【文献】
Fujitsu,Relaying with Channel Resource Reuse and SIC for LTE-Advanced,3GPP TSG-RAN1 #56, R1-090707,2009年 2月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記データが前記高優先度コードストリームと低優先度コードストリームとに分割され、前記高優先度コードストリームと低優先度コードストリームとが通信送信ノードによって送信される、請求項1に記載の方法。
前記高優先度コードストリームを前記通信受信ノードと中継ノードとに送信することが、前記高優先度コードストリームに含まれるデータを前記第1の時間間隔の間に送信することを含み、
前記低優先度コードストリームを前記通信受信ノードに送信することが、前記低優先度コードストリームに含まれるデータを前記第2の時間間隔の間に送信することを含む、
請求項1に記載の方法。
前記高優先度コードストリームを前記通信受信ノードと中継ノードとに送信することが、前記高優先度コードストリームに含まれるデータを前記第1の時間間隔の間に送信することを含み、
前記低優先度コードストリームを前記通信受信ノードに送信することが、前記低優先度コードストリームに含まれるデータを前記第2の時間間隔の間に送信することを含む、
請求項6に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
前記増幅された高優先度コードストリームを前記低優先度コードストリームから分離することが、前記受信された低優先度コードストリームと前記増幅された高優先度コードストリームとの最小平均2乗誤差解析を実行することを含む、請求項13に記載の方法。
前記高優先度コードストリームが、前記高優先度コードストリームを受信する通信受信ノードのための基本通信サービスを保証するように構成されている、請求項12に記載の方法。
前記高優先度コードストリームが、前記高優先度コードストリームを受信する通信受信ノードのための基本通信サービスを保証するように構成されている、請求項18に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0011】
なお、以上の図に示されているのは、すべて、本明細書に記載されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成されたものである。
【0012】
以下の詳細な説明では添付の図面を参照するが、これらの図面は、本明細書の一部を形成する。図面では、通常、文脈により別段の指示がない限り、類似の記号は類似のコンポーネントを識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載されている説明のための実施形態は、限定的であることを意図していない。本明細書において提示される主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を用いることが可能であり、他の変更を行うことが可能である。本明細書で概括的に記載され図面に例示されている本開示の複数の態様は、広範な異なる構成で配列され、置き換えられ、組み合わされ、分離され、設計されてもよく、これらのすべてについて、本明細書で明示的に考察されることが容易に理解できよう。
【0013】
本明細書に開示されているいくつかの実施形態は、広く、1つまたは複数の中継ノードを含む無線通信システムにおいてデータを階層的に送信する技術に関する。例えば、概して、携帯電話、スマートフォン、またはラップトップコンピュータなどの通信受信ノードに向けられたデータは、基地局またはeNB(evolved Node B)などの通信送信ノードによって、高優先度コードストリームと低優先度コードストリームとに分割されうる。両方のコードストリームは、高優先度コードストリームからのデータが第1の時間間隔の間に送信され、低優先度コードストリームからのデータが第1の時間間隔とインターリーブされた第2の時間間隔の間に送信されるように、通信受信ノードに送信されうる。
【0014】
高優先度コードストリームは、第1の時間間隔の間に、通信受信ノードと中継ノードとの両方によって受信されうる。中継ノードは、通信送信ノードと同期化されており、高優先度コードストリームを増幅して第2の時間間隔の間に通信受信ノードに転送するように、構成されうる。したがって、第2の時間間隔の間には、通信受信ノードは、通信送信ノードからの低優先度コードストリームと、中継ノードからの増幅された高優先度コードストリームとの両方を受け取りうる。
【0015】
高優先度コードストリームは、通信受信ノードのための基本通信サービスを保証するように構成されうる。低優先度コードストリームは、通信受信ノードのための通信サービスを強化するように構成されうる。第1の時間間隔の間には高優先度コードストリームを受信し第2の時間間隔の間には増幅された高優先度コードストリームを受信することにより、高優先度コードストリームに含まれているデータに対する時間ダイバーシティが与えられ、それによって、無線通信システムにおけるパフォーマンスが向上しうる。したがって、通信受信ノードが高優先度コードストリームおよび/または増幅された高優先度コードストリームだけを受信する場合、この通信受信ノードは、無線通信システムにおける基本通信サービスを依然として有しうる。通信受信ノードがさらに低優先度コードストリームを受信する場合には、通信受信ノードへの通信サービスは向上する可能性があり、それによって、その通信受信ノードと関連するユーザのユーザ体験が向上する。
