(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モード切替部は、前記手動モードに切り替えて以降、前記カバーが閉じられたことを前記開閉検知部が検知したとき、前記自動モードに切り替えるための操作を前記操作部が受け付けていなかったとしても、前記手動モードから前記自動モードに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
前記モード切替部は、前記手動モードに切り替えて以降、前記自動モードに切り替えるための操作を前記操作部が受け付けたとき、前記カバーが閉じられたことを前記開閉検知部が検知していなかったとしても、前記手動モードから前記自動モードに切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の後処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態による後処理装置を備えた画像形成装置について、複数種のジョブの実行が可能な画像形成装置(複合機)を例にとって説明する。
【0014】
(後処理装置を備えた画像形成装置の構成)
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、操作パネル101、原稿搬送部102A、画像読取部102B、給紙部103、用紙搬送部104、画像形成部105および定着部106を備える。このうち、給紙部103、用紙搬送部104、画像形成部105および定着部106の各部は印刷を伴うジョブ(印刷ジョブ)の実行に必要な機構部であり、本発明の「印刷部」に相当する。以下、印刷ジョブの実行に必要な機構部を印刷部107と称する場合がある。
【0015】
操作パネル101は、タッチパネル付きの液晶表示部11を含む。この液晶表示部11は、各種設定を受け付けるためのソフトキーやメニューを表示する。また、操作パネル101には、数値入力を受け付けるためのテンキーや、各種ジョブの実行指示を受け付けるためのスタートキーなどのハードキーも設けられている。
【0016】
原稿搬送部102Aは、画像読取部102Bの装置背面側に設けられた回転軸(図示せず)を支点として開閉可能に取り付けられている。この原稿搬送部102Aは、原稿セットトレイ21にセットされた原稿Dを引き出し、搬送読取用コンタクトガラスC1の上方に送って原稿排出トレイ22に排出する。また、原稿搬送部102Aは、載置読取用コンタクトガラスC2に載置された原稿Dを押える機能も有する。
【0017】
画像読取部102Bは、原稿Dをスキャンし、原稿Dの画像の画像データを生成する。この画像読取部102Bには、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。そして、画像読取部102Bは、搬送読取用コンタクトガラスC1を通過する原稿Dまたは載置読取用コンタクトガラスC2に載置される原稿Dに光を照射し、その原稿Dからの反射光を受けたイメージセンサーの出力値をA/D変換することによって原稿Dの画像の画像データを生成する。
【0018】
給紙部103は、用紙Pを収容するカセット31を有し、カセット31内の用紙Pを本体搬送路10に供給する。給紙部103には、カセット31内の用紙Pを引き出すピックアップローラー32が設けられている。また、給紙部103には、カセット31内から引き出される用紙Pの重送を抑制しつつ、用紙Pを本体搬送路10に供給する給紙ローラー対33が設けられている。
【0019】
用紙搬送部104は、本体搬送路10に供給された用紙Pを本体搬送路10に沿って搬送し、画像形成部105および定着部106を経由して後述する後処理装置200の搬入口201に導く。この用紙搬送部104は、本体搬送路10に回転可能に設置された搬送ローラー対41を複数含む。複数の搬送ローラー対41のうちの1組はレジストローラー対42であり、用紙Pを画像形成部105の手前で待機させ、タイミングを合わせて画像形成部105に送り出す。
【0020】
画像形成部105は、印刷すべき画像の画像データに基づきトナー像を形成し、そのトナー像を用紙Pに転写する。画像形成部105は、感光体ドラム51、帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラー55およびクリーニング装置56を含む。
【0021】
画像形成時には、感光体ドラム51が回転駆動し、その感光体ドラム51の表面を帯電装置52が所定電位に帯電させる。また、露光装置53は、露光用の光ビームLを出力する発光素子(図示せず)を有し、その発光素子を点消灯させつつ感光体ドラム51の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム51の表面に静電潜像を形成する。現像装置54は、感光体ドラム51の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。
