(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】1つの同軸円筒を含む本発明による液体培地のウイルス不活化のための装置の透視図の概略説明図である。
【
図1B】
図1Aに示される装置の入口及び同軸円筒の断面の概略説明図である。
【
図1C】
図1Aに示される装置の入口及び同軸円筒の側面図の概略説明図である。
【
図1D】本発明による、接線方向入口及び出口を備えた、両方とも矩形断面及び円形角を備えた液体培地のウイルス不活化のための装置の透視図の概略説明図である。
【
図1E】本発明によるサイクロン流の概略説明図である。
【
図1F】2つの同軸円筒及び各同軸円筒周りのハウジングを含む本発明による液体培地のウイルス不活化のための装置の具体例の概略説明図である。
【
図2】紫外線Cの複数のエミッタを備えた同軸円筒の断面の概略説明図である。
【
図3】同軸円筒に沿ったギャプ内部の静的ミキサエレメントの概略説明図である。
【
図4】2つの垂直積層同軸円筒を備えた、本発明による液体培地のウイルス不活化のための装置の側面図の概略説明図である。
【
図5A】本発明による入力マニホールドと出力マニホールドの間の2列の同軸円筒を積層する概略説明図である。
【
図5B】本発明による入力マニホールドと出力マニホールドの間の4列の同軸円筒を積層する概略説明図である。
【
図6】本発明による入力マニホールドと出力マニホールドの間の2列の同軸円筒を水平積層する概略説明図である。
【
図7A】本発明による水平及び垂直に積層された4つの同軸円筒の概略説明図である。
【
図7B】
図7Aに示される装置を通した液体培地の流れの概略説明図である。
【
図8】本発明による細胞培養培地のウイルス不活化のための装置の平面図の概略説明図である;W=水洗/洗浄バルブ、F=流量調節弁、D=線量計の概略説明図である。
【
図9】モデル開発のためのワークフローの概略説明図である。
【
図10】水、無血清細胞培養培地、及び血清含有(10%vol)細胞培養培地用石英スリーブからの半径方向距離関数としての254nmでの線強度のグラフである。
【
図11】実施例2に記載の装置の概略説明図である。
【
図12】実施例2に記載の装置におけるサイクロン流の概略説明図である。
【
図13】実施例2(5mmギャップ、3.8lpm(1gpm))及び実施例3(3mmギャップ、4.75lpm(1.25gpm)及び9.5lpm(2.5gpm))に記載の装置における無血清細胞培養培地に対するUV線量の関数としての頻度(暴露細胞培養培地の%)のグラフである。
【
図14】実施例2(5mmギャップ、3.8lpm(1gpm))及び実施例3(3mmギャップ、4.75lpm(1.25gpm)及び9.5lpm(2.5gpm))に記載の装置における無血清細胞培養培地に対するUV線量の関数としての粒子%(累積線量)のグラフである。
【
図15】実施例2(5mmギャップ、1.9lpm(0.5gpm))及び実施例3(3mmギャップ、2.4lpm(0.631gpm)及び3.8lpm(1gpm))に記載の装置における血清含有細胞培養培地に対するUV線量の関数としての頻度(暴露細胞培養培地の%)のグラフである。
【
図16】実施例2(5mmギャップ、1.9lpm(0.5gpm))及び実施例3(3mmギャップ、2.4lpm(0.631gpm)及び3.8lpm(1gpm))に記載の装置における血清含有細胞培養培地に対するUV線量の関数としての粒子%(累積線量)のグラフである。
【
図17】実施例4に記載のUVC処理セットアップの概略説明図である。
【
図19】平行ビーム較正実験から得られた種々の均一線量レベルでの蛍光分布のグラフである。
【
図20】A及びBは、水中での平行ビーム較正実験から種々のUVフルエンシーで得られた蛍光分布の平均値のグラフである。
【
図21】3つの種々の流速でUVCリアクタにおいてUV光に暴露されたサンプルの蛍光分布のグラフである。
【
図22】A〜Cは、β
j、Г
ji、及びα
iの定義の絵画概略説明図である。
【
図23】表2に与えられた比例での数学的混合較正サンプルにより得られた2つのテスト蛍光分布のグラフである。
【
図24】2つのテストケースでの実際の及び予測UV線量分布の比較のグラフである。
【
図25A】
図25A−1流量=2.75lpm、予測平均UV線量=91mJ/cm
2;
図25A−2実験平均UV線量=82mJ/cm
2:で、蛍光分布の関数としてのUVCリアクタを通した細胞培養培地におけるUV線量分布のグラフである。
【
図25B】
図25B−1流量=4.75lpm、予測平均UV線量=53mJ/cm
2;
図25B−2実験平均UV線量=52mJ/cm
2:で、蛍光分布の関数としてのUVCリアクタを通した細胞培養培地におけるUV線量分布のグラフである。
【
図25C】
図25C−1流量=7.6lpm予測平均UV線量=35mJ/cm
2;
図25C−2予測平均UV線量=50mJ/cm
2:で、蛍光分布の関数としてのUVCリアクタを通した細胞培養培地におけるUV線量分布のグラフである。
【
図26A】
図26A−1流量=2.2lpm、予測平均UV線量=89mJ/cm
2;
図26A−2実験平均UV線量=47mJ/cm
2:で、蛍光分布の関数としてのUVCリアクタを通した細胞培養培地における10%DBSのUV線量分布のグラフである。
【
図26B】
図26B−1流量=3.8lpm、予測平均UV線量=53mJ/cm
2;
図26B−2実験平均UV線量=36mJ/cm
2:で、蛍光分布の関数としてのUVCリアクタを通した細胞培養培地における10%DBSのUV線量分布のグラフである。
【
図26C】
図26C−1流量=6lpm、予測平均UV線量=34mJ/cm
2;
図26C−2実験平均UV線量=28mJ/cm
2:で、蛍光分布の関数としてのUVCリアクタを通した細胞培養培地における10%DBSのUV線量分布のグラフである。
【
図27】ビタミンC水溶液のUVC吸光度測定値のグラフである。
【
図28A】
図28A−1流量=2.2lpm、予測平均UV線量=104mJ/cm
2;
図28A−2実験平均UV線量=81mJ/cm
2:で、蛍光分布の関数としてのUVCリアクタを通した0.1g/L(4.7吸光度単位の吸光度)ビタミンC溶液のUV線量分布のグラフである。
【
図28B】
図28B−1流量=3.8lpm、予測平均UV線量=61mJ/cm
2;
図28B−2実験平均UV線量=63mJ/cm
2:で、蛍光分布の関数としてのUVCリアクタを通した0.1g/L(4.7吸光度単位の吸光度)ビタミンC溶液のUV線量分布のグラフである。
【
図29A】
図29A−1流量=2.75lpm、予測平均UV線量=91mJ/cm
2;
図29A−2実験平均UV線量=81mJ/cm
2:で、蛍光分布の関数としてのUVCリアクタを通した0.04g/L(1.94吸光度単位の吸光度)ビタミンC溶液のUV線量分布のグラフである。
【
図29B】
図29B−1流量=4.75lpm、予測平均UV線量=53mJ/cm
2;
図29B−2実験平均UV線量=60mJ/cm
2:で、蛍光分布の関数としてのUVCリアクタを通した0.04g/L(1.94吸光度単位の吸光度)ビタミンC溶液のUV線量分布のグラフである。
【
図29C】
図29C−1流量=7.6lpm、予測平均UV線量=35mJ/cm
2;
図29C−2実験平均UV線量=47mJ/cm
