【実施例】
【0156】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、反応生成物の収量および1−ヘキセン(デセン類)の選択率は、ガスクロマトグラフィー(島津GC−14A、J&W Scientific DB−5カラム)を用いて分析した。
【0157】
[触媒活性]
単位時間当たりに得られた反応生成物の質量を、多量化に使用した遷移金属触媒成分中の遷移金属原子量(ミリモル)で除して求めた。
【0158】
[1−ヘキセン(デセン類)の選択率]
以下の式に従い1−ヘキセン(デセン類)の選択率を求めた。
S(%)=Wp/Wr×100
S(%):1−ヘキセンの選択率(重量分率)
Wr(重量):反応により生成した炭素原子数が4以上からなる生成物の合計重量
Wp(重量):反応により生成した1−ヘキセンの重量
なお、デセン類の選択率は上記方法に準じて求めた。
【0159】
以下に本発明の(A)遷移金属化合物の具体的な合成例を示すとともに、エチレン多量化の具体的な実施例および比較例を示す。
【0160】
[合成例1]
(化合物3の合成)
【0161】
【化8】
充分に乾燥した200mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に2‐methoxyphenylboronic acid(和光純薬工業株式会社製)を3.19g(21mmol)、2−bromo−4,6−difluoroaniline(東京化成工業株式会社製)を4.16g(20mmol)、酢酸パラジウム(和光純薬工業株式会社製)を0.022g(0.1mmol)、2‐Dicyclohexylphosphino‐2’,6’‐dimethoxybiphenyl(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)を0.082g(0.2mmol)、リン酸カリウム一水和物(和光純薬工業株式会社製)13.8g(60mmol)加え、トルエン(関東化学株式会社製)40mLに縣濁させ、100℃で3時間反応させた。この反応液に水100mLを加え、トルエンで抽出後、有機層をMgSO
4(関東化学株式会社製)で乾燥させ、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ (溶離液;ヘキサン(関東化学株式会社製)/酢酸エチル(関東化学株式会社製)=19/1)を用いて精製することにより化合物1を2.68g(57%、薄黄色液体)を得た。
【0162】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.42−7.36(m,1H,Ar−H),7.26−7.22(m,1H,Ar−H),7.08−7.00(m,2H,Ar−H),6.84−6.76(m,1H,Ar−H),6.72−6.70(m,1H,Ar−H),3.83(s,3H,OCH
3),3.61(br,2H,NH
2)
【0163】
【化9】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物1を1.29g(5.5mmol)、3‐adamantyl‐2‐hydroxy‐5‐methylbenzaldehyde(Journal of American Chemical Society誌2001年123巻6847−6856頁の記載に従い合成した。)1.35g(5.0mmol)、アンバーリスト15(H)(和光純薬工業株式会社製)を加えトルエン40mL加えた後、還流下で3時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノール(関東化学株式会社製)から再結晶することにより化合物2を2.06g(収率 83%、黄色固体)得た。
【0164】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3): 13.1(s,1H,OH),8.46(s,1H,N=CH),7.36−7.16(m,2H,Ar−H),7.05−6.82(m,6H,Ar−H),3.71(s, 3H, OCH
3),2.24(s,3H,CH
3),2.08(s,9H,adamantyl),1.76(s,6H,adamantyl)
【0165】
【化10】
充分に乾燥した50mLナスフラスコ(三方コック、磁気攪拌子入り)にTiCl
4(thf)
2(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)0.668g(2.0mmol)、テトラヒドロフラン(関東化学株式会社製)を10mL加え−78℃に冷却する。この混合液に化合物2を0.973g(2.0mmol)をテトラヒドロフラン2.5mLに溶かし滴下した後、室温まで昇温させつつ13時間反応させた。この反応液に、ヘキサン10mLを加え析出させた。析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物3のテトラヒドロフラン錯体を1.18g(収率 83%、オレンジ色固体)得た。
【0166】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.07(d,1H,J=2.2Hz,N=CH),7.34−7.18(m,5H,Ar−H),7.02−6.68(m,3H,Ar−H),4.26(s,3H,OCH
3),3.71(t,4H,J=6.5Hz,thf),2.26(s,3H,CH
3),2.12(bs,6H,adamantyl),2.07(bs,3H,adamantyl),1.85(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.80−1.76(m,4H,thf),1.71(d,3H,J=12Hz,adamantyl)
【0167】
[合成例2]
(化合物6の合成)
【0168】
【化11】
充分に乾燥した200mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に2‐methoxyphenylboronic acidを3.19g(21mmol)、2−bromo−6−fluoroaniline(東京化成工業株式会社製)を3.80g(20mmol)、酢酸パラジウムを0.022g(0.1mmol)、2‐Dicyclohexylphosphino‐2’,6’‐dimethoxybiphenylを0.082g(0.2mmol)、リン酸カリウム一水和物13.8g(60mmol)加え、トルエン40mLに縣濁させ、100℃で3時間反応させた。この反応液に水100mLを加え、トルエンで抽出後、有機層をMgSO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=93/7)を用いて精製することにより化合物4を2.71g(62%、薄黄色液体)を得た。
【0169】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.40−7.37(m,1H,Ar−H),7.27−7.23(m,1H,Ar−H)7.07−6.89(m,4H,Ar−H),6.77−6.69(m,1H,Ar−H),3.82(s,3H,OCH
3),3.76(br,2H,NH
2)
【0170】
【化12】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物4を1.14g(5.5mmol)、3‐adamantyl‐2‐hydroxy‐5‐methylbenzaldehyde1.35g(5.0mmol)、アンバーリスト15(H)を135mg加えトルエン40mL加えた後、還流下で3時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物5を1.66g(収率 71%、オレンジ固体)得た。
【0171】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.2(s,1H,OH),8.48(s,1H,N=CH),7.33−6.83(m,9H,Ar−H),3.71(s,3H,OCH
3),2.24(s,3H,CH
3),2.10(s,9H,adamantyl),1.77(s,6H,adamantyl)
【0172】
【化13】
充分に乾燥した50mLナスフラスコ(三方コック、磁気攪拌子入り)にTiCl
4のトルエン溶液(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)(1.0mmol/mL)を2.2mL(2.2mmol)、トルエンを15mL加え−78℃に冷却した。この混合液に化合物5を0.939g(2.0mmol)をトルエン5mLに溶かし滴下した後、室温まで昇温させつつ20時間反応させた。この反応液を減圧下で約5mLまで濃縮した後、ヘキサン10mLを加え析出させ、析出物をろ取し、ヘキサン10mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物6を0.640g(収率 48%、赤褐色固体)得た。
【0173】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.11(d,1H,J=2.7Hz,N=CH),7.46−7.14(m,8H,Ar−H),7.07(d,1H,J=1.4Hz,Ar−H),4.39(s,3H,OCH
3),2.32(s,3H,CH
3),2.21(bs,6H,adamantyl),2.16(bs,3H,adamantyl),1.93(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.80(d,3H,J=12Hz,adamantyl)
【0174】
[合成例3]
(化合物10の合成)
【0175】
【化14】
充分に乾燥した300mL三口ナスフラスコ(滴下ロート、三方コック付、磁気攪拌子入り)に1‐methoxy‐3,5‐dimethylbenzene(東京化成工業株式会社製)を8.17g(60mmol)、ジエチルエーテル120mLを加え、氷浴にて0℃まで冷却した後、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(東京化成工業株式会社製)7.67g(66mmol)を加え、ノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)39.8mL(66mmol)を滴下した後、5時間反応させた。500mL三口ナスフラスコ(三方コック付、磁気攪拌子入り)にジエチルエーテル60mL、ホウ酸トリメチル(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)12.47g(120mmol)を加えた後、−78℃に冷却した後に、先ほど調整した反応液を滴下し、そのまま室温まで昇温させつつ18時間反応させた。この反応液に10wt%塩酸水(関東化学株式会社製)100mLを加えた後、酢酸エチル50mL×3で抽出後、有機層を純水50mL×2で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下で留去することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をトルエンから再結晶することにより、化合物7を6.67g(62%、白色固体)を得た。
【0176】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):6.97(s,1H,Ar−H),6.58(s,1H,Ar−H),6.29(s,2H,B(OH)
2),3.86(s,3H,OCH
3),2.53(s,3H,CH
3),2.32(s,3H,CH
3)
【0177】
【化15】
