特許第5769759号(P5769759)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769759
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】シャッター装置の障害物感知構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/84 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   E06B9/84 C
【請求項の数】11
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2013-127909(P2013-127909)
(22)【出願日】2013年6月18日
(62)【分割の表示】特願2007-189478(P2007-189478)の分割
【原出願日】2007年7月20日
(65)【公開番号】特開2013-213399(P2013-213399A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2013年6月18日
(31)【優先権主張番号】特願2007-34688(P2007-34688)
(32)【優先日】2007年2月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌
(72)【発明者】
【氏名】石倉 則夫
(72)【発明者】
【氏名】大橋 利幸
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−223459(JP,A)
【文献】 特開2006−225922(JP,A)
【文献】 特開2003−176679(JP,A)
【文献】 特開2006−233607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/56−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドしながら下方向へ閉鎖動作可能な開閉体本体と、該開閉体本体の閉鎖方向端部に接続されて該開閉体本体に相対して開放方向へ移動可能な可動座板と、前記開閉体本体の閉鎖動作を制動したり該制動状態を解除したりするブレーキ機構と、前記開閉体本体に相対する前記可動座板の開放方向への移動に機械的に連動させて前記ブレーキ機構を解除状態から制動状態にし、同開閉体本体に相対する同可動座板の閉鎖方向への移動に機械的に連動させて同ブレーキ機構を制動状態から解除状態にする連動手段と、ダンパー手段と、が具備され、
前記ブレーキ機構は、操作体の一方向への移動により解除状態から制動状態になり、同操作体の逆方向への移動により制動状態から解除状態になるように構成され、
前記ダンパー手段は、前記操作体の前記逆方向への移動速度を低減することで、前記ブレーキ機構が制動状態から解除状態になるのを遅らせるように構成されていることを特徴とするシャッター装置。
【請求項2】
前記連動手段は、閉鎖動作中の前記開閉体本体に相対する前記可動座板の開放方向への移動により張力を発生する紐状部材を具備し、この紐状部材の張力によって前記操作体を前記一方向へ移動するように構成され、
前記可動座板が前記開閉体本体に相対して開放方向へ移動した場合には、前記紐状部材に張力が生じ、前記操作体が前記一方向へ移動して、前記ブレーキ機構が制動状態になり、この制動状態から前記可動座板が前記開閉体本体に相対し閉鎖方向へ移動した場合には、前記紐状部材の張力が緩み、前記操作体が前記逆方向へ移動して、前記ブレーキ機構が解除状態になるとともに、この際の解除動作が前記ダンパー手段の抵抗を受けるようにしたことを特徴とする請求項1記載のシャッター装置。
【請求項3】
前記連動手段は、閉鎖動作中の前記開閉体本体に相対して開放方向へ移動した際の前記可動座板を前記紐状部材に係合させて、前記紐状部材に前記張力を発生させることを特徴とする請求項2記載のシャッター装置。
【請求項4】
前記ブレーキ機構を解除操作する自動閉鎖装置を備え、この自動閉鎖装置に、前記ダンパー手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載のシャッター装置。
【請求項5】
前記ブレーキ機構を解除操作する自動閉鎖装置を備え、この自動閉鎖装置に、前記ダンパー手段を設け、
前記自動閉鎖装置は、一端側を前記操作体へ向けるとともに他端側に前記紐状部材の端部を止着した状態で前記操作体に対し接近離間する方向へスライドするように支持された押圧作動部材と、該押圧作動部材を前記操作体に接近する方向へ付勢する付勢部材とを備え、
前記ブレーキ機構の解除状態では、前記操作体が前記付勢部材に付勢された前記押圧作動部材に押圧されることで、その解除状態が維持され、
閉鎖動作中の前記開閉体本体に相対する前記可動座板の開放方向への移動により紐状部材に張力を発生した場合には、この紐状部材の張力によって前記押圧作動部材を前記押圧の方向に対する逆方向へスライドさせることで、前記操作体が制動方向へ移動するようにしたことを特徴とする請求項2又は3記載のシャッター装置。
【請求項6】
前記操作体の制動方向への移動の後に前記開閉体本体に相対する前記可動座板の閉鎖方向への移動により紐状部材の張力が緩んだ場合には、前記押圧作動部材が前記付勢部材の付勢力により前記押圧の方向へスライドし前記操作体を解除方向へ移動するとともに、この押圧作動部材のスライドに前記ダンパー手段によって抵抗を与えるようにしたことを特徴とする請求項5記載のシャッター装置。
【請求項7】
前記ダンパー手段は、シリンダー内に進退可能にピストンを備え、該ピストンに対し気体圧又は液体圧による抵抗を与えることで、該ピストンの移動抵抗が、前進時よりも後退時に大きくなるように構成され、前記ピストンを前記押圧作動部材に接続していることを特徴とする請求項5又は6記載のシャッター装置。
【請求項8】
前記ダンパー手段は、前記押圧作動部材に枢支されて回転するピニオン部と、該ピニオン部に噛み合うようにして固定されたラック部とからなり、前記ピニオン部の一方向の回転を内部流体の抵抗によって抑制することを特徴とする請求項5又は6記載のシャッター装置。
【請求項9】
前記ダンパー手段を、前記紐状部材の経路途中に設けたことを特徴とする請求項2記載のシャッター装置。
【請求項10】
前記ダンパー手段を、不動部位に支持したことを特徴とする請求項9記載のシャッター装置。
【請求項11】
前記ダンパー手段は、前記紐状部材に張力が生じた際に、その張力によって一方向へ回転するように外周部を前記紐状部材に係止した回転体と、該回転体の逆方向への回転に抵抗を与えるロータリーダンパー装置とを具備してなることを特徴とする請求項9又は10記載のシャッター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドして閉鎖動作する開閉体が障害物に接触した際に、該開閉体の閉鎖動作を停止するようにしたシャッター装置に関し、特に防火シャッター装置として好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されたもののように、閉鎖動作中の開閉体(シャッターカーテン2)が、その閉鎖方向側の障害物に当接した際に、該開閉体の下端の可動座板(下座板101)を障害物からの押圧力により相対的に上昇させ、その可動座板の上昇を感知部(マイクロスイッチ105)により感知し、この感知信号をコード(11a〜11c)により制御装置(8)へ送信し、該制御装置(8)からの制御信号によって開閉機(7)のブレーキ機構を作動させて、前記開閉体(シャッターカーテン2)の閉鎖動作を停止するようにしたものがある。
前記開閉機(7)におけるブレーキ機構の構造を詳細に説明すれば、例えば特許文献2に記載されたもののように、電磁ソレノイド(電磁クラッチ17)を非通電状態にした場合には、ブレーキドラム(4)が制動スプリング(16)の付勢力によりブレーキシュー(2)に当接し、駆動軸(電動機軸1)の回転が制動された状態となる。
また、前記電磁ソレノイド(電磁クラッチ17)を通電状態にすれば、該電磁ソレノイドの磁力に吸引されてブレーキドラム(4)がブレーキシュー(2)から離れるため、駆動軸(電動機軸1)が回転自在な状態となる。
したがって、例えば、特許文献1に記載された開閉装置に特許文献2に記載された開閉機を具備した場合には、電磁ソレノイド(電磁クラッチ17)を通電状態にすることで、開閉体(シャッターカーテン2)を自重降下させることができ、また、その自重降下中に、開閉体(シャッターカーテン2)が障害物に当接した際には、電磁ソレノイド(電磁クラッチ17)を非通電にすれば、開閉体(シャッターカーテン2)の閉鎖動作を停止することができる。
【0003】
しかしながら、前記のような構成では、可動座板(下座板101)の上昇を感知する感知部(マイクロスイッチ105)、及びコード(11a〜11c)を収納する構造(固定プーリ18a,可動プーリ18b,フラットバー20等)が複雑でコストの高騰を招き易い。
また、上記開閉装置を例えば防火シャッター装置として用いる場合には、火災等に起因する停電が発生した際にも、電磁ソレノイド(電磁クラッチ17)を通電状態にして開閉体(シャッターカーテン2)を自重降下できるように、バッテリーを具備している。
しかし、このような構成であっても、メンテナンス不良等に起因して前記バッテリーの電力が十分に得られない場合等には、電磁ソレノイド(電磁クラッチ17)の通電状態を維持できないので、開閉体(シャッターカーテン2)を自重降下させることができなかったり、自重降下中の開閉体を途中停止させてしまったり等するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−308222号公報
【特許文献2】実開平01−118084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、電源不良等の影響を受け難い簡素構造でもって、開閉体の閉鎖動作を障害物との接触により停止することができるシャッター装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための一手段は、スライドしながら下方向へ閉鎖動作可能な開閉体本体と、該開閉体本体の閉鎖方向端部に接続されて該開閉体本体に相対して開放方向へ移動可能な可動座板と、前記開閉体本体の閉鎖動作を制動したり該制動状態を解除したりするブレーキ機構と、前記開閉体本体に相対する前記可動座板の開放方向への移動に機械的に連動させて前記ブレーキ機構を解除状態から制動状態にし、同開閉体本体に相対する同可動座板の閉鎖方向への移動に機械的に連動させて同ブレーキ機構を制動状態から解除状態にする連動手段と、ダンパー手段と、が具備され、前記ブレーキ機構は、操作体の一方向への移動により解除状態から制動状態になり、同操作体の逆方向への移動により制動状態から解除状態になるように構成され、前記ダンパー手段は、前記操作体の前記逆方向への移動速度を低減することで、前記ブレーキ機構が制動状態から解除状態になるのを遅らせるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
開閉体本体の閉鎖動作中、該開閉体本体の閉鎖方向端部に接続された可動座板が障害物に接触した場合、可動座板が開閉体本体に相対して開放方向へ移動し、その可動座板の移動に機械的に連動して、ブレーキ機構が解除状態から制動状態になる。そのため、開閉体本体の閉鎖動作が停止することになる。
よって、電源不良等の影響を受け難い簡素構造によって、開閉体の閉鎖動作を障害物との接触により停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係わる開閉装置の一例を示す正面図である。
