(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769557
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】水晶振動子片の製造方法
(51)【国際特許分類】
H03H 3/02 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
H03H3/02 D
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-192444(P2011-192444)
(22)【出願日】2011年9月5日
(65)【公開番号】特開2012-85278(P2012-85278A)
(43)【公開日】2012年4月26日
【審査請求日】2014年5月21日
(31)【優先権主張番号】特願2010-209054(P2010-209054)
(32)【優先日】2010年9月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズンホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000166948
【氏名又は名称】シチズンファインデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126583
【弁理士】
【氏名又は名称】宮島 明
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 真紀
【審査官】
鬼塚 由佳
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−086925(JP,A)
【文献】
特開2004−040399(JP,A)
【文献】
特開2003−073200(JP,A)
【文献】
特開2008−085631(JP,A)
【文献】
特開2010−074257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝が形成された振動脚を有する水晶振動子片の製造方法において、
水晶基板と該水晶基板の上に積層される金属層との密着性を向上させる中間層として作用する第1の金属層を前記水晶基板上に形成する第1の金属層形成工程と、
前記第1の金属層の上に第2の金属層を形成する第2の金属層形成工程と、
前記第2の金属層の上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
前記レジスト層を前記水晶振動子片の外形に応じた形状の第1のレジストパターンに加工する第1のレジスト層加工工程と、
前記第1のレジストパターンをマスクにして前記第2の金属層を第1の金属パターンに加工する第1の金属層加工工程と、
前記第1のレジストパターンを、前記溝に応じた形状を有する第2のレジストパターンに加工する第2のレジスト層加工工程と、
前記第1の金属パターンに加工された前記第2の金属層をマスクにして、前記水晶基板をエッチングして、前記振動脚の外形部分を加工する第1のエッチング工程と、
前記第2のレジストパターンをマスクにして前記第2の金属層のみを第2の金属パターンに加工する第2の金属層加工工程と、
前記第2の金属パターンに加工された前記第2の金属層をマスクにして前記第1の金属層と前記水晶基板とを一度にエッチングして、前記振動脚の溝部分と前記第1のエッチング工程で残った外形部分とを加工する第2のエッチング工程と、を備える
ことを特徴とする水晶振動子片の製造方法。
【請求項2】
前記第1のエッチング工程において、前記第1の金属パターンに加工された前記第2の金属層をマスクにして、前記第1の金属層及び前記水晶基板を同時にエッチングして、前記振動脚の外形部分を加工する
ことを特徴とする請求項1に記載の水晶振動子片の製造方法。
【請求項3】
前記第1の金属層はクロム層である
ことを特徴とする請求項1に記載の水晶振動子片の製造方法。
【請求項4】
前記第2の金属層は金層である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の水晶振動子片の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溝が形成された振動脚を有する水晶振動子片の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器のタイムスタンダード等として使用される振動子に対して、これが使用される電子機器の小型化に伴い、振動子のサイズが小型で、CI値(クリスタルインピーダンス)の小さいものが要求されるようになっている。この要求に対応する方法として、例えば音叉型水晶振動子片の場合は、振動脚に溝を形成することが有効であることが知られている。
【0003】
このような溝が形成された振動脚を有する水晶振動子片の製造は、例えば特許文献1に開示されている以下のような工程によって行われる。
図6〜
図8は溝が形成された振動脚を有する音叉型水晶振動子片の従来の製造方法を示す図である。これらの図は音叉型水晶振動子片の2本の振動脚の断面を示している。
【0004】
まず、