充分に乾燥した100mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に化合物7を1.89g(10.5mmol)、2‐chloro‐6‐fluoroaniline(東京化成工業株式会社製)を1.46g(10mmol)、酢酸パラジウムを0.22g(0.1mmol)、2‐Dicyclohexylphosphino‐2’,6’‐dimethoxybiphenylを0.082g(0.2mmol)、リン酸カリウム一水和物6.91g(30mmol)加え、トルエン18mLに縣濁させ、100℃で1.5時間反応させた。この反応液に水20mLを加え、トルエンで抽出後、有機層をMgSO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=95/5)を用いて精製することにより化合物8を1.953g(80%、薄黄色液体)を得た。
【0178】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.04−6.90(m,1H,Ar−H),6.77−6.53(m,4H,Ar−H),3.70(s,3H,OCH
3),3.51(br,2H,NH
2),2.37(s,3H,CH
3),2.03(s,3H,CH
3)
【0179】
【化16】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物8を0.773g(3.15mmol)、3‐adamantyl‐2‐hydroxy‐5‐methylbenzaldehyde0.811g(3.0mmol)、アンバーリスト15(H)を50mg加えトルエン20mL加えた後、還流下で8時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物9を0.689g(収率 46%、黄色固体)得た。
【0180】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.1(s,1H,OH),8.51(s,1H,N=CH),7.23−7.00(m,3H,Ar−H),6.82(s,1H,Ar−H),6.68(s,1H,Ar−H),6.58(s,1H,Ar−H),4.28(s,3H,OCH
3),2.30(s,3H,CH
3),2.24(s,3H,CH
3),2.21(s,3H,CH
3),2.08(bs,6H,adamantyl),1.98(s,3H,adamantyl),1.77(s,6H,adamantyl)
【0181】
【化17】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)にTiCl
4のトルエン溶液(1.0mmol/mL)を1.10mL(0.55mmol)、トルエンを20mL加え−78℃に冷却した。この混合液に化合物9を0.498g(1.0mmol)をトルエン5mLに溶かし滴下した後、室温まで昇温させつつ16時間反応させた。この反応液を減圧下で約5mLまで濃縮した後、ヘキサン25mLを加え析出させ、析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物10を0.545g(収率 84%、オレンジ色固体)得た。
【0182】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.11(d,1H,J=2.2Hz,N=CH),7.43−7.35(m,2H,Ar−H),7.28−7.21(m,2H,Ar−H),7.09−7.07(m,2H,Ar−H),6.94(s,1H,Ar−H),4.33(s,3H,OCH
3),2.33(s,3H,CH
3),2.26(s,3H,CH
3),2.19(bs,6H,adamantyl),2.15(bs,3H,adamantyl),2.11(s,3H,CH
3),1.93(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.79(d,3H,J=12Hz,adamantyl)
【0183】
[合成例4]
(化合物13の合成)
【0184】
【化18】
充分に乾燥した200mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に2‐ethoxyphenylboronic acid(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)を1.83g(11.0mmol)、2−chloro−6−fluoroanilineを1.46g(10mmol)、酢酸パラジウムを0.011g(0.05mmol)、2‐Dicyclohexylphosphino‐2’,6’‐dimethoxybiphenylを0.041g(0.1mmol)、リン酸カリウム一水和物6.9g(30mmol)加え、トルエン20mLに縣濁させ、100℃で3時間反応させた。この反応液に水50mLを加え、トルエンで抽出後、有機層をMgSO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ (溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=96/4)を用いて精製することにより化合物11を2.30g(99%、薄黄色液体)を得た。
【0185】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.37−7.24(m,2H,Ar−H),7.06−6.89(m,4H,Ar−H),6.76−6.68(m,1H,Ar−H),4.05(q,2H,J=6.9Hz,OCH
2),3.83(br,2H,NH
2),1.30(t,3H,J=6.9Hz,CH
3)
【0186】
【化19】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物11を0.729g(3.15mmol)、3‐adamantyl‐5‐tert−Butyl‐2‐hydroxybenzaldehydeを0.937g(3.0mmol)、アンバーリスト15(H)を94mg加えトルエン40mL加えた後、還流下で6時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、ヘキサンから再結晶することにより化合物12を1.18g(収率 75%、黄色固体)得た。
【0187】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.4(s,1H,OH),8.54(s,1H,N=CH),7.31−7.24(m,2H,Ar−H),7.19−7.10(m,4H,Ar−H),7.01−6.85(m,3H,Ar−H),3.97(q,2H,J=6.9Hz,OCH
2),2.17(s,6H,adamantyl),2.11(s,3H,adamantyl),1.77(s,6H,adamantyl),1.27(s,9H,C(CCH
3)
3),1.26(t,3H,J=6.9Hz,CH
3)
【0188】
【化20】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(、磁気攪拌子入り)にTiCl
4のトルエン溶液(1.0mmol/mL)を1.65mL(1.65mmol)、トルエン20mLを加え−78℃に冷却した。この混合液に化合物12を0.789g(1.5mmol)をトルエン5mLに溶かし滴下した後、室温まで昇温させつつ18時間反応させた。この反応液を減圧下で約5mLまで濃縮した後に、ヘキサン10mLを加え析出させた。析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物13を0.914g(収率 90%、赤紫色固体)得た。
【0189】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.18(d,1H,J=3.2Hz,N=CH),7.64(d,1H,J=2.2Hz,Ar−H),7.43−7.07(m,8H,Ar−H),5.48−5.41(m,1H,OCH
2),4.86−4.79(m,1H,OCH
2),2.28(bs,6H,adamantyl),2.22(bs,3H,adamantyl),1.94(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.79(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.28(s,9H,C(CCH
3)
3),0.99(t,3H,J=7.0Hz,CH
3)
【0190】
[合成例5]
(化合物16の合成)
【0191】
【化21】
充分に乾燥した200mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に2‐methoxyphenylboronic acidを3.19g(21mmol)、2−bromo−4−fluoroaniline(東京化成工業株式会社製)を3.80g(20mmol)、酢酸パラジウムを0.022g(0.1mmol)、2‐Dicyclohexylphosphino‐2’,6’‐dimethoxybiphenylを0.082g(0.2mmol)、リン酸カリウム一水和物13.8g(60mmol)加え、トルエン40mLに縣濁させ、100℃で3時間反応させた。この反応液に水100mLを加え、トルエンで抽出後、有機層をMgSO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=9/1)を用いて精製することにより化合物14を2.86g(66%、薄黄色液体)を得た。
【0192】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.37(t,J=7.3Hz,1H,Ar−H),7.24(d,J=6.2Hz,1H,Ar−H),7.07−7.02(m,2H,Ar−H),6.99−6.82(m,2H,Ar−H),6.72−6.67(m,1H,Ar−H),3.79(s,3H,OCH
3),3.55(br,2H,NH
2)
【0193】
【化22】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物14を1.14g(5.5mmol)、3‐adamantyl‐2‐hydroxy‐5‐methylbenzaldehydeを1.35g(5.0mmol)、アンバーリスト15(H)を135mg加えトルエン40mL加えた後、還流下で3時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物15を1.28g(収率 55%、オレンジ固体)得た。
【0194】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.3(s,1H,OH),8.42(s,1H,N=CH),7.37−7.31(m,1H,Ar−H),7.21−6.92(m,8H,Ar−H),3.74(s,3H,OCH
3),2.26(s,3H,CH
3),2.08(s,9H,adamantyl),1.78(s,6H,adamantyl)
【0195】
【化23】
充分に乾燥した50mLナスフラスコ(三方コック、磁気攪拌子入り)にTiCl
4(thf)
20.500g(1.5mmol)、テトラヒドロフランを7.5mL加え−78℃に冷却した。この混合液に化合物15を0.677g(1.5mmol)をテトラヒドロフラン1.3mLに溶かし滴下した後、室温まで昇温させつつ16時間反応させた。この反応液にヘキサン10mLを加え析出させた後、析出物をろ取し、ヘキサン10mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物16のテトラヒドロフラン錯体を0.845g(収率 81%、オレンジ色固体)得た。
【0196】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.10(s,1H,N=CH),7.41−7.37(m,3H,Ar−H),7.27−7.04(m,6H,Ar−H),4.41(s,3H,OCH
3),3.76(t,4H,J=6.5Hz,thf),2.33(s,3H,CH
