特許第5769500号(P5769500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769500
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】リソース割り当て方法およびその装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20150806BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20150806BHJP
   H04B 7/04 20060101ALI20150806BHJP
   H04J 99/00 20090101ALI20150806BHJP
【FI】
   H04W72/04
   H04W16/28 130
   H04B7/04
   H04J15/00
【請求項の数】18
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2011-120001(P2011-120001)
(22)【出願日】2011年5月30日
(65)【公開番号】特開2011-254467(P2011-254467A)
(43)【公開日】2011年12月15日
【審査請求日】2014年4月28日
(31)【優先権主張番号】201010188547.0
(32)【優先日】2010年5月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】朱剣馳
(72)【発明者】
【氏名】▲余▼小明
(72)【発明者】
【氏名】陳嵐
【審査官】 遠山 敬彦
(56)【参考文献】
【文献】 Pantech,DMRS Indicator of DL signalling for Non-transparent MU-MIMO[online], 3GPP TSG-RAN WG1#61 R1-102836,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61/Docs/R1-102836.zip>,2010年 5月 4日
【文献】 NTT DOCOMO,Views on Transparent / Non-transparent MU-MIMO in LTE-Advanced[online], 3GPP TSG-RAN WG1#60 R1-101215,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_60/Docs/R1-101215.zip>,2010年 2月16日
【文献】 NTT DOCOMO,Consideration on DCI Design for DL MIMO in Rel-10[online], 3GPP TSG-RAN WG1#61 R1-103257,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61/Docs/R1-103257.zip>,2010年 5月 4日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/04
H04J 99/00
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソース割り当て方法であって、
割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、1つの周波数領域リソース単位を選択するステップAと、
選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングを行い、記録されたユーザ機器(UE)と復調基準信号(DM−RS)ポートとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証する1つのスケジューリング結果を選択するステップBと、
全ての周波数領域リソース単位の割り当てが終了するまで、選択されたスケジューリング結果に基づいて、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てて、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録してから、ステップAに戻るステップCと、
を含むことを特徴とするリソース割り当て方法。
【請求項2】
ステップAを実行する前に、
1つのRank値を選択して、割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位のRankがいずれも該Rank値に等しいように設定するステップA0を、
さらに含み、
ステップCを実行した後に、
全ての可能なRank値に対していずれも1つのリソース割り当て結果を得るまで、該Rank値に対応するリソース割り当て結果を記録してから、ステップA0に戻り、全ての可能なRank値に対していずれも1つのリソース割り当て結果を得た後、ステップEを実行するステップDと、
異なるRank値に対応するリソース割り当て結果を比較し、性能が最適となるリソース割り当て結果を、最終的なリソース割り当て結果として選択するステップEと、
をさらに含み、
前記選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングを行うことは、選択されたRank値に基づいて、シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)スケジューリングおよび/またはマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリングを行う、ことを含み、ここで、スケジューリングされた各UEのRankの和が、選択されたRank値に等しい、
ことを特徴とする請求項1に記載のリソース割り当て方法。
【請求項3】
前記ステップBは、
選択された周波数領域リソース単位において、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行って、1つのスケジューリング結果を得るサブステップA1と、
記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係に基づいて、今回のスケジューリング結果では、スケジューリングされた全てのUEの間にDM−RSポートの衝突が存在するかどうかを判断し、
DM−RSポートの衝突が存在する場合、前記スケジューリング結果が、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証できないと認められ、該スケジューリング結果を廃棄して、サブステップA1に戻り、
DM−RSポートの衝突が存在しない場合、前記スケジューリング結果が、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証できると認められ、前記スケジューリング結果を、選択されるスケジューリング結果とするサブステップA2と、
を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリソース割り当て方法。
【請求項4】
リソース割り当てを行う前に記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係が空である、
ことを特徴とする請求項1に記載のリソース割り当て方法。
【請求項5】
リソース割り当て方法であって、
割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、1つの周波数領域リソース単位を選択するステップAと、
選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングを行って、記録されたユーザ機器(UE)と復調基準信号(DM−RS)ポートとの対応関係およびUEと該UEに対応するRankとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証するとともに、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のRankが同じであることを保証する1つのスケジューリング結果を選択するステップBと、
