【文献】
J. Org. Chem.,1953年,p.534-551
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ニトロキシドラジカル化合物の使用量が、反応基質である有機ジアゾニウム塩、若しくは有機アミノ化合物又はその塩に対し、化学量論的に0.01〜0.5モル当量の範囲である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
ニトロキシドラジカル化合物の使用量が、反応基質である有機ジアゾニウム塩、若しくは有機アミノ化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物に対し、化学量論的に0.01〜0.5モル当量の範囲である、請求項8又は9に記載の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
一価の銅触媒を用いることに特徴があるザンドマイヤー反応は、芳香族シアノ化合物(D−1)等の芳香族置換体化合物(D−1〜D−9)を製造する反応として周知であるが、反応終了後の銅触媒の除去に問題があった。特に大量合成や医薬品原料の製造法として用いるためには、銅触媒を完全に除去する必要があり、その除去操作が煩雑で、廃液処理、環境保全の観点で大きな問題があった。また、一価の銅触媒を用いたザンドマイヤー反応においては、反応基質によって反応収率が低い点が問題であった。
【0021】
また、銅触媒を用いないザンドマイヤー反応類似の方法(例えば、特許文献3参照)では、収率が低い問題点があった。さらに、銅触媒を用いない方法では、撹拌や反応温度によって収率が変動する問題点が明らかになった。しかしながら、これら問題点を改善できる代替の製造方法は知られていなかった。
【0022】
そこで、芳香族アミノ化合物から、芳香族ジアゾニウム塩を経由し、芳香族ジアゾニウム塩の分解反応で、効率的に芳香族ハロゲノ化合物(D−2)等の芳香族置換体化合物(D)を製造する工業的製造方法を見いだすことが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明者らは、上記課題の解決を目指して鋭意研究を行い、ニトロキシドラジカル化合物が上記課題の解決に極めて有効であることを見いだして本発明を完成した。
【0024】
すなわち、本発明は下記の(1)〜(12)を提供するものである。
(1):下記式(3)
【0025】
【化5】
【0026】
(式中、下記式(4)
【0027】
【化6】
【0028】
で表される環Aは、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環(ここで、該芳香族炭化水素環、及び芳香族複素環は、置換基群αから選ばれる、同一又は異なった、1〜5個の基を置換基として有していてもよい)を示し、
置換基群αは、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、C1−C8アルキル基、ハロゲノC1−C8アルキル基、C2−C8アルケニル基、C2−C8アルキニル基、C6−C14アリール基、C4−C10ヘテロアリール基、C3−C8シクロアルキル基、C1−C8アルコキシ基、ハロゲノC1−C8アルコキシ基、C6−C14アリールオキシ基、C1−C7アシル基、C2−C7アシルオキシ基、C1−C8アルコキシカルボニルオキシ基、カルボキシ基、C1−C8アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、モノ又はジC1−C8アルキルカルバモイル基、C1−C7アシルアミノ基、C1−C8アルコキシカルボニルアミノ基、C1−C8アルキルスルホニルアミノ基、C1−C8アルキルチオ基、C1−C8アルキルスルホニル基、及びオキソ基からなる群を示し;
X
−は、ジアゾニウム塩のカウンターアニオンを示し;
ジアゾニオ基は、環Aを形成する構成元素の炭素原子に結合していることを示す。)
で表される芳香族ジアゾニウム塩から、下記式(1)
【0029】
【化7】
【0030】
(式中、置換基Yはジアゾニオ基に置き換わった置換基を示し、該置換基Yは環Aを形成する構成元素の炭素原子に結合していることを示し;環Aは前記と同じものを示す。)
で表されるジアゾニオ基の置換位置に置換基Yが導入された、芳香族置換体化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を製造する方法であって、
下記式(2)
【0031】
【化8】
【0032】
(式中、アミノ基は環Aを形成する構成元素の炭素原子に結合していることを示し;環Aは上記と同じものを示す。)
で表される芳香族アミノ化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を、溶媒中で、ブレンステッド酸、置換基Yの配給源、及びニトロキシドラジカル化合物の存在下、ジアゾ化試薬と処理することを特徴とする、式(3)で表される芳香族ジアゾニウム塩を経由する、式(1)で表される芳香族置換体化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の製造方法。
(2):置換基Yが、ハロゲノ基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、水素原子、又はアリールオキシ基である、(1)に記載の製造方法。
(3):置換基Yが、ハロゲノ基、シアノ基、又は水酸基である、(1)に記載の製造方法。
(4):置換基Yの配給源が、塩化水素、臭化水素、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、シアン化水素、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、硫酸、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、次亜リン酸、又はヒドロキシアリール誘導体である、(1)〜(3)のいずれか1に記載の製造方法。
(5):置換基Yの配給源が、塩化水素、又は臭化水素である、(1)〜(3)のいずれか1に記載の製造方法。
(6):溶媒が、水、C1−C8アルコール系溶媒、C2−C4ニトリル系溶媒、及びジメチルスルホキシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上の溶媒である、(1)〜(5)のいずれか1に記載の製造方法。
(7):ブレンステッド酸が、硫酸、硝酸、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、又はヘキサフルオロリン酸である、(1)〜(6)のいずれか1に記載の製造方法。
(8):芳香族ジアゾニウム塩のカウンターアニオンであるX
−が、クロリド、ブロミド、スルホナート、ニトラート、ペルクロラート、テトラフルオロボラート、又はヘキサフルオロホスファートである、(1)〜(7)のいずれか1に記載の製造方法。
(9):下記式(4)
【0033】
【化9】
【0034】
で表される環Aである芳香族炭化水素環又は芳香族複素環(ここで、該芳香族炭化水素環、及び芳香族複素環は、置換基群αから選ばれる、同一又は異なった、1〜5個の基を置換基として有していてもよい)が、
ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アントラセン環、テトラヒドロアントラセン環、オクタヒドロアントラセン環、フェナントレン環、テトラヒドロフェナントレン環、オクタヒドロフェナントレン環、
キノリン環、ジヒドロキノリン環、テトラヒドロキノリン環、イソキノリン環、ジヒドロイソキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、キナゾリン環、ジヒドロキナゾリン環、テトラヒドロキナゾリン環、キノキサリン環、ジヒドロキノキサリン環、テトラヒドロキノキサリン環、シンノリン環、ジヒドロシンノリン環、テトラヒドロシンノリン環、フタラジン環、ジヒドロフタラジン環、テトラヒドロフタラジン環、ベンゾトリアジン環、ジヒドロベンゾトリアジン環、テトラヒドロベンゾトリアジン環、
インドール環、インドリン環、イソインドール環、イソインドリン環、ベンゾオキサゾール環、ジヒドロベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、ジヒドロベンゾイソオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ジヒドロベンゾチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ジヒドロベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ジヒドロベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、ジヒドロベンゾピラゾール環、ベンゾトリアゾール環、ジヒドロベンゾトリアゾール環、ベンゾフラン環、ジヒドロベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジヒドロベンゾチオフェン環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環
ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環
ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、
フロピロール環、ジヒドロフロピロール環、フロチアゾール環、ジヒドロフロチアゾール環、ピラノチアゾール環、ジヒドロピラノチアゾール環、チエノフラン環、ジヒドロチエノフラン環、チエノチアゾール環、ジヒドロチエノチアゾール環、
ピロロピリジン環、ジヒドロピロロピリジン環、テトラヒドロピロロピリジン環、フロピリジン環、チエノピリジン環、ジヒドロチエノピリジン環、テトラヒドロチエノピリジン環、オキサゾロピリジン環、ジヒドロオキサゾロピリジン環、テトラヒドロオキサゾロピリジン環、イソオキサゾロピリジン環、ジヒドロイソオキサゾロピリジン環、テトラヒドロイソオキサゾロピリジン環、チアゾロピリジン環、ジヒドロチアゾロピリジン環、テトラヒドロチアゾロピリジン環、イソチアゾロピリジン環、ジヒドロイソチアゾロピリジン環、テトラヒドロイソチアゾロピリジン環、イミダゾロピリジン環、ジヒドロイミダゾロピリジン環、テトラヒドロイミダゾロピリジン環、ピラゾロピリジン環、ジヒドロピラゾロピリジン環、テトラヒドロピラゾロピリジン環、トリアゾロピリジン環、ジヒドロトリアゾロピリジン環、テトラヒドロトリアゾロピリジン環、
チアゾロピリダジン環、テトラヒドロチアゾロピリダジン環、
ピロロピリミジン環、ジヒドロピロロピリミジン環、
ナフチリジン環、ジヒドロナフチリジン環、テトラヒドロナフチリジン環、ピリドトリアジン環、ジヒドロピリドトリアジン環、テトラヒドロピリドトリアジン環、ピリドピラジン環、ジヒドロピリドピラジン環、テトラヒドロピリドピラジン環、ピリドピリダジン環、ジヒドロピリドピリダジン環、又はテトラヒドロピリドピリダジン環であり、
置換基群αが、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、C1−C8アルキル基、ハロゲノC1−C8アルキル基、C2−C8アルケニル基、C2−C8アルキニル基、C6−C14アリール基、C4−C10ヘテロアリール基、C3−C8シクロアルキル基、C1−C8アルコキシ基、ハロゲノC1−C8アルコキシ基、C6−C14アリールオキシ基、C1−C7アシル基、C2−C7アシルオキシ基、C1−C8アルコキシカルボニルオキシ基、カルボキシ基、C1−C8アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、モノ又はジC1−C8アルキルカルバモイル基、C1−C7アシルアミノ基、C1−C8アルコキシカルボニルアミノ基、C1−C8アルキルスルホニルアミノ基、C1−C8アルキルチオ基、C1−C8アルキルスルホニル基、及びオキソ基からなる群
である、(1)〜(8)のいずれか1に記載の製造方法。
(10a):ニトロキシドラジカル化合物、又はその塩が、下記の式(5)で表される化合物、又はその塩である、(1)〜(10)のいずれか1に記載の製造方法。
【0035】
【化10】
【0036】
[式中、R
1a及びR
1bは、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示し;
R
2a及びR
2bは、
1)同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示すか、又は
2)R
3a及びR
3bと、R
2a、R
2b、R
3a及びR
3bの結合する炭素原子、及び窒素原子と一緒になって、形成する2−アザアダマンチル環を示し;
R
3a及びR
3bは、
3)同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示すか、
4)R
3a及びR
3bが一緒になって形成する、ジメチレン基、トリメチレン基[ここで、該ジメチレン基又はトリメチレン基は、C1−C3アルキル基、水酸基、C1−C3アルコキシ基、ホスホノオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、C1−C3アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N−モノ(C1−C3アルキル)カルバモイル基、N,N−ジ(C1−C3アルキル)カルバモイル基、アミノ基、(C2−C5アルカノイル)アミノ基、ベンゾイルアミノ基、2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル基、2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロピロール−1−イル基、(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロピロール−1−イル)メチル基、オキソ基、及びヒドロキシイミノ基からなる群より選択される1つの基を置換基として有していてもよい]を示すか、又は
5)R
3a及びR
3bが一緒になって形成する、エテン−1,2−ジイル基(ここで、該エテン−1,2−ジイル基は、C1−C3アルキル基、ヒドロキシC1−C3アルキル基、カルボキシ基及びカルバモイル基からなる群より選択される1つの基を置換基として有していてもよい)を示す。]
(10b):R
1a及びR
1bが、同一又は異なって、水素原子又はメチル基である、(10a)に記載の製造方法。
(10c):R
2a及びR
2bが、同一又は異なって、水素原子又はメチル基である、(10a)又は(10b)に記載の製造方法。
(10d):R
3a及びR
3bが、同一又は異なって、水素原子又はメチル基である、(10a)〜(10c)のいずれか1に記載の製造方法。
(10e):R
3a及びR
3bが、
4)R
3a及びR
3bが一緒になって形成する、ジメチレン基、トリメチレン基[ここで、該ジメチレン又はトリメチレン基は、水酸基、C1−C3アルコキシ基、ベンジルオキシ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−モノ(C1−C3アルキル)カルバモイル基、N,N−ジ(C1−C3アルキル)カルバモイル基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、及び2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル基、2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロピロール−1−イル基からなる群より選択される1つの基を置換基として有していてもよい]を示すか、又は
5)R
3a及びR
3bが一緒になって形成する、エテン−1,2−ジイル基(ここで、該エテン−1,2−ジイル基は、C1−C3アルキル基、ヒドロキシC1−C3アルキル基、カルボキシ基及びカルバモイル基からなる群より選択される1つの基を置換基として有していてもよい)、
である、(10a)〜(10d)のいずれか1に記載の製造方法。
(10f):ニトロキシドラジカル化合物が、下記の
3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジン 1−オキシル;