2:で、蛍光分布の関数としてのUVCリアクタを通した0.04g/L(1.94吸光度単位の吸光度)ビタミンC溶液のUV線量分布のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は一般的にリガンドのハイスループット処理を対象にする。特定の態様では、本発明は、液体培地のハイスループットウイルス不活化を可能にする方法及び装置を対象にする。本明細書で使用されるように、液体培地は、限定されるものではないが、緩衝液、摂取可能流体、注射液、生物学的流体、血清、培地、バイオプロセス溶液、動物成分含有溶液、及びヒト又は動物使用のための治療薬を含む、ウイルス汚染を取り除きそして汚染可能性を防止することが望まれる、いずれの流体又は溶液を含む。1つの実施態様では、バイオプロセス溶液は、細胞培養培地、条件培地、クロマトグラフィー溶液(水又は溶出用緩衝液など)、又は製剤溶液である。1つの実施態様では、液体培地は細胞培養培地(例えば、血清含有細胞培養培地又は無血清培地)である。別の実施態様では、液体培地は、モノクローナル抗体、組換タンパク質、又は酵素などの少なくとも1つの治療用タンパク質を含む液体である。
【0010】
本明細書で使用される、液体の「ハイスループット」処理は、約0.5L/分(lpm)と約50L/分の間、又は約0.5L/分と約5L/分の間、又は約5L/分と約10L/分の間の範囲の流量における処理を意味する。特定の実施態様では、大流量は、約1L/分、又は約2L/分、又は約3L/分、又は約4L/分、又は約5L/分、又は約10L/分、又は約20L/分、又は約30L/分、又は約40L/分、又は約50L/分である。
【0011】
ウイルスは、例えば、HIV、BIV、ウシ白血病、C型肝炎、B型肝炎、G型肝炎、ヘルペスウイルス、Cacheバレーウイルス、ポックスウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、αウイルス、Bornaウイルス、水疱性口内炎ウイルス、Voronaウイルス、PRRSV、LDHEV、BVDV、及びフラビウイルスなどのエンベロープウイルス、及び、例えば、A型肝炎、E型肝炎、パルボウイルス、カリシウイルス、ベシウイルス、アストロウイルス、ピコルナウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、コブウイルス、テシオウイルス、シルコウイルス、アデノウイルス、レオウイルス、及びロタウイルス、などの非エンベロープウイルスを含む。本発明の1つの実施態様では、本発明の装置及び方法はエンベロープウイルスの不活化のために使用される。本発明の別の実施態様では、本発明の装置及び方法は非エンベロープウイルスの不活化ができる。ウイルス不活化は、本発明の装置及び方法が、
非処理対照培地におけるウイルス濃度と比べて、ウイルスの濃度が少なくとも2対数減少(log reduction)、好ましくは少なくとも3対数減少、より好ましくは少なくとも4対数減少、最も好ましくは少なくとも5対数減少あるいはそれ以上減少することができることを意味する。当業者には当然のことながら、ウイルス減少の測定は、公知ウイルスの測定量でスパイクされている未処理対照を提供すること、及び本発明の装置又は方法で未処理対照を処理後に得られたレベルと比較することなど、当技術分野における一般的な方法に基づいてよい。Wang, J., Mauser, A., Chao, S.-F., Remington, K., Treckmann, R., Kaiser, K., Pifat, D., and Hotta, J.、新しい紫外線−Cリアクタにおけるウイルス不活化及び蛋白質回収、Vox Sanguinis 86: 230-238 (2004); Chevrefils, G., Ing, B., Caron, E., Wright, H., Sakamoto, G., Payment, P., Benoit, B., and Cairns, W.、細菌、原生動物及びウイルスの増分ログ不活化を実現するのに必要なUV線量、IUVA News 8(1): 38-45 (2006)を参照されたい。
【0012】
1つの実施態様では、
図1Aに示されるように、細胞培養培地などの液体のウイルス不活化のための装置100は、外筒120(長さ、内径、及び外形の寸法で)及び外筒と同軸の内筒130から構成される1つの同軸円筒110を含む。外筒120及び内筒130の長さは、使用に応じて変化することができる。限定されるものではないが、特定の実施態様では、外筒120の長さは、約25cmと約100cmの間、又は約35cmと約90cmの間、又は約45cmと約80cmの間、又は約55cmと約70cmの間の範囲であってよい。装置は更に、液体培地入口140、内筒130内部の放射の少なくとも1つの紫外線Cのエミッタ145(同軸円筒110の断面で
図1Bに示される)、及び液体培地出口150を含む。内筒130は、外筒120の長さ、及び
図1Bに示されるように、内筒130の外径と外筒120の内径間にギャップ160を形成するように適合される外径120に実質的に等しい長さを有する。ギャップ160は約1mmと約5mmの間の範囲にあってよい。特定の態様では、ギャップは、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、又は約5mmである。液体培地は、
図1Eに示されるように、ギャップ160のすべて、又は実質的な部分に沿って実質的にサイクロン流に流れる。サイクロン流は、同軸円筒110の軸に垂直なギャップ160に沿って断面の平面において二次旋回流を含むことができる。
【0013】
ギャップはまた、
図3に示されるようにバッフル又は流れ偏向器などの静的ミキサエレメントを選択的に含む。本明細書に記載のように、液体はハイスループットでギャップ160を通して流れることができる。限定されるものではないが、特定の実施態様では、ギャップ160に沿った液体培地の流量は、約0.5lpmと約50lpmの間、又は約5lpmlと約40pmの間、又は約10lpmと約30lpmの間の範囲にあってよい。
【0014】
図1Aに戻って、液体培地入口140は、好ましくは外筒120の端部で又は近くで外筒120に連結される。入口140は液体培地をギャップ160に沿って実質的にサイクロン流に流入するように構成される。
図1Bに示されるように、入口140は、入口140に沿った中心線170が、外筒120の外径で、又は近くで位置185において入口140に沿って中心線170に垂直に外筒120の半径180と交差するように位置する。1つの態様では、
図1Bに示されるように、入口140は外筒120及び/又は内筒130に対して接線方向である。
【0015】
外筒120に対して入口140の接線方向の連結は、ギャップ160に沿ったサイクロン流を作り又は増強する。当業者には当然のことながら、他の手段はギャップに沿ったサイクロン流を増強し又は維持するのに使用することができる。例えば、サイクロン流を増強する別の機能が、
図1Cに示されるように、入口140の連結部と外筒120のその端部(即ち、入口が位置する外筒の端部)の間のスペースを最小化している。
図1Fは、2つの同軸円筒110及び各同軸円筒110周りのハウジング105を含む装置100の特定の実施例の説明図である。ハウジング105は、内筒120と外筒130間にO−リングシール115を含む。
【0016】
入口140に沿った中心線170は、
