(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0033】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、
図1乃至
図20を参照して説明する。
図1は、本発明における携帯型情報処理端末の構成を示す外観図であり、
図2は、携帯型情報処理端末の使用時の様子を示す図である。
図3乃至
図4は、携帯型情報処理端末の他の構成を示す外観図である。
図5は、携帯型情報処理端末の構成を示すブロック図であり、
図6は、携帯型情報処理端末にて表示される情報の表示制御を説明するための図である。
図7乃至
図20は、携帯型情報処理端末における情報入力時の様子を説明するための図である。
【0034】
[構成]
図1に、本発明の一実施の形態としての携帯型情報処理端末の一例を示す。なお、
図1(A)は、携帯型情報処理端末1の正面図であり、
図1(B)は側面図、
図1(C)は背面図を示す。また、
図5に、携帯型情報処理端末1の構成をブロック図にて示す。
【0035】
図1に示すように、携帯型情報処理端末1は、所定の厚みを有する略長方形状の1つの筐体にて形成されている。そして、筐体の正面(所定の面)には、タッチパネル2(表示装置)が設置されている。タッチパネル2は、
図1及び
図5に示すように、表示器21とタッチセンサ22から構成され、タッチセンサ22が外部から接触できるよう表示器21の外側に配置される。なお、表示器21は、文字や図形などの所定の情報を表示する一般的な表示装置である。
【0036】
また、携帯型情報処理端末1の筐体のタッチパネル2が設置された面と反対側に位置する背面には、入力デバイスである複数のキー3(操作キー)が設置されている。具体的に、複数のキー3は、筐体の外側に露出して設置されており、筐体側に向かって押下可能なよう構成されている。本実施形態では、複数のキー3は、5行×5列、つまり1行に5個のキーが5列にわたって配列されて設けられており、また、筐体の外側に向かって突出して構成されている。但し、複数のキー3の配列は、5行×5列であることに限定されず、また、筐体の外側に向かって突出して構成されていることに限定されない。
【0037】
また、各キー3は、最も奥深くまで押し込まれたこと(全押し)を検出する機能(全押し検出機能)に加え、全押しには至らないがその途中まで押し込まれること(半押し)を検出する機能(半押し検出機能)や、指や棒などが近接または接触したことを検出できる機能(タッチ検出機能)を有している。以降、半押し検出機能とタッチ検出機能を合わせて、それら検出を司るデバイスを、キータッチセンサ30と呼ぶ。もちろんこれらの機能を独立させて同時に有する場合も含まれる。
【0038】
なお、全押し検出機能と半押し検出機能は、個々のキーに内蔵される機能であるが、タッチ検出機能は個々のキーのみならず、キー間に配置されている場合もある。ここでは便宜上、キーに内蔵されているわけではないが、個々のキーについて個別に接触したか否か判定できる場合も、半押し検出機能として扱うこととする。また、応用用途に応じ、全押し検出機能のみを有するキーであっても、独立した全押し操作(前後の他の全押し操作とは予め定められた値以上の時間間隔があいている。)を上記説明における半押し、複数の連続した全押し操作(全押し操作の時間間隔が、予め定められた値よりも短い。)を上記説明における全押しと見なすことで、代替することができる。
【0039】
また、キー3は2次元タッチセンサを用いたソフトウェアキーボードとして構成することができる。具体的には、2次元タッチセンサの接触検出面を、スイッチを使用したハードウェアによるキーボード(ハードウェアキーボード)のキー配列と類似形状の小領域に区分する。そして、各々の小領域における接触を検出した場合に、対応するハードウェアキーボードのキーが押された場合と同じ信号を出力する。これらの処理は、例えばプロセッサ4のソフトウェア処理にて行われるが、他のプロセッサを用いたり、論理回路により実現することもできる。
【0040】
さらに、ソフトウェアキーボードにおいても、例えば、圧力をほとんどかけなくとも接触を検出できる静電容量方式タッチセンサを半押し検出用に、圧力を検出する抵抗膜方式タッチセンサを全押し検出用として重ねて使用することで、上記の全押し検出機能と半押し検出機能を実現することができる。また、タップ(タッチセンサに1回接触すること。)を半押し、ダブルタップ(タッチセンサに2回接触すること。一般には、接触の時間間隔に上限が設定される。)を全押しの代替とすることもできる。
【0041】
なお、2次元タッチセンサによるソフトウェアキーボード動作と、その他の2次元座標入力動作は、後述するようにスイッチ操作で切り替えることができる。
【0042】
図2は、上述した構成の携帯型情報処理端末1を、操作者が手Hに持って操作している時の様子を示すものである。この図に示すように、操作者が、タッチパネル2が手前に見えキー3が背面に位置するように保持すると、携帯型情報処理端末1の背後に操作者の手Hが位置し、さらに、操作者の指F(人差し指)が背面側のキー3上に位置することとなる。これにより、操作者は、手Hや指Fが表示器21を含むタッチパネル2を覆うことで視認性を損なわれることなく、かつ、指Fにて背面側のキー3を操作しやすくなる。
【0043】
なお、
図2は、操作者が携帯型情報処理端末1を片手で持つ例であるが、タブレット形状の情報処理端末を両手で持つ場合は、これが左右両手になり、同様の効果が得られることに加え、入力操作の自由度が向上する。また一方の手で確実に保持することで、残る手による操作動作の自由度が増す。
【0044】
ここで、上記では、携帯型情報処理端末1が1つの筐体にて形成されている場合を例示したが、携帯型情報処理端末1の形状は上述した形状に限定されない。例えば、
図3に示すように、携帯型情報処理端末1は、表面にタッチパネル2が装備された表示器側筐体1Aと、表面に複数のキー3が装備された入力デバイス側筐体1Bといった、2つの筐体から構成されていてもよい。そして、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bは、例えば、ヒンジ(図示せず)を介して結合されており、
図3は、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが、背中合わせに折り畳まれた状態を示している。つまり、
図3の例では、表示器側筐体1Aに装備されたタッチパネル2と、入力デバイス側筐体1Bに装備された複数のキー3とが、共に外側に位置し、互いに反対の方向を向いている。このような構成の携帯型情報処理端末1であっても、
図2に示すように、操作者が把持することができる。なお、一般的に、折り畳まれた状態では、タッチパネル2とキー3が内側に向かい対向するものが存在していたが、本発明の携帯型情報処理端末1は、その点で異なっている。
【0045】
また、
図4は、
図3に示す2つの筐体1A,1Bにて構成された携帯型情報処理端末1が折り畳まれた状態から展開された状態を示している。
図4(A)は、ヒンジの位置の違いにより、長辺を軸として展開される横展開の場合を示し、
図4(B)は、短辺を軸として展開される縦展開の場合を示している。そして、
図4に示すように展開された状態で用いられる場合にも、後述するような複数のキー3に対する連続接触操作による種々の方向情報の入力は可能である。
【0046】
ここで、上記では、携帯型情報処理端末1に装備された表示装置が、表示器21にタッチセンサ22が装備されたタッチパネル2である場合を例示したが、本発明における携帯型情報処理端末1の表示装置は、表示器21のみで構成されていてもよい。
【0047】
また、携帯型情報処理端末1は、
図5のブロック図に示すように、携帯型情報処理端末1自体の動作を制御するプロセッサ4(制御装置)と、情報を記憶するメモリ5及び記憶装置6と、を備える。そして、上記プロセッサ4は、論理演算や数値演算の処理の他、外部とのインターフェース機能を備え、入出力処理機能を有する。また複数のプロセッサから構成される場合を含む。なお、複数のキー3の出力と、個々のキー3毎に接触の判別を行うキータッチセンサ30の出力は、プロセッサ4へ入力される。また、プロセッサ4は、タイマー13に接続されている。
【0048】
さらに、タッチパネル2のタッチセンサ22の出力は、プロセッサ4へ入力される。また、プロセッサ4の出力は、タッチパネル2の表示器21へ出力される。ただし、変形例として、上述したようにタッチセンサ22を内蔵したタッチパネル2としてではなく、表示器21のみが接続される場合もある。
【0049】
また、プロセッサ4は、メモリ5に接続される。メモリ5には、プロセッサ4が実行するオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを含むプログラム51、アプリケーションプログラムが使用するアプリケーションデータ52、プログラム実行に関する設定情報である設定パラメータ53、表示器21に出力される画像情報である画像データ54などの様々な情報が格納され、各々がプロセッサ4との間で入出力される。
【0050】
また、プロセッサ4は、記憶装置6に接続される。メモリ5の内容は、基本的には電源オフの状態で消去されてしまうため、電源オフの状態で消去されて困る情報は記憶装置6に保存され、必要なときにプロセッサ4を介してメモリ5にロードされる。記憶装置6には、ディスクドライブの他、フラッシュメモリが使用される。
【0051】
また、プロセッサ4は、さらに通信システム7に接続され、外部のネットワークに接続される。接続方法には、有線接続の他、電磁波や光を用いた無線接続がある。そのほか、携帯型情報処理端末1は、ポインティングデバイス8、タッチパッド9、第一加速度センサ10、第二加速度センサ11、磁気センサ12などを備え、プロセッサ4に接続されているが、これらの構成についての説明は省略する。
【0052】
そして、上述したプロセッサ4は、タッチパネル2や複数のキー3に対して入力された操作状態を検出して、かかる検出した操作状態に応じた処理を実行するが、特に、本実施形態では、複数のキー3に対して入力された操作状態から、所定の方向を表す方向情報の入力を受け付ける機能(入力受付手段)を有する。これについては、以下の動作説明にて詳述する。なお、以下に説明する動作を実現するための機能は、プロセッサ4にプログラムが組み込まれることで実現されるが、論理回路により実現することもできる。
【0053】
[動作]
次に、上述した携帯型情報処理端末1、特にプロセッサ4の動作を、
図6乃至
図20を参照して説明する。
【0054】
プロセッサ4は、アプリケーションデータ52や設定パラメータ53を参照しつつ、プログラム51を実行することで、画像データ54の指定された一部を読み出し、演算処理を加え、表示情報として表示器21に出力する。そして、表示器21は入力された表示情報を表示する。
【0055】
図6に、メモリ5に画像データ54が格納されている状態の例を示す。メモリ5の物理的なアドレス空間の中に、論理的な仮想表示空間100が構築される。仮想表示空間100の広さは、一般に表示器21の表示することのできる空間よりも広い。仮想表示空間100には、表示器21に表示されるべき画像情報として、キャラクタ111が記録されている。プロセッサ4は、仮想表示空間100の中から表示器21の表示すべき一部分を切り取って、表示器21へ出力している。この表示器21で表示されている一部分を、広大な仮想空間を覗く限られた大きさの窓になぞらえて、ビューウィンドウ110と呼ぶ。
【0056】
そして、表示器21は、
図6に示すように、仮想表示空間100上に設定されたビューウィンドウ110の情報を表示する。仮想表示空間100の中でビューウィンドウ110を、大きさを固定したままスライドすると、表示器21上の画像もスライドしたように見え、スクロール処理に相当する。また、ビューウィンドウ110の大きさを変えると、表示器21上の画像の大きさが変わり、拡大・縮小処理に相当する。また、仮想表示空間100上でビューウィンドウ110を回転すると、表示器21上の画像も回転し、回転処理に相当する。なお、ビューウィンドウ110を固定したまま、仮想表示空間100上で、キャラクタ111を移動、回転、拡大・縮小することもできる。
【0057】
上記処理は、プロセッサ4またはそこに内蔵された専用演算回路(図示しない)などで行われる。なお、上記例では、仮想表示空間100がメモリ5上にあるとしたが、記憶装置6上や、通信システム7を介し、外部のネットワーク上に存在しても構わない。
【0058】
次に、携帯型情報処理端末1のプロセッサ4が、上述したようなキャラクタ111やビューウィンドウ110を所定の方向に移動・スクロール、所定の方向に回転、拡大・縮小する指令を、タッチパネル2あるいはキー3から受け付ける処理について説明する。なお、プロセッサ4は、キャラクタ111といった画像データに対する処理指令を受け付けるばかりでなく、文字入力指令や他の操作指令といった種々の指令も受け付ける。
【0059】
プロセッサ4へは、キー3からの全押し信号あるいは半押し信号、キータッチセンサ30からのタッチ信号(ただし、半押し検出機能に用いられる場合は、半押し信号の代替としても扱われる。)、タッチパネル2のタッチセンサ22からのタッチ信号が出力される。これらの信号は、プロセッサ4にて実行されるプログラム51により、必要に応じて読み出される。
【0060】
そして、携帯型情報処理端末1から文字を入力する場合には、例えば、
図7(A)に示すように、タッチパネル2の表面にいくつかの領域が設定され、各領域にそれぞれ文字や文字を入力する機能(ここではアルファベットを例として説明する。)が割り当てられる。また、
図7(B)に示すように、筐体の背面側の各キー3には、それぞれ各アルファベットが予め割り当てられている。かかる状態で、タッチパネル2の所定の領域にタッチしたり、所定のキー3を全押しすることで、対応するアルファベットを入力することができる。
【0061】
なお、
図8(A)に示すように、背面側に装備されている各キー3の配置位置を示すべく、タッチパネル2の表示器21の当該各キー3の配置に対応した位置に、各キー3を示す画像を表示してもよい。また、同じ文字や機能の入力に関して、これらの画像と対応付けて、上記タッチパネル2表面に設定される入力のための領域を配置することができる。
【0062】
また、本実施形態における携帯型情報処理端末1では、筐体の背面側に装備された各キー3を連続接触操作することで、その操作(動き)に対応したベクトル情報を入力することが可能である。ここで、連続接触操作とは、キー3に装備されたキータッチセンサ30やタッチパネル2に装備されたタッチセンサ22の上を、ガラスの曇りを拭うように指Fなどをスライドさせていったとき、キータッチセンサ30やタッチセンサ22が時系列的に接触位置を検出し、接触したものの動きに対応する方向と距離の情報を、各々ベクトルの方向と大きさとして取得できるというものである。
但し、本発明における携帯型情報処理端末1では、キー3の連続接触操作により方向と距離を含むベクトル情報を取得することに限定されず、「方向」を表す情報だけを取得してもよい。
【0063】
図9では、
図2で示したように保持された携帯型情報処理端末1の背面側の複数あるキー3の上を、左から右または右から左へ、人差し指Fが動く様子を示している。例えば、キータッチセンサ30が、キーB→キーC→キーD(
図8参照)の順に接触を検出した場合には、左から右(矢印S1)、キーD→キーC→キーBの順に接触を検出した場合には、右から左(S2)、の動きであるとプロセッサ4は認識する。もちろん左右だけでなく、上下や斜め方向など、2次元平面上における任意の方向や距離(ここでは触れたキー3の数に対応)を表す2次元ベクトル情報を得ることができる。
【0064】
この例では、キー3やキータッチセンサ30が携帯型情報処理端末1の背面側にある場合を示しているが、
図4に示すように、キー3やキータッチセンサ30が正面(表示器21側の面)側に有る場合や、表示器21上にあるタッチセンサ22においても同様である。
【0065】
詳細には、キータッチセンサ30は、予め定められた時刻における接触物体の接触のイベントを検出し、プロセッサ4へ報告している。キータッチセンサ30の配置形状は既知であるので、接触の位置情報は、予め定められた基準点に基づく位置ベクトルとして、プロセッサ4に認識される。さらにプロセッサ4は、ある接触点を始点、次の接触点を終点とする変位ベクトルを認識している。よって、タイマー13を用いて接触のイベントの時間間隔を測定することにより、変位ベクトルから接触している物体の移動速度を示す速度ベクトル、また当該速度ベクトルの時間変化から加速度ベクトルを求めることができる。よって、位置ベクトル、変位ベクトル、接触のイベントの時間間隔に加え、速度ベクトル、加速度ベクトルを入力情報として受け付けることができる。そしてこれらの入力情報は、携帯型情報処理端末1の機能選定などにも活用することができる。タッチセンサ22についても同様である。
【0066】
また、速度、加速度、さらにニュートンの法則により加速度と密接な関係が示される力など、操作者の五感に結びつく物理量を入力操作に応用することで、操作者の入力操作を補助する効果が得られる。
【0067】
なお、連続接触操作は、複数のキー3に対する、時系列的に連続した半押しあるいは全押し操作によっても代行できる。つまり、キータッチセンサ30のタッチ検出機能が存在すれば、複数のキー3を撫でるよう指Fが接触した状態でスライドするだけでかかるスライド動作に対応するベクトル情報を検出できるが、さらにキータッチセンサ30のタッチ検出機能が存在しない場合であっても、既知の位置に配置された複数のキー3に対して指Fで半押しや全押し操作をスライドする(順に行う)ことによって、かかるスライド(半押し操作や全押し操作の順序や数)に対応するベクトル情報を検出できる。以上のように、本発明における携帯型情報処理端末1では、複数のキーに対する連続接触操作や、連続半押し操作、連続全押し操作といった「連続操作」により、ベクトル情報を入力できる。
【0068】
さらに、キー3がソフトウェアキーボードである場合、ソフトウェアキーボード動作と、その他の2次元座標入力動作を切り替えることができる。
【0069】
このとき、
図9に一例を示すように、筐体を保持する親指または中指、薬指、小指が配置される付近の筐体表面に切替スイッチSW1,2,3または4を設置すると、指の小さな動作で切替操作を行うことができ、操作性が良い。切替スイッチSW1,2,3または4はプロセッサ4に接続され、どちらの動作が選択されたかを識別する動作識別信号をプロセッサ4に出力する。プロセッサ4は、動作識別信号に基づき、キー3であるところのタッチセンサからの入力信号に対し、ソフトウェアキーボード動作の処理、または2次元座標入力動作の処理を行う。切替スイッチには、例えば
図9に示すような機械的なスイッチの他、タッチセンサや光学センサを用いてもよい。この例は片手で持つことを想定した情報処理端末で、切替スイッチSW1,4は筐体の側面に設置された場合、切替スイッチSW2,3は筐体の正面に設置された場合を示している。一方、タブレット形状の情報処理端末の場合は保持している指が背面に回り込んでいるので、切替スイッチは背面に設置されると良い。
【0070】
この結果、「その他の2次元座標入力動作」にて連続接触操作を処理し、キーボードの文字等入力操作と独立させることができる。これはパーソナルコンピュータにおけるタッチパッドとキーボードの関係に対応し、ゆえにパーソナルコンピュータ上で動作するソフトウェアを、操作性の変更無く移植できる、という効果が得られる。
【0071】
続いて、以上述べた基本動作を元にした、応用動作について説明する。まず、
図10は、キー3が携帯型情報処理端末1の背面にある場合に、表示画像を移動・スクロールさせる指示方法について示している。キー操作やアプリケーションプログラムによる設定等により、キー3の入力モードが例えば通常の文字入力モードから移動、スクロールモードに移行すると、
図10(B)に示すように、複数のキー3の各々個別に、移動、スクロール指示機能(押すと、予め決められた移動方向,移動量の表示画像移動処理を行う機能、または予め決められたスクロール方向,スクロール量の表示画面スクロール処理を行う機能)が割り当てられる。即ち、キーを全押しまたは半押し(及びそれらの組み合わせ)したときの応答が、文字入力から、画像移動の方向及び移動量の入力、または画面スクロールの方向及びスクロール量の入力に切り替わる。つまり、移動やスクロールを指示するベクトル情報を入力することができる。
【0072】
なお、同一方向ではあるが、異なる移動量、スクロール量に設定されたキーを複数用意し、これらのうち移動量やスクロール量が少なく設定されたキーを押す回数を調整することで、微妙な移動、スクロール量の調整を行うことができる。つまり、移動やスクロールを指示するベクトルの大きさを選択することができる。
【0073】
また、
図10(A)に示すように、入力操作補助のため、移動、スクロールモードになると、背面にある各キー3の機能情報(移動方向と移動量、またはスクロール方向とスクロール量)が、タッチパネル2の表示器21上の、各キー3の位置と関連づけられた場所に表示される。例えば、各機能情報として、移動やスクロールの方向や量を連想させる矢印のイメージが、各々のキー3を透視するような配置(鏡像対称)で表示される。なお、表示方法は、表示されていた画像を矢印のイメージの画像へ切り替えるほか、表示されていた元の画像に矢印のイメージをオーバーラップまたは透過させてもよい。なお、
図10(B)に示すように、キー3のキートップに図形表示機能を設け、文字と矢印など表示が切り替わるようにすると、操作者がキー3を見ている場合の操作性が向上する。
【0074】
次に、
図11は、キー3が携帯型情報処理端末1の背面にある場合に、表示画像を、連続接触操作により移動、スクロールさせる指示方法について示している。連続接触操作で入力されたベクトル情報を元に、移動、スクロールの方向や量が指示される。
例えば、正面側のタッチセンサ22に対して、
図11(A)の矢印Y10に示すように連続接触操作した場合には、タッチパネル2の表示面に対して水平方向つまり右方向の方向情報を含むベクトル情報の入力が受け付けられる。
また、正面側のタッチセンサ22に対して、
図12(A)の矢印Y20に示すように連続接触操作した場合には、タッチパネル2の表示面に対して垂直方向つまり上方向の方向情報を含むベクトル情報の入力が受け付けられる。
【0075】
一方、
図11(B)に示すように、背面側の複数のキー3に対して、例えば、予め決められた時間内(例えば1秒以内)に、垂直方向があるしきい値距離(例えば2行)以内、水平方向があるしきい値距離(例えば3列)以上の隣接するキーを押すまたは接触したときは、水平方向の移動あるいは横スクロール命令の入力がされたと認識する。また押下または接触したキーの数によって、水平移動あるいは横スクロールの量が決められる。つまり、
図11(B)の矢印Y11’,Y12’,Y13’に示すように、いくつかのキー3が順番に左方向に向かって連続接触操作されると、その操作されたキー3の並び順に対応して、当該キー3に対して左方向のベクトル情報が入力されたと認識する。
【0076】
逆に、正面側つまりタッチパネル2側から見ると、
図11(C)の矢印Y11,Y12,Y13に示すように、連続接触操作されたキー3の並び順は、タッチパネル2の表示面に向かって右向きの方向、つまり鏡像対称となる。このように、水平方向右向きの水平移動あるいは横スクロール命令の入力がされたことが認識されると、右向きの水平移動や横スクロール処理が実行される。
【0077】