図6(a)に示すように水晶基板1を板状に加工する。次に、水晶基板1の表裏両面にクロム層3、金層5を形成する(
図6(b))。このように形成した金層の上にフォトレジスト層7を形成する(
図6(c))。次に音叉型水晶振動子片の外形をフォトマスクを用いて露光、現像し、音叉型水晶振動子片の外形の内側にだけフォトレジスト層7が残るようにパターニングし、外側の金層5を露出させる(
図6(d))。
【0005】
次に、露出された金層5をエッチングし除去する(
図7(e))。続いて、残存しているフォトレジスト層7に対して、溝の露光を行い、現像して溝に対応する部分のフォトレジスト層7を除去する(
図8(f))。次に、露出しているクロム層3をエッチングして除去する(
図7(g))。次に水晶エッチング用のエッチング液で露出した水晶基板1をエッチングする(第1のエッチング工程)(
図7(h))。続いて、残存しているフォトレジスト層7をマスクとして金層5、クロム層3を順番にエッチングによって除去する(
図8(i))。
【0006】
次に残存するフォトレジスト層7を剥離する(
図8(j))。その後、溝に対応して露出した水晶基板1のエッチングを行ない(第2のエッチング工程)、両面に所定深さの溝9を形成する(
図8(k))。最後に残存する金層5およびクロム層3を剥離して、溝が形成された振動脚を有する音叉型水晶振動子片の形状が完成する(
図8(l))。この後、電極が形成され、溝が形成された振動脚を有する音叉型水晶振動子片が完成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−86925号公報(5−7頁、
図1−3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のような従来技術の製造方法では、以下のような問題があった。すなわち、フォトレジスト層は第1のエッチング工程で水晶エッチング液により損傷を受ける。そのため、第1のエッチング工程後の金層とクロム層のエッチングのときに、溝に対応する部分の金層とクロム層だけでなく、フォトレジスト層の損傷部の金層とクロム層もエッチングされて水晶基板が露出し、第2のエッチング工程で水晶振動子片の表面に損傷を与えるという問題があった。水晶振動子片の表面に損傷があると、振動脚の形状バラン
スがくずれて特性が悪化したり、電極のショートが発生したりして歩留を悪化させるので問題である。
【0009】
そこで、本発明は上記従来の振動子片の製造方法における問題点を改善することを課題とするものである。そして本発明の目的は、この課題を解決することにより、エッチングにより形成される水晶振動子片の表面の損傷を軽減し、歩留の良い水晶振動子片の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための本発明の水晶振動子片の製造方法は、溝が形成された振動脚を有する水晶振動子片の製造方法において、
水晶基板と該水晶基板の上に積層される金属層との密着性を向上させる中間層として作用する第1の金属層を
水晶基板上に形成する第1の金属層形成工程と、第1の金属層の上に第2の金属層を形成する第2の金属層形成工程と、第2の金属層の上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、レジスト層を水晶振動子片の外形に応じた形状の第1のレジストパターンに加工する第1のレジスト層加工工程と、第1のレジストパターンをマスクにして第2の金属層を第1の金属パターンに加工する第1の金属層加工工程と、第1のレジストパターンを、溝に応じた形状を有す
る第2のレジストパターンに加工する第2のレジスト層加工工程と、第1の金属パター
ンに加工された第2の金属層をマスクにして、水晶基板をエッチングして、振動脚の外形部分を加工する第1のエッチング工程と、第2のレジストパターンをマスクにして第2の金属層のみを第2の金属パターンに加工する第2の金属層加工工程と、第2の金属パターンに加工された第2の金属層をマスクにして第1の金属層と水晶基板とを一度にエッチングして、振動脚の
溝部分と第1のエッチング工程で残った外形部分とを加工する第2のエッチング工程と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の水晶振動子片の製造方法は、上述した構成に加えて、第1のエッチング工程において、第1の金属パターンに加工された第2の金属層をマスクにして、第1の金属層及び水晶基板を同時にエッチングして、振動脚の外形部分を加工することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の水晶振動子片の製造方法は、上述した構成に加えて、第1の金属層はクロム層であることを特徴とする。
【0013】
更に、本発明の水晶振動子片の製造方法は、上述した構成に加えて、第2の金属層は金層であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の水晶振動子片の製造方法では、第1のエッチング工程と第2のエッチング工程とで水晶振動子片の振動脚の外形形状と溝形状が形成される。ここで、振動脚の外形形状は、第1のエッチング工程と第2のエッチング工程の合計のエッチング時間で決定される。
【0015】
