(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
椎骨固定システムであって、上方の椎体と下方の椎体との間に配置されるように構成された椎骨インプラントを備え、該椎骨インプラントは、前記上方の椎体と前記下方の椎体との間に該椎骨インプラントが配置された時に、前記上方の椎体に面するように構成された上面と、前記下方の椎体に面するように構成された、前記上面とは反対側の下面とを有するインプラント本体を有しており、前記インプラント本体はさらに1つ以上の空所を有しており、
前記インプラント本体に結合されるように構成されたプレートを備え、該プレートは、該プレートを貫通していて、前記1つ以上の空所と整列する1つ以上の開口を有しており、
前記椎骨インプラントを前記上方及び下方の椎体の少なくとも一方に連結するように構成された1つ以上のアンカ・イン・アンカシステムを備え、各アンカ・イン・アンカシステムが、
第1の目標位置に挿入されるよう構成された第1のアンカであって、第1のヘッドと、該第1のヘッドから延在していて、前記第1の目標位置にねじ結合されるように構成された、ねじ山を設けた第1のシャフトとを有していて、前記第1のヘッドは、ボア軸線に沿って該第1のヘッドを貫通したボアを形成している、第1のアンカと、
前記アンカ・イン・アンカシステムが前記椎骨インプラントを前記上方及び下方の椎体の少なくとも一方に連結する時に、前記上方の椎体か又は前記下方の椎体によって形成される第2の目標位置にねじ結合するように、前記ボアを貫通して延在するような大きさの、ねじ山を設けたシャフトを有している、第2のアンカとを備えていて、
前記プレートの前記1つ以上の開口は、前記1つ以上のアンカ・イン・アンカシステムの各々を受け入れるような大きさに構成されており、
前記1つ以上の空所は、前記1つ以上のアンカ・イン・アンカシステムが前記1つ以上の開口内に受け入れられた時に、前記1つ以上のアンカ・イン・アンカシステムの各々の部分を受け入れる大きさに構成されていることを特徴とする、椎骨固定システム。
前記下面は、前記上面から横方向の間隔をおいており、前記インプラント本体は、更に、第1の端部と、該第1の端部から前記横方向に対して実質的に直角な縦方向の間隔をおいた第2の端部とを備えており、前記プレートは、前記インプラント本体の前記第2の端部に結合されるように構成されている、請求項1記載の椎骨固定システム。
前記1つ以上のアンカ・イン・アンカシステムの各々が、前記椎骨インプラントを前記少なくとも1つの椎体に結合する際、前記第2のアンカが前記第1のアンカの前記ボアを通過する時に該第2のアンカを前記空所が受け入れ、前記上方及び下方の椎体の一方が前記第2の目標位置を形成することになる、請求項1記載の椎骨固定システム。
前記インプラント本体は、該インプラント本体内に延びるインプラントボアを有しており、該インプラントボアは、前記第1のアンカを受け入れるような大きさであって、前記インプラント本体が前記第1の目標位置を形成することになる、請求項8記載の椎骨固定システム。
前記下面は、前記上面から横方向の間隔をおいており、前記インプラント本体は、更に、第1の端部と、該第1の端部から前記横方向に対して実質的に直角な縦方向の間隔をおいた第2の端部とを備えており、前記インプラントボアは、前記縦方向に沿って延びている、請求項9記載の椎骨固定システム。
前記第1のアンカと前記第2のアンカは、それぞれ、前記第1の開口と前記第2の開口を通過して、前記椎体のそれぞれ1つの中に侵入するような大きさであって、前記椎体は、それぞれ、前記第1の目標位置と前記第2の目標位置を形成することになる、請求項1記載の椎骨固定システム。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】1つの実施の形態によって構成された、第2の骨アンカを収容しかつ第2の骨アンカに取り付けられた第1の骨アンカを有する、アンカ・イン・アンカシステムの斜視図である。
【
図2A】
図1に示されたアンカ・イン・アンカシステムの第1の骨アンカの側面図である。
【
図2B】
図1に示されたアンカ・イン・アンカシステムの第1の骨アンカの別の側面図である。
【
図2C】択一的な実施の形態によって構成された、
図1に示されたアンカ・イン・アンカシステムの第1の骨アンカの端面図である。
【
図3】
図1に示されたアンカ・イン・アンカシステムの第2の骨アンカの側面図である。
【
図4A】第1の骨アンカに挿入するために整合させられた第2の骨アンカを示す分解図である。
【
図4B】
図4Aと同様の図であるが、第1の骨アンカに部分的に挿入された第2の骨アンカを示している。
【
図4C】
図4Bと同様の図であるが、第1の骨アンカに挿入されかつ取り付けられた第2の骨アンカを示している。
【
図4D】一部が切り取られた、
図2Cに示された第1の骨アンカの斜視図であり、さらに、可変角度で第1の骨アンカに挿入可能な第2の骨アンカを示している。
【
図5】骨プレートとして提供された補助的な固定装置に取り付けられた
図1に示された一対のアンカ・イン・アンカ固定装置を有するアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの斜視図である。
【
図6A】下に位置する骨セグメントに固定された一対の第1のアンカを示す分解図である。
【
図6B】
図6Aと同様の図であるが、第1のアンカに取り付けるよう構成された骨プレートを示している。
【
図6C】
図6Bと同様の図であるが、第1のアンカに取り付けられた骨プレートを示している。
【
図6D】
図6Cと同様の図であるが、第1のアンカ及び下に位置する骨セグメントへの挿入のために整合させられた一対の第2のアンカを示している。
【
図6E】
図6Dと同様の図であるが、第1のアンカに挿入されかつ取り付けられ、さらに下に位置する骨セグメントに取り付けられた第2のアンカを示している。
【
図7A】別の実施の形態により構成されたアンカ・イン・アンカシステムの斜視図であり、第2の骨アンカを収容しかつ第2の骨アンカに取り付けられた第1の骨アンカを有する。
【
図7B】
図7Aに示されたアンカ・イン・アンカシステムの断面図である。
【
図7C】
図7Aに示されたアンカ・イン・アンカシステムの分解図である。
【
図8A】下に位置する骨に取り付けられた、
図7Aに示されたアンカ・イン・アンカシステムの側面図である。
【
図8B】骨プレートに取り付けられた
図7Aに示された第1のアンカと、第1のアンカに挿入するために整合させられた
図7Aに示された第2のアンカとを示す分解図である。
【
図8C】
図8Bと同様の分解図であるが、第1のアンカに挿入されかつ取り付けられた第2のアンカを示している。
【
図9A】択一的な実施の形態により構成された、
図7Aに示されたアンカ・イン・アンカシステムの側面図である。
【
図9B】
図9Aに示されたアンカ・イン・アンカシステムを有する骨プレートの断面図である。
【
図10A】別の択一的な実施の形態により構成された、
図7Aに示されたアンカ・イン・アンカシステムの側面図である。
【
図10B】択一的な実施の形態により構成された、
図1に示されたアンカ・イン・アンカシステムの側面図である。
【
図11A】択一的な実施の形態により構成されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの斜視図である。
【
図11B】択一的な実施の形態により構成されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの斜視図である。
【
図11C】択一的な実施の形態により構成されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの斜視図である。
【
図12】T字形骨プレートに取り付けられた複数のアンカ・イン・アンカシステムを有するアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの斜視図である。
【
図13A】1つの実施の形態により構成された髄内ロッドの側面図である。
【
図13B】髄内ロッドに取り付けられたアンカ・イン・アンカシステムを有するアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの側面図である。
【
図13C】髄内ロッドに取り付けられかつさらに長い骨に取り付けられた複数のアンカ・イン・アンカシステムを有するアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの側面図である。
【
図14A】択一的な実施の形態により髄内ロッドに取り付けられた複数のアンカ・イン・アンカシステムを有するアンカ固定アセンブリの側面図である。
【
図14B】
図14Aに示されたアンカ固定アセンブリの側面図であるが、アンカ・イン・アンカシステムに取り付けられたプレートを有する。
【
図14C】別の択一的な実施の形態による、髄内ロッドに取り付けられた複数のアンカ・イン・アンカシステムを有するアンカ固定アセンブリの側面図である。
【
図15A】1つの実施の形態により釘に取り付けられた一対のアンカ・イン・アンカシステムを有するアンカ固定アセンブリの端面図である。
【
図16A】拡張可能な骨プレートを有するアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの分解された斜視図である。
【
図16B】
図16Aに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの底部斜視図である。
【
図16C】
図16Aに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの上部斜視図である。
【
図16D】椎骨本体に挿入された、
図16Aに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの斜視図である。
【
図16E】
図16Dに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの端面図である。
【
図17A】さらに椎間インプラントを有する、
図16A〜
図16Cに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの斜視図である。
【
図17B】
図17Aに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの別の斜視図である。
【
図17C】脊椎に埋め込まれた、
図17Bに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの斜視図である。
【
図17D】
図17Cに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの概略的な上面図である。
【
図18】偏心した骨プレートを有するアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの斜視図である。
【
図19A】椎弓根スクリュアセンブリを有するアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの断面図である。
【
図19B】脊椎に埋め込まれた、
図19Aに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの斜視図である。
【
図19C】脊椎に埋め込まれた、
図19Aに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの側面図である。
【
図20A】肩プロテーゼを有するアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの分解された斜視図である。
【
図20B】
図20Aに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの断面図である。
【
図20C】
図20Aに示された、組み立てられたアンカ固定アセンブリの斜視図である。
【
図21A】別の実施の形態により構成された椎体に挿入されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの側面図である。
【
図21B】別の実施の形態による、椎体に挿入された、
図21Aに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの側面図である。
【
図21C】別の実施の形態による、椎体に挿入された、
図21Aに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの後面図である。
【
図22A】棘状突起及び対応する椎体に挿入された一対のアンカ・イン・アンカ固定システムの平面図である。
【
図22B】同種移植片骨延長部及び対応する椎体に挿入された一対のアンカ・イン・アンカ固定システムの平面図である。
【
図22C】別の実施の形態による、
図22Bに示された、同種移植片骨延長部及び対応する椎骨本体に挿入された1つのアンカ・イン・アンカ固定システムの平面図である。
【
図23A】1つの実施の形態による、腰椎体及び仙骨に挿入されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの側面図である。
【
図23B】
図23Aに示された、腰椎体及び仙骨に挿入されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの後面図である。
【
図24A】隣接する椎体に椎弓板間形式で挿入されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの後面図である。
【
図24B】
図24Aに示された、隣接する椎体に椎弓板間形式で挿入されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの側面図である。
【
図24C】
図24Aに示された、隣接する椎体に椎弓板間形式で挿入されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの平面図である。
【
図25A】アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ及び椎間インプラントを有する椎間インプラントシステムの分解された斜視図である。
【
図25B】椎間スペースに挿入された、
図25Aに示された椎間インプラントシステムの側面図である。
【
図26A】椎間インプラントに結合されたアンカプレートによって支持された一対のアンカ・イン・アンカ固定アセンブリを有する椎間インプラントシステムの分解された斜視図である。
【
図26B】
図26Aに示された椎間インプラントシステムの組み立てられた斜視図である。
【
図26C】椎間スペースに挿入された、
図26Aに示された椎間インプラントシステムの側面図である。
【
図27A】アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ及び棘間スペーサを有する棘間スペーサシステムの斜視図である。
【
図27B】隣接する椎体の間の棘間スペースに挿入された、
図27Aに示された棘間スペーサシステムの後面図である。
【
図27C】
図27Bに示された隣接する椎体の間の棘間スペースに挿入された棘間スペーサシステムの側面図である。
【0009】
詳細な説明
ある用語は、以下の説明において便宜のためだけに用いられ、限定するものではない。"右"、"左"、"上"及び"下"という言葉は、参照されている図面におけるものである。"内"及び"外"という言葉は、装置及び装置の指定された部分の幾何学的中心に向かう方向及びこの幾何学的中心から離れる方向をそれぞれ表す。"前"、"後"、"上"、"下"という言葉、及び関連する言葉及び/又はフレーズは、参照されている人体における好適な位置及び向きを表し、限定しようとするものではない。用語は、上に挙げた言葉、それらの派生語及び同じ由来の言葉を含む。
【0010】
最初に
