(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769742
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】層間架橋を用いた固体電解コンデンサ
(51)【国際特許分類】
H01G 9/04 20060101AFI20150806BHJP
H01G 9/028 20060101ALI20150806BHJP
H01G 9/00 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
H01G9/05 G
H01G9/02 331F
H01G9/02 331G
H01G9/24 C
【請求項の数】22
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-34376(P2013-34376)
(22)【出願日】2013年2月25日
(65)【公開番号】特開2013-239698(P2013-239698A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2013年4月12日
【審判番号】不服2014-10891(P2014-10891/J1)
【審判請求日】2014年6月10日
(31)【優先権主張番号】61/603,635
(32)【優先日】2012年2月27日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511231986
【氏名又は名称】ケメット エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アントニー ピー. チャッコ
(72)【発明者】
【氏名】ダニー イゥ ホイ
【合議体】
【審判長】
水野 恵雄
【審判官】
酒井 朋広
【審判官】
関谷 隆一
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/014744(WO,A1)
【文献】
特開2011−082313(JP,A)
【文献】
特開2008−235906(JP,A)
【文献】
特開2006−100774(JP,A)
【文献】
特開2012−222345(JP,A)
【文献】
特開2007−086761(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/125490(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G9/00
H01G9/028
H01G9/052
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノードを準備する工程と、
前記アノード上に誘電体を形成する工程と、
前記誘電体上にカソードを形成する工程とを含む方法であって、
前記カソードは、少なくとも1つの中間層を備え、前記中間層の少なくとも1つは、導電性のポリマー層、炭素含有層、および金属含有層から選択され、少なくとも前記導電性のポリマー層および前記炭素含有層は、多官能基または複数の反応性基を有する、モノマー、オリゴマー、またはポリマーを備え、前記導電性のポリマー層または前記炭素含有層に隣接する前記中間層は、架橋可能官能基を有する分子を備え、
前記導電性のポリマー層の前記オリゴマーまたは前記ポリマーは、当該導電性のポリマー層に隣接する前記中間層の前記架橋可能官能基と反応して共有結合を形成し、
前記炭素含有層の前記オリゴマーまたは前記ポリマーは、当該炭素含有層に隣接する前記中間層の前記架橋可能官能基と反応して共有結合を形成し、
前記導電性のポリマー層と前記炭素含有層との境界にわたって、前記共有結合が形成される、固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項2】
前記導電性のポリマー層、前記炭素含有層、および前記金属含有層は、前記誘電体からこの順に形成されている、請求項1に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項3】
前記金属は、銀、銅、およびニッケルから選択される、請求項2に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項4】
前記反応性基は、ヒドロキシル、カルボン酸、エポキシ、アミン、無水物官能基、ポリエステル、ウレタン、アミド、イミド、およびエポキシ官能性分子から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項5】
前記中間層のうちの少なくとも前記導電性のポリマー層は、導電性のポリマー、好適には、ポリエチレンジオキシチオフェンを備えるカソード層である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項6】
