(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の筒状鋼板セルを、所定間隔をあけて地盤に打ち込み設置した後、鋼板セル間で鋼板アークを地盤に打ち込んで鋼板セルを互いに連結し、鋼板セル内に中込材を充填する鋼板セル・アークの設置工法であって、
第1セルを形成する筒状の第1胴板を胴軸心方向に沿って地盤中に打ち込み、
第1セルの上方から第2セルを吊り下ろし、前記第1胴板の上端部で内周面または外周面に取り付けられた接続部材に、第2セルを形成する筒状の第2胴板を嵌め合わせて、第1セル上に第2セルを接続し、
前記第1胴板の上端部と前記第2胴板の下端部とを周方向溶接により接合する
ことを特徴とする鋼板セル・アークの設置工法。
複数の筒状鋼板セルを所定間隔をあけて地盤に打ち込み設置した後、鋼板セル間で鋼板アークを地盤に打ち込んで鋼板セルを互いに連結し、少なくとも鋼板セル内に中込材を充填する鋼板セル・アークの設置工法であって、
第1セルを形成する筒状の第1セルを胴軸心方向に沿って地盤中に打ち込み
第1セルの上方から中間セルを吊り下ろし、前記第1胴板の上端部で内周面または外周面に取り付けられた接続部材に、中間セルを形成する筒状の中間胴板を嵌め合わせて、第1セル上に中間セルを接続し、
前記第1胴板の上端部と前記中間胴板の下端部とを周方向溶接により接合し、
中間セルの上端部でその内周面または外周面に取り付けられた中間接続部材に、第2セルを形成する第2胴板の下端部を嵌め合わせて、中間セルの上端に第2セルを接続し、
前記中間胴板の上端部と前記第2胴板の下端部を周方向溶接により接合する
ことを特徴とする鋼板セル・アークの設置工法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に湾岸などに設置される鋼板セル・アークは、河川など小径のものと異なり、大径で高さが高い大型のものが多く、従来では15m〜25m程度であったものが、近年海外などの大規模埋め立て護岸などでは、外径が30m〜50m、高さが30m〜60mに達するものが要求されている。
【0007】
このように鋼板セル・アークの外径や高さが十分に大きくなると、1)台船による輸送時、2)揚程の高いジブ形などのクローラクレーンなどを使用する製作時、3)揚程の高い台船付きクレーンを使用する鋼板セル・アークの打設時などにそれぞれ航空機飛行ライン、送電線、橋梁の高さ制限(たとえば50m)があると、これをクリアできないおそれがあった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決して、鋼板セル・アークを分割することで、輸送時、製作時、打設時などの高さ制限をクリアすることができ、据付施工作業で接続して容易かつ精度良く短時間で組み立て、設置することができる鋼板セル・アークの設置工法および鋼板セルの接続部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の鋼板セル・アークの設置工法は、
複数の筒状鋼板セルを、所定間隔をあけて地盤に打ち込み設置した後、鋼板セル間で鋼板アークを地盤に打ち込んで鋼板セルを互いに連結し、鋼板セル内に中込材を充填する鋼板セル・アークの設置工法であって、
第1セルを形成する筒状の第1胴板を胴軸心方向に沿って地盤中に打ち込み、
第1セルの上方から第2セルを吊り下ろし、前記第1胴板の上端部で内周面または外周面に取り付けられた接続部材に、第2セルを形成する筒状の第2胴板を嵌め合わせて、第1セル上に第2セルを接続し、
前記第1胴板の上端部と前記第2胴板の下端部とを周方向溶接により接合するものである。
【0010】
請求項2記載の鋼板セル・アークの設置工法は、
複数の筒状鋼板セルを所定間隔をあけて地盤に打ち込み設置した後、鋼板セル間で鋼板アークを地盤に打ち込んで鋼板セルを互いに連結し、少なくとも鋼板セル内に中込材を充填する鋼板セル・アークの設置工法であって、
第1セルを形成する筒状の第1セルを胴軸心方向に沿って地盤中に打ち込み
第1セルの上方から中間セルを吊り下ろし、前記第1胴板の上端部で内周面または外周面に取り付けられた接続部材に、中間セルを形成する筒状の中間胴板を嵌め合わせて、第1セル上に中間セルを接続し、
前記第1胴板の上端部と前記中間胴板の下端部とを周方向溶接により接合し、
中間セルの上端部でその内周面または外周面に取り付けられた中間接続部材に、第2セルを形成する第2胴板の下端部を嵌め合わせて、中間セルの上端に第2セルを接続し、
前記中間胴板の上端部と前記第2胴板の下端部を周方向溶接により接合するものである。
【0011】
請求項3記載の鋼板セルの接続部構造は、
胴軸心方向に沿って地盤に打設されて貫入されるとともに、鋼板アークにより互いに連結される複数の筒状鋼板セルを具備し、
