【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 1.財団法人 日本ビフィズス菌センター 腸内細菌学雑誌 24巻2号 2010年5月18日(発行日 2010年4月) 2.第14回腸内細菌学会 財団法人 日本ビフィズス菌センター 2010年6月17日
【文献】
Aust. J. Basic Appl. Sci.,2009年,Vol.3 No.3,pp.2963-2969
【文献】
プロバイオティクス実験教室,東亜薬品工業株式会社ホームページ,2007年 9月25日,URL,https://web.archive.org/web/20070925151146/http://www.toabio.co.jp/html/experiment.html
【文献】
なぜ、乳酸菌、酪酸菌、糖化菌の3種類なの?,東亜薬品工業株式会社ホームページ,2007年10月16日,URL,https://web.archive.org/web/20071016102309/http://toabio.co.jp/html/probiotics_world1.html
【文献】
Appl. Microbiol. Biotechnol.,1998年,Vol.50,pp.125-128
【文献】
HARISA GI, et al.,Oral administration of Lactobacillus acidophilus restores nitric oxide level in diabetic rats,Australian Journal of Basic and Applied Sciences,2009年,Vol. 3, No. 3,p. 2963-2969
【文献】
戸谷永生ら,ビフィズス菌の肥満・糖尿病疾患モデル動物に対する効果,医学のあゆみ,2003年 4月,Vol. 205, No. 4,p. 273-274
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アカルボース又はボグリボースを含み、ビフィドバクテリウム ビフィダム G9−1(Bifidobacterium bifidum G9−1)と組み合わせて投与されることを特徴とする前記ビフィドバクテリウム ビフィダム G9−1(Bifidobacterium bifidum G9−1)による脂質代謝改善作用又は抗肥満作用増強剤(但し、該「剤」を食品とする態様を除く)。
アカルボース又はボグリボース及びビフィドバクテリウム ビフィダム G9−1(Bifidobacterium bifidum G9−1)を含む脂質代謝改善作用又は抗肥満作用増強剤。
ビフィドバクテリウム ビフィダム G9−1(Bifidobacterium bifidum G9−1)を含みアカルボース又はボグリボースと組み合わせて投与されることを特徴とするアカルボース又はボグリボースによる脂質代謝改善作用又は抗肥満作用増強剤(但し、該「剤」を食品とする態様を除く)。
ビフィドバクテリウム ビフィダム G9−1(Bifidobacterium bifidum G9−1)を含み、アカルボース又はボグリボースと組み合わせて投与されることを特徴とするアカルボース又はボグリボースによる脂質代謝改善作用又は抗肥満作用の発現促進剤(但し、該「剤」を食品とする態様を除く)。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の脂質代謝改善剤は、α−グルコシダーゼ阻害剤を含み、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌と組み合わせて投与されるものである。
前記菌とα−グルコシダーゼ阻害剤とを組み合わせて用いることにより、優れた血中脂質低下作用、内臓脂肪減少作用、内臓脂肪の蓄積の低減作用等の脂質代謝改善作用を発揮することができる。このため、脂質代謝異常を効果的に予防、改善又は治療することができる。
【0023】
本発明において、「予防」には発症を抑制する又は遅延させることが含まれる。「改善」には、症状又は疾病を完全に治癒させることの他、症状を緩和することも含まれる。
【0024】
脂質代謝異常は、生体の脂質成分のバランスに異常が認められる状態をいい、例えば脂質異常症(高脂血症)、肥満、内臓脂肪の蓄積等が挙げられる。
脂質異常症には、例えば血中脂質が高値を示す状態、又は血中HDL(高比重リポ蛋白)コレステロールが低値を示す状態等が含まれる。血中脂質とは、通常、コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)、リン脂質、遊離脂肪酸等である。本発明の脂質代謝改善剤は、コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)等の血中脂質の低下に優れた効果を発揮するものである。このため、本発明の脂質代謝改善剤は、脂質異常症である高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、及び高トリグリセリド血症を効果的に予防、改善又は治療することができる。
【0025】
脂質代謝異常は、その原因は制限されず、例えば高脂肪食により惹起される場合、又は通常の食生活において年齢、運動不足等により惹起される場合を含む。前記脂質異常症は、動脈硬化症の進行に重大な影響を及ぼし得る。動脈硬化症は、動脈壁の内腔が狭窄や閉塞をきたし、血流の低下を伴って、例えば一過性脳虚血発作、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症等を含む種々の病態を引き起こす原因となり得る。
また、脂質代謝異常は、肥満と関連している。肥満は身体に脂肪が過剰に蓄積した状態をいう。肥満には、内臓脂肪蓄積型肥満が含まれる。本発明の脂質代謝改善剤は、体重増加を抑制する作用を有し、しかも内臓脂肪を減少させる作用、内臓脂肪の蓄積を低下させる作用等を有するものである。従って本発明の脂質代謝改善剤は、肥満を予防、改善又は治療する医薬としても好適に使用し得るものである。
【0026】
α−グルコシダーゼ阻害剤を含み、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌と組み合わせて投与される抗肥満剤も、本発明の1つである。
【0027】
脂質異常症及び肥満(特に内臓脂肪蓄積型肥満)は、それぞれ単独でも種々の病態を引き起こし得るが、これらの病気が重複する病態、例えばメタボリックシンドロームにおいては、動脈硬化を促進し、さらには致命的な心筋梗塞、脳梗塞等を起こしやすい。本発明の剤は、前記脂質異常症及び肥満のいずれの疾患をも予防、抑制、改善又は治療できるので、生活習慣病、メタボリックシンドローム等も予防、抑制、改善又は治療し得るものである。
【0028】
本発明の脂質代謝改善剤は、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌、酪酸菌等の菌が有する脂質代謝改善作用及び抗肥満作用を増強させることができるものである。α−グルコシダーゼ阻害剤がビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌と組み合わせて投与されることにより、該菌が有する血中脂質低下作用、内臓脂肪減少作用等の脂質代謝改善作用を特異的に、相乗的に増強することができ、これにより、優れた脂質代謝改善効果及び抗肥満効果が得られる。
【0029】
本発明は、α−グルコシダーゼ阻害剤を含み、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌と組み合わせて投与される前記菌による脂質代謝改善作用増強剤も包含する。本発明はまた、α−グルコシダーゼ阻害剤を含み、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌と組み合わせて投与される前記菌による抗肥満作用増強剤も包含する。
【0030】
松尾らの文献(Am J Clin Nutr. 1992. Vol.55 314S-317S)によると、肥満を特徴とするZucker fattyラットにα−グルコシダーゼ阻害剤であるボグリボースを混餌投与(0.005%:2.1mg/kg/日)して10週間飼育すると、体重増加抑制及び血中中性脂肪低下が認められたとされている。一方、後述する実施例2では、肥満を示すKK-Ayマウスにボグリボースを混餌投与(0.0003%:0.6mg/kg/日)して7週間飼育したとき、体重増加抑制及び中性脂肪低下は認められないものの、この飼料にビフィズス菌を併用することにより7週間の飼育で体重増加抑制及び中性脂肪低下が認められた。このことは、α−グルコシダーゼ阻害剤と乳酸菌などの菌とを併用することにより、α−グルコシダーゼ阻害剤を単独で投与した場合よりも、少量かつ短期間投与で有効な脂質代謝改善効果が得られることを示している。
本発明においては、α−グルコシダーゼ阻害剤と上記菌とを組み合わせて用いることにより、α−グルコシダーゼ阻害剤の投与量を通常用いられる量より少なくしても、優れた脂質代謝改善作用や抗肥満作用が得られる。このため、α−グルコシダーゼ阻害剤の投与量を少なくして副作用を軽減しつつ、脂質代謝改善作用及び抗肥満作用を効果的に増強させることができる。
【0031】
本発明の脂質代謝改善剤、脂質代謝改善作用増強剤、抗肥満剤及び抗肥満作用増強剤においては、α−グルコシダーゼ阻害剤がビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌と組み合わせて投与されるため、該剤は、さらに、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌を含むことが好ましい。
【0032】
ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌は、α−グルコシダーゼ阻害剤による脂質代謝改善作用や抗肥満作用の発現を促進する作用、α−グルコシダーゼ阻害剤が有する脂質代謝改善作用や抗肥満作用を効果的に増強する作用を有する。
本発明は、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌を含み、α−グルコシダーゼ阻害剤と組み合わせて投与されるα−グルコシダーゼ阻害剤による脂質代謝改善作用増強剤、及び抗肥満作用増強剤も包含する。このような剤も、優れた脂質代謝改善作用及び抗肥満作用を発揮するものである。これらの剤は、さらに、α−グルコシダーゼ阻害剤を含むことが好ましい。
【0033】
本発明において使用されるα−グルコシダーゼ阻害剤としては、例えば、特開昭57−200335号公報、特開昭58−59946号公報、特開昭58−162597号公報、特開昭58−216145号公報、特開昭59−73549号公報、特開昭59−95297号公報、特公平7−2647号公報、特開平11−236337号公報等の明細書に記載の一般式(I)
【0034】
【化5】
(式中、Aは、水酸基、フェノキシ、チエニル、フリル、ピリジル、シクロヘキシル、置換されていてもよいフェニル基を有しうる炭素数1〜10の鎖状炭化水素基、水酸基、ヒドロキシメチル基、メチル基、アミノ基を有しうる炭素数5又は6員の環状炭化水素基又は糖残基を示す)で表わされるバリオールアミン誘導体が好ましい。
