(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
環状に配置された複数の可変静翼の外周側に沿って設けられた環状の可動リングと、前記複数の可変静翼の外周側を覆い且つ前記複数の可変静翼を保持する静翼保持環と、前記静翼保持環に対して前記可動リングを回転可能に支持するリング支持機構と、前記可動リングの回転により前記複数の可変静翼の向きが変わるよう、前記可動リングと前記複数の可変静翼とを連結する駆動力伝達機構と、を備えている軸流流体機械の可変静翼駆動装置において、
前記リング支持機構は、
前記可動リングに転がり接触する複数の第一ローラと、
前記静翼保持環に対して、前記第一ローラを前記静翼保持環の径方向及び軸方向に相対移動不能に支持する第一支持部と、
前記可動リングに転がり接触する1以上の第二ローラと、
前記静翼保持環に対して、前記第二ローラを前記径方向に相対移動可能に支持すると共に、前記可動リングが前記第一ローラに押し付けられる側に前記第二ローラを前記径方向に付勢する第二支持部と、
前記可動リングとの間に前記径方向の隙間が確保され、前記可動リングの前記径方向の相対移動を許容しつつ、前記可動リングの前記軸方向の相対移動を拘束する1以上の第三ローラと、
前記静翼保持環に対して、前記第三ローラを前記軸方向及び前記径方向に相対移動不能に支持する第三支持部と、
を有することを特徴とする軸流流体機械の可変静翼駆動装置。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンやターボ冷凍機では、気体を圧縮するために軸流流体機械の一種である軸流圧縮機が用いられている。この種の軸流流体機械では、ロータの周りに環状に複数配置された可変静翼と、この可変静翼の向きを変える可変静翼駆動装置と、を備えている。
【0003】
可変静翼駆動装置は、例えば、以下の特許文献1に記載されているように、可動リングと、リング支持機構と、アクチュエータと、リンク機構と、を備えている。可動リングは、静翼支持環(ケーシング)の外周側に配置され、環状である。リング支持機構は、可動リングを回転可能に支持する。アクチュエータは、可動リングを回転させる。リンク機構は、可動リングと複数の可変静翼とを連結する。リング支持機構は、2個の第一ローラと、1個の第二ローラとを有している。第一ローラは、可動リングの外周側であって静翼支持環の下側に可動リングの周方向に間隔をあけて配置されている。第二ローラは、可動リングの内周側であって静翼支持環の下側に2個の第一ロータに対して可動リングの周方向に間隔をあけて配置されている。
【0004】
2個の第一ローラは、可動リングを下から支えて、この可動リングの下方への移動を拘束する。1個の第二ローラは、バネにより下方に付勢されており、可動リングを下方に押している。すなわち、第二ローラは、可動リングが第一ローラに近づく向きに可動リングを押して、可動リングと第一ローラとの接触圧を確保している。
【0005】
軸流圧縮機では、下流側に向うに連れて次第に気体の圧力が増し、この気体の温度が高くなる。このため、軸流圧縮機の起動過程および停止過程で、静翼支持環の内側と外側とで温度差が生じて、静翼支持環と、この静翼支持環の外周側に配置された可動リングとの間に熱伸び差が生じる。このため、特許文献1に記載の可変静翼駆動装置では、可動リングの下側の部分のみを第一ローラ及び第二ローラとで支えている。また、可動リングの上側をフリーな状態にして、可動リングが熱膨張し静翼支持環の径に対して可動リングの径が相対的に大きくなった場合でも、可動リングの上側部分が上方に移動できるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載の可変静翼駆動装置は、静翼支持環と可動リングとの熱伸び差が生じても、可動リングの伸びを上側に逃がしている。このため、可動リングの支持に過負荷がかからず、可動リングをスムーズに回転させることができる。
【0008】
また、この種の可変翼駆動装置では、可動リングの回転で、複数の可変静翼がそれぞれ目的翼角度だけ変わることが望まれている。
【0009】
そこで、本発明は、可動リングのスムーズな回転を確保しつつ、可変静翼を目的翼角度にすることができる軸流流体機械、及びその可変静翼駆動装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための発明に係る軸流流体機械の可変静翼駆動装置は、
環状に配置された複数の可変静翼の外周側に沿って設けられた環状の可動リングと、前記複数の可変静翼の外周側を覆い且つ前記複数の可変静翼を保持する静翼保持環と、前記静翼保持環に対して前記可動リングを回転可能に支持するリング支持機構と、前記可動リングの回転により前記複数の可変静翼の向きが変わるよう、前記可動リングと前記複数の可変静翼とを連結する駆動力伝達機構と、を備えている軸流流体機械の可変静翼駆動装置において、