【0016】
本明細書に記載されている技術は、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMAおよび他のシステムなど、様々な無線通信システムに対して用いることが可能である。「システム」という用語と「ネットワーク」という用語とは、相互に交換可能なものとして用いられることが多い。CDMAシステムは、ユニバーサルテレストリアル無線アクセス(UTRA)やcdma2000などの無線技術を実装することができる。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、およびCDMAの他の変形を含む。cdma2000は、IS−2000、IS−95およびIS−856の標準に及ぶ。TDMAシステムは、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM(登録商標))などの無線技術を実装することができる。OFDMAシステムは、進化型UTRA(E−UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash−OFDM(登録商標)などの無線技術を実装することができる。UTRAおよびE−UTRAは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)は、E−UTRAを用いるUMTSのリリースである。なお、E−UTRAでは、ダウンリンクにはOFDMAが用いられ、アップリンクにはSC−FDMAが用いられる。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTEおよびGSM(登録商標)については、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と称される組織から出されている文書に記載されている。cdma2000およびUMBについては、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と称される組織から出されている文書に記載されている。
【0017】
図1は、本明細書に記載されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成されている通信送信ノード102と中継ノード104と通信受信ノード106とを含む無線通信システム100の図である。例示されている実施形態では、無線通信システム100は、通信送信ノード102によってサービスを受ける単一の「セル」として実施されている。より概括的には、無線通信システム100は複数個のセルを含みうるが、それぞれのセルは、対応する通信送信ノード102によってサービスを受けることができる。これらのおよび他の実施形態では、通信送信ノード102は、例えば基地局やeNBなどとして実施することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、通信送信ノード102は、通信受信ノード106に向けられたデータを高優先度コードストリーム108と低優先度コードストリーム110とを含む2つのコードストリームに分割するように構成されうる。通信受信ノード106に向けられたデータには、例えば、ビデオデータ、音声データ、または他のデータが含まれうる。概して、高優先度コードストリーム108の中のデータは、通信受信ノード106が無線通信システム100に首尾よくアクセスし、無線通信システム100と基本的な通信を行うことを容易にするように構成されうるとともに、低優先度コードストリーム110の中のデータは、無線通信システム100との間で強化された通信を提供するように構成されうる。
【0019】
必須ではないが、いくつかの実施形態では、低優先度コードストリーム110は、高優先度コードストリーム108の場合よりもデータ流量が低い。例えば、時間経過に伴い、通信受信ノード106に向けられたデータの約11/16が高優先度コードストリーム108を経由して送信されうるのに対し、通信受信ノード106に向けられたデータの約5/16が低優先度コードストリーム108を経由して送信されうる。
【0020】
任意選択ではあるが、通信受信ノード106に向けられたデータは、符号化されたビデオデータが例えば基本レイヤと強化レイヤとを含むように、階層化されたビデオ符号化方式を用いて符号化されたビデオデータを含むことがある。これらのおよび他の実施形態では、高優先度コードストリーム108は、例えば、制御情報と符号化されたビデオデータの基本レイヤとを含みうる。制御情報は、通信受信ノード106が無線通信システム100に首尾よくアクセスすることを容易にしうるとともに、ビデオデータの基本レイヤは、基本的なビデオ品質を提供しうる。あるいはまたは追加的に、低優先度コードストリーム110は、例えば、符号化されたビデオデータの強化レイヤを含みうる。符号化されたビデオデータの基本レイヤと符号化されたビデオデータの強化レイヤとを組み合わせることにより、通信受信ノード106は、符号化されたビデオデータの基本レイヤだけを用いた場合に可能であるよりも、より高い品質のビデオを提供することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、通信送信ノード102は、等しいまたは異なる長さのタイムスロットにおいて、高優先度コードストリーム108に含まれるデータと低優先度コードストリーム110に含まれるデータとを交互の態様でインターリーブするように構成されうる。高優先度コードストリーム108からのデータがその間に送信されるタイムスロットを、以下では、「第1の時間間隔」と称し、低優先度コードストリーム110からのデータがその間に送信されるタイムスロットを、以下では、「第2の時間間隔」と称すことがある。本明細書において用いられる「送信処理」とは、第1の時間間隔とその直後の第2の時間間隔とにわたる通信送信ノード102による送信を示すことがある。