3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン 1−オキシル;
3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン 1−オキシル;
4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル;
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル;
4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル;
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル;
3−(マレイミドメチル)−プロキシル;
N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)マレイミド;及び
1−メチル−2−アザアダマンタン N−オキシル;
からなる群より選ばれる1種又は2種以上である、(1)〜(9)のいずれか1に記載の製造方法。
(11):ニトロキシドラジカル化合物の使用量が、反応基質である有機ジアゾニウム塩、若しくは有機アミノ化合物又はその塩に対し、化学量論的に0.01〜0.5モル当量の範囲である、(1)〜(10)のいずれか1に記載の製造方法。
(12):ザンドマイヤー反応又はその類似反応において、芳香族アミノ化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物から、芳香族置換体化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を製造するための、ニトロキシドラジカル化合物の使用。
【0037】
また、本発明は下記の(13)〜(17)を提供するものである。
(13):下記の式(21)
【0038】
【化11】
【0039】
(式中、Y
20はハロゲノ基を示し、該ハロゲノ基は環Aaを形成する構成元素の炭素原子に結合していることを示し;
下記式(24)
【0040】
【化12】
【0041】
で表される環Aaは、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環(ここで、該芳香族炭化水素環、及び芳香族複素環は、置換基群α’から選ばれる、同一又は異なった、1〜5個の基を置換基として有していてもよい)を示し、
置換基群α’は、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、C1−C8アルキル基、ハロゲノC1−C8アルキル基、C2−C8アルケニル基、C2−C8アルキニル基、C6−C14アリール基、C4−C10ヘテロアリール基、C3−C8シクロアルキル基、C1−C8アルコキシ基、ハロゲノC1−C8アルコキシ基、C6−C14アリールオキシ基、C1−C7アシル基、C2−C7アシルオキシ基、C1−C8アルコキシカルボニルオキシ基、カルボキシ基、C1−C8アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、モノ又はジC1−C8アルキルカルバモイル基、C1−C7アシルアミノ基、C1−C8アルコキシカルボニルアミノ基、C1−C8アルキルスルホニルアミノ基、C1−C8アルキルチオ基、C1−C8アルキルスルホニル基、及びオキソ基からなる群からなる群を示す。)
で表される芳香族ハロゲノ化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の製造方法であって、
[第1工程]:
ハロゲン化水素酸の水溶液に、ニトロキシドラジカル化合物を添加して溶液を調製し、この溶液を10℃以下に冷却して撹拌する工程;
次いで、
[第2工程]:
(a)下記の式(22)
【0042】
【化13】
【0043】
(式中、アミノ基は環Aaを形成する構成元素の炭素原子に結合していることを示し;環Aaは上記と同じものを示す。)
で表される芳香族アミノ化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の水溶液、及び
(b)ジアゾ化試薬の水溶液、
上記(a)及び(b)を、10℃以下で[第1工程]の溶液中に同時に添加する工程、を含む、式(21)で表される芳香族ハロゲノ化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の製造方法。
(14):下記式(4)
【0044】
【化14】
【0045】
で表される環Aaである芳香族炭化水素環又は芳香族複素環(ここで、該芳香族炭化水素環、及び芳香族複素環は、置換基群α’から選ばれる、同一又は異なった、1〜5個の基を置換基として有していてもよい)が、
ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アントラセン環、テトラヒドロアントラセン環、オクタヒドロアントラセン環、フェナントレン環、テトラヒドロフェナントレン環、オクタヒドロフェナントレン環、
キノリン環、ジヒドロキノリン環、テトラヒドロキノリン環、イソキノリン環、ジヒドロイソキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、キナゾリン環、ジヒドロキナゾリン環、テトラヒドロキナゾリン環、キノキサリン環、ジヒドロキノキサリン環、テトラヒドロキノキサリン環、シンノリン環、ジヒドロシンノリン環、テトラヒドロシンノリン環、フタラジン環、ジヒドロフタラジン環、テトラヒドロフタラジン環、ベンゾトリアジン環、ジヒドロベンゾトリアジン環、テトラヒドロベンゾトリアジン環、
インドール環、インドリン環、イソインドール環、イソインドリン環、ベンゾオキサゾール環、ジヒドロベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、ジヒドロベンゾイソオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ジヒドロベンゾチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ジヒドロベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ジヒドロベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、ジヒドロベンゾピラゾール環、ベンゾトリアゾール環、ジヒドロベンゾトリアゾール環、ベンゾフラン環、ジヒドロベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジヒドロベンゾチオフェン環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環
ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環
ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、
フロピロール環、ジヒドロフロピロール環、フロチアゾール環、ジヒドロフロチアゾール環、ピラノチアゾール環、ジヒドロピラノチアゾール環、チエノフラン環、ジヒドロチエノフラン環、チエノチアゾール環、ジヒドロチエノチアゾール環、
ピロロピリジン環、ジヒドロピロロピリジン環、テトラヒドロピロロピリジン環、フロピリジン環、チエノピリジン環、ジヒドロチエノピリジン環、テトラヒドロチエノピリジン環、オキサゾロピリジン環、ジヒドロオキサゾロピリジン環、テトラヒドロオキサゾロピリジン環、イソオキサゾロピリジン環、ジヒドロイソオキサゾロピリジン環、テトラヒドロイソオキサゾロピリジン環、チアゾロピリジン環、ジヒドロチアゾロピリジン環、テトラヒドロチアゾロピリジン環、イソチアゾロピリジン環、ジヒドロイソチアゾロピリジン環、テトラヒドロイソチアゾロピリジン環、イミダゾロピリジン環、ジヒドロイミダゾロピリジン環、テトラヒドロイミダゾロピリジン環、ピラゾロピリジン環、ジヒドロピラゾロピリジン環、テトラヒドロピラゾロピリジン環、トリアゾロピリジン環、ジヒドロトリアゾロピリジン環、テトラヒドロトリアゾロピリジン環、
チアゾロピリダジン環、テトラヒドロチアゾロピリダジン環、
ピロロピリミジン環、ジヒドロピロロピリミジン環、
ナフチリジン環、ジヒドロナフチリジン環、テトラヒドロナフチリジン環、ピリドトリアジン環、ジヒドロピリドトリアジン環、テトラヒドロピリドトリアジン環、ピリドピラジン環、ジヒドロピリドピラジン環、テトラヒドロピリドピラジン環、ピリドピリダジン環、ジヒドロピリドピリダジン環、又はテトラヒドロピリドピリダジン環であり、
置換基群α’が、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、C1−C8アルキル基、ハロゲノC1−C8アルキル基、C2−C8アルケニル基、C2−C8アルキニル基、C6−C14アリール基、C4−C10ヘテロアリール基、C3−C8シクロアルキル基、C1−C8アルコキシ基、ハロゲノC1−C8アルコキシ基、C6−C14アリールオキシ基、C1−C7アシル基、C2−C7アシルオキシ基、C1−C8アルコキシカルボニルオキシ基、カルボキシ基、C1−C8アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、モノ又はジC1−C8アルキルカルバモイル基、C1−C7アシルアミノ基、C1−C8アルコキシカルボニルアミノ基、C1−C8アルキルスルホニルアミノ基、C1−C8アルキルチオ基、C1−C8アルキルスルホニル基、及びオキソ基からなる群
である、(13)に記載の製造方法。
(15):ニトロキシドラジカル化合物が、下記の
3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジン 1−オキシル;
3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン 1−オキシル;
3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン 1−オキシル;
4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル;
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル;
4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル;
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル;
3−(マレイミドメチル)−プロキシル;
N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)マレイミド;及び
1−メチル−2−アザアダマンタン N−オキシル;
からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物又はその塩である、(13)又は(14)に記載の製造方法。
(16):ニトロキシドラジカル化合物の使用量が、反応基質である有機ジアゾニウム塩、若しくは有機アミノ化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物に対し、化学量論的に0.01〜0.5モル当量の範囲である、(13)〜(15)のいずれか1に記載の製造方法。
(17):ジアゾ化試薬が、亜硝酸アルカリ金属塩又は亜硝酸アルカリ土類金属塩である、(13)〜(16)のいずれか項に記載の製造方法。
【0046】
さらに、本発明は下記の(18)〜(34)を提供するものである。
(18):下記の式(11)
【0047】
【化15】
【0048】
(式中、X
10はハロゲノ基を示す。)
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の製造方法であって、
[第1工程]:
ハロゲン化水素酸の水溶液に、ニトロキシドラジカル化合物を添加して溶液を調製し、この溶液を10℃以下に冷却して撹拌する工程;
次いで、
[第2工程]:
(a)下記の式(12)
【0049】
【化16】
【0050】
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の水溶液、及び
(b)ジアゾ化試薬の水溶液、
上記(a)及び(b)を、10℃以下で[第1工程]の溶液中に同時に添加する工程、を含む、式(11)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の製造方法。
(19):ハロゲノ基が、臭素原子である、(18)に記載の製造方法。
(20):式(12)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物が、
式(12)で表される化合物の臭化水素酸塩である、(18)又は(19)に記載の製造方法。
(21):式(12)で表される化合物の臭化水素酸塩が、下記式(12a)
【0051】
【化17】
【0052】
で表される2臭化水素酸塩の化合物、又はその塩の水和物である、(20)に記載の製造方法。
(22):ジアゾ化試薬が、亜硝酸アルカリ金属塩又は亜硝酸アルカリ土類金属塩である、(18)〜(21)のいずれか1に記載の製造方法。
(23):(a)及び(b)を、10℃以下で[第1工程]の溶液中に同時に添加する工程が、2〜10時間の範囲で同時に添加するものである、(18)〜(22)のいずれか1に記載の製造方法。
(24):同時に添加する工程が、(a)及び(b)の添加時間の終了のずれとして1時間以内である、(23)に記載の製造方法。
(25):[第2工程]を、不活性ガス雰囲気下で行う、(18)〜(24)のいずれか1に記載の製造方法。
(26):不活性ガスが、窒素又はアルゴンである、(25)に記載の製造方法。
(27):下記式(11b)
【0053】
【化18】
【0054】
で表される化合物の製造方法であって、
[第1工程]:
臭化水素酸の水溶液中、ニトロキシドラジカル化合物を添加して溶解した溶液を調製し、この溶液を10℃以下に冷却して撹拌する工程;
次いで、
[第2工程]:
(a)下記式(12a)
【0055】
【化19】
【0056】
で表される化合物、又はその塩の水和物の水溶液、及び
(b)亜硝酸アルカリ金属塩又は亜硝酸アルカリ土類金属塩の水溶液、
上記(a)及び(b)を、10℃以下、窒素ガス又はアルゴンガス雰囲気下で[第1工程]の溶液中に同時に添加する工程;
引き続いて、アルカリ水溶液中和処理後、p―トルエンスルホン酸で処理して式(11b)で表される化合物を得る工程、を含む、式(11b)で表される化合物の製造方法。
(28):(18)に記載の、下記式(11)
【0057】
【化20】
【0058】
(式中、X
10はハロゲノ基を示す。)
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の製造方法であって、
下記式(13)
【0059】
【化21】
【0060】
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の製造のための製造中間体として使用するための式(11)で表される化合物、又はその塩の製造方法。
(29):下記式(13a)
【0061】
【化22】
【0062】
で表される化合物の製造方法であって、
[第1工程]:
臭化水素酸の水溶液中、ニトロキシドラジカル化合物を添加して溶解した溶液を調製し、この溶液を10℃以下に冷却して撹拌する工程;
次いで、
[第2工程]:
(a)下記式(12a)
【0063】
【化23】
【0064】
で表される化合物、又はその水和物の水溶液、及び
(b)亜硝酸アルカリ金属塩又は亜硝酸アルカリ土類金属塩の水溶液;
上記(a)及び(b)を、10℃以下、窒素ガス又はアルゴンガス雰囲気下で[第1工程]の溶液中に同時に添加する工程、を含むのを特徴とし、
引き続いて、アルカリ水溶液中和処理後、p―トルエンスルホン酸で処理して下記式(11a)
【0065】
【化24】
【0066】
で表される化合物を得る工程;及び
式(11a)で表される化合物を、アルカリ中和後、アルキル リチウム及び炭酸ガスと処理し、さらに塩酸で処理して式(13a)で表される化合物を得る工程、を含む、式(13a)で表される化合物の製造方法。
(30):アルキル リチウムが、n−ブチル リチウムである、(29)に記載の製造方法。