前記リング支持機構は、前記可動リングに転がり接触する複数の第一ローラと、前記静翼保持環に対して、前記第一ローラを前記静翼保持環の径方向及び軸方向に相対移動不能に支持する第一支持部と、前記可動リングに転がり接触する1以上の第二ローラと、前記静翼保持環に対して、前記第二ローラを前記径方向に相対移動可能に支持すると共に、前記径方向であって、前記可動リングが前記第一ローラに押し付けられる側に前記第二ローラを付勢する第二支持部と、前記可動リングとの間に前記径方向の隙間が確保され、前記可動リングの前記径方向の相対移動を許容しつつ、前記可動リングの前記軸方向の相対移動を拘束する1以上の第三ローラと、前記静翼保持環に対して、前記第三ローラを前記軸方向及び前記径方向に相対移動不能に支持する第三支持部と、を有する。
【0011】
本発明の一態様である可変静翼駆動装置(以降本発明の可変静翼駆動装置と呼ぶ。)では、第二ローラ及び第三ローラが可動リングの径方向の相対移動を許容している。さらに、第二ローラが可動リングを第一ローラに押し付けるように第二支持部によって付勢されているために、各ローラと可動リングとの接触が確保される。よって、静翼保持環と可動リングとの間の熱伸び差が生じて、熱伸びによる静翼保持環の径の変化と可動リングの径の変化とが異なっても、膨張によって静翼保持環の径の変化が可動リングの径の変化よりも大きくなって可動リングを回転可能に支持しているリング支持機構に過負荷がかかったり、逆に、収縮によって静翼保持環の径の変化が可動リングの径の変化よりも大きくなって可動リングがリング支持機構から外れたりすることを回避できる。これによって、可動リングを安定に且つスムーズに回転させることができる。
【0012】
また、本発明の可変静翼駆動装置では、熱伸びによる静翼保持環の径の変化と可動リングの径の変化とが異なって、第三ローラに対して可動リングが径方向に相対移動しても、第三ローラに対する可動リングの軸方向の相対移動を拘束することができる。
すなわち、本発明の可変静翼駆動装置では、第二ローラを支持する第二支持部が、可動リングの径方向の移動を許容することによって可動リングの径方向の熱伸びを吸収し、第三ローラおよび第三ローラを支持する第三支持部が、静翼保持環に対する可動リングの軸方向の変位を制限する。これよって、可動リングは軸方向には移動せず径方向にのみ移動する。
【0013】
ところで、仮に、可動リングが軸方向に移動すると、可動リングと各可変静翼との間の軸方向の距離が変化して、可動リングと可変静翼とを連結する駆動力伝達機構の状態が変化するため、各可変静翼を目的の翼角度にすることができない。しかしながら、本発明の可変静翼駆動装置では、前述したように、第三ローラにより可動リングの軸方向への移動が拘束されるので、可動静翼と可動リングとの間の軸方向の距離を保つことができ、可変静翼を目的の翼角度にすることができる。
【0014】
前記軸流流体機械の可変静翼駆動装置において、前記第三ローラと前記可動リングとのうちの一方には、その一方からその他方に向かって突出する突出部が形成され、前記他方には前記突出部を前記軸方向で挟む一対のフランジ部が形成され、前記一方に形成された突出部において前記軸方向を向いている一対の側面は、前記軸方向に対して垂直な面を成し、前記他方に形成された前記一対のフランジ部は、互いに対向して前記軸方向に垂直な面が形成されていてもよい。
【0015】
本発明の可変静翼駆動装置では、可動リングが第三ローラに対して径方向に相対移動を許容して、第三ローラに対する可動リングの軸方向への相対移動を確実に拘束する。
【0016】
また、前記軸流流体機械の可変静翼駆動装置において、前記第一ローラは、前記軸方向における前記可動リングの相対移動を拘束するものであってもよい。
【0017】
当該可変静翼駆動装置では、第一ローラに対する可動リングの軸方向の相対移動を拘束することができるので、可動リングの軸方向への移動を複数個所で拘束することができる。このため、当該可変静翼駆動装置では、可動リングと各可変静翼との間の軸方向の距離をほぼ一定にでき、複数の可変静翼をほぼ目的の翼角度に揃えることができる。
【0018】
また、前記軸流流体機械の可変静翼駆動装置において、前記第二ローラは、前記軸方向における前記可動リングの相対移動を拘束し、前記第二支持部は、前記静翼保持環に対して、前記第二ローラを前記軸方向に相対移動不能に支持するものであってもよい。
【0019】
当該可変静翼駆動装置では、第二ローラに対する可動リングの軸方向の相対移動を拘束することができるので、可動リングの軸方向への移動を複数個所で拘束することができる。このため、当該可変静翼駆動装置でも、可動リングと各可変静翼との間の軸方向の距離をほぼ一定にでき、複数の可変静翼をほぼ目的の翼角度に揃えることができる。