図2】同開閉装置の要部断面図であり、(a)は通常状態を示し、(b)可動座板が障害物に押圧された状態を示す。
図3】同開閉装置に用いられる開閉機及び自動閉鎖装置の一例を示す構造図である。
図4】ブレーキ機構及び自動閉鎖装置の作動状態を示す模式図であり、(a)は開閉体の全開停止状態に対応する通常状態を示し、(b)は自動閉鎖装置が解除されて開閉体を自動閉鎖させている状態を示し、(c)は紐状部材に作用する張力によってブレーキ機構が拘束状態になり開閉体の自動閉鎖を停止している状態を示す。
図5】連動手段を構成する係止駒の一例を示す斜視図である。
図6】本発明に係わる開閉装置の他例を示す要部断面図であり、(a)は通常状態を示し、(b)可動座板が障害物に押圧された状態を示す。
図7】本発明に係わる開閉装置の他例を示す要部構造図であり、(a)は通常状態を示し、(b)可動座板が障害物に押圧された状態を示す。
図8図7(a)の(VII)-(VII)線断面図である。
図9】本発明に係わる開閉装置の他例を示す要部構造図であり、(a)は通常状態を示し、(b)可動座板が障害物に押圧された状態を示す。
図10】本発明に係わる開閉装置の他例を示す要部断面図であり、(a)は通常状態を示し、(b)可動座板が障害物に押圧された状態を示す。
図11】本発明に係わる開閉装置の他例を示す要部構造図であり、(a)は通常状態を示し、(b)は可動座板が障害物に押圧された状態を示す。
図12】(a)は図11の(XIa)-(XIa)断面を示し、(b)は同図11の(XIb)-(XIb)断面を示す。
図13】本発明に係わる開閉装置において、自動閉鎖装置の他例を示す模式図であり、(a)は開閉体の全開停止状態に対応する通常状態を示し、(b)は自動閉鎖装置が解除されて開閉体を自動閉鎖させている状態を示し、(c)は紐状部材に作用する張力によってブレーキ機構が拘束状態になり開閉体の自動閉鎖を停止している状態を示す。
図14】本発明に係わる開閉装置において、自動閉鎖装置の他例を示す模式図であり、(a)は開閉体の全開停止状態に対応する通常状態を示し、(b)は自動閉鎖装置が解除されて開閉体を自動閉鎖させている状態を示し、(c)は紐状部材に作用する張力によってブレーキ機構が拘束状態になり開閉体の自動閉鎖を停止している状態を示す。
図15】連動手段の他例を示す斜視図である。
図16】同連動手段を備えた開閉装置の要部構造図であり、(a)は通常状態を示し、(b)は可動座板が障害物に押圧された状態を示す。
図17】連動手段の他例を備えた開閉装置の要部構造図であり、(a)は通常状態を示し、(b)は可動座板が比較的幅広い障害物に押圧された状態を示し、(c)は可動座板が開閉体幅方向へ偏って位置する障害物に押圧された状態を示す。
図18】連動手段の他例を備えた開閉装置の要部構造図である。
図19】連動手段の他例を備えた開閉装置の要部構造図であり、(a)は通常状態を示し、(b)は可動座板が障害物によって押圧されて開放方向へ若干移動した状態を示し、(c)は可動座板が開閉体幅方向へ障害物に押圧されて開放方向へ更に移動した状態を示す。
図20図19に示す開閉装置の要部断面図であり、(a)は通常状態を示し、(b)は可動座板が障害物によって押圧されて開放方向へ若干移動した状態を示し、(c)は可動座板が開閉体幅方向へ障害物に押圧されて開放方向へ更に移動した状態を示す。
図21】連動手段の他例を備えた開閉装置の要部構造図であり、(a)は通常状態を示し、(b)は可動座板が障害物によって押圧されて開放方向へ移動した状態を示す。
図22図21に示す開閉装置の要部断面図であり、(a)は通常状態を示し、(b)は可動座板が障害物によって押圧されて開放方向へ移動した状態を示す。
図23】連動手段の他例を備えた開閉装置の要部構造図である。
図24】紐状部材の張力を伝達する構造の他例を示す要部斜視図である。
図25】紐状部材の張力を伝達する構造の他例を示す要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施の形態の特徴の一つは、スライドしながら閉鎖動作可能な開閉体本体と、該開閉体本体の閉鎖方向端部に接続されて該開閉体本体に相対して開放方向へ移動可能な可動座板と、前記開閉体本体の閉鎖動作を制動したり該制動状態を解除したりするブレーキ機構とを備えた開閉装置において、前記開閉体本体に相対する前記可動座板の開放方向への移動に機械的に連動させて、前記ブレーキ機構を解除状態から制動状態にする連動手段が具備されている。
【0010】
更なる特徴としては、上記ブレーキ機構は、上記開閉体本体の開放方向側に配置されるとともに、操作体に加わる引張力によって解除状態から制動状態になるように構成され、上記連動手段は、一端側が前記操作体に接続された紐状部材を備え、閉鎖動作する上記開閉体本体に相対して開放方向へ移動した際の上記可動座板を前記紐状部材に係合させて、前記紐状部材に前記操作体を引っ張るための張力を発生させる。
なお、「上記可動座板を前記紐状部材に係合」という構成には、例えば、上記可動座板を上記紐状部材に対し直接的に接触させて上記紐状部材に張力を生じさせる態様や、上記可動座板の開放方向への移動により間接部材を移動させ、該間接部材を上記紐状部材に対し接触させて上記紐状部材に張力を生じさせる態様等を含む。
前記構成によれば、開閉体本体の閉鎖動作中、障害物の接触等により可動座板が開閉体本体に相対して開放方向へ移動すると、その移動した可動座板が紐状部材に係合して、紐状部材に張力を生じさせる。そのため、ブレーキ機構の操作体が紐状部材の張力によって引っ張られ、ブレーキ機構が解除状態から制動状態になる。
よって、可動座板とブレーキ機構とを機械的に連動させる構造を、紐状部材を用いた具体的構成によって実現することができる。
【0011】
更なる特徴としては、上記紐状部材の他端側が、当該開閉装置における閉鎖方向側の不動部位に接続されている。
ここで、前記「当該開閉装置における閉鎖方向側の不動部位」は、例えば、ガイドレールの開閉体閉鎖方向側部位や、開閉体本体の全閉時の当接対象部位(例えば床面や地面、枠部材等)とすればよい。
【0012】
更なる特徴としては、上記紐状部材の他端側が、不動部位に支持された巻取体に巻かれ、該巻取体は、上記操作体を解除状態から制動状態に作動させる力よりも小さい付勢力によって巻き取り方向へ付勢されている。
ここで、前記不動部位は、開閉体をその開放方向側で収納する収納ケースや、開閉体をその幅方向の端部側で開閉方向へ案内するガイドレール等とすればよい。
【0013】
更なる特徴としては、上記紐状部材を移動自在に挿通させるとともに、弾性的な収縮により上記紐状部材に対し圧接する係止駒を備え、上記開閉体本体と上記可動座板との内の一方に、上記紐状部材を挿通した前記係止駒の外面に嵌合可能な嵌合孔を設け、その他方には上記紐状部材を遊挿するとともに上記係止駒を挿通不能な係止孔を設け、上記開閉体本体に相対する上記可動座板の開放方向への移動により、前記係止駒が前記嵌合孔に嵌合されるとともに前記係止孔に係止されて収縮するようにした。
この構成によれば、開閉体本体の閉鎖動作中、障害物の接触等により可動座板が開閉体本体に相対して開放方向へ移動すると、係止駒が嵌合孔に嵌合するとともに係止孔に係止されて弾性的に収縮し、係止駒が紐状部材に対し圧接した状態になる。
そのため、紐状部材には係止駒を介して開閉体本体の重量が加わり、該紐状部材に生じる張力によってブレーキ機構の操作体が引っ張られ、ブレーキ機構が解除状態から制動状態になる。
よって、可動座板とブレーキ機構とを機械的に連動させる構造を、より具体的な構成によって実現することができる。
【0014】
更なる特徴としては、上記紐状部材を移動自在に挿通させるとともに、弾性的な収縮により上記紐状部材に対し圧接する係止駒を備え、上記開閉体本体には、相対的に開放方向へ移動した際の上記可動座板に押圧されて揺動するように支持されるとともに開閉体幅方向へわたる揺動部材と、その揺動方向側で該揺動部材を受ける受部とが具備され、これら揺動部材と受部との内の一方には上記紐状部材を挿通させた前記係止駒の外面に嵌合可能な嵌合孔が設けられ、その他方には上記紐状部材を遊挿するとともに上記係止駒を挿通不能な係止孔が設けられ、前記係止駒は、前記揺動部材と前記受部との間に配置されている。
この構成によれば、仮に可動座板の幅方向において部分的に障害物が当接し、可動座板の開閉体幅方向の一方側が偏って開放方向へ移動した場合であっても、その偏って移動した可動座板により、開閉体幅方向へわたる揺動部材が押圧されるため、揺動部材を揺動させることができる。
よって、可動座板とブレーキ機構とを機械的に連動させる構造を、より作動性の良好な構成によって実現することができる。
【0015】
更なる特徴としては、上記係止駒の外面と上記嵌合孔の内面との内の一方に、上記係止駒を上記嵌合孔との嵌合によって収縮させるための傾斜面を設けた。
この構成によれば、傾斜面によって係止駒の収縮を容易にすることができ、ひいては、ブレーキ機構を解除状態から制動状態にする際の作動性を向上することができる。
【0016】
更なる特徴としては、上記開閉体本体には、相対的に開放方向へ移動した際の上記可動座板に外周部が押圧されて回動するように偏心回転体を支持するとともに、回動自在に滑車部材を枢支し、上記紐状部材を前記偏心回転体の外面に摺接させて前記滑車部材に掛け回し、回動した際の前記偏心回転体と上記滑車部材との間に上記紐状部材が挟み込まれるようにした。
なお、前記偏心回転体は、偏心して回転するように支持された部材であれば、その形状は限定されず、例えば、長円形状や、楕円形状、円形状等に形成される。
前記構成によれば、開閉体本体の閉鎖動作中、障害物の接触等により可動座板が開閉体本体に相対して開放方向へ移動すると、可動座板に押圧されて回動した偏心回転体と滑車部材との間に紐状部材が挟み込まれて、滑車部材の回転が停止し、紐状部材に張力が生じる。よって、紐状部材に対し効果的に張力を生じさせることができる。
【0017】
更なる特徴としては、上記開閉体本体に、相対的に開放方向へ移動した際の上記可動座板に押圧されて揺動するように支持されるとともに開閉体幅方向へわたる揺動部材と、その揺動方向側で該揺動部材を受ける受部とを具備し、揺動した際の前記揺動部材と前記受部との間に、上記紐状部材を挟み込むようにしている。
この構成によれば、開閉体本体の閉鎖動作中、障害物の接触等により可動座板が開閉体本体に相対して開放方向へ移動すると、該可動座板に押圧されて揺動部材が揺動し、該揺動部材と受部との間に紐状部材が挟み込まれ、紐状部材には開閉体本体の重量が加わる。したがって、紐状部材に張力が生じ、この張力によってブレーキ機構の操作体が引っ張られ、ブレーキ機構が解除状態から制動状態になる。
なお、揺動部材が開閉体幅方向へわたって設けられているため、仮に可動座板の幅方向において部分的に障害物が当接し、可動座板の幅方向の一方側が偏って開放方向へ移動した場合であっても、その偏って移動した可動座板により揺動部材を押圧し、揺動部材を揺動させることができる。
よって、可動座板とブレーキ機構とを機械的に連動させる構造を、作動性の良好な具体的構成によって実現することができる。
【0018】
更なる特徴としては、上記開閉体本体の幅方向の端部を囲んで開閉方向へ案内するガイドレールを備えた開閉装置であって、上記開閉体本体における前記ガイドレール外の部分に、相対的に開放方向へ移動した際の上記可動座板に押圧されて揺動するように支持されるとともに開閉体幅方向へわたる揺動部材を設け、この揺動部材に前記ガイドレールの外部から内部へわたる揺動伝達棒を固定し、上記開閉体本体における前記ガイドレール内の部分には、前記揺動部材の揺動に伴って揺動する前記揺動伝達棒に対向するように受部が設けられ、揺動した際の前記揺動伝達棒と前記受部との間に上記紐状部材が挟み込まれるようにした。