【0035】
上記一般式(I)におけるAには、例えば、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基が含まれ、置換されていてもよいフェニル基には、例えば低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、フェニル等により置換されていてもよいフェニル基が含まれる。
【0036】
糖残基とは糖類の分子から水素原子1個を除いた残りの基を意味し、例えば単糖類、少糖類から導かれた糖残基が挙げられる。
【0037】
上記一般式(I)で表わされるN−置換バリオールアミン誘導体の具体例としては(1)N−フェネチルバリオールアミン、(2)N−(3−フェニルアリル)バイオールアミン、(3)N−フルフリルバイオールアミン、(4)N−チエニルバリオールアミン、(5)N−(3−ピリジルメチル)バリオールアミン、(6)N−(4−ブロモベンジル)バイオールアミン、(7)N−[(R)−β−ヒドロキシフェネチル]バリオールアミン、(8)N−[(S)−β−ヒドロキシフェネチル]バリオールアミン、(9)N−(β−ヒドロキシ−2−メトキシフェネチル)バイオールアミン、(10)N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)バイオールアミン、(11)N−(シクロヘキシルメチル)バリオールアミン、(12)N−ゲラニルバリオールアミン、(13)N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン、(14)N−(1,3−ジヒドロキシ−1−フェニル−2−プロピル)バリオールアミン、(15)N−[(R)−α−(ヒドロキシメチル)ベンジル]バイオールアミン、(16)N−シクロヘキシルバリオールアミン、(17)N−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)バリオールアミン、(18)N−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]バリオールアミン、(19)N−(2−ヒドロキシシクロペンチル)バリオールアミン、(20)メチル 4−[(1S,2S)−(2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]アミノ−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコビラノシド、(21)メチル 4−[(1S,2S)−(2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]アミノ−4−デオキシ−α−D−グルコピラノシド、(22)[(1S,2S)−(2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル][(1R,2S)−(2,6/3,4)−4−アミノ−2,3−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]アミン、(23)N−[(1R,2S)−(2,4/3,5)−2,3,4−トリヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]バリオールアミン、(24)N−[(1R,2S)−(2,6/3,4)−4−アミノ−2,3−ジヒドロキシ−6−メチルシクロヘキシル]バリオールアミン、(25)N−[(1R,2S)−(2,6/3,4)−2,3,4−トリヒドロキシ−6−メチルシクロヘキシル]バリオールアミン、(26)N−[(1R,2S)−(2,4,6/3)−2,3,4−トリヒドロキシ−6−メチルシクロヘキシル]バリオールアミン、(27)4−O−α−[4−[((1S)−(1,2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)アミノ]−4,6−ジデオキシ−D−グルコピラノシル]−D−グルコピラノース、(28)1,6−アンヒドロ−4−O−α−[4−[((1S)−(1,2,4,5(OH)/3,5)−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−5−C−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)アミノ]−4,6−ジデオキシ−D−グルコピラノシル]−β−D−グルコピラノースなどが挙げられる。
【0038】
中でも、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン、すなわち[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]バリオールアミン又は1L(1S)−(1(OH),2,4,5/1,3)−5−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ]−1−C−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,4−シクロヘキサンテトロール(一般名:ボグリボース)が特に好ましい。
【0039】
本発明におけるα−グルコシダーゼ阻害剤として、特開昭57−64648号公報等に記載の一般式(II)
【0041】
(式中、Aは、前記と同義である)で表わされるバリエナミンN−置換誘導体、特開昭57−114554号公報等に記載の一般式(III)
【0043】
(式中、Aは、前記と同義である)で表わされるバリダミンのN−置換誘導体等も好適に使用される。上記一般式(II)で表わされるバリエナミンN−置換誘導体としては、アカルボース(一般名)[BAYg5421、ナツールヴィッセンシャフテン(Naturwissenschaften)、第64巻、535〜537頁(1977年)、特公昭54−39474号公報](化学名:O−4,6−ジデオキシ−4−[[(1S,4R,5S,6S)−4,5,6−トリヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2−シクロヘキセン−1−イル]アミノ]−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−D−グルコピラノース)が好ましい。
【0044】
本発明におけるα−グルコシダーゼ阻害剤として、米国特許第4,639,436号の明細書等に記載されている一般式(IV)
【0046】
(式中、R
1及びR
3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子、置換されていてもよい直鎖状、分枝状若しくは環式の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素環、芳香環又はヘテロ環であり、R
2は、−H、−OH、−OR′、−SH、−SR′、−NH
2、−NHR′、−N(R′)(R′′)、NH
2CH
2−、NHR′−CH
2−、NR′R′′−CH
2−、−COOH、−COOR′、HO−CH
2−、R′CO−NHCH
2−、R′CO−NR′′CH
2−、R′SO
2NHCH
2−、R′SO
2−NR′′CH
2−、R′−NH−CO−NH−CH
2−、R′−NH−CS−NH−CH
2−R′−O−CO−NH−CH
2−、−SO
3H、−CN、−CONH
2、−CONHR′又は−CONR′R′′であり、R′及びR′′は、同一又は異なって、それぞれR
1と同義である。R
3が−CH
2OHであり、かつR
2が水素原子又は−OHである場合;R
3が水素原子であり、かつR
2が水素原子、−OH、−SO
3H、−CN又は−CH
2−NH
2である場合;又はR
3が−CH
2−NH
2であり、かつR
2が−OHである場合には、R
1は、水素原子(−H)でない。)で表わされる3,4,5−トリヒドロキシピペリジンも好適である。
【0047】
一般式(IV)のR
1及びR
3において、置換されていてもよい直鎖状、分岐若しくは環式の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。R
1、R′及びR′′は、同一又は異なって、好ましくは、炭素数1〜30(より好ましくは炭素数1〜18、さらに好ましくは炭素数1〜10)の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜18の置換されていてもよいアルケニル基、炭素原子、置換されていてもよい炭素数3〜10の単環式、二環式又は三環式の脂肪族炭化水素、芳香環、ヘテロ環等である。中でも、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。置換基としては、水酸基等が好ましい。R
3は、好ましくは、水素原子、−CH
3、−CH
2OH、−CH
2−NH
2、NHR′−CH
2−、NR′R′′CH
2−、R′CONH−CH
2−、R′CO−NR′′CH
2−、X−CH
2−(Xは、ハロゲン原子を表す)、R′O−CH
2−、R′COOCH
2−、R′SO
2O−CH
2−、R′SO
2NHCH
2−、R′SO
2−NR′′CH
2−、R′NH−CO−NH−CH
2−、R′NHCS−NH−CH
2−、R′O−CO−NH−CH
2−、−CN、−COOH、−COOR′、−CONH
2、−CONHR′又は−CONR′R′′(R′及びR′′は、同一又は異なって、それぞれ上記と同様に、R
1と同義である)である。
【0048】
一般式(IV)で表わされる3,4,5−トリヒドロキシピペリジンとしては、R
1が−CH
2−CH
2−OHであり、R
2が水素原子であり、R
3が−CH
2−OHである化合物(一般名:ミグリトール、化学名:(−)−(2R,3R,4R,5S)−1−(2−ヒドロキシメチル)ピペリジン−3,4,5−トリオール)が特に好ましい。
【0049】
さらに、トレスタチン[(trestatin)、ザ・ジャーナル・オブ・アンテイバイオテイクス(J.Antibiotics)第36巻、1157〜1175頁(1983年)及び第37巻、182〜186頁(1984年)、特開昭54−163511号公報]、アデイポシン[(adiposins)、ザ・ジャーナル・オブ・アンテイバイオテイクス(J.Antibiotics)第35巻、1234〜1236頁(1982年);澱粉化学(J.Jap,Soc.Starch Sci.)第26巻、134〜144頁(1979年)、第27巻、107〜113頁(1980年);特開昭54−106402号公報;特開昭54−106403号公報;特開昭55−64509号公報;特開昭56−123986号公報;特開昭56−125398号公報]、アミロスタチン[(amylostatins)、アグリカルチュラル・アンド・バイオロジカル・ケミストリー(Agric.Biol.Chem.)第46巻、1941〜1945頁(1982年);特開昭50−123891号公報;特開昭55−71494号公報;特開昭55−157595号公報]、オリゴスタチン[(oligostatins)、SF−1130X、特開昭53−26398号公報;特開昭56−43294号公報、ザ・ジャーナル・オブ・アンテイバイオテイクス(J.Antibiotics)、第34巻、1424〜1433頁(1981年)]、アミノ糖化合物(特開昭54−92909号公報)などが使用できる。なお、上記の化合物を含む微生物起源のα−グルコシダーゼ阻害物質については、エー・トルシヤイト(E.Truscheit)らの総説[アンゲバンテ・ヘミー(Angewandte Chemie)第93巻、738〜755頁(1981年)]が報告されている。これらの化合物も、本発明におけるα−グルコシダーゼ阻害剤として使用することができる。