【0020】
また、前記軸流流体機械の可変静翼駆動装置において、前記静翼保持環を周方向に二つの領域に等分割した第一領域の外周側に、複数の前記第一ローラが配置され、第二領域の外周側に、前記第三ローラが配置されていてもよい。
【0021】
当該可変静翼駆動装置では、複数の第一ローラを第一領域の外周側に偏らせて配置することにより、熱伸びによる静翼保持環の径の変化と可動リングの径の変化とが異なった際、第二領域の外周側に配置されている第三ローラ側に、可動リング中で静翼保持環に対して径方向に移動する部分を偏らせることができる。このため、本発明の可変静翼駆動装置では、熱伸びによる静翼保持環の径の変化と可動リングの径の変化とが異なった際、この径の変化の差に伴う可動リングの軸方向の移動を第三ローラにより効率よく拘束することができる。
【0022】
また、前記軸流流体機械の可変静翼駆動装置において、2個の前記第一ローラを備え、2個の前記第一ローラのうちの第一の第一ローラは、前記第一領域内の周方向における一方の側に配置され、第二の第一ローラは、前記第一領域内の周方向における他方の側に配置されていてもよい。
【0023】
本発明の可変静翼駆動装置では、第一ローラを第一領域内の両端側にそれぞれ配置し、2個の第一ローラの相互の間隔をあけているので、静翼保持環に対する可動リングの径方向の移動を効率よく拘束することができる。
【0024】
また、前記軸流流体機械の可変静翼駆動装置において、2個の前記第二ローラを備え、2個の前記第二ローラのうちの第一の第二ローラは、前記第二領域内の周方向における一方の側に配置され、第二の第二ローラは、前記第二領域内の周方向における他方の側に配置されていてもよい。
【0025】
本発明の可変静翼駆動装置では、2個の第二ローラにより可動リングが押される向きを安定させることができる。
【0026】
また、前記軸流流体機械の可変静翼駆動装置において、前記第三ローラは、前記第二領域内であって、複数の前記第一ローラにおける前記径方向の前記可動リングに対する支持力の合力作用線の延長線上に、配置されていてもよい。
【0027】
本発明の可変静翼駆動装置では、第一ローラを基準にした可動リングの径方向の変位量が最も大きくなる部分における軸方向の移動を、第三ローラにより拘束することができるので、熱伸びによる静翼保持環の径の変化と可動リングの径の変化とが異なった、この径の変化の差に伴う可動リングの軸方向の移動を効率よく拘束することができる。
【0028】
また、前記軸流流体機械の可変静翼駆動装置において、前記静翼保持環の軸線は水平方向に延び、前記第一領域は前記軸線を基準にして上側と下側とのうちの一方側の領域であり、前記第二領域は前記軸線を基準にして上側と下側とのうちの他方側の領域であってもよい。
【0029】
本発明の可変静翼駆動装置では、第三リングによる、可動リングの径方向の相対移動を許容する方向が上下方向になるため、可動リングの自重による変形も許容することができる。
【0030】
上記目的を達成するための発明の他態様である軸流流体機械(以降本発明の軸流流体機械と呼ぶ。)は、
前記可変静翼駆動装置と、前記静翼保持環と、前記静翼保持環内に配置され、前記軸方向の延びるロータ本体及び前記ロータ本体の外周に設けられている複数の動翼を有するロータと、前記ロータ本体の外周側であって、複数の前記動翼の軸方向の一方側に配置されている前記複数の可変静翼と、を備えている。
【0031】
本発明の軸流流体機械でも、前記可変静翼駆動装置を備えているので、可動リングのスムーズな回転を確保しつつ、可変静翼を目的翼角度にすることができる。
【0032】
前記軸流流体機械は、前記ロータの回転により気体を圧縮する圧縮機を成してもよい。また、前記軸流流体機械は、一次圧縮機で圧縮された気体が流入して、前記ロータの回転により前記気体をさらに圧縮するブースタ圧縮機を成し、前記静翼保持環の外周側及び前記可動リングの外周側を覆うと共に、前記一次圧縮機で圧縮された前記気体を吸い込む吸込口と、前記ロータの回転によりさらに圧縮された前記気体を吐き出す吐出口とが形成されているケーシングを備えていてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明では、静翼保持環と可動リングとの間に熱伸び差が生じ、この熱伸びによる静翼保持環の径の変化と可動リングの径の変化とが異なっても、可動リングのスムーズな回転を確保しつつ、可変静翼を目的翼角度にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に係る軸流流体機械の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
「第一実施形態」
まず、
図1〜
図7を参照して、本発明に係る軸流流体機械の第一実施形態について説明する。