図1を参照する。アンカ・イン・アンカ固定システム20は、下に位置する構造又は骨21に取り付けられて示されている。固定システム20は、第1の若しくは主要な骨固定エレメント若しくは骨アンカ22と、第1の骨アンカ22によって収容された第2の若しくは補助的な骨固定エレメント若しくは骨アンカ24を有するように、1つの実施の形態の例による骨固定システムとして示されている。以下の説明から認められるように、骨固定システム20は、外部フィクサ、内部骨固定装置、脊椎固定装置及び同様のもののような固定装置を、下に位置する骨に確実に固定するために使用することができる。そうでないことが示されない限り、骨固定システム20及びその構成部材は、技術分野において知られるあらゆる適切な生体適合性材料から製造することができ、この生体適合性材料は、そうでないことが示されない限り、チタン、TANのようなチタン合金、ステンレス鋼、強化プラスチック、同種移植片骨及び同様のものを含むが、これらに限定されない。
【0011】
図2A〜
図2Cも参照すると、第1の骨アンカ22は、中心長手方向軸線L1に沿って長手方向に延びたシャフト26を有する。骨アンカ22は、それぞれ長手方向で反対側の近位若しくは上側端部26a及び遠位若しくは下側端部26bを形成したシャフト26と、近位端部26aに結合されたヘッド28とを有する。下に位置する骨に係合するよう構成された近位及び遠位の端部26a,26bにおいて及びこれらの端部の間の位置においてシャフト26から半径方向にらせんねじ山30が延びている。つまり、シャフト26の実質的に全体にねじ山を設けることができる。
図1に示したように、ねじ山30は、遠位端部26bから近位端部26aに向かう方向で増大する外径OD1を形成している。したがって、近位端部26aに配置されたねじ山30は、遠位端部26bに配置されたねじ山30の外径よりも大きな外径を形成している。これに代えて、
図2A及び
図2Bに示したように、ねじ山30の外径OD1は近位端部26a及び遠位端部26bに亘って一定である。つまり、第1の骨アンカ22は、例示したようにロッキングスクリュとして提供することができることを認めるべきであるが、第1の骨アンカは、これに代えて、望みに応じて、圧縮スクリュ、釘、リベット、又はそのシャフトが滑らかであるか又はリブを有するピンとして提供することができることを認めるべきである。
【0012】
ヘッド28は、半径方向内側面33と、反対側の半径方向外側面35と、近位若しくは上側の端部28aと、遠位若しくは下側の端部28bとを形成する環状本体32を有する。環状本体32は、各々の近位端部28a及び遠位端部28bにおけるよりも近位端部及び遠位端部28a,28bの間の位置において大きな直径又は横断面寸法を有する、例示したように球のセグメントの形状を形成することができる。したがって、半径方向外側面35は、球形又はさもなければ凸面状であることができる。もちろん、ヘッド28は、望みに応じてあらゆるその他の適切な択一的な形状を成すことができる。
【0013】
ヘッド28の遠位端部28bは、直接に又はシャフト26の近位端部26aとヘッド28の遠位端部28bとの間に結合されたねじ山を有さないネック34を介して間接的に、シャフト26の近位端部26aに結合されている。環状本体32は、ヘッド28の周方向に連続的に延びた、遠位端部28bにおけるベース37を有することができる。環状本体32は、さらに、遠位端部28bから延びた、周方向に間隔を置いて配置された複数の保持タブ36を有する。つまり、保持タブ36の末端部は、ヘッド28の近位端部28aに配置されている。保持タブ36は、以下のように構成されている。つまり、周方向で隣接するタブ36は、スロット38によって分離されている。これらのスロット38は、ベース37に向かう方向で、ヘッド28の近位端部28a内に遠位に延びている。
【0014】
ヘッド28はさらに、中心ボア軸線C1に沿って環状本体32を中心で貫通したボア40を形成している。中心軸線C1は、長手方向軸線L1に関して角度方向にずれた方向に延びている。シャフト26は、ベース37に結合されており、シャフト26がボア40と干渉しないようにベース37の半径方向外側面35から半径方向外方及び下方に延びている。ヘッド28は、タブ36及びベース部分37を含む環状本体32の半径方向内側面33から半径方向内方に延びた、ボア40における複数の螺旋形のねじ山41を有する。例示した実施の形態において、ボア40の中心軸線C1は、シャフト26の長手方向軸線L1と交差し、鋭角αを形成している。角度αは鋭角として示されている。つまり、1つの実施の形態によれば、角度は0°〜90°、例えば20°〜60°、例えば20°〜40°である。
【0015】
例示した実施の形態において、中心軸線C1は、近位端部及び遠位端部28a,28bに対して垂直であるが、近位端部及び遠位端部28a,28bは、中心軸線C1が近位端部及び遠位端部28a,28bのうちの一方又は両方に関して非垂直の角度を形成するように構成することができることを認めるべきである。したがって、引き続き
図1〜
図2Bを参照すると、第1の骨アンカ22のヘッド28は、近位端部及び遠位端部28a,28bによって形成された中心ヘッド軸線D1を形成している。特に、中心軸線D1は、近位端部及び遠位端部28a,28bに関して垂直な方向に延びている。ボア40の中心軸線C1は、例示した実施の形態において近位端部及び遠位端部28a,28bの間に延びた方向に対して平行に延びているので、軸線C1及びD1は、長手方向で整合させられかつ実質的に一致しており、つまり、シャフト26の長手方向軸線L1に関して同じ角度αを形成している。言い換えれば、ヘッド28の向きは、シャフト26に関するボア40の角度方向ずれと等しく、シャフト26に関して角度方向にずれているが、これに代えて、軸線C1及びD1は望みに応じて角度方向にずれていてよい。
【0016】
内側面33は、
図2A及び
図2Bに示したようにボア40内に周方向に連続的に延びたねじ山41を有することができるが、ヘッド28は、中心ボア軸線C1、ヘッド軸線D1及び長手方向軸線L1に関して可変角度でヘッド28内に第2の骨アンカ24が取り付けられる択一的な実施の形態により構成することができることを認めることができる。特に、
図2Cに示したように、ヘッド28は、内側面33内へ延びた複数の凹所51を有することができる。凹所51は、円筒の一部を形成することができ、つまり、第2の骨アンカ24の対応する部分を収容するよう構成されていることができる。ねじ山41は、隣接する凹所51の間のコラムに沿って延びている。4つの凹所51、つまりねじ山41の4つのコラムが、互いに関して90°だけ周方向に等間隔で配置されて示されているが、ヘッド28は、
図4Dに関して以下で説明するように、第2の骨アンカ24があらゆる所望の角度でヘッド28に挿入されるようにあらゆる数の凹所51を有することができることを認めるべきである。
【0017】
ここで
図1及び
図3を参照すると、第2の骨アンカ24は、中心長手方向軸線L2に沿って長手方向に延びたシャフト42を有する。シャフト42は、シャフト26の長手方向長さよりも長いか、短いか、又はこの長手方向長さと等しいことができる。シャフト42は、長手方向で互いに反対側の、近位若しくは上側の端部42aと、遠位若しくは下側の端部42bとをそれぞれ形成している。骨アンカ24は、シャフト42の近位端部42aに結合されたヘッド44を有する。らせん状のねじ山46は、下に位置する骨に係合するよう構成された近位端部及び遠位端部42a,42b及びそれらの間の位置においてシャフト42から半径方向に延びている。つまり、シャフト42の実質的に全体にねじ山を設けることができる。ねじ山46は、例示したように近位端部42aから遠位端部42bまで一定の外径OD2を形成しているが、ねじ山46は、これに代えて、骨アンカ22のシャフトに関して上述したように、遠位端部42bから近位端部42aに向かう方向で増大していることができる。外径OD2は、外径OD1よりも大きいか、小さいか、又は外径OD1と実質的に等しいことができる。ねじ山46は、第1の骨アンカ22のねじ山30に関して同じピッチ又は異なるピッチを形成していることができる。
【0018】
ヘッド44は、半径方向内側面43と、反対側の半径方向外側面45と、近位若しくは上側の端部44aと、遠位若しくは下側の端部44bとを形成した環状本体48を有する。外側面45は、軸線C2を中心として同心状に延びており、ヘッド44の遠位端部44bから近位端部44aに向かう方向で増大した外径OD3若しくは横断面寸法を有する例示したような円錐台形を形成していることができる。これに代えて、ヘッドは、近位端部及び遠位端部44a,44bの各々におけるよりも近位端部44aと遠位端部44bとの間の位置においてより大きな直径若しくは横断面寸法を有する例示した球のセグメントのような、望みに応じたあらゆる適切な択一的形状を成すことができる。例示した実施の形態において、中心軸線C2は、シャフト42の長手方向軸線L2に対して平行でありかつこの長手方向軸線L2と一致している若しくは整合させられているが、望まれるならば中心軸線C2が長手方向軸線L2から角度方向にずれていることができることが認められるべきである。
【0019】
ヘッド44の遠位端部44bは、シャフト42の近位端部42aに、例示したように直接に、又は第1の骨アンカ22に関して上述したタイプの、ねじ山を有さないネック39を介して間接に、結合されている。ヘッド44は、環状本体48の外側面45から半径方向に延びたらせん状のねじ山50を有する。つまり、第2の骨アンカ24は、例示したようなロッキングスクリュとして提供することができることを認めるべきであるが、第2の骨アンカは、これに代えて、望みに応じて、圧縮スクリュ、釘、リベット、又はそのシャフトが滑らかであるか又はリブが設けられているピンとして提供することができることを認めるべきである。
【0020】
ヘッド44は、さらに、近位端部及び遠位端部42a,42bによって形成された中心軸線D2を形成している。特に、中心軸線D2は、近位端部及び遠位端部44a,44bに関して垂直な方向に延びている。ヘッド44の中心軸線C2は、例示した実施の形態において近位端部及び遠位端部44a,44bの間に延びた方向に対して平行に延びているので、軸線C2及びD2は一致している又は整合させられており、つまり、例示した実施の形態における長手方向軸線L2に対して平行でありかつこの長手方向軸線L2と一致している若しくは整合させられている。もちろん、軸線C2及びD2が互いに角度方向にずらされるように近位端部及び遠位端部44a,44bを幾何学的に構成することができることを認めるべきである。
【0021】
ねじ山50は、ヘッド44の遠位端部44bからヘッド44の近位端部44aに向かう方向で増大した外径OD3を形成している。つまり、ねじ山50の外径は、遠位端部44におけるよりも近位端部44aにおいて大きくなっている。ボア40のねじ山41の内径は、遠位端部44bから近位端部44aに向かう方向で増大した内径を形成することができ、これにより、ねじ山50及び41は係合するよう構成されている。もちろん、ねじ山50及び41の外径は、対応する近位端部から遠位端部まで一定であることができることを認めるべきである。
【0022】
ここで骨固定システムの組立てを
図1及び
図4Aから
図4Cまでに関して説明する。特に、第1及び第2の骨アンカ22及び24が互いに固定されるように、第1の骨アンカ22のボア40は第2の骨アンカ24を収容するよう構成されている。つまり、使用中、外科医は、下に位置する骨21の目標領域に到達するために切開部を形成する。次いで、ねじ山30が係合し、骨アンカ22を下に位置する骨セグメント21a,21bのうちの選択された1つに取り付けるように、第1の骨アンカ22が、下に位置する骨21に差し込まれる、例えばねじ込まれる。骨アンカ22及び24のうちの一方又は両方は、セルフタッピング式であり、つまり、切断溝25を有することができるか、又は、ボア21にシャフト26を挿入する前に骨21にボアを予め穿孔することができる。第1の骨アンカ22は、骨セグメント21aのような下に位置するセグメントに十分な深さまで挿入され、ボア40の軸線C1が第2の骨セグメント21bのような第2の下に位置するセグメントの所望の固定位置と整合させられるまで回転させられる。第1の骨アンカ22が、下に位置する骨に固定されると、第2の骨アンカ24は、第1の骨アンカ22のヘッド28を介して、下に位置する骨21に挿入される。第1の骨アンカ22を収容したのと同じ切開部を通って、又は望みに応じて第2の切開部を通って、第2の骨アンカ24を下に位置する骨21に挿入することができる。
【0023】
1つの実施の形態において、第1の骨アンカ22は、大腿骨、上腕骨、脛骨、橈骨、尺骨、又は望みに応じたあらゆるその他の骨のような長い骨であることができる下に位置する骨21の第1の骨折したセグメント21aに固定され、第2の骨アンカ24は、下に位置する骨21の第2の骨折したセグメント21bに固定される。例えば、第1の骨アンカ22を患者の大腿骨の骨幹若しくは髄内(intramedullary)部分に固定することができるのに対し、第2の骨アンカ24を患者の大腿骨の骨ヘッド分に固定することができる。これに関して、大腿骨骨折を固定するためにアンカ・イン・アンカ骨固定システム20を使用することができるが、外科医が1つ以上の骨又は骨セグメントを結合することを望むようなその他の外科的手技においても同様に、固定システム20及び固定システムを使用する外科的方法は適用可能である。
【0024】
引き続き
図1及び
図4Aから
図4Cまでを参照すると、
図4Bに示したように、シャフト42をボア40に直線的に差し込むことができるように、ねじ山46の外径OD2は、第1の骨アンカ22のヘッド28を貫通したボア40の内径よりも小さい。これに代えて、骨アンカ24がそこで回転させられるときにねじ山46がヘッド28のねじ山41と係合することができるように外径OD2を寸法決めすることができる。上述のように、ヘッド44の雄ねじ山50は、ヘッド28の雌ねじ山41と係合するよう構成されている。したがって、シャフト42の遠位端部42bが骨21に係合するか又はねじ山41及び50が係合するまで、第1の骨アンカ22のシャフト42をボア40に差し込むことができる。
【0025】
次いで、第1及び第2の骨アンカ22及び24が互いにロックされるように、シャフト42を骨21内へ長手方向に前進させ、かつ骨内へのシャフト42の前進と同じ速度でヘッド44を第1の骨アンカ22のヘッド28内へ長手方向に前進させるために、骨アンカ22及び24を互いに対して回転させることができる。つまり、第1の骨アンカ22を下に位置する骨21に対して押し付けることなく、第2の骨アンカ24を第1の骨アンカ22に取り付けることができる。これに代えて、ヘッド28に対するヘッド44の係合が第1の骨アンカ22を下に位置する骨22に対して押し付けるように、ヘッド44がねじ山を有さないことができ、かつヘッド28の内面33がねじ山を有さないことができる。ヘッド44の半径方向内側面43は、ヘッド44をヘッド28内で回転させるためのねじ回し器具によって係合することができる六角形又はあらゆる択一的に成形された構造を形成することができる。択一的に又は付加的に、第1の骨アンカ22が第2の骨アンカ24に対して回転するのを防止するために、保持タブ36の間に配置されたスロット38に、工具を挿入することができる。
【0026】
概して、第2の骨アンカ24は、ねじ山41及び50に係合する前に、下に位置する骨21に係合する。第2の骨アンカ24のヘッド44の遠位端部44bが第1の骨アンカ22のヘッド28の近位端部28aに係合する時、保持タブ36は半径方向外方へ撓むことができる。第1及び第2の骨アンカ22及び24が完全に係合させられると、第2の骨アンカ24のヘッド44が第1の骨アンカ22のヘッド28内に嵌合させられ、ヘッド44の近位端部44aはヘッド28の近位端部28aと実質的に同一平面になる。第1の骨アンカ22のシャフト26が下に位置する骨21に関して斜めに延びているのに対し、第2の骨アンカのシャフト42は下に位置する骨21に関して実質的に垂直に延びているが、択一的に、両シャフトは下に位置する骨に対して斜めの方向に延びていることができる。
【0027】
保持タブ36は、以下により詳細に説明するように、骨プレート、髄内釘又はスクリュ、椎間インプラント、椎弓根スクリュ又は同様のもののような補助的な骨固定部材の開口にヘッド28をロックする時に特定の効果を有する。ヘッド28は、択一的に、ヘッドの近位端部及び遠位端部28a,28bとその間において周方向に連続的であることができることを認めるべきである。
