特許第5769515号(P5769515)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769515
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】車両用バックドア
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/00 20060101AFI20150806BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20150806BHJP
   B60J 5/10 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   B60J5/00 P
   B60J5/04 R
   B60J5/10 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-142175(P2011-142175)
(22)【出願日】2011年6月27日
(65)【公開番号】特開2013-6570(P2013-6570A)
(43)【公開日】2013年1月10日
【審査請求日】2014年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】390026538
【氏名又は名称】ダイキョーニシカワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久
(74)【代理人】
【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二
(74)【代理人】
【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実
(74)【代理人】
【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也
(74)【代理人】
【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄
(74)【代理人】
【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100131901
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 雅典
(74)【代理人】
【識別番号】100132012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩下 嗣也
(74)【代理人】
【識別番号】100141276
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 康二
(74)【代理人】
【識別番号】100143409
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100157093
【弁理士】
【氏名又は名称】間脇 八蔵
(74)【代理人】
【識別番号】100163186
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 裕吉
(74)【代理人】
【識別番号】100163197
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100163588
【弁理士】
【氏名又は名称】岡澤 祥平
(72)【発明者】
【氏名】畠山 一樹
【審査官】 常盤 務
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−183999(JP,A)
【文献】 実開平03−009916(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0173796(US,A1)
【文献】 特開2003−267054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/00
B60J 5/04
B60J 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のヒンジ取付部(23)を車幅方向に間隔をあけて上部に有する樹脂製ドアインナーパネル(3)と、該ドアインナーパネル(3)に組み付けられるドアアウターパネル(5)とからなり、車体(31)後端上部に車幅方向に間隔をあけて設けられた一対のヒンジ(25)に上記ドアインナーパネル(3)のヒンジ取付部(23)が車体(31)後端開口部を上下方向に開閉可能に連結され、一端が車体(31)後端側部に取り付けられるとともに他端が上記ドアインナーパネル(3)の車幅方向側端縁に取り付けられたダンパー(35)の伸長作動により開動作が補助される一方、ドア閉状態では上記ダンパー(35)の収縮による反発力が上記ドアインナーパネル(3)の車幅方向側端縁に車体下方へ向いて作用している車両用バックドアであって、
上記ドアインナーパネル(3)は、上記ヒンジ取付部(23)を含む領域で車体上下方向及び車幅方向に連続して延び、且つ車体後方に臨む第1縦面(37)と、
該第1縦面(37)の下方で当該第1縦面(37)と車体前後方向に間隔をあけて車体上下方向及び車幅方向に連続して延び、且つ車体後方に臨む第2縦面(39)と、