【0022】
概して、中継ノード104は、例えば通信送信ノード102など上流の局からのデータの送信を受信し、例えば通信受信ノード106など下流の局へのデータの送信を送出するように構成されうる。これらのおよび他の実施形態では、中継ノード104は、受信モードと増幅/転送モードとを交互に行うことができる。受信モードは第1の時間間隔と同期がとれ、増幅/転送モードは第2の時間間隔と同期がとれているようにできる。例えば、受信モードにおいて、中継ノード104は、通信送信ノード102のそれぞれの送信処理の第1の時間間隔の間に高優先度コードストリーム108を受信するように構成されうる。あるいはまたは追加的に、増幅/転送モードにおいては、中継ノード104は、それぞれの送信処理の第2の時間間隔の間に高優先度コードストリーム108を増幅し通信受信ノード106に転送するように構成されうる。それぞれの送信処理の第2の時間間隔の間に中継ノード104によって増幅され通信受信ノード106に転送された高優先度コードストリーム108は、
図1では、112で識別されており、以下では、「増幅された高優先度コードストリーム112」と称される。
【0023】
通信受信ノード106は、端末、アクセス端末(AT)、モバイルステーション(MS)、ユーザ機器(UE)、加入者ユニット、または局などと称することがある。いくつかの実施形態では、通信受信ノード106は、これらに限定されることはないが、携帯電話、スマートフォン、もしくはラップトップコンピュータなど、またはこれらの組合せを含みうる。
【0024】
通信受信ノード106は、ダウンリンク(例えば、高優先度および低優先度コードストリーム108、110および/または増幅された高優先度コードストリーム112)および/またはアップリンク(図示せず)を経由して、通信送信ノード102と通信することができる。ダウンリンク(または前方向リンク)とは、通信送信ノード102から通信受信ノード106への通信リンクを指し、アップリンク(または逆方向リンク)とは、通信受信ノード106から通信送信ノード102への通信リンクを指す。
【0025】
通信受信ノード106は、概して、通信送信ノード102と中継ノード104とのどちらか一方または両方によって通信受信ノード106に送信されたデータを受信するように構成されている。いくつかの実施形態では、例えば、通信受信ノード106は、通信送信ノード102からの高優先度コードストリーム108および/または低優先度コードストリーム110に含まれているデータを受信するように構成されている。これらのまたは他の実施形態では、通信受信ノード106は、実質的に第1の時間間隔の間に高優先度コードストリーム108を受信し、実質的に第2の時間間隔の間に低優先度コードストリーム110を追加的に受信しうる。
【0026】
あるいはまたは追加的に、通信受信ノード106は、中継ノード104からの増幅された高優先度コードストリーム112に含まれているデータを受信するように構成されうる。これらのおよび他の実施形態では、通信受信ノード106は、実質的に第2の時間間隔の間に、増幅された高優先度コードストリーム112を受信しうる。したがって、通信受信ノード106は、実質的に第2の時間間隔の間に、通信送信ノード102からの低優先度コードストリーム110と中継ノード104からの増幅された高優先度コードストリーム112とを受信するように構成されうる。これは、両者が、いくつかの実施形態によると、第2の時間間隔の間に通信受信ノード106に送信されうるからである。
【0027】
あるいはまたは追加的に、通信受信ノード106は、増幅された高優先度コードストリーム112を低優先度コードストリーム110から分離するように構成されうる。例えば、通信受信ノード106は、増幅された高優先度コードストリーム112を低優先度コードストリーム110から分離するために、両者共に実質的に第2の時間間隔の間に受信される低優先度コードストリーム110と増幅された高優先度コードストリーム112との最小平均2乗誤差解析を実行することがありうる。
【0028】
図2は、本明細書に記載されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成されている
図1の無線通信システム100において送受信されるデータ200の概略図である。
図1および
図2を組み合わせて参照すると、データ200は、通信送信ノード102と関連する第1のデータ200Aと、中継ノード104と関連する第2のデータ200Bと、通信受信ノード106と関連する第3のデータ200Cとを含みうる。
【0029】
より詳細には、通信送信ノード102と関連する第1のデータ200Aは、高優先度コードストリーム108に含まれる高優先度データX
1と、低優先度コードストリーム110に含まれる低優先度データX
2とを含みうる。高優先度データX
1は、第1の時間間隔の間に通信送信ノード102によって送信され、継続時間tを有しうる。低優先度データX