全ての周波数領域リソース単位の割り当てが終了するまで、選択されたスケジューリング結果に基づいて、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てて、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録し、対応するRankを有しないUEに対して、該UEに対応するRankを決定して、新たに確立されたUEとRankとの対応関係を記録してから、ステップAに戻るステップCと、
を含むことを特徴とするリソース割り当て方法。
【請求項6】
前記ステップBは、
選択された周波数領域リソース単位においてシングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)スケジューリングおよび/またはマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリングを行って、1つのスケジューリング結果を得るサブステップB1と、
記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係に基づいて、今回のスケジューリング結果では、スケジューリングされた全てのUEの間にDM−RSポートの衝突が存在するかどうかを判断し、
DM−RSポートの衝突が存在する場合、前記スケジューリング結果が、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証できないと認められ、該スケジューリング結果を廃棄して、サブステップB1に戻り、
DM−RSポートの衝突が存在しない場合、前記スケジューリング結果が、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証できると認められ、サブステップB3を行うサブステップB2と、
今回のスケジューリング結果および記録されたUEと該UEに対応するRankとの対応関係に基づいて、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のRankが同じであるかどうかを判断し、
同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のRankが同じである場合、前記スケジューリング結果を、選択されるスケジューリング結果とし、
同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のRankが同じであるわけではない場合、該スケジューリング結果を廃棄して、サブステップB1に戻るサブステップB3と、
を含むことを特徴とする請求項5に記載のリソース割り当て方法。
【請求項7】
対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てることは、
選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングされた異なるUEに対応するDM−RSポートが異なることを保証するように、昇順、降順またはランダムの方式によって、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てる、
ことを含むことを特徴とする請求項1または請求項5に記載のリソース割り当て方法。
【請求項8】
新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録することは、
各UEに対して、該UEに対応するDM−RSポートを記録するためのDM−RSポートレジスタをそれぞれ設けて、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録する、
ことを含むことを特徴とする請求項1または請求項5に記載のリソース割り当て方法。
【請求項9】
対応するRankを有しないUEに対して、該UEに対応するRankを決定することは、
選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングされたUEの数に基づいて、対応するRankを有しないUEに対して、対応するRankを決定する、
ことを含むことを特徴とする請求項5に記載のリソース割り当て方法。
【請求項10】
新たに確立されたUEとRankとの対応関係を記録することは、
各UEに対して、該UEに対応するRankを記録するためのRankレジスタをそれぞれ設けて、新たに確立されたUEとRankとの対応関係を記録する、
ことを含むことを特徴とする請求項5に記載のリソース割り当て方法。
【請求項11】
リソース割り当てを行う前に記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係が空であって、かつ、記録されたUEとRankとの対応関係が空である、
ことを特徴とする請求項5に記載のリソース割り当て方法。
【請求項12】
割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、1つの周波数領域リソース単位を選択することは、
割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、重み付け和が最高となる周波数領域リソース単位、または優先度が最高となる周波数領域リソース単位、またはスループットが最高となる周波数領域リソース単位を選択し、あるいは、割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、1つの周波数領域リソース単位をランダムに選択する、
ことを含むことを特徴とする請求項1または請求項5に記載のリソース割り当て方法。
【請求項13】
前記スケジューリングは、プロポーショナルフェアネス(PF)スケジューリングアルゴリズム、またはラウンドロビン(RR)スケジューリングアルゴリズム、または最大搬送波対干渉比(MCI)スケジューリングアルゴリズムを採用する、
ことを特徴とする請求項1または請求項5に記載のリソース割り当て方法。
【請求項14】
前記周波数領域リソース単位は、リソースブロック(RB)、サブキャリア、コンポーネントキャリア、またはサブバンドである、
ことを特徴とする請求項1または請求項5に記載のリソース割り当て方法。
【請求項15】
リソース割り当て装置であって、
全ての周波数領域リソース単位の割り当てが終了するまで、割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、1つの周波数領域リソース単位を選択するリソース選択モジュールと、
選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングを行って、記録されたユーザ機器(UE)と復調基準信号(DM−RS)ポートとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証する1つのスケジューリング結果を選択するユーザスケジューリングモジュールと、
選択されたスケジューリング結果に基づいて、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てて、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録する対応関係記録モジュールと、
を含むことを特徴とするリソース割り当て装置。
【請求項16】
対応関係記録モジュールは、各UEに対してそれぞれ設けられた、該UEに対応するDM−RSポートを記録するためのDM−RSポートレジスタを含む、
ことを特徴とする請求項15に記載のリソース割り当て装置。
【請求項17】
対応関係記録モジュールは、各UEに対してそれぞれ設けられた、該UEに対応するRankを記録するためのRankレジスタをさらに含み、