(31):ニトロキシドラジカル化合物が、下記の
3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジン 1−オキシル;
3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン 1−オキシル;
3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン 1−オキシル;
4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル;
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル;
4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル;
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル;
3−(マレイミドメチル)−プロキシル;
N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)マレイミド;及び
1−メチル−2−アザアダマンタン N−オキシル;
からなる群より選ばれる1種又は2種以上である、(18)〜(30)のいずれか1に記載の製造方法。
(32):ニトロキシドラジカル化合物の使用量が、化合物(12)に対して、化学量論的に0.01〜0.5モル当量の範囲である、(18)〜(31)のいずれか1に記載の製造方法。
(33):(28)に記載の製造方法を用いて製造した化合物(13a)を使用することを特徴とする、下記式(E−a)
【0067】
【化25】
【0068】
で表される化合物の製造方法。
(34):(29)に記載の製造方法を用いて製造した化合物(13a)を使用することを特徴とする、下記式(E−a)
【0069】
【化26】
【0070】
で表される化合物の製造方法であって;
下記式(17)
【0071】
【化27】
【0072】
(式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を示す。)
で表される化合物のBoc基を脱保護した後、塩基の存在下に、下記式(13a)
【0073】
【化28】
【0074】
で表される化合物と縮合して、下記式(E)
【0075】
【化29】
【0076】
で表される化合物を得る工程;及び
式(E)で表される化合物を、含水アルコール中、p−トルエンスルホン酸又はその水和物と処理して、式(E−a)で表される化合物を得る工程、を含む、式(E−a)で表される化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0077】
本発明は、ニトロキシドラジカル化合物を用いた、芳香族アミノ化合物から、芳香族ジアゾニウム塩の分解反応を経由する、芳香族ハロゲノ化合物又はその塩等の芳香族置換体化合物を製造する新たな方法を提供する。さらに、本発明は大量合成にも適していることから、医薬品の製造中間体の工業的製造方法に応用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0079】
本願明細書における「芳香族化合物」は、下記の式(4)又は(24)
【0080】
【化30】
【0081】
で表される環状化合物(環A又は環Aa)であり、環A及び環Aaは、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環を意味する。ここで、本願発明における「芳香族炭化水素環」化合物とは、単環及び縮合環の、炭化水素系芳香族環状化合物を意味する。該炭化水素系芳香族環状化合物が他の環と縮合している縮合環系芳香族環状化合物である場合、少なくとも1つの単環の芳香族炭化水素環化合物を含んでいればよく、残りの縮合する環状化合物は、1以上の芳香族炭化水素環、芳香族複素環、脂肪族炭化水素環及び脂肪族複素環からなる群より選ばれる。また、本願発明における「芳香族複素環化合物」とは、単環及び縮合環の、環上に窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を環の構成成分として含む、複素環系芳香族環状化合物を意味する。該複素環系芳香族環状化合物が他の環と縮合している縮合環系芳香族複素環化合物である場合、少なくとも1つの単環の芳香族複素環化合物を含んでいればよく、残りの縮合する環状化合物は、1以上の芳香族炭化水素環、芳香族複素環、脂肪族炭化水素環及び脂肪族複素環からなる群より選ばれる。
【0082】
本願発明における芳香族炭化水素環化合物としては、より具体的には構成する環として、少なくとも1つのベンゼン環を含み、さらに該ベンゼン環には、1以上の芳香族炭化水素環、芳香族複素環、脂肪族炭化水素環及び脂肪族複素環からなる群より選ばれるが環状化合物が縮合してもよい。
【0083】
芳香族炭化水素環化合物を構成する芳香族炭化水素環で単環又は二環性としては、具体的にはベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アントラセン環、テトラヒドロアントラセン環、オクタヒドロアントラセン環、フェナントレン環、テトラヒドロフェナントレン環、オクタヒドロフェナントレン環、
キノリン環、ジヒドロキノリン環、テトラヒドロキノリン環、イソキノリン環、ジヒドロイソキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、キナゾリン環、ジヒドロキナゾリン環、テトラヒドロキナゾリン環、キノキサリン環、ジヒドロキノキサリン環、テトラヒドロキノキサリン環、シンノリン環、ジヒドロシンノリン環、テトラヒドロシンノリン環、フタラジン環、ジヒドロフタラジン環、テトラヒドロフタラジン環、ベンゾトリアジン環、ジヒドロベンゾトリアジン環、テトラヒドロベンゾトリアジン環、
インドール環、インドリン環、イソインドール環、イソインドリン環、ベンゾオキサゾール環、ジヒドロベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、ジヒドロベンゾイソオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ジヒドロベンゾチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ジヒドロベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ジヒドロベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、ジヒドロベンゾピラゾール環、ベンゾトリアゾール環、ジヒドロベンゾトリアゾール環、ベンゾフラン環、ジヒドロベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジヒドロベンゾチオフェン環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環
等を例示することができるが、なんらこれらに限定されるものではない。
ここで、上記の芳香族炭化水素環で「ジヒドロ」、「テトラヒドロ」又は「オクタヒドロ」の接頭語を有するものは、縮合環系化合物のうちの複素環成分が水素化されているものを意味し、水素化される位置としては、化合物が安定に存在するものであればいずれの位置でもよく、例えばオクタヒドロアントラセン環においては、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロアントラセン環、1,2,3,4,4a,9,9a,10-オクタヒドロアントラセン環のいずれのものをも含むものであり、他の縮合環系化合物においても同様である。また、上記の芳香族炭化水素環において、複素環成分が縮合する縮合環系化合物においては、複素環成分を形成するヘテロ原子の位置、及びベンゼン環との縮合形式は、化合物として安定に存在する全ての縮環形式のものを包含するものであり、例えばジヒドロベンゾチオフェン環においては、2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン環、1,3-ジヒドロベンゾ[c]チオフェン環のいずれのものをも含むものであり、他の縮合環系化合物においても同様である。
【0084】
また、本願発明における芳香族複素環化合物としては、構成する環として、少なくとも1つの単環性芳香族複素環を含み、さらに該芳香族複素環には、1以上の芳香族炭化水素環、芳香族複素環、脂肪族炭化水素環及び脂肪族複素環からなる群より選ばれるが環状化合物が縮合してもよい。単環性芳香族複素環としては、具体的にはピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、及びトリアジン環を挙げることができるが、なんらこれらのものに限定されるものではない。
【0085】
芳香族複素環化合物を構成する芳香族複素環で単環又は二環性のものとして、具体的には
ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、トリアジン環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環
ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環
フロピロール環、ジヒドロフロピロール環、フロチアゾール環、ジヒドロフロチアゾール環、ピラノチアゾール環、ジヒドロピラノチアゾール環、チエノフラン環、ジヒドロチエノフラン環、チエノチアゾール環、ジヒドロチエノチアゾール環、
インドール環、ジヒドロインドール環、テトラヒドロインドール環、イソインドール環、ジヒドロイソインドール環、テトラヒドロイソインドール環、ベンゾオキサゾール環、ジヒドロベンゾオキサゾール環、テトラヒドロベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、ジヒドロベンゾイソオキサゾール環、テトラヒドロベンゾイソオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ジヒドロベンゾチアゾール環、テトラヒドロベンゾチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ジヒドロベンゾイソチアゾール環、テトラヒドロベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ジヒドロベンゾイミダゾール環、テトラヒドロベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、ジヒドロベンゾピラゾール環、テトラヒドロベンゾピラゾール環、ベンゾトリアゾール環、ジヒドロベンゾトリアゾール環、テトラヒドロベンゾトリアゾール環、ベンゾフラン環、ジヒドロベンゾフラン環、テトラヒドロベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジヒドロベンゾチオフェン環、テトラヒドロベンゾチオフェン環、
ピロロピリジン環、ジヒドロピロロピリジン環、テトラヒドロピロロピリジン環、フロピリジン環、チエノピリジン環、ジヒドロチエノピリジン環、テトラヒドロチエノピリジン環、オキサゾロピリジン環、ジヒドロオキサゾロピリジン環、テトラヒドロオキサゾロピリジン環、イソオキサゾロピリジン環、ジヒドロイソオキサゾロピリジン環、テトラヒドロイソオキサゾロピリジン環、チアゾロピリジン環、ジヒドロチアゾロピリジン環、テトラヒドロチアゾロピリジン環、イソチアゾロピリジン環、ジヒドロイソチアゾロピリジン環、テトラヒドロイソチアゾロピリジン環、イミダゾロピリジン環、ジヒドロイミダゾロピリジン環、テトラヒドロイミダゾロピリジン環、ピラゾロピリジン環、ジヒドロピラゾロピリジン環、テトラヒドロピラゾロピリジン環、トリアゾロピリジン環、ジヒドロトリアゾロピリジン環、テトラヒドロトリアゾロピリジン環、
チアゾロピリダジン環、テトラヒドロチアゾロピリダジン環、
ピロロピリミジン環、ジヒドロピロロピリミジン環、
ナフチリジン環、ジヒドロナフチリジン環、テトラヒドロナフチリジン環、ピリドトリアジン環、ジヒドロピリドトリアジン環、テトラヒドロピリドトリアジン環、ピリドピラジン環、ジヒドロピリドピラジン環、テトラヒドロピリドピラジン環、ピリドピリダジン環、ジヒドロピリドピリダジン環、テトラヒドロピリドピリダジン環、
キノリン環、ジヒドロキノリン環、テトラヒドロキノリン環、イソキノリン環、ジヒドロイソキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、キナゾリン環、ジヒドロキナゾリン環、テトラヒドロキナゾリン環、キノキサリン環、ジヒドロキノキサリン環、テトラヒドロキノキサリン環、シンノリン環、ジヒドロシンノリン環、テトラヒドロシンノリン環、フタラジン環、ジヒドロフタラジン環、テトラヒドロフタラジン環、ベンゾトリアジン環、ジヒドロベンゾトリアジン環、テトラヒドロベンゾトリアジン環、
等を挙げることができるが、なんらこれらのものに限定されるものではない。
【0086】
ここで、上記の芳香族複素環で「ジヒドロ」又は「テトラヒドロ」の接頭語を有するものは、縮合環系化合物のうちの1つの単環性芳香族複素環成分以外の縮合環部分において水素化されているものを意味し、水素化される位置としては、化合物が安定に存在するものであればいずれの位置でもよい。また、上記の芳香族複素環における縮合環系化合物においては、複素環成分を形成するヘテロ原子の位置、及び他の縮合している環との縮合形式は、化合物として安定に存在する全ての縮環形式のものを包含するものである。例えば、本願発明におけるチアゾロピリジル基で例示すれば、チアゾロ[4,5−b]ピリジン環、チアゾロ[4,5−c]ピリジン環、チアゾロ[5,4−b]ピリジン環、及びチアゾロ[5,4−c]ピリジン環のいずれの縮環形式のチアゾロピリジル基をも包含し、テトラヒドロチアゾロピリジン環では、上記のチアゾロピリジル環の4,5,6,7−テトラヒドロ体をすべて包含するものであり、他の縮合環系化合物においても同様である。
【0087】
本願明細書においては、上述のように、例示した芳香族炭化水素環、芳香族複素環中で、2つ以上の縮合環化合物である芳香族炭化水素環、芳香族複素環においては、少なくても1つの環が芳香族炭化水素環又は芳香族複素環であればよく、上記の式(1)及び式(2)の化合物の置換基YおよびNH2(アミノ基)は、当該芳香族炭化水素環又は芳香族複素環上に置換されていることを意味する。
【0088】
本願明細書における環A及び環Aaとしては、
ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アントラセン環、テトラヒドロアントラセン環、オクタヒドロアントラセン環、フェナントレン環、テトラヒドロフェナントレン環、オクタヒドロフェナントレン環、
キノリン環、ジヒドロキノリン環、テトラヒドロキノリン環、イソキノリン環、ジヒドロイソキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、キナゾリン環、ジヒドロキナゾリン環、テトラヒドロキナゾリン環、キノキサリン環、ジヒドロキノキサリン環、テトラヒドロキノキサリン環、シンノリン環、ジヒドロシンノリン環、テトラヒドロシンノリン環、フタラジン環、ジヒドロフタラジン環、テトラヒドロフタラジン環、ベンゾトリアジン環、ジヒドロベンゾトリアジン環、テトラヒドロベンゾトリアジン環、
インドール環、インドリン環、イソインドール環、イソインドリン環、ベンゾオキサゾール環、ジヒドロベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、ジヒドロベンゾイソオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ジヒドロベンゾチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ジヒドロベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ジヒドロベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、ジヒドロベンゾピラゾール環、ベンゾトリアゾール環、ジヒドロベンゾトリアゾール環、ベンゾフラン環、ジヒドロベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジヒドロベンゾチオフェン環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環
ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環
ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、
フロピロール環、ジヒドロフロピロール環、フロチアゾール環、ジヒドロフロチアゾール環、ピラノチアゾール環、ジヒドロピラノチアゾール環、チエノフラン環、ジヒドロチエノフラン環、チエノチアゾール環、ジヒドロチエノチアゾール環、
ピロロピリジン環、ジヒドロピロロピリジン環、テトラヒドロピロロピリジン環、フロピリジン環、チエノピリジン環、ジヒドロチエノピリジン環、テトラヒドロチエノピリジン環、オキサゾロピリジン環、ジヒドロオキサゾロピリジン環、テトラヒドロオキサゾロピリジン環、イソオキサゾロピリジン環、ジヒドロイソオキサゾロピリジン環、テトラヒドロイソオキサゾロピリジン環、チアゾロピリジン環、ジヒドロチアゾロピリジン環、テトラヒドロチアゾロピリジン環、イソチアゾロピリジン環、ジヒドロイソチアゾロピリジン環、テトラヒドロイソチアゾロピリジン環、イミダゾロピリジン環、ジヒドロイミダゾロピリジン環、テトラヒドロイミダゾロピリジン環、ピラゾロピリジン環、ジヒドロピラゾロピリジン環、テトラヒドロピラゾロピリジン環、トリアゾロピリジン環、ジヒドロトリアゾロピリジン環、テトラヒドロトリアゾロピリジン環、
チアゾロピリダジン環、テトラヒドロチアゾロピリダジン環、
ピロロピリミジン環、ジヒドロピロロピリミジン環、
ナフチリジン環、ジヒドロナフチリジン環、テトラヒドロナフチリジン環、ピリドトリアジン環、ジヒドロピリドトリアジン環、テトラヒドロピリドトリアジン環、ピリドピラジン環、ジヒドロピリドピラジン環、テトラヒドロピリドピラジン環、ピリドピリダジン環、ジヒドロピリドピリダジン環、及びテトラヒドロピリドピリダジン環
が好ましい。
【0089】
本願明細書における「芳香族化合物」は、上記の式(4)又は(24)で表される環状化合物(環A又は環Aa)であり、環A及び環Aaは、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環を意味し、該芳香族炭化水素環、及び芳香族複素環は、置換基群α又は置換基群α’から選ばれる、同一又は異なった、1〜5個の基を置換基として有していてもよい。以下に、該芳香族炭化水素環及び芳香族複素環に置換してもよい置換基について説明する。
【0090】
下記式(4a)又は(24a)
【0091】
【化31】
【0092】
で表される芳香族化合物は、該芳香族環上の1〜5個の水素原子が、本発明の反応を阻害しないR
0又はR
20の置換基に置き換わってもよく、「R
0及びR
20」は、1〜5個の、同一又は異なった置換基を意味する。置換基R
0及びR
20は、本願発明の反応を阻害しない限り、置換基の種類は限定されず、有機基であればよい。ここで、有機基とは、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲノ原子、リン、及びケイ素等から形成される1価の基、及び2価のオキソ基等を意味する。
置換基「R
0及びR
20」としては特に限定されるものではないが、具体的には、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、C1−C8アルキル基、ハロゲノC1−C8アルキル基、C2−C8アルケニル基、C2−C8アルキニル基、C6−C14アリール基、C4−C10ヘテロアリール基、C3−C8シクロアルキル基、C1−C8アルコキシ基、ハロゲノC1−C8アルコキシ基、C2−C8アルケニルオキシ基、C4−C14アリールオキシ基、C1−C7アシル基、C2−C7アシルオキシ基、C1−C8アルコキシカルボニルオキシ基、カルボキシ基、C1−C8アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、モノ又はジC1−C8アルキルカルバモイル基、C1−C7アシルアミノ基、C1−C8アルコキシカルボニルアミノ基、C1−C8アルキルスルホニルアミノ基、C1−C8アルキルチオ基、C1−C8アルキルスルホニル基、及びオキソ基からなる群から選ばれる1〜5個を好ましい基として挙げることができる。
【0093】
本願明細書におけるハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、及びイオド基を意味すし、クロロ基及びブロモ基が好ましい。
【0094】
上記の、C1−C8アルキル基としては、直鎖状及び分枝鎖状の炭素数1〜8の炭化水素からなる一価の基を示し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基(2−プロピル基)、n−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、3−メチルプロピル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,4−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2,4−ジメチルブチル基、3,4−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1−プロピルブチル基、2,2−ジエチルプロプル基、n−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、1,1,2−トリメチペンチル基、1,2,2−トリメチペンチル基、1,2,3−トリメチペンチル基、1,3,3−トリメチペンチル基、1,3,4−トリメチペンチル基、1,4,4−トリメチペンチル基、2,2,3−トリメチペンチル基、2,3,3−トリメチペンチル基、2,3,4−トリメチペンチル基、2,4,5−トリメチペンチル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、2−エチル−1−メチルペンチル基、2−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、3−エチル−1−メチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、3−エチル−3−メチルペンチル基、3−エチル−4−メチルペンチル基、1,1−ジエチルブチル基、1,2−ジエチルブチル基、2,2−ジエチルブチル基、1−メチル−2−プロピルブチル基、2−メチル−1−プロピルブチル基、3−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−ジエチル−2−メチルプロピル基等を挙げることができる。
本願明細書におけるハロゲノC1−C8アルキル基としては、同一又は異なって、1〜5個のハロゲノ基を有するC1−C8アルキル基を意味し、例えばフルオロメチル基、クロロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基等を挙げることができる。
【0095】
上記の、C2−C8アルケニル基としては、少なくとも1個以上の二重結合を有する直鎖状及び分枝鎖状の炭素数2〜8の不飽和炭化水素を示し、例えばエテニル基、プロパ−1−エニル基、ブタ−1−エニル基、ブタ−1,3−ジエニル基、ペンタ−1−エニル基、ヘキサ−1−エニル基、ヘプタ−1−エニル基、オクタ−1−エニル基等を挙げることができる。
【0096】
上記の、C2−C8アルキニル基としては、少なくとも1個以上の二重結合を有する直鎖状及び分枝鎖状の炭素数2〜8の不飽和炭化水素を示し、例えばエチニル基、プロパ−1−イニル基、ブタ−1−イニル基、ブタ−1,3−ジイニル基、ペンタ−1−イニル基、ヘキサ−1−イニル基、ヘプタ−1−イニル基、オクタ−1−イニル基等を挙げることができる。
【0097】
上記の、C6−C14アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができ;C4−C10ヘテロアリール基としては、ピロリル基、チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基等を挙げることができ;C4−C14アリールオキシ基としては、ピロリルオキシ基、ピリジルオキシ基、ピリミジニルオキシ基、ピラジニルオキシ基、ピリダジニルオキシ基、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等を挙げることができる。
【0098】
上記の、C1−C7アシル基としては、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、シクロプロパノイル基、ブチリル基、シクロブタノイル基、ペンタノイル基、シクロペンタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
【0099】
上記の、C3−C8シクロアルキル基としては、炭素数3〜8員の飽和炭化水素環からなる一価の基を示し、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基を挙げることができる。
【0100】
上記の、C1−C8アルコキシ基としては、上記の炭素数1〜8のアルキル基と酸素原子で形成されるC1−C8アルキルオキシ基を示し、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブチトキシ基、イソブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチイキシ基等を挙げることができる。
C2−C7アシルオキシ基としては、例えばアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基等を挙げることができる。
また、ハロゲノC1−C8アルコキシ基としては、同一又は異なって、1〜5個のハロゲノ基を有するC1−C8アルキル基を意味し、例えばフルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基等を挙げることができる。
【0101】
上記の、C2−C8アルケニルオキシ基としては、上記の炭素数2〜8のアルケニル基と酸素原子で形成されるC2−C8アルケニルオキシ基を示し、アリルオキシ基、ブタ−3−エニルオキシ基、ペンタ−4−エニルオキシ基等を挙げることができる。
【0102】
上記の、C1−C8アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
C1−C8アルコキシカルボニルオキシ基としては、上記のC1−C8アルコキシカルボニル基と酸素原子で形成される基であり、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
【0103】
モノ又はジC1−C8アルキルカルバモイル基としては、カルバモイル基の窒素原子が、1個のC1−C8アルキル基、又は同一又は異なった2個のC1−C8アルキル基で置換された基を示し、モノC1−C8アルキルカルバモイル基としては、例えばN−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基等を挙げることができ;
ジC1−C8アルキルカルバモイル基としては、例えばN,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−メチルカルバモイル基等を挙げることができる。
【0104】
上記の、C1−C7アシルアミノ基としては、例えばホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、(シクロプロピオニル)アミノ基、ブチリルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサイノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等を挙げることができる。
C1−C8アルコキシカルボニルアミノ基としては、上記のC1−C8アルコキシカルボニル基とアミノ基で形成される基を示し、例えばメトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、プロポキシカルボニルアミノ基等を挙げることができる。
上記のC1−C8アルキル基、C2−C8アルケニル基等には、不斉炭素による光学異性体、二重結合に結合する置換基による幾何異性体を有する場合があるが、本願明細書ではいずれの異性体も包含するものである。
【0105】
上記の式(4)又は(24)で表される環状化合物(環A又は環Aa)は、該芳香環上に置換基「R
0及びR
20」を有さなくてもよく、また置換基「R
0及びR
20」を有する場合の「R
0及びR
20」は、同一又は異なって、ハロゲノ基、ニトロ基、C1−C8アルキル基及びC1−C8アルコキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の基が好ましい。
【0106】
本願明細書における「芳香族ジアゾニウム塩」は、下記の式(3)
【0107】
【化32】
【0108】
(式中、環Aは上記と同じものを示し;ジアゾニオ基(ジアゾニウム基)は環Aを形成する構成元素の炭素原子に結合していることを示す。)
で表され、下記の式(2)
【0109】
【化33】
【0110】
(式中、アミノ基は環Aを形成する構成元素の炭素原子に結合していることを示し;環Aは上記と同じものを示す。)
で表される「芳香族アミノ化合物」を、溶媒中で、塩酸や硫酸等の酸の存在下に、ジアゾ化試薬と処理し、「in situ」に得られるものである。該芳香族ジアゾニウム化合物は通常塩を形成し、「芳香族ジアゾニウム塩」としては、ブレンステッド酸(HX)からプロトン(H
+)を取り除いたアニオン(X
−)がカウンターイオンとなって形成された塩を意味し、塩としてはクロリド、ブロミド、スルホナート、ニトラート、ペルクロラート、テトラフルオロボラート、及びヘキサフルオロホスファート等が好ましい。
【0111】
ここで、ブレンステッド酸(HX)としては、硫酸(H
2SO
4)、硝酸(HNO
3)、塩酸(HCl)、臭素酸(HBr)、ヨウ素酸(HI)、過塩素酸(HClO
4)、テトラフルオロホウ酸(HBF
4)、及びヘキサフルオロリン酸(HPF
4)等を挙げることができ、これらブレンステッド酸はアルカリ金属、アルカリ土類金属塩、パラジウム、銀、カドミウム等の塩として使用する場合もある。
【0112】
本明細書における芳香族ジアゾニウム塩の「分解反応」とは、上記の式(3)のジアゾニオ基(ジアゾニウム基)が脱離し、「置換体」であるハロゲノ基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、水素原子又はアリールオキシ基が置換された、下記の式(1)又は(21)
【0113】
【化34】
【0114】
(式中、ジアゾニオ基と同位置においてジアゾニオ基に置き換わった置換基を示し、該置換基Yは環Aを形成する構成元素の炭素原子に結合していることを示し;又はY
20はハロゲノ基を示し;環A、、及び環Aaは前記と同じものを示す。)
で表される芳香族置換体化合物を形成する反応である。
【0115】
本明細書における「芳香族置換体化合物」とは、上記の「置換体」であるハロゲノ基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、水素原子又はアリールオキシ基がジアゾニオ基(ジアゾニウム基)の位置に置換された化合物を意味し、具体的には芳香族ハロゲノ化合物、芳香族シアノ化合物、芳香族スルホ化合物、芳香族ヒドロキシ化合物、芳香族ニトロ化合物、芳香族化合物、及びアリールオキシ芳香族化合物を示す。
【0116】
本願明細書における「置換体の配給源」としては、ハロゲン化水素、ハロゲン化アルカリ金属塩、シアン化水素、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、硫酸、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、次亜リン酸、ヒドロキシアリール誘導体を挙げることができ、所望の「置換体の配給源」を選択することによって所望の「芳香族置換体化合物」が製造できる。本願明細書における「置換体」としては、ハロゲノ基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、水素原子、アリールオキシ基を挙げることができる。また、「芳香族置換体化合物」は具体的には芳香族ハロゲノ化合物、芳香族シアノ化合物、芳香族スルホ化合物、芳香族ヒドロキシ化合物、芳香族ニトロ化合物、芳香族水素化化合物、アリールオキシ芳香族化合物等を挙げることができる。
