【実施例】
【0069】
以下、実験例及び処方例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。但し、本発明の範囲は、これらによって何ら限定されるものでない。
【0070】
製造例1 イソギンクゲチンとシアドピチシンの抽出及び精製
乾燥コウヤマキ葉(926g)を細かく切り刻み乳鉢ですりつぶし粉末とした。その粉末を3000ml容三角フラスコ2つに、それぞれ450gずつ入れ、室温中48時間メタノール(3L)で3回抽出した。得られたメタノール抽出液に水を加え、90容量% メタノールにして、90%メタノール液:Hexane=7:1で4回分液した。90%メタノール層は水と沈殿物の混合液(水層)になるまで、減圧濃縮し、この混合液を酢酸エチルで3回分液した(H
2O: 酢酸エチル=1:1)。分液後、水層、不溶物、及び酢酸エチル層を濃縮し重量を量った(水層:約111.1g、不溶物:約62.2g、酢酸エチル層:約54.5g)。酢酸エチル層(約54.5g)のうち29.7gをSiO
2column chromatography(メタノール: CHCl
3=95:5)を用いて分離し、各フラクションを薄層クロマト(TLC)で、確認し、Sciadopitysinを含むフラクション(Sciadopitysin含有フラクション)をまとめて減圧濃縮しSciadopitysin含有フラクションの11.9gを得た。このフラクションのうち7.8gを、SiO
2分取薄層クロマトグラフィー(PLC; 展開溶媒メタノール:CHCl
3:トルエン=95:5:1)で分離しSciadopitysin 2.2gを得た。このうち0.27gを酢酸エチルに溶かし、そこに、Hexaneを加えることで、沈殿を生じさせる結晶化を行い、黄色結晶0.2gを得た。
【0071】
かかる黄色結晶を、下記条件のLC-MSに供し、イソギンクゲチン及びシアドピチシンに相当する画分をそれぞれ単離し、得られた各化合物を
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, 25 ℃)で分析し、構造確認した。
【0072】
<LC-MS条件>
Column: Inertsil ODS-3 (2.1 x 50 mm),
Eluant: 0.1% HCOOH CH
3CN/H
2O=30/70-80/20 (60 min),
Detection: UV 254 nm,
Temperature: 40 ℃。
【0073】
製造例2 4’-O-メチルフィセチンの製造
【0074】
【化5】
【0075】
Fisetin (122.4 mg, 4.3×10
-4 mol)をN,N-dimethylformamide (10 mL)に溶解し、K
2CO
3 (71.7 mg, 5.1×10
-4 mol)とMeI (26.4μL, 4.3×10
-4)を加え、室温で一晩撹拌しながら反応させた。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチルに溶解し、その酢酸エチル相を飽和食塩水で洗浄した。酢酸エチル相をMgSO
4で乾燥させ、減圧溜去し粗生成物を得た。これを液体クロマトグラフィー(JAIGEL GS-320、展開溶媒:MeOH) および薄層クロマトグラフィー (PLC plate 20×20 cmsilica gel 60 F
254, 1mm, 展開溶媒 : CHCl
3 /MeOH)で精製後、凍結乾燥し、黄色粉末状の4’-O-メチルフィセチンを得た(5.9 mg, 5.3 %)。
【0076】
製造例3 4’-O-エチルフィセチンの製造
【0077】
【化6】
【0078】
Fisetin (93.5 mg, 3.3×10
-4 mol)をN,N-dimethylformamide (7 mL)に溶解し、K
2CO
3 (55.8 mg, 4.0×10
-4 mol)とCH
3CH
2I (26.0μL, 3.3×10