2は、第2の時間間隔の間に通信送信ノード102によって送信され、やはり継続時間tを有しうる。第1の時間間隔は
図2では202で識別されており、第2の時間間隔は
図2では204で識別されている。
【0030】
中継ノード104と関連する第2のデータ200Bは、第1の時間間隔202の間に高優先度コードストリーム108において通信送信ノード102から受信される高優先度データX
1−R1と、第2の時間間隔204の間に増幅された高優先度コードストリーム112において通信受信ノード106に送信される増幅された高優先度データX
1−Aとを含みうる。いくつかの実施形態では、第2の時間間隔204の間に増幅された高優先度コードストリーム112において通信受信ノード106に送信される増幅された高優先度データX
1−Aの各ブロックは、第1の時間間隔202の直前の間に通信送信ノード102から受信された高優先度データX
1−R1の対応するブロックの増幅されたものを含みうる。
【0031】
通信受信ノード106と関連する第3のデータ200Cは、第1の時間間隔202の間に高優先度コードストリーム108において通信送信ノード102から受信される高優先度データX
1−R2を含みうる。しかし、第2の時間間隔204の間には、通信受信ノード106は、増幅された高優先度コードストリーム112において中継ノード104からの増幅された高優先度データX
1−ARと、低優先度コードストリーム110において通信送信ノード102からの低優先度データX
2−Rとの一方または両方を受信しうる。いくつかの実施形態では、通信受信ノード106で、高優先度コードストリーム108の高優先度データX
1−R2を第1の時間間隔202の間に、増幅された高優先度コードストリーム112の増幅された高優先度データX
1−ARを第2の時間間隔204の間に受信することにより、当初に送信された高優先度データX
1に関する時間ダイバーシティが提供され、これにより、例えばエラーバーストを除去するまたは最小化することによって、当初に送信された高優先度データX
1の受信パフォーマンスが向上しうる。
【0032】
図3は、本明細書に記載されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成されている、
図1の通信送信ノード102と通信受信ノード106との例示的な実施形態のブロック図である。
【0033】
この例示されている実施形態では、通信送信ノード102は、例えば、データソース302と、送信(TX)データプロセッサ304と、TX多入力多出力(MIMO)プロセッサ306と、1つまたは複数のトランシーバ308A〜308Nと、1つまたは複数のアンテナ310A〜310Nと、プロセッサ312と、メモリまたは他のコンピュータ可読記憶媒体314と、受信(RX)データプロセッサ316と、復調器318とを含みうる。トランシーバ308A〜308Nは、それぞれが、送信機(TMTR)と受信機(RCVR)とを含みうる。
【0034】
あるいはまたは追加的に、通信受信ノード106は、例えば、データソース320と、TXデータプロセッサ322と、変調器324と、1つまたは複数のトランシーバ326A〜326Nと、1つまたは複数のアンテナ328A〜328Nと、プロセッサ330と、メモリまたは他のコンピュータ可読記憶媒体332と、RXデータプロセッサ334とを含みうる。トランシーバ326A〜326Nは、それぞれが、送信機(TMTR)と受信機(RCVR)とを含みうる。
【0035】
次に、
図3に示されている通信送信ノード102と通信受信ノード106とのコンポーネントの動作の例示的な実施形態について、説明される。通信送信ノード102では、多数のデータストリームのためのトラフィックデータが、データソース302からTXデータプロセッサ304に提供されうる。TXデータプロセッサ304は、符号化されたデータを提供する当該データストリームのために選択された特定の符号化方式に基づいて、それぞれのデータストリームのためのトラフィックデータをフォーマットし、符号化し、インターリーブすることができる。
【0036】
それぞれのデータストリームのための符号化されたデータは、OFDM技術を用いて、パイロットデータと多重化されうる。パイロットデータは、既知の態様で処理され受信機システムにおいてチャネル応答を推定するのに用いることができる既知のデータパターンを含みうる。次に、それぞれのデータストリームのための多重化されたパイロットデータと符号化されたデータとは、変調シンボルを提供する当該データストリームのために選択された特定の変調方式(例えば、BPSK、QSPK、M−PSK、またはM−QAM)に基づいて、変調されうる(すなわち、シンボルマッピングされうる)。
【0037】
それぞれのデータストリームに対するデータレート、符号化、および変調は、メモリ314上に記憶されているコンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサ312によって決定されうる。あるいはまたは追加的に、プロセッサ312は、メモリ314または他の場所に記憶されており、通信送信ノード102に本明細書に記載されている動作のうちの1つまたは複数を実行させるのに有効なコンピュータ実行可能命令を実行しうる。メモリ314は、データだけではなくてプログラムコードのようなコンピュータ実行可能命令、および/または、プロセッサ312もしくは通信送信ノード102の他のコンポーネントによって用いられる他の情報を記憶することができる。
【0038】
