特許第5769805号(P5769805)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトの特許一覧

<>
  • 特許5769805-細胞観察装置 図000002
  • 特許5769805-細胞観察装置 図000003
  • 特許5769805-細胞観察装置 図000004
  • 特許5769805-細胞観察装置 図000005
  • 特許5769805-細胞観察装置 図000006
  • 特許5769805-細胞観察装置 図000007
  • 特許5769805-細胞観察装置 図000008
  • 特許5769805-細胞観察装置 図000009
  • 特許5769805-細胞観察装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769805
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】細胞観察装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/47 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   G01N21/47 Z
【請求項の数】13
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-515779(P2013-515779)
(86)(22)【出願日】2011年4月5日
(65)【公表番号】特表2013-533476(P2013-533476A)
(43)【公表日】2013年8月22日
(86)【国際出願番号】EP2011055249
(87)【国際公開番号】WO2011160866
(87)【国際公開日】20111229
【審査請求日】2013年5月30日
(31)【優先権主張番号】102010024964.5
(32)【優先日】2010年6月24日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】ハイデン、オリファー
(72)【発明者】
【氏名】テッデ、サンドロ フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】エアトゥル、ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ロッペルト、クリームヒルト
【審査官】 森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−240872(JP,A)
【文献】 特開2007−322206(JP,A)
【文献】 特開平11−108827(JP,A)
【文献】 特開2010−091738(JP,A)
【文献】 特開平07−005148(JP,A)
【文献】 特開昭56−100321(JP,A)
【文献】 特表2005−506083(JP,A)
【文献】 特開平5−312811(JP,A)
【文献】 特表2008−506144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00−21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の試験細胞(2)用の少なくとも1つの収容ユニット(30)と、細胞測定用の第1の測定装置と、光源(10)および少なくとも1つの散乱光検出器(50)を有する散乱光測定用の第2の測定装置とを備え、光源(10)が収容ユニット(30)の上側に配置され、収容ユニット(30)が散乱光検出器(50)の上側に配置され、収容ユニット(30)が少なくとも部分的に透光性の基板(31)を有し、この基板(31)上に試験細胞(2)が1つの密な単層を形成し、光源(10)で発生された光(11a)の少なくとも一部が、収容ユニット(30)に入射し、収容ユニット(30)内の基板(31)上の試験細胞(2)の1つの密な単層の少なくとも一部において散乱し、散乱光(11b)が、収容ユニット(30)から、試験細胞(2)の1つの密な単層が形成されている基板(31)を通って出て、散乱光検出器(50)に当たる細胞観察装置において、
第2の測定装置が、収容ユニット(30)と散乱光検出器(50)との間に配置された光学フィルタ(4)を有し、光学フィルタ(4)の光学密度が光の入射角に依存し、試験細胞(2)で散乱しなかった光源(10)から光学フィルタ(4)に直接伝達された光は光学フィルタ(4)により除去されることを特徴とする細胞観察装置。
【請求項2】
散乱光検出器(50)が少なくとも1つのフォトダイオード(51)を有することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
散乱光検出器(50)のフォトダイオード(51)が、試験細胞(2)を収容した収容ユニット(30)並びに基板(31)を散乱せずに透過し散乱光検出器(50)に当たる光の外側に配置されることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】
フォトダイオード(51)が散乱光検出器(50)の試験細胞(2)で散乱した光(11b)により捉えられる範囲の中央にあることを特徴とする請求項2または3記載の装置。
【請求項5】
