(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の発熱素子がライン状に配設されてなり、媒体に対しイメージバッファに描画されたデータに基づき1ライン毎に印字を行うサーマルヘッドを駆動するサーマルヘッド駆動部と、
前記媒体を搬送するためのモータ駆動部と、
通常モードと節電モードとを切り替えるモード切替部と、
前記イメージバッファに描画されたデータから予め1ライン毎の印字ドット数を抽出し、1ライン当たりの消費電力量に換算して予測消費電力量とする予測消費電力量演算部と、
外部入力された値を前記予測消費電力量に対する上限値とする電力量設定部と、
前記節電モードの信号が入力された場合に、前記予測消費電力量演算部と前記電力量設定部から前記予測消費電力量と前記上限値をそれぞれ取得し、前記予測消費電力量と前記上限値とを比較する電力量比較部と、
前記予測消費電力量が前記上限値を超える場合に、前記上限値以下となるよう前記サーマルヘッド駆動部および前記モータ駆動部に対し消費電力量を抑制するよう制御する消費電力量抑制部とを備え、
前記モード切替部は、外部入力により設定された時間帯に節電モードに切り替わることを特徴とするプリンタ。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリンタは印字内容により消費電力が異なる場合があり、特に熱転写や感熱プリンタでは印字率(印字ドット数/発熱素子数)が大きいほど消費電力量が大きい。
【0003】
このようなプリンタにおいて、商用AC電源を使用する機種についてはコンセントのW数以内に入っていれば動作時の消費電力の変動に気を配る必要はない。しかしながら、昨今の電力会社からの電力抑制や輪番停電の措置により、以下の問題が浮上してきた。
【0004】
即ち、突然の停電を考慮し、無停電電源装置(Uninterruptible Power Supply、以下「UPS」ともいう。)を使用する場合には消費できる電力量に制限を受ける場合があること、プリンタの消費電力量を抑えたいが従来のプリンタでは使用者が消費電力量を自由に決めることができない等である。
【0005】
一方、このような電力量の制限された環境下で一番電力効率のよい印字速度で印字処理を行いたいという要請がある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態に係るプリンタについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は本発明の一例に過ぎず、各部の構成は本発明の趣旨を達成できるものであれば、その範囲で適宜変更や修正を行えることを勿論である。また、以下の説明において同一の符号が使われている場合、その同一の符号は、同様の構成・機能を有していることを意味する。
【0014】
図1は、本実施形態に係るプリンタの要部構成を示すブロック図であり、
図2は本実施形態に係るプリンタの機能ブロック図を示し、
図3及び
図4は、本実施形態に係るプリンタの動作のフローチャートを示し、
図5は、本実施形態に係るプリンタの各モードにおける消費電力量と印字動作の関係を示し、(a)は通常モード中における消費電力量と印字動作の関係を、(b)は節電モードにおける消費電力量と印字動作の関係を示している。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係るサーマルプリンタ100は、各部の制御を行うCPU1を備え、CPU1にはROM2と、RAM3と、プリンタ100の各種設定等の操作を行うユーザインターフェース4と、各種情報を表示するディスプレイ5と、印字媒体を搬送する等のモータ6と、プリンタ100内において搬送される印字媒体の位置を検知するセンサ7と、印字媒体の印字面を加熱して印字を行うサーマルヘッド8と、商用AC電源に代わり電源を供給するための無停電電源9と、他のデバイスと通信を行う通信装置10がバス11を介して接続されている。
【0016】
ROM2は、プリンタの動作させるための制御プログラム等を記憶しており、通常動作を行うプログラムや、後述の節電動作を行うプログラム等が記憶されている。RAM3は、各種のデータを書き換え可能に記憶し、ラベルデータのイメージが展開されるイメージバッファ12(