この構成によれば、開閉体本体の閉鎖動作中、障害物の接触等により可動座板が開閉体本体に相対して開放方向へ移動すると、該可動座板に押圧されて揺動部材が揺動し、ガイドレールの内部側で、該揺動部材に固定された揺動伝達棒と受部との間に紐状部材が挟み込まれ、紐状部材には開閉体本体の重量が加わる。したがって、紐状部材に張力が生じ、この張力によってブレーキ機構の操作体が引っ張られ、ブレーキ機構が解除状態から制動状態になる。
なお、揺動部材が開閉体幅方向へわたって設けられているため、仮に可動座板の幅方向において部分的に障害物が当接し、可動座板の幅方向の一方側が偏って開放方向へ移動した場合であっても、その偏って移動した可動座板により揺動部材を押圧し、揺動部材を揺動させることができる。
よって、可動座板とブレーキ機構とを機械的に連動させる構造を、作動性の良好な具体的構成によって実現することができ、その上、紐状部材をガイドレール内に隠蔽することができる。しかも、揺動部材をガイドレール内に配置しない構造としているため、ガイドレールの大型化を避けることができる。
【0019】
更なる特徴としては、上記開閉体本体に相対する上記可動座板の開放方向への移動により付勢力が蓄積されるように付勢部材を設け、この付勢部材の付勢力によって上記可動座板と上記紐状部材との係合状態を維持するようにした。
この構成によれば、閉鎖動作中の開閉体における可動座板が障害物に当接すると、可動座板が開閉体本体に相対する開放方向へ移動し、その移動により付勢部材に付勢力が蓄積されるとともに、該付勢力により可動座板と紐状部材との係合状態が維持され、更にこの係合状態によって紐状部材の張力も維持されて、ブレーキ装置が制動状態に維持される。
したがって、ブレーキ装置による制動状態を維持しながら、可動座板を開閉体本体に相対する開閉方向へ移動させることが可能となる。
ひいては、可動座板が障害物に当接した際に、その当接の直後ほとんど間もなく障害物に対し開閉体本体の荷重が加わったり、障害物が若干下方へ移動するのに伴ってブレーキ装置が不意に解除されてしまったり等するのを防ぐことができる。
【0020】
更なる特徴としては、上記開閉体本体に、開閉体幅方向へ離間した二つの滑車部材を設けるとともに、これら二つの滑車部材間にわたるように上記紐状部材を掛け渡し、上記開閉体本体に相対して開放方向へ移動した際の上記可動座板を、前記二つの滑車部材間にわたる紐状部材に係合させるようにした。
【0021】
更なる特徴としては、上記二つの滑車部材間の紐状部材に対しその開閉体開放方向側から接近離間するように上記開閉体本体に支持された第一可動部材と、上記二つの滑車部材間の紐状部材に対しその開閉体閉鎖方向側から接近離間するように上記開閉体本体に支持された第二可動部材とを具備するとともに、前記第一可動部材を前記紐状部材に押し付けて付勢するように、上記付勢部材を配設してなり、上記可動座板の開閉体開放方向への移動に伴って前記第一可動部材と前記第二可動部材との間に前記紐状部材が挟み込まれるようにした。
この構成によれば、障害物の当接により紐状部材に張力を生じさせる構成を、作動性の良好な具体的態様とすることができる。
【0022】
更なる特徴としては、上記付勢部材は、上記二つの滑車部材間の紐状部材と上記可動座板との間において開閉体幅方向に複数配設された圧縮バネである。
この構成によれば、開閉体幅方向へわたる比較的広い範囲において障害物を感知してブレーキ装置を作動させることができる。すなわち、障害物が開閉体幅方向に偏った位置に当接したためにブレーキ装置が作動しないようなことを防ぐことができる。
【0023】
更なる特徴としては、上記開閉体本体に、相対的に開放方向へ移動した際の上記可動座板に押圧されて揺動するように支持されるとともに開閉体幅方向へわたる揺動部材と、その揺動方向側で該揺動部材を受ける受部とを具備し、上記付勢部材を前記揺動部材の揺動部分と上記可動座板との間で弾発するように配設してなり、前記揺動部材が上記可動座板に押圧されて揺動した際に、その揺動した揺動部材と前記受部との間に、上記紐状部材を挟み込むようにした。
【0024】
更なる特徴としては、上記開閉体本体の閉鎖方向端部側から上記可動座板にわたる上記紐状部材の通路を、屈曲状に構成した。
【0025】
更なる特徴としては、上記紐状部材を引っ張るように引張バネが設けられ、この引張バネは、解除状態の上記ブレーキ機構を制動状態に作動させない程度に、その引張力が調整されている。
なお、前記引張バネは、好ましくは上記紐状部材の線上に連続するように設けられるが、他例としては、上記紐状部材を交差方向に引張って該紐状部材に張力を生じさせる構成とすることも可能である。
前記構成によれば、引張バネにより、ブレーキ機構を解除状態から制動状態に作動させない程度の適度な張力が紐状部材に与えられることになる。
よって、紐状部材の弛みによりブレーキ機構の作動が遅延したり鈍ったりするようなことを防ぐことができる。
【0026】
更なる特徴としては、上記ブレーキ機構を、上記操作体の一方向への移動により解除状態から制動状態になり、同操作体の逆方向への移動により制動状態から解除状態になるように構成し、前記操作体の前記逆方向への移動速度を低減するダンパー手段を具備した。
なお、前記ダンパー手段には、ピストンとシリンダーからなる態様や、ロータリーダンパー等、気体圧力や流体摩擦等によって可動部材に抵抗を与えるようにした周知のダンパー装置を含む。
前記構成によれば、例えば、可動座板への障害物の当接により開閉体本体の閉鎖動作が停止した後、障害物の除去等により可動座板が開閉体本体に相対して閉鎖方向へ移動した場合に、ブレーキ機構を制動状態から解除状態に自動的に復帰させて、開閉体の閉鎖動作を再開することができる。
その上、ブレーキ機構の前記自動復帰動作を、ダンパー手段によってゆっくりと行うことができ、ひいては、自動復帰動作の安全性を向上することができる。
【0027】
更なる特徴としては、上記ダンパー手段は、上記紐状部材に上記操作体を引っ張るための張力が生じた際に、その張力によって一方向へ回転するように外周部を上記紐状部材に係止した回転体と、該回転体の逆方向への回転に抵抗を与えるロータリーダンパー装置とを具備してなる。
【0028】
なお、上記開閉装置には、開閉体が閉鎖動作のみを行うように用いられる態様(例えば防火シャッター装置等)、開閉体が開放動作と閉鎖動作との双方を行うように用いられる態様等を含む。
また、この開閉装置には、開閉体をその開放方向側の巻取軸によって巻取り、該巻取軸から繰出すようにした態様や、開閉体をその開放方向側の収納部位へ巻き取ることなく収納し、該収納部位から繰出すようにした態様(例えばオーバーヘッドドア等)等を含む。
【0029】
また、上記開閉体には、複数のスラットやパイプを開閉方向へ連設してなる態様や、単数もしくは複数のパネルや、シート状物、ネット状物を開閉方向へ設けてなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせてなる態様等を含む。
【0030】
また、上記ブレーキ機構は周知の機構を用いてもよく、特に好ましい具体例としては、上記開閉体本体の閉鎖動作に伴って回転する駆動部と、該駆動部に対し摺接して該駆動部の回転を制動したり該駆動部から離間して該駆動部を回転自在にしたりする制動部と、該制動部を前記駆動部に対し摺接する位置と前記駆動部から離間する位置との間で移動させるレバー部材とを具備してなる。
【0031】
また、上記連動手段は、上記開閉体本体に相対する上記可動座板の開放方向への移動に機械的に連動させて、上記ブレーキ機構を解除状態から制動状態にする構成であればよく、例えば、上記可動座板の開放方向への移動をワイヤー等の紐状部材により上記ブレーキ機構に伝達し、該ブレーキ機構を解除状態から制動状態にする構成等とすればよい。
【0032】
なお、本明細書中において「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の上記開閉体の厚さ方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、上記開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、該開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、上記開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
【0033】
次に、本発明の実施の形態の好ましい具体例を図面に基づいて説明する。
以下の具体例は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置として適用可能であり、特に好ましい態様として、火災等の非常時に自動閉鎖されて火炎や煙の蔓延を防ぐ防火シャッター装置に適用した一例について説明する。
【0034】
開閉装置1は、閉鎖方向端部をスライドさせて開閉動作する開閉体10と、該開閉体10の幅方向(図1の左右方向)の端部を囲み開閉方向へ案内するガイドレール20と、開閉体10を巻き取ったり繰出したりする巻取装置30とを備え、もしも障害物Xが開閉体10の開閉経路に存在した場合、開閉体10の閉鎖動作中に該開閉体10に障害物Xが当接した際に、連動手段Aによる機械的な伝達により、ブレーキ機構42を解除状態から制動状態にして、開閉体10の閉鎖動作を停止する。
【0035】
開閉体10は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなる所謂スラット11aを、上下に隣接する該スラット11a,11a間で回動するように複数連接することで開閉体本体11を構成し、該開閉体本体11の閉鎖方向端部側(図示例によれば下端側)を構成する縦断面略枠状の接続部材12に対し、可動座板13を接続している。
【0036】
可動座板13は、開閉体幅方向の略全長にわたる部材であり、開閉体本体11下端の接続部材12に開閉体閉鎖方向へ突出するように接続されている。この可動座板13は、開閉体本体11及び接続部材12に相対して開閉体開閉方向(図1の上下方向)へ所定量だけ自在に移動する(図2参照)。
この可動座板13を上下方向へ移動させる構造は、図示例によれば、可動座板13の上端部を、接続部材12の下端部に対し、開閉体開閉方向へ所定量スライドするように係合してなる。
【0037】
接続部材12には、その内部に可動座板13の上方への移動を規制する壁部12aを有し、該壁部12aには、連動手段Aを構成する紐状部材a1を移動自在に挿通させるとともに、後述する係止駒a2を挿通不能な係止孔12a1を設けている。
一方、可動座板13の上端部には、前記接続部材12の壁部12aに対向する壁部13aが設けられ、この壁部13aには、後述する係止駒a2の外面に嵌脱可能な嵌合孔13a1が設けられている。
【0038】
また、ガイドレール20は、開閉体10の幅方向の端部を囲む断面略コ字状の部材であり、開閉体10によって着座される当接対象部位P(例えば、床面や地面、枠部材等)と巻取装置30との間にわたって配設されている。
【0039】
また、巻取装置30は、下部側に開閉体10を出没させるための開口部を形成した収納ケース31内に、開閉体10を巻き取ったり繰出したりする巻取軸32と、該巻取軸32をチェーン及びスプロケット等の動力伝達手段33を介して駆動回転させたり制動したりする開閉機40と、該開閉機40を解除操作して開閉体10を自重によって閉鎖動作させる自動閉鎖装置50とを具備している。
【0040】
開閉機40は、例えば実開平01−118084号公報に示される周知構造の開閉機に対し、後述する連動手段Aの操作部a3(操作体)を設けてなる。
