【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の如き課題を解決するために、本発明は、次の段階などを含むことを特徴とする固体触媒の製造方法を提供する:
(1)有機溶媒の存在下で、ジアルコキシマグネシウムとシラン系化合物を反応させる段階:
(2)上記段階(1)の結果物にチタンハライドを反応させる段階;
(3)60〜150℃の温度で昇温させながら、上記段階(2)の結果物に下記一般式(III)、一般式(IV)、一般式(V)または一般式(VI)で表示されるビシクロアルカンジカルボキシレート系またはビシクロアルケンジカルボキシレート系内部電子供与体中から選ばれる1種または2種以上を投入して反応させる段階、
【0008】
【化1】
【0009】
ここで、R
1及びR
2は互いに同一であるか相異し、炭素原子1〜20個の線形、分枝形または環形アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基であり;R
3,R
4,R
5及びR
6は互いに同一であるか相異し、水素、炭素原子1〜20個の線形、分枝形または環形アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基である;及び
(4)60〜150℃の温度で、上記段階(3)の結果物とチタンハライドを反応させ、結果物を洗浄する段階。
【0010】
上記(1)段階で使用される有機溶媒としては、その種類に特別に限定がなく、炭素数6〜12個の脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素などが使用され得るし、より好ましくは、炭素数7〜10個の飽和脂肪族または芳香族炭化水素、またはハロゲン化炭化水素が使用され得るし、その具体的な例としては、オクタン、ノナン、デカン、トルエン及びキシレン、クロロブタン、クロロヘキサン、クロロヘプタン等から選ばれる1種以上を単独にまたは混合して使用することができる。
【0011】
上記(1)段階で使用されるジアルコキシマグネシウムは、金属マグネシウムを塩化マグネシウムの存在下で無水アルコールと反応させて得られる、平均粒径が10〜200μmであり、表面が滑らかな球形粒子であって、上記球形の粒子形状はプロピレンの重合時にもそのまま維持されのが好ましいが、上記平均粒径が10μm未満であれば、製造された触媒の微細粒子が増加して好ましくなく、200μmを超えると、嵩密度が小さくなる傾向があり好ましくない。
【0012】
さらに、上記ジアルコキシマグネシウムに対する上記有機溶媒の使用比は、ジアルコキシマグネシウム重量:有機溶媒体積で1:5〜50であるのが好ましく、1:7〜20であることがより好ましいが、上記使用比が1:5未満であれば、スラリーの粘度が急激に増加して均一な攪拌が難しくなり好ましくなく、1:50を超えると、生成される担体の嵩密度が急激に減少するか粒子表面が荒くなる問題が発生して好ましくない。
【0013】
上記(1)段階で使用されるシラン系化合物は、好ましくは、下記一般式(I)で表示される:
Si(OR
1)
aR
2(4-a)……(I)
ここで、R
1及びR
2はそれぞれ独立的に炭素原子1〜10個のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、R
2が2個以上である場合、R
2基などは同一であるか相異し得、aは一般式の原子価を合わせるためのものであって、0〜4の整数である。
【0014】
上記シラン系化合物の具体的な例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ノルマルプロピルトリメトキシシラン、ジノルマルプロピルジメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ノルマルブチルトリメトキシシラン、ジノルマルブチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、tert-ブチルトリメトキシシラン、ジtert-ブチルジメトキシシラン、ノルマルペンチルトリメトキシシラン、ジノルマルペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルプロピルジメトキシシラン、シクロヘプチルトリメトキシシラン、ジシクロヘプチルジメトキシシラン、シクロヘプチルメチルジメトキシシラン、シクロヘプチルエチルジメトキシシラン、シクロヘプチルプロピルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルプロピルジメトキシシラン、ノルマルプロピルトリエトキシシラン、ジノルマルプロピルジエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ノルマルブチルトリエトキシシラン、ジノルマルブチルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、tert-ブチルトリエトキシシラン、ジtert-ブチルジエトキシシラン、ノルマルペンチルトリエトキシシラン、ジノルマルペンチルジエトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロペンチルエチルジエトキシシラン、シクロペンチルプロピルジエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、シクロヘキシルプロピルジエトキシシラン、シクロヘプチルトリエトキシシラン、ジシクロヘプチルジエトキシシラン、シクロヘプチルメチルジエトキシシラン、シクロヘプチルエチルジエトキシシラン、シクロヘプチルプロピルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシラン及びフェニルプロピルジエトキシシランなどが使用可能である。上記シラン系化合物としては、特にテトラアルコキシシランが立体規則性の向上効果の面で好ましく使用される。最も好ましくは、テトラエトキシシランが使用される。
【0015】