3),2.19(bs,6H,adamantyl),2.15(bs,3H,adamantyl),1.92(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.87−1.82(m,4H,thf),1.79(d,3H,J=12Hz,adamantyl)
【0197】
[合成例6]
(化合物19の合成)
【0198】
【化24】
充分に乾燥した200mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に2‐methoxyphenylboronic acidを1.52g(10.0mmol)、2,6−dichloroanilineを3.20g(20mmol)、酢酸パラジウムを0.011g(0.05mmol)、2‐dicyclohexylphosphino‐2’,6’‐dimethoxybiphenylを0.041g(0.1mmol)、リン酸カリウム一水和物6.9g(30mmol)加え、トルエン40mLに縣濁させ、100℃で3時間反応させた。この反応液に水50mLを加え、トルエンで抽出後、有機層をMgSO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=98/2)を用いて精製することにより化合物17を1.65g(71%、薄黄色液体)を得た。
【0199】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.41−7.34(m,1H,Ar−H),7.28−7.22(m,2H,Ar−H),7.07−6.99(m,3H,Ar−H),6.73(d,1H,J=8.1Hz,Ar−H),4.06(br,2H,NH
2),3.80(s,3H,OCH
3)
【0200】
【化25】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物17を0.994g(4.2mmol)、3‐adamantyl‐5‐methyl‐2‐hydroxybenzaldehydeを1.08g(4.0mmol)、アンバーリスト15を108mg加えトルエン20mL加えた後、還流下で5時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=99/1)を用いて精製することにより化合物18を1.86g(96%、黄色固体)を得た。
【0201】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.2(s,1H,OH),8.09(s,1H,N=CH),7.48−7.45(m,1H,Ar−H),7.29−6.94(m,6H,Ar−H),6.79(d,1H,J=7.8Hz,Ar−H),6.66(d,1H,J=1.6Hz,Ar−H),3.69(s,3H,OCH
3),2.12(s,3H,CH
3),2.14(s,6H,adamantyl),2.08(s,3H,adamantyl),1.79(s,6H,adamantyl)
【0202】
【化26】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)にTiCl
4のトルエン溶液(1.0mmol/mL)を1.65mL(1.65mmol)、トルエン20mLを加え−78℃にドライアイス−メタノールバスにて冷却した。この混合液に化合物18を0.729g(1.5mmol)をトルエン5mLに溶かし滴下した後、室温まで昇温させつつ16時間反応させた。この反応液を減圧下で約5mLまで濃縮した後に、ヘキサン10mLを加え析出させた。析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物19を0.632g(収率 66%、赤褐色固体)得た。
【0203】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.00(s,1H,N=CH),7.60(dd,J=6.2Hz,1.6Hz,1H,Ar−H),7.43−7.12(m,7H,Ar−H),7.02(d,1H,J=1.1Hz,Ar−H),4.30(s,3H,OCH
3),2.30(s,3H,CH
3),2.19(m,9H,adamantyl),1.95(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.80(d,3H,J=12Hz,adamantyl)
【0204】
[合成例7]
(化合物23の合成)
【0205】
【化27】
充分に乾燥した200mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に4−amino−3−fluorotolueneを5.00g(40.0mmol)、N,N−ジメチルホルムアミドを150mL加えた後、水冷しつつN−ブロモスクシンイミドを7.11g(40.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド50mLに溶解させ滴下し、3時間反応させた。この反応液に水300mLを加え、ヘキサンで抽出後、有機層を純水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=97/3)を用いて精製することにより化合物20を7.09g(87%、白色固体)を得た。
【0206】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.02(s,1H,Ar−H),6.77(d,1H,J=11Hz,Ar−H),3.95(br,2H,NH
2),2.22(s,3H,CH
3)
【0207】
【化28】
充分に乾燥した100mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に2−ethoxyphenylboronic acid(東京化成工業株式会社製)を1.74g(10.5mmol)、化合物20を2.04g(10mmol)、1,3−bis−(2,6−diisopropylphenyl)imidazolium−(allyl)−palladium(II)−chloride(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)を0.058g(0.1mmol)、水酸化バリウム八水和物(和光純薬工業株式会社製)3.47g(11mmol)加え、イソプロピルアルコール40mLに溶解させ、80℃で6時間反応させた。反応後固体残さをろ過によって取り除き、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=95/5)を用いて精製することにより化合物21を1.57g(64%、無色液体)得た。
【0208】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.34−7.22(m,2H,Ar−H),7.04−6.95(m,2H,Ar−H),6.84−6.73(m,2H,Ar−H),4.04(q,2H,J=7.0Hz,OCH
2),3.70(br,2H,NH
2),1.30(t,3H,J=7.0Hz,CH
3)
【0209】
【化29】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物21を0.801g(3.15mmol)、3‐adamantyl‐5‐tert−butyl‐2‐hydroxybenzaldehydeを0.937g(3.0mmol)、アンバーリスト15を94mg加えトルエン20mL加えた後、還流下で6時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物22を0.950g(収率 59%、黄色固体)得た。
【0210】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.4(s,1H,OH),8.54(d,J=2.4Hz,1H,N=CH),7.28−7.16(m,4H,Ar−H),7.00−6.84(m,4H,Ar−H),3.97(q,2H,J=6.9Hz,OCH
2),2.38(s,3H,CH
3),2.14−2.07(s,9H,adamantyl),1.77(s,6H,adamantyl),1.27(s,9H,C(CH
3)
3),1.26(t,3H,J=6.9Hz,CH
3)
【0211】
【化30】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)にTiCl
4のトルエン溶液(1.0mmol/mL)を1.1mL(1.1mmol)、トルエン20mLを加え−78℃にドライアイス−メタノールバスにて冷却した。この混合液に化合物22を0.540g(1.0mmol)をトルエン5mLに溶かし滴下した後、室温まで昇温させつつ14時間反応させた。この反応液を減圧下で約3mLまで濃縮した後に、ヘキサン10mLを加え析出させた。析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物23を0.660g(収率 95%、オレンジ色固体)得た。
【0212】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.15(d,1H,J=3.5Hz,N=CH),7.63(d,1H,J=1.9Hz,Ar−H),7.41−7.06(m,6H,Ar−H),6.90(s,1H,Ar−H),5.47−5.40(m,1H,OCH
2),4.89−4.82(m,1H,OCH
2),2.43(s,3H,CH
3),2.27−2.16(m,9H,adamantyl),1.93(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.79(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.28(s,9H,C(CH
3)
3),1.02(t,3H,J=7.0Hz,CH
3)
【0213】
[合成例8]
(化合物26の合成)
【0214】
【化31】
充分に乾燥した200mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に2‐ethoxyphenylboronic acidを1.83g(11.0mmol)、2−bromo−4,6−difluoroanilineを2.08g(10mmol)、酢酸パラジウムを0.011g(0.05mmol)、2‐Dicyclohexylphosphino‐2’,6’‐dimethoxybiphenylを0.041g(0.1mmol)、リン酸カリウム一水和物6.9g(30mmol)加え、トルエン20mLに縣濁させ、100℃で3時間反応させた。この反応液に水50mLを加え、トルエンで抽出後、有機層をMgSO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=92/8)を用いて精製することにより化合物24を1.54g(62%、白色固体)を得た。
【0215】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.38−7.33(m,1H,Ar−H),7.25−7.22(m,1H,Ar−H),7.06−6.98(m,2H,Ar−H),6.83−6.67(m,2H,Ar−H),4.06,(q,2H,J=6.9Hz,OCH
2),3.67(br,2H,NH
2),1.31(t,3H,J=6.9Hz,CH
3)
【0216】
【化32】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物24を0.654g(2.63mmol)、3‐adamantyl‐5‐tert−butyl‐2‐hydroxybenzaldehydeを0.781g(2.5mmol)、アンバーリスト15を78mg加えトルエン40mL加えた後、還流下で6時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物25を0.991g(収率 73%、黄色固体)得た。