【0117】
本願明細書における芳香族ジアゾニウム塩は、芳香族アミノ化合物又はその塩をジアゾ化試薬と処理して製造することができ、ジアゾ化試薬としては亜硝酸、亜硝酸アルキル金属塩、及び亜硝酸C1−C8アルキルエステルを挙げることができ、亜硝酸アルキル金属塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムが好ましく;亜硝酸C1−C8アルキルエステルとしては、亜硝酸 エチルエステル、亜硝酸 n−プロピルエステル、亜硝酸 イソプロピルエステル、亜硝酸 n-ブチルエステル、亜硝酸 イソブチルエステル、亜硝酸 t−ブチルエステル、亜硝酸イソアミルエステル等が好ましい。
【0118】
本願明細書におけるニトロキシドラジカル化合物は、本願発明の反応を阻害しなければ、ニトロキシドラジカル化合物の塩を形成してもよく、ニトロキシドラジカル化合物の溶媒和物、及びニトロキシドラジカル化合物の塩の溶媒和物を形成してもよい。
【0119】
本願明細書におけるニトロキシドラジカル化合物としては、下記の式で表される化合物(5)又はその塩を挙げることができる。
【0120】
【化35】
【0121】
[式中、R
1a及びR
1bは、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示し;
R
2a及びR
2bは、
1)同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示すか、又は
2)R
3a及びR
3bと、R
2a、R
2b、R
3a及びR
3bの結合する炭素原子、及び窒素原子と一緒になって形成する2−アザアダマンチル環を示し;
R
3a及びR
3bは、
3)同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示すか、又は
4)R
3a及びR
3bが一緒になって形成する、ジメチレン基、トリメチレン基[ここで、該ジメチレン又はトリメチレン基は、C1−C3アルキル基、水酸基、C1−C3アルコキシ基、ホスホノオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、C1−C3アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N−モノ(C1−C3アルキル)カルバモイル基、N,N−ジ(C1−C3アルキル)カルバモイル基、アミノ基、(C2−C5アルカノイル)アミノ基、ベンゾイルアミノ基、2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル基、2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロピロール−1−イル基、(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロピロール−1−イル)メチル基、オキソ基、及びヒドロキシイミノ基からなる群より選択される1つの基を置換基として有していてもよい]を示すか、又は
5)R
3a及びR
3bが一緒になって形成する、エテン−1,2−ジイル基(ここで、該エテン−1,2−ジイル基は、C1−C3アルキル基、ヒドロキシC1−C3アルキル基、カルボキシ基及びカルバモイル基からなる群より選択される1つの基を置換基として有していてもよい)を示す。]
ここで、上記のR
2a及びR
2bが、2)R
3a及びR
3bと、R
2a、R
2b、R
3a及びR
3bの結合する炭素原子と、及び窒素原子と一緒になって形成する2−アザアダマンチル環とは、下記式(5a)
【0122】
【化36】
【0123】
で表される化合物を意味する。
【0124】
上記のR
3a及びR
3bが、4)R
3a及びR
3bが一緒になって形成する、
a)ジメチレン基、トリメチレン基とは、下記の式(5b−1)、(5b−2)
【0125】
【化37】
【0126】
[式中、R
4a及びR
4bは、それぞれ独立して、水素原子であるか、置換基としてC1−C3アルキル基、水酸基、C1−C3アルコキシ基、ホスホノオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、C1−C3アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N−モノ(C1−C3アルキル)カルバモイル基、N,N−ジ(C1−C3アルキル)カルバモイル基、アミノ基、(C2−C5アルカノイル)アミノ基、ベンゾイルアミノ基、2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル基、2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロピロール−1−イル基、(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロピロール−1−イル)メチル基、オキソ基、及びヒドロキシイミノ基からなる群より選択される1つの基を有していてもよいを示す。]
で表される化合物を意味する。
【0127】
また、上記の4)中の
b)エテン−1,2−ジイル基を形成するとは、下記式(5c)
【0128】
【化38】
【0129】
(式中、R
5aは、C1−C3アルキル基、ヒドロキシC1−C3アルキル基、カルボキシ基及びカルバモイル基からなる群より選択される1つの基を置換基として有していてもよいことを示す。)
で表される化合物を意味する。
【0130】
ここで、化合物(5)のR
1a及びR
1bは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基が好ましい。
【0131】
化合物(5)のR
2a及びR
2bは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基が好ましい。
【0132】
化合物(5)のR
3a及びR
3bは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基が好ましい。
【0133】
また、化合物(5)のR
3a及びR
3bは、以下の4)及び5)が好ましい。
4)R
3a及びR
3bが一緒になって形成する、ジメチレン基及びトリメチレン基。
R
3a及びR
3bが一緒になってジメチレン基又はトリメチレン基を形成した化合物としては、上記の式(5b−1)又は(5b−2)で表される。
5)R
3a及びR
3bが一緒になって形成する、エテン−1,2−ジイル基を形成した化合物としては、上記の式(5c)で表される。
また、上記の式(5b−1)及び(5b−2)中のR
4a及びR
4bは、それぞれ独立して、水素原子であるか、置換基として水酸基、C1−C3アルコキシ基、ベンジルオキシ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−モノ(C1−C3アルキル)カルバモイル基、N,N−ジ(C1−C3アルキル)カルバモイル基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、及び2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル基、2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロピロール−1−イル基からなる群より選択される1つの基を有しているものが好ましい。
【0134】
本願明細書におけるニトロキシドラジカル化合物としては、下記の
3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジン 1−オキシル(5d);
3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン 1−オキシル(5e);
3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン 1−オキシル(5f);
4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル(5g);
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5h);
4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5i);
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5j);
3−(マレイミドメチル)−プロキシル(5k);
N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)マレイミド(5l);及び1−メチル−2−アザアダマンタン N−オキシル(5m);
からなる群より選ばれる1種又は2種以上であるのが好ましい。
【0135】
上記の化合物(5d)〜(5m)は、下記式の化学構造を有する。
【0136】
【化39】
【0137】
本願明細書におけるニトロキシドラジカル化合物としては、下記の
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5h);及び
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5j);
が特に好ましい。
【0138】
以下に、本願発明の製造方法について詳細に説明する。
【0139】
下記[スキーム 1]に、本願発明の例示として、芳香族化合物としてベンゼンを使用した本願の製造方法につて説明する。
【0140】
【化40】
【0141】
(式中、ニトロキシドラジカル化合物は上記と同じものを示し;X
−はHSO
4−、NO
3−、Cl
−、Br
−、I
−、ClO
4−、BF
4−、及びPF
4−を示し;置換体の配給源である「YM」は、ハロゲン化水素、ハロゲン化アルカリ金属塩、シアン化水素、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、硫酸、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、次亜リン酸、ヒドロキシアリール誘導体を示し;Yはハロゲノ基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、水素原子、又はアリールオキシ基を示し;R
10は水素原子であるか、又はベンゼン環上の1以上の同一又は異なった有機基である置換基を示し、当該反応を阻害しないものであれば置換基の種類は特に限定されないことを示す。)
下記[スキーム 1a]は、[スキーム 1]の具体例としてブロモベンゼンの製造法を示したものである。
【0142】
【化41】
【0143】
(式中、ニトロキシドラジカル化合物、及びX
−は前記と同じものを示し;R
11は水素原子であるか、又はベンゼン環上の1以上の同一又は異なった有機基である置換基を示し、当該反応を阻害しないものであれば置換基の種類は特に限定されないことを示す。)
ジアゾニウム塩(3a−1)を、溶媒中、48%臭化水素酸の存在下にニトロキシドラジカル化合物と処理してブロムベンゼン(1a−1)が製造できる。
【0144】
溶媒としては、反応を阻害するものでなければ特に限定されないが、水、アルコール系溶媒、極性溶媒であるジメチルスルホキシド、アセトニトリル等のニトリル系溶媒をそれぞれ単独又は混合系溶媒として用いるのが好ましく;水、含水アルコール系溶媒、含水アセトニトリルが特に好ましい。溶媒の使用量としては、特に限定されないが化合物(3a−1)に対して8〜50倍容量(V/W)が好ましく、10〜20倍容量(V/W)がより好ましい。
【0145】
48%臭化水素酸の使用量としては、化合物(1a−1)に対して化学量論的に2〜10モル当量が好ましく、3〜5モル当量がより好ましい。
【0146】
使用するニトロキシドラジカル化合物としては、上記のものが好ましく;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5h)(TEMPOL)、及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5j)(TEMPO)が好ましい。使用するニトロキシドラジカル化合物の量としては、化合物(3a−1)に対して化学量論的に0.01〜0.3モル当量が好ましく;0.03〜0.1モル当量がより好ましい。
【0147】
反応温度としては、反応基質によって異なり、例えば上記の先行文献で示したバルツ・シーマン反応(Balz, G.
Schiemann, G. Ber. 1927, 60, 1186.)等、180℃の高温を必要とするもの等、芳香族ジアゾニウム塩の安定性・反応性によって異なるが、一般的には芳香族ジアゾニウム塩の安定性は低く、反応性が高いことから比較的低温で反応は進行し、70℃以下が好ましく;50℃以下がより好ましく;25℃以下がさらに好ましい。また、0〜10℃が好ましい基質もある。反応時間は通常10時間以内であり、反応終点をHPLC等で確認するのが好ましい。
【0148】
本反応は窒素、アルゴン等の不活性ガスの気流下で行うのが好ましい。
【0149】
反応終了後の後処理としては、過剰の酸を用いているので、アルカリ水溶液を添加して反応混合液の液性をアルカリ性にして、有機溶媒で目的物を抽出すればよい。抽出溶媒としてはトルエン等が好ましい。
【0150】
さらに本願発明は、下記の[スキーム 2]に示すように、
芳香族アミノ化合物又はその塩を、置換体の配給源及びニトロキシドラジカル化合物又はその塩の存在下に、ジアゾ化試薬と処理して、一挙に芳香族置換体化合物又はその塩を製造する方法に関するものである。
【0151】
【化42】
【0152】
(式中、ジアゾ化試薬及びニトロキシドラジカル化合物は上記と同じものを示し;X
−はHSO
4−、NO
3−、Cl
−、Br
−、I
−、ClO
4−、BF
4−、及びPF
4−を示し;置換体の配給源である「YM」は、ハロゲン化水素、ハロゲン化アルカリ金属塩、シアン化水素、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、硫酸、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、次亜リン酸、ヒドロキシアリール誘導体を示し;R
12は水素原子であるか、又はベンゼン環上の1以上の同一又は異なった有機基である置換基を示し、当該反応を阻害しないものであれば置換基の種類は特に限定されないことを示す。)
下記[スキーム 2a]は、[スキーム 2]の具体例としてブロモベンゼンの製造法を示したものである。
【0153】
【化43】
【0154】
(式中、ニトロキシドラジカル化合物、及びYMは前記と同じものを示し;R
13は水素原子であるか、又はベンゼン環上の1以上の同一又は異なった有機基である置換基を示し、当該反応を阻害しないものであれば置換基の種類は特に限定されないことを示す。)
アニリン誘導体である化合物(2a−2)又はその塩を、溶媒中、48%臭化水素酸及びニトロキシドラジカル化合物の存在下に、ジアゾ化試薬と処理して芳香族ジアゾニウム塩(3a−2)の生成と同時に置換反応が進行したブロムベンゼン(1a−2)誘導体を製造することができる。芳香族ジアゾニウム塩(2)は反応性に富み、したがって安定性が低い化合物が多いことから、反応系内で芳香族ジアゾニウム塩(2)をin situに生成し、生成と同時に置換反応を進行させ、目的の化合物(1a−2)を製造する[スキーム 2a]の製造方法が好ましい。
【0155】
反応に使用する溶媒としては、反応を阻害するものでなければ特に限定されないが、水、アルコール系溶媒、極性溶媒であるジメチルスルホキシド、アセトニトリル等のニトリル系溶媒をそれぞれ単独又は混合系溶媒として用いるのが好ましく;水、含水アルコール系溶媒、含水アセトニトリルが特に好ましい。溶媒の使用量としては、特に限定されないが化合物(2a−2)に対して8〜50倍容量(V/W)が好ましく、10〜20倍容量(V/W)がより好ましい。
