(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、スロープ部材を固定するために、下枠と別の部品(アタッチメント取付部材)を設ける構成とすると、下枠の上面部に凹凸部分が形成されることになる。特許文献1の場合では、下枠の上面部に突出物であるアタッチメント取付部材が存在することになる。
【0006】
このような構成であると、スロープ部材の下方の空間を掃除する場合において、下枠の上面部を掃除する際には、突出物が邪魔になることが懸念される。具体的には、上面部の拭き掃除をする際には、突出物を避けながら作業をすることが想定され、また、突出物の周囲をなぞるような作業も想定されることになる。このため、上面部をサッと拭き取る(一方向に拭き取る)といった作業形態は想定できず、作業性の改善が望まれるものである。
【0007】
また、突出物の周辺には、浴室に特有な問題である毛髪や洗剤の残留が懸念され、これらの残留に伴うカビの発生なども懸念される。そして、シャワーで残留毛髪やカビを流そうとしても、突出物に引っかかったままとなってしまうことが想定され、この場合には、ブラシなどを用いて擦り取る作業が必要となってしまう。このような観点からも、従来構成では、作業性の改善が望まれるものである。
【0008】
そこで、本発明は、以上の問題に鑑み、従来課題であった浴室出入口用建具の下枠の部位において、掃除の作業性の改善を実現するための新規な技術を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
即ち、請求項1に記載のごとく、浴室出入口用建具の開口部枠を構成する少なくとも一つの縦枠に対し、前記開口部枠を構成する下枠の上方に配置されるスロープ部材が着脱可能に固定され、前記下枠の上面部の脱衣室側の端部に壁部が立設されると共に、前記上面部の前記壁部よりも浴室側はフラットな面で構成され、前記スロープ部材には、前記スロープ部材と前記下枠との間の空間を浴室側と脱衣室側の二つの空間に区画するための止水部が設けられ、前記止水部は、浴室側から脱衣室側へ向けて高くなるように傾いた状態で
前記スロープ部材に設けられた板状部材であり、前記板状部材の下端部は、前記下枠の上面部に接触しており、前記止水部は、浴室側の空間から脱衣室側の空間へ移動する水の流れを堰き止める一方で、脱衣室側の空間から浴室側の空間へ移動する水の流れにより、前記板状部材が前記下枠の前記上面部から離れ、水の流れを許容する、
浴室出入口用建具のスロープ部材の固定構造とする。
【0011】
また、請求項2に記載のごとく、
前記スロープ部材の長手方向の少なくとも一側の端部に、固定部材を設け、前記縦枠には、前記固定部材と係合するための縦枠側固定部材が設けられる、こととする。
【0013】
また、請求項
3に記載のごとく、前記スロープ部材は、前記下枠及び浴室の床部の上方に亘って配置されており、前記スロープ部材には、前記スロープ部材を前記下枠の前記上面部に支持させるための支持部が設けられ、前記スロープ部材と、前記浴室の前記床部との間
には、空隙が設けられている、こととする。
【0014】
また、請求項
4に記載のごとく、請求項1乃至請求項
3のいずれか一項に記載の浴室出入口用建具のスロープ部材の固定構造を備える浴室とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0022】
また、請求項1に記載の発明においては、下枠の上面部を、フラットな面で構成することが可能となり、下枠の上面部についての掃除の作業性に優れた構成を実現することが可能となる。また、スロープ部材の下方において、浴室側の空間から脱衣室側の空間への水を止水する止水性能の確保と、脱衣室側の空間から浴室側の空間への水の排水性能の確保、といった二つの性能を両立することができることになる。そして、これにより、浴室床部と脱衣室床面部の高低差をより少なくすることが可能となって、より段差の小さいバリアフリーの性能に優れた浴室開口部(浴室出入り口)を実現することが可能となる。