図1Bに90°で示されるように、外筒120の半径180とラジアル角rを形成する。ラジアル角rは、約90°と約150°間、又は約100°と約140°間、又は約110°と約130°の間の範囲にあってよい。
【0017】
図1Cに示されるように、入口140に沿った中心線170に平行な線は、
図1Cに90°で示されるように、外筒120の軸190と軸角aを形成する。軸角aは、約30°と約90°間、又は約40°と約80°間、又は約50°と約70°の間の範囲にあってよい。
【0018】
入口140は、
図1Bの入口で示されるように、長方形、正方形、楕円形、又は円形断面など様々な形状を有することができる。長方形断面を備えた入口140も
図1Dに示される。長方形又は正方形断面を備えた入口140も、
図1Dの長方形断面で示されるように丸角を含む。
【0019】
図1Bに示されるように、紫外線Cの少なくとも1つのエミッタ145は、紫外線Cで処理しようとする液体培地に向けて紫外線Cを放射し、それにより細胞培養培地など液体培地中のウイルスを不活化するように、内筒130内部に位置する。少なくとも1つのエミッタ145は、約1.6cmと約2.54cmの間の範囲の直径を有することができる。特定の実施態様では、少なくとも1つのエミッタ145は、1.6cm、1.7cm、1.8cm、1.9cm、2.0cm、2.1cm、2.2cm、2.3cm、2.4cm、2.5cm、及び2.54cmの直径を有することができる。複数のエミッタ145を内筒130内部に置くことができる。特定の態様では、例えば、1エミッタから、2エミッタ、3エミッタ、4エミッタ、5エミッタ、6エミッタ、7エミッタなど、8エミッタまで内筒130内部に置くことができる。
図2に示されるように、7エミッタ145は内筒130内部に均等に分布することができる。紫外線C(UVC)の少なくとも1つのエミッタ145は、例えば、低圧UVCランプ又は中圧UVCランプであり得て、そのいずれも市販されている。例えば、Heraeus Noblelight LLC, Duluth, GA.製UVランプ参照。少なくとも1つのエミッタ145は、約200nmと約280nm間(UVC範囲又はC型)、又は約210nmと約270nm間、又は約220nmと約260nm間、又は約220nmと約270nm間、又は約245nmと約260nmの間の範囲の波長の放射を出す。1つの態様では、ランプは、約254nmの波長を備えた単色性(UVC範囲内)である。少なくとも1つのエミッタ145は、約80Wと200Wの間の範囲にランプ出力を有することができる。特定の態様では、少なくとも1つのエミッタ145は、約80W、又は約90W、又は約100W、又は約110W、又は約120W、又は約130W、又は約140W、又は約150W、又は約160W、又は約170W、又は約180W、又は約190W、又は約200Wのランプ出力を有することができる。
【0020】
当業者には当然のことながら、UVC放射の透過はBeer-Lambert則により距離で指数関数的に減少する。
図10に示されるように、無血清細胞培養培地のUVC透過率は254nmで約0.1%(約3吸光度単位のUVC吸光度)であったが、一方で10vol%血清含有培地のUVC透過率は、水の254nmで約70%のUVC透過率(約0.15吸光度単位のUVC吸光度)と比べて、254nmで約0.001%(約5吸光度単位のUVC吸光度)であった。無血清細胞培養培地の典型的なUVC吸光度は、約1.5と約2.5吸光度単位の間の範囲であってよい。血清含有細胞培養培地の典型的なUVC吸光度は、血清濃度により約2.5と約5.5吸光度単位の間の範囲であってよい。明細書に使用されているように、低透過率(即ち、高吸光度)液体は、約1%と約1E−5%の間の範囲で約254nmの透過率(約2と約7吸光度単位の間の範囲のUVC吸光度)、又は約1%と約1E−8%の間の範囲で約254nmの透過率(約2と約10吸光度単位の間の範囲のUVC吸光度)、又は約1%と約1E−13%の間の範囲で約254nmの透過率(約2と約15吸光度単位の間の範囲のUVC吸光度)、又は約1%と約1E−18%の間の範囲で約254nmの透過率(約2と約20吸光度単位の間の範囲のUVC吸光度)、又は約1%と約1E−23%の間の範囲で約254nmの透過率(約2と約25吸光度単位の間の範囲のUVC吸光度)、又は約1%と約1E−28%の間の範囲で約254nmの透過率(約2と約30吸光度単位の間の範囲のUVC吸光度)、又は約1%と約1E−33%の間の範囲で約254nmの透過率(約2と約35吸光度単位の間の範囲のUVC吸光度)、などの約1%と約1E−38%の間の範囲で約254nmのUVC透過率(約2と約40吸光度単位の間の範囲のUVC吸光度)の液体である。
【0021】
図1Aに戻って、出口150は、好ましくは入口140と反対側の外筒120の端部で又は近くで外筒に連結される。出口150は、入口140と類似した構成において、流出時に液体培地(細胞培養培地など)のサイクロン流を作り出し又は維持するように構成することができる。本発明の装置が
図4〜7に示されるように複数の同軸円筒110を含むとき、そのような構成は特に有用である。
【0022】
外筒120及び内筒130は様々な材料から作ることができる。1つの態様では、外筒120はステンレススチール、通常316Lグレードなどの生物医薬品プロセスに好適な金属又は材料から作られる。別の態様では、内筒130はフッ素重合体及び/又は石英など、UVC放射に実質的に透明な材料から作られる。あるいは内筒130及び外筒120は、液体のサイクロン流を容易にするために様々な形状で成形することができる。例えば内筒130(例えば、フッ素重合体製)は液体のサイクロン流を維持又は増強するように形成することができ、一方でギャップ160に沿った形状を提供することにより、又はギャップ160に沿った静的ミキサエレメント、粗面、又はリッジ(ridges)を提供することにより、二次乱流渦又は渦巻きを通して半径方向混合を増加させる。フッ素重合体で作られる内筒130は、装置100の維持を簡略化するために、使い捨てもあり得る。クラスVI規格を満たし、そしてそれ故医薬用途に好適なフッ素重合体材料の例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フルオロエチレン−プロピレン(FEP)、及びペルフルオロアルコキシ(PFA)、サンゴバンパフォーマンスプラスチック、アクロン、OHを含むが、これらに限定されるものではない。
【0023】
特定の態様では、装置は2つ又はそれ以上の同軸円筒を含む。これらの実施態様では、装置は同軸円筒のそれぞれ間にコネクタを含む。例えば、
図4に戻って、液体(例えば、細胞培養培地)のウイルス不活化のための装置100は、第1の同軸円筒110及び第2の同軸円筒110間にコネクタ195を含む。コネクタ195は、本明細書に記載の入口140と類似した構成において、第1の同軸円筒110からの流出時に液体培地のサイクロン流を作り出し又は維持するように、構成することができる。
【0024】
当業者には当然のことながら、装置100は、特別使用(例えば、処理しようとする液体の量及びタイプ等)により複数の同軸円筒を含むことができる。
図5A及び5Bに示されるように、そのような実施態様は更に1つ又はそれ以上のマニホールドを含むことができる。1つの態様では、装置100は、複数の同軸円筒110を積層することができる少なくとも1つの入力マニホールド115を、そして少なくとも1つの出力マニホールド125を含む。同軸円筒110は、