【0028】
この形式において、互いに内外にロックされると、骨アンカは、長手方向軸線L1及びL2と、シャフト24と42との間(例えばシャフト24及び42の末端部の間)に延びた方向とによって規定された安定した三角形の耐荷平面Pを形成する。三角形の耐荷平面Pは、より大きな力に耐えることができ、骨内での骨アンカの沈下又は移動を防止する。すなわち、骨アンカ22及び24が互いに関して角度づけられているので、例えば、各々の骨アンカは、例えば、骨アンカを下に位置する骨21から引き出す傾向がある、他方の骨アンカに加えられる長手方向の力による骨における移動に抵抗する。この形式において、アンカ・イン・アンカ骨固定システム20は、例えば、プレート、髄内釘又はスクリュ、椎間インプラント又は同様のもののようなより小さな補助固定装置が、予想される荷重に耐えるために、骨アンカ22及び24のような多数の骨アンカを外科医が挿入することを可能にしながら使用されることを可能にする。
【0029】
ここで
図4Dを参照すると、第2の長手方向軸線L2が中心ボア軸線C1と、ヘッド軸線D1と、第1の長手方向軸線L1とに関して可変角度を形成するように、
図2Cに示されたヘッド28は第2の骨アンカがヘッド28に取り付けられることを許容する。特に、骨アンカ24の第1の部分が凹所のうちの1つに配置され、かつ第1の部分に関して遠位である骨アンカの第2の部分が、骨アンカ24の第1の部分が通って配置された凹所とは反対側の、凹所のうちの別の1つに配置されるように、第2の骨アンカ24をボア40に挿入することができる。例示した実施の形態において、一部分において、ヘッド軸線D2、ひいては長手方向軸線L2が、ヘッド44の近位端部が通って配置された凹所とは反対側の凹所のうちの別の1つに向かう方向に中央ボア軸線C1に関して角度方向にずらされるように、ヘッド44の近位端部が凹所のうちの1つに配置されるように、ヘッド44がボア40に挿入される。中心軸線C2、ヘッド軸線D2、及び長手方向軸線L2が、中心軸線C1及びヘッド軸線D1のうちのいずれか一方又は両方に関して例えば0°〜30°の角度を形成するように、ヘッド44を望みに応じて凹所51のうちのいずれか1つに配置することができることを認めるべきである。
【0030】
ねじ山50のねじ山ピッチは、一方の端部(例えば近位端部)から他方の端部(例えば遠位端部)までのアンカ24の中心軸線に沿って測定された場合、狭い−広い−狭いと変化することができる。このねじ山プロフィルは、引用したことによりその開示内容の全体が本明細書に記載されたものとして本明細書に組み込まれる2009年1月9日に出願された米国特許出願第11/971359号明細書に記載されるように、選択された角度にかかわらず雌ねじ山41との同じ接触程度を維持しながら角度範囲内で選択可能な角度でアンカ24がボア40に係合することを許容する。つまり、角度の許容可能な範囲内の中心ボア軸線C1に対するアンカ24の角度は、ねじ山41とのねじ山50の係合に影響しない。
【0031】
以下に説明するように、アンカ・イン・アンカ骨固定システムは、長骨の用途、肩プロテーゼ、脊椎用途において使用することができ、骨アンカが下に位置する骨セグメントに直接に固定される独立型固定のために使用することができるか、又は骨プレート、髄内釘又はスクリュ、椎間インプラント、椎間スペーサのような1つ以上の補助固定装置又はペディクルスクリュ、肩プロテーゼのようなその他の脊椎インプラントを有することができる。つまり、ここに記載されたタイプのアンカ・イン・アンカ固定システムは、2つ以上の骨又はセグメントを固定するために長骨の骨折固定において使用することができ、椎間関節又は椎弓形成術固定手順において脊椎において、及び肩プロテーゼにおいて使用することができる。ここに記載されたアンカ・イン・アンカシステムのうちのいずれも、特に注意されない限り、特に特定された手順及び/又は用途に限定されることは意図されていないことに注意すべきである。
【0032】
例えば、ここで
図5及び
図6Aから
図6Fまでを参照すると、患者の身体における1つ以上の長骨又は骨断片の固定のために構成されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23を形成するために骨プレート52のような補助固定装置と組み合わせて、1つ以上のアンカ・イン・アンカ骨固定システム20を使用することができる。つまり、固定アセンブリ23は、補助固定装置に結合されるよう構成された、少なくとも1つ、例えば複数のアンカ・イン・アンカ骨固定システムを有する。固定システム20及び120のうちの一方又は両方に関して固定アセンブリ23の様々な実施の形態が示されているが、そうでないことが指示されない限り、一方又は両方の固定システム20又は120を補助固定装置に結合することができることを認めるべきである。固定アセンブリ及びその構成部材は、そうでないことが示されない限り、チタン、TANのようなチタン合金、ステンレス鋼、強化プラスチック、同種移植片骨及び同様のものを含むがこれらに限定されない、技術分野において周知のあらゆる適切な生体適合性材料から製造することができる。
【0033】
骨プレート52は、望みに応じて構成することができ、骨に面した内面53と、反対側の外面55とを形成した細長い平坦なプレート本体54を有する。1つ以上、例えば複数の骨固定開口(例示したように一対の開口56)が、プレート本体54の内面53及び外面55に対して垂直に延びた中心軸線Aに沿ってプレート本体54を貫通している。つまり、プレート本体54は、開口56の間に配置されかつ骨セグメント21,12bを分離した骨折部Fを跨ぐよう構成された中央プレート部分57を形成している。プレート本体54は、例示したように平坦であることができるが、行われる骨固定のタイプに応じて、下に位置する骨に部分的に又は完全に従うように望みに応じて湾曲又は成形されていることができる。
【0034】
開口56は、ヘッド28の外側半径面35の輪郭に合致する球形又はさもなければ凹面状の内面58を有する。各々のヘッド28が、対応する開口56に配置され、ボア40の中心軸線C1が、対応する開口56の中心軸線Aと一致し、シャフト26の長手方向軸線L1が、開口56の軸線Aに関して角度αを形成する方向にプレート52から延びるように、複数の第1の骨アンカ22が骨プレート52に取り付けられている。シャフト42が軸線Aに沿ってプレート52から延びるように、第2の骨アンカ24は、上述の形式で第1の骨アンカ22に固定されている。
【0035】
ここで骨プレート52を下に位置する骨セグメント21a,21bに取り付ける方法を
図6Aから
図6Eまでを参照して説明する。特に、第1の骨アンカ22は骨セグメント21aに挿入され、第2の骨アンカ24は骨セグメント21bに挿入される。骨セグメント21a,21bを骨折部Fの互いに反対の側に配置することができる。ヘッド28が骨プレート52の開口56に挿入されるために構成されるように角度を成して、第1の骨アンカ22を骨セグメント21a,21bに挿入することができる。1つの実施の形態によれば、ボア40の中心軸線C1が、実質的に鉛直に向けられるまで、又は第2の骨アンカが挿入される骨セグメントの表面に対して実質的に垂直に向けられるまで、骨アンカ22は、下に位置する骨セグメント21,21bのうちの一方において回転させられる。第2の骨アンカ24は、第1の骨アンカ22と同じ骨セグメントに挿入することができるか、骨折部によって第1の骨アンカ22の骨セグメントから分離された異なる骨セグメントに挿入することができる。骨アンカ22が、下に位置する骨セグメント21a,21bに直接に挿入されるように、ねじ山30はセルフタッピング式であることができる。これに代えて、下に位置する骨セグメント21a,21bに所望の角度方向の向きで案内ボアを穿孔することができ、この予め穿孔された案内ボアに骨アンカ22が挿入される。
【0036】
図6Aに示したように、骨アンカ22が、下に位置する骨セグメント21a,21bに所望の深さまで挿入されると、外科医は、骨プレート52を、予め挿入された第1の骨アンカ22に作用的に結合してよい。特に、骨プレート52は、
図6Bに示したように骨アンカ22の上方に配置され、開口56が、対応するヘッド28を収容するように、骨アンカ22まで降ろされる。ヘッド28と開口56との係合面が整合させられるまで、保持タブ36は半径方向内方へ押し込まれ、これにより、プレート52は、
図6Cに示したように骨アンカ22が下に位置する骨に固定された後、各々の骨アンカ22のヘッド28に"スナップ結合"又は"クリック結合"させられる。これに関して、骨プレート52が骨アンカヘッド28と係合させられると、外科医には、触覚フィードバックが提供される。
【0037】
ヘッド28が開口56に配置されると、ヘッド28の凸面状の外面35と、開口56の対応する内面とが、骨アンカ22を、骨プレート52に対して多軸的に回転させる。言い換えれば、第2の骨アンカ24がヘッド28のボア40を通って、下に位置する骨内へ通過することができる限り、骨アンカ22を開口56内にあらゆる所望の角度方向の向きで挿入することができる。望まれるならば骨セグメントに対するプレート52の押し付けを提供するために、第1の骨アンカ22を、下に位置する骨に挿入することができる。
【0038】
次いで、
図6Dを参照すると、第2の骨アンカ24は、各々の第1の骨アンカ22のヘッド28と、各々の下に位置する骨セグメント21a,21bとに挿入される。特に、シャフト42の遠位端部42bが骨21に係合するか又はねじ山41及び50が係合するまで、第1の骨アンカ22のシャフト42はボア40を通って直線的に差し込まれる。第2の骨アンカ24のシャフト42は、骨プレート52に対して実質的に垂直な方向に延びることができることを認めるべきである。通常、ねじ山41及び50が係合する前にシャフト42が下に位置する骨21に係合する。プレート52がヘッド28に固定された時にシャフト26の近位端部26aがプレート42と干渉しないように、プレート本体54の鉛直方向厚さはヘッド28の鉛直方向高さよりも小さい。
【0039】
次いで、
図6Eに示したように第1及び第2の骨アンカ22及び24が互いにロックされるまで、ヘッド28から延びたねじ山50が、ヘッド44から延びたねじ山41と係合するように、第2の骨アンカ24のシャフト42を骨21内へ長手方向に前進させかつヘッド44を第1の骨アンカ22のヘッド28内へ長手方向前進させるために、骨アンカ24を回転させることができる。つまり、第1の骨アンカ22のシャフト26は、骨プレート52及び下に位置する骨21に対して斜めに延びており、かつ第2の骨アンカ24のシャフト42は、骨プレート52及び下に位置する骨21に対して垂直に延びているが、両シャフト26及び42は、択一的に、骨プレート52(及び下に位置する骨21)に対して斜めの方向に延びることができることを認めるべきである。
【0040】
第2の骨アンカ24のヘッド44の遠位端部44bが、第1の骨アンカ22のヘッド28の近位端部28aと係合する時、保持タブ36は、開口56の内面58に当接するように半径方向外方へ撓み、これにより、プレートに対して第1の骨アンカ22の位置を固定する摩擦ばめを生ぜしめる。言い換えれば、第2の骨アンカ24が第1の骨アンカ22と係合する時、ヘッド28は骨プレート52に当接するように拡張する。特に、ヘッド44の外面45は、遠位端部44bから近位端部44aに向かう方向で半径方向外方にテーパすることができる。したがって、ボア40内への第2の骨アンカ24の挿入は、開口56の内面58に当接するように第1の骨アンカ22のヘッド28を拡張させる。
【0041】
さらに、上述のように、第1の骨アンカ22が第2の骨アンカ24を収容した時に骨アンカ22及び24が互いに係合し、これにより、第2の骨アンカ24を第1の骨アンカ及びさらには骨プレート52に固定するように、骨アンカヘッド28の半径方向内側面33及び骨アンカヘッド44の半径方向外側面45の両方にねじ山が設けられている。つまり、使用時には、アンカ・イン・アンカ骨固定システム20は、骨プレート52に非平行の第2の骨アンカをロックするために、拡張可能なヘッド28を有する第1の骨アンカ22と、ロッキング圧縮スクリュ機構とを有する。したがって、骨プレートを下に位置する骨セグメントに固定するために1つの骨アンカを各々の開口に収容する骨プレートに関してより高いレベルの安定性を達成することができるように、骨固定システム20は、比較的小さなプレート面積における2つの非並行の骨アンカの配置を許容する。骨アンカのうちの一方(例示したように第1の骨アンカ22)は第2の骨アンカ24の鉛直方向に対して角度方向にずらされているので、さもなければ骨21における移動を生ぜしめる第2の骨アンカに加えられる長手方向の力は、第1の骨アンカ22のシャフト26に伝達され、これは、骨アンカ24を下に位置する骨21から引き出す傾向がある長手方向の力に抵抗する。
【0042】
これに代えて、シャフトを下に位置する骨に固定するために、骨プレート52を骨セグメント21a,21bに当てつけて配置することができ、シャフト26を開口56に挿入することができる。この択一的な実施の形態において、骨アンカ20は、下に位置する骨に所望の深さまで挿入され、プレート52はヘッド28に当接するように持ち上げられる。保持タブ36を分離するスロット38が、ヘッド28の遠位部分28b内へ著しく延びていると、プレートがヘッド28を超えて持ち上げられる時に、タブ36は半径方向内方へ押し付けられることができる。これに代えて、1つの周方向外側端部(
図7及び
図8におけるスロット138を参照)のみにおいて分離された一対のタブ36を形成するために、ヘッド28は、ヘッド28を鉛直方向に貫通した1つのスロット38を有することができる。これに代えて、開口56がヘッド28に容易に嵌合するように、第1の骨アンカ22のヘッド28の外面35は、実質的に直線的に、例えば長手方向に延びることができる。ヘッド44がヘッド28内に固定されると、上述の形式で半径方向外側面45は骨プレート52に当接するように半径方向外方へ拡張し、これにより、骨アンカ22及び24を骨プレート52に固定する。
【0043】
1つの実施の形態によって構成された第1及び第2の骨アンカ22及び24によって骨固定システム20及び骨固定アセンブリ23が例示及び説明されたが、骨固定システム及びアセンブリを多くの択一的な実施の形態により提供することができることが構想されており、この場合、第1及び第2の骨アンカが、1つの下に位置する構造物、下に位置する構造物の複数のセグメント、又は様々な異なる構造物に結合されるように、第1の骨アンカのヘッドに形成されたボアを第2の骨アンカが貫通する。
【0044】
例えば、ここで
図7Aから
図7Cまでを参照すると、アンカ・イン・アンカ固定システム120が例示されており、この場合、上記で説明された固定システム20の同じ要素に対応する参照符号に100が加えられている。つまり、固定システム120は、第1の若しくは主骨アンカ122と、第1の骨アンカ122のヘッド128に収容された第2の若しくは補助骨アンカ124を有する。第2の骨アンカ124は、第2の骨アンカ24に関して上述したように構成されているのに対し、第1の骨アンカ122は、ヘッド128がシャフト126に対して平行に向けられるよう構成されている。
【0045】
特に、シャフト126がヘッド128に関して中心に配置されかつヘッド128から長手方向下方へ延びるように、シャフト126の近位端部126aはヘッド128の遠位端部128bに取り付けられている。つまり、近位端部及び遠位端部128a,128bに関して垂直に延びた中心軸線D1′は、シャフト26の長手方向軸線L1に対して平行でありかつこの長手方向軸線L1と一致する。もちろん、シャフト126はヘッド128の中心軸線D1からずれていることができることを認めるべきである。ボア140は、シャフト126の長手方向軸線L1と、ヘッド128の近位端部及び遠位端部128a,128bに対して垂直に延びた中心軸線D1との両方に対して角度方向にずらされた中心軸線C1に沿って、ヘッド128を貫通している。特に、ボア140の中心軸線C1は、長手方向軸線L1及び中心軸線D1′に対して鋭角αを形成している。つまり、角度αは0°〜90°、例えば40°〜60°である。ヘッド128は、骨アンカ22のヘッド28に関して上述したタイプの保持タブを有することができるか、又はヘッド128は、