上記ジアルコキシマグネシウムに対する上記シラン系化合物の使用比は、ジアルコキシマグネシウム1モルに対し、0.1〜1.0モルを使用するのが好ましいが、上記範囲を外れると、固体触媒の重合活性または重合体の立体規則性が低くなり得、重合体の嵩密度が減少するか粒子表面が荒くなる問題が発生し好ましくない。
【0016】
上記固体触媒の製造工程中、段階(2)で使用されるチタンハライドは、好ましくは下記一般式(II)で表示される:
Ti(OR)
aX
(4-a)……(II)
ここで、Rは炭素原子1〜10個のアルキル基であり、Xはハロゲン元素であり、aは一般式の原子価を合わせるためのものであって、0〜3の整数である。上記チタンハライドとしては、特に四塩化チタンを使用するのが好ましい。
【0017】
上記固体触媒の製造工程中、段階(2)における反応は、-20〜50℃の温度範囲でチタンハライドを徐々に投入して行なうことが好ましい。
この時、使用するチタンハライドの使用量は、ジアルコキシマグネシウム1モルに対し0.1〜10モル、さらに好ましくは、0.3〜2モルにするのが好ましいが、0.1モル未満であれば、ジアルコキシマグネシウムがマグネシウムクロライドに変化する反応が円滑に進行されないので好ましくなく、10モルを超えると、過度に多くのチタン成分が触媒内に存在するようになるので好ましくない。
【0018】
上記固体触媒の製造工程において、上記(3)段階で使用される内部電子供与体は下記一般式(III)、一般式(IV)、一般式(V)または一般式(VI)で表示され得る。
【0019】
【化2】
【0020】
ここで、R
1及びR
2は互いに同一であるか相異し、炭素原子1〜20個の線形、分枝形または環形アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基であり;R
3,R
4,R
5及びR
6は互いに同一であるか相異し、水素、炭素原子1〜20個の線形、分枝形または環形アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基である。
【0021】
上記内部電子供与体の例としては、ビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸エチルへキシルエステル、ビシクロ「2.2.1]ヘプタン-2,3−ジカルボン酸ジオクチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン‐2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン‐2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン‐2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジエチルエステル、ビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジメチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸エチルへキシルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジオクチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジイソブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジエチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジメチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸エチルへキシルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジオクチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸エチルへキシルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、6-メチルビシクロ [2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン−2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、
【0022】
5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル等があり、このなかで1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0023】
上記段階(3)は、上記段階(2)の結果物の温度を60〜150℃、好ましくは80〜130℃まで徐々に昇温させながら、昇温過程中に内部電子供与体を投入して1〜3時間反応させることにより行われるのが好ましいが、上記温度が60℃未満であるか反応時間が1時間未満であれば、反応が完結されるのが難しく、上記温度が150℃を超えるか反応時間が3時間を越えると、不反応によって結果物である触媒の重合活性または重合体の立体規則性が低くなり得る。
【0024】
上記内部電子供与体は、上記昇温過程中に投入される限り、その投入温度及び投入回数は大きく制限されないし、上記内部電子供与体の全体使用量は、使用されたジアルコキシマグネシウム1モルに対し0.1〜1.0モルを使用するのが好ましいが、上記範囲を外れば、結果物である触媒の重合活性または重合体の立体規則性が低くなり得るので好ましくない。
上記固体触媒の製造工程中、段階(4)は、60〜150℃、好ましくは80〜130℃の温度で段階(3)の結果物とチタンハライドを2次に反応させる工程である。この時、使用されるチタンハライドの例としては、上記の一般式(II)のチタンハライドを挙げることができる。
【0025】
固体触媒の製造工程において、各段階における反応は、窒素気体雰囲気で、水分などを十分に除去させた攪拌機が装着された反応器中で実施するのが好ましい。
【0026】
上記のような方法で製造される本発明の固体触媒は、マグネシウム、チタン、ハロゲン、シリコン及び内部電子供与体を含んで行なわれ、触媒活性の側面を考慮して見るとき、マグネシウム5〜40重量%、チタン0.5〜10重量%、ハロゲン50〜85重量%、シリコン2.5〜30重量%及び内部電子供与体2.5〜30重量%を含んでなることが好ましい。
