(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記入力部は、前記測定対象物へ照射した光照射信号に対応する光反射信号の強度を示す特徴とその特徴検出時刻を含む検出信号を、前記進入側検出装置と前記通過側検出装置のそれぞれより入力し、
前記特徴検出情報生成部は、当該検出信号に基づいて、前記測定対象物の光学的特徴を示す測定対象物特徴の増加または減少の値を示す特徴増減情報と前記検出信号に含まれる特徴検出時刻とを含む特徴検出情報を生成する
請求項1または請求項2に記載の測定対象物測定装置。
前記入力部は、前記光照射信号の照射時刻と前記光反射信号の受信時刻との送受信間隔を用いて検出された前記測定対象物の高さ情報を示す特徴とその特徴検出時刻を含む検出信号を、前記進入側検出装置と前記通過側検出装置のそれぞれより入力し、
前記特徴検出情報生成部は、当該検出信号に基づいて、前記測定対象物の幾何学的特徴を示す測定対象物特徴の増加または減少の値を示す特徴増減情報と前記検出信号に含まれる特徴検出時刻とを含む特徴検出情報を生成する
請求項3に記載の測定対象物測定装置。
前記進入側検出装置より前記測定対象物について最初に入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻と前記通過側検出装置より前記測定対象物について最初に入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻の前後関係と、前記進入側検出装置より前記測定対象物について最後に入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻と前記通過側検出装置より前記測定対象物について最後に入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻の前後関係とを比較して、それら前後関係が異なる場合には、前記進入側検出装置と前記通過側検出装置とから入力する検出信号の対応関係の判定を停止する対応関係判定停止部と、
を備える請求項1から請求項5の何れか一項に記載の測定対象物測定装置。
前記測定対象物の特徴点を検出した際の対応する検出信号と判定された、前記一方の検出装置から入力した一つの検出信号と、前記他方の検出装置から入力した検出信号のそれぞれに含まれる特徴検出時刻の組合せ複数と、前記設置間隔とに基づいて、前記測定対象物の前記特徴点のそれぞれについての速度を算出する速度算出部と、
を備える請求項1から請求項6の何れか一項に記載の測定対象物測定装置。
前記特徴点のそれぞれについての速度と、前記進入側検出装置から入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻または前記通過側検出装置から入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻の何れか一方または両方に基づいて、前記測定対象物の前記進行方向の長さを算出する長さ算出部と、
を備える請求項7に記載の測定対象物測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態による測定対象物測定装置を備えた測定システムを図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による測定システムの構成を示す図である。
この図において、符号10は測定対象物の大きさを測定する測定対象物測定装置である。本実施形態においては、測定対象物測定装置10は、測定対象物の大きさとして車両30の車長を測定するものである。車両30は、道路を進行方向(図中右から左方向)に進むものとする。また
図1において符号21は進入側検出装置、符号22は通過側検出装置である。進入側検出装置21と、通過側検出装置22は、レーザセンサを備え、当該レーザセンサの照射信号(光照射信号)に対応する反射信号(光反射信号)を受信する。これにより進入側検出装置21や通過側検出装置22は、照射信号の照射時刻と当該信号に対応して受信する反射信号の受信時刻の差と、光信号の速度とから測定対象物までの距離を検出し、また反射信号の強度(反射光量)を検出する。
【0019】
なお、進入側検出装置21や通過側検出装置22は、
図1においては道路上を走行する車両30の上方の、当該車両30の進行方向に離れて設けられた各設置位置に点在してそれぞれ1つずつ設置されている状況を示している。進入側検出装置21と通過側検出装置22の距離D(設置間隔)は、例えば0.4m〜0.6m程度であるとする。以降、進入側検出装置21の検出する地点の道路上の幅方向に平行な各地点をA地点、通過側検出装置22の検出する地点の道路上の幅方向に平行な各地点をB地点と呼ぶこととする。また図示していないが、それら進入側検出装置21や通過側検出装置22は各設置位置において、車両30の進行方向に直交する幅方向の当該車両30の上部に複数設置されていてもよい。
または、それら進入側検出装置21や通過側検出装置22は各設置位置において、車両30の進行方向に直交する幅方向のほぼ中央の当該車両30の上部に備えられ、当該進入側検出装置21や通過側検出装置22は、下鉛直方向を中心とする道路の幅方向の広角な範囲のそれぞれの角度で照射信号を照射するものであってもよい。
さらには、道路脇上方にレーザセンサを設置し、すべての車線を走行する車両に照射し得る配置としてもよい。このとき、例えば道路両脇に設置するなど、複数個所に設置することも可能である。
【0020】
測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21や通過側検出装置22と通信ネットワークを介して接続されており、進入側検出装置21や通過側検出装置22からは当該装置が検出した反射信号の検出時刻、反射信号の強度(反射光量)、および、当該装置が算出した車両30の高さ情報を入力する。高さ情報としては、「進入側検出装置21の高さと測定対象物の測定部位の高さとの差」、または「測定対象物の測定部位の道路からの高さ」の何れかを示す情報である。進入側検出装置21(または通過側検出装置22)が測定対象物測定装置10へ出力する高さ情報が、「測定対象物の測定部位の道路からの高さ」を示す情報である場合には、当該高さの値を、進入側検出装置21(または通過側検出装置22)が、「進入側検出装置21(または通過側検出装置22)から道路までの鉛直方向の距離」から、「進入側検出装置21(または通過側検出装置22)から測定対象物の測定部位までの鉛直方向の距離」を減じることにより算出する。進入側検出装置21(または通過側検出装置22)が測定対象物測定装置10へ出力する高さ情報が、「進入側検出装置21(または通過側検出装置22)の高さと測定対象物の測定部位の高さとの差」である場合には、当該高さの値を、測定対象物測定装置10が、進入側検出装置21(または通過側検出装置22)の検出結果に基づいて、「進入側検出装置21(または通過側検出装置22)から測定対象物の測定部位までの鉛直方向の距離」を取得する。
【0021】
そして、測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21や、通過側検出装置22から入力した情報を用いて、測定対象物である車両30の車長を測定する。
なお、本実施形態における測定対象物測定装置10は、道路上を通行する車両30の車長を計測するものとして説明するが、その他の移動体の長さを計測するもの等に応用してもよい。
【0022】
図2は測定対象物測定装置10の機能ブロック図である。
この図で示すように、測定対象物測定装置10は、入力部11、記憶部12、高さ対応関係判定部13、信号強度対応関係判定部14、第2速度算出部15、第1速度算出部16、長さ算出部17、検出信号抽出部18、の各処理部や記憶部を備えている。
【0023】
入力部11は、進入側検出装置21や、通過側検出装置22から、車両30の高さ情報と、反射信号の強度とをそれぞれ入力する処理部である。
また、高さ対応関係判定部13は、進入側検出装置21や通過側検出装置22それぞれが時間経過に応じて複数検出した車両30の高さ情報を、当該車両30の同一部位を示す高さ情報の対応関係ごとに分類する処理部である。
また、第2速度算出部15は、車両30の同一部位を示す高さ情報の対応関係に含まれる高さ情報それぞれを算出した進入側検出装置21や通過側検出装置22における当該高さ情報それぞれの高さ検出時刻の時刻差を、分類された高さ情報の対応関係ごとに算出し、また、当該高さ検出時刻の時刻差と、進入側検出装置21と通過側検出装置22の進行方向の設置間隔Dとに基づいて、進入側検出装置21や通過側検出装置22の何れか一方または両方における高さ検出時刻での測定対象物の速度を、分類された高さ情報の対応関係ごとに算出する処理部である。
【0024】
また、信号強度対応関係判定部14は、進入側検出装置21や通過側検出装置22が時間経過に応じて複数検出した光反射信号の信号強度を、車両30の同一部位を示す信号強度の対応関係ごとに分類する処理部である。
また、第1速度算出部16は、車両30の同一部位を示す信号強度の対応関係に含まれる信号強度それぞれを算出した進入側検出装置21や通過側検出装置22における当該信号強度それぞれの信号強度検出時刻の時刻差を、分類された信号強度の対応関係ごとに算出し、また、当該信号強度検出時刻の時刻差と、設置間隔Dとに基づいて、進入側検出装置21や通過側検出装置22の何れか一方または両方における信号強度検出時刻での車両30の速度を、分類された信号強度の対応関係ごとに算出する処理部である。
【0025】
また、長さ算出部17は、分類された高さ情報の対応関係ごとに算出された、進入側検出装置21や通過側検出装置22の何れか一方または両方における高さ検出時刻での車両30の速度や、分類された信号強度の対応関係ごとに算出された、進入側検出装置21や通過側検出装置22の何れか一方または両方における信号強度検出時刻での測定対象物の速度に基づいて、車両30の進行方向の長さを算出する処理部である。
また、検出信号抽出部18は、入力部11から入力した検出信号のうち、測定対象物測定装置10で処理に用いる検出信号を抽出する処理部である。
【0026】
図3は入力部11の入力するデータ例を示す図である。
入力部11は、所定の時刻間隔で、車両30の高さを示す高さ情報、反射信号の強度である反射光量、それらの検出時刻の情報を、進入側検出装置21や通過側検出装置22から入力する。所定の時刻間隔は、例えば10msecであり、
図3においては10msec間隔の各時刻t1,t2,t3,t4,t5,・・・それぞれの時刻において入力した各情報を記憶した場合のデータテーブルを示している。
図3は、道路上の1点について進入側検出装置21が検出した高さ情報,反射光量,検出時刻の情報を示している。入力部11は、
図3で示すような各情報を、車両30の進行方向に直交する道路の幅方向の複数点について入力する。当該幅方向の間隔は例えば10cmである。また入力部11は、通過側検出装置22からも、道路上の幅方向の複数点について、所定の時刻間隔で、高さ情報、反射光量、検出時刻の情報を入力する。
