(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769513
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】照明器具及び街路灯
(51)【国際特許分類】
F21S 8/08 20060101AFI20150806BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20150806BHJP
F21Y 101/02 20060101ALN20150806BHJP
F21W 131/103 20060101ALN20150806BHJP
【FI】
F21S8/08 121
F21V23/00 150
F21Y101:02
F21W131:103
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-141758(P2011-141758)
(22)【出願日】2011年6月27日
(65)【公開番号】特開2013-8627(P2013-8627A)
(43)【公開日】2013年1月10日
【審査請求日】2014年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099461
【弁理士】
【氏名又は名称】溝井 章司
(72)【発明者】
【氏名】神野 昌幸
【審査官】
太田 良隆
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2004/0196653(US,A1)
【文献】
実公昭54−039916(JP,Y2)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0109667(US,A1)
【文献】
特開2003−051208(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3106448(JP,U)
【文献】
特開2009−054499(JP,A)
【文献】
特開2008−041360(JP,A)
【文献】
特開2000−285708(JP,A)
【文献】
実公昭54−039354(JP,Y2)
【文献】
実開平04−133306(JP,U)
【文献】
欧州特許出願公開第01698826(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S8/08
F21V23/00−23/06
F21Y101/02
F21W131/103
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に開口部が設けられたポールに取り付けられて使用される照明器具であって、
光源を収納する長手状の収納部と、前記収納部に連結された取付部とを有する本体と、
前記本体の外部に露出するように前記本体の取付部に取り付けられ、前記光源を点灯させる長手状の点灯装置と
を備え、
前記点灯装置の少なくとも一部が前記ポールの開口部から挿入されて前記ポールの内部に収納され、前記本体の取付部が前記ポールの先端に装着され、
前記点灯装置は、長手方向が前記本体の収納部の長手方向に対して垂直になる向きと長手方向が前記本体の収納部の長手方向に対して平行になる向きとの間で回動自在に前記本体の取付部に取り付けられることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
請求項1の照明器具と、
前記照明器具が取り付けられたポールと
を備えることを特徴とする街路灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具及び街路灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、LEDやHIDランプを光源として点灯装置を内蔵し、ポール先端に取り付けられるタイプの街路灯用照明器具がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−32468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
点灯装置を内蔵する街路灯用照明器具の場合、本体の小型化に際しては、内蔵する電気部品が光源の熱の影響を受けやすいことから、放熱対策や光源と点灯装置の距離を離す等の部品配置を考慮する必要があり、高コストや意匠性への制約があるという課題があった。
【0005】
特にHIDランプよりも形状が小さいLEDでは、より本体を小型化しやすいが、点灯装置との距離が近い場合、LEDからの熱の影響を受けやすく、そのメリットを生かしきれないという課題もあった。
【0006】
本発明は、例えば、照明器具の本体を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様に係る照明器具は、
先端に開口部が設けられたポールに取り付けられて使用される照明器具であって、
光源を収納する収納部と、前記収納部に連結された取付部とを有する本体と、
前記本体の取付部に取り付けられ、前記光源を点灯させる点灯装置とを備え、
前記点灯装置の少なくとも一部が前記ポールの開口部から挿入されて前記ポールの内部に収納され、前記本体の取付部が前記ポールの先端に装着される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一の態様によれば、点灯装置の少なくとも一部がポールの開口部から挿入されてポールの内部に収納されるため、照明器具の本体を小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】実施の形態1に係る照明器具及びポールの斜視図。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具の部分分解斜視図。
【