ユーザスケジューリングモジュールは、選択された周波数領域リソース単位においてシングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)スケジューリングおよび/またはマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリングを行い、記録されたユーザ機器(UE)と復調基準信号(DM−RS)ポートとの対応関係およびUEとRankとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証するとともに、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のRankが同じであることを保証する1つのスケジューリング結果を選択する、
ことを特徴とする請求項16に記載のリソース割り当て装置。
【請求項18】
全ての可能なRank値に対していずれも1つのリソース割り当て結果を得るまで、全ての可能なRank値の中から、1つのRank値を選択するRank設定モジュールと、
異なるRank値に対応するリソース割り当て結果を比較し、性能が最適となるリソース割り当て結果を、最終的なリソース割り当て結果として選択する割り当て結果選択モジュールと、
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のリソース割り当て装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信技術に関し、特に、改善された長期的進化(LTE−A:LTE−Advanced)システムにおけるリソース割り当て方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー携帯電話は人々の通信に極大な便利をもたらし、第2世代グローバル移動通信システム(GSM:Global System for Mobile Communication)はデジタル通信技術を採用して、移動通信の通話品質をさらに向上させる。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)は移動通信分野の重要な組織として、第3世代移動通信技術(3G:The Third Generation)の標準化の進展を大幅に促進し、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wide Code Division Multiple Access)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA:High Speed Downlink Packet Access)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA:High Speed Uplink Packet Access)などを含む一連の通信システム規格を制定した。
【0003】
広帯域アクセス技術の挑戦に対処し、かつ、増加しつつある新たなサービスの需要を満たすために、3GPPは2004年末から3G長期的な進化(LTE:Long Term Evolution)技術の標準化作業を開始したことで、スペクトル効率をさらに向上させ、セル端ユーザの性能を改善し、システム遅延を低下させ、高速移動ユーザに更なる高速のアクセスサービスを提供することなどを図る。改善されたLTE(LTE−A:LTE−Advanced)技術はさらにLTE技術を基に、スペクトル帯域幅を数倍増加させ、データレートを倍的に向上させ、もっと多くの移動ユーザに、更なる高速であって性能がさらに優れたサービスを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LTE−Aシステムでは、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)技術がサポートされている。即ち、LTE−Aシステムでは、同じスペクトルリソースで複数のユーザ(UE)を同時にスケジューリングすることができる。つまり、LTE−Aシステムにおいて、複数のUEは、例えばリソースブロック(RB:Resource Block)などのスペクトルリソースを共有することができる。よって、如何にリソース割り当てを完成し、ユーザスケジューリングを実現するかが、LTE−Aシステムで解決すべき肝心な課題の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、LTE−AシステムにおけるMU−MIMOスケジューリングを実現するリソース割り当て方法およびその装置を提供する。
【0006】
本発明の実施例に係るリソース割り当て方法は、割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、1つの周波数領域リソース単位を選択するステップAと、選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングを行い、記録されたユーザ機器(UE)と復調基準信号(DM−RS)ポートとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証する1つのスケジューリング結果を選択するステップBと、全ての周波数領域リソース単位の割り当てが終了するまで、選択されたスケジューリング結果に基づいて、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てて、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録してから、ステップAに戻るステップCと、を含む。
【0007】
ステップAを実行する前に、1つのRank値を選択して、割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位のRankがいずれも該Rank値に等しいように設定するステップA0を、さらに含み、ステップCを実行した後に、全ての可能なRank値に対していずれも1つのリソース割り当て結果を得るまで、該Rank値に対応するリソース割り当て結果を記録してから、ステップA0に戻り、全ての可能なRank値に対していずれも1つのリソース割り当て結果を得た後、ステップEを実行するステップDと、異なるRank値に対応するリソース割り当て結果を比較し、性能が最適となるリソース割り当て結果を、最終的なリソース割り当て結果として選択するステップEと、をさらに含み、前記選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングを行うことは、選択されたRank値に基づいて、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行う、ことを含み、ここで、スケジューリングされた各UEのRankの和が、選択されたRank値に等しい。
【0008】
前記ステップBは、選択された周波数領域リソース単位において、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行って、1つのスケジューリング結果を得るサブステップA1と、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係に基づいて、今回のスケジューリング結果では、スケジューリングされた全てのUEの間にDM−RSポートの衝突が存在するかどうかを判断し、DM−RSポートの衝突が存在する場合、前記スケジューリング結果が、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証できないと認められ、該スケジューリング結果を廃棄して、サブステップA1に戻り、DM−RSポートの衝突が存在しない場合、前記スケジューリング結果が、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証できると認められ、前記スケジューリング結果を、選択されるスケジューリング結果とするサブステップA2と、を含む。
【0009】
リソース割り当てを行う前に記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係が空である。
【0010】