鋼板セルは、据付現場で地盤に貫入される第1セルおよび当該第1セルの上端部に接続される第2セルからなる二段継ぎ鋼板セル、または据付現場で地盤に貫入される第1セルおよび当該第1セルの上端部に接続される中間セルならびに当該中間セルの上端部に接続される第2セルからなる三段継ぎ鋼板セルであり、前記第1セルおよび第2セルの接続部と、第1セルおよび中間セルの接続部と、中間セルおよび第2セルの接続部の少なくとも1つの接続部構造であって、
下段側セルを形成する筒状の下段側胴板の上部内周面に、下段側セルの形状を保持する内周リブを取り付けるとともに、前記下段側胴板の上端部内周面に、上端が当該下段側胴板の上端より上方に突出される頭部補強部材を取り付け、
上段側セルを形成する筒状の上段側胴板の下部に、当該上段側胴板の下端部を所定範囲で変位可能とする胴軸心方向の複数の調整用スリットを、周方向に所定ピッチで形成し、
前記頭部補強部材の上端部内面に、前記上段側胴板の下端部を案内して前記頭部補強部材に外嵌させる複数のガイドピースを周方向に所定ピッチで取り付け、
前記下段側胴板の上端部と前記上段側胴板の下端部との間に、前記頭部補強部材が裏当て板として対面され外周側から溶接するルートギャップが形成されるものである。
【0012】
請求項4記載の鋼板セルの接続部構造は、
胴軸心方向に沿って地盤に打設されて貫入されるとともに、鋼板アークにより互いに連結される複数の筒状鋼板セルを具備し、
鋼板セルは、据付現場で地盤に貫入される第1セルおよび第1セルの上端部に接続される第2セルからなる二段継ぎ鋼板セル、または据付現場で地盤に貫入される第1セルおよび第1セルの上端部に接続される中間セルならびに当該中間セルの上端部に接続される第3セルからなる三段継ぎ鋼板セルであり、前記第1セルおよび第2セルの接続部と、第1セルおよび中間セルの接続部と、中間セルおよび第2セルの接続部の少なくとも1つの接続部構造であって、
下段側セルを形成する筒状の下段側胴板の上部内周面に、下段側セルの形状を保持する内周リブを取り付けるとともに、前記下段側胴板の上端部内周面に、上端が当該下段側胴板の上端より下方に後退される頭部補強部材を取り付け、
前記下段側胴板の上端部外周面に、上端が当該下段側胴板の上端より上方に突出される裏当て板を取り付け、
上段側セルを形成する筒状の上段側胴板の下部に、周方向に所定ピッチで形成されて当該胴板下端部を所定範囲で変位可能とする複数の調整用スリットを胴軸心方向に沿って形成し、
前記頭部補強部材の内面に、上段側セルの上段側胴板の下端部を案内して前記裏当て板に内嵌させる複数のガイドピースを周方向に所定ピッチで取り付け、
前記下段側胴板の上端部と前記上段側胴板の下端部との間に、前記裏当て板に対面して内周側から溶接するルートギャップが形成されるものである。
【0013】
請求項5記載の鋼板セルの接続部構造は、請求項3または4記載の構成において、
上段側胴板の内周面に、ガイドピースの上端部を受け止めて、下段側胴板の上端部と上段側胴板の下端部との間にルートギャップを形成する受けピースを設けたとしたものである。
【0014】
請求項6記載の鋼板セルの接続部構造は、請求項3または4記載の構成において、
複数の鋼製ブロックを、ブロック継ぎ手を介して周方向に連結して少なくとも上段側セルを形成し、
前記ブロック継ぎ手の下部を開放して調整用スリットとしたものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の鋼板セル・アークの設置工法によれば、据付現場で、地盤に貫入した第1セル上に、第2セルを接合して鋼板セルを二段継ぎで組み立てるので、必要な高さを確保した単一の鋼板セルに比較して、鋼板セルの高さを低くすることができる。これにより、輸送時、製作時、打設時などに航空機飛行ライン、送電線、橋梁などの高さ制限があっても、容易にクリアすることができる。また第1胴板の上端部に取り付けられた頭部補強部材に、第2セルの第2胴板を嵌め合わせて、第1セルの上端に第2セルを接続するので、現場組立てを容易に実施できて周方向溶接により短時間で組み立てることができる。
【0016】
請求項2記載の鋼板セル・アークの設置工法によれば、据付現場で第1セル上に中間セルを、中間セル上に第2セルを順次接続して三段継ぎで組み立てるので、各セルの高さをさらに低くすることができ、輸送時、製作時、打設時などに高さ制限があっても、大型で高さのある鋼板セルの輸送、製作、打設などを容易に行うことができる。
【0017】