前記架橋可能官能基は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミン、エポキシ、無水物、イソシアネート、イミド、およびアミドからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項7】
前記架橋可能官能基は、メラミン類、イソシアネート類、エポキシ類、ヘキサメトキシアミン類、架橋可能ポリエステル類、グリオキサル類、フルフラールアルデヒド類、およびメラミンホルムアルデヒド凝縮物類を備える化合物およびポリマーを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項8】
前記架橋可能官能基を有する前記分子は、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項9】
前記オリゴマーまたはポリマーは、3〜100(mgKOH/gの樹脂固体)という酸価を有するカルボン酸を備えるポリエステルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項10】
前記オリゴマーまたはポリマーは、20〜50(mgKOH/gの樹脂固体)という酸価を有するカルボン酸を備えるポリエステルである、請求項9に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項11】
前記オリゴマーまたはポリマーは、50〜100(mgKOH/gの樹脂固体)という酸価を有するカルボン酸を備えるポリエステルである、請求項10に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項12】
前記オリゴマーまたは前記ポリマーは、3〜200(mgKOH/gの樹脂固体)というヒドロキシ価を有するカルボン酸を備えるポリエステルである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項13】
前記オリゴマーまたは前記ポリマーは、50〜100(mgKOH/gの樹脂固体)というヒドロキシ価を有するカルボン酸を備えるポリエステルである、請求項12に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項14】
前記アノードは、好適には、Al、Ta、Nb、およびNbOからなる群から選択されるバルブ金属を備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項15】
少なくとも前記導電性のポリマー層および前記炭素含有層はさらに、反応性官能基を有する繊維の有機または無機の粒子を備え、または前記無機粒子は、ナノ粒子もしくはマイクロ粒子、または当該少なくとも前記導電性のポリマー層および前記炭素含有層に隣接する層の官能化ポリマーまたは官能化粒子のいずれかで架橋された1つの中間層の官能化粒子もしくは官能化繊維である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサを作製する方法。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法によって製造されたコンデンサ。
【請求項17】
アノードと、
前記アノード上の誘電体と、
前記誘電体上のカソードとを備え、
前記カソードは、少なくとも1つの中間層を備え、前記中間層の少なくとも1つは、導電性のポリマー層、炭素含有層、および金属含有層から選択され、少なくとも前記導電性のポリマー層および前記炭素含有層は、多官能基または複数の基を有する、モノマー、オリゴマー、またはポリマーを備え、前記導電性のポリマー層または前記炭素含有層に隣接する前記中間層は、架橋可能官能基を有する分子を備え、
前記導電性のポリマー層の前記オリゴマーまたは前記ポリマーは、当該導電性のポリマー層に隣接する前記中間層の前記架橋可能官能基と反応して共有結合を形成し、
前記炭素含有層の前記オリゴマーまたは前記ポリマーは、当該炭素含有層に隣接する前記中間層の前記架橋可能官能基と反応して共有結合を形成し、
前記導電性のポリマー層と前記炭素含有層との境界にわたって、前記共有結合が形成される、コンデンサ。
【請求項18】
少なくとも前記導電性のポリマー層は、化学的に重合化された導電性のポリマーと、電気化学的に重合化された導電性のポリマーと、予備重合化された導電性のポリマー分散物から形成された層とから選択される、請求項16および17のいずれか一項に記載のコンデンサ。
【請求項19】
少なくとも前記導電性のポリマー層および前記炭素含有層はさらに、反応性官能基を有する有機もしくは無機の粒子もしくは繊維、または炭素粒子充填ポリマー、金属粒子充填ポリマー、および導電性粒子充填ポリマー、または反応性官能基もしくは架橋可能基を有する繊維の粒子を備える、請求項16〜18のいずれか一項に記載のコンデンサ。
【請求項20】
前記分子は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ、ブチラール、およびフェノール酸からなる群から選択される、請求項16〜19のいずれか1項に記載のコンデンサ。