【0022】
転写ローラー55は、感光体ドラム51の表面に圧接して回転可能となっている。そして、レジストローラー対42がタイミングを計り、転写ローラー55と感光体ドラム51との間に用紙Pを進入させる。これにより、感光体ドラム51の表面のトナー像が用紙Pに転写される。この後、クリーニング装置56は、感光体ドラム51の表面に残留するトナーなどを除去する。
【0023】
定着部106は、用紙Pに転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。この定着部106は、発熱源を内蔵する定着ローラー61と、定着ローラー61に圧接される加圧ローラー62とを含む。そして、トナー像が転写された用紙Pは、定着ローラー61と加圧ローラー62との間を通過することで、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着され、印刷が完了する。
【0024】
また、画像形成装置100は、印刷済みの用紙Pに対して後処理を施す後処理装置200を備える。後処理装置200は、本体搬送路10に接続される搬入口201を有し、その搬入口201を介して印刷済みの用紙Pの供給を受ける。そして、後処理装置200は、印刷済みの用紙Pに対して、たとえば、パンチ処理、ステープル処理および折り畳み処理などを行う。
【0025】
(後処理装置の構成)
図2に示すように、後処理装置200は、搬入口201から搬入された用紙Pを後処理搬送路20に沿って搬送し、用紙Pに対して後処理を施す。このため、後処理装置200には、用紙Pを搬送するための搬送ローラー対202が複数設けられている。なお、搬送ローラー対202は、本発明の「搬送部」に相当する。
【0026】
また、後処理装置200は、パンチユニットU1、ステープルユニットU2およびブックレットユニットU3などを含む。パンチユニットU1は、用紙Pに対してパンチ処理を行う。ステープルユニットU2は、用紙Pに対してステープル処理を行う。ブックレットユニットU3は、用紙Pに対して折り畳み処理を行う。
【0027】
パンチユニットU1は、後処理搬送路20の上流側(搬入口201の近傍)に配置されている。そして、後処理搬送路20は、パンチユニットU1の下流側において、搬送路20a、20bおよび20cの3つに分岐している。
【0028】
搬送路20aは、排紙トレイ203に繋がる。そして、ステープル処理や折り畳み処理を行わない場合には、パンチユニットU1を通過した用紙Pが搬送路20aを介して排紙トレイ203に排出される。
【0029】
搬送路20bは、排紙トレイ203とは別の排紙トレイ204に繋がる。搬送路20bにより規定される搬送経路の途中(排紙トレイ204に至る直前)には、処理トレイ205が設けられている。そして、ステープル処理を行う場合には、搬送路20bを介して用紙Pを処理トレイ205に搬送し、処理トレイ205の載置面に複数枚の用紙Pを積層させる。なお、ステープル処理は、処理トレイ205の載置面に積層された複数枚の用紙Pの束(以下、単に用紙束と称する場合がある)に対して行われる。
【0030】
搬送路20cは、ブックレットユニットU3に繋がる。そして、折り畳み処理を行う場合には、搬送路20cを介して用紙PをブックレットユニットU3に搬送する。
【0031】
また、後処理搬送路20が分岐している箇所には、パンチユニットU1から送られてきた用紙Pを一時的に待避させる待避部206が設けられている。待避部206は、回転駆動する待避ドラム206aに用紙Pを巻回し、用紙Pを待避させる(処理トレイ205への用紙Pの搬送を遅らせる)。
【0032】
さらに、後処理搬送路20が分岐している箇所(待避ドラム206の周囲)には、用紙Pの搬送経路を切り替えるための複数の切替爪207a、207bおよび207cが設けられている。そして、ステープル処理や折り畳み処理を行わない場合には、搬送路20aの進入口を開く方向に切替爪207aを回動させる。これにより、パンチユニットU1を通過した用紙Pは、搬送路20aに進入し、排紙トレイ203に送られる。
【0033】
ステープル処理を行う場合には、搬送路20aの進入口を閉じる方向に切替爪207aを回動させる。このとき、用紙Pの待避が不要であれば、搬送路20bの進入口を開く方向に切替爪207bを回動させる。これにより、用紙Pが搬送路20bに進入し、処理トレイ205に導かれる。一方で、用紙Pの待避が必要であれば、搬送路20bの進入口を閉じる方向に切替爪207bを回動させる。これにより、用紙Pは搬送路20bに進入せず、待避部206に進入する。