上記第1縦面(37)と第2縦面(39)との間で車体前後方向及び車幅方向に連続して延びこれら第1縦面(37)及び第2縦面(39)を全長に亘って連結する連結面(41)とを備え、
上記連結面(41)は、車体下方に臨み、且つ上記ヒンジ取付部(23)から車幅方向中央に向かうに従って次第に車体下方に位置していることを特徴とする車両用バックドア。
【請求項2】
請求項1に記載された車両用バックドアにおいて、
上記ドアインナーパネル(3)のうち上記第2縦面(39)の下側部分には、車幅方向に延びる上縁部を有する開口部(19)が形成され、
上記連結面(41)は、上記ヒンジ取付部(23)から車幅方向中央に向かうに従って上記開口部(19)の上縁部に近接している
ことを特徴とする車両用バックドア。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された車両用バックドアにおいて、
上記連結面(41)は、上記ヒンジ取付部(23)の下方に対応する位置に最も車体上方に位置する部分を有する
ことを特徴とする車両用バックドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用バックドアの改良に関し、詳しくは、車体後端上部に一対のヒンジで上部が支持された樹脂製ドアインナーパネルの熱膨張による変形防止対策に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドアインナーパネルとドアアウターパネルとからなる車両用バックドアにおいて、少なくともドアインナーパネルが樹脂製である場合、陽差しの厳しい真夏時(熱間時)等にはドアインナーパネルが熱膨張により変形するおそれがある。
【0003】
つまり、図12に示すように、ドアインナーパネルaの上部には、一対のヒンジ取付部bが車幅方向に間隔をあけて設けられていて、車体後端上部に車幅方向に間隔をあけて設けられた一対のヒンジに上記ヒンジ取付部bが連結されている。また、車体後端両側部の各々には、ダンパーcの一端(図12で上端)が取り付けられるとともに、上記ダンパーcの他端(図12で下端)が上記ドアインナーパネルaの車幅方向両側端縁に取り付けられている。したがって、ドア閉状態では、上記ドアインナーパネルaの車幅方向両側端縁には、上記ダンパーcの収縮による反発力(下方への押出し力)が作用している。このため、陽差しの厳しい真夏時(熱間時)等には、上記ダンパーcの収縮による反発力に加え、上記ドアインナーパネルaが熱膨張により車幅方向に延びることで、ドアインナーパネルaの上部において、図12に一点鎖線dで示すように、車幅方向中央がヒンジ(ヒンジ取付部b)を支点に上方に盛り上がるとともに、車幅方向両側端縁が下方に垂れ下がる。なお、図12中、eはドアアウターパネルの窓部に対応する開口部、fはドアアウターパネルのナンバープレート取付部に対応する凹部である。
【0004】
一方、特許文献1には、ドアインナーパネルに補強部材を設けてドアインナーパネルの剛性を高めるようにしたバックドアが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−260519号公報(段落0017欄、段落0018欄、段落0019欄、図1図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のようにドアインナーパネルに補強部材を設けると、その分だけバックドアの重量が増加するとともに、コストアップを招来する。さりとて、補強部材を縮小すると熱変形防止が心許なくなる。
【0007】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、補強部材を廃止又は縮小しても樹脂製ドアインナーパネルの熱膨張による変形を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、この発明は、ドアインナーパネルの上部を段状に形成したことを特徴とする。
【0009】
具体的には、この発明は、一対のヒンジ取付部を車幅方向に間隔をあけて上部に有する樹脂製ドアインナーパネルと、該ドアインナーパネルに組み付けられるドアアウターパネルとからなり、車体後端上部に車幅方向に間隔をあけて設けられた一対のヒンジに上記ドアインナーパネルのヒンジ取付部が車体後端開口部を上下方向に開閉可能に連結され、一端が車体後端側部に取り付けられるとともに他端が上記ドアインナーパネルの車幅方向側端縁に取り付けられたダンパーの伸長作動により開動作が補助される一方、ドア閉状態では上記ダンパーの収縮による反発力が上記ドアインナーパネルの車幅方向側端縁に車体下方へ向いて作用している車両用バックドアを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】
すなわち、この発明は、上記ドアインナーパネルは、上記ヒンジ取付部を含む領域で車体上下方向及び車幅方向に連続して延び、且つ車体後方に臨む第1縦面と、該第1縦面の下方で当該第1縦面と車体前後方向に間隔をあけて車体上下方向及び車幅方向に連続して延び、且つ車体後方に臨む第2縦面と、上記第1縦面と第2縦面との間で車体前後方向及び車幅方向に連続して延びこれら第1縦面及び第2縦面を全長に亘って連結する連結面とを備え、上記連結面は、車体下方に臨み、且つ上記ヒンジ取付部から車幅方向中央に向かうに従って次第に車体下方に位置していることを特徴とする。
【0011】