図7Aに示したように、近位端部及び遠位端部128a,128bにおいて及びこれらの間において周方向に連続的であることができる。
【0046】
ここで
図8Aも参照すると、固定システム120は、例えば、外傷性負荷の結果として生じる場合がある長骨の"バタフライ式"骨折固定手順において2つ以上の骨セグメントを互いに結合するための自立型システムとして使用することができる。例示したように、第1及び第2の骨アンカ122及び124が互いに固定され、かつ下に位置する骨21にも固定されるように、第1の骨アンカ122のボア140は第2の骨アンカ124を収容する。つまり、使用中、外科医は、下に位置する骨21の目標領域にアクセスするための切開部を形成する。次いで、ねじ山130が係合しかつ骨アンカを下に位置する骨21に取り付けるように、第1の骨アンカ122が、下に位置する骨21又は骨セグメント21a内へ駆動される、例えばねじ込まれる。
【0047】
第1の骨アンカ22は、骨セグメント21aのような下に位置するセグメント内へ十分な深さに挿入され、ボア140の軸線C1が、第2の骨セグメント21bのような第2の下に位置するセグメントの所望の挿入位置と整合させられるまで、回転させられる。これに関して、第1の骨アンカ122は、下に位置する骨21によって形成される平面に対して垂直な方向で骨セグメント21aに挿入することができるか、又は下に位置する骨21によって形成される平面に対して垂直な方向に対して角度方向にずれた方向で挿入することができる。
【0048】
軸線C1が第2の骨アンカ124のための目標位置と整合させられるように第1の骨穴122が下に位置する骨に固定されると、第2の骨アンカ124は、第1の骨アンカ122のヘッド128を通って、セグメント21bのような下に位置する骨21に挿入される。第2の骨アンカ124は、第1の骨アンカ122を収容したのと同じ切開部を通って、又は望みに応じて第2の切開部を通って、下に位置する骨21に挿入することができる。つまり、第1の骨アンカ122は、例えば断片化された長骨セグメント21aに挿入することができる一方で、第2の骨アンカ124は、例えば断片化されていない長骨セグメント21bに挿入することができ、これにより、断片化された骨セグメント21aを、断片化されていない骨セグメント21bに固定する。例示したように、第1及び第2の骨アンカ122及び124のシャフト126及び142はそれぞれ、下に位置する骨21に対して斜めに延びているが、シャフトのうちの一方は、択一的に、上述の形式において、下に位置する骨に対して実質的に垂直に延びていることができる。
【0049】
固定システム120は、自由に浮動する骨セグメントを長骨に固定するために使用されるものとして例示及び説明されているが、ここに記載されたアンカ・イン・アンカ固定システムは、頭蓋、顔、手、足、骨盤などを含むがこれらに限定されない、身体の他の部分における骨断片をも固定するために使用することもできることを認識すべきである。ここに記載されたタイプのアンカ・イン・アンカ固定システムは、1つの断片を別の断片に(例えば1つの骨断片を別の骨断片に)、又は1つの構造を別の構造に(例えば1つの骨を別の骨に)固定するために使用することもできる。
【0050】
アンカ・イン・アンカ骨固定システムは、予期される荷重に耐えるために、骨アンカ122及び124のような多数の骨アンカを外科医が挿入することを可能にしながら、例えばプレート、髄内釘又はスクリュ、椎間インプラントなどのようなより小さな補助的な固定装置が使用されることを可能にすることも認識されるであろう。さらに、互いに内外にロックされると、骨アンカは、安定した三角形の耐荷平面Pを形成し、これにより、より大きな力にさらに耐えることができ、沈下及び移動を回避することができる。つまり、骨アンカ122及び124は互いに角度づけられているので、各々の骨アンカは、例えば骨アンカを下に位置する骨21から引き出す傾向がある、他方の骨アンカに加えられる長手方向の力による、骨における移動に抵抗する。
【0051】
ここで
図7A〜
図7C及び
図8B、
図8Cを参照すると、アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23は、択一的に又は付加的に、概して骨固定システム20に関して上述した形式で、患者の身体における1つ以上の長骨又は骨断片の固定のために構成された骨プレート152のような補助的な固定装置と組み合わせた、1つ以上のアンカ・イン・アンカ骨固定システム120を有することができる。特に、複数の第1の骨アンカ122は、各々のヘッド128が対応する開口156に配置されるように、骨プレート152に取り付けられている。取り付けられると、シャフト126は、長手方向軸線L1が、対応する開口156の中心軸線Aに対して実質的に平行でかつこの中心軸線Aと一致する方向に延びるように、プレート152から下方へ延び、ボア140の中心軸線C1は、中心軸線Aに対して角度αを形成する。したがって、シャフト126は、骨プレート152に対して実質的に垂直な方向に延びることを認識すべきであるが、シャフト126は、択一的に、骨プレート152に対して垂直でない角度を形成することができることを認識すべきである。
【0052】
第1の骨アンカ122が、中心軸線C1が第2の骨アンカ124の目標位置と整合させられるように位置決めされると、第2の骨アンカ124は、上述の形式で第1の骨アンカ122に固定され、この場合、シャフト142は、中心軸線C1と一致する方向にプレート152から下方へ延び、これにより、軸線Aに対して角度αを形成する。
図8B及び
図8Cに示したように、スロット138によって分離された一対の保持タブ136を形成するために、スロット138はヘッド128を鉛直方向に貫通している。したがって、上述の形式でヘッド128をプレート152に対してロックするために、テーパしたヘッド144は、ヘッド128を、開口156の内面に当接するように、半径方向外方へたわませる。つまり、第1の骨アンカ122のシャフト126は、骨プレート152及び下に位置する骨21に対して垂直に延びており、第2の骨アンカ124のシャフト142は、骨プレート152及び下に位置する骨21に対して斜めに延びているが、両シャフト126及び142は、骨プレート152及び下に位置する骨21に対して斜めに延びることができることを認識すべきである。
【0053】
これに代えて、骨プレート152を骨セグメント21a,21bに当て付けて配置することができ、シャフトを下に位置する骨に固定する前にシャフト126を開口156に挿入することができる。この代替的な実施の形態において、ヘッド128は骨プレート152の開口156内に挿入される。ヘッド144がヘッド128に結合されると、半径方向外側面145は、上述の形式で骨プレート152に当接するように半径方向外方へ拡張し、これにより、骨アンカ122及び124を骨プレート152に確実に固定する。
【0054】
さらに、骨アンカ22,24,122及び124は、ねじ山がシャフトの全体に沿って、例えばシャフトの近位端部及び遠位端部において及びそれらの間に延びている特定の例示された実施の形態に従って説明されているが、これに代えて、ここに記載された骨固定システムのうちのいずれかと組み合わせて使用される骨アンカを構成することができる。
【0055】
例えば、
図9A及び
図9Bを参照すると、第1の骨アンカ122は、上述の形式においてシャフト126の全長に沿ってシャフト126から半径方向に延びておりかつヘッド128からも半径方向に延びていてこれによりロッキングスクリュを提供する複数のねじ山130を有するものとして例示されている。ヘッド128から延びたねじ山130は、第1の骨アンカ122を骨プレート152にさらに固定するために、開口156の内面158から半径方向に延びた相補的なねじ山183と係合するよう構成されている。つまり、第1の骨アンカ122は、骨プレート152にねじ山により結合され、第2の骨アンカ124は、第1の骨アンカ122にねじ山により結合される。
【0056】
この形式において、第1の骨アンカ122は、開口156を通って下に位置する骨に挿入され、シャフト126は、骨アンカ122を骨プレート152に固定するために、ヘッド128から延びたねじ山130が内面158におけるねじ山に係合するように、まず開口156を通って挿入される。これに関して、ヘッド128とボア156とのねじ山による係合は、骨プレート152に対する第1の骨アンカ122の角度位置を固定し、これにより、第2の骨アンカヘッド144は、上述の形式でヘッド128を内面158に当て付けるように拡張させる必要がない。さらに、ヘッド128と骨プレート152とのねじ山による係合により、骨アンカ122及び124は、プレート152を下に位置する骨に対して押し付けることなくプレート152を下に位置する骨に取り付けることができる。
【0057】
骨プレート52は、固定システム20を介して下に位置する骨に取り付けられるものとして例示されており、かつ骨プレート152は、固定システム120を介して下に位置する骨21に取り付けられるものとして例示及び説明されているが、骨プレート52及び152のうちのいずれかを下に位置する骨21に取り付けるために、1つ以上の固定システム20及び120を組み合わせて使用することができることを認識すべきである。
【0058】
固定システム120が、自立型構造体(つまり補助的な固定装置を備えない)として提供されているか、又は固定アセンブリ23を提供するために骨プレート152のような補助的な固定装置と組み合わせて提供されているかに拘わらず、第2の骨アンカ124と第1の骨アンカ122とのねじ山による係合により、第2の骨アンカ124のヘッド144は第1の骨アンカ122のヘッド128内に沈められ、これにより、低い輪郭を提供しかつ固定システム120に関連した外傷を最小限に減じるために、ヘッド128の近位端部128aは実質的に面一になる。
【0059】
これに代えて、
図10Aを参照すると、シャフト126に沿って部分的にのみ延びたねじ山130を有する第1の骨アンカ122を提供することができる。例示したように、シャフト126の近位端部126aが滑らかでありかつねじ山を有さないように、ねじ山130はシャフトの遠位端部126bから半径方向に延びている。これに代えて、骨アンカ122は、周囲の骨に係合しかつ骨内での骨アンカ122の移動に抵抗する、近位端部126aから半径方向に延びた1つ以上の固定リブを有することができることを認識すべきである。第2の骨アンカ124は、同様に、シャフトの近位端部142aがねじ山を有さないように、シャフト142に沿って部分的にのみ延びており、特にシャフト142の遠位端部14bから半径方向に延びているねじ山130を有することができることをさらに認識すべきである。ねじ山は、付加的に又は択一的に、上述の形式においてヘッド128及び144から延びていることができる。
【0060】
図10Bを参照すると、シャフト26に沿って部分的にのみ延びたねじ山30を有する第1の骨アンカ22を提供することができる。例示したように、シャフト26の近位端部26aが滑らかでありかつねじ山を有さないように、ねじ山30はシャフト26の遠位端部26bから半径方向に延びている。周囲の骨に係合しかつ骨内での骨アンカ22の移動に抵抗する、近位端部26aから半径方向に延びた1つ以上の固定リブを有することができることを認識すべきである。第2の骨アンカ24は、同様に、シャフトの近位端部42aがねじ山を有さないように、シャフト42に沿って部分的にのみ延びた、特にシャフト42の遠位端部42bから半径方向に延びたねじ山46を有することができることをさらに認識すべきである。ねじ山は、付加的に又は択一的に、上述の形式でヘッド28及び44から延びていることができる。
【0061】
これに代えて、骨アンカ22,24,122及び124のうちの1つ以上から全てまでは、完全にねじ山が設けられたシャフト、部分的にねじ山が設けられたシャフト、又はねじ山が全く設けられていないシャフトを有するように構成することができることを認識すべきである。例えば、
図11A〜
図11Cは、シャフト26及び42が択一的な実施の形態に従って構成された骨アンカ22及び24を有するような固定システム20の例としての実施の形態を例示しているが、骨アンカ122及び124を、骨アンカ22及び24に関して例示及び説明したように構成することができる。
【0062】
例えば、
図11Aを参照すると、第1の骨アンカ22のシャフト26には、
図1に関して上述したように全体に沿ってねじ山が設けられているが、第2の骨アンカ24のシャフト42は、ねじ山が設けられていない釘、リベット又はねじ山が設けられていないピンを形成するためにねじ山を有していない。このようなねじ山が設けられていない骨アンカの使用は、固定システム20又は120が海面骨における固定のために使用される用途において特に有効であることができる。ねじ山が設けられていない骨アンカ24は、シャフト42から半径方向に突出した1つ以上のロッキング歯47を有することができることを認識すべきである。歯47は、シャフト42の周囲にねじらせんパターンを形成することができるが、骨アンカ24が下に位置する骨に打ち込まれることも許容する。ヘッド44の半径方向外側面34は、遠位端部44bから近位端部44aに向かう方向で半径方向外方に拡開している。したがって、上述の形式において第1の骨アンカ22が下に位置する骨に取り付けられると、第2の骨アンカ24のシャフト42は第1の骨アンカのヘッド28に挿入され、引き続き、下に位置する骨に打ち込まれる。ヘッド44がヘッド28に挿入されながら、外側面45は、上述のように固定部材22をプレート52にロックするために保持タブ36を半径方向外方へたわませる。
【0063】
ここで
図11Bを参照すると、第2の骨アンカ24のシャフト42には、
図1に関して上述したように全体に沿ってねじ山が設けられているが、第1の骨アンカ22のシャフト26は、ねじ山が設けられていない釘、リベット又はねじ山が設けられていないピンを形成するためにねじ山を有さない。シャフト26は、
図11Aに示したように実質的に一定の直径を有することができるか、又は外径は、シャフトの長さに沿って異なることができる。例えば、例示したように、シャフト26の近位端部26aは、シャフト26の遠位端部26bにおける外径よりも大きな外径を形成することができる。ねじ山が設けられていない骨アンカ22は、シャフト26から半径方向に突出した1つ以上のロッキング歯を有することができることを認識すべきである。したがって、第1の骨アンカ22を下に位置する骨に打ち込むことができ、骨プレート52を、上述の形式で骨アンカ22のヘッド28に取り付けることができる。次いで、第2の骨アンカ24を下に位置する骨に挿入することができ、ヘッド44を、上述の形式で第1の骨アンカ22のヘッド28に取り付けることができる。
【0064】
さらに、これに代えて、
図11Cに例示したように、両骨アンカ22及び24のシャフト26及び42は、ねじ山を有さないことができる。シャフト26及び42のうちの一方又は両方は、長さに沿って一定の外径を有することができるか、長さに沿って異なる外径を有することができる。例えば、シャフト26の近位端部26aは、シャフト26の遠位端部26bの外径よりも大きな外径を有する。操作中、第1の骨アンカ22のシャフト26を下に位置する骨に打ち込むことができ、骨プレート52を上述の形式でヘッドに取り付けることができる。その後、第2の骨アンカ24のシャフト42を、ヘッド28に挿入し、
図11Aに関して上述した形式で、ヘッド44がヘッド28内に嵌合するまで、下に位置する骨内に駆動することができる。
【0065】
アンカ・イン・アンカ骨固定システム20及び120は、長骨固定を提供するよう構成された細長いプレートと組み合わせて説明されているが、これに代えて、ここに記載されたタイプのアンカ・イン・アンカ骨固定システムは、あらゆる適切な寸法及び形状の骨プレートを含むことができることを認識すべきである。例えば、