図4に示されるように垂直に、又は
図6に示されるように水平に、又は
図7Aに示されるように垂直及び水平積層の混合物として、そして
図7Bに示される対応の流れ図のように積層することができる。複数の同軸円筒を含んでなる装置の1つの利点は、限定スペース又は特注スパース条件に合う装置の能力である。
図5A、5B、及び6に示される積層配置は、マニホールド上で特定同軸円筒110を閉止するために更なるバルブ(示されず)を含むことができる。
【0025】
1つの実施態様では、同軸円筒110の積層は、装置の設置スペースが5フィートずつの単位で約5フィート未満又はそれに等しくなり得る。別の実施態様では、同軸円筒110の積層は、装置の体積が約125立方フィート未満又はそれに等しくなり得る。別の実施態様では、同軸円筒の積層(垂直か、水平、又は混合)は、装置が既存の製造又は他の装置周りに合うことができるようにし、一方で尚処理しようとするハイスループットの液体培地を尚提供する。高流量への縮尺は平行に多くのユニットを連結するのに係わることができる。例えば1つの実施態様では、この例では各ユニットが3mmギャップの2同軸円筒を含み平行に10ユニットだけ連結すること、及び10lpmで作動することは、更なる入口エルボ損失の原因となることなく、平方インチ当り2.5ポンド(psi)の圧力損失で無血清細胞培養培地処理のために流量100lpmを提供することができる。1つの実施態様では、装置100は、濾過(通常約30psiまでを用いて)などで、装置の圧力下流を用いるプロセスの流れにおいて装置を使用することができるように、約50psi以下の圧力で評価される。別の実施態様では、装置100は、約25psiと約50psiの間の範囲の圧力で評価される。5psi以下の流れからの圧力損失で、100lpmでの血清含有細胞培養培地の処理は、平行して25同軸円筒によって実現することができ、これは5’x5’x5’設置スペースに十分に合うことができ、そして尚かつ約2500L/hと約6000L/hの間の範囲でスループットを有する。特定の実施態様では、スループット範囲は、約2200L/h、約2400L/h、約2500L/h、約2600L/h、約2800L/h、約3000L/h、約3200L/h、約3400L/h、約3600L/h、約3800L/h、約4000L/h、約4200L/h、約4400L/h、約4600L/h、約4800L/h、約5000L/h、約5200L/h、約5400L/h、約5600L/h、約5800L/h、又は約6000L/hであってよい。
【0026】
当業者には当然のことながら、装置は更に様々な選択的部材を含んでよい。
図8に戻って、別の実施態様では、液体(例えば、細胞培養培地)のウイルス不活化のための装置200は、装置100、及び場合により装置100を通して液体培地(例えば、細胞培養培地)をポンピングするためのポンプ210を含む。あるいは、液体貯蔵タンク215からのヘッド圧は、装置100を通して液体培地(例えば、細胞培養培地)を流すために使用することができる。装置200は更に、液体培地(例えば、細胞培養培地)がそれに暴露されている線量を示すモニタ220(
図8でD印)を選択的に含むことができ、そして更に1つ又はそれ以上の閉止弁240を選択的に含む。
【0027】
放射線量は、約5mJ/cm
2と約100mJ/cm
2の間、又は約10mJ/cm
2と約90mJ/cm
2の間、又は約20mJ/cm
2と約80mJ/cm
2の間、又は30mJ/cm
2と約70mJ/cm
2の間、又は約40mJ/cm
2と約60mJ/cm
2の間の範囲であってよい。1つの態様では、非エンベロープウイルス濃度の望ましい少なくとも4対数減少を達成するための最小放射線量は約20mJ/cm
2である。別の態様では、ウイルス濃度の望ましい少なくとも6対数減少を達成するための最小放射線量は約30mJ/cm
2である。尚別の態様では、ウイルス濃度の少なくとも15対数減少(理論的基礎)を達成するための最小放射線量は約50mJ/cm
2である。装置200は、下記のように、必要に応じて液体培地流れを調節しそして選択的に止めることができる液体培地流量調節弁230(
図8でF印)を更に選択的に含むことができる。培地流量は約0.5lpmと約50lpmの間の範囲であってよい。装置200もまた、培地の流れを止めるための装置100の上流の閉止弁240、及び放射に対して暴露過剰又は暴露不足になっている液体培地(例えば、細胞培養培地)を洗い流すためのフラッシングシステム250(
図8でW印)を含む。フラッシングシステム250が作動するとき、流量調節弁230は閉鎖され、そして培地は装置100の下流の閉止弁240を通して廃棄又は別の貯蔵タンクに送られる。当業者には当然のことながら、装置200の選択的エレメントは様々な方法で構成することができる。
【0028】
処理しようとする液体によっては、当業者には当然のことながら、ギャップ寸法、同軸円筒の長さ、及び液体の流量は所望のウイルス不活化処理を得るために調整することができる。特定の実施態様では、外筒に対して接線方向に3mmギャップ及び入口及びコネクタ、及び2つの直列同軸円筒で、無血清又は血清含有細胞培養培地は、約20と約30mJ/cm
2の間の範囲で最小放射線量に暴露することができ、約90%の細胞培養培地は約80〜約100mJ/cm
2未満の放射線量に暴露され、約50と約60mJ/cm
2の間の範囲の平均放射線量で、約3と約5lpmの間の範囲の流量で、そして細胞培養培地は約2と約5吸光度単位の間の範囲の紫外線吸光度を有し、1〜2同軸円筒はシリンダ当り1ランプを含む。
【0029】
装置は様々な目的、例えばハイスループットでのいずれの液体処理など、例えば水又は食品工業(例えば、飲料の処理)に使用することができる。1つの実施態様では、細胞培養培地は本発明の方法及び装置によって処理することができる。
【0030】
細胞培養培地、並びにそれへ補足(supplement)は、当技術分野で周知である。多種多様な細胞培養培地は、例えば、Life Technologies, Inc. (Carlsbad, CA), Sigma-Aldrich (St. Louis, MO), Thermo Fisher Scientific (Waltham, MA), Becton Dickinson & Co. (Franklin Lakes, NJ)などの様々な供給業者から市販されている。細胞培養培地は、原核細胞、真核細胞、及び始原細胞の培養に使用可能である。例えば、細胞培養培地は、細菌、昆虫細胞、始原細胞、植物細胞、酵母、哺乳類細胞、幹細胞、神経細胞及び他の細胞型に対して使用可能である。細胞培養培地は、各々化学的に確定された成分(合成培地など)を含んでよく、又は植物、動物又は鉱物起源由来のエキスなど、未確定の1つ又はそれ以上の成分を含んでよい。当技術分野で周知のように、細胞培養培地には、砂糖、塩、ビタミン、緩衝剤、エキス、化学薬品などの1つ又はそれ以上の栄養素、又は細胞増殖、培養物の生産又は安定化に資する他の栄養素を補足することができる。また当技術分野で周知のように、細胞培養培地には血清を補足してよい。例えば、動物血清は細胞培養での使用に周知である。例えば、哺乳類細胞培養に通常使用される動物血清は、限定されるものではないが、ドナーウシ血清(DBS)、胎児ウシ血清(FBS)、又は子ウシ血清を含む。