請求項3記載の鋼板セルの接続部構造によれば、下段側胴板の上端部に取り付けた頭部補強部材に、ガイドピースを取り付けて、上段側胴板の下端部を頭部補強部材の外周部に案内するとともに、上段側胴板の下部に調整用スリットを形成して上段側胴板の下端部の変位ができるようにしたので、上段側胴板の下端部を頭部補強部材にスムーズに嵌合させて、上段側セルの溶接作業を鋼板セルの外周側から容易かつ短時間に行うことができる。また外周溶接に際して頭部補強部材を裏当て板として使用することができ、溶接に必要な部材を削減できるとともに工期を短縮することができる。
【0018】
請求項4記載の鋼板セルの接続部構造によれば、上段側胴板の下部に形成された調整用スリットにより上段側胴板の下端部を変位可能とし、下段側胴板の上端部に取り付けた頭部補強部材にガイドピースを取り付け、上段側胴板の下端部を、下段側胴板の上端上方で裏当て板の内周部に案内することができるので、上段側胴板の下端部を、裏当て板の内周部にスムーズに嵌合させることができる。これにより、下段側セルと上段側セルの溶接作業を、裏当て板を使用して鋼板セルの内側から容易かつ短時間に行うことができ、波浪などの海象条件に溶接作業が左右されることが少ない。
【0019】
請求項5記載の鋼板セルの接続部構造によれば、上段側胴板の内面にガイドピースを受け止めて下段側胴板と上段側胴板との間にルートギャップを形成する受けピースを取り付けたので、溶接による接合作業を迅速且つ短時間に実施することができる。
【0020】
請求項6記載の鋼板セルの接続部構造によれば、調整用スリットをブロック継ぎ手の下部を開放して形成したので、容易に調整用スリットを形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1,
図2に示す鋼板セル・アークの設置工法は、鋼板セルを直接海底の地盤15に打ち込んで設置するいわゆる根入れ式といわれる打設工法であり、たとえば外径が15〜50m、高さが20〜40mの複数本の円筒状の鋼板セルと、鋼板セル間を接続する円弧状の鋼板アークとを、海底の地盤15に直接打ち込んで設置し、鋼板セル内および鋼板アーク内に土砂などの中込材16を充填して護岸や防波堤などの港湾構造物や海洋構造物を形成するものである。ここで説明する鋼板セル・アークは、それぞれ接合部が溶接などにより水密構造に形成されており、ボルト結合されて水密性が確保されていない河川用の鋼板セル・アークとは相違している。
【0023】
鋼板セル・アークは、実施例1で説明するように、上下段に二分割された第1セル(下段側セル)21と第2セル(上段側セル)31からなる二段継ぎ鋼板セル10と、第1アーク61および第2アーク71からなる二段継ぎ鋼板アーク11とを具備した二段継ぎ鋼板セル・アークがある。また実施例3で説明するように、上下段に三分割された第1セル(下段側セル)21、中間セル(上段側セル、下段側セル)41および第2セル(上段側セル)31からなる三段継ぎ鋼板セル12と、第1アーク61、中間アーク81および第2アーク71からなる三段継ぎ鋼板アーク13とを具備した三段継ぎ鋼板セル・アークがある。
【0024】
なお、二段継ぎ鋼板セル10および二段継ぎ鋼板アーク11の接続部と、三段継ぎ鋼板セル12および三段継ぎ鋼板アーク13の上部、下部における接続部は、同一構造に形成される。
[実施例1]
二段継ぎ鋼板セル10および二段継ぎ鋼板アーク11について
図1〜
図12を参照して説明する。
【0025】
第1セル21は、周方向に所定間隔で複数個(図は六分割)に分割された胴板ブロック22が胴軸心O方向に沿う分割部でブロック継ぎ手23を介して接合されて円筒形に形成したものである。ブロック継ぎ手23は、胴板ブロック22を形成する第1胴板(下段側胴板)24の胴軸心O方向に沿う縁部の内面に、L形ビーム材23aをそれぞれ取り付け、これらL形ビーム材23aを複数のボルト23bにより互いに連結した後、これら胴板ブロック22の第1胴板24の縁部同士を溶接して接合されている。また第1胴板24の内周面には、胴軸O方向に沿う複数の縦リブ28が周方向に所定ピッチで取り付けられ、さらに円周方向に沿う周方向リブ(図示せず)が上下方向に所定位置に取り付けられている。
【0026】
第2セル31は、周方向に所定間隔ごとに複数個(図は六分割)に分割された胴板ブロック32の胴軸心O方向に沿う分割部で、ブロック継ぎ手33を介して接合されて円筒形に形成したものである。ブロック継ぎ手33は、胴板ブロック32を形成する第2胴板(上段側胴板)34に胴軸心O方向に沿う縁部の内面に、L形ビーム材33aをそれぞれ取り付け、これらL形ビーム材33aを複数のボルト33bにより連結した後、両胴板ブロック32の第2胴板34の縁部同士を溶接して接合されている。また第2胴板34の内周面には、胴軸方向に沿う複数の縦リブ38が周方向に所定ピッチで取り付けられ、また周方向に沿う周方向リブ(図示せず)が上下方向に所定位置に取り付けられている。
【0027】
第1セル21と第2セル31との接合部構造について、
図4〜