【0217】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.2(s,1H,OH),8.52(d,J=2.7Hz,1H,N=CH),7.33−7.26(m,2H,Ar−H),7.18−7.14(m,1H,Ar−H),7.00−6.85(m,5H,Ar−H),3.96(q,2H,J=6.9Hz,OCH
2),2.10(s,9H,adamantyl),1.78(s,6H,adamantyl),1.27(s,9H,C(CH
3)
3),1.26(t,3H,J=6.9Hz,CH
3)
【0218】
【化33】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)にTiCl
4のトルエン溶液(1.0mmol/mL)を1.1mL(1.1mmol)、トルエン20mLを加え−78℃にドライアイス−メタノールバスにて冷却した。この混合液に化合物25を0.544g(1.0mmol)トルエン5mLに溶かし滴下した後、室温まで昇温させつつ17時間反応させた。この反応液を減圧下で約3mLまで濃縮した後に、ヘキサン10mLを加え析出させた。析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物26を0.540g(収率 77%、赤紫色固体)得た。
【0219】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.15(d,1H,J=3.0Hz,N=CH),7.65(d,1H,J=2.2Hz,Ar−H),7.43−7.26(m,5H,Ar−H),7.06−6.99(m,1H,Ar−H),6.87(d,1H,J=8.4Hz,Ar−H),5.49−5.42(m,1H,OCH
2),4.88−4.81(m,1H,OCH
2),2.27(bs,6H,adamantyl),2.21(bs,3H,adamantyl),1.93(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.79(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.28(s,9H,C(CH
3)
3),1.04(t,3H,J=7.0Hz,CH
3)
【0220】
[合成例9]
(化合物29の合成)
【0221】
【化34】
充分に乾燥した50mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に2−Ethoxyphenylboronic acid(東京化成工業株式会社製)を0.50g(3.0mmol)、2−Chloro−4−fluoroaniline(和光純薬工業株式会社製)を0.34mL(2.9mmol)、1,3−bis−(2,6−diisopropylphenyl)imidazolium−(allyl)−palladium(II)−chloride(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)を0.008g(0.028mmol)、水酸化バリウム八水和物(和光純薬工業株式会社製)0.99g(3.1mmol)加え、イソプロピルアルコール(関東化学株式会社製)20mLに溶解させ、80℃で6時間反応させた。反応後固体残さをろ過によって取り除き、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=9/1)を用いて精製することにより化合物27を0.66g(100%、淡褐色液体)得た。
【0222】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.37−7.30(m,1H,Ar−H),7.26−7.23(m,1H,Ar−H),7.06−6.98(m,2H,Ar−H),6.91−6.83(m,2H,Ar−H),6.72−6.66(m,1H,Ar−H),4.06(q,2H,J=6.9Hz,OCH
2),3.62(bs,2H,NH
2),1.31(t,3H,J=6.9Hz,OCH
2CH
3)
【0223】
【化35】
充分に乾燥した50mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物27を0.63g(2.9mmol)、3‐adamantyl‐5−tert−butyl−2‐hydroxybenzaldehydeを0.82g(2.6mmol)、アンバーリスト15(H)を200mg、トルエン20mLを加えた後、還流下で20時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、メタノールから再結晶することにより化合物28を0.94g(収率 68%、黄色固体)得た。
【0224】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.4(s,1H,OH),8.47(s,1H,N=CH),7.34−7.27(m,2H,Ar−H),7.19−7.05(m,5H,Ar−H),6.99−6.90(m,2H,Ar−H),4.01(q,2H,J=6.9Hz,OCH
2),2.10(s,6H,adamantyl),2.06(s,3H,adamantyl),1.77(s,6H,adamantyl),1.29(s,9H,tert−Butyl),1.24(t,3H,J=6.9Hz,OCH
2CH
3)
【0225】
【化36】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)に四塩化チタンの1.0Mトルエン溶液を1.0mL(1.0mmol)、トルエン5mLを加え、ドライアイス−アセトンバスで−78℃に冷却した。これに、化合物28を0.439g(0.84mmol)をトルエン10mLに溶かして滴下した後、室温まで昇温させつつ16時間反応させた。この反応液を減圧下で約0.8mLまで濃縮した後、ヘキサン10mLを加え析出させ、析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物29を0.393g(収率 68%、赤褐色固体)得た。
【0226】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.15(s,1H,HC=N),7.63(d,1H,J=2.7Hz,Ar−H),7.45−7.43(m,2H,Ar−H),7.33−7.28(m,3H,Ar−H),7.19−6.98(m,3H,Ar−H),5.54−5.41(m,1H、OCH
2),4.89−4.77(m,1H、OCH
2),2.27−2.16(m,9H,Adamantyl),1.95−1.77(m,6H,Adamantyl),1.28(s,9H,tert−Butyl),1.00(t,3H,J=6.9Hz,OCH
2CH
3)
【0227】
[合成例10]
(化合物32の合成)
【0228】
【化37】
充分に乾燥した100mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に2−(4,4,5,5−tetramethyl−1,3,2−dioxaborolan−2−yl)aniline(東京化成工業株式会社製)を2.41g(11mmol)、2−chloro−6−fluoroanisoleを1.61g(10mmol)、1,3−bis−(2,6−diisopropylphenyl)imidazolium−(allyl)−palladium(II)−chloride(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)を0.029g(0.05mmol)、水酸化バリウム八水和物(和光純薬工業株式会社製)4.73g(15mmol)加え、イソプロピルアルコール50mLに溶解させ、80℃で6時間反応させた。反応後固体残さをろ過によって取り除き、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=9/1)を用いて精製することにより化合物30を1.37g(63%、白色固体)得た。
【0229】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.25−7.02(m,5H,Ar−H),6.85−6.76(m,2H,Ar−H),3.74(br,2H,NH
2),3.71(d,3H,J=1.4Hz,OCH
3)
【0230】
【化38】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物30を0.912g(4.2mmol)、3‐adamantyl‐5‐methyl‐2‐hydroxybenzaldehydeを1.08g(4.0mmol)、アンバーリスト15を108mg加えトルエン40mL加えた後、還流下で6時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物31を1.52g(81%、黄色固体)を得た。
【0231】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.2(s,1H,OH),8.53(s,1H,N=CH),7.48−7.26(m,4H,Ar−H),7.13−6.95(m,5H,Ar−H),3.69(d,3H,J=2.2Hz,OCH
3),2.27(s,3H,CH
3),2.07(s,9H,adamantyl),1.76(s,6H,adamantyl)
【0232】
【化39】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)にTiCl
4のトルエン溶液(1.0mmol/mL)を1.65mL(1.65mmol)、トルエン20mLを加え−78℃にドライアイス−メタノールバスにて冷却した。この混合液に化合物31を0.690g(1.5mmol)をトルエン5mLに溶かし滴下した後、室温まで昇温させつつ19時間反応させた。この反応液を減圧下で約3mLまで濃縮した後に、ヘキサン10mLを加え析出させた。析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物32を0.766g(収率 82%、赤紫色固体)得た。
【0233】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.13(s,1H,N=CH),7.54−7.44(m,2H,Ar−H),7.39(d,1H,J=1.9Hz,Ar−H),7.34−7.28(m,2H,Ar−H),7.20−7.04(m,4H,Ar−H),4.45(s,3H,OCH
3),2.33(s,3H,CH
3),2.26−2.19(m,9H,adamantyl),2.14(s,6H,adamantyl),1.92(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.78(d,3H,J=12Hz,adamantyl)
【0234】
[合成例11]
(化合物36の合成)
【0235】
【化40】
充分に乾燥した300mL三口ナスフラスコ(滴下ロート、三方コック付、磁気攪拌子入り)に4−methoxybiphenyl(東京化成工業株式会社製)を9.21g(50.0mmol)、ヘキサン60mLを加え、氷浴にて0℃まで冷却した後、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(東京化成工業株式会社製)7.9mL(52.5mmol)を加え、ノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)32.8mL(52.5mmol)を滴下した後、16時間反応させた。500mL三口ナスフラスコ(三方コック付、磁気攪拌子入り)にヘキサン60mL、ホウ酸トリメチル(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)16.8mL(150mmol)を加えた後、−78℃に冷却した後に、先ほど調製した反応液を滴下し、そのまま室温まで昇温させつつ3時間反応させた。この反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液50mLを加えた後、酢酸エチル50mL×3で抽出後、有機層を純水50mL×2で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下で留去することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサンから再沈殿することにより、化合物33を6.67g(60%、白色固体)得た。