【0023】
また、請求項2に記載の発明においては、
固定部材の部位における固定/固定解除を行うことで、スロープ部材の着脱を行うことが可能となる。
【0026】
また、請求項
3に記載の発明においては、スロープ部材が踏みつけられた際において、スロープ部材が撓んでしまうことを防止することができる。
【0027】
また、請求項
4に記載の発明においては、下枠の上面部を、フラットな面で構成することが可能となり、下枠の上面部についての掃除の作業性に優れた構成を実現することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
なお、説明中において、図面を参照する際の便宜のため、紙面右側を「右」、紙面左側を「左」、紙面上側を「上」、紙面下側を「下」とするが、これらの位置を特定するための用語は、具体的な実施構造を限定するためのものではない。
【0035】
図1は、本発明が適用される建具の例である浴室出入口用建具1の正面図である。
この浴室出入口用建具1においては、片引戸形式でスライドする戸体2と、戸体2の戸袋部を構成する固定面材3を有する。また、上枠91、下枠92、及び、左右の縦枠93・94によって四方枠状の建具枠90が構成され、この建具枠90内に戸体2と固定面材3が納められる。また、上枠91、下枠92の長手方向中途部において、上下方向に縦枠95が立設され、この縦枠95と右側の縦枠93の間に固定面材3が納められる。また、縦枠95と左側の縦枠94の間に開口部4が形成され、この開口部4が戸体2によって開閉される構成としている。また、この構成により、上枠91、下枠92、縦枠94・95によって開口部枠4Aが構成されることとしている。また、縦枠95は、方立とも称され得るものである。
【0036】
図2は、本発明が適用される建具の例である浴室出入口用建具1の縦断面図である。
戸体2の上部は、吊具5を介して上枠91に対して吊下げられている。吊具5は、上枠91に対して相対移動可能に構成されている。また、戸体2の下部に設けた被ガイド部2aが、下枠92に形設されたガイド溝部92aによってガイドされる構成としている。このようにして、戸体2が、いわゆる上吊り引戸として構成されている。
【0037】
図3は、本発明が適用される建具の例である浴室出入口用建具1の水平断面図である。
縦枠94・95の間に形成される開口部4は、戸体2の開閉により開放、閉鎖される構成としている。この戸体2の開閉の際には、戸体2の両面に設けた引手21a・21bを利用できる構成となっている。
【0038】
図4は、下枠92の部位の詳細構造について示す斜視図である。
下枠92は、浴室床部8と戸体2の間の隙間を埋める上面部92bを有しており、この上面部92bの上にスロープ部材6が設置される。このスロープ部材6は、浴室床部8側から戸体2に向けて高くなる傾斜を有する板面部60を有しており、この板面部60によって浴室床部8と脱衣室床面部7との間の段差の問題を解消する、いわゆるバリアフリーの構造が実現される。
【0039】
また、
図4に示すごとく、下枠92の上面部92bは、スロープ部材6を固定させるための凹凸部分が存在しないフラットな面で構成されている。これにより、
図5に示すごとく、スロープ部材6を取り外した際には、凹凸部分が存在しないフラットな上面部92bが現れることになり、この上面部92bの掃除を容易に行うことが可能となる。つまり、仮に、上面部92bに凹凸部分が存在する場合には、例えば、上面部92bの拭き掃除をする際には、突出物を避けながら作業をすることが想定され、また、突出物の周囲をなぞるような作業も想定されることになるが、本実施形態によれば、上面部92bをサッと拭き取る(一方向に拭き取る)といった作業形態も可能となるのである。また、仮に、上面部92bに凹凸部分が存在する場合には、凹凸部分の周辺には、浴室に特有な問題である毛髪や洗剤の残留が懸念され、これらの残留に伴うカビの発生なども懸念されるが、本実施形態によれば、凹凸部分が存在しないため、シャワーで残留毛髪やカビを流すといったことが可能となるのである。このように、本実施形態によれば、下枠92の上面部92bの掃除を容易に行うことが可能となるのである。