【0034】
ここで、処理トレイ205は、その一端側(排紙トレイ204側)から他端側に向かって斜め下方向に傾くように配置されている。また、処理トレイ205の一端側には、用紙Pを排紙トレイ204に排出するための排出ローラー対208(上部ローラー208aおよび下部ローラー208b)が設けられている。上部ローラー208aにはアーム209の一端が接続され、そのアーム209の他端には回動軸210が接続されている。これにより、回動軸210を支点としてアーム209の一端を上方向に回動させると、上部ローラー208aが上方向に移動するので、上部ローラー208aを下部ローラー208bから離すことができる。一方で、回動軸210を支点としてアーム209の一端を下方向に回動させると、上部ローラー208aが下方向に移動するので、上部ローラー208aを下部ローラー208bに近づけることができる。
【0035】
処理トレイ205に用紙Pを載置するときには、上部ローラー208aを下部ローラー208bから離間させ、上部ローラー208aと下部ローラー208bとの間に用紙Pの先端を進入させる。その後、たとえば、図示しないパドルにより、処理トレイ205の載置面に沿って用紙Pを斜め下方向に移動させる(あるいは、用紙Pが自重により処理トレイ205の載置面に沿って斜め下方向に移動する)。そして、ステープルユニットU2は、処理トレイ205の他方端側に配置され、処理トレイ205に載置された用紙束に対してステープル処理を行う。
【0036】
ステープル処理された用紙束を排紙トレイ204に排出するときには、上部ローラー208aを下部ローラー208bに近づけることにより、上部ローラー208aと下部ローラー208bとで用紙束を挟み込む。これにより、上部ローラー208aおよび下部ローラー208bを回転させることにより、排出口211を介して、ステープル処理された用紙束が排紙トレイ204に排出される。
【0037】
なお、処理トレイ205には、用紙Pの幅方向(搬送方向と直交する方向)に移動可能なガイド205aが設けられている。このようなガイド205aを処理トレイ205に設けることにより、処理トレイ205に載置された用紙束を用紙Pの幅方向にシフトさせることができる。すなわち、排出トレイ204に排出される用紙束を用紙Pの幅方向にシフトさせ、用紙束を仕分けることができる。
【0038】
折り畳み処理を行う場合には、搬送路20aの進入口を閉じる方向に切替爪207aを回動させるとともに、搬送路20bの進入口を閉じる方向に切替爪207bを回動させ、搬送路20cの進入口を開く方向に切替爪207cを回動させる。これにより、用紙Pが搬送路20cに進入し、ブックレットユニットU3に導かれる。
【0039】
(ステープル処理の自動モードと手動モード)
後処理装置200は、ステープル処理に関して、自動モードと手動モードとの切り替えが可能となっている。たとえば、画像形成装置100(後処理装置200)の起動時には、ステープル処理の処理モードが自動モードとなるよう設定されている。そして、自動モードの状態でモード切替操作が行われることによって、自動モードから手動モードに切り替わる。
【0040】
自動モードでは、画像形成装置100(印刷部107)が印刷ジョブを実行し、印刷済みの用紙Pを後処理装置200に供給する。そして、ステープルユニットU2は、搬送ローラー対202により処理トレイ205に搬送された用紙P(用紙Pが複数枚積層されて成る用紙束)に対してステープル処理を実行する。
【0041】
一方で、手動モードでは、ステープルユニットU2は、ユーザーによって処理トレイ205に載置された用紙Pに対して、ユーザーからの実行指示を受けてステープル処理を実行する。ユーザーは、後処理装置200に設けられたモード切替操作部220(
図3参照)に対して操作を行うことにより、自動モードから手動モードへの切替指示を行ったり、ステープル処理の実行指示を行ったりする。なお、モード切替操作部220の構成については後に詳細に説明する。
【0042】
ステープル処理の処理モードが自動モードから手動モードに切り替わると、上部ローラー208aが下部ローラー208bから離れる方向(上方向)に移動し、上部ローラー208aと下部ローラー208bとの間に間隙が生じる。これにより、排出口211から用紙束を挿入し、その用紙束を処理トレイ205に載置することができるようになる。
【0043】
(モード切替操作部の構成)
後処理装置200の装置正面側には、自動モードと手動モードからなるステープル処理の処理モードを切り替えるための操作をユーザーから受け付けるモード切替操作部220が設けられている(