【0050】
さらにまた、アカルボース(acarbose)及びオリゴスタチンC(oligostatins C)のメタノリシスにより得られるメチル4−[(1S,6S)−(4,6/5)−4,5,6−トリヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2−シクロヘキセン−1−イル]アミノ−4,6−ジデオキシ−α−D−グルコピラノシド[第182回アメリカ化学会講演要旨集(182nd ACS National meeting Abstracts paper)MEDI 69、1981年8月、ニューヨーク;ザ・ジャーナル・オブ・アンテイバイオテイクス(J.Antibiotics)、第34巻、1429〜1433頁(1981年);及び特開昭57−24397号公報]、1−デオキシノジリマイシン[(1−deoxynojirimycin)、ナツ−ルヴィッセンシャフテン(Naturwissenschaften)、第66巻、584〜585頁(1979年)]及びそのN−置換誘導体、例えば、BAYo1248[ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(J.Clin.Invest.)、第14巻(2−II)、47(1984);ダイアベトロジア第27巻(2)、288A、346A、323A(1984)]なども、本発明におけるα−グルコシダーゼ阻害剤として使用することができる。
【0051】
本発明におけるα−グルコシダーゼ阻害剤としては、ボグリボース(一般名)、アカルボース(一般名)又はミグリトール(一般名)がより好ましく、ボグリボース又はアカルボースが特に好ましい。
【0052】
さらに、本発明におけるα−グルコシダーゼ阻害剤としては、上述した化合物以外に、通常飲食品に使用されるα−グルコシダーゼ阻害作用を有する物質も好適である。このような物質として、例えば、マルスエキス、サラシア、桑葉エキス及び茶種エキスの中から選ばれる少なくとも1種を好適に用いることができる。
【0053】
マルスエキスは、植物の抽出成分で、α−グルコシダーゼ活性を阻害して、糖質の体外排出を促す作用をする。また、サラシアは、スリランカで自生するニシキギ科のツル性の植物で、成分サラシノールは、インドでは約5000年前から根を茶として飲むことでダイエットに利用していたと言われており、糖尿病に有用なものとされている。茶種(TS)エキスは、お茶の成分の一つで、消化管で糖を吸収するのに必要なグリコシターゼ活性を阻害することにより、糖分(グルコース)の吸収を強力に阻害する。この作用により、糖質からの摂取エネルギーを減少させ、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを整える。茶種エキスとしては、茶種(TS)エキス(商品名、タングルウッド社製)等が好ましい。
【0054】
本発明において使用される菌は、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌であって、具体的には例えば、Bifidobacterium bifidum、B. longum、 B. breve、B. adolescentis、B. infantis、B.pseudolongum、B.thermophilum等のビフィズス菌;例えば、Lactobacillus acidophilus、L. casei、L. gasseri、L. plantarum、L. delbrueckii subsp bulgaricus、L. delbrueckii subsp lactis、L. fermentum、L. helveticus、L. johnsonii、L. paracasei subsp. paracasei、L. reuteri、L. rhamnosus、L. salivarius、L. brevis等の乳酸桿菌;例えば、Leuconostoc mesenteroides、Streptococcus(Enterococcus) faecalis、Streptococcus(Enterococcus) faecium、 Streptococcus(Enterococcus) hirae、Streptococcus thermophilus、 Lactococcus lactis、L. cremoris、Tetragenococcus halophilus、Pediococcus acidilactici、P. pentosaceus、Oenococcus oeni等の乳酸球菌;例えば、Bacillus subtilis、Bacillus mesentericus、Bacillus polyformenticus等の糖化菌;例えば、Bacillus coagulans等の有胞子性乳酸菌; Bacillus toyoi、B.licheniformis、Clostridium butyricum等の酪酸菌;その他の有用菌が挙げられる。
これらの菌体は、例えばATCC又はIFOなどの機関や財団法人 日本ビフィズス菌センターなどから容易に入手することができる。また、市販されているものを適宜使用することもできる。
【0055】
本発明で使用される菌は、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌であるが、ビフィズス菌、乳酸菌及び糖化菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌が好ましく、乳酸菌及び/又はビフィズス菌がより好ましい。中でも、ビフィズス菌がより好ましく、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium breveがさらに好ましく、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium longumが特に好ましい。複数の菌を組み合わせて使用する場合には、ビフィズス菌と乳酸菌と糖化菌、ビフィズス菌と乳酸菌、ビフィズス菌と糖化菌、又は乳酸菌と糖化菌の組み合わせが好ましく、(i)Bifidobacterium bifidum、(ii)Lactobacillus acidophilus、(iii)Lactobacillus gasseri、(iv)Streptococcus(Enterococcus) faecalis、(v)Streptococcus(Enterococcus) faecium、(vi)Bacillus subtilis、(vii)Bacillus mesentericusの(i)〜(vii)のうちの2種以上の組み合わせが好ましく、中でも、(i)Bifidobacterium bifidum G9-1、(ii)Lactobacillus acidophilus KS-13、(iii)Lactobacillus gasseri、(iv)Streptococcus(Enterococcus) faecalis 129 BIO 3B、(v)Streptococcus(Enterococcus) faecium、(vi)Bacillus subtilis 129 BIO H(α)、(vii)Bacillus mesentericusの(i)〜(vii)のうちの2種以上の組み合わせがより好ましい。本発明における菌として、Bifidobacterium bifidum G9-1、Lactobacillus acidophilus KS-13、Streptococcus(Enterococcus) faecalis 129 BIO 3B、及びBacillus subtilis 129 BIO H(α)からなる群より選択される1又は2以上がさらに好ましく、Bifidobacterium bifidum G9-1、Streptococcus(Enterococcus) faecalis 129 BIO 3B、及びBacillus subtilis 129 BIO H(α)からなる群より選択される1又は2以上が特に好ましい。ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌のうちの2種以上を組み合わせて用いる場合の配合比率は特に限定されない。
【0056】
上記菌体は、公知の条件又はそれに準じる条件で培養することにより得ることができる。例えば、ビフィズス菌又は乳酸菌の場合は、通常、グルコ−ス、酵母エキス、及びペプトン等を含む液体培地で前記ビフィズス菌や乳酸菌の1種又は2種以上を通常約25〜45℃程度で約4〜72時間程度、好気又は嫌気培養し、培養液から菌体を集菌し、洗浄し、湿菌体を得る。また、糖化菌の場合は、通常、肉エキス、カゼイン製ペプトン、塩化ナトリウム等を含む寒天培地で1種又は2種以上を通常約25〜45℃程度で約4〜72時間程度、好気培養し、培地から菌体を集菌し、洗浄し、湿菌体を得る。
【0057】
本発明において用いられるビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌としては、生菌が好ましいが、菌の処理物を用いてもよい。菌の処理物とは、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌に何らかの処理を加えたものをいい、その処理は特に限定されない。該処理物として具体的には、該菌体の超音波などによる破砕液、該菌体の培養液又は培養上清、それらを濾過又は遠心分離など固液分離手段によって分離した固体残渣などが挙げられる。また、細胞壁を酵素又は機械的手段により除去した処理液、トリクロロ酢酸処理又は塩析処理などして得られるタンパク質複合体(タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質など)又はペプチド複合体(ペプチド、糖ペプチド等)なども該処理物として挙げられる。さらに、これらの濃縮物、これらの希釈物又はこれらの乾燥物なども該処理物に含まれる。また、該菌体の超音波などによる破砕液、該細胞の培養液又は培養上清などに対し、例えば各種クロマトグラフィーによる分離などの処理をさらに加えたものも本発明における該処理物に含まれる。ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌の死菌体も本発明における該処理物に含まれる。前記死菌体は、例えば、酵素処理、約100℃程度の熱をかける加熱処理、抗生物質などの薬物による処理、ホルマリンなどの化学物質による処理、γ線などの放射線による処理などにより得ることができる。
【0058】