フォトダイオード(51)の表面積(A)が収容ユニット(30)に入射する光(11a)により捉えられる基板(31)の範囲(B)よりも大きいことを特徴とする請求項2から4の1つに記載の装置。
【請求項6】
基板(31)が交換可能であることを特徴とする請求項1からの1つに記載の装置。
【請求項7】
収容ユニット(30)が交換可能であることを特徴とする請求項1からの1つに記載の装置。
【請求項8】
収容ユニット(30)がマイクロ流体チャネルとして形成されることを特徴とする請求項1からの1つに記載の装置。
【請求項9】
収容ユニット(30)が細胞測定用の第1の測定装置の一部を形成し、基板(31)がセンサ電極として形成されることを特徴とする請求項1からの1つに記載の装置。
【請求項10】
第2の測定装置と収容ユニット(30)が相対的に走行可能であることを特徴とする請求項1からの1つに記載の装置。
【請求項11】
第1の測定装置が試験細胞(2)の電気化学的分析用の少なくとも1つの電極を有することを特徴とする請求項1から10の1つに記載の装置。
【請求項12】
第1の測定装置が少なくとも1つのイオン選択性電極を有することを特徴とする請求項1から10の1つに記載の装置。
【請求項13】
第1の測定装置が試験細胞(2)のインピーダンス測定用の少なくとも1つの電極を有することを特徴とする請求項1から10の1つに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の試験細胞用の少なくとも1つの収容ユニットと細胞測定用の測定装置を備えた、散乱光測定による細胞観察装置に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞測定の分野では生物学的並びに科学的パラメータを求めるための原理的に異なる種々の方式および方法が知られており、これらはたとえば医療分野では薬剤試験に役立てられている。インビトロ(in-vitro)細胞試験は、たとえばインピーダンス分光法による接着性測定、クラーク型電極または光学センサによる酸素測定並びにイオン選択性電界効果トランジスタによるpH測定などのマーキングフリーの方式を含む。そのほかに蛍光および化学発光法も知られている。これらはいわゆる終点(エンドポイント)測定の一部と看做されており、多くの場合細胞破壊が発生する欠点を有する。
【0003】
フローサイトメトリー法は細胞の大きさおよび細胞の構造を測定するため光の散乱および蛍光を利用する。この方法の欠点は、試料の流れにより瞬間撮影のみが保証され、試料を長時間にわたって特性化することができないことにある。
【0004】
特に長時間にわたる細胞測定中に基板上の細胞状態および細胞の1つの層の細胞密度の観察が必要であることは知られている。そのため顕微鏡検査が採用されている。顕微鏡検査は手動による作業行程または高価な自動化が必要である。連続的顕微鏡検査はデータ量が大きいこと、所要時間が多いこと並びに並列化に労力を有するという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、労力を有する顕微鏡検査または付加的な手動作業工程を回避した細胞測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明によれば、多数の試験細胞用の少なくとも1つの収容ユニットと、細胞測定用の第1の測定装置と、光源および少なくとも1つの散乱光検出器を有する散乱光測定用の第2の測定装置とを備え、光源が収容ユニットの上側に配置され、収容ユニットが散乱光検出器の上側に配置され、収容ユニットが少なくとも部分的に透光性の基板を有し、この基板上に試験細胞が1つの密な単層を形成し、光源で発生された光の少なくとも一部が、収容ユニットに入射し、収容ユニット内の基板上の試験細胞の1つの密な単層の少なくとも一部において散乱し、散乱光が、収容ユニットから、試験細胞の1つの密な単層が形成されている基板を通って出て、散乱光検出器に当たる細胞観察装置において、
第2の測定装置が、収容ユニットと散乱光検出器との間に配置された光学フィルタを有し、光学フィルタの光学密度が光の入射角に依存し、試験細胞で散乱しなかった光源から光学フィルタに直接伝達された光は光学フィルタにより除去されることによって解決される(請求項1)。
この細胞観察装置のさらなる改良および有利な実施形態は次の通りである。
・散乱光検出器が少なくとも1つのフォトダイオードを有する(請求項2)。
・散乱光検出器のフォトダイオードが、試験細胞を収容した収容ユニット並びに基板を散乱せずに透過し散乱光検出器に当たる光の外側に配置される(請求項3)。
・第2の測定装置が、収容ユニットと散乱光検出器との間に配置された光学フィルタを有する。
・光学フィルタ、特に干渉フィルタの光学密度が光の入射角に依存する。
・フォトダイオードが散乱光検出器の試験細胞で散乱した光により捉えられる範囲の中央にある(請求項)。
・フォトダイオードの表面積が収容ユニットに入射する光により捉えられる基板の範囲よりも大きい、特に基板よりも大きい(請求項)。
・基板が交換可能である(請求項)。
・収容ユニット、特にマイクロタイタープレートが交換可能である(請求項)。
・収容ユニットがマイクロ流体チャネルとして形成される(請求項)。
・収容ユニットが細胞測定用の第1の測定装置の一部を形成し、基板がセンサ電極として形成される(請求項)。