【0027】
図4は処理に用いる検出信号の抽出処理の概要を示す図である。
測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21と、通過側検出装置22のそれぞれより、時間の経過に伴って順次、検出信号を入力する。検出信号には、高さ情報、反射光量、特徴検出時刻(高さ情報、または反射光量の何れかの特徴を検出した時刻)、検出装置の識別情報などを含んでいる。高さ情報は車両30の高さであり、また反射光量は車両30に照射した光の反射光量(信号強度)である。ここで、検出信号に基づいて車両30の速度や車長を精度良く算出するためには、進入側検出装置21より入力した検出信号と、通過側検出装置22より入力した検出信号のそれぞれの中から、車両30についての同一の特徴(高さや反射光量)を示す検出信号の対を特定する必要がある。
【0028】
しかしながら、例えば、車両30の走行速度が極端に遅く(渋滞等で停止している場合も含む)、進入側検出装置21または通過側検出装置22が風等の影響で揺れている場合には、進入側検出装置21または通過側検出装置22は、車両30の同一の特徴についての検出信号を複数回、測定対象物測定装置10へ送信してしまう可能性がある。このような場合、測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21から入力した検出信号と、通過側検出装置22から入力した検出信号との対を、入力した時間順に対応付けただけでは、車両30の同一の特徴についての検出信号の対を得ることはできない。従って、測定対象物測定装置10は、
図4で示すような抽出処理に基づいて、進入側検出装置21から入力した検出信号と、通過側検出装置22から入力した検出信号のうちの同一の特徴を示す検出信号の対を判定する。
【0029】
当該検出信号の抽出処理を、より具体的に
図4を用いて説明する。
まず
図4において横軸は、進入側検出装置21より入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻t
Eを示している。また
図4において縦軸は、通過側検出装置22より入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻t
Pを示している。そして、
図4では、進入側検出装置21から入力したE1〜E4の4つの検出信号に、それぞれ、特徴検出時刻t
E1,t
E2,t
E3,t
E4が含まれている場合を示している。また
図4では、通過側検出装置22から入力したP1〜P8の8つの検出信号に、それぞれ、特徴検出時刻t
P1,t
P2,t
P3,t
P4,t
P5,t
P6,t
P7,t
P8が含まれている場合を示している。
【0030】
ここで、検出信号E1は、進入側検出装置21において1台の車両30の特徴を最初に検出した検出信号である。また検出信号P1は、通過側検出装置22において1台の車両30の特徴を最初に検出した検出信号である。路面高さを示す高さ情報を含む検出信号を入力している状態から、路面高さよりも高い高さ情報を含む検出信号を入力した場合には、測定対象物である車両30を計測したと判定することができる。従って検出信号抽出部18は、進入側検出装置21と通過側検出装置22のそれぞれにおいて車両30の特徴を最初に検出した検出信号を、当該検出信号に含まれる高さ情報から判定することができる。
【0031】
また、検出信号E4は、進入側検出装置21において1台の車両30の特徴を最後に検出した検出信号である。また検出信号P8は、通過側検出装置22において1台の車両30の特徴を最後に検出した検出信号である。路面高さよりも高い高さ情報を継続している状態から、路面高さを示す高さ情報を含む検出信号を入力した場合には、測定対象物である車両30が通過したと判定することができる。従って、検出信号抽出部18は、進入側検出装置21と通過側検出装置22のそれぞれにおいて車両30の特徴を最後に検出した検出信号を、当該検出信号に含まれる高さ情報から判定することができる。
【0032】
なお、路面高さは車両30を示す特徴ではないが、車両30の高さを継続して検出した後に最初に路面を検出した時刻は、車両30の高さ情報が「0」になった時刻、つまり通過した時刻と判定することができる。本実施形態においては、車両30の高さを継続して検出した後に最初に路面を検出した時刻を、便宜上、車両30の特徴である高さ情報が「0」となったことを検出した時刻(車両の特徴を最後の検出した時刻)と判定している。
【0033】
そして、測定対象物測定装置10の検出信号抽出部18は、入力した各検出信号の中から、進入側検出装置21において車両30の特徴を最初に検出した検出信号E1と、車両30の特徴を最後に検出した検出信号E4とを判定すると、進入側検出装置21より入力した検出信号の中から、それら2つの検出信号E1,E4に含まれる特徴検出時刻の間の特徴検出時刻を含む、他の検出信号を抽出する。この処理により、検出信号抽出部18は特徴検出時刻t
E2を含む検出信号E2と、特徴検出時刻t
E3を含む検出信号E3を抽出する。
【0034】
また検出信号抽出部18は、入力した各検出信号の中から、通過側検出装置22において車両30の特徴を最初に検出した検出信号P1と、車両30の特徴を最後に検出した検出信号P8とを判定すると、通過側検出装置22より入力した検出信号の中から、それら2つの検出信号P1,P8に含まれる特徴検出時刻の間の特徴検出時刻を含む、他の検出信号を抽出する。この処理により、検出信号抽出部18は特徴検出時刻t
P2を含む検出信号P2、特徴検出時刻t
P3を含む検出信号P3、特徴検出時刻t
P4を含む検出信号P4、特徴検出時刻t
P5を含む検出信号P5、特徴検出時刻t
P6を含む検出信号P6、特徴検出時刻t
P7を含む検出信号P7、を抽出する。
【0035】
そして検出信号抽出部18は、進入側検出装置21より入力した検出信号の中から抽出した検出信号E2,E3と、通過側検出装置22より入力した検出信号の中から抽出した検出信号P2,P3,P4,P5,P6,P7とを用いて、同一の車両30の特徴を示す対応する検出信号の対を抽出する。
【0036】
図5は検出信号抽出部の機能構成を示すブロック図である。
この図が示すように検出信号抽出部18は、特徴検出情報生成部181、関数導出部182、基準検出装置特定部183、仮定時刻算出部184、特徴検出情報候補特定部185、特徴検出情報特定部186、検出信号対応関係判定部187、対応関係判定停止部188、処理結果出力部189を含んで構成される。
ここで、特徴検出情報生成部181は、進入側検出装置21および通過側検出装置22より検出信号を入力する毎に、車両30の特徴の増加または減少の値を示す特徴増減情報と、当該検出信号に含まれる特徴検出時刻とを含む特徴検出情報を、入力した検出信号に基づいて生成する処理部である。
【0037】
また、関数導出部182は、進入側検出装置21で車両30についての検出信号を最初に検出した後の時間軸で進入側検出装置21が車両30を検出した際の特徴検出時刻と、当該時間軸で通過側検出装置22が車両30を検出した際の特徴検出時刻との関係を表す二次元の座標系において、進入側検出装置21と通過側検出装置22の2つの検出装置それぞれにおける最初の特徴検出時刻を成分とする点と、該2つの検出装置における車両30に対する最後の特徴検出時刻を成分とする点とを通る関数を導く処理部である。また当該関数は、進入側検出装置21と通過側検出装置22の間を走行した車両30の平均加速度による、各進入側検出装置21と通過側検出装置22での車両30の各特徴の通過時刻を示している。
【0038】
また、基準検出装置特定部183は、進入側検出装置21において車両30の最初の特徴検出時刻から最後の特徴検出時刻までの間に当該車両30を検出した回数と、通過側検出装置22において車両30の最初の特徴検出時刻から最後の特徴検出時刻までの間に当該車両30を検出した回数とを比較する処理部である。また基準検出装置特定部183は、進入側検出装置21と通過側検出装置22のうち、車両30を検出した回数が少ない検出装置を、一方の検出装置と特定する処理部である。
【0039】
また、仮定時刻算出部184は、特定された一方の検出装置より入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻を一方の成分として関数に代入して他方の成分を算出する。このような処理により仮定時刻算出部184は、車両30が進入側検出装置21と通過側検出装置22の間を、関数によって示される加速度で走行したと仮定した場合に、一方の検出装置から入力した検出信号に基づいて生成された特徴検出情報の示す特徴と同一の特徴が、他方の検出装置で検出される可能性のある仮定時刻を算出する処理部である。
また、特徴検出情報候補特定部185は、一方の検出装置からの一つの検出信号に基づいて生成された特徴検出情報を特定し、当該特徴検出情報から特徴増減情報を読み取って、他方の検出装置からの検出信号に基づいて生成された特徴検出情報のうち、読み取った特徴増減情報の示す増加または減少の何れかの値と同じ値を示す特徴増減情報を含む特徴検出情報を特定する処理部である。
【0040】
また、特徴検出情報特定部186は、特定した特徴検出情報のうち、一方の検出装置より入力した一つの検出信号に含まれる特徴検出時刻を一方の成分として関数に代入して他方の成分を算出して得た仮定時刻と、最も時刻の近い特徴検出時刻を含む特徴検出情報を特定する処理部である。
また、検出信号対応関係判定部187は、一方の検出装置より入力した一つの検出信号と、特徴検出情報特定部186が特定した特徴検出情報の生成に用いた他方の検出装置より入力した検出信号とを、車両30の特徴点を検出した際の対応する検出信号と判定する処理部である。
【0041】
また、対応関係判定停止部188は、進入側検出装置21より車両30について最初に入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻と通過側検出装置22より車両30について最初に入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻の前後関係と、進入側検出装置21より車両30について最後に入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻と通過側検出装置22より車両30について最後に入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻の前後関係とを比較する処理部である。そして対応関係判定停止部188は、それら前後関係が異なる場合には、進入側検出装置21と通過側検出装置22とから入力する検出信号の対応関係の判定を停止すると決定する処理部である。
また、処理結果出力部189は、検出信号抽出部18の処理結果を出力する処理部である。
【0042】