【請求項21】
前記ポリエステルは、3〜200の酸価と、3〜200のヒドロキシ価とを有する、請求項20に記載のコンデンサ。
【請求項22】
前記ポリマーは、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミン、ポリアミド、ポリイミド、シリコーンポリエステル、ヒドロキシル官能化シリコーン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、フェノール酸、エポキシ、ブチラール、コポリマー類から選択される、請求項16〜21のいずれか一項に記載のコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、2012年2月27日に出願された係属中の米国仮特許出願第61/603,635号に対する優先権を主張し、その米国仮特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、固体電解コンデンサを作製するための改善された重合化方法に関する。さらに具体的には、本発明は、固体電解コンデンサを形成する改善された方法と、その方法によって形成された改良型コンデンサとに関する。またさらに具体的には、本発明は、中間層を備えるコンデンサに関し、特にカソードの隣接中間層が、互いに架橋されることにより、改善されたESR安定性によって示されるような、改良型カソードを提供する。
【背景技術】
【0003】
固体電解コンデンサの構造および製造は、充分に実証されている。固体電解コンデンサの構造において、バルブ金属は、アノードとして働くことが好ましい。アノード本体は、高純度の粉末を圧縮および焼結することによって形成された多孔性ペレット、またはアノードの表面積を増加させるようにエッチングされたホイルのいずれかであり得る。バルブ金属の酸化物は、アノードの表面の全てを覆いコンデンサの誘電体として働くように電解的に形成される。固体カソード電解質は、典型的には、二酸化マンガン、もしくは7,7,8,8テトラシアノキノンジメタン(TCNQ)錯塩などの導電性有機物質、またはポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンやそれらの誘導体などの本質的に導電性のポリマーを含むように、非常に限定された部類の物質から選択される。固体カソード電解質は、誘電体表面の全てを覆い誘電体と直接密接に接触するように塗布される。固体電解質に加えて、固体電解コンデンサのカソード層は、典型的には、アノード本体の外側にあるいくつかの層からなる。表面設置構造の場合、これらの層は、典型的には、炭素層と、ポリマーまたは樹脂マトリックスに結合された、典型的には銀である高導電性金属を含有する層であり得るカソード導電層と、銀充填接着剤などの導電性接着剤層とを含む。固体カソード電解質と、導電性接着剤と、それらの間の層とを含む層は、本明細書において、ひとまとめにしてカソード層と呼ばれ、カソード層は、典型的には、片面で誘電体への接着を可能にし、もう片面でカソードリードへの接着を可能にするように設計された複数の中間層を含む。高導電性金属リードフレームは、陰極の終端に対するカソードリードとして使用される場合が多い。様々な層が、固体電解質を外部回路に接続し、また、その後の処理、基板の設置、またはユーザによる使用の間に生じ得る熱機械的な損傷から誘電体を保護するように働く。
【0004】
導電性ポリマーカソードの場合において、導電性ポリマーは、典型的には、化学酸化重合、電気化学酸化重合によって塗布されるか、または予備重合化分散物の浸漬、噴霧、もしくは印刷によって塗布されるかのいずれかで塗布される。
【0005】
炭素層は、固体電解質と銀層との間の化学バリアとして働く。炭素層に必須の特性は、下層への接着と、下層を湿らせることと、均一な被覆と、下層への透過と、バルク導電率と、界面抵抗と、銀層との適合性と、強度の増加と、機械特性とを含む。
【0006】
好適には銀層であるカソード導電層は、リードフレームからカソードに電流を導電し、リードフレームに直接的には接続されていない側面までカソードの周りに電流を導電するように働く。この層に必須の特質は、高導電性と、炭素層に対する接着強度と、炭素層を湿らせることと、許容可能な機械特性とである。
【0007】
今日、ほとんど全ての電子構成要素は、回路基板や表面設置技術(SMT)構成要素のはんだ付け可能な終端上の銅パッド間に塗布されるはんだペーストをリフローで接合するのに充分な温度に基板と構成要素との両方を赤外線(IR)加熱または対流加熱することによって、回路基板の表面に設置される。表面設置技術の結果、回路基板上の各SMT構成要素は、はんだ付け温度にさらされることとなる。はんだ付け温度は、通常、一分近くの間、180℃を超える温度になり、典型的には230℃を超え、多くの場合に最高で250℃を超える温度になる。コンデンサの構成に使用される材料が、そのような高温に弱い場合には、ESRにかなりの正のシフトを見ることは珍しいことではなく、その正シフトは、回路の性能に負のシフトをもたらす。SMTリフローはんだ付けは、温度が安定したESRを有するコンデンサに対する必要性の下でかなりの原動力となる。