同様に、予め決められた時間内(例えば1秒以内)に、水平方向があるしきい値距離(例えば2列)以内、垂直方向があるしきい値距離(例えば3行)以上の隣接するキーを押すまたは接触したときは、垂直移動あるいは縦スクロール命令が入力されたと認識する。また押下または接触したキーの数によって、垂直移動あるいは縦スクロールの量が決められる。つまり、
図12(B)の矢印Y21,Y22,Y23に示すように、いくつかのキー3が順番に上方向に連続接触操作されると、その操作されたキー3の並び順に対応して、当該キー3に対して上方向のベクトル情報が入力されたと認識する。
【0078】
なお、上記例では移動やスクロールの量の単位(距離単位)をキーの数(キーが配置される間隔)で示したが、キータッチセンサ30の分解能を高めて、さらに小さな距離単位としてもよい。
【0079】
また、
図13は、
図4に示すように、携帯型情報処理端末1が2つの筐体1A,1Bで構成され、各筐体1A,1Bを展開したときに、表示器21とキー3とがほぼ同一面に位置する(ほぼ同一方向を向いている)場合の操作例を示している。具体的には、
図13(A)は、上述した
図10の場合と同様に、複数のキー3の各々個別に、移動、スクロール指示機能(押すと、予め決められた移動方向,移動量の表示画像移動処理を行う機能、または予め決められたスクロール方向,スクロール量の表示画面スクロール処理を行う機能)が割り当てられる例を示している。また、
図13(B)は、上述した
図11の場合と同様に、いくつかのキー3が順番に連続接触操作されると、それら連続接触操作されたキー3の並び順に対応して、当該キー3に対して水平方向のベクトル情報が入力される場合を示している。なお、この場合には、上述した表示器21に対してキー3が背面側に装備されている場合とは異なり、
図13(B)の矢印Y30と矢印Y31,Y32,Y33とが示すように、表示器21上の方向とキー3上の方向が鏡像対称とはならない。
【0080】
以上のように、携帯型情報処理端末1では、水平左右方向と垂直上下方向といった相互に直交する2方向のベクトル情報の入力が可能である。但し、上述した移動、スクロール指示の入力モードと、後述する回転指示の入力モードと区別することで、連続接触操作されたキー3の並び順が斜め方向である場合には、かかる方向に対応した斜め方向のベクトル情報を入力することもできる。
【0081】
次に、
図14は、キー3が携帯型情報処理端末1の背面にある場合に、表示画像を回転させる指示方法について示している。キー操作やアプリケーションプログラムによる設定等により、キー3の入力モードが例えば通常の文字入力モードから回転モードに移行すると、
図14(B)に示すように、複数のキー3の各々個別に回転指示機能(押すと予め決められた回転方向,回転角の表示画像または表示画面の回転処理を行う機能)が割り当てられる。即ち、キーを全押しまたは半押し(及びそれらの組み合わせ)したときの応答が、文字入力から、画像または画面回転の方向及び回転角の入力に切り替わる。
【0082】
回転の指示には、予め表示器と画像または画面に基準となる方向を決めておき、それら基準となる方向の間の角度を指示する「絶対角指示」と、過去の回転履歴の累積であるところの現状向いている方向を基準とし、更なる回転角の加算または減算を指示する「相対角指示」があり、いずれかを選択することができる。
これらの選択は、キー3の機能設定を切り替えてもよいが、例えば
図14(B)に示すキー3の配列おいて、外周に位置するキー(符号b1参照)は相対角指示用、内周に位置するキー(符号b2参照)は絶対角指示用などと、キー毎に割り当てることもできる。
【0083】
相対角指示においては、同一回転方向ではあるが異なる回転角が設定されたキーを複数用意し、これらのうち回転角が少なく設定されたキー3を押す回数を調整することで、微妙な回転角の調整を行うことができる。つまり、回転角の大きさを選択することができる。
【0084】
また、入力操作補助のため回転モードになると、
図14(A)に示すように、背面にあるキーの機能情報(回転方向,回転角)が、タッチパネル2の表示器21上の、各キー3の位置と関連づけられた場所に表示される。例えば、機能情報として、回転方向や回転角を連想させる矢印のイメージが、各々のキー3を透視するような配置(鏡像対称)で表示される。なお、表示方法は、表示されていた画像を矢印のイメージの画像へ切り替えるほか、表示されていた元の画像に矢印のイメージをオーバーラップまたは透過させて表示してもよい。また、
図14(B)に示すように、キー3のキートップに図形表示機能を設け、文字と矢印など表示が切り替わるようにすると、操作者がキー3を見ている場合の操作性が向上する。
【0085】
次に、
図15は、キー3が携帯型情報処理端末1の背面にある場合に、表示画像を連続接触操作により回転させる指示方法について示している。連続接触操作で入力されたベクトル情報を元に、回転方向や回転角が指示される。
例えば、正面側のタッチセンサ22に対して、
図15(A)の矢印Y40に示すように円弧を描くよう連続接触操作した場合には、タッチパネル2の表示面に対して時計回りの回転情報の入力が受け付けられる。
【0086】
一方、
図15(B)に示すように、背面側の複数のキー3に対して、例えば、予め決められた時間内(例えば1秒以内)に、垂直方向があるしきい値距離(例えば3行)以上、水平方向もあるしきい値距離(例えば3列)以上の隣接するキーを押すまたは接触したとき、回転命令が入力されたと認識されて、回転処理が実行される。つまり、
図15(B)の矢印Y41’,Y42’,Y43’に示すように、いくつかのキー3が順番に斜め左下あるいは斜め左上方向に連続接触操作されると、その操作されたキー3の並び順に対応して、当該キー3に対して斜め左下方向や斜め左上方向のベクトル情報が入力されたと認識する。押下または接触したキーの数によって、ベクトルの大きさが決められる。
【0087】
逆に、正面側つまりタッチパネル2側から見ると、
図15(C)の矢印Y41,Y42,Y43に示すように、連続接触操作されたキー3の並び順は、タッチパネル2の表示面に向かって斜め右下方向や斜め右上方向となる。このように、斜め右上あるいは斜め右下方向のベクトル情報が入力されたと認識されると、時計回りの回転命令が入力されたと認識され、回転処理が実行される。ベクトルの大きさによって、回転角が決められる。
【0088】
上記とは逆に、反時計回りの回転命令を入力するときも同様である。例えば、正面側のタッチセンサ22に対して、
図16(A)の矢印Y50に示すように円弧を描くよう連続接触操作した場合には、タッチパネル2の表示面に対して反時計回りの回転情報の入力が受け付けられる。
【0089】
一方、
図16(B)に示すように、背面側の複数のキー3に対して、例えば、予め決められた時間内(例えば1秒以内)に、垂直方向があるしきい値距離(例えば3行)以上、水平方向もあるしきい値距離(例えば3列)以上の隣接するキーを押すまたは接触したとき、回転命令が入力されたと認識されて、回転処理が実行される。つまり、
図16(B)の矢印Y51’,Y52’,Y53’に示すように、いくつかのキー3が順番に斜め右上あるいは斜め右下方向に連続接触操作されると、その操作されたキー3の並び順に対応して、当該キー3に対して斜め右下方向や斜め右上方向のベクトル情報が入力されたと認識する。押下または接触したキーの数によって、ベクトルの大きさが決められる。
【0090】
逆に、正面側つまりタッチパネル2側から見ると、
図16(C)の矢印Y51,Y52,Y53に示すように、連続接触操作されたキー3の並び順は、タッチパネル2の表示面に向かって斜め左下方向や斜め左上方向となる。このように、斜め左上あるいは斜め左下方向のベクトル情報が入力されたと認識されると、反時計回りの回転命令が入力されたと認識され、回転処理が実行される。ベクトルの大きさによって、回転角が決められる。
【0091】
以上のように、回転方向はベクトル情報の方向情報によって、例えば、表示面から透視したキー3への接触順が左から右の方向である時は右回転、右から左の方向である時は左回転と定義すればよい。また、回転角はベクトル情報の大きさ情報によって、つまり連続接触操作の距離で与えられる。
【0092】
但し、上述した操作に対する回転方向や回転角の設定は一例であって、かかる設定に限定されない。また、距離単位はキーの数(キーの間隔)に限定されない。
【0093】
特に、上述では連続接触操作において、水平方向または垂直方向の操作距離にしきい値を設け、移動、スクロール指示と回転指示を識別できるようにしたため、モードを切り替えることなく、これらの指示を操作者が区別して入力することができる。逆に、移動、スクロール指示と回転指示の入力が分離されている場合は、しきい値による入力条件を外すことで、例えば、斜め方向の移動、スクロール指示が可能となる。
【0094】
一方、複数のベクトル情報を入力し、それらの組み合わせでベクトル情報を元に処理すべき指示を選択することができる。例えば「V」、「<」、「>」、「^」などの軌跡となるよう、連続して2つのベクトル情報を入力し、回転を指示することができる。複数のベクトル情報に関する境界(区切り)の検出には、連続接触操作の方向変化を用いることができる。
【0095】
なお、タッチパネル2とキー3が同一方向を向いている場合は、鏡像対称とならない以外は同一である。
【0096】
次に、
図17乃至
図20は、キー3による表示画像の拡大・縮小指示の方法を示している。
【0097】
キー操作やアプリケーションプログラムによる設定等により、キー3の入力モードが例えば通常の文字入力モードから拡大・縮小モードに移行される。
【0098】
まず、予め決められた比率によって拡大・縮小を行う方法について説明する。ここでは、表示器21の表示面は、個々のキー3に1対1で対応する表示ブロックに区分されている。ただし、表示ブロックの境界が明確に表示されているとは限らない。
【0099】
表示ブロックを用いた拡大・縮小の第1の方法は、
図17(A)に示すように、特定のキー3を全押しした場合、そのキーの位置に対応する表示ブロックが選択される。その後、いくつかのキー3に対し連続接触操作(図示しない)を行うことで、拡大または縮小を選択する。画像の範囲は、選択された表示ブロックと予め決められた表示範囲、例えば表示面全体とが対応付けられ、拡大または縮小の比率は、選択された表示ブロックとその予め決められた表示範囲の比で与えられる。例として、
図17(B)に、選択された表示ブロック(「Sの文字」)が、表示器21にて表示可能な最大領域まで拡大される場合を示す。
【0100】
表示ブロックを用いた拡大・縮小の第2の方法は、特定のキー3を全押しした場合、そのキーに対応する表示ブロックが選択される。その後、連続接触操作(図示しない)を行うことで、拡大または縮小を選択する。ただし、第1の方法と異なり、
図18(A)に示すように、画像の範囲は、選択された表示ブロックを含む複数の表示ブロックからなる表示ブロック群(この例では、Sを含む9ブロック)と、予め決められた表示範囲(この例では表示面全体)が対応付けられ、拡大または縮小の比率は、表示ブロック群と予め決められた表示範囲の比で与えられる。
【0101】
次に、連続接触操作で得られた方向と大きさを含むベクトル情報により、拡大・縮小の選択と、さらにその比率を入力する方法を示す。
【0102】
図19は、キー3が携帯型情報処理端末1の背面にある場合に、表示画像を、連続接触操作により拡大させる指示方法について示している。連続接触操作で入力されたベクトル情報を元に、拡大が指示される。
例えば、
図19(A)の矢印Y60に示すように、正面側のタッチセンサ22に対して斜め右上方向の連続接触操作を行った場合には、タッチパネル2の表示面に対して右上方向のベクトル情報の入力が受け付けられる。
【0103】
また、
図19(B)に示すように、背面側の複数のキー3に対して、例えば、予め決められた時間内(例えば1秒以内)に、左方向あるいは上方向に向かって隣接するキーを押すまたは接触したときは、拡大指令の入力がされたと認識する。
【0104】
すなわち、
図19(B)の矢印Y61’,Y62’,Y63’に示すように、いくつかのキー3が左方向、上方向、斜め左上方向に順番に操作されると、その操作されたキー3の並び順に対応して、左方向、上方向、斜め左上方向のいずれかのベクトルの方向情報が入力されたと認識する。また、押下または接触したキーの数によって、ベクトルの大きさ情報が入力される。このとき、正面側つまりタッチパネル2側から見ると、
図19(C)の矢印Y61,Y62,Y63に示すように、連続接触操作されたキー3の並び順は、タッチパネル2の表示面に沿って右方向、上方向、斜め右上方向と鏡像対称になり、
図19(A)に示す矢印Y60方向と感覚的に一致する。
【0105】
一方、縮小命令を入力するときは、上述とは逆となる。
例えば、
図20(A)の矢印Y70に示すように、正面側のタッチセンサ22に対して斜め左下方向の連続接触操作を行った場合には、タッチパネル2の表示面に対して斜め左下方向のベクトル情報の入力が受け付けられる。
【0106】
また、
図20(B)に示すように、背面側の複数のキー3に対して、例えば、予め決められた時間内(例えば1秒以内)に、右方向あるいは下方向に向かって隣接するキーを押すまたは接触したときは、縮小命令の入力がされたと認識する。
【0107】
すなわち、
図20(B)の矢印Y71’,Y72’,Y73’に示すように、いくつかのキー3が右方向、下方向、斜め右下方向に順番に操作されると、その操作されたキー3の並び順に対応して、右方向、下方向、斜め右下方向のいずれかのベクトルの方向情報が入力されたと認識する。また、押下または接触したキーの数によって、ベクトルの大きさ情報が入力される。このとき、正面側つまりタッチパネル2側から見ると、
図20(C)の矢印Y71,Y72,Y73に示すように、連続接触操作されたキー3の並び順は、タッチパネル2の表示面に沿って左方向、下方向、斜め左下方向と鏡像対称になり、
図20(A)に示す矢印Y70方向と感覚的に一致する。
【0108】
これらの手順により拡大または縮小の比率を入力し、予め決められた画像や表示範囲、例えば表示面全体、表示ブロックまたは表示ブロック群に適用することで、任意の比率による拡大・縮小指示を与えることができる。
【0109】
なお、
図10乃至
図13を参照して説明したように、入力したベクトル情報により、予め決められた表示範囲を他の領域に移動させることと組み合わせて、さらに効果的な拡大・縮小を行うことができる。
【0110】
また、タッチパネル2とキー3が同一方向を向いている場合は、鏡像対称とならない以外は同一である。
【0111】
以上説明したように、携帯型情報処理端末の小型化、入力デバイスの大型化、表示器の大型化のために表示面の背面にキーを配置した場合であっても、当該背面のキーがタッチパネルと同様の入力操作性を維持することができる。そして、タッチパネル使用時に手や指で表示器が覆われるという不都合を解消することができるため、視認性を維持しつつ、操作性の向上を図ることができる。また、片手で携帯型情報処理端末を保持したまま操作を行うことができ、さらなる操作性の向上を図ることができる。さらに、タッチパネルのタッチセンサを使用しないことで消費電力を削減することができる。
【0112】
<実施形態2>
本発明の第2の実施形態を、
図21乃至
図34を参照して説明する。
図21乃至
図22は、本実施形態における携帯型情報処理端末の使用時の様子を示す図である。
図23乃至
図34は、携帯型情報処理端末における情報入力時の様子を説明するための図である。
【0113】
[構成]
本実施形態における携帯型情報処理端末1は、上述した実施形態1で説明したものとほぼ同一の構成を採り、さらに、以下に示すような機能を有する。なお、本実施形態における携帯型情報処理端末1は、上述した実施形態1及び後述する他の実施形態にて説明する機能を具備していてもよく、あるいは、具備していなくてもよい。
【0114】
図21は、上述した構成の携帯型情報処理端末1を、操作者が手Hに持って操作している時の様子を示すものである。この図に示すように、操作者が、タッチパネル2が手前に見えキー3が背面に位置するように保持すると、携帯型情報処理端末1の背後に操作者の手Hが位置し、さらに、操作者の指F(人差し指)が背面側のキー3上に位置することとなる。これにより、操作者は、手Hや指Fが表示器21を含むタッチパネル2を覆うことで視認性を損なわれることなく、かつ、指Fにて背面側のキー3を操作しやすくなる。
【0115】
また、携帯型情報処理端末1のタッチパネル2に対しては、操作者Hは、スタイラスペンPや指を用いて、接触操作入力が可能である。例えば、タッチパネル2上の所定の位置がスタイラスペンPで接触されると、携帯型情報処理端末1はかかる位置情報を検出する。また、タッチパネル2上でスタイラスペンPが接触したままスライド移動されると、携帯型情報処理端末1はかかる移動方向へのベクトル情報を検出する。
【0116】
なお、
図21は、操作者が携帯型情報処理端末1を片手で持つ例であるが、タブレット形状の情報処理端末を両手で持つ(タッチパネル2を操作していない)場合は、これが左右両手になり、同様の効果が得られることに加え、左右で異なる操作を設定できるなど、操作の自由度が増す。また一方の手で確実に保持することで、残る手による操作動作の自由度が増す。
【0117】
ここで、上記では、携帯型情報処理端末1が1つの筐体にて形成されている場合を例示したが、携帯型情報処理端末1の形状は上述した形状に限定されない。例えば、携帯型情報処理端末1は、
図22に示すように、表面にタッチパネル2が装備された表示器側筐体1Aと、表面に複数のキー3が装備された入力デバイス側筐体1Bといった、2つの筐体がヒンジ(図示せず)を介して結合された構成であってもよい。なお、
図22(A)は、ヒンジの位置の違いにより、長辺を軸として展開される横展開の場合を示し、
図22(B)は、短辺を軸として展開される縦展開の場合を示している。また、
図21に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが、背中合わせに折り畳まれた状態で使用されてもよい。
【0118】
そして、携帯型情報処理端末1に装備されたプロセッサ4は、タッチパネル2や複数のキー3に対して入力された操作状態を検出して、かかる検出した操作状態に応じた処理を実行するが、特に、本実施形態では、タッチパネル2に対して入力された接触操作状態と、キー3に対して入力された操作状態との組み合わせに応じて、予め設定された入力を受け付ける機能(入力受付手段)を有する。これについては、以下の動作説明にて詳述する。なお、以下に説明する動作を実現するための機能は、プロセッサ4にプログラムが組み込まれることで実現されるが、論理回路により実現することもできる。
【0119】
[動作]
次に、上述した携帯型情報処理端末1、特にプロセッサ4の動作を、
図23乃至
図34を参照して説明する。
【0120】
プロセッサ4は、アプリケーションデータ52や設定パラメータ53を参照しつつ、プログラム51を実行することで、画像データ54の指定された一部を読み出し、演算処理を加え、表示情報として表示器21に出力する。そして、表示器21は入力された表示情報を表示する。
【0121】
そして、プロセッサ4は、
図6を参照して説明したように、メモリ5の物理的なアドレス空間の中に構築された論理的な仮想表示空間100に、表示器21に表示されるべき画像情報としてキャラクタ111を記録し、仮想表示空間100の中から表示器21の表示すべき一部分であるビューウィンドウ110を表示器21へ出力している。プロセッサ4は、仮想表示空間100の中でビューウィンドウ110やキャラクタ111をスライドしてスクロール処理を行ったり、大きさを変えて拡大・縮小処理を行ったり、さらには、回転処理などを行う。
【0122】
ここで、携帯型情報処理端末1のプロセッサ4が、上述したようなキャラクタ111等を所定の方向に移動、画面全体をスクロール、所定の方向に回転、拡大・縮小する指令を、タッチパネル2及びキー3から受け付ける処理について説明する。なお、プロセッサ4は、キャラクタ111といった画像データに対する処理指令を受け付けるばかりでなく、文字入力指令や他の操作指令といった種々の指令も受け付ける。
【0123】
まずはじめに、携帯型情報処理端末1におけるタッチパネル2及びキー3を用いた、タッチパネル2上における所定の点(位置:座標)を入力する方法を説明する。これらの方法は、入力された位置に表示されているキャラクタを選択する指示にも応用される。
【0124】
図23は、タッチパネル2とキー3が、携帯型情報処理端末1の筐体のそれぞれ反対面に配置されている場合における、タッチパネル2上の点(座標)の入力方法を説明する図である。
【0125】
まず、
図23(1−A)及び
図23(1−B)に示すように、スタイラスペンPや指などでタッチパネル2のタッチセンサ22上の任意の点を指定する(仮位置入力)。すると、表示器21上の指定した位置に、暫定決定アイコンM1が表示される。次に、
図23(2−A)及び
図23(2−B)に示すように、スタイラスペンPで点M1を指定したまま予め決められた背面側のキー31を半押しすると、暫定決定アイコンM1が表示された点(仮位置入力)の位置入力が確定される。つまり、暫定決定アイコンM1(塗り潰した星マーク)が決定アイコンM1(白抜きの星マーク)となり、かかる点の位置を特定する情報が入力された位置情報として受け付けられる。
【0126】
このように、タッチパネル2で任意の点を入力するにあたり、当該タッチパネル2上で指定した点がキー31を半押しすることで確定されるので、先にスタイラスペンPで位置を誤入力した場合であっても確定までは繰り返し再入力が可能となり、操作性が向上する。なお、タッチパネル2上で入力した点を、キー31の全押しにより確定してもよい。
【0127】
ここで、
図24は、携帯型情報処理端末1が折り畳み式であって、展開したときにタッチパネル2とキー3が筐体の同一面に配置されている場合である。このような構成の携帯型情報処理端末1であっても、上述同様に、タッチパネル2で任意の点を入力するにあたり、当該タッチパネル2上で指定した点M1がキー31を半押しまたは全押しすることで確定される。
【0128】
次に、
図25は、タッチパネル2とキー3が、携帯型情報処理端末1の筐体のそれぞれ反対面に配置されている場合における、タッチパネル2上の点(座標)の他の入力方法を説明する図である。
【0129】
まず、
図25(1−A)及び
図25(1−B)に示すように、背面側の予め決められたキー31を半押しすると、タッチパネル2のタッチセンサ22が起動する。次に、キー31を半押ししたまま、
図25(2−A)及び
図25(2−B)に示すように、スタイラスペンPや指などでタッチパネル2のタッチセンサ22上の任意の点を指定する(仮位置入力)。すると、表示器21上の指定した位置に、暫定決定アイコンM1が表示される。
【0130】
次に、
図25(3−A)及び
図25(3−B)に示すように、スタイラスペンPで点M1を指定したまま予め決められた背面側のキー31を全押しすると、暫定決定アイコンM1が表示された点(仮位置入力)の位置入力が確定される。つまり、暫定決定アイコンM1(塗り潰した星マーク)が決定アイコンM1(白抜きの星マーク)となり、かかる点の位置を特定する情報が入力された位置情報として受け付けられる。
【0131】
このように、キー31を半押しすることでタッチセンサ22が起動するので、それまでの消費電力を省くことができる。また、タッチセンサ22で点を入力するにあたり、当該タッチパネル2上で指定した点がキー31を全押しすることで確定されるので、スタイラスペンPで位置を誤入力した場合であっても確定までは繰り返し再入力が可能となり、操作性が向上する。