【0156】
48%臭化水素酸の使用量としては、化合物(2a−2)に対して化学量論的に2〜10モル当量が好ましく、3〜5モル当量がより好ましい。
用いるジアゾ化試薬としては、上述のものが使用できるが、亜硝酸アルキル金属塩が好ましく;亜硝酸ナトリウムがより好ましい。亜硝酸アルキル金属塩は水溶液として反応に用いるのが好ましい。
【0157】
使用するニトロキシドラジカル化合物としては、上記のものが好ましく;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5h)(TEMPOL)、及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5j)(TEMPO)が好ましい。使用するニトロキシドラジカル化合物の量としては、化合物(2a−2)に対して化学量論的に0.01〜0.5モル当量が好ましく;0.01〜0.3モル当量がより好ましく;0.03〜0.1モル当量がさらに好ましい。
【0158】
反応温度としては、反応する基質により、室温〜溶媒の沸点の範囲で実施でき、55℃以下が好ましく、室温〜55℃が好まししい。反応時間は通常10時間以内であり、反応終点をHPLC等で確認するのが好ましい。
【0159】
本反応は窒素、アルゴン等の不活性ガスの気流下で行うのが好ましい。
【0160】
以下に、本願発明の好ましい別の態様について説明する。
【0161】
本明細書におけるFXa阻害薬の具体的な例としては、上記の化合物(E)が好ましい。化合物(X)はフリー体(遊離塩基)、その水和物でもよく、また薬理学上許容される塩、塩の水和物であってもよい。
【0162】
化合物(E)の塩としては、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、燐酸塩、硝酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、酢酸塩、プロパン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、アジピン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩等が挙げられる。
【0163】
化合物(E)の塩としては、塩酸塩、p−トルエンスルホン酸塩が好ましく;
p−トルエンスルホン酸塩が特に好ましい。
【0164】
化合物(E)またはその塩、それらの水和物としては、
N
1−(5−クロロピリジン−2−イル)−N
2−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド;
N
1−(5−クロロピリジン−2−イル)−N
2−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド・塩酸塩;
N
1−(5−クロロピリジン−2−イル)−N
2−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド・モノp−トルエンスルホン酸塩;及び
N
1−(5−クロロピリジン−2−イル)−N
2−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド・モノp−トルエンスルホン酸塩・1水和物;が好ましく;
N
1−(5−クロロピリジン−2−イル)−N
2−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド・モノp−トルエンスルホン酸塩・1水和物(E−a)が特に好ましい。
【0165】
【化44】
【0166】
以下に、本願発明の製造方法について詳細に説明する。
本願発明の特徴はアミノ体である化合物(12)又はその塩からブロム体である化合物(11a)の製造において、ニトロキシドラジカル化合物(5)を触媒として用いる点にある。
化合物(11a)を化合物(12)から製造する方法について説明する。
【0167】
【化45】
【0168】
化合物(11a)は、溶媒中、臭化水素酸とニトロキシド化合物(5)の存在下、ジアゾ化試薬の溶液と処理して製造する。
【0169】
原料として使用する化合物(12)は、遊離塩基又は塩、及びそれらの水和物で使用してもよいが、塩又は塩の水和物が好ましい。塩の水和物の水和物としては、結晶水を形成していなくても、化合物(12)としての含量がわかれば付着水を有していてもよい。化合物(12)は反応系中に、滴下して用いることが好ましいので、化合物(12)の塩は、水にほぼ溶けている状態の水溶液として使用するのが好ましい。
【0170】
反応に使用する溶媒としては、反応を阻害するものでなければ特に限定されないが、水、アルコール系溶媒、極性溶媒であるジメチルスルホキシドが好ましく;水が特に好ましい。溶媒の使用量としては、特に限定されないが化合物(12)に対して8〜50倍容量(V/W)が好ましく、10〜15倍容量(V/W)がより好ましい。
【0171】
反応に使用する臭化水素は水溶液である臭化水素酸として用いればよく、広く市販されている48%臭化水素酸が好ましい。48%臭化水素酸の使用量としては、化合物(12)に対して化学量論的に2〜20モル当量が好ましく、3〜10モル当量がより好ましく、5〜7モル当量がさらに好ましい。
【0172】
反応に使用するジアゾ化試薬としては、亜硝酸、亜硝酸アルキル金属塩、亜硝酸アルキル土類金属塩、及び亜硝酸C1−C8アルキルエステルを挙げることができ、亜硝酸アルキル金属塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムが好ましく;亜硝酸アルキル土類金属塩としては、亜硝酸カルシウム、亜硝酸バリウム等が好ましく;亜硝酸C1−C8アルキルエステルとしては、亜硝酸 エチルエステル、亜硝酸 n−プロピルエステル、亜硝酸 イソプロピルエステル、亜硝酸 n-ブチルエステル、亜硝酸 イソブチルエステル、亜硝酸 t−ブチルエステル、亜硝酸イソアミルエステル等が好ましい。ジアゾ化試薬としては上述のものが使用できるが、亜硝酸アルキル金属塩が好ましく;亜硝酸ナトリウムがより好ましい。亜硝酸アルキル金属塩は水溶液として反応に用いるのが好ましい。
【0173】
反応に使用するニトロキシドラジカル化合物としては、上記のものが好ましく;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5h)(TEMPOL)、及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5j)(TEMPO)が好ましい。使用するニトロキシドラジカル化合物の量としては、化合物(12)に対して化学量論的に0.01〜0.3モル当量が好ましく;0.03〜0.1モル当量がより好ましい。
【0174】
反応温度としては、25℃以下が好ましく;0〜10℃がより好ましい。滴下時間としては、2〜10時間が好ましい。また、滴下終了後の反応時間は通常10時間以内であり、反応終点をHPLC等で確認するのが好ましい。
本反応は窒素、アルゴン等の不活性ガスの気流下で行うのが好ましい。
【0175】
上記のスキームに示す製造方法の、より好ましい実施の態様としては、溶媒としての水、48%臭化水素酸、及びニトロキシドラジカル化合物の溶液中に、化合物(12)及びジアゾ化試薬の水溶液を滴下するのが好ましい。滴下は、窒素又はアルゴン等の不活性ガス気流下で行うのが好ましい。これら好ましい実施態様における量、時間、温度は上記に記載したとおりである。
【0176】
反応溶媒としては、反応を阻害するものでなければ特に限定されないが、水、アルコール系溶媒、極性溶媒であるジメチルスルホキシドが好ましく;水が特に好ましい。溶媒の使用量としては、特に限定されないが化合物(12)に対して8〜50倍容量(V/W)が好ましく、10〜20倍容量(V/W)がより好ましい。
【0177】
48%臭化水素酸の使用量としては、化合物(2)に対して化学量論的に2〜10モル当量が好ましく、3〜5モル当量がより好ましい。
【0178】
本願明細書におけるニトロキシドラジカル化合物(5)としては、上述のものを挙げることができ、
3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジン 1−オキシル(5d);
3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン 1−オキシル(5e);
3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン 1−オキシル(5f);
4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル(5g);
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5h);
4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5i);
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5j);
3−(マレイミドメチル)−プロキシル(5k);
N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)マレイミド(5l);及び1−メチル−2−アザアダマンタン N−オキシル(5m);
からなる群より選ばれる1種又は2種以上であるのが好ましく、
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5h:TEMPOL);及び
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(5j:TEMPO);
が特に好ましい。
使用するニトロキシドラジカル化合物の量としては、化合物(12)に対して化学量論的に0.01〜0.3モル当量が好ましく;0.03〜0.1モル当量程度がより好ましい。
反応温度としては、25℃以下が好ましく;0〜10℃がより好ましい。滴下時間としては、2〜10時間が好ましい。また、滴下終了後の反応時間は通常10時間以内であり、反応終点をHPLC等で確認するのが好ましい。
【0179】
本反応は窒素、アルゴン等の不活性ガスの気流下で行うのが好ましい。
反応終了後の後処理としては、過剰の酸を用いているので、アルカリ水溶液を添加して有機溶媒で抽出すればよい。抽出溶媒としてはトルエンが好ましい。
【0180】
本願発明の化合物(11)の製造におけるさらに好ましい態様について説明する。
【0181】
【化46】
【0182】
上記の反応における中間体としてin situに生成するジアゾニウム塩(B)が反応性に富み、一般的に極めて不安定なことから、ジアゾニウム塩(B)の生成と同時に化合物(11a)に変換することが好ましいため、ニトロキシドラジカル化合物(5)の存在下で化合物(12)とジアゾ化試薬を処理することが好ましい。なお、本願発明はジアゾニウム塩(B)を単離して化合物(11a)を製造する方法をも包含するものである。
【0183】
以下、好ましい操作を説明する。
[第1操作]:
臭化水素酸を溶媒の水に溶解し、この水溶液に、ニトロキシドラジカル化合物又はその塩を添加して溶解した溶液を調製し、この溶液を10℃以下、好ましくは0〜5℃程度の範囲に冷却して撹拌する。
次いで、
[第2操作]:
(a)下記の式(12a)
【0184】
【化47】
【0185】
で表される2臭化水素塩である化合物(12a)、又はその塩の水和物を、溶媒として用いる水にほぼ溶解して水溶液とする。及び
(b)亜硝酸アルカリ金属塩又は亜硝酸アルカリ土類金属塩、好ましくは亜硝酸アルカリ金属塩を溶媒の水に溶解した水溶液を調製する。
上記の(a)及び(b)を、10℃以下、好ましくは0〜10℃程度の範囲の範囲で、窒素ガス又はアルゴンガス雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲気下で[第1操作]の溶液中に同時に添加し、添加が終了後同温度で撹拌することにとって、化合物(11a)又はその塩を製造する方法がより好ましい。
【0186】
使用する試薬は上記のとおりである。上記の同時に添加としては、同時に添加を開始すればよく、添加時間としては、2〜10時間が好ましく;2〜5時間程度がより好ましい。上記の同時添加における添加終了の時間のずれとしては、1時間程度が好ましく;30分程度がより好ましい。
【0187】
上記スキームに記載されているように、化合物(12)は反応系中に、滴下して用いることが好ましいので、化合物(12)の塩は、水にほぼ溶けている状態の水溶液として使用するのが好ましく、2臭化水素塩である化合物(11a)が好ましい。化合物(12a)は水溶液として使用するので、水和物であっても、また付着水が水和していてもよい。
【0188】
この製造方法で製造した化合物(11a)は過剰量の臭化水素酸の存在下でHBr塩となっている。化合物(11a)のHBr塩で問題がないが、小過剰量のジアゾ化試薬等を除去し、化合物(1a)を安定な結晶として単離するために、引き続いて、アルカリ水溶液中和処理後、p―トルエンスルホン酸で処理して化合物(11a)のモノp―トルエンスルホン酸塩である、化合物(11b)に誘導して単離することがより好ましい
上記の反応の後、反応混合液に20℃以下でアルカリ水溶液を添加して、混合液の液性をアルカリ性とし、精製する遊離塩である化合物(11a)を有機溶媒で抽出する。
アルカリ水溶液としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩等の水溶液を使用すればよく、水酸化ナトリウムの水溶液が好ましい。濃度は添加量を削減するために、高濃度が好ましく、25%程度の水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。液性をアルカリ性にするとは、pHが13以上であればよい。
抽出に用いる有機溶媒としては、トルエンが好ましい。抽出は複数回行い、抽出液はあわせて濃縮して溶媒を留去する。
【0189】
次に、p―トルエンスルホン酸と処理して化合物(11a)のモノp―トルエンスルホン酸塩である、化合物(11b)を製造する。
抽出液を濃縮した残渣に有機溶媒を添加し、市販のp―トルエンスルホン酸・1水和物の溶液を添加する。
残渣に添加する有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、C1−C4アルコール系溶媒、C2−C4ニトリル系溶媒等が好ましく、これら溶媒を混合した混合系溶媒として使用してもよい。これらの溶媒中、トルエンとメタノール、エタノール又は2−プロパノールのアルコール系溶媒を組み合わせたものが好ましく、トルエンとメタノールを組み合わせたものがより好ましい。
p―トルエンスルホン酸・1水和物の溶液を調製する有機溶媒としては、上記のアルコール系溶媒が好ましく、メタノールがより好ましい。
以下に、化合物(11b)の製造の具体的な好ましい態様について記載する。
【0190】
粗生成物である化合物(1a)を含有する残渣にメタノール及びトルエンを添加する。メタノール、及びトルエンの添加量としては、それぞれ化合物(12a)の重量比で、2〜5倍容量(V/W)、及び8〜30倍容量(V/W)程度が好ましい。
上記残渣のメタノール、トルエンの混合液中に、p―トルエンスルホン酸・1水和物のメタノール溶液を滴下する。メタノール溶液を調製するメタノール量としては、化合物(11a)との重量比で、3〜5倍容量(V/W)が好ましい。添加するときの温度としては、35℃以下で行えばよい。
添加後、混合液を0〜5℃で撹拌して、化合物(11b)の結晶の晶析を完結させ、析出結晶をろ過、
洗浄、及び乾燥して下記の式(11b)
【0191】
【化48】
【0192】
で表される化合物(11b)が製造できる。
【0193】
さらに、本願はFXa阻害薬である化合物(E−a)の製造中間体として重要な化合物(13a)の製造に関するものであり、本願発明で製造した化合物(11b)から国際公開第2005/047296号パンフレットに記載の製造方法(下記スキーム)を準用すればよく、参考例として後述する。
【0194】
【化49】
【0195】
化合物(12a)は下記のスキームに示すように、国際公開第2005/047296号パンフレットに記載の製造方法を準用すればよく、参考例及び化合物(14)から化合物(12a)を経由し、これを単離せずにワンポットで化合物(11b)を製造する方法を実施例として後述する。
【0196】
【化50】
【0197】