【0008】
コンデンサの等価直列抵抗(ESR)の安定性は、カソード層と、カソード導電層と、導電性接着剤と、リードフレームとの間の界面が、熱機械的応力の間、良好な機械的完全性を有することを必要とする。固体電解質コンデンサは、組み立て、成形、基板設置リフローなどの間に様々な熱機械的応力にさらされる。基板設置の間、コンデンサは、250℃を超える温度にさらされる。これらの高い温度が、界面間の熱膨張係数(CTE)の不整合により、界面で応力を作り出す。結果として生じる応力は、界面の機械的な弱体化をもたらす。一部の場合において、この機械的な弱体化が、層間剥離をもたらす。界面間のあらゆる物理的な分離が、界面間の電気抵抗を増加させ、したがって、完成したコンデンサのESRを増加させる。
【0009】
参照により本明細書に組み込まれる特許文献1は、コンデンサのESR安定性を改善する方法を教示している。特許文献1に記載された材料の組み合わせは、ある程度のESR安定性を提供するが、その方法は、依然として、基板設置条件の間に数ミリオームだけESRを上昇させる。
【0010】
参照により本明細書に組み込まれる特許文献2において、Hahnらは、ポリマー含浸溶液の漏れや散逸率を改善するためにポリマー含浸溶液中にシラン結合剤を組み込むことによって酸化多孔性ペレットアノードへの導電性ポリマーフィルムの接着が改善される電解コンデンサを開示している。参照により本明細書に組み込まれる特許文献3は、共有結合によって導電性ポリマー層と誘電体層との両方に結合させることが出来る、導電性ポリマー層と誘電体層との間の結合層を提供し、接着を改善し、それらの間に空隙を形成するのを妨げることにより、固体電解コンデンサの電気性能と信頼性とを改善することによって改良型電解コンデンサを提供することを主張する。
【0011】
参照により本明細書に組み込まれる特許文献4に記載されたコンデンサにおいて、導電性接着剤層とカソード端子とは、有機シラン層と導電性接着剤層との間の化学結合が形成されると、有機シラン層を通じて接続される。発明者は、これが、導電性接着剤層と電極との接着特性を向上させることにより、ESRを改善することを主張する。
【0012】
参照により本明細書に組み込まれる特許文献5において、ESRは、第1の電解質層上に有機シランを含有する中間層を形成し、中間層上に導電性ポリマーを含有する第2の電解質層を形成する工程によって改善される。
【0013】
参照により本明細書に組み込まれる特許文献6において、シラン化合物が、導電性ポリマー溶液に添加される。発明者らは、シラン化合物が、架橋効果により導電性ポリマー鎖の結合を強化することを主張する。
【0014】
参照により本明細書に組み込まれる特許文献7は、カソード層を絶縁接着強化層に提供することによってコンデンサのESR安定性を改善する方法を教示している。この方法は、多くの固体電解コンデンサに優れたESR安定性を与えるが、この方法は、様々な種類の、誘電体材料、カソード材料、および組み立てプロセスを有するコンデンサに対して普遍的に適用可能ではない。
【0015】
参照により本明細書に組み込まれる特許文献8において、ポリマーカソード外側層が、ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルフォン酸(PEDT:PSSA)などの導電性ポリマーの粒子と結合剤とを備える分散物を塗布することによって生成される。しかしながら、この方法は、ESRが、例えばコンデンサのはんだ付けの間に生み出されるような熱的負荷の下で著しく上昇するという欠点を有する。参照により本明細書に組み込まれる特許文献9において、発明者らは、ESR安定性は、1nm〜60nmの範囲の平均粒径を有する、導電性ポリピロールおよび/またはポリアニリンおよび/またはポリチオフェンの粒子、特に、導電性ポリチオフェンの粒子と結合剤とを備える分散物によって、固体電解質とポリマー外側層との間にポリマー中間層を塗布することによって改善することが出来ると主張する。
【0016】
PEDT:PSSAなどの水分散性導電性ポリマー分散物コーティングを含有する固体電解コンデンサは、SMT条件にさらされた際に異常に高いESRシフトを示す。参照により本明細書に組み込まれる特許文献10において、発明者らは、導電性ポリマー分散物を含有するPSSAのESR不安定性をPSSAの脱ドーピングに原因があるとしている。発明者らは、PSSAの脱ドーピングが、追加のナフタリンスルホン酸を添加することによって抑えられることが出来ることを発見した。
【0017】
従って、改善されたESRやESR安定性を有する固体電解コンデンサのためのプロセスに対する必要性が存在する。コンデンサ部品が表面設置温度の間に安定したESRを有することが特に必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第6,304,427号明細書