図12を参照すると、200が加えられた、骨プレート52の同一の要素に相当する参照符号を有する、骨プレート252が例示されている。したがって、プレート252は、下に位置する長骨に対して平行に延びるように構成された第1の長手方向に細長いセクション254aと、第1の細長いセクション254aの一方の端部に配置されかつ第1の細長いセクション254aに対して垂直な方向に細長い、横方向に細長い第2のセクション254bとを有するプレート本体254を有する。つまり、プレート252は、第2の細長いセクション254bが下に位置する長骨に対して概して垂直に延びるように、T字形である。プレートセクション254a,254bは、さらに、長骨に合致するように湾曲させることができる。
【0066】
長手方向に間隔を置いて配置された複数の開口256aは、第1のプレートセクション254aを貫通しており、横方向に間隔を置いて配置された複数の開口256bは、第2のプレートセクション254bを貫通している。1つの実施の形態において、T字形の骨固定プレートは、長手方向で複数の開口256aと複数の開口256bとの間に配置された骨折部を有する頸骨に取り付けられるよう構成されていることが構造されている。固定システム20及び120のうちの一方又は両方を、開口256a,256bのうちの1つ以上から全てまでに挿入することができる。例示したように、固定システム20は、骨プレート52に関して上述した形式で開口256a,256bに挿入される。第1の骨アンカ22のシャフト26を、望みに応じてあらゆる角度方向に整合させることができ、かつ上に配置された骨セグメントを通り、骨折部を通り、反対側の骨折した骨セグメント内へ延びるために十分に長く構成することができることを認識することができる。
【0067】
ここで
図13A〜
図13Cを参照すると、アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23は、一方又は両方の固定システム20及び120と、長骨固定において使用するための髄内釘、スクリュ、又はロッド70(集合的にここでは"ロッド"と称される)として提供された補助的な固定装置とを有することができる。技術分野において一般的に理解されているように、髄内ロッド70は、固定される長骨の髄内管路に挿入されるよう構成されている。特に
図13Aを参照すると、髄内ロッド70は、第1のセグメント72aと、第1のセグメント72aの延長である(coextensive)第2のセグメント72bとを含む、長手方向に延びた管状のロッド本体72を有する。第2のセグメント72bは、第1のセグメント72aの外径よりも大きな外径を形成するロッド本体72のヘッドとして例示されている。ロッドは、第1のロッドセグメント72aを貫通した1つ以上の第1の骨固定開口74aと、第2のロッドセグメント72bを貫通した1つ以上の第2の骨固定開口74bとを形成している。
【0068】
開口74aは、ロッドセグメント72aの長さに沿って互いから長手方向にずらされていることができ、さらに、ロッドセグメント72aの円周に沿って互いから角度方向にずらされていることができる。同様に、開口74bは、ロッドセグメント72bの長さに沿って長手方向にずらされていることができ、さらに、ロッドセグメント72bの円周に沿って互いから角度方向にずらされていることができる。開口74a,74bは、セグメント72a,72bの直径の延長である(coextensive)ロッド本体セグメント72a,72bを中央で貫通していることができるか、セグメント72a,72bの弦の延長であるセグメント72a,72bの中心からずらされていることができる。開口74a,74bは、任意の開口の一方の端部が、その開口の反対側の端部に対して長手方向にずらされているように、長手方向成分を形成していることもできる。ロッド70は、例示されたように実質的に円筒形として例示されているが、ロッド70は、望みに応じてあらゆる適切な択一的な形状及び寸法を有することができることを認識すべきである。
【0069】
図13Bに例示したように、アンカ・イン・アンカ骨固定システム120は、髄内ロッド70を周囲の骨に取り付けるよう構成されている。特に、骨アンカのうちの1つ、例えば第1の骨アンカ122は、例えばねじ込み、ドリリング、ハンマリング、又はシャフト26を選択された開口74に挿入するための同様の機構を用いて、開口74のうちの選択された1つの内部へ駆動される。骨アンカシャフト126は、ロッド70内において終わるか又は反対側の骨表面を通過することなくロッド72内に延びるような長さを形成することができるか、ロッド72と反対側の骨表面との両方を通過するのに十分な長さを形成することができる。ボア140の中心軸線C1が固定のために骨における目標位置と整合させられるようにシャフト126が所望の回転位置において挿入されると、第2の骨アンカ124は、第1の骨アンカ122に、かつ髄内ロッド72を周囲の骨に直接に、髄内ロッドに取り付けることもなく、取り付けられる。もちろん、第2の骨アンカ124は、望まれるならば、髄内ロッド72を貫通した開口74に取り付けられることもできることを認識すべきである。
【0070】
例示された実施の形態によれば、シャフト142は、ねじ込み、ドリリング、ハンマリング、又はシャフト142を周囲の骨21に挿入するための同様の機構を用いて、ボア140に挿入され、かつ周囲の骨21の内部に駆動される。これに関して、そうでないことが述べられない限り、ここに記載されたアンカ・イン・アンカ骨固定システムの全ての実施の形態におけるように、骨アンカ122及び124のうちの一方又は両方には、ねじ山が設けられたヘッド、ねじ山が設けられていないヘッド、ロッキングタブ136を有するヘッド、又は近位端部及び遠位端部において及びそれらの間において周方向に連続的なヘッド、完全にねじ山が設けられたシャフト、部分的にねじ山が設けられたシャフト、又は滑らかな半径方向外面を形成した又は半径方向外面から突出した歯47を有する、ねじ山が設けられていないシャフト、を設けることができる。
【0071】
第1の骨アンカ122はロッド70に取り付けられるように構成されておりかつ第2の骨アンカ124は、周囲の骨に取り付けられるように構成されているが、これに代えて、第2の骨アンカ124を上述の形式でロッド70に取り付けることができ、第1の骨アンカ122を周囲の骨に取り付けることができる。この択一的な実施の形態において、ボア140の中心軸線C1が開口74のうちの1つと整合させられるように第1の骨アンカ22は骨21内に駆動される。次いで、シャフト142が、整合させられた開口74を貫通しかつこの整合させられた開口74に結合されるように、第2の骨アンカ124がボア140を通って挿入される。
【0072】
第2の固定システム120が、上述の形式において髄内ロッド70及び周囲の骨21に取り付けられるように例示されているが、第1の固定システム20が、択一的に又は付加的に、髄内ロッド70及び周囲の骨に取り付けられることができる。例えば、上述の形式で、第1の骨アンカ22を開口74のうちの1つに取り付けることができかつ第2の骨アンカを周囲の骨21に取り付けることができるか、又は上述の形式で第1の骨アンカ22を周囲の骨21に取り付けることができ、かつ第1の骨アンカを開口74のうちの1つに取り付けることができる。
【0073】
ここで
図13Cも参照すると、骨折セグメント21a及び21bを形成する骨折した長骨21の管(canal)49に、髄内ロッド72を挿入することができる。第1の開口74aと第2の開口74bとの間に骨折部Fが配置されるように、ロッド72は管49に挿入される。上述の実施の形態のいずれかに従って、固定システム120のうちの1つ以上を周囲の骨21に取り付けることができ、さらに、開口74a,74bのうちの1つ以上から全てまでに取り付けることができる。択一的に又は付加的に、上述の実施の形態のいずれかに従って、固定システム120のうちの1つ以上を周囲の骨21に取り付けることができ、さらに、開口74a,74bのうちの1つ以上から全てまでに取り付けることができる。
【0074】
つまり、固定システム20及び120は、髄内ロッド72を周囲の骨に固定するために、単独で又は組み合わせて使用することができる。自立型構造体として骨に直接に取り付ける場合、又は骨、骨代用物又は骨スペーサ、同種移植片、自己移植片、合成移植片、及び金属又はチタン移植片のような下に位置する構造物に補助的な固定装置を固定する場合、固定システム20及び120を組み合わせて使用することができることは、そうでないことが述べられない限り、ここに記載された全ての実施の形態においてさらに認識されるべきである。望みに応じてあらゆる角度方向の向きで他の骨アンカが周囲の骨内へ延びることができるように、髄内ロッド72に取り付けられる骨アンカをあらゆる所望の位置へ回転させることができることをさらに認識すべきである。
【0075】
図13A〜
図13Cに示された実施の形態において、骨アンカは、自立型構造体として髄内ロッド及び周囲の骨21に直接に取り付けられ、骨アンカは、あらゆる付加的な補助固定装置によって結合されない。しかしながら、ここで
図14A〜
図14Cに関連して以下でより詳細に説明するように、アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23は、さらに、髄内ロッドのような第1の補助的な固定装置と組み合わせて使用可能な骨プレートのような、第2の補助的な固定装置を有することができる。
【0076】
ここで
図14Aを参照すると、アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23は、上述の髄内ロッドの同じ要素に対応する参照符号が100だけ増加されている択一的な実施の形態に従って構成された髄内ロッド170に取り付けられた複数の骨固定システム20を有するように示されている。髄内ロッド170は、長さに沿って実質的に一定の外径を形成した管状のロッド本体172を有する。ロッド172は、ロッド本体172を貫通した1つ以上の開口174を形成している。ロッド172は、上述のように開口174が骨折部によって分離されるように長骨の管に配置されるよう構成されている。例示したように、骨固定システム20は、開口174に取り付けられ、上述のように周囲の骨に取り付けられるよう構成されているが、上述の形式で髄内ロッド170を周囲の骨に取り付けるために、骨固定システム120を骨固定システム20と組み合わせて又は単独で使用することができることを認識すべきである。
【0077】
図14Bに示したように、アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23は、骨プレート52の形態の第2の補助的な骨固定部材を有することができる。骨プレートは、望みに応じて構成することができ、プレート本体54と、プレート本体54を貫通しかつ上述の形式で骨固定システム20に取り付けられるよう構成された複数の開口56とを有する。骨プレート52は、骨プレート52の開口56の間に骨折部が配置されるように、髄内ロッドを横切って延びる骨折部上に配置することができる。例えば、第1の骨アンカ22は、髄内ロッド70に関して上述した形式で髄内ロッド170に取り付けられるように例示されている。アンカ122のヘッド128は、上述の形式で骨プレート52の開口56のうちの1つに挿入される保持タブを有する。したがって、骨アンカ122は、骨プレート52及び髄内ロッド70の両方に取り付けられる。第2の骨アンカ124は、上述の形式で髄内ロッド170に取り付けられることなく骨21内へ直接に取り付けることができる。
【0078】
択一的に、上述の形式で第1の骨アンカ122のヘッド128を骨プレート52に取り付けることができ、シャフト126を、髄内ロッド170を通過することなく骨21に取り付けることができ、第2の骨アンカはヘッド128を通過し、髄内ロッド170の開口174のうちの1つに取り付けられることができることを認識すべきである。択一的に又は付加的に、ここで説明された形式で髄内ロッド170を骨プレート52及び周囲の骨に取り付けるために骨固定システム20を骨固定システム120と組み合わせて又は単独で使用することができることを認識すべきである。固定システム20及び120のうちの一方又は両方のみによって、又は骨プレートのような第2の補助的な骨固定部材と組み合わせて、髄内ロッド70、又は望みに応じて構成されたあらゆる髄内ロッドを周囲の骨に取り付けることができることをさらに認識すべきである。ここに説明されたタイプの骨プレートは、望みに応じてあらゆる厚さを提供することができる。骨プレートは、例えば、腱、靱帯及び筋肉のような軟組織構造を固定及び再位置決めするために、スクリュとして提供された一対の骨アンカの間の縫合取付けのための介在部材を提供するために十分に薄く構成することができる。
【0079】
図14A及び
図14Bに示したように、開口が全ての側においてロッド本体172によって形成されるように開口174はロッド本体172を貫通することができることが認識される。択一的に又は付加的に、
図14Cを参照すると、開口174は、ロッド本体172内へ延びた切欠きとして提供することができる。例示したように、切欠き174は、横断面が概して矩形であり、この切欠きに挿入される骨アンカシャフトの外径と実質的に等しい厚さを有する。切欠き174は、横方向にロッド本体172内へ延びており、切欠きを通って挿入される骨アンカシャフト26の外径と実質的に等しいか又は僅かに大きな深さにおいて終わっている。つまり、切欠き174は、挿入されたシャフトと摩擦ばめを提供することができるか、又は挿入されたシャフトとねじ山により係合するためにねじ山が設けられていることができる。
【0080】
ここで
図15A及び15Bを参照すると、アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23は、200だけ増大された、髄内ロッド70の同じ要素に相当する参照符号を有するように示された、釘270を有する。釘270は、例えば遠位橈骨の骨折部によって分離された一対の骨断片への固定のために構成されている。釘270は、管状の又は択一的に成形された釘本体272を有し、この釘本体272は中央部分272aを有する。中央部分272aは、この中央部分272aの長手方向の両方の外側に配置された、釘本体272の故知の部分272bよりも大きな外径を有する。長手方向に間隔を置いて配置された1つ以上の開口274は、釘本体272の中央部分272a内へ及びこの中央部部分272aを貫通して延びている。各々の開口274には、関連した斜めの開口274aが設けられており、この斜めの開口274aは、釘本体272の内部の位置において開口274から、釘本体272の外面を貫いて延びている。斜めの開口274aは、関連する開口274の中心軸線Aに対して角度を形成する中心軸線Bに沿って延びている。この角度は、骨アンカ22及び24のシャフト26及び42の間に形成された角度αと等しい。各々の開口274には、固定柔軟性を提供するために一対の斜めの開口274aを設けることができる。
【0081】
固定システム20は、シャフト26が開口274の近位端部内へ延びるようにまず骨アンカ22を開口274内へ挿入することによって釘270内に取り付けられ、次いで、関連した補助開口274aの遠位端部を介して方向付けられる。開口274は、アンカヘッド28の外径と実質的に等しいか又はそれよりも僅かに大きな直径を形成していることができ、これにより、アンカヘッドは開口274内へ凹まされる。いずれの補助的な固定装置も、収容された骨アンカヘッドが開口内で凹まされるように構成された開口を有することができることを認識すべきである。骨アンカ22が取り付けられると、上述の形式で二次的な骨アンカ24がアンカヘッド22のボア40に挿入され、これにより、ヘッド22を拡張させ、開口274の内面に当て付けてロックする。特に、シャフト42は、開口274の近位端部内へ、アンカヘッド28を通って、開口274の遠位端部を通って延びている。この形式において、シャフト42は、下に位置する骨に対して実質的に垂直に延びているが、シャフト26は、下に位置する骨に対して斜めに延びている。開口274及び補助的な開口274aの遠位端部は、望みに応じて各々のシャフトの直径よりも大きく拡開させることができるか、又は角度柔軟性を提供するために細長いスロットとして提供することができる。
【0082】
ここで
図16A〜
図16Eを参照すると、アンカ・イン・アンカ骨固定システムは、様々な固定手順に従って例示及び説明されているが、アンカ・イン・アンカ固定システムは、骨折、変性障害、腫瘍又は同様のものから生じる不安定性の管理のための例えば頸部の及び/又は腰部の後椎間関節スクリュ固定において、脊椎固定のための椎骨固定システムとしても実施することができることが認識される。