-4)を加え、室温で一晩撹拌しながら反応させた。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチルに溶解し、その酢酸エチル相を飽和食塩水で洗浄した。酢酸エチル相をMgSO
4で乾燥させ、減圧溜去し粗生成物を得た。これを液体クロマトグラフィー(JAIGEL GS-320、展開溶媒:MeOH)で精製後、凍結乾燥し、黄色粉末状の4’-O-Ethylfisetinを得た(4.6 mg, 4.5 %)。
【0079】
製造例4 3’,5,7-O-アセチルジオスメチンの製造
【0080】
【化7】
【0081】
Diosmetin (11.0 mg, 3.7×10
-5 mol)をN,N-dimethylformamide (500μL)に溶解し、無水酢酸(500μL, 5.3×10
-3 mol)と数滴のトリエチルアミンを加え、室温で1時間撹拌しながら反応させた。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチルに溶解し、その酢酸エチル相を飽和食塩水で洗浄した。酢酸エチル相をMgSO
4で乾燥させ、減圧溜去した。これを凍結乾燥し、黄色粉末状のDiosmetinのアセチル化体(3’,5,7-O-アセチルジオスメチン)を得た(9.0 mg, 57.7 %)。
【0082】
製造例5 3,3’,7-O-アセチル-4’-O-メチルフィセチンの製造
【0083】
【化8】
【0084】
4’-O-Methylfisetin (6.3 mg, 2.1×10
-5 mol)に無水酢酸(500μL, 5.3×10
-3mol)と数滴のトリエチルアミンを加え、室温で3時間反応させた。反応液を酢酸エチルに溶解し、その酢酸エチル相を飽和食塩水で洗浄した。窒素気流下で酢酸エチル相を溜去し、黄色油状の4’-O-Methylfisetinのアセチル化体を得た(2.5 mg, 27.9 %)。
【0085】
実験例1 メラニン産生促進効果の評価
(1)試験方法
下記に示す各種フラボノイド類(表1参照)を用いて、メラニン産生促進効果を評価した。具体的には、マウス由来のB16メラノーマ細胞(入手先:JCRB0202:B16メラノーマ:医薬基盤研究所)を各種フラボノイドを含む培地で培養した後、細胞中のメラニン量(pg/細胞)を測定し、各種フラボノイド類のメラニン産生促進作用を比較した。なお、コントロール試験として、各種フラボノイドの添加に代えて、当該フラボノイドを溶解する溶媒として用いたDMSO液を添加したものについても同様に、B16メラノーマ細胞に含まれるメラニンの量(pg/細胞)を測定した。
【0086】
(1-1)被験化合物
<本発明対象化合物>
プラトール(EXTRSYNTHESE S.A. 社から入手)
アカセチン(SIGMA社から入手)
ケンフェライド(EXTRSYNTHESE S.A. 社から入手)
ジオスメチン(EXTRSYNTHESE S.A. 社から入手)
3’,5,7-O-アセチル-ジオスメチン(製造例4参照)
フィセチン(和光純薬工業(株)から入手)
4’-O-メチルフィセチン(製造例2参照)
4’-O-エチルフィセチン(製造例3参照)
3,3’,7-O-アセチル-4’-O-メチルフィセチン(製造例5参照)
イソギンクゲチン(製造例1参照)
シアドピチシン(製造例1参照)。
【0087】
<比較化合物>
ケルセチン(東京化成工業(株)から入手)
イソラムネチン(EXTRSYNTHESE S.A. 社から入手)
ルテオリン(EXTRSYNTHESE S.A. 社から入手)
アピゲニン(EXTRSYNTHESE S.A. 社から入手)
ケンフェロール(EXTRSYNTHESE S.A. 社から入手)
アメントフラボン(SIGMA社から入手)。
【0088】
(1-2)細胞の培養方法
培地は、10%(v/v)牛胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地/高グルコースを使用した。12ウェルマイクロプレートの各ウェル1mlの培地に、B16メラノーマ細胞を1×10
4個/ウェルずつ播種した。B16メラノーマ細胞を37℃、5%CO