【0132】
さらに、複数のキー3の中からキー31を選択することで、キー31の位置情報と対応付けられた入力情報(例えばメニュー)を切り替えたり、キー31の位置情報と対応付けられた表示領域を拡大し、スタイラスペンPでの入力を補助することができる。
【0133】
ここで、
図26は、携帯型情報処理端末1が折り畳み式であって、展開したときにタッチパネル2とキー3が筐体の同一面に配置されている場合である。このような構成の携帯型情報処理端末1であっても、上述同様に、まず、所定のキー31を半押しすることでタッチパネル2のタッチセンサ22を起動させ、その後、タッチパネル2で任意の点を入力するにあたり、当該タッチパネル2上で指定した点M1がキー31を全押しすることで確定される。
【0134】
次に、上述したようにタッチパネル2上に1点を入力する操作を利用して、当該タッチパネル2上における任意の2点を入力し、かかる2点を結ぶ方向及び距離からなるベクトル情報を入力する方法を説明する。
【0135】
図27は、タッチパネル2とキー3が、携帯型情報処理端末1の筐体のそれぞれ反対面に配置されている場合における、タッチパネル2上にてベクトル情報を入力する第一の方法を示している。
【0136】
まず、
図27(1−A)及び
図27(1−B)に示すように、スタイラスペンPや指などでタッチパネル2のタッチセンサ22上の任意の点を指定する(第一仮位置入力)。すると、表示器21上の指定した位置に、第一暫定決定アイコンM1が表示される。次に、
図27(2−A)及び
図27(2−B)に示すように、スタイラスペンPで点M1を指定したまま予め決められた背面側のキー31を半押しすると、第一暫定決定アイコンM1が表示された点(第一仮位置入力)の位置入力が確定される。つまり、暫定決定アイコンM1(塗り潰した星マーク)が決定アイコンM1(白抜きの星マーク)となり、かかる第一の点M1の位置を特定する情報が第一位置情報として受け付けられる。なお、背面側のキー31の半押しを中断すると、第一の点M1の入力受付が解除され、初期状態に戻る。
【0137】
次に、背面側の特定のキー31を半押しした状態のまま、スタイラスペンPまたは指などでタッチセンサ22上の第2の任意の点を指定する(第二仮位置入力)。例えば、
図27(3−A)及び
図27(3−B)の点線に示すように、スタイラスペンPにてタッチパネル2に接触させている位置を移動する。すると、表示器21上の指定した位置に、第二暫定決定アイコンM2が表示される。
【0138】
さらに、
図27(4−A)及び
図27(4−B)に示すように、スタイラスペンPで点M2を指定したまま半押ししている背面側のキー31を全押しすると、第二暫定決定アイコンM1が表示された点(第二仮位置入力)の位置入力が確定される。つまり、第二暫定決定アイコンM2(塗り潰した星マーク)が第二決定アイコンM2(白抜きの星マーク)となり、かかる第二の点M2の位置を特定する情報が第二位置情報として受け付けられる。
【0139】
これにより、
図27(4−A)及び
図27(4−B)に示すように、第一位置情報として受け付けられた第一の点M1を始点とし、第二位置情報として受け付けられた第二の点M2を終点としたベクトル情報V10の入力が完了し、プロセッサ4にて受け付けられる。
【0140】
このように、タッチセンサ22で第一の点M1を入力するにあたっては特定のキー31を半押しすることで確定され、第二の点の入力待ちとなる。その後、第二の点は、半押していたキー31を全押しすることで確定される。よって、第一の点、第二の点とも、誤入力した場合は、確定されるまでは繰り返し再入力が可能となり、操作性が向上する。例えば、プロセッサ4は、特定のキー31が半押しされて第一の点M1が確定された後であっても、その後、第二の点M2を確定すべく全押しされる前に当該キー31の押下が解除された場合には、第一の点M1や第二の点M2の位置入力を無効とするよう作動する。
【0141】
なお、上記では、第一の点M1と第二の点M2とを、それぞれ同一のキー31を押下して確定しているが、それぞれ別々のキー3を押下(半押しや全押し)して確定してもよい。
【0142】
ここで、
図28は、携帯型情報処理端末1が折り畳み式であって、展開したときにタッチパネル2とキー3が筐体の同一面に配置されている場合である。このような構成の携帯型情報処理端末1であっても、上述同様に、まず、第一の点M1を指定して特定のキー31を半押しすることで当該第一の点M1を確定し、その後、第二の点M2を指定して当該のキー31を全押しすることで当該第二の点M2を確定する。これにより、第一の点M1を始点、第二の点M2を終点としたベクトル情報V20を入力することができる。
【0143】
次に、
図29は、タッチパネル2とキー3が、携帯型情報処理端末1の筐体のそれぞれ反対面に配置されている場合における、タッチパネル2上にてベクトル情報を入力する第二の方法を示している。
【0144】
まず、
図29(1−A)及び
図29(1−B)に示すように、背面側に位置する任意のキー31を半押しすると、タッチパネル2のタッチセンサ22が起動する。これと同時に、タッチパネル2の表示器21上における半押ししたキー31が対応する位置に、第一の点として基準アイコンM1が表示され、当該基準アイコンM1の位置が第一の点M1として確定される。その後は、第二の点の入力待ちとなる。なお、背面側のキー31の半押しを中断すると、第一の点M1の確定が解除され、初期状態に戻る。
【0145】
ここで、背面側の複数のキー3のそれぞれは、当該各キー3の位置に応じて、タッチパネル2の表示面を複数領域に分割した各領域と対応づけられている。つまり、タッチパネル2の背面側に行列をなして各キー3が配置されている場合には、当該キー3の配列と同様の数の行列に、タッチパネル2上の表示面が分割されて設定されている。そして、例えば、キー3の形成面に対向した状態で右下に位置するキー3が半押しされた場合には、その反対面に位置するタッチパネル2上で対応する左下の領域内の点が、第一の点M1として確定されることとなる。
【0146】
その後、上述したように背面側のキー31の半押し状態を維持したまま、
図29(2−A)及び
図29(2−B)に示すように、スタイラスペンPや指などでタッチパネル2のタッチセンサ22上の任意の点を指定する(第二仮位置入力)。つまり、上記基準アイコンM1である第一の点M1を始点とした場合における、入力すべきベクトル情報の終点に相当する第二の点M2を指定する。すると、表示器21に暫定決定アイコンM2が表示される。
【0147】
その後、さらに、
図29(3−A)及び
図29(3−B)に示すように、スタイラスペンPで第二の点M2を指定したまま、背面側の半押ししているキー31を全押しすると、かかる第二の点M2が確定される。つまり、暫定決定アイコンM2(塗り潰した星マーク)が決定アイコンM2(白抜きの星マーク)となり、かかる点の位置を特定する情報が第二位置情報として受け付けられる。これにより、背面側のキー31の半押しにより確定した第一の点M1を始点とし、その後タッチパネル2上で接触入力すると共にキー31の全押しにより確定した第二の点M2を終点としたベクトル情報V30の入力が完了し、プロセッサ4にて受け付けられる。
【0148】
そして、上述した第一の点、第二の点ともに、誤入力した場合には確定されるまでは繰り返し再入力が可能であるので、操作性が向上する。これと共に、背面側のキー31を半押しすることでタッチセンサ22を起動するので、それまでの消費電力を省くことができる。
【0149】
ここで、
図30は、携帯型情報処理端末1が折り畳み式であって、展開したときにタッチパネル2とキー3が筐体の同一面に配置されている場合である。このような構成の携帯型情報処理端末1であっても、上述同様に、まず、配列されたキー3のうち半押しされたキー31の位置に対応するタッチパネル2上の位置を第一の点M1として確定し、その後、第二の点M2を指定して半押ししているキー31を全押しすることで当該第二の点M2を確定する。これにより、第一の点M1を始点、第二の点M2を終点としたベクトル情報V40を入力することができる。
【0150】
次に、
図31は、タッチパネル2とキー3が、携帯型情報処理端末1の筐体のそれぞれ反対面に配置されている場合における、タッチパネル2上にてベクトル情報を入力する第三の方法を示している。本方法は、上述した第二の方法(
図29及び
図30に示す方法)に類似しているが、キー31の半押しの状態で2点入力するところが異なっている。
【0151】
まず、
図31(1−A)及び
図31(1−B)に示すように、背面側に位置する任意のキー31を半押しすると、タッチパネル2のタッチセンサ22が起動する。これと同時に、タッチパネル2の表示器21上における半押ししたキー31が対応する位置に基準アイコンM0が表示され、第一の点の入力待ちとなる。ここでキー31の半押しを中断すると、初期状態に戻る。
【0152】
その後、上述したように背面側のキー31の半押し状態を維持したまま、
図31(2−A)及び
図31(2−B)に示すように、スタイラスペンPや指などでタッチパネル2のタッチセンサ22上に第一の点を指定すると(第一仮位置入力)、表示器21に第1の暫定決定アイコンM1が表示され、第二の点の入力待ちとなる。ここでもキー31の半押しを中断すると、初期状態に戻る。
【0153】
さらに、背面側のキー31の半押し状態を維持したまま、
図31(3−A)及び
図31(3−B)に示すように、スタイラスペンPや指などでタッチパネル2のタッチセンサ22上に第二の点を指定すると(第二仮位置入力)、表示器21に第2の暫定決定アイコンM2が表示される。ここで、
図31(4−A)及び
図31(4−B)に示すように、背面側にて半押し状態のキー31を全押しすると、第一の点及び第二の点が確定され、暫定決定アイコンM1,M2(例えば、黒塗りの星印)は、各々確定アイコンM1,M2(例えば、白抜きの星印)に変わり、ベクトル情報が入力される。
【0154】
例えば、入力できるベクトル情報としては、基準アイコンM0から第一の点である確定アイコンM1までのベクトルV51と、基準アイコンM0から第二の点である確定アイコンM2までのベクトルV52、さらにベクトルV51とベクトルV52との差ベクトルV50(第一の点M1を始点、第二の点M2を終点としたベクトル情報)を入力することができる。
【0155】
そして、上述した各点の入力は、背面側のキー31の半押し状態を解除することにより初期状態に戻ることができ、操作性が向上する。また、キー31を半押しすることでタッチセンサ22を起動するので、それまでの消費電力を省くことができる。
【0156】
ここで、
図32は、携帯型情報処理端末1が折り畳み式であって、展開したときにタッチパネル2とキー3が筐体の同一面に配置されている場合である。このような構成の携帯型情報処理端末1であっても、上述同様に操作することで、基準アイコンM0の位置と、第一の点M1、第二の点M2をそれぞれ入力することができ、これらを結ぶ各ベクトル情報V61,V62,V60をそれぞれ入力することができる。
【0157】
なお、各点の入力を操作者がアイコンとして視覚的に確認する必要がない等の理由からアイコンの表示が不要な場合は、上記アイコンの一部または全ての表示を省略することができる。
【0158】
また、半押し機能及び全押し機能のみが必要とされ、表示面との2次元的な位置対応が必要とされない場合には、キー31を携帯型情報処理端末1の側面(正面及び背面以外)に配置してもよい。
【0159】
以上のようにして入力したベクトル情報を、プロセッサ4は各種の指令として利用することができる。
例えば、タッチパネル2における特定の領域の選択を指令することができる。入力した単一のベクトル情報に基づき、その始点と終点を対角線とする矩形領域や、始点を中心、終点を円周上の点とする円形領域を選択できる。また、3以上のベクトル情報を順に入力し、あるベクトルの終点と次に入力するベクトルの始点を同一点とし、かつ最初のベクトルの始点と最後のベクトルの終点を同一点とすることで、閉領域を選択することができる。なお、領域の選択方法は上記に限定されない。
【0160】
また、上述した
図27乃至
図32を参照して説明したようにベクトル情報V10,V20,V30,V40,V50,V60を入力することで、入力されたベクトル情報(方向及び大きさ)だけ、表示器21に表示されているキャラクタやビューウインドウを移動したりスクロールすることができる。具体的に、
図27乃至
図32に示す場合には、第一の点M1に表示されているキャラクタや表示画面自体を、入力されたベクトルの方向及び大きさだけ、移動やスクロールする。
【0161】
また、以上のようにして入力したベクトル情報を、表示器21に表示されているキャラクタ等を回転させる指令として利用することができる。例えば、上述した
図27乃至
図30を参照して説明した第一、第二の方法でベクトル情報V10,V20,V30,V40を入力した場合には、当該入力したベクトルの左右の向きを、それぞれ左回り、右回りに対応付け、ベクトルの大きさを回転角に対応付けて、回転を指示する。具体的に、
図27に示すように、右上方向にベクトル情報V10が入力された場合には、右回りに、そのベクトル量に対応して設定された角度だけ、表示されている画面あるいは事前に選択されたキャラクタを回転する。
【0162】
また、上述した
図31乃至
図32を参照して説明した第三の方法でベクトル情報V50〜V52,V60〜V62を入力した場合には、まず、第一の点M1と第二の点M2とを結ぶベクトル情報V50,V60の左右の向きを、それぞれ左回り、右回りに対応付ける。そして、基準アイコンM0から第一の点M1までのベクトルV51,V61と、基準アイコンM0から第二の点M2までのベクトルV52,V62との成す角を、回転角に対応付けて、回転を指示する。この場合、基準アイコンM0を回転の中心と見なすと、回転を視覚的に認識しやすい。
【0163】
ここで、回転指令の他の具体例を、
図33を参照して説明する。
【0164】
図33は、タッチパネル2とキー3が、携帯型情報処理端末1の筐体のそれぞれ反対面に配置されている場合における、タッチパネル2を用いた回転指示方法を示している。
【0165】
まず、
図33(1−A)及び
図33(1−B)に示すように、背面側に位置する任意のキー31を半押しすると、タッチパネル2のタッチセンサ22が起動する。これと同時に、タッチパネル2の表示器21上における半押ししたキー31が対応する位置に基準エリアM0が表示され、第一の点の入力待ちとなる。
【0166】
その後、背面側のキー31の半押し状態を維持したまま、
図33(2−A)及び
図33(2−B)に示すように、スタイラスペンPや指などでタッチパネル2のタッチセンサ22上における基準エリアM0の上、下、左、右のいずれかの領域に第一の点を指定する。ここでは、一例として、基準エリアM0に対して「上」の領域に、第一の点を指定する。すると、指定された位置に、第一の暫定決定アイコンM1が表示される。
【0167】
さらに、背面側のキー31の半押し状態を維持したまま、
図33(3−A)及び
図33(3−B)に示すように、タッチセンサ22上で、基準エリアM0の上、下、左、右のいずれかの領域で、かつ、第一の点M1が指定されていない領域に、第二の点を指定する。ここでは、一例として「右」の領域に指定することとする。すると、指定された位置に、第二の暫定決定アイコンM2が表示される。なお、ここまではキー31の半押し状態が継続されるが、中断すると初期状態に戻る。
【0168】
その後、第一の点M1、第二の点M2の指定に問題がなければ、操作者は半押し状態であるキー31を全押しする。すると、基準エリアM0から見て第一の暫定決定アイコンM1の方向が、第二の暫定決定アイコンM2の方向を向くよう、キャラクタ111に対する回転指示が確定され、当該キャラクタ111が回転される。
この方法では、小刻みな角度指定はできないが、頻繁に行われる90度単位の回転指令についてはタッチセンサ22上の微妙な角度入力(点指定)に注意を払う必要が無く、操作性が向上する。
【0169】
なお、第一、第二の点が上記以外の領域に設定された場合、スクロールや拡大・縮小の指示として認識させることができる。また、上下左右の他、中間の斜め方向も指定できる領域に含めると、45°刻みで回転角を設定することができる。また、第1の点、第2の点とも、誤入力した場合確定までは繰り返し再入力が可能であるので、操作性が向上するとともに、キー31を半押しすることでタッチセンサ22を起動するので、それまでの消費電力を省くことができる。
【0170】
また、第一の暫定決定アイコンM1を表示する代わりに横ハッチングの領域について、第二の暫定決定アイコンM2を表示する代わりに縦ハッチングの領域について、色や輝度を変化させることができる。
【0171】
図34は、携帯型情報処理端末1が折り畳み式であって、展開したときにタッチパネル2とキー3が筐体の同一面に配置されている場合である。このような構成の携帯型情報処理端末1であっても、上述同様に操作することで、表示されている画像を回転操作することができる。
【0172】
また、以上のようにして入力したベクトル情報を、表示器21に表示されている画像を拡大・縮小させる指令として利用することができる。
【0173】
例えば、前述の方法で選択した領域またはキャラクタの境界に始点をもつベクトルを入力し、その終点の位置で変形後の境界の位置を指定することで、ゴムなどの弾性体を伸長または圧縮するかの如く、拡大または縮小を指定することができる。つまり、選択した領域の縦横比を変えて、拡大又は縮小させることもできる。もちろん、縦横比を固定しての拡大・縮小も可能である。
【0174】
また、上述した
図31を参照して説明した第三の方法でベクトル情報を入力する場合には、まず、背面側で半押しされたキー31の位置に対応するタッチパネル2上にて指定された表示ブロック(基準アイコンM0)の中心を固定点とする。その後、指定された第一の点M1までのベクトルV51を基準とし、さらに指定された第二の点M2までのベクトルV52の大きさの比を、拡大率又は縮小率として、キャラクタやビューウインドウなど表示されている領域の拡大と縮小を指示する。なお、
図32を参照して説明したように、タッチパネル2とキー3が筐体の同一面に配置されている場合も同様である。
【0175】
このように、本実施形態によると、まずはタッチパネルで任意の点を入力するにあたり、タッチパネル上で指定した点がキーを半押しするなど操作することで確定できるため、先にタッチパネル上で位置を誤入力した場合であっても確定までは繰り返し再入力が可能となる。また、上述した方法にてタッチパネル上で2点を入力することで、ベクトル情報を入力することができる。従って、タッチパネルと操作キーとを組み合わせて利用することで、種々の操作が可能となり、操作性の向上を図ることができる。さらに、タッチパネルの使用が抑制され、消費電力を削減することができる。
【0176】
<実施形態3>
本発明の第3の実施形態を、
図35乃至
図42を参照して説明する。
図35乃至
図36は、本発明における携帯型情報処理端末の構成を示す外観図である。
図37は、携帯型情報処理端末の使用時の様子を示す図である。
図38乃至
図39は、携帯型情報処理端末における表示面に対する操作面の向きの検出方法を示す図である。
図40乃至
図42は、携帯型情報処理端末における入力デバイスに対する入力値の変換の様子を説明するための図である。
【0177】
[構成]
本実施形態における携帯型情報処理端末1は、上述した実施形態1及び実施形態2で説明したものとほぼ同一の構成を採り、さらに、以下に示すような機能を有する。なお、本実施形態における携帯型情報処理端末1は、上述した実施形態1,2及び後述する他の実施形態にて説明する機能を具備していてもよく、あるいは、具備していなくてもよい。
【0178】
ここで、本実施形態における携帯型情報処理端末1の外観構成の一例を、
図35乃至
図36を参照して説明する。
図35に示すように、携帯型情報処理端末1は、所定の厚みを有する略長方形状の2つの筐体1A,1Bが、短辺側でヒンジ1Cを介して回転自在に連結されている。具体的に、
図35(A),(B)に示すように、携帯型情報処理端末1は、表面に表示装置である表示器21を有するタッチパネル2が装備された表示器側筐体1A(表示装置側筐体)と、表面に操作装置である複数のキー3が装備された入力デバイス側筐体1B(操作装置側筐体)と、これらを連結するヒンジ1Cと、を備えている。そして、2つの筐体1A,1Bが、ヒンジ1Cを回転中心として回転して相互に開いている状態、つまり、
図35に示すように展開されている状態においては、タッチパネル2とキー3とがほぼ同一方向を向くよう配置されている。
【0179】
そして、上述したヒンジ1Cは、タッチパネル2やキー3が装備された側とは反対側つまり背面側に装備されている。このため、本実施形態における携帯型情報処理端末1は、
図36に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが、背中合わせに折り畳まれた状態を採ることが可能となる。つまり、表示器側筐体1Aに装備されたタッチパネル2と、入力デバイス側筐体1Bに装備された複数のキー3とが、互いに外側に位置し、反対の方向を向いた形状となる。
【0180】
ここで、上記では、携帯型情報処理端末1に装備された表示装置は、表示器21にタッチセンサ22が装備されたタッチパネル2である場合を例示したが、本発明における携帯型情報処理端末1の表示装置は、表示器21のみで構成されていてもよい。
【0181】
また、複数のキー3は、筐体の外側に向かって露出して設置されており、筐体側に向かって押下可能なよう構成されている。なお、本実施形態では、複数のキー3は、5行×5列つまり1行に5個のキーが5列にわたって配列されて設けられている。但し、複数のキー3の配列は、5行×5列であることに限定されない。
【0182】
また、携帯型情報処理端末1は、操作装置として、上記キー3の他に、あるいは、上記キー3に替って、タッチパッド9やポインティングデバイス8といった入力デバイスを備えている。
【0183】
上記タッチパッド9は、例えば、後述する
図41(1−A)に示すように、入力デバイス側筐体1Bの操作面に装備される。そして、操作者の指やスタイラスペンなどによる接触操作によって、操作面に沿った2次元の座標情報や所定の方向(例えば、上(U)、下(D)、右(R)、左(L))の情報を含むベクトル情報の入力を受け付ける。なお、
図41では、携帯型情報処理端末1に装備された入力デバイスとしてタッチパッド9のみを表示しているが、キー3などの他の操作装置が同時に装備されていてもよい。
【0184】
また、上記ポインティングデバイス8は、例えば、
図42(1−A)に示すように、入力デバイス側筐体1Bの操作面に装備される。そして、操作者の指による各方向への押し倒し操作によって、操作面に沿った所定の方向(例えば、上(U)、下(D)、右(R)、左(L))の情報を含むベクトル情報の入力を受け付ける。なお、
図42では、携帯型情報処理端末1に装備された入力デバイスとしてポインティングデバイス8のみを表示しているが、キー3などの他の操作装置が同時に装備されていてもよい。
【0185】
ここで、
図37は、上述した構成の携帯型情報処理端末1を、操作者が手Hに持って操作している時の様子を示すものである。この図に示すように、操作者が、タッチパネル2が手前に見えキー3が背面に位置するように保持すると、携帯型情報処理端末1の背後に操作者の手Hが位置し、さらに、操作者の指F(人差し指)が背面側のキー3上に位置することとなる。これにより、操作者は、手Hや指Fが表示器21を覆うことで視認性を損なわれることなく、かつ、指Fが背面側のキー3を操作しやすくなる。
【0186】
なお、