図1参照)。なお、モード切替操作部220は、本発明の「操作部」に相当する。
【0044】
モード切替操作部220は、
図3に示すように、自動モードと手動モードとの切り替えを受け付けるための切替キーCK、および、手動モードのときにステープル処理の実行指示を受け付けるための実行キーPKを含む。また、モード切替操作部220には、手動モード時のステープル位置に関する現時点の設定を指し示す指示ランプ221(221a、221bおよび221c)が複数設けられている。
【0045】
指示ランプ221は、自動モードから手動モードに切り替わると点灯し、手動モードから自動モードに切り替わると消灯する。具体的には、自動モードのときには、指示ランプ221a〜221cの全てが消灯している。これにより、ユーザーは、現在の処理モードが自動モードであることを認識する。そして、自動モードのときに切替キーCKが押下されると、自動モードから手動モードに切り替わり、複数の指示ランプ221のうちの1つが点灯する。これにより、ユーザーは、自動モードから手動モードに切り替わったことを認識する。
【0046】
たとえば、自動モードのときに切替キーCKを押下すると、自動モードから手動モードに切り替わり、指示ランプ221aが最初に点灯する。切替キーCKを繰り返し押下すると、指示ランプ221a→指示ランプ221b→指示ランプ221cの順で点灯する指示ランプ221が変更される。すなわち、手動モード時のステープル位置の設定が順次変更される。そして、指示ランプ221cが点灯しているときに切替キーCKを押下すると、手動モードから自動モードに切り替わり、指示ランプ221a〜221cの全てが消灯した状態となる。
【0047】
また、
図4に示すように、モード切替操作部220の設置箇所には、カバー222が開閉可能に取り付けられている。このカバー222は、閉じられているときにはモード切替操作部220を覆う。一方で、カバー222は、開けられているときにはモード切替操作部220を露出させる。すなわち、モード切替操作部220に対する操作が可能となる。
【0048】
(後処理装置を備えた画像形成装置のハードウェア構成)
図5に示すように、画像形成装置100は、装置全体の制御を行う主制御部110を備える。この主制御部110は、メインCPU111、画像処理部112および記憶部113を含む。画像処理部112は、画像処理専用のASICなどからなっており、画像データに対して各種画像処理(拡大/縮小、濃度変換およびデータ形式変換など)を施す。記憶部113は、ROMおよびRAMなどを含み、たとえば、ジョブの実行に必要なプログラムおよびデータがROMに記憶され、それらプログラムおよびデータがRAMに展開される。
【0049】
また、主制御部110には、パネル制御部120およびスキャン制御部130が接続される。パネル制御部120は、CPUおよびメモリー(図示せず)を含み、主制御部110から指示を受け、操作パネル101の表示動作を制御する。スキャン制御部130は、CPUおよびメモリー(図示せず)を含み、主制御部110から指示を受け、原稿搬送部102Aの原稿搬送動作や画像読取部102Bのスキャン動作を制御する。
【0050】
また、主制御部110には、エンジン制御部140が接続される。エンジン制御部140は、エンジンCPU141およびメモリー142を含み、主制御部110から指示を受け、印刷部107(給紙部103、用紙搬送部104、画像形成部105および定着部106)の印刷動作を制御する。
【0051】
エンジン制御部140には、後処理制御部150が接続される。後処理制御部150は、CPU151およびメモリー152を含む。そして、後処理制御部150は、主制御部110からの指示をエンジン制御部140を介して受け、後処理装置200により実行される後処理動作を制御する。
【0052】
この後処理制御部150は、モード切替操作部220と接続される。そして、後処理制御部150は、モード切替操作部220に対する操作に応じて、自動モードと手動モードからなるステープル処理の処理モードを切り替える。すなわち、後処理制御部150は、本発明の「モード切替部」に相当する。
【0053】
また、後処理制御部150は、カバー222(モード切替操作部220を覆うためのカバー)の開閉を検知するためのカバー開閉検知センサー223と接続される。カバー開閉検知センサー223は、カバー222が開いているときと閉じているときとで出力を変動させる。これにより、カバー開閉検知センサー223の出力に基づき、カバー222の開閉を検知することができる。このカバー開閉検知センサー223の出力は、後処理制御部150が受け、後処理制御部150がカバー222の開閉を検知する。すなわち、カバー開閉検知センサー223が接続された後処理制御部150は、本発明の「開閉検知部」に相当する。