2条件下で3日間培養した後、培地を、10μM濃度の各種フラボノイド(アメントフラボン、イソギンクゲチン、シアドピチシンは5μM)を含有する培地に交換し、さらに上記同条件で4日間培養を行った。
【0089】
(1-3)細胞中のメラニンの定量
上記のように培養した細胞を、ダルベッコのりん酸緩衝液で洗浄し、0.02%EDTAを含む0.25%トリプシン溶液を加え剥離した。剥離した細胞に適量の培地を加え、細胞浮遊液を作り、血球計算盤にて細胞数を測定し、1ウェルあたりの細胞数を算出した。
【0090】
細胞数を測定した後、1000rpmで10分間遠心分離し、得られた細胞ペレットをダルベッコのりん酸緩衝液で洗浄した。さらに遠心分離により細胞ペレットを回収し、風乾させた後、1NのNaOH水溶液を200μl加え、加温および超音波処理により細胞とメラニンを溶解した。その後、得られた細胞溶解液を96ウェルマイクロプレートに移しマイクロプレートリーダーにて吸光度(415nm)を測定し、既知量の合成メラニン(Melanin;シグマ アルドリッチ ジャパン社製)により作成した検量線を用いて、計算により1細胞に含まれるメラニン量(pg/細胞)を決定した。
【0091】
また、遠心分離後の細胞ペレットの褐色〜黒色度の程度を目視で観察し、これからメラニンの産生量を以下の基準で評価した。
【0092】
+++:メラニンの産生量が非常に多い
++:メラニンの産生量が多い
+:メラニンの産生量が少ない
−:メラニンの産生がほとんどない。
【0093】
(2)結果
各種フラボノイドで処理した細胞のメラニン含量(pg/細胞)と、黒色度を目視判定した結果を表1及び
図1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
アカセチンとアピゲニンは、一般式(1)で示す化合物の置換基のうち、R
1のみが異なり(アカセチン:CH
3、アピゲニン:H)、他の置換基は共に同一の置換基(R
2=H、R
3=H、R
4=OH、R
5=H)を有する化合物である。表1及び
図1に示すように、アカセチンはアピゲニンよりも2倍以上も高いメラニン産生量を示した。
【0096】
ケンフェライドとケンフェロールも、同様に、一般式(1)で示す化合物の置換基のうち、R
1のみが異なり(ケンフェライド:CH
3、ケンフェロール:H)、他の置換基は共に同一の置換基(R
2=H、R
3=OH、R
4=OH、R
5=H)を有する化合物である。表1及び
図1に示すように、ケンフェライドはケンフェロールよりも3倍以上も高いメラニン産生量を示した。
【0097】
さらに、ジオスメチンとルテオリンも、同様に、一般式(1)で示す化合物の置換基のうち、R
1のみが異なり(ジオスメチン:CH
3、ルテオリン:H)、他の置換基は共に同一の置換基(R
2=OH、R
3=H、R
4=OH、R
5=H)を有する化合物である。表1及び
図1に示すように、ジオスメチンはルテオリンよりも2倍以上も高いメラニン産生量を示した。
【0098】
また、同様の構造活性相関が合成化合物にも言えて、4’-O-メチルフィセチンや4’-O-エチルフィセチンとフィセチンも、同様に、一般式(1)で示す化合物の置換基のうち、R
1のみが異なり(4’-O-メチルフィセチン:CH
3、4’-O-エチルフィセチン:C
2H
5、フィセチン:H)、他の置換基は共に同一の置換基(R
2=OH、R
3=OH、R
4=H、R
5=H)を有する化合物である。表1及び
図1に示すように、4’-O-メチルフィセチンや4’-O-エチルフィセチンはフィセチンよりも高いメラニン産生量を示した。
【0099】
これらのことから、R
1基を水素原子からCH
3基を始めとする低級アルキル基に置換してなる化合物(1)は、顕著に優れたメラニン産生促進作用を発揮することが判明した。
【0100】
また同様に、R
1基がCH
3基ではなく水素原子であるケルセチン、イソラムネチン及びアメントフラボンはいずれもメラニン産生量が少ないのに対して、R
1基がCH
3基であるプラトール、ジオスメチン及びそのアセチル体(3’,5,7-O-アセチル-ジオスメチン)、イソギンクゲチン、シアドピチシン、並びにR