【0031】
特定の実施態様では、本発明の方法と装置は、UVC線量を、その線量がウイルスを致死させることができる細胞培養培地(補足の有り又は無しで)に送達するように設計される。特定の実施態様では、本発明の方法と装置は、UVC線量を、その線量がウイルスなどの感染性因子の存在リスクを軽減することができる、細胞培養培地(補足の有り又は無しで)に送達するように設計される。
【0032】
特定の態様では、細胞培養培地においてウイルスを不活化する方法は、細胞培養培地を、内筒の外径と外筒の内径間においてシリンダの長さに沿ったギャップを含む少なくとも1つの同軸円筒に導入することを含む。別の実施態様では、装置は複数の同軸円筒を含む。尚別の実施態様では、装置は同軸円筒のマニホールドを含む。培地は、ギャップに沿って実質的にサイクロン流に沿って細胞培養培地を流すように構成される入口を通して導入される。方法は更に、細胞培養培地を、それによって細胞培養培地中のウイルスを不活化するために細胞培養培地に向いて紫外線Cを放射するように、内筒内部に置かれた紫外線Cの少なくとも1つのエミッタで放射することを含む。方法は次いで、細胞培養培地を、入口の反対側の外筒の端部で、又はその近位の外筒に連結された細胞培養培地出口を通して流すことを含む。1つの実施態様では、細胞培養培地は、約2vol%と約12vol%の間の範囲で血清を含む。特定の態様では、細胞培養培地は、4vol%血清、6vol%血清、8vol%血清、又は10vol%血清を含む。別の実施態様では、細胞培養培地は無血清である。尚他の実施態様では、細胞培養培地は、無動物由来成分(無ADC)、又は化学的に確定されている。別の実施態様では、細胞培養培地は、流加バッチを目的とした細胞培養培地である。
【0033】
別の態様では、ウイルスを不活化する方法は、モノクローナル抗体、酵素、融合タンパク質、又は組換タンパク質などの、少なくとも1つの治療用タンパク質を含む液体培地に対する生物医薬品工程の下流に適用することができる。特定の実施態様では、液体培地は、水、溶離液又は樹脂を含む溶液などのクロマトグラフィー液体である。他の実施態様では、液体培地は、治療用タンパク質の製剤化又は再構成された溶液である。
【0034】
〔実施例1〕−5mmギャップ備えた装置
図4に示される装置100の設計は、流体力学及び放射モデリングの第1原理に基づくコンピュータシミュレーションを用いる。モデル開発のワークフローは
図9に示される。第1に、装置の詳細な3D形状モデルが構成される。装置100は、流体側からランプを分離する石英管で囲まれるそのコア中のUVランプ(管形ランプ)を含む、2つのUV処理チャンバから構成される。液体培地は、石英管と外筒壁の間のギャップに沿って流れる。
【0035】
計算流体力学(CFD)は、液体培地のウイルス不活化のための装置のこのモデルにおける流量分布を解く場合の手段として使用された。Fluent, Inc., (Lebanon, NH)。CFDは、有限体積法を用いて、各制御体積(リアクタ形状は何百万の制御体積に離散化される)での第1原理ベースの流動方程式の数値解析に関与する。S. V. Patankar, Numerical Heat Transfer and Fluid Flow, Hemisphere, Washington, DC, 1980。
【0036】
流れ解(flow solution)は、予測流れパターンに関する情報を提供し、そして予測速度、圧力損失、及び乱流量の視覚化を可能にした。流れ解に続いて、離散座標法(CD)モデルと呼ばれる放射モデルを用いて、コンピュータモデル装置中の放射分布を予測した。コンピュータモデル中の各制御体積で、この流体エレメント又は制御体積離脱結果放射を算出するために、DOモデルは入射光を把握し、そして処理しようとするポテンシャル流体の吸光度に基づく吸収、内散乱及び外散乱を勘案した。流れ解と同様に、このコンピュータ解析は、コンピュータモデル化装置にわたって制御体積の各々について実施され、このように装置中の予測UV放射の分布を提供した。放射モデルの境界条件では、壁面は、全方向における「拡散」、反射放射と考えられた。
【0037】
入射光は、UVランプワット量並びにランプの効率及び表面積に基づいて算出された。典型的なランプ効率は、約30%と約40%の間の範囲である。更に、ランプ表面から石英外面まで10%の放射損失が推定され、そしてこのように入射強度(Io)が算出され、そしてすべての以下の計算において石英管の全長にわたって均一に分布していると考えられた。
【0038】
最終ステップとして、仮想トレーサ粒子(ウイルス粒子、タンパク質粒子、流体パケットのシミュレーション)は入口表面から放射された。4000ほどの数の粒子が、流体によりそれらにかけられた流体力に基づき同軸円筒110を通して追跡された。粒子は十分小さく(1μmの想定サイズ)、それらが流れとともに移動し、混合及び途中のUV線量へ暴露の良好なインジケータを提供した。
【0039】
各粒子で、UV線量は、それが同軸円筒110を通して装置100の出口150まで移動を続ける間累積記録された。UV線量は、
UVC線量(J/m
2)=入射光(W/m
2)
*暴露時間(sec) (1)
で計算された。
式1の結果は、追跡した粒子数に基づくUVC線量分布で、それは平均線量を決定するための統計的尺度、分散、並びに設定流量のための最小線量、培地の吸光度、及び同軸円筒110の形状設計として使用された。
【0040】
すべてのコンピュータシミュレーションは、Windows
(R) XP x64走行HP xw8600-Intel Xeon x5450ワークステーションでの市販のCFD ソフトウェア−ANSYS FLUENT(登録商標)バージョン6.3.26を用いて実施された。使用解析は、高分解能有限体積メッシュ(1x10
6制御体積より大)、精度増加のための二次数値離散化、及び残余の深部収束(1x10
-4)実現などの、モデリング化を確立した。
【0041】
実施例2及び3では、実施例1のコンピュータモデリングからの予測結果が記載される。当業者には当然のことながら、Lagrange化学光量測定は、コンピュータモデリングによって予測されたUV線量分布を確認するため蛍光ミクロスフェアを使用する方法である。Anderson, W.A., Zhang, L., Andrews, S.A., Bolton, J.R. UV直接フルエンス分布の直接測定法、水質技術会議報告;米国水道学会:Philadelphia, PA, 2003。このアプローチでは、蛍光粒子は装置から上流へ放射され、そして粒子はUV光で放射したとき化学反応を受ける。装置の流出では、これらの粒子は、UV線量暴露分布に対応するそれらの蛍光度がフローサイトメトリーで解析され、それ故明細書に記載の数学モデルへの確証をもたらす。
【0042】
〔実施例2〕−接線方向入口及びコネクタを備えた5mmギャップ
図11に示される設計繰り返しは、デッドスポットを除きそして混合を強化するために、5mmのギャップ、接線方向入口140、及び接線方向コネクタ195を使用する。接線方向入口及びコネクタは、より良好な混合をもたらすサイクロン流を作り出し、このようにしてUV線量分布を狭小化可能にする。
図12に示される予測流量分布はサイクロン流を示すが、管の長さを鑑みて、初期の密な旋回流は最終的にはまっすぐになろうとする。「5mm」とラベルされたこの設計の予測UV線量分布は
図13に示される。