図7を参照して説明する。
第1セル21の第1胴板24内周面には、前記周方向リブとは別に、第1セル21の円筒形状を保持するための中間内周リブ25Mおよび上部内周リブ25Uが、中間部と上部近傍に全周方向にわたって取り付けられている。また第1胴板24の内周面で上部円周セル25Uの上部に、第2セル31の第2胴板34を嵌合させるための頭部補強板(頭部補強部材)26が全周にわたって取り付けられており、この頭部補強板26の上端部は、第1胴板24の上端より突出長さ:Tだけ上方に突出されている。さらに頭部補強板26の上端部内面には、第2セル31の第2胴板34の下端部を頭部補強板26の外周部に案内するガイドピース27が、周方向に所定ピッチで取り付けられている。これらガイドピース27は傾斜ガイド面27aを有する略直方体状に形成され、頭部補強板26の上端部から所定距離だけ上方に突出して取り付けられている。そして第2胴板34の下端部を案内するために、外周側の側面が上位内周から下位外周側に傾斜する傾斜ガイド面27aが形成され、ガイドピース27の傾斜ガイド面27a下部に、頭部補強板26の上端部が係合される段部27bが形成されて、上方からの負荷を効果的に支持している。
【0028】
一方、第2セル31の第2胴板34の内面で下端から所定距離上方に、前記ガイドピース27にそれぞれ対応して複数の受けピース35が取り付けられ、接続に際して、受けピース35がガイドピース27の上端受け面27c上にそれぞれ当接されるように設定されている。これら受けピース35は、下面に上端受け面27cが当接する受け板35aと、この受け板35aの上部に取り付けられて負荷を支持する単数または複数の補強材35bとで構成されている。そして第2胴板34の下端部が頭部補強板26に外嵌された状態で、受け板35aの下面にガイドピース27の上端受け面27cが当接して、第1胴板24上端と第2胴板34の下端との間に、外周溶接部WoのルートギャップRを形成するように、ガイドピース27および受けピース35の上下位置が設定されている。20は上部内周リブ25Uの上部内外面に取り付けられた足場用吊り金具である。
【0029】
さらに第2セル31の下部には、接続時の変形を容易化するために、第2胴板34の少なくとも各ブロック継ぎ手23の下部に、所定長さ分だけ開放された調整用スリット36が形成されている。これら調整用スリット36は、継ぎ手フランジと溶接部を削除して形成されて、ガイドピース27に案内される第2胴板34下端部を変形させて頭部補強板26の外周部に容易に外嵌させることができる。なお、調整用スリット36をブロック継ぎ手23以外の部位に胴軸心O方向に形成することもできる。
【0030】
第1セル21の各縦リブ28は、第1胴板24および頭部補強板26の内面に垂設固定されて、それぞれの上端部が頭部補強板26の上端より僅かに低い位置にある。また、第2セル31の各縦リブ38は第2胴板34の内面に垂設されて、それぞれの上端部が第2胴板34の下端より所定距離だけ高い位置にある。そして、
図7(b)に示すように、第1セル21と第2セル31の接合時に、第1セル21の縦リブ28と第2セル31の縦リブ38との間に隙間dが生じるように設定されて、第1、第2セル21,31の縦リブ28,38同士が接触することがない。そして第1、第2セル21,31の接続に際しては、縦リブ28,38にわたる連結板28aを取り付けて複数のボルト28bにより連結固定する。これにより、これら縦リブ28,38を第1,第2セル21,31の溶接までの間の仮固定を行うエレクションピースとして使用することができ、別途エレクションピースの取り付け、取り外しが不要となり、部品点数を削減することができる。
【0031】
図8に示すように、第1セル21および第2セル31の外周面で鋼板アーク11との接合部には、アーク継ぎ手29がそれぞれ取り付けられている。このアーク継ぎ手29は、立設部29aと張出し部29bからなる逆L形の継ぎ手部材を左右一対、突出部29bが対向されるとともに挿通口29cを形成するように互いに平行に取り付けて構成される。そして鋼板アーク50の両側縁部にそれぞれ形成された平面視T字形のT字形継ぎ手69,79を、挿通口29cを介して嵌合させ、アーク継ぎ手29の空間部にコンクリートやモルタルなどの充填材が埋め込まれる。
【0032】
次に、これら二段継ぎ鋼板セル10を接続する二段継ぎ鋼板アーク11を
図9〜
図12を参照して説明する。なお、二段継ぎ鋼板セル10と同一構成部材には同一名称を付して説明する。この二段継ぎ鋼板アーク11は、海底の地盤15に打ち込まれる前後一対の第1アーク61と、この第1アーク61の上端部に接続された前後一対の第2アーク71からなる。
【0033】