次に、すべてのデータストリームに対する変調シンボルがTX MIMOプロセッサ306に提供され、TX MIMOプロセッサ306がこの変調シンボル(例えば、OFDMのために)をさらに処理することがありうる。次いで、TX MIMOプロセッサ306は、変調シンボルストリームをトランシーバ308A〜308Nに提供しうる。いくつかの実施形態では、TX MIMOプロセッサ306は、データストリームのシンボルに、および/または、シンボルがそこから送信されるアンテナ310A〜310Nに、ビームフォーミングウェイトを適用しうる。
【0039】
それぞれのトランシーバ308A〜308Nは、1つまたは複数のアナログ信号を提供するようにそれぞれのシンボルストリームを受信して処理し、MIMOチャネル上の送信に適した変調された信号を提供するようにアナログ信号をさらに条件付ける(例えば、増幅する、フィルタリングする、かつ/またはアップコンバートする)ことがある。トランシーバ308A〜308Nからの変調された信号は、次に、それぞれアンテナ310A〜310Nから送信される。
【0040】
通信受信ノード106において、変調され送信された信号は、アンテナ328A〜328Nによって受信され、それぞれのアンテナ328A〜328Nからの受信された信号は、それぞれのトランシーバ326A〜326Nに提供されうる。それぞれのトランシーバ326A〜326Nは、それぞれの受信された信号を条件付けし(例えば、フィルタリングし、増幅し、ダウンコンバートし)、条件付けされた信号をデジタル化してサンプルを提供し、さらにサンプルを処理して対応する「受信された」シンボルストリームを提供しうる。
【0041】
次に、RXデータプロセッサ334は、「検出された」シンボルストリームを提供するために、特定の受信機処理技術に基づいて、トランシーバ326A〜326Nからの受信されたシンボルストリームを受け取り処理しうる。次いで、RXデータプロセッサ334は、データストリームのためのトラフィックデータを回復するために、それぞれの検出されたシンボルストリームを復調し、デインターリーブして、復号しうる。RXデータプロセッサ334による処理は、TX MIMOプロセッサ306とTXデータプロセッサ304とによって通信送信ノード102において実行される処理に対して、相補的でありうる。
【0042】
プロセッサ330は、どのプリコーディング行列を用いるべきかを周期的に判断しうる。プロセッサ330は、行列インデクス部分とランク値部分とを含む逆方向リンクメッセージを定式化しうる。あるいはまたは追加的に、プロセッサ330は、メモリ332または他の場所に記憶されており通信受信ノード106に本明細書に記載されている動作の1つまたは複数を実行させるのに有効なコンピュータ実行可能命令を実行することができる。メモリ332は、データだけではなくてプログラムコードのようなコンピュータ実行可能命令、および/または、プロセッサ312もしくは通信受信ノード106の他のコンポーネントによって用いられる他の情報を記憶することができる。
【0043】
逆方向リンクメッセージは、通信受信ノード106によって生成され、通信受信ノード106と通信送信ノード102との間の通信リンクに関する、および/または、受信されたデータストリームに関する、様々なタイプの情報を含みうる。逆方向リンクメッセージは、データソース320からの1つまたは複数のデータストリームのためのトラフィックデータを受信することもできるTXデータプロセッサ322によって処理され、変調器324によって変調され、トランシーバ326A〜326Nによって条件付けされ、通信送信ノード102へと送り返されてもよい。
【0044】
通信送信ノード102においては、通信受信ノード106からの変調された信号がアンテナ310A〜310Nによって受信され、トランシーバ308A〜308Nによって条件付けされ、復調器318によって復調され、RXデータプロセッサ316によって処理されることにより、通信受信ノード106によって送信された逆方向リンクメッセージが抽出される。次に、プロセッサ312は、ビームフォーミングウェイトを決定するのにどのプリコーディング行列を用いるべきかを決定し、および/または、次に抽出されたメッセージを処理しうる。
【0045】
図4は、本明細書に記載されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、無線通信システムでデータを送信する方法400の例示的な流れ図を示している。方法400は、例えば
図1の無線通信システム100における通信送信ノード102などによって、全体としてまたは部分的に実行されうる。方法400は、ブロック402、404および/または406のうちの1つまたは複数によって例示されているように、様々な動作、機能または作用を含む。方法400は、ブロック402で開始しうる。
【0046】
ブロック402[「通信受信ノードに向けられたデータを、高優先度コードストリームと低優先度コードストリームとに分割する」]では、
図1の通信受信ノード106などの通信受信ノードに向けられたデータが、
図1の高優先度および低優先度コードストリーム108、110などの高優先度コードストリームと低優先度コードストリームに分割される。データは、このデータの相対的な重要性に基づいて、高優先度コードストリームと低優先度コードストリームに分割されうる。例えば、階層的ビデオ符号化方式を用いて符号化されたビデオデータは、基本レイヤと強化レイヤとを含みうる。いくつかの実施形態では、基本レイヤは強化レイヤよりも相対的により重要であると考えてもよく、したがって、基本レイヤは高優先度コードストリームに含まれうるが、強化レイヤは低優先度コードストリームに含まれうる。