1基が低級アルキル基で置換されたフィセチン(4’-O-メチルフィセチン、4’-O-エチルフィセチン)及びそのアセチル体(3’5,7-O-アセチル-4’-O-メチルフィセチン)は、優れたメラニン産生促進作用を発揮することが確認された。
【0101】
以上のことから、一般式(1)で示されるR
1にメチル基やエチル基等のアルキル基を有する化合物は、顕著に優れたメラニン産生作用を発揮することが認められた。
【0102】
実験例2 メラニン産生促進効果試験:マウス等を用いた摂食試験
(1)実験方法
背部の一部を剃毛したAyマウス(日本SLCから購入、4.5週齢)の二匹のうち、一方のマウスに0.5 % フィセチンを含むMF粉餌(オリエンタル酵母製)を4日間自由に食べさせた(フィセチン含有飼料給餌マウス)。対照試験として、他方のマウスにはフィセチンを含まないMF粉餌(オリエンタル酵母製)を4日間自由に食べさせた(対照マウス)。
【0103】
(2)実験結果
図2の(A)に給餌前の剃毛したAyマウスの背部を写した画像を、(B)に給餌後、毛が生えそろったAyマウスの背部を写した画像を、それぞれ示す。各図において左側のマウスはフィセチン含有飼料給餌マウスであり、右側のマウスは対照マウスである。この結果からわかるように、フィセチンの投与により明らかに毛髪の黒色化(メラニン産生増加)が確認された。なお、フィセチン含有飼料給餌マウスの糞中には、R
1=CH
3を有する化合物(4’-O-メチルフィセチン)(フィセチンのR
1=CH
3化代謝物)が多く含まれていることが確認された(実験例3参照)。
【0104】
フィセチンは一般式(1)においてR
1基として水素原子を有する化合物であり、実験例1で好適な化合物(1)として示した「R
1=CH
3」を有する化合物に入らない。しかし、上記で示すように、フィセチンを経口投与したマウスでメラニン産生促進作用を示し、しかもその糞中にはR
1=CH
3化代謝物(4’-O-メチルフィセチン)が多く含まれていた。またB16細胞に対して、フィセチンのメラニン産生促進活性は弱いものの、そのR
1=CH
3化体(4’-O-メチルフィセチン)のメラニン産生促進活性は強かった。これらのことから、フィセチンは生体内でメチル化されて活性本体(R
1=CH
3化体、4’-O-メチルフィセチン)となり、作用していると考えられる。つまり、フィセチンは4’-O-メチルフィセチンの前駆体(プロドラッグ)として機能すると考えられる。
【0105】
実験例3 フィセチン含有飼料給仕マウスの糞中代謝物の分析
(1)実験方法
マウスに1 % フィセチンを含む餌を5日間自由に食べさせ、その期間の糞を回収した。水と酢酸エチル混合液(水:酢酸エチル= 1 : 1)40 mLを回収した糞3.0 gに加え、4℃で一晩撹拌した。その後、8000 rpm、10 min遠心分離し、酢酸エチル相を回収した。回収した酢酸エチル相を窒素気流下、溶媒を溜去し、これを下記条件の高性能液体クロマトグラフ質量分析計(LCMS)で分析した。
【0106】
<LCMS条件>
カラム:C
18(Waters)
カラム温度:30℃
検出波長:255 nm
流速:0.2 mL / min
溶媒:0.1 % ギ酸アセトニトリル‐水(20 % - 100 %、25 min)。
【0107】
(2)実験結果
結果を
図3に示す。結果からわかるように、糞中にはフィセチンの他、その代謝物として一般式(1)においてR
1基としてメチル基を有する4’-O-メチルフィセチンが含まれていた。このことから、フィセチンは体内で代謝して4’-O-メチルフィセチンとなること、つまりフィセチンは4’-O-メチルフィセチンの前駆体(プロドラッグ)であると考えられる。
【0108】
以下に、本発明のメラニン産生促進剤を含有する処方例を示す。なお、下記処方例に記載する「メラニン産生促進剤」とは、実験例1でメラニン産生促進作用が確認された各化合物(プラトール、アカセチン、ケンフェライド、ジオスメチン、3’,5,7-O-アセチル-ジオスメチン、フィセチン、4’-O-メチルフィセチン、4’-O-エチルフィセチン、3,3’,7-O-アセチル-4’-O-メチルフィセチン、イソギンクゲチン、及びシアドピチシン)、並びにコウヤマキ抽出物のそれぞれを意味する。