【0236】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.10(d,J=2.6Hz,1H,Ar−H),7.68(dd,J=8.6Hz,2.6Hz,1H,Ar−H),7.59(m,2H,Ar−H),7.42(m,2H,Ar−H),7.31(m,1H,Ar−H),7.00(d,J=8.6Hz,1H,Ar−H),6.05(s,2H,B(OH)
2),3.96(s,3H,OCH
3)
【0237】
【化41】
充分に乾燥した100mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に化合物33を1.0g(4.4mmol)、2−bromo−4,6−difluoroaniline(東京化成工業株式会社製)を0.91g(4.4mmol)、1,3−bis−(2,6−diisopropylphenyl)imidazolium−(allyl)−palladium(II)−chloride(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)を0.013g(0.022mmol)、水酸化バリウム八水和物(和光純薬工業株式会社製)1.5g(4.6mmol)加え、イソプロピルアルコール(関東化学株式会社製)30mLに溶解させ、80℃で3時間反応させた。反応後固体残さをろ過によって取り除き、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=10/1)を用いて精製することにより化合物34を1.16g(89%、淡褐色液体)得た。
【0238】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.64−7.28(m,7H,Ar−H),7.08(d、J=8.6Hz,1H,Ar−H),6.86−6.72(m,2H,Ar−H),3.87(s,3H,OCH
3),3.66(bs,2H,NH
2)
【0239】
【化42】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物34を0.70g(2.2mmol)、3‐adamantyl‐2‐hydroxy‐5‐phenylbenzaldehyde0.746g(2.2mmol)、アンバーリスト15(H)を321mg、トルエン30mLを加えた後、還流下で3時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物35を1.34g(収率 55%、黄色固体)得た。
【0240】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.8(s,1H,OH),8.62(s,1H,N=CH),7.61−7.27(m,16H,Ar−H),7.03(d,J=8.2Hz,1H,Ar−H),3.81(s,3H,OCH
3),2.15−2.05(m,9H,adamantyl),1.76(s,6H,adamantyl)
【0241】
【化43】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)に四塩化チタンの1.0Mトルエン溶液を0.4mL(0.4mmol)、ヘキサンを20mL加え、ドライアイス−アセトンバスで−78℃に冷却した。これに、化合物35を0.275g(0.44mmol)をトルエン1mL/ヘキサン15mLに溶かしたものを滴下した後、室温まで昇温させつつ2時間反応させた。析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物36を0.260g(収率 82%、赤褐色固体)得た。
【0242】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.25(d,J=2.6Hz,1H,HC=N),7.83(d,J=2.3Hz,1H,Ar−H),7.65−6.99(m,16H,Ar−H),4.48(s,3H,OCH
3),2.28(m,6H,adamantyl),2.91(m,3H,adamantyl),1.96(d,J=12.5Hz,3H,adamantyl),1.82(d,J=12.5Hz,3H,adamantyl)
【0243】
[合成例12]
(化合物41の合成)
【0244】
【化44】
充分に乾燥した200mL二口ナスフラスコ(三方コック付、磁気攪拌子入り)に4−cumylphenol(和光純薬工業株式会社製)を5.0g(23.5mmol)、炭酸カリウムを4.9g(35.3mmol)加え、アセトン80mLに溶解させた。溶液を45℃に昇温した後、ヨウ化メチル(和光純薬工業株式会社製)2.19mL(35.3mmol)をゆっくり滴下したのち、45℃に保って3時間反応させた。反応終了後、反応液から不溶分をろ別し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)で精製することにより、化合物37を3.88g(73%、無色液体)得た。
【0245】
得られた生成物を分析した結果は以下の通りであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.29−7.12(m,7H,Ar−H),6.80(d,J=8.9Hz,2H,Ar−H),3.78(s,3H,OCH
3),1.66(s,6H,cumyl)
【0246】
【化45】
充分に乾燥した300mL三口ナスフラスコ(滴下ロート、三方コック付、磁気攪拌子入り)に化合物37を2.6g(11.5mmol)、ヘキサン30mLを加え、氷浴にて0℃まで冷却した後、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(東京化成工業株式会社製)1.82mL(12.1mmol)を加え、ノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)7.55mL(12.1mmol)を滴下した後、16時間反応させた。500mL三口ナスフラスコ(三方コック付、磁気攪拌子入り)にヘキサン40mL、ホウ酸トリメチル(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)3.85mL(34.5mmol)を加えた後、−78℃に冷却した後に、先ほど調製した反応液を滴下し、そのまま室温まで昇温させつつ3時間反応させた。この反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液50mLを加えた後、酢酸エチル50mL×3で抽出後、有機層を純水50mL×2で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下で留去することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサンから再沈殿することにより、化合物38を2.2g(71%、白色固体)得た。
【0247】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.80(d,2.6Hz,1H,Ar−H),7.29−7.13(m,6H,Ar−H),6.81(d,J=8.6Hz,1H,Ar−H),5.95(s,2H,B(OH)
2),3.88(s,3H,OCH
3),1.69(s,6H,cumyl)
【0248】
【化46】
充分に乾燥した100mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に化合物38を1.0g(3.7mmol)、2−bromo−4,6−difluoroaniline(東京化成工業株式会社製)を0.77g(3.9mmol)、1,3−bis−(2,6−diisopropylphenyl)imidazolium−(allyl)−palladium(II)−chloride(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)を0.011g(0.019mmol)、水酸化バリウム八水和物(和光純薬工業株式会社製)1.2g(3.9mmol)加え、イソプロピルアルコール(関東化学株式会社製)30mLに溶解させ、80℃で3時間反応させた。反応後固体残さをろ過によって取り除き、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=10/1)を用いて精製することにより化合物39を0.68g(54%、淡褐色液体)得た。
【0249】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.31−7.11(m,7H,Ar−H),6.90(d,J=8.9Hz,1H,Ar−H),6.77(m,1H,Ar−H),6.66(m,1H,Ar−H),3.80(s,3H,OCH
3),3.60(bs,2H,NH
2),1.68(s,6H,cumyl)
【0250】
【化47】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物39を0.68g(1.9mmol)、3‐adamantyl‐2‐hydroxy‐5‐phenylbenzaldehyde0.63g(1.9mmol)、アンバーリスト15(H)を190mg、トルエン30mLを加えた後、還流下で3時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物40を0.533g(収率 44%、黄色固体)得た。
【0251】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.3(s,1H,OH),8.54(d,J=2.0Hz,1H,N=CH),7.55−7.30(m,6H),7.20−7.04(m,8H,Ar−H),6.90(d,J=8.6Hz,2H,Ar−H),6.81(d,J=8.6Hz,1H,Ar−H),3.69(s,3H,OCH
3),2.17(s,6H,adamantyl),2.08(s,3H,adamantyl),1.78(s,6H,adamantyl),1.64(s,6H,cumyl)
【0252】
【化48】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁n気攪拌子入り)に四塩化チタンの1.0Mトルエン溶液を0.35mL(0.35mmol)、ヘキサンを15mL加え、ドライアイス−アセトンバスで−78℃に冷却した。これに、化合物40を0.257g(0.39mmol)をトルエン1mL/ヘキサン15mLに溶かしたものを滴下した後、室温まで昇温させつつ2時間反応させた。析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物41を0.215g(収率 74%、赤褐色固体)得た。
【0253】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.16(d,J=2.3Hz,1H,HC=N),7.84(d,J=2.3Hz,1H,Ar−H),7.54−6.99(m,15H,Ar−H),6.86(d,J=8.6Hz,1H,Ar−H),4.39(s,3H,OCH
3),2.27−2.12(m,9H,adamantyl),1.94(d,J=10.9Hz,3H,adamantyl),1.81(d,J=10.9Hz,3H,adamantyl),1.63(s,6H,cumyl)
【0254】
[合成例13]
(化合物47の合成)
【0255】