【0040】
また、
図4に示すごとく、下枠92において、上面部92bの脱衣室側の端部の位置には、壁部92cが立設されている。この壁部92cは、浴室床部8よりも高い位置まで立ち上げられるとともに、その上部には、スロープ部材6の脱衣室側の端部に形成される係合部61と係合する係合部92dが形成されている。この係合部92dにスロープ部材6の係合部61を係合させることによって、スロープ部材6の固定の際の位置決めや、スロープ部材6の固定後の撓みの抑制が可能となっている。
【0041】
また、
図5に示すごとく、スロープ部材6の長手方向の各端部64・65は、開口部枠4Aの縦枠94・95に対し、それぞれ着脱可能に固定されるようになっている。このように、スロープ部材6を開口部枠4Aの縦枠94・95に対して着脱可能に固定する構成とすることで、スロープ部材6の下方に配置される下枠92の上面部92bが、凹凸部分の存在しないフラットな面で構成されることが可能となる。
【0042】
本実施形態では、
図5に示すごとく、スロープ部材6の長手方向の各端部64・65に、それぞれ固定部材74・75を設けるとともに、縦枠94・95の下部に、それぞれ縦枠側固定部材84・85を設け、スロープ部材6の各固定部材74・75を縦枠94・95の各縦枠側固定部材84・85にそれぞれ係合させることで、スロープ部材6が縦枠94・95に対して固定される構成としている。
【0043】
図6(a)は、スロープ部材の一側端部に設けられる固定部材74と縦枠側固定部材84について、
図6(b)は、スロープ部材の他側端部に設けられる固定部材75と縦枠側固定部材85について、示すものである。
まず、
図6(a)に示すごとく、固定部材74は、図示せぬ板状のスロープ部材の端部に嵌着されるベース部74aと、ベース部74aから上方に立ち上がる摘み部74bとを有する構成としている。このような固定部材74は、例えば、可撓性を有する樹脂成形品で構成することができる。また、摘み部74bにおいて、縦枠94に固定される縦枠側固定部材84の側の部位には、この縦枠側固定部材84と係合するための係合凸部74cが設けられている。また、摘み部74bには、空隙部74dが設けられ、手指の力を加えて摘み部74bを摘むことにより、空隙部74dがすぼむようにして撓み、係合凸部74cの位置をずらすことができるように構成されている。また、摘み部74bの側部には、手指の力を加える位置を判り良くするために、押圧突起部74eが設けられている。なお、
図6(b)に示す固定部材75は、
図6(a)に示す固定部材74といわゆる左右対称に構成されるものであり、説明を省略する。
【0044】
また、
図6(a)に示すごとく、縦枠側固定部材84は、縦枠94に嵌着固定されるベース部84aと、ベース部84aの表面(反縦枠側の面)に突設される係合部84bとを有する構成としている。このような縦枠側固定部材84は、例えば、樹脂成形品で構成することができる。また、係合部84bは、上下に配置される山部84c・84dと、山部84c・84dの間に配置される谷部84eを有し、略M字を横にしたような輪郭形状をなすこととしている。
【0045】
また、
図6(b)に示すごとく、ベース部85aの裏面には、縦枠95の嵌着部95aに嵌着固定されるための嵌着部85gが設けられている。また、ベース部85aの裏面には、例えば、両面テープにて構成される固着用部材85hが貼付されており、この固着用部材85hによってベース部85aが縦枠95の表面に対して固着されるようになっている。なお、
図6(a)(b)に示す縦枠側固定部材84・85と同一に構成されるものである。
【0046】
また、
図7(a)は、固定部材74において、摘み部74bの押圧突起部74eが押圧され、係合凸部74cの位置がずらされた状態を示している。この状態では、係合凸部74cが縦枠側固定部材84の谷部84eから外れた位置となって、