図37は、操作者が携帯型情報処理端末1を片手で持つ例であるが、タブレット形状の情報処理端末を両手で持つ場合は、これが左右両手になり、同様の効果が得られることに加え、左右で異なる操作を設定できるなど、操作の自由度が増す。また一方の手で確実に保持することで、残る手による操作動作の自由度が増す。
【0187】
ここで、上記では、携帯型情報処理端末1が略長方形状の2つの筐体1A,1Bにて形成されており、短辺側でヒンジ1Cにて回転自在に連結されている場合を例示したが、携帯型情報処理端末1の形状は上述した形状に限定されない。なお、他の構成の携帯型情報処理端末については、他の実施形態にて説明する。
【0188】
また、携帯型情報処理端末1は、表示器側筐体1Aに装備されたタッチパネル2の表示面の向きと、入力デバイス側筐体1Bに装備されたキー3の配置面つまり操作面の向きと、を検出する向き検出手段として、磁気センサ12や、第一及び第二加速度センサ10,11を装備している。
【0189】
上記磁気センサ12は、例えば、
図38に示すように、入力デバイス側筐体1Bの内部に備えられている。また、この磁気センサ12にて検出する磁界を発生する磁石12aが、表示器側筐体1Aの内部に備えられている。磁石12aと磁気センサ12の位置は、
図38(A)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとがヒンジ1Cを介して展開して開いている状態にある場合には、当該ヒンジ1Cを挟んで対称となる位置であり、
図38(B)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが折り畳まれている状態にある場合には、筐体内において相互に対応するほぼ同一の位置に配置されている。
【0190】
これにより、
図38(A)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとがヒンジ1Cを介して展開して開いている状態にある場合には、磁石12aと磁気センサ12とは離れて位置するため、当該磁気センサ12にて検出する磁界は弱い。一方、
図38(B)に示すように折り畳まれた状態では、磁石12aと磁気センサ12とは近接し、当該磁気センサ12の検出する磁界は強い。かかる磁界の強弱信号は、筐体1A,1Bの変形信号として、磁気センサ12からプロセッサ4に伝えられ、プロセッサ4は筐体1A,1Bが展開されているか、または折り畳まれているかの状態を識別することができる。
【0191】
そして、プロセッサ4は、磁気センサ12からの出力により、各筐体1A,1Bが展開されていると判断した場合には、タッチパネル2の表示面とキー3の操作面とがほぼ同一面上に位置していて、ほぼ同一方向を向いていると判断する。一方で、プロセッサ4は、各筐体1A,1Bが折り畳まれていると判断した場合には、タッチパネル2の表示面とキー3の操作面とが相互に反対側の面に位置していて、ほぼ反対方向を向いていると判断することができる。
【0192】
また、携帯型情報処理端末1は、各筐体1A,1Bの向きを検出する向き検出手段として、
図39に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとの内部に、それぞれ加速度センサ10,11を備えていてもよい。そして、各加速度センサ10,11の位置は、
図39(A)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとがヒンジ1Cを介して展開して開いている状態にある場合には、当該ヒンジ1Cを挟んで対称となる位置であり、
図39(B)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが折り畳まれている状態にある場合には、筐体内において相互に対応するほぼ同一の位置に配置されている。
【0193】
そして、
図39に示す状況では、携帯型情報処理端末1は、地球との万有引力に起因した加速度、つまり重力加速度Gを受けている。ここで、
図39(A)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとがヒンジ1Cを介して展開された状態にある場合には、重力加速度は、加速度センサ10にてベクトルr、加速度センサ11にてベクトルdとして検出されており、それぞれが同一方向となっている。一方、
図39(B)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bと折り畳まれた状態では、加速度センサ10はベクトルrで変わらないにも関わらず、加速度センサ11はベクトルd’として、展開されているときのベクトルdと逆方向の加速度を検出している。これらのベクトル信号は、筐体の変形信号として、加速度センサ10と加速度センサ11からプロセッサ4に伝えられる。プロセッサ4は、例えば加速度センサ10の出力を基準とし加速度センサ11の出力を判定することで、各筐体1A,1Bが展開されているか、または折り畳まれているかの状態を認識する。なお、二つの加速度センサ10,11の出力が同じように変化していた場合は、形状は変わらず、向きだけが変わったと認識される。
【0194】
ここで、二つの加速度センサ10,11の出力が同じように変化しているか否かの判定のためには、二つの加速度センサの検出時刻差Δtが、判定に許容される加速度測定誤差Dを、予想される最大の加速度変化、つまり単位時間あたりの最大加速度変化量vで割った値より、小さくなければならない。
Δt < D/v ・・・(1)
【0195】
なお、加速度検出を複数回または連続して行い、平均値を求めることで、検出精度を高めることができる。重力加速度を利用する他、無重力状態においても手で持って振るなどして加速度を与えることで、同様の効果を得ることができる。
【0196】
そして、プロセッサ4は、加速度センサ10,11からの出力により、各筐体1A,1Bが展開されていると判断した場合には、プロセッサ4は、タッチパネル2の表示面とキー3の操作面とがほぼ同一面上に位置していて、ほぼ同一方向を向いていると判断することができる。一方で、プロセッサ4は、各筐体1A,1Bが折り畳まれていると判断した場合には、タッチパネル2の表示面とキー3の操作面とが相互に反対側の面に位置していて、ほぼ反対方向を向いていると判断することができる。なお、上述したプロセッサ4による表示面と操作面との相対的な向きの判断方法は、後述する他の実施形態における各筐体1A,1Bが分離する構成の場合にも利用することができる。但し、携帯型情報処理端末1における表示面と操作面との相対的な向きを判断する構成や方法は、上述したものに限定されず、他の構成や方法を用いて実現されてもよい。
【0197】
そして、上述したプロセッサ4は、各キー3が操作されたときに入力された入力値を検出して、かかる検出した入力値に応じた処理を実行するが、特に、本実施形態では、上述したように検出した表示面に対する操作面の向きに応じて、各キー3やポインティングデバイス8,タッチパッド9の操作状態に対応する入力値を、他のキーに対応する入力値や他の操作状態に対応する入力値に変換して受け付ける機能(入力受付手段)を有する。さらに、本実施形態では、変換して受け付ける入力値に対応する情報(操作キー配置情報、入力方向情報)を、タッチパネル2の表示器21に表示する機能を有する。これについては、以下の動作説明にて詳述する。なお、以下に説明する動作を実現するための機能は、プロセッサ4にプログラムが組み込まれることで実現されるが、論理回路により実現することもできる。
【0198】
[動作]
次に、上述した携帯型情報処理端末1、特にプロセッサ4の動作を、
図40乃至
図42を参照して説明する。なお、
図40は、携帯型情報処理端末1の入力デバイス側筐体1Bに複数のキー3が装備された時の動作を示しており、
図41はタッチパッド9、
図42はポインティングデバイス8、がそれぞれ装備されたときの動作を示している。
【0199】
はじめに、
図40を参照して、行列状に配列された複数のキー3を装備した携帯型情報処理端末1の動作について説明する。まず、プロセッサ4は、上述したように、磁気センサ12や加速度センサ10,11からの検出値に応じて、各筐体1A,1Bが展開されているか、折り畳まれているかの状態を認識する。
【0200】
そして、
図40(1−A)、(1−B)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが展開された状態にある場合には、タッチパネル2の表示面とキー3の操作面とがほぼ同一方向を向き、ほぼ同一面上に位置していると判断する。この場合には、プロセッサ4は、各キー3が操作された時の入力値として、当該各キー3に予め割り当てられた入力値を受け付ける。
【0201】
一方、
図40(2−A)、(2−B)、(2−C)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが折り畳まれ状態にある場合には、タッチパネル2の表示面に対してキー3の操作面が反対側の面に位置していると判断する。この場合には、プロセッサ4は、タッチパネル2の表示面とは反対面に位置するキー3の配置を、タッチパネル2の表示面に透視されたように表示する。このとき、実際のキー3の配置は、タッチパネル2側に位置する操作者にとっては、
図40(2−A)に示すように、最下段の行に左から「A」、「B」・・・と配置されている状態となる。これに対して、プロセッサ4は、
図40(3−A)、(3−B)、(3−C)に示すように、各キー3の配置が実際の配置に対して上下が逆となる鏡像対称に補正したキー3の配列を、タッチパネル2の表示器21に透視したように表示する。
【0202】
また、プロセッサ4は、実際にキー3が操作された時に受け付ける入力値を、補正されたキー3の配列と同様に補正する。つまり、各キー3自体と、当該各キー3に割り当てられているキーコード(またはキーの機能)との対応関係を、上述したようにタッチパネル2に表示する際に補正したキー3の配列と同様となるよう補正する。これにより、各キー3が操作された時には、当該キー3の入力値として、当該各キー3に補正して割り当てられた他のキー3の入力値を受け付ける。例えば、キー「U」が押下された時には、「A」の入力値として受け付け、キー「V」が押下された時には、「B」の入力値として受け付ける。
【0203】
この結果、表示面を見ている操作者の感覚的なキー配列の認識と、キー操作により受け付けられるキーコードの配列を一致させることができる。なお、プロセッサ4は、タッチパネル2の表示面とは反対面に位置するキー3の配置をタッチパネル2の表示面に透視されたように表示することなく、上述したように、キー3が操作された時に受け付ける入力値がキー3の配置に対して上下逆となるよう補正してもよい。
【0204】
次に、
図41を参照して、入力デバイスとしてタッチパッド9を装備した携帯型情報処理端末1の動作について説明する。まず、プロセッサ4は、上述したように、磁気センサ12や加速度センサ10,11からの検出値に応じて、各筐体1A,1Bが展開されているか、折り畳まれているかの状態を認識する。
【0205】
そして、
図41(1−A)、(1−B)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが展開された状態にある場合には、タッチパネル2の表示面とタッチパッド9の操作面とがほぼ同一方向を向き、ほぼ同一面上に位置していると判断する。この場合に、プロセッサ4は、タッチパッド9に接触入力操作により入力されたときの方向情報である入力値として、当該タッチパッド9に予め設定された方向の入力値を受け付ける。つまり、
図41(1−A)に示すように、操作者がタッチパッド9に対向して上方向に操作した場合には、上(U)方向の入力値を受け付け、右方向に操作した場合には、右(R)方向の入力値を受け付ける。
【0206】
一方で、
図41(2−A)、(2−B)、(2−C)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが折り畳まれ状態にある場合には、タッチパネル2の表示面に対してタッチパッド9の操作面が反対側の面に位置していると判断する。この場合に、プロセッサ4は、タッチパネル2の反対面に位置するタッチパッド9への入力方向を、タッチパネル2の表示面から透視されたように表示する。このとき、実際のタッチパッド9に対する入力方向は、タッチパネル2側に位置する操作者にとっては、
図41(2−A)に示すように、上方向への操作が、下(D)方向への入力となってしまう。これに対して、プロセッサ4は、
図41(3−A)、(3−B)、(3−C)に示すように、タッチパッド9に対する入力方向が実際の入力方向に対して上下が逆となる鏡像対称に補正した入力方向を、タッチパネル2に透視されたように表示する。
【0207】
また、プロセッサ4は、実際にタッチパッド9が操作された時に受け付ける入力方向を表す入力値を、補正された入力方向の表示と同様となるよう補正する。これにより、タッチパッド9が操作された時には、当該タッチパッド9に対する入力値として、上下方向が逆となった方向の入力値を受け付ける。例えば、タッチパッド9に対して実際には下(D)方向の入力値となる操作を行った場合であっても、上(U)方向の入力値として受け付け、実際には上(U)方向の入力値となる操作を行った場合であっても、下(D)方向の入力値として受け付ける。これにより、操作者による動きと入力値とが一致することとなる。
【0208】
なお、プロセッサ4は、タッチパネル2の反対面に位置するタッチパッド9への入力方向をタッチパネル2の表示面から透視されたように表示することなく、上述したように、タッチパッド9が操作されたときに受け付ける入力方向の入力値が上下逆となるよう補正してもよい。
【0209】
次に、
図42を参照して、入力デバイスとしてポインティングデバイス8を装備した携帯型情報処理端末1の動作について説明する。まず、プロセッサ4は、上述したように、磁気センサ12や加速度センサ10,11からの検出値に応じて、各筐体1A,1Bが展開されているか、折り畳まれているかの状態を認識する。
【0210】
そして、
図42(1−A)、(1−B)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが展開された状態にある場合には、タッチパネル2の表示面とポインティングデバイス8の操作面とがほぼ同一方向を向き、ほぼ同一面上に位置していると判断する。この場合には、プロセッサ4は、ポインティングデバイス8に入力操作により入力されたときの方向情報である入力値として、当該ポインティングデバイス8に予め設定された方向の入力値を受け付ける。つまり、
図42(1−A)に示すように、操作者がポインティングデバイス8に対向して上方向に操作した場合には、上(U)方向の入力値を受け付け、右方向に操作した場合には、右(R)方向の入力値を受け付ける。
【0211】
一方で、
図42(2−A)、(2−B)、(2−C)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが折り畳まれ状態にある場合には、タッチパネル2の表示面に対してポインティングデバイス8の操作面が反対側の面に位置していると判断する。この場合に、プロセッサ4は、タッチパネル2の反対面に位置するポインティングデバイス8への入力方向を、タッチパネル2の表示面から透視されたように表示する。このとき、実際のポインティングデバイス8に対する入力方向は、タッチパネル2側に位置する操作者にとっては、
図42(2−A)に示すように、上方向への操作は、下(D)方向の入力となってしまう。これに対して、プロセッサ4は、
図42(3−A)、(3−B)、(3−C)に示すように、ポインティングデバイス8に対する入力方向が実際の入力方向に対して上下が逆となる鏡像対称に補正した入力方向を、タッチパネル2に透視されたように表示する。
【0212】
また、プロセッサ4は、実際にポインティングデバイス8が操作された時に受け付ける入力方向を表す入力値を、補正された入力方向の表示と同様となるよう補正する。これにより、ポインティングデバイス8が操作された時には、当該ポインティングデバイス8に対する入力値として、上下方向が逆となった方向の入力値を受け付ける。例えば、ポインティングデバイス8に対して実際には下(D)方向の入力値となる操作がされた時であっても、上(U)方向の入力値として受け付け、実際には上(U)方向の入力値となる操作がされた時であっても、下(D)方向の入力値として受け付ける。これにより、操作者による動きと入力値とが一致することとなる。
【0213】
なお、プロセッサ4は、タッチパネル2の反対面に位置するポインティングデバイス8への入力方向をタッチパネル2の表示面から透視されたように表示することなく、上述したように、ポインティングデバイス8が操作されたときに受け付ける入力方向の入力値が上下逆となるよう補正してもよい。
【0214】
以上説明したように、本実施形態における携帯型情報処理端末1では、各筐体1A,1Bの相対的な向きに応じて、キー3やポインティングデバイス8,タッチパッド9の入力値を、上下方向が反対に装備されたときの操作状態に対応する入力値のイメージをタッチパネル2の表示器21に表示し、かつ、実際に操作された場合は、上下が反対に装備された場合の入力値に補正して受け付ける。従って、操作者にとっては、表示器21に対向して見たときのキー3の配列やポインティングデバイス8,タッチパッド9の入力方向が統一されるため、入力操作時の混乱を防ぐことができ、操作性が向上する。
【0215】
なお、キーのイメージについて、操作者がそれらの配列を認識できるのであれば、大きさや形状が対応する実物のキーと異なっていてもよいし、間隔が対応する実物のキーの間隔と異なっていてもよい。
【0216】
また、入力値の方向を示すイメージを表示するかわりに、対応する方向へ、表示されているキャラクタを移動する、または表示画面をスクロールする等してもよい。
【0217】
もちろん、キーの配列や入力値の方向を操作者が視覚的に確認する必要がない等の場合は、上記イメージ表示を省略することができる。
【0218】
<実施形態4>
次に、本発明の第4の実施形態を、
図43乃至
図46を参照して説明する。
図43は、本実施形態における携帯型情報処理端末の構成を示す外観図であり、
図44乃至
図46は、携帯型情報処理端末における入力装置に対する入力値の変換の様子を説明するための図である。
【0219】
[構成]
本実施形態における携帯型情報処理端末1は、
図43に示すように、上述した実施形態3と同様に、所定の厚みを有する略長方形状の表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとを備えている。そして、本実施形態では、特に、各筐体1A,1Bが長辺側でヒンジ1Cを介して回転自在に連結されている。
【0220】
具体的に、携帯型情報処理端末1は、
図43(1−A)、(1−B)に示すように、2つの筐体1A,1Bがヒンジ1Cを回転中心として回転して相互に開いている状態、つまり、展開されている状態においては、タッチパネル2とキー3とがほぼ同一方向を向くよう配置されている。そして、
図43(2−A)、(2−B)、(2−C)に示すように、各筐体1A,1Bを折り畳んだ状態では、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが、背中合わせに折り畳まれた状態を採ることが可能となる。つまり、表示器側筐体1Aに装備された表示器21と、入力デバイス側筐体1Bに装備された複数のキー3とが、互いに外側に位置し、反対の方向を向いた形状となる。
【0221】
また、携帯型情報処理端末1のプロセッサ4も、上述した実施形態3の場合と同様の構成を採っている。つまり、プロセッサ4は、表示面に対する操作面の向きに応じて、各キー3やポインティングデバイス8,タッチパッド9の操作状態に対応する入力値を、他のキーに対応する入力値や他の操作状態に対応する入力値に変換して受け付ける機能(入力受付手段)や、変換して受け付ける入力値に対応する情報(操作キー配置情報、入力方向情報)を、表示面に表示する機能を有する。これについては、以下の動作説明にて詳述する。
【0222】
[動作]
次に、上述した携帯型情報処理端末1、特にプロセッサ4の動作を、
図44乃至
図46を参照して説明する。なお、
図44は、携帯型情報処理端末1の入力デバイス側筐体1Bに複数のキー3が装備された時の動作を示しており、
図45はタッチパッド9、
図46はポインティングデバイス8、がそれぞれ装備されたときの動作を示している。
【0223】
はじめに、
図44を参照して、行列状に配列された複数のキー3を装備した携帯型情報処理端末1の動作について説明する。まず、プロセッサ4は、上述したように、磁気センサ12や加速度センサ10,11からの検出値に応じて、各筐体1A,1Bが展開されているか、折り畳まれているかの状態を認識する。
【0224】
そして、
図44(1−A)、(1−B)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが展開された状態にある場合には、タッチパネル2の表示面とキー3の操作面とがほぼ同一方向を向き、ほぼ同一面上に位置していると判断する。この場合には、プロセッサ4は、各キー3が操作された時の入力値として、当該各キー3に予め割り当てられた入力値を受け付ける。
【0225】
一方、
図44(2−A)、(2−C)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが折り畳まれ状態にある場合には、タッチパネル2の表示面に対してキー3の操作面が反対側の面に位置していると判断する。この場合には、プロセッサ4は、タッチパネル2の表示面とは反対面に位置するキー3の配置を、タッチパネル2の表示面に透視されたように表示する。このとき、実際のキー3の配置は、タッチパネル2側に位置する操作者にとっては、
図44(2−A)に示すように最上段の行に右側から「A」、「B」・・・のキーが配置されている状態となっている。これに対して、プロセッサ4は、
図44(3−A)、(3−C)に示すように、各キー3の配置が実際の配置に対して左右が逆となる鏡像対称に補正したキー3の配列を、タッチパネル2の表示器21に透視したように表示する。
【0226】
また、プロセッサ4は、実際にキー3が操作された時に受け付ける入力値を、補正されたキー3の配列と同様に補正する。つまり、各キー3自体と、当該各キー3に割り当てられているキーコード(またはキーの機能)との対応関係を、上述したようにタッチパネル2に表示する際に補正したキー3の配列と同様となるよう補正する。これにより、各キー3が操作された時には、当該キー3の入力値として、当該各キー3に補正して割り当てられた他のキー3の入力値を受け付ける。例えば、キー「E」が押下された時には、「A」の入力値を受け付け、キー「D」が押下された時には、「B」の入力値を受け付ける。
【0227】
なお、プロセッサ4は、タッチパネル2の反対面に位置するキー3の配列をタッチパネル2の表示面から透視されたように表示することなく、上述したように、キー3が操作された時に受け付ける入力値が、当該キー3の配置に対して左右逆となるよう補正してもよい。
【0228】
次に、
図45を参照して、入力デバイスとしてタッチパッド9を装備した携帯型情報処理端末1の動作について説明する。まず、プロセッサ4は、上述したように、磁気センサ12や加速度センサ10,11からの検出値に応じて、各筐体1A,1Bが展開されているか、折り畳まれているかの状態を認識する。
【0229】
そして、