【0054】
主制御部110には、通信部160も接続される。通信部160は、外部装置300とネットワークを介して接続され、主制御部110から指示を受け、外部装置300との間で通信する。これにより、外部装置300から送信される画像データに基づき印刷を行うことができる。また、外部装置300に画像データを送信することもできる。外部装置300は、たとえば、ユーザー端末、サーバーおよびファックス装置などである。
【0055】
(ステープル処理の処理モードの切り替え)
本実施形態では、モード切替操作部220がカバー222で覆われているので、カバー220を開けなければモード切替操作部220に対する操作を行えない。このため、ユーザーは、ステープル処理の処理モードを自動モードから手動モードに切り替えるときは、先ずカバー222を開ける。
【0056】
このとき、後処理制御部150は、カバー開閉検知センサー223の出力に基づき、カバー222が開けられたことを検知する。そして、後処理制御部150は、カバー222が開けられたことを検知している状態で、手動モードに切り替えるための操作をモード切替操作部220が受け付けたとき、自動モードから手動モードへの切替要求を主制御部110に送信する。その後、後処理制御部150は、主制御部110から指示を受け、自動モードから手動モードに切り替える。
【0057】
なお、主制御部110は、後処理制御部150に対して自動モードから手動モードへの切り替えを指示して以降、手動モードから自動モードへの切替要求を後処理制御部150から受けるまで、印刷ジョブを実行させない(印刷済みの用紙Pが後処理装置200に供給されない)。したがって、手動モードでは、画像形成装置100において印刷ジョブを実行することができない。
【0058】
また、後処理制御部150は、手動モードに切り替えて以降、カバー222が閉じられたことを検知したとき、自動モードに切り替えるための操作をモード切替操作部220が受け付けていなかったとしても、手動モードから自動モードへの切替要求を主制御部110に送信する。その後、後処理制御部150は、主制御部110から指示を受け、手動モードから自動モードに切り替える。このときには、手動モードから自動モードに切り替えられているので、画像形成装置100において印刷ジョブを実行することができるようになっている。
【0059】
さらに、後処理制御部150は、手動モードに切り替えて以降、自動モードに切り替えるための操作をモード切替操作部220が受け付けたとき、カバー222が閉じられたことを検知していなかったとしても、手動モードから自動モードへの切替要求を主制御部110に送信する。その後、後処理制御部150は、主制御部110から指示を受け、手動モードから自動モードに切り替える。
【0060】
以下に、
図6のフローチャートを参照して、ステープル処理の処理モードを自動モードから手動モードに切り替えるときの動作について説明する。
【0061】
まず、
図6のフローチャートのスタートは、画像形成装置100(後処理装置200)の起動時である。なお、スタート時点では、ステープル処理の処理モードが自動モードになっている(カバー222が閉じられている)。
【0062】
ステップS1において、後処理制御部150は、カバー開閉検知センサー223の出力に基づきカバー222の開閉を検知し、カバー222が開けられたか否かを判断する。その結果、カバー222が開けられた場合には、ステップS2に移行する。一方で、カバー222が開けられていない場合(カバー222が閉じられている場合)には、ステープル処理の処理モードを切り替えずに自動モードのまま保持し、ステップS1の判断を繰り返す。
【0063】
ステップS2に移行すると、後処理制御部150は、手動モードに切り替えるためのモード切替操作をモード切替操作部220が受け付けたか否かを判断する。その結果、モード切替操作をモード切替操作部220が受け付けた場合には、ステップS3に移行する。一方で、モード切替操作をモード切替操作部220が受け付けていない場合には、ステープル処理の処理モードを切り替えずに自動モードのまま保持し、ステップS2の判断を繰り返す。
【0064】
ステップS3に移行すると、後処理制御部150は、ステープル処理の処理モードを自動モードから手動モードに切り替える。
【0065】
次に、
図7のフローチャートを参照して、ステープル処理の処理モードを手動モードから自動モードに切り替えるときの動作について説明する。
【0066】
まず、