【0047】
高優先度コードストリームと低優先度コードストリームとに含まれるデータは、符号化されうる。これらのおよび他の実施形態では、高優先度コードストリームと低優先度コードストリームでのデータの符号化は、同じ場合と異なる場合とがありうる。あるいはまたは追加的に、高優先度コードストリームは通信受信ノードのための基本通信サービスを保証するように構成されうるとともに、低優先度コードストリームは通信受信ノードのための通信サービスを強化するように構成されうる。ブロック402の次には、ブロック404が続きうる。
【0048】
ブロック404[「高優先度コードストリームを、通信受信ノードと中継ノードとに送信する」]では、高優先度コードストリームが、通信受信ノードと中継ノードとに送信されうる。これらのおよび他の実施形態では、中継ノードは、高優先度コードストリームを受信し、増幅して、通信受信ノードに転送するように構成されうる。あるいはまたは追加的に、通信受信ノードは、実質的に第1の時間間隔の間に高優先度コードストリームを受信するように構成され、実質的に第1の時間間隔とインターリーブされた第2の時間間隔の間に、低優先度コードストリームと増幅された高優先度コードストリームとの両方を受信するようにさらに構成されうる。あるいはまたは追加的に、高優先度コードストリームを通信受信ノードと中継ノードとに送信することは、高優先度コードストリームに含まれるデータを第1の時間間隔の間に送信することを含みうる。ブロック404の次には、ブロック406が続きうる。
【0049】
ブロック406[「低優先度コードストリームを、通信受信ノードに送信する」]では、低優先度コードストリームが、通信受信ノードに送信されうる。低優先度コードストリームを通信受信ノードに送信することは、低優先度コードストリームに含まれるデータを第2の時間間隔の間に送信することを含みうる。
【0050】
本明細書に開示されているいくつかの実施形態は、
図4のブロック402、404、および/または406によって例示されている動作など、
図4の方法400に含まれる動作を実行するようにコンピューティングデバイスによって実行可能なコンピュータ実行可能命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を含む。これらのおよび他の実施形態では、コンピューティングデバイスは、通信送信ノードに含まれうる。例えば、コンピューティングデバイスは、
図3の通信送信ノード102に含まれるプロセッサ312を含みうる。あるいはまたは追加的に、コンピュータ可読記憶媒体は、
図3の通信送信ノード102に含まれるメモリ314を含みうる。
【0051】
本明細書に開示されているこのおよび他の処理ならびに方法に関し、処理および方法で実行される機能は異なる順序での実装も可能であるということは、当業者であれば理解するはずである。さらに、概説されているステップおよび動作は単なる例として提供されているにすぎず、開示されている実施形態の本質を損ねることなく、ステップおよび動作のうちのいくつかは、任意選択とすることができる、組み合わせてより少数のステップおよび動作にすることができる、または追加的なステップおよび動作に拡張することができる。
【0052】
例えば、低優先度コードストリームが通信受信ノードに送信されるブロック406は、無線通信システムにおけるデータトラフィックを低減させるために、省略することが可能である。データトラフィックの減少は、無線通信システムにおけるシステムリソースに対する要求が大きな期間、リソースの利用可能性が低い期間、および/または他の場合に、望ましいことがありうる。これらのおよび他の実施形態では、通信受信ノードに送信されるおよび中継ノードによって通信受信ノードに転送される高優先度コードストリームは、通信受信ノードのための基本通信サービスを保証することができるとともに、システムリソースに対する要求は、低優先度コードストリームを送信しないことによって減少させることができる。
【0053】
図5は、本明細書に記載されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成されている、無線通信システムにおいてデータを受信する方法500の例示的な流れ図を示している。方法500は、全体として、または部分的に、例えば
図1の無線通信システム100における通信受信ノード106などによって、実行されうる。方法500は、ブロック502、504、506の1つまたは複数によって例示されているように、様々な動作、機能または作用を含む。方法500は、ブロック502で開始しうる。
【0054】
ブロック502[「実質的に第1の時間間隔の間に、高優先度コードストリームを通信送信ノードから受信する」]では、通信送信ノードからの高優先度コードストリームが、実質的に第1の時間間隔の間に受信される。第1の時間間隔202は、例えば、
図2の第1の時間間隔に対応しうる。高優先度コードストリームは、高優先度コードストリームを受信する通信受信ノードのための基本通信サービスを保証するように構成されうる。ブロック502の次には、ブロック504が続きうる。
【0055】
ブロック504[「実質的に第2の時間間隔の間に、低優先度コードストリームを通信送信ノードから受信する」]では、通信送信ノードからの低優先度コードストリームが、実質的に第2の時間間隔の間に受信されうる。第2の時間間隔は、例えば、
