併症は、腎症である。特定の実施形態において、合併症は、末梢血管疾患であ
る。特定の実施形態において、合併症は、多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実施形態に
おいて、合併症は、高脂血症である。
【0428】
(投与経路)
適切な投与経路としては、当該分野で公知の方法を使用する、経口投与、経鼻投与、直
腸投与、経粘膜投与、経皮投与または腸管投与、非経口送達(筋肉内注射、皮下注射、髄
内注射)、ならびに髄腔内注入、直接心室内注入、静脈内注入、腹腔内注入、鼻腔内注入
、肺内注入(吸入)または眼内注入が挙げられる。他の特定の好ましい投与経路は、エア
ロゾルおよび貯蔵(depot)処方である。本発明の医薬の徐放性処方物(特に貯蔵)
は、明確に企図される。特定の実施形態において、投与経路は、経口である。
【0429】
(組成物/処方物)
本発明に従う使用のための薬学的もしくは生理学的に受容可能な組成物および医薬は、
1つ以上の生理学的に受容可能なキャリア(賦形剤および補助剤を包含する)を使用して
、従来の様式で処方され得る。適切な処方は、選択される投与経路に依存する。
【0430】
本明細書において記載される特定の医薬は、薬学的もしくは生理学的に受容可能なキャ
リアおよび少なくとも1種の本発明のモジュレーターを含む。注射のためには、本発明の
薬剤は、水溶液中、好ましくは生理学的に適合性の緩衝液(例えば、ハンクス液、リンゲ
ル液、または生理食塩水緩衝液(例えば、リン酸もしくは重炭酸緩衝液))中に処方され
得る。経粘膜投与のためには、透過されるべき障壁に適切な浸透剤が処方物中に使用され
得る。このような浸透剤は、一般的に当該分野で公知である。
【0431】
経口摂取され得る薬学的もしくは生理学的に受容可能な調製物としては、ゼラチンから
作製される押し込みばめカプセル、ならびにゼラチンおよび可塑化剤(例えば、グリセロ
ールもしくはソルビトール)から作製される軟性の封入カプセルが挙げられる。押し込み
ばめカプセルは、充填剤(例えば、ラクトース)、結合剤(例えば、デンプン)および/
または滑沢剤(例えば、滑石もしくはステアリン酸マグネシウム)、ならびに必要に応じ
て安定剤との混合物中に、活性成分を含み得る。軟性カプセルにおいて、活性化合物は、
適切な液体(例えば、脂肪油、流動パラフィンまたは液体ポリエチレングリコール)中に
溶解または懸濁され得る。さらに、安定剤が添加され得る。経口投与のための全ての処方
物は、このような投与に適切な投薬中にあるはずである。
【0432】
口腔投与のためには、組成物は、従来の様式で処方された錠剤またはロゼンジの形態を
取り得る。
【0433】
吸入投与のためには、本発明に従う使用のための化合物は、噴霧器用の加圧式包装から
の適切なガス噴霧剤(例えば、二酸化炭素)を使用したエアロゾルスプレー提示の形態で
、従来どおりに送達される。加圧式エアロゾルの場合、投薬単位は、定量を送達するため
のバルブを提供することによって決定され得る。吸入器もしくは注入器に使用するための
、例えばゼラチンの、カプセルおよびカートリッジは、化合物と適切な粉末ベース(例え
ば、ラクトースもしくはデンプン)との粉末ミックスを含有するように処方され得る。
【0434】
化合物は、注入(例えば、ボーラス注射または持続的注入)による非経口投与のために
処方され得る。注入のための処方物は、例えば、アンプル用、もしくは保存料を添加され
た複数用量容器用の、単位投薬で提示され得る。この組成物は、水性ビヒクル中の懸濁液
、溶液、または乳濁液のような形態を取り得、そして懸濁剤、安定剤、および/または分
散剤のような処方剤を含み得る。
【0435】
非経口投与のための薬学的もしくは生理学的に受容可能な処方物としては、水溶性形態
の活性化合物の水溶液が挙げられる。水性懸濁液は、懸濁液の粘性を増加させる物質(例
えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストラン)を含
み得る。必要に応じて、懸濁液はまた、適切な安定剤または化合物の安定性を増加させる
因子を含み、高濃度の溶液の調製を可能にし得る。
【0436】
あるいは、活性成分は、使用前に、適切なビヒクル(無菌の発熱物質非含有水)と構成
するための、粉末または凍結乾燥形態であり得る。
【0437】
これまでに記載された処方物に加えて、化合物はまた、貯蔵調製物として処方され得る
。このような長期作用処方物は、埋め込み(例えば、皮下もしくは筋肉内)または筋肉内
注射によって投与され得る。したがって、例えば、化合物は、適切なポリマー材料または
疎水性材料を用いて、例えば、受容可能な油中の乳濁液としてか、またはイオン交換樹脂
としてか、または溶解しにくい誘導体(例えば、溶解しにくい可溶性の塩)として、処方
され得る。
【0438】
特定の実施形態において、化合物は、制御放出系を介して送達され得る。1つの実施形
態において、ポンプが使用され得る(Langer,上記;Sefton,1987,C
RC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201−240;Buchwa
ldら,1980,Surgery 88:507−516;Saudekら,1989
,N.Engl.J.Med.321:574−579)。別の実施形態において、ポリ
マー材料が使用され得る(Medical Applications of Cont
rolled Release,LangerおよびWise編,CRC Press,
Boca Raton,Florida,1974;Controlled Drug
Bioavailability,Drug Product Design and
Performance,SmolenおよびBall編,Wiley,New Yor
k,1984;RangerおよびPeppas,1983,Macromol.Sci
.Rev.Macromol.Chem.23:61;Levyら.,1985,Sci
ence 228:190−192;Duringら,1989,Ann.Neurol
.25:351−356;Howardら,1989,J.Neurosurg.71:
858−863)。他の制御放出系は、Langer(1990,Science 24
9:1527−1533)による概説において考察される。
【0439】
さらに、化合物は、徐放系(例えば、治療剤を含有する固体の疎水性ポリマーの半透過
性マトリックス)を使用して送達され得る。種々の徐放性材料が確立されており、当業者
に周知である。徐放性カプセルは、その化学的性質に依存して、数週間〜100日以上ま
で化合物を放出する。
【0440】
治療試薬の化学的性質および生物学的安定性に依存して、モジュレーター安定化のため
のさらなる方法が利用され得る。
【0441】
薬学的もしくは生理学的に受容可能な組成物はまた、適切な固相またはゲル相のキャリ
アまたは賦形剤を含み得る。このようなキャリアまたは賦形剤の例としては、炭酸カルシ
ウム、リン酸カルシウム、種々の糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチンおよびポリ
マー(例えば、ポリエチレングリコール)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0442】
(有効投薬量)
本発明における使用に適切な薬学的もしくは生理学的に受容可能な組成物としては、活
性成分が、それらの意図される目的を達成するための有効量で含有されている組成物が挙
げられる。さらに具体的には、治療有効量は、処置されるべき被験体の現存する症状の発
生を予防するか、またはその症状を改善するのに有効な量を意味する。有効量の決定は、
特に本明細書において提供される詳細な開示を考慮すると、当業者の能力の範囲内である
【0443】
本発明の方法で使用される任意の化合物について、治療有効用量は、細胞培養アッセイ
から最初に推定され得る。例えば、用量は、動物モデルにおいて、細胞のグルコース取り
込みを刺激すること、特定の代謝障害を予防もしくは処置すること、または上昇したグル
コース濃度の合併症を予防もしくは処置することが示される、濃度点または濃度範囲を含
むか、または包含する、循環濃度範囲を達成するように処方され得る[インビトロアッセ
イおよびインビボ動物モデルについての以下の実施例を参照のこと]。このような情報は
、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用され得る。
【0444】
治療有効用量とは、患者の症状の改善をもたらす化合物の量をいう。このような化合物
の毒性および治療効力は、細胞培養物または実験動物における、例えば、LD50(試験
集団の50%が致死となる用量)およびED50(試験集団の50%における治療有効用
量)を決定するための、標準的薬学的手順によって決定され得る。毒性と治療効果との間
の用量比は、治療指数であり、これはLD50とED50との間の比として表現され得る
。高い治療指数を示す化合物が好ましい。
【0445】
これらの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られるデータは、ヒトにおける使用の
ための投薬量範囲を処方するのに使用され得る。このような化合物の投薬量は、好ましく
は、ED50を含む、毒性がほとんどないか全くない循環濃度の範囲内にある。投薬量は
、利用される投薬形態および利用される投与経路に依存して、この範囲内で変動し得る。
正確な処方、投与経路および投薬量は、個々の医師によって、患者の状態を考慮して選択
され得る(例えば、Finglら,1975,「The Pharmacologica
l Basis of Therapeutics」,第1章を参照のこと)。
【0446】
投薬量および投薬間隔は、特定の状況に依存して、個別に調節されて、本発明の障害を
予防または処置するのに十分な、活性化合物の血漿レベルを提供し得る。これらの効果を
達成するのに必要な投薬量は、個別の特徴および投与経路に依存する。
【0447】
投薬間隔はまた、最小有効濃度に関する値を使用して決定され得る。化合物は、時間の
10〜90%の間、好ましくは30〜99%の間、そして最も好ましくは50〜90%の
間、最小有効濃度を超える血漿レベルを維持するレジメンを使用して投与されるべきであ
る。局所投与または選択的取り込みの場合、薬物の有効局所濃度は、血漿濃度に関連しな
くともよい。
【0448】
投与される組成物の量は、当然ながら、処置される被験体、被験体の体重、苦痛の重傷
度、投与様式、および処方医の判断に依存する。
【0449】
所望の結果を達成するための毎日もしくは定期的な基本に基づいて投与され得る本発明
のモジュレーターの量についての好ましい投薬量範囲は、0.1〜100mg/kg体重
である。他の好ましい投薬量範囲は、0.1〜30mg/kg体重である。他の好ましい
投薬量範囲は、0.1〜10mg/kg体重である。他の好ましい投薬量範囲は、0.1
〜3.0mg/kg体重である。当然ながら、これらの毎日投薬量は、一日の過程の間に
定期的に少量で送達または投与され得る。これらの投薬範囲は、好ましい範囲というだけ
であり、本発明の限定を意味しないことに注意すること。上記所望の結果としては、以下
が挙げられるが、これらに限定されない:血中グルコース濃度の低下、特定の代謝障害(
例えば、インスリン抵抗性、グルコース寛容減損、および糖尿病)の予防もしくは処置、
ならびに上昇した血中グルコース濃度の合併症(例えば、アテローム性動脈硬化症、心臓
疾患、発作、高血圧症、および末梢血管疾患)の予防もしくは処置。
【0450】
(H.処置方法)
本発明は、とりわけ、以下に挙げられる方法に関するが、これらに限定されない:血中
グルコース濃度を低下させる方法、特定の代謝障害(例えば、インスリン抵抗性および糖
尿病)を予防もしくは処置する方法、ならびに上昇した血中グルコース濃度の合併症(例
えば、アテローム性動脈硬化症、心臓疾患、発作、高血圧症、および末梢血管疾患)を予
防もしくは処置する方法。上記方法は、このような処置を必要とする個体に本発明のモジ
ュレーターを提供する工程を包含する。特定の実施形態において、モジュレーターは、ア
ゴニストである。いくつかの実施形態において、モジュレーターは、経口的にバイオアベ
イラビリティーがある。いくつかの実施形態において、この経口的にバイオアベイラビリ
ティーがあるモジュレーターは、さらに血液脳関門を横切ることができる。特定の実施形
態において、モジュレーターは、薬学的もしくは生理学的に受容可能な組成物中において
個体に提供される。特定の実施形態において、モジュレーターは、薬学的組成物中におい
て個体に提供される。特定の実施形態において、モジュレーターは、生理学的に受容可能
な組成物中において個体に提供される。特定の実施形態において、モジュレーターは、経
口的に摂取される薬学的もしくは生理学的に受容可能な組成物中において個体に提供され
る。特定の実施形態において、上記個体は、非ヒト哺乳動物である。特定の実施形態にお
いて、上記個体は、哺乳動物である。特定の実施形態において、上記個体または哺乳動物
は、ヒトである。
【0451】
特定の実施形態において、代謝障害は、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性、高イ
ンスリン血症、および糖尿病からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、
糖尿病は、1型糖尿病である。特定の好ましい実施形態において、糖尿病は、2型糖尿病
である。特定の実施形態において、代謝障害は、糖尿病である。特定の実施形態において
、代謝障害は、1型糖尿病である。特定の実施形態において、代謝障害は、2型糖尿病で
ある。特定の実施形態において、代謝障害は、グルコース寛容減損である。特定の実施形
態において、代謝障害は、インスリン抵抗性である。特定の実施形態において、代謝障害
は、高インスリン血症である。特定の実施形態において、代謝障害は、個体における上昇
した血中グルコース濃度に関連する。
【0452】
特定の実施形態において、上昇した血中グルコース濃度の合併症は、以下からなる群よ
り選択される:症候群X、アテローム性動脈硬化症、アテローム性疾患、心臓疾患、高血
圧症、発作、ニューロパシー、網膜症、腎症、および末梢血管疾患。心臓疾患としては、
心不全、冠動脈不全、冠動脈疾患、および高血圧が挙げられるが、これらに限定されない
。特定の実施形態において、合併症は、症候群Xである。特定の実施形態において、合併
症は、アテローム性動脈硬化症である。特定の実施形態において、合併症は、アテローム
性疾患である。特定の実施形態において、合併症は、心臓疾患である。特定の実施形態に
おいて、合併症は、心不全である。特定の実施形態において、合併症は、冠動脈不全であ
る。特定の実施形態において、合併症は、冠動脈疾患である。特定の実施形態において、
合併症は、高血圧である。特定の実施形態において、合併症は、高血圧症である。特定の
実施形態において、合併症は、発作である。特定の実施形態において、合併症は、ニュー