第1アーク61は、周方向に所定間隔で複数個(図は二分割)に分割された胴板ブロック62が胴軸心O方向に沿う分割部でブロック継ぎ手63を介して接合されて平面視円弧形に形成されている。前記ブロック継ぎ手63は、胴板ブロック62の第1アーク胴板64に胴軸心O方向に沿う両縁部の内面にL形ビーム材63aをそれぞれ取り付け、これらL形ビーム材63aを複数のボルト(図示せず)により互いに連結した後、両胴板ブロック62の第1アーク胴板64の両縁部同士を溶接して結合されている。また図示していないが、胴板ブロック62の内周面には、胴軸方向に沿う複数の縦リブが周方向に所定ピッチで取り付けられるとともに、円周方向にそう周方向リブが上下方向に所定ピッチで取り付けられている。
【0034】
第2アーク71は、周方向に所定間隔で複数個(図は二分割)に分割された胴板ブロック72が胴軸心O方向に沿う分割部でブロック継ぎ手73を介して接合して円筒形の形成したものである。ブロック継ぎ手73は、胴板ブロック72の第2アーク胴板74に胴軸心O方向に沿う両縁部の内面に継ぎ手フランジ73aをそれぞれ取り付け、これら継ぎ手フランジ73aを複数のボルト(図示せず)により連結した後、両胴板ブロック72の第2アーク胴板74の両縁部同士を溶接して接合されている。また第2アーク胴板74の内周面には、胴軸O方向に沿う複数の縦リブ78が周方向に所定ピッチで取り付けられ、また円周方向に沿う周方向リブ(図示せず)が上下方向に所定位置に取り付けられている。
【0035】
第1アーク61と第2アーク71との接合部構造を
図11、
図12を参照して説明する。
第1アーク61の第1アーク胴板64の内周面で中間部と上部近傍に、前記周方向リブとは別の、第1アーク61の円弧形状を保持するための中間内周リブ65Mおよび上部内周リブ65Uが全周にわたって取り付けられている。また上部内周リブ65Uの上部で第1アーク胴板64の内周面に、第2アーク61の第2アーク胴板64が外周側に嵌め合わせられる頭部補強板(頭部補強部材)66が全周にわたって取り付けられており、頭部補強板66の上端部は、第1アーク胴板64の上端より後退長さ:Uだけ下方に後退されている。さらに頭部補強板66と第1アーク胴板64の上端部には、第2アーク71の第2アーク胴板74の下端部を頭部補強板66の外周部に案内する内外一対のガイドピース67A,67Bが周方向に所定ピッチで取り付けられている。これらガイドピース67A,67Bは傾斜辺を有する略直方体状に形成されて、頭部補強板66の上端部から所定距離だけ突出して取り付けられている。そして、互いに対面する面には、下方ほど互いに接近する傾斜ガイド面67aがそれぞれ形成され、高さ方向では傾斜ガイド面67aの下端部が頭部補強板66の上端位置に位置している。
【0036】
一方、第2アーク71の第2アーク胴板74の内面で下端から所定距離上方に、内側のガイドピース67Aにそれぞれ対向して受けピース75が取り付けられて、内側のガイドピース67Aの上端受け面67cにそれぞれ当接されるように構成されている。これら受けピース76は、下面に上端受け面67cが当接する受け板75aと、この受け板75aの上部に取り付けられて負荷を支持する複数の補強材75bとで構成されている。そしてこの受け板75aの下面は、内側のガイドピース67の上端受け面67cが当接する第2アーク71の外嵌状態で、第1アーク胴板64上端と第2アーク胴板74下端との間に、外周溶接部WoのためのルートギャップRを形成するように、ガイドピース67Aと受けピース76上下位置が設定されている。
【0037】
さらに第2アーク71には、第2アーク胴板74に、少なくともブロック継ぎ手73の下部が所定長さで開放されて調整用スリット76が形成されている。これら調整用スリット76は、継ぎ手フランジと溶接部を削除することで、第2アーク胴板74の変形を許容し、ガイドピース67A,67Bに案内される第2アーク胴板74の下端部を頭部補強板66の外周部に容易に外嵌させることができる。なお、調整用スリット76をブロック継ぎ手23以外の部位に胴軸心O方向に沿って形成することもできる。
【0038】
さらにまた
図11(d)に示すように、第1アーク61の内周面に胴軸O方向に沿って突設された縦リブ68は、第1アーク胴板64および頭部補強板66の内面に垂設固定されて、その上端部が頭部補強板66の上端より僅かに低い位置にある。第2アーク71の各縦リブ78は、第2アーク胴板74の内面に垂設され、各上端部は、第2アーク鋼板74の下端より所定距離だけ高い位置にあり、第1アーク61と第2アーク71の接合時に、第1アーク61の縦リブ68と第2アーク71の縦リブ78との間に隙間dが生じるように設定されている。このため、第1、第2アーク61,71の縦リブ68,78同士が接触することがない。そして第1、第2アーク61,71の接続に際しては、縦リブ68,78間に連結板68aを取り付けて複数のボルト68bにより連結固定し、溶接までの仮固定を行うエレクションピースとして使用することで、別途エレクションピースの取り付け、取り外しが不要となり、部品点数を削減することができる。