図2に図示)を有している。イメージバッファ12は、ラベル等に印字するイメージを描画するものであり、例えば2次元コードやキャラクター等が描画される。イメージバッファ12は、所定の媒体サイズに合わせたものとなっており、イメージバッファに描画されたデータが1ライン毎にサーマルヘッド8に転送され、印字が行われる。
【0017】
ユーザインターフェース4は、ユーザによって操作される各種設定用の操作ボタン、テンキー又はタッチパネル等で構成され、ユーザインターフェース4からの信号はCPU1へ入力される。ディスプレイ5は、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイの他、各種ステータスをユーザに知らせるためのLED等で構成されている。
【0018】
モータ6は、供給される駆動パルスの周期によって回転速度が可変なパルスモータであり、搬送ローラ等を回転させることで印字媒体を搬送する。モータ6は、モータ駆動部13(
図2に図示)により所定の速度で回転する。センサ7は、例えば印字媒体が所定の箇所にセットされているか否かを検知する印字媒体センサ、印字媒体の先端や後端を検知するエッジセンサやサーマルヘッド8の温度を検知するサーミスタ等である。センサ7からの信号はCPU1へ入力される。
【0019】
サーマルヘッド8は、ライン状に配列された多数の発熱素子を有し、これら発熱素子への通電タイミングを制御して、印字媒体に印字パターンを形成する印字処理を行うものである。印字パターンは、RAM3に格納されているイメージバッファ12に描画されたデータに基づくもので、サーマルヘッド8は、サーマルヘッド駆動部14(
図2に図示)により印字媒体に印字するよう駆動する。また、サーマルヘッド8は、各発熱素子を複数のブロックに分け、ブロック毎に通電制御を行うことができるようになっている。
【0020】
無停電電源9は、停電等により商用電源からの電源供給が遮断した時に所定の時間電源供給を行うものである。無停電電源9は、コンピュータ等に用いられているものと同様の装置であり、バッテリ部の他、商用電源の遮断を検知する商用電源監視部15(
図2に図示)を有し、商用電源監視部15は商用電源の遮断を検知した場合にCPU1に電源が遮断された旨の信号(以下、「停電信号」とも言う。)を出力する。この信号が入力されたCPU1は無停電電源9のバッテリ部からの電源が各所に供給されるよう制御する。
【0021】
一方、商用電源からの電源供給が再開された場合には、商用電源監視部15はCPU1に電源が再開された旨の信号を出力し、無停電電源9からの電源供給から商用電源からの電源供給へ戻る。また、無停電電源9は自動的にシャットダウンを行う機能を有しており、シャットダウンを行う旨の信号(以下、「終了モード信号」とも言う。)をCPU1に出力することにより、CPU1は電力事情によりプリンタが印字動作できない状態、または、印字データを受信しても、現在シャットダウン中である等を通知して印字データを受けない、又は印字データを受信してもRAM3にデータを保存し、商用電源からの供給が再開し、印刷可能な状態になった場合に印字を行うよう設定できるこれに、ホストからのデータの欠損をなくすことができる。
【0022】
通信装置10は、他のデバイスと有線、又は無線により通信を行うものであり、例えばコンピュータからラベルデータをプリンタ100に送信等をすることができる。
【0023】
図2は、本実施形態に係るプリンタ100の機能構成のブロック図を示している。
図2に示すように、本実施形態に係るプリンタ100は、モード切替部16と、予測消費電力量演算部17と、電力量設定部18と、電力量比較部19と、消費電力量抑制部20を有し、消費電力抑制部はモータ駆動部13と、サーマルヘッド駆動部14に接続されている。なお、
図2において消費電力量抑制部20は、モータ駆動部13とサーマルヘッド駆動部14にのみ接続された態様を示しているが、これらに限定されず、例えばディプレイ等の電力を消費する他の各部と接続しているのは勿論である。
【0024】