【0037】
本実施形態の軸流流体機械は、一次圧縮機で圧縮された気体をさらに圧縮するブースタ圧縮機である。
【0038】
この軸流流体機械Cは、
図1に示すように、ロータ10と、複数の静翼16,18と、静翼保持環20と、ケーシング25と、を備えている。ロータ10は、複数の動翼12を有する。複数の静翼16,18は、ロータ10の外周側に間隔をあけて環状に配置されている。静翼保持環20は、複数の動翼12及び複数の静翼16,18を覆っている。ケーシング25は、この静翼保持環20の外周側を覆うと共にロータ10を回転可能に支持する。
【0039】
ロータ10は、ロータ本体11と、複数の動翼12と、を有している。ロータ本体11は、複数のロータディスクが積層されて構成されている。複数の動翼12は、複数のロータディスク毎にそのロータディスクから放射方向に延びている。すなわち、このロータ10は、多数段動翼構成である。このロータ10は、ロータ本体11の軸線(以下、ロータ軸線Arとする)を中心としてケーシング25により回転可能に支持されている。なお、本実施形態では、ロータ軸線Arは水平方向に延びている。
【0040】
複数の動翼12のうち、ロータ軸線Arが延びている軸方向Daの最も一方側(以下、上流側とする)のロータディスクに固定されている複数の動翼12は、第一動翼段12aを成す。また、このロータディスクの他方側(以下、下流側とする)に隣接しているロータディスクに固定されている複数の動翼12は、第二動翼段12bを成し、以下、下流側に設けられている各ロータディスクに固定されている複数の動翼12が第三動翼段12c、…を成す。
【0041】
各動翼段12a,12b,…の上流側には、それぞれ、ロータ本体11周りに環状に複数の静翼16,18が配置されている。第一動翼段12aの上流側に配置されている複数の静翼16は、第一静翼段16aを成す。また、第二動翼段12bの上流側に配置されている複数の静翼18が第二段静翼18bを成し、以下、下流側に設けられている各動翼段12c,…の上流側に配置されている複数の静翼18が第三段静翼18c、…を成す。
【0042】
本実施形態では、各静翼段16a,18b,…のうち、第一静翼段16aを構成する静翼16が可変静翼を成し、第二段目以降の静翼段18b,18c,…を構成する静翼18が固定静翼を成している。第二段目以降の静翼段18b,18c,…を構成する静翼18、つまり固定静翼は、いずれも静翼保持環20の内周側に固定されている。なお、以下では、第一静翼段16aを構成する静翼16を単に可変静翼16と言う。
【0043】
ケーシング25の上流側の外周側には、一次圧縮機で圧縮された気体を吸い込む吸込口26が形成され、下流側の外周側には、このケーシング25内でさらに圧縮された気体を吐き出す吐出口27が形成されている。
【0044】
本実施形態の軸流流体機械Cは、複数の可変静翼16の向きを変える可変静翼駆動装置30をさらに備えている。この可変静翼駆動装置30は、可動リング31と、リング支持機構40と、回転駆動機構70と、駆動力伝達機構75と、を備えている。可動リング31は、静翼保持環20の外周側に配置され、その形状は環状である。リング支持機構40は、可動リング31を、ロータ軸線Arを中心として、回転可能に支持する。回転駆動機構70は、可動リング31を、ロータ軸線Arを中心として、回転させる。駆動力伝達機構75は、可動リング31の回転で可変静翼16の向きが変わるよう、可動リング31と可変静翼16とを連結する。
【0045】
回転駆動機構70は、例えば、直進アクチュエータと、リンク機構とを有している。直進アクチュエータは、直進アクチュエータのロッドが直進駆動する。リンク機構は、この直進アクチュエータのロッドと可動リング31とを連結する。
【0046】
駆動力伝達機構75は、
図1及び
図2に示すように、静翼回転軸76と、リンク片77及び連結ピン78と、を有している。静翼回転軸76は、ロータ軸線Arに対する径方向内側Driから径方向外側Droに静翼保持環20を貫通し、径方向内側Driの端に可変静翼16が固定されている。リンク片77及び連結ピン78は、可動リング31と静翼回転軸76とを連結する。リンク片77は、静翼回転軸76の径方向外側Droに端に固定されている。連結ピン78は、リンク片77と可動リング31とを連結する。リンク片77及び連結ピン78を有するリンク機構は、可動リング31の回転により、静翼回転軸76を回転させて可変静翼16の向きを変える機構である。
【0047】
リング支持機構40は、
図3及び