図7のフローチャートのスタートは、ステープル処理の処理モードを手動モードから自動モードに切り替えたときである。すなわち、スタート時点では、ステープル処理の処理モードが手動モードになっている(カバー222が開けられている)。
【0067】
ステップS11において、後処理制御部150は、自動モードに切り替えるためのモード切替操作をモード切替操作部220が受け付けたか否かを判断する。その結果、モード切替操作をモード切替操作部220が受け付けた場合には、ステップS12に移行し、モード切替操作をモード切替操作部220が受け付けていない場合には、ステップS13に移行する。
【0068】
ステップS12に移行した場合には、後処理制御部150は、ステープル処理の処理モードを手動モードから自動モードに切り替える。
【0069】
ステップS13に移行した場合には、後処理制御部150は、カバー開閉検知センサー223の出力に基づきカバー222の開閉を検知し、カバー222が閉じられたか否かを判断する。その結果、カバー222が閉じられた場合には、ステップS12に移行し、ステープル処理の処理モードを手動モードから自動モードに切り替える。一方で、カバー222が閉じられていない場合(カバー222が開けられている場合)には、ステープル処理の処理モードを切り替えずに手動モードのまま保持し、ステップS11に戻る。
【0070】
本実施形態の後処理装置200は、上記のように、ステープル処理する用紙Pを載置するための処理トレイ205と、処理トレイ205に用紙Pを搬送する搬送ローラー対202(搬送部)と、自動モードでは、搬送ローラー対202により処理トレイ205に搬送された用紙Pに対してステープル処理を実行し、手動モードでは、ユーザーによって処理トレイ205に載置された用紙Pに対してステープル処理を実行するステープルユニットU2と、自動モードと手動モードとを切り替えるための操作を受け付けるモード切替操作部220(操作部)と、開閉可能に取り付けられ、閉じられているときにはモード切替操作部220を覆い、開けられているときにはモード切替操作部220を露出させるカバー222と、カバー222の開閉を検知するとともに、モード切替操作部220に対する操作に応じて、自動モードと手動モードとを切り替える後処理制御部150(開閉検知部、モード切替部)と、を備えている。そして、後処理制御部150は、カバー222が開けられたことを検知している状態で、手動モードに切り替えるための操作をモード切替操作部220が受け付けた場合に、自動モードから手動モードに切り替える。
【0071】
本実施形態の構成によると、後処理制御部150は、カバー222が開けられたことを検知している状態で、手動モードに切り替えるための操作をモード切替操作部220が受け付けた場合に、自動モードから手動モードに切り替える。すなわち、ユーザーは、ステープル処理の処理モードを自動モードから手動モードに切り替えるとき、先ずカバー222を開け、カバー222が開いた状態(モード切替操作部220が露出された状態)で、手動モードに切り替えるための操作をモード切替操作部220に対して行わなければならない。このため、ユーザーが意図せずモード切替操作部220に触れてしまうことによってステープル処理の処理モードが手動モードに切り替わる、という不都合が発生するのを抑制することができる。その結果、ステープル処理の処理モードが手動モードのまま放置される(自動モードでのジョブが実行できない状態のまま放置される)のを抑制することができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、後処理制御部150は、手動モードに切り替えて以降、カバー222が閉じられたことを検知したとき、自動モードに切り替えるための操作をモード切替操作部220が受け付けていなかったとしても、手動モードから自動モードに切り替える。これにより、カバー222を閉じるだけで、ステープル処理の処理モードを自動モードに切り替えることができるので、ユーザーの利便性がより向上する。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、後処理制御部150は、手動モードに切り替えて以降、自動モードに切り替えるための操作をモード切替操作部220が受け付けたとき、カバー222が閉じられたことを検知していなかったとしても、手動モードから自動モードに切り替える。これにより、ステープル処理の処理モードを自動モードに切り替えるための操作をモード切替操作部220に対して行っていれば、カバー222を閉め忘れたとしても、ステープル処理の処理モードが自動モードに切り替わる。
【0074】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。