本発明のほかの実施例に係るリソース割り当て方法は、割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、1つの周波数領域リソース単位を選択するステップAと、選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングを行って、記録されたユーザ機器(UE)と復調基準信号(DM−RS)ポートとの対応関係およびUEと該UEに対応するRankとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証するとともに、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のRankが同じであることを保証する1つのスケジューリング結果を選択するステップBと、全ての周波数領域リソース単位の割り当てが終了するまで、選択されたスケジューリング結果に基づいて、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てて、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録し、対応するRankを有しないUEに対して、該UEに対応するRankを決定して、新たに確立されたUEとRankとの対応関係を記録してから、ステップAに戻るステップCと、を含む。
【0011】
前記ステップBは、選択された周波数領域リソース単位においてSU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行って、1つのスケジューリング結果を得るサブステップB1と、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係に基づいて、今回のスケジューリング結果では、スケジューリングされた全てのUEの間にDM−RSポートの衝突が存在するかどうかを判断し、DM−RSポートの衝突が存在する場合、前記スケジューリング結果が、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証できないと認められ、該スケジューリング結果を廃棄して、サブステップB1に戻り、DM−RSポートの衝突が存在しない場合、前記スケジューリング結果が、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証できると認められ、サブステップB3を行うサブステップB2と、今回のスケジューリング結果および記録されたUEと該UEに対応するRankとの対応関係に基づいて、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のRankが同じであるかどうかを判断し、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のRankが同じである場合、前記スケジューリング結果を、選択されるスケジューリング結果とし、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のRankが同じであるわけではない場合、該スケジューリング結果を廃棄して、サブステップB1に戻るサブステップB3と、を含む。
【0012】
対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てることは、選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングされた異なるUEに対応するDM−RSポートが異なることを保証するように、昇順、降順またはランダムの方式によって、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てる、ことを含む。
【0013】
新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録することは、各UEに対して、該UEに対応するDM−RSポートを記録するためのDM−RSポートレジスタをそれぞれ設けて、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録する、ことを含む。
【0014】
対応するRankを有しないUEに対して、該UEに対応するRankを決定することは、選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングされたUEの数に基づいて、対応するRankを有しないUEに対して、対応するRankを決定する、ことを含む。
【0015】
新たに確立されたUEとRankとの対応関係を記録することは、各UEに対して、該UEに対応するRankを記録するためのRankレジスタをそれぞれ設けて、新たに確立されたUEとRankとの対応関係を記録する、ことを含む。
【0016】
リソース割り当てを行う前に記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係が空であって、かつ、記録されたUEとRankとの対応関係が空である。
【0017】
割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、1つの周波数領域リソース単位を選択することは、割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、重み付け和が最高となる周波数領域リソース単位、または優先度が最高となる周波数領域リソース単位、またはスループットが最高となる周波数領域リソース単位を選択し、あるいは、割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、1つの周波数領域リソース単位をランダムに選択する、ことを含む。
【0018】
前記スケジューリングは、プロポーショナルフェアネス(PF)スケジューリングアルゴリズム、ラウンドロビン(RR)スケジューリングアルゴリズム、または最大搬送波対干渉比(MCI)スケジューリングアルゴリズムを採用する。
【0019】
本発明の実施例はリソース割り当て装置も提供する。該リソース割り当て装置は、全ての周波数領域リソース単位の割り当てが終了するまで、割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、1つの周波数領域リソース単位を選択するリソース選択モジュールと、選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングを行って、記録されたユーザ機器(UE)と復調基準信号(DM−RS)ポートとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証する1つのスケジューリング結果を選択するユーザスケジューリングモジュールと、選択されたスケジューリング結果に基づいて、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てて、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録する対応関係記録モジュールと、を含む。
【0020】
前記対応関係記録モジュールは、各UEに対してそれぞれ設けられた、該UEに対応するDM−RSポートを記録するためのDM−RSポートレジスタを含む。
【0021】
前記対応関係記録モジュールは、各UEに対してそれぞれ設けられた、該UEに対応するRankを記録するためのRankレジスタをさらに含むことができる。ここで、ユーザスケジューリングモジュールは、選択された周波数領域リソース単位においてSU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行い、記録されたユーザ機器(UE)と復調基準信号(DM−RS)ポートとの対応関係およびUEとRankとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のDM−RSポートが同じであることを保証するとともに、同一のUEに割り当てられた全ての周波数領域リソース単位のRankが同じであることを保証する1つのスケジューリング結果を選択する。
【0022】