図7(b)に示すように、固定部材74と縦枠側固定部材84(
図7(a))との固定が解除された位置状態Aとすることが可能となる。
【0047】
また、
図7(c)は、固定部材74において、摘み部74bの押圧突起部74eが押圧されず、係合凸部74cが規定の位置に配置された状態を示している。この状態では、係合凸部74cが縦枠側固定部材84の谷部84eに挿入された状態となって、山部84c・84dによって係合凸部74cの上下方向の移動が規制された状態となり、
図7(b)に示すごとく、固定部材74が縦枠側固定部材84(
図7(c))に固定された位置状態Bを維持することが可能となる。
【0048】
また、
図5に示すごとく、縦枠側固定部材84・85は同一の構成とするものであるが、
図7(a)に示すごとく、縦枠への嵌着に際しては、その係合部84bが浴室側となるように配置される必要がある。このため、
図8に示すごとく、縦枠94(95)に形設する嵌着部94a(95a)は、脱衣室側を円弧状部94x、浴室側を上下直線状部94yとする開口形状とするとともに、縦枠側固定部材84(85)の裏面に設けられる嵌着部84gについても、脱衣室側に円弧状の輪郭を有する脱衣室側嵌入部84xと、浴室側に上下直線状の輪郭を有する浴室側嵌入部84yを有する構成としている。
【0049】
この構成により、
図8に示すごとく、浴室側に係合部84bが配置される場合にのみ、嵌着部84gを嵌着部94aへ挿入することが可能となり、施工現場における縦枠側固定部材84の誤った取付けを防止することができる。なお、嵌着部84gには、脱衣室側嵌入部84xと、浴室側嵌入部84yのほかにも、嵌着部94aの裏側周面に係合する抜け止め嵌入部84v・84wが設けられており、縦枠側固定部材84の取付け後における脱落が防止される構成としている。
【0050】
また、
図9(a)に示すごとく、スロープ部材6の脱衣室側の端部には係合部61が設けられ、この係合部61が下枠92の壁部92cの係合部92dに乗り掛かるようにして支持されることで、スロープ部材6の板面部60に浴室側が低くなる勾配が形成されるようになっている。また、このようなスロープ部材6の構成により、スロープ部材6と下枠92の上面部92bの間に空間10が形成される。
【0051】
また、
図9(b)(c)に示すごとく、スロープ部材6には、下枠92の上面部92bに向けて突出する止水部62が設けられている。この止水部62は、空間10を浴室側と脱衣室側の二つの空間10A・10Bに区画するとともに、浴室側の空間10Aから脱衣室側の空間10Bへ移動する水の流れを堰き止める一方で、脱衣室側の空間10Bから浴室側の空間10Aへ移動する水の流れを許容する構成とするものである。
【0052】
また、
図9(b)(c)に示すごとく、本実施形態の止水部62は、スロープ部材6の下面に設けた溝部63に嵌着される板状部材62aにて構成される。この板状部材62aは、可撓性を有する樹脂成形品から構成され、浴室側から脱衣室側へ向けて高くなるように傾いた状態で、スロープ部材6から垂れ下げられるように設けられる。また、板状部材62aの下端部62bは、下枠92の上面部92bに接触するように配置される。また、
図10に示すごとく、板状部材62aは、スロープ部材6の長手方向寸法(スロープ部材6の長さ寸法)と略同一の寸法を有する長尺の部材にて構成される。
【0053】
そして、
図9(b)に示すごとく、浴室側の空間10Aから脱衣室側の空間10Bへ向かう方向F1に水Wが浸入した際には、板状部材62aの浴室側に水Wが押し当てられることになるが、この際には、板状部材62aが撓むとともに、その下端部62bが下枠92の上面部92bに圧着することで、水Wの流れが板状部材62aによって堰き止められることになる。これにより、水Wの浸入を、下枠92の壁部92cから遠い位置、つまりは、脱衣室から遠い位置にとどめることが可能となって、脱衣室側への漏水を確実に防止することが可能となる。この構成は、バリアフリーの観点から、