そして、このような各処理部の機能を備えた検出信号抽出部18の処理により、進入側検出装置21と通過側検出装置22それぞれより入力した検出信号の中から、車両30の同一の特徴を示す対応する、進入側検出装置21と通過側検出装置22とにおける検出信号の対を抽出する。
【0043】
図6は検出信号抽出部の処理フローを示す図である。
次に、
図6を用いて検出信号抽出部の処理フローについて順を追って説明する。
まず、測定対象物測定装置10の入力部11が、進入側検出装置21や通過側検出装置22から通信ネットワークを介して受信した検出信号を入力する。当該検出信号には、反射光量などの車両30へ照射した光照射信号に対応する光反射信号の信号強度(車両30の第1の特徴)と、光照射信号の照射時刻と光反射信号の受信時刻との送受信間隔を用いて検出された測定対象物の高さ情報(車両30の第2の特徴)とが含まれている。また、当該検出信号には、それらの特徴検出時刻と、信号強度(反射光量)や高さ情報を検出した進入側検出装置21または通過側検出装置22を示す検出装置の識別番号が含まれている。そして入力部11は、入力した検出信号を、検出信号抽出部18へ出力する。
【0044】
次に検出信号抽出部18の特徴検出情報生成部181は、入力部11より、進入側検出装置21または通過側検出装置22より入力した検出信号を受け付ける(ステップS601)。そして特徴検出情報生成部181は、同一の検出装置の識別番号を含む検出信号について、今回入力した検出信号に含まれる光反射信号の信号強度(反射光量)と高さ情報と、前回入力した検出信号に含まれる光反射信号の信号強度(反射光量)と高さ情報とを、それぞれ比較する。
【0045】
そして、特徴検出情報生成部181は、前回入力した検出信号に含まれる光反射信号の信号強度(反射光量)よりも、今回入力した検出信号に含まれる光反射信号の信号強度(反射光量)が閾値以上変化した場合には、その信号強度(反射光量)の増加または減少の値を示す特徴増減情報を生成する。また特徴検出情報生成部181は、前回入力した検出信号に含まれる高さ情報よりも、今回入力した検出信号に含まれる高さ情報が閾値以上変化した場合には、その高さ情報の増加または減少の値を示す特徴増減情報を生成する。以下、信号強度の特徴増減情報を信号強度増減情報、高さ情報の特徴増減情報を高さ増減情報と呼ぶこととする。
【0046】
そして、特徴検出情報生成部181は、信号強度増減情報と、高さ増減情報と、受け付けた検出信号に含まれていた検出時刻と、検出装置の識別番号と、を含む特徴検出情報を生成する(ステップS602)。特徴検出情報生成部181は、検出信号を入力するたびに、この特徴検出情報を生成する。そして特徴検出情報生成部181は、生成した特徴検出情報を、順次、関数導出部182へ出力する。
【0047】
次に関数導出部182は、入力した特徴検出情報の中から、進入側検出装置21において車両30を最初に検出したことを示す特徴検出情報を特定する。当該特定の処理において関数導出部182は、まず進入側検出装置21の識別番号と、通過側検出装置22の識別番号とに基づいて、進入側検出装置21の検出信号により生成された特徴検出情報と、通過側検出装置22の検出信号により生成された特徴検出情報とに分類する。そして関数導出部182は、進入側検出装置21の検出信号により生成された特徴検出情報に含まれる高さ情報を順次比較して、路面高さを示す高さ情報を示す特徴検出情報の入力の後に、路面高さから閾値以上高い高さ情報を示す特徴検出情報を所定数以上、連続して入力したかを判定する。そして、路面の高さから閾値以上高い高さ情報を示す特徴検出情報を所定数以上、連続して入力した場合には、それら路面の高さから閾値以上高い高さ情報を示す特徴検出情報のうちの最も早い検出時刻を含む特徴検出情報を、進入側検出装置21において車両30を最初に検出したことを示す特徴検出情報として特定する。
【0048】
次に関数導出部182は、進入側検出装置21において車両30を最初に検出したことを示す特徴検出情報の次に、当該進入側検出装置21から入力した特徴検出情報から順に、前回入力した特徴検出情報に含まれる高さ情報と、今回入力した特徴検出情報に含まれる高さ情報とを比較する。そして、前回入力した特徴検出情報に含まれる高さ情報と、今回入力した特徴検出情報に含まれる高さ情報との差が、閾値以上である場合に、今回入力した特徴検出情報を、進入側検出装置21において検出した車両30の特徴点(高さ情報が変化した点)を示す特徴検出情報と判定する。そして、関数導出部182は、当該進入側検出装置21において検出した車両30の特徴点を示す特徴検出情報を順次特定する。
【0049】
なお本実施形態においては、車両30の特徴点を示す特徴検出情報の特定の方法は、前回入力した特徴検出情報に含まれる高さ情報と、今回入力した特徴検出情報に含まれる高さ情報との差が閾値以上である場合に、今回入力した特徴検出情報を車両30の特徴点を示す特徴検出情報と判定している。しかしながら、これに限らず、他の方法によって、車両30の特徴点を示す特徴検出情報を特定するようにしてもよい。
【0050】
また関数導出部182は、車両30を最初に検出したことを示す特徴検出情報を特定した後は、その後に入力した特徴検出情報が、車両30を最後に検出したことを示す特徴検出情報であるかを判定する。この処理においては、入力した特徴検出情報に含まれる高さ情報が、予め記憶する路面の高さ情報と一致するかどうかを判定する。そして、誤差を考慮しても一致すると判定できる場合には、関数導出部182は、その特徴検出情報を、車両30を最後に検出したことを示す特徴検出情報であると判定する。なお路面の高さ情報と一致すると判定できる特徴検出情報を複数入力した場合には、そのうち最も早い特徴検出時刻を含む特徴検出情報を、車両30を最後に検出したことを示す特徴検出情報であると判定する。そして、関数導出部182は、車両30を最初に検出したことを示す特徴検出情報と、車両30を最後に検出したことを示す特徴検出情報と、それら特徴検出情報の間に特定した車両30の特徴点を示す特徴検出情報を、進入側検出装置21において検出した1台の車両30についての複数の特徴を示す特徴検出情報と決定する。
【0051】
ここで、進入側検出装置21において検出した車両30の特徴点を示す特徴検出情報は、
図4で示すような特徴検出時刻t
E1,t
E2,t
E3,t
E4,をそれぞれ含む4つの特徴検出情報F
E1,F
E2,F
E3,F
E4であるとする。また、関数導出部182は同様の処理により、通過側検出装置22において検出した車両30の特徴点を示す特徴検出情報を決定する。通過側検出装置22において検出した車両30の特徴点を示す特徴検出情報は、
図4で示すような特徴検出時刻t
P1,t
P2,t
P3,t
p4,t
P5,t
P6,t
P7,t
p8,をそれぞれ含む8つの特徴検出情報F
P1,F
P2,F
P3,F
P4,F
P5,F
P6,F
P7,F
P8であるとする。
【0052】
次に関数導出部182は、進入側検出装置21と通過側検出装置22の2つの検出装置それぞれにおける最初の特徴検出時刻を成分とする点(t
E1,t
P1)と、該2つの検出装置における車両30に対する最後の特徴検出時刻を成分とする点(t
E4,t
P8)とを通る関数を導出する(ステップS603)。当該関数は、進入側検出装置21で車両30についての検出信号を最初に検出した後の時間軸で当該進入側検出装置21が車両30の特徴を検出した際の特徴検出時刻と、当該時間軸で通過側検出装置22が車両30の特徴を検出した際の特徴検出時刻と、の関係を表す二次元の座標系における関数である。また当該関数は、進入側検出装置21と通過側検出装置22の間を走行した車両30の平均加速度による、各進入側検出装置21と通過側検出装置22での車両30の各特徴の通過時刻を示している。
より具体的には当該導出した関数は、
t
p={(t
P8−t
P1)÷(t
E4−t
E1)}t
E+t
P1である。
【0053】
そして、関数導出部182は、導出した関数の情報と、車両30の特徴点を示す特徴検出情報F
E1〜F
E4,F
P1〜F
P8とを仮定時刻算出部184へ出力し、また車両30の特徴点を示す特徴検出情報F
E1〜F
E4,F
P1〜F
P8を基準検出装置特定部183と、検出信号対応関係判定部187へ出力する。なおこのとき、特徴検出情報F
E1,F
P1は、進入側検出装置21と通過側検出装置22の2つの検出装置それぞれにおける車両30の最初の特徴検出時刻を示す特徴検出情報であることが通知される。また同様に、特徴検出情報F
E4,F
P8は、進入側検出装置21と通過側検出装置22の2つの検出装置それぞれにおける車両30の最後の特徴検出時刻を示す特徴検出情報であることが通知される。また関数導出部182は、導出した関数の情報と、車両30の特徴点を示す特徴検出情報F
E1〜F
E4,F
P1〜F
P8とを、対応関係判定停止部188へ出力する。
【0054】
次に基準検出装置特定部183は、入力した特徴検出情報F
E1〜F
E4,F
P1〜F
P8に基づいて、進入側検出装置21において車両30の最初の特徴検出時刻から最後の特徴検出時刻までの間に車両30の特徴を検出した回数と、通過側検出装置22において車両30の最初の特徴検出時刻から最後の特徴検出時刻までの間に当該車両30の特徴を検出した回数とを比較する。つまり、進入側検出装置21において車両30の最初の特徴検出時刻から最後の特徴検出時刻までの間に車両30の特徴を検出した回数は、特徴検出情報F
E2,F
E3の2回である。また、通過側検出装置22において車両30の最初の特徴検出時刻から最後の特徴検出時刻までの間に当該車両30の特徴を検出した回数は、特徴検出情報F
E2〜F
E7の6回である。そして、基準検出装置特定部183は、進入側検出装置21と通過側検出装置22のうち、車両30の特徴を検出した回数が少ない検出装置を、基準検出装置と特定する(ステップS604)。本実施形態においては、車両30の特徴を検出した回数の少ない、進入側検出装置21を基準検出装置と特定する。そして基準検出装置特定部183は、基準検出装置と特定した進入側検出装置21の識別番号を、仮定時刻算出部184へ出力する。
【0055】
仮定時刻算出部184は、基準検出装置となる進入側検出装置21の識別番号を入力すると、当該進入側検出装置21において検出した車両30の特徴点を示す特徴検出情報F
E1〜F
E4のうち、車両30を最初に検出したことを示す特徴検出情報F
E1と、最後に検出したことを示す特徴検出情報F
E4とを除いた特徴検出情報F
E2,F
E3を抽出する。そして仮定時刻算出部184は、特徴検出情報F
E2に含まれる特徴検出時刻t
E2を、関数導出部182によって導出された関数の変数t
Eに代入し、当該関数の変数t
Pについて算出することにより仮定時刻T1を算出する(ステップS605)。当該仮定時刻T1は、車両30が平均加速度で進入側検出装置21と通過側検出装置22の間を走行したと仮定した場合に、進入側検出装置21から入力した検出信号に基づいて生成された特徴検出情報の示す特徴が通過側検出装置22で検出される可能性のある仮定時刻である。
【0056】