【特許文献2】米国特許第6,072,694号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0162815号明細書
【特許文献4】米国特許第7,489,498号明細書
【特許文献5】米国特許第7,800,887号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2010/0136222号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2011/0026191号明細書
【特許文献8】米国特許第6,987,663号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2011/0019339号明細書
【特許文献10】米国特許第7,379,290号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、改良型固体電解コンデンサを提供することである。
【0020】
本発明の目的は、固体電解コンデンサカソードを作製する改善された方法と、それによって形成される改良型固体電解コンデンサとを提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、コンデンサの様々な層の中間層架橋によってコンデンサのESR安定性を改善することである。
【0022】
本発明の別の目的は、反応性結合剤または架橋剤を含有するカソード層を作製することである。
【0023】
本発明の別の目的は、反応性官能基を有する結合剤を含有するカソード層を作製することである。
【0024】
本発明の別の目的は、隣接層の反応性結合剤と架橋することが出来る架橋剤を含有するカソード層を作製することである。
【0025】
本発明の別の目的は、反応性多官能基を有する結合剤を含有する隣接層と反応することが出来る、反応性多官能基を有する結合剤を含有するカソード層を作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
SMTリフロー条件にさらされた際にESR安定性を改善することによって、特別な利点がもたらされる。
【0027】
これらの利点や他の利点が、固体電解コンデンサを作製するための方法にもたらされることが理解されるであろう。本方法は、
アノードを提供する工程と、
アノード上に誘電体を形成する工程と、
誘電体上にカソードを形成する工程とを含む方法であって、カソードは中間層を備え、少なくとも1つの中間層は、多官能基または多数の反応基を有する、モノマー、オリゴマー、またはポリマーを備え、隣接層は、架橋可能官能基を有する分子を備え、
1つの層上の、多官能基または多数の反応基を有するオリゴマーまたはポリマーは、隣接層の架橋可能官能基と反応する。
【0028】
さらに別の利点は、アノードとアノード上の誘電体とを有するコンデンサにもたらされる。カソードは、誘電体上にあり、カソードは中間層を備え、少なくとも1つの中間層は、多官能基または多数の基を有する、モノマー、オリゴマー、またはポリマーを備え、隣接中間層は、多官能基または多数の基に架橋される分子を備える。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】本発明の一実施形態の概略的部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本願発明は、固体電解コンデンサを作製する方法と、コンデンサの隣接層間で架橋する中間層、具体的には、隣接カソード中間層間で架橋する中間層を有する固体電解コンデンサとに関する。さらに詳細には、本願発明は、コンデンサの様々な層間で架橋する中間層、具体的には、様々なカソード中間層間で架橋する中間層の使用によって達成される、改善されたESRを有する固体電解コンデンサに関する。
【0031】
本発明は、様々な図面を参照して記載される。図面は、本開示の非限定的で不可欠な構成要素を形成する。本開示全体を通して、同様な要素は、それに応じて番号を与えられる。
【0032】
本発明の一実施形態が、
図1の概略的側面断面図に示されている。
図1において、概略的に10で表されるコンデンサは、アノード・リード・ワイヤ14を有するアノード12を備え、アノード・リード・ワイヤは、アノードから延伸するか、またはアノードに取り付けられる。アノード・リード・ワイヤは、好適には、アノードリード16と電気接触する。誘電体18は、アノード上に形成され、好適には、誘電体は、少なくともアノードの一部分、好適にはアノード全体を包む。カソード20は、誘電体上にあり、カソードとアノードとが、直接電気接触していないという条件で、誘電体の一部分を包む。カソードリード22は、カソードと電気接触する。多くの実施形態において、不導電性樹脂24内にコンデンサを包むことが好ましく、当業者には容易に理解できるように、少なくともアノードリードおよびカソードリードの一部分が、回路基板への取り付けのために露出される。カソードは、本明細書においてさらに詳細に記載されるように、互いに架橋された複数の中間層を備える。