この開閉機40は、図3に示すように、巻取軸32の動力源となるモータ部41と、該モータ部41の一端側(図示例によれば右端側)でモータ部41による回転を制動するブレーキ機構42とを、ケーシング43内に備えている。
【0041】
モータ部41は、直流モータまたは交流モータであり、その回転子41aの中心には駆動軸41bが固定され、該駆動軸41bの一端側(図3によれば左端側)の回転力を、動力伝達手段33を介して巻取軸32へ伝達するように構成してある。また、同駆動軸41bの他端側には、ブレーキ機構42からの制動力を受けるように略円盤状のブレーキシュー41cが固定されている。
【0042】
また、ブレーキ機構42は、上記駆動軸41bに対し略直線状に並ぶように配置されたブレーキ軸42aと、該ブレーキ軸42aにおけるモータ部41側に固定されて前記ブレーキシュー41cに対し離脱可能に当接したブレーキドラム42bと、該ブレーキドラム42bをモータ部41方向(図3によれば左方向)へ付勢するコイルスプリング42cと、該コイルスプリング42cの付勢力に抗してブレーキドラム42bを吸引する電磁ソレノイド42dと、同コイルスプリング42cの付勢力に抗して手動でブレーキドラム42bをブレーキシュー41cから離間させるためのレバー部材42eとを具備している。
【0043】
ブレーキ軸42aは、適宜な回転抵抗を有する状態で回転可能であって、且つ軸方向へ所定量移動するように支持されている。
【0044】
また、ブレーキドラム42bは、モータ部41側のブレーキシュー41cに対し当接したり離間したりする略円筒状に構成され、その外周に巻かれたチェーン42gからの回転力により回転するように支持されるとともに、その回転が、ケーシング43側の周知の回転抑制手段42hから受ける抵抗によって抑制されるようになっている。
なお、チェーン42gは、開閉体10を手動で開閉できるように具備されているが、必要に応じて省くことも可能である。
【0045】
また、レバー部材42eは、一端側に作用する揺動力によって、ブレーキ軸42aを開閉機40から引き離すように構成された略杆状の部材である。
より詳細に説明すれば、このレバー部材42eは、ブレーキ軸42aを貫通させた板状部材からなり、ブレーキ軸42aと交差して一方へ突出する上側レバー部42e1と、その逆方向へ突出する下側レバー部42e2とから一体に構成されている。
上側レバー部42e1のブレーキ軸42a側は、略く字状に曲げられることで上側支点部42e1aが構成されている。同様にして、下側レバー部42e2のブレーキ軸42a側も、略く字状に曲げられることで、下側支点部42e2aが構成されている。
【0046】
上記レバー部材42eによれば、例えば上側レバー部42e1の上端側がモータ部41方向(図3の左方向)へ引かれた場合には、同上側レバー部42e1のブレーキ軸42a側が上側支点部42e1aを支点にして反モータ部41方向(図3の右方向)へ揺動するとともに、その揺動に伴ってブレーキ軸42aも反モータ部41方向へ移動する。
また、上記と同様にして、下側レバー部42e2が左方向へ引かれた場合も、下側支点部42e2aを支点とした下側レバー部42e2の揺動によりブレーキ軸42aが右方向へ引かれる。
また、上側レバー部42e1の上端側が右方向へ引かれた場合には、下側支点部42e2aを支点とした上側レバー部42e1の揺動により、ブレーキ軸42aが右方向へ引かれる。
同様に、下側レバー部42e2の下端側が右方向へ引かれた場合には、上側支点部42e1aを支点とした下側レバー部42e2の揺動により、ブレーキ軸42aが右方向へ引かれる。
【0047】
すなわち、上側レバー部42e1と下側レバー部42e2との内の何れかが、左右のどちら側に揺動した場合であっても、ブレーキ軸42aが右方向へ引かれて移動し、ブレーキ軸42aと一体的なブレーキドラム42bがブレーキシュー41cから離れ、ブレーキシュー41c及び駆動軸41bに作用していた制動力が解除される。
なお、図3は、自動閉鎖装置50が作動する前、つまりブレーキ解除する前の初期状態(制動状態)を示している。
【0048】
また、上記構成の開閉機40において、上記上側レバー部42e1の揺動端側には、該上側レバー部42e1を上方へ延設するようにして、操作部a3が固定されている。
【0049】
この操作部a3は、例えばボルト等からなる略棒状の部材であり、その揺動端側にはストッパー部a31を有する。このストッパー部a31は、操作部a3が紐状部材a1の張力により揺動した際(図4(c)に示す状態)に、その操作部a3を後述する自動閉鎖装置50のケーシング51に当接して、自動閉鎖装置50における押圧作動部材52が、電磁係脱装置54のプランジャ54aに係止された初期状態(図4(a)の状態)に自動復帰しないようにし、同時に操作部a3が紐状部材a1の張力により図中左方向へ揺動しすぎてブレーキ解除されることのないようにしている。
【0050】
また、自動閉鎖装置50は、開閉機40のケーシング43に固定されたケーシング51内に、一端側を操作部a3方向へ突出させるとともに操作部a3の揺動方向に沿ってスライドするように支持された押圧作動部材52と、該押圧作動部材52を操作部a3方向へ付勢する付勢部材53と、押圧作動部材52を操作部a3から所定量離れた位置で係脱する電磁係脱装置54とを具備している。
電磁係脱装置54は、バネ等の付勢部材の付勢力によって付勢されたプランジャ54aを押圧作動部材52に係止させ、図示しない制御部からの電力供給された際に電磁ソレノイドの電磁力によって前記プランジャ54aを後退させて、押圧作動部材52に対する係止を解除する装置である。
【0051】
上記構成の自動閉鎖装置50によれば、電磁係脱装置54が励磁されると、図4(b)に示すように、電磁係脱装置54の係止が外されて、押圧作動部材52が付勢部材53の付勢力によってスライドして操作部a3を押圧する。
【0052】
また、連動手段Aは、上述した構成の操作部a3と、一端側が前記操作部a3に接続されるとともに他端側が開閉体10の全閉時の当接対象部位Pに接続された紐状部材a1と、該紐状部材a1を移動自在に挿通させるとともに、弾性的な収縮により紐状部材a1に対し圧接する係止駒a2と、紐状部材a1を長手方向へ引っ張る引張バネa4と、紐状部材a1を操作部a3から当接対象部位Pへ導く複数の滑車部材a5,a6,a7とを具備し、開閉体10の閉鎖動作中に、開閉体本体11に相対する可動座板13の開放方向への移動に機械的に連動させて、開閉機40のブレーキ機構42を解除状態から制動状態にする。
【0053】
紐状部材a1は、本実施の形態の好ましい一例によれば金属製ワイヤーとしているが、可撓性を有する長尺状の部材であればよく、他例としては、帯状物や、鎖状物、紐等とすることも可能である。なお、この紐状部材a1は、帯状物や紐とした場合、滑り難い表面形状または材質であることが好ましい。
この紐状部材a1の一端側は、引張バネa4を介して操作部a3に接続され、他端側は、開閉体本体11の接続部材12及び可動座板13に挿通され、更にガイドレール20内に挿通されて、当接対象部位Pに接続される。
なお、他例としては、紐状部材a1の一端側をガイドレール20の閉鎖方向側端部(図示例によれば下端部)に接続するようにしてもよい。
【0054】
また、前記引張バネa4は、紐状部材a1に弛みが生じるのを防ぎ、且つ、図4(b)(c)に示すように、付勢部材53に抗して紐状部材a1を引っ張ることで操作部a3を制動操作方向(図示の左方向)へ揺動させることができるように、適度な張力に設定されている。
【0055】
なお、図示を省略するが、引張バネa4のコイル内に芯材(例えば棒、ワイヤー等)を挿入し、この芯材を、伸長した際の引張バネa4に係止させて、引張バネa4の伸び量を規制するようにしてもよく、この構成によれば、紐状部材a1による操作部a3の引っ張り操作を、より確実に行うことができる。
より具体的に説明すれば、例えば前記芯材をワイヤーとした場合、該ワイヤーの一端部を引張バネa4の一端側に止着するとともに、同ワイヤーの他端部を引張バネa4の他端側に止着し、この止着されたワイヤーによって引張バネa4の伸び量が制限されるようにすればよい。
【0056】
また、係止駒a2は、図5に示すように、周方向の一部に切込部a21を有する略断面C字状の筒体であり、その内周面を、紐状部材a1を挿通させて自在に移動可能な挿通孔a22とし、外周面には軸方向へ向かって縮径するように傾斜面a23が形成されている。
この係止駒a2の材質は、切込部a21を狭めるようにして縮径可能であればよく、例えば、金属材料や硬質合成樹脂材料等のように弾性的に撓むことが可能な材料とされ、他の好ましい例としては、ゴムや弾性合成樹脂材料等の弾性材とされる。
【0057】
なお、係止駒a2を前記弾性材から形成した場合には、上記切込部a21を省くことも可能である。
また、上記係止駒a2の傾斜面a23に置換して、係止駒a2を嵌合する嵌合孔13a1に傾斜面(図示せず)を設けるようにしてもよい。
更に、前記傾斜面を省き、この係止駒a2を、可動座板13と接続部材12間に挟むことのみによって、収縮させる構造とすることも可能である。
【0058】
そして、前記構成の係止駒a2は、図2に示すように、紐状部材a1を挿通させるとともに、縮径された外周部を開閉体本体11の嵌合孔13a1側へ向けて、接続部材12及び可動座板13内の壁部12a,13a間に配置される。
なお、係止駒a2は、嵌合孔13a1に対し予め嵌り合った状態であってもよいし、嵌合孔13a1に対し嵌合可能な状態で離間していてもよい。
【0059】
また、滑車部材a5は、自動閉鎖装置50側において、紐状部材a1の略水平方向の張力を、略垂直方向へ変換するように、紐状部材a1を掛け回している。
また、滑車部材a6,a7は、開閉体10の閉鎖方向側において、紐状部材a1をガイドレール20外からガイドレール20内へ導くように、紐状部材a1を掛け回している。
【0060】
なお、本実施の形態によれば、係止駒a2を係脱させるための複雑な構成をガイドレール20内に配置しなくてもよいように、上記のように、滑車部材a6,a7を具備した構成としているが、他例としては、滑車部材a5をガイドレール20の略直上に配置するとともに、滑車部材a6,a7を省き、紐状部材a1及び係止駒a2等の構成をガイドレール20内に配設することも可能である。
【0061】
次に、上記構成の開閉装置1について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する(図4参照)。
先ず、全開状態にある開閉装置1が防災信号を受けると、図示しない制御部からの電力供給により、自動閉鎖装置50の電磁係脱装置54が励磁して、押圧作動部材52の係止状態が解除される。
すると、自動閉鎖装置50の押圧作動部材52は、付勢部材53の付勢力によって操作部a3方向(図示の右方向)へ移動し、操作部a3を揺動させて、開閉機40のブレーキ機構42を制動状態(図4(a)に示す状態)から解除状態(図4(b)に示す状態)にする。
【0062】
したがって、開閉機40内部では、ブレーキシュー41cからブレーキドラム42bが強制的に外され、駆動軸41bが自由回転可能な状態になる。
そのため、動力伝達手段33を介して駆動軸41bと連動する巻取軸32も自由回転可能な状態となる。
よって、巻取軸32に巻かれて全開状態にあった開閉体10は、自重により巻取軸32から繰り出されて閉鎖動作をする。
なお、開閉体10の自重による閉鎖動作は、開閉機40に設けられる図示しない調速装置により、所定の速度を超えないように調整される。
【0063】
この閉鎖動作中、図2(a)(b)に示すように、可動座板13が障害物Xに当接した場合、可動座板13は、開閉体本体11及び接続部材12に相対して開閉体開放方向(図示例によれば上方)へ移動する。