【0109】
また使用したコウヤマキ抽出物は、下記の方法で調製したコウヤマキ葉の抽出物であり、イソギンクゲチンとシアドピチシンを合計して0.01〜50重量%含むものである。
【0110】
<コウヤマキ抽出物の調製>
乾燥コウヤマキ葉(1kg)を粉末とし、その粉末を室温中48時間メタノール(3L)で2回抽出した。得られたメタノール抽出液に水を加え、90容量% メタノール溶液にして、これをHexaneで4回洗浄した。その後、洗浄済みの90容量% メタノール層をクロロホルムで3回抽出し、ここで得られたクロロホルム層(下層)をエバポレーターで濃縮した。その濃縮残渣をエタノールに溶かし濃縮する工程を繰り返し、残留するクロロホルムとメタノールを除き、得られた濃縮残渣をコウヤマキ抽出物とした。
【0111】
処方例1 皮膚用ローション
(1)エタノール[溶剤] 30.0(%)
(2)ヒドロキシエチルセルロース[増粘剤] 1.0
(3)メラニン産生促進剤 0.05
(4)パラオキシ安息香酸メチル[防腐剤] 0.1
(5)水 全量を100とする量
製法:
(1)〜(5)を混合し均一とする。
【0112】
処方例2 皮膚用乳剤
(1)ステアリン酸[油脂剤] 0.2(%)
(2)セタノール[油脂剤] 1.5
(3)ワセリン [油脂剤] 3.0
(4)流動パラフィン[油脂剤] 7.0
(5)ポリオキシエチレン(10EO)セチルエーテル[界面活性剤] 2.5
(6)メラニン産生促進剤 0.3
(7)グリセリン [保湿剤] 5.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル[防腐剤] 0.1
(9)トリエタノールアミン[pH調整剤] 1.0
(10)香料 0.1
(11)水 全量を100とする量
製法:
(1)〜(5)の油相成分に(6)を混合して約80℃に加熱する。一方(7)〜(9)、(11)の水相成分を混合、加熱して均一とし、約80℃とする。この水相成分に前記油相成分を撹拌しながら徐々に添加して乳化・混合し、冷却後40℃で(10)を添加し、混合する。
【0113】
処方例3 皮膚用ゲル剤
(1)カルボキシビニルポリマー[増粘剤] 0.5(%)
(2)プロピレングリコール[保湿剤] 10.0
(3)パラオキシ安息香酸メチル[防腐剤] 0.1
(4)メラニン産生促進剤 0.01
(5)水酸化カリウム[pH調整剤] 0.1
(6)水 全量を100とする量
製法:
(6)に(1)を均一にした後、(2)〜(4)を添加して、次いで(5)を加えて増粘させ、均一に混合する。
【0114】
処方例4 皮膚用軟膏
(1)ミツロウ[油脂剤] 6.0(%)
(2)セトステアリルアルコール[油脂剤] 5.0
(3)吸着精製ラノリン[油脂剤] 5.0
(4)スクワラン [油脂剤] 30.0
(5)親油型モノオレイン酸グリセリル[界面活性剤] 2.0
(6)親油型モノステアリン酸グリセリル[界面活性剤] 5.0
(7)メラニン産生促進剤 0.1
(8)ジプロピレングリコール [保湿剤] 5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル [防腐剤] 0.1
(10)水 全量を100とする量
製法:
(1)〜(6)の油相成分に(7)メラニン産生剤を混合して約75℃に加熱する。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合、溶解して約75℃に加熱する。ついで、上記水相成分に油相成分を添加してホモミキサーで均一に乳化・撹拌し、冷却する。
【0115】
処方例5 ヘアローション
(1)エタノール[溶剤] 90.0(%)
(2)酢酸トコフェロール[油脂剤] 0.5
(3)プロピレングリコール[保湿剤] 2.0
(4)メラニン産生促進剤 1.0
(5)水 全量を100とする量
製法:
(1)に(2)〜(5)を順次添加して均一に混合する。
【0116】
処方例6 ヘアセットローション
(1)エタノール[溶剤] 30.0(%)
(2)アクリル樹脂アルカノールアミン液(40%)[皮膜形成剤] 5.0
(3)パラオキシ安息香酸メチル[防腐剤] 0.1
(4)ポリオキシエチレン変性シリコーン[油脂剤] 0.5
(5)グリセリン[保湿剤] 2.0
(6)ヒアルロン酸ナトリウム(1%)[保湿剤] 1.0
(7)メラニン産生促進剤 0.05
(8)水 全量を100とする量
製法:
(1)に(2)〜(8)を加えて均一に溶解する。
【0117】
処方例7 ヘアクリーム
(1)セタノール[油脂剤] 2.0(%)
(2)ベヘニルアルコール[油脂剤] 2.0
(3)パルミチン酸イソプロピル[油脂剤] 5.0
(4)自己乳化型モノステアリン酸プロピレングリコール[界面活性剤]1.0
(5)メラニン産生促進剤 0.3
(6)グリセリン[保湿剤] 5.0
(7)1,3−ブチレングリコール[保湿剤] 3.0
(8)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム[金属イオン封鎖剤] 0.1
(9)水 全量を100とする量
製法:
(1)〜(4)の油相成分に(5)を混合して約80℃に加熱する。一方、(6)〜(9)の水相成分を混合,溶解して約80℃に加熱する。ついで、前記水相成分に油相成分を添加して、ホモミキサーで均一に乳化・撹拌し、冷却する。
【0118】
処方例8 ヘアジェル
(1)カルボキシビニルポリマー[増粘剤] 0.7(%)
(2)グリセリン[保湿剤] 5.0
(3)ポリビニルピロリドン[皮膜形成剤] 2.0
(4)エタノール[溶剤] 10.0
(5)メラニン産生促進剤 0.01
(6)水酸化ナトリウム[pH調整剤] 0.2
(7)水 全量を100とする量
製法:
(7)に(1)〜(5)を順次添加し、均一に溶解する。前記溶解物に(6)を添加し、中和増粘させ、混合し均一にする。
【0119】
処方例9 ヘアフォーム(原液処方)
(1)塩化ジメチルジアルキルアンモニウム・アクリルアミド共重合体[皮膜形成剤]
3.0(%)
(2)ポリオキシエチレン(50EO)硬化ヒマシ油[界面活性剤] 1.0
(3)ジメチルシリコン[油脂剤] 3.0
(4)プロピレングリコール[保湿剤] 7.0
(5)エタノール[溶剤] 15.0
(6)メラニン産生促進剤 0.01
(7)水 全量を100とする量
(充填処方)
上記の原液 90.0
DME/液化石油ガス(LPG)(95/5) 10.0
製法:
(1)〜(7)の成分を混合し、原液を調製する。充填は缶に原液を充填し、バルブ等装着後、DME/液化石油ガス(LPG)を充填する。
【0120】
処方例10 ヘアシャンプー
(1)ポリオキシエチレン(3EO)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン(30%)[界面活性剤] 15.0(%)
(2)ラウリル硫酸トリエタノールアミン (30%)[界面活性剤] 5.0
(3)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド[界面活性剤] 4.0
(4)ラウロイルサルコシントリエタノールアミン[界面活性剤] 4.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル[防腐剤] 0.2
(6)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム[金属イオン封鎖剤] 0.3
(7)メラニン産生促進剤 0.1
(8)香料 0.2
(9)水 全量を100とする量
製法:
(9)に(1)〜(8)を順次添加して均一にする。
【0121】
処方例11 ヘアリンス
(1)セチルアルコール[油脂剤] 10.0(%)
(2)ステアリルアルコール[油脂剤] 1.0
(3)オクチルドデカノール[油脂剤] 5.0
(4)パルミチン酸イソプロピル[油脂剤] 1.5
(5)メラニン産生促進剤 0.1