ロパシーである。特定の実施形態において、合併症は、網膜症である。特定の実施形態に
おいて、合併症は、ニューロパシーである。特定の実施形態において、合併症は、末梢血
管疾患である。特定の実施形態において合併症は、多嚢胞性卵巣症候群である。特定の実
施形態において、合併症は、高脂血症である。
【0453】
(I.他の有用性)
RUP43レセプター機能を調節(すなわち、増加、減少またはブロック)する因子は
、候補化合物とRUP43レセプターとを接触させ、そしてRUP43レセプター機能に
対する候補化合物の効果を決定することによって同定され得る。RUP43レセプターの
機能を調節する化合物の選択性は、RUP43レセプターに対するその効果を他のGタン
パク質共役レセプターに対するその効果と比較することによって、評価され得る。例であ
り限定ではなく、内因性RUP43レセプターのモジュレーターは、同じ種に由来する1
つ以上の他の内因性Gタンパク質共役レセプターと比較して、選択的であることが示され
得る。例であり限定ではなく、内因性RUP43レセプターのアゴニストは、このアゴニ
ストの内因性RUP43レセプターに対するEC50が、同じ種に由来する1つ以上の他
の内因性Gタンパク質共役レセプターに対するアゴニストのEC50に対して少なくとも
100倍低い場合、選択的RUP43アゴニストであることが示され得る。RUP43レ
セプター機能を調節する化合物の同定に続いて、このような候補化合物は、それらの活性
を確認もしくは定量するために、他のアッセイ(インビトロモデルが挙げられるが、これ
らに限定されない)においてさらに試験され得る。RUP43レセプター機能のモジュレ
ーターは、正常または異常なRUP43レセプター機能が関与する疾患および生理学的状
態の処置において、治療上有用である。
【0454】
RUP43レセプターのリガンドである因子は、候補化合物をRUP43レセプターと
接触させ、そして候補化合物がRUP43レセプターに結合するか否かを決定することに
よって同定され得る。RUP43レセプターに結合する化合物の選択性は、RUP43レ
セプターに対するその結合を、他のレセプターに対するその結合と比較することによって
、評価され得る。例であり限定ではなく、内因性RUP43レセプターのリガンドは、同
じ種由来の1つ以上の他の内因性Gタンパク質共役レセプターと比較して、選択的である
ことが示され得る。RUP43レセプター機能のモジュレーターであるリガンドは、正常
または異常なRUP43レセプター機能が関与する疾患および生理学的状態の処置におい
て、治療上有用である。
【0455】
本発明はまた、モジュレーターまたはRUP43レセプターのリガンドとして同定され
た、本発明の化合物の放射性同位体標識バージョンに関する。この放射性同位体標識バー
ジョンは、組織サンプル(ヒトを含む)中のRUP43レセプターを局在化および定量化
するため、ならびに放射性同位体標識化合物の結合阻害によってRUP43レセプターリ
ガンドを同定するため、放射線画像化だけでなく、インビトロとインビボとの両方におけ
るアッセイにおいても有用である。このような放射性同位体標識化合物を含む新規のRU
P43レセプターアッセイを開発することは、本発明のさらなる目的である。
【0456】
本発明は、モジュレーターまたはRUP43レセプターのリガンドとして同定された、
本発明の化合物の放射性同位体標識バージョンを包含する。
【0457】
本発明はまた、RUP43レセプターに結合したリガンドを検出するために有用な、試
験リガンドの放射性同位体標識バージョンに関する。いくつかの実施形態において、本発
明は、RUP43レセプターに結合したリガンドを検出するために有用な上記放射性標識
試験リガンドのライブラリを、明確に企図する。特定の実施形態において、上記ライブラ
リは、少なくとも約10個、少なくとも約10個、少なくとも約10個、少なくとも
約10個または少なくとも約10個の上記放射性標識試験化合物を含む。このような
放射性同位体標識試験リガンドを含む新規のRUP43レセプターアッセイを開発するこ
とは、本発明のさらなる目的である。
【0458】
いくつかの実施形態において、化合物の放射性同位体標識バージョンは、1つ以上の原
子が、天然に代表的に見出される(すなわち、天然に存在する)原子量もしくは質量数と
異なる原子量もしくは質量数を有する原子によって置き換えられているか置換されている
という事実を除いて、上記化合物と同一である。本発明の化合物に取り込まれ得る適切な
放射性核種としては、H(ジュウテリウム)、H(トリチウム)、11C、13C、
14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82
r、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125Iおよび131Iが挙
げられるが、これらに限定されない。本発明の放射性標識化合物に取り込まれる放射性核
種は、放射性標識化合物の特定の用途に依存する。例えば、インビトロRUP43レセプ
ター標識および競合アッセイに関して、H、14C、82Br、125I、131I、
35Sを取り込む化合物が、一般的に最も有用である。放射線画像化用途のためには、
C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Brまたは
Brが、一般的に最も有用である。いくつかの実施形態において、放射性核種は、
11C、18F、14C、125I、124I、131I、35Sおよび82Brから
なる群より選択される。
【0459】
放射性同位体を有機化合物へ取り込むための合成方法は、本発明の化合物に対して利用
可能であり、当該分野で周知である。これらの合成方法(例えば、活性レベルのトリチウ
ムを標的分子に取り込むこと)は、以下のとおりである:
A.トリチウムガスによる触媒的還元−この手順は、通常、高い比放射能の生成物を生じ
、ハロゲン化されているかもしくは不飽和の前駆物質を必要とする。
B.水素化ホウ素ナトリウム[H]による還元−この手順は、より費用がかからず、還
元性の官能基(例えば、アルデヒド、ケトン、ラクトン、エステルなど)を含有する前駆
体を必要とする。
C.水素化アルミニウムリチウム[H]による還元−この手順は、ほぼ理論どおりの比
放射能にある生成物を提供する。これはまた、還元性官能基(例えば、アルデヒド、ケト
ン、ラクトン、エステルなど)を含有する前駆体を必要とする。
D.トリチウムガス暴露標識−この手順は、適切な触媒の存在下で、交換可能なプロトン
を含有する前駆体をトリチウムガスに暴露する工程を包含する。
E.N−ヨウ化メチル[H]を使用するメチル化−この手順は、高い比放射能のヨウ化
メチル(H)で適切な前駆体を処理することによって、O−メチルまたはN−メチル(
H)生成物を調製するために通常利用される。この方法は、一般的に、高い比放射能(
例えば、約70〜90Ci/mmol)を可能にする。
【0460】
活性レベルの125Iを標的分子に取り込むための合成方法は、以下を包含する:
A.サンドマイヤー反応および類似の反応−この手順は、アリールもしくはヘテロアリー
ルアミンをジアゾニウム塩(例えば、テトラフルオロホウ酸塩)に変換し、次いでNa
25Iを使用して125I標識化合物に変換する。代表的方法は、Zhu,D.−G.お
よび共同研究者(J.Org.Chem.2002,67,943−948)によって報
告された。
B.フェノールのオルト125ヨウ素化−この手順は、Collier,T.L.および
共同研究者(J.Labeled Compd Radiopharm.1999,42
,S264−S266)に報告されるように、フェノールのオルト位における125Iの
取り込みを可能にする。
C.125I−による臭化アリールおよび臭化ヘテロアリールの交換−この方法は、一般
的に2工程プロセスである。第一の工程は、臭化アリールもしくは臭化ヘテロアリールの
、対応するトリアルキルスズ中間体への変換である。この変換には、トリアルキルスズハ
ライドもしくはヘキサアルキル二スズ[例えば、(CHSnSn(CH]の
存在下で、例えば、Pdに触媒される反応[すなわち、Pd(PhP)]を使用する
か、またはアリールリチウムもしくはヘテロアリールリチウムを介する。代表的手順は、
Bas,M.−D.および共同研究者(J.Labeled Compd Radiop
harm.2001,44,S280−S282)によって報告された。
【0461】
いくつかの実施形態において、化合物の放射性同位体標識バージョンは、上記化合物と
同一である(放射性核種を含有する1つ以上の置換基の付加を除く)。いくつかのさらな
る実施形態において、化合物はポリペプチドである。いくつかのさらなる実施形態におい
て、化合物は、抗体またはそれらの抗原結合フラグメントである。いくつかのさらなる実
施形態において、上記抗体は、モノクローナルである。適切な上記放射性核種としては、
以下が挙げられるが、これらに限定されない:H(ジュウテリウム)、H(トリチウ
ム)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、
S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、12
Iおよび131I。本発明の放射性標識化合物に取り込まれる放射性核種は、その放射
線標識化合物の特定の用途に依存する。例えば、インビトロRUP43レセプター標識お
よび競合アッセイのためには、H、14C、82Br、125I、131I、35Sを
取り込む化合物が一般的に最も有用である。放射性画像化用途のためには、11C、18
F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Brもしくは77Brが
一般的に最も有用である。いくつかの実施形態において、放射性核種は、H、11C、
18F、14C、125I、124I、131I、35Sおよび82Brからなる群より
選択される。
【0462】
放射性核種を含む1つ以上の置換基を付加するための方法は、当業者の技術範囲内であ
り、そしてこれらの方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:酵素法
による放射性同位体ヨウ素の付加[Marchalonic JJ,Biochemic
al Journal(1969)113:299−305;Thorell JIおよ
びJohansson BG,Biochimica et Biophysica A
cta(1969)251:363−9;これらの各々の開示は、本明細書によってその
全体が参考として援用される]、ならびに、またはクロラミン−T/ヨードゲン/ヨード
ビーズ法(Chloramine−T/Iodogen/Iodobead metho
d)による[Hunter WMおよびGreenwood FC,Nature(19
62)194:495−6;Greenwood FCら,Biochemical J
ournal(1963)89:114−23;これらの各々の開示は、本明細書によっ
てその全体が参考として援用される]。
【0463】
開示されたレセプターおよび方法の他の用途は、特に、本特許文献の精査に基づいて、
当業者に明らかになる。
【実施例】
【0464】
以下の実施例は、本発明の説明の目的のために提示され、限定のためではない。特定の
核酸配列およびアミノ酸配列が本明細書において開示されるが、当業者は、これらの配列
に軽微な改変を行いながら、下記の報告と同一または実質的に類似の結果を達成する能力
があると考えられる。このような改変アプローチは、本開示の範囲内であるとみなされる
【0465】
以下の実施例は、説明の目的ために提供され、限定の手段としては提供されない。当業
者は、本明細書における開示に基づいて、等価なアッセイおよび方法を設計することがで
きる。これら全ては、本発明の一部を形成する。
【0466】
本発明の主題に関連し、当業者に周知である組換えDNA技術は、例えば、以下に見出
され得る:Maniatis Tら,Molecular Cloning:A Lab
oratory Manual(1989)Cold Spring Harbor L
aboratory;米国特許第6,399,373号;およびPCT出願第PCT/I
B02/01461号(WO 02/066505として、2002年8月29日に公開
);これらの各々の開示は、本明細書によってその全体が参考として援用される。
【0467】
(実施例1)
(ヒトGPCRの全長クローニング)
(内因性ヒトRUP43(配列番号1および2))
全長内因性ヒトRUP43(GPR131、例えば、GenBank(登録商標)登録
番号NM_170699)をコードするポリヌクレオチド配列は、本明細書において記載
されるようにクローニングされ得る。配列番号1は、内因性ヒトRUP43(GPR13
1)ポリヌクレオチドをコードする配列であり、本明細書において記載されるようにクロ
ーニングされ得る。配列番号2は、対応するコードされた内因性ヒトRUP43(GPR
131)ポリペプチドである。
【0468】
全長内因性ヒトRUP43は、Platinum PCR SuperMix(Inv
itrogen カタログ番号11306−016)および以下の特異的プライマー:
5’−GACAAGCATGACGCCCAACAGCACTGGCGAG−3’(5
’−プライマー;配列番号3)、および
5’−CTTGAATTAGTTCAAGTCCAGGTCGACACTGC−3’(
3’−プライマー;配列番号4)
を使用して、ヒトDNAをテンプレートとしたPCRによってクローニングされる。この
ヒトDNAは、ゲノムDNAまたはcDNAであり得る。使用されるサイクル条件は、9
5℃で40秒間、60℃で50秒間、および72℃で1分間を25サイクルである。1.
0kbのPCR産物を、pCRII−TOPOTMベクター(Invitrogen)に
クローニングする。
【0469】
(HA/V5His二重タグ化内因性ヒトRUP43(配列番号5および6))
全長内因性ヒトRUP43(GPR131)ポリペプチド(N末端メチオニンを欠く)
およびN末端HAエピトープタグとC末端に置かれたV5Hisエピトープタグとをコー
ドするポリヌクレオチドを、本明細書において記載されるようにクローニングした。「H
A」エピトープタグは、アミノ酸配列MYPYDVPDYAを含む。「V5」は、アミノ
酸配列GKPIPNPLLGLDSTを含む。「His」は、アミノ酸配列HHHHHH
を含む。配列番号5は、内因性ヒトRUP43(GPR131)ポリヌクレオチドをコー
ドし、5’末端HAエピトープタグと3’末端V5Hisエピトープタグとを有する配列
(N末端メチオニンをコードするコドンを欠く)である。配列番号6は、対応するコード
されたHA/V5His二重タグ化RUP43 ポリペプチドである。
【0470】
PCRを、ESTクローン(IMAGE #5221127、GenBank(登録商
標)登録番号BC033625)をテンプレートとして用い、そしてpfuポリメラーゼ
(Stratagene)を用い、製造者によって提供される、10% DMSO、0.