モード切替部16は、消費電力量を制限されず通常の処理動作を行うモード(以下、「通常モード」とも言う。)、所定の消費電力量で処理動作を行うモード(以下、「節電モード」とも言う。)およびシャットダウンの処理動作を行うモード(以下、「終了モード」とも言う。)を切り替えるものであり、無停電電源9の商用電源監視部15からの信号、又はユーザインターフェースからの入力信号に基づきモード切り替えが行われる。モード切替部16は、処理動作を行うモードが切り替わる毎にその信号を電力量比較部19に出力する。なお、プリンタに内蔵されるRTC(real time clock)21に基づき、日付、時間等を把握することができるため、所定の時間帯に節電モードに切り替わる設定とすることもできる。このような設定は、ユーザインターフェース4により設定することができる。
【0025】
予測消費電力量演算部17は、ラベル等のデータが展開されたイメージバッファ12から1ライン当たりの印字するドット数を抽出して消費電力量に換算し、1ライン当たりの予測消費電力量とするものである。予測消費電力量の値は消費電力量比較部19へ出力される。なお、他の機能デバイスについての消費電力量を予め計算しておくことで、印字するデータが変化しても1ライン当たりに消費する電力量を推測できる。
【0026】
電力量設定部18は、節電モード中におけるサーマルヘッド8の1ライン当たりの消費電力量の上限値(閾値)を設定するものである。上限値(閾値)の設定は、ユーザがユーザインターフェース4により設定できる。電力量設定部18は、この上限値(閾値)を消費電力量比較部19へ出力する。
【0027】
電力量比較部19は、予測消費電力量演算部17で算出された1ライン毎の消費電力量と電力量設定部18で設定された上限値(閾値)とを比較するものである。モード切替部16から節電モード信号が入力されると、予測消費電力量演算部17から1ライン毎の予測消費電力量を取得すると共に電力量設定部18から上限値(閾値)を取得し、予測消費電力量と上限値(閾値)との比較処理を行う。予測消費電力量が上限値(閾値)を超える場合には消費電力抑制部20にその信号を出力する。一方、モード切替部16から通常モード信号が入力されると、上記比較処理を停止する。
【0028】
消費電力量抑制部20は、予測消費電力量が上限値(閾値)を超えないよう消費電力量を調整するものであり、電力量比較部19から信号が入力されると、その信号に基づき、その上限値(閾値)を超えた分の消費電力量を上限値(閾値)以下に抑制するよう制御する。プリンタでは印字処理が最も電力を消費し、サーマルヘッドの1ライン当たりの消費電力量は印刷イメージやサーマルヘッド自体への熱量コントロールにより変化する。そこで、具体的には、上限値(閾値)を超えた印字ラインについて印刷速度を遅くするようモータ駆動部13の制御や時分割印字等のサーマルヘッド駆動部14の制御等を行う。
【0029】
次に、本実施形態に係るプリンタの動作について
図3及び
図4を参照して詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係るプリンタの所定の時間帯に節電モードとなる場合におけるフローチャートを示している。
【0030】
先ず、プリンタ起動後、ユーザによりユーザインターフェース4にて節電モードで動作する時間帯および消費電力量の上限値(閾値)が設定される(S101)。モード切替部16は、RTC21に基づいて時間を把握しており、設定された時間帯になるまで節電モードへの切り替えは行わないため、プリンタ100は、通常モードでの印字処理を行う(S102、S103)。モード切替部16は、設定した時間に通常モードから節電モードに切り替え(S104)、節電モードによる印字処理に移行する(S200)。
【0031】
モード切替部16は節電モードに切り替わると、節電モードに切り替わった旨の信号(以下、「節電モード信号」とも言う。)を電力量比較部19へ出力する(S201)。電力量比較部19は、節電モード信号が入力されると電力量設定部17から予めユーザが入力した上限値(閾値)と、消費電力量演算部17で演算された1ライン毎の予測消費電力量を取得する(S202)。電力量比較部19は、取得した予測消費電力量と上限値の値を比較する(S203)。電力量比較部19は、2つの値を比較した結果、予測消費電力量が上限値(閾値)を超える場合には、その信号を消費電力量抑制部20に出力する(S204)。消費電力量抑制部20はその信号が入力されると、その信号に基づいて消費電力量が上限値(閾値)を以下になるようその印字ラインについて印刷速度を遅くするようモータ駆動部13の制御や時分割印字等のサーマルヘッド駆動部14の制御等を行う(S205)。