上記ドアインナーパネル(3)のうち上記第2縦面(39)の下側部分には、車幅方向に延びる上縁部を有する開口部(19)が形成され、上記連結面(41)は、上記ヒンジ取付部(23)から車幅方向中央に向かうに従って上記開口部(19)の上縁部に近接していることが好ましい。
【0012】
上記連結面(41)は、上記ヒンジ取付部(23)の下方に対応する位置に最も車体上方に位置する部分を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、陽差しの厳しい真夏時(熱間時)等において、ドア閉状態になっていると、第1縦面と第2縦面との間に位置する連結面の凹形状が熱膨張によりヒンジ(ヒンジ取付部)を支点に下がろうとし、これに追従してドアインナーパネル上端縁の車幅方向中央も下がろうとし、これに伴い、ドアインナーパネルの車幅方向側端縁が上側に跳ね上がろうとする。この際、ドアインナーパネルの車幅方向側端縁には、ダンパーの収縮による反発力が作用して下方に押し出されようとしているため、この押出し力によって、上記ドアインナーパネルの車幅方向側端縁の跳ね上がりが相殺される。また、ドアインナーパネルの車幅方向側端縁のダンパーによる下方への押出し力により、ドアインナーパネル上端縁の車幅方向中央及び連結面の凹形状がヒンジ(ヒンジ取付部)を支点に上方に盛り上がり、これにより、上記下がろうとしているドアインナーパネル上端縁の車幅方向中央が上方に押し上げられ、ドアインナーパネルの上部が変形しない。しかも、ドアインナーパネルの上部を段状に形成するだけで補強部材を廃止又は縮小でき、バックドアの重量が軽減されるとともにコストダウン化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態1に係る車両用バックドアの斜視図である。
図2】実施形態1に係る車両用バックドアの分解斜視図である。
図3】実施形態1におけるドアインナーパネルの正面図である。
図4図3のIV−IV線における断面図である。
図5図3のV−V線における断面図である。
図6図3のVI−VI線における断面図である。
図7】実施形態2におけるドアインナーパネルの斜視図である。
図8】実施形態2の図4相当図である。
図9】実施形態2の図5相当図である。
図10】実施形態3の図4相当図である。
図11】実施形態3の図5相当図である。
図12】従来例の図3相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0016】
(実施形態1)
図1及び図2は実施形態1に係る車両用バックドア1を示す。このバックドア1は、ハッチバック車の車体31(図4及び図5参照)の後端開口部(図示せず)を上下方向に開閉するためのものである。上記バックドア1は、ドアインナーパネル3と、該ドアインナーパネル3に組み付けられるドアアウターパネル5とからなり、本例では、上記ドアインナーパネル3及びドアアウターパネル5は共に樹脂製であるが、ドアアウターパネル5は必ずしも樹脂製である必要はなく、金属製であってもよい。
【0017】
上記ドアアウターパネル5は、上下中程で上側パネル7と下側パネル9とに上下に二分割され、上記上側パネル7の上部には、車幅方向に延びる中空構造(図4及び図5参照)のリヤスポイラー部11が車体後方に一体に突設され、該リヤスポイラー部11の下方には、窓部13がほぼ全体に亘って一体に形成されている。
【0018】
上記下側パネル9の略中央部には、ナンバープレート取付部15が車体前方に向かって凹むように一体に形成され、該ナンバープレート取付部15上方の下側パネル9上端縁には、延出部17が一体に形成され、該延出部17に上記上側パネル7の下端縁が車体後方から重なって両パネル7,9が接合されてドアアウターパネル5が構成される。
【0019】
一方、上記ドアインナーパネル3は一枚物であり、その上半部分には、開口部19が上記ドアアウターパネル5の窓部13に対応して形成され、該開口部19の下方には、凹部21が上記ドアアウターパネル5のナンバープレート取付部15に対応して開口部19が車体前方に向かって凹むように一体に形成されている。
【0020】
上記ドアインナーパネル3の上部には、一対のヒンジ取付部23(図5参照)が車幅方向に間隔をあけて形成され、車体31後端上部に車幅方向に間隔をあけて設けられた一対のヒンジ25(図5参照)に上記ヒンジ取付部23がブラケット27を介して車体31後端開口部を上下方向に開閉可能に連結され、これにより、バックドア1がヒンジ25を支点に上下方向に開閉するようになっている。
【0021】
上記ドアインナーパネル3の下部の車幅方向中程には、ロック装置29(図6参照)が取り付けられている。このロック装置29は、ラッチ(図示せず)を内蔵していて、該ラッチが先端分岐部29a間に出入りし、車体31に固定されたストライカー33に係合・離脱するようになっている。図6中、34は車内側から車体31を覆うトリムである。
【0022】
上記車体31後端両側部の各々には、ダンパー35の一端(図3で上端)が取り付けられるとともに、上記ダンパー35の他端(図3で下端)が上記ドアインナーパネル3の車幅方向両側端縁に取り付けられている。したがって、バックドア1は、上記ダンパー35の伸長作動により開動作が補助される一方、ドア閉状態では上記ダンパー35の収縮による反発力(下方への押出し力)が上記ドアインナーパネル3の車幅方向両側端縁に作用している。
【0023】