25Mの各プライマー、および0.5mMの各4種のヌクレオチドを補充された緩衝液系
を使用して行った。サイクル条件は、95℃で40秒間、60℃で50秒間、および72
℃で1分40間を25サイクルである。5’PCRプライマーは、HindIII部位を
組み込み、以下の配列を有した:
5’−GACAAGCTTGACGCCCAACAGCACTGGCGAG−3’(配
列番号7)
3’PCRプライマーは、EcoRI部位を組み込み、以下の配列を有した:
5’−CTTGAATTCGTTCAAGTCCAGGTCGACACTGC−3’(
配列番号8)。
【0471】
1.0kbのPCR産物を、HindIIIおよびEcoRIで消化し、5’HA/3
’V5His二重タグ化pCMV発現ベクター中にクローニングした。
【0472】
(実施例2)
(非内因性、構成的に活性化されたヒトRUP43の調製)
当業者は、核酸配列の変異のための技術を選択する能力を有すると考えられる。以下に
提示されるのは、非内因性バージョンのヒトGPCRを作製するために利用され得るアプ
ローチである。本明細書において開示される内因性ヒトRUP43(GPR131)のた
めの変異は保存プロリン(または、それらの内因性構成的置換)残基(GPCRのTM6
領域に位置する、TM6/IC3界面近く)に対してN末端の第16番アミノ酸(GPC
RのIC3領域に位置する)が、好ましくはヒスチジンアミノ酸、アルギニンアミノ酸、
またはリジンアミノ酸に、最も好ましくはリジンアミノ酸残基に変異されるアルゴリズム
的アプローチに基づく。
【0473】
限定のためでなく説明のために、内因性ヒトRUP43(GPR131)の非内因性の
、構成的に活性化されたバージョンは、配列番号2のアミノ酸223位のアラニンを、好
ましくはリジンに変異させることによって作製され得る。
【0474】
(1.Transformer Site−DirectedTM突然変異誘発)
非内因性ヒトGPCRの調製は、ヒトGPCRにおいて、特に、Transforme
r Site−DirectedTMMutagenesis Kit(Clontec
h)を使用して、製造者の指示書に従って、達成され得る。2つの突然変異誘発性プライ
マー、最も好ましくは、リジン変異を引き起こすリジン突然変異誘発オリゴヌクレオチド
および選択マーカーオリゴヌクレオチドが利用される。便宜上、ヒトGPCRに組み込ま
れるべきコドン変異はまた、標準的な形態で注記される。
【0475】
(2.QuikChangeTMSite−DirectedTM突然変異誘発)
非内因性ヒトGPCRの調製はまた、QuikChangeTMSite−Direc
tedTM Mutagenesis Kit(Stratagene、製造者の指示書
に従う)を使用して達成され得る。内因性GPCRは、好ましくは、テンプレートとして
使用され、そして2つの突然変異誘発プライマー、同じく最も好ましくは、リジン突然変
異誘発オリゴヌクレオチドおよび選択マーカーオリゴヌクレオチド(キットに含まれる)
が利用される。便宜上、新規のヒトGPCRに組み込まれるコドン変異およびそれぞれの
オリゴヌクレオチドは、標準的な形態で注記される。
【0476】
(実施例3)
(レセプター発現)
タンパク質の発現のために種々の細胞が当該分野で利用可能であるが、哺乳動物細胞ま
たはメラニン保有細胞は、利用されるのに最も好ましい。この主な理由は、実用性によっ
て断定される。すなわち、例えば、GPCRの発現のための酵母細胞の利用は、おそらく
、このプロトコールへ、哺乳動物系のために進化したレセプター結合、遺伝的機構および
分泌経路を含まない可能性のある非哺乳動物細胞(酵母の場合は事実含まない)を導入す
るので、非哺乳動物細胞から得られた結果は、潜在的に有用であるが、哺乳動物細胞もし
くはメラニン保有細胞から得られる結果ほど好ましくないからである。哺乳動物細胞のう
ち、CHO細胞、COS−7細胞、MCB3901細胞、293細胞および293T細胞
は、特に好ましいが、利用される特定の哺乳動物細胞は、当業者の特定の必要性によって
決められ得る。いくつかの実施形態において、哺乳動物由来の脂肪細胞または骨格筋細胞
が使用され得る。実施例10に含まれるメラニン保有細胞に関する下記を参照のこと。
【0477】
(a.一過性トランスフェクション)
第1日目、6×10/10cmディッシュの293細胞がプレートされる。第2日目
、2つの反応チューブが調製される(各チューブについていう割合は、プレートあたりで
ある):チューブAは、0.5mlの無血清DMEM(Gibco BRL)中で4μg
のDNA(例えば、pCMVベクター;レセプターcDNAを有するpCMVベクターな
ど)を混合することによって調製される;チューブBは、0.5ml無血清DMEM中で
24μlのリポフェクタミン(Gibco BRL)を混合することによって調製される
。チューブAおよびBを転倒混和(数回)し、続いて室温で30〜45分間インキュベー
ションする。この混合物を、「トランスフェクション混合物」と呼ぶ。プレートされた2
93細胞を1×PBSで洗浄し、続いて5mlの無血清DMEMで洗浄する。1mlのト
ランスフェクション混合物を細胞に添加し、続いて37℃、5%COで4時間インキュ
ベーションする。このトランスフェクション混合物を吸引によって除去し、続いて10m
lのDMEM/10%ウシ胎仔血清を添加する。細胞を37℃、5%COでインキュベ
ートし、48時間後、細胞を分析のために利用した。
【0478】
(b.安定細胞株)
約12×10個の293細胞を15cmの組織培養プレートにプレートする。10%
のウシ胎仔血清および1%のピルビン酸ナトリウム、L−グルタミン、ならびに抗生物質
を含有するDME高グルコース培地中で増殖させる。293細胞のプレーティングの24
時間後(または約80%コンフルエントまでにして)、この細胞を、12μgのDNA(
例えば、レセプターcDNAを有するpCMVベクター)を用いてトランスフェクトする
。この12μgのDNAを、60μlのリポフェクタミンおよび2mlの血清を含まない
DME高グルコース培地と合わせる。この培地を、プレートから吸引し、そして細胞を、
血清を含まない培地で一回洗浄し、DNA、リポフェクタミンおよび培地混合物を添加し
て、10mlの血清を含まない培地にプレートする。37℃で4〜5時間のインキュベー
ション後、培地を吸引して、25mlの血清含有培地を加える。トランスフェクションの
24時間後、この培地を再度吸引し、血清を含む新鮮な培地を加える。トランスフェクシ
ョンの48時間後、この培地を吸引し、最終濃度でゲネチシン(G418薬物)を含有す
る血清を含む培地を加える。約12×10の293細胞を15cmの組織培養プレート
にプレートする。10%のウシ胎仔血清および1%のピルビン酸ナトリウム、L−グルタ
ミン、ならびに抗生物質を含有するDME高グルコース培地中で増殖させる。293細胞
のプレーティングの24時間後(または約80%コンフルエントまでにして)、この細胞
を、12μgのDNA(例えば、レセプターcDNAを有するpCMVベクター)を用い
てトランスフェクトする。この12μgのDNAを、60μlのリポフェクタミンおよび
2mlの血清を含まないDME高グルコース培地と合わせる。この培地を、プレートから
吸引し、そして細胞を、血清を含まない培地で一回洗浄する。DNA、リポフェクタミン
および培地混合物を添加して、10mlの血清を含まない培地にプレートする。37℃で
4〜5時間のインキュベーション後、培地を吸引して、25mlの血清含有培地を加える
。トランスフェクションの24時間後、この培地を再度吸引し、血清を含む新鮮な培地を
加える。トランスフェクションの48時間後、この培地を吸引し、500μg/mlの最
終濃度でゲネチシン(G418薬物)を含有する血清を含む培地を加える。トランスフェ
クトした細胞は、ここでG418耐性遺伝子を含む陽性にトランスフェクトされた細胞に
ついて、選択を受ける。選択が起こる場合、培地を4〜5日ごとに交換する。選択の間、
細胞を安定なプールを生成するように増殖させるか、または安定なクローン選択のために
分ける。
【0479】
(実施例4)
(GPCR活性化の決定のためのアッセイ)
ヒトGPCRの活性化の評価のために種々のアプローチが利用可能である。以下は、例
証であり、当業者は、当業者の必要性にとって特に有益なこれらの技術を決定する能力を
有すると考えられる。
【0480】
(1.膜結合アッセイ:[35S]GTPγSアッセイ)
Gタンパク質共役レセプターがその活性状態にある場合、リガンド結合または構成的活
性のいずれかの結果として、レセプターはGタンパク質へ結合してGDPの放出およびG
タンパク質へのGTPのその後の結合を刺激する。Gタンパク質レセプター複合体のαサ
ブユニットはGTPaseとして作用し、そしてGTPをGDPへとゆっくりと加水分解
する。ここで、レセプターは、通常脱活性化される。活性化レセプターは、GDPをGT
Pと交換し続ける。非加水分解性GTPアナログ、[35S]GTPγSは、活性化レセ
プターを発現する膜への[35S]GTPγSの増強された結合を実証するために利用さ
れ得る。活性化を測定するために[35S]GTPγS結合を使用する利点は、以下であ
る:(a)全Gタンパク質共役レセプターに対して全般的に利用可能であること;(b)
膜表面に近接しており、細胞内カスケードに影響を与える分子を拾う可能性がより低くな
ること。
【0481】
このアッセイは、Gタンパク質共役レセプターの能力を利用して、関連するレセプター
を発現する膜への[35S]GTPγS結合を刺激する。したがって、このアッセイは、
内因性GPCRおよび非内因性の、構成的に活性化されたGPCRに対する候補化合物を
スクリーニングするための直接同定法で使用され得る。このアッセイは、一般的であり、
そして、全Gタンパク質共役レセプターにおける創薬に対する用途を有する。
【0482】
35S]GTPγSアッセイは、20mMのHEPESおよび1mMと約20mMと
の間(この量は、結果の最適化のために調節され得るが、20mMが好ましい)のMgC
(pH7.4)、約0.3と約1.2nMとの間の[35S]GTPγSを有する結
合緩衝液(この量は、結果の最適化のために調節され得るが、1.2が好ましい)、およ
び12.5〜75μgの膜タンパク質(例えば、Gs融合タンパク質を発現する293細
胞;この量は最適化のために調節され得る)、および10μMのGDP(この量は最適化
のために変更され得る)中で、1時間インキュベートされる。次いで、コムギ胚芽凝集素
ビーズ(25μl;Amersham)を添加し、そしてこの混合物をさらに30分間室
温でインキュベートする。次いで、このチューブを1500×gで5分間、室温で遠心分
離し、次いでシンチレーションカウンターで計数する。
【0483】
(2.アデニリルシクラーゼ)
細胞ベースのアッセイのために設計されたFlash PlateTMアデニリルシク
ラーゼキット(New England Nuclear;カタログ番号SMP004A
)を、粗細胞膜との使用のために改変し得る。Flash Plateウェルは、cAM
Pを認識する特異的抗体をまた含有するシンチラントコーティングを含有し得る。ウェル
中で生成されたcAMPは、cAMP抗体への放射活性cAMPトレーサーの結合につい
ての直接競合によって定量化され得る。以下は、レセプターを発現する全細胞におけるc
AMPレベルにおける測定の変化についての簡単なプロトコールとして役立つ。
【0484】
トランスフェクトされた細胞を一過性トランスフェクションの約24時間後に収集する
。培地を慎重に吸引し、廃棄する。10mlのPBSを各々の細胞のディッシュに穏やか
に添加し、続いて慎重に吸引する。1mlのSigma細胞解離緩衝液および3mlのP
BSを各プレートに添加する。細胞をプレートからピペットで除き、この細胞懸濁液を5
0mlコニカル遠沈管中に回収する。細胞を、1,100rpmで5分間、室温で遠心分
離する。この細胞ペレットを適切な容量のPBS(約3ml/プレート)に慎重に再懸濁
する。次いで、細胞を、血球計を使用して計数し、さらなるPBSを添加して、(約50
μl/ウェルの最終容量で)適切な数の細胞を得る。
【0485】
cAMP標準および検出緩衝液(11mlの検出緩衝液に対して1μCiのトレーサー
125I]cAMP(50μl)を含む)を、製造者の指示書に従って調製し、維持す
る。アッセイ緩衝液を、スクリーニングのために新たに調製し、そしてこれは、50μl
の刺激緩衝液、3μlの試験化合物(12M最終アッセイ濃度)および50μlの細胞を
含む。アッセイ緩衝液を、使用するまで氷上に保存する。このアッセイは、好ましくは、
例えば、96ウェルプレートで行われ、適切なウェルに50μlのcAMP標準を添加し
、続いてH−11およびH12のウェルに50μlのPBSAを添加することによって開
始する。全てのウェルに50μlの刺激緩衝液を添加する。DMSO(または選択された
候補化合物)を、3μlの化合物溶液を分注し得るピンツールを使用して適切なウェルに
添加し、試験化合物の最終アッセイ濃度を12μM、および総アッセイ容量を100μl
とする。次いで、細胞をウェルに添加し、室温で60分間インキュベートする。次いで、
cAMPトレーサーを含有する100μlの検出ミックスをウェルに添加する。次いで、
プレートをさらに2時間インキュベートし、続いて、Wallac MicroBeta
シンチレーションカウンターで計数する。次いで、cAMP/ウェルの値を、各アッセ
イプレート内に含まれる標準cAMP曲線から外挿する。
【0486】
(3.Gi結合標的GPCRについての細胞ベースのcAMP)
TSHRは、活性の際にcAMPの蓄積を引き起こすGs結合GPCRである。TSH
Rは、アミノ酸残基623を変異すること(すなわち、アラニン残基をイソロイシン残基
に変更すること)によって構成的に活性化される。Gi結合レセプターは、アデニリルシ
クラーゼを阻害し、それによってcAMP生成のレベルを低下させると予測され、cAM
Pレベルの評価をやりがいのあるものにさせ得る。Gi結合レセプターの活性化の指標と
してcAMPの生成の低下を測定するために有効な技術は、最も好ましくは、非内因性の
、構成的に活性化されたTSHR(TSHR−A623I)(もしくは、内因性の、構成
的に活性なGs結合レセプター)を、「シグナルエンハンサー」として、cAMPレベル
のベースラインを確立するためのGiに連結された標的GPCRとともに同時トランスフ
ェクションすることによって達成され得る。Gi結合レセプターの非内因性バージョンの
生成において、標的GPCRのこの非内因性バージョンは、次にシグナルエンハンサーと
ともに同時トランスフェクトされる。スクリーニングに使用され得るのは、この物質であ
る。本発明者らは、cAMPアッセイが使用される場合、シグナルを効率的に生成するた
めにこのようなアプローチを使用する。いくつかの実施形態において、このアプローチは
、好ましくは、Gi結合レセプターに対する候補化合物の直接的同定に使用される。Gi
結合GPCRについては、このアプローチが使用される場合、標的GPCRの逆アゴニス
トはcAMPシグナルを増大させ、そしてアゴニストはcAMPシグナルを減少させると
いうことに留意すること。
【0487】
第1日目において、2×10の293細胞/ウェルをプレートする。第2日目、2つ
の反応チューブを調製する(各チューブについて従うその割合は、プレートあたりである
):チューブAを、1.2ml無血清DMEM(Irvine Scientific,
Irvine,CA)中で、哺乳動物細胞にトランスフェクトされた2μgの各レセプタ
ーのDNA(全部で4μgのDNA(例えば、pCMVベクター;変異されたTHSR(
TSHR−A623I);TSHR−A623IおよびGPCRなどを有するpCMVベ
クター)を混合することによって調製する;チューブBを、1.2ml無血清DMEM中
で、120μlのリポフェクタミン(Gibco BRL)を混合することによって調製
する。次いで、チューブAおよびBを転倒混和し(数回)、その後室温で30〜45分間
インキュベートする。この混合物を、「トランスフェクション混合物」と呼ぶ。プレート
した293細胞を1×PBSで洗浄し、続いて10mlの無血清DMEMを添加する。次
いで2.4mlのトランスフェクション混合物を細胞に添加し、続いて4時間、37℃/
5%COにてインキュベーションする。次いでトランスフェクション混合物を吸引によ
って取り出し、その後25mlのDMEM/10%ウシ胎仔血清を添加する。次いで細胞
を、37℃/5%COにてインキュベーションする。24時間のインキュベーションの
後、次いで細胞を回収し、そして分析に使用する。
【0488】
Flash PlateTMアデニリルシクラーゼキット(New England
Nuclear;カタログ番号SMP004A)は、細胞ベースのアッセイのために設計