本発明において使用される菌は、乾燥物(菌体乾燥物)であってもよく、菌体乾燥物としては、シングルミクロンの菌体乾燥物が好ましい。菌体乾燥物とは、通常は乾燥された個々の菌体又は乾燥された菌体の集合物をいう。また、シングルミクロンとは、小数第1位を四捨五入して1〜10μmをいう。本発明に使用されるビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌として、シングルミクロンの菌体乾燥物を使用すると、製剤中の生菌率が上がるため、脂質代謝改善作用増強効果が高まる結果、脂質異常症、肥満等の生活習慣病の予防及び改善効果が高くなる。
【0059】
菌体乾燥物の好ましい製造方法について説明する。上記菌体を溶媒に分散して菌体液とする。溶媒は、当業界で用いられる公知の溶媒を用いてよいが、水が好ましい。また、所望によりエタノールを加えてよい。エタノールを加えることによって、最初にエタノールが気化し、ついで水が気化するから、段階的な乾燥が可能となる。さらに、菌体液は、懸濁液であってもよい。溶媒は上記で示したものと同じでよい。また、懸濁させる際、懸濁剤、例えばアルギン酸ナトリウム等を使用してもよい。
また、上記菌体液には、さらに保護剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、又は静電気防止剤など当業界で一般に用いられている添加剤を通常の配合割合で添加してもよい。
【0060】
上記菌体液を、菌体乾燥物を製造するために噴霧乾燥装置による乾燥操作に付する。噴霧乾燥装置は、シングルミクロンの噴霧液滴を形成できる微粒化装置を備えた噴霧乾燥装置が好ましい。非常に粒径の小さな噴霧液滴にすると、噴霧液滴の単位質量あたりの表面積が大きくなり、乾燥温風との接触が効率よく行われるため、生産性が向上する。
ここでシングルミクロンの液滴とは、噴霧液滴の粒径が小数第1位を四捨五入して1〜10μmであるものをいう。
【0061】
噴霧乾燥装置には、微粒化装置が、例えばロータリーアトマイザー(回転円盤)、加圧ノズル、又は圧縮気体の力を利用した2流体ノズルや4流体ノズルである噴霧乾燥装置が挙げられる。
噴霧乾燥装置は、シングルミクロンの噴霧液滴を形成できるものであれば、上記形式のいずれの噴霧乾燥装置であってもよいが、4流体ノズルを有する噴霧乾燥装置を使用するのが好ましい。
【0062】
4流体ノズルを有する噴霧乾燥装置では、4流体ノズルの構造としては、気体流路と液体流路とを1系統として、これを2系統ノズルエッジにおいて対称に設けたもので、ノズルエッジに流体流動面となる斜面を構成している。
また、ノズルエッジの先端の衝突焦点に向かって、両サイドから圧縮気体と液体を一点に集合させる外部混合方式の装置がよい。この方式であれば、ノズル詰まりがなく長時間噴霧することが可能となる。
【0063】
4流路ノズルを有する噴霧乾燥装置について
図10を用いてさらに詳しく説明する。4流路ノズルのノズルエッジにおいて、液体流路3又は4から湧き出るように出た菌体液が、気体流路1又は2から出た高速気体流により流体流動面5で薄く引き伸ばされ、引き伸ばされた液体はノズルエッジ先端の衝突焦点6で発生する衝撃波で微粒化させることにより、シングルミクロンの噴霧液滴7を形成する。
【0064】
圧縮気体としては、例えば、空気、炭酸ガス、窒素ガス又はアルゴンガス等の不活性ガス等を用いることができる。とくに、酸化されやすいもの等を噴霧乾燥させる場合は、炭酸ガス、窒素ガス又はアルゴンガス等の不活性ガスを用いるのが好ましい。
圧縮気体の圧力としては、通常約1〜15kg重/cm
2、好ましくは約3〜8kg重/cm
2である。
ノズルにおける気体量は、ノズルエッジ1mmあたり、通常約1〜100L/分、好ましくは約10〜20L/分である。
【0065】
通常、その後、乾燥室において、その噴霧液滴に乾燥温風を接触させることで水分を蒸発させ菌体乾燥物を得る。
乾燥室の入り口温度は、通常約2〜400℃、好ましくは約5〜250℃、より好ましくは約5〜150℃である。入り口温度が約200〜400℃の高温であっても、水分の蒸発による気化熱により乾燥室内の温度はそれほど高くならず、また、乾燥室内の滞留時間を短くすることにより、生菌の死滅や損傷をある程度抑えることができる。
出口温度は、通常約0〜120℃、好ましくは約5〜90℃、より好ましくは約5〜70℃である。
【0066】
4流路ノズルを有する噴霧乾燥装置では、液体流路が2流路あるので、異なった2種の菌体液又は菌体液と他の溶液若しくは懸濁液をそれぞれの液体流路から、同時に噴霧することにより、これらが混合された菌体乾燥物を製造できる。
例えば、異なった2種類の菌体の菌体液を同時に噴霧することにより、該2種の菌体を含有する菌体乾燥物が得られる。
【0067】
上記のように菌体乾燥物の粒径を小さくすることにより、生菌率が上がり、生菌率の多い製剤を提供できるという利点がある。
すなわち、シングルミクロンの菌体乾燥物を得るためにはシングルミクロンの噴霧液滴を噴霧するのが好ましい。噴霧液滴の粒径を小さくすると、噴霧液滴の単位質量あたりの表面積が大きくなるので、乾燥温風との接触が効率よく行われ、乾燥温風の熱による菌体の死滅又は損傷を極力抑えることができる。その結果として、生菌率が上がり生菌数の多い菌体乾燥物が得られる。
【0068】
本発明におけるビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌と、α−グルコシダーゼ阻害剤との組み合わせは特に限定されないが、例えば、α−グルコシダーゼ阻害剤が上記一般式(I)で表わされる化合物(好ましくは、ボグリボース(一般名))の場合、ビフィズス菌、乳酸菌及び糖化菌からなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、中でも、ビフィズス菌が特に好ましく、ビフィズス菌と共に、乳酸菌及び/又は糖化菌を用いることも好ましい。α−グルコシダーゼ阻害剤が上記一般式(II)で表される化合物(好ましくは、アカルボース(一般名))の場合、乳酸菌、糖化菌及びビフィズス菌からなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、中でも、ビフィズス菌及び/又は乳酸菌がより好ましく、ビフィズス菌が特に好ましい。ビフィズス菌と共に、乳酸菌及び糖化菌を用いてもよい。α−グルコシダーゼ阻害剤及び菌をこのような組み合わせで用いると、α−グルコシダーゼ阻害剤及び/又は該菌の脂質代謝改善作用及び抗肥満作用を顕著に増強させることができるため、優れた脂質代謝改善作用及び抗肥満作用が得られる。
【0069】
例えば、ボグリボースを含むビフィズス菌による脂質代謝改善作用増強剤、アカルボースを含むビフィズス菌又は乳酸菌による脂質代謝改善作用増強剤、ビフィズス菌を含むボグリボース又はアカルボースによる脂質代謝改善作用増強剤、乳酸菌を含むアカルボースによる脂質代謝改善作用増強剤等は、本発明の好ましい実施態様の1つである。
ボグリボース又はアカルボースを含み、ビフィズス菌と組み合わせて投与される脂質代謝改善剤、抗肥満剤及び抗肥満作用増強剤も、本発明の好ましい実施態様の1つである。
アカルボースを含み、乳酸菌と組み合わせて投与される脂質代謝改善剤、抗肥満剤及び抗肥満作用増強剤も、本発明の好ましい実施態様の1つである。
【0070】
ビフィズス菌を含み、ボグリボース又はアカルボースと組み合わせて投与される脂質代謝改善剤、抗肥満剤及び抗肥満作用増強剤も、本発明の好ましい実施態様の1つである。
乳酸菌を含み、アカルボースと組み合わせて投与される脂質代謝改善剤、抗肥満剤及び抗肥満作用増強剤も、本発明の好ましい実施態様の1つである。
【0071】
本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤を含む脂質代謝改善剤、前記菌による脂質代謝改善作用増強剤、抗肥満剤及び抗肥満作用増強剤は、上記α−グルコシダーゼ阻害剤と、他の成分とを混合することにより容易に製造される。ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌を含むα−グルコシダーゼ阻害剤による脂質代謝改善作用増強剤及び抗肥満作用増強剤は、前記菌と、他の成分とを混合することにより容易に製造される。他の成分は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。本発明の脂質代謝改善剤、脂質代謝改善作用増強剤、抗肥満剤及び抗肥満作用増強剤は、医薬品、医薬部外品、飲食品、飼料等の形態として用いることができる。このような、本発明の脂質代謝改善剤、脂質代謝改善作用増強剤、抗肥満剤又は抗肥満作用増強剤を含む医薬品も、本発明の1つである。
【0072】
本発明において、α−グルコシダーゼ阻害剤とビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌とを組み合せて投与する方法としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されず、例えば、α−グルコシダーゼ阻害剤を含有する製剤(組成物)と、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌を含有する製剤(組成物)とを別々に調製し、両製剤を同時に、又は時を異にして投与する方法、α−グルコシダーゼ阻害剤及びビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌の双方を含有する製剤(組成物)を投与する方法が挙げられるが、両成分を含有する製剤を調製して投与することが好ましい。
【0073】
(A)α−グルコシダーゼ阻害剤、及び(B)ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌のそれぞれを単独で含有する製剤、両者を同時に含有する複合剤の剤形は、それぞれの成分の物理化学的性質、生物学的性質等を考慮して投与に好適な剤形とすればよい。医薬品の場合には、経口投与に適しており、内服剤とすることが好ましい。内服剤の剤型としては、例えば、錠剤、ペレット、細粒剤、散剤、顆粒剤、丸剤、チュアブル剤、トローチ剤、液剤、懸濁剤等が挙げられる。中でも、錠剤又は散剤が好ましい。さらに、それぞれの製剤は、α−グルコシダーゼ阻害剤及び/又はビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌の他に、賦形剤(例えば、乳糖、デンプン、結晶セルロース又はリン酸ナトリウム等)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(例えばデンプン、カルメロースナトリウム等)、滑沢剤(例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、マクロゴール、ショ糖脂肪酸エステル等)、安定剤(亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン等)、着色剤、賦香剤、光沢剤等、当業界で使用される公知の添加剤等を適宜含有していてもよい。製剤中に含まれるα−グルコシダーゼ阻害剤の量は、通常、最終製剤中に約0.0001〜99質量%の範囲から適宜選択して決定することができる。製剤中に含まれるビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌の量は、通常、最終製剤中に約0.000001〜99質量%の範囲から適宜選択して決定することができる。
【0074】
