(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769887
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】喫煙品および喫煙品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A24D 3/04 20060101AFI20150806BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
A24D3/04
A24D1/02
【請求項の数】17
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-531317(P2014-531317)
(86)(22)【出願日】2012年9月25日
(65)【公表番号】特表2014-529999(P2014-529999A)
(43)【公表日】2014年11月17日
(86)【国際出願番号】GB2012052371
(87)【国際公開番号】WO2013045912
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2014年4月7日
(31)【優先権主張番号】1116541.2
(32)【優先日】2011年9月26日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】カリューラ、カール
【審査官】
土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−166387(JP,A)
【文献】
米国特許第04700725(US,A)
【文献】
特表2013−509161(JP,A)
【文献】
米国特許第03376874(US,A)
【文献】
米国特許第04834117(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/04
A24D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端面を画定する第1部分と、
第2端面を画定する第2部分とを含み、
第1部分は第2部分に対して回転可能であり、
第1および第2端面が長手方向に離れているときに、第1および第2部分は回転可能であり、
第1および第2端面は、第1部分と第2部分の回転を所定の範囲内に制限するために係合するように構成されている喫煙品。
【請求項2】
第1および第2端面が係合することによってさらなる回転が実質的に妨げられることを特徴とする請求項1に記載の喫煙品。
【請求項3】
前記第1および/または第2部分は、長手方向軸を画定し、第1端面および/または第2端面は横方向面に対して角度が付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項4】
初期の状態において、前記第1端面は、第2端面に対して平行に延びていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項5】
前記第1部分が第1フィルターセクションであり、前記第2部分が第2フィルターセクションであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項6】
前記第1および第2端面は、平面であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項7】
前記第1端面と第2端面は、初期の状態において、長手方向に0.5mm〜2mmおよび選択的に1.2mm〜1.6mm、または選択的に0.5mm超、または選択的に1mm〜1.5mmの間隔をおいて離れていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項8】
前記第1部分は、1つ以上の第1換気領域を含み、前記第2部分は、1つ以上の第2換気領域を含み、第1部分と第2部分間の相対的な回転によって第1および第2換気領域の重なる領域を調整して、喫煙品の換気を決めることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項9】
前記第2部分は、前記第1および第2端面の周囲に延びたスリーブを含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項10】
前記第1および第2部分間の回転が割送りされるように構成された割送り手段をさらに含み、第1部分および第2部分の一方は、第1部分および第2部分の他方に画定された凹みによって受けられるようになっている少なくとも1つの係止爪を含むことを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項11】
前記第1および第2端面は、回転によって前記第1および第2部分間の長手方向の移動が実質的に生じないように構成されていることを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項12】
第1端面を画定する第1フィルターセクションを有する第1部分と、
第2端面を画定する第2フィルターセクションを有する第2部分とを含み、
第1フィルターセクションは、第2フィルターセクションに対して回転可能であり、
第1および第2端面が長手方向に離れているときに、第1および第2部分は回転可能であり、
第1および第2端面は、第1部分と第2部分の回転を所定の範囲内に制限するために係合するように構成されているフィルター集合体。
【請求項13】
第1および第2端面が係合することによってさらなる回転が実質的に妨げられることを特徴とする請求項12に記載のフィルター集合体。