したがって、接続部材12及び可動座板13内の係止駒a2は、嵌合孔13a1に嵌合するとともに、壁部12aにおける係止孔12a1周囲に当接することで縮径し、紐状部材a1に対し圧接される。
そのため、紐状部材a1には、係止駒a2を介して開閉体10の重量が加わり、該紐状部材a1は下方へ引っ張られることになる。
【0064】
すると、紐状部材a1に生じる張力によって操作部a3が図示の左方向へ揺動し(図2(b)、及び図4(c)参照)、開閉機40のブレーキ機構42が解除状態から制動状態になる。
よって、開閉機40内の駆動軸41bが制動されるのに連動して、巻取軸32の繰り出し方向の回転も制動され、開閉体10の閉鎖動作が停止する。
【0065】
なお、この状態において、自動閉鎖装置50は、図4(c)に示すように、押圧作動部材52を電磁係脱装置54のプランジャ54aに係止させた状態にまでは戻らない。すなわち、操作部a3が操作部a3を自動閉鎖装置50のケーシング51に当接させて揺動を停止するため、押圧作動部材52の後退(図示の左方向への移動)は、プランジャ54aの反係止側(図4においてプランジャ54aの右側)で停止する。
【0066】
また、前記のような可動座板13と障害物Xの当接状態から、障害物Xが除去された場合には、可動座板13が自重によって開閉体本体11及び接続部材12に相対して下方へ移動する。
そのため、開閉体本体11及び接続部材12内では、係止駒a2が弾性的に復元して、該係止駒a2と紐状部材a1との係止状態が解除される。
したがって、紐状部材a1に対し開閉体10の重量が作用しない状態となり、紐状部材a1の張力が緩み、操作部a3が再び自動閉鎖装置50の押圧作動部材52に押圧されて揺動する。すなわち、図4における(c)に示す状態から(b)に示す状態となる。
よって、開閉機40内のブレーキ機構42は、再び制動状態から解除状態になり、開閉体10の閉鎖動作が自動的に再開することになる。
【0067】
なお、自動閉鎖装置50を完全に初期状態(図4(a)に示す状態)に戻す手段は、図示を省略するが、手動又は電動で押圧作動部材52を後退させてプランジャ54aに係止させる構成とすればよい。
【0068】
次に、開放方向へ移動した際の可動座板13を紐状部材a1に係合させる手段について、他の具体的態様を示す。なお、以下に示す態様において、上記開閉装置1と同様の構成については、上記開閉装置1における符号をそのまま用いることで、重複する詳細な説明を省略する。
【0069】
図6に示す態様では、上記接続部材12を接続部材14に置換した構成としている。接続部材14は、上記接続部材12から壁部12aを省き、揺動部材14bと受部14cを具備した構成である。
揺動部材14bは、可動座板13に押圧されて開閉体開放方向へ揺動するように、接続部材14内壁に対し支持された部材であり、その揺動端側に、紐状部材a1を挿通させた係止駒a2における小径側の外周面に対し環状に嵌合するように、嵌合孔14b1が設けられている。
この揺動部材14bは、開閉体幅方向のどの位置であっても可動座板13に対し当接するように、開閉体幅方向の略全長にわたって設けられている。
また、受部14cは、開閉体開放方向へ揺動した際の揺動部材14bを受けるようにして接続部材14の内壁に固定された部材である。この受部14cには、紐状部材a1を遊挿可能であって且つ係止駒a2を挿通不能な大きさに形成された係止孔14c1が設けられている。
なお、受部14cは、少なくとも紐状部材a1を挿通させるように開閉体幅方向において部分的に設けられていればよいが、開閉体10の幅方向へわたる長尺状に設けられていてもよい。
【0070】
而して、図6に示す態様によれば、開閉体10の閉鎖動作中、障害物Xの接触等により可動座板13が開閉体10に相対して開放方向へ移動すると、この可動座板13に押圧されて揺動部材14bが揺動する(図6(a)(b)参照)。この際、揺動部材14bが開閉体幅方向へわたって設けられているため、仮に可動座板13の幅方向において部分的に障害物Xが当接し、可動座板13の開閉体幅方向の一方側が偏って開放方向へ移動した場合であっても、その偏って移動した可動座板13により揺動部材14bが押圧されるため、揺動部材14bを揺動させることができる。
そして、係止駒a2が、揺動部材14bと受部14cとの間で、受部14cに嵌合するとともに係止孔14c1に係止されて弾性的に収縮し、紐状部材a1に対し圧接した状態になる。
したがって、揺動部材14bには係止駒a2を介して開閉体10の重量が加わり、該紐状部材a1に生じる張力によって操作部a3が引っ張られ、ブレーキ機構42が解除状態から制動状態になる。
【0071】
また、図7及び図8に示す態様では、接続部材12におけるガイドレール20内に位置する箇所に、該接続部材15に対し回動自在に滑車部材16を枢支し、該滑車部材16の外周部に紐状部材a1を掛け回し、開閉体本体11及び接続部材15に相対して開放方向へ移動した際の可動座板13により、偏心回転体17を介して、前記滑車部材16の回転を制動するようにしている。
【0072】
接続部材15は、図6に示す態様の揺動部材14bから嵌合孔14b1を省いた構成の揺動部材15bと、該揺動部材15bを上方へ移動した際に受ける受部15c(図8参照)とを備え、揺動部材15bには、ガイドレール20外からガイドレール20内へわたる揺動伝達棒15b1が固定されている。
また、滑車部材16は、後述する偏心回転体17により導かれた紐状部材a1を、上半部側に巻いて下方へ導くように、接続部材15内に枢支されている。
また、偏心回転体17は、略楕円形状もしくは長円状を呈し、偏心して回転するように接続部材15内に枢支されている。この偏心回転体17の外周には、揺動伝達棒15b1により下方から押圧されるように腕部17aが突設されている。また、同偏心回転体17の上部側は、前記腕部17aが押圧されて回転した際に滑車部材16へ当接する当接部17bとなっている。
【0073】
而して、図7及び図8に示す態様によれば、可動座板13が障害物Xに当接して開閉体開放方向へ移動すると、該可動座板13に押圧されて揺動部材15bが上方へ揺動し、該揺動部材15bの揺動が揺動伝達棒15b1によってガイドレール20外からガイドレール20内へ伝達される。
そして、揺動伝達棒15b1により偏心回転体17の腕部17aが押圧されることにより、偏心回転体17の当接部17bが滑車部材16側へ回動し、これら当接部17bと滑車部材16との間に紐状部材a1が挟まれる(図7(b)の状態)。
よって、紐状部材a1には開閉体10の重量が加わり、該紐状部材a1に生じる張力によって操作部a3が引っ張られ、ブレーキ機構42が解除状態から制動状態になる。
【0074】
なお、上記態様によれば、揺動部材15bに固定された揺動伝達棒15b1によって、揺動部材15bの揺動力を偏心回転体17に伝達するようにしているが、他例としては、図9に示す態様のように、偏心回転体17の腕部17a’を、ガイドレール20内からガイドレール20外へわたる長尺状に形成し、該腕部17a’の先端と揺動部材15bとを直接的に当接させて、偏心回転体17を回動させるようにしてもよい。
【0075】
上記図7〜9に示す態様によれば、揺動部材15bの揺動力を揺動伝達棒15b1又は腕部17a’によってガイドレール20の外部から内部へ伝達するようにしているため、揺動部材15bをガイドレール20内へまで延設させなくてもよく、ひいては、ガイドレール20における開閉体10挿入用の開口部の幅を必要最小限の幅にして、開閉体10による閉鎖性を向上することができる。
【0076】
なお、他例としては、偏心回転体17の回転と可動座板13の上方移動とを連動させる機構を、上記のような揺動伝達棒による構成とせずに、他の任意の構造とすることも可能である。
また、他例としては、揺動部材15bを直接的に腕部17aに当接させて偏心回転体17を回動させる構造とすることも可能である。
更に、他例としては、揺動部材15bや偏心回転体17を省き、上方へ移動した際の可動座板13を直接的に滑車部材16に当接させて、滑車部材16の回転を制動し、紐状部材a1に張力を生じさせるようにすることも可能である。
【0077】
また、図10に示す態様では、接続部材18内で、揺動した際の揺動部材18bと受部18cとの間に紐状部材a1を挟み込むようにしている。
揺動部材18bは、可動座板13に押圧されて開閉体開放方向へ揺動するように、接続部材18内壁に対し支持された部材であり、その揺動端側には、紐状部材a1を遊通させる挿通孔18b1と、挟み込まれた紐状部材a1を押圧する突起18b2とが設けられている。
この揺動部材14bは、開閉体幅方向のどの位置であっても可動座板13に対し当接するように、開閉体幅方向の略全長にわたって設けられている。
また、受部18cは、揺動した際の揺動部材18bに当接されて、該揺動部材18bの突起18b2及び挿通孔18b1内縁との間に紐状部材a1を挟み込むように構成してある。
【0078】
而して、図10に示す態様によれば、開閉体10の閉鎖動作中、障害物Xの接触等により可動座板13が開閉体本体11及び接続部材12に相対して開放方向へ移動すると、該可動座板13に押圧されて揺動部材18bが揺動し、該揺動部材18bの突起18b2及び挿通孔18b1内縁と受部18cとの間に紐状部材a1が挟み込まれ、紐状部材a1には開閉体10の重量が加わる。したがって、紐状部材a1に張力が生じ、この張力によって操作部a3が引っ張られ、ブレーキ機構42が解除状態から制動状態になる。
【0079】
なお、図10に示す態様では、揺動部材18bと受部18cとの間で紐状部材a1を挟む構造としているため、紐状部材a1をガイドレール20内に配置するためには、前記揺動部材18bがガイドレール20内に位置してガイドレール20の大型化を招き易い。
この点を改良する発明として、図11及び図12に示す態様では、開閉体10閉鎖方向側の接続部材19におけるガイドレール20外の部分に、相対的に開放方向へ移動した際の可動座板13に押圧されて揺動するように支持されるとともに開閉体幅方向へわたる揺動部材19bを設け、この揺動部材19bに、ガイドレール20の外部から内部へわたる揺動伝達棒19b1を固定している。
また、接続部材19における開閉体幅方向の端部側は、ガイドレール20内に挿入可能な厚さに形成されるとともに、その内面を、揺動する揺動伝達棒19b1に対向する受部19cとしている。
そして、これら揺動伝達棒19b1と受部19cとの間には、紐状部材a1が配置される。
【0080】
而して、図11及び図12に示す態様では、開閉体10の閉鎖動作中、障害物Xの接触等により可動座板13が相対的に開放方向へ移動すると、該可動座板13に押圧されて揺動部材19bが上方へ揺動し、ガイドレール20の内部側で、該揺動部材19bに固定された揺動伝達棒19b1と受部19cとの間に紐状部材a1が挟み込まれ、紐状部材a1に開閉体10の重量が加わる。したがって、紐状部材a1に張力が生じ、この張力によって操作部a3が引っ張られ、ブレーキ機構42が解除状態から制動状態になる。
よって、この態様によれば、紐状部材a1に張力を生じさせる構造をガイドレール20内に配置した上で、ガイドレール20の開閉体厚さ方向の寸法が大型化するのを防ぐことができる。
【0081】
次に、ブレーキ機構42を解除操作する自動閉鎖装置の他例について説明する。
図13に示す自動閉鎖装置60は、開閉機40のケーシング43に固定されたケーシング51内に、一端側を操作部a3方向へ突出させるとともに操作部a3の揺動方向に沿ってスライドするように支持された押圧作動部材62と、該押圧作動部材62を操作部a3方向へ付勢する付勢部材63と、押圧作動部材62を操作部a3から所定量離れた位置でプランジャ54aに係脱する電磁係脱装置54と、押圧作動部材62の操作部a3方向への移動速度を低減するダンパー手段64とを具備している。
【0082】
