(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ノズル構成部材は、所定長さを有するパイプであり、該パイプをその径方向に複数配列して固定することで、前記複数のパイプの孔を吹出口とする前記吹出ノズルが形成されることを特徴とする請求項1に記載の吸気ダクト。
前記ノズル構成部材は、所定長さを有するブロックであり、該ブロックを所定隙間ごとに複数配列して固定することで、前記複数の所定隙間を吹出口とする前記吹出ノズルが形成されることを特徴とする請求項1に記載の吸気ダクト。
前記ブロックを所定隙間ごとに複数配列すると共に、配列された前記複数のブロックを一対の板材により挟持して固定することで、前記複数の隙間を吹出口とする前記吹出ノズルが形成されることを特徴とする請求項3に記載の吸気ダクト。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の吸気ダクトでは、噴射ノズルにより高温空気を吸気口に噴射して雪を溶かしている。一般に、雪を溶かすための噴射ノズルは、大きな吸気口全体にわたって高温空気を噴射する必要があることから、多数の噴射口が必要である。従来、多数の噴射口を有する噴射ノズルを製作する場合、所定長さの炭素鋼からなる角材に対して、複数の孔(噴射口)を直線状に配列するように、ドリルなどの切削加工により形成している。そのため、加工コストが上昇してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、加工コストの低減を可能とする吸気ダクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の吸気ダクトは、ダクト本体と、前記ダクト本体の内部に流通する流体の流れ方向に交差する方向に配置される配管と、前記配管に高温空気を供給する高温空気供給装置と、前記配管に接続されて前記流体の流れ方向に交差する方向に前記高温空気を吹き出す複数の吹出ノズルと、を備え、前記吹出ノズルは、複数のノズル構成部材を所定間隔に配列して固定することで形成される、ことを特徴とするものである。
【0009】
従って、複数のノズル構成部材を所定間隔に配列して固定することで吹出ノズルを形成しており、ドリルなどによる厚板材の切削加工を不要として加工コストを低減することができる。
【0010】
本発明の吸気ダクトでは、前記ノズル構成部材は、所定長さを有するパイプであり、該パイプをその径方向に複数配列して固定することで、前記複数のパイプの孔を吹出口とする前記吹出ノズルが形成されることを特徴としている。
【0011】
従って、複数のパイプを固定して吹出ノズルを形成するため、厚板材のドリルなどによる切削加工に代えて、パイプのろう付などの溶接作業でよくなり、加工コストを低減することができる。
【0012】
本発明の吸気ダクトでは、前記ノズル構成部材は、所定長さを有するブロックであり、該ブロックを所定隙間ごとに複数配列して固定することで、前記複数の所定隙間を吹出口とする前記吹出ノズルが形成されることを特徴としている。
【0013】
従って、複数のブロックを所定隙間ごとに固定して吹出ノズルを形成するため、切削加工に代えてロウ付けなどの溶接作業だけでよくなり、加工コストを低減することができる。
【0014】
本発明の吸気ダクトでは、前記ブロックを所定隙間ごとに複数配列すると共に、配列された前記複数のブロックを一対の板材により挟持して固定することで、前記複数の隙間を吹出口とする前記吹出ノズルが形成されることを特徴としている。
【0015】
従って、複数のブロックを所定隙間ごとに配列し、この複数のブロックを板材に挟持するように固定して吹出ノズルを形成するため、複数のブロックを適正間隔で固定することができ、製作作業を容易に行うことができる。
【0016】
本発明の吸気ダクトでは、前記配管の前面部に前記流体を前記吹出ノズルにおける先端側に導くガイド部が設けられることを特徴としている。
【0017】