図4に示すように、2個の第一ローラ41と、第一支持部44と、2個の第二ローラ51と、第二支持部54と、1個の第三ローラ61と、第三支持部64と、を有している。2個の第一ローラ41は、可動リング31に転がり接触する。第一支持部44は、静翼保持環20に対して第一ローラ41を軸方向Da及び径方向Drに相対移動不能に支持する。2個の第二ローラ51は、可動リング31に転がり接触する。第二支持部54は、静翼保持環20に対して第二ローラ51を径方向Drに相対移動可能に支持すると共に、径方向Drであって可動リング31が第一ローラ41に押し付けられる方向に第二ローラ51を付勢する。1個の第三ローラ61は、可動リング31との間に径方向Drに隙間が確保され、軸方向Daで可動リング31の一部を挟む一対のフランジ部62を有する。第三支持部64は、静翼保持環20に対して第三ローラ61を軸方向Da及び径方向Drに相対移動不能に支持する。なお、静翼保持環および可動リングが、軸方向Daおよび径方向Drに熱伸びした際に、第一支持部44は、静翼保持環20に対して第一ローラ41の軸方向Daおよび径方向Drに相対移動不能に支持するとは、熱伸びした静翼保持環および可動リングと第一ローラ41とにおける、軸方向Daおよび径方向Drの相対的な位置関係が同じ状態であることをいう。上記は、第二ローラ51および第三ローラ61に対しても同様である。
【0048】
第一ローラ41、第二ローラ51及び第三ローラ61は、その回転軸線がローラ軸線Arと平行になるよう、各支持部44,54,64により支持されている。
【0049】
静翼保持環20を周方向に二つの領域に等分割し、一方の領域を第一領域R1とし、他方の領域を第二領域R2とする。第一領域R1は静翼保持環20の上側の領域で、第二領域R2は静翼保持環20の下側の領域である。
【0050】
2個の第一ローラ41は、静翼保持環20の第一領域R1の外周側であって、ロータ軸線Arを通る鉛直線に対して互いに線対称な位置に配置されている。また、2個の第二ローラ51は、静翼保持環20の第二領域R2の外周側であって、ロータ軸線Arを通る鉛直線に対して互いに線対称な位置に配置されている。1個の第三ローラ61は、静翼保持環20の第二領域R2の外周側であって、ロータ軸線Arを通る鉛直線上の位置に配置されている。つまり、第三ローラ61は、ロータ軸線Arの鉛直下方の位置に配置されている。
【0051】
第一ローラ41は、
図3及び
図5に示すように、軸方向Daで互いに対向する一対のフランジ部42を有している。一対のフランジ部42の互いに対向する面は軸方向に面しており、軸方向拘束面42aを成している。一対の軸方向拘束面42aは、第一ローラ41の中心に近づくに連れて次第に面相互間隔が狭まるようにテーパ面になっている。可動リング31中で第一ローラ41と対向する部分には、径方向内側Driに突出し、第一ローラ41の一対のフランジ部42の間に嵌り込む突出部34が形成されている。突出部34で軸方向Daを向いている一対の側面は、第一ローラ41の各軸方向拘束面42aと対向する対向面34aを成している。この一対の対向面34aは、径方向内側Driに近づくに連れて次第に面相互間隔が狭まるようにテーパ面になっている。
【0052】
第一ローラ41を支持する第一支持部44は、ローラ軸45と、ローラ支持台46と、複数のボルト49と、を有している。ローラ軸45は、第一ローラ41の中心を軸方向Daに貫通し、第一ローラ41を回転可能に支持する。ローラ支持台46は、このローラ軸45を支持する。複数のボルト49は、ローラ支持台46を静翼保持環20に固定する。なお、ここでは、ローラ軸45が第一ローラ41を回転可能に支持しているが、ローラ軸45が第一ローラ41に固定され、このローラ軸45がローラ支持台46に回転可能に支持されていてもよい。
【0053】
第二ローラ51は、
図3及び
図6に示すように、第一ローラ41と同様のローラである。すなわち、第二ローラ51も、軸方向Daで互いに対向する一対のフランジ部52を有している。また、一対のフランジ部52の互いに対向する面も、第一ローラ41の軸方向拘束面42aと同様、軸方向拘束面52aとしてテーパ面を成している。可動リング31中で第二ローラ51と対向する部分にも、径方向内側Driに突出し、第二ローラ51の一対のフランジ部52の間に嵌り込む突出部35が形成されている。この突出部35で軸方向Daを向いている一対の側面も、第二ローラ51の各軸方向拘束面52aと対向する対向面35aとしてテーパ面を成している。
【0054】
第二ローラ51を支持する第二支持部54は、ローラ軸55と、ローラ支持台56と、複数のボルト59と、コイルバネ57とを有している。ローラ軸55は、第二ローラ51の中心を軸方向Daに貫通し、第二ローラ51を回転可能に支持する。ローラ支持台56は、このローラ軸55を支持する。複数のボルト59は、静翼保持環20に対するローラ支持台56の径方向Drへの相対移動を許容しつつ他の方向への移動を拘束する。コイルバネ57は、ローラ支持台56を径方向外側Droへ付勢する。
【0055】