α−グルコシダーゼ阻害剤とビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌とを含有する組成物の調製は、製剤の常法によって両成分を混合し、製造することができるが、その場合、該組成物におけるα−グルコシダーゼ阻害剤と、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌の配合比率は、α−グルコシダーゼ阻害剤約0.05〜500mgに対し、該菌を約10
3〜10
12個とすることが好ましく、α−グルコシダーゼ阻害剤約0.01〜300mgに対し、該菌を約10
5〜10
11個とすることが特に好ましい。
【0075】
なお、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌は、一般に嫌気性で乾燥状態では空気又は酸素に対して弱く、また、高温と湿気に弱いため、組成物の製剤化に際してはできるだけ、不活性ガスの存在下又は真空、低温下で、処理することが好ましい。
【0076】
α−グルコシダーゼ阻害剤とビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌とを含有する組成物を固形製剤にする場合、乾燥法によって、単に粉末同士を混合してもよいし、またその粉末を圧縮して顆粒にしたり、錠剤にしたりしてもよい。湿式法により顆粒、錠剤を製造する場合は、結合剤の水溶液を用いて練合、乾燥し、目的の固形剤とすることができる。さらに、この様にして得られた粉末又は顆粒をカプセルに充填して、カプセル剤とすることもできる。
【0077】
例えば、錠剤を製造する場合は、公知の打錠機を用いるとよい。該打錠機としては、例えば単発式打錠機又はロータリー型打錠機等が挙げられる。また、丸剤、チュアブル剤又はトローチ剤の製造方法は、公知の方法に従って行われてよく、例えば錠剤を製造するのと同じ手段で作ることができる。
【0078】
微量の有効成分(α−グルコシダーゼ阻害剤及び/又はビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌)を大量の他の粉末と混合し均一な混合物を得るためには、いわゆる段階的混合法を採るのがよい。例えば、有効成分をその100〜200容量倍の粉末と混合して均一な粉末を得、これを残りの粉末と混合すると均一な粉末を得ることができる。
含水物からの乾燥には、L−乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥などの手段をとることができる。ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌の乾燥菌体(菌体乾燥物)を得るには、適当な安定剤、例えばグルタミン酸モノナトリウム塩、アドニトールなどを加えた中性の緩衝液に菌を懸濁させておき、自体公知の方法で乾燥することもできる。
【0079】
本発明において、α−グルコシダーゼ阻害剤の投与量は、通常約0.001〜500mg/大人/回、好ましくは約0.001〜100mg/大人/回、より好ましくは約0.002〜100mg/大人/回であり、これを通常1日2回〜4回食前1時間〜食後2時間の間に経口投与するのが好ましい。特にα−グルコシダーゼ阻害剤が上記一般式(I)で表わされるバイオールアミン誘導体である場合は、該化合物を通常約0.001〜20mg/大人/回(より好ましくは約0.002〜20mg/大人/回)、1日2〜4回の投与であり、これを好ましくは食前1時間〜食後2時間の間の適当な時期に経口投与するのが効果的である。
【0080】
本発明において、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌の投与量は、生菌を用いる場合には、生菌の菌数にして通常約10
3〜10
12個/大人/回、好ましくは10
5〜10
10個/大人/回、より好ましくは10
6〜10
10個/大人/回を含む製剤を、通常1日2〜4回、好ましくは食前約1時間〜食後約2時間の間に経口投与するのが効果的である。ここで、製剤中の生菌数の測定は菌体によって異なるが、例えば日本薬局方外医薬品規格に記載されたそれぞれの菌体の定量方法により容易に測定できる。
【0081】
本発明の脂質代謝改善剤、脂質代謝改善作用増強剤、抗肥満剤及び抗肥満作用増強剤は、例えば、脂質異常症、循環器疾患、心臓疾患等の生活習慣病又はそのおそれのある個体(動物)に好適に適用することができる。また、肥満又は肥満予備軍の減量を必要とする個体も、好適な対象である。さらに、肥満を中心として脂質異常症等を併発(メタボリックシンドローム)した個体又はそのおそれのある個体がより好適である。中でも、肥満及び/又は脂質異常症を発症した個体又はそのおそれのある個体がより好適であり、肥満及び/又は脂質異常症を発症した個体がさらに好適であり、肥満及び高脂血症を発症した個体が特に好適である。個体としてはヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等の哺乳類が好ましく、特にヒトが好ましい。
【0082】
本発明の脂質代謝改善剤、脂質代謝改善作用増強剤、抗肥満剤及び抗肥満作用増強剤は、少量の使用でも、α−グルコシダーゼ阻害剤とビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌との併用によって、前記菌及び/又はα−グルコシダーゼ阻害剤の脂質代謝改善作用が相乗的に増強されるので、肥満、脂質異常症等の予防、改善又は治療に有効なものであり、投与の方法も簡単で、しかも副作用がほとんどないものである。
【0083】
本発明の脂質代謝改善剤、脂質代謝改善作用増強剤、抗肥満剤及び抗肥満作用増強剤は、上述した医薬品として用いることができるほか、機能性食品、特定保健用食品又はドリンク剤などの飲食品として用いることができるものである。本発明の脂質代謝改善剤を含む脂質代謝改善用飲食品組成物も、本発明の1つである。前記α−グルコシダーゼ阻害剤を含む脂質代謝改善作用増強剤を含む、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌による脂質代謝改善作用増強用飲食品組成物も、本発明の1つである。前記菌を含む脂質代謝改善作用増強剤を含む、α−グルコシダーゼ阻害剤による脂質代謝改善作用増強用飲食品組成物も、本発明の1つである。本発明の抗肥満剤を含む肥満改善用飲食品組成物も、本発明の1つである。前記α−グルコシダーゼ阻害剤を含む抗肥満作用増強剤を含む、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌による肥満改善作用増強用飲食品組成物も、本発明の1つである。前記菌を含む抗肥満作用増強剤を含む、α−グルコシダーゼ阻害剤による肥満改善作用増強用飲食品組成物も、本発明の1つである。本発明に係る飲食品組成物を、肥満、脂質異常症等の生活習慣病若しくはメタボリックシンドローム、又はそのおそれのあるヒトを含む哺乳動物に摂取させることにより、該生活習慣病等を予防又は改善することができる。飲食品組成物中に含まれるα−グルコシダーゼ阻害剤の量は、通常、最終組成物中に約0.0001〜99質量%の範囲から適宜選択して決定することができる。飲食品組成物中に含まれるビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌の量は、通常、最終組成物中に約0.000001〜99質量%の範囲から適宜選択して決定することができる。
【0084】
本発明において、α−グルコシダーゼ阻害剤とビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌とを摂取させる方法としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されず、例えば、α−グルコシダーゼ阻害剤を含有する組成物と、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌を含有する組成物とを別々に調製し、両組成物を同時に、又は時を異にして摂取させる方法、α−グルコシダーゼ阻害剤及びビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌の双方を含有する組成物を摂取させる方法が挙げられるが、両成分を含有する組成物を調製して摂取させることが好ましい。
【0085】
本発明の剤を飲食品組成物として用いる場合、その形態は特に限定されない。また、飲食品組成物は、自然流動食、半消化態栄養食若しくは成分栄養食、又はドリンク剤等の加工形態とすることもできる。さらに、本発明にかかる飲食品組成物は、アルコール飲料又はミネラルウォーターに用時添加する易溶性製剤としてもよい。より具体的には、本発明に係る飲食品組成物は、例えばビスケット、クッキー、ケーキ、キャンディー、チョコレート、チューインガム、和菓子などの菓子類;パン、麺類、米飯又はその加工品;清酒、薬用酒などの発酵食品;ヨーグルト、ハム、ベーコン、ソーセージ、マヨネーズなどの畜農食品;果汁飲料、清涼飲料、スポーツ飲料、アルコール飲料、茶などの飲料等の形態とすることができる。
【0086】
また、本発明に係る飲食品組成物は、例えば、医師の食事箋に基づく栄養士の管理の下に、病院給食の調理の際に任意の食品に本発明の飲食品組成物を加え、その場で調製した食品の形態で患者に与えることもできる。本発明の飲食品組成物は、液状であっても、粉末や顆粒などの固形状であってもよい。
【0087】
本発明に係る飲食品組成物は、食品分野で慣用の補助成分を含んでいてもよい。前記補助成分としては、例えば乳糖、ショ糖、液糖、蜂蜜、ステアリン酸マグネシウム、オキシプロピルセルロース、各種ビタミン類、微量元素、クエン酸、リンゴ酸、香料、無機塩などが挙げられる。
【0088】
本発明に係る飲食品組成物の摂取量は、摂取する哺乳動物の生活習慣病の状態、年齢、性別などによって異なるので、一概には言えないが、α−グルコシダーゼ阻害剤及びビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌を、それぞれ上述した医薬品の場合と同様の量摂取させることが好ましい。
【0089】
本発明は、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌を含み、α−グルコシダーゼ阻害剤と組み合わせて投与されるα−グルコシダーゼ阻害剤による脂質代謝改善作用又は抗肥満作用の発現促進剤も包含する。α−グルコシダーゼ阻害剤と前記菌とを併用することにより、α−グルコシダーゼ阻害剤の投与量を、該阻害剤がその血中脂質低下作用等の脂質代謝改善作用や抗肥満作用を発揮させる目的で単独で使用される場合より少量としても、該阻害剤を単独で通常使用される量使用した場合と比較して短期間の投与で有効な脂質代謝改善効果や抗肥満作用を得ることができる。従って、前記菌とα−グルコシダーゼ阻害剤とを併用すると、α−グルコシダーゼ阻害剤の使用量を少なくしても、該阻害剤による脂質代謝改善作用及び/又は抗肥満作用を短期間で効果的に発現させることができる。
【0090】