図2の第2の時間間隔204に対応しうる。低優先度コードストリームは、高優先度コードストリームだけが受信されるときの受信品質に対して、通信受信ノードのための通信サービスを強化するように構成されうる。ブロック504の次には、ブロック506が続きうる。
【0056】
ブロック506[「実質的に第2の時間間隔の間に、増幅された高優先度コードストリームを中継ノードから受信する」]では、中継ノードからの増幅された高優先度コードストリームが、実質的に第2の時間間隔の間に受信されうる。いくつかの実施形態では、第1の時間間隔の間に高優先度コードストリームを受信し、第2の時間間隔の間に増幅された高優先度コードストリームを受信するというように、両方を受信することによって、高優先度コードストリームに含まれるデータに対する時間ダイバーシティが与えられる。通信受信ノードは、この時間ダイバーシティを利用して、例えばエラーバーストを最小化するまたは減少させ、それによって、受信パフォーマンスを向上させることができる。
【0057】
方法500は、
図5に例示されているよりも多数のまたはそれよりも少数のステップを含むように、修正することが可能である。例えば、低優先度コードストリームが通信送信ノードから受信されるブロック504は、例えば、通信送信ノードが低優先度コードストリームを送信しない場合、またはそうでなければ、通信受信ノードが低優先度コードストリームを受信できない場合には、省略することができる。
図4に関して上述したように、通信送信ノードは、システムリソースに対する要求が大きい期間、リソースの利用可能性が低い期間、またはそれに類似する期間には、低優先度コードストリームを送信しないという決定をすることができる。これらのおよび他の実施形態では、通信送信ノードから受信される高優先度コードストリームと中継ノードから受信される増幅された高優先度コードストリームとにより、低優先度コードストリームが存在しない場合であっても、通信受信ノードのための基本通信サービスが保証されうる。
【0058】
別の例として、方法500は、増幅された高優先度コードストリームを低優先度コードストリームから分離することをさらに含む場合もありうる。増幅された高優先度コードストリームを低優先度コードストリームから分離することは、受信された低優先度コードストリームと増幅された高優先度コードストリームとについて最小平均2乗誤差解析を実行することを含みうる。
【0059】
さらに別の例として、方法500は、サービスの品質を向上させるために、低優先度コードストリームと高優先度コードストリームとを組み合わせることをさらに含みうる。低優先度コードストリームと高優先度コードストリームとは、高優先度コードストリームと低優先度コードストリームとにおけるデータがビデオデータを含む実施形態において階層的なビデオデコーダなどの特定のデコーダを用いることにより、組み合わせることが可能である。
【0060】
本明細書に開示されているいくつかの実施形態には、
図5におけるブロック502、504、および/または506によって例示されている動作など、
図5の方法500に含まれている動作を実行するためにコンピューティングデバイスによって実行可能なコンピュータ実行可能命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体が含まれる。これらのおよび他の実施形態において、コンピューティングデバイスは、通信受信ノードに含まれうる。例えば、このコンピューティングデバイスは、
図3の通信受信ノード106に含まれるプロセッサ330を含みうる。あるいはまたは追加的に、コンピュータ可読記憶媒体は、
図3の通信受信ノード106に含まれているメモリ332を含みうる。
【0061】
図6は、本明細書に記載されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成されている様々な無線通信システムの間の性能(capacity)を比較するグラフである。
図6は、第1の曲線602と第2の曲線604とを含んでいる。第1の曲線602は、第1の無線通信システムにおいてシミュレートされた性能を距離D(単位は、キロメートル(km))の関数として表しうる。第1の無線通信システムは、概して、
図1に例示されているように構成可能であって、通信送信ノードと、中継ノードと、通信受信ノードとを含むことができ、これらすべては概ね、上述したように構成されている。距離Dは、通信送信ノードから通信受信ノードまでの距離を示すことができる。次の表1には、第1の曲線602のシミュレーションにおいて用いられた様々なシミュレーションパラメータが与えられている。
【0063】
第2の曲線604は、第2の無線通信システムにおいてシミュレートされた性能を、距離Dの関数として表しうる。第2の無線通信システムは、中継ノードを含まず、通信送信ノードと通信受信ノードとを含みうる。さらに、第2の無線通信システムは、中継ノードが存在しない無線通信システムにおいて用いられることが多い標準的な高カバレッジブロードキャストモードを実装しうる。
【0064】
第1および第2の曲線602、604を比較することによって
図6に見られるように、第1および第2の無線通信システムの性能は、D=0kmから約D=1.15kmまでは実質的に同一である。しかし、約D=1.15kmから約D=2kmでは、中継ノードを含んでおり本明細書に開示されているように概して構成されている第1の無線通信システムの性能は、中継ノードを欠いている第2の無線通信システムの性能と比較して著しく向上している。