ローラ支持台56は、ベース板部56aと、ローラ軸支持部56bと、被ガイド凸部56cと、を有している。ベース板部56aは、静翼保持環20の外周面に接する。ローラ軸支持部56bは、ベース板部56aから径方向Dr方向に垂直に設けられている。被ガイド凸部56cは、ベース板部56aからローラ軸支持部56bの反対側に突出している。ベース板部56aには、ボルト59の軸部が挿通されるボルト挿通孔56dが形成されている。ローラ軸支持部56bには、ローラ軸55が挿通されて固定されている。
【0056】
静翼保持環20のローラ支持台56が取り付けられる部分には、ガイド穴21が形成されている。ガイド穴21は、径方向外側Droから径方向内側Driに凹み、ローラ支持台56の被ガイド凸部56cがガイド穴21との間に間隔を有しており、ローラ支持台56の被ガイド凸部56cはガイド穴21に対して出入り可能である。この間隔によって、ローラ支持台56は、静翼保持環20に対して軸方向Daに移動可能になっている。ガイド穴21の底面とローラ支持台56の被ガイド凸部56cとの間には、前述のコイルバネ57が配置されている。
【0057】
ボルト59は、その軸部がベース板部56aのボルト挿通孔56dに挿通され、静翼保持環20のガイド穴21の周りに形成されている雌ネジ穴22にねじ込まれている。ボルト59のボルト頭部と静翼保持環20の外周面との間隔は、径方向におけるローラ支持台56のベース板部56aの厚さよりも大きい。このため、ローラ支持台56は、ボルト頭部と静翼保持環20の外周面との間隔とベース板部56aの厚さとの差分だけ、径方向Drに移動可能である。また、このローラ支持台56は、コイルバネ57により径方向外側Droに付勢されている。
【0058】
よって、第二ローラ51は、この第二支持部54により、径方向Dr及び軸方向Daに移動可能に支持されつつ、径方向外側Droに付勢されている。
【0059】
第三ローラ61は、
図3及び
図7に示すように、軸方向Daで互いに対向する一対のフランジ部62を有している。一対のフランジ部62の互いに対向する面は軸方向拘束面62aを成している。一対の軸方向拘束面62aは、第三ローラ61の回転軸線に対して垂直、つまり軸方向Daに垂直で互いに平行である。可動リング31中で第三ローラ61と対向する部分には、径方向内側Driに突出し、第三ローラ61の一対のフランジ部62の間に嵌り込む突出部36が形成されている。突出部36で軸方向Daを向いている一対の側面は、第三ローラ61の各軸方向拘束面62aと対向する対向面36aを成している。この一対の対向面36aは、軸方向Daに垂直で互いに平行である。また、第三ローラ61と可動リング31とにおける径方向Drで互いに対向する相互の面は、非接触である。このため、可動リング31は、第三ローラ61に対して、径方向Drに相対移動可能であるものの、軸方向Daには相対移動不能である。
【0060】
第三ローラ61を支持する第三支持部64は、ローラ軸65と、ローラ支持台66と、複数のボルト69と、を有している。ローラ軸65は、第一支持部44と同様、第三ローラ61の中心を軸方向Daに貫通し、第三ローラ61を回転可能に支持する。ローラ支持台66は、このローラ軸65を支持する。複数のボルト69は、ローラ支持台66を静翼保持環20に固定する。
【0061】
本実施形態の軸流流体機械Cであるブースタ圧縮機では、起動時、一次圧縮機で圧縮されて温度が上昇した気体がケーシング25内に流入すると、その気体が可動リング31に接して、この可動リング31を温める。この気体は、さらに静翼保持環20内に流入して、ロータ10の回転により加圧され、温度がさらに高くなる。このため、静翼保持環20の温度は、可動リング31の温度の上昇開始に遅れて上昇し始める。よって、起動時では、可動リング31と静翼保持環20との間の温度差が時間経過に伴って変化し、しかも、温度差は最大となる。ブースタ圧縮機が起動してから所定時間経過して定常状態になると、可動リング31の温度と静翼保持環20の温度は逆転する。つまり、静翼保持環20の方が高くなり、その温度差は起動時よりも小さくなると共に、この温度差はほぼ一定になる。また、停止時では、可動リング31の温度が下降し始めてから、静翼保持環20の温度が下降始める。このため、停止時でも、起動時と同様に、可動リング31と静翼保持環20との間の温度差が時間経過に伴って変化し、しかも、温度差は最大となる。
【0062】
静翼保持環20と可動リング31との間に温度差があると、静翼保持環20と可動リング31との間の熱伸び差が生じ、この熱伸びによって静翼保持環20の径の変化と可動リング31の径の変化とに差異が生じる。静翼保持環20の径の変化と可動リング31の径の変化が異なると、可動リング31を回転可能に支持しているリング支持機構40に過負荷がかかったり、逆に、可動リング31がリング支持機構40から外れたりする。これによって、可動リング31を安定に且つスムーズに回転させることができなくなる。