【0083】
ここで
図16A〜
図16Cを参照すると、ここに記載されたタイプのアンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23は、拡張可能な骨プレート253として提供された補助固定装置と、固定装置20として例示された一対の固定システムとを有することができる。骨プレート352が例示されており、骨プレート253の同じ要素に相当する参照符号が100だけ増加されている。つまり、骨プレート352は、骨対向面353及び反対側の面355を形成する骨プレート本体354と、プレート本体354を貫通した一対の開口356とを有する。
【0084】
骨プレート本体は、一対の本体セグメント363及び365を有する。本体セグメント363は、内側セグメントプレート363a及び外側セグメントプレート363bと、本体セグメント365を収容するように寸法決めされた、プレート363a,363bの間に配置された内部溝367とを有する。溝367を形成した少なくとも一方又は両方の内面369は、この内面から溝367内へ延びた歯373を有する。同様に、本体セグメント365の面のうちの一方又は両方は、この面から外方へ延びておりかつ歯373と係合するように構成された歯371を形成している。第1の本体セグメント363は、外側プレート363bにおいてねじ山が設けられた、ねじ山付ロッキング開口375を形成している。したがって、ねじ山付ロッキングピン377のシャフト377aは、内面353から外面355に向かう方向で開口375を通って挿入されることができ、ヘッド377bがプレート363a,363bを互いに対して押し付けることができ、これにより、歯371及び373を係合させ、本体セグメント363及び365の相対移動を防止するように、外側プレート363bのねじ山と係合する。
【0085】
操作中、本体セグメント365は、溝367内へ挿入され、開口356がこれらの開口の間に所定の長さを形成するように延長されるか若しくは収縮される。第2の本体セグメント365は、ロッキングピン377と干渉することなくセグメント365を摺動させることができる切欠き379を有する。次いで、ロッキングピン377は開口375内で回転させられ、開口375内で前進し、本体セグメント365及び363の位置をロックする。これに関して、骨アンカ22及び24のシャフト26及び42が上述の形式で下に位置する骨に挿入されるように、骨固定システム20を開口356内でロックすることができることを認識すべきである。固定システム20がプレート352及び下に位置する骨に取り付けられると、本体セグメント365は、溝367内で収縮され、これにより、下に位置する骨折部を整復する、若しくは固定システム20に結合された一対の骨又は骨断片を互いに向かって押し付ける。これに代えて、固定システム20に結合された骨又は骨断片をさらに離間させるために、本体セグメント365を溝内で拡張させることができる。
【0086】
ここで
図16D及び
図16Eを参照すると、腰部の後椎間関節のスクリュ固定のための椎骨固定システムとしての骨プレートを備えたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリの使用が例示されている。すなわち、概して言えば、アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23は、例えば互いに対する椎体の移動を固定するために、棘突起、椎弓板、椎弓根、椎間関節及び同様のもののような椎体骨セグメントを互いに固定する際に内部後方固定のために使用することができる。特に、アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23は、上述のように骨プレート352の開口356を貫通した一対のアンカ・イン・アンカ固定アセンブリ20を有するが、骨プレート352は、望みに応じてあらゆる択一的な実施の形態に従って構成することができる(例えば上述の骨プレート52)。開口356は、椎体Vの椎弓根Pのような目標椎体骨セグメントと整合させられるように、互いから十分な間隔を置いて配置されている。これは、例えば、上述のように溝367における本体セグメント365の拡張又は収縮によって達成することができる。
【0087】
使用中、各々の第1の骨アンカ22のシャフト26は、椎体Vの目標となる椎弓根P内に、その椎孔の互いに反対の側において、挿入される。中心軸線C1は、椎間関節Fのような、隣接する椎体Vの、所望の、目標となる位置の骨セグメント内への、第2の骨アンカ24のシャフト42の挿入軌道を規定する。次いで、上述の形式で開口356が第1の骨アンカ22のアンカヘッド28上にスナップ下降させられるように、骨プレート352が第1の骨アンカ22のヘッド28に取り付けられる。次いで、第2の骨アンカ24のシャフト42が、第1の骨アンカ22の各々のヘッド28を通って挿入され、目標となる椎間関節内に挿入される。第1の骨アンカ22のヘッド20は、上述の形式において固定アセンブリ23を所定の位置にロックさせるために、骨プレート352に当て付けられるように拡張する。固定アセンブリ20の第1及び第2のアンカ22及び24によって加えられる力は、互いに対する椎体Vの移動を制限する。
【0088】
択一的な実施の形態において、プレート352は、上述の形式において、骨折した長骨に取り付けることができるか、又は椎体が椎骨インプラントによって置換される椎体切除術と組み合わせて使用することができることを認識すべきである。例えば、ここで
図17A〜
図17Dを参照すると、固定アセンブリ23は、固定システム20と、椎体インプラント300の形態の第2の固定部材とともに、骨プレート352の形態の補助固定装置とを有する。インプラントは、環状のメッシュケージとして例示されているが、あらゆる椎体インプラントを組み込むことができることを認識すべきである。例示したように、インプラント300は、固定システムの間に配置されており、例えば椎体が切除された後に、椎間スペースに挿入されるよう構成されている。
【0089】
インプラント300が椎間スペース内に配置されると、固定システム20は、例えば頸椎領域において、前方進入路を介して、隣接する椎体Vに固定される。特に、骨アンカのうちの一方が各々の椎体Vを通って椎弓根Pのうちの1つ内へ延びるように、両骨アンカ22及び24は椎体内へ延びる。例示した実施の形態によれば、第1の骨アンカ22のシャフト26は、対応する椎体Vを通って、目標とする椎弓根Pのうちの1つの内部へ挿入される。各シャフト26が椎弓根Pにおける所望の深さにほぼ到達すると、シャフト26は、中心軸線C1が所望の進入角度で椎体Vと整合させられるまで、回転させられる。次いで、骨固定プレート352は、プレート52に関して上述した形式でヘッド28に取り付けられる。例えば、ヘッド28が開口356内に配置されるまで、開口356はヘッド28に嵌合させられる。最後に、第2の骨アンカ24のシャフト42は、各々のヘッド28と、対応する椎体Vとに挿入される。シャフト42は、椎孔VF内へ延びないように十分な長さを有する。
【0090】
望まれるならば、プレート352は、インプラント300が配置される椎間スペースを規定する、隣接する椎体の間の間隔を調節することが望まれるならば、上述の形式で拡張又は収縮させることができる。これに関して、固定システム24は、全ての骨アンカが前方進入路を介して椎体Vに挿入されることを許容し、また、骨アンカ22及び24の角度のずれが上述の形式で三角形の耐荷平面を規定し、これにより、より大きな力にさらによく耐えることができ、かつ後方進入路を介した付加的な脊椎固定を必要とすることなく、椎体内での骨アンカの沈下又は移動を防止することができることを認識すべきである。骨アンカ22は、第1の骨アンカ22の中心軸線C1の角度の向きに応じて、例示したように鉛直方向で整合させられた椎弓根に挿入することができるか、又は椎孔VFの互いに反対の側に配置された椎弓根Pに挿入することができる。さらにこれに代えて、一対の固定アセンブリ20が、各々の椎骨の両方の椎弓根内に延びる対応する対の骨アンカ24を有するように、一対の並設された開口を、骨プレート252の互いに反対側の長手方向端部に配置することができる。
【0091】
ここで
図18を参照すると、別の択一的な実施の形態により構成された骨プレート452は、400だけ増加された、骨プレート52の同じ構造に対応する参照符号を有するように例示されている。プレート本体454は、第1のセグメント454aと、円筒形でありかつ第1のセグメント454a内で回転可能な第2のセグメント454bとを有する。開口456のうちの1つは、第2のセグメント454bの回転軸線に関して中心がずれた位置において、第2のセグメント454bを貫通している。言い換えれば、偏心開口456に取り付けられた骨アンカ22及び24の長手方向の位置が調節可能であるように、第2のセグメント454bを貫通した開口456は、偏心的に位置決めされている。
【0092】
例えば、第1の骨アンカ22のシャフト26が、骨プレート452に対して斜めの方向に延び、かつ第2の骨アンカ24のシャフト42が、プレート452に対して実質的に垂直に延びるように、上述の形式で、システム20のような第1の固定システムは、第1のセグメント454aを貫通した開口456内に固定されているが、これに代えて、両シャフト26及び42が、骨プレート452に対して斜めの方向に延びていることができる。上述の形式で、システム20のような第2の固定システムは、第2のセグメント454bを貫通した開口456内に固定されている。つまり、各々のシャフト24は、骨プレート452に対して斜めの方向に延びており、シャフト42は、骨プレート452に対して実質的に垂直に延びているが、両シャフト26及び42がプレート452に対して斜めに延びていることができる。固定アセンブリ20が開口456に固定される前又は後に、各々のシャフト26及び42の長手方向の位置を、第1のセグメント454aを貫通した開口456に結合されたシャフト26及び42に対して調節するために、第2のセグメント454bを第1のセグメント454a内で矢印Rの方向に回転させることができ、これにより、固定アセンブリ20の間の長手方向の距離を増減させる。
【0093】
固定システム20はプレート452に結合されて例示されているが、ここに記載された補助固定装置のように、他の固定システム、この場合は第2の固定システム120が、択一的に又は付加的にプレート452に結合されることができる。
【0094】
ここで
図19A〜
図19Cを参照すると、アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23は、椎弓根スクリュアセンブリ400として提供された補助固定装置と組み合わされた、骨固定システム120のような複数の骨固定システムを有することができる。椎弓根スクリュアセンブリ400は、固定ロッド404を介して取り付けられた複数の椎弓根スクリュ402を有する。各椎弓根スクリュ402は、固定ロッド404を収容するよう構成された内側開口408と、第1の骨アンカ122のヘッド128を収容するよう構成された下側開口410とを有する。例示された実施の形態によれば、アンカ本体406は、内側開口408及び下側開口410の両方を形成している。コレット412は、下側開口410に対して押圧を提供するためにアンカ本体406を包囲しており、キャップ414は、内側開口408に押圧を提供するためにアンカ本体406の上端部に螺合するように挿入され、固定ロッド404を椎弓根スクリュ402にロックする。
【0095】
操作中、第1の骨アンカ122のシャフト126は、椎弓根を通って、下に位置する仙骨領域及び椎体内へ挿入されるか、これに代えて、第1の骨アンカ122を、椎弓根に対してずれた位置において固定するために、椎間関節、椎弓板、棘突起、又は択一的な椎骨構造に挿入することができる。骨アンカ122は、中心軸線C1が椎弓根と整合させられるまで回転させられる。次いで、第2の骨アンカ124のシャフト142は、ヘッド128を通って挿入され、上述の形式でヘッド144がヘッド128内に配置されるまで椎弓根に挿入される。次いで、固定システム120を固定ロッド404に作用的に結合するために、下側開口410はヘッド128上に嵌合させられる。シャフト126及び142の角度のずれは、上述の形式で三角形の耐荷重平面を形成し、これにより、より大きな力にさらに耐え、かつ椎体内での椎弓根スクリュ140の沈下又は移動を防止することができる。
図19Cに示したように、固定アセンブリ23は、融合させられた椎体の、互いに反対側の両法の椎弓根に取り付けられた一対の椎弓根スクリュアセンブリ400を有する。この椎弓根スクリュアセンブリ400は、望みに応じてあらゆる脊椎領域に配置することができる。
【0096】
ここで
図20A〜
図20Cを参照すると、アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23は、肩インプラントと係合するよう構成された肩プロテーゼ500のような、インプラントとして提供された補助固定装置に結合されたシステム120のような第1及び第2の骨アンカ・イン・アンカ固定システムを有する。プロテーゼ500は、インサート504に結合されたバッキングプレート502を有する。バッキングプレートは、チタンのようなインプラントグレード金属から形成することができるが、インサート504は、ポリエチレンから形成することができる。
【0097】
バッキングプレート502は、凹面状のインサート係合面508と、反対側の凸面510とを有するバッキングプレート本体506を形成している。間隔を置いて配置された一対の開口512は、各々の中心軸線Aに沿って本体506を貫通している。一対の円筒状の延長部514は、開口512と整合させられた位置において、反対側の面510から下方へ突出しており、それぞれが開口延長部512aを形成している。半径方向突出部516は、各々の円筒状延長部の内面から内方に延びており、インサート504をバッキングプレート502に固定することを助ける。リップ518は、各々の円筒状延長部514の遠位端部から半径方向内方へ突出しており、各々の固定システム120のための取付け面を有する。
【0098】
固定システム120は、まず上述の形式で第1の骨アンカ122のシャフト126を下に位置する肩甲骨に挿入することによって、バッキングプレート502及び下に位置する骨に取り付けられる。次いで、上述の形式でヘッド144がヘッド128内に配置されるように、第2の骨アンカ124のシャフト142がヘッド128及び下に位置する肩甲骨内に挿入される。次いで、リップ518が各々のヘッド128上にスナップ嵌合し、そこにヘッド128をロックするように、バッキングプレート502がヘッド128上に配置される。シャフト126は、開口512の軸線Aと整合させることができ、シャフト142は、軸線Aに対して角度を成すことができるが、両シャフト126及び142が軸線Aに対して角度を成すことができることを認識すべきである。
【0099】
インサート504は、人工的な又はプロテーゼの関節窩を提供するために凹面状の支持面520と、反対側の面522とを形成している。一対のロッキングペグ524は、開口512と整合した位置において、反対側の面522から下方へ突出している。ペグ524は、インサート504をバッキングプレート502に取り付けるために半径方向突出部516を収容する周方向凹所526を形成しており、この箇所において、人工的な関節窩520は、肩インプラントのための関節面を提供する。
【0100】
支持面520の凹面度は、上述の人工的な又はプロテーゼの関節窩を提供するのに適しているが、支持面520には望みに応じてあらゆる曲率を提供することができることを認識すべきである。例えば、支持面520の凹面度は、例えば股関節形成術のために使用可能な、ボール及びソケットジョイントとして使用可能な股関節カップを提供するように構成することができる。
【0101】
ここで
図21A〜
図21Cを参照すると、概して、ここに記載されたアンカ・イン・アンカ固定システムのいずれも、椎間関節骨折固定手技における椎骨固定システムとして使用することができる。すなわち、概して言えば、アンカ・イン・アンカ固定システム20及び/又は120は、骨折部の互いに反対の側において椎体骨セグメントを固定する際に内部後固定のために使用することができる。例えば、