図4に示される浴室床部8と脱衣室床面部7の高低差をより少なくすることが求められる市場のニーズに対して、高低差を少なくしながら止水性(脱衣室側への漏水の防止)を向上させるための有効なものとなる。例えば、浴槽が満水の時に人が浴槽に入った場合において、浴槽から溢れた水が浴室床部に一時的にたまる状況が想定されるが、このような場合においても、水Wが到達する位置を、下枠92の壁部92c(
図9(a))から遠い位置、つまりは、脱衣室から遠い位置にとどめることが可能となるのである。なお、上面部92bには、脱衣室側よりも浴室側が低くなる緩やかな勾配がつけられており、洗い場(浴室床部8(
図9(a))の水が引くに従って、水Wは自然と浴室側へと戻される(排水される)ようになっていることが好ましい。
【0054】
一方、
図9(c)に示すごとく、脱衣室側の箇所10Bに水が浸入した際には、板状部材62aが水Wの圧力によって跳ね上げられて、下端部62bが上面部92bから離れて隙間Sが形成され、この隙間Sを通って水Wが脱衣室側から浴室床側へ向かう方向F2に排水されるようになっている。
【0055】
以上のようにして、
図9(b)(c)に示すごとく、脱衣室側の空間10Bに水Wが浸入した場合であっても、この空間10Bにおける水Wの停留を防止することができ、水Wの停留に伴うカビの発生などを防止することが可能となる。また、例えば、浴室清掃時におけるシャワー散水等がされた場合に、下枠内の空間10Bに水Wが入ることが想定されるが、仮に、この水Wを排水する機能が低い場合には、空間10B内に水を溜めきれず、下枠92の壁部92c(
図9(a))を乗り越えて脱衣室側へ漏水してしまうことが想定されるが、本実施形態の構成であれば、水Wを確実に排水することができるため、このような状況(清掃などで水が意図的にかけられる状況)での脱衣室側への漏水をより確実に防止することが可能となる。
【0056】
以上のことから判るように、
図9(b)(c)に示す止水部の構成により、スロープ部材6の下方において、浴室側の空間10Aから脱衣室側の空間10Bへの水Wを止水する止水性能の確保と、脱衣室側の空間10Bから浴室側の空間10Aへの水Wの排水性能の確保、といった二つの性能を両立することができることになる。そして、これにより、
図4に示される浴室床部8と脱衣室床面部7の高低差をより少なくすることが可能となって、より段差の小さいバリアフリーの性能に優れた浴室開口部(浴室出入り口)を実現することが可能となる。
【0057】
また、
図9(a)に示すごとく、スロープ部材6の下面側には、スロープ部材6を下枠92の上面部92bに支持させるための支持部66が設けられる。この支持部66は、スロープ部材6における奥行き方向(
図9(a)の紙面左右方向)の中途部において、スロープ部材6を上面部92bに対して支持させることで、スロープ部材6が踏みつけられた際において、スロープ部材6が撓んでしまうことを防止するためのものである。
【0058】
また、
図10に示すごとく、本実施形態では、二本の長尺の棒状部材67・67を直列的に配置することで支持部66が構成されることとしており、スロープ部材6の長手方向において広い範囲に棒状部材67・67が存在することで、スロープ部材6が広い範囲で支持される構成としている。なお、棒状部材67を用いるほか、長さの短いブロック状の複数の支持部材を配置することで支持部66を構成することとしてもよく、スロープ部材6の広い範囲が下枠に対して支持され得る構成とするものであれば、支持部を設ける目的が達成され得るものである。
【0059】
また、
図9(a)に示すごとく、本実施形態の支持部66は、スロープ部材6の下面に設けられる溝部68に嵌着される棒状部材67にて構成される。この棒状部材67は、弾性を有する樹脂成形品から構成され、スロープ部材6と下枠92の上面部92bの間に挟みこまれた状態とされる。このような棒状部材67によって、スロープ部材6が踏みつけられた際においては、棒状部材67が圧縮しつつ、反力を生じさせることとなって、スロープ部材6が撓むことが防がれる。また、棒状部材67を樹脂成形品にて構成することで、棒状部材67が下枠92の上面部92bに接触することがあっても、不快な金属音が生じることがない。