・第2の測定装置と収容ユニットが相対的に走行可能である(請求項10)。
・第1の測定装置が試験細胞の電気化学的分析用の少なくとも1つの電極を有する(請求項11)。
・第1の測定装置が少なくとも1つのイオン選択性電極を有する(請求項12)。
・第1の測定装置が試験細胞のインピーダンス測定用の少なくとも1つの電極を有する(請求項13)。
【0007】
本発明装置は細胞観察に用いられ、多数の試験細胞用の少なくとも1つの収容ユニット並びに細胞測定用の第1の測定装置を有する。収容ユニットは少なくとも部分的に透光性の基板を有する。装置は散乱光測定用の第2の測定装置を有する。第2の測定装置は光源と散乱光検出器を有する。この場合収容ユニット、光源および散乱光検出器は次のように、すなわち光源で発生された光の少なくとも一部が収容ユニットに入射し、収容ユニット内の試験細胞の少なくとも一部で散乱し、収容ユニットの基板を通って出て、散乱光検出器に当たるように配置される。これは、細胞試験と並列的に長時間の観察時間にわたっても細胞状態並びに試験細胞の1つの層の細胞密度の連続的な検査を行うことができるという利点を生じる。本発明装置は細胞観察と細胞測定、たとえば電気化学的特性化の組合せを許容する。画像法および顕微鏡工程は不要なので、細胞観察は簡単になり、費用的にも有利になる。その上付加的な手動作業工程を回避することにより時間の節約が図れる。
【0008】
有利な実施形態では、装置は少なくとも1つのフォトダイオードを備えた散乱光検出器を有する。この装置は、細胞密度の測定、細胞形態の測定、基板上の試験細胞の濃度もしくは密度測定並びに細胞の成長曲線、合流などの動的パラメータおよび急性毒性パラメータの連続測定など特に多数の課題の組合せを可能にし、これらは特に同時に解決される。装置は1つのチップ上に集積すると合目的的である。本発明の一実施形態では、散乱光検出器のフォトダイオードは、散乱光検出器に当たり試験細胞の収容ユニット並びに基板を散乱せずに透過する光の外側にあるように配置される。これは散乱しない光(非散乱光)のための光学フィルタを不要とし、これにより構造を極めて簡単に費用的に有利に実現できるという利点を生じる。
【0009】
装置の代替的実施形態では、第2の測定装置が収容ユニットと散乱光検出器との間に配置された光学フィルタを有する。特に光学フィルタは光源で発生された光の波長に同調させることができるので、フォトダイオードを通光方向に直接配置することができる。光学フィルタの光学密度を光の入射角に関係するようにすると有利である。特に光学フィルタは干渉フィルタとすることができる。フォトダイオードが試験細胞で散乱する光を検出する散乱光検出器の範囲の中央にあるときには光学フィルタを使用すると合目的的である。この場合フォトダイオードの表面積を収容ユニットに入射する光で捉えられる基板の範囲より大きくし、特に基板そのものより大きくすれば有利である。
【0010】
本発明の更に有利な実施形態では基板は交換可能にされる。特に収容ユニット全体を交換できるように形成することができる。たとえば収容ユニットはマイクロタイタープレートである。装置のこの種の形態は費用的に有利な基板の使用が可能となるという利点を有する。特にマイクロタイタープレートは大量製品として入手できる。さらに交換可能な基板または交換可能な収容ユニットは、装置およびこれにより行われる測定を簡略化するという利点を有する。またより多くの装入量(スループット)も可能となる。
【0011】
代替的に収容ユニットはマイクロ流体チャネルとして形成することができる。この形態は試験細胞に培養液を供給することを可能にするので、特に比較的長時間の測定に有利である。
【0012】
収容ユニットが細胞測定用の第1の測定装置の一部を形成し、基板がセンサ電極として構成されると合目的的である。この形態は、同一の試験細胞を同時に電子的または電気化学的に特性化し、散乱光により検出し観察できるという利点を有する。
【0013】
本発明の有利な実施形態では第2の測定装置と収容ユニットが相対的に走行できるようにされる。従って試験細胞全体の走査が可能である。大面積の基板は試験細胞の大きな装入量(スループット)を可能にする。代替的に光源だけを固定の収容ユニットおよび固定の散乱光検出器に対し走行可能にすることもできる。散乱光検出器はセグメント化されたフォトダイオードを有するようにすることもできる。
【0014】
第1の測定装置が試験細胞の電気化学的分析用の少なくとも1つの電極を有すると有利である。代替的にまたは追加的にこの第1の測定装置は少なくとも1つのイオン選択性電極を有することができる。さらに代替的にまたは追加的に第1の測定装置は試験細胞のインピーダンス測定用の少なくとも1つの電極を有することができる。本発明の有利な実施形態ではこの種の電極は基板または収容ユニットに集積される。たとえば基板は試験チップとすることができる。
【0015】
本発明の実施形態を添付図面の図1から図4に基づき例示的に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は装置の一実施形態の側面図を示す。
図2図2は装置のこの実施形態の平面図を示す。
図3図3は装置の別の実施形態の側面図を示す。
図4図4は収容ユニットおよび散乱光検出器の別の実施形態並びに走行可能な光源を示す。
図5図5は収容ユニットの別の実施形態を示す。
図6図6は基板上の試験細胞の側面図を示す。