【0063】
そこで、本実施形態では、可動リング31の上側である第一領域R1の外周側に、可動リング31の軸方向Da及び径方向Drの相対移動を拘束する第一ローラ41を配置する一方で、可動リング31の下側である第二領域R2の外周側に、可動リング31の径方向Drの相対移動を許容する第二ローラ51及び第三ローラ61を配置して、可動リング31の下側部分が下方に移動できるようにしている。さらに、本実施形態では、第一ローラ41による可動リング31の軸方向Da及び径方向Drの相対移動の拘束を実現するために、第二ローラ51により、可動リング31が移動できる鉛直下方成分を含む方向に可動リング31を付勢し、第一ローラ41と可動リング31との間の接触圧を確保している。
【0064】
よって、本実施形態では、静翼保持環20と可動リング31との間に温度差で、静翼保持環20と可動リング31との間の熱伸び差が生じて、静翼保持環20の径の変化と可動リング31の径の変化とが異なっても、可動リング31を回転可能に支持しているリング支持機構40に過負荷がかかったり、逆に、可動リング31がリング支持機構40から外れたりすることを回避できる。これによって、可動リング31を安定に且つスムーズに回転させることができる。
【0065】
また、本実施形態では、熱伸びによる静翼保持環20の径の変化と可動リング31の径の変化とが異なっても、可動リング31と第一ローラ41との接触圧が確保されるので、可動リング31の突出部34における一対の対向面(テーパ面)34aと、第一ローラ41の一対の軸方向拘束面(テーパ面)62aとが接触し、第一ローラ41に対する可動リング31の軸方向Daの相対移動を拘束することができる。さらに、本実施形態では、第三ローラ61の一対の軸方向拘束面62a及びこれに対向する可動リング31の突出部36における一対の対向面36aが、いずれも軸方向Daに対して垂直な面であるため、熱伸びによる静翼保持環20の径の変化と可動リング31の径の変化とが異なって、第三ローラ61に対して可動リング31が径方向Drに相対移動しても、第三ローラ61に対する可動リング31の軸方向Daの相対移動を拘束することができる。すなわち、本実施形態では、熱伸びによる静翼保持環20の径の変化と可動リング31の径の変化とが異なっても、2個の第一ローラ41により可動リング31の軸方向Daの相対移動が拘束されると共に、1個の第三ローラ61により可動リング31の軸方向Daの相対移動が拘束され、可動リング31の全周に渡って軸方向Daの移動が拘束される。
【0066】
ところで、可動リング31が軸方向Daに移動すると、可動リング31と各可変静翼16との間の軸方向Daの距離が変化して、可動リング31と可変静翼16とを連結する駆動力伝達機構75の状態が変化するため、各可変静翼16を目的の翼角度にすることができない。しかしながら、本実施形態では、前述したように、可動リング31の全周に渡って可動リング31の軸方向Daへの移動が拘束されるので、各可動静翼16,18と可動リング31との間の軸方向Daの距離を一定に保つことができ、各可変静翼16を目的の翼角度にすることができる。
【0067】
以上のように、本実施形態では、可動リング31のスムーズな回転を確保しつつ、各可変静翼16の向きを目的翼角度にすることができる。
【0068】
「第二実施形態」
次に、
図8を参照して、本発明に係る軸流流体機械の第二実施形態について説明する。
【0069】
本実施形態の軸流流体機械は、第一実施形態の軸流流体機械における各ローラ41,51,61の数及び配置を変えたもので、その他の構成は基本的に第一実施形態の軸流流体機械と同様である。そこで、以下では、本実施形態の軸流流体機械における各ローラ41a,51a,61aの数及び配置等について詳細に説明し、その他の事項の説明に関しては基本的に省略する。
【0070】
本実施形態における軸流流体機械の可変静翼駆動装置30aは、2個の第一ローラ41aと、1個の第二ローラ51aと、2個の第三ローラ61aとを備えている。
【0071】
2個の第一ローラ41aは、第一実施形態と同様、静翼保持環20の第一領域R1の外周側であって、ロータ軸線Arを通る鉛直線に対して互いに線対称な位置に配置されている。また、1個の第二ローラ51aは、静翼保持環20の第二領域R2の外周側であって、ロータ軸線Arを通る鉛直線上の位置に配置されている。つまり、第二ローラ51aは、ロータ軸線Arの鉛直下方の位置に配置されている。2個の第三ローラ61aは、静翼保持環20の第二領域R2の外周側であって、ロータ軸線Arを通る鉛直線に対して互いに線対称な位置に配置されている。
【0072】
すなわち、本実施形態の可変静翼駆動装置30aは、第一実施形態における第二ローラ51の位置と第三ローラ61の位置とを逆にしている。
【0073】