図14に示される予測累積分布結果は、累積分布の傾きの変化が分散の直接インジケータであることから、分散の直接インジケータを提供する。この設計の分散は凡そ31.7%である。
【0043】
〔実施例3〕−接線方向入口及びコネクタを備えた3mmギャップ
この設計は、接線方向入口140及び接線方向コネクタ195に加えて、5mmの代わりに3mmの流体ギャップ160を伴う。この設計からの予測結果は「3mm」とラベルされて
図13及び14に示される。無血清培地での予測分散は、非常に狭いUV線量分布をもたらす21.26%へ予測実質減少を示す。
図14に示される急傾斜の予測累積分布は、設計改善機能の強いインジケータを予測する。例えば、無血清細胞培養培地の2.5ガロン/分(2.5gpm又は9.5lpm)の流量では、平均線量は、57.8mJ/cm
2(ミリジュール/平方センチメートル)で30mJ/cm
2の最小線量である。
図14に示されるように、無血清細胞培養培地の90%は75mJ/cm
2の最大線量まで暴露され得て、そして無血清細胞培養培地の100%は100mJ/cm
2未満の線量まで暴露され得る。
【0044】
図15及び16に示されるように血清含有(10vol%)細胞培養培地では、予測は狭いUV線量分布と類似している。特に、血清含有細胞培養培地では、分布は長いテイリングを予測するが、一方で最小線量は通常20mJ/cm
2以下に残る。3mm流体ギャップ及び接線方向入口の設計では、線量分布は30mJ/cm
2の最小線量で実質的に狭小化すると予測され、そして
図16に示されるように、血清含有細胞培養培地の90%は、1gpm(3.8lpm)の流量で85mJ/cm
2未満の暴露を受け、58mJ/cm
2の平均線量である。
【0045】
3mmの流体ギャップ並びに接線方向入口及びコネクタを備えた装置は、無血清細胞培養培地及び血清含有細胞培養培地の両方に対して十分に狭いUVC線量分布を提供する。並列構成のこのユニット内の圧力損失は、高流量に対してでも5psiの限度内で良好と予測される。100lpmの高流量での予測圧力損失は2.5psiであり、一方で低流量の予測圧力損失は2.5psi未満の予測圧力損失をもたらす。設計はまた好みにより、必要に応じて連続して(例えば、2つから1つに) 同軸円筒の数を減らすことにより、低い圧力損失を実現するようにスケーラブルである。別の態様では、設計はまた、ギャップを1mm間に減少し、そして0.5L/分で作動する複数ユニットを用いることにより、非常に低透過率(約40吸光度単位の吸光度)で濃縮回分流加培地の処理を実現するようにスケーラブルである。
【0046】
〔実施例4〕−3mmギャップ並びに接線方向入口、コネクタ、及び出口を備えたUVC処理装置
ウイルス不活化を確実にし、一方で培地分解を引き起こす可能性のある高線量を超えない、高流量での細胞培養培地などの高吸光度流体を処理することができるUVCリアクタの実験室スケールプロトタイプが構築され試験された。試験方法は、蛍光ミクロスフェアの使用を通したUVリアクタ検証のために、Bohrerova et al.によって開発された方法に基づく。Bohrerova, Z., Bohrer, G., Mohanraj, S.M, Ducoste, J., and Linden, K.G., Experimental measurements of Fluence distribution in a UV reactor using Fluorescent microspheres, Environ. Sci. Technol. 39: 8925-8930 (2005) を参照されたい。本方法では、UV線量曝露の分布は、UVフルエンス値に対するミクロスフェアの蛍光の相関を通して得られた。
【0047】
材料及び方法
UVC曝露(254nm)に感受性の蛍光ミクロスフェアは、PolyMicrospheres, Division of Vasmo, Inc., Indianapolis, INから得られ、これは約4.44x10
9粒子/mLに等しい1wt%固体である10mL溶液になった。それらは約1.6μmの平均径を有した。これらのミクロスフェアは、UVフルエンスに比例してUVC放射に暴露したとき光退色を受けた。この依存性はUV線量分布を測定するのにこれらのミクロスフェアの利用を可能にした。
【0048】
培地中の蛍光ミクロスフェアのUVC処理
培地調製
実験の2日前に、細胞培養培地(約1.95吸光度単位のUVC吸光度)及び10%ドナーウシ血清(DBS)含有細胞培養培地(約5.3吸光度単位のUVC吸光度)が、冷室から取り出され、室温で平衡化された。ミクロスフェアスパイク溶液を調製するために、細胞培養培地の500mL溶液を2mLミクロスフェア溶液と混合し、約1.8x10
7ミクロスフェア/mL濃度を得た。スパイク溶液ボトルは実験前暴露を防止するためにアルミフォイルでカバーされた。
【0049】
UVCプロトタイプ試験
UVCプロトタイプは、3mmの流体ギャップ、並びに約30”(76cm)の内筒及び外筒長さで
図4に示される設計に基づいて構築された。チャンバへのサイクロン流を維持しそして再生成するために、設計は接線方向入口及び出口並びに接線方向コネクタを備えた2つの処理チャンバ(1ランプ/チャンバ)から構成された。ランプは、85Wのワット数定格で254nmにおける低圧単色ランプであった。しかしながら、UVC効率定格はわずか約32.9%であった。ランプは約29”(73.5cm)の長さであった。石英表面での放射フラックスは、石英の表面積ベースでそして損失を入れて約400W/m
2と推算された。
【0050】
UVCリアクタは
図17に示される概略図のように設定された。システムは、培地バッグが連結される前に脱イオン水でフラッシングされた。
【0051】
40、58、及び100mJ/cm
2の目標の平均UVフルエンスに到達するために、必要な流量は
図1に示されるように事前のCFD予測の外挿に基づいて推算された。ミクロスフェアの希釈液は、約1x10
5ミクロスフェア/mLの濃度を得るために、培地がUVCリアクタに入る前に流れにスパイクされた。
【0052】
UVCリアクタは約650mLの容積を有した。ミクロスフェアの一貫した出口濃度を得るために、一度ミクロスフェアのスパイクが始まると99%のウォッシュアウト(washout)が目標とされた。表1は各流量に対して計算されたウォッシュアウト時間を含む。ウォッシュアウト時間はウェル混合リアクタと仮定して計算された。
【0054】
すべての細胞培養培地ランでは、適切なウォッシュアウト時間が表1のように達するまで、流れは廃棄物タンクに向けられた。次いで流れは3分間放射線にさらされた培地ボトルに向きが変えられ、ボトルを毎分変更する。システムは各ランの間に脱イオン化水で洗浄される。
【0055】
各培地タイプに対する対照ランは、100mJ/cm
2 の目標フルエンス(fluence)に使用されるものと同じポンプセットを用いて、消えたUVランプによって実施された。
【0056】
細胞培養培地処理では、2つのUVランプの1つは取り外された。DBS含有培地を処理するため、両ランプが目標線量を達成するのに使用された。過熱を防止するためにUVCユニットを通して流れる脱イオン化水による処理前に、ランプが10分間点灯された。流量は表1のように流れた。
【0057】
サンプリング
各処理ラン後に、1Lを各流出ボトルから1Lの丸型ボトルに注ぎ込み、残りは廃棄した。丸型ボトルは更なるミクロスフェア暴露を防止するためにアルミフォイルでカバーされ、冷室に貯蔵された。