【化49】
充分に乾燥した200mL四口ナスフラスコ(三方コック付、磁気攪拌子入り)に3,4−Dihyro−2H−pyran(和光純薬工業株式会社製)を5.19g(61.7mmol)加え、ジクロロメタン(関東化学株式会社製)48mLに溶解させた。0℃に冷却した後、塩化水素の2.0Mジエチルエーテル溶液(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)0.16mL(0.32mmol)を加え、その後、4−Trifluoromethylphenol(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)の4.00g(24.7mmol)をジクロロメタン24mLに溶解させ、滴下ロート経由で13分かけて加えた。室温で終夜攪拌した後、飽和重曹水を加えてジクロロメタンで抽出し、水、ついで飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、固体を濾過で取り除いて、溶媒を減圧下で留去することにより、化合物42を8.14g(100%、淡黄色液体)得た。
【0256】
得られた生成物を分析した結果は以下の通りであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.53(d,2H,J=9.2Hz,Ar−H),7.11(d,2H,J=9.2Hz,Ar−H),5.48(t,1H,J=3.0Hz,OCHO),3.86(ddd,1H,J=11.2,9.7,3.0Hz,OCH
2),3.62(dtd,1H,J=11.2,4.0,1.5Hz,OCH
2),2.08−1.57(m,6H,CH
2CH
2CH
2)
【0257】
【化50】
充分に乾燥した200mL四口ナスフラスコ(三方コック付、磁気攪拌子入り)にn−ブチルリチウムの1.59Mヘキサン溶液(関東化学株式会社製)20mLを加え、−78℃に冷却した。化合物42の7.08g(21.6mmol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解させて22分かけて滴下ロートから加えた。1時間同温度で攪拌した後、1,2−Dibromo−1,1,2,2−tetrafluoroethane(東京化成工業株式会社製)をテトラヒドロフラン25mLに溶解させて13分かけて滴下ロートから加えた。室温まで昇温して終夜攪拌した後、水を加えて酢酸エチルで抽出し、水、ついで飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、固体を濾過で取り除いて、溶媒を減圧下で留去することにより、化合物43を9.32g(96%、淡黄色液体)得た。
【0258】
得られた生成物を分析した結果は以下の通りであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.80(d,1H,J=2.4Hz,Ar−H),7.50(dd,1H,J=8.3,2.4Hz,Ar−H),7.22(d,1H,J=8.3Hz,Ar−H),5.60(t,1H,J=2.7Hz,OCHO),3.82(td,1H,J=11.0,3.1Hz,OCH
2),3.66−3.59(m,1H,OCH
2),2.18−1.59(m,6H,CH
2CH
2CH
2)
【0259】
【化51】
充分に乾燥した500mL四口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)にTetrakis(triphenylphosphine)palladium(0)(東京化成工業株式会社製)を1.21g(1.05mmol)、化合物43を8.84g(20.9mmol)加え、テトラヒドロフラン133mLに溶解させた。次いで、1−Adamantylzinc bromideの0.5Mテトロヒドロフラン溶液(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)を67mL加え、70℃で11時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、Tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0)を1.21g(1.05mmol)追加し、70℃で14時間40分反応させた。0℃に冷却してから濃塩酸(関東化学株式会社製)33mLと水22mLを加えて室温で終夜攪拌し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をジクロロメタンに溶解させた後、水と食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製)を加えて乾燥させた。固体を濾過で取り除いて、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=24/1)で精製することで、化合物44を2.95g(48%、淡黄色液体)得た。
【0260】
得られた生成物を分析した結果は以下の通りであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.46(d,1H,J=2.1Hz,Ar−H),7.32(dd,1H,J=8.1,2.1Hz,Ar−H),6.70(d,1H,J=8.1Hz,Ar−H),5.18(s,1H,OH),2.12−2.09(m,9H,Adamantyl),1.79−1.78(m,6H,Adamantyl)
【0261】
【化52】
充分に乾燥した100mL四口ナスフラスコ(三方コック付、磁気攪拌子入り)に3,4−Dihyro−2H−pyranを2.09g(24.8mmol)加えてジクロロメタン20mLに溶解させた。0℃に冷却した後、塩化水素の2.0Mジエチルエーテル溶液0.05mL(0.1mmol)を加え、その後、化合物44の2.95g(9.96mmol)をジクロロメタン20mLに溶解させ、滴下ロート経由で13分かけて加えた。終夜攪拌の後、3,4−Dihyro−2H−pyranの2.09g(24.8mmol)を2回に分けて追加して反応を継続した。16時間後、重曹水を加えてジクロロメタンで抽出し、その後、水と食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。固体を濾過で取り除いて、溶媒を減圧下で留去することにより、3.59gの淡黄色固体を得た。この固体を充分に乾燥した300mL四口ナスフラスコ(三方コック付、磁気攪拌子入り)内でテトラヒドロフラン100mLに溶解させ、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウムの1.59Mヘキサン溶液を9.0mL(14.3mmol)加えて1時間反応させた後、N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学株式会社製)を2mL(25.8mmol)加え、室温に昇温して63時間攪拌した。0℃に冷却した後、濃塩酸15mLと水10mLを加えて終夜攪拌し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をジクロロメタンで抽出し、水と食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。固体を濾過によって取り除き、溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=49/1)を用いて精製することにより化合物45を806mg(29%、淡黄色固体)得た。
【0262】
得られた生成物を分析した結果は以下の通りであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):12.14(s,1H,OH),9.92(s,1H,HC=O),7.69−7.66(m,2H,Ar−H),2.13−2.11(m,9H,Adamantyl),1.81−1.79(m,6H,Adamantyl)
【0263】
【化53】
充分に乾燥した50mL四口ナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物45を0.806g(2.49mmol)、2’‐methoxybiphenyl‐2‐amine(WO2009005003の記載に従い合成した。)を0.514g(2.58mmol)、アンバーリスト15(H)を0.1g、無水硫酸ナトリウムを1.04g、トルエンを26mL加え、還流下で8時間反応させた。この反応液から不溶物を濾過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、ヘキサンとトルエンの混合溶媒から再結晶することにより化合物46を0.823mg(65%、黄色固体)得た。
【0264】
得られた生成物を分析した結果は以下の通りであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):14.37(s,1H,OH),8.54(s,1H,HC=N),7.48−7.32(m,7H,Ar−H),7.21(dd,1H,J=7.4,2.0Hz,Ar−H),7.02(td,1H,J=7.4,0.8Hz,Ar−H),6.94(dd,1H,J=8.5,0.8Hz,Ar−H),3.74(s,3H,OCH
3),2.09(bs,9H,Adamantyl),1.78(bs,6H,Adamantyl)
【0265】
【化54】
充分に乾燥した50mL四口ナスフラスコ(三方コック、磁気攪拌子入り)に四塩化チタンの1.0Mトルエン溶液を0.5mL(0.5mmol)加え、ドライアイス−アセトンバスで−78℃に冷却した。これに、化合物46の0.412g(0.82mmol)をトルエン10mLに溶かして滴下した後、室温まで昇温させつつ21時間反応させた。この反応液にペンタン10mLを加え析出させた後、析出物を濾取し、ペンタン(関東化学株式会社製)10mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物47を0.276g(収率50%、橙色固体)得た。
【0266】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.18(s,1H,HC=N),7.76(d,1H,J=2.2Hz,Ar−H),7.57(d,1H,J=2.2Hz,Ar−H),7.53−7.18(m,8H,Ar−H),4.41(s,3H,OCH
3),2.22−2.19(m,9H,Adamantyl),1.96−1.79(m,6H,Adamantyl)
【0267】
[合成例14]
(化合物50の合成)
【0268】
【化55】
充分に乾燥した100mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に化合物7を1.30g(7.2mmol)、2‐bromoaniline(東京化成工業株式会社製)を1.03g(6mmol)、酢酸パラジウムを0.07g(0.03mmol)、2‐Dicyclohexylphosphino‐2’,6’‐dimethoxybiphenylを0.025g(0.06mmol)、リン酸カリウム一水和物4.15g(18mmol)加え、トルエン18mLに縣濁させ、100℃で3時間反応させた。この反応液に水10mLを加え、トルエンで抽出後、有機層をMgSO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=95/5)を用いて精製することにより化合物48を0.390g(29%、薄黄色液体)を得た。
【0269】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.19−7.13(m,1H,Ar−H),6.98−6.94(m,1H,Ar−H),6.84−6.76(m,3H,Ar−H),6.66(s,1H,Ar−H),3.71(s,3H,OCH
3),3.45(br,2H,NH
2),2.37(s,3H,CH
3),2.05(s,3H,CH
3).