押圧作動部材62は、一端側を操作部a3方向へ突出させるとともに他端側に紐状部材a1の開閉体開放方向側の端部を止着している。そして、この押圧作動部材62は、操作部a3の揺動方向に沿ってスライドするように支持され、引張バネである付勢部材63により操作部a3方向へ付勢された状態で、電磁係脱装置54によって係止されている。
ダンパー手段64は、ケーシング51に固定されたシリンダー64a内に進退可能にピストン64bを備えた周知のダンパー装置であり、ピストン64bに対し気体圧又は液体圧による抵抗を与えることで、ピストン64bの移動抵抗が、前進時(図示における左方向への移動時)よりも後退時に大きくなるようにしている。
【0083】
而して、図13に示す自動閉鎖装置60によれば、上述した自動閉鎖装置50と略同様に、電磁係脱装置54の係止状態が解除されると、押圧作動部材62が付勢部材63の付勢力により突出して操作部a3に当接し、操作部a3の揺動により、ブレーキ機構42が拘束状態から解除状態になる(図13(a)(b)参照)。
この際の解除動作は、ダンパー手段64の抵抗を受けるため、比較的緩やかな速度で行われる。
【0084】
また、障害物Xとの当接等に起因して可動座板13が相対的に開放方向へ移動し、該移動により紐状部材a1に張力が生じた際には、図13(c)に示すように、操作部a3が紐状部材a1に引っ張られて、ブレーキ機構42が解除状態から拘束状態になり、開閉体10の閉鎖動作が停止する。
この際の拘束動作は、ダンパー手段64の構造より、その抵抗を殆ど受けないため、比較的敏速に行われる。
【0085】
この後、例えば障害物Xの除去等により可動座板13が再度閉鎖方向へ移動した場合には、押圧作動部材62が付勢部材63の付勢力により再度操作部a3を押圧し、操作部a3が揺動してブレーキ機構42が拘束状態から解除状態になる。すなわち、図13(c)に示す状態から図13(b)に示す状態になる。
この際の解除動作は、ダンパー手段64の抵抗を受けるため、比較的緩やかな速度で行われる。
よって、開閉体10の閉鎖動作の再開を遅らせることができ、ひいては自動復帰動作の安全性を向上することができる。
【0086】
なお、上記ダンパー手段64は、押圧作動部材62の操作部a3方向への一方向の移動に抵抗を与えるものであればよく、例えば、図14に示す自動閉鎖装置60’のダンパー手段65に置換することができる。
ダンパー手段65は、周知のワンウェイタイプのロータリーダンパー装置である。すなわち、このダンパー手段65は、押圧作動部材62に枢支されて回転するピニオン部62aと、該ピニオン部62aに噛み合うようにケーシング51に固定されたラック部62bとからなり、ピニオン部62aの一方向の回転が、内部流体の抵抗によって抑制されている。図示例によれば、ピニオン部62aの時計方向の回転が抑制されている。
【0087】
而して、図14に示す態様によれば、図14における(a)状態から(b)状態への動作、および同図14における(c)状態から(b)状態への動作、すなわちブレーキ機構42の解除動作を、緩やかな速度で行うことができ、ひいては、自動復帰動作の安全性を向上することができる。
【0088】
なお、上記実施の形態によれば、ブレーキ機構42の電気的な解除動作についての説明を省略しているが、必要に応じて電磁ソレノイド42dへの通電によってブレーキ機構42を解除するようにしてもよい。
例えば、防犯目的やメンテナンス等のために開閉体10を閉鎖動作する際には、図示しない操作スイッチからの信号に応じて電磁ソレノイド42dを通電し、ブレーキ機構42を解除動作するようにしてもよい。
【0089】
また、上記実施の形態によれば、通常時に拘束状態にあり外部操作があった際に解除状態になるブレーキ機構42を具備するようにしたが、他例としては、通常時に解除状態にあり外部操作があった際に拘束状態になるブレーキ機構(図示せず)を更に備え、紐状部材a1の張力によって外部操作されるようにしてもよい。
この構成は、紐状部材の張力によって外部操作されたときのみブレーキシューとブレーキドラムとが当接するような構造(図示せず)とすればよいが、他例としては、上記開閉機40において、ブレーキ機構42および自動閉鎖装置50を、駆動軸41bに連結された直流モータに置換し、該直流モータの入力端子を紐状部材a1の張力によって短絡させる構造としてもよい。
後者のブレーキ機構によれば、可動座板13の相対的な上昇によって紐状部材a1に張力が生じると、該張力によって前記直流モータの入力端子が短絡し、前記直流モータが拘束状態になる。よって、駆動軸41bに連動する巻取軸32の回転が抑制されるとともに、開閉体10の閉鎖動作も抑制されることになる。
【0090】
更に、自動閉鎖装置50において、駆動軸41bに対し、上記直流モータを用いたブレーキ機構(図示せず)と、上述した上記ブレーキ機構42(図3参照)とを直列的に併設することも可能である。
この態様によれば、防災信号があった際には、電磁ソレノイド42dへの通電により、開閉体10が自動閉鎖する。その自動閉鎖中、可動座板13に障害物Xが当接した場合には、可動座板13の相対的な上昇により紐状部材a1に張力が生じ、該張力によって上記直流モータが短絡される。したがって、駆動軸41bが拘束されて、開閉体10の閉鎖動作に制動力が加わる。
【0091】
また、上記実施の形態によれば、連動手段Aを一方のガイドレール20に沿う構成としたが、この連動手段Aを左右のガイドレール20,20に沿う複数の構成とすることも可能である。同様に、開閉体10の閉鎖動作を制動するブレーキ機構も、任意の箇所に複数具備することが可能である。
【0092】
次に、開放方向へ移動した際の可動座板13を紐状部材a1に係合させる手段として、更に好ましい態様を説明する。以下に示す態様では、上記開閉体本体に相対する上記可動座板の開放方向への移動により付勢力が蓄積されるように付勢部材を設け、この付勢部材の付勢力によって上記可動座板と上記紐状部材との係合状態を維持するようにしている。
【0093】
より詳細に説明すれば、例えば、図15及び図16に示す態様では、開閉体本体11の閉鎖方向端部側に支持されて紐状部材a1を開閉体幅方向へわたって掛け渡している二つの滑車部材11c,11dと、これら滑車部材11c,11d間の紐状部材a1を上下から挟むようにして配設された第一可動部材11eおよび第二可動部材11fと、上側の第一可動部材11eを下方へ付勢する付勢部材11gと、下側の第二可動部材11fを上方へ押圧する揺動部材11h及び係合部材11iとを具備し、相対的に上方へ移動した際の可動座板13を紐状部材a1に対し間接的に係合させ、紐状部材a1に張力を生じさせるようにしている。
【0094】
滑車部材11c,11dは、開閉体幅方向に間隔を置いて配置され、それぞれが開閉体本体11に対し回動自在に支持されている。
そして、これら滑車部材11c,11dには、上方から下方へ延設された紐状部材a1が掛け渡されている。詳細に説明すれば、紐状部材a1は、滑車部材11c,11dの下半部側に掛けられ、その一端側を上方へ向けて延設するとともに、他端側も上方へ向けて延設している(図15及び図16参照)。
【0095】
紐状部材a1の前記一端側は、図16に示すように、引張バネa4を介して、ブレーキ機構42の操作部a3に接続されている。
また、同紐状部材a1の前記他端側は、同図16に示すように、巻取体a8に巻き取られる。
巻取体a8は、不動部位である収納ケース31に支持され、内在するゼンマイばね等の付勢部材によって、紐状部材a1を巻き取る回転方向へ付勢されている。前記付勢部材の付勢力は、ブレーキ機構42の操作部a3を作動させる力よりも小さく設定されている。すなわち、巻取体a8の巻き取り力のみによって操作部a3が制動方向(図示例によれば左方向)へ揺動することがないようにしている。
【0096】
なお、図16中、符号a9は、所謂アウターワイヤー(アウターホースとも呼称される)であり、フレキシブルに湾曲可能な管状に構成され、内部に挿通される紐状部材a1の方向を変換している。このアウターワイヤーa9は、上述した滑車部材a5に置換することが可能である。
また、図16に示す一例によれば、紐状部材a1の右端側を操作部a3に接続するとともに左端側を巻取体a8外周に止着しているが、その左右を逆にした構成とすることも可能である。
【0097】
また、第一可動部材11eと第二可動部材11fは、それぞれ開閉体本体11に対し揺動自在に支持されている。
詳細に説明すれば、第一可動部材11eは、図16に示すように、正面視略凹状の金属片であり、一端側が開閉体本体11に対し回動自在に支持され、その他端側を上下方向へ揺動させて、紐状部材a1における滑車部材11cと滑車部材11dの間の部分に対し接近離間する。
【0098】
また、開閉体本体11には、第一可動部材11eの先端側を受けて、第一可動部材11eの下方への揺動量を規制するように、規制部材11e1が固定されている。この規制部材11e1は、図示例によれば、例えば凸ピン状などに構成される。
【0099】
また、第二可動部材11fは、上記第一可動部材11eとの間に、略水平方向へわたる紐状部材aを挟むようにして配置される。
この第二可動部材11fは、図示例によれば、略L字状の金属片であり、その開放方向側の部分(上部)に凹凸面11f1を有する。
この第二可動部材11fは、第一可動部材11eの支持箇所と同方向(図16の左方向)側の一端部が、開閉体本体11に対し回動自在に支持され、他端側を上下方向へ揺動させて、略水平状の紐状部材a1に対し接近離間する。
【0100】
前記凹凸面11f1は、第二可動部材11fが紐状部材a1に押圧された際の摩擦力を十分に確保するために設けられ、例えば断面略鋸歯状や、ヤスリの凹凸面状、梨地凹凸面状、その他の凹凸面状等に形成されている。
図示例によれば、第一可動部材11eと第二可動部材11fとの内、第二可動部材11fのみに凹凸面11f1を設けるようにしたが、更に好ましい態様として、第一可動部材11eと第二可動部材11fの双方に対向するように凹凸面を設けるようにしてもよい。また、第一可動部材11eのみに凹凸面を設けた構成とすることも可能である。
【0101】
また、付勢部材11gは、図示例によれば、開閉体本体11に支持されたねじりコイルバネである。この付勢部材11gは、一端部を開閉体本体11に係止するとともに、他端部を第一可動部材11eに係止させて、第一可動部材11eを下方へ弾発している。
この付勢部材11gは、例えば、板バネ等、ねじりコイルバネ以外のバネとすることも可能である。
【0102】
また、揺動部材11hは、上述した揺動部材14b(図6参照)と略同様に構成され、可動座板13に押圧されて開閉体開放方向へ揺動するように、開閉体本体11の下端側部分(詳細には上記接続部材14等)に対し支持されている。
この揺動部材11hには、第二可動部材11fの揺動端部側に当接するように、係合部材11iが固定されている。この係合部材11iは、図示例によれば、断面略V字状に形成されている。
【0103】
なお、前記揺動部材11hを省いて、揺動部材11hを第二可動部材11fに対し直接当接させる構成としたり、更に揺動部材11hも省いて、可動座板13を第二可動部材11fに対し直接当接させる構成とすることも可能である。
【0104】
次に、上記した態様について、その作用効果を詳細に説明する。
先ず、開閉体10が閉鎖動作中であって障害物Xに当接する前の状態では、図16(a)に示すように、可動座板13は開閉体本体11に対する開閉体閉鎖方向側(下方側)に位置し、略平行する第一可動部材11eと第二可動部材11fとの間には、紐状部材a1を自在に挿通可能な隙間が確保される。
したがって、前記閉鎖動作中、紐状部材a1は、操作部a3を制動操作するほどの張力を生じることなく、巻取体a8から繰り出されることになる。
【0105】