【0060】
また、
図9(b)に示すごとく、支持部66は、止水部62よりも浴室側(脱衣室から遠い側)に配置されるとともに、支持部66には、脱衣室側の空間から浴室側の空間の方向に水Wを流すための排水部69が設けられる構成としている。この排水部69は、
図10に示すごとく、スロープ部材6の長手方向において、二本の棒状部材67・67を間隔を開けて配置することで、棒状部材67・67の間に構成することができる。このほか、棒状部材67の一部を切欠くことによって設けることも考えられる。
【0061】
以上の構成により、本発明を実施することができる。
即ち、
図1、
図4及び
図5に示すごとく、
浴室出入口用建具1の開口部枠4Aを構成する少なくとも一つの縦枠94・95に対し、
前記開口部枠4Aを構成する下枠92の上方に配置されるスロープ部材6が着脱可能に固定される、浴室出入口用建具1のスロープ部材6の固定構造とするものである。
【0062】
この構成により、下枠92の上面部92bを、フラットな面で構成することが可能となり、下枠92の上面部92bについての掃除の作業性に優れた構成を実現することが可能となる。なお、本明細書でいうところの「フラットな面で構成される下枠92の上面部92b」とは、「スロープ部材6を固定するための凹凸部が上面部92bに存在しない」ということを意味するものである。また、以上に述べた実施形態では、二つの縦枠94・95に対してスロープ部材6の両端部が固定される構成としたが、いずれか一方の縦枠94・95に対して固定する形態も考えられる。
【0063】
また、
図5に示すごとく、
前記スロープ部材6の長手方向の少なくとも一側の端部に、固定部材74・75を設け、
前記固定部材74・75が縦枠94・95側に対して固定可能/非固定可能に構成される、こととするものである。
【0064】
この構成により、固定部材74・75の部位における固定/固定解除を行うことで、スロープ部材6の着脱を行うことが可能となる。
【0065】
なお、上記実施形態で説明した構成とするほか、スロープ部材側の凸部と、縦枠側の凹部を設ける構成、或いは、その逆の構成によって、両凹凸部を固定可能/非固定可能に設ける構成であれば、スロープ部材の縦枠に対する着脱を実現可能な構成とすることができる。例えば、スロープ部材の両端部にピン状の部材(凸部)を設け、縦枠側にこのピン状の部材を挿脱可能とする穴部(凹部)を設ける形態も考えられる。また、凹部の形態については、穴形状とするほか、部材に絞り加工をして形成される絞り部分の形態とすることも考えられる。
【0066】
また、
図5及び
図6(a)(b)に示すごとく、
前記スロープ部材6に設けられる固定部材74・75は、前記スロープ部材6と別部材にて構成され、
前記縦枠94・95には、前記固定部材74・75と係合するための縦枠側固定部材84・85が設けられ
前記縦枠側固定部材84・85は、前記縦枠94・95と別部材にて構成される、
こととするものである。
【0067】
この構成により、固定部材74・75や縦枠側固定部材84・85の設計の自由度や、これに伴う構造の簡易化を図ることができ、安価でかつ信頼性の高い構成を実現することができる。また、スロープ部材6や縦枠94・95については、従来の構成を利用することとして、追加的に固定部材74・75や縦枠側固定部材84・85の構成を適用するといった実施形態も可能となる。
【0068】
また、
図9(a)及び
図10に示すごとく、
前記スロープ部材6には、前記スロープ部材6と前記下枠92との間の空間10を浴室側と脱衣室側の二つの空間に区画するための止水部62が設けられ、
前記止水部62は、
浴室側の空間から脱衣室側の空間へ移動する水の流れを堰き止める一方で、