α−グルコシダーゼ阻害剤とビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌とを併用すると、例えば、α−グルコシダーゼ阻害剤の投与量を1回につき約0.02〜100mgとし、この量を1日2〜4回食前に経口投与すると、投与開始から約4〜8週間後に有効な脂質代謝改善作用が得られる。このため、血中脂質及び内臓脂肪を減少させ、体重増加を抑制することができる。ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌の好ましい使用量は、上述した脂質代謝改善増強剤における使用量と同じである。本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤による脂質代謝改善作用又は抗肥満作用の発現促進剤及びその好ましい態様は、上述したα−グルコシダーゼ阻害剤による脂質代謝改善増強剤と同様である。
【0091】
本発明の脂質代謝改善作用又は抗肥満作用の発現促進剤は、上述した脂質代謝改善増強剤等と同様に医薬とすることができるほか、飲食品として用いることもできるものである。
脂質代謝改善作用又は抗肥満作用の発現促進剤におけるα−グルコシダーゼ阻害剤と前記菌との好ましい組み合わせも、上述した脂質代謝改善剤と同様である。例えば、ビフィズス菌を含むボグリボース又はアカルボースによる脂質代謝改善作用又は抗肥満作用の発現促進剤、乳酸菌を含むアカルボースによる脂質代謝改善作用又は抗肥満作用の発現促進剤は、本発明の好ましい実施態様の1つである。
【0092】
本発明は、α−グルコシダーゼ阻害剤を、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌と組み合わせて動物に投与する脂質代謝改善方法も包含する。
本発明はまた、α−グルコシダーゼ阻害剤を、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌と組み合わせて動物に投与する前記菌による脂質代謝改善作用を増強する方法も包含する。
本発明はさらに、α−グルコシダーゼ阻害剤を、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌と組み合わせて動物に投与する肥満の改善又は治療方法も包含する。
本発明はさらに、α−グルコシダーゼ阻害剤を、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌と組み合わせて動物に投与する前記菌による肥満の改善作用を増強する方法も包含する。
【0093】
本発明は、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌を、α−グルコシダーゼ阻害剤と組み合わせて動物に投与するα−グルコシダーゼ阻害剤による脂質代謝改善作用を増強させる方法も包含する。
本発明は、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌を、α−グルコシダーゼ阻害剤と組み合わせて動物に投与するα−グルコシダーゼ阻害剤による肥満の改善作用を増強する方法も包含する。
本発明は、ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌を、α−グルコシダーゼ阻害剤と組み合わせて動物に投与するα−グルコシダーゼ阻害剤による脂質代謝改善作用の発現又は抗肥満作用を促進する方法も包含する。
【0094】
本発明の方法における動物としては、上述した脂質異常症等の生活習慣病又はそのおそれのある個体(動物);肥満又は肥満予備軍の減量を必要とする個体;肥満を中心として高脂血症等を併発(メタボリックシンドローム)した個体又はそのおそれのある個体等が好適である。ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌及び酪酸菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の菌、並びにα−グルコシダーゼ阻害剤の投与方法、投与量等は、上述した脂質代謝改善剤における投与方法等と同じである。
【実施例】
【0095】
以下実施例を示してさらに詳しく説明を行うが、本発明はこれによりなんら制限されるものではない。本実施例中、「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
【0096】
<実施例1>
(ビフィズス菌菌体乾燥物の調製及び該菌体乾燥物中の生菌数の測定)
1.菌(BBG9-1:Bifidobacterium bifidum G9-1)の調製方法
BBG9−1の菌体乾燥物の調製は以下のように行った。すなわち、BBG9−1の凍結保存菌株(ビオフェルミン製薬社保存菌株)を37℃で24時間静置培養後、ビフィズス菌試験用液体培地(1)(日本薬局方外医薬品規格「ビフィズス菌」の項に記載)にこの培養菌液をビフィズス菌試験用液体培地(1)100に対して1の割合(容量比)で接種し、37℃で18時間静置培養した。得られた培養菌液を遠心分離し、水で3回洗浄後、適量の水を加え、湿菌体1kgに対し、グルタミン酸塩0.1kg及びデキストリン0.5kgの割合で加えて噴霧乾燥装置にて菌体乾燥物とした。なお、ビフィズス菌BBG9−1株は、医療用医薬品のビオフェルミン錠剤(商品名、ビオフェルミン製薬社製)等の成分として含まれており、該錠剤等から通常行われる方法で精製することによって入手可能である。
【0097】
上記ビフィズス菌試験用液体培地(1)は、日本薬局方外医薬品規格「ビフィズス菌」の項に記載された方法に従い、下記成分を混合し、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で10分間加熱して滅菌して調製した。
牛肉・肝臓浸出液 1000mL
カゼイン製ペプトン 10g
ブドウ糖 10g
ポリソルベート80 1g
L−シスチン 0.5g
(あらかじめ2mLの希塩酸に溶かして添加した。)
pH 7.0〜7.2
【0098】
2.菌体乾燥物中の生菌数の測定
日本薬局方外医薬品規格「ビフィズス菌」の項に記載されているビフィズス菌の定量法に準じて測定した。すなわち、菌体乾燥物5gを精密に量り、希釈液(2)30mL中に加え、強く振り混ぜ、更に同希釈液を加えて正確に50mLとし、よく振り混ぜ、この菌液1mLを正確に量り、別に正確に分注した同希釈液9mL中に加える操作(10倍希釈法)を繰り返し、1mL中の生菌数が20〜200個となるよう希釈した。この液1mLをペトリ皿にとり、ここに50℃に保ったビフィズス菌試験用カンテン培地を20mL加えてすばやく混和し、固化させた。これを37℃で48〜72時間嫌気培養し、出現したコロニー数及び希釈倍率から菌体乾燥物中の生菌数を求めた。これにより求めた上記1.で得られた菌体乾燥物の菌数は、生菌数3.4×10
11CFU/gであった。
【0099】
実施例中で用いた希釈液(2)の調製方法を、以下に示す。
希釈液(2)の調製方法
日本薬局方外医薬品規格「ビフィズス菌」の項に記載された方法に従い、下記の成分を混合し、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で15分間加熱して滅菌して調製した。
無水リン酸一水素ナトリウム 6.0g
リン酸二水素カリウム 4.5g
ポリソルベート80 0.5g
L−塩酸システイン 0.5g
カンテン 1.0g
精製水 1000mL
pH 6.8〜7.0
【0100】
上記ビフィズス菌試験用カンテン培地の調製方法を、以下に示す。
日本薬局方外医薬品規格「ビフィズス菌」の項に記載された方法に従い、下記成分を混合し、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で15分間加熱して滅菌した後、使用した。
豚肝臓浸出液 1000mL
カゼイン製ペプトン 20g
乳糖 20g
ブドウ糖 10g
塩化ナトリウム 5g
リン酸二水素カリウム 4g
L−グルタミン酸ナトリウム 2g
L−シスチン 2g(あらかじめ10%の水酸化ナトリウム溶液に溶かして添加した)
カンテン 15g
pH 6.7〜6.9
【0101】
<実施例2>
(ビフィズス菌及びα−グルコシダーゼ阻害剤併用による脂質低下及び抗肥満増強作用)
乳酸菌として実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体を、α−グルコシダーゼ阻害剤としてボグリボースを、それぞれ用いた。ボグリボースとしては、ベイスン(登録商標)錠0.2(武田薬品工業社製)を粉砕したものを用いた。
【0102】
雌性KK−A
yマウス(系統名KK−A
y/TaJcl)を8週齢で購入後(日本クレア社より購入)、個別ケージにて2週間の予備飼育を行った。KK−A
yマウスは、糖尿病のモデルマウスである。予備飼育期間中は市販の粉末飼料(CE−2:日本クレア社製)及び上水道水を自由摂取させた。実験開始日には経口糖負荷試験(OGTT)を実施した。すなわち、OGTT実施の前日より絶食とし、実施当日グルコース溶液(2g/5mL/kg)を経口投与した。負荷前ならびに負荷後15、30、60及び120分後に尾静脈から血液を漏出させ、漏出血液中のグルコース濃度を市販の自己検査用グルコース測定器(商品名:アキュチェックアビバ、ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を用いて測定した。このときの血糖値の曲線下面積(AUC)を算出し、これを指標にして以下のA〜Dの4群(8匹/群)に群分けし、各試験飼料を自由摂取させた。
【0103】
A群:デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与するグループ。
B群:実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与するグループ。
C群:ボグリボースを0.0003%、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与するグループ。
D群:実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%、ボグリボースを0.0003%の割合で混合したCE−2を混餌投与するグループ。
【0104】
各群について7週間、上記飼料を摂取させたときの体重推移を測定した。さらに、試験終了時に全採血を行い、得られた血漿中の中性脂肪値を測定した。A群に対する各群の有意差はDunnett検定を、2群間の有意差はt検定を用いて評価した。
【0105】
(結果)
A〜D群のマウスに、各試験飼料を7週間摂餌させたときの体重推移を
図1に示した。
図2に、試験終了時に測定した血漿中性脂肪値(mg/dL)を示す。
図1から明らかなように、BBG9−1単独(B群)及びボグリボース単独(C群)では、いずれも体重の増加抑制が認められなかったが、BBG9−1及びボグリボースの併用は体重の増加を有意に抑制した(D群)。
図2から明らかなように、BBG9−1単独(B群)及びボグリボース単独(C群)では、いずれも血漿中の中性脂肪値の上昇を抑制しなかったが、BBG9−1及びボグリボースの併用は中性脂肪値の上昇を有意に抑制した(D群)。
【0106】
図1及び2について詳細に説明する。