前記リソース割り当て装置は、全ての可能なRank値に対していずれも1つのリソース割り当て結果を得るまで、全ての可能なRank値の中から、1つのRank値を選択するRank設定モジュールと、異なるRank値に対応するリソース割り当て結果を比較し、性能が最適となるリソース割り当て結果を、最終的なリソース割り当て結果として選択する割り当て結果選択モジュールと、をさらに含む。
【0023】
前記周波数領域リソース単位は、リソースブロック(RB)、サブキャリア、コンポーネントキャリア、またはサブバンドである。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施例は、LTE−Aシステムに適用されるリソース割り当て方法およびリソース割り当て装置を提供し、LTE−Aシステムにおけるスケジューリングを実現でき、少なくとも、同一のUEに割り当てられた全てのRBのDM−RSポートが全部同じである、という制限条件を満たす。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施例1に係るリソース割り当て方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例2に係るリソース割り当て方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施例3に係るリソース割り当て方法のフローチャートである。
図4】本発明で提供されるリソース割り当て装置の内部構成を示す図である。
図5】本発明で提供されるほかのリソース割り当て装置の内部構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
LTE−Aシステムにおいて、LTEリリース8(Rel−8)システムで定義された共通基準信号(CRS:Common Reference Signal)が継承される以外、チャネル状態情報基準信号(CSI−RS)と、特定のUEに対する復調基準信号(DM−RS)とを含む2種類の新しい基準信号(RS:Reference Signal)が導入される。ここで、DM−RSは、復調・チャネル推定に用いられる基準信号である。LTE−Aシステムにおける基地局は、物理下り制御チャネル(PDCCH)におけるDM−RSポート指示フィールドにより、UEに割り当てられたRBのDM−RSポートを該UEに指示することができる。
【0027】
LTE−Aシステムにおいて、スケジューリング対象の周波数帯域全体にわたって、各ユーザそれぞれに対応するPDCCHで、ただ1つのDM−RSポート指示フィールドがある。そのため、リソース割り当てを行うとき、少なくとも、同一のUEに割り当てられた全てのRBのDM−RSポートが同じであることを保証する必要がある。しかしながら、LTEシステムに適用される従来のシングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)スケジューリング方法およびMU−MIMOスケジューリング方法では、リソース割り当てを行うとき、上記の制限条件が考慮されない。従って、LTE−Aシステムにおけるスケジューリングを実現するために、新しいリソース割り当て方法が必要となる。
【0028】
LTE−Aシステムにおいて、MU−MIMOの透過性によって、MU−MIMOを透過MU−MIMOと非透過MU−MIMOとの2種類に分けることができる、ということが知られている。ここで、透過MU−MIMOとは、UEが自局のデータの復調に必要な情報(例えば、該UEに割り当てられたRBのデータストリームの総数(Rank)やDM−RSポートなど)のみを知ることができるが、同一のRBにほかのUEが存在するかどうかを知ることができない、ということを指す。つまり、透過MU−MIMOは、自分がSU−MIMOであるかそれともMU−MIMOであるかを知らない。透過MU−MIMOにとって、リソース割り当てを行うとき、同一のUEに割り当てられた全てのRBのDM−RSポートが同じであるという制限条件を満たすだけでよい。また、非透過MU−MIMOとは、UEが自局のデータの復調に必要な情報を知ることができる以外、同一のRBに共存するほかのUEの情報(例えば、該UEに割り当てられたRBのRankや、該RBを共有するほかのUEのDM−RSポートなど)を知ることもできる、ということを指す。つまり、非透過MU−MIMOは、自分がSU−MIMOであるかそれともMU−MIMOであるかを知ることができる。従って、非透過MU−MIMOにとって、スケジューリングを行うとき、同一のUEに割り当てられた全てのRBのDM−RSポートが同じであるという制限条件(制限条件1と略称する)を満たす必要がある以外、同一のUEに割り当てられた全てのRBのRankが同じであるという制限条件(制限条件2と略称する)をさらに満たす必要もある。
【0029】
以下、具体的な実施例によって、SU−MIMO、透過MU−MIMOおよび非透過MU−MIMOに対するリソース割り当て方法をそれぞれ詳細に説明する。
【0030】
(実施例1)
本実施例では、SU−MIMOおよび/または透過MU−MIMOに対するリソース割り当て方法が提供される。これにより、LTE−Aシステムにおけるスケジューリングを実現することができる。
【0031】
上記のように、SU−MIMOおよび/または透過MU−MIMOに対してRBを割り当てるとき、上記の制限条件1による制限を満たす必要があり、即ち、同一のUEに割り当てられた全てのRBのDM−RSポートが同じである、ということを満たす必要がある。
【0032】
図1に示すように、本実施例に係るリソース割り当て方法の実行過程は、主に下記のステップを含む。
【0033】
ステップ101で、全ての割り当て対象RBの中から、1つのRBを選択する。
【0034】
本ステップにおいて、様々な方法によって、全ての割り当て対象RBの中から、1つのRBを選択することができる。例えば、全ての割り当て対象RBの中から、重み付け和が最高となるRB、スループットが最高となるRB、または優先度が最高となるRBを選択してもよく、あるいは、全ての割り当て対象RBの中から、1つのRBをランダムに選択してもよい。
【0035】
ステップ102で、選択されたRBにおいてスケジューリングを行って、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、上記の制限条件1を満たす1つのスケジューリング結果を選択する。
【0036】
本ステップにおいて、前記スケジューリングは、具体的にSU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングである。具体的に、本ステップには、下記のサブステップが含まれる。
【0037】
サブステップA1で、選択されたRBにおいて、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行って、1つのスケジューリング結果を得る。
【0038】
サブステップA2で、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係に基づいて、今回のスケジューリング結果では、スケジューリングされた全てのUEの間にDM−RSポートの衝突が存在するかどうかを判断する。
【0039】
DM−RSポートの衝突が存在する場合、前記スケジューリング結果が、制限条件1を満たすことができず、即ち、同一のUEに割り当てられた全てのRBのDM−RSポートが同じであることを保証できないと認められ、該スケジューリング結果を廃棄して、サブステップA1に戻る。
【0040】
DM−RSポートの衝突が存在しない場合、前記スケジューリング結果が、制限条件1を満たすことができ、即ち、同一のUEに割り当てられた全てのRBのDM−RSポートが同じであることを保証できると認められ、前記スケジューリング結果を、選択されるスケジューリング結果とする。
【0041】
上記の過程において、例えば、プロポーショナルフェアネス(PF)スケジューリング方法、ラウンドロビン(RR)スケジューリング方法、最大搬送波対干渉比(MCI)スケジューリング方法などの様々なユーザスケジューリング方法を採用して、選択されたRBにおいてSU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行うことができる。