また仮定時刻算出部184は、仮定時刻T1の算出と同様に、特徴検出情報F
E3に含まれる特徴検出時刻t
E3を、関数導出部182によって導出された関数の変数t
Eに代入し、当該関数の変数t
Pについて算出することにより仮定時刻T2を算出する。そして、仮定時刻算出部184は仮定時刻T1と、当該仮定時刻T1の算出に用いた特徴検出情報F
E2を、特徴検出情報候補特定部185へ出力する。また、仮定時刻算出部184は仮定時刻T2と、当該仮定時刻T2の算出に用いた特徴検出情報F
E3を、特徴検出情報候補特定部185へ出力する。
【0057】
特徴検出情報候補特定部185は、仮定時刻T1と、当該仮定時刻T1の算出に用いた特徴検出情報F
E2を入力すると、特徴検出情報F
E2に含まれる高さ増減情報を抽出する。当該特徴検出情報F
E2に含まれる高さ増減情報は、その特徴検出情報F
E2に含まれる特徴検出時刻t
E2について
図4で「↑」と表すように“増”を示している。従って、特徴検出情報候補特定部185は、通過側検出装置22において検出した車両30の特徴点を示す特徴検出情報F
P1〜F
P8のうち車両30を最初に検出したことを示す特徴検出情報F
P1と、最後に検出したことを示す特徴検出情報F
P8とを除いた特徴検出情報F
P2〜F
P7中から、高さ増減情報が“増”を示している特徴検出情報の候補F
P2,F
P4,F
P6を抽出する(ステップS606)。そして、特徴検出情報候補特定部185は、進入側検出装置21において検出した車両30の特徴点を示す特徴検出情報F
E2と、当該特徴検出情報を用いて算出した仮定時刻T1と、当該特徴検出情報F
E2に対応する通過側検出装置22側の候補を、特徴検出情報特定部186へ出力する。通過側検出装置22側の候補は、通過側検出装置22において検出した車両30の特徴点を示す特徴検出情報の候補として特徴検出情報候補特定部185が特定した特徴検出情報F
P2,F
P4,F
P6である。
【0058】
そして特徴検出情報特定部186は、仮定時刻T1と、特徴検出情報F
P2,F
P4,F
P6とを比較して、特徴検出情報F
P2,F
P4,F
P6の中から、特徴検出情報F
E2に含まれる特徴検出時刻t
E2によって算出した仮定時刻T1に最も近い特徴検出時刻を含む特徴検出情報を抽出する(ステップS607)。つまり、特徴検出情報F
E2に含まれる特徴検出時刻t
E2によって算出した仮定時刻T1と、特徴検出情報F
P2,F
P4,F
P6それぞれに含まれる特徴検出時刻t
P2,t
P4,t
P6を用いて、「t
P2−T1」、「t
P4−T1」、「t
P6−T1」をそれぞれ算出する。そして特徴検出情報特定部186は、特徴検出時刻t
P2,t
P4,t
P6を用いた当該算出について、最も時刻差の小さくなる場合となる特徴検出時刻を含む特徴検出情報を、特徴検出情報F
P2,F
P4,F
P6の中から抽出する。本実施形態においては、特徴検出情報F
P2が抽出される。そして特徴検出情報特定部186は、特徴検出情報F
E2とその特徴検出情報F
E2に対応する特徴検出情報F
P2の組みを、検出信号対応関係判定部187へ出力する。
【0059】
なお最も時刻差の小さくなる場合の特徴検出時刻t
P2と仮定時刻T1との差が所定の閾値以上である場合には、それら特徴検出情報F
E2とその特徴検出情報F
E2に対応する特徴検出情報F
P2の組みを破棄するようにしてもよい。進入側検出装置21と通過側検出装置22の間を走行する車両30の加速や減速は、ある程度想定範囲内であると考えられる。しかしながら特徴検出時刻t
P2と仮定時刻T1との差が所定の閾値以上である場合には、進入側検出装置21と通過側検出装置22の間において、その想定を超える加速や減速が行われた可能性が高く、信頼性の低い特徴点の情報となる。従って、そのような情報を採用しないことを目的として、特徴検出情報F
E2とその特徴検出情報F
E2に対応する特徴検出情報F
P2の組みが破棄されることとなる。
【0060】
また特徴検出情報特定部186は、特徴検出情報F
E2とその特徴検出情報F
E2に対応する特徴検出情報F
P2の組みを特定したのと同様に、特徴検出情報F
E3とその特徴検出情報F
E3に対応する特徴検出情報F
P7の組みを特定し、検出信号対応関係判定部187へ出力する。
【0061】
次に検出信号対応関係判定部187は、関数導出部182より入力した車両30の特徴点を示す特徴検出情報F
E1〜F
E4,F
P1〜F
P8に基づいて、進入側検出装置21において車両30を最初に検出したことを示す特徴検出情報F
E1の生成に用いた検出信号E1と、通過側検出装置22において車両30を最初に検出したことを示す特徴検出情報F
P1の生成に用いた検出信号P1とを、車両30の特徴点を検出した際の対応する検出信号と判定する(ステップS608)。
【0062】
また、検出信号対応関係判定部187は、関数導出部182より入力した車両30の特徴点を示す特徴検出情報F
E1〜F
E4,F
P1〜F
P8に基づいて、進入側検出装置21において車両30を最後に検出したことを示す特徴検出情報F
E4の生成に用いた検出信号E4と、通過側検出装置22において車両30を最後に検出したことを示す特徴検出情報F
P8の生成に用いた検出信号P8とを、車両30の特徴点を検出した際の対応する検出信号と判定する。
【0063】
また、検出信号対応関係判定部187は、特徴検出情報特定部186より入力した、特徴検出情報F
E2とその特徴検出情報F
E2に対応する特徴検出情報F
P2の組みに基づいて、進入側検出装置21において当該特徴検出情報F
E2の生成に用いた検出信号E2と、通過側検出装置22において当該特徴検出情報F
P2の生成に用いた検出信号P2とを、車両30の特徴点を検出した際の対応する検出信号と判定する。
【0064】
また、検出信号対応関係判定部187は、特徴検出情報特定部186より入力した、特徴検出情報F
E3とその特徴検出情報F
E3に対応する特徴検出情報F
P7の組みに基づいて、進入側検出装置21において当該特徴検出情報F
E3の生成に用いた検出信号E3と、通過側検出装置22において当該特徴検出情報F
P7の生成に用いた検出信号P7とを、車両30の特徴点を検出した際の対応する検出信号と判定する。
【0065】
そして、処理結果出力部189は、検出信号対応関係判定部187によって判定された車両30の特徴点を検出した際の対応する検出信号E1,P1、検出信号E2,P2、検出信号E3,P7、検出信号E4,P8に含まれる各情報を、高さ対応関係判定部13と信号強度対応関係判定部14へ出力する(ステップS609)。
より具体的には、処理結果出力部189は、検出信号対応関係判定部187によって判定された各検出信号から、高さ情報,反射光量,検出時刻や検出装置の識別番号を読み取って、高さ情報と検出時刻およびそれらを検出した検出装置の識別番号(進入側検出装置21または通過側検出装置22の何れかを識別する識別番号)との組合せの情報を高さ対応関係判定部13へ出力する。また処理結果出力部189は、入力した検出信号から、高さ情報,反射光量,検出時刻を読み取って、反射光量と検出時刻およびそれらを検出した検出装置の識別番号(進入側検出装置21または通過側検出装置22の何れかを識別する識別番号)との組合せの情報を信号強度対応関係判定部14へ出力する。
【0066】
なお、上述の検出信号抽出部18の各処理部における処理では、高さ情報や、高さ増減情報に基づいて、車両30の幾何学的な特徴点を検出した際の検出信号を、高さ対応関係判定部13と信号強度対応関係判定部14へ出力する場合の例を示している。しかしながら、更に、検出信号抽出部18は、車両30へ照射した光照射信号に対応する光反射信号の強度である反射光量や、信号強度増減情報に基づいて、車両30の光学的な特徴点を検出した際の検出信号を、高さ対応関係判定部13と信号強度対応関係判定部14へ出力する。
または、幾何学的な特徴点を検出した際の検出信号と、光学的な特徴点を検出した際の検出信号の何れか一方のみを、高さ対応関係判定部13と信号強度対応関係判定部14へ出力するようにしてもよい。
【0067】
ここで、上述の処理が行われている間に、対応関係判定停止部188が、車両30についての特徴点の対応関係の判定を停止するようにしてもよい。この場合、具体的には、対応関係判定停止部188は、進入側検出装置21より車両30について最初に入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻t
E1と、通過側検出装置22より車両30について最初に入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻t
P1の前後関係を判定する。また対応関係判定停止部188は、進入側検出装置21より車両30について最後に入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻t
E4と、通過側検出装置22より車両30について最後に入力した検出信号に含まれる特徴検出時刻t
P8の前後関係を判定する。そして対応関係判定停止部188は、それら2つの前後関係を比較して、それら前後関係が異なる場合には、進入側検出装置21と通過側検出装置22とから入力する検出信号の対応関係の判定を停止すると決定する。
【0068】
ここで、これら2つの前後関係が異なるということは、車両30の最初の検出は通過側検出装置22より進入側検出装置21が早かったにもかかわらず、車両30の最後の検出は進入側検出装置21より通過側検出装置22の方が早かったこととなる。このような現象はありえないため、進入側検出装置21と通過側検出装置22とから入力する検出信号の対応関係の判定を停止することとなる。
【0069】
以上の処理によれば、進入側検出装置21において車両30の特徴を検出した検出信号と、通過側検出装置22において車両30の特徴を検出した検出信号の中から、同一の特徴を示す検出信号の対を判定することができる。これにより車両30の車長を測定するにあたり、適切な車両30の検出信号を、距離を隔てて設置された2つの検出装置より入力した検出信号の中から抽出することができる。
【0070】
図7は入力部の入力した情報に基づく計測結果データを示す図である。
この図は、測定対象物測定装置10が、進入側検出装置21または通過側検出装置22より入力した情報に基づいた計測結果データである。当該計測結果データは、t1,t2,t3,t4・・・tnの各検出時刻におけるx1,x2,x3,x4,・・・,xnの計測点における高さ情報を示している。当該計測結果データは、進入側検出装置21より入力した情報、または、通過側検出装置22より入力した情報の何れの情報によっても作成することができる。例えば、
図7に示す計測結果データは、進入側検出装置21より入力した高さ情報を、
図3で示すデータテーブルから読み取って作成したものである場合、t1,t2,t3,t4・・・tnの各検出時刻におけるx1,x2,x3,x4,・・・,xnの計測点について進入側検出装置21が検出した高さ情報を示す。なお、計測点とは、