また、本発明の水晶振動子片の製造方法では、第2のエッチング工程において、第1の金属層と水晶基板とを一度にエッチングして振動脚の外形部分と溝部分の加工が行われるため、水晶基板のみをエッチングして外形部分と溝部分とを加工する従来のエッチング工程と比較して、所定の溝形状を加工するために要するエッチング時間が長くなる。このため、本発明では、第2のエッチング工程に要するエッチング時間が長くなり、その分、第1のエッチング工程に要する時間を短くすることができる。
【0016】
これにより、第1のエッチング工程における第2のレジストパターンの損傷を軽減することができ、第2の金属層加工工程における第2の金属パターンの損傷を軽減し、第2の
金属パターンをマスクにしてエッチングにより形成される水晶振動子片の表面の損傷を軽減し、歩留まりを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の製造方法による振動子片の製造工程を(a)〜(d)図として工程順に示す説明図である。
【
図2】
図1の工程に連続する製造工程を(e)〜(h)図として工程順に示す説明図である。
【
図3】
図2の工程に連続する製造工程を(i)〜(l)図として工程順に示す説明図である。
【
図4】本発明による製造方法によって製造された溝が形成された振動脚を有する音叉型水晶振動子片の外形を示す図である。
【
図5】本発明による製造方法によって製造された溝が形成された振動脚を有する音叉型水晶振動子片を示す図である。
【
図6】従来の製造方法による振動子片の製造工程を(a)〜(d)図として工程順に示す説明図である。
【
図7】
図6の工程に連続する製造工程を(e)〜(h)図として工程順に示す説明図である。
【
図8】
図7の工程に連続する製造工程を(i)〜(l)図として工程順に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
【0019】
図1〜
図3は、本発明の振動子片の製造工程を示す図である。これらの図は音叉型水晶振動子片の2本の振動脚の断面を示している。
【0020】
まず、
図1(a)に示すように水晶基板1を板状に加工する。次に、水晶基板1の表裏両面に蒸着またはスパッタリングによって下地層として、第1の金属層であるクロム層3を成膜する(第1の金属層形成工程)。この第1の金属層であるクロム層3は、後述する第の2の金属層である金層5と水晶基板1との密着性を向上させる中間層として作用する。ここでクロム層3は第1の金属層の一例であり、同様の作用を有する他の金属層を用いても良い。
【0021】
続いて、クロム層3の上に第2の金属層として金層5を成膜する(第2の金属層形成工程)(
図1(b))。第2の金属層である金層5は、後述する工程で水晶をエッチングする際に用いるフッ酸とフッ化アンモニウム溶液の混合液に対する耐蝕膜として作用する。ここで金層5は第2の金属層の一例であり、同様の作用を有する他の金属層を用いても良い。
【0022】
次に金層5の表面にフォトレジストを塗布し乾燥させてフォトレジスト層7を形成する(レジスト層形成工程)(
図1(c))。フォトレジストとしては例えばポジ型フォトレジストである東京応化製のTSMR(登録商標)を用いる。
【0023】
次に水晶振動子片の外形を形成するためのフォトマスクを用いて露光、現像し、水晶振動子片の外形の内側にだけフォトレジスト層7が残るようにし、外側の金層5を露出させる(第1のレジスト層加工工程)(
図1(d))。次に露出された金層5をエッチングし除去する(第1の金属層加工工程)(
図2(e))。金層5を除去した部分にはクロム層3が露出した状態である。
【0024】
続いて残存しているフォトレジスト層7に対して、溝の露光を行い、現像し、溝に対応する部分のフォトレジスト層7を除去する(第2のレジスト層加工工程)(
図2f))。この時、フォトレジスト層7が除去された溝に対応する部分は金層5が露出した状態になっている。次に、露出しているクロム層3をエッチングして除去する(
図2(g))。
【0025】
次に、水晶用のエッチング液であるフッ酸とフッ化アンモニウム溶液の混合液を用いて、露出した水晶基板1のエッチングを行う(第1のエッチング工程)(
図2(h))。この図では露出した水晶基板1はエッチングにより貫通しているが、第1のエッチング工程で必ずしも貫通する必要はない。
【0026】
続いて、溝に対応する部分に露出している金層5をエッチングによって除去する(第2の金属層加工工程)(
図3(i))。この時、溝に対応する部分はクロム層3が露出している。次に、残存するフォトレジスト層7を剥離する(
図3(j))。その後、フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液を用いてエッチングを行う(第2のエッチング工程)。この時、振動子片の外形形状に対応した水晶エッチングが進むのと同時に、溝に対応する部分はクロム層3がエッチングされ、クロム層3が除去された後は水晶がエッチングされ、上下両面に所定深さの溝9を形成する(
図3(k))。最後に、金層5、クロム層3を除去し、溝が形成された振動脚を有する水晶振動子片の形状が完成する(
図3(l))。
【0027】