【0033】
本発明の一実施形態が、
図2の概略的部分断面図に示されている。
図2において、カソード20は、概略的に描かれた複数の中間層201〜204を備え、カソードは、誘電体18上に形成される。隣接中間層の架橋可能官能基は、架橋する層または架橋される層と当該分野で呼ばれる隣接中間層間で共有結合26を形成するように反応させられる。それらに限定されることなく、カソード中間層は、好適には、導電性ポリマー層、炭素含有層、および金属含有層から選択され、最も好適には、記載された順番で選択される。特定の好適な実施形態において、第1の中間層201は、現場重合によって、または浸漬の間に少なくとも部分的な乾燥を伴う導電性ポリマーのスラリー中への浸漬を繰り返すことによって、のいずれかで形成された少なくとも1つの導電性ポリマー層である。ポリマーカソードにリードフレームまたは外部終端をはんだ付けすることが困難であることは、充分に理解されている。従って、はんだ接着を可能にする導電性中間層を提供することが、当該分野において標準的になっている。好適には少なくとも1つの炭素中間層である第2の中間層202は、典型的には、導電性ポリマー中間層201に塗布される。炭素中間層または一連の炭素中間層は、導電性ポリマー中間層への接着を提供し、好適には少なくとも1つの金属含有中間層である第3の中間層203が上に適切に接着する層を提供する。特に好適な金属層は、銀、銅、またはニッケルを備える。金属中間層が、はんだ付け可能層であることにより、カソードリード22などの外部終端が、はんだ付けまたは接着中間層204などによってコンデンサのカソード側に取り付けられることを可能にする。特に好適な実施形態において、架橋は、炭素中間層と導電性ポリマー中間層との間で生じる。
【0034】
本発明の一実施形態が、
図3のフロー図の形態で示されている。
図3において、本願発明の固体電解コンデンサを形成する方法が説明される。
図3において、アノードが32で提供される。誘電体が、34でアノードの表面に形成され、特に好適な誘電体は、アノードの酸化物である。カソード層が、36で形成され、カソードは、複数の中間層を備える。中間層は、少なくとも1つの本質的に導電性のポリマー層と、少なくとも1つの炭素含有層と、少なくとも1つの金属含有層とを含み得る。少なくとも1つの中間層は、架橋可能官能基を備え、隣接中間層は、多官能基または複数の反応基を備える。特に好適な実施形態において、本質的に導電性のポリマー層を備える第1の中間層は、炭素を備える第2の中間層と架橋される。特に好適な別の実施形態において、炭素を備える第1の中間層が、金属を備える第2の中間層と架橋される。アノードリードとカソードリードとは、38でアノードとカソードとにそれぞれ取り付けられ、コンデンサは、必要に応じてではあるが、40で包まれてテストされるのが好ましい。
【0035】
架橋する隣接中間層は、架橋可能官能基を備えるように構成され、1つの中間層の架橋可能官能基が、隣接中間層の架橋可能官能基と架橋されることが出来ることにより、2つの隣接中間層の境界にわたって広がる共有結合を形成する。
【0036】
このように、本発明は、1つの中間層において架橋可能官能基を分子、オリゴマー、またはポリマーに提供し、隣接中間層において架橋可能官能基、好適には、多官能基または複数の反応基を別の分子、オリゴマー、またはポリマーに提供することによって、ESR安定性を改善するためのプロセスを提供する。典型的には熱硬化である硬化条件にさらされると、隣接中間層の架橋可能分子が互いに反応することにより、両方の隣接中間層に不可欠な強固な共有結合相互貫入網目構造を形成する。この非常に強化された接着により、カソード中間層は、表面設置温度にさらされた時に、層間剥離に抵抗する。
【0037】
中間層の架橋可能材料は、好適には、2つの成分を備え、1つの成分は、好適には、多官能基または複数の反応基を有する、化合物、オリゴマー、またはポリマーである。2番目の成分は、好適には、架橋可能官能基を有する分子であり、架橋可能官能基は、好適には、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミン、エポキシ、無水物、イソシアネート、イミドおよびアミド、カルボキシル、カルボン酸無水化物、シラン、オキサゾリン、(メタ)アクリレート類、ビニル類、マレイン酸エステル塩類、マレイミド類、イタコネート類、アリルアルコールエステル類、ジシクロ−ペンタジエンを基にした不飽和物類、不飽和C
12−C
22脂肪酸エステル類またはアミド類、カルボン酸塩類、または第4級アンモニウム塩類からなる群から選択される。
【0038】