上記ドアインナーパネル3は、図4図6に拡大して示すように、上記ヒンジ取付部23を含む領域(上部)で車幅方向に連続して延びる第1縦面37を備え、該第1縦面37の下方には、第2縦面39が上記第1縦面37と車体後方に間隔をあけて車幅方向に連続して延びている。上記第1縦面37の下端縁と上記第2縦面39の上端縁との間には、連結面41が車幅方向に連続して延び、かつ上記ヒンジ取付部23から車幅方向中央に向かうに従ってカーブを描きながら次第に下方に位置している(図3参照)。そして、この連結面41により、上記第1縦面37の下端縁と上記第2縦面39の上端縁とを全長に亘って一体に連結し、ドアインナーパネル3の上部が車幅方向全長に亘って段状に形成されている。
【0024】
このように構成された実施形態1に係るバックドア1では、ハッチバック車がドア閉状態で陽差しの厳しい真夏時(熱間時)等に屋外に放置されていると、第1縦面37と第2縦面39との間に位置する連結面41の凹形状が、図3に一点鎖線Aで示すように、熱膨張によりヒンジ25(ヒンジ取付部23)を支点に下がろうとし、これに追従してドアインナーパネル3上端縁の車幅方向中央も下がろうとし、これに伴い、ドアインナーパネル3の車幅方向両側端縁が上側に跳ね上がろうとする。
【0025】
この際、ドアインナーパネル3の車幅方向両側端縁には、ダンパー35の収縮による反発力が作用して下方に押し出されようとしているため、この押出し力によって、上記ドアインナーパネル3の車幅方向両側端縁の跳ね上がりを相殺することができる。
【0026】
また、ドアインナーパネル3の車幅方向両側端縁のダンパー35による下方への押出し力により、ドアインナーパネル3上端縁の車幅方向中央及び連結面41の凹形状がヒンジ25(ヒンジ取付部23)を支点に上方に盛り上がり、これにより、上記下がろうとしているドアインナーパネル3上端縁の車幅方向中央が上方に押し上げられ、ドアインナーパネル3の上部を変形しないようにすることができる。
【0027】
しかも、ドアインナーパネル3の上部を段状に形成するだけで補強部材を廃止又は縮小でき、バックドア1の重量軽減及びコストダウン化を達成できる。
【0028】
また、第2縦面39が第1縦面37よりも車体後方側に位置しているので、車体31とバックドア1との間の空間(図4及び図5で一点鎖線C1で示す領域)が広くなって、車体31における車体後端部のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0029】
(実施形態2)
図7図9は実施形態2を示し、この実施形態2では、ドアインナーパネル3の上部の構造が実施形態1と異なるほかは、実施形態1と同様に構成されているので、異なる構成のみ説明して共通する構成は実施形態1に譲る。
【0030】
すなわち、実施形態2では、実施形態1とは逆に、第2縦面39が第1縦面37よりも車体前方に位置している。
【0031】
したがって、実施形態2では、バックドア1のリヤスポイラー部11の内部空間(図8及び図9で一点鎖線C2で示す領域)が広くなって、バックドア1内に収容される配線等のレイアウトの自由度を高めることができる。そのほかのドアインナーパネル3上部の変形防止、バックドア1の重量軽減、コストダウン化達成、及び生産性向上等といった効果については実施形態1と同様である。
【0032】
(実施形態3)
図10及び図11は実施形態3を示し、この実施形態3でも、ドアインナーパネル3の上部の構造が実施形態1と異なるほかは、実施形態1と同様に構成されているので、異なる構成のみ説明して共通する構成は実施形態1に譲る。
【0033】
すなわち、実施形態3では、第1縦面37及び第2縦面39の車体前後方向の位置関係は実施形態1と同じであるが、連結面41を車体前側の傾斜面41aと、車体後側の水平面41bとの2つの面で構成している。
【0034】
したがって、実施形態3では、連結面41の車体前後方向の出入りを細かく調整することで、バックドア1のリヤスポイラー部11の内部空間(図10及び図11で一点鎖線C3で示す領域)や、車体31とバックドア1との間の空間(図4及び図5で一点鎖線C4で示す領域)を目的に応じて最適に設定できる。そのほかのドアインナーパネル3上部の変形防止、バックドア1の重量軽減、コストダウン化達成、及び生産性向上等といった効果については実施形態1と同様である。
【0035】
なお、上記の各実施形態では、連結面41をヒンジ取付部23から車幅方向中央に向かうに従ってカーブを描きながら次第に下方に位置させているが、連結面41をヒンジ取付部23から車幅方向中央に向かうに従って直線により次第に下方に位置させてもよい。
【0036】
また、上記の各実施形態では、ダンパー35をドアインナーパネル3の車幅方向両側端縁に配置したが、いずれか片側のみの場合にも同様の効果を奏することができるものである。
【0037】
さらに、実施形態3では、連結面41を傾斜面41aと水平面41bとの2面構成にしたが、上述の如き作用効果を奏することができる限り3面以上で構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は、車体後端上部に一対のヒンジで上部が支持された樹脂製ドアインナーパネルを備えた車両用バックドアについて有用である。
【符号の説明】
【0039】
1 バックドア
3 ドアインナーパネル
5 ドアアウターパネル
23 ヒンジ取付部
25 ヒンジ
31 車体
35 ダンパー
37 第1縦面
39 第2縦面
41 連結面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12