図7に示す計測結果データが、進入側検出装置21より入力した高さ情報によって作成したものである場合には、進入側検出装置21が計測するA地点での道路上の幅方向(道路の進行方向に直交する方向)に平行な複数の各計測点を示す。
【0071】
それぞれの計測点に対応する情報として測定対象物測定装置10が入力した各情報は、それぞれ、各計測点に対応して設置された複数の進入側検出装置21それぞれが計測した情報であってもよい。または、それぞれの計測点に対応する情報として測定対象物測定装置10が入力した各情報は、1つまたは複数の道路上方に設置された進入側検出装置21が、下鉛直方向を中心とする道路の幅方向の広角な範囲のそれぞれの角度で照射信号を照射して計測した情報であってもよい。
【0072】
なお、測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21または通過側検出装置22より入力した情報に基づいて、
図7で示した計測結果データのほか、進入側検出装置21が検出した検出時刻、各計測点での反射光量を示す計測結果データや、通過側検出装置22が検出した検出時刻、各計測点の高さ情報を示す計測結果データや、通過側検出装置22が検出した検出時刻、各計測点の反射光量を示す計測結果データ、を記憶する。
【0073】
図7で示す計測結果データでは、時刻t3〜時刻t29において、x4〜x20の範囲の各計測点において、進入側検出装置21が高さ情報を計測したことを示している。また、この計測結果データは、測定対象物測定装置10が、進入側検出装置21において時刻t3〜時刻t10の間、x4〜x20の各計測点について計測されたほぼ同一の高さ情報A1を入力し、進入側検出装置21において時刻t11〜時刻t22の間、x4〜x20の各計測点について計測されたほぼ同一の高さ情報B1を入力し、進入側検出装置21において時刻t23〜時刻t29の間、x4〜x20の各計測点について計測されたほぼ同一の高さ情報C1を入力したことを示している。
【0074】
また、
図7の計測結果データは、高さ情報A1,B1,C1の各高さ情報を示しており、これにより、車両30が、高さ情報A1、高さ情報B1、高さ情報C1の3つの特徴を持つものであることを認識することができる。
また同様に、測定対象物測定装置10は、計測結果データで示される進入側検出装置21から入力した反射光量の情報に基づいて、車両30が、ボディーの色や部位(サンルーフやトラック荷台など)の光学的に違う複数の特徴を持つものであることを認識することができる。
【0075】
また同様に、測定対象物測定装置10は、計測結果データで示される通過側検出装置22から入力した高さ情報に基づいて、車両30が、ボンネットや他の部位(ルーフやトラック荷台など)の幾何学的な複数の特徴を持つものであることを認識することができる。
また同様に、測定対象物測定装置10は、計測結果データで示される通過側検出装置22から入力した反射光量の情報に基づいて、車両30が、ボディーの色や部位の光学的に違う複数の特徴を持つものであることを認識することができる。
【0076】
そして、測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21より入力した車両30の高さ情報に基づく幾何学的な特徴と、反射光量に基づく光学的な特徴、また、通過側検出装置22からより入力した車両30の高さ情報に基づく幾何学的な特徴と、反射光量に基づく光学的な特徴を用いて、車両30の車長を算出する。
【0077】
図8は、検出信号抽出部から出力された情報のデータ例を示す図である。
次に、具体的な車両30の車長の算出手法を説明する。
測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21より入力した高さ情報に基づいて、時刻t3に高さ情報A1を検出したと判定する。また測定対象物測定装置10は高さ情報A1よりも所定の閾値以上高さの異なる高さ情報B1を時刻t11に検出したと判定する。
また測定対象物測定装置10は高さ情報B1よりも所定の閾値以上高さの異なる高さ情報C1を時刻t23に検出したと判定する。すると、測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21より入力した高さ情報に基づいて、高さ情報A1,B1,C1の各特徴それぞれを初めて検出した各時刻を、特徴検出時刻t3、特徴検出時刻t11、特徴検出時刻t23と特定する。また測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21より入力した高さ情報に基づいて、車両30の高さを検出した後に、次に路面を検出したと判定した時刻を検出し、その時刻を特徴検出時刻t30と判定する。
【0078】
また測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21より入力した反射光量に基づいて、時刻t3に道路の反射光量から所定の閾値以上変化した反射光量m1を検出したと判定する。また測定対象物測定装置10は反射光量m1よりも所定の閾値以上光量の変化した反射光量n1を時刻tn
1に検出したと判定する。また測定対象物測定装置10は反射光量n1よりも所定の閾値以上光量の変化した反射光量o1を時刻tn
2に検出したと判定する。すると、測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21より入力した反射光量に基づいて、先に検出していた反射光量よりも所定の閾値以上光量の変化した反射光量m1,n1,o1の各特徴それぞれを初めて検出した各時刻を、特徴検出時刻t3、特徴検出時刻tn
1、特徴検出時刻tn
2と特定する。
なお、時刻の関係は、特徴検出時刻t3<特徴検出時刻tn
1<特徴検出時刻tn
2<特徴検出時刻t11<特徴検出時刻t23<特徴検出時刻t30、であるとする。
【0079】
また測定対象物測定装置10は、通過側検出装置22より入力した高さ情報に基づいて、時刻tn
3に高さ情報A1を検出したと判定する。また測定対象物測定装置10は高さ情報A1よりも所定の閾値以上高さの異なる高さ情報B1を時刻tn
6に検出したと判定する。また測定対象物測定装置10は高さ情報B1よりも所定の閾値以上高さの異なる高さ情報C1を時刻tn
7に検出したと判定する。すると、測定対象物測定装置10は、通過側検出装置22より入力した高さ情報に基づいて、高さ情報A1,B1,C1の各特徴それぞれを初めて検出した各時刻を、特徴検出時刻tn
3、特徴検出時刻tn
6、特徴検出時刻tn
7と特定する。また測定対象物測定装置10は、通過側検出装置22より入力した高さ情報に基づいて、車両30の高さを検出した後に、次に路面を検出したと判定した時刻を検出し、その時刻を特徴検出時刻tn
8と判定する。
【0080】
また測定対象物測定装置10は、通過側検出装置22より入力した反射光量に基づいて、時刻tn
3に道路の反射光量から所定の閾値以上変化した反射光量m1を検出したと判定する。また測定対象物測定装置10は反射光量m1よりも所定の閾値以上光量の変化した反射光量n1を時刻tn
4に検出したと判定する。また測定対象物測定装置10は反射光量n1よりも所定の閾値以上光量の変化した反射光量o1を時刻tn
5に検出したと判定する。すると、測定対象物測定装置10は、通過側検出装置22より入力した反射光量に基づいて、先に検出していた反射光量よりも所定の閾値以上光量の変化した反射光量m1,n1,o1の各特徴それぞれを初めて検出した各時刻を、特徴検出時刻tn
3、特徴検出時刻tn
4、特徴検出時刻tn
5と特定する。
なお、時刻の関係は、特徴検出時刻tn
3<特徴検出時刻tn
4<特徴検出時刻tn
5<特徴検出時刻tn
6<特徴検出時刻tn
7<特徴検出時刻tn
8、であるとする。
【0081】
そして、測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21や通過側検出装置22より入力した高さ情報によって特定した特徴検出時刻と、進入側検出装置21と通過側検出装置22の設置間隔Dに基づいて、進入側検出装置21または通過側検出装置22の何れか一方または両方における特徴検出時刻での車両30の速度を、高さ情報の対応関係ごとに算出する。つまり、測定対象物測定装置10は、高さ情報A1については、その特徴検出時刻の差(tn
3−t3)と設置間隔Dとを用いて、「車両30の速度V1=D÷(tn
3−t3)」により算出する。また測定対象物測定装置10は、高さ情報B1については、その特徴検出時刻の差(tn
6−t11)と設置間隔Dとを用いて、「車両30の速度V2=D÷(tn
6−t11)」により算出する。また測定対象物測定装置10は、高さ情報C1については、その特徴検出時刻の差(tn
7−t23)と設置間隔Dとを用いて、「車両30の速度V3=D÷(tn
7−t23)」により算出する。また測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21と通過側検出装置22とで路面が検出された特徴検出時刻の差(tn
8−t30)と設置間隔Dとを用いて、「車両30の速度V7=D÷(tn
8−t30)」により算出する。
【0082】
また、測定対象物測定装置10は、進入側検出装置21や通過側検出装置22より入力した反射光量によって特定した特徴検出時刻と、進入側検出装置21と通過側検出装置22の設置間隔Dに基づいて、進入側検出装置21または通過側検出装置22の何れか一方または両方における特徴検出時刻での車両30の速度を、反射光量の変化の対応関係ごとに算出する。つまり、測定対象物測定装置10は、反射光量m1については、その特徴検出時刻の差(tn
3−t3)と設置間隔Dとを用いて、「車両30の速度V4=D÷(tn
3−t3)」により算出する。また測定対象物測定装置10は、反射光量n1については、その特徴検出時刻の差(tn
4−tn
1)と設置間隔Dとを用いて、「車両30の速度V5=D÷(tn
4−tn
1)」により算出する。また測定対象物測定装置10は、反射光量o1については、その特徴検出時刻の差(tn
5−tn
2)と設置間隔Dとを用いて、「車両30の速度V6=D÷(tn
5−tn
2)」により算出する。
なお、本実施形態においては、高さ情報A1によって特定した特徴検出時刻を用いて算出した速度V1と、反射光量m1によって特定した特徴検出時刻を用いて算出した速度V4とは、同じ特徴検出時刻を用いて算出しているため、一致する。従って速度V4については以降、処理に用いないこととする。
【0083】
そして、以上の処理により測定対象物測定装置10は、高さ情報A1が検出された特徴検出時刻を用いて算出した速度V1、高さ情報B1が検出された特徴検出時刻を用いて算出した速度V2、高さ情報C1が検出された特徴検出時刻を用いて算出した速度V3、反射光量n1が検出された特徴検出時刻を用いて算出した速度V5、反射光量o1が検出された特徴検出時刻を用いて算出した速度V6、路面が検出された特徴検出時刻を用いて算出した速度V7が算出される。
【0084】