【0065】
図7は、少なくともいくつかの実施形態に従って構成されている様々な無線通信システムの間で動作停止発生率を比較しているグラフである。
図7は、第1の曲線702と、第2の曲線704と、第3の曲線706とを含んでいる。第1の曲線702は、
図6との関係で記載した第1の無線通信システムにおける高優先度コードストリームについて、シミュレートされた動作停止を、距離D(単位km)の関数として表しうる。第2の曲線704は、第1の無線通信システムにおける低優先度コードストリームについて、シミュレートされた動作停止を、距離Dの関数として表しうる。第3の曲線706は、
図6との関係で記載した第2の無線通信システムにおける標準的な送信ストリームについて、シミュレートされた動作停止を、距離Dの関数として表しうる。
【0066】
第1、第2および第3の曲線702、704、706を比較することによって
図7に見られるように、高優先度コードストリームの動作停止(第1の曲線702)は、約1kmから約2kmにおいて、標準的な送信ストリームの動作停止(第3の曲線706)よりも著しく少ない。さらに、低優先度コードストリームの動作停止(第2の曲線704)は、約1.25kmから約2kmにおいて、標準的な送信ストリームの動作停止よりも著しく少ない。
【0067】
本明細書に記載されているいくつかの実施形態は、例えば、システムの性能を向上させることにより、もしくは、ユーザの動作停止発生率を減少させることにより、またはそれ以外の点でパフォーマンスを向上させることにより、無線通信システムのパフォーマンスを向上させうることが、
図6および
図7から見ることができる。あるいはまたは追加的に、本明細書に記載されているいくつかの実施形態は、無線通信システムに低コストの中継ノードを追加し、階層的な送信方式を実装することによって、既存の無線通信システムにおいて実装することが可能である。したがって、本明細書に記載されているいくつかの実施形態は、無線通信システムのオペレータが無線システムのカバレッジを効率的かつ柔軟に拡げ、また、システムに関するユーザの体験を向上させることを可能にすることにより、顧客規模を拡大し営業利益を増大させる。
【0068】
本開示は、本明細書に記載され様々な態様の例示として意図されている特定の実施形態に限定されることはない。当業者には明らかであるように、その精神および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変更を行うことが可能である。本明細書で列挙されたものに加えて、本開示の範囲に含まれる機能的に均等な方法および装置が、以上の記載から当業者には明らかなはずである。そのような修正形態および変更形態は、添付の特許請求の範囲に属することが意図されている。本開示は、特許請求の範囲が及ぶ均等物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲の文言によってのみ限定される。本開示は、当然に変動の余地がある特定の方法、試薬、化合物、組成または生物系に限定されないことを理解すべきである。また、本明細書で用いられている用語は特定の実施形態を説明する目的のみを有するのであって、限定を意図していないことも理解すべきである。
【0069】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0070】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0071】
さらに、本開示の特徴や態様がマーカッシュグループとして記載されている場合には、当業者であれば、そのような開示が、そのマーカッシュグループの任意の個々の構成要素または複数の構成要素から構成されるサブグループとしても記載されることを理解するはずである。
【0072】
当業者であれば理解するように、任意のおよびすべての目的について、記載された説明を提供することに関し、本明細書で開示されているすべての範囲は、任意のおよびすべての可能性のある下位の範囲と下位の範囲の組合せとにも及ぶ。任意のリスト化されている範囲は、同一の範囲が、少なくとも、等しい2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されることを十分に説明し可能にしているものとして、容易に認識されうる。非限定的な例として、本明細書で論じられているそれぞれの範囲は、下位の3分の1、中間の3分の1、上位の3分の1などに容易に分割することができる。また、当業者であれば理解するように、「まで」や「少なくとも」などのすべての言葉は、言及された数字を含み、上述したように、以後に下位の範囲に分割することができる範囲にも及ぶ。最後に、当業者に理解されるように、範囲はそれぞれの個別の構成要素を含む。したがって、例えば、1から3個のセルを有するグループは、1、2または3個のセルを有するグループに及ぶ。同様にして、1から5個のセルを有するグループは、1、2、3、4または5個のセルを有するグループに及ぶ、などである。
【0073】
本明細書では本開示の様々な実施形態について説明の目的で記載してきたが、本開示の範囲および精神から逸脱することなく様々な修正を行いうることは、以上から理解されるであろう。したがって、本明細書において開示されている様々な実施形態は、限定を意図しておらず、真の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって示される。