従って、流体は、ガイド部により吹出ノズルにおける先端側に導かれることで、各吹出ノズルから吹き出される高温空気が遠方まで流動することとなり、広範囲にわたって高温領域を確保することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の吸気ダクトによれば、ダクト本体と配管と高温空気供給装置と複数の吹出ノズルとを設け、この吹出ノズルを、複数のノズル構成部材を所定間隔で配列して固定することで形成するので、ドリルなどによる切削加工を不要として加工コストを低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る吸気ダクトの好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の実施例1に係る吸気ダクトを有するガスタービンを表す概略構成図、
図2は、実施例1の吸気ダクトを表す側面図、
図3は、温風吹出装置の正面視を表す
図2のIII−III断面図、
図4は、実施例1の吸気ダクトを表す斜視図、
図5は、実施例1の吸気ダクトにおける水平ノズル翼の断面図、
図6は、実施例1の吸気ダクトにおける吹出ノズルの製造方法を表す概略図、
図7は、実施例1の吸気ダクトにおける吹出ノズルを表す正面図である。
【0022】
ガスタービンは、
図1に示すように、圧縮機11と燃焼器12とタービン13により構成されている。このガスタービンには、図示しない発電機が連結されており、発電可能となっている。
【0023】
圧縮機11は、空気を取り込む吸気ダクト20を有し、圧縮機車室21内に入口案内翼(IGV)22が配設されると共に、複数の静翼23と動翼24が前後方向(後述するロータ32の軸方向)に交互に配設されてなり、その外側に抽気室25が設けられている。燃焼器12は、圧縮機11で圧縮された圧縮空気に対して燃料を供給し、点火することで燃焼可能となっている。タービン13は、タービン車室26内に複数の静翼27と動翼28が前後方向(後述するロータ32の軸方向)に交互に配設されている。このタービン車室26の下流側には、排気車室29を介して排気室30が配設されており、排気室30は、タービン13に連続する排気ディフューザ31を有している。
【0024】
また、圧縮機11、燃焼器12、タービン13、排気室30の中心部を貫通するようにロータ(主軸)32が位置している。ロータ32は、圧縮機11側の端部が軸受部33により回転自在に支持される一方、排気室30側の端部が軸受部34により回転自在に支持されている。そして、このロータ32は、圧縮機11にて、各動翼24が装着されたロータディスク35が複数重ねられて固定され、タービン13にて、各動翼28が装着されたロータディスク36が複数重ねられて固定されており、排気室30側の端部に図示しない発電機の駆動軸が連結されている。
【0025】
そして、このガスタービンは、圧縮機11の圧縮機車室21が脚部37に支持され、タービン13のタービン車室26が脚部38により支持され、排気室30が脚部39により支持されている。
【0026】
従って、圧縮機11の吸気ダクト20から取り込まれた空気が、入口案内翼22、複数の静翼23と動翼24を通過して圧縮されることで高温・高圧の圧縮空気となる。燃焼器12にて、この圧縮空気に対して所定の燃料が供給され、燃焼する。そして、この燃焼器12で生成された高温・高圧の燃焼ガスが、タービン13を構成する複数の静翼27と動翼28を通過することでロータ32を駆動回転し、このロータ32に連結された発電機を駆動する。一方、排気ガス(燃焼ガス)のエネルギは、排気室30の排気ディフューザ31により圧力に変換され減速されてから大気に放出される。
【0027】
このように構成されたガスタービンにて、実施例1の吸気ダクト20は、
図2乃至
図4に示すように、ダクト本体41と、ウェザーフード42と、第1、第2フィルタ43,44と、温風吹出装置45と、ウェザールーバー46とを有して構成されている。
【0028】
ダクト本体41は、所定長さを有し、所定形状に屈曲された形状をなし、一端部に吸気口51が形成される一方、他端部が圧縮機車室21(
図1参照)に連通されている。ウェザーフード42は、複数の三角屋根からなり、ダクト本体41の吸気口51に装着されることで、ダクト本体41の内部への雨水の浸入を抑制することができる。第1、第2フィルタ43,44は、ダクト本体41の吸気口51から所定距離だけ奥側に進入した位置に装着されており、比較的小さなごみを捕集して下流側への吸入を防止することができる。この場合、第1、第2フィルタ43,44は、所定距離だけ離間して配置され、第2フィルタ44は、第1フィルタ43より目が細かくなっている。
【0029】