されているが、このキットは、当業者の必要性に依存して粗形質膜用に改変され得る。F
lash Plateウェルは、シンチラントコーティングを含み、このコーティングは
また、cAMPを認識する特異的抗体を含む。ウェル内で生成されたcAMPは、放射性
cAMPトレーサーのcAMP抗体への結合に関する直接的競合によって定量化され得る
。以下は、そのレセプターを発現する全細胞における、cAMPレベルの変化の測定のた
めの短いプロトコールとして役立つ。
【0489】
トランスフェクションされた細胞を、一過性トランスフェクションのおよそ24時間後
に回収する。培地を慎重に吸引し、廃棄する。10mlのPBSを各細胞のディッシュに
穏やかに添加し、続いて慎重に吸引する。1mlのSigma細胞解離緩衝液および3m
lのPBSを、各プレートに添加する。細胞を、プレートからピペットで取り出し、この
細胞懸濁液を、50mlのコニカル遠沈管に回収する。次いで、細胞を、室温、1,10
0rpmで5分間遠心分離する。細胞ペレットを、適切な容量のPBS(約3ml/プレ
ート)中に慎重に再懸濁する。次いで、細胞を血球計を使用して計数し、さらなるPBS
を添加して適切な数の細胞(約50μl/ウェルの最終容量)とする。
【0490】
製造者の使用説明書に従って、cAMP標準および検出緩衝液(11mlの検出緩衝液
に対して1μCiのトレーサー[125I]cAMP(50μlを含む))を調製し、維
持する。アッセイ緩衝液は、スクリーニングのために新たに調製すべきであり、そして5
0μlの刺激緩衝液、3μlの試験化合物(12μMの最終アッセイ濃度)および50μ
lの細胞を含むべきである。アッセイ緩衝液は、使用まで保存され得る。50μlのcA
MP標準を適切なウェルに添加し、続いて50μlのPBSAをウェルH−11およびH
12に添加することによって、アッセイを開始し得る。50μlの刺激緩衝液を全てのウ
ェルに添加する。選択された化合物(例えば、TSH)を、3μlの化合物溶液を分注し
得るピンツールを使用して、適切なウェルに添加する(12μMの試験化合物および10
0μlの全アッセイ容量の最終アッセイ濃度)。次いで、細胞をウェルに添加し、室温で
60分間インキュベートする。次に、トレーサーcAMPを含有する100μlの検出ミ
ックスをウェルに添加する。プレートを次いでさらに2時間インキュベートし、その後W
allac MicroBetaシンチレーションカウンターで計数した。次いで、cA
MP/ウェルの値を、各アッセイプレート内に含まれる標準cAMP曲線から外挿する。
【0491】
(4.レポーターベースのアッセイ)
(CRE−Lucレポーターアッセイ(Gs関連レセプター))
293細胞および293T細胞を、2×10細胞/ウェルの密度で96ウェルプレー
トにプレートし、製造者の使用説明書に従って、リポフェクタミン試薬(BRL)を使用
してトランスフェクトした。各々6ウェルのトランスフェクションについて、以下のよう
にDNA/脂質混合物を調製する:100μlのDMEM中の260ngのプラスミドD
NAを、100μlのDMEM中の2μlの脂質とともに穏やかに混合する(この260
ngのプラスミドDNAは、200ngの8xCRE−Lucレセプタープラスミド、5
0ngの内因性レセプターもしくは非内因性レセプターを含むpCMVまたはpCMV単
独、および10ngのGPRS発現プラスミド(pcDNA3(Invitrogen)
中のGPRS)から構成される。この8xCRE−Lucレセプタープラスミドを、以下
のように調製した:ベクターSRIF−β−galを、pβgal−Basicベクター
(Clontech)中のBgIV−HindIII部位においてラットソマトスタチン
プロモーター(−71/+51)をクローニングすることによって得た。8コピーのcA
MP反応エレメントを、アデノウイルステンプレートAdpCF126CCRE8からの
PCRによって得て(Suzukiら,Hum Gene Ther(1996)7:1
883−1893を参照のこと;この開示は、その全体が本明細書において参考として援
用される)、SRIF−β−galベクター中にKpn−BglV部位においてクローニ
ングし、8xCRE−β−galレセプターベクターを得た。8xCRE−Lucレセプ
タープラスミドを、8xCRE−β−gal レセプターベクター中のβ−ガラクトシダ
ーゼ遺伝子を、pGL3−basicベクター(Promega)中のHindIII−
BamHI部位から得られるルシフェラーゼ遺伝子で置き換えることによって生成した。
室温でのインキュベーションの30分後、DNA/脂質混合物を400μlのDMEMで
希釈し、そしてこの100μlの希釈混合液を、各ウェルに添加する。10%FCSを含
む100μlのDMEMを、細胞培養インキュベーター内での4時間のインキュベーショ
ンの後、各ウェルに添加する。翌日、トランスフェクトされた細胞を、200μl/ウェ
ルの10%FCSを含むDMEMで交換し、8時間後、ウェルを一回PBSで洗浄した後
、100μl/ウェルのフェノールレッドを含まないDMEMと交換する。翌日、Luc
LiteTMレセプター遺伝子アッセイキット(Packard)を使用して、製造者の
使用説明書に従ってルシフェラーゼ活性を測定し、1450 MicroBetaTM
ンチレーションおよび発光カウンター(Wallac)で読み取る。
【0492】
(b.AP1レセプターアッセイ(Gq関連レセプター))
Gq刺激を検出する方法は、Gq依存性ホスホリパーゼCの、そのプロモーター中にA
P1エレメントを含む遺伝子の活性化を引き起こすという公知の性質に依存する。Pat
hdetectTMAP−1 cis−Reporting System(Strat
agene,カタログ番号219073)を、リン酸カルシウム沈殿物の成分が410n
gのpAP1−Luc、80ngのpCMV−レセプター発現プラスミド、および20n
gのCMV−SEAPであったことを除いて、CREBレセプターアッセイに関する上記
のプロトコールに従って使用し得る。
【0493】
(c.SRF−Lucレセプターアッセイ(Gq関連レセプター))
Gq刺激を検出する方法は、Gq依存性ホスホリパーゼCが、そのプロモーター中に血
清反応因子を含む遺伝子の活性化を引き起こすという公知の性質に依存する。Pathd
etectTMSRF−Luc−Reporting System(Stratage
ne)を、例えば、COS7細胞でのGq結合活性についてのアッセイに使用し得る。細
胞を、製造者の使用説明書に従ってMammalian TransfectionTM
Kit(Stratagene,カタログ番号200285)を使用して、このシステ
ムのプラスミド構成要素および内因性もしくは非内因性GPCRをコードする指示された
発現プラスミドでトランスフェクトする。簡単にいうと、410ngのSRF−Luc、
80ngのpCMV−レセプター発現プラスミド、および20ngのCMV−SEAP(
分泌性アルカリホスファターゼ発現プラスミド;アルカリホスファターゼ活性は、サンプ
ル間でのトランスフェクション効率の変動を制御するために、トランスフェクトされた細
胞の培地中で測定される)を、製造者の使用説明書に従ってリン酸カルシウム沈殿物中に
混合する。沈殿物の半分を、96ウェルプレートの3つのウェルに等分し、細胞を無血清
培地中に24時間保存する。最後の5時間、細胞を、例えば1μMの試験化合物とともに
、インキュベートする。次いで、細胞を溶解し、LucliteTMキット(Packa
rd,カタログ番号6016911)および「Trilux 1450 Microbe
ta」液体シンチレーションおよび発光カウンター(Wallac)を使用して、製造者
の使用説明書に従ってルシフェラーゼ活性についてアッセイする。データは、Graph
Pad PrismTM2.0a(GraphPad Software Inc.)を
使用して分析し得る。
【0494】
(細胞内IP3蓄積アッセイ(Gq関連レセプター))
第1日目、レセプター(内因性もしくは非内因性)を含む細胞を、24ウェルプレート
に、通常1×10細胞/ウェル(その数は最適化され得る)で配置し得る。第2日目、
最初に50μlの無血清DMEM/ウェル中の0.25μgのDNAと50μlの無血清
DMEM/ウェル中の2μlのリポフェクタミンとを混合することによって細胞をトラン
スフェクトし得る。この溶液を、穏やかに混合し、室温で15〜30分間インキュベート
する。細胞を0.5mlのPBSで洗浄し、400μlの無血清培地をトランスフェクシ
ョン培地と混合して、細胞を添加する。次いで、3〜4時間、37℃/5%COで細胞
をインキュベートし、そしてトランスフェクション培地を除去して1ml/ウェルの通常
の増殖培地で置き換える。第3日目、細胞をH−myo−イノシトールで標識する。簡
単にいうと、培地を除去し、細胞を0.5mlのPBSで洗浄する。次いで、1ウェルあ
たり0.5mlのイノシトール非含有/無血清培地(GIBCO BRL)を、0.25
μCiのH−myo−イノシトール/ウェルとともに添加し、細胞を、16〜18時間
、37℃/5%COでインキュベートする。第4日目、0.5mlのPBSで細胞を洗
浄し、イノシトール非含有/無血清培地を含有する0.45mlのアッセイ培地に、10
μMのパージリン、10mMの塩化リチウムを添加するか、または0.4mlのアッセイ
培地および50μlの10×ケタンセリン(ket)を最終濃度10μMとする。次いで
、細胞を30分間37℃でインキュベートする。次に細胞を0.5mlのPBSで洗浄し
、200μlの新鮮な/氷冷された停止溶液(1M KOH;18mMのホウ酸Na;3
.8mMのEDTA)/ウェルを添加した。溶液を、氷上で5〜10分間または細胞が溶
解するまで保存し、200μlの新鮮な/氷冷された中性化溶液(7.5% HCL)に
よって中性化する。溶解物を1.5mlのエッペンドルフチューブに移し、1mlのクロ
ロホルム/メタノール(1:2)/チューブを添加する。この溶液を15秒間ボルテック
スし、上相をBiorad AG1−X8TMアニオン交換樹脂(100〜200メッシ
ュ)に付与する。最初に、この樹脂を水(1:1.25W/V)で洗浄し、0.9mlの
上相をカラムにロードする。このカラムを10mlの5mM myo−イノシトールおよ
び10mlの5mM ホウ酸Na/60mMのギ酸Naで洗浄する。イノシトールTri
sリン酸を、2mlの0.1Mギ酸/1Mのギ酸アンモニウムを含む10mlのシンチレ
ーションカクテルを含有するシンチレーションバイアルに溶出する。このカラムを10m
lの0.1Mギ酸/3Mギ酸アンモニウムで洗浄することによって再生し、ddHOで
2回リンスし、水中で4℃で保存する。
【0495】
(実施例5)
(融合タンパク質調製)
(a.GPCR:Gs融合構築物)
GPCR−Gタンパク質融合構築物の設計を、以下のように達成し得る:ラットGタン
パク質Gsα(長鎖形態;Itoh,H.ら,83 PNAS 3776(1986))
の5’末端および3’末端の両方を、その上にHindIII(5’−AAGCTT−3
’)配列を含むように操作する。正しい配列(隣接するHindIII配列を含む)の確
認に続いて、その配列全体を、ベクターのHindIII制限部位を使用してサブクロー
ニングすることによってpcDNA3.1(−)(Invitrogen,カタログ番号
V795−20)にシャトルする。Gsα配列の正確な向きを、pcDNA3.1(−)
へのサブクローニング後に決定する。次いで、HindIII配列においてラットGsα
遺伝子を含むこの改変されたpcDNA3.1(−)を検証する。このベクターは、ここ
で、「汎用」Gsαタンパク質ベクターとして利用可能である。pcDNA3.1(−)
ベクターは、HindIII部位の上流に種々の周知の制限部位を含み、したがってGs
タンパク質の上流に、内因性の、構成的に活性なGPCRのコード配列を挿入する能力を
都合よく提供する。この同じアプローチを、他の「汎用」Gタンパク質ベクターを生成す
るために利用し得、そして当然ながら、当業者に公知の他の市販もしく所有されているベ
クターを使用し得る。重要な基準は、GPCRについての配列が、Gタンパク質の配列の
上流およびフレーム内にあることである。
【0496】
(Gq(6アミノ酸欠失)/Gi融合構築物)
Gq(del)/Gi融合構築物の設計を、以下のように達成し得る:Gαqサブユニ
ットのN末端の6アミノ酸(アミノ酸2〜7、配列TLESIMを有する)を欠失させ、
C末端の5アミノ酸(配列EYNLVを有する)を、Gαiタンパク質の対応するアミノ
酸(配列DCGLFを有する)で置き換える。この融合構築物を、以下のプライマー:
5’−gatcAAGCTTCCATGGCGTGCTGCCTGAGCGAGGAG
−3’(配列番号9)、および
5’−gatcGGATCCTTAGAACAGGCCGCAGTCCTTCAGGT
TCAGCTGCAGGATGGTG−3’(配列番号10)
ならびに血球凝集素タグを有するマウスGαq野生型バージョンを含むプラスミド633
13をテンプレートとして使用するPCRによって得る。小文字のヌクレオチドは、スペ
ーサーとして含まれる。
【0497】
TaqPlus Precision DNAポリメラーゼ(Stratagene)
を以下のサイクルによる増幅のために使用する:工程2〜4の35回繰り返し:95℃で
2分間;95℃で20秒間;56℃で20秒間;72℃で2分間;および72℃で7分間
。PCR産物を、pCRII−TOPOベクター(Invitrogen)中にクローニ
ングし、ABI Big Dye Terminatorキット(P.E.Biosys
tems)を使用して配列決定する。融合構築物の配列を含むTOPOクローン由来のイ
ンサートを、2工程クローニングプロセスによって発現ベクターpcDNA3.1(+)
中HindIII/BamHI部位にシャトルする。PCT出願番号PCT/US02/
05625(2002年9月6日にWO02068600として公開)もまた参照のこと
(この開示は、本明細書によりその全体が参考として援用される)。
【0498】
(実施例6[35S]GTPγSアッセイ)
(A.膜調製)
いくつかの実施形態において、目的の、候補化合物を(例えば、逆アゴニスト、アゴニ
ストもしくはアンタゴニスト)として同定することに使用するための標的GPCRを含む
膜を、好ましくは、以下のように調製する:
(a.材料)
「膜擦過緩衝液(Membrane Scrape Buffer)」は、20mMの
HEPESおよび10mMのEDTAから構成される(pH7.4);「膜洗浄緩衝液」
は、20mMのHEPESおよび0.1mMのEDTAから構成される(pH7.4);
「結合緩衝液」は、20mMのHEPES、100mMのNaClおよび10mMのMg
Clから構成される(pH7.4)。
【0499】
(b.手順)
全ての材料を、手順の間ずっと氷上で保存する。最初に、コンフルエントな細胞単層か
ら培地を吸引し、その後10mlの冷PBSでリンスし、続いて吸引する。その後、5m
lの膜擦過緩衝液を掻き取った細胞に添加する;続いて、細胞抽出物を50mlの遠沈管
に移す(20,000rpmで17分間、4℃で遠心分離)。その後、上清を吸引し、ペ
レットを30mlの膜洗浄緩衝液で再懸濁し、続いて20,000rpmで17分間、4
℃で遠心分離する。次いで、上清を吸引し、ペレットを結合緩衝液に再懸濁する。次に、
Brinkman PolytronTMホモジナイザーを使用してこれをホモジナイズ
する(懸濁液中の全ての物質がつぶれるまで15〜20秒間)。これを、本明細書におい
て、「膜タンパク質」と呼ぶ。
【0500】
(ブラッドフォードタンパク質アッセイ)
ホモジナイズに続いて、ブラッドフォードタンパク質アッセイを使用して膜のタンパク
質濃度を決定する。(タンパク質は、約1.5mg/mlに希釈され、アリコートにされ
て、後の使用のために凍結され得る(−80℃);凍結する場合、使用のためのプロトコ
ールは以下である:アッセイの日、凍結膜タンパク質を室温で解凍し、その後ボルテック
スし、次いで、Polytronによって約12×1,000rpmで約5〜10秒間ホ
モジナイズする。複数の調製のためには、異なる調製物のホモジナイズ間でホモジナイザ
ーを徹底的にきれいにすべきであることに注意すること)
(a.材料)
結合緩衝液(上記のとおり);ブラッドフォード染色試薬;ブラッドフォードタンパク
質標準を、製造者の使用説明書に従って使用する(Biorad,カタログ番号500−
0006)。
【0501】
(b.手順)
2つのチューブを調製する。1つは膜を含み、1つはコントロールとして「ブランク」
である。各々は、800μlの結合緩衝液を含む。その後、10μlのブラッドフォード
タンパク質標準(1mg/ml)を各チューブに添加し、次いで10μlの膜タンパク質
を1つのチューブにのみ添加する(ブランクではない)。その後、200μlのブラッド