図21Aに示したように、固定システム20は、椎間関節骨折固定のために使用される。特に、骨折部FRは、関節面Fのような、椎体Vの骨セグメントの少なくとも一部を椎体Vの残りから部分的に又は完全に分離させる。例としての実施の形態において、骨折部FRを押し付けかつ治癒を促進するために、第1の骨アンカ22のシャフト26は、骨折部FRの近くで、ただし骨折部FRを通過することなく、骨折した関節面Fのような第1の骨セグメントに挿入され、中心軸線C1が、椎体Vの第2の骨折していない骨セグメント、例えば対応する椎弓板L内への第2の骨アンカ24のシャフト42のための挿入軌道を形成するように、向けられる。その後、第2の骨アンカ24のシャフト42は、上述の形式で骨アンカ22のヘッド28を通って挿入され、シャフト42は椎弓板Lに挿入される。この実施の形態において、第2の骨アンカ24を椎弓板Lに固定させるために、シャフト42は、シャフト26よりも大きな長さを有する。第1及び第2のアンカ22及び24によって加えられる力は、骨折した椎間関節を椎弓板Lに対して押し付け、これにより、骨折部FRを整復する。
【0102】
択一的な実施の形態において、
図21Bに示したように、第1の骨アンカ22のシャフト26を、骨折部FRの近くにおいて、骨折部FRを通過して、骨折した関節面Fのような、骨折部の反対側における骨セグメント内へ、椎弓板Lのような骨セグメントに挿入することができる。第1の骨アンカ22は、骨折部FRを整復し、骨折した関節面Fを椎弓板Lに対して押し付ける。中心軸線C1が、椎弓根Pのような、椎体Vの骨折していない骨セグメント内への第2の骨アンカ24のシャフト42の挿入軌道を規定するように、第1の骨アンカ22を向けることができる。第2の骨アンカ24のシャフト42は、上述の形式で骨アンカ22のヘッド28を通って挿入され、シャフト42は、椎弓根P内に挿入され、これにより、固定システム20を椎体Vに係止する。第1の骨アンカ22によって加えられる力は、骨折した椎間関節を椎体Vに対して押し付け、これにより、骨折部Fを整復する一方で、第2の骨アンカ24に加えられる力は、固定システム20を椎体Vに係止する。
【0103】
ここで
図21Cを参照すると、固定システム120は、椎間関節骨折固定の別の例の実施の形態において使用されている。特に、第1の骨アンカ122のシャフト126は、関節面F1のような、椎体Vの骨折していない骨セグメントに挿入することができる。中心軸線C1が、椎体Vの関節面F2のような、骨折した骨セグメント内への第2の骨アンカ24のシャフト42のための挿入軌道を規定するように、第1の骨アンカ122は向けられている。その後、上述の形式で第2の骨アンカ124のシャフト142が骨アンカ122のヘッド128を通って挿入され、シャフト142が、骨折した関節面F2に挿入される。第1及び第2の骨アンカ22及び24によって加えられる力は、骨折した関節面Fを椎体Vの本体に対して押し付け、これにより、骨折部FRを整復する。
【0104】
ここで
図22A〜
図22Cを概略的に参照すると、ここに記載されたアンカ・イン・アンカ固定システムのいずれも、椎弓形成術固定手技における椎骨固定システムにおいて使用することもできる。すなわち、概して言えば、アンカ・イン・アンカ固定システム20及び/又は120は、棘突起、椎弓板、椎弓根、椎間関節、及び同様のもののような椎体骨セグメントをその他の椎体骨セグメントに、又は同種移植片、自己移植片、合成移植片又は金属移植片のようなその他の構造物に固定する際の内部後方固定のために使用することができる。例えば、固定システム20及び/又は120は、例えば椎弓板の骨折、変性疾患、腫瘍又は同様のものから生じる脊椎管狭窄症を管理するために使用することができる。
【0105】
図22Aに示したように、一対の固定システム120は、棘突起SPの互いに反対の側における骨折部FRによって椎体Vから少なくとも部分的に分離させられた椎体Vの棘突起のような第1の骨セグメントを、椎体Vの対応する椎弓根Pのような1つ以上の付加的な骨セグメントに固定するものとして示されている。特に、第1の固定システム120の第1の骨アンカ122のシャフト126は、第1の骨折部FRの近くにおいて椎体Vの棘突起SPの基部の一方の側に挿入される。中心軸線C1が、第1の骨折部FRを通る、椎体Vの対応する第1の椎弓根P内への第2の骨アンカ124のシャフト142のための挿入軌道を規定するように、第1の固定システム120の第1の骨アンカ122のシャフト126は回転させられる。第1の固定システム120の第2の骨アンカ124のシャフト142は、上述の形式で第1の骨アンカ122のヘッド128を通って第1の椎弓根P内へ挿入される。
【0106】
第2の固定システム120の第1の骨アンカ122のシャフト126は、第2の骨折部FRの近くにおいて、棘突起SPの反対側において椎体Vの棘突起SPの基部に挿入される。中心軸線C1が、第2の骨折部FRを通る、椎体Vの対応する第2の椎弓根P内への第2の固定システム120の第2の骨アンカ124のシャフト142のための挿入軌道を規定するように、第2の固定システム120の第1の骨アンカ122のシャフト126が回転させられる。第2の固定システム120の第2の骨アンカ124のシャフト42は、上述の形式で第2の固定システム120の第1の骨アンカ122のヘッド128を通って第2の椎弓根P内に挿入される。第1及び第2の固定システム120の第1及び第2の骨アンカ122及び124によって加えられる力は、棘突起を対応する椎弓根Pに対して押し付け、これにより、骨折部FRを整復する。
【0107】
ここで
図22Bを参照すると、一対の固定システム120が、棘突起SP及び椎弓板Lのような、椎体Vの2つの骨セグメントの間に同種移植片骨延長部Aを固定するものとして示されており、同種移植片骨延長部Aは、同種移植片骨延長部Aのそれぞれの側における互いに反対側の骨折部FRによって骨セグメントから分離されている。特に、第1の固定システム120の第1の骨アンカ122のシャフト126は、第1の骨折部FRの近くにおいて同種移植片骨延長部Aに挿入される。中心軸線C1が、第1の骨折部FRを通る、棘突起SP内への第2の骨アンカ124のシャフト142のための挿入軌道を規定するように、第1の固定システム120の第1の骨アンカ122のシャフト126が回転させられる。第1の固定システム120の第2の骨アンカ124のシャフト142は、上述の形式で、第1の固定システム120の第1の骨アンカ122のヘッド128を通って棘突起SP内に挿入される。
【0108】
第2の固定システム120の第1の骨アンカ122のシャフト126は、第2の骨折部FRの近くにおいて同種移植片骨延長部Aに挿入される。中心軸線C1が、第2の骨折部FRを通る、椎体Vの椎弓板L内への第2の固定システム120の第2の骨アンカ124のシャフト142の挿入軌道を規定するように、第2の固定システム120の第1の骨アンカ122のシャフト126が回転させられる。第2の固定システム120の第2の骨アンカ124のシャフト142は、第2の固定システム120の第1の骨アンカ122のヘッド128を通って椎弓板L内へ挿入される。第1及び第2の固定システム120の第1及び第2の骨アンカ122及び124によって加えられる力は、同種移植片骨延長部Aを棘突起SPと椎弓板Lとの間に押し付け、これにより、骨折部FRを整復する。
【0109】
ここで
図22Cを参照すると、1つの固定システム120を用いて棘突起SPと椎弓板Lとの間に同種移植片骨延長部Aを固定し、これにより、椎弓形成術手技を完了するために用いられる骨アンカの数を減じる択一的な実施の形態が示されている。特に、固定システム120の第1の骨アンカ122のシャフト126は、第1の骨折部FRの近くにおいて棘突起SPの基部に挿入され、これにより、固定システム120を椎体Vに係止する。中心軸線C1が、第1の骨折部FRと同種移植片骨延長部Aとを通る、椎弓板L内への固定システム120の第2の骨アンカ124のシャフト142のための挿入軌道を規定するように、固定システム120の第1の骨アンカ122のシャフト126が回転させられる。第2の骨アンカ124のシャフト142は、上述の形式で、第1の骨アンカ122のヘッド128を通って椎弓板L内へ挿入される。固定システム120の第2の骨アンカ124によって加えられる力は、同種移植片骨延長部Aを棘突起SPと椎弓板Lとの間に押し付け、これにより、骨折部FRを整復するのに対し、第1の骨アンカ122は固定システム120を椎体Vに係止する。
【0110】
上記の椎弓形成術手技のあらゆる組合せを、単独で、又は前述の椎間関節固定手技のいずれかと組み合わせて、利用することができることを認識すべきである。
図21A〜
図22Cに示されたアンカ・イン・アンカシステム20及び120の骨アンカ22,122,24及び124の相対的な位置を反転させ、骨アンカ22及び122がそれぞれ骨アンカ24及び124に固定されるものとして記載された構造内へ延びるのに対し、骨アンカ24及び124がそれぞれ骨アンカ22及び122に固定されるものとして記載された構造内へ延びるようにすることができる。付加的に、あらゆる択一的な椎体骨セグメント及び/又はこれらの骨セグメント内への挿入軌道は、望みに応じて、上述の脊椎固定手技において利用されてよい。さらに、
図21A〜
図22Cに関連して上述した脊椎固定のいずれも、固定システム20及び120のうちの一方又は両方を用いて行うことができることを認識すべきである。これに関して、骨アンカ22,24,122及び124を脊椎骨アンカと称することができる。
【0111】
ここで
図23A及び
図23Bを参照すると、ここに記載されたタイプのアンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23を、腰仙スクリュ固定における使用のために椎骨固定システムとして骨プレートと組み合わせて使用することができる。つまり、概して言えば、アンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23を、例えば腰椎体と仙骨との互いに対する移動を固定するために、棘突起、椎弓板、椎弓根、椎間関節及び同様のもののような椎体骨セグメントを互いに固定する際に内部後方固定のために、使用することができる。典型的な腰仙固定手技、例えばL5椎体をS1椎体に固定する脊椎構造物において、椎弓根スクリュの軌道はしばしば後方に向かって集束し、椎弓根スクリュの挿入及び対応する構造物の組立を困難にする。これらの挿入及び組立の問題は、アンカ・イン・アンカ固定アセンブリの使用により排除される。
【0112】
特に、
図23A及び
図23Bに示されたアンカ・イン・アンカ固定アセンブリ23は、上述のような骨プレート52を貫通した開口56を貫通した一対の固定アセンブリ20を有するが、骨プレート52は、望みに応じてあらゆる択一的な実施の形態に従って構成することができる(例えば、上述の骨プレート352)。開口56は、腰椎体Vの、椎弓根Pのような骨セグメントと整合させられるように十分な距離だけ互いに間隔を置かれている。使用中、各々の第1の骨アンカ22のシャフト26は、椎弓板を通って、腰椎体Vの対応する椎弓根P内に、その椎孔の互いに反対の側において、挿入される。中心軸線C1が、腰仙椎間関節Fのような、仙骨Sの所望の目標となる位置の骨セグメント内への、第2の骨アンカ24のシャフト42のための挿入軌道を規定するように、第1の骨アンカ22のシャフト26は望みに応じて回転させられる。次いで、上述の形式で開口56が第1の骨アンカ22の別のヘッド28上にスナップされるように、プレート52が骨アンカ22に取り付けられる。次いで、第2の骨アンカ24のシャフト42は、第1の骨アンカ22の各々のヘッド28を通って挿入され、腰仙椎間関節F内に挿入される。上述の形式で固定アセンブリ23を所定の位置にロックするために、第1の骨アンカ22のヘッド28は骨プレート52に当て付けられるように拡張する。固定アセンブリ20の第1及び第2のアンカ22及び24によって加えられる力は、腰椎体V及び仙骨Sの互いに対する移動を制限する。
【0113】
望まれるならば、上述の腰仙固定手技からプレート52を省略することができ、
図23A及び
図23Bに示された固定アセンブリ20の骨アンカ22及び24の相対位置を反転させ、骨アンカ22が、骨アンカ24に固定されるように記載された構造体内へ延びるのに対し、骨アンカ24が、骨アンカ22に固定されるように記載された構造体内へ延びるようにすることができることを認識すべきである。さらに加えて、あらゆる択一的な腰椎体又は仙骨セグメント及び/又はこれらの骨セグメントへの挿入軌道は、望みに応じて利用されてよい。さらに、腰仙固定手技を、アンカ・イン・アンカ固定システム20及び120のうちの一方又は両方とともに、あらゆる組合せにおいて行うことができることを認識すべきである。
【0114】
ここで
図24A〜
図24Cを概略的に参照すると、ここに記載されたアンカ・イン・アンカ固定システムのいずれも、椎弓板の間の固定手技における椎体固定システムとして使用することもできる。つまり、概して言えば、アンカ・イン・アンカ固定システム20及び/又は120は、棘突起、椎弓板、椎弓根、椎間関節及び同様のもののような椎体の椎体骨セグメントを、隣接する椎体の椎体骨セグメントに固定する場合の内部後方固定のために使用することができる。典型的な椎弓板間固定手技において、第2のスクリュが第1のスクリュを通過することができないので、第2のスクリュのための理想的な軌道を達成することが困難である。このスクリュ軌道の問題は、アンカ・イン・アンカ固定システムの使用により排除される。例えば、固定システム20の第1の骨アンカ22のシャフト26は、第2の、隣接する椎体Vの第1の目標椎間関節Fに挿入され、第1の骨アンカ22のヘッド28が、第1の椎体Vの棘突起SPの基部の近くに位置決めされるようにする。中心軸線C1が、棘突起SPの基部を通る、第1の椎体Bの、反対側の第2の目標椎間関節F内への第2の骨アンカ24のシャフト42の挿入軌道を規定するように、第1の骨アンカ22のシャフト26が回転させられる。第2の骨アンカ24のシャフト42は、第1の骨アンカ22のヘッド28を通って、第1の椎体Vの棘突起SPを通って、第2の椎体Bの第2の目標椎間関節F内へ導入される。
【0115】
図24A及び
図24Bに示されたアンカ・イン・アンカシステムの骨アンカ22及び24の相対位置を反転させ、骨アンカ22が、骨アンカ24に固定されるように記載された構造体内へ延びるのに対し、骨アンカ24が、骨アンカ22に固定されるように記載された構造体内へ延び、固定システムが、棘突起SPの反対側に構成されるようにすることができる。さらに加えて、あらゆる択一的な椎体骨セグメント及び/又はこれらの骨セグメント内への挿入軌道が、望みに応じて利用されてよい。さらに、椎弓板間固定手技は、固定システム20及び/又は120のうちの一方を用いて行うことができることを認識すべきである。
【0116】
ここで
図25A、
図25B、及び
図26A〜
図26Cを参照すると、ここに記載されたアンカ・イン・アンカ固定システムのいずれかが、椎体固定システムにおいて、椎骨間インプラント及び/又はスペーサのような補助的な骨固定部材と組み合わせて使用することができる。すなわち、概して言えば、アンカ・イン・アンカ固定システム20及び/又は120は、椎骨間インプラントを、隣接する椎体の間に固定するために使用することができる。例えば、
図25A及び
図25Bに示したように、椎骨間インプラントシステム27は、アンカ・イン・アンカアセンブリ20と、椎骨間インプラント600とを有する。椎骨間インプラント600は、反対側の上面及び下面602b及び602cそれぞれの間に形成された側面602aを有するインプラント本体602を有する。インプラント本体602は、中実の、概して卵子の形状を有して示されているが、あらゆるその他のインプラント体ジオメトリが、望みに応じて、例えば目標椎骨間スペースにおける解剖学的構造が規定するように、用いられてよい。上面及び下面602b及び602cは、滑らかであってよく、上面及び下面に形成されかつ上面及び下面602b及び602cと隣接する椎体の端部プレートとの間の掴み係合を容易にするよう構成された歯、スパイク又は同様の構造物のような掴み特徴部を有してよいか、別個の滑らかな掴み部分を有してよい。