温風吹出装置45は、圧縮機11から抽気した高圧・高温の空気を、吸気口51から吸入した空気に対して吹き付けることで、吸入した空気に混ざっている雪を溶かす除雪装置として機能する。また、ウェザールーバー46は、開口部51から入った比較的大きなごみや雨滴が各フィルタ43,44に付着しないようにするためのものである。
【0030】
この温風吹出装置45は、ダクト本体41の吸気口51であって、ウェザーフード42とウェザールーバー46との間に配置されている。この温風吹出装置45は、吹出ヘッダ(配管)52と、複数の水平ノズル翼(配管)53と、複数の吹出ノズル54とを有し、吹出ヘッダ52は、圧縮機車室21(
図1参照)からの空気供給配管55が連結され、この空気供給配管55に流量調整弁56が装着されている。この場合、圧縮機車室21と空気供給配管55と流量調整弁56により本発明の高温空気供給装置が構成される。
【0031】
吹出ヘッダ52は、中空形状をなし、ダクト本体41の吸気口51を左右に分割するように幅方向の中央部に上下方向に沿って固定されている。この場合、吹出ヘッダ52は、ダクト本体41の内部に流通する空気(流体)の流れ方向に交差する方向に沿って配置されている。複数の水平ノズル翼53は、中空形状をなす配管であって、基端部が吹出ヘッダ52に連通し、先端部が閉塞されている。つまり、この複数の水平ノズル翼53は、吹出ヘッダ52における左右の壁面から吸気口51の内壁面に向って水平に延出するように配置されている。この場合、複数の水平ノズル翼53も、ダクト本体41の内部に流通する空気(流体)の流れ方向に交差する方向に沿って配置されている。
【0032】
複数の吹出ノズル54は、複数の水平ノズル翼53における上下の壁面に装着されており、水平ノズル翼53に連通し、ダクト本体41の内部に流通する空気の流れ方向に交差する方向に向って高温空気を吹き出し可能となっている。
【0033】
実施例1にて、この吹出ノズル54は、複数のノズル構成部材を所定間隔に配列して固定することで形成されている。即ち、
図6及び
図7に示すように、複数のノズル構成部材は、所定長さを有する複数のパイプ61であり、この複数のパイプ61をそのパイプ61の径方向に沿って直線状に配列し、ろう付(ろう付部62)により固定することで、吹出ノズル54を構成している。即ち、この複数のパイプ61とろう付部62により構成された吹出ノズル54は、各パイプ61の孔を高温空気の吹出口61aとして機能させることができる。
【0034】
なお、各パイプ61同士の接合は、ろう付に限らず、その他の溶接、接着剤、ボルトなどにより行ってもよい。
【0035】
従って、
図2に示すように、ダクト本体41の吸気口51から外気が取り込まれると、この外気は、ウェザールーバー46により比較的大きなごみが取り除かれ、第1、第2フィルタ43,44により比較的小さなごみが捕集された後、圧縮機11に送られる。このとき、温風吹出装置45では、
図5に示すように、外気が吹出ヘッダ52、複数の水平ノズル翼53、吹出ノズル54を避けるようにその隙間からダクト本体41の内部に流動する。一方、圧縮機車室21から抽気された高温空気は、空気供給配管55を通して吹出ヘッダ52及び各水平ノズル翼53に供給されており、各吹出ノズル54からこの外気に向けて吹き出される。そのため、ダクト本体41の吸気口51から取り込まれた外気に雪が混ざっていたとしても、この高温空気により雪が溶かされ、第1、第2フィルタ43,44に付着して目詰まりを発生させることはない。
【0036】
このように実施例1の吸気ダクトにあっては、ダクト本体41内に温風吹出装置45を設け、この温風吹出装置45として、ダクト本体41の内部に流通する空気の流れ方向に交差する方向に配置される吹出ヘッダ52と、この吹出ヘッダ52に連結される複数の水平ノズル翼53と、この水平ノズル翼53の上下に設けられる複数の吹出ノズル54と、吹出ヘッダ52に連結される空気供給配管55を設け、吹出ノズル54を複数のパイプ61(ノズル構成部材)を所定間隔に配列して固定することで形成している。
【0037】
従って、複数のパイプ61を所定間隔に配列して固定することで吹出ノズル54を形成しており、ドリルなどによる厚板材の切削加工を不要として加工コストを低減することができる。
【0038】