フォード染色試薬を各チューブに添加し、その後各々をボルテックスする。5分後、チュ
ーブを再度ボルテックスし、中の物質をキュベットに移す。キュベットをCECIL 3
041分光光度計で、波長595にて読み取る。
【0502】
(同定アッセイ)
(a.材料)
GDP緩衝液は、37.5mlの結合緩衝液および2mgのGDP(Sigma,カタ
ログ番号G−7127)から構成され、結合緩衝液で連続希釈され、0.2μMのGDP
とされた(各ウェルにおけるGDPの最終濃度は、0.1MのGDP);候補化合物を含
む各ウェルは、100μlのGDP緩衝液(最終濃度、0.1MのGDP)、結合緩衝液
中の膜タンパク質50μl、ならびに結合緩衝液中の[35S]GTPγS(0.6nM
)、50μl(2.5μl[35S]GTPγS/10mlの結合緩衝液)から構成され
る、200μlの最終容量を有する。
【0503】
(b.手順)
候補化合物を、好ましくは、96ウェルプレート形式(これらは、−80℃で凍結され
得る)を使用してスクリーニングする。膜タンパク質(もしくは、コントロールとして、
標的GPCR以外の発現ベクターを含む膜)を、懸濁するまで短時間ホモジナイズする。
次いで、上記のブラッドフォードタンパク質アッセイを使用してタンパク質濃度を決定す
る。膜タンパク質(およびコントロール)を、次に結合緩衝液中において0.25mg/
mlに希釈する(最終アッセイ濃度、12.5μg/ウェル)。その後、100μlのG
DP緩衝液を、Wallac ScintistripTM(Wallac)の各ウェル
に添加した。次いで、5μlのピンツールを使用して、そのようなウェルに5μlの候補
化合物を移送する(すなわち、200μlの総アッセイ容量中5μlは、1:40比であ
り、したがって候補化合物の最終スクリーニング濃度は、10μMである)。やはり、汚
染を避けるため、各移送工程の後に、ピンツールを3つのレザバ(水(1×)、エタノー
ル(1×)および水(2×)を含む)内でリンスしなければならない。過剰の液体を各リ
ンスの後でツールから振り落とし、紙およびキムワイプで乾燥させる。その後、50μl
の膜タンパク質を各ウェルに添加し(標的GPCRを含まない、膜を含むコントロールウ
ェルもまた利用した)、5〜10分間室温であらかじめインキュベートする。その後、5
0μlの結合緩衝液中の[35S]GTPγS(0.6nM)を各ウェルに添加し、その
後、振盪機で60分間室温でインキュベートする(再び、この実施例において、プレート
をホイルで覆った)。次いで、プレートを4000RPMで15分間、22℃でスピンす
ることによってアッセイを停止する。次いで、このプレートを、8チャンネルマニフォー
ルドで吸引し、プレートカバーでシールする。次いで、このプレートをWallac 1
450で「Prot.#37」の設定を使用して読み取る(製造者の使用説明書どおり)
【0504】
(実施例7)
(CYCLIC AMPアッセイ)
候補化合物を(例えば、逆アゴニスト、アゴニストもしくはアンタゴニストとして)同
定するための別のアッセイアプローチを、シクラーゼベースのアッセイを利用することに
よって達成する。直接同定に加えて、このアッセイアプローチは、独立のアプローチとし
て利用されて、上記の実施例6に示される[35S]GTPγSアプローチからの結果の
確認を提供し得る。
【0505】
好ましくは、改変Flash PlateTMアデニリルシクラーゼキット(New
England Nuclear;カタログ番号SMP004A)を、内因性もしくは非
内因性の、構成的に活性化されたGPCRに対する逆アゴニストおよびアゴニストとして
候補化合物を直接的に同定するために、以下のプロトコールに従って利用する。
【0506】
トランスフェクトされた細胞をトランスフェクションの約3日後に回収する。懸濁され
た細胞を20mMのHEPES(pH7.4)および10mMのMgClを含む緩衝液
中でホモジナイズすることによって、膜を調製する。ホモジナイズを、Brinkman
PolytronTMを使用して氷上で約10秒間行う。得られたホモジネートを、4
9,000×gで15分間、4℃で遠心分離する。次いで、得られたペレットを、20m
MのHEPES(pH7.4)および0.1mMのEDTAを含む緩衝液中で再懸濁し、
10秒間ホモジナイズし、続いて49,000×gで15分間、4℃で遠心分離する。得
られたペレットを次に−80℃で使用まで保存する。直接同定スクリーニングの日、膜ペ
レットを室温でゆっくりと融解し、20mMのHEPES(pH7.4)および10mM
のMgClを含む緩衝液中で再懸濁して、0.60mg/mlの最終タンパク質濃度を
得る(再懸濁された膜は、使用まで氷上に置く)。
【0507】
cAMP標準および検出緩衝液(11mlの検出緩衝液に対して2μCiのトレーサー
125I]cAMP(100μl)を含む)を、製造者の使用説明書に従って調製し、
維持する。アッセイ緩衝液を、スクリーニングのために新たに調製し、これは以下を含有
した:20mMのHEPES(pH7.4)、10mMのMgCl、20mMのホスホ
クレアチン(Sigma)、0.1単位/mlのクレアチンホスホキナーゼ(Sigma
)、50μMのGTP(Sigma)、および0.2mMのATP(Sigma);アッ
セイ緩衝液を、次いで、使用するまで氷上で保存した。
【0508】
好ましくは、例えば、96ウェルプレートのウェルに候補化合物(3μl/ウェル;1
2μMの最終アッセイ濃度)を、40μlの膜タンパク質(30μg/ウェル)および5
0μlのアッセイ緩衝液とともに添加する。次いで、この混合物を、室温で30分間、穏
やかに振盪しながらインキュベートした。
【0509】
インキュベーション後、100μlの検出緩衝液を各ウェルに添加し、2〜24時間イ
ンキュベーションする。次いで、プレートをWallac MicroBetaTMプレ
ートリーダーで、「Prot.#31」を使用して計数する(製造者の使用説明書に従う
)。
【0510】
例示のためであって限定のためではなく、得られた例示的スクリーニングアッセイプレ
ート(96ウェル形式)結果を図1に示す。各バーは、各ウェルにおける異なる化合物に
ついての結果を示す。「標的GPCR」は、GPR131と無関係な、内因性の、構成的
に活性なGs結合GPCRのGsα融合タンパク質構築物である。図1に示される結果は
また、各プレートの平均結果の標準偏差を提供し(「m」)、そしてその平均プラス、一
次スクリーニングから、「リード」として逆アゴニストを選択するための2つの任意優先
(arbitrary preference)は、少なくともその平均プレート反応マ
イナス2標準偏差までパーセント反応を低下させる候補化合物の選択に関与する。逆に、
一次スクリーニングからの「リード」としてのアゴニストの選択のための任意優先は、少
なくともその平均プレート反応プラス2標準偏差までパーセント反応を増大させる候補化
合物の選択に関する。これらの選択プロセスに基づいて、その後のウェルの候補化合物を
、ウェルA2およびG9それぞれの上記内因性GPCRに対する推定逆アゴニスト(化合
物A)および推定アゴニスト(化合物B)として直接的に同定した。図1を参照のこと。
明瞭化のため、これらの化合物を、このGPCRに対する内因性リガンドの知識なしに、
直接的に同定した。化合物の結合親和性ではなくレセプター機能に基づくアッセイ技術に
注目することによって、このレセプター(化合物A)の機能活性を減少し得、かつレセプ
ター(化合物B)の機能活性を増加し得る化合物を確認することが可能である。
【0511】
(実施例8)
(細胞内カルシウム濃度を測定するためのFluorometric Imaging
Plate Reader(FLIPR)アッセイ)
標的レセプター(実験的)およびpCMV(ネガティブコントロール)を安定にトラン
スフェクトしたそれぞれのクローン株由来の細胞を、ポリ−D−リジン前処理された96
ウェルプレート(Becton−Dickinson,#356640)中に5.5×1
細胞/ウェルで、完全培養培地(DMEM、10%のFBS、2mMのL−グルタミ
ン、1mMのピルビン酸ナトリウムを含む)とともに、翌日のアッセイのために播種する
。Fluo4−AM(Molecular Probe,#F14202)インキュベー
ション緩衝液ストックを調製するため、1mgのFluo4−AMを467μlのDMS
Oおよび467μlのプルオロニック酸(Pluoronic acid)(Molec
ular Probe,#P3000)に溶解し、−20℃で1ヶ月保存し得る1mMの
ストック溶液を得る。Fluo4−AMは、蛍光カルシウム指標色素である。
【0512】
候補化合物を、洗浄緩衝液中で調製する(1×HBSS/2.5mM Probeni
cid/20mM HEPES、pH7.4)。
【0513】
アッセイ時、培養培地をウェルから除去し、100μlの4μMのFluo4−AM/
2.5mM Probenicid(Sigma,#P8761)/20mM HEPE
S/完全培地(pH7.4)を使用して細胞をロードする。37℃/5%COでのイン
キュベーションを60分間進める。
【0514】
1時間のインキュベーションの後、Fluo4−AMインキュベーション緩衝液を除去
し、100μlの洗浄緩衝液で細胞を2回洗浄する。各ウェルに、100μlの洗浄緩衝
液を残す。プレートをインキュベーターに、37℃/5%COで、60分間戻す。
【0515】
FLIPR(Fluorometric Imaging Plate Reader
;Molecular Device)を、50μlの候補化合物を30秒間添加して、
さらに150秒間、候補化合物によって誘発される細胞内カルシウム濃度([Ca2+
)の一過性の変化を記録するようにプログラムする。FLIPRソフトウェアを使用して
、全体的な蛍光変化の計数をアゴニスト活性を決定するために使用する。機器のソフトウ
ェアは、蛍光の読みを標準化して、初期読み取り値を等しく0にする。
【0516】
いくつかの実施形態において、標的レセプターを含む細胞は、Gα15、Gα16もし
くはキメラGq/Giαユニットをさらに含む。
【0517】
上記は、安定にトランスフェクトされた細胞を使用する、アゴニスト活性についてのF
LIPRアッセイを提供するが、当業者は、アンタゴニスト活性を特徴付けるために、こ
のアッセイを容易に改変し得る。当業者はまた、一過性にトランスフェクトされた細胞が
代替的に使用され得ることを容易に理解する。
【0518】
(実施例9)
(MAPキナーゼアッセイ)
MAPキナーゼ(マイトジェン活性化キナーゼ)をモニタリングして、レセプター活性
化を評価し得る。MAPキナーゼは、いくつかのアプローチによって検出され得る。1つ
のアプローチは、リン酸化状態(非リン酸化(不活性)もしくはリン酸化(活性)のいず
れか)の評価に基づく。リン酸化タンパク質は、SDS−PAGEにおけるよりゆっくり
とした移動度を有し、したがって、ウェスタンブロッティングを使用して未刺激タンパク
質と比較され得る。あるいは、リン酸化タンパク質に対する抗体特異性が利用可能である
(New England Biolabs)。これは、リン酸化キナーゼの増加を検出
するために使用され得る。いずれの方法においても、細胞を試験化合物で刺激し、次いで
Laemmli緩衝液で抽出する。可溶性分画をSDS−PAGEゲルに付与し、タンパ
ク質を、ニトロセルロースもしくはImmobilinに電気泳動的に移送する。標準的
なウェスタンブロット技術によって免疫反応性バンドを検出する。可視的シグナルもしく
は化学発光性シグナルをフィルムに記録し、デンシトメトリーによって定量化し得る。
【0519】
別のアプローチは、リン酸化アッセイを介するMAPキナーゼ活性の評価に基づく。細
胞を試験化合物によって刺激し、可溶性の抽出物を調製する。抽出物を、30℃で10分
間、γ−32P−ATP、ATP再生システム、およびMAPキナーゼのための特異的基
質(例えば、インスリンによって調節されるリン酸化された熱および酸安定性タンパク質
、もしくはPHAS−I)とともにインキュベートする。この反応をHPOの添加に
よって終了させ、サンプルを氷上に移送する。アリコートを、Whatman P81ク
ロマトグラフィー紙上にスポットし、これは、リン酸化タンパク質を保持する。クロマト
グラフィー紙を洗浄し、32Pについての計数は、液体シンチレーションカウンターであ
る。あるいは、細胞抽出物を、γ−32P−ATP、ATP再生システム、およびストレ
プトアビジンによってフィルター支持体に結合されるビオチン化ミエリン塩基性タンパク
質とともにインキュベートする。ミエリン塩基性タンパク質は、活性化MAPキナーゼに
対する基質である。リン酸化反応を10分間30℃で行う。次いで、フィルターを介して
抽出物を吸引し得る。これは、リン酸化ミエリン塩基性タンパク質を保持する。フィルタ
ーを洗浄し、液体シンチレーション計数によって32Pについて計数する。
【0520】
(実施例10)
(メラニン保有細胞技術)
メラニン保有細胞は、下等脊椎動物において見出される皮膚細胞である。これらは、メ
ラノソームと称される色素性のオルガネラを含む。メラニン保有細胞は、Gタンパク質共
役レセプター(GPCR)活性化によって微小管ネットワークに沿って、これらのメラノ
ソームを再分布させ得る。これらの色素移動の結果は、細胞の明らかな明化もしくは暗化
である。メラニン保有細胞において、Gi結合レセプターの活性化から生じる細胞内cA
MPの減少したレベルは、細胞の中央にメラノソームを移動させ、色の劇的な明化をもた
らす。そして、cAMPレベルが上昇する場合、Gs結合レセプターの活性化に続いて、
メラノソームは、再分散され、細胞は再度暗く見える。Gq結合レセプターの活性化から
生じるジアシルグリセロールの増加したレベルもまた、この再分散を誘導し得る。さらに
、この技術はまた、特定のレセプターチロシンキナーゼの研究に適切である。メラニン保
有細胞の反応は、レセプター活性化の数分以内に起こり、単純で、強力な色の変化を生じ
る。この反応は、従来の吸光マイクロプレートリーダーもしくは適度なビデオ画像化シス
テムを使用して容易に検出され得る。他の皮膚細胞と異なり、メラニン保有細胞は神経冠
に由来し、シグナル伝達タンパク質の全補体を発現するように見える。特に、細胞は、極
度に広い範囲のGタンパク質を発現し、したがってほぼ全てのGPCR機能的に発現し得
る。
【0521】
メラニン保有細胞を利用して、GPCRに対する化合物(天然リガンドを含む)を同定
し得る。この方法は、特定の刺激に反応してそれらの色素を分散もしくは凝集させ得、そ
してGPCRについてコードする外因性クローンを発現する色素細胞株に試験細胞を導入
することによって実行され得る。刺激薬(例えば、メラトニン)は、GPCRの活性化が
色素分散を誘導する場合に試験細胞内に色素が凝集される、色素沈着の初期状態を設定す
る。しかし、刺激薬で細胞を刺激してGPCRの活性化の場合に色素が分散する色素沈着
の初期状態に設定することは、色素凝集を誘導する。試験細胞を、次に化学化合物に接触
させ、細胞内の色素沈着が色素の初期状態から色素沈着に変更されるか否かを決定する。
GPCRに結合する候補化合物(リガンドが挙げられるが、これらに限定されない)に起
因する色素細胞の分散は、ペトリ皿上で暗く見える。一方色素の凝集により、細胞は明る
く見える。
【0522】
材料および方法は、米国特許第5,462,856号および同第6,051,386号
の開示に従って行われる。これらの特許の開示は、本明細書によりその全体が参考として
援用される。
【0523】
細胞を、例えば96ウェルプレートにプレートする(プレートあたり1レセプター)。
トランスフェクションの48時間後、各プレートの細胞の半分を10nMのメラトニンで
処理する。メラトニンは、メラニン保有細胞中の内因性Gi結合レセプターを活性化し、
それらの細胞がその色素を凝集するようにさせる。残り半分の細胞を、無血清培地0.7
XL−15(Gibco)に移送する。1時間後、無血清培地中の細胞は色素分散状態の
ままであり、一方メラトニン処理細胞は、色素凝集状態である。この点で、細胞をある容
量反応の試験候補化合物で処理する。プレートされたGPCRが試験/候補化合物に結合
する場合、メラニン保有細胞は化合物に反応して色変化を受けると予測される。レセプタ
ーがGsもしくはGq結合レセプターのいずれかであった場合、メラトニン凝集型メラニ
ン保有細胞は、色素分散を受ける。対照的に、レセプターがGi結合レセプターである場
合、色素分散した細胞は、容量依存的な色素凝集を受けると予測される。
【0524】
(実施例11)
(ヒトおよびマウスRUP43の組織分布)
ヒトおよびマウス脂肪細胞および骨格筋細胞によるRUP43の発現を、RT−PCR
によって調べた。ヒト白血球サブセットによるRUP43の発現を、TaqMan RT
−PCRによって調べた。
【0525】
(a.)