(6)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(30%)[界面活性剤] 3.0
(7)グリセリン[保湿剤] 3.0
(8)水 全量を100とする量
製法:
(1)〜(4)の油相成分に(5)を混合し、約80℃に加熱する。(6)〜(8)の水相成分を混合、均一化し、約80℃に加熱する。油相に水相を添加してホモミキサーで乳化・混合した後、冷却する。
【0122】
処方例12 化粧水
(1)エタノール[溶剤] 30.0(%)
(2)グリセリン[保湿剤] 5.0
(3)植物抽出液[収レン剤] 2.0
(4)メラニン産生促進剤 0.05
(5)水 全量を100とする量
製法:
(1)〜(5)を順次添加し、均一にする。
【0123】
処方例13 メイクアップクリーム
(1)ステアリン酸[油脂剤] 7.0(%)
(2)セタノール[油脂剤] 2.0
(3)ホホバ油[油脂剤] 7.5
(4)自己乳化型モノステアリン酸グリセリル[界面活性剤] 2.0
(5)メラニン産生促進剤 0.1
(6)プロピレングリコール[保湿剤] 8.0
(7)水酸化カリウム[pH調整剤] 0.2
(8)酸化チタン[紫外線散乱剤] 1.0
(9)ベンガラ[色剤] 0.1
(10)黄酸化鉄 [色剤] 0.4
(11)香料 0.1
(12)水 全量を100とする量
製法:
(1)〜(4)の油相成分に(5)を混合し約75℃に加熱する。一方(12)に(6)および(7)を混合し、約75℃に加熱・溶解し、これに(8)〜(10)の顔料を添加し、均一に分散させる(水相成分)。この水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて乳化・撹拌した後冷却し、約40℃で(11)を添加、混合する。
【0124】
処方例14 乳液状ファンデーション
(1)セタノール[油脂剤] 1.0(%)
(2)ステアリン酸[油脂剤] 2.0
(3)スクワラン[油脂剤] 5.0
(4)ミリスチン酸オクチルドデシル[油脂剤] 5.0
(5)デカステアリン酸デカグリセリル[油脂剤] 8.0
(6)メラニン産生促進剤 0.2
(7)グリセリン[保湿剤] 5.0
(8)水酸化カリウム[pH調整剤] 0.1
(9)パラオキシ安息香酸メチル[防腐剤] 0.1
(10)酸化チタン[紫外線散乱剤] 9.0
(11)タルク[賦形剤] 7.4
(12)ベンガラ[色剤] 0.5
(13)黄酸化鉄[色剤] 1.1
(14)黒酸化鉄[色剤] 0.1
(15)香料 0.1
(16)水 全量を100とする量
製法:
(1)〜(5)の油相成分に(6)を混合し約75℃に加熱して均一とする。一方(16)に(7)〜(9)を混合し、約75℃に加熱・溶解し、これに(10)〜(14)の顔料を添加し、均一に分散させる(水相成分)。この水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーで乳化した後冷却し、40℃にて(15)を添加、混合する。
【0125】
処方例15 錠剤
(1)乳糖[賦形剤] 54.0(mg)
(2)トウモロコシデンプン[賦形剤] 20.0
(3)結晶セルロース[安定剤] 20.0
(4)活性吸収型カルシウム(カキ殻由来)[吸収助剤] 10.0
(5)炭酸マグネシウム[賦形剤] 1.0
(6)メラニン産生促進剤 100.0
(1)〜(6)を上記配合比率で、各成分をよく混合し、この混合物を打錠して錠剤を得る。
【0126】
処方例16 カプセル剤
(1)乳糖[香味剤] 60.0(mg)
(2)トウモロコシデンプン[賦形剤] 38.0
(3)炭酸マグネシウム[賦形剤] 2.0
(4)メラニン産生促進剤 300.0
(1)〜(4)を上記配合比率で、よく混合したものを、カプセルに充填してカプセル剤を得る。
【0127】
処方例17 軟カプセル剤
(1)精製大豆油[吸収助剤] 80.0(mg)
(2)トコフェロール[酸化防止剤] 20.0
(3)メラニン産生促進剤 200.0
(1)〜(3)を上記配合比率で、よく混合したものを、カプセルに充填して軟カプセル剤を得る。