また、実施例1の吸気ダクトでは、ノズル構成部材として所定長さを有するパイプ61を用い、このパイプ61をその径方向に複数配列してろう付により固定することで、複数のパイプ61の孔を吹出口61aとする吹出ノズル54を形成している。従って、複数のパイプ61を固定して吹出ノズル54を形成するため、厚板材のドリルなどによる切削加工に代えて、ろう付部62の切削加工とロウ付などの溶接作業でよくなり、加工コストを低減することができる。
【実施例2】
【0039】
図8は、本発明の実施例2に係る吸気ダクトにおける吹出ノズルの製造方法を表す概略図、
図9は、実施例2の吸気ダクトにおける吹出ノズルを表す正面図である。なお、本実施例の吸気ダクトの基本的な構成は、上述した実施例1とほぼ同様の構成であり、
図2及び
図3を用いて説明すると共に、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
実施例2にて、
図2及び
図3に示すように、吸気ダクト20は、ダクト本体41と、ウェザーフード42と、第1、第2フィルタ43,44と、温風吹出装置45と、ウェザールーバー46とを有して構成されている。この温風吹出装置45は、圧縮機11から抽気した高圧・高温空気を、吸気口51から吸入した外気に対して吹き付けることで、吸入した空気に混ざっている雪を溶かす除雪装置として機能する。即ち、温風吹出装置45は、吹出ヘッダ52と、複数の水平ノズル翼53と、複数の吹出ノズル65とを有し、吹出ヘッダ52は、空気供給配管55が連結されている。
【0041】
この実施例2にて、この吹出ノズル65は、複数のノズル構成部材を所定間隔に配列して固定することで形成されている。即ち、
図8及び
図9に示すように、複数のノズル構成部材は、所定長さを有する複数のブロック66であり、この複数のブロック66を所定隙間ごとに直線状に配列して固定することで、吹出ノズル65を構成している。この場合、この複数のブロック66を所定隙間ごとに直線状に配列し、この配列された複数のブロック66を一対の板材67により両側から挟持して固定することで、吹出ノズル65を形成している。つまり、複数のブロック66と2枚の板材67により構成された吹出ノズル65は、各ブロック66間の隙間を高温空気の吹出口66aとして機能させることができる。
【0042】
なお、ブロック66と2枚の板材67との接合は、溶接、接着剤、ボルトなどにより行えばよい。
【0043】
このように実施例2の吸気ダクトにあっては、ダクト本体41内に温風吹出装置45を設け、この温風吹出装置45として、吹出ヘッダ52と、複数の水平ノズル翼53と、複数の吹出ノズル65と、空気供給配管55を設け、吹出ノズル65を複数のブロック66(ノズル構成部材)を所定間隔に配列して固定することで形成している。
【0044】
従って、複数のブロック66を所定間隔に配列して固定することで吹出ノズル65を形成しており、ドリルなどによる切削加工を不要として加工コストを低減することができる。
【0045】
また、実施例2の吸気ダクトでは、ノズル構成部材として所定長さを有するブロック66を用い、このブロック66を所定隙間ごとに複数配列して固定することで、複数の隙間を吹出口66aとする吹出ノズル65を形成している。従って、複数のパイプ61を固定して吹出ノズル65を形成するため、厚板材の切削加工に代えて、ロウ付などの溶接作業だけでよくなり、加工コストを低減することができる。
【0046】
また、実施例2の吸気ダクトでは、ブロック66を所定隙間ごとに複数配列すると共に、配列された複数のブロック66を一対の板材67により挟持して固定することで、複数の隙間を吹出口66aとする吹出ノズル65を形成している。従って、複数のブロック66を適正間隔で固定することができ、製作作業を容易に行うことができる。
【実施例3】
【0047】
図10は、本発明の実施例3に係る吸気ダクトにおける吹出ノズルの製造方法を表す概略図、
図11は、実施例3の吸気ダクトにおける吹出ノズルを表す正面図である。
【0048】
実施例3にて、
図10及び
図11に示すように、吹出ノズル68は、複数のノズル構成部材を所定間隔に配列して固定することで形成されている。即ち、複数のノズル構成部材は、所定長さを有する複数のパイプ69であり、この複数のパイプ69をそのパイプ69の径方向に沿って直線状に配列し、板材70により固定することで、吹出ノズル68を構成している。即ち、板材70は、長手方向に沿って所定間隔で貫通孔70aが形成されており、複数のパイプ69がこの板材70の各貫通孔70aに嵌合して固定されている。つまり、複数のパイプ69と板材70により構成された吹出ノズル69は、各パイプ69の孔を高温空気の吹出口69aとして機能させることができる。