図9】実施の形態2に係る照明器具及びポールの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向は、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る街路灯10の斜視図である。
図2は、街路灯10の部分断面図である。
【0012】
街路灯10は、照明器具11と、照明器具11が取り付けられたポール15とを備える。ポール15は、道路等、地上に立設される。例えば、ポール15が道路に設置されるのであれば、照明器具11は、光を照射する面がポール15より道路の中央側に位置するようにポール15に取り付けられることが望ましい。本実施の形態では、ポール15は、四角柱状であるが、円柱状等、他の形状であっても構わない。
【0013】
図3は、照明器具11及びポール15の斜視図である。
図4は、照明器具11の断面図である。なお、
図1は、照明器具11がポール15に取り付けられた(街路灯10が構成された)状態を示していたが、
図3は、照明器具11がポール15に取り付けられる前(又はポール15から取り外された後)の状態を示している。
【0014】
ポール15の先端(上端)には、開口部が設けられており、この開口部から、ポール15の外部の電源に接続された電源線16がポール15の内側に延びる。
【0015】
照明器具11は、側面形状がL字形状の本体12と、この本体12の一方側に内蔵されるLEDモジュール13と、本体12の他端側に内蔵される点灯装置14とを備える。
【0016】
本体12は、LEDモジュール13を収納する収納部21と、収納部21に連結された取付部31とを有する。本実施の形態では、収納部21は、長手状である。具体的には、収納部21は、直方体状であるが、円柱状、多角柱状等、他の形状であっても構わない。取付部31の一端(下端)は、開口されており、ポール15の先端と嵌合可能な形状になっている。本実施の形態では、この取付部31の一端にポール15の先端が挿入されることで取付部31がポール15の先端に装着されるが、ポール15の先端に取付部31の一端が挿入されることで取付部31がポール15の先端に装着されるようにしても構わない。
【0017】
LEDモジュール13は、光源の例であり、12個のLEDが1枚の基板上で本体12の収納部21の長手方向に沿って略直線状に1列に配置されたものである。なお、LEDモジュール13において、LEDの個数、基板の枚数、LEDの配置等は、照明器具11の用途等に合わせて変更されてよい。また、LEDモジュール13の代わりに、有機EL等、他の種類の光源が用いられても構わない。
【0018】
点灯装置14は、本体12の取付部31に取り付けられ、LEDモジュール13を点灯させる。本実施の形態では、点灯装置14は、長手状であり、長手方向が本体12の収納部21の長手方向に対して垂直になるように本体12の取付部31に収納される。具体的には、点灯装置14は、直方体状であるが、円柱状、多角柱状等、他の形状であっても構わない。
【0019】
照明器具11は、ポール15に取り付けられて使用される際に、点灯装置14の少なくとも一部がポール15の開口部から挿入されてポール15の内部に収納され、本体12の取付部31がポール15の先端に装着される。このとき、点灯装置14は、電源線16と電気的に接続され、電源線16を介してポール15の外部の電源から給電される。これにより、点灯装置14がLEDモジュール13を点灯させることが可能になる。本実施の形態では、点灯装置14の一部のみがポール15の内部に収納されるが、点灯装置14の全体がポール15の内部に収納されても構わない。
【0020】
本実施の形態によれば、上記のように、点灯装置14の少なくとも一部がポール15の開口部から挿入されてポール15の内部に収納されるため、照明器具11の本体12を小型化することが可能となる。
【0021】
図5は、照明器具11の部分分解斜視図である。
図6は、照明器具11の分解断面図である。なお、
図5は、本体12の収納部21と、収納部21に収納されたLEDモジュール13のみを示している。
【0022】
本体12は、LEDモジュール13の収納部21と、ポール15を挿入して固定するための取付部31に分かれ、例えばボルト・ナット(図示していない)で締結されている。
【0023】
収納部21は、収納部本体部22と、この収納部本体部22に取り付けられる収納部カバー部23とを備える。なお、収納部本体部22と収納部カバー部23との間には、防水パッキン等が設けられる場合がある。
【0024】
収納部本体部22は、一面が開口する直方体形状をなし、長手方向の一端面に固定穴22d及び電線引込穴22eが設けられる収納部本体22aと、この収納部本体22aに取り付けられるLEDモジュール取付部22bと、収納部カバー部23が取り付けられる2つの取付具22cで構成される。固定穴22dは、前述したボルト・ナットを挿通して収納部21を取付部31に固定するための穴である。電線引込穴22eは、LEDモジュール13と点灯装置14とを接続する電線41を引き込むための穴である。LEDモジュール取付部22bには、LEDモジュール13(特に、LED)の発光面が下方を向くようにLEDモジュール13(特に、基板)が取り付けられる。
【0025】
収納部カバー部23は、カバー枠体23aと、このカバー枠体23aの内側に取り付けられる四角い枠状のパッキン23gと、このパッキン23gの上に載置される長方形の透明カバー23bと、この透明カバー23bの外周を支持するL字状の金具からなる4つの支持片23cと、L字形状をなし、ネジ23fによって支持片23cに固定されて、透明カバー23bをパッキン23gに押し付ける4つの押付片23dと、カバー枠体23aを取付具22cに固定する2つのネジ23eで構成される。なお、支持片23cは、スポット溶接、ネジ止めなどによりカバー枠体23aに取り付けられる。
【0026】