一実施形態において、本発明は、中間層の架橋可能材料システムを備える固体電解コンデンサを含み、多官能反応基を備えるオリゴマーまたはポリマーは、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミン、ポリイミド、シリコーンポリエステル、ヒドロキシル官能化シリコーン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、フェノール酸、エポキシ、ブチラール、これらのコポリマー、またはエポキシ/アミン、エポキシ/無水物、イソシアネート/アミン、イソシアネート/アルコールなどの、これらの多官能性ポリマーの混合物、不飽和ポリエステル類、ビニルエステル類、不飽和ポリエステルとビニルエステルとの混合物類、不飽和ポリエステル/ウレタンハイブリッド樹脂類、ポリウレタン−ウレア類、反応性ジシクロペンタジエン樹脂類、または反応性ポリアミド類からなる群から選択される。多官能基または複数の反応性基を有するオリゴマーまたはポリマーは、好適には、少なくとも1つのカルボン酸基と少なくとも1つのヒドロキシル官能基とを含む。多官能性反応基を有する、特に好適なオリゴマーまたはポリマーは、カルボン酸官能基とヒドロキシル官能基を含有するポリエステルである。オリゴマー類またはポリマー類に加えて、表面官能基を有する粒子もまた、中間層架橋に追加することが出来る。粒子は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミン、エポキシ、無水物、イソシアネート、イミド、アミド、カルボキシル、カルボン酸無水化物、シラン、オキサゾリン、(メタ)アクリレート類、ビニル類、マレイン酸エステル塩類、マレイミド類、イタコネート類、アリルアルコールエステル類、ジシクロ−ペンタジエンを基にした不飽和物類、不飽和C
12−C
22脂肪酸エステル類またはアミド類、カルボン酸塩類、または第4級アンモニウム塩類からなる群から選択される官能基を有する。粒子は、ナノ粒子またはミクロ粒子であり得る。官能化ナノ粒子の一例は、有機修飾ナノクレイである。
【0039】
約3〜約200(mgKOH/gの樹脂固体)という酸価を有するカルボン酸を備えるポリエステルが、多官能性反応基を有する特に好適なオリゴマーまたはポリマーである。さらに好ましいものは、約3〜約100(mgKOH/gの樹脂固体)という酸価を有するカルボン酸を備えるポリエステルであり、さらにまた好ましくは、約20〜約50または約50〜約100(mgKOH/gの樹脂固体)である。
【0040】
約
3〜約200(mgKOH/gの樹脂固体)というヒドロキシ価を有するカルボン酸を備えるポリエステルが、多官能性反応基を有する特に好適なオリゴマーまたはポリマーであり、またさらに好適なものは、約50〜約100(mgKOH/gの樹脂固体)というヒドロキシ価を有するカルボン酸を備えるポリエステルである。
【0041】
一実施形態において、本発明は、ポリエステルを備える固体電解コンデンサを含み、ポリエステルのヒドロキシ価が、約3〜約100(mgKOH/gの樹脂固体)である。
【0042】
架橋可能官能基を有する特に好適な分子は、メラミン類、イソシアネート類、エポキシ類、ヘキサメトキシメラミン類、グリオキサル類、フルフラールアルデヒド類、およびメラミンホルムアルデヒド凝縮物類を備える化合物およびポリマーを含む。その化合物およびポリマーはさらに、追加の架橋可能官能基を備えてもよい。特に好適な架橋剤は、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミンである。
【0043】
好適な実施形態において、少なくとも1つの中間層はさらに、反応性官能基を有する有機もしくは無機の粒子もしくは繊維、または炭素粒子充填ポリマー、金属粒子充填ポリマー、および導電性粒子充填ポリマー、または反応性官能基もしくは架橋可能基を有する繊維の粒子を備える。
【0044】
アノードは、好適には金属または導電性金属酸化物から選択される導体である。さらに好適には、アノードは、好適にはAl、W、Ta、Nb、Ti、Zr、およびHfから選択されるバルブ金属の混合物、合金、または導電性酸化物を備える。最も好適には、アノードは、Al、Ta、Nb、およびNbOからなる群から選択される少なくとも1つの材料を備える。実質的にTaからなるアノードが、最も好ましい。導電性ポリマー材料が、アノード材料として利用されてもよい。特に好適な導電性ポリマーは、ポリピロール、ポリアニリン、およびポリチオフェンを含む。
【0045】
カソードは、好適には、二酸化マンガンと導電性ポリマー材料とのうちの少なくとも1つを備える導体である。特に好適な導電性ポリマーは、最も好適には、ポリピロール、ポリアニリン、およびポリチオフェンから選択される本質的に導電性のポリマーを含む。金属が、カソード材料として利用することができ、バルブ金属は、あまり好ましくない。カソードは、複数の中間層を含んでもよく、接着層が、導体と終端との間の接着を改善するために利用される。特に好適な接着中間層は、結合剤に、炭素、銀、銅、または他の導電性材料を含む。
【0046】
誘電体は、本明細書においては特に限定されない非導電層である。誘電体は、金属酸化物またはセラミック材料であってもよい。形成の簡単さと使用の容易さとの観点から、特に好適な誘電体は、金属アノードの酸化物である。
【0047】