【0027】
本発明の触媒製造方法によって製造される固体触媒は、プロピレン重合または共重合方法に適合に使用され得るし、本発明によって製造される固体触媒を用いたプロピレン重合または共重合方法は、上記固体触媒と助触媒及び外部電子供与体の存在下で、プロピレンを重合またはプロピレンと異なるα-オレフィンを共重合させることを含む。
【0028】
上記固体触媒は、重合反応の成分として使用される前に、エチレンまたはα-オレフィンで前重合して使用することができる。
前重合反応は、炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン)、上記触媒成分及び有機アルミニウム化合物(例えば、トリエチルアルミニウム)の存在下で、十分に低い温度とエチレンまたはα-オレフィン圧力条件で行なうことができる。前重合は、触媒粒子を重合体で囲んで触媒形状を保って、重合後に重合体の形状を良いようにするのに助けを与える。前重合後の重合体/触媒の重量比は、あらまし0.1〜20:1であることが好ましい。
【0029】
上記プロピレン重合または共重合方法において、助触媒成分としては、周期律表第II族または第III族の有機金属化合物が使用され得るし、その例として、好ましくは、アルキルアルミニウム化合物が使用される。上記アルキルアルミニウム化合物は一般式(VII)で表示される。
【0030】
AlR
3・・・・・(VII)
ここで、Rは炭素数1〜8個のアルキル基である。
【0031】
上記アルキルアルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム及びトリオクチルアルミニウム等を挙げることができる。
【0032】
上記固体触媒成分に対する上記助触媒成分の割合は、重合方法によって多少差異があるが、固体触媒成分中のチタン原子に対する助触媒成分中の金属原子のモル比が1〜1000の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜300の範囲であることがよい。もし、固体触媒成分中のチタン原子に対する助触媒成分中の金属原子、例えばアルミニウム原子のモル比が上記1〜1000の範囲を外れるようになれば、重合活性が大きく低下される問題がある。
【0033】
上記プロピレン重合または共重合方法において、上記外部電子供与体としては、次の一般式(VIII)で表示されるアルコキシシラン化合物中1種以上を使用することができる。
【0034】
R
1mR
2nSi(OR
3)
(4-m-n)・・・・・・(VIII)
ここで、R
1、R
2は同一であるか異なり得る、炭素数1〜12個の線形または分枝形または環形アルキル基、またはアリール基であり、R
3は炭素数1〜6個の線形または分枝形アルキル基であり、m、nはそれぞれ0または1であり、m+nは1または2である。
【0035】
上記外部電子供与体の具体例としては、ノルマルプロピルトリメトキシシラン、ジノルマルプロピルジメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ノルマルブチルトリメトキシシラン、ジノルマルブチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、tert-ブチルトリメトキシシラン、ジtert-ブチルジメトキシシラン、ノルマルペンチルトリメトキシシラン、ジノルマルペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルプロピルジメトキシシラン、シクロヘプチルトリメトキシシラン、ジシクロヘプチルジメトキシシラン、シクロヘプチルメチルジメトキシシラン、シクロヘプチルエチルジメトキシシラン、シクロヘプチルプロピルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルプロピルジメトキシシラン、ノルマルプロピルトリエトキシシラン、ジノルマルプロピルジエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ノルマルブチルトリエトキシシラン、ジノルマルブチルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、tert-ブチルトリエトキシシラン、ジtert-ブチルジエトキシシラン、ノルマルペンチルトリエトキシシラン、ジノルマルペンチルジエトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロペンチルエチルジエトキシシラン、シクロペンチルプロピルジエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、シクロヘキシルプロピルジエトキシシラン、シクロヘプチルトリエトキシシラン、ジシクロヘプチルジエトキシシラン、シクロヘプチルメチルジエトキシシラン、シクロヘプチルエチルジエトキシシラン、シクロヘプチルプロピルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシラン及びフェニルプロピルジエトキシシラン等であり、この中で1種以上を単独または混合して使用することができる。
【0036】
上記固体触媒に対する上記外部電子供与体の使用量は、重合方法によって多少差異はあるが、触媒成分中のチタン原子に対する外部電子供与体中のシリコン原子のモル比が0.1〜500の範囲であるのが好ましく、1〜100の範囲であるのがより好ましい。もし、上記固体触媒成分中のチタン原子に対する外部電子供与体中のシリコン原子のモル比が0.1未満であると、生成されるプロピレン重合体の立体規則性が顕著に低くなり好ましくなく、500を超えると、触媒の重合活性が顕著に劣る問題点がある。
【0037】
上記プロピレン重合または共重合方法において、重合反応の温度は20〜120℃であることが好ましいが、重合反応の温度が20℃未満であれば、反応が十分に進行されないので好ましくなく、120℃を超えると、活性の低下が激しく、重合体の物性にも良くない影響を与えるので好ましくない。