ヒト前脂肪細胞をBiowhittakerから購入し、未分化のままにさせたか、文
化に供したかのいずれかとした。ヒトの分化した脂肪細胞を、Zen Bioから購入し
た。RNAを、これらの未分化ヒト脂肪細胞および分化したヒト脂肪細胞から調製し、c
DNAに変換した。次いで、RT−PCRを行い、以下の特異的プライマーを使用してR
UP43の発現を調べた:
5’−CTACCTGTACCTCGAAGTCTA−3’(センスプライマー;配列
番号11)、および
5’−AGTGGCGGGCGCTGCTCAT−3’(アンチセンスプライマー;配
列番号12)
使用したサイクル条件は、94℃で2分間、94℃で15秒間、55℃で30秒間、お
よび72℃で1分間で、最後の3つの工程について35サイクルであった。分化したヒト
脂肪細胞によって、そしてより低い程度でヒト前脂肪細胞によって、RUP43が内因性
に発現されていたことを見出した(図2A)。
【0526】
(b.)
ヒト皮下脂肪(「Sub Q」)および内臓脂肪によるRUP43の発現を、上記(a
.)のようにRT−PCRで調べた。19〜35の範囲のBMIを有する10人の個体か
ら、皮下脂肪サンプルを得た。19〜45の範囲のBMIを有する8人の個体から、内臓
脂肪サンプルを得た。グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)
のRT−PCRを使用して、サンプルローディングが同等であることを示した。ヒトRU
P43が、皮下脂肪および内臓脂肪の両方において内因性に発現されていることを見出し
た(図2B)。
【0527】
(c.)
マウス3T3L1細胞を、未分化のままにしたか、分化に供した。未分化3T3L1細
胞、分化した3T3L1細胞、またはマウス骨格筋細胞からRNAを調製した。RNAか
らcDNAへの変換を、逆転写酵素の存在下(「+」)もしくは非存在下(「−」;ネガ
ティブコントロール)のいずれかで行った。次いで、RT−PCRを行い、以下の特異的
プライマーを用いてRUP43の発現を調べた:
5’−TGAGCTGTCGGCCATTCCCAT−3’(センスプライマー;配列
番号13)、および
5’−GATTGTCCCTCTTGGCTCTTC−3’(アンチセンスプライマー
;配列番号14)
使用したサイクル条件は、94℃で2分間、94℃で15秒間、55℃で30秒間、お
よび72℃で1分間で、最後の3つの工程について35サイクルであった。分化したマウ
ス3T3L1脂肪細胞によって、そしてより低い程度でマウス未分化3T3L1脂肪細胞
によって、RUP43が発現されていたことを見出した。RUP43がマウス骨格筋細胞
によって内因性に発現されていたことをまた見出した(図2C)。
【0528】
(d.)
ヒト骨格筋細胞を、Cambrexから得た。RNAを骨格筋細胞から調製し、cDN
Aに変換した。ポジティブコントロールとして、Biowhittakerから得たヒト
脂肪細胞から上記(a.)のように調製したcDNAを使用した。(a.)に記載するよ
うに、RT−PCRを行った。RUP43が、骨格筋細胞によって、そして既に(a.)
で示したように脂肪細胞によって、内因性に発現されていたことを見出した(図2D)。
【0529】
(実施例12)
(脂肪細胞分化)
(マウス3T3L1細胞の分化)
3T3L1増殖培地 1000ml
DMEM 1000ml
10% BCS 100ml
L−グルタミン、200mM 10ml
P/S 10ml

3T3L1通常培地 1000ml
DMEM 1000ml
10% FBS 100ml
L−グルタミン、200mM 10ml
P/S 10ml

3T3L1誘導培地 1000ml
DMEM 1000ml
10% FBS 100ml
L−グルタミン、200mM 10ml
P/S 10ml
インスリン(10mg/ml) 1ml
IBMax(10mg/ml) 11.1ml
デキサメタゾン(10mg/ml) 328μl

3T3L1インスリンのみの培地 1000ml
DMEM 1000ml
10% FBS 100ml
L−グルタミン、200mM 10ml
P/S 10ml
インスリン(10mg/ml) 1ml

DMEM:HYQ DEM/高グルコース,SH30081.01,500ml、SH
30081.02、1000ml
BCS:仔ウシ血清、Hyclone SH30073.03
FBS:ウシ胎仔血清、Hyclone SH30071.03
L−グルタミン、200mm、100×、Hyclone SH40003−11
ペニシリン−ストレプトマイシン、100mM Hyclone SV30010
トリプシン、HYQ、0.05% 1×、SH30236.01 100ml
HYQ DPBS/改変、1×、SH30028.02 50ml

3T3L1細胞を、50%コンフルエントで播種し、その結果、培養物は翌日に完全に
コンフルエントになった。2日後、細胞は100%コンフルエントに達し、誘導培地を添
加した。2〜5日後、細胞をインスリンのみの培地へと交換した。誘導の2〜5日後、細
胞を通常培地に2日間戻し、3T3L1の脂肪細胞への分化のプロセスを完了した。
【0530】
(b.ヒト前脂肪細胞の分化)
Cambrexから購入したヒト前脂肪細胞を、24ウェルプレートに、1×10
胞/ウェルで播種した。2日後、細胞が100%コンフルエントに達した場合、Camb
rexから購入した誘導培地を添加した。細胞を誘導培地中で10日間培養し、それによ
って、初代ヒト前脂肪細胞の脂肪細胞への分化のプロセスを完了した。
【0531】
(実施例13)
(ヒト骨格筋細胞の分化)
ヒト初代未分化骨格筋細胞を、Cambrexから購入したSKGM−2培地で培養し
た。骨格筋筋芽細胞培養物が50〜70%コンフルエントに達した場合、SKGM−2培
地を除去し、融合培地(2%ウマ血清を補充したDMEM−F12)を添加した。
【0532】
融合培地中での細胞の培養を、(隔日で融合培地を交換しながら)4〜7日間または筋
管芽培養物全体にわたって観察されるまで継続した。
【0533】
得られた分化した培養物が多核(3より多くの核)化した筋管を含むことを観察した。
【0534】
筋管を長期の培養期間を必要とするアッセイにおいて使用すべき場合、融合培地を除去
し、SKGM−2培地と交換した。最高の性能のため、SKGM−2培地を隔日で交換し
、培養物を2〜3週間維持した。筋管培養物を、分化後2週間までに最も良好に使用した
【0535】
(実施例14)
(内因性RUP43はGsに結合する)
RUP43によるGs結合を、内因性のヒト、マウスもしくはラットのRUP43でト
ランスフェクトされたHEK293細胞におけるcAMPの細胞内レベルと、偽トランス
フェクトされたHEK293細胞(「pCMV」)とを比較することによって調べた。細
胞内cAMPレベルの決定を、トレーサーとしての125I(NEX130)とともにP
erkin Elmer Flashplate Kit(SMP004B)を使用した
シクラーゼアッセイによって、実質的に製造者の使用説明書のとおりに行った。
【0536】
HEK293細胞を1.2×10の密度でプレートし、そして一晩接着させた。次い
で、HEK293細胞を、pCMV単独もしくは内因性のヒト、マウスもしくはラットの
RUP43をコードするポリヌクレオチドを含むpCMVで、リポフェクタミン(120
g/15cmディッシュ)を使用してトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞
を、一晩回復させた。アッセイのために、トランスフェクトした細胞を回収し、flas
hplateのウェルに、1x10細胞の最終細胞数で添加した。これらを接着させ、
次いで2時間トレーサーに供した。次に全てのウェルを吸引し、プレートをマイクロプレ
ートリーダー(Wallac 1450 microbetaカウンター)で読み取った
。RUP43でトランスフェクトしたHEK293細胞の細胞内レベルは、偽トランスフ
ェクト細胞よりも有意に高かった。このことは、RUP43が検出可能なレベルの構成的
Gs結合を表すことを示す(図3)。
【0537】
(実施例15)
(RUP43のアゴニストとしての化合物1の同定)
(材料)
ATCCから得たHEK293細胞を全てのアッセイにおいて使用した。培養培地は、
10%ウシ胎仔血清(Gibco,BRL)を補充した90mlのDMEMから構成され
た。アデニリルシクラーゼ活性化Flashplate(登録商標)アッセイを使用して
、直接cAMP[125I]検出システムによりサイクリックAMP測定値を決定した。
【0538】
(一過性トランスフェクションおよび全細胞シクラーゼFlashplateアッセイ

HEK293細胞(5×10細胞/ml)を15cmディッシュにプレートした。翌
日、FuGENE 6試薬(Roche Applied Science)を製造者が
示唆するように使用して、細胞をトランスフェクトした。簡単にいうと、OptiMEM
(Gibco,BRL)およびFuGENE 6試薬から構成されるトランスフェクショ
ン混合物を、一緒に混合して、室温で5分間インキュベートさせた。2μgの内因性ヒト
RUP43レセプタープラスミド(トランスフェクト)、もしくは2μgの空(empt
y)pCMVベクター(偽)を含む別々のチューブに、トランスフェクション試薬を滴下
し、そして15分間室温でインキュベートさせた。DNA/トランスフェクション混合物
を、各それぞれのプレートに滴下し、37℃、95/5%O/COで維持された加湿
インキュベーターにおいて一晩インキュベートした。翌日、培地を通常の増殖培地と交換
し、細胞を一晩インキュベートした。
【0539】
3日目、細胞をPBSで一回リンスし、非酵素性細胞解離緩衝液(Gibco,BRL
)を使用してプレートから剥離させ、そしてcAMPの測定のため、2×10細胞/m
lでアッセイ刺激緩衝液中(登録商標)(Perkin Elmer)で再懸濁した。化
合物1もしくはビヒクルを刺激緩衝液で2×所望の最終濃度で連続希釈した。化合物1お
よびビヒクル(50μL/ウェル)を、96ウェルFlashplate(登録商標)(
Perkin Elmer)のそれぞれのウェルに添加した。トランスフェクト細胞また
は偽細胞を各ウェルに分注し(50μL/ウェル)、室温で、プレート形の振盪機上で1
時間インキュベートさせた。検出緩衝液(登録商標)(Perkin Elmer,10
0μL)を各ウェルに添加し、穏やかに攪拌しながら2時間室温でインキュベートした。
2時間のインキュベーションの最後に、プレートを吸引し、Wallac 1450 m
icrobetaカウンターを使用してcAMPレベルを決定した。
【0540】
化合物1が、容量依存的な様式で、内因性ヒトRUP43でトランスフェクトされたH
EK293細胞において特異的に細胞内cAMPを増加させたが、偽トランスフェクト細
胞においては増加させなかったことを見出した。このことは、化合物1を、RUP43の
アゴニストであると同定する(図4)。
【0541】
(実施例16)
(RUP43のアゴニストとしての化合物2の同定)
メラニン保有細胞技術(実施例10、上記)を使用して、化合物2が内因性ヒトRUP
43のアゴニストであることを見出した(図5)。簡単にいうと、コンフルエントなフラ
スコ(T−185cmフラスコ)から、トリプシン(0.7×)を使用してメラニン保
有細胞を回収し、エレクトロポレーションによってトランスフェクトした。内因性ヒトR
UP43をコードするポリヌクレオチド(30μg)を、メラニン保有細胞のトランスフ
ェクションのために使用した。エレクトロポレーションの後、非生存細胞および細片を除
去するために、細胞をフラスコ中で約3〜4時間予めプレートした。完了後、次にフラス
コをトリプシン処理し、アッセイのため、3つ組で384ポリ−D−リジンウェルコーテ
ィングしたプレートにプレートした。トランスフェクションの48時間後、アッセイプレ
ートを分光光度計で読んだ(吸光度T)。次いで、連続希釈した化合物#2とともに細
胞を1時間インキュベートし(100μM−51.2pM、5倍希釈、0.5% DMS
O最終)、再度読んだ(吸光度T60)。3つ組の吸光度データを分析し、%コントロー
ル反応として示し、ポジティブコントロールウェル(200)およびネガティブコントロ
ールウェル(100)と比較した。曲線の高さは、コントロールのおよそ92%であり、
EC50=0.212μMであった。
【0542】
(実施例17)
(インビトログルコース取り込みアッセイ)
インビトログルコース取り込みアッセイをここに記載されるように行った。
【0543】
(緩衝液および試薬)
飢餓培地:DMEM/0.5% BSAを含む高グルコース
KRPH緩衝液:
5mM NaHPO、pH7.4(KRPH緩衝液は各回に新たに作製)
20mM Hepes、pH7.4
1mM MgSO
1mM CaCl
136mM NaCl
4.7mM KCl
1% BSA
2−デオキシグルコース(DOG):ストック100mM:水中16.4mg/ml(
4℃で1〜2週間保存)
各ウェルに、1μCi[H]−2−DOGを含む1μlおよび1μl冷ストック2−
DOGおよび2mlのKRPHを添加
サイトカラシンB(CytoB):ストック(95%エタノール中10mM):−20
℃に保つ
CytoBを10μM最終で使用し、キャリア媒介性取り込みをブロックする。最後に
またこの濃度を使用して反応を停止させる。停止緩衝液は、PBS+10μM Cyto
B(「PBS」)である
1% Triton−X:これは可溶化緩衝液である
細胞を24ウェルプレートにプレートする
(手順)
1.少なくとも2時間、細胞を飢餓状態にする
2.細胞をKRPH緩衝液で2回洗浄し、2mlのKRPHをウェルに添加する
3.細胞を、20分間、インスリンおよび/もしくは試験化合物で処理するか、または
ビヒクルで処理する(コントロール)
4.20分後、緩衝液をウェルから吸引し、直ちに1mlのKRPH緩衝液+2−DO
Gを添加する。CytoB処理細胞については、CytoBを取り込みアッセイ前に5分
間添加する
5.4分後、ウェルから緩衝液を吸引し、そして3mlの冷PBSを添加する。アッセ
イを完了した後、各ウェルにおいて細胞を冷PBSで2回洗浄する。停止PBSを完全に
吸引し、次いで700μlの1% Triton Xを添加する。37℃のインキュベー
ターに30分おく
6.全溶解液のCPMを計数する。CPM/ウェルを計算する
CytoB値をインスリンおよび/もしくは試験化合物で処理された細胞、ならびにビ
ヒクルで処理された細胞(コントロール)の各々について得られた価から引き算する。
【0544】
(実施例18)
(化合物2は、マウス3T3L1脂肪細胞におけるグルコース取り込みを刺激する)
分化したマウス3T3L1脂肪細胞を、種々の時間、50μMの化合物2で処理した。
その後、実施例17に従ってグルコース取り込みを決定した。図6より、化合物2が3T
3L1脂肪細胞におけるグルコース取り込みを刺激したことは明らかである。この結果は
、RUP43アゴニストが、高グルコース血症におけるインスリンで制御できないグルコ
ースレベルを調節するための魅力的な候補であることを示す。刺激されたグルコース取り
込みの迅速な時間経過は、血中グルコース濃度を低下させるために、RUP43アゴニス
トは現在利用可能な薬物よりも、より迅速な治療効果を提供し得ることを示唆する。
【0545】
(実施例19)
(化合物2は、マウス3T3L1脂肪細胞におけるインスリン刺激性グルコース取り込
みを増強する)
分化したマウス3T3L1脂肪細胞を、化合物2あり(「化合物2」)、またはなし(
「コントロール」)で、無血清培地において3時間処理した。次いで、3T3L1細胞を
新鮮なKRPH緩衝液で2回洗浄し、そして種々の濃度のインスリンで20分間処理した
。インスリンによる処理後、実施例17に従ってグルコース取り込みを決定した。図7
り、化合物2が3T3L1脂肪細胞におけるインスリン刺激性グルコース取り込みを増強
したことは明らかである。この結果は、RUP43アゴニストがインスリン効力を増加し
、それによって最大のグルコース取り込みを達成するのに必要とされるインスリン濃度を
低下させ得ることを示す。
【0546】
(実施例20)
(化合物2は、ヒト初代ヒト脂肪細胞におけるグルコース取り込みを刺激する)
ヒト前脂肪細胞(Cambrex)を脂肪細胞へと分化させた。この分化させた初代ヒ
ト脂肪細胞を、50μMの化合物2ありもしくはなしで、3時間無血清培地中で処理した
。次いで、ヒト脂肪細胞を新鮮なKRPH緩衝液で2回洗浄し、100nMインスリンあ
りまたはなしで、20分間処理した。インスリンありまたはなしでの処理の後、グルコー
ス取り込みを実施例17に従って決定した。図8より、化合物2が初代ヒト脂肪細胞にお
けるグルコース取り込みを刺激したことは明らかである。図8より、化合物2が初代ヒト
脂肪細胞におけるインスリン刺激性グルコース取り込みを増強したことがまた明らかであ
る。顕著なことに、マウス3T3L1細胞に関して観察されたように、RUP43アゴニ
ストは、インスリンの非存在下で初代ヒト脂肪細胞におけるグルコース取り込みを刺激し
得、そしてRUP43刺激性グルコース取り込みのレベルは、インスリン刺激性グルコー
ス取り込みのレベルに匹敵する。
【0547】
(実施例21)
(化合物2はラットL6筋芽細胞におけるグルコース取り込みを刺激する)
ラット骨格筋L6筋芽細胞をATCCから得て、24ウェルプレートでコンフルエント
まで増殖させた。
【0548】
(a.)