図9は、各特徴検出時刻と特徴検出時刻を用いて算出した速度との関係を示す図である。
図9は、高さ情報A1が検出された特徴検出時刻t3とその特徴検出時刻t3を用いて測定対象物測定装置10が算出した速度V1との関係、
反射光量n1が検出された特徴検出時刻tn
1とその特徴検出時刻tn
1を用いて測定対象物測定装置10が算出した速度V5との関係、
反射光量o1が検出された特徴検出時刻tn
2とその特徴検出時刻tn
2を用いて測定対象物測定装置10が算出した速度V6との関係、
高さ情報B1が検出された特徴検出時刻t11とその特徴検出時刻t11を用いて測定対象物測定装置10が算出した速度V2との関係、
高さ情報C1が検出された特徴検出時刻t23とその特徴検出時刻t23を用いて測定対象物測定装置10が算出した速度V3との関係、
路面が検出された特徴検出時刻t30とその特徴検出時刻t30を用いて測定対象物測定装置10が算出した速度V7との関係、
を示している。
【0085】
測定対象物測定装置10は、
図8で示す特徴検出時刻とその特徴検出時刻を用いて測定対象物測定装置10が算出した速度との関係を表す式を、t3〜t30まで積分することで、車両30の車長を算出することができる。
このように、測定対象物測定装置10は、測定対象物である車両30の幾何学的特徴(高さ情報による特徴)と、光学的特徴(反射光量)の、各特徴を検出した特徴検出時刻それぞれにおける各速度を用いて、車両30の車長Lを算出する。
【0086】
ここで、通常、車両30の車長を算出する場合には、進入側検出装置21における車両30の検出時刻T1と、進入側検出装置21における車両30の通過時刻(検出終了時刻)T2および、車両30が進入側検出装置21で検出されてから通過側検出装置22で検出されるまでの時間間隔tと、進入側検出装置21と通過側検出装置22の設置間隔をDとを用いると、車両30の速度vはv=D÷tで算出されるので、
車両30の車長L=(D÷t)・(T2−T1)
の式を用いて算出することができる。
しかしながら、このような式により算出した車長Lは、車両30の速度vで等速運動をしている場合にはほぼ正しい値となるが、進入側検出装置21と通過側検出装置22の間で速度を変化させながら通過する場合には、正確な値とならない。
【0087】
従って、本実施形態による測定対象物測定装置10が行うように、多くの特徴検出時刻における車両30の速度Vを用いて、時間経過に応じた速度の変化を考慮した車長Lの算出を行い、これにより精度良く車両30の車長Lを算出することができる。なお、車両30の特徴が多いほど算出する車長Lの精度は増すため、幾何学的特徴だけでなく、光学的特徴を用いている。光学的特徴を用いることで、幾何学的特徴、例えば車高などの変化量の少ないバスなどのボックスタイプの車両30であっても、その車両部位の材質等の変化により反射光量が変化するので、より多くの特徴点変化を検出することができ、車両30の車速や車長Lをより正確に測定することができる。
【0088】
次に、本実施形態による測定対象物測定装置10の処理フローについて説明する。
図10は本実施形態による測定対象物測定装置の処理フローを示す図である。
検出信号抽出部18は、高さ情報,反射光量,検出時刻等を含む検出信号を、時間の経過にともない、所定の時間間隔で順次入力する(ステップS101)。そして上述したように、検出信号抽出部18は、進入側検出装置21または通過側検出装置22から入力した検出信号から、高さ情報,反射光量,検出時刻を読み取って、高さ情報と検出時刻およびそれらを検出した検出装置の識別番号(進入側検出装置21または通過側検出装置22の何れかを識別する識別番号)との組合せの情報を高さ対応関係判定部13へ出力する。
また入力部11は、入力した検出信号から、高さ情報,反射光量,検出時刻を読み取って、反射光量と検出時刻およびそれらを検出した検出装置の識別番号(進入側検出装置21または通過側検出装置22の何れかを識別する識別番号)との組合せの情報を信号強度対応関係判定部14へ出力する。
【0089】
これにより高さ対応関係判定部13は、
図8で示す「進入側検出装置21より入力した情報」のデータ例における高さ情報と検出時刻に対応する各情報と、「通過側検出装置22より入力した情報」のデータ例における高さ情報と検出時刻に対応する各情報と、を入力する。
また信号強度対応関係判定部14は、
図8で示す「進入側検出装置21より入力した情報」のデータ例における反射光量と検出時刻に対応する各情報と、「通過側検出装置22より入力した情報」のデータ例における反射光量と検出時刻に対応する各情報と、を入力する。
【0090】
そして、高さ対応関係判定部13は、進入側検出装置21から送信された検出信号に含まれる高さ情報を入力するたびに、例えば1つ前に入力した高さ情報(進入側検出装置21から送信された検出信号に含まれる高さ情報)と比較して閾値以上変化したかを判定する。そして、高さ対応関係判定部13は、高さ情報の変化が閾値以内となる高さ情報を所定の回数以上続けて入力した場合、その閾値以内に収まる各高さ情報のうち、最も早く入力した高さ情報に対応する検出時刻を、その高さ情報を進入側検出装置21において最初に検出した特徴検出時刻と判定する(ステップS102)。
図8の例においては高さ情報A1を進入側検出装置21において最初に検出した時刻を特徴検出時刻t3と判定する。
また同様に、高さ情報B1を進入側検出装置21において最初に検出した時刻を特徴検出時刻t11と、高さ情報C1を進入側検出装置21において最初に検出した時刻を特徴検出時刻t23と、その後、路面の高さ情報を進入側検出装置21において最初に検出した時刻を特徴検出時刻t30と判定する。なお路面の高さを最初に検出した特徴検出時刻は、車両30の最後尾の高さ情報を最後に検出した時刻に一致するものとなる。
【0091】
また同様に、高さ対応関係判定部13は、通過側検出装置22から送信された検出信号に含まれる高さ情報を入力するたびに、例えば1つ前に入力した高さ情報(通過側検出装置22から送信された検出信号に含まれる高さ情報)と比較して閾値以上変化したかを判定する。そして、高さ対応関係判定部13は、高さ情報の変化が閾値以内となる高さ情報を所定の回数以上続けて入力した場合、その閾値以内に収まる各高さ情報のうち、最も早く入力した高さ情報に対応する検出時刻を、その高さ情報を通過側検出装置22において最初に検出した特徴検出時刻と判定する(ステップS103)。
図8の例においては高さ情報A1を通過側検出装置22において最初に検出した時刻を特徴検出時刻tn
3と判定する。また同様に、高さ情報B1を通過側検出装置22において最初に検出した時刻を特徴検出時刻tn
6と、高さ情報C1を通過側検出装置22において最初に検出した時刻を特徴検出時刻tn
7と、その後、路面の高さ情報を通過側検出装置22において最初に検出した時刻を特徴検出時刻tn
8と判定する。
【0092】
そして、高さ対応関係判定部13は、進入側検出装置21について判定した特徴検出時刻t3,特徴検出時刻t11,特徴検出時刻t23,特徴検出時刻t30と、通過側検出装置22について判定した特徴検出時刻tn
3,特徴検出時刻tn
6,特徴検出時刻tn
7,特徴検出時刻tn
8を、それら検出時刻に対応する高さ情報の値に基づいて、車両30の同一部位を示す高さ情報の対応関係ごとに分類する(ステップS104)。つまり、高さ対応関係判定部13は、特徴検出時刻t3に進入側検出装置21で検出した高さ情報の値と、特徴検出時刻tn
3に通過側検出装置22で検出した高さ情報の値の差が閾値以下であるため、同じ分類と判定する。そして高さ対応関係判定部13は、特徴検出時刻t3と、当該特徴検出時刻t3に進入側検出装置21で検出した高さ情報A1、また、特徴検出時刻tn
3と、特徴検出時刻tn
3に通過側検出装置22で検出した高さ情報A1とを、同じ分類に属する分類情報として対応付けて、第2速度算出部15に備わるキューに書き込む。
【0093】
また同様に、高さ対応関係判定部13は、特徴検出時刻t11に進入側検出装置21で検出した高さ情報の値と、特徴検出時刻tn
6に通過側検出装置22で検出した高さ情報の値の差が閾値以下であるため、同じ分類と判定する。そして高さ対応関係判定部13は、特徴検出時刻t11と、当該特徴検出時刻t11に進入側検出装置21で検出した高さ情報B1、また、特徴検出時刻tn
6と、特徴検出時刻tn
6に通過側検出装置22で検出した高さ情報B1とを、同じ分類に属する分類情報として対応付けて、第2速度算出部15に備わるキューに書き込む。
また同様に、高さ対応関係判定部13は、特徴検出時刻t23に進入側検出装置21で検出した高さ情報の値と、特徴検出時刻tn
7に通過側検出装置22で検出した高さ情報の値の差が閾値以下であるため、同じ分類と判定する。そして高さ対応関係判定部13は、特徴検出時刻t23と、当該特徴検出時刻t23に進入側検出装置21で検出した高さ情報C1、また、特徴検出時刻tn
7と、特徴検出時刻tn
7に通過側検出装置22で検出した高さ情報C1とを、同じ分類に属する分類情報として対応付けて、第2速度算出部15に備わるキューに書き込む。
【0094】
また同様に、高さ対応関係判定部13は、特徴検出時刻t30に進入側検出装置21で検出した高さ情報(路面)の値と、特徴検出時刻tn
8に通過側検出装置22で検出した高さ情報(路面)の値の差が閾値以下であるため、同じ分類と判定する。そして高さ対応関係判定部13は、特徴検出時刻t30と、当該特徴検出時刻t30に進入側検出装置21で検出した路面高さ、また、特徴検出時刻tn
8と、特徴検出時刻tn
8に通過側検出装置22で検出した路面高さとを、同じ分類に属する分類情報として対応付けて、第2速度算出部15に備わるキューに書き込む。
【0095】
そして、高さ対応関係判定部13は、上述のように、進入側検出装置21や通過側検出装置22で検出した高さ情報に基づく特徴検出時刻の判定と、特徴検出時刻の分類とを繰り返す。そして高さ対応関係判定部13は、入力した高さ情報と、予め記憶する道路の高さとを比較して、入力した高さ情報が道路の高さであると判定した場合には、車両30が進入側検出装置21と通過側検出装置22を通過したことを示す車両通過情報を、第2速度算出部15と第1速度算出部16に備わるキューに書き込む。
【0096】
次に、第2速度算出部15は、キューから最初の分類情報を読み出す。当該分類情報には、特徴検出時刻t3と、当該特徴検出時刻t3に進入側検出装置21で検出した高さ情報A1、また、特徴検出時刻tn
3と、特徴検出時刻tn
3に通過側検出装置22で検出した高さ情報A1とが格納されている。そして第2速度算出部15は、読み出した分類情報に含まれる特徴検出時刻t3と特徴検出時刻tn
3とを取得し、それら取得した時刻と設置間隔Dとを用いて、特徴検出時刻t3または特徴検出時刻tn
3における車両30の速度V1を、V1=D÷(tn
3−t3)により算出し(ステップS105)、特徴検出時刻t3または特徴検出時刻tn