図45(1−A)、(1−B)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが展開された状態にある場合には、タッチパネル2の表示面とタッチパッド9の操作面とがほぼ同一方向を向き、ほぼ同一面上に位置していると判断する。この場合に、プロセッサ4は、タッチパッド9に接触入力操作により入力されたときの方向情報である入力値として、当該タッチパッド9に予め設定された方向の入力値を受け付ける。つまり、
図45(1−A)に示すように、操作者がタッチパッド9に対向して上方向に操作した場合には、上(U)方向の入力値を受け付け、右方向に操作した場合には、右(R)方向の入力値を受け付ける。
【0230】
一方で、
図45(2−A)、(2−C)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが折り畳まれ状態にある場合には、タッチパネル2の表示面に対してタッチパッド9の操作面が反対側の面に位置していると判断する。この場合に、プロセッサ4は、タッチパネル2の表示面とは反対面に位置するタッチパッド9への入力方向を、タッチパネル2の表示面から透視されたように表示する。このとき、
図45(2−A)に示すように、タッチパネル2側に位置する操作者にとっては、実際のタッチパッド9に対する操作方向と受け付けられる入力値とは、左右が逆となる。これに対して、プロセッサ4は、
図45(3−A)、(3−C)に示すように、タッチパッド9に対する入力方向が実際の入力方向に対して左右が逆となる鏡像対称に補正した入力方向を、タッチパネル2に透視されたように表示する。
【0231】
また、プロセッサ4は、実際にタッチパッド9が操作された時に受け付ける入力方向を表す入力値を、上述したように補正された入力方向の表示と同様となるよう補正して受け付ける。これにより、タッチパッド9が操作された時には、当該タッチパッド9に対する入力値として、左右方向が逆となった方向の入力値を受け付ける。例えば、タッチパッド9に対して実際には左(L)方向の操作がされた時であっても、右(R)方向の入力値として受け付け、実際には右(R)方向が操作がされた時であっても、左(L)方向の入力値として受け付ける。
【0232】
なお、プロセッサ4は、タッチパネル2の反対面に位置するタッチパッド9への入力方向をタッチパネル2の表示面から透視されたように表示することなく、上述したように、タッチパッド9が操作されたときに受け付ける入力方向の入力値が左右逆となるよう補正してもよい。
【0233】
次に、
図46を参照して、入力デバイスとしてポインティングデバイス8を装備した携帯型情報処理端末1の動作について説明する。まず、プロセッサ4は、上述したように、磁気センサ12や加速度センサ10,11からの検出値に応じて、各筐体1A,1Bが展開されているか、折り畳まれているかの状態を認識する。
【0234】
そして、
図46(1−A)、(1−B)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが展開された状態にある場合には、タッチパネル2の表示面とポインティングデバイス8の操作面とがほぼ同一方向を向き、ほぼ同一面上に位置していると判断する。この場合には、プロセッサ4は、ポインティングデバイス8に入力操作により入力されたときの方向情報である入力値として、当該ポインティングデバイス8に予め設定された方向の入力値を受け付ける。つまり、
図46(1−A)に示すように、操作者がポインティングデバイス8に対向して上方向に操作した場合には、上(U)方向の入力値を受け付け、右方向に操作した場合には、右(R)方向の入力値を受け付ける。
【0235】
一方で、
図46(2−A)、(2−C)に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが折り畳まれ状態にある場合には、タッチパネル2の表示面に対してポインティングデバイス8の操作面が反対側の面に位置していると判断する。この場合に、プロセッサ4は、タッチパネル2の表示面とは反対面に位置するポインティングデバイス8への入力方向を、タッチパネル2の表示面から透視されたように表示する。このとき、
図46(2−A)に示すように、実際のポインティングデバイス8に対する操作方向と受け付けられる入力値とは、左右が逆となる。これに対して、プロセッサ4は、
図46(3−A)、(3−C)に示すように、ポインティングデバイス8に対する入力方向が実際の入力方向に対して左右が逆となる鏡像対称に補正した入力方向を、タッチパネル2に透視されたように表示する。
【0236】
また、プロセッサ4は、実際にポインティングデバイス8が操作された時に受け付ける入力方向を表す入力値を、上述したように補正された入力方向の表示と同様となるよう補正して受け付ける。これにより、ポインティングデバイス8が操作された時には、当該ポインティングデバイス8に対する入力値として、左右方向が逆となった方向の入力値を受け付ける。例えば、ポインティングデバイス8に対して実際には左(L)方向の操作がされた時であっても、右(R)方向の入力値として受け付け、実際には右(R)方向が操作された時であっても、左(L)方向の入力値として受け付ける。
【0237】
なお、プロセッサ4は、タッチパネル2の反対面に位置するポインティングデバイス8への入力方向をタッチパネル2の表示面から透視されたように表示することなく、上述したように、ポインティングデバイス8が操作されたときに受け付ける入力方向の入力値が左右逆となるよう補正してもよい。
【0238】
以上説明したように、本実施形態における携帯型情報処理端末1では、各筐体1A,1Bの相対的な向きに応じて、キー3やポインティングデバイス8,タッチパッド9の入力値を、左右方向が反対に装備されたときの操作状態に対応する入力値のイメージをタッチパネル2の表示器21に表示し、かつ、実際に操作された場合は、左右が反対に装備された場合の入力値に補正して受け付ける。従って、操作者にとっては、表示器21に対向して見たときのキー3の配列やポインティングデバイス8,タッチパッド9の入力方向が統一されるため、入力操作時の混乱を防ぐことができ、操作性が向上する。
【0239】
なお、キーのイメージについて、操作者がそれらの配列を認識できるのであれば、大きさや形状が対応する実物のキーと異なっていてもよいし、間隔が対応する実物のキーの間隔と異なっていてもよい。
【0240】
また、入力値の方向を示すイメージを表示するかわりに、対応する方向へ、表示されているキャラクタを移動する、または表示画面をスクロールする等してもよい。
【0241】
もちろん、キーの配列や入力値の方向を操作者が視覚的に確認する必要がない等の場合は、上記イメージ表示を省略することができる。
【0242】
<実施形態5>
次に、本発明の第5の実施形態を、
図47乃至
図52を参照して説明する。
図47は、本実施形態における携帯型情報処理端末の構成を示す外観図である。
図48は、携帯型情報処理端末における表示面に対する操作面の向きの検出方法を示す図である。
図49は、携帯型情報処理端末の使用時の様子を示す図であり、
図50は、携帯型情報処理端末における入力デバイスに対する入力値の変換の様子を説明するための図である。
図51は、携帯型情報処理端末の使用時の他の様子を示す図であり、
図52は、携帯型情報処理端末における入力デバイスに対する入力値の他の変換の様子を説明するための図である。
【0243】
[構成]
本実施形態における携帯型情報処理端末1は、上述した実施形態3,4と同様に、所定の厚みを有する略長方形状の表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとを備えている。但し、
図47に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとは、相互に予め分離されて、あるいは、相互に着脱自在に分離可能なよう構成されている。このとき、各筐体1A,1Bは、相互に、
図47(A)に示すように柔軟なケーブル1Dで接続されていたり、あるいは、
図47(B)に示すように、無線通信1Eにて接続されている。
【0244】
そして、携帯型情報処理端末1は、
図48に示すように、上述同様に、各筐体1A,1Bの向きを検出する向き検出手段として、加速度センサ10,11を備えている。また、携帯型情報処理端末1は、上述同様のプロセッサ4を備えており、当該プロセッサは、各加速度センサ10,11から検出した加速度を検出することで、タッチパネル2の表示面とキー3の操作面とが同一方向を向いているか、あるいは、相互に反対方向を向いているか、を判断することができる。例えば、
図48(A)に示すように、重力加速度Gが加速度センサ10にてベクトルr、加速度センサ11にてベクトルdとして検出されており、それぞれが同一方向となっている場合には、同一方向を向いていると判断する。一方、加速度センサ10はベクトルrで変わらないにも関わらず、加速度センサ11はベクトルd’として、上記ベクトルdと逆方向の加速度を検出している場合には、相互に反対方向を向いていると判断する。
【0245】
なお、上記は、各筐体1A,1Bにおける表示面と操作面との面の相対的な向きを検出する方法を例示したが、さらに別方向の加速度を検出できる加速度センサを設けることで、各筐体1A,1Bの上下、左右方向の向きも検出することが可能である。つまり、各筐体1A,1Bにおける3次元方向の相対的な向きを検出することも可能である。
【0246】
また、携帯型情報処理端末1のプロセッサ4は、上述した実施形態3,4の場合と同様の構成を採っている。つまり、プロセッサ4は、表示面に対する操作面の向きに応じて、各キー3やポインティングデバイス8、タッチパッド9の操作状態に対応する入力値を、他のキー3に対応する入力値や他の操作状態に対応する入力値に変換して受け付ける機能(入力受付手段)や、変換して受け付ける入力値に対応する情報(操作キー配置情報、入力方向情報)を、表示面に表示する機能を有する。これについては、以下の動作説明にて詳述する。
【0247】
[動作]
次に、上述した携帯型情報処理端末1、特にプロセッサ4の動作を、
図49乃至
図52を参照して説明する。なお、はじめに、
図49に示すように、操作者が、タッチパネル2の表示器21に対して対向すると共に、その状態で複数のキー3が背面側に位置するよう入力デバイス側筐体1Bを手Hで把持したときの様子を説明する。つまり、表示面と操作面とが相互に反対面側に位置している場合を説明する。
【0248】
まず、プロセッサ4は、上述したように、加速度センサ10,11からの検出値に応じて、各筐体1A,1Bつまり表示面と操作面との相対的な向きを検出する。
【0249】
そして、
図50(1−A)、(1−B)に示すように、表示器側筐体1Aの表示面と入力デバイス側筐体1Bの操作面とがほぼ同一方向を向いていると判断した場合には、プロセッサ4は、各キー3が操作された時の入力値として、当該各キー3に予め割り当てられた入力値を受け付ける。
【0250】
一方で、
図50(2−A)、(2−B)、(2−C)に示すように、表示器側筐体1Aのタッチパネル2の表示面に対して、入力デバイス側筐体1Bの操作面が反対方向を向いていると判断した場合には、プロセッサ4は、タッチパネル2の表示面とは反対面に位置するキー3の配置を、タッチパネル2の表示面に透視されたように表示する。このとき、入力デバイス側筐体1Bは、
図50(1−A)の場合の向きに対して、表裏逆であると共に、上下方向も逆であることとする。すると、
図50(2−A)、(2−B)、(2−C)に示すように、実際のキー3の配置は、タッチパネル2側に位置する操作者にとっては、最下段の行に右側から「A」、「B」・・・と各キー3が配置されている状態となっている。これに対して、プロセッサ4は、
図50(3−A)、(3−B)、(3−C)に示すように、各キー3の配列が実際の配列に対して上下が逆となる鏡像対称に補正したキー3の配列を、タッチパネル2の表示器21に透視したように表示する。
【0251】
また、プロセッサ4は、実際にキー3が操作された時に受け付ける入力値を、補正されたキー3の配列と同様に補正する。つまり、各キー3自体と、当該各キー3に割り当てられているキーコード(またはキーの機能)との対応関係を、上述したようにタッチパネル2に表示する際に補正したキー3の配列と同様となるよう補正する。これにより、各キー3が操作された時には、当該キー3の入力値として、当該各キー3に補正して割り当てられた他のキー3の入力値を受け付ける。例えば、キー「U」が押下された時には、「A」の入力値を受け付け、キー「V」が押下された時には、「B」の入力値を受け付ける。
【0252】
なお、プロセッサ4は、タッチパネル2の反対面に位置するキー3の配列をタッチパネル2の表示面から透視されたように表示することなく、上述したように、キー3が操作された時に受け付ける入力値が、当該キー3の配置に対して上下逆となるよう補正してもよい。
【0253】
次に、
図51に示すように、操作者が、タッチパネル2の表示面に対して、キー3の操作面が同一面側を向いているものの、当該キー3の上下方向が逆となるように、入力デバイス側筐体1Bを把持した場合を説明する。
【0254】
上述したように、プロセッサ4が、表示面に対して操作面が同一方向を向いているものの、当該操作面が上下逆であると判断した場合に、タッチパネル2の表示面とは上下逆になっているキー3の配置を、タッチパネル2の表示面に表示する。このとき、
図52(2−A)、(2−B)、(2−C)に示すように、実際のキー3の配置は、操作者にとっては、
図52(2−A)に示すように最下段の行に右側から「A」、「B」・・・と各キー3が配置されている状態となっている。これに対して、プロセッサ4は、
図52(3−A)、(3−B)、(3−C)に示すように、各キー3の配置が実際の配置に対して上下左右それぞれが逆となる点対称に補正したキー3の配列を、タッチパネル2の表示器21に表示する。
【0255】
また、プロセッサ4は、実際にキー3が操作された時に受け付ける入力値を、補正されたキー3の配列と同様に補正する。つまり、各キー3自体と、当該各キー3に割り当てられているキーコード(またはキーの機能)との対応関係を、上述したようにタッチパネル2に表示する際に補正したキー3の配列と同様となるよう補正する。これにより、各キー3が操作された時には、当該キー3の入力値として、当該各キー3に補正して割り当てられた他のキー3の入力値を受け付ける。例えば、キー「Y」が押下された時には、「A」の入力値を受け付け、キー「X」が押下された時には、「B」の入力値を受け付ける。
【0256】
なお、プロセッサ4は、タッチパネル2の反対面に位置するキー3の配列をタッチパネル2の表示面から透視されたように表示することなく、上述したように、キー3が操作された時に受け付ける入力値が、当該キー3の配置に対して上下左右それぞれ逆となるよう補正してもよい。
【0257】
以上説明したように、本実施形態における携帯型情報処理端末1では、各筐体1A,1Bの相対的な向きに応じて、キー3の入力値を、上下及び左右の方向が反対に装備されたときの操作状態に対応する入力値のイメージをタッチパネル2の表示器21に表示し、かつ、実際に操作された場合は、上下及び左右が反対に装備された場合の入力値に補正して受け付ける。従って、操作者にとっては、表示器21に対向して見たときのキー3の配列が統一されるため、入力操作時の混乱を防ぐことができ、操作性が向上する。
【0258】
ポインティングデバイス8、タッチパッド9を装備した場合も同様である。つまり、各筐体1A,1Bの相対的な向きに応じて、上下左右方向が反対に装備されたときの操作状態に対応する入力値のイメージをタッチパネル2の表示器21に表示し、かつ、実際に操作された場合は、上下左右が反対に装備された場合の入力値に補正して受け付ける。
【0259】
なお、キーのイメージについて、操作者がそれらの配列を認識できるのであれば、大きさや形状が対応する実物のキーと異なっていてもよいし、間隔が対応する実物のキーの間隔と異なっていてもよい。
【0260】
また、入力値の方向を示すイメージを表示するかわりに、対応する方向へ、表示されているキャラクタを移動する、または表示画面をスクロールする等してもよい。
【0261】
もちろん、キーの配列や入力値の方向を操作者が視覚的に確認する必要がない等の場合は、上記イメージ表示を省略することができる。
【0262】
このように、本発明で説明した携帯型情報処理端末によると、端末自体の小型化、入力デバイスの大型化、表示器の大型化のために、表示面の背面にキーを配置した場合であっても、当該背面のキーがタッチパネルと同様の入力操作性を維持することができる。そして、タッチパネル使用時に手や指で表示器が覆われるという不都合を解消することができるため、視認性を維持しつつ、操作性の向上を図ることができる。また、片手で携帯型情報処理端末を保持したまま操作を行うことができ、さらなる操作性の向上を図ることができる。さらに、タッチパネルの使用が抑制され、消費電力を削減することができる。
【0263】
<実施形態6>
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。本実施形態における携帯型情報処理装置1は、上述した各実施形態にて説明した全ての携帯型情報処理端末に適用可能であるが、特に、
図1(B)等に示したように、タッチパネル2が装備された面とは反対側の面に、複数のキー3が常に露出した状態となっている携帯型情報処理端末に有効である。但し、以下に説明する本実施形態の携帯型情報処理端末1が装備する機能や構成は、上述した各実施形態における携帯型情報処理端末が装備することに限定されず、いかなる携帯型情報処理端末にも装備することが可能である。
【0264】
携帯型情報処理端末1が、
図1(B)等にも示すように、タッチパネル2が装備された面とは反対側の面に複数のキー3が常に露出した状態となっている場合には、キー3が常時動作していると、携帯型情報処理端末1を机等に置いたときにキー3自体が押されたり、鞄や衣類のポケット等に収納したときに周囲から押されたり、子供やペットが触れるなど、様々な要因によって不慮の動作を招く恐れがある。よって、これら想定外の起動を防止する施策が必要であるが、一方でそれらの施策は通常の使用を妨げない方法であることが望ましい。
【0265】
このため、本実施形態における携帯型情報処理端末のプロセッサ4は、一定時間以上操作が行われないときや、予め指定された操作が行われたときに、動作が停止して特定のキー以外のキー入力を受け付けないスリープ状態(操作制限状態)となる機能を備えると共に、操作者が使用するときには、下記の方法の一つまたはこれら方法の組み合わせを行うことによって、キー入力機能を起動する機能を備える。つまり、プロセッサ4は、スリープ状態の場合に、予め設定されたキーに対する予め設定された操作を検出すると、スリープ状態を解除して、全てのキーに対する操作に対応する情報入力の受け付けを開始するよう起動する。
【0266】
なお、以下では、スリープ状態において予め設定されたキーの操作を検出する処理は、プロセッサ4に内蔵される、あるいは別途装備される監視回路で行われるが、かかる監視回路も、プロセッサ4と同様に携帯型情報処理端末の制御装置に含まれるものである。
【0267】
まず、一つ目の起動方法として、「一つのキーを、一定時間以上連続操作する(例えば、長押しする)」という方法にて、キー入力機能を起動する。
【0268】
この場合の動作は、例えば以下のようになる。キー3のうち予め決められたキーが押下されたら、スリープ状態にあったプロセッサ4が起動し、タイマ13へ計時開始指示を出すとともに、キーが押され続けているか否かの押下解除監視と、タイマ13からの割り込み監視を開始する。タイマ13には予め時間しきい値が設定されており、計時時間が時間しきい値を超えると、プロセッサ4に割り込み信号を出力する。プロセッサ4は、割り込み信号より先に押下解除を検出したら、タイマ13に計時中止指示を出し、スリープ状態に戻る。プロセッサ4は、押下解除より先に割り込み信号を検出したら、他のキーの入力受付も開始する。
【0269】
以上のように構成することで、複数のキーのうちから特定のキーを選択し、一定の時間以上の連続操作をしないと残りのキーが起動しないので、不慮の起動を防止できる。
【0270】
なお、携帯型情報処理端末1に、以下の機能を追加してもよい。第一に、操作すべきキーの設定を変更できる機能を追加してもよい。この機能は、例えばキー3内にフラッシュメモリを用いた起動用キーを設定する回路(図示しない)を設置し、フラッシュメモリの値を変更することで実現できる。この結果、スリープ状態にあるプロセッサ4を起動できるキー3を変更することができ、正規の使用者以外の使用やいたずらを防止することができる。第二に、長押しの時間長(時間しきい値)の設定を変更できる機能を追加してもよい。この機能は、メモリ5(設定パラメータ53)に記録される、タイマ13に設定される時間しきい値を変更することで実現できる。この結果、長く設定するほど下がる誤動作のリスクと、短い方が良い操作性(起動待ち時間)を比較しつつ、操作者が任意の時間しきい値を選択することができる。
【0271】
また、2つ目の起動方法として、「2以上のキーを、同時操作する」という方法にて、キー入力機能を起動する。
【0272】
この場合の動作は、例えば以下のようになる。監視回路(ここではプロセッサ4に内蔵され、図示しない)は、プロセッサ4がスリープ状態にあっても、常時キー3からの入力の監視を行っている。プロセッサ4がスリープ状態である時に、監視回路が予め決められた2以上のキーの全てが押されていることを検出したら、監視回路はプロセッサ4を起動し、他のキーの入力受付も開始させる。このとき、上記1つ目の起動方法のように、監視回路とタイマー13が予め決められた2以上のキーの全てが同時に押されている時間を計測し、その時間長とタイマ13に予め設定された時間しきい値との比較結果から、起動するか否かの判定を行っても良い。
【0273】
以上のように構成することで、複数のキー3のうちから特定の2以上のキーを選択しないと残りのキーが起動しないので、不慮の起動を防止できる。また、上記2以上のキーを一定の時間以上の連続操作をしないと残りのキーが起動しないので、さらに効果が向上する。
【0274】
なお、携帯型情報処理端末1に、以下の機能を追加してもよい。第一に、操作すべき2以上のキーの設定を変更できる機能を追加してもよい。この機能は、複数のキーが同時に押されていることを判定する論理積回路の入力とキー出力の間に切替回路を設置し、接続を変更できるようにすることで実現できる。この結果、キーの組み合わせを鍵として操作者の認証を行うことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。また、携帯型情報処理端末1を手に保持したときに、手のひらの凸部や指などが自然に当たる位置のキーを同時操作すべきキーに設定することで、手に保持しただけで複数の操作ステップ無く起動させることができ、操作性が向上する。もちろん、操作者の手の大きさや指の長さ等に応じて、同時操作すべきキーを設定することができる。第二に、一つ目の起動方法と同様の方法で、2以上のキーを同時操作する時間長の設定を変更できる機能を追加してもよい。第三に、任意のキーまたは予め明示されたキーを押すと、画面表示,音声発生,振動発生のどれか、またはそれらの組み合わせによって、同時操作すべきキーを操作者に教えることができ、さらにそれらの設定を変更できる機能を追加してもよい。この機能は、通信システム7の機能の一部(例えば、携帯電話の音声発生機能や振動発生機能)を活用して実現することができる。この結果、同時操作すべきキーを忘れてしまった操作者を、携帯型情報処理端末1が補助することができる。
【0275】
また、3つ目の起動方法として、「2以上のキーを、順に操作する」という方法にて、キー入力機能を起動する。
【0276】