脱衣室側の空間から浴室側の空間へ移動する水の流れを許容する、
こととするものである。
【0069】
この構成により、
図9(b)(c)に示すごとく、スロープ部材6の下方において、浴室側の空間10Aから脱衣室側の空間10Bへの水Wを止水する止水性能の確保と、脱衣室側の空間10Bから浴室側の空間10Aへの水Wの排水性能の確保、といった二つの性能を両立することができることになる。そして、これにより、
図4に示される浴室床部8と脱衣室床面部7の高低差をより少なくすることが可能となって、より段差の小さいバリアフリーの性能に優れた浴室開口部(浴室出入り口)を実現することが可能となる。
【0070】
また、
図9(a)及び
図10に示すごとく、
前記スロープ部材6には、前記スロープ部材6を前記下枠92の前記上面部92bに支持させるための支持部66が設けられる、
こととするものである。
【0071】
この構成により、スロープ部材6が踏みつけられた際において、スロープ部材6が撓んでしまうことを防止することができる。
【0072】
また、
図9(a)に示すごとく、
前記支持部66は、弾性を有する樹脂成形品から構成される、
こととするものである。
【0073】
この構成により、棒状部材67が下枠92の上面部92bに接触することがあっても、不快な金属音が生じることがない。
【0074】
また、本発明の浴室出入口用建具のスロープ部材6は、
前記浴室出入口用建具1の開口部枠4Aを構成する下枠92の上方に設けられるものであって、
前記開口部枠4Aを構成する少なくとも一つの縦枠94・95に対して着脱可能とするための固定部材74・75を有する構成とするものである。
【0075】
このスロープ部材6を用いることにより、下枠92の上面部92bを、フラットな面で構成することが可能となり、下枠92の上面部92bについての掃除の作業性に優れた構成を実現することが可能となる。以上に述べた実施形態では、二つの縦枠94・95に対してスロープ部材6の両端部が固定される構成としたが、いずれか一方の縦枠94・95に対して固定する形態も考えられる。
【0076】
また、
図5及び
図6(a)(b)に示すごとく、
前記スロープ部材6に設けられる固定部材74・75は、前記スロープ部材6と別部材にて構成される、
こととするものである。
【0077】
この構成により、固定部材74・75の設計の自由度や、これに伴う構造の簡易化を図ることができ、安価でかつ信頼性の高い構成を実現することができる。また、スロープ部材6については、従来の構成を利用することとして、追加的に固定部材74・75の構成を適用するといった実施形態も可能となる。
【0078】
また、
図9(a)及び
図10に示すごとく、
前記スロープ部材6には、前記スロープ部材6と前記下枠92との間の空間10を浴室側と脱衣室側の二つの空間に区画するための止水部62が設けられ、
前記止水部62は、
浴室側の空間から脱衣室側の空間へ移動する水の流れを堰き止める一方で、
脱衣室側の空間から浴室側の空間へ移動する水の流れを許容する、
こととするものである。
【0079】
この構成により、
図9(b)に示すごとく、空間10に水Wが浸入した場合であっても、脱衣室側への水の浸入を防ぐことができ、また、脱衣室側における水Wの停留を防止することができ、水Wの停留に伴うカビの発生などを防止することが可能となる。
【0080】
また、
図9(a)及び
図10に示すごとく、
前記スロープ部材6には、前記スロープ部材6を前記下枠92の前記上面部92bに支持させるための支持部66が設けられる、
こととするものである。
【0081】
この構成により、スロープ部材6が踏みつけられた際において、スロープ部材6が撓んでしまうことを防止することができる。
【0082】
また、
図9(a)に示すごとく、
前記支持部66は、弾性を有する樹脂成形品から構成される、
こととするものである。
【0083】
この構成により、棒状部材67が下枠92の上面部92bに接触することがあっても、不快な金属音が生じることがない。