3の何れか一方と対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込む。本実施形態においては、速度V1と特徴検出時刻t3とを対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込むとする。
【0097】
ここで、第2速度算出部15は、次にキューから読み出した情報が車両通過情報であるかを判定する(ステップS106)。そして、車両通過情報でない場合には、分類情報に含まれる特徴検出時刻を用いた車両30の速度の算出を繰り返す。つまり、第2速度算出部15は、キューから次の分類情報を読み出す。当該分類情報には、特徴検出時刻t11と、当該特徴検出時刻t11に進入側検出装置21で検出した高さ情報B1、また、特徴検出時刻tn
6と、特徴検出時刻tn
6に通過側検出装置22で検出した高さ情報B1とが格納されている。そして第2速度算出部15は、読み出した分類情報に含まれる特徴検出時刻t11と特徴検出時刻tn
6とを取得し、それら取得した時刻と設置間隔Dとを用いて、特徴検出時刻t11または特徴検出時刻tn
6における車両30の速度V2を、V2=D÷(tn
6−t11)により算出し、特徴検出時刻t11または特徴検出時刻tn
6の何れか一方と対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込む。本実施形態においては、速度V2と特徴検出時刻t11とを対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込むとする。
【0098】
また、同様に、第2速度算出部15は、キューから次の分類情報を読み出す。当該分類情報には、特徴検出時刻t23と、当該特徴検出時刻t23に進入側検出装置21で検出した高さ情報C1、また、特徴検出時刻tn
7と、特徴検出時刻tn
7に通過側検出装置22で検出した高さ情報C1とが格納されている。そして第2速度算出部15は、読み出した分類情報に含まれる特徴検出時刻t23と特徴検出時刻tn
7とを取得し、それら取得した時刻と設置間隔Dとを用いて、特徴検出時刻t23または特徴検出時刻tn
7における車両30の速度V3を、V3=D÷(tn
7−t23)により算出し、特徴検出時刻t23または特徴検出時刻tn
7の何れか一方と対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込む。本実施形態においては、速度V3と特徴検出時刻t23とを対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込むとする。
【0099】
また、同様に、第2速度算出部15は、キューから次の分類情報を読み出す。当該分類情報には、特徴検出時刻t30と、当該特徴検出時刻t30に進入側検出装置21で検出した高さ情報(路面高さ)、また、特徴検出時刻tn
8と、特徴検出時刻tn
8に通過側検出装置22で検出した高さ情報(路面高さ)とが格納されている。そして第2速度算出部15は、読み出した分類情報に含まれる特徴検出時刻t30と特徴検出時刻tn
8とを取得し、それら取得した時刻と設置間隔Dとを用いて、特徴検出時刻t30または特徴検出時刻tn
8における車両30の速度V7を、V7=D÷(tn
8−t30)により算出し、特徴検出時刻t23または特徴検出時刻tn
8の何れか一方と対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込む。本実施形態においては、速度V7と特徴検出時刻t30とを対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込むとする。
【0100】
そして、第2速度算出部15は、キューから車両通過情報を読み出した場合には、1つの車両30についての各特徴検出時刻を用いた速度の算出を停止して、車両通過情報を、長さ算出部17に備わるキューに書き込む。
【0101】
他方、信号強度対応関係判定部14は、進入側検出装置21から送信された検出信号に含まれる反射光量を入力するたびに、例えば1つ前に入力した反射光量(進入側検出装置21から送信された検出信号に含まれる反射光量)と比較して閾値以上変化したかを判定する。そして、信号強度対応関係判定部14は、反射光量の変化が閾値以内となる反射光量を所定の回数以上続けて入力した場合、その閾値以内に収まる各反射光量のうち、最も早く入力した反射光量に対応する検出時刻を、その反射光量を進入側検出装置21において最初に検出した特徴検出時刻と判定する(ステップS107)。
図8の例においては反射光量m1を進入側検出装置21において最初に検出した時刻を特徴検出時刻t3と判定する。また同様に、反射光量n1を進入側検出装置21において最初に検出した時刻を特徴検出時刻tn
1と、反射光量o1を進入側検出装置21において最初に検出した時刻を特徴検出時刻tn
2と判定する。
【0102】
また同様に、信号強度対応関係判定部14は、通過側検出装置22から送信された検出信号に含まれる反射光量を入力するたびに、例えば1つ前に入力した反射光量(通過側検出装置22から送信された検出信号に含まれる反射光量)と比較して閾値以上変化したかを判定する。そして、信号強度対応関係判定部14は、反射光量の変化が閾値以内となる反射光量を所定の回数以上続けて入力した場合、その閾値以内に収まる各反射光量のうち、最も早く入力した反射光量に対応する検出時刻を、その反射光量を通過側検出装置22において最初に検出した特徴検出時刻と判定する(ステップS108)。
図8の例においては反射光量m1を通過側検出装置22において最初に検出した時刻を特徴検出時刻tn
3と判定する。また同様に、反射光量n1を通過側検出装置22において最初に検出した時刻を特徴検出時刻tn
4と、反射光量o1を通過側検出装置22において最初に検出した時刻を特徴検出時刻tn
5と判定する。
【0103】
そして、信号強度対応関係判定部14は、進入側検出装置21について判定した特徴検出時刻t3,特徴検出時刻tn
1,特徴検出時刻tn
2と、通過側検出装置22について判定した特徴検出時刻tn
3,特徴検出時刻tn
4,特徴検出時刻tn
5を、それら検出時刻に対応する反射光量の値に基づいて、車両30の同一部位を示す反射光量の対応関係ごとに分類する(ステップS109)。つまり、信号強度対応関係判定部14は、特徴検出時刻t3に進入側検出装置21で検出した反射光量の値と、特徴検出時刻tn
3に通過側検出装置22で検出した反射光量の値の差が閾値以下であるため、同じ分類と判定する。そして信号強度対応関係判定部14は、特徴検出時刻t3と、当該特徴検出時刻t3に進入側検出装置21で検出した反射光量m1、また、特徴検出時刻tn
3と、特徴検出時刻tn
3に通過側検出装置22で検出した反射光量m1とを、同じ分類に属する分類情報として対応付けて、第1速度算出部16に備わるキューに書き込む。
【0104】
また同様に、信号強度対応関係判定部14は、特徴検出時刻tn
1に進入側検出装置21で検出した反射光量の値と、特徴検出時刻tn
4に通過側検出装置22で検出した反射光量の値の差が閾値以下であるため、同じ分類と判定する。そして信号強度対応関係判定部14は、特徴検出時刻tn
1と、当該特徴検出時刻tn
1に進入側検出装置21で検出した反射光量n1、また、特徴検出時刻tn
4と、特徴検出時刻tn
4に通過側検出装置22で検出した反射光量n1とを、同じ分類に属する分類情報として対応付けて、第1速度算出部16に備わるキューに書き込む。
また同様に、信号強度対応関係判定部14は、特徴検出時刻tn
2に進入側検出装置21で検出した反射光量の値と、特徴検出時刻tn
5に通過側検出装置22で検出した反射光量の値の差が閾値以下であるため、同じ分類と判定する。そして信号強度対応関係判定部14は、特徴検出時刻tn
2と、当該特徴検出時刻tn
2に進入側検出装置21で検出した反射光量o1、また、特徴検出時刻tn
5と、特徴検出時刻tn
5に通過側検出装置22で検出した反射光量o1とを、同じ分類に属する分類情報として対応付けて、第1速度算出部16に備わるキューに書き込む。
【0105】
そして、信号強度対応関係判定部14は、上述のように、進入側検出装置21や通過側検出装置22で検出した反射光量に基づく特徴検出時刻の判定と、特徴検出時刻の分類とを繰り返す。1台の車両30についての当該繰り返しの処理が終了した時点で、上述した高さ対応関係判定部13から出力された車両通過情報が第1速度算出部16に備わるキューに書き込まれることとなる。
【0106】
次に、第1速度算出部16は、キューから最初の分類情報を読み出す。当該分類情報には、特徴検出時刻t3と、当該特徴検出時刻t3に進入側検出装置21で検出した反射光量m1、また、特徴検出時刻tn
3と、特徴検出時刻tn
3に通過側検出装置22で検出した反射光量m1とが格納されている。そして第1速度算出部16は、読み出した分類情報に含まれる特徴検出時刻t3と特徴検出時刻tn
3とを取得し、それら取得した時刻と設置間隔Dとを用いて、特徴検出時刻t3または特徴検出時刻tn
3における車両30の速度V4を、V4=D÷(tn
3−t3)により算出し(ステップS110)、特徴検出時刻t3または特徴検出時刻tn
3の何れか一方と対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込む。本実施形態においては、速度V4と特徴検出時刻t3とを対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込むとする。
【0107】
ここで、第1速度算出部16は、次にキューから読み出した情報が車両通過情報であるかを判定する(ステップS111)。そして、車両通過情報でない場合には、分類情報に含まれる特徴検出時刻を用いた車両30の速度の算出を繰り返す。つまり、第1速度算出部16は、キューから次の分類情報を読み出す。当該分類情報には、特徴検出時刻tn
1と、当該特徴検出時刻tn
1に進入側検出装置21で検出した反射光量n1、また、特徴検出時刻tn
4と、特徴検出時刻tn
4に通過側検出装置22で検出した反射光量n1とが格納されている。そして第1速度算出部16は、読み出した分類情報に含まれる特徴検出時刻tn
1と特徴検出時刻tn
4とを取得し、それら取得した時刻と設置間隔Dとを用いて、特徴検出時刻tn
1または特徴検出時刻tn
4における車両30の速度V5を、V5=D÷(tn
4−tn
1)により算出し、特徴検出時刻tn
1または特徴検出時刻tn
4の何れか一方と対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込む。本実施形態においては、速度V5と特徴検出時刻tn
1とを対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込むとする。
【0108】
また、第1速度算出部16は、キューから次の分類情報を読み出す。当該分類情報には、特徴検出時刻tn
2と、当該特徴検出時刻tn
2に進入側検出装置21で検出した反射光量o1、また、特徴検出時刻tn
5と、特徴検出時刻tn