この場合の動作は、例えば以下のようになる。複数のキー3のうち予め決められた1番目のキーが押下されたら、スリープ状態にあったプロセッサ4が起動する。プロセッサ4は、タイマ13へ計時開始指示を出した後、キー3のうち次に押されるべきキーの押下監視と、タイマ13からの割り込み監視を開始する。タイマ13は、予めメモリ5(設定パラメータ53)等に記録され、タイマ13に設定された上限時間しきい値(TH)以上の時間を計時した場合にはプロセッサ4に割り込み信号を出力する。プロセッサ4は、次に押されるべきキーの押下検出の前に割り込み信号を受信するとキー押下監視を中止し、直ちにスリープ状態に戻る。一方、プロセッサ4は、割り込み信号を受信する前に待ち受けていたキーの押下を検出したら、タイマ13から計時開始からの経過時間を読み出し、タイマ13を初期化する。次に経過時間を予めメモリ5(設定パラメータ53)等に記録されている下限時間しきい値(TL)と比較し、「経過時間<TL」の場合は直ちにスリープ状態に戻る。「TL≦経過時間」の場合、プロセッサ4は、次に押されるべきキー(監視すべきキー)が設定されているか否かを確認する。もし設定されているなら、プロセッサ4は再び、タイマ13へ計時開始指示を出し、次に押されるべきキーの押下監視とタイマ13からの割り込み監視を開始する。もし次に押されるべきキー(監視すべきキー)設定されていないなら、プロセッサ4は、他のキーの入力受付も開始する。
【0277】
以上のように構成することで、複数のキーのうちから特定の2以上のキーを選択し、特定の順序、特定のタイミングで操作しないと残りのキーが起動しないので、不慮の起動を防止できる。
【0278】
なお、携帯型情報処理端末1に、以下の機能を追加してもよい。第一に、順に操作すべき2以上のキーの選択を変更できる機能を追加してもよい。この機能は、操作すべきキーの順を、メモリ5(設定パラメータ53)に記憶して変更可能とし、プロセッサ4が逐次読み出すことで実現できる。この結果、操作されるキーの順列を鍵として操作者の認証を行うことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。第二に、キーを押す時間間隔,タイミング(TL,TH)をキー毎に設定できる機能を追加してもよい。この機能は、メモリ5(設定パラメータ53)に記憶された情報を変更することで実現できる。この結果、キー操作の時間間隔やタイミング(あるいはリズム)を鍵として操作者の認証を行うことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。第三に、任意のキーまたは予め明示されたキーを押すと、画面表示,音声発生,振動発生のどれか、またはそれらの組み合わせによって、操作すべきキーや操作タイミング等を操作者に教えることができ、さらにそれらの設定を変更できる機能を追加してもよい。この機能は、通信システム7の機能の一部(例えば、携帯電話の音声発生機能や振動発生機能)を活用して実現することができる。この結果、操作すべきキーの順や操作タイミング等を忘れてしまった操作者を、携帯型情報処理端末1が補助することができる。
【0279】
また、4つ目の起動方法として、「一つのキーを、複数回操作する」という方法にて、キー入力機能を起動する。
【0280】
この場合の動作は、例えば以下のようになる。キー3のうち予め決められたキーが押下されたら、スリープ状態にあったプロセッサ4が起動する。プロセッサ4は、タイマ13へ計時開始指示を出した後、同じキーの押下監視と、タイマ13からの割り込み監視を開始する。タイマ13は、予めメモリ5(設定パラメータ53)等に記録され、タイマ13に設定された上限時間しきい値(TH)以上の時間を計時した場合にはプロセッサ4に割り込み信号を出力する。プロセッサ4は、次のキー押下検出の前に割り込み信号を受信するとキー押下監視を中止し、直ちにスリープ状態に戻る。一方、プロセッサ4は、割り込み信号を受信する前に待ち受けていたキーの押下を検出したら、タイマ13から計時開始からの経過時間を読み出し、タイマ13を初期化する。次に経過時間を予めメモリ5(設定パラメータ53)等に記録されている下限時間しきい値(TL)と比較し、「経過時間<TL」の場合は直ちにスリープ状態に戻る。「TL≦経過時間」の場合、プロセッサ4は、同じキーが次に押されるタイミングを引き続き確認するように設定されているか否かを確認する。もし引き続き確認必要と設定されているなら、プロセッサ4は再び、タイマ13へ計時開始指示を出し、同じキーの押下監視とタイマ13からの割り込み監視を開始する。もし引き続き確認必要と設定されていないなら、プロセッサ4は、他のキーの入力受付も開始する。
【0281】
以上のように構成することで、複数のキーのうちから特定のキーを選択し、特定のタイミングで操作しないと残りのキーが起動しないので、不慮の起動を防止できる。
【0282】
なお、携帯型情報処理端末1に、以下の機能を追加してもよい。第一に、操作すべきキーを変更できる機能を追加してもよい。第二に、キーを押す時間間隔,タイミング(TL,TH)を設定できる機能を追加してもよい。第三に、任意のキーまたは予め明示されたキーを押すと、画面表示,音声発生,振動発生のどれか、またはそれらの組み合わせによって、操作すべきキー、操作タイミング等を操作者に教えることができ、さらにそれらの設定を変更することができる機能を追加してもよい。
【0283】
これらの機能は、既に述べた一つ目から三つ目の起動方法で示した物と同様の方法で実現でき、また同様の効果を有する。
【0284】
なお、上述した停止しているキー入力機能を起動するためのキーに対する入力の監視は、上述したプロセッサ4で行われればよいが、専用の監視回路で代替され実行されてもよい。また、キーの配置は特に位置の指定無ければ、上述した各実施形態に記載された位置に限定されない。さらに、キーにはソフトウェアキーボードが含まれるほか、タッチセンサや光学センサを代替として利用することができる。
【0285】
以上のようにプロセッサ4による処理にてキー3の誤操作を防止する他にも、携帯型情報処理端末の物理的な構造を変更するでも対応することができる。例えば、背面側のキー3のキートップ(キーの天辺)が筐体表面から突出しないよう、キーの取り付け部位が筐体内部に埋め込まれるように筐体に窪みを設けてもよい。また、筐体表面からキートップよりも突出する高さの庇(ひさし)を設けてもよい。このようにすることで、筐体表面に露出しているキーに、周囲の物体が接触して不慮の起動が発生することを有効に防止することができる。
【0286】
<実施形態7>
次に、本発明の第7の実施形態を、
図53乃至
図65を参照して説明する。
図53は、本実施形態における携帯型情報処理端末の使用時の様子を示す図である。
図54は、本実施形態における携帯型情報処理端末の構成を示す外観図である。
図55乃至
図64は、携帯型情報処理端末における情報入力時の様子を説明するための図である。
図65は、携帯型情報処理端末の構成の他の例を示す外観図である。
【0287】
[構成]
本実施形態における携帯型情報処理端末1は、上述した実施形態2で説明したものとほぼ同一の構成を採り、さらに、以下に示すような機能を有する。なお、本実施形態における携帯型情報処理端末1は、上述した他の実施形態にて説明する機能を具備していてもよく、あるいは、具備していなくてもよい。
【0288】
図53は、上述した構成の携帯型情報処理端末1を、操作者が手Hに持って操作している時の様子を示すものである。この図に示すように、操作者が、タッチパネル2が手前に見えキー3が背面に位置するように保持すると、携帯型情報処理端末1の背後に操作者の手Hが位置し、さらに、操作者の指F(人差し指)が背面側のキー3上に位置することとなる。これにより、操作者は、手Hや指Fにより表示器21を含むタッチパネル2を覆うことで視認性を損なうことなく、かつ、指Fにて背面側のキー3を容易に操作することができる。
【0289】
そして、本実施形態における携帯型情報処理端末1は、
図53に示すように、タッチパネル2側の面の周囲に、カメラCといった画像取得手段を備えている。そして、携帯型情報処理端末1は、カメラCによってタッチパネル2を見る操作者Hの顔を撮影し、撮影した画像から操作者Hの顔の向きや視線の方向を検出して、検出した顔の向きや視線の方向に応じた位置情報やベクトル情報を検出する。つまり、上述した実施形態2では、スタイラスペンPや指を用いて、位置情報やベクトル情報を入力していたが、本実施形態では、顔の向きや視線の方向といった操作者の姿勢動作、特に、顔の動作を検出して、位置情報やベクトル情報を入力する、という構成をとる。
【0290】
ここで、上記では、携帯型情報処理端末1が1つの筐体にて形成されている場合を例示したが、携帯型情報処理端末1の形状は上述した形状に限定されない。例えば、携帯型情報処理端末1は、
図54に示すように、表面にタッチパネル2が装備された表示器側筐体1Aと、表面に複数のキー3が装備された入力デバイス側筐体1Bといった、2つの筐体がヒンジ(図示せず)を介して結合された構成であってもよい。なお、
図54(A)は、ヒンジの位置の違いにより、長辺を軸として展開される横展開の場合を示し、
図54(B)は、短辺を軸として展開される縦展開の場合を示している。また、
図53に示すように、表示器側筐体1Aと入力デバイス側筐体1Bとが、背中合わせに折り畳まれた状態で使用されてもよい。
【0291】
なお、上述した
図53、
図54に示す例では、タッチパネル2を備えているが、本実施形態における携帯型情報処理端末1は、必ずしもタッチパネル2を備えている必要はない。符号2に示すタッチパネルは、タッチセンサを有しない表示装置であってもよい。
【0292】
携帯型情報処理端末1に装備されたプロセッサ4は、タッチパネル2や複数のキー3に対して入力された操作状態を検出して、かかる検出した操作状態に応じた処理を実行する。さらに、プロセッサ4は、カメラCの動作を制御して、撮影した画像から操作者の顔の向きや視線の方向と言った姿勢動作を検出する。そして、プロセッサ4は、操作者の顔の向きや視線の方向と言った姿勢動作から検出した位置情報やベクトル情報と、キー3に対して入力された操作状態との組み合わせに応じて、予め設定された入力を受け付ける機能(入力受付手段)を有する。これについては、以下の動作説明にて詳述する。なお、以下に説明する動作を実現するための機能は、プロセッサ4にプログラムが組み込まれることで実現されるが、論理回路により実現することもできる。
【0293】
[動作]
次に、上述した携帯型情報処理端末1、特にプロセッサ4の動作を、
図55乃至
図64を参照して説明する。
【0294】
プロセッサ4は、上記実施形態2で説明したように、予め設定されたアプリケーションデータや設定パラメータを参照しつつ、プログラムを実行することで、画像データの指定された一部を読み出し、演算処理を加え、表示情報としてタッチパネル2である表示器に出力する。そして、表示器は入力された表示情報を表示する。
【0295】
そして、プロセッサ4は、
図6を参照して説明したように、メモリの物理的なアドレス空間の中に構築された論理的な仮想表示空間100に、表示器に表示されるべき画像情報としてキャラクタ111を記録し、仮想表示空間100の中から表示器の表示すべき一部分であるビューウィンドウ110を表示器へ出力している。プロセッサ4は、仮想表示空間100の中でビューウィンドウ110やキャラクタ111をスライドしてスクロール処理を行ったり、大きさを変えて拡大・縮小処理を行ったり、さらには、回転処理などを行う。
【0296】
ここで、携帯型情報処理端末1のプロセッサ4が、上述したようなキャラクタ111等を所定の方向に移動、画面全体をスクロール、所定の方向に回転、拡大・縮小する指令を、カメラC及びキー3から受け付ける処理について説明する。なお、プロセッサ4は、キャラクタ111といった画像データに対する処理指令を受け付けるばかりでなく、文字入力指令や他の操作指令といった種々の指令も受け付ける。
【0297】
まずはじめに、携帯型情報処理端末1におけるカメラCにて撮影した操作者の顔画像から、タッチパネル2上における2次元座標である位置情報やベクトル情報を検出する動作について、
図55乃至
図57を参照して説明する。ここでは、顔の向きの度合いや視線の方向が、タッチパネル2上における所定の座標に対応しており、かかる座標を入力可能である。
【0298】
図55(B)は、携帯型情報処理端末1の正面に操作者の顔が位置する場合に、操作者を上方から見たときの図を示している。また、
図55(E)は、携帯型情報処理端末1の正面に操作者の顔が位置する場合に、操作者を側方から見たときの図を示している。この状態で、携帯型情報処理端末1はカメラCから操作者の顔画像を撮影して、かかる顔画像から顔認識処理を行い、顔全体の輪郭、目、まゆ毛、口の位置などから、操作者の顔は正面に向いていると認識する。そして、タッチパネル2に対して操作者の顔が正面を向いていると認識すると、タッチパネル2の中央の座標を指示している入力として受け付ける。
【0299】
図55(B)の状態から、
図55(A)に示すように操作者が顔を右方向に向けると、携帯型情報処理端末1は、カメラCにて撮影した顔画像から顔認識処理を行い、顔全体の輪郭、目、まゆ毛、口の位置などから、操作者の顔は右方向に向いていると認識し、タッチパネル2の中央から右側に位置する所定の座標を指示する入力を受け付ける。また、
図55(C)に示すように、操作者が顔を左方向に向けると、携帯型情報処理端末1のカメラCにて撮影した顔画像から顔認識処理を行い、顔全体の輪郭、目、まゆ毛、口の位置などから操作者の顔は左方向に向いていると認識し、タッチパネル2の中央から左側に位置する所定の座標を指示しているとして入力として受け付ける。
【0300】
同様に、
図55(E)の状態から、
図55(D)又は
図55(F)に示すように、操作者が顔を下方向あるいは上方向に向けると、携帯型情報処理端末1は、カメラCにて撮影した顔画像から顔認識処理を行い、顔全体の輪郭に対する目やまゆ毛、口の位置などから操作者の顔は下方向あるいは上方向に向いていると認識し、タッチパネル2の中央から下側あるいは上側に位置する所定の座標を指示する入力を受け付ける。
【0301】
なお、上述したように顔の向きから座標の検出を行うために、携帯型情報処理端末1は、操作者の顔の向きの度合いとタッチパネル2上の2次元座標とを対応付けるキャリブレーション処理を事前に行うとよい。ここで、顔の向きの度合いとは、カメラCから観測された顔の向く方向の回転角度である。顔を上下左右に水平移動させることにより生じる顔の位置の変位量も、同様に度合いとして用いることができるが、詳細な説明は省略する。例えば、
図57(A)や(B)に示すように、タッチパネル2上の特定位置(中央と上下左右、又は、中央と4隅)にそれぞれ黒丸印が表示される度に、操作者は各黒丸印の位置にそれぞれ対応付ける顔の向きの度合いとなるよう顔の向きを変える。すると、携帯型情報処理端末1は、各黒丸印が表示された時にカメラCが撮影した画像から検出した操作者の顔の向きの度合いを、当該黒丸印の表示座標に対応付けて記憶する。また、タッチパネル2上の各黒丸印以外の座標も、各黒丸印にそれぞれ対応付けられた顔の向きの度合いに対する中間の向きに対応付けられる。例えば、顔の向く方向の回転角度と座標を1次補間演算により対応付けても良い。
【0302】
また、携帯型情報処理端末1は、上述同様に、カメラCにて撮影した顔画像から、操作者の視線の方向を認識することも可能である。具体的には、撮影した顔画像上で操作者の顔の目及び瞳の位置を認識し、
図56(A)に示すように目の中で瞳が中心に位置している場合には、操作者の視線はタッチパネル2に対して正面を向いていると認識する。これに対して、
図56(B)に示すように、操作者が視線を右方向に向けると、携帯型情報処理端末1は、カメラCにて撮影した顔画像から顔認識処理を行い、目の中における瞳の位置から、操作者の視線は右方向に向いていると認識し、タッチパネル2の中央から右側に位置する所定の座標を指示する入力を受け付ける。また、
図56(C)に示すように、操作者が視線を左方向に向けると、携帯型情報処理端末1は、カメラCにて撮影した顔画像から顔認識処理を行い、目の中における瞳の位置から、操作者の視線は左方向に向いていると認識し、タッチパネル2の中央から左側に位置する所定の座標を指示する入力を受け付ける。
【0303】
同様に、
図56(D)、(E)に示すように、操作者が視線を上方向あるいは下方向に向けると、携帯型情報処理端末1は、カメラCにて撮影した顔画像から顔認識処理を行い、目の中における瞳の位置から、操作者の視線は上方向あるいは下方向に向いていると認識し、タッチパネル2の中央から上側あるいは下側に位置する所定の座標を指示する入力を受け付ける。
【0304】
なお、上述したように視線の方向から座標の検出を行うために、携帯型情報処理端末1は、操作者の視線の方向の度合いとタッチパネル2上の2次元座標とを対応付けるキャリブレーション処理を事前に行うとよい。ここで、視線の方向の度合いとは、カメラCから観測された操作者の目の形状を基準とする瞳の相対的な位置である。例えば、
図57(A)や(B)に示すように、タッチパネル2上の特定位置(中央と上下左右、又は、中央と4隅)にそれぞれ黒丸印が表示される度に、操作者は各黒丸印の位置にそれぞれ対応付ける視線の方向の度合いとなるよう、視線の方向を変える。すると、携帯型情報処理端末1は、各黒丸印が表示された時にカメラCが撮影した画像から検出した操作者の視線の方向の度合いを、当該黒丸印の表示座標に対応付けて記憶する。また、タッチパネル2上の各黒丸印以外の座標も、各黒丸印にそれぞれ対応付けられた視線の方向の度合いに対する中間の方向に対応付けられる。例えば、瞳の位置と座標を1次補間演算により対応付けても良い。また、視線の方向の度合いは顔の向きによる影響を受ける。この影響は顔の向きを検出することで補正できるが、詳細な説明は省略する。
【0305】
以上のようにして、携帯型情報処理端末1は、カメラCにて撮影した操作者の顔画像から認識した顔の向きや視線の方向から、タッチパネル2上における2次元座標の入力を受けるが、顔の向きや視線の方向に対応する方向情報であるベクトル情報の入力を受け付けて、タッチパネル2上における2次元座標の指示を受け付けてもよい。例えば、各顔の向きや視線の方向に対して、それぞれ方向と大きさからなるベクトルを対応付けておき、1回あるいは複数回の顔の向きや視線の方向の入力に対応するベクトルの和が差す2次元座標の入力を受け付ける。
【0306】
例えば、顔の向きを用いる場合、以下の対応付けが考えられる。
顔の向き「正面→上→正面」に変化:「上向きに大きさ1」のベクトル
顔の向き「正面→下→正面」に変化:「下向きに大きさ1」のベクトル
顔の向き「正面→左→正面」に変化:「左向きに大きさ1」のベクトル
顔の向き「正面→右→正面」に変化:「右向きに大きさ1」のベクトル
顔の向き「正面→下→上→正面」に変化:「上向きに大きさ2」のベクトル
顔の向き「正面→上→下→正面」に変化:「下向きに大きさ2」のベクトル
顔の向き「正面→右→左→正面」に変化:「左向きに大きさ2」のベクトル
顔の向き「正面→左→右→正面」に変化:「右向きに大きさ2」のベクトル
なお、顔の向きの変化の反復回数を増やすことで、識別可能なベクトルの大きさの種類を増やすことができる。視線の方向を用いても同様である。
【0307】
そして、これらのベクトル入力は、
図10、14で示したキーによるベクトル入力方法の代替手段として用いてもよい。
【0308】
また、これらの入力動作を開始するにあたり、携帯型情報処理端末1には入力受付開始の指示がなされる。また入力動作終了も、入力受付終了の指示に基づく。その指示方法は、任意のキー、接触センサ、または近接センサからの入力操作に基づくものであっても良いし、振動を与え加速度センサで検出するものであっても良い。さらに、音声により命令を入力するものであっても良い。
【0309】
また、これらの個々のベクトル情報を符号を構成する要素として扱い、複数のベクトル情報を含むグループを一つの情報単位とし、情報を入力することもできる。具体的には、左向きのベクトルを長点、右向きのベクトルを短点とし、モールス符号を構成する。モールス符号は文字の使用頻度を考慮して符号群が構築されているので、効率よく文字入力を行うことができる。また、操作者が符号を記憶しておくことができるので、利便性が高い。なお、符号化にかかるベクトル情報の組合せは、上記に限定されない。
【0310】
次に、以上のようにして顔の向きや視線の方向を用いて、2次元座標を入力する具体例を説明する。はじめに、携帯型情報処理端末1におけるカメラC及びキー3を用いた、タッチパネル2上における所定の点(位置:座標)を入力する方法を説明する。これらの方法は、入力された位置に表示されているキャラクタを選択する指示にも応用される。
【0311】
図58は、タッチパネル2(表示装置)及びカメラCと、キー3とが、携帯型情報処理端末1の筐体のそれぞれ反対面に配置されている場合における、タッチパネル2上の点(座標)の入力方法を説明する図である。
【0312】
まず、携帯型情報処理端末1は、予め顔の画像を受け付ける状態に設定されている。この状態で、
図58(1−A)に示すように、操作者が顔を左下に向けると、携帯型情報処理端末1はカメラCにて撮影した顔画像から、顔の向きの度合いに対応したタッチパネル2上の左下側の任意の点が仮位置として指定される(仮位置入力)。すると、
図58(1−B)に示すように、タッチパネル2上の指定した位置に、暫定決定アイコンM1が表示される。次に、
図58(2−A)及び
図58(2−B)に示すように、顔の向きによって点M1を指定したまま予め決められた背面側のキー31を半押しすると、暫定決定アイコンM1が表示された点(仮位置入力)の位置入力が確定される。つまり、暫定決定アイコンM1(塗り潰した星マーク)が決定アイコンM1(白抜きの星マーク)となり、かかる点の位置を特定する情報が入力された位置情報として受け付けられる。
【0313】
このように、タッチパネル2などの表示装置に対して任意の点を入力するにあたり、操作者の顔の向きの度合いによってタッチパネル2上で指定した点がキー31を半押しすることで確定されるので、先に顔の向きで位置を誤入力した場合であっても確定までは繰り返し再入力が可能となり、操作性が向上する。特に、携帯型情報処理端末1を片手で持っている場合であっても、操作性が向上する。なお、タッチパネル2上で入力した点を、キー31の全押しにより確定してもよい。また、上記では顔の向きで任意の点の仮位置入力を行ったが、上述した視線の方向を用いて任意の点の仮位置入力を行ってもよい。
【0314】
ここで、
図59は、携帯型情報処理端末1が折り畳み式であって、展開したときにタッチパネル2及びカメラCとキー3とが筐体の同一面に配置されている場合である。このような構成の携帯型情報処理端末1であっても、上述同様に、顔の向きで任意の点を入力するにあたり、顔の向きで指定した点M1がキー31を半押しまたは全押しすることで確定される。
【0315】
次に、
図60は、タッチパネル2及びカメラCと、キー3とが、携帯型情報処理端末1の筐体のそれぞれ反対面に配置されている場合における、タッチパネル2上の点(座標)の他の入力方法を説明する図である。
【0316】
まず、
図60(1−A)及び
図60(1−B)に示すように、背面側の予め決められたキー31を半押しすると、カメラCが作動して画像を取得し、操作者の顔の向き(あるいは視線)の認識処理が開始する。つまり、顔の向き(あるいは視線の方向)による入力開始状態となる。次に、キー31を半押ししたまま、
図60(2−A)及び
図60(2−B)に示すように、操作者が顔(あるいは視線)を左下に向けると、携帯型情報処理端末1はカメラCにて撮影した顔画像から、顔の向き(あるいは視線の方向)の度合いに応じたタッチパネル2上の左下側の任意の点が指定される(仮位置入力)。すると、タッチパネル2上の指定した位置に、暫定決定アイコンM1が表示される。