【0270】
【化56】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物48を0.358g(1.58mmol)、3‐adamantyl‐2‐hydroxy‐5‐methylbenzaldehyde0.406g(1.5mmol)、アンバーリスト15(H)を41mg加えトルエン30mL加えた後、還流下で3時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物49を0.404g(収率 56%、黄色固体)得た。
【0271】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.2(s,1H,OH),8.51(s,1H,N=CH),7.48−7.24(m,4H,Ar−H),7.04−6.91(m,4H,Ar−H),3.32(s,3H,OCH
3),2.32(s,3H,CH
3),2.30(s,3H,CH
3),2.26(s,3H,CH
3),2.10(s,6H,adamantyl),2.06(s,3H,adamantyl),1.77(s,6H,adamantyl)
【0272】
【化57】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)にTiCl
4のトルエン溶液(1.0mmol/mL)を0.55mL(0.55mmol)、トルエンを10mL加え−78℃に冷却した。この混合液に化合物49を0.240g(0.5mmol)をトルエン5mLに溶かし滴下した後、室温まで昇温させつつ16時間反応させた。この反応液を減圧下で約5mLまで濃縮した後、ヘキサン15mLを加え析出させ、析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物50を0.123g(収率 39%、赤褐色固体)得た。
【0273】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.13(bs,1H,N=CH),7.46−6.91(m,8H,Ar−H),4.27(s,3H,OCH
3),2.57(s,3H,CH
3),2.35(s,3H,CH
3),2.33(s,3H,CH
3),2.19(bs,6H,adamantyl),2.15(bs,3H,adamantyl),1.92(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.78(d,3H,J=12Hz,adamantyl)
【0274】
[合成例15]
(化合物53の合成)
【0275】
【化58】
充分に乾燥した100mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に2−Ethoxyphenylboronic acid(東京化成工業株式会社製)を1.00g(6.0mmol)、2−Chloro−4−methylaniline(東京化成工業株式会社製)を0.70mL(5.7mmol)、1,3−bis−(2,6−diisopropylphenyl)imidazolium−(allyl)−palladium(II)−chloride(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)を0.008g(0.028mmol)、水酸化バリウム八水和物(和光純薬工業株式会社製)1.97g(6.2mmol)加え、イソプロピルアルコール(関東化学株式会社製)40mLに溶解させ、80℃で6時間反応させた。反応後固体残さをろ過によって取り除き、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=9/1)を用いて精製することにより化合物51を1.12g(87%、淡褐色液体)得た。
【0276】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.34−7.24(m,2H,Ar−H),7.06−6.94(m,4H,Ar−H),6.69(d,1H,J=8.1Hz),4.06(q,2H,J=7.1Hz,OCH
2),3.64(bs,2H,NH
2),2.28(s,3H,CH
3),1.31(t,3H,J=7.1Hz,OCH
2CH
3)
【0277】
【化59】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物51を1.12g(4.9mmol)、3‐adamantyl‐5−tert−butyl−2‐hydroxybenzaldehydeを1.40g(4.5mmol)、アンバーリスト15(H)を330mg、トルエン50mLを加えた後、還流下で23時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、メタノールから再結晶することにより化合物52を1.80g(収率 77%、黄色固体)得た。
【0278】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.69(s,1H,OH),8.49(s,1H,N=CH),7.32−7.09(m,7H,Ar−H),6.89−6.89(m,2H,Ar−H),4.02(q,2H,J=6.9Hz,OCH
2),2.41(s,3H,CH
3),2.11(s,6H,Adamantyl),2.06(s,3H,Adamantyl),1.77(s,6H,Adamantyl),1.29(s,9H,tert−Butyl),1.23(t,3H、J=6.9Hz,OCH
2CH
3)
【0279】
【化60】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)に四塩化チタンの1.0Mトルエン溶液を1.0mL(1.0mmol)、トルエン5mLを加え、ドライアイス−アセトンバスで−78℃に冷却した。これに、化合物52を0.438g(0.84mmol)をトルエン10mLに溶かして滴下した後、室温まで昇温させつつ16時間反応させた。この反応液を減圧下で約0.8mLまで濃縮した後、ヘキサン10mLを加え析出させ、析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物53を0.411g(収率 70%、赤褐色固体)得た。
【0280】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.14(s,1H,HC=N),7.61(d,1H,J=2.4Hz,Ar−H),7.45−7.23(m,6H,Ar−H),7.07(d,1H,J=1.4Hz,Ar−H),6.96(d,1H,J=8.1Hz,Ar−H),5.47−5.40(m,1H,OCH
2),4.87−4.81(m,1H,OCH
2),2.42(3H,s,CH
3),2.28−2.16(m,9H,Adamantyl),1.95−1.76(m,6H,Adamantyl),1.28(s,9H,tert−Butyl),0.99(t,3H,J=7.2Hz,OCH
2CH
3)
【0281】
[合成例16]
(化合物55の合成)
【0282】
【化61】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に2'−ethoxybiphenyl−2−amineを0.448g(2.1mmol)、3‐adamantyl‐5‐tert−butyl‐2‐hydroxybenzaldehydeを0.625g(2.0mmol)、アンバーリスト15を63mg加えトルエン20mL加えた後、還流下で3時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物54を0.525g(収率 52%、黄色固体)得た。
【0283】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.6(s,1H,OH),8.50(s,1H,N=CH),7.44−7.10(m,8H,Ar−H),6.99−6.89(m,2H,Ar−H),4.01(q,2H,J=6.8Hz,OCH
2),2.11(s,6H,adamantyl),2.07(s,3H,adamantyl),1.77(s,6H,adamantyl),1.29(s,9H,C(CH
3)
3),1.26(t,3H,J=6.8Hz,CH
3)
【0284】
【化62】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)にTiCl
4のトルエン溶液(1.0mmol/mL)を1.1mL(1.1mmol)、トルエン20mLを加え−78℃にドライアイス−メタノールバスにて冷却した。この混合液に化合物54を0.508g(1.0mmol)トルエン5mLに溶かし滴下した後、室温まで昇温させつつ14時間反応させた。この反応液を減圧下で約5mLまで濃縮した後に、ヘキサン10mLを加え析出させた。析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物55を0.493g(収率 75%、赤紫色固体)得た。
【0285】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.17(s,1H,N=CH),7.61(s,1H,Ar−H),7.61−7.09(m,9H,Ar−H,5.49−5.42(m,1H,OCH
2),4.85−4.78(m,1H,OCH
2),2.24−2.16(m,9H,adamantyl),1.93(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.79(d,3H,J=12Hz,adamantyl),1.28(s,9H,C(CH
3)
3),0.95(t,3H,J=7.0Hz,CH
3)
【0286】
[合成例17]
(化合物58の合成)
【0287】
【化63】
充分に乾燥した200mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に2‐methoxyphenylboronic acidを7.2g(47.1mmol)、2−chloro−6−methylanilineを5.20g(36.7mmol)、1,3−bis−(2,6−diisopropylphenyl)imidazolium−(allyl)−palladium(II)−chlorideを59.6mg(0.092mmol)、水酸化バリウム八水和物を12.8g(40.4mmol)加え、イソプロピルアルコール73mLに溶解させた後、80℃で4時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、固体残さをろ過によって取り除き、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=95/5)を用いて精製することにより化合物56を6.23g(80%、淡褐色液体)得た。
【0288】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.37−7.35(m,1H,Ar−H),7.26−7.24(m,1H,Ar−H),7.09−6.97(m,4H,Ar−H),6.77−6.75(m,1H,Ar−H),3.79(s,3H,OCH
3),3.59(bs,2H,NH
2),2.28(s,3H,CH
3)
【0289】
【化64】
充分に乾燥した200mL一口ナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物56を1.12g(5.25mmol)、3‐adamantyl‐2‐hydroxy‐5‐methylbenzaldehydeを1.35g(5.0mmol)、アンバーリスト15を135mg、トルエンを40mL加えた後、還流下で6時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物57を0.837g(収率 36%、黄色固体)得た。
【0290】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.6(s,1H,OH),7.90(s,1H,C=NH),7.26−7.15(m,6H,Ar−H),7.03(s,1H,Ar−H),6.94(t,1H,J=7.3Hz,Ar−H),6.74(d,1H,J=8.0Hz,Ar−H),3.67(s,3H,OCH
3),2.33(s,3H,CH
3),2.19(s,3H,CH
3),2.15(bs,6H,adamantyl),2.08(bs,3H,adamantyl),1.79(bs,6H,adamantyl)
【0291】
【化65】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)に四塩化チタンの1.0Mトルエン溶液を0.5mL(0.5mmol)、トルエンを10mL加え、ドライアイス−アセトンバスで−78℃に冷却した。これに、化合物57を0.256g(0.55mmol)をトルエン5mLに溶かしたものを滴下した後、室温まで昇温させつつ15時間反応させた。反応液を3mLまで減圧下で濃縮しヘキサン20mLを加えた後、析出物をろ取、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物58を0.294g(収率 95%、赤褐色固体)得た。