コンフルエントなL6細胞を、種々の濃度の化合物2ありまたはなしで、無血清倍地中
で3時間処理した。次いで、L6細胞をKRPH緩衝液で2回洗浄した。化合物2で処理
したL6細胞を、KRPH緩衝液とともに20分間インキュベートし;化合物2で処理し
なかったL6細胞を、10nMもしくは100nMのインスリンとともに20分間インキ
ュベートした。インスリンありもしくはなしでの処理の後、グルコース取り込みを実施例
17に従って決定した。図9Aより、化合物2がラットL6筋芽細胞におけるグルコース
取り込みを増強したことは明らかである。RUP43アゴニストは、ラットL6筋芽細胞
において、インスリンより多くのグルコース取り込みを刺激した。骨格筋細胞は、インビ
ボにおけるグルコース処理の80%に関与し、得られた結果は、RUP43アゴニストが
、インビボにおいてインスリンより良好なグルコース処理を提供するための、魅力的な候
補であることを示す。
【0549】
(b.)
コンフルエントなL6筋芽細胞を、50μMの化合物2で、種々の時間処理した。各処
理期間の終わりに、グルコース取り込みを実施例17に従って決定した。結果は、RUP
43アゴニストが20分(インスリンの時間枠と同様の時間枠)以内に骨格筋細胞におけ
るグルコース取り込みを刺激し得ることを示す(図9B)。この結果は、RUP43アゴ
ニストが、インスリンに匹敵する短い時間内でインビボにおけるグルコースレベルを調節
するための、魅力的な候補であることを示す。
【0550】
(実施例22)
(化合物2は、ラットL6筋芽細胞におけるインスリン刺激性グルコース取り込みを増
強する)
コンフルエントなラットL6筋芽細胞を、50μMの化合物2ありまたはなしで、3時
間無血清倍地中で処理した。次いで、L6細胞を新鮮なKRPH緩衝液で2回洗浄した。
次に、L6細胞を、100nMインスリンありまたはなしで、20分間処理した。インス
リンありまたはなしでの処理の後、グルコース取り込みを実施例17に従って決定した。
図10より、脂肪細胞について観察された結果と同様に、化合物2がラットL6筋芽細胞
におけるインスリン刺激性グルコース取り込みを増強したことは明らかである。この結果
は、RUP43アゴニストがインスリン効力を増加し、それによって最大のグルコース取
り込みを達成するのに必要とされるインスリン濃度を低下させ得ることをさらに示す。し
たがって、RUP43は、高インスリン血症を原因とする、インスリン抵抗性に関する問
題を被る個体にとっての魅力的な治療選択肢であることを示している。
【0551】
(実施例23)
(化合物2は、初代ヒト骨格筋細胞におけるグルコース取り込みを刺激する)
Cambrexから得られた初代ヒト骨格筋細胞を50%コンフルエントまで増殖させ
、次に誘導培地での5〜7日間の培養により分化させた。分化した初代ヒト骨格筋細胞を
次に増殖倍値に7〜10日間移した。
【0552】
(a.)
分化したヒト骨格筋細胞を、種々の濃度の化合物2ありまたはなしで、無血清倍地中で
3時間処理した。化合物2ありもしくはなしでの処理の後、細胞を新鮮なKRPH緩衝液
で2回洗浄した。次いで、化合物2で処理したL6細胞を、KRPH緩衝液とともに20
分間インキュベートし;化合物2で処理しなかったL6細胞を、10nMもしくは100
nMのインスリンとともに20分間インキュベートした。インスリンありもしくはなしで
の処理の後、グルコース取り込みを実施例17に従って決定した。図11Aより、RUP
43アゴニストが、インスリンの非存在下で、かつインスリンよりも効率的に、ヒト骨格
筋細胞におけるグルコース取り込みを調節し得ることは明らかである。得られた結果は、
RUP43アゴニストが、グルコース処理の80%が起こるヒト骨格筋細胞におけるグル
コース取り込みの刺激に有効であることを示す。この結果は、RUP43アゴニストが、
インスリン作用に対して無反応性の高グルコース血症におけるグルコースレベルを制御す
るための、魅力的な候補であることを示す。
【0553】
(b.)
分化したヒト骨格筋細胞を、50μMの化合物2で、種々の時間処理した。各処理期間
の終わりに、グルコース取り込みを実施例17に従って決定した。得られた結果を図11
Bに提示する。RUP43 アゴニストに対して観察されたヒト骨格筋細胞におけるグル
コース取り込みの迅速な刺激は、RUP43アゴニストが、インビボにおいてグルコ−ス
レベルを直接的に、かつ短い時間内に調節するための、魅力的な候補であることを示す。
【0554】
(実施例24)
(経口バイオアベイラビリティ)
経口バイオアベイラビリティを直接的に評価するための物理化学分析アプローチが、当
業者に周知であり、使用され得る[例えば、限定ではなく以下を参照のこと:Wong
PCら,Cardiovasc Drug Rev(2002)20:137−52;お
よびBuchan Pら,Headache(2002)補遺2:S54−62;これら
の各々の開示は、その全体が本明細書において参考として援用される]。さらなる例示の
ためであって限定のためではなく、上記代替的アプローチは、液体クロマトグラフィータ
ンデム質量分析計[Chavez−Eng CMら,J ChromatogrB An
alyt Technol Biomed Life Sci(2002)767:11
7−29;Jetter Aら,Clin Pharmacol Ther(2002)
71:21−9;Zimmerman JJら,J Clin Pharmacol(1
999)39:1155−61;およびBarrish Aら,Rapid Commu
n Mass Spectrom(1996)10:1033−7;これらの各々の開示
は、その全体が本明細書において参考として援用される]。近年、陽電子断層撮影法(P
ET)が、薬物の経口投与後の哺乳動物の体における薬物分布の直接測定値(経口バイオ
アベイラビリティを含む)を得るために、うまく使用されている[Gulyasら,Eu
r J Nucl Med Mol Imaging(2002)29:1031−8;
この開示は、本明細書によってその全体が参考として援用される]。
【0555】
あるいは、例として、例示のためであって限定のためではなく、実施例26のマウスモ
デルを介して、開発されたインビボデータに基づく。モジュレーターは、0.1mgkg
−1〜100mgkg−1の範囲の用量での経口(oral gavage)で投与され
る。モジュレーターの効果は、用量依存性であり、腹腔内投与後の効果に匹敵することが
示されている。ここで、この効果は、血中グルコース濃度を低下させる(実施例26)。
経口投与を介する有益な効果である減少の、最大の半分を達成するために必要とされるモ
ジュレーターの用量は、腹腔内投与を介する有益な効果である減少の、最大の半分を達成
するために必要とされるモジュレーターの用量に匹敵する。例示のため、上記経口用量が
、上記腹腔内用量の2倍である場合、モジュレーターの経口バイオアベイラビリティは、
50%である。より一般的には、上記経口用量がθmgkg−1であり、そして上記腹腔
内用量がρmgkg−1である場合、パーセンテージとしてのこのモジュレーターの経口
バイオアベイラビリティは、[(ρ/θ)×100]である。
【0556】
(実施例25)
(血液脳関門モデル)
本発明の化合物の血液脳関門を横切る能力を、脳由来の細胞を使用して決定し得る。想
定される1つの方法は、例示のためであって限定のためではなく、脳毛細管内皮細胞およ
び星状細胞の共培養物を使用する。Dehouckら[J Neurochem(199
0)54:1798−801;本明細書によって、その全体が参考として援用される]の
血液/脳関門モデルを使用することである。
【0557】
ウシ毛細管内皮(BBCE)細胞を単離し、Meresseら[J Neuroche
m(1989)53:1363−1371;本明細書によって、その全体が参考として援
用される]に記載されるように特徴付ける。簡単にいうと、ウシ脳の半球からの単離後、
機械的ホモジネーションにより、微小血管を、ウシ角膜内皮によって分泌された細胞外マ
トリックスでコーティングされたディッシュに播種する。播種の5日後、第1の内皮細胞
は毛細管から移動し、微小コロニーを形成し始める。このコロニーが十分に大きくなった
場合、5つの最も大きな島をトリプシン処理し、35mm径のゼラチンコーティングされ
たディッシュ上に、15%仔ウシ血清(Seromed)、3mMグルタミン、50μg
/mlのゲンタマイシン、2.5μg/mlのアンホテリシンB(Fungizone)
、およびウシ線維芽細胞成長因子(1ng/ml、隔日で添加)を補充したダルベッコ改
変イーグル培地(DMEM)の存在下で播種する(1クローン/ディッシュ)。1つの3
5mm径ディッシュ由来の内皮細胞を、コンフルエントな状態で回収し、60mm径のゼ
ラチンコーティングされたディッシュに播種する。6〜8日後、コンフルエントな細胞を
1:20の分割比で継代培養する。継代第3代の細胞(約100ディッシュ)を液体窒素
中に保存する。
【0558】
星状細胞の初代培養を新生仔ラットの大脳から作製する。髄膜を除去した後、脳組織を
、BooherおよびSensenbrenner[Neurobiology(197
2)2:97−105;本明細書によって、その全体が参考として援用される]によって
記載されるように、穏やかにナイロンシーブに通す。10%ウシ胎仔血清(Serome
d)、2mMグルタミン、および50μg/mlのゲンタマイシンを補充されたDMEM
を、大脳組織の解離および星状細胞の発達のために使用する。
【0559】
培養プレートインサート(Millicell−CM;孔サイズ0.4μM;直径、3
0mm;Millipore)を、Bornstein[Lab Invest(195
8)7:134−139;本明細書によって、その全体が参考として援用される]の方法
の改変によって調製されるラット尾部コラーゲンで、両側からコーティングする。
【0560】
星状細胞を、フィルターを裏返しに用いて底部側に、2.5×10細胞/mlの濃度
でプレートする。8日後、フィルターを適切に配置し、週に2回培地を交換する。播種の
3週後、星状細胞の培養物は安定化する。次いで、継代第3代で凍結されたBBCE細胞
を、60mm径のゼラチンコーティングされたディッシュ上で再培養する。コンフルエン
トな細胞をトリプシン処理し、フィルターの上側に4×10細胞の濃度でプレートする
。共培養のために使用される培地は、15%ウシ血清、2mMグルタミン、50μg/m
lのゲンタマイシンおよび1ng/mlの、隔日で添加されるウシ線維芽細胞成長因子を
補充されたDMEMである。これらの条件下で、BBCE細胞は、8日以内にコンフルエ
ントな単層を形成する。
【0561】
培養プレートを6ウェルプレートに設定し、上部チャンバーに2mlの緩衝液を添加し
、そして2mlをインサートを含有するプレートに添加する。この6ウェルプレートを、
37℃の浸透する水浴に配置する。上部チャンバーに本発明の化合物を添加し、100μ
lを下部チャンバーから種々の時点で除去する。特定の実施形態においては、試験化合物
を放射性標識する。特定の実施形態においては、この放射性標識は、Hもしくは14
である。いくつかの実施形態において、最終時点は約20分、約30分、約40分、約5
0分、約60分、約70分、約80分、約90分。下部チャンバーに存在する全試験化合
物のパーセンテージを、種々の時点で決定する。ロイシンは、透過性のポジティブコント
ロールとして使用される。イヌリンは、透過性のネガティブコントロールとして使用され
る。
【0562】
特定の実施形態において、最終時点での下部チャンバーにおける本発明の化合物の、少
なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少
なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、ま
たは少なくとも約90%の測定は、本発明の化合物が血液脳関門を横切ることができると
いう指標である。
【0563】
(実施例26)
(ラットにおけるグルコースホメオスタシスに対するRUP43アゴニストのインビボ
効果)
(A.ラットにおける経口ブドウ糖負荷試験(oGTT))
10週齢の雄性Zucker糖尿病脂肪性(ZDF)ラット(Charles Riv
er)を、18時間絶食させ、無作為に群に分け(n=11)、RUP43アゴニストを
種々の用量で受容させるか、またはコントロールの、インスリン感受性を増加させること
が公知であるロシグリタゾン(rosiglitazone)(RSG、10mg/kg
)で処理する。RUP43アゴニストを腹腔内に送達する。RSGを腹腔内に送達する。
好ましいRUP43アゴニストの用量は、0.1〜100mg/kgである。他の好まし
い用量は、以下からなる群より選択される:0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.