【0317】
次に、
図60(3−A)及び
図60(3−B)に示すように、顔の向き(あるいは視線の方向)によって点M1を指定したまま予め決められた背面側のキー31を全押しすると、暫定決定アイコンM1が表示された点(仮位置入力)の位置入力が確定される。つまり、暫定決定アイコンM1(塗り潰した星マーク)が決定アイコンM1(白抜きの星マーク)となり、かかる点の位置を特定する情報が入力された位置情報として受け付けられる。
【0318】
このように、キー31を半押しすることでカメラCが起動して、顔の向きや視線の方向を用いて仮位置入力が可能となるので、それまでの消費電力を省くことができる。また、タッチパネル2などの表示装置に対して任意の点を入力するにあたり、操作者の顔の向き(あるいは視線の方向)によってタッチパネル2上で指定した点がキー31を全押しすることで確定されるので、先に顔の向き(あるいは視線の方向)で位置を誤入力した場合であっても確定までは繰り返し再入力が可能となり、操作性が向上する。
【0319】
次に、上述したようにタッチパネル2上に1点を入力する操作を利用して、当該タッチパネル2上における任意の2点を入力し、かかる2点を結ぶ方向及び距離からなるベクトル情報を入力する方法を説明する。
【0320】
図61は、タッチパネル2(表示装置)及びカメラCと、キー3とが、携帯型情報処理端末1の筐体のそれぞれ反対面に配置されている場合における、タッチパネル2上のベクトル情報を入力する第一の方法を示している。
【0321】
まず、
図61(1−A)及び
図61(1−B)に示すように、操作者が顔を左下に向けると、携帯型情報処理端末1はカメラCにて撮影した顔画像から、顔の向きの度合いに応じたタッチパネル2上の左下側の任意の点を指定する(第一仮位置入力)。すると、表示器21上の指定した位置に、第一暫定決定アイコンM1が表示される。次に、
図61(2−A)及び
図61(2−B)に示すように、顔の向きによって点M1を指定したまま予め決められた背面側のキー31を半押しすると、第一暫定決定アイコンM1が表示された点(第一仮位置入力)の位置入力が確定される。つまり、暫定決定アイコンM1(塗り潰した星マーク)が決定アイコンM1(白抜きの星マーク)となり、かかる第一の点M1の位置を特定する情報が第一位置情報として受け付けられる。なお、背面側のキー31の半押しを中断すると、第一の点M1の入力受付が解除され、初期状態に戻る。
【0322】
続いて、背面側の特定のキー31を半押しした状態のまま、操作者が顔を右上に向けると、携帯型情報処理端末1はカメラCにて撮影した顔画像から、顔の向きの度合いに対応したタッチパネル2上の右上側の第2の任意の点を指定する(第二仮位置入力)。すると、表示器21上の指定した位置に、第二暫定決定アイコンM2が表示される。
【0323】
さらに、
図61(4−A)及び
図61(4−B)に示すように、顔の向きにて点M2を指定したまま半押ししている背面側のキー31を全押しすると、第二暫定決定アイコンM1が表示された点(第二仮位置入力)の位置入力が確定される。つまり、第二暫定決定アイコンM2(塗り潰した星マーク)が第二決定アイコンM2(白抜きの星マーク)となり、かかる第二の点M2の位置を特定する情報が第二位置情報として受け付けられる。
【0324】
これにより、
図61(4−A)及び
図61(4−B)に示すように、第一位置情報として受け付けられた第一の点M1を始点とし、第二位置情報として受け付けられた第二の点M2を終点としたベクトル情報V10の入力が完了し、プロセッサ4にて受け付けられる。
【0325】
このように、タッチパネル2などの表示装置に対して第一の点M1を入力するにあたっては特定のキー31を半押しすることで確定され、第二の点の入力待ちとなる。その後、第二の点は、半押していたキー31を全押しすることで確定される。よって、第一の点、第二の点とも、誤入力した場合は、確定されるまでは繰り返し再入力が可能となり、操作性が向上する。例えば、プロセッサ4は、特定のキー31が半押しされて第一の点M1が確定された後であっても、その後、第二の点M2を確定すべく全押しされる前に当該キー31の押下が解除された場合には、第一の点M1や第二の点M2の位置入力を無効とするよう作動する。
【0326】
なお、上記では、第一の点M1と第二の点M2とを、それぞれ同一のキー31を押下して確定しているが、それぞれ別々のキー3を押下(半押しや全押し)して確定してもよい。
【0327】
次に、
図62は、タッチパネル2(表示装置)及びカメラCと、キー3とが、携帯型情報処理端末1の筐体のそれぞれ反対面に配置されている場合における、タッチパネル2上にてベクトル情報を入力する第二の方法を示している。
【0328】
まず、
図62(1−A)及び
図62(1−B)に示すように、背面側に位置する任意のキー31を半押しすると、カメラCが作動して画像を取得し、操作者の顔の向き(あるいは視線の方向)の認識処理が開始する。つまり、顔の向き(あるいは視線)による入力開始状態となる。これと同時に、タッチパネル2の表示器21上における半押ししたキー31が対応する位置に、第一の点として基準アイコンM1が表示され、当該基準アイコンM1の位置が第一の点M1として確定される。その後は、第二の点の入力待ちとなる。なお、背面側のキー31の半押しを中断すると、第一の点M1の確定が解除され、初期状態に戻る。
【0329】
ここで、背面側の複数のキー3のそれぞれは、当該各キー3の位置に応じて、タッチパネル2の表示面を複数領域に分割した各領域と対応づけられている。つまり、タッチパネル2の背面側に行列をなして各キー3が配置されている場合には、当該キー3の配列と同様の数の行列に、タッチパネル2上の表示面が分割されて設定されている。そして、例えば、キー3の形成面に対向した状態で右下に位置するキー3が半押しされた場合には、その反対面に位置するタッチパネル2上で対応する左下の領域内の点が、第一の点M1として確定されることとなる。
【0330】
その後、上述したように背面側のキー31の半押し状態を維持したまま、
図62(2−A)及び
図62(2−B)に示すように、顔の向きでタッチパネル2上の任意の点を指定する(第二仮位置入力)。つまり、上記基準アイコンM1である第一の点M1を始点とした場合における、入力すべきベクトル情報の終点に相当する第二の点M2を指定する。すると、表示器21に暫定決定アイコンM2が表示される。
【0331】
その後、さらに、
図62(3−A)及び
図62(3−B)に示すように、顔の向きで第二の点M2を指定したまま、背面側の半押ししているキー31を全押しすると、かかる第二の点M2が確定される。つまり、暫定決定アイコンM2(塗り潰した星マーク)が決定アイコンM2(白抜きの星マーク)となり、かかる点の位置を特定する情報が第二位置情報として受け付けられる。これにより、背面側のキー31の半押しにより確定した第一の点M1を始点とし、その後タッチパネル2上で接触入力すると共にキー31の全押しにより確定した第二の点M2を終点としたベクトル情報V30の入力が完了し、プロセッサ4にて受け付けられる。
【0332】
そして、上述した第一の点、第二の点ともに、誤入力した場合には確定されるまでは繰り返し再入力が可能であるので、操作性が向上する。これと共に、背面側のキー31を半押しすることでカメラCを起動するので、それまでの消費電力を省くことができる。
【0333】
なお、本実施形態では説明を省略するが、実施形態2でスタイラスペンPや指で行っていた全ての表示装置上における所定の点の仮位置入力を、カメラCにて撮影した画像から認識した顔の向きや視線の方向から行うことができる。これにより、携帯型情報処理端末を片手で操作している場合などであっても、操作性が向上する。
【0334】
また、上記では、顔の向きや視線の方向から直接、仮位置となる2次元座標を入力する場合を説明したが、上述したように顔の向きや視線の方向の変化に対応するベクトル情報を入力する方法を用いて、仮位置となる2次元座標を入力してもよい。
【0335】
さらに、上記では、カメラCにて撮影した操作者の顔画像から、操作者の顔の向き、あるいは、視線の方向を検出して、これに応じて位置情報やベクトル情報の入力を受け付けていたが、顔画像から「顔の向き」と「視線の方向」の両方を検出して、これら両方の検出結果に応じて、位置情報やベクトル情報の入力を受け付けてもよい。
【0336】
例えば、「顔の向き」と「視線の方向」が同一方向に変化した場合には、かかる動作に対応する「顔の向き」による入力は受け付けない、としてもよい。具体的には、「顔の向き」が右方向に変化し、「視線の方向」も同じく右方向に変化した場合には、操作者は携帯型情報処理端末1から顔と目の両方をそらしている。このとき操作者は、携帯型情報処理端末1以外の別の事象に気をひかれている可能性が高い。一方、
図63(A)に示すよう、顔の向きは右方向に変化しているが、視線はそのまま端末を向いていて目に対して瞳が左方向に変位しているときのように、それぞれが逆方向に動いている場合には、操作者が入力操作を行っていると判断し、その時の顔の向きに対応する2次元座標やベクトル情報を受け付ける。
図63(C)や
図64(A)、(C)の場合も同様に、それぞれが逆方向に変化している場合には、その時の顔の向きに対応する2次元座標やベクトル情報を受け付ける。この結果、誤った情報の入力を防止できる、という効果が得られる。もちろん、操作者の視線の方向が携帯型情報処理端末1に向いている場合にのみ入力を受け付けるよう、判定基準を設定しても良い。
【0337】
また、上記では、顔の向きや視線の方向にて2次元座標を仮位置入力可能な状態とするためや、仮位置入力を確定するため、仮位置入力を削除するために、携帯型情報処理端末1に予め装備された特定のキーを操作する場合を例示したが、それぞれの操作を行うための専用のキーを、携帯型情報処理端末1に装備してもよい。例えば、
図65に示すように、携帯型情報処理端末1の背面に操作者の人差し指で操作可能なキーB1を3つ装備し、それぞれを、仮位置入力を可能とするキー、仮位置入力を確定するキー、仮位置入力を削除するキー、に割り当てる。
【0338】
また、携帯型情報処理端末1のタッチパネル2の周囲の右側に、操作者の右手親指で操作可能なキーB2を3つ装備し、それぞれを、仮位置入力を可能とするキー、仮位置入力を確定するキー、仮位置入力を削除するキー、に割り当てる。また、携帯型情報処理端末1のタッチパネル2の周囲の左側に、操作者の左手親指で操作可能なキーB3を3つ装備し、それぞれを、仮位置入力を可能とするキー、仮位置入力を確定するキー、仮位置入力を削除するキー、に割り当てる。また、携帯型情報処理端末1の右側面に、操作者の左手の人差し指、中指、薬指、小指などで操作可能なキーB4を3つ装備し、それぞれを、仮位置入力を可能とするキー、仮位置入力を確定するキー、仮位置入力を削除するキー、に割り当てる。また、携帯型情報処理端末1の左側面に、操作者の右手の人差し指、中指、薬指、小指などで操作可能なキーB4を3つ装備し、それぞれを、仮位置入力を可能とするキー、仮位置入力を確定するキー、仮位置入力を削除するキー、に割り当てる。これらのキーの出力はプロセッサ4に入力され、キー3の出力と同様に処理されることができる。さらにこれらのキーは、タッチセンサや近接センサであってもよい。
【0339】
以上のように、顔の向きや視線の方向にて2次元座標を仮位置入力することに対する操作を行うための専用キーを携帯型情報処理端末1に装備することで、操作者の操作性が向上する。
【0340】
なお、上述した顔の向きや視線の方向にて2次元座標を仮位置入力することに対する操作は、必ずしも携帯型情報処理端末1に装備されたキーを用いて行うことに限定されない。例えば、カメラCにて取得した顔画像を処理することにより、左右の目のまばたきや口の開閉をそれぞれ検出し、それぞれの動作に、仮位置入力を可能、仮位置入力を確定、仮位置入力を削除、といった処理を割り当ててもよい。さらに、これらを応用するとマウスと同様の入力手段を実現することができる。具体的には、顔の向きや視線の方向により2次元座標入力を行い、例えば左右の目のまばたきを各々マウスの左右のボタンのクリックに、口の開閉動作をマウスの中央ボタンのクリックに対応付けることができる。
【0341】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における携帯型情報処理装置の構成の概略について、
図66乃至
図75を参照して説明する。また、本発明における、プログラム、入力受付方法の構成について説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0342】
(付記A1:
図66参照)
携帯型情報処理端末200の筐体の所定の面に形成された表示装置201と、
前記表示装置201が形成された面とは反対側に位置する前記筺体の面に複数配置された操作キー202と、
前記操作キー202に対して入力された操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置203と、を備え、
前記制御装置203は、複数の前記操作キー202に対する連続操作を検出したときに、当該複数の操作キー202の連続操作に対応した所定の方向を表す情報の入力を受け付ける、
携帯型情報処理端末200。
【0343】
(付記A2)
付記A1に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、複数の前記操作キーに対する連続操作に対応した所定の方向を表す情報と、複数の前記操作キーに対する連続操作に対応した大きさを表す情報と、を含むベクトル情報の入力を受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0344】
(付記A3)
付記2に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記方向を表す情報は、連続操作された複数の前記操作キーの並び順に対応し、
前記大きさを表す情報は、連続操作された複数の前記操作キーの距離に対応する、
携帯型情報処理端末。
【0345】
(付記A4)
付記2又は3に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、入力された前記ベクトル情報を、前記表示装置の表示面に沿った、ベクトルを表す情報、あるいは、回転を表す情報に変換する、
携帯型情報処理端末。
【0346】
(付記A5)
付記4に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、入力された前記ベクトル情報に基づいて、当該ベクトル情報を、前記表示装置の表示面に沿った、ベクトルを表す情報に変換するか、または、回転を表す情報に変換するか、を識別する、
携帯型情報処理端末。
【0347】
(付記A6)
付記3に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記操作キーは、複数の行と列とに配列されており、
前記制御装置は、連続操作された前記操作キーの行数、及び、列数に応じて、当該連続操作された操作キーの並び順に対応した入力を受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0348】
(付記A7)
付記3に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、連続操作された複数の前記操作キーの数に対応した情報を、前記ベクトル情報の大きさを表す情報として受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0349】
(付記A8)
付記1乃至7のいずれかに記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、複数の前記操作キーに対する所定時間内における連続操作を検出したときに、連続操作に対応した所定の方向を表す情報の入力を受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0350】
(付記A9)
付記1乃至8のいずれかに記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、前記操作キーのうち予め設定された操作キーのみの操作を受け付ける操作制限状態となる機能を有すると共に、前記操作制限状態の場合に、予め設定された操作キーに対する予め設定された操作を検出したときに、前記操作制限状態を解除して全ての前記操作キーに対する操作に対応する情報の入力を受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0351】
(付記A10)
付記9に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、前記操作制限状態の場合に、予め設定された1つのキーを予め設定された時間以上連続操作する、予め設定された2以上のキーを同時に操作する、予め設定された2以上のキーを予め設定された順番に操作する、又は、予め設定された1つのキーを予め設定された回数操作する、といった操作のうち、いずれかの操作により前記操作制限状態を解除する、
携帯型情報処理端末。
【0352】
(付記A11)
携帯型情報処理端末の筐体の所定の面に形成された表示装置と、
前記表示装置が形成された面とは反対側に位置する前記筺体の面に複数配置された操作キーと、
前記操作キーに対して入力された操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記操作キーのうち予め設定された操作キーのみの操作を受け付ける操作制限状態となる機能を有すると共に、前記操作制限状態の場合に、予め設定された操作キーに対する予め設定された操作を検出したときに、前記操作制限状態を解除して全ての前記操作キーに対する操作に対応する情報の入力を受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0353】
(付記A12:
図67参照)
携帯型情報処理端末200の筐体の所定の面に形成された表示装置201と、
前記表示装置201が形成された面とは反対側に位置する前記筺体の面に複数配置された操作キー202と、
前記操作キー202に対して入力された操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置203と、を備えた携帯型情報処理端末200の前記制御装置203に、
複数の前記操作キー202に対する連続操作を検出したときに、当該複数の操作キー202の連続操作に対応した所定の方向を表す情報の入力を受け付ける入力受付手段204、を実現させるためのプログラム。
【0354】
(付記A13)
付記A12に記載のプログラムであって、
前記入力受付手段は、複数の前記操作キーに対する連続操作に対応した所定の方向を表す情報と、複数の前記操作キーに対する連続操作に対応した大きさを表す情報と、を含むベクトル情報の入力を受け付ける、
プログラム。
【0355】
(付記A14:
図68参照)
携帯型情報処理端末の筐体の所定の面に形成された表示装置と、
前記表示装置が形成された面とは反対側に位置する前記筺体の面に複数配置された操作キーと、
前記操作キーに対して入力された操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置と、を備えた携帯型情報処理端末にて、
複数の前記操作キーに対する連続操作を検出したときに(ステップS1)、当該複数の操作キーの連続操作に対応した所定の方向を表す情報の入力を受け付ける(ステップS2)、
入力受付方法。
【0356】
(付記A15)
付記A14に記載の入力受付方法であって、
前記携帯型情報処理端末は、複数の前記操作キーに対する連続操作に対応した所定の方向を表す情報と、複数の前記操作キーに対する連続操作に対応した大きさを表す情報と、を含むベクトル情報の入力を受け付ける、
入力受付方法。
【0357】
(付記A16)
携帯型情報処理端末の筐体の所定の面に形成された表示装置と、
前記表示装置が形成された面とは反対側に位置する前記筺体の面に複数配置された操作キーと、
前記操作キーに対して入力された操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置と、を備えた携帯型情報処理端末の前記制御装置に、
複数の前記操作キーに対する連続操作を検出したときに、当該複数の操作キーの連続操作に対応した所定の方向を表す情報の入力を受け付ける入力受付手段、を実現させるためのプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【0358】
(付記B1:
図69参照)
接触操作により情報の入力が可能なタッチパネル式の表示装置301と、
前記表示装置301とは異なる位置に装備された操作キー302と、
前記表示装置301及び前記操作キー302に対する操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置303と、を備え、
前記制御装置303は、前記表示装置301に対する接触操作による当該表示装置301上における位置を指定する仮位置入力を検出すると共に、当該仮位置入力を検出している状態で前記操作キー302に対する操作を検出したときに、前記仮位置入力に対応する位置を入力された位置情報として受け付ける、
携帯型情報処理端末300。
【0359】
(付記B2)
付記1に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、前記表示装置及び/あるいは前記操作キーに対する操作により入力された前記表示装置上における位置を第一位置情報として受け付け、その後、前記表示装置に対する接触操作による当該表示装置上における位置を指定する仮位置入力を検出すると共に、当該仮位置入力を検出している状態で前記操作キーに対する操作を検出したときに、前記仮位置入力に対応する位置を第二位置情報として受け付け、前記第一位置情報の位置を始点とし前記第二位置情報の位置を終点とする前記表示装置の表示面に沿ったベクトル情報の入力を受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0360】
(付記B3)
付記B2に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記操作キーは、前記表示装置の表示面を複数領域に分割した各領域に対応して複数配置されており、
前記制御装置は、操作された前記操作キーの前記表示装置の表示面に対応する位置を、前記第一位置情報として受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0361】
(付記B4)
付記B3に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記操作キーは、複数段階の押下操作の入力が可能であり、
前記制御装置は、所定の段階まで押下操作された特定の操作キーの前記表示装置の表示面に対応する位置を、前記第一位置情報として受け付け、前記特定の操作キーの所定の段階までの押下操作を維持したまま、前記表示装置に対する接触操作による当該表示装置上における位置を指定する仮位置入力を検出すると共に、当該仮位置入力を検出している状態で前記特定の操作キーに対する次の段階までの押下操作を検出したときに、前記仮位置入力に対応する位置を前記第二位置情報として受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0362】