【0042】
例えば、本ステップにおいて、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係が表1に示すようにすれば、UE1とUE5とがいずれもPort#0に対応したので、上記の制限条件1による制限を満たすとともに、同じRBにおける異なるUEの間でのDM−RSポートの衝突を回避するために、選択されたRBにおいてSU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行うとき、UE1とUE5とを同時にスケジューリングすることができない。同様に、UE2とUE3とがいずれもPort#1と対応したので、選択されたRBにおいてSU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行うとき、UE2とUE3とを同時にスケジューリングすることもできない。
【0043】
【表1】
【0044】
実際の応用では、各UEに対して、該UEに対応するDM−RSポートを記録するためのDM−RSポートレジスタをそれぞれ設けることにより、UEとDM−RSポートとの対応関係を記録することができる。
【0045】
説明すべきものとして、UEとDM−RSポートとの対応関係は、リソース割り当ての過程において確立されたものである。つまり、リソース割り当てを行う前に、全てのUEは、いずれも対応するDM−RSポートを有せず、即ち、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係が空である。1つのRBの割り当てが終了するたびに、かつ、該RBにおいてスケジューリングされた全てのUEに対して、いずれも対応するDM−RSポートが割り当てられた後、割り当て結果に基づいて、UEとDM−RSポートとの対応関係を記録することができる。このように、次のRBを割り当てるとき、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、上記の制限条件1を満たす1つのスケジューリング結果を選択することができる。
【0046】
ステップ103で、全てのRBの割り当てが全部終了するまで、選択されたスケジューリング結果に基づいて、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てて、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録してから、ステップ101に戻る。
【0047】
本ステップにおいて、該RBを共有する異なるUEに対応するDM−RSポートが異なることを保証するように、昇順、降順またはランダムの方式によって、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てることができる。
【0048】
例えば、この前に記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係が表1に示すようにすれば、ステップ102を実行することで得られたスケジューリング結果は、該RBにおいてUE2、UE4およびUE6をスケジューリングすることになる。ここで、UE2に対して、対応するDM−RSポートPort#1が既に割り当てられ、UE4に対して、対応するDM−RSポートPort#2が既に割り当てられたが、UE6に対して、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていない。本ステップにおいて、UE6に対して、該UE6に対応するDM−RSポートを割り当てる。説明すべきものとして、同じRBにおける異なるUEの間でのDM−RSポートの衝突を回避するために、UE6に割り当てられるDM−RSポートは、該RBにおいてスケジューリングされたほかのUEに対応するDM−RSポート(例えば、UE2に対応するPort#1や、UE4に対応するPort#2)と異なるべきである。また、UE6に対して、DM−RSポートを割り当てるとき、昇順の方式によって割り当ててよく(例えば、Port#0を割り当てる)、あるいは、降順の方式によって割り当ててもよく(例えば、Port#3を割り当てる)、あるいは、ランダムの方式によってPort#0またはPort#3を割り当ててもよい。また、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていない全てのUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てることが終了した後、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録する。例えば、UE6に割り当てられた、該UE6に対応するDM−RSポートがPort#3である場合、ステップ103の実行を終了した後、得られた、既に記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係は、表2に示すようになる。
【0049】
【表2】
【0050】
上記のリソース割り当て方法から分かるように、UEとDM−RSポートとの対応関係を記録することにより、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行うとき、異なるUEの間でのDM−RSポートの衝突が存在するかどうかを判断し、上記の制限条件1を満たすスケジューリング結果を得ることができる。
【0051】
(実施例2)
本実施例では、SU−MIMOおよび/または非透過MU−MIMOに対するリソース割り当て方法が提供される。これにより、LTE−Aシステムにおけるスケジューリングを実現することができる。
【0052】
上記のように、非透過UEに対してRBを割り当てるとき、上記の制限条件1と制限条件2とによる制限を満たす必要があり、即ち、同一のUEに割り当てられた全てのRBのDM−RSポートが同じであって、かつ、同一のUEに割り当てられた全てのRBのRankが同じである、ということを満たす必要がある。本実施例において、説明の便宜上、同一のUEに割り当てられた全てのRBのRankを、該UEに対応するRankに略称する。
【0053】
図2に示すように、本実施例に係るリソース割り当て方法の実行過程は、主に下記のステップを含む。
【0054】
ステップ201で、全ての割り当て対象RBの中から、1つのRBを選択する。
【0055】
ステップ101で説明したように、様々な方法によって、全ての割り当て対象RBの中から、1つのRBを選択することができる。例えば、全ての割り当て対象RBの中から、重み付け和が最高となるRB、スループットが最高となるRB、または優先度が最高となるRBを選択してもよく、あるいは、全ての割り当て対象RBの中から、1つのRBをランダムに選択してもよい。
【0056】
ステップ202で、選択されたRBにおいてスケジューリングを行って、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係およびUEと該UEに対応するRankとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、上記の制限条件1と制限条件2を満たす1つのスケジューリング結果を選択する。
【0057】
本ステップにおいて、前記スケジューリングは、具体的にSU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングである。具体的に、本ステップには、以下のサブステップが含まれる。
【0058】
サブステップB1で、選択されたRBにおいて、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行って、1つのスケジューリング結果を得る。
【0059】