図1中の各点は、8個体の平均±標準誤差(SE)を表す。折れ線グラフにおいて、白丸はデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(A群)。白四角は実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(B群)。白三角はボグリボースを0.0003%、及びデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(C群)。黒四角は実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%、及びボグリボースを0.0003%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(D群)。*、#及び$はそれぞれ、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(A群)からの有意差(*:p<0.01、**:p<0.01、***:p<0.001)、実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(B群)からの有意差(#:p<0.05、##:p<0.01)及びボグリボースを0.0003%、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(C群)からの有意差($:p<0.05、$$:p<0.01)を表す。
【0107】
図2中の棒グラフの値は、8個体の平均±標準誤差(SE)を表す。棒グラフにおいて、白はデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(A群)。灰色は実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(B群)。斜線はボグリボースを0.0003%、及びデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(C群)。黒は実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%、及びボグリボースを0.0003%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(D群)。*及び$はそれぞれ、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(A群)からの有意差(**:p<0.01)、及びボグリボースを0.0003%、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(C群)からの有意差($:p<0.05)を表す。
【0108】
<実施例3>
(ビフィズス菌及びα−グルコシダーゼ阻害剤併用による脂質低下及び抗肥満増強作用)
乳酸菌として実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体を、α−グルコシダーゼ阻害剤としてアカルボースを、それぞれ用いた。アカルボースとしては、グルコバイ(登録商標)錠100mg(バイエル薬品製)を粉砕したものを用いた。
【0109】
雌性KK−A
yマウス(系統名KK−A
y/TaJcl)を8週齢で購入後(日本クレア社より購入)、個別ケージにて2週間の予備飼育を行った。KK−A
yマウスは、糖尿病のモデルマウスである。予備飼育期間中は市販の粉末飼料(CE−2:日本クレア社製)及び上水道水を自由摂取させた。実験開始日には経口糖負荷試験(OGTT)を実施した。すなわち、OGTT実施の前日より絶食とし、実施当日グルコース溶液(2g/5mL/kg)を経口投与した。負荷前ならびに負荷後15、30、60及び120分後に尾静脈から血液を漏出させ、漏出血液中のグルコース濃度を市販の自己検査用グルコース測定器(商品名:アキュチェックアビバ、ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を用いて測定した。このときの血糖値の曲線下面積(AUC)を算出し、これを指標にして以下のE〜Hの4群(9匹/群)に群分けし、各試験飼料を自由摂取させた。
【0110】
E群:デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与するグループ。
F群:実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与するグループ。
G群:アカルボースを0.1%、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与するグループ。
H群:実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%、アカルボースを0.1%の割合で混合したCE−2を混餌投与するグループ。
【0111】
各群について7週間、上記飼料を摂取させたときの体重推移を測定した。さらに、試験終了時に全採血を行い、得られた血漿中の総コレステロール値及び中性脂肪値を測定した。また子宮周囲脂肪を摘出し、体重あたりの相対重量を比較した。E群に対する各群の有意差はDunnett検定を、2群間の有意差はt検定を用いて評価した。
【0112】
(結果)
E〜H群のマウスに、各試験飼料を7週間摂餌させたときの体重推移を
図3に示した。
図4及び
図5に、試験終了時に測定した血漿中の総コレステロール値(mg/dL)及び血漿中の中性脂肪値(mg/dL)をそれぞれ示す。
図6に、試験終了時の体重に対する子宮周囲脂肪の相対重量(体脂肪率(%))を示す。
図3から明らかなように、BBG9−1単独(F群)及びアカルボース単独(G群)では、いずれも体重の増加抑制が認められなかったが、BBG9−1及びアカルボースの併用は体重の増加を有意に抑制した(H群)。
図4から明らかなように、BBG9−1単独では総コレステロール値の上昇を抑制せず(F群)、アカルボース単独では有意に抑制したが(G群)、BBG9−1及びボグリボースの併用は総コレステロール値の上昇を相乗的に有意に抑制した(H群)。
図5から明らかなように、BBG9−1単独(F群)及びアカルボース単独(G群)では、いずれも中性脂肪値の上昇を抑制しなかったが、BBG9−1及びアカルボースの併用は中性脂肪値の上昇を抑制する傾向を示した(H群)。
図6から明らかなように、BBG9−1単独(F群)及びアカルボース単独(G群)では、いずれも子宮周囲脂肪の相対重量の上昇を抑制しなかったが、BBG9−1及びアカルボースの併用は子宮周囲脂肪の相対重量の上昇を有意に抑制した(H群)。このように、BBG9−1とα−グルコシダーゼ阻害剤とを組み合わせて投与することにより体重増加が有意に抑制されたが、これは内臓脂肪の減少を伴うものであることが示された。
【0113】
図3〜6について詳細に示す。
図3中の各点は、9個体の平均±標準誤差(SE)を表す。折れ線グラフにおいて、白丸はデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(E群)。白四角は実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(F群)。白三角はアカルボースを0.1%、及びデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(G群)。黒四角は実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%、及びアカルボースを0.1%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(H群)。*、#及び$はそれぞれ、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(E群)からの有意差(*:p<0.01、**:p<0.01、***:p<0.001)、実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(F群)からの有意差(#:p<0.05、##:p<0.01)及びアカルボースを0.1%、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(G群)からの有意差($:p<0.05)を表す。
【0114】
図4中の棒グラフの値は、9個体の平均±標準誤差(SE)を表す。棒グラフにおいて、白はデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(E群)。灰色は実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(F群)。斜線はアカルボースを0.1%、及びデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(G群)。黒は実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%、及びアカルボースを0.1%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(H群)。*、#及び$はそれぞれ、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(E群)からの有意差(***:p<0.001)、実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(F群)からの有意差(###:p<0.001)及びアカルボースを0.1%、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(G群)からの有意差($:p<0.05)を表す。
【0115】
図5中の棒グラフの値は、9個体の平均±標準誤差(SE)を表す。棒グラフにおいて、白はデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(E群)。灰色は実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(F群)。斜線はアカルボースを0.1%、及びデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(G群)。黒は実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%、及びアカルボースを0.1%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(H群)。
【0116】