5に通過側検出装置22で検出した反射光量o1とが格納されている。そして第1速度算出部16は、読み出した分類情報に含まれる特徴検出時刻tn
2と特徴検出時刻tn
5とを取得し、それら取得した時刻と設置間隔Dとを用いて、特徴検出時刻tn
2または特徴検出時刻tn
5における車両30の速度V6を、V6=D÷(tn
5−tn
2)により算出し、特徴検出時刻tn
2または特徴検出時刻tn
5の何れか一方と対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込む。本実施形態においては、速度V6と特徴検出時刻tn
2とを対応付けて、長さ算出部17に備わるキューに書き込むとする。
【0109】
そして、第1速度算出部16は、キューから車両通過情報を読み出した場合には、1つの車両30についての各特徴検出時刻を用いた速度の算出を停止して、車両通過情報を、長さ算出部17に備わるキューに書き込む。
【0110】
今、長さ算出部17に備わるキューには、
速度V1と特徴検出時刻t3とが対応付けられた情報、
速度V2と特徴検出時刻t11とが対応付けられた情報、
速度V3と特徴検出時刻t23とが対応付けられた情報、
速度V4と特徴検出時刻t3とが対応付けられた情報、
速度V5と特徴検出時刻tn
1とが対応付けられた情報、
速度V6と特徴検出時刻tn
2とが対応付けられた情報、
速度V7と通過時刻t30とが対応付けられた情報、
車両通過情報、
が記録されている。そして、長さ算出部17は、それらキューより、速度V1と特徴検出時刻t3との組合せの情報、速度V2と特徴検出時刻t11との組合せの情報、速度V3と特徴検出時刻t23との組合せの情報、速度V4と特徴検出時刻t3との組合せの情報、速度V5と特徴検出時刻tn
1との組合せの情報、速度V6と特徴検出時刻tn
2との組合せの情報と、速度V7と通過時刻t30との組合せの情報と、車両通過情報を順に読み取る。そして、長さ算出部17は、車両通過情報を読み取るとキューからの情報の読み取りを一時停止し、各組合せの情報の中から、特徴検出時刻を読み取り、一致する特徴検出時刻があるかを判定する。そして長さ算出部17は一致する特徴検出時刻がある場合には、時刻の遅い特徴検出時刻を含む組合せの情報を処理に利用する情報から除外すると決定する。本実施形態においては、速度V1と特徴検出時刻t3との組合せの情報と、速度V4と特徴検出時刻t3との組合せの情報において、特徴検出時刻が一致する。従って、長さ算出部17は、速度V4と特徴検出時刻t3との組合せの情報を、処理に利用する情報から除外すると決定する。なお、処理に利用する情報から除外すると決定した情報を削除するようにしてもよい。
【0111】
そして、長さ算出部17は、速度V1と特徴検出時刻t3との組合せの情報、速度V2と特徴検出時刻t11との組合せの情報、速度V3と特徴検出時刻t23との組合せの情報、速度V5と特徴検出時刻tn
1との組合せの情報、速度V6と特徴検出時刻tn
2との組合せの情報とを用いて、車両30の車長Lを算出する(ステップS112)。より具体的には、早い特徴検出時刻の順に2つの組合せの情報を特定する。ここでは、速度V1と特徴検出時刻t3との組合せの情報と、速度V5と特徴検出時刻tn
1との組合せの情報を特定する。そして、長さ算出部17は、xを特徴検出時刻、yを速度とした場合の関数であって、(速度V1,特徴検出時刻t3)と(速度V5,特徴検出時刻tn
1)とを通る関数が示す式を用いた、特徴検出時刻t3から特徴検出時刻tn
1までの積分値を算出する。そして、最も早い特徴検出時刻を含む組合せの情報を、処理に利用する情報から除外する。除外される組合せの情報は、速度V1と特徴検出時刻t3との組合せの情報である。
【0112】
また次に、長さ算出部17は、現在除外されずに残っている組合せ情報のうち、早い特徴検出時刻の順に2つの組合せの情報を特定する。ここでは、速度V5と特徴検出時刻tn
1との組合せの情報と、速度V6と特徴検出時刻tn
2との組合せの情報を特定する。
そして、長さ算出部17は、xを特徴検出時刻、yを速度とした場合の関数であって、(速度V5,特徴検出時刻tn
1)と(速度V6,特徴検出時刻tn
2)とを通る関数が示す式を用いた、特徴検出時刻tn
1から特徴検出時刻tn
2までの積分値を算出する。そして、最も早い特徴検出時刻を含む組合せの情報を、処理に利用する情報から除外する。
除外される組合せの情報は、速度V5と特徴検出時刻tn
1との組合せの情報である。
【0113】
また次に、長さ算出部17は、現在除外されずに残っている組合せ情報のうち、早い特徴検出時刻の順に2つの組合せの情報を特定する。ここでは、速度V6と特徴検出時刻tn
2との組合せの情報と、速度V2と特徴検出時刻t11との組合せの情報を特定する。
そして、長さ算出部17は、xを特徴検出時刻、yを速度とした場合の関数であって、(速度V6,特徴検出時刻tn
2)と(速度V2,特徴検出時刻t11)とを通る関数が示す式を用いた、特徴検出時刻tn
2から特徴検出時刻t11までの積分値を算出する。そして、最も早い特徴検出時刻を含む組合せの情報を、処理に利用する情報から除外する。
除外される組合せの情報は、速度V6と特徴検出時刻tn
2との組合せの情報である。
【0114】
また次に、長さ算出部17は、現在除外されずに残っている組合せ情報のうち、早い特徴検出時刻の順に2つの組合せの情報を特定する。ここでは、速度V2と特徴検出時刻t11との組合せの情報と、速度V3と特徴検出時刻t23との組合せの情報を特定する。
そして、長さ算出部17は、xを特徴検出時刻、yを速度とした場合の関数であって、(速度V2,特徴検出時刻t11)と(速度V3,特徴検出時刻t23)とを通る関数が示す式を用いた、特徴検出時刻t11から特徴検出時刻t23までの積分値を算出する。そして、最も早い特徴検出時刻を含む組合せの情報を、処理に利用する情報から除外する。
除外される組合せの情報は、速度V2と特徴検出時刻t11との組合せの情報である。
【0115】
また次に、長さ算出部17は、現在除外されずに残っている組合せ情報のうち、早い特徴検出時刻の順に2つの組合せの情報を特定する。ここでは、速度V3と特徴検出時刻t23との組合せの情報と、速度V7と特徴検出時刻t30との組合せの情報を特定する。
そして、長さ算出部17は、xを特徴検出時刻、yを速度とした場合の関数であって、(速度V3,特徴検出時刻t23)と(速度V7,特徴検出時刻t30)とを通る関数が示す式を用いた、特徴検出時刻t23から特徴検出時刻t30までの積分値を算出する。そして、最も早い特徴検出時刻を含む組合せの情報を、処理に利用する情報から除外する。
除外される組合せの情報は、速度V3と特徴検出時刻t23との組合せの情報である。
【0116】
そして、最後に速度V7と特徴検出時刻t30との組合せの情報が1つのみ残ると、積分の処理を終了する。そして、長さ算出部17は積分により算出した結果を合計し、これを車両30の長さLとして出力する。
【0117】
なお、長さ算出部17は、x軸を特徴検出時刻、y軸を速度とし、(速度V1,特徴検出時刻t3)、(速度V5,特徴検出時刻tn
1)、(速度V6,特徴検出時刻tn
2)、(速度V2,特徴検出時刻t11)、(速度V3,特徴検出時刻t23)、(速度V7,特徴検出時刻t30)の各点を通るなめらかな近似式を求め、当該近似式を用いて、最も検出時刻の早い特徴検出時刻t3から、最も検出時刻の遅い特徴検出時刻t30までの積分値を算出し、その値を車両30の長さLとして出力するようにしてもよい。
【0118】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の測定対象物測定装置10の処理によれば、精度良く測定対象物の進行方向の長さを検出することができる。
【0119】
なお、上述のステップS102やステップS103の処理において、高さ対応関係判定部13は、高さ情報の変化が閾値以内となる高さ情報を所定の回数以上続けて入力した場合、その閾値以内に収まる各高さ情報のうち、最も早く入力した高さ情報に対応する検出時刻を、その高さ情報を最初に検出した特徴検出時刻と判定している。しかしながら、高さ情報の変化が閾値以内となる高さ情報を所定の回数以上続けて入力した場合において、その閾値以内に収まる各高さ情報のうち、最も早く入力した高さ情報は、測定対象物の高さが変化する部位であるため、検出される高さ情報の値の信頼性が低い。従って、高さ情報の変化が閾値以内となる高さ情報を所定の回数以上続けて入力した場合において、その閾値以内に収まる各高さ情報のうち、最も早く入力した高さ情報以外の高さ情報の検出時刻を特徴検出時刻と判定するようにしてもよい。
つまりこの場合、
図7を用いて説明すると、例えば、検出時刻t4を高さ情報A1の特徴検出時刻と判定し、検出時刻t12を高さ情報B1の特徴検出時刻と判定し、検出時刻t24を高さ情報C1の特徴検出時刻と判定することとなる。
【0120】
また、上述のステップS107やステップS108の処理において、信号強度対応関係判定部14は、反射光量の変化が閾値以内となる反射光量を所定の回数以上続けて入力した場合、その閾値以内に収まる各反射光量のうち、最も早く入力した反射光量に対応する検出時刻を、その閾値以内に収まる各反射光量を最初に検出した特徴検出時刻と判定している。しかしながら、反射光量の変化が閾値以内となる反射光量を所定の回数以上続けて入力した場合において、その閾値以内に収まる各反射光量のうち、最も早く入力した反射光量は、測定対象物の反射光量が変化する部位であるため、検出される反射光量の値の信頼性が低い。従って、反射光量の変化が閾値以内となる反射光量を所定の回数以上続けて入力した場合において、その閾値以内に収まる各反射光量のうち、最も早く入力した反射光量以外の反射光量の検出時刻を特徴検出時刻と判定するようにしてもよい。
つまりこの場合、
図8を用いて説明すると、例えば、検出時刻tn
1の次の検出時刻を反射光量n1の特徴検出時刻と判定し、検出時刻tn
2の次の検出時刻を反射光量o1の特徴検出時刻と判定することとなる。
【0121】
なお、本実施形態においては、進行方向に設置された各検出装置における、測定対象物の幾何学的な特徴の検出時刻と、光学的な特徴の検出時刻とを用いて、測定対象物の長さを算出する場合の例を説明している。しかしながら、これに限らず、進行方向に設置された各検出装置における、測定対象物の幾何学的な特徴の検出時刻を用いずに、測定対象物の光学的な特徴の検出時刻を用いて、測定対象物の長さを算出するようにしてもよい。測定対象物に幾何学的な特徴がない場合に、その測定対象物の光学的特徴(車両30のガラス面やボディーの色の特徴など反射光量が大きく変化する特徴)を用いて、測定対象物の長さの測定を行うことができる。
【0122】
なお、上述の測定対象物測定装置10は内部に、コンピュータシステムを有している。
そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0123】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。