サブステップB2で、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係に基づいて、今回のスケジューリング結果では、スケジューリングされた全てのUEの間にDM−RSポートの衝突が存在するかどうかを判断し、DM−RSポートの衝突が存在する場合、前記スケジューリング結果が、制限条件1を満たすことができず、即ち、同一のUEに割り当てられた全てのRBのDM−RSポートが同じであることを保証できないと認められ、該スケジューリング結果を廃棄して、サブステップB1に戻り、DM−RSポートの衝突が存在しない場合、前記スケジューリング結果が、制限条件1を満たすことができ、即ち、同一のUEに割り当てられた全てのRBのDM−RSポートが同じであることを保証できると認められ、サブステップB3を実行する。
【0060】
サブステップB3で、今回のスケジューリング結果および記録されたUEと該UEに対応するRankとの対応関係に基づいて、同一のUEに割り当てられた全てのRBのRankが全部同じであるかどうかを判断し、同一のUEに割り当てられた全てのRBのRankが全部同じである場合、前記スケジューリング結果が、制限条件2を満たすことができ、即ち、同一のUEに割り当てられた全てのRBのRankが同じであることを保証できると認められ、前記スケジューリング結果を、選択されるスケジューリング結果とし、同一のUEに割り当てられた全てのRBのRankが全部同じであるわけではない場合、前記スケジューリング結果が、制限条件2を満たすことができず、即ち、同一のUEに割り当てられた全てのRBのRankが同じであることを保証できないと認められ、該スケジューリング結果を廃棄して、サブステップB1に戻る。
【0061】
上記の過程において、例えば、PFスケジューリング方法、RRスケジューリング方法およびMCIスケジューリング方法などの様々なユーザスケジューリング方法を採用して、選択されたRBにおいて、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行うことができる。
【0062】
例えば、本ステップにおいて、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係およびUEと該UEに対応するRankとの対応関係が表3に示すようにすれば、上記のように、選択されたRBにおいて、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行うとき、UE1とUE5とを同時にスケジューリングすることができず、UE2とUE3とを同時にスケジューリングすることもできない。また、同一のUEに割り当てられた全てのRBのRankが同じであることを保証するために、Rank2に対応するUE(UE3またはUE5)と、Rank3に対応するUE(UE1、UE2またはUE4)とを同時にスケジューリングすることができない。
【0063】
【表3】
【0064】
実際の応用では、各UEに対して、該UEに対応するDM−RSポートを記録するためのDM−RSポートレジスタをそれぞれ設けることにより、UEとDM−RSポートとの対応関係を記録することができ、各UEに対して、該UEに対応するRankを記録するためのRankレジスタをそれぞれ設けることにより、UEと該UEに対応するRankとの対応関係を記録することができる。
【0065】
説明すべきものとして、UEと該UEに対応するRankとの対応関係も、リソース割り当ての過程において確立されたものである。つまり、リソース割り当てを行う前に、全てのUEは、いずれも対応するRankを有せず、即ち、記録されたUEとRankとの対応関係が空である。制限条件1と制限条件2とを満たす1つのスケジューリング結果を得るたびに、スケジューリング結果に基づいて、UEとRankとの対応関係を記録することができる。
【0066】
ステップ203で、全てのRBの割り当てが全部終了するまで、選択されたスケジューリング結果に基づいて、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てて、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録し、選択されたスケジューリング結果に基づいて、対応するRankを有しないUEに対して、対応するRankを決定して、新たに確立されたUEとRankとの対応関係を記録してから、ステップ201に戻る。
【0067】
上記のように、本ステップにおいて、該RBを共有する異なるUEに対応するDM−RSポートが異なることを保証するように、昇順、降順またはランダムの方式によって、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てることができる。また、該RBにおいてスケジューリングされたUEの数に基づいて、対応するRankを有しないUEに対して、対応するRankを直接に決定することができる。
【0068】
例えば、この前に記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係が表3に示すようにすれば、ステップ102を実行することで得られたスケジューリング結果は、該RBにおいてUE2、UE4およびUE6をスケジューリングすることになる。ここで、UE2に対して、対応するDM−RSポートPort#1が既に割り当てられ、該UE2に対応するRankがRank3であり、UE4に対して、対応するDM−RSポートPort#2が既に割り当てられ、該UE4に対応するRankがRank3であるが、UE6には、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないし、対応するRankも有しない。本ステップにおいて、UE6に対して、該UE6に対応するDM−RSポート(例えばPort#3)を割り当てて、かつRank(即ち、Rank3)を決定する。ステップ203の実行が終了した後、得られた、既に記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係およびUEとRankとの対応関係は、表4に示すようになる。
【0069】
【表4】
【0070】
上記のリソース割り当て方法から分かるように、UEとDM−RSポートとの対応関係を記録することにより、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行うとき、異なるUEの間でのDM−RSポートの衝突が存在するかどうかを判断し、上記の制限条件1を満たすスケジューリング結果を得ることができる。また、UEと該UEに対応するRankとの対応関係を記録することにより、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行うとき、スケジューリングされたUEの数がこれらのUEに対応するRankと同じであるかどうかを判断し、上記の制限条件2を満たすスケジューリング結果を得ることができる。
【0071】
(実施例3)
本発明では、SU−MIMOおよび/または非透過MU−MIMOに対するリソース割り当て方法が提供される。これにより、LTE−Aシステムにおけるスケジューリングを実現することができる。
【0072】
上記のように、非透過UEに対してRBを割り当てるとき、上記の制限条件1と制限条件2とによる制限を満たす必要があり、即ち、同一のUEに割り当てられた全てのRBのDM−RSポートが同じであって、かつ、同一のUEに割り当てられた全てのRBのRankが同じである、ということを満たす必要がある。
【0073】
図3に示すように、本実施例に係るリソース割り当て方法の実行過程は、主に下記のステップを含む。
【0074】
ステップ301で、1つのRank値を選択して、全ての割り当て対象RBのRankがいずれも該Rank値に等しいように設定する。
【0075】
本ステップにおいて、昇順、降順またはランダムの方式によって、全ての可能なRank値の中から、1つのRank値を選択することができる。
【0076】
ステップ302で、全ての割り当て対象RBの中から、1つのRBを選択する。
【0077】
ステップ101で説明したように、様々な方法によって、全ての割り当て対象RBの中から、1つのRBを選択することができる。例えば、全ての割り当て対象RBの中から、重み付け和が最高となるRB、スループットが最高となるRB、または優先度が最高となるRBを選択してもよく、あるいは、全ての割り当て対象RBの中から、1つのRBをランダムに選択してもよい。