本実施形態でも、第一実施形態と同様、可動リング31の上側である第一領域R1の外周側に、可動リング31の軸方向Da及び径方向Drの相対移動を拘束する第一ローラ41aを配置する一方で、可動リング31の下側である第二領域R2の外周側に、可動リング31の径方向Drの相対移動を許容する第二ローラ51a及び第三ローラ61aを配置して、可動リング31の下側部分が下方に移動できるようにしている。さらに、本実施形態でも、第一ローラ41aによる可動リング31の軸方向Da及び径方向Drの相対移動の拘束を実現するために、第二ローラ51aにより、可動リング31が移動できる鉛直下方成分を含む方向に可動リング31を付勢し、第一ローラ41aと可動リング31との間の接触圧を確保している。
【0074】
よって、本実施形態でも、第一実施形態と同様、静翼保持環20と可動リング31との間に温度差で、熱伸びによる静翼保持環20の径の変化と可動リング31の径の変化とが異なっても、可動リング31を回転可能に支持しているリング支持機構40aに過負荷がかかったり、逆に、可動リング31がリング支持機構40aから外れたりすることを回避できる。これによって、可動リング31を安定に且つスムーズに回転させることができる。
【0075】
さらに、本実施形態でも、可動リング31の全周に渡って可動リング31の軸方向Daへの移動が拘束されるので、各可変静翼16と可動リング31との間の軸方向Daの距離を一定に保つことができ、各可変静翼16を目的の翼角度にすることができる。
【0076】
「第三実施形態」
次に、
図9を参照して、本発明に係る軸流流体機械の第三実施形態について説明する。
【0077】
本実施形態の軸流流体機械は、第一及び第二実施形態の軸流流体機械における各ローラの数及び配置を変えたもので、その他の構成は基本的に第一及び第二実施形態の軸流流体機械と同様である。そこで、以下では、本実施形態の軸流流体機械における各ローラ41b,51b,61bの数及び配置等について詳細に説明し、その他の事項の説明に関しては基本的に省略する。
【0078】
本実施形態における軸流流体機械の可変静翼駆動装置30bは、第一実施形態と同様、2個の第一ローラ41bと、1個の第二ローラ51bと、1個の第三ローラ61bとを備えている。
【0079】
2個の第一ローラ41bは、静翼保持環20の下側の第二領域R2の外周側で且つ可動リング31の外周側であって、ロータ軸線Arを通る鉛直線に対して互いに線対称な位置に配置されている。1個の第二ローラ51bは、静翼保持環20の第二領域R2の外周側で且つ可動リング31の内周側であって、ロータ軸線Arを通る鉛直線上の位置に配置されている。1個の第三ローラ61bは、静翼保持環20の上側の第一領域R1の外周側で且つ可動リング31の内周側であって、ロータ軸線Arを通る鉛直線上の位置に配置されている。
【0080】
以上、本実施形態でも、第一及び第二実施形態と同様、リング支持機構40bに過負荷がかからず、可動リング31のスムーズな回転を確保しつつ、各可変静翼16を目的翼角度にすることができる。
【0081】
なお、本実施形態では、第一ローラ41bを可動リング31の外周側に配置しているが、第三ローラ61bも可動リング31の外周側に配置してよい。さらに、第二ローラ51bも、可動リング31の外周側に配置してもよい。但し、この場合、第二支持部54のコイルバネ57による第二ローラ51bの付勢力の方向を以上の実施形態と逆向きにする必要がある。また、第一実施形態及び第二実施形態においても、第一ローラ41,41a、第二ローラ51,51a、第三ローラ61,61aをそれぞれ可動リング31の外側に配置してもよい。
【0082】
また、以上の実施形態において、ロータ軸線Arに対する各ローラの上下関係を逆にしてもよい。
【0083】
さらに、以上の実施形態では、いずれも、ローラ側に一対のフランジ部を形成し、可動リング31側に一対のフランジ部間に入り込む突出部を形成しているが、逆に、可動リング31側に一対のフランジ部を形成し、ローラ側に一対のフランジ部間に入り込む突出部を形成してもよい。また、一対のフランジ部間に入り込む突出部は、必ずしも凸状でなくてもよい。例えば、ローラ側に突出部を形成する場合、ローラの回転軸が延びている方向におけるローラ全体の幅が一対のフランジ部間の幅になっていれば、ローラの外周側を凸状に形成しなくても、ローラの外周側部分がそのまま突出部となる。
【0084】
また、以上の実施形態の軸流流体機械は、いずれも、ブースタ圧縮機であるが、大気圧の気体を圧縮する通常の圧縮機であってもよい。この場合、この圧縮機のケーシングが静翼保持環を構成することになる。
【0085】
また、以上の実施形態の軸流流体機械は、いずれも、気体を圧縮する圧縮機であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、タービン等、その他の軸流流体機械Cに適用してもよい。