また、閉鎖動作中の開閉体10が障害物Xに当接した場合(図16(b)参照)には、開閉体本体11に相対する可動座板13の上方への移動に伴い、係合部材11iも上方へ移動し、該係合部材11iに押圧されて、第二可動部材11fの揺動端側が、上方へ揺動して紐状部材a1における滑車部材11cと滑車部材11dの間の部分に接触する。
そのため、前記紐状部材a1は、第一可動部材11eと第二可動部材11fとの間に挟まれ、移動不能に拘束されて張力を生じ、この張力によって操作部a3が制動方向(図16の一例によれば左方向)へ揺動する。
したがって、ブレーキ機構42によって巻取軸32が拘束され、開閉体10の閉鎖動作も停止する。
【0106】
前述した経過において、可動座板13が障害物Xに接触してから、前記のようにしてブレーキ機構42の作動により開閉体10の閉鎖動作が停止するまでには、若干の応答遅れがあり、その応答遅れにより、開閉体10の閉鎖動作が若干進行するが、可動座板13が開閉体本体11に相対して開放方向へ移動するため、障害物Xに対し開閉体本体11の荷重が加わるのを遅らせることができる。
【0107】
また、前記のように可動座板13が開閉体本体11に相対して開放方向へ移動する最中、可動座板13に押圧されて揺動部材11h及び係合部材11iが上方へ揺動し、係合部材11iに押圧されて第一可動部材11e及び第二可動部材11fも図16(b)に示すように上方へ揺動するため、付勢部材11gには付勢力が蓄積されることになる。
そのため、仮に障害物Xが下方へ若干ずれた場合であっても、第一可動部材11eと第二可動部材11fの間の挟持力が、付勢部材11gの付勢力によって維持されて、ブレーキ機構42による制動状態も維持される。
よって、障害物Xの下方への若干のずれや、開閉体10の振動等に起因して、ブレーキ機構42の制動状態が不意に解除されてしまうようなことを防ぐことができる。
【0108】
なお、上記実施の形態によれば、第一可動部材11e,第二可動部材11f,付勢部材11g,係合部材11i等の構成を単数具備するようにしたが、他例としては、滑車部材11cと滑車部材11dの間に前記構成を複数具備し、紐状部材a1を複数個所で拘束するようにしてもよい。
【0109】
次に、図17に示す態様では、開閉体本体11の閉鎖方向端部側に支持されて紐状部材a1を開閉体幅方向へわたって掛け渡している二つの滑車部材11k,11mと、紐状部材a1の一端側を下方へ導く滑車部材11nと、同紐状部材a1の略水平状の部分と可動座板13との間において開閉体幅方向に配設された複数(図示例によれば二つ)の付勢部材11p,11qとを備え、相対的に上方へ移動した際の可動座板13を、紐状部材a1に間接的に係合させ、紐状部材a1に張力を生じさせるようにしている。
【0110】
滑車部材11k,11mは、開閉体幅方向に間隔を置いて配置され、それぞれが開閉体本体11に対し回動自在に支持されている。
図示例によれば、一方の滑車部材11kを開閉体本体11の幅方向の一端側に配置するとともに、他方の滑車部材11mを同開閉体本体11の幅方向の他端側に配置している。
そして、これら滑車部材11k,11mには、紐状部材a1が環状に掛け回され、この紐状部材a1の一端側は、滑車部材a5及び引張バネa4等を介して、操作部a3に接続される。また、同紐状部材a1の他端側は、開閉体本体11に支持された滑車部材11nを介して、ガイドレール20内で下方へ導かれ、当接対象部位Pに止着されている。
【0111】
付勢部材11p,11qの各々は、図示例によればU字状の板バネであり、その一端側を可動座板13に係止するとともに、他端側を、紐状部材a1における滑車部材11kと滑車部材11mとの間の部分に対し近接又は接触させている。
なお、これら付勢部材11p,11qの各々は、紐状部材a1と可動座板13との間で圧縮されるバネであればよく、例えば、圧縮スプリングに置換することが可能である。
【0112】
而して、図17に示す態様によれば、開閉体10の閉鎖動作中であって可動座板13が障害物Xに当接していない状態(図17(a)参照)では、紐状部材a1が拘束されないため、ブレーキ機構42は解除状態に維持される。
【0113】
また、可動座板13が障害物Xに当接した場合には、二つの付勢部材11p,11qの内の何れか一方または双方が、紐状部材a1と可動座板13との間に挟まれ圧縮されるとともに、紐状部材a1を押圧して、紐状部材a1に張力を生じさせる。したがって、この張力によって操作部a3が制動方向(図17の左方向)へ揺動し、ブレーキ機構42によって巻取軸32が拘束され、開閉体10の閉鎖動作も停止する。
【0114】
前述した拘束動作の際、紐状部材a1が開閉体幅方向の比較的広い範囲にわたって設けられているため、図17(b)に示すように、開閉体幅方向へわたる障害物Xに当接した場合にブレーキ機構42を制動操作可能であるのは勿論のこと、図17(c)に示すように、障害物Xが開閉体幅方向の一方に偏って当接し、可動座板13が傾いた場合であっても、一方の付勢部材11pのみの付勢力により、紐状部材a1に張力を生じさせて、ブレーキ機構42を制動操作させることができる。
【0115】
また、可動座板13が障害物Xに当接した状態では、紐状部材a1の張力を付勢部材11pと付勢部材11p,11qの付勢力により維持した状態で、可動座板13を上下移動させることができるため、上記図15及び図16に示す態様と略同様に、障害物Xに対し開閉体本体11の荷重が加わるのを遅らせる効果や、ブレーキ機構42の制動状態が不意に解除されてしまうのを防ぐ効果等を奏することになる。
【0116】
なお、図17に示す態様では、付勢部材11p,11qを二つとしているが、同構成の付勢部材を開閉体幅方向へわたるように3以上具備した態様としてもよい。更に、上記付勢部材11p,11qを単一の付勢部材に置換することも可能である。
また、可動座板13を開閉体幅方向において複数に分割し、この分割された可動座板毎に付勢部材11p,11qを設けるようにしてもよく、この構成によれば、障害物X当接による可動座板13の作動性を向上することができる。
【0117】
また、付勢部材11p,11qは、障害物Xの当接による可動座板13の相対的な上昇により、複数が略同時に圧縮されるように、その開閉体幅方向の間隔が適宜に設定されているのが好ましい。すなわち、例えば、付勢部材11p,11q間が近接または接触した態様や、単数の付勢部材11p(又は11q)のみを用いた態様よりも、適宜な間隔を有する複数の付勢部材11p,11qがほぼ同時に圧縮されるようにした方が、紐状部材a1に対する引っ張り量を多くすることができる。
したがって、可動座板13を開閉体幅方向において複数に分割した態様とした場合には、その分割された可動部材毎に、適宜な間隔で複数の付勢部材11p,11qを設けるのが好ましい。
【0118】
また、図17に示す態様では、二つの滑車部材11k,11mの周囲に紐状部材a1を略一周巻いて、その先端側を滑車部材11mによって下方へ導く構成としたが、紐状部材a1を図18に示す態様のように取り回すことも可能である。
図18の態様では、二つの滑車部材11k,11mの下側に紐状部材a1をわたし、その紐状部材a1における開閉体幅方向の一端側を上方へ導いて操作部a3に止着するとともに、その他端側を滑車部材11nを介して下方へ導き当接対象部位Pに止着するようにしている。そして、付勢部材11p,11qは、略水平方向へわたる紐状部材a1と可動座板13との間で圧縮されるように配設される。
【0119】
また、図19及び図20に示す態様では、開閉体本体11下端側の接続部材12に、可動座板13に押圧されて上方へ揺動するように支持される揺動部材71(図20参照)と、その揺動方向側で該揺動部材71を受ける受部72と、揺動部材71の揺動部分と可動座板13との間で弾発するように設けられた付勢部材73とを備え、揺動した際の揺動部材71と受部72との間に、紐状部材a1を挟み込むようにしている。
【0120】
揺動部材71は、上述した揺動部材18b(図10参照)と略同様に構成され、可動座板13に押圧されて開閉体開放方向へ揺動するように、開閉体本体11の下端側の接続部材12内に支持されている。
この揺動部材71の揺動端側には、紐状部材a1を挿通させる挿通孔71aと、紐状部材a1を押圧するための突起71bが設けられている。
【0121】
また、受部72は、揺動した際の揺動部材71の先端側に当接されて、揺動部材71の挿通孔71a及び突起71bとの間に紐状部材a1を挟み込むように構成される。
【0122】
また、この態様において、紐状部材a1は、開閉体本体11下端側の接続部材12、揺動部材71、及び可動座板13に挿通されるとともに、可動座板13内に支持された滑車部材74と滑車部材75に掛け巻かれ、その一端側が上方へ導かれて操作部a3に止着され、他端側は下方へ導かれて当接対象部位Pに止着される。
【0123】
また、付勢部材73は、U字状もしくはV字状の板バネであり、図20に示すように、揺動部材71と可動座板13の上端部との間に設けられて、可動座板13が開閉体本体11に相対する開閉体開放方向へ移動した際に、揺動部材71を弾発して開閉体開放方向へ揺動させる。
この付勢部材73は、図示例によれば、開閉体幅方向へ二つ配設されるが(図19参照)、単数または三以上とすることも可能である。
また、この付勢部材73の他例としては、コイルスプリングとすることも可能である。
【0124】
而して、図19及び図20に示す態様によれば、開閉体10の閉鎖動作中であって可動座板13が障害物Xに当接していない状態(図19(a)及び図20(a)参照)では、紐状部材a1が拘束されないため、ブレーキ機構42は解除状態に維持される。
【0125】
また、可動座板13が障害物Xに当接した場合には、付勢部材73がその下方から可動座板13に押圧され、更に揺動部材71がその下方から付勢部材73によって押圧されることで、揺動部材71が上方へ揺動し、揺動部材71の挿通孔71aの内縁及び突起71bと受部72との間に、紐状部材a1が挟み込まれる(図20(b)参照)。
この状態で、紐状部材a1に張力を生じるため、この張力によって操作部a3が制動方向(図17の左方向)へ揺動し、ブレーキ機構42によって巻取軸32が拘束され、開閉体10の閉鎖動作も停止する。
【0126】
可動座板13が障害物Xに接触してから、ブレーキ機構42の作動による開閉体10の閉鎖動作停止までの間に応答遅れが生じた場合であっても、図20(c)に示すように、可動座板13が開閉体本体11に相対して開閉体開放方向へ移動するため、開閉体本体11の荷重が障害物Xに加わるのを遅らせることができる。
更に、この状態で、障害物Xが若干下方へ移動した場合には、可動座板13も若干下方へ移動するが、付勢部材73に蓄積された付勢力により、揺動部材71と受部72との間に紐状部材a1を挟持した状態が維持されるため、開閉体10が不意に閉鎖動作を再開するようなことを防ぐことができる。
【0127】
また、図21及び図22に示す態様は、図19及び図20に示す態様に対し、付勢部材73の配置や、滑車部材に対する紐状部材a1の取り回し等を変更し、更に、開閉体本体11下端側の接続部材12から可動座板13にわたる紐状部材a1の通路を、屈曲状に構成している。
【0128】
付勢部材73は、図21に示すように、開閉体幅方向へわたって複数(図示例によれば二つ)配設され、図22に示すように、可動座板13の開閉体厚さ方向中央側の溝部分に嵌め合わせられている。
そして、この付勢部材73は、揺動部材71の揺動端側と可動座板13の下端底面との間で、これらの間を押し広げるように付勢している。
【0129】
また、図21に示すように、紐状部材a1は、可動座板13に支持された滑車部材74と開閉体本体11の下端側に支持された滑車部材76との間にわたって掛け回され、その一端側が上方へ導かれて操作部a3に止着され、他端側は下方へ導かれて当接対象部位Pに止着される。