【0039】
第1アーク61および第2アーク71の両側縁部に、アーク継ぎ手29に嵌合されて接続されるT字形継ぎ手69,79がそれぞれ設けられている。
上記鋼板セル・アークの設置工法を説明する。
【0040】
この二段継ぎ鋼板セル・アークの設置工法は、第1セル21を海底の地盤15中に打ち込んで、第1セル21の第1胴板24の上端が水面上の所定高さになるまで貫入させる。そして、第1胴板24の内周面に取り付けられた頭部補強板26に、第2セル31の第2胴板34を外嵌させて、第1セル21に第2セルを接続し、第1胴板24の上端部と第2胴板34の下端部とを周方向溶接により接合する。
【0041】
さらに第1アーク61の両側縁部に設けられたT字形継ぎ手69を、第2セル31のアーク継ぎ手29にそれぞれ嵌合させて第1アーク61と鋼板セル10とを連結しつつ沈下させ、ついで第1アーク61を海底の地盤15に打ち込んで第1アーク胴板64の上端が水面上の所定高さになるまで貫入させる。さらに、第2アーク71の両側縁部に設けられたT字形継ぎ手79を、第2セル31のアーク継ぎ手29に嵌合して第2アーク胴板74と鋼板セル10とを連結しつつ第2アーク胴板74を下降させ、下端部を第1アーク胴板64の内周面に取り付けられた頭部補強板66に外嵌させて、第1アーク胴板64に第2アーク胴板74を接続する。さらに第1アーク胴板64の上端部と第2アーク胴板74の下端部とを周方向溶接により接合するものである。
【0042】
すなわち、(1)クレーン船で設置海域に輸送した第1セル21を、クレーンにより吊下具を介して所定位置に沈設し、吊下具に付設されたバイブロハンマー17により第1セル21を海底の地盤15中に打ち込み、
図3(a)に示すように、第1胴板24の上端が水面からたとえば1〜2m程度となる位置で打ち止めする。
【0043】
(2)
図3(b)、
図4に示すように、クレーン船のクレーンにより吊下具を介して第2セル31を吊り上げて、第1セル21の上方からゆっくりと下ろす。次いで、ガイドピース27の上方に受けピース35を位置決めし、さらに第1胴板34の下端部をガイドピース27の外側に位置させ、
図3(c)に示すように、傾斜ガイド面27aを利用して第2胴板34の下端部を案内し頭部補強板26の外周部に嵌め込む。そして、
図6(c)に示すように、第1胴板24の下端部と第2胴板34の下端部との間にルートギャップRを形成する。この時、第2胴板34の下部に調整用スリット36が形成されているので、第2胴板34の下部を変形させて目違い調整を容易に行うことができる。したがって、第1,第2セル21,31の製造変形や、第1セル21の打ち込み変形があったとしても、第2胴板34を容易かつ短時間に第1セル21の胴部補強板26に外嵌させることができる。
【0044】
(3)
図7(b)に示すように、第1セル21および第2セル31の縦リブ28,38の接続部に連結板28aを配置してボルト28bにより結合し、第1セル21と第2セル31とを接続する。これにより、クレーン付きの吊下具を第2セル31から離脱させることができる。これら縦リブ28,38の接続部は、接続完了後は、そのまま連結具として使用される。
【0045】
さらに第1胴板24と第2胴板34の間に形成されたルートギャップRに沿って、第1胴板24および/または第2胴板34に溶接機用の走行レール(図示せず)を取り付け、走行レールに沿って溶接機を走行させて、
図6(d)に示すように、頭部補強板26を裏当て板として、外周側からルートギャップRを溶接して外周溶接部Woを形成する。また第1、第2セル21,31のブロック継ぎ手23,33の接合部分では、
図7(a)に示すように、調整用スリット36を含む隙間を覆う裏当て金36aを取り付けて、外周側から溶接する。
【0046】
(4)
図3(d)に示すように、バイブロハンマー17により第2、第1セル31,21を所定深さまで海底の地盤15中に打ち込む。
(5)複数の鋼板セル10が設置されると、次いで鋼板アーク11が設置される。
図10(a)に示すように、クレーン船のクレーンにより吊下具を介して一方の第1アーク61を吊り上げて、隣接する鋼製セル10間に配置し、上方から第1アーク61のT字形継ぎ手69を第2セル31のアーク継ぎ手29に嵌め込み、上方から海底の地盤15まで沈降させる。さらに吊下具に付設されたバイブロハンマー17により第1アーク61を海底の地盤15中に打ち込み、第1アーク胴板64の上端が水面からたとえば1〜2m程度となる位置で打ち止めする。
【0047】