アノード・リード・ワイヤは、抵抗が低く、アノード材料と適合性があるように選択される。アノード・リード・ワイヤは、アノード材料、またはアノード材料の導電性酸化物と同じであってもよい。特に好適なアノード・リード・ワイヤは、Ta、NbおよびNbOを含む。犠牲リードワイヤは、アノード・リード・ワイヤと同じ材料を備えてもよい。誘電体の電解質形成が所望される時には、犠牲リードワイヤは、導電性が高く、電気抵抗が低いことが好ましい。アノード・リード・ワイヤおよび犠牲リードワイヤの形状は、特に限定されない。好適な形状は、円形、楕円形、長方形、およびそれらの組み合わせを含む。アノード・リード・ワイヤの形状は、最終的なコンデンサの最適な電気特性で選択される一方、犠牲リードワイヤの形状は、アノードを動かす時の強度で選択される。
【0048】
誘電体は、好適には、電気化学的変換を用いて陽極酸化溶液にアノードを浸漬することによって形成される。あるいは、誘電性前駆体は、噴霧または印刷することによって塗布することができ、その後に、層を形成するための焼結が続く。誘電体が、アノード材料の酸化物である場合には、浸漬が好適な方法であるが、誘電体が、セラミックなどの別の材料である場合には、噴霧技術または被覆技術が好ましい。
【0049】
カソードは、好適には、導体または導電性前駆体のいずれかを浸漬、被覆、または噴霧することによって形成される。導電性前駆体は、加熱または活性化の後に導体を形成する材料である。
【0050】
架橋可能官能基と架橋剤との反応は、コンデンサ製造の通常の処理工程の間に生じる高い温度で生じる。
【実施例】
【0051】
(比較例1)
2つの異なる組のアノードを使用する一連のタンタルアノードを作製した。タンタルアノード上に誘電体を形成するためにタンタルを陽極酸化させた。このように形成されたアノードを1分間トルエンスルホン酸鉄(III)酸化剤の溶液中に浸漬し、続けて、1分間エチルジオキシチオフェンモノマー中に浸漬した。アノードの誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄い中間層を形成する60分の重合化の完了後、余分なモノマーや反応副産物を除去するためにアノードを洗浄した。このプロセスを6回繰り返した。厚い外側ポリマー中間層を形成するために、市販の導電性ポリマー分散物(Clevios KV2)を2回〜4回塗布した。先行技術のグラファイトコーティングを塗布し、次に、銀の中間層を塗布した。部品を組み立て、表面設置前後のESRを測定した。
【0052】
(比較例2)
ポリエステル結合剤を用いて導電性ポリマー分散物を調製することを除いて、比較例1と同じ方法で、部品を作製した。従来技術のグラファイトコーティングを塗布し、次に、銀の中間層を塗布した。部品を組み立て、表面設置前後のESRを測定した。
【0053】
(実施例1)
2つの異なる組のアノードを使用する一連のタンタルアノードを作製した。タンタルアノード上に誘電体を形成するためにタンタルを陽極酸化させた。このように形成されたアノードを1分間トルエンスルホン酸鉄(III)酸化剤の溶液中に浸漬し、続けて、1分間エチルジオキシチオフェンモノマー中に浸漬した。アノードの誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄い中間層を形成する60分の重合化の完了後、余分なモノマーや反応副産物を除去するためにアノードを洗浄した。このプロセスを6回繰り返した。厚い外側層を形成するように、カルボキシル官能基とヒドロキシ官能基とを有する結合剤を含有する本発明の導電性ポリマー分散物を2回〜4回塗布した。多官能性架橋剤として、ヘキサメトキシメラミンを含有する炭素をポリマー層に塗布した。両方の基上に銀層を塗布した。部品を組み立て、表面設置前後のESRを測定した。
【0054】
(実施例2)
2つの異なる組のアノードを使用する一連のタンタルアノードを作製した。タンタルアノード上に誘電体を形成するためにタンタルを陽極酸化させた。このように形成されたアノードを1分間トルエンスルホン酸鉄(III)酸化剤の溶液中に浸漬し、続けて、1分間エチルジオキシチオフェンモノマー中に浸漬した。アノードの誘電体上に導電性ポリマー(PEDOT)の薄い層を形成する60分の重合化の完了後、余分なモノマーや反応副産物を除去するためにアノードを洗浄した。このプロセスを6回繰り返した。厚い外側層を形成するように、カルボキシル官能基とヒドロキシ官能基とを有する結合剤を含有する本発明の導電性ポリマー分散物を2回〜4回塗布した。カルボキシル官能基とヒドロキシル官能基とを有する結合剤を含有する炭素層をポリマー層に塗布した。両方の基上に銀層を塗布した。部品を組み立て、表面設置(SMT)の前(QC最終)と後とのESRを測定した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
本発明は、好適な実施形態を参照して記載してきたが、それらには限定されない。当業者は、本明細書に添付された特許請求の範囲にさらに具体的に述べられるように、本明細書に具体的には記載されていないが本発明の範囲内に含まれるさらなる実施形態や改善を理解するであろう。