図6中の棒グラフの値は、9個体の平均±標準誤差(SE)を表す。棒グラフにおいて、白はデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(E群)。灰色は実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(F群)。斜線はアカルボースを0.1%、及びデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(G群)。黒は実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%、及びアカルボースを0.1%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(H群)。*、#及び$はそれぞれ、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(E群)からの有意差(***:p<0.001)、実施例1の方法によって得たBBG9−1の乾燥菌体(3.4×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(F群)からの有意差(###:p<0.001)及びアカルボースを0.1%、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(G群)からの有意差($:p<0.05)を表す。
なお、実施例2〜3においてBBG9−1以外のビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌又は酪酸菌を用いても、上記と同様の結果が得られる。また、ボグリボース及びアカルボース以外のα−グルコシダーゼ阻害剤を用いても、上記と同様の結果が得られる。
【0117】
<実施例4>
(乳酸菌菌体乾燥物の調製及び該菌体乾燥物中の生菌数の測定)
1.菌(3B:Streptococcus faecalis 129 BIO 3B)の調製方法
3Bの菌体乾燥物の調製は以下のように行った。すなわち、3Bの凍結保存菌株(ビオフェルミン製薬社保存菌株)を37℃で24時間静置培養後、ラクトミン試験用液体培地(2)(日本薬局方外医薬品規格「ラクトミン」の項に記載)にこの培養菌液をラクトミン試験用液体培地(2)100に対して1の割合(容量比)で接種し、37℃で18時間静置培養した。得られた培養菌液を遠心分離し、水で3回洗浄後、適量の水を加え、湿菌体1kgに対し、グルタミン酸塩0.1kg及びデキストリン0.5kgの割合で加えて噴霧乾燥装置にて菌体乾燥物とした。なお、3B株は、医療用医薬品のビオフェルミン(商品名、ビオフェルミン製薬社製)等の成分として含まれており、該錠剤等から通常行われる方法で精製することによって入手可能である。
【0118】
上記ラクトミン試験用液体培地(2)は、日本薬局方外医薬品規格「ラクトミン」の項に記載された方法に従い、下記の成分を混合し、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で15分間加熱して滅菌して調製した。
酵母エキス 5g
カゼイン製ペプトン 20g
ブドウ糖 20g
肉エキス 15g
トマトジュース
* 200mL
ポリソルベート80 3g
L−塩酸システイン 1g
精製水 800mL
pH 6.8±0.1
トマトジュース
*は、トマトジュースに等量の精製水を加え、時々かき混ぜながら煮沸した後、pHを6.8に調整し、ろ過したものを使用した。
【0119】
2.菌体乾燥物中の生菌数の測定
日本薬局方外医薬品規格「ラクトミン」の項に記載されているラクトミンの定量法に準じて測定した。すなわち、菌体乾燥物5gを精密に量り、希釈液(2)30mL中に加え、強く振り混ぜ、更に同希釈液を加えて正確に50mLとし、よく振り混ぜ、この菌液1mLを正確に量り、別に正確に分注した同希釈液9mL中に加える操作(10倍希釈法)を繰り返し、1mL中の生菌数が20〜200個となるよう希釈した。この液1mLをペトリ皿にとり、ここに50℃に保ったラクトミン試験用カンテン培地(2)を20mL加えてすばやく混和し、固化させた。これを37℃で24〜48時間好気培養し、出現したコロニー数及び希釈倍率から菌体乾燥物中の生菌数を求めた。これにより求めた上記1.で得られた菌体乾燥物の菌数は、生菌数7.0×10
11CFU/gであった。
【0120】
上記ラクトミン試験用カンテン培地(2)は、上記ラクトミン試験用液体培地(2)にカンテン20gを加え、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で15分間加熱して滅菌して調製した。
【0121】
<実施例5>
(乳酸菌及びα−グルコシダーゼ阻害剤併用による脂質低下及び抗肥満増強作用)
乳酸菌として実施例4の方法によって得た3Bの乾燥菌体を、α−グルコシダーゼ阻害剤としてアカルボースを、それぞれ用いた。アカルボースとしては、グルコバイ(登録商標)錠100mg(バイエル薬品製)を粉砕したものを用いた。
【0122】
雌性KK−A
yマウス(系統名KK−A
y/TaJcl)を8週齢で購入後(日本クレア社より購入)、個別ケージにて2週間の予備飼育を行った。KK−A
yマウスは、糖尿病のモデルマウスである。予備飼育期間中は市販の粉末飼料(CE−2:日本クレア社製)及び上水道水を自由摂取させた。実験開始日には経口糖負荷試験(OGTT)を実施した。すなわち、OGTT実施の前日より絶食とし、実施当日グルコース溶液(2g/5mL/kg)を経口投与した。負荷前ならびに負荷後15、30、60及び120分後に尾静脈から血液を漏出させ、漏出血液中のグルコース濃度を市販の自己検査用グルコース測定器(商品名:アキュチェックアビバ、ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を用いて測定した。このときの血糖値の曲線下面積(AUC)を算出し、これを指標にして以下のI〜Lの4群(9匹/群)に群分けし、各試験飼料を自由摂取させた。
【0123】
I群:デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与するグループ。
J群:実施例4の方法によって得た3Bの乾燥菌体(7.0×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与するグループ。
K群:アカルボースを0.1%、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与するグループ。
L群:実施例4の方法によって得た3Bの乾燥菌体(7.0×10
11/g)を10%、アカルボースを0.1%の割合で混合したCE−2を混餌投与するグループ。
【0124】
各群について7週間、上記飼料を摂取させたときの体重推移を測定した。さらに、試験終了時に全採血を行い、得られた血漿中の中性脂肪値を測定した。また子宮周囲脂肪を摘出し、体重あたりの相対重量を比較した。I群に対する各群の有意差はDunnett検定を、2群間の有意差はt検定を用いて評価した。
【0125】
(結果)
I〜L群のマウスに、各試験飼料を7週間摂餌させたときの体重推移を
図7に示した。
図8に、試験終了時に測定した血漿中の中性脂肪値(mg/dL)を示す。
図9に、試験終了時の体重に対する子宮周囲脂肪の相対重量(体脂肪率(%))を示す。
図7から明らかなように、3B単独(J群)及びアカルボース単独(K群)では、いずれも体重の増加抑制が認められなかったが、3B及びアカルボースの併用は体重の増加を有意に抑制した(L群)。
図8から明らかなように、3B単独(J群)及びアカルボース単独(K群)では、いずれも中性脂肪値の上昇を抑制しなかったが、3B及びアカルボースの併用は中性脂肪値の上昇を抑制する傾向を示した(L群)。
図9から明らかなように、3B単独(J群)及びアカルボース単独(K群)では、いずれも子宮周囲脂肪の相対重量の上昇を抑制しなかったが、3B及びアカルボースの併用は子宮周囲脂肪の相対重量の上昇を3B単独と比較して有意に抑制した(L群)。このように、3Bとα−グルコシダーゼ阻害剤とを組み合わせて投与することにより体重増加が有意に抑制されたが、これは内臓脂肪の減少を伴うものであることが示された。
【0126】
図7〜9について詳細に示す。
図7中の各点は、9個体の平均±標準誤差(SE)を表す。折れ線グラフにおいて、白丸はデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(I群)。白四角は実施例4の方法によって得た3Bの乾燥菌体(7.0×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(J群)。白三角はアカルボースを0.1%、及びデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(K群)。黒四角は実施例4の方法によって得た3Bの乾燥菌体(7.0×10
11/g)を10%及び、アカルボースを0.1%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(L群)。*及び#はそれぞれ、デキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(I群)からの有意差(*:p<0.01、**:p<0.01)及び、実施例4の方法によって得た3Bの乾燥菌体(7.0×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(J群)からの有意差(#:p<0.05、##:p<0.01)を表す。
【0127】
図8中の棒グラフの値は、9個体の平均±標準誤差(SE)を表す。棒グラフにおいて、白はデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(I群)。灰色は実施例4の方法によって得た3Bの乾燥菌体(7.0×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(J群)。斜線はアカルボースを0.1%、及びデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(K群)。黒は実施例4の方法によって得た3Bの乾燥菌体(7.0×10
11/g)を10%、及びアカルボースを0.1%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(L群)。
【0128】
図9中の棒グラフの値は、9個体の平均±標準誤差(SE)を表す。棒グラフにおいて、白はデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(I群)。灰色は実施例4の方法によって得た3Bの乾燥菌体(7.0×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(J群)。斜線はアカルボースを0.1%、及びデキストリンを10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(K群)。黒は実施例4の方法によって得た3Bの乾燥菌体(7.0×10
11/g)を10%、及びアカルボースを0.1%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウスである(L群)。#は、実施例4の方法によって得た3Bの乾燥菌体(7.0×10
11/g)を10%の割合で混合したCE−2を混餌投与したマウス(J群)からの有意差(#:p<0.05)を表す。
【0129】
なお、実施例5において3B以外のビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌又は酪酸菌を用いても、上記と同様の結果が得られる。また、アカルボース以外のα−グルコシダーゼ阻害剤を用いても、上記と同様の結果が得られる。