【0117】
本体602は、さらに、上面及び下面602b及び602cがインプラント本体602の側面602aと交差するところに規定された、上側エッジ及び下側エッジ602d及び602eをそれぞれ有する。インプラント本体602は、側面602aに形成されかつ側面602aから離れる方向に本体602内へ延びたボア604を有してよい。ボア604の内面は、アンカ・イン・アンカ固定システム20及び/又は120からアンカを収容するよう構成されていてよい。例えば、ボア604の内面は、アンカ・イン・アンカ固定システム20の第1の骨アンカ22のシャフト26に形成されたねじ山と係合するよう構成された、内面に形成された相補的なねじ山を有してよい。
【0118】
本体602は、さらに、上側エッジ602dに形成された、ボア204に近い溝606を有してよく、この溝606は、第2の骨アンカ24のシャフト42が第1の骨アンカ22のヘッド28内へかつ所望の固定位置へ挿入された時に、第2の骨アンカ24のシャフト42の一部を収容するよう構成されている。溝606は、隣接する椎体の下面若しくは尾側の面にインプラント600を固定する時に第2のアンカ24のシャフト42を収容するために(例示したように)上側エッジ602dに形成されていてよいか、又はこれに代えて、溝606は、隣接する椎体の上面若しくは尾側の面にインプラント600を固定する時に第2の骨アンカ24のシャフト42を収容するように下側エッジ602eに形成されていてよい。
【0119】
使用中、第1の骨アンカ22のシャフト26は、インプラント本体602のボア604に係合させられる。インプラント600は、椎骨間スペースに配置され、望みのように位置決めされる。中心軸線C1が、隣接する椎体の目標椎体V内への第2の骨アンカ24の所望の挿入軌道と整合させられるように、第1の骨アンカ22が向けられる。その後、上述の形式で第2の骨アンカ24のシャフト42は第1の骨アンカ22のヘッド28を通って挿入され、第2の骨アンカ24のシャフト42は、目標椎体Vの目標椎体骨セグメント、例えば、目標椎体Vの皮質リム及び/又は海綿骨内へ挿入される。第2の骨アンカ24の締付によりインプラント600への押付けを得ることができる。椎骨間インプラントシステム27を、後方片側脊椎固定構造物と組み合わせて、このような構造物に高められた安定性を提供するために、使用することができる。脊椎間インプラント600を、ここに図示及び説明されたアンカ・イン・アンカ固定システム20、アンカ・イン・アンカシステム120、又はこれらのあらゆる組合せと組み合わせて、使用することができる。
【0120】
脊椎間インプラントシステム27の択一的な実施の形態は、2つ以上のアンカ・イン・アンカ固定システム20及び/又は120を収容するよう構成された椎骨間スペーサを有することができる。例えば、
図26A〜
図26Cに示したように、椎骨間インプラント700を、一対のアンカ・イン・アンカ固定システム20と組み合わせて使用することができる。椎骨間インプラント700は、それぞれ互いに反対側の上面及び下面702a及び702bを有するインプラント本体702を有する。上面及び下面702a及び702bは、これらの上面及び下面に形成された、上面及び下面702a及び702bと、隣接する椎体の端部プレートとの掴み係合を容易にするよう構成された歯、スパイク又は同様の構造物のような掴み特徴を有してよいか、又は別個の滑らかな掴み部分を有してよい。インプラント本体702は、概して矩形を有して示されているが、望みに応じて、目標椎骨間スペースにおける解剖学的構造が規定するように、あらゆるその他のインプラント本体ジオメトリが用いられてよい。例えば、椎骨間インプラント700は、横方向進入路を介した腰部挿入、前方進入路を介した頸部挿入、及び同様のもののために成形されていてよい。本体702の一部は中空であってよいか、又はこの部分に形成された開口702cを有してよく、この開口は例えば骨成長誘発物質が装填されるよう構成されている。
【0121】
本体702は、さらに、上面及び下面702a及び702bがインプラント本体702の側部と交差するところに形成された、それぞれ上側及び下側の周縁エッジ702d及び702eを有する。インプラント700の本体702は、一対のアンカ・イン・アンカアセンブリ20を支持するアンカプレート708を本体702に結合することを容易にするために、前記本体702に形成された取付け構造を有することができる。例えば、上側及び下側の周縁エッジ702d及び702eに形成された保持スロット704は、アンカプレート708から延びた係合するクリップ716を解放可能に収容するよう構成されている。保持スロット704は、単に、アンカプレート708をインプラント700に結合するために使用するための取付け構造の例であり、アンカプレート708をインプラント700に結合するために、望みに応じてあらゆるその他の取付け構造が利用されてよい。本体702は、さらに、例えば上側及び下側のエッジ702d及び702eに形成された溝706を有することができ、これらの溝706は、アンカ・イン・アンカアセンブリ20がアンカプレート708内に配置され、アンカプレート708が本体702に係合させられた時に、第1及び第2のアンカ22及び24それぞれのシャフト26及び/又は42の部分を収容するよう構成されている。
【0122】
アンカプレート708は、近位端部710aと、反対側の遠位端部710bとの間に形成された、上面、下面及び側面710c,710d及び710eを有する概して矩形の本体710を有する。上面、下面及び側面710c,710d及び710eに沿って形成された、本体710の外周ジオメトリは、実質的に、インプラント700の本体702の外周ジオメトリに合致するように形成することができる。1つ以上の、例えば複数の開口712(例えば例示したように一対の開口712)は、近位端部及び遠位端部710a及び710bに対して垂直にアンカプレート本体710を貫通している。アンカプレート本体710は、例示したように概して平坦であることができるが、インプラント700の対応するジオメトリに部分的に又は完全に合致するように、望みに応じて湾曲しているか又はその他の形状であることができる。
【0123】
開口712は、第1の骨アンカ22のヘッド28の半径方向外面の輪郭に合致する、球形の又はさもなければ凸面状の内面を有する。第1の骨アンカ22のシャフト26がインプラント700における対応する溝706に収容されながら、各ヘッド28が対応する開口712に配置されるように、複数の第1の骨アンカ22をアンカプレート708に取り付けることができる。第2の骨アンカ24のシャフト42がインプラント700における対応する溝706に収容されるように、上述の形式で第2の骨アンカ24は第1の骨アンカ22に固定される。
図26A〜
図26Cに示されかつここに記載された例示された実施の形態は、一対のアンカ・イン・アンカアセンブリ20を有するが、望みに応じてあらゆる数のアンカ・イン・アンカアセンブリ及び/又はアンカ・イン・アンカアセンブリ120が使用されてよいことに注意すべきである。
【0124】
アンカプレート708の本体710は、近位端部710aに形成された取付け開口714を有し、この取付け開口は、椎骨間インプラントシステムを患者内の椎骨間スペース内に配置するために使用される挿入ツールのようなアタッチメントに解放可能に係合するよう構成されている。本体710は、さらに、アンカプレート708をインプラント700に結合するための1つ以上の取付け構造を有することができる。例えば、例示したように、一対の係合クリップ716が、本体710の遠位端部710bにおいて上面及び下面710c及び710dから外方へ延びている。係合クリップ716は、インプラント700の保持スロット704と解放可能に係合するよう構成されており、これによりアンカプレート708をインプラント700に結合する。係合クリップ716は、単に、アンカプレート708をインプラント700に結合するために使用するための取付け構造の例であり、アンカプレート708をインプラント700に結合するために、望みに応じてあらゆるその他の取付け構造が利用されてよいことに注意すべきである。
【0125】
使用中、行われる手技に適した椎骨間インプラント700が選択され、例えばアンカプレート708の取付けクリップ716をインプラント700の保持スロット704内の所定の位置にスナップ結合することによって、前記椎骨間インプラントにアンカプレート208が結合される。次いで、例えばアンカプレート708の取付け開口714に係合させられる挿入ツールを使用することによって、椎骨間インプラントシステム27が、患者内の椎骨間スペース内に配置される。インプラント700が椎骨間スペース内に配置されると、固定システム20は、隣接する椎体Vに、例えば腰椎領域において、直接側方進入路を介して、又は頸椎領域において、前方進入路を介して、固定される。特に、骨アンカ22及び24の両セットは、隣接する椎体Vの目標椎体骨セグメント内へ延びている。例示された実施の形態によれば、アンカ・イン・アンカアセンブリ20の対の第1の骨アンカ22のシャフト26は、インプラント700の溝706内に収容されたアンカプレート708の開口712を通って挿入され、かつ第1の骨アンカ22のヘッド28が開口712に収容されるように各々の隣接する椎体Vの目標椎体骨セグメント内に挿入される。目標椎体骨セグメントは、各々の目標椎体の皮質リム、海綿骨、及び同様のものを含むことができる。
【0126】
例示された実施の形態において、第1の固定システム20の第1の骨アンカ22のシャフト26は、インプラント700のすぐ上方の隣接する椎体Vに係合するために概して頭側軌道に沿って開口712のうちの1つに挿入されるのに対し、第2の固定システム20の第1の骨アンカ22のシャフト26は、インプラント700のすぐ下方の隣接する椎体Vに係合するために概して尾側軌道に沿って別の開口712に挿入される。第1の骨アンカ22のシャフト26は、第1の骨アンカ22のシャフト26は、望みに応じてあらゆる択一的な構成において、例えば上述の頭側挿入軌道と尾側挿入軌道とを反転させることによって、第1の骨アンカ22の両方を概して頭側挿入軌道に沿って挿入することによって、又は第1の骨アンカ22の両方を概して尾側挿入軌道に沿って挿入することによって、挿入されてよい。
【0127】
第1の骨アンカ22は、中心軸線C1が、各々の隣接する椎体Vの目標椎体骨セグメント内への第2の骨アンカ24のシャフト42のための挿入軌道を決定するように、向けられる。その後、上述の形式で、第2の骨アンカ24は、第1の骨アンカ22のヘッド28を通って挿入され、対応する溝706に収容され、各々の隣接する椎体Bの目標椎体骨セグメント内に挿入される。椎骨間インプラント700およびアンカプレート708を、ここに図示及び説明したアンカ・イン・アンカ固定システム、アンカ・イン・アンカ固定システム120、又はそれらの組合せと組み合わせて使用することができる。
【0128】
ここで
図27A〜
図27Cを参照する、概して、ここに記載されたアンカ・イン・アンカ固定システムのいずれも、椎骨固定システムにおける、棘間スペーサのような、補助的な骨固定部材と組み合わせて使用することができる。つまり、概して言えば、アンカ・イン・アンカ固定システム20及び/又は120を、棘間スペーサのような椎骨インプラントを、隣接する椎体の間に固定するために使用することができる。例えば、
図27A〜
図27Cに示したように、棘間スペーサシステム29は、アンカ・イン・アンカアセンブリ220と、棘間スペーサ800とを有する。棘間スペーサ800は、ほぼ円筒状の、環状本体802を有する。もちろん、望みに応じて棘間スペーサ800の本体802のためにあらゆるその他の本体ジオメトリを用いることができる。本体802の外面802aは、滑らかであるか、メッシュケージを形成しているか、外面802aに形成された、外面802aと隣接する椎体の棘突起との間の掴み係合を容易にするよう構成された歯、スパイク又は同様の構造のような掴み特徴部を有するか、又はこれらのあらゆる組合せを有してよい。
【0129】
本体802は、さらに、本体802に形成された、一対の、概して反対側の開口804a及び804bを有し、これらの開口804a及び804bは、アンカ・イン・アンカアセンブリ20を収容するよう構成されている。アンカ・イン・アンカアセンブリ20の第1及び第2のアンカ22及び24を収容するために、開口804a及び804bは、円形、スロット状、又は要求に従ってあらゆるその他のジオメトリとして形成されることができる。開口804a及び804bの内面は、滑らかであるか、第1及び第2のアンカ22及び24のシャフト26及び42における相補的なねじ山に係合するよう構成された、前記内面に形成されたねじ山を有してよい。これに加えて、開口804aは、例えばこの開口804aに、第1の骨アンカ22のヘッド28を重ねるように収容するために、棘間スペーサ800の本体802内に、座ぐりされているか又はその他の形式で形成されていてよい。棘間スペーサ800は、例えば棘間スペーサ800を目標椎体Vに固定するための可変係止構成を達成するために、2つ以上のアンカ・イン・アンカアセンブリ20及び/又は120と組み合わせて使用されるように構成することができる。
【0130】
使用中、棘間スペーサ800は、患者内の隣接する椎体の棘突起SPの間の棘間スペース内に配置される。スペーサ800が棘間スペース内に配置された状態で、固定システム20は、隣接する目標椎体Vの目標椎体骨セグメントに、例えば腰椎領域において、力説後方進入路を介して固定される。特に、第1及び第2の骨アンカ22及び24の両方は、開口804a及び804bを通って、隣接する目標椎体Vの目標椎体骨セグメント内に挿入される。目標椎体骨セグメントは、棘突起、椎弓板、椎弓根、椎間関節及び同様のものを含んでよい。例示した実施の形態によれば、アンカ・イン・アンカアセンブリ20の第1の骨アンカ22のシャフト26は、棘間スペーサ800の開口804a及び804bを通って挿入され、第1の骨アンカ22のヘッド28が開口804aに収容されるように、目標椎体Vの第1の目標骨セグメント内へ駆動される。中心軸線C1が、目標椎体Vの第2の目標骨セグメント内への第2の骨アンカ24のための所望の挿入軌道と整合させられるように、第1の骨アンカ22が向けられる。その後、第2の骨アンカ24のシャフト42は、上述の形式で第1の骨アンカ22のヘッド28を通って挿入され、目標椎体Vの第2の目標骨セグメント内へ挿入される。棘間スペーサ800は、ここで図示及び説明されたアンカ・イン・アンカ固定システム20、アンカ・イン・アンカシステム120、又はこれらのあらゆる組合せと組み合わせて使用することができることに注意すべきである。
【0131】
上述のように1つ以上の骨固定アセンブリ23又はその構成部材を含むキットを提供することができることを認識すべきである。キットの構成部材は、同じに又は異なって構成することができる。例えば、シャフト42及び26の異なる長さ及び外径、外科医及び行われる外科的手技の要求に応じて異なって構成されたシャフト及びねじ山、及びシャフトとヘッドとの間に形成された異なる角度αを有する骨アンカ22及び24を提供することができる。キットは、さらに、上述のタイプの1つ以上の補助的な固定装置を含むことができる。
【0132】
好適な実施の形態又は好適な方法に関連して発明が説明されたが、ここで使用された用語は、限定の用語ではなく、説明及び例示の用語であることが理解される。例えば、そうでないことが示されない限り、ここに記載された様々な骨固定アセンブリ及びシステム及びそれらの構成要素の構造及び特徴を、ここに記載された他の骨固定アセンブリ及びシステム及びそれらの構成要素に組み込むことができることが認識されるべきである。さらに、特定の構造、方法及び実施の形態に関連して発明が説明されたが、発明は、ここに記載された詳細に限定されることは意図されていない。なぜならば、発明は、ここに記載された1つ以上の固定システム、アセンブリ又はそれらの構成要素を有するキットとともに、本発明の範囲の中の全ての構造、方法及び使用にまで拡張するからである。この明細書の開示内容の利益を有する当業者は、ここに記載された発明に対して多くの変更を行ってよく、変更は、例えば添付された請求項に記載されたような発明の範囲及び思想から逸脱することなく行われてよい。