本願発明の化合物(11a)、化合物(13a)を使用し、特許文献1又は特許文献3に開示されている方法と同様の製造方法により、FXa阻害薬(E−a)を製造する方法としては、下記のスキーム及び参考例に示す方法を挙げることができる。
【0198】
【化51】
【0199】
(式中、Bocは前記と同じものを示す。)
【実施例】
【0200】
次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、なんらこれに限定されるものではない。
【0201】
磁気共鳴スペクトル(NMR)における内部標準物質としては、テトラメチルシランを使用し、多重度を示す略語は、s=singlet、d=doublet、t=triplet、q=quartet、m=multiplet、及びbr s=broad singletを示す。
【0202】
(実施例1) 3−ブロモニトロベンゼン(1c)
【0203】
【化52】
【0204】
3−ニトロアニリン(2c)(2.76g,20mmol)に水(45ml)、アセトニトリル(6ml)及び48%臭化水素酸(27ml)を室温で加えた。混合液に2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(0.31g,2mmol)を室温で加え、10℃以下まで冷却後、水(15ml)に溶解した亜硝酸ナトリウム(2.07g)を添加した。室温で約2時間攪拌後、10mol/L水酸化ナトリウム水溶液(30ml)を加え、析出した結晶をろ取、水(40ml)で結晶洗浄後減圧乾燥し、3−ブロモニトロベンゼン(1c)(3.75g,93.0%)を得た。得られた化合物(1c)の機器スペクトルデータ及びHPLCの保持時間(Rt)は、市販の化合物(1c)のものと完全に一致した。
また、上記の反応条件中、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルを、CuBr(2mmol)の添加、又は無添加に替えた条件で、同様に処理した場合、成績物(1c)の収率は、それぞれCuBr(2mmol)の添加の場合が36%、無添加の場合は12%であった。一方、CuBr(2mmol)の添加、又は無添加の場合に替えた条件で、反応温度を室温ではなく70〜80℃に加温し、かつ反応時間として18時間撹拌を行った場合は、それぞれ収率が90%程度であった。このことから、ニトロキシドラジカル化合物を触媒に用いた場合は、低温でかつ短時間に反応が進行することがわかった。
【0205】
(実施例2) 4−ブロモベンゾニトリル(1d)
【0206】
【化53】
【0207】
4−アミノベンゾニトリル(2d)(2.36g,20mmol)に水(45ml)及び48%臭化水素酸(27ml)を室温で加えた。混合液に2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(0.31g,2mmol)を室温で加え、10℃以下まで冷却後、水(15ml)に溶解した亜硝酸ナトリウム(2.07g)を添加した。55℃に昇温後、約2時間攪拌し、室温まで冷却後10mol/L水酸化ナトリウム水溶液(40ml)を加え、トルエン(300ml)で2回抽出した。トルエン層を合わせて水(50ml)で水洗した。トルエン層を減圧濃縮して溶媒を留去し、4−ブロモベンゾニトリル(1d)(3.35g,83.0%)を得た。得られた化合物(1d)の機器スペクトルデータ及びHPLCの保持時間(Rt)は、市販の化合物(1d)のものと完全に一致した。
また、上記の反応条件中、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルを、CuBr(2mmol)の添加、又は無添加に替えた条件で、同様に処理した場合、成績物(1c)の収率は、それぞれCuBr(2mmol)の添加の場合が80%、無添加の場合は60%であった。一方、無添加の条件で、反応温度を上昇させても収率の向上は見られなかった。
【0208】
(実施例3) 3−ブロモ−2−クロロピリジン(7)
【0209】
【化54】
【0210】
3−アミノ−2−クロロピリジン(6)(2.57g,20mmol)に水(45ml)及び48%臭化水素酸(27ml)を室温で加えた。混合液に2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(0.31g,2mmol)を室温で加え、10℃以下まで冷却後、水(30ml)に溶解した亜硝酸ナトリウム(4.14g)を添加した。室温で約2時間攪拌後、10mol/L水酸化ナトリウム水溶液(40ml)を加え、トルエン(300ml)で2回抽出した。トルエン層を合わせて水(50ml)で水洗した。トルエン層を減圧濃縮して溶媒を留去し、3−ブロモ−2−クロロピリジン(7)(3.08g,80.1%)を得た。得られた化合物(7)の機器スペクトルデータ及びHPLCの保持時間(Rt)は、市販の化合物(7)のものと完全に一致した。
また、上記の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルに替えて、CuBr(2mmol)の添加、及び無添加で同様に処理した場合、成績物(7)の収率は、それぞれ40%、及び30%であった。このことから、ニトロキシドラジカル化合物を触媒に用いた場合は、収率が大幅に向上することがわかった。
【0211】
(参考例1) 2−アミノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン(12)
【0212】
【化55】
【0213】
50℃に加熱した1−メチル−4−ピペリドン(14)(180.0g)の2−プロパノール(1.44L)溶液に、シアナミド(67.0g)の2−プロパノール(360mL)溶液及び硫黄粉末(51.0g)を順次添加した。触媒量のピロリジン(13.3mL)を添加し、50℃以上で2時間撹拌した後、室温に放冷して終夜撹拌した。氷水浴で10℃以下へ冷却し、同温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾過し、2−プロパノール(540mL)で洗浄し、40℃で減圧乾燥し、標題化合物(12)(209.9g)を得た。
1H−NMR(CDCl
3)δppm:4.86(br,2H),3.47−3.46(t,2H,J=1.9Hz),2.78−2.71(m,2H),2.71−2.65(m,2H),2.47(s,3H).
MS(FAB)m/z:170(M+H)
+.
元素分析:C
7H
11N
3Sとして、
理論値:C,49.68;H,6.55;N,24.83;S,18.95.
実測値:C,49.70;H,6.39;N,24.91;S,19.00.
(参考例2) 2−アミノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン・2臭化水素酸塩(12a)
【0214】
【化56】
【0215】
1−メチル−4−ピペリドン(14)(100.0g)を2−プロパノール(800mL)で室温下溶解後、温水浴で加熱し、内温50℃に昇温した。50℃でシアナミド(37.16g)の2−プロパノール(200mL)溶液及び硫黄粉末(28.34g)を順次添加した。触媒量のピロリジン(7.4mL)を添加し、50〜64℃で1時間撹拌した後、室温に放冷した。48%臭化水素酸(358.0g)を30〜40℃で滴下後、氷水浴で10℃以下へ冷却し、同温で1時間30分撹拌した。析出した結晶を濾過し、2−プロパノール(500mL)で洗浄し、40℃で減圧乾燥して標題化合物(12a)(258.2g)を得た。
1H−NMR(D
2O)δppm:4.45−4.53(d,1H,J=15.2Hz),4.20−4.26(d,1H,J=15.2Hz),3.75−3.90(m,1H),3.50−3.67(m,1H),3.10(s,3H),2.91−3.18(m,2H).
元素分析:C
7H
13Br
2N
3Sとして、
理論値:C,25.39;H,3.96;Br,48.27;N,12.69;S,9.69.
実測値:C,25.54;H,3.93;Br,48.09;N,12.62;S,9.72.
(参考例3) 2−ブロモ−5−tert−ブトキシカルボニル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン(11a)(特開2001/294572)
【0216】
【化57】
【0217】
臭化第二銅(1.05g,4.7mmol)をN,N−ジメチルホルムアミドに懸濁し、亜硝酸tert−ブチル(696mg,6.5mmol)を加えた。氷冷下で2−アミノ−5−tert−ブトキシカルボニル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン(1.00g,5.9mmol)を加えたのち、反応液を40℃で30分加熱攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5)により精製し、標題化合物(11b)(568mg,41%)を黄色固体として得た。
1H NMR(CDCl
3)1.48(9H,s),2.85(2H,br s),3.72(2H,t,J=5.6Hz),4.56(2H,br
s).
MS(FAB)m/z 319(M+H)
+.
(参考例4) 2−ブロモ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジンの合成(11a)(国際公開第WO2005/047296号パンフレット)
【0218】
【化58】
【0219】
2−アミノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン(12)(600.0g,3.545mol)を水(6.0L)に懸濁した後、48%臭化水素酸(4.2L)を5〜15℃で滴下した。亜硝酸ナトリウム(367.2g,3.56mol)の水(1.8L)溶液を0〜5℃にて1時間30分かけて滴下した後、30℃に昇温し、24時間撹拌した。5規定水酸化ナトリウム水溶液(6.0L)にて中和し、強アルカリ性(pH=12.5)とした後、水層をトルエン(12.0Lと6.0L)で2回抽出した。トルエン層を併せて無水硫酸ナトリウム(1202.0g)で乾燥した後、不溶物をろ別し、母液を40℃で減圧下濃縮して標題化合物(11a)(557.6g,67.5%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3)δppm:3.58−3.57(t,3H,J=1.8Hz),2.92−2.87(m,2H),2.81−2.76(m,2H),2.49(s,3H).
(参考例5) 2−ブロモ−5−メチル−4,5,6.7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン・p−トルエンスルホン酸塩の合成(11b)(国際公開第WO2005/047296号パンフレット)
【0220】
【化59】
【0221】
水(250mL)と48%臭化水素酸(175mL)の混合液に、2−アミノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン・2臭化水素酸塩(12a)(50.01g,0.151mol)を室温下添加して懸濁させた。この懸濁液を内温10℃以下に冷却後、亜硝酸ナトリウム(15.63g,0.152mol)の水(75mL)溶液を、内温を10℃以下に保ちながら、1時間30分かけて滴下した。10℃以下で20時間撹拌後、20℃以下に保ちながら10規定水酸化ナトリウム水溶液(175mL)を滴下してアルカリ性にしたところ、溶液のpHは13.1であった。次いで、トルエン(375mL,250mL)で2回水層を抽出し、以降の操作には併せたトルエン層の1/4を使用した。トルエン層を濃縮後、メタノール(43.8mL)で濃縮残渣を溶解した。ここに、p−トルエンスルホン酸一水和物(5.03g)のメタノール(18.8mL)溶液を室温で滴下後、10℃以下に冷却し、同温で1時間30分撹拌した。析出した結晶を濾過し、メタノール(18.8mL)で洗浄し、40℃で減圧乾燥して標題化合物(11b)(9.05g,14.8%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δppm:10.15(br,1H),7.47−7.43(d,2H,J=8.2Hz),7.09−7.07(d,2H,J=8.2Hz),4.47(s,2H),3.58(s,2H),3.04(t,2H,J=6.1Hz),2.96(s,3H),2.29(s,3H).
元素分析:C
14H
17BrN
2O
3S
2として、
理論値:C,41.48;H,4.23;Br,19.71;N,6.91;S,15.82.
実測値:C,41.54;H,4.18;Br,19.83;N,7.03;S,16.02.
(参考例6) tert−ブチル [(1R,2S,5S)−2−({[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ](オキソ)アセチル}アミノ)−5−(ジメチルアミノカルボニル)シクロヘキシル]カルバマート(17)
【0222】
【化60】
【0223】
(式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を示す。)
tert−ブチル (1R,2S,5S)−2−アミノ−5−(ジメチルアミノカルボニル)シクロヘキシルカルバマート 1・シュウ酸塩(100.1g)のアセトニトリル懸濁液(550ml)に、60℃にてトリエチルアミン(169ml)を加えた。そのままの温度にて、2−[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]−2−オキソアセタート 1・塩酸塩(84.2g)を加え、6時間攪拌後、室温にて16時間攪拌した。反応液に水を加え、10℃にて1時間30分攪拌後、結晶をろ取して標題化合物(17)(106.6g)を得た。
1H−NMR(CDCl
3)δ:1.25−1.55(2H,m),1.45(9H,s),1.60−2.15(5H,m),2.56−2.74(1H,br.s),2.95(3H,s),3.06(3H,s),3.90−4.01(1H,m),4.18−4.27(1H,m),4.70−4.85(0.7H,br),5.70−6.00(0.3H,br.s),7.70(1H,dd,J=8.8,2.4Hz),7.75−8.00(1H,br),8.16(1H,br.d,J=8.8Hz),8.30(1H,d,J=2.4Hz),9.73(1H,s).
(参考例7) N
1−(5−クロロピリジン−2−イル)−N
2−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド(E)
【0224】
【化61】
【0225】
tert−ブチル [(1R,2S,5S)−2−({[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ](オキソ)アセチル}アミノ)−5−(ジメチルアミノカルボニル)シクロヘキシル]カルバマート(17)(95.1g)のアセトニトリル(1900ml)懸濁液に、室温下、メタンスルホン酸(66ml)を加え、そのままの温度にて2時間攪拌した。反応液に氷冷下、トリエチルアミン(155ml)、5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−カルボン酸・塩酸塩(13a)(52.5g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(33.0g)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(46.8g)を加え、室温にて16時間攪拌した。トリエチルアミン、水を加え、氷冷下、1時間攪拌後、結晶を濾取し、標題化合物(E)(103.2g)を得た。
1H−NMR(CDCl
3)δ:1.60−1.98(3H,m),2.00−2.16(3H,m),2.52(3H,s),2.78−2.90(3H,m),2.92−2.98(2H,m),2.95(3H,s),3.06(3H,s),3.69(1H,d,J=15.4Hz),3.75(1H,d,J=15.4Hz),4.07−4.15(1H,m),4.66−4.72(1H,m),7.40(1H,dd,J=8.8,0.6Hz),7.68(1H,dd,J=8.8,2.4Hz),8.03(1H,d,J=7.8Hz),8.16(1H,dd,J=8.8,0.6Hz),8.30(1H,dd,J=2.4,0.6Hz),9.72(1H,s).