【0049】
このように実施例3の吸気ダクトにあっては、複数のパイプ69を板材70に形成された各貫通孔70aに嵌合して固定することで、吹出ノズル69を構成している。
【0050】
従って、ドリルなどによる切削加工を不要として加工コストを低減することができる。この場合、切削加工に代えてロウ付などの溶接作業だけでよくなり、加工コストを低減することができる。
【実施例4】
【0051】
図12は、本発明の実施例4に係る吸気ダクトにおける温風吹出装置の概略図である。
【0052】
実施例4にて、
図12に示すように、温風吹出装置71は、圧縮機から抽気した高圧・高温空気を吸気ダクトの吸気口から吸入した空気に対して吹き付けることで、吸入した空気に混ざっている雪を溶かす除雪装置として機能する。即ち、温風吹出装置71は、吹出ヘッダ(図示略)と、一端部がこの吹出ヘッダに連通するように接続される複数の水平ノズル翼72と、この各水平ノズル翼72の上下に連結される複数の吹出ノズル73とを有し、吹出ヘッダに空気供給配管が連結されている。
【0053】
ここで、水平ノズル翼72は、前面部に外気を吹出ノズル73における先端側に導くガイド面(ガイド部)72aが形成されている。即ち、この水平ノズル翼72は、所定長さを有した中空部材であり、吸気ダクトの入口側(
図12における左側)に、幅方向(
図12における上下方向)に湾曲した半円形状をなすガイド面72aが形成されている。
【0054】
従って、ダクト本体の吸気口から外気が取り込まれると、この外気に対して、温風吹出装置71における各吹出ノズル73から温風が吹き出される。そのため、ダクト本体に取り込まれた外気に雪が混ざっていたとしても、この高温空気により雪が溶かされ、フィルタ(図示略)に付着して目詰まりを発生させることはない。このとき、外気は、ガイド面72aに案内され、吹出ノズル73から吹き出される温風の前方側に加速されて流動することとなり、外気の流れが温風の流れを邪魔することなく、温風を広い範囲に流すことが可能となる。
【0055】
このように実施例4の吸気ダクトにあっては、ダクト本体内に温風吹出装置71を設け、この温風吹出装置71として、吹出ヘッダと、複数の水平ノズル翼72と、複数の吹出ノズル73と、空気供給配管を設け、水平ノズル翼72の前面部に外気を吹出ノズル73における先端側に導くガイド面72aを設けている。
【0056】
従って、外気は、ガイド面72aにより吹出ノズル73における先端側に導かれることで、各吹出ノズル73から吹き出される高温空気が遠方まで流動することとなり、広範囲にわたって高温領域を確保することができる。その結果、吹出ノズル73が装着される水平ノズル翼72の間隔を長くすることでその個数を減少することが可能となり、装置の簡素化を可能とすることができる。
【実施例5】
【0057】
図13は、本発明の実施例5に係る吸気ダクトにおける温風吹出装置の概略図である。
【0058】
実施例5にて、
図13に示すように、温風吹出装置81は、圧縮機から抽気した高圧・高温空気を吸気ダクトの吸気口から吸入した空気に対して吹き付けることで、吸入した空気に混ざっている雪を溶かす除雪装置として機能する。即ち、温風吹出装置81は、吹出ヘッダ(図示略)と、一端部がこの吹出ヘッダに連通するように接続される複数の水平ノズル翼82と、この各水平ノズル翼82の上下に連結される複数の吹出ノズル83とを有し、吹出ヘッダに空気供給配管が連結されている。
【0059】
ここで、水平ノズル翼82は、前面部から各吹出ノズル83側に滑らかに連続して外気を吹出ノズル83における先端側に導く整流板(ガイド部)84が設けられている。即ち、この水平ノズル翼82は、所定長さを有した中空部材であり、吸気ダクトの入口側(
図13における左側)の前面であって、幅方向(
図13における上下方向)における端部に吹出ノズル83側に延出すると共に後方に湾曲した整流板84が固定されている。
【0060】