【0292】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.90(s,1H,HC=N),7.39-7.11(m,8H,Ar−H),6.94(s,1H,Ar−H),4.26(s,3H,OCH
3),2.45(s,3H,CH
3),2.28(s,3H,CH
3),2.19(m,9H,adamantyl),1.96(d,J=11.5Hz,3H,adamantyl),1.81(d,J=11.5Hz,3H,adamantyl)
【0293】
[合成例18]
(化合物61の合成)
【0294】
【化66】
充分に乾燥した100mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に化合物33を1.0g(4.4mmol)、2−chloroaniline(東京化成工業株式会社製)を0.46mL(4.4mmol)、1,3−bis−(2,6−diisopropylphenyl)imidazolium−(allyl)−palladium(II)−chloride(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)を0.013g(0.022mmol)、水酸化バリウム八水和物(和光純薬工業株式会社製)1.5g(4.6mmol)加え、イソプロピルアルコール(関東化学株式会社製)30mLに溶解させ、80℃で3時間反応させた。反応後固体残さをろ過によって取り除き、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=10/1)を用いて精製することにより化合物59を1.18g(98%、淡褐色液体)得た。
【0295】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.61−7.52(m,4H,Ar−H),7.41(m,2H,Ar−H),7.33−7.14(m,3H,Ar−H),7.07(d,J=8.6Hz,1H,Ar−H),6.88−6.78(m,2H,Ar−H),
3.85(s,3H,OCH
3),3.73(bs,2H,NH
2)
【0296】
【化67】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物59を0.60g(2.2mmol)、3‐adamantyl‐2‐hydroxy‐5‐phenylbenzaldehyde0.72g(2.2mmol)、エタノール15mLを加えた後、還流下で6時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物60を1.17g(収率 96%、黄色固体)得た。
【0297】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.8(s,1H,OH),8.62(s,1H,N=CH),7.61−7.27(m,18H,Ar−H),7.03(d,J=8.6Hz,1H,Ar−H),3.82(s,3H,OCH
3),2.14(m,6H,adamantyl),2.06(m,3H,adamantyl),1.76(s,6H,adamantyl)
【0298】
【化68】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)に四塩化チタンの1.0Mトルエン溶液を0.3mL(0.3mmol)、ヘキサンを20mL加え、ドライアイス−アセトンバスで−78℃に冷却した。これに、化合物60を0.195g(0.33mmol)をトルエン1mL/ヘキサン10mLに溶かしたものを滴下した後、室温まで昇温させつつ2時間反応させた。析出物をろ取し、ヘキサン20mLで洗浄後、乾燥させることにより、化合物61を0.170g(収率 86%、赤褐色固体)得た。
【0299】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.28(s,1H,HC=N),7.80(d,J=2.3Hz,1H,Ar−H),7.63−7.30(m,17H,Ar−H),7.19(m,1H,Ar−H),4.47(s,3H,OCH
3),2.28(m,6H,adamantyl),2.19(m,3H,adamantyl),1.95(d,J=13.2Hz,3H,adamantyl),1.81(d,J=13.2Hz,3H,adamantyl)
【0300】
[合成例19]
(化合物64の合成)
【0301】
【化69】
充分に乾燥した100mL三口ナスフラスコ(コンデンサー、三方コック付、磁気攪拌子入り)に化合物38を1.0g(3.7mmol)、2−chloroaniline(東京化成工業株式会社製)を0.39mL(3.9mmol)、1,3−bis−(2,6−diisopropylphenyl)imidazolium−(allyl)−palladium(II)−chloride(シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社製)を0.011g(0.019mmol)、水酸化バリウム八水和物(和光純薬工業株式会社製)1.2g(3.9mmol)加え、イソプロピルアルコール(関東化学株式会社製)30mLに溶解させ、80℃で3時間反応させた。反応後固体残さをろ過によって取り除き、溶媒を減圧下で留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=10/1)を用いて精製することにより化合物62を0.91g(77%、淡褐色液体)得た。
【0302】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):7.27−7.06(m,9H,Ar−H),6.90−6.73(m,3H,Ar−H),3.78(s,3H,OCH
3),3.68(bs,2H,NH
2),1.68(s,6H,cumyl)
【0303】
【化70】
充分に乾燥した100mLナスフラスコ(三方コック、ディーン・スターク管、ジムロート付、磁気攪拌子入り)に化合物62を0.40g(1.28mmol)、3‐adamantyl‐2‐hydroxy‐5‐phenylbenzaldehyde0.42g(1.28mmol)、エタノール15mLを加えた後、還流下で5時間反応させた。この反応液から不溶物をろ過にて取り除いた後、溶媒を減圧下で留去し、エタノールから再結晶することにより化合物63を0.639g(収率 67%、橙色固体)得た。
【0304】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):13.7(s,1H,OH),8.54(d,J=2.0Hz,1H,N=CH),7.57−7.30(m,10H),7.23−7.08(m,8H,Ar−H),6.84(d,J=9.2Hz,1H,Ar−H),3.70(s,3H,OCH
3),2.18(s,6H,adamantyl),2.08(s,3H,adamantyl),1.78(s,6H,adamantyl),1.70(s,6H,cumyl)
【0305】
【化71】
充分に乾燥した100mLシュレンクフラスコ(磁気攪拌子入り)に四塩化チタンの1.0Mトルエン溶液を0.8mL(0.8mmol)、トルエンを15mL加え、ドライアイス−アセトンバスで−78℃に冷却した。これに、化合物63を0.556g(0.88mmol)をトルエン10mLに溶かしたものを滴下した後、室温まで昇温させつつ16時間反応させた。反応液を3mL程度まで濃縮した後ヘキサン20mLを加え、沈殿物をろ取、乾燥させることにより、化合物64を0.555g(収率 87%、赤褐色固体)得た。
【0306】
得られた生成物を分析した結果は以下のとおりであった。
1H NMR(δ,CDCl
3):8.20(s,1H,HC=N),7.81(d,J=2.3Hz,1H,Ar−H),7.53−7.04(m,18H,Ar−H),4.39(s,3H,OCH
3),2.28−2.18(m,9H,adamantyl),1.95(d,J=10.9Hz,3H,adamantyl),1.81(d,J=10.9Hz,3H,adamantyl),1.64(s,6H,cumyl)
【0307】
[実施例1]
充分に窒素置換した内容積100mLのオートクレーブにトルエン28mLを入れ、続いて、メチルアルミノキサン(東ソー・ファインケムMMAO−3A,10wt%ヘキサン溶液)をアルミニウム原子換算で0.5mmol加えた。引き続き、上記化合物3(1mMトルエン溶液)を0.1μmol加え、エチレン(0.8MPa−G)で加圧して反応を開始した。同圧力でエチレンを供給しながら25℃で60分間反応させた後、少量のイソプロパノールを添加することにより反応を停止した。反応終了後、0.1規定塩酸水および純水で反応液を洗浄し、減圧下に液体窒素トラップを用いて低沸点成分(炭素原子数10以下)を高沸点成分およびポリエチレンから分離し、ガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った。生成物のうち1−ヘキセンの選択率は85.3%であった。その他の生成物としてデセン類の選択率は11.0%、ポリエチレンの選択率は3.7%であり、これらの生成物量合計から算出した触媒活性は28.6kg−生成物/(mmol−Ti・h)であった。併せて、反応温度40℃でも上記と同様の反応を行った。結果を表1に記す。
【0308】
[実施例2〜5,7〜10]
化合物3に代えて化合物6,10,13,16,23,26,29,32をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、反応温度25℃および40℃で反応を行った。結果を表1に記す。
【0309】
[実施例6]
化合物3に代えて化合物19を用いた以外は実施例1と同様にして反応時間60分および10分で反応を行った。結果を表1に示す。
【0310】
[実施例11,12]
化合物3に代えて化合物36,41をそれぞれ用い、反応時間10分とした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に記す。
【0311】
[比較例1,2,4,5]
化合物3に代えて化合物47,50,53,55をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、反応温度25℃および40℃で反応を行った。結果を表1に記す。
【0312】
[比較例3]
化合物3に代えて国際公開2009/005003号パンフレット[0225]に記載の化合物9(下記化合物65)(1mMトルエン溶液)を0.25μmol用いた以外は、実施例1と同様にして、反応温度25℃および40℃で反応を行った。また、同様にして反応温度25℃、反応時間10分でも併せて反応を行った。結果を表1に記す。
【0313】
[比較例6,7、8]
化合物3に代えて化合物58、61,64をそれぞれ用い、反応時間10分とした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に記す。
【0314】
【化72】
[比較例9]
充分に窒素置換した内容積500mLのオートクレーブにn−へプタン144mLを入れ、続いて、メチルアルミノキサン(東ソー・ファインケムMMAO−3A,1Mヘキサン溶液)をアルミニウム原子換算で1.0mmol加えた。引き続き、上記化合物65(1.0mMトルエン溶液)を0.5μmol加え、エチレン(3.5MPa−G)、水素(0.1MPa−G)で加圧して反応を開始した。同圧力でエチレンを供給しながら50℃で60分間反応させた後、少量のメタノールを添加することにより反応を停止した。反応終了後、0.1規定塩酸水および純水で反応液を洗浄し、減圧下に液体窒素トラップを用いて低沸点成分(炭素原子数10以下)を高沸点成分およびポリエチレンから分離し、ガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った。生成物のうち1−ヘキセンの選択率は94.6%であった。その他の生成物としてデセン類の選択率は4.9%、ポリエチレンの選択率は0.5%であり、これらの生成物量合計から算出した触媒活性は67kg−生成物/(mmol−Ti・h)であった。
【0315】
【表1】
[実施例13、比較例10]
化合物3に代えて化合物6,65をそれぞれ用いて、反応温度は25℃のみとし、反応時間を10分とした以外は実施例1と同様にして反応を行った。このときの触媒活性は化合物65が36.6kg−生成物/(mmol−Ti・h)であったのに対し、化合物6では106.2kg−生成物/(mmol−Ti・h)とおよそ3倍の反応性を示した。これは前述の計算によって得られた活性化エネルギーからの予測とよく一致している。
【0316】
上記実施例・比較例の結果から、本発明にかかる遷移金属化合物を用いたオレフィンの多量化反応では、従来公知の遷移金属化合物を用いた場合と比べ、高い活性を示すことが明確になった。これは、前記したとおり本発明にかかる一般式(1)で表される遷移金属化合物のフェノキシイミン配位子の特定の位置に置換基を導入したことにより、反応の活性化エネルギーが下がり、特に反応初期で反応速度が顕著に増大したことに起因すると想定できる。