MS(ESI)m/z:548(M+H)
+.
(参考例8) N
1−(5−クロロピリジン−2−イル)−N
2−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド・モノp−トルエンスルホン酸塩・1水和物(E−a)
【0226】
【化62】
【0227】
N
1−(5−クロロピリジン−2−イル)−N
2−((1S,2R,4S)−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−2−{[(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}シクロヘキシル)エタンジアミド(E)(6.2g)を塩化メチレン(120ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸−エタノール溶液(1mol/L溶液:11.28ml)を加え、溶媒を留去した。残渣に15%含水エタノール(95ml)を加え、60℃にて撹拌し、溶解した。その後、室温まで冷却し、1日撹拌した。析出晶を濾取し、エタノールで洗浄後、室温にて2時間減圧乾燥して標題化合物(E−a)(7.4g)を得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:1.45−1.54(1H,m),1.66−1.78(3H,m),2.03−2.10(2H,m),2.28(3H,s),2.79(3H,s),2.91−3.02(1H,m),2.93(3H,s),2.99(3H,s),3.13−3.24(2H,m),3.46−3.82(2H,m),3.98−4.04(1H,m),4.43−4.80(3H,m),7.11(2H,d,J=7.8Hz),7.46(2H,d,J=8.2Hz),8.01(2H,d,J=1.8Hz),8.46(1H,t,J=1.8Hz),8.75(1H,d,J=6.9Hz),9.10−9.28(1H,br),10.18(1H,br),10.29(1H,s).
MS(ESI)m/z:548(M+H)
+.
元素分析:C
24H
30ClN
7O
4S・C
7H
8O
3S・H
2O
理論値:C;50.43,H;5.46,N;13.28,Cl;4.80,S;8.69.
実測値:C;50.25,H;5.36,N;13.32,Cl;4.93,S;8.79.
mp(分解):245〜248℃.
(参考例9) 5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−カルボン酸・モノ塩酸塩(13a)
【0228】
【化63】
【0229】
2−ブロモ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン・p−トルエンスルホン酸塩(11b)(40.00g)と1規定水酸化ナトリウム水溶液(200mL)を室温下混合し、30分間撹拌した後、トルエン(400mL×2)で水層を2回抽出した。併せた有機層を5%食塩水(200mL)で洗浄した。有機層を外温50℃以下で減圧下80mLまで濃縮した後、水分測定用にサンプリングした(濃縮後溶液重量91.03g,サンプリング後溶液重量87.68g)。サンプリングした濃縮液の水分をカールフィッシャー水分計にて測定したところ、0.0231%(重量比)であった。サンプリング後の濃縮液を無水テトラヒドロフラン(231mL)に溶解した後、系内をアルゴン雰囲気下とした。内温を−30℃以下に冷却した後、n−ブチルリチウム(1.59mol/L n−ヘキサン溶液,61.7mL)を内温を−30℃以下に保ちながら滴下し、更に同温で1時間撹拌した。内温を−30℃以下に保ちながら炭酸ガスを吸収させ、更に炭酸ガス雰囲気下で1時間撹拌した。内温を15℃に昇温した後、メタノール(193mL)を添加して析出した固体を溶解した。内温を20℃以下に保ちながら、濃塩酸(19.3mL)を滴下した。内温を10℃以下に冷却後、同温で1時間撹拌した。析出している結晶を濾過し、メタノール(58mL)で洗浄した。湿体を室温で減圧乾燥し、標題化合物(13a)(21.20g)を得た。
1H−NMR(D
2O)δppm:4.82−4.88(d,1H,J=16.0Hz),4.51−4.57(d,1H,J=16.0Hz),3.88−3.96(m,1H),3.60−3.70(m,1H),3.22−3.33(m,2H),3.15(s,3H).
MS(EI)m/z:198(M)
+.
元素分析:C
8H
11ClN
2O
2Sとして、
理論値:C,40.94;H,4.72;Cl,15.11;N,11.94;S,13.66.
実測値:C,40.83;H,4.56;Cl,14.81;N,11.91;S,13.87.
(実施例4) 2−ブロモ−5−メチル−4,5,6.7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン・モノp−トルエンスルホン酸塩(11b)
【0230】
【化64】
【0231】
水(2700mL)と48%臭化水素酸(1080mL)の混合液に、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(TEMPOL)(22.83g)を添加し溶解させ、混合液を0〜5℃に冷却した。この混合液に、2−アミノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン・二臭化水素酸塩(12a)[746.06g]を48%臭化水素酸(209mL)及び水(2700mL)の混合液に溶解させた溶液と、亜硝酸ナトリウム(274.43g)の水(1500mL)溶液を、反応系を窒素気流下で、反応液の内温を0〜10℃に維持するように2〜5時間をかけて同時に滴下した。滴下終了後、反応混合液を0〜10℃でさらに1時間撹拌を行った。反応混合液の内温を20℃以下に保ちながら25%水酸化ナトリウム水溶液(2400mL)を滴下してアルカリ性(pH>13)にした。次いで、トルエン(3000mL)で2回抽出し、抽出層であるトルエンを濃縮した。残留物にメタノール(600mL)及びトルエン(2550mL)を添加し、15〜35℃で攪拌して溶解した。ここにp−トルエンスルホン酸一水和物(453.87g)のメタノール(900mL)溶液を15〜35℃で30分以上をかけて滴下後、混合液を0〜5℃に冷却し、0〜5℃で30分以上撹拌した。析出した固形物を濾過し、0〜5℃に冷却したメタノール(1350mL)で洗浄した。得られた固形物を40℃で乾燥して標題化合物(11b)(712.44g,78%)を得た。得られた化合物(11b)の機器スペクトルデータ及びHPLCの保持時間(Rt)は、上記の参考例5で得られたものと完全に一致した。
【0232】
(実施例5) 2−ブロモ−5−メチル−4,5,6.7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン・モノp−トルエンスルホン酸塩(11b)
【0233】
【化65】
【0234】
2−プロパノール(2100mL)に室温下、1−メチル−4−ピペリドン(14)(300.0g)、シアナミド(245.20g)、硫黄粉末(85.02g)及び触媒量のピロリジン(18.85g)を添加し、約50℃で約3時間撹拌した後、濃縮して2−プロパノールを留去した。残渣に水(2700ml)及び48%臭化水素酸(720mL)を加え、不溶物をろ取して2−アミノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン・二臭化水素酸塩(12a)[フリー体(12)換算で381.4g]の水溶液を得た。
【0235】
水(2700mL)と48%臭化水素酸(1080mL)の混合液に、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(TEMPOL)(22.83g)を添加し溶解させた。混合液を0〜5℃に冷却し、上記の2−アミノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン・二臭化水素酸塩(12a)[フリー体(12)換算で381.4g]水溶液、及び亜硝酸ナトリウム(274.43g)の水(1500mL)溶液を、反応系を窒素気流下で、反応液の内温を0〜10℃に維持するように2〜5時間をかけて同時に滴下した。滴下終了後、反応混合液を0〜10℃でさらに1時間撹拌を行った。反応混合液の内温を20℃以下に保ちながら25%水酸化ナトリウム水溶液(2400mL)を滴下してアルカリ性(pH>13)にした。次いで、トルエン(3000mL)で2回抽出し、抽出層であるトルエンを濃縮した。残留物にメタノール(600mL)及びトルエン(2550mL)を添加し、15〜35℃で攪拌して溶解した。ここにp−トルエンスルホン酸一水和物(453.87g)のメタノール(900mL)溶液を15〜35℃で30分以上をかけて滴下後、混合液を0〜5℃に冷却し、0〜5℃で30分以上撹拌した。析出した固形物を濾過し、0〜5℃に冷却したメタノール(1350mL)で洗浄した。得られた固形物を40℃で乾燥して標題化合物(11b)(712.44g,78%)を得た。得られた化合物(1b)の機器スペクトルデータ及びHPLCの保持時間(Rt)は、上記の参考例5で得られたものと完全に一致した。
【0236】
(実施例6) 5−メチル−4,5,6.7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジンー2-カルボン酸・モノ塩酸塩(13a)
【0237】
【化66】
【0238】
2−プロパノール(2100mL)に室温下、1−メチル−4−ピペリドン(14)(300.0g)、シアナミド(245.20g)、硫黄粉末(85.02g)及び触媒量のピロリジン(18.85g)を添加し、約50℃で約3時間撹拌した後、濃縮して2−プロパノールを留去した。残渣に水(3000ml)及び48%臭化水素酸(720mL)を加え、不溶物をろ取して2−アミノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン・二臭化水素酸塩(12a)[フリー体(12)換算で381.4g]の水溶液を得た。
【0239】
水(2700mL)と48%臭化水素酸(1080mL)の混合液に、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(TEMPOL)(22.83g)を添加し溶解させた。混合液を0〜5℃に冷却し、上記の2−アミノ−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジン・二臭化水素酸塩(12a)[フリー体(12)換算で381.4g]水溶液、及び亜硝酸ナトリウム(274.43g)の水(1500mL)溶液を、反応系を窒素気流下で、反応液の内温を0〜10℃に維持するように2〜5時間をかけて同時に滴下した。滴下終了後、反応混合液を0〜10℃でさらに1時間撹拌を行った。反応混合液の内温を20℃以下に保ちながら25%水酸化ナトリウム水溶液(2400mL)を滴下してアルカリ性(pH>13)にした。次いで、トルエン(3000mL)で2回抽出し、抽出層であるトルエンを濃縮した。残留物にメタノール(600mL)及びトルエン(2550mL)を添加し、15〜35℃で攪拌して溶解した。ここにp−トルエンスルホン酸一水和物(453.87g)のメタノール(900mL)溶液を15〜35℃で30分以上をかけて滴下後、混合液を0〜5℃に冷却し、0〜5℃で30分以上撹拌した。析出した固形物を濾過し、0〜5℃に冷却したメタノール(1350mL)で洗浄した。得られた固形物を40℃で乾燥して標題化合物(11b)(712.44g,78%)を得た。得られた化合物(1b)の機器スペクトルデータ及びHPLCの保持時間(Rt)は、上記の参考例5で得られたものと完全に一致した。
【0240】
上記の化合物(11b)(712.44g)を30℃以下で1M水酸化ナトリウム水溶液(3562ml)と処理し、トルエンで抽出した(2回)。合わせた抽出液を、30℃以下で5%塩化ナトリウム(3562ml)で洗浄した後、有機層を、溶媒残量が約1500mlになるまで、またこのときの溶液の水分含量が0.1%以下になるように減圧濃縮した。この溶液にテトラヒドロフラン(4275ml)を加え、窒素気流で撹拌下にて、内温が−70℃以下になるように冷却した。この溶液にn−ブチル リチウム(この時は17.22%のn−ヘキサン溶液を使用した)(673.49g)を、内温−70℃以下を維持するように添加した。添加終了後、反応混合物を内温−70℃以下で30分〜1時間攪拌した[このとき、混合液をサンプリングして、化合物(11a)の残量が0.1%未満であることをHPLCを用いて確認した]。反応混合液に、ガス状二酸化炭素(炭酸ガス)(154.7g〜200g)を、内温を−70℃以下に保つように導入した。炭酸ガスの導入終了後に、反応液を内温−65℃以下で1時間以上攪拌し、次いで反応液の内温が−20℃程度になるまで昇温した。反応液に、内温が−20〜5℃でメタノール(2850ml)を加え、次いで水(356ml)及びメタノール(712ml)を内温が−5〜5℃の範囲を保って順次に添加した。反応混合液に濃塩酸(356ml)を、内温0〜10℃の範囲を保って滴下した。滴下終了後、反応混合液を、再度内温を0〜5℃の冷却し、同温度で1時間以上撹拌した。析出した結晶をろ取し、あらかじめ0〜5℃に冷却したメタノール/トルエン(1/2,2137ml)で洗浄した後、結晶を30℃で乾燥して表題物(13a)[371.28g,化合物(14)からの収率=60%;化合物(11b)からの収率=90%を得た。得られた化合物(13a)の各種機器スペクトルデータ及びHPLCの保持時間(Rt)は、国際公開第WO2005/047296号に記載された、製造例14及び製造例15のものと一致した。