【0032】
設定した節電モード時間が終了すると、モード切替部16は節電モードから通常モードに切り替わり(S206)、通常モードによる印字処理に移行する(S102へ)。これに合わせてモード切替部16は、電力量比較部19に通常モード信号を出力する。電力量比較部19は、通常モード信号が入力されると、電力量の比較処理動作を停止し、また予測電力量演算部17からの予測消費電力量の取得も行わない。
【0033】
図4は、本実施形態に係るプリンタの停電等により商用電源から無停電電源に切り替わった場合におけるフローチャートを示している。
先ず、プリンタ起動後、ユーザによりユーザインターフェース4にて消費電力量の上限値(閾値)が設定される(S301)。プリンタ100は、通常モードで動作しており(S302)、無停電電源9に内蔵されている商用電源監視部15は、商用電源の遮断を検知している(S303)。商用電源監視部15は商用電源の遮断を検知すると、モード切替部16へ停電信号を出力する(S304)。モード切替部16は、停電信号が入力されると通常モードから節電モードに切り換わり(S305)、節電モードによる印字処理に移行する(S400)。
【0034】
モード切替部16は節電モードに切り替わると、節電モード信号を電力量比較部19へ出力する(S401)。電力量比較部19は、節電モード信号が入力されると電力量設定部18から予めユーザが入力した上限値(閾値)と、消費電力量演算部17で演算された1ライン毎の予測消費電力量を取得する(S402)。電力量比較部19は、取得した予測消費電力量と上限値の値を比較する(S403)。電力量比較部19は、2つの値を比較した結果、予測消費電力量が上限値(閾値)を超える場合には、その信を消費電力量抑制部19に出力する(S404)。消費電力量抑制部20は、その信号が入力されると、その信号に基づいて消費電力量が上限値(閾値)以下となるよう上記のようにモータ駆動部13やサーマルヘッド駆動部14を制御する(S405)。
【0035】
節電モード中に商用電源からの電源の再開を検知すると、商用電源監視部15は、モード切替部16に商用電源が再開した旨の信号(以下、「電源再開信号」とも言う。)を出力する(S406)。モード切替部16は、電源再開信号が入力されると節電モードから通常モードに切り替わり、通常モードによる印字処理に移行する(S301へ)。これに合わせてモード切替部16は、電力量比較部19に通常モード信号を出力する。電力量比較部19は、通常モード信号が入力されると、電力量の比較処理動作を停止し、また予測電力量演算部17からの予測消費電力量の取得も行わない。
【0036】
一方、節電モード中に商用電源からの電源の再開がされる前に無停電電源9の電源が切れるような場合には、商用電源監視部15は、シャットダウン信号をモード切替部16へ出力し、モード切替部16は、この信号が入力されると上記した自動シャットダウンを行い、全システムを停止する。
【0037】
図5は、本実施形態に係るプリンタの各モードにおける、同一の印字データに対する消費電力量と印字ラインにおける動作との関係を示し、(a)は通常モード中を示し、(b)は節電モード中を示している。
【0038】
通常モード中の印字処理においては、
図5(a)に示すように、ユーザが設定した上限値(閾値)に関わらず印字動作が行われる。一方、節電モード中においては、
図5(b)に示すように、1ライン当たりの消費電力量が上限値(閾値)を超えるライン(
図5;両矢印A)については、上記した印字速度等の制御により上限値(閾値)以下となる。なお、
図5(b)に示すように消費電力量が上限値と同じ値となるよう印字速度を調整することで、電力量が制限された環境において最適な印字速度で印字が可能となる。
【0039】
以上、本実施形態に係るプリンタによれば、ユーザがプリンタにおける消費電力量の設定が可能であり、印字する内容から消費電力量を予測し、その予測に基づき消費電力量を調整できるため、電力量が制限された環境下において、消費電力量を節約することができる。また、節電モード中においてスリープモードへの移行時間を早める設定とすることで更なる消費電力量を節約することが可能となる。