取付部31の収納部21に連結する部分には、収納部21の固定穴22dに対応する固定穴(図示していない)と、収納部21の電線引込穴22eに対応する電線挿通孔31aとが設けられている。取付部31の固定穴は、収納部21の固定穴22dに挿通されるボルト・ナットを挿通して取付部31を収納部21に固定するための穴である。取付部31の電線挿通孔31aは、点灯装置14から引き出され、収納部21の電線引込穴22eを介してLEDモジュール13に接続される電線41を挿通するための穴である。取付部31の電線挿通孔31aと収納部21の電線引込穴22eには、共通のパッキン42が装着される。
【0027】
このように、収納部21は下面が透明カバー23bで覆われ、また、取付部31からの水気の浸入もなく、防水性を有している。ただし、LEDモジュール13が単独で防水性能を有していれば、この構造である必要はない。
【0028】
取付部31は、内側に点灯装置14を固定するための金具31bを備える。取付部31の一端(下端)には、ポール15の先端(上端)の外周(外径)よりも大きい取付穴が設けられている。
【0029】
点灯装置14は、ポール15の先端の内周(内径)よりも外形寸法が小さく、取付部31内にポール15の軸方向に配置され、金具31bに固定されている。点灯装置14の外郭は、防水ケース、防水パッキン等で構成されており、点灯装置14は、単独で防水性を有している。また、点灯装置14は、内部から引き出された電源接続用の口出し線44を備える。
【0030】
照明器具11がポール15に取り付けられる際には、まず、点灯装置14の口出し線44がポール15内に設置された電源線16に接続される。次に、取付部31の取付穴からポール15が挿入される。次に、4つの取付ボルト43によって取付部31がポール15に固定される。このとき、取付部31の金具31bに固定された点灯装置14の一部(下部)がポール15の内部に収納される状態となる。よって、本体12の小型化が図れる。
【0031】
本実施の形態によれば、点灯装置14が、LEDモジュール13を収納する収納部21から隔絶された空間(取付部31)に設けられ、また下方に位置するため、LEDモジュール13が点灯時に発する熱の影響を受けにくくなる。さらに、点灯装置14が収納されるポール15内の容積は照明器具11よりも大きいため、熱がこもりにくく、点灯装置14の自己発熱による温度上昇も抑えることができる。
【0032】
以上より、本実施の形態では、LEDモジュール13の形状が小さいというメリットを活かして本体12の収納部21の薄型化が図れるとともに、点灯装置14がLEDモジュール13の熱の影響を受けにくいため、LEDモジュール13と点灯装置14との距離を近づけることができ、さらに本体12の小型化が図れる。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態に係る照明器具11は、光源(LEDモジュール13)及び点灯装置14を備え、ポール15への取り付けにおいて、点灯装置14がポール15の先端より内部に挿入され、収納される構造である。本実施の形態によれば、照明器具11をポール15に取り付けた状態で、点灯装置14がポール15内に収納される構造とすることで、光源からの熱による温度上昇を抑制でき、放熱対策の簡略化や小型化によりコストの低減が図れるとともに、本体12の薄型化、小型化により意匠性の向上を図ることができる。
【0034】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0035】
図7は、本実施の形態に係る街路灯10の斜視図である。
図8は、街路灯10の部分断面図である。
【0036】
本実施の形態では、点灯装置14の全体がポール15の内部に収納される。
【0037】
図9は、照明器具11及びポール15の斜視図である。
図10は、照明器具11の断面図である。なお、
図7は、照明器具11がポール15に取り付けられた(街路灯10が構成された)状態を示していたが、
図9は、照明器具11がポール15に取り付けられる前(又はポール15から取り外された後)の状態を示している。
【0038】
本実施の形態では、実施の形態1と比べて取付部31の長さが短く、点灯装置14が取付部31から露出した状態になっている。
【0039】
取付部31の金具31bは、取付部31の内壁に固定される固定部材31cと、点灯装置14が本体12の外部に露出するように取り付けられる取付部材31dと、この取付部材31dを回動可能に固定部材31cに取り付けるヒンジ31eとを備える。
【0040】
図11は、照明器具11の斜視図である。
図12は、照明器具11の断面図である。
図9及び
図10は、取付部31の金具31bのヒンジ31eが真っ直ぐに伸びた状態を示していたが、
図11及び
図12は、取付部31の金具31bのヒンジ31eが90度折れ曲がった状態を示している。
【0041】
例えば、照明器具11の出荷時は取付部31の金具31bを90度折り曲げた状態で照明器具11を梱包しておき、施工時に取付部31の金具31bを真っ直ぐに伸ばして照明器具11をポール15に取り付けることができる。このようにすることで、梱包時の容積を小さくできるため、輸送コストを削減できる。
【0042】
上記のように、本実施の形態では、点灯装置14は、長手方向が本体12の収納部21の長手方向に対して垂直になる向きと長手方向が本体12の収納部21の長手方向に対して平行になる向きとの間で回動自在に本体12の取付部31に取り付けられる。本実施の形態によれば、照明器具11の梱包時等の容積を小さくできる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 街路灯、11 照明器具、12 本体、13 LEDモジュール、14 点灯装置、15 ポール、16 電源線、21 収納部、22 収納部本体部、22a 収納部本体、22b LEDモジュール取付部、22c 取付具、22d 固定穴、22e 電線引込穴、23 収納部カバー部、23a カバー枠体、23b 透明カバー、23c 支持片、23d 押付片、23e,23f ネジ、23g パッキン、31 取付部、31a 電線挿通孔、31b 金具、31c 固定部材、31d 取付部材、31e ヒンジ、41 電線、42 パッキン、43 取付ボルト、44 口出し線。