従って、ダクト本体の吸気口から外気が取り込まれると、この外気に対して、温風吹出装置81における各吹出ノズル83から温風が吹き出される。そのため、ダクト本体に取り込まれた外気に雪が混ざっていたとしても、この高温空気により雪が溶かされ、フィルタ(図示略)に付着して目詰まりを発生させることはない。このとき、外気は、水平ノズル翼82の整流板84に案内され、吹出ノズル83から吹き出される温風の前方側に加速されて流動することとなり、外気の流れが温風の流れを邪魔することなく、温風を広い範囲に流すことが可能となる。
【0061】
このように実施例5の吸気ダクトにあっては、ダクト本体内に温風吹出装置81を設け、この温風吹出装置81として、吹出ヘッダと、複数の水平ノズル翼82と、複数の吹出ノズル83と、空気供給配管を設け、水平ノズル翼82の前面部に外気を吹出ノズル83における先端側に導く整流板84を設けている。
【0062】
従って、外気は、整流板84により吹出ノズル83における先端側に導かれることで、各吹出ノズル83から吹き出される高温空気が遠方まで流動することとなり、広範囲にわたって高温領域を確保することができる。その結果、吹出ノズル83が装着される水平ノズル翼82の間隔を長くすることでその個数を減少することが可能となり、装置の簡素化を可能とすることができる。
【実施例6】
【0063】
図14は、本発明の実施例6に係る吸気ダクトにおける温風吹出装置の概略図である。
【0064】
実施例6にて、
図14に示すように、温風吹出装置91は、圧縮機から抽気した高圧・高温空気を吸気ダクトの吸気口から吸入した空気に対して吹き付けることで、吸入した空気に混ざっている雪を溶かす除雪装置として機能する。即ち、温風吹出装置91は、吹出ヘッダ(図示略)と、一端部がこの吹出ヘッダに連通するように接続される複数の水平ノズル翼92と、この各水平ノズル翼92の上下部に開口された複数の吹出ノズル93とを有し、吹出ヘッダに空気供給配管が連結されている。
【0065】
ここで、水平ノズル翼92は、前面部から各吹出ノズル93の温風吹出側に滑らかに連続して外気を吹出ノズル93における先端側に導く整流板(ガイド部)94が設けられている。即ち、この水平ノズル翼92は、所定長さを有した中空部材であり、吸気ダクトの入口側(
図14における左側)の前面であって、幅方向(
図14における上下方向)における端部に吹出ノズル93の温風吹出側に延出すると共に後方に湾曲した整流板94が固定されている。
【0066】
従って、ダクト本体の吸気口から外気が取り込まれると、この外気に対して、温風吹出装置91における各吹出ノズル93から温風が吹き出される。そのため、ダクト本体に取り込まれた外気に雪が混ざっていたとしても、この高温空気により雪が溶かされ、フィルタ(図示略)に付着して目詰まりを発生させることはない。このとき、外気は、水平ノズル翼92の整流板94に案内され、吹出ノズル93から吹き出される温風の前方側に加速されて流動することとなり、外気の流れが温風の流れを邪魔することなく、温風を広い範囲に流すことが可能となる。
【0067】
このように実施例6の吸気ダクトにあっては、ダクト本体内に温風吹出装置91を設け、この温風吹出装置91として、吹出ヘッダと、複数の水平ノズル翼92と、複数の吹出ノズル93と、空気供給配管を設け、水平ノズル翼92の前面部に外気を吹出ノズル93における先端側に導く整流板94を設けている。
【0068】
従って、外気は、整流板94により吹出ノズル93における温風の吹出側に導かれることで、各吹出ノズル93から吹き出される高温空気が遠方まで流動することとなり、広範囲にわたって高温領域を確保することができる。その結果、吹出ノズル93が形成される水平ノズル翼92の間隔を長くすることでその個数を減少することが可能となり、装置の簡素化を可能とすることができる。
【0069】
なお、上述した各実施例では、吸気ダクトをダクト本体と温風吹出装置により構成し、この温風吹出装置を吹出ヘッダと水平ノズル翼と吹出ノズルと空気供給配管により構成したが、この構成に限定されるものではない。即ち、吹出ヘッダや水平ノズルは単なる配管でよく、この配管に高気供給配管が接続されると共に、複数の吹出ノズルが設けられていればよいものである。
【0070】
また、上述した各実施例にて、本発明に係る吸気ダクトをガスタービンに適用して説明したが、ガスタービンに限らず、外気を取り込んで使用するものであれば、いずれの設備でも適用することが可能である。