【0078】
ステップ303で、選択されたRank値に基づいて、選択されたRBにおいてスケジューリングを行って、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、上記の制限条件1を満たす1つのスケジューリング結果を選択する。
【0079】
本ステップにおいて、前記スケジューリングは、具体的にSU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングである。
【0080】
説明すべきものとして、本ステップにおいて、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行うとき、該RBにおいてスケジューリングされた全てのUEのRankの和が、ステップ301で設定されたRank値である、ということを満たす。
【0081】
本ステップにおいて、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行うことで、1つのスケジューリング結果を得た後、まず、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係に基づいて、スケジューリングされたUEの間にDM−RSポートの衝突が存在するかどうかを判断し、DM−RSポートの衝突が存在する場合、該スケジューリング結果が上記の制限条件1による制限を満たさないと認められ、該スケジューリング結果を廃棄して、上記の制限条件1による制限を満たすスケジューリング結果を得るまで、該RBにおいて、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを再び行う。上記のように、例えば、PFスケジューリング方法、RRスケジューリング方法、MCIスケジューリング方法などの様々なユーザスケジューリング方法を採用して、選択されたRBにおいて、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行うことができる。
【0082】
実際の応用では、各UEに対して、該UEに対応するDM−RSポートを記録するためのDM−RSポートレジスタをそれぞれ設けることにより、UEとDM−RSポートとの対応関係を記録することができる。
【0083】
ステップ304で、全てのRBの割り当てが全部終了するまで、選択されたスケジューリング結果に基づいて、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てて、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録してから、ステップ302に戻る。その後、ステップ305を実行する。
【0084】
上記のように、本ステップにおいて、該RBを共有する異なるUEに対応するDM−RSポートが異なることを保証するように、昇順、降順またはランダムの方式によって、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てることができる。
【0085】
ステップ305で、全ての可能なRank値に対していずれも1つのリソース割り当て結果を得るまで、該Rank値に対応するリソース割り当て結果を記録してから、ステップ301に戻る。その後、ステップ306を実行する。
【0086】
ステップ306で、異なるRank値に対応するリソース割り当て結果を比較し、性能が最適となるリソース割り当て結果を、最終的なリソース割り当て結果として選択する。
【0087】
本ステップにおいて、前記性能が最適となるリソース割り当て結果は、優先度が最高となるリソース割り当て結果であってよく、スループットが最大となるリソース割り当て結果であってもよい。
【0088】
上記のリソース割り当て方法から分かるように、UEとDM−RSポートとの対応関係を記録することにより、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行うとき、異なるUEの間でのDM−RSポートの衝突が存在するかどうかを判断し、上記の制限条件1を満たすスケジューリング結果を得ることができる。また、今回のリソース割り当てを行うとき、全てのUEに対応するRankがいずれも同じであることを保証するように、RBのRank値を予め設定することにより、上記の制限条件2を満たすスケジューリング結果を得る。
【0089】
上記の実施例は、いずれもRBの割り当てを例として説明したものである。説明すべきものとして、本発明で提供されるリソース割り当て方法は、ほかの周波数領域リソース(例えば、サブキャリア、コンポーネントキャリア(CC:component carrier)、またはサブバンドなど)の割り当て過程に直接に応用することもできる。つまり、実施例1〜3におけるRBをほかの周波数領域リソースに直接に置換するだけで、ほかの周波数領域リソースの割り当てを実現することができる。本発明において、説明の便宜上、上記のRB、サブキャリア、コンポーネントキャリア、およびサブバンドなどのような周波数領域リソースを、周波数領域リソース単位と総称する。
【0090】
上記のリソース割り当て方法を除いて、本発明では、上記の方法を実現するリソース割り当て装置が提供される。図4に示すように、上記のリソース割り当て装置は主に、全ての周波数領域リソース単位の割り当てが終了するまで、割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、1つの周波数領域リソース単位を選択するリソース選択モジュールと、選択された周波数領域リソース単位においてスケジューリングを行って、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、上記の制限条件1を満たすスケジューリング結果を選択するユーザスケジューリングモジュールと、選択されたスケジューリング結果に基づいて、対応するDM−RSポートがまだ割り当てられていないUEに対して、対応するDM−RSポートを割り当てて、新たに確立されたUEとDM−RSポートとの対応関係を記録する対応関係記録モジュールと、を含む。
【0091】
上記のように、リソース選択モジュールは、様々な方法によって、割り当て対象である全ての周波数領域リソース単位の中から、周波数領域リソース単位を選択することができる。
【0092】
ここで、上記の実施例1に対応して、上記の対応関係記録モジュールは、各UEに対してそれぞれ設けられた、該UEに対応するDM−RSポートを記録するためのDM−RSポートレジスタを、含むことができる。
【0093】
上記の実施例2に対応して、上記の対応関係記録モジュールは、各UEに対してそれぞれ設けられた、該UEに対応するRankを記録するためのRankレジスタを、さらに含むことができる。この場合、ユーザスケジューリングモジュールは、選択された周波数領域リソース単位において、SU−MIMOスケジューリングおよび/またはMU−MIMOスケジューリングを行って、記録されたUEとDM−RSポートとの対応関係およびUEとRankとの対応関係に基づいて、スケジューリング結果の中から、上記の制限条件1と制限条件2とを満たすスケジューリング結果を選択する。
【0094】
それ以外、図5に示すように、上記の実施例3に対応するリソース割り当て装置は、図4に示したリソース割り当て装置と比べて、全ての可能なRank値に対していずれも1つのリソース割り当て結果を得るまで、全ての可能なRank値の中から、1つのRank値を選択するRank設定モジュールと、異なるRank値に対応するリソース割り当て結果を比較して、性能が最適となるリソース割り当て結果を、最終的なリソース割り当て結果として選択する割り当て結果選択モジュールと、をさらに含む。
【0095】
上記は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の精神と原則内で行われる種々の修正、均等置換え、改善などは全て本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5