(付記B5)
付記B2に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記操作キーは、複数段階の押下操作の入力が可能であり、
前記制御装置は、前記表示装置に対する接触操作による当該表示装置上における位置を指定する第一仮位置入力を検出すると共に、当該第一仮位置入力を検出している状態で特定の操作キーに対する所定の段階までの押下操作を検出したときに、前記第一仮位置入力に対応する位置を前記第一位置情報として受け付け、前記特定の操作キーの所定の段階までの押下操作を維持したまま、前記表示装置に対する接触操作による当該表示装置上における位置を指定する第二仮位置入力を検出すると共に、当該第二仮位置入力を検出している状態で前記特定の操作キーに対する次の段階までの押下操作を検出したときに、前記第二仮位置入力に対応する位置を前記第二位置情報として受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0363】
(付記B6)
付記B2乃至B5のいずれかに記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、前記第一位置情報を受け付け、前記第二位置情報が受け付けられるまでの間、前記第一位置情報を受け付けるときに前記特定の操作キーの所定の段階までの押下操作が解除された場合に、前記第一位置情報の受け付けを無効とする、
携帯型情報処理端末。
【0364】
(付記B7)
付記B1乃至B6に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記表示装置は、携帯型情報処理端末を構成する筐体の所定の面に形成されており、
前記操作キーは、前記表示装置が形成された面とは反対側に位置する前記筺体の面に形成されている、
携帯型情報処理端末。
【0365】
(付記B8:
図69参照)
接触操作により情報の入力が可能なタッチパネル式であり、携帯型情報処理端末300を構成する筐体の所定の面に形成された表示装置301と、
前記表示装置301が形成された面とは反対側に位置する前記筺体の面に形成された操作キー302と、
前記表示装置301及び前記操作キー302に対する操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置303と、を備え、
前記制御装置303は、前記表示装置301に対する接触操作と前記操作キー302に対する操作とを検出し、前記表示装置301に対する接触操作及び前記操作キー302に対する操作の組み合わせに応じて予め設定された入力を受け付ける、
携帯型情報処理端末300。
【0366】
(付記B9:
図70参照)
接触操作により情報の入力が可能なタッチパネル式の表示装置301と、
前記表示装置301とは異なる位置に装備された操作キー302と、
前記表示装置301及び前記操作キー302に対する操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置303と、を備えた携帯型情報処理端末300の前記制御装置303に、
前記表示装置301に対する接触操作による当該表示装置301上における位置を指定する仮位置入力を検出すると共に、当該仮位置入力を検出している状態で前記操作キー302に対する操作を検出したときに、前記仮位置入力に対応する位置を入力された位置情報として受け付ける入力受付手段304、
を実現させるためのプログラム。
【0367】
(付記B10)
付記B9に記載のプログラムであって、
前記入力受付手段は、前記表示装置及び/あるいは前記操作キーに対する操作により入力された前記表示装置上における位置を第一位置情報として受け付け、その後、前記表示装置に対する接触操作による当該表示装置上における位置を指定する仮位置入力を検出すると共に、当該仮位置入力を検出している状態で前記操作キーに対する操作を検出したときに、前記仮位置入力に対応する位置を第二位置情報として受け付け、前記第一位置情報の位置を始点とし前記第二位置情報の位置を終点とする前記表示装置の表示面に沿ったベクトル情報の入力を受け付ける、
プログラム。
【0368】
(付記B11:
図70参照)
接触操作により情報の入力が可能なタッチパネル式であり、携帯型情報処理端末300を構成する筐体の所定の面に形成された表示装置301と、
前記表示装置301が形成された面とは反対側に位置する前記筺体の面に形成された操作キー302と、
前記表示装置301及び前記操作キー302に対する操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置303と、を備えた携帯型情報処理端末300の前記制御装置303に、
前記表示装置301に対する接触操作と前記操作キー302に対する操作とを検出し、前記表示装置301に対する接触操作及び前記操作キー302に対する操作の組み合わせに応じて予め設定された入力を受け付ける入力受付手段304、を実現させるためのプログラム。
【0369】
(付記B12:
図71参照)
接触操作により情報の入力が可能なタッチパネル式の表示装置と、
前記表示装置とは異なる位置に装備された操作キーと、
前記表示装置及び前記操作キーに対する操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置と、を備えた携帯型情報処理端末にて、
前記表示装置に対する接触操作による当該表示装置上における位置を指定する仮位置入力を検出すると共に(ステップS11)、当該仮位置入力を検出している状態で前記操作キーに対する操作を検出したときに(ステップS12)、前記仮位置入力に対応する位置を入力された位置情報として受け付ける(ステップS13)、
入力受付方法。
【0370】
(付記B13)
付記B12に記載の入力受付方法であって、
前記表示装置及び/あるいは前記操作キーに対する操作により入力された前記表示装置上における位置を第一位置情報として受け付け、その後、前記表示装置に対する接触操作による当該表示装置上における位置を指定する仮位置入力を検出すると共に、当該仮位置入力を検出している状態で前記操作キーに対する操作を検出したときに、前記仮位置入力に対応する位置を第二位置情報として受け付け、前記第一位置情報の位置を始点とし前記第二位置情報の位置を終点とする前記表示装置の表示面に沿ったベクトル情報の入力を受け付ける、
入力受付方法。
【0371】
(付記B14:
図72参照)
接触操作により情報の入力が可能なタッチパネル式であり、携帯型情報処理端末を構成する筐体の所定の面に形成された表示装置と、
前記表示装置が形成された面とは反対側に位置する前記筺体の面に形成された操作キーと、
前記表示装置及び前記操作キーに対する操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置と、を備えた携帯型情報処理端末にて、
前記制御装置は、前記表示装置に対する接触操作と前記操作キーに対する操作とを検出し(ステップS21)、前記表示装置に対する接触操作及び前記操作キーに対する操作の組み合わせに応じて予め設定された入力を受け付ける(ステップS22)、
入力受付方法。
【0372】
(付記B15)
接触操作により情報の入力が可能なタッチパネル式の表示装置と、
前記表示装置とは異なる位置に装備された操作キーと、
前記表示装置及び前記操作キーに対する操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置と、を備えた携帯型情報処理端末の前記制御装置に、
前記表示装置に対する接触操作による当該表示装置上における位置を指定する仮位置入力を検出すると共に、当該仮位置入力を検出している状態で前記操作キーに対する操作を検出したときに、前記仮位置入力に対応する位置を入力された位置情報として受け付ける入力受付手段、
を実現させるためのプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【0373】
(付記B16)
接触操作により情報の入力が可能なタッチパネル式であり、携帯型情報処理端末を構成する筐体の所定の面に形成された表示装置と、
前記表示装置が形成された面とは反対側に位置する前記筺体の面に形成された操作キーと、
前記表示装置及び前記操作キーに対する操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた処理を実行する制御装置と、を備えた携帯型情報処理端末の前記制御装置に、
前記表示装置に対する接触操作と前記操作キーに対する操作とを検出し、前記表示装置に対する接触操作及び前記操作キーに対する操作の組み合わせに応じて予め設定された入力を受け付ける入力受付手段、を実現させるためのプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【0374】
(付記C1:
図73参照)
表示装置401を装備した表示装置側筐体410と、
操作装置402を装備した操作装置側筐体420と、
前記操作装置402の操作状態に対応して予め設定された入力値を受け付けて、当該入力値に応じた処理を実行する制御装置403と、を備えると共に、
前記表示装置401の表示面と、前記操作装置402の操作面と、の向きを検出する向き検出手段404を備え、
前記制御装置403は、前記表示面に対する前記操作面の向きに応じて、前記操作装置402の操作状態に対応する入力値を、他の操作状態に対応する入力値に変換して受け付ける、
携帯型情報処理端末400。
【0375】
(付記C2)
付記1に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、前記表示面の向きに対して前記操作面の向きが予め設定された基準により反対方向と判断される向きである場合に、前記操作装置の操作状態に対応する入力値を、当該操作装置が上下及び/又は左右が反対に装備されたときの操作状態に対応する入力値に変換して受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0376】
(付記C3)
付記C2に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記操作装置は、配列された複数の操作キーを備えており、
前記制御装置は、前記表示面の向きに対して前記操作面の向きが予め設定された基準により反対方向と判断される向きである場合に、前記操作装置に備えられた各操作キーの入力値を、上下対称及び/又は左右対称に位置する他の操作キーの入力値に変換して受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0377】
(付記C4)
付記C3に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、前記操作装置に備えられた前記各操作キーの配置が上下対称及び/又は左右対称となった状態の配置を表す操作キー配置情報を、前記表示装置に表示する、
携帯型情報処理端末。
【0378】
(付記C5)
付記C2に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記操作装置は、前記操作面に沿った所定の方向を表す入力値を入力可能な入力デバイスを備えており、
前記制御装置は、前記表示面の向きに対して前記操作面の向きが予め設定された基準により反対方向と判断される向きである場合に、前記操作装置に備えられた入力デバイスの入力値を、入力された方向とは上下及び/又は左右方向において反対向きの方向を表す入力値に変換して受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0379】
(付記C6)
付記C5に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、前記操作装置に備えられた前記入力デバイスの入力方向として、当該入力デバイスの入力方向に対して上下及び/又は左右方向において反対向きの方向を表す入力方向情報を、前記表示装置に表示する、
携帯型情報処理端末。
【0380】
(付記C7)
付記C1乃至C6に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記表示装置側筐体と前記操作装置側筐体とは、前記表示面に対する前記操作面の向きが、同一方向及び反対方向に変化するよう、相互に回転自在に係合している、
携帯型情報処理装置。
【0381】
(付記C8)
付記C1乃至C6に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記表示装置側筐体と前記操作装置側筐体とは、相互に分離して構成あるいは分離可能なよう構成されている、
携帯型情報処理端末。
【0382】
(付記C9:
図74参照)
表示装置401を装備した表示装置側筐体410と、
操作装置402を装備した操作装置側筐体420と、
前記操作装置402の操作状態に対応して予め設定された入力値を受け付けて、当該入力値に応じた処理を実行する制御装置403と、
前記表示装置401の表示面と、前記操作装置402の操作面と、の向きを検出する向き検出手段404と、を備えた携帯型情報処理端末400の前記制御装置403に、
前記表示面に対する前記操作面の向きに応じて、前記操作装置402の操作状態に対応する入力値を、他の操作状態に対応する入力値に変換して受け付ける入力受付手段405、
を実現させるためのプログラム。
【0383】
(付記C10)
付記C9に記載のプログラムであって、
前記入力受付手段は、前記表示面の向きに対して前記操作面の向きが予め設定された基準により反対方向と判断される向きである場合に、前記操作装置の操作状態に対応する入力値を、当該操作装置が上下及び/又は左右が反対に装備されたときの操作状態に対応する入力値に変換して受け付ける、
携帯型情報処理装置。
【0384】
(付記C11:
図75参照)
表示装置を装備した表示装置側筐体と、
操作装置を装備した操作装置側筐体と、
前記操作装置の操作状態に対応して予め設定された入力値を受け付けて、当該入力値に応じた処理を実行する制御装置と、を備えた携帯型情報処理端末にて、
前記表示装置の表示面と、前記操作装置の操作面と、の向きを検出し(ステップS31)、
前記表示面に対する前記操作面の向きに応じて、前記操作装置の操作状態に対応する入力値を、他の操作状態に対応する入力値に変換して受け付ける(ステップS32)、
入力受付方法。
【0385】
(付記C12)
付記C11に記載の入力受付方法であって、
前記表示面の向きに対して前記操作面の向きが予め設定された基準により反対方向と判断される向きである場合に、前記操作装置の操作状態に対応する入力値を、当該操作装置が上下及び/又は左右が反対に装備されたときの操作状態に対応する入力値に変換して受け付ける、
入力受付方法。
【0386】
(付記C13)
表示装置を装備した表示装置側筐体と、
操作装置を装備した操作装置側筐体と、
前記操作装置の操作状態に対応して予め設定された入力値を受け付けて、当該入力値に応じた処理を実行する制御装置と、
前記表示装置の表示面と、前記操作装置の操作面と、の向きを検出する向き検出手段と、を備えた携帯型情報処理端末の前記制御装置に、
前記表示面に対する前記操作面の向きに応じて、前記操作装置の操作状態に対応する入力値を、他の操作状態に対応する入力値に変換して受け付ける入力受付手段、
を実現させるためのプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【0387】
(付記D1:
図76参照)
表示装置501と、操作キー502と、前記操作キー502とは異なる入力手段503と、を備えると共に、
前記操作キー502と前記入力手段503とに対する入力状態を検出して、当該検出した入力状態に応じた処理を実行する制御装置504と、を備え、
前記制御装置504は、前記入力手段503に対する入力による前記表示装置501上における位置を指定する仮位置入力を検出すると共に、当該仮位置入力を検出している状態で前記操作キー502に対する操作を検出したときに、前記仮位置入力に対応する位置を入力された位置情報として受け付ける、
携帯型情報処理端末500。
【0388】
(付記D2)
付記D1に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記入力装置は、画像取得手段であり、
前記制御装置は、前記画像取得手段にて取得された画像情報に対して予め設定された画像処理を行うことにより検出した検出値に対応する前記表示装置上における位置を前記仮位置入力として受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0389】
(付記D3)
付記D2に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、前記画像取得手段にて取得された画像情報に対して予め設定された画像処理を行うことにより検出した、顔の向きあるいは視線の方向に対応する前記表示装置上における位置を前記仮位置入力として受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0390】
(付記D4)
付記D2に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、前記画像取得手段にて取得された画像情報に対して予め設定された画像処理を行うことにより、顔の向き、及び、視線の方向を検出し、顔の向きと視線の方向がそれぞれ逆方向に変化した場合に、顔の向きに対応する前記表示装置上における位置を前記仮位置入力として受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0391】
(付記D5:
図77参照)
第1の入力手段601と、当該第1の入力手段601とは異なる第2の入力手段602と、を備えると共に、
前記第1の入力手段601と前記第2の入力手段602とに対する入力状態を検出して、当該検出した入力状態に応じた処理を実行する制御装置603と、を備える、携帯型情報処理端末600であって、
前記制御装置603は、前記第2の入力手段602に対する入力による前記携帯型情報処理端末600に対する方向を指定する仮方向入力を検出すると共に、当該仮方向入力を検出している状態で前記第1の入力手段601に対する操作を検出したときに、前記仮方向入力に対応する方向を入力された方向情報として受け付ける、
携帯型情報処理端末600。
【0392】
(付記D6)
付記D5に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記第1の入力手段は操作キーである、
携帯型情報処理端末。
【0393】
(付記D7)
付記D5に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記第2の入力手段は、画像取得手段であり、
前記制御装置は、前記画像取得手段にて取得された画像情報に対して予め設定された画像処理を行うことにより検出した検出値に対応する前記携帯型情報処理端末に対する方向を、前記仮方向入力として受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0394】
(付記D8)
付記D7に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、前記画像取得手段にて取得された画像情報に対して予め設定された画像処理を行うことにより検出した、顔の向きあるいは視線の方向に対応する前記携帯型情報処理端末に対する方向を、前記仮方向入力として受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0395】
(付記D9)
付記D7に記載の携帯型情報処理端末であって、
前記制御装置は、前記画像取得手段にて取得された画像情報に対して予め設定された画像処理を行うことにより、顔の向き、及び、視線の方向を検出し、顔の向きと視線の方向がそれぞれ逆方向に変化した場合に、顔の向きに対応する前記携帯型情報処理端末に対する方向を前記仮方向入力として受け付ける、
携帯型情報処理端末。
【0396】
(付記D10:
図76参照)
表示装置501と、操作キー502と、前記操作キー502とは異なる入力手段503と、を備えると共に、
前記操作キー502と前記入力手段503とに対する入力状態を検出して、当該検出した入力状態に応じた処理を実行する制御装置504と、を備えた携帯型情報処理装置500の前記制御装置504に、
前記入力手段503に対する入力による前記表示装置501上における位置を指定する仮位置入力を検出すると共に、当該仮位置入力を検出している状態で前記操作キー502に対する操作を検出したときに、前記仮位置入力に対応する位置を入力された位置情報として受け付ける手段、
を実現させるためのプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【0397】
(付記D11:
図78参照)
表示装置と、操作キーと、前記操作キーとは異なる入力手段と、を備えると共に、
前記操作キーと前記入力手段とに対する入力状態を検出して、当該検出した入力状態に応じた処理を実行する制御装置と、を備えた携帯型情報処理端末が、
前記入力手段に対する入力による前記表示装置上における位置を指定する仮位置入力を検出すると共に(ステップS41)、当該仮位置入力を検出している状態で前記操作キーに対する操作を検出したときに(ステップS42)、前記仮位置入力に対応する位置を入力された位置情報として受け付ける(ステップS43)、
入力受付方法。
【0398】
(付記D12:
図77参照)
第1の入力手段601と、当該第1の入力手段601とは異なる第2の入力手段602と、を備えると共に、
前記第1の入力手段601と前記第2の入力手段602とに対する入力状態を検出して、当該検出した入力状態に応じた処理を実行する制御装置603と、を備える、携帯型情報処理端末600の前記制御装置603に、
前記第2の入力手段602に対する入力による前記携帯型情報処理端末600に対する方向を指定する仮方向入力を検出すると共に、当該仮方向入力を検出している状態で前記第1の入力手段601に対する操作を検出したときに、前記仮方向入力に対応する方向を入力された方向情報として受け付ける手段、
を実現させるためのプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【0399】
(付記D13:
図79参照)
第1の入力手段と、当該第1の入力手段とは異なる第2の入力手段と、を備えると共に、
前記第1の入力手段と前記第2の入力手段とに対する入力状態を検出して、当該検出した入力状態に応じた処理を実行する制御装置と、を備える、携帯型情報処理端末が、
前記第2の入力手段に対する入力による前記携帯型情報処理端末に対する方向を指定する仮方向入力を検出すると共に(ステップS51)、当該仮方向入力を検出している状態で前記第1の入力手段に対する操作を検出したときに(ステップS52)、前記仮方向入力に対応する方向を入力された方向情報として受け付ける(ステップS53)、
入力受付方法。
【0400】
なお、上記各実施形態や付記においてプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0401】
なお、本発明は、日本国にて2010年5月20日に特許出願された特願2010−116116、特願2010−116117、特願2010−116118の特許出願に基づく優先権主張の利益を享受するものであり、当該特許出願に記載された内容は、全て本明細書に含まれるものとする。