【0058】
サンプリングの第1日目に、3つの200μLサンプルは、フローサイトメトリー(FC)分析のために各細胞培養培地流出ボトルから96ウェルプレートへ入れた。各未処理培地の1つのサンプル(ミクロスフェアではなく)も比較目的で含まれた。
【0059】
サンプリングの2日目は1日目の4日後であり、そして2つの96ウェルが含められた。各スパイク溶液からのサンプルもまた含められ、同様に1日目に試験した各流出ボトルからの単一サンプルも含められた。プレート2は細胞培養培地の各流出ボトルからの単一サンプルを含んだ。
【0060】
ベンチスケールキャリブレーション
UVフルエンスと蛍光の間の関数関係を明らかにするために、ベンチスケールキャリブレーション実験では、擬似平行ビーム装置及び10〜120mJ/cm
2にわたる均一な線量のためにミクロスフェア水溶液を使用した。サンプルはランダム化順位で三重に流れ、そして貯蔵溶液から排出された。
【0061】
貯蔵ミクロスフェア溶液のペトリファクター及びUV透過率はサンプルの放射前に測定された。Bolton, J. R., and Linden, K. G.、ベンチスケールUV実験でのフルエンス(UV線量)測定方法の標準化、J. Environ. Eng., 129(3), 209 (2003)参照。放射照度測定値はサンプル暴露の前後で直ちに取得された。サンプルは、0.32mLの全量で60x15mmペトリ皿中マイクロマグネティックスターラーを用いて混合された。
【0062】
フローサイトメトリー
ミクロスフェアの蛍光変化は、4つのレーザを備えたBD(登録商標)Biosciences特注フローサイトメーターLSR IIを用いて検出された。BD Biosciences, San Jose, CA。488nm青色レーザ及び351nmUVレーザがミクロスフェアの励起のために使用された。散乱光は青色レーザで検出され、そしてミクロスフェアの蛍光放射光は帯域通過フィルタ407/30nmを用いてUVレーザで集光された。データは、BD(登録商標) Biosciences DiVa(登録商標) ソフトウェア及び/又は FlowJo(登録商標) (Tree Star, Inc., Ashland OR)データ解析ソフトウェアを用いて処理・解析され、そしてまた更なる処理及び解析のためにMATLABへ輸送された。
【0063】
UVC線量のCFD予測
新しい計算は、予測UVC線量を得るために。実際の実験流量で上記のようにCFD手法を用いて、そして約400W/m
2の石英表面からの入射光フラックスを想定して実施された。約4.7吸光度単位(更に下記のように)の吸光度のビタミンCモデル溶液に対するCFD計算も、実験データと比較するために行われた。
【0064】
データ解析
前処理
フローサイトメトリーから得られた生データは、蛍光測定値の日々の変動を説明するために正規化された。それぞれの対照サンプル(0mJ/cm
2UV線量)に対する蛍光分布の平均が正規化因子として選択された。
図18A及び18Bは、正規化の前(
図18A)及び後(
図18B)に水及び細胞培養培地での蛍光分布を示す。
【0065】
蛍光分布をUV線量分布に転換
較正実験から得られたサンプルの蛍光測定値は、単一のUV線量で放射されたミクロスフェアの集団の蛍光分布を示した。
図19は種々のUV線量レベルで放射されたサンプルの蛍光分布を示す。いずれの特定の理論によって縛られることを望むものではないが、蛍光レベルのこの変動は、ミクロスフェア集団内の固有の不均質性に、並びにフローサイトメトリー装置の特性に起因しているようである。
【0066】
文献及び科学的予測に基づいて、
図20A及び20Bに示されるように、各UV線量の水較正データの平均蛍光は線形フィットと相関した。フィットの曲率は主として0〜20mJ/cm
2の間の低線量においてであった。
図20A及び20Bに示される予測フィットでは、低線量結果は過剰予測になり得て、一方で高線量結果は約12mJ/cm
2のRMSEで過少予測となり得る。
【0067】
平行ビーム実験は粒子に対して均等線量を必要とすることから、較正データは水で得られた。検量線を細胞培養培地及びビタミンC溶液などのモデル溶液に適用する際に、蛍光データは、水で集められている、しかし細胞培養培地に適用されている較正データを説明するために、水対照(UV線量=0)からの対応の蛍光測定値に対して、細胞培養培地対照(UV線量=0)中のミクロスフェアの蛍光測定値に基づいて計られた。
【0068】
種々の流量で細胞培養培地に対してUVCリアクタから得られたサンプルの典型的な蛍光測定値が
図21に示される。データ解析方法の目標は、フローサイトメトリー測定値からの蛍光分布を鑑みてUVCリアクタによって送達される線量分布を推定することであった。この推定は、Blatchley et al., UV線量分布を定量化するための染色ミクロスフェア: Lagrange化学光量測定による光化学リアクタの特性化, J. Env. Eng. 132: 1390-1403. (2006)によって開発された方法を用いて実施された。1396ページにおいてこれらの著者は以下の仮説を提案した:
【0069】
線量分布にかけられたミクロスフェアを含むサンプルにおける[蛍光]分布は:
1.UV線量分布;
2.フローサイトメトリーに付随した測定誤差;及び
3.染色ミクロスフェア内の集団不均質性によって生じた。
その上、これらの誤差原因は独立性で、従ってそれらの影響は付加的であることが想定された。
【0070】
数学的に説明すると、連続フローUVリアクタから収集したサンプルで測定された[蛍光]分布は、各々個別の線量及び線量分布に起因する[蛍光]分布の畳み込みとして表すことができるとの仮説が立てられた。
【0071】
Blatchley et al.による数式
以下の定義は、実施例4からのデータ解析中に使用され、そして
図22A、22B、及び22Cにおいて絵を用いて説明された。
i=係数線量指数(D)増分(瓶幅=5mJ/cm
2;i=1,2,..m)
j=創設蛍光指数(Fl)増分(瓶幅=0.02;j=1,2,..n)
α
i=線量D
iを受けるサンプル中の粒子のフラクション
β
j=蛍光Fl
jを放射するサンプル中の粒子のフラクション
Γ
j,i=蛍光Fl
jを放射する線量D
iを受けるサンプル中の粒子のフラクション
【0072】
数学的に、仮説は下記の式によって表すことができる−
【数1】
【0073】
本式では、β
j、蛍光Fl
jを放射する粒子のフラクションは、α
0からα
mまでの範囲の種々のUV線量への暴露に因りFl
jを放射するフラクションの一次線形結合である。種々の値のjに対して書かれているとき、式2は、以下のようにベクトル形で表すことができるセットの一次方程式を形成する−
【数2】
【0074】
デコンボリューションの目的は、ベクター[α]によって表される線量分布の推定をもたらすことであった。各作動条件で、ベクター[β]はUVCリアクタ由来のサンプルのフローサイトメトリー解析からの蛍光分布(ヒストグラム)であった。
【0075】
Blatchley et al. 方程式の解法
マトリックス[Γ]は、較正実験中に均一なUV線量に暴露されたサンプルのフローサイトメトリーからのデータに対して、Weibull分布を用いて補間アルゴリズムの適用によって計算された。
連立方程式を解くために、UV線量分布(α