0mg/kg、3.0mg/kg、10mg/kg、30mg/kgおよび100mg/
kg。プラシーボ群にはビヒクルを投与する。
【0564】
試験化合物およびコントロールRSGの投与の30分後、2g/kg用量で、ラットに
デキストロースを経口投与する。Glucometer Elite XL(Bayer
)を使用して、種々の時点で血中グルコースレベルを決定する。デキストロース投与の時
点を「0分」として取ると、例示的な時点は−30分、0分、30分、60分、90分、
および120分である。平均グルコース濃度を、各処置群の11匹の動物から平均する。
これらの結果は、ラットにおいて、グルコース負荷の後、RUP43アゴニストが用量依
存的な様式で血中グルコースレベルを低下させることを実証し得る。
【0565】
あるいは、本明細書において記載される経口ブドウ糖負荷試験は、RUP43アゴニス
ト、RSGまたはビヒクルの7回の毎日投与の直後にラットにおいて実施される。
【0566】
本明細書において記載される経口ブドウ糖負荷試験が種々の動物(例えば、マウス、ウ
サギ)においてもまた実施され得ることが、明確に企図される。
【0567】
(B.ZDFラットのRUP43アゴニスト対する急性応答)
10週齢の雄性Zucker糖尿病脂肪性(ZDF)ラット(Charles Riv
er)を、無作為に群に分け(n=6)、ビヒクル(腹腔内)、RUP43アゴニスト(
腹腔内)、またはロシジタゾン(RSG、10mg/kg、腹腔内)を受容させた。RU
P43アゴニストの好ましい用量は、0.1〜100mg/kgである。他の好ましい用
量は、以下からなる群より選択される:0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0m
g/kg、3.0mg/kg、10mg/kg、30mg/kgおよび100mg/kg
。化合物投与の後、食物を除去し、そして種々の時点で血中グルコースレベルを決定する
。グルコースレベル決定の例示的時間は、0時間、1時間、2時間、3時間および4時間
であり、そして毎日1週間までである。各時点での血中グルコースレベルの低下は、元の
グルコースレベルのパーセンテージとして表現され、各群について6動物から平均する。
これらの動物は、300〜400mg/dlの血中グルコースレベル(給餌状態)を有す
る。これは、非糖尿病の野生型動物よりも有意に高い。RUP43アゴニストもしくはR
SGによる処理は、ビヒクルコントロールに対してグルコースレベルの有意な低下を示し
得る。これらのデータは、RUP43アゴニストが糖尿病動物におけるグルコースホメオ
スタシスを改善するという効力を有することを実証し得る。
【0568】
あるいは、ラットは、血中グルコースレベルが7日間毎日決定される直後に、RUP4
3アゴニスト、RSGまたはビヒクルを用いて、7日間毎日注射される。
【0569】
本明細書において記載される急性応答試験が種々の動物(例えば、マウス、ウサギ)に
おいてもまた実施され得ることが、明確に企図される。
【0570】
(実施例27)
(本発明の化合物の合成)
(実施例27A:2−{1−[2−(2−クロロ−フェニル)−アセチル]−ピペリジン
−4−イル}−チアゾール−4−カルボン酸メチル 2−メチル−4,5,6,7−テト
ラヒドロ−2H−インダゾール−3−イル)−アミド)
(2−ピペリジン−4−イル−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル二臭化水素
酸塩)
30mLのEtOH中のtert−ブチル−4−(アミノカルボチオイル)テトラヒド
ロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(2.0g、8.2mmol)およびエチル
ブロモピルベート(1.6g、8.2mmol)の溶液を、80℃で4時間攪拌した。そ
の後、この混合物を室温に冷却し、そして48%のHBr(1.0mL、14mmol)
を充填した。この反応混合物をさらに1時間攪拌し、次いで濃縮して油状の固体とした。
ジエチルエーテルで粉砕して3.0g(91%)の褐色個体を得た。H NMR(40
0MHz,DMSO−d)δ9.02(br s,1H),8.77(br s,1H
),8.46(s,1H),7.01(br s,1H),4.29(q,J=7.1H
z,2H),3.44−3.33(m,3H),3.02(q,J=11.7Hz,2H
),2.19(d,J=13.2Hz,2H),1.97−1.88(m,2H),1.
29(t,J=7.0Hz,3H)。C1116S+HについてのMS:計算
値241、観察値241。
【0571】
(2−{1−[2−(2−クロロ−フェニル)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}
−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル)
30mLのCHCl中の2−ピペリジン−4−イル−チアゾール−4−カルボン酸
エチルエステル二臭化水素酸塩(1.0g、3.2mmol)、2−クロロフェニル酢酸
(0.55g、3.2mmol)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N
,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.4g、3
.5mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(diiospropylethyl
amine)(3.0mL、17mmol)の溶液を、40℃で8時間攪拌した。その後
、30mLのCHClで粗混合物を希釈し、1Mクエン酸(3×50mL)で洗浄し
、NaHCO水溶液(1×30mL)で飽和させ、NaCl水溶液(1×30mL)で
飽和させた。得られた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して褐色の油状物と
した。EtOAc:ヘキサン(3:1)によるシリカゲル上での精製により、0.94g
(75%)の淡褐色の油状物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.
08(s,1H),7.39(dd,J=7.6,1.6Hz,1H),7.32(dd
,J=7.2,2.0Hz,1H),7.25−7.19(m,2H),4.76(ap
par d,1H),4.42(q,J=7.2Hz,2H),3.99−3.95(m
,1H),3.88(d,ABパターン,JAB=16.0Hz,1H),3.83(d
,ABパターン,JAB=16.0Hz,1H),3.34(tt,J=11.7,3.
7Hz,1H),3.21−3.14(m,1H),2.83−2.76(m,1H),
2.20−2.16(m,2H),1.74(qd,J=12.3,4.1Hz,1H)
,1.63(qd,J=12.3,4.0Hz,1H),1.40(t,J=7.2Hz
,3H)。C1921ClNS+HについてのMS:計算値393、観察値39
3。
【0572】
(2−{1−[2−(2−クロロ−フェニル}−アセチル]−ピペリジン−4−イル}
−チアゾール−4−カルボン酸)
20mLのMeOH中の2−{1−[2−(2−クロロ−フェニル)−アセチル]−ピ
ペリジン−4−イル}−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(0.94g,2.
4mmolを、1M NaOH(20mL、20mmol)で希釈し、60℃で4時間攪
拌した。その後、粗混合物を濃縮し、MeOH溶媒を除去した。次いで、この水性の塩基
性溶液をCHCl(2×25mL)で洗浄し、5MのHClでpH=1に酸性化した
。得られた酸性の水溶液を、CHCl(3×25mL)で抽出した。有機層を合わせ
、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、0.51g(58%)の白色の泡沫状の固
体を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ12.96(br s,1
H),8.36(s,1H),7.45−7.40(m,1H),7.33−7.25(
m,3H),4.43(d,J=13.2Hz,1H),4.06(d,J=13.6H
z,1H),3.87(d,ABパターン,JAB=16.0Hz,1H),3.82(
d,ABパターン,JAB=16.0Hz,1H),3.38−3.31(m,1H),
3.25(appar t,J=11.8Hz,1H),2.79(appar t,J
=11.6Hz,1H),2.08(t,J=10.6Hz,2H),1.67(qd,
J=12.1,3.7Hz,1H),1.53(qd,J=12.2,4.0Hz,1H
)。C1717ClNS+HについてのMS:計算値365、観察値365。
【0573】
(2−{1−[2−(2−クロロ−フェニル)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}
−チアゾール−4−カルボン酸メチル−(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−
2H−インダゾール−3−イル)−アミドジヒドロ二塩酸塩)
10mLのCHCl中のN,1−ジメチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H
−インダゾール−3−アミン(23mg,0.14mmol),O−(7−アザベンゾト
リアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ
ホスフェート(75mg,0.20mmol)および2−{1−[2−(2−クロロ−フ
ェニル)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−チアゾール−4−カルボン酸(50m
g,0.14mmol)の溶液を、40℃pで8時間攪拌した。その後、粗混合物を20
mLのCHClで希釈し、1Mのクエン酸(3×30mL)で洗浄し、NaHCO
水溶液(1×30mL)で飽和させ、NaCl溶液(1×30mL)で飽和させた。得ら
れた有機層をMgSOで乾燥させ、濃縮して、黄色の油状物を得た。勾配HPLC(ア
セトニトリル−水、0.1%TFAによる)により精製し、二塩酸塩に変換して56 m
g(70%)の白色固体を得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ8.28
(d,J=8.8Hz,1H),7.43−7.41(m,1H),7.30−7.26
(m,3H),4.50(t,J=11.8Hz,1H),4.09−4.03(m,1
H),3.98−3.91(m,2H),3.83(d,J=12.8Hz,3H),3
.37(s,3H),3.24−3.20(m,1H),2.89−2.82(m,1H
),2.83−2.66(m,2H),2.47−2.41(m 1H),2.03−1
.88(m,4H),1.72−1.60(m,3H),1.46−1.26(m,3H
)。C2630ClNS+HについてのMS:計算値512、観察値512。
【0574】
(実施例27B:2−(2−クロロ−フェニル)−1−{4−[4−(3,4−ジヒド
ロ−2H−キノリン−1−カルボニル)−チアゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イ
ル}−エタノン)
実施例29Aと同様の一般的手順によって、1,2,3,4−テトラヒドロキノリンか
ら2−(2−クロロ−フェニル)−1−{4−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリ
ン−1−カルボニル)−チアゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エタノンを
黄色の油状物として得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ7.78(s,
1H),7.42−7.40(m,1H),7.30−7.24(m,3H),7.18
(d,J=7.6Hz,1H),7.03(t,J=7.4Hz,1H),6.91(t
,J=7.6Hz,1H),6.72(br s,1H),4.28(d,J=12.8
Hz,1H),3.94−3.81(m,5H),3.30−3.20(m,2H),2
.98−2.91(m,1H),2.83(t,J=6.4Hz,2H),2.04(四
重項,J=6.6Hz,2H),1.99−1.93(br m,2H),1.60−1
.51(m,2H)。C2626ClNS+HについてのMS:計算値480、
観察値480。
【0575】
(実施例27C:2−{1−[2−(2−フルオロ−フェニル)−アセチル]−ピペリ
ジン−4−イル}−チアゾール−4−カルボン酸メチル−(2−メチル−4,5,6,7
−テトラヒドロ−2H−インダゾール−3−イル)−アミド)
実施例29Aと同様の一般的手順によって、2−{1−[2−(2−フルオロ−フェ
ニル)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−チアゾール−4−カルボン酸から2−{
1−[2−(2−フルオロ−フェニル)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−チアゾ
ール−4−カルボン酸メチル−(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−イ
ンダゾール−3−イル)−アミドを白色固体として得た。H NMR(400MHz,
CDCl)δ7.71(d,J=10.4Hz,1H),7.30(t,J=7.6H
z,1H),7.26−7.22(m,1H),7.11(t,J=7.4Hz,1H)
,7.05(t,J=9.0Hz,1H),4.47(appar t,J=13.6H
z,1H),3.90−3.79(m,1H),3.74(s,2H),3.63(d,
J=4.4Hz,3H),3.32(s,3H),3.17−3.11(m,1H),3
.04−2.95(m,1H),2.91−2.79(m,1H),2.61−2.43
(m,2H),2.27(dt,J=15.3,5.7Hz,1H),1.99−1.8
8(m,3H),1.79−1.72(m,1H),1.64−1.38(m,5H)。
2630FNS+HについてのMS:計算値496、観察値496。
【図面の簡単な説明】
【0576】
図1】例示のためであって限定のためではなく、図1は、RUP43に関連のない、内因性の構成的に活性なGs共役GPCRのGsα融合タンパク質構築物である「標的レセプター」に対する候補化合物の一次スクリーニングの結果を示す。「化合物A」についての結果をウェルA2に提供する。「化合物B」についての結果をウェルG9に提供する。(実施例7を参照のこと。)
図2A】脂肪細胞および骨格筋細胞によるRUP43発現のRT−PCR分析。ヒト脂肪細胞およびマウス脂肪細胞は、RUP43を発現する。ヒト骨格筋細胞およびマウス骨格筋細胞は、RUP43を発現する。(実施例11を参照のこと。)
図2B】脂肪細胞および骨格筋細胞によるRUP43発現のRT−PCR分析。ヒト脂肪細胞およびマウス脂肪細胞は、RUP43を発現する。ヒト骨格筋細胞およびマウス骨格筋細胞は、RUP43を発現する。(実施例11を参照のこと。)
図2C】脂肪細胞および骨格筋細胞によるRUP43発現のRT−PCR分析。ヒト脂肪細胞およびマウス脂肪細胞は、RUP43を発現する。ヒト骨格筋細胞およびマウス骨格筋細胞は、RUP43を発現する。(実施例11を参照のこと。)
図2D】脂肪細胞および骨格筋細胞によるRUP43発現のRT−PCR分析。ヒト脂肪細胞およびマウス脂肪細胞は、RUP43を発現する。ヒト骨格筋細胞およびマウス骨格筋細胞は、RUP43を発現する。(実施例11を参照のこと。)
図3】内因性RUP43は、Gsに共役する。(実施例14を参照のこと。)
図4】RUP43のアゴニストとしての化合物1の同定。(実施例15を参照のこと。)
図5】RUP43のアゴニストとしての化合物2の同定。(実施例16を参照のこと。)
図6】化合物2は、化合物2によるマウス3T3L1脂肪細胞におけるグルコース取り込みを刺激する。(実施例18を参照のこと。)
図7】化合物2は、マウス3T3L1脂肪細胞におけるインスリンによって刺激されたグルコース取り込みを増強する。(実施例19を参照のこと。)
図8】化合物2は、初代ヒト脂肪細胞におけるグルコース取り込みを刺激する。(実施例20を参照のこと。)
図9A】化合物2は、ラットL6筋芽細胞におけるグルコース取り込みを刺激する。(実施例21を参照のこと。)
図9B】化合物2は、ラットL6筋芽細胞におけるグルコース取り込みを刺激する。(実施例21を参照のこと。)
図10】化合物2は、ラットL6筋芽細胞におけるインスリンによって刺激されたグルコース取り込みを増強する。(実施例22を参照のこと。)
図11A】化合物2は、初代ヒト骨格筋細胞におけるグルコース取り込みを刺激する。(実施例23を参照のこと。)
図11B】化合物2は、初代ヒト骨格筋細胞におけるグルコース取り込みを刺激する。(実施例23を参照のこと。)
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]