(6)クレーン船のクレーンにより吊下具を介して第2アーク71を吊り上げて、第1アーク61の上方にゆっくりと下ろす。第2アーク71のアーク継ぎ手29に、上方から第2アーク71のT字形継ぎ手79を嵌め込んで降下させ、第2アーク71の姿勢を調整して、受けピース75をガイドピース67Aの上方に対峙させる。そして第1アーク胴板64の下端部を、ガイドピース67A,67Bの傾斜ガイド面67a,77aに案内させて、頭部補強板66の外周部に嵌め込む。この時、第2アーク胴板74の下部に調整用スリット76が形成されているので、第2アーク胴板74の下端部を容易に変形させて目違い調整を行うことができる。したがって、第1、第2アーク61,74の製造時の変形や打ち込み変形があったとしても、第2アーク胴板74を容易かつ短時間で第1アーク61の胴部補強板66に外嵌させることができる。
【0048】
(7)第1アーク61および第2アーク71の縦リブ68,78に連結板68aを配置してボルトにより結合する。さらに、図示しないが、第1アーク胴板64と第2アーク胴板74の間に形成されたルートギャップRに沿って、第1アーク胴板64および/または第2アーク胴板74に溶接機用走行レールを取り付け、走行レールに沿って溶接機を走行させて外周側からルートギャップRを外周溶接する。また第1、第2アーク61,71のブロック継ぎ手63,73の接合部分では、調整用スリット76を含む隙間に裏当て金36aを取り付けて、外周側から溶接して外周溶接部Woを形成する。
【0049】
(8)バイブロハンマー17により第1、第2アーク61,71を所定深さまで海底の地盤15中に打ち込む。
上記実施例1によれば、据付現場で、バイブロハンマー17を使用して下部を海底の地盤15に貫入した筒状の第1セル21上に、筒状の第2セル31を接合して鋼板セル10を組み立てるので、必要な高さを確保した単一鋼板セルに比較して、第1セル21および第2セル31の高さをそれぞれ低くすることができる。これにより、輸送時、製作時、打設時などに航空機飛行ライン、送電線、橋梁の高さ制限を容易にクリアすることができる。また第1胴板24の上端部に取り付けられた頭部補強板26の外周部に、第2セル31の第2胴板34を嵌め合わせて、第1セルの上端に第2セルを接続するので、湾岸などの据付現場での組立てを容易に実施できて、周方向溶接により短時間で組み立てることができる。
【0050】
また第1胴板24の上端部に取り付けた頭部補強板26に、ガイドピース27を取り付けて、第2胴板34の下端部を頭部補強板26の外周部に案内するとともに、上端胴板34の下部に複数の調整用スリット36を形成して第2胴板34の下端部の変位ができるようにしたので、第2胴板34の下端部を容易に変形させて頭部補強板26にスムーズに嵌合させることができ、第2セル31の接続作業を容易かつ短時間に行うことができる。また外周溶接に際して頭部補強板26を裏当て板として使用することができ、溶接に必要な部材を削減できるとともに工期を短縮することができる。
【0051】
さらに、第2胴板34の内面に設けたられた受けピース35を、ガイドピース27により受け止めて、第1胴板24と第2胴板34との間にルートギャップRを形成することができ、溶接による接合作業を迅速且つ短時間に実施することができる。
【0052】
さらにまた、調整用スリット36をブロック継ぎ手33の下部に形成したので、容易かつ短時間に調整用スリット36を形成することができる。
また、二段継ぎ鋼板アーク11の接続部も同様に構成することにより、鋼製セル10と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
[実施例2]
実施例1では、第1胴板24と第2胴板34とのルートギャップRを外周溶接により接合したが、海上での作業となるため、波浪などの海象条件に左右されるおそれがある。実施例2では、第1胴板24と第2胴板34とのルートギャップRを内周溶接により接合するようにしたもので、
図13を参照して説明する。なお、実施例1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
すなわち、第1セル(下段側セル)21と第2セル31(上段側セル)からなる二段継ぎ鋼板セル10であって、第1セル21の第1胴板24の上部内周面に、第1セル21の形状を保持する上部内周リブ円周25Uを取り付けるとともに、第1胴板24の上端部内周面に、上端が第1胴板24の上端より所定長さLだけ後退される頭部補強板26を取り付けている。また第1胴板26の上端部外周面に、第1胴板24の上端より上方に突出される裏当て板40を全周にわたって取り付けている。
【0055】
さらに第2セル21の第2胴板34の下部に形成された調整用スリット36と、頭部補強板26の内面に取り付けられたガイドピース27は実施例1と同じである。