iの値)が、UVC線量分布の予想形状に基づいて対数正規分布に従うことも想定された。
【0076】
式4は以下のように繰り返し形式で解かれた:
1)対数正規分布の2つのパラメータ、平均μ及び標準偏差σはUV線量分布、 [α]
gの初期推測を生み出すのに想定された。
2)蛍光分布は、式4を用いて[β]
gは式4を用いて所定の[α]
gで計算された。
3)計算された[β]
g値は実験的に得られた[β]値と比較された。全誤差は、
【数3】
と計算された。
4)[α]
gの平均及び標準偏差は全誤差を最小化するように最適化された。ステップ1〜3は、誤差が許容基準になるまで反復された。
ステップ1〜4は、MATLABコード(MathWorks, Natick, MA)を用いて実行された。
【0077】
データ解析技術の検証
前項に記載されるデータ解析技術は数学的畳み込み実験を用いて検証された。試験UV分布は較正サンプルの蛍光測定値から数学的に構成された。較正サンプルの蛍光分布測定値は、新しい畳み込み蛍光分布を生成するように事前に定義された割合で数学的に混合された。2つの試験分布は表2に示される割合で較正サンプルを混合することによって生成された。得られた蛍光分布は
図23に示される。
【0079】
前項に記載される数学的手法は、
図23に示される蛍光分布からのUV線量分布を計算するために適用された。結果は
図24に示される。表2に挙げる混合割合に対応する実際のUV線量分布は、予測UV線量分布と同じプロットにプロットされた。実際値と予測値間に非常に良好な一致が認められた。
図24では、本検討で使用された数学的手法は、蛍光分布データからUV線量分布を予測することができた。
【0080】
結果
Fl分布データから推定されたデバイスを通した細胞培養培地のUV線量分布は
図25A、25B、及び25Cに示された。各流量のグラフは、3つの異なるジャーに収集されたサンプルから得られた3つの異なる曲線を示し、工程における異なる時点を表した。ジャーからジャーまでの最小変動はUVCリアクタの定常作動を示唆した。CFDシミュレーションによって予測されたUV線量分布も同じプロット上にプロットされた。正確な実験条件でのCFD計算を用いて実験結果を比較した。
【0081】
7.6L/分(LPM)の高い流量では、実験中に均一な流れを維持することに関連するポンピングの問題があり、そしてそれ故に第3のサンプルは、
図25C−1に示されるようにフローサイトメトリー解析で十分なミクロクロスフェアを受け入れなかったと思われる。結果もまた高い流量では過剰予測され、これらは
図20A及び20Bに示される嵌め合い等級と一致した。
【0082】
デバイスを通した細胞培養培地中の10%DBSのUV線量分布がFl分布データから推定され、そして
図26A、26B、及び26Cに示されるようにモデル(CFD)と比較された。血清含有培地による観察は、平均値を含む予想UV線量分布の予測の下で一致していた。
【0083】
流れ及びUVC放射の物理学は検討した流量及び吸光度の範囲で変化することが予想されなかったことから、すべての実験的UV平均線量が予測よりも一貫して低いという観察は、10%DBS培地中の血清成分とミクロクロスフェアとの相互作用に因るもので、遮蔽作用を引き起こしそして結果を交絡する可能性を示唆した。10%DBS細胞培養培地と類似の吸光度を有するモデル溶液が、結果のこの潜在的矛盾を解決するために使用された。ビタミンCの水溶液がそのようなモデル溶液の潜在的候補として特定された。3つの異なる濃度のビタミンC(アスコルビン酸)溶液が、254nmで吸光度を測定するためにUV分光光度計(Agilent 8453)を用いて試験された。
図27に示されるように結果は、ビタミンC溶液が10%DBS細胞培養培地の吸光度を模倣するモデル流体として使用でき、一方で水様粘度及び密度を維持することを確認した。
【0084】
10g/LのビタミンC溶液の貯蔵溶液を使用して、約4.7吸光度単位のUVC吸光度を有した0.1g/LのビタミンC溶液を作った。溶液の吸光度がUV暴露によって変化しないことを確認するために、吸光度値がUV放射による実験の前後に測定された。モデル溶液で用いられた実験手順は、細胞培養放射実験を行う手順と同じであった。
【0085】
0.1g/LのビタミンC溶液の結果を、4.7の吸光度値のCFD予測と比較して
図28A及び28Bに示した。ビタミンCモデル溶液では、モデル結果は実験結果と良く一致し、デバイスが血清含有細胞培養培地など高吸光度流体でも正常に機能することを確認した。
【0086】
無血清細胞培養培地(1.95吸光度単位の吸光度)を模倣するように、ビタミンC溶液による実験も繰り返された。0.04g/LのビタミンC溶液濃度は、1.94吸光度単位のUVC吸光度をもたらし、そしてこれはUV処理前の溶液をサンプリングすることにより確認された。放射溶液のサンプルもUVC吸光度測定のために採取され、溶液の吸光度が放射に因って変化しないことを確認した。モデル溶液で用いられた実験手順は、細胞培養放射実験を行う手順と同じであった。0.04g/LのビタミンC溶液の結果を、CFD予測と比較して
図29A、29B、及び29Cに示した。
【0087】
ビタミンCモデル溶液は、
図25A、25B、及び25Cを
図29A、29B、及び29Cと比較することにより示されるように、無血清細胞培養培地と同様の結果をもたらし、モデル溶液としてビタミンCで取られたアプローチの確認を提供した。観察された変動性は、実験的変動及び水較正データとの嵌め合い等級、並びに水較正データセットを細胞培養培地などの高い吸光度流体に拡張するのに使用される近似の範囲内であった。
【0088】
結論
図4に示される設計に基づいて構築された実験室スケールプロトタイプが、細胞培養培地でUVC線量分布を測定するために、蛍光ミクロスフェアを用いて試験された。ユニットは、接線方向入口、出口を備えた3mm流量ギャップ、及びまた2処理チャンバの接線方向コネクタを有した。結果は、実験的に測定したUV線量分布がCFD予測とよく合うことを示した。血清含有細胞培養培地の結果は線量を過小予測したが、これは血清成分と結果を交絡する蛍光ミクロスフェアとの相互作用に因ると考えられる。これは同様に高吸光度値をもたらしたことから、血清含有細胞培養培地のモデル流体としてビタミンC水溶液による実験が繰り返された。結果はCFD予測とよく一致し、プロトタイプが高吸光度流体においてウイルス不活化を可能にするUV線量を送達することができることを明らかにした。有効なアプローチとして、ビタミンCによるモデル流体は、無血清細胞培養培地用のモデルビタミンC溶液を作製することによって検証され、そして結果は予測と良い一致を立証した。
【0089】
要約すれば、UVCプロトタイプユニットによって図示される本発明の装置は、予測したように、血清の有り又は無しでの、細胞培養培地などの高吸光度流体で、狭いUVC線量分布をもたらすことができることが証明された。従って、本発明の装置は様々なウイルスを殺菌するのに必要なUV線量を送達する。
【0090】
すべての関連する患者への教示、公開出願及び本明細に引用された参考文献は、それらの全文が参照することにより本明細書に組み入れられている。
【0091】
本発明はその例示実施態様を参照して特に示され記載されている一方で、当業者には当然のことながら、形式又は詳細の様々な変更は、添付された特許請求の範囲によって包含された本発明の範囲から逸脱することなく本明細書において行われてよい。