そして、この紐状部材a1は、図22に示すように、接続部材12内に設けられたガイド片77,78,79により、屈曲して上下方向へ導かれている。
【0130】
前記ガイド片77は、揺動部材71の揺動端側の上面に固定され、紐状部材a1を上下方向へ貫通させている。
また、ガイド片78とガイド片79は、接続部材12内に固定され、ガイド片77に挿通された紐状部材a1に対し開閉体厚さ方向の一方側と他方側とから接触することで、紐状部材a1を略S字状に屈曲させる。
また、接続部材12内には、上方へ揺動した際の揺動部材71及びガイド片77を受けるようにして受部8が突設されている。
【0131】
而して、図21及び図22に示す態様によれば、開閉体10の閉鎖動作中であって可動座板13が障害物Xに当接していない状態(図21(a)及び図22(a)参照)では、紐状部材a1が拘束されないため、ブレーキ機構42が解除状態に維持される。
【0132】
また、可動座板13が障害物Xに当接した場合には、付勢部材73がその下方から可動座板13に押圧され、更に揺動部材71がその下方から付勢部材73によって押圧されることで、揺動部材71の揺動端側が上方へ揺動し、揺動部材71上面のガイド片77と、その上方側のガイド片78との間に、紐状部材a1が挟み込まれる(図22(b)参照)。
この状態で、紐状部材a1に張力を生じるため、この張力によって操作部a3が制動方向(図22の左方向)へ揺動し、ブレーキ機構42によって巻取軸32が拘束され、開閉体10の閉鎖動作も停止する。
【0133】
前記拘束状態において、紐状部材a1は、接続部材12内のガイド片77,78,79により屈曲状に保持されるため、接続部材12との摩擦抵抗が大きく維持される。したがって、紐状部材a1が接続部材12に対し滑ってしまうようなことを防ぐことができ、ひいては、ブレーキ機構42を制動操作した際の作動性を向上することができる。
【0134】
なお、上記実施の形態によれば、付勢部材11g,11p,11q,73を圧縮バネとして用いたが、他例としては、引張バネを用いる構成とすることも可能である。
【0135】
また、上述した図1及び図2に示す態様や、図6に示す態様、図7及び図8に示す態様、図9及び図10に示す態様、図11及び図12に示す態様においても、開閉体本体11に相対する可動座板13の開放方向への移動により、紐状部材a1を係止するための付勢力が蓄積されるように、付勢部材を設けるようにしてもよい。
【0136】
また、図23に示す態様は、図15及び図16に示す態様に対し、巻取体a8を紐状部材収納装置70に置換し、紐状部材a1の経路途中にダンパー手段80を具備した構成としている。
なお、他例としては、図15及び図16に示す態様に対して巻取体a8を紐状部材収納装置70に置換するのみの構成や、図15及び図16に示す態様に対して紐状部材a1の経路途中にダンパー手段80を加えるのみの構成等とすることも可能である。
【0137】
紐状部材収納装置70は、錘体71を吊り下げた動滑車72と、不動部位(例えば収納ケース31等)に支持された定滑車73とに、紐状部材a1を掛け回し、該紐状部材a1の先端を不動部位に止着してなる滑車機構であり、紐状部材a1におけるブレーキ機構42と逆側の端部を、錘体71の重量により引っ張ってガイドレール20内等の上下方向へわたって収納する。
前記錘体71の重量は、ブレーキ機構42の操作部a3を作動させる力よりも小さく設定されている。すなわち、錘体71の重量のみによって操作部a3が制動方向(図示例によれば左方向)へ揺動することがないようにしている。
【0138】
また、ダンパー手段80は、紐状部材a1に操作部a3を引っ張るための張力が生じた際に、その張力によって一方向(図23の一例によれば反時計方向)へ回転するように外周部を紐状部材a1に係止した回転体81と、該回転体81の逆方向(図23の一例によれば時計方向)への回転に抵抗を与えるロータリーダンパー装置82とを具備してなり、ブラケット83等を介して不動部位(例えば収納ケース31等)に支持されている。
【0139】
回転体81は、図示例によれば外周に歯部を有する歯車であり、その側面の外周側に、紐状部材a1を係止した状態で回転自在となるように、ブラケット83に支持されている。
図示例について詳細に説明すれば、紐状部材a1が途中箇所で切断され、その切断端部の一方と他方が回転体81の側面に止着されている。なお、他例としては、紐状部材a1を切断せずに回転体81の側面に係止してもよい。
図中、符号81aは、回転体81の回転角度を規制する略円弧状の切欠部であり、ブラケット83に固定されたピンが挿通されている。
【0140】
また、ロータリーダンパー装置82は、所謂ワンウェイタイプのロータリーダンパー装置であり、歯車である制動回転体82aの一方向(図23の一例によれば反時計方向)への回転に抵抗を与え、その抵抗を、逆方向(図23の一例によれば時計方向)へ回転する際に解除するように構成される。
そして、このロータリーダンパー装置82は、前記制動回転体82aを回転体81に噛み合わせて回転するようになっている。
【0141】
而して、図23に示す態様によれば、開閉体10の開放動作に伴い、紐状部材a1を、ガイドレール20内等に上下方向へわたって収納することができる。すなわち、ガイドレール20内のスペースを有効利用して紐状部材a1を収納することができる。
【0142】
また、閉鎖動作中の開閉体10の閉鎖方向端部(可動座板13)に障害物が当接した場合には、図15及び図16に示す態様と同様に、紐状部材a1に張力が生じ、その張力によって操作部a3が拘束操作方向(図23の一例によれば左方向)へ作動し、図示しないブレーキ機構42が拘束状態になる。したがって、開閉体10の閉鎖動作が停止する。
【0143】
そして、前記拘束状態の後、前記障害物が除去されるなどして、可動座板13が開閉体10に相対して開閉体閉鎖方向へ移動した場合には、紐状部材a1の張力が緩められ、回転体81が図示の時計方向へ回転するとともに、ロータリーダンパー装置82の制動回転体82aが図示の反時計方向へ回転するが、この際の回転運動には、制動回転体82aの回転抵抗が作用する。そのため、前記紐状部材a1の緩みの後、前記回転体81の時計方向の回転は若干遅延する。
したがって、操作部a3の解除操作方向(図23の一例によれば右方向)への動作も遅延し、これらの結果、障害物の除去の後、若干遅延して、開閉体10の閉鎖動作が再開することになる。
よって、開閉体10の閉鎖動作を再開する際の安全性を向上することができる。
【0144】
なお、上記した実施の形態によれば、開閉機40及び自動閉鎖装置50を開閉体幅方向の一方側(図1の一例によれば左側)に配置するとともに、紐状部材a1も同一方側に配置するようにしているが、他例としては、開閉機40及び自動閉鎖装置50を開閉体幅方向の一方側に配置するとともに、紐状部材a1を開閉体幅方向の他方側に配置してもよい。
この他例では、例えば、収納ケース31内に、図24に示す張力伝達手段91、または図25に示す張力伝達手段92を設け、これら何れかの張力伝達手段により、紐状部材a1の張力を自動閉鎖装置50の操作部a3へ伝達すればよい。
【0145】
詳細に説明すれば、図24に示す張力伝達手段91は、分割された紐状部材a1の一方(図24の一例によれば左側)に接続された回転体91aと、該回転体81の外周側に一端を接続した線状伝達部材91bと、該線状伝達部材91bを案内する複数の一対のガイドローラ91c〜iとを具備し、分割された紐状部材a1の他方側(図24の一例によれば右側)の上端を、ブレーキ機構42の操作部a3に接続している。
【0146】
回転体91aは、回転自在に支持された円盤状の部材であり、紐状部材a1の上下方向の力を水平方向の力に変換して、張力伝達手段91へ伝達している。
この回転体91aは、ダンパー手段80の回転体81とし、ロータリーダンパー装置82によって解除操作方向の回転に抵抗を有する構成としてもよい。
【0147】
線状伝達部材91bは、図示例によれば、中央側に位置する金属製の棒状部材91b1と、該棒状部材91b1の両側に接続された紐状体91b2,91b3(例えばワイヤー等)とからなり、開閉体幅方向へわたる長尺状に配設される。
なお、他例としては、前記棒状部材b1を紐状体(例えばワイヤー等)に置換した構成や、前記棒状部材b1と紐状体91b2,91b3の一部または全部を、アウターワイヤー内で摺動するインナーワイヤーによって張力を伝達する構成等に置換することが可能である。後者のアウターワイヤーおよびインナーワイヤーを用いた構成によれば、後述するガイドローラ91c〜iの一部または全部を省くことが可能である。
【0148】
また、ガイドローラ91c〜iの各々は、前記張力伝達手段91を間に挟んで長さ方向へ導くようにした一対のローラであり、張力伝達手段91を適宜間隔置きに挟むようにしている。また、回転体91aと逆側のガイドローラ91iは、張力伝達手段91の水平方向の張力を上下方向へ変換して、分割された紐状部材a1の他方へ伝達している。
【0149】
また、図25に示す張力伝達手段92は、分割された一方(図25の一例によれば右側)の紐状部材a1に接続された歯車92aと、該歯車92aの回転力を開閉体幅方向の一端側から他端側へ伝達する回転力伝達部材92bと、該回転力伝達部材92bの他端側の回転力を受けて回転する歯車92cとを具備し、分割された紐状部材a1の他方側(図25の一例によれば左側)の上端を、ブレーキ機構42の操作部a3に接続している。
【0150】
歯車92a,92cの各々は、収納ケース31等の不動部位に対し回転自在に支持されている。
これら歯車92a,92cの内の一方又は双方を、上述したダンパー手段80の回転体81とし、ロータリーダンパー装置82によって解除操作方向の回転に抵抗を有するようにしてもよい。
また、回転力伝達部材92bは、開閉体幅方向へわたる長尺状の軸体の両端に、それぞれ前記歯車92a(又は92c)に噛み合わせるようにして歯車を固定してなり、収納ケース31等の不動部位に対し回動自在に支持される。
【0151】
而して、上述した張力伝達手段91(図24参照)、あるいは張力伝達手段92(図25参照)によれば、開閉体幅方向の一端側で紐状部材a1に作用する張力を、開閉体幅方向の他端側へ伝達し、その張力によってブレーキ機構42の操作部a3を作動させることができる。
【0152】
更に他例としては、連動手段Aを複数具備し、その内の一部の連動手段Aの紐状部材a1を開閉体幅方向の一方側に配置するとともに、他の一部の連動手段Aの紐状部材a1を開閉体幅方向の他方側に配置し、これら複数の紐状部材a1を、開閉体幅方向の一方側に設けられた自動閉鎖装置50の操作部a3に接続するようにしてもよい。この態様においても、紐状部材a1が開閉体幅方向へ比較的長く配設される場合には、上述した張力伝達手段91(又は92)を用いればよい。
【符号の説明】
【0153】
1:開閉装置 10:開閉体 11:開閉体本体
11c,11d,11k,11m,11n,74,75,76:滑車部材
11e:第一可動部材 11f:第二可動部材
11g,11p,11q,73:付勢部材
12,14,15,18,19:接続部材
13:可動座板 14b,15b,18b,19b:揺動部材
14b1:嵌合孔 14c,15c,18c,19c:受部
14c1:係止孔 15b1,19b1:揺動伝達棒
16:滑車部材 17:偏心回転体 17a,17a’:腕部
20:ガイドレール 30:巻取装置 40:開閉機
42:ブレーキ機構 50,60,60’:自動閉鎖装置
A:連動手段 a1:紐状部材 a2:係止駒
a3:操作部(操作体) a4:引張バネ
a5,a6,a7:滑車部材 X:障害物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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