上記構成において、クレーン船のクレーンにより吊下具を介して第2セル31を、ガイドピース27の上方に受けピース35が位置するように対峙させて、第1セル21の上方からゆっくりと下ろす。そして、第1胴板24の下端部を、ガイドピース27の傾斜ガイド面27aを利用して案内し、第1胴板24の上端で裏当て板40の内周部に嵌め込み、第2胴板34の下部に調整用スリット36により、第2胴板34の下端部の変形や目違い調整を行う。
【0056】
さらに第1セル21および第2セル31の縦リブ28,38の接続部に28aを介してボルト28bにより結合し、第1セル21と第2セル31とを接続する。
さらに第1胴板24と第2胴板34の間に形成されたルートギャップRに沿って、第2胴板34の内周面および/または頭部補強板26の内周面に溶接機用走行レール(図示せず)を取り付け、走行レールに沿って溶接機を走行させて内周側から裏当て板40を使用して溶接し、内周溶接部Wiを形成する。
【0057】
上記実施例2によれば、第1胴板24の上端部に取り付けた頭部補強板26に、ガイドピース27を取り付けて、第2胴板34の下端部を第1胴板24の上端部で裏当て板40の内周部に案内するとともに、第2胴板31の下部に形成された調整用スリット36により第2胴板34の下端部の変位を変位させることができるので、第2胴板34の下端部を、裏当て板40の内周部で第1胴板24の上端部の上方にスムーズに嵌合させることができ、第2セル31の接続作業を第1,第2セル21,31の内周側から容易かつ短時間に行うことができ、波浪などの海象に溶接作業が左右されることが少ない。
【0058】
なお、鋼板セル10に内周側から溶接して内周溶接部Wiを形成したが、鋼板アーク11の第1アーク61および第2アーク71の接続部も同様に構成することができる。
[実施例3]
三段継ぎ鋼板セル・アークの実施例3を、
図14〜
図16を参照して説明する。
【0059】
三段継ぎ鋼板セル・アークは、第1セル(下段側セル)21、中間セル(上段側セル、下段側セル)1および第2セル(上段側セル)31により上下に三分割された三段継ぎ鋼板セル12と、第1アーク61、中間アーク81および第2アーク71により上下に三分割された三段継ぎ鋼板アーク13を具備している。
【0060】
そしてこれら三段継ぎ鋼板セル・アークにおいて、中間セル41は、複数の胴板ブロック42が胴軸O方向のブロック継ぎ手43を介して周方向に接続されて、中間胴板44により筒状に形成されている。また中間アーク81は、複数の胴板ブロック82が胴軸O方向のブロック継ぎ手83を介して周方向に接続されて、中間アーク胴板84により円弧状に形成されている。そして、第1セル・アーク21,61と中間セル・アーク61,81の接続部は、実施例1と同一の接続部構造であり、また中間セル・アーク61,81と第2セル・アーク31,71の接続部は、実施例1と同一の接続部構造である。したがって、中間セル・アーク41,81の下端側は、第2セル31の上端側と同一に構成され、中間セル・アーク41,81の上端側は、第1セル21の上端側と同一に構成される。このため、実施例1と同一の構成部材には同一符号を付して説明は省略する。
【0061】
この実施例3におけるまた据付現場における設置工法は、二段継ぎ接続を二回繰り返して三段継ぎに接続するもので、第1セル・アーク21,61および中間セル・アーク41,81の接続作業と、中間セル・アーク41,81および第2セル・アーク31,71の同一の接続作業を二度繰り返すことになる。
【0062】
上記実施例によれば、据付現場で第1セル・アーク21,61上に中間セル・アーク41,81を、中間セル41上に第2セル31,81をそれぞれ接続して組み立てるので、第1、中間、第2の各セル21,41,31および第1、中間、第2の各アーク61,81,71の高さをそれぞれ低くすることができ、輸送、製作、打設などの実施域で高さ制限があっても、大型で高さのある鋼板セルの輸送、製作、打設を容易に行うことができる。
【0063】
また接続部構造においても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
なお、第1セル21上と中間セル41の接続部、および中間セル41と第2セル31の接続部を、実施例2と同一構造により構成することができる。
【0064】
また鋼板セル10,12を円形断面に形成したが、楕円形断面や長円形断面、俵形断面などであってもよい。さらに、鋼板アーク11,13を円弧状断面に形成したが、他の湾曲形状や平板形状であってもよい。また中込材を充填しない形式であってもよい。
【0065】
さらに、上記各実施例では、鋼板セル・アークを「海底の地盤」に直接打設したが、海底に限るものではなく、護岸や岸壁など陸上の地盤であってもよい。