図7図7は基板上の試験細胞の平面図を示す。
図8図8は基板上の試験細胞の側面図を示す。
図9図9は基板上の試験細胞の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施例に基づき本発明を詳細に説明する。2つの測定装置を有する細胞観察装置が用意される。第1の測定装置は細胞の測定に用いられ、多数の試験細胞2用の収容ユニット30を有する。図1はマイクロ流体チャネルの形の収容ユニット30を示し、図2はその平面図である。このチャネルは試験媒体である試験細胞2用の少なくとも1つの入口32と出口32を有する。透明基板31は試験細胞2の十分に密な単層で覆われており、これは特に図7に明瞭に示されている。マイクロ流体チャネルとして収容ユニット30を形成すると試験細胞2用の培養液の連続的な導入が可能になる。図1はさらに1つの大面積のフォトダイオード51を備えた散乱光検出器50を示す。図2の平面図は、フォトダイオード51の面積Aが試験細胞により覆われた基板31より大きいことを示す。図1の側面図は、収容ユニット30および散乱光検出器50が水平に配置され、収容ユニット30が散乱光検出器50の上側にあることを示す。収容ユニット30の上側には光源10がある。光源10はコヒーレントモノクロ光を放射する。これはレーザ光源であると好都合である。図1の側面図はさらに収容ユニットに垂直に入射する光11aを示し、この光は試験細胞2での散乱後収容ユニット30から基板31を通って出る。基板31は光源10の光に対して透過性であるように形成される。散乱光11bは収容ユニットを出て散乱光円錐を形成する。この円錐は散乱光検出器50の十分に大面積のフォトダイオード51により完全に検出される。散乱光検出器50と上側の収容ユニット30の水平配置間には光学フィルタ4がある。フィルタの光学密度は光の入射角に関係する。従って試験細胞2で散乱しなかった光源から直接伝達された光はフィルタにより除去される。マイクロ流体チャネルとして収容ユニット30を形成することにより試験チップ上への装置の集積が可能になる。代替的にマイクロ流体チャネル内にインビトロ試験チップを集積することもできる。
【0018】
図3は本発明の別の実施例の側面図を示す。ここでは同様に収容ユニット30、光学フィルタ4並びに散乱光検出器50が上下に水平配置されている。収容ユニット30の上側には光源10が設置され、ビーム径を規定した指向性光線11aを送出する。ビーム径は散乱光検出器50の1つのフォトダイオード51の面積Aよりも小さく選ばれる。散乱光検出器50は複数のフォトダイオード51を有する。これらは散乱光検出器50上に規則的な格子状配列で設置される。光線の直接伝送方向にはフォトダイオード51は存在しない。このような配置はフィルタ作用の比較的小さい費用的に有利な光学フィルタ4の使用を可能にする。収容ユニットは試験細胞2、必要な培養液または一般的に試験媒体用の入口および出口32を有する。試験細胞2は基板31上に1つの密な単層を形成する。基板31は1つまたは複数の集積センサ、たとえばクラーク電極、pH値測定用電極並びに試験細胞2の接着度を求めるためのインピーダンス測定用のインターディジタル構造を備えた透明チップである。
【0019】
図4は本発明の別の実施例を示し、ここでは収容ユニット30の特に異なる実施形態を示す。収容ユニット30と散乱光検出器50は同様に水平に上下に配置される。収容ユニット30の上側には走行可能な光源10がある。光源10は基板31全体の上を案内される。散乱光検出器50は図1図5に示すように唯一の大面積のフォトダイオード51を有するか、または図3図4に示すように複数のセグメント化されたフォトダイオード51を有するようにすることができる。セグメント化されたフォトダイオード51の場合には入射光の線径、すなわち入射光により検出される範囲Bは、図2に示すようにフォトダイオード51の面積Aより小さい。フォトダイオード51の面積Aは光円錐に無関係に大きく選ばれるので、十分に多くのちらばった細胞2が検出される。収容ユニット30はマイクロタイタープレートとして形成される。マイクロタイタープレート、すなわち収容ユニット30自体が従って基板31も形成する。市販のマイクロタイタープレートは種々の形のウェルを提示する。図4,5の側面図は、基板床が平坦である波形33aと、基板31に半球状の凹みの形を成すウェル33bを示している。光学フィルタ4は収容ユニット30と散乱光検出器50との間に設置される。光学フィルタ4は散乱光検出器50の上に直接載っている。収容ユニット30は同様に光学フィルタ4の上に直接載っている。マイクロタイタープレートとして形成された収容ユニット30は交換可能である。たとえば光源10を動かす代わりに収容ユニット30および/または散乱光検出器50を走行させることもできる。
【0020】
図6は試験細胞を装填した基板31の側面図、図7はその平面図である。重なった試験細胞2aは基板31上に1つの密な単層を形成する。これに対して図9の平面図は図8に示すように丸くされた細胞2bが密な単層を形成しないことを示す。
【符号の説明】
【0021】
2 試験細胞
4 光学フィルタ
10 光源
11a 入射光
11b 散乱光
30 収容ユニット
31 基板
32 入口、出口
50 散乱光検出器
51 フォトダイオード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9