このように、本発明では溝に対応する部分にクロム層3を残したまま第2のエッチング工程を行う。溝に対応する部分にクロム層3を残したまま第2のエッチングを行うことにより、第2のエッチング工程に要する時間が長くなる。振動子片の外形形状を形成するための水晶エッチング時間は、第1のエッチング工程と第2のエッチング工程の合計の時間で決定されるので、第2のエッチング工程の時間を長くすることにより第1のエッチング工程の時間を短くすることができる。
【0028】
これにより第1のエッチング工程における第2のレジストパターンの損傷を軽減することができ、第2の金属層加工工程における第2の金属パターンの損傷を軽減し、第2の金属パターンをマスクにして行われる第2のエッチング工程での水晶振動子片の表面の損傷を軽減することが可能になる。
【0029】
振動脚に形成する溝の数や溝の形状は、振動子の設計に応じて決定する。第2のレジストパターンにおける溝の幅が狭いほど、溝に対応する部分にクロム層3を残した状態で第2のエッチング工程を行う本発明の製造方法と、クロム層3を除去して第2のエッチング工程を行う従来の製造方法との第2のエッチング工程に要する時間の差を大きくできる。また、クロム層3を厚く成膜するほど第2のエッチング工程の時間を長くできる。
【0030】
第2のレジストパターンにおける溝の幅は、例えば、1〜10μmが望ましい。ここで、溝の幅の下限は露光現像条件により決まるものであり、レジストパターンを安定して形成できれば1μmより狭くても構わない。溝の幅が広すぎると本発明の製造方法と、従来の製造方法での第2のエッチング工程の時間の差がなくなり、効果が得られなくなる。クロム層3の厚さは、例えば、10〜100nmが望ましい。クロム層3が薄すぎると、金層5と水晶基板1との密着性が悪くなる。また、クロム層3が厚すぎると、水晶振動子の振動特性が悪化する。
【0031】
また、水晶用のエッチング液であるフッ酸とフッ化アンモニウム溶液の混合液の温度が低すぎると第2のエッチング工程で溝に対応する部分のクロム層3が均一に除去されないので、水晶用のエッチング液の温度は60℃以上であることが望ましい。例えば、水晶用のエッチング液の温度が70℃、第2のレジストパターンにおける溝の幅が2μm、クロム層3の厚さが20nmの場合、深さ70μmの溝を形成するために必要な第2のエッチ
ング工程の時間は、本発明の製造方法では280分、従来の製造方法では215分となる。
【0032】
先に示した本発明の製造工程では、第2のレジスト層加工工程の後に、水晶振動子片の外形の外側に露出したクロム層3を除去してから、第1のエッチング工程をおこなったが、水晶振動子片の外形の外側の面積は、振動脚の溝と比較して充分に大きく、クロム層3を残したままでも第1のエッチング工程に要する時間への影響は小さいので、クロム層3を除去せずに第1のエッチングを行っても構わない。
【0033】
また、一般にクロムのエッチングは、エッチング液の使用回数によってサイドエッチング量が変化しやすいため、形状にばらつきが出やすい。特に、振動脚の溝のように細い部分ではサイドエッチング量の変化の影響が大きい。本発明のように、振動脚の溝に対応する部分のクロムエッチングを行わないことにより、溝形状のばらつきを抑えることができる。更には、クロムエッチング液の使用量の削減にもなり、コストダウンが可能となる。
【0034】
また、先に示した本発明の製造工程では、溝に対応する部分の金層5を除去する第2の金属層加工工程の後にフォトレジスト層7を剥離してから第2のエッチング工程を行ったが、フォトレジスト層7を残したまま第2のエッチング工程を行ない、その後でフォトレジスト層7を剥離することも可能である。
【0035】
このようにして、
図4に示すような溝が形成された振動脚を有する音叉型水晶振動子片の外形形状が出来上がる。溝が形成された振動脚を有する音叉型水晶振動子片は、基部11と基部11から延びる2本の脚13から構成され、脚13の表裏面には溝9が設けられている。
【0036】
次に、
図5に示す電極15の形成の工程について説明する。
図5は溝が形成された振動脚を有する音叉型水晶振動子片の平面図であり、電極15は脚13の溝部9、側面、基部11にそれぞれ設けられている。まず溝が形成された振動脚を有する音叉型水晶振動子片の全面に金属層をスパッタリング等で形成し、次に金属層の表面にフォトレジスト層を形成する。この際、音叉型水晶振動子片の表面、裏面、側面と立体的にフォトレジストを塗布する必要があるため、スプレーコート装置を用いたスプレー塗布法や、金属層を電極として電着フォトレジストを塗布する電着塗布法などを用いる。次に電極のパターンを露光、現像し、
図5の電極15を形成しない部分に相当する部分のフォトレジスト層を除去する。次に、表面に露出した部分の金属膜をエッチングにより除去し、フォトレジスト層を剥離すれば、
図5に示すような電極15が形成される。
【0037】
以上に記した本発明を実施するための最良の形態には、溝が形成された振動脚を有する音叉型水晶振動子片の例を示したが、2脚音叉型形状に限らず、あらゆる種類の溝が形成された振動脚を有する水晶振動子片に適用できることは明らかである。
【符号の説明】
【0038】
1 水晶基板
3 クロム層
5 金層
7 フォトレジスト層
9 溝
11 基部
13 脚
15 電極