【請求項14】
前記第1端面および第2端面は、横方向面に対して角度が付けられていることを特徴とする請求項12または13に記載のフィルター集合体。
【請求項15】
第1部分に第1端面を形成することと、
第2部分に第2端面を形成することと、
第1部分が第2部分に対して回転することができ、第1および第2端面が長手方向に離れているときに、第1および第2部分は回転可能となり、第1および第2端面が第1部分と第2部分の回転を所定の範囲内に制限するために係合可能になるように第1および第2部分を連結することとを含む喫煙品の製造方法。
【請求項16】
前記第1および第2端面が長手方向に離れて、前記第1部分および第2部分を接続することをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1端面および第2端面は、前記第1部分および第2部分を分離する単独の切断部によって形成され、この切断部は、横方向面に対して角度が付けられていることを特徴とする請求項15または16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙品、喫煙品用のフィルター部品および喫煙品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、相対的に回転可能なフィルターセグメントによって調節することによって換気が変えられる喫煙品について記載している。間隔をおいて位置する停止部材が1つのフィルターセグメントに設けられており、舌状の係合部材がもう一方のフィルターセグメントに設けられている。係合エレメントの縁部は、停止部材の縁部と係合して、回転を制限する。この喫煙品の製造は、停止部材と係合エレメントの形成を必要とする。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、第1の態様において、第1端面を画定する第1部分と、第2端面を画定する第2部分とを含み、第1部分は第2部分に対して回転可能であり、第1および第2端面は、第1部分と第2部分の回転を制限するために係合するように構成されている喫煙品を提供する。いくつかの態様において第1および第2部分は、第1および第2端面が長手方向に離れているときに回転可能であり、第1および第2端面が係合することによってさらなる回転が実質的に妨げられる。他の態様において、第1および/または第2部分は、長手方向軸を画定し、第1端面および/または第2端面は横方向面に対して角度が付けられている。
【0004】
本開示は、さらに第2の態様において、喫煙品用のフィルター集合体を提供し、これは第1端面を画定する第1フィルターセクションを有する第1部分と、第2端面を画定する第2フィルターセクションを有する第2部分とを含み、第1フィルターセクションは、第2フィルターセクションに対して回転可能であり、第1および第2端面は、第1部分と第2部分の回転を制限するために係合するように構成されている。
【0005】
本開示は、さらに第3の態様において、喫煙品の製造方法を提供し、これは第1部分に第1端面を形成すること、第2部分に第2端面を形成すること、第1部分が第2部分に対して回転でき、第1および第2端面が第1部分と第2部分の回転を制限するために係合可能になるように第1および第2部分を連結することを含む。
【0006】
本発明の実施態様を添付図面を参照してあくまで例示を目的として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明によるある程度形成された状態の喫煙品の斜視図である。
【
図2】
図1に示したある程度形成された喫煙品の
図3のA−A線に沿った断面図である。
【
図3】
図1に示したある程度形成された喫煙品の横方向面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜3は、本開示のいくつかの実施態様による喫煙品を示している。喫煙品は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているか否かに関係なく紙巻きタバコ、シガーまたはシガリロなどの物品および発熱するが燃焼しない製品(即ち喫煙材を燃焼させずに熱を加えることによって喫煙材から風味が発せられる製品)であってもよい。便宜上、これらを本明細書では「喫煙品」という。
【0009】
例示を目的として、限定せずに本明細書中で実施され、図に例示するように例示的喫煙品1は、喫煙材源11を有する第1部分を含み、これはタバコであってもよい。喫煙材源11は、タバコロッド状であるとして例示されている。喫煙品1は、さらに喫煙材源11に取り付けられたフィルター集合体10を含む。図に示すように喫煙品は、換気度などの喫煙品の性質を選択するために回転可能な回転部分を含む。また喫煙品は、所定の範囲内で回転を制限するように構成された回転制限手段を含む。いくつかの態様においてフィルター集合体がこの回転制限手段を形成する。
【0010】
いくつかの実施態様ではフィルター集合体10は、第1フィルターセクション12と第2フィルターセクション14とを含む。第1フィルターセクション12は、喫煙材源に取り付けられ、単独のユニットまたはユニット式の集合体を形成する。タバコロッドおよび第1フィルターセクション12は、従来から知られているように好ましくはチッピング紙で形成されたカバー層で接続され、第1フィルターセクション12をタバコロッドに固定してもよい。タバコロッドと第1フィルターセクションは、喫煙品の第1部分またはタバコユニットと言ってもよい。長尺のタバコロッドと第1フィルターセクションは、長手方向軸を画定する。
【0011】
さらに例示するようにいくつかの実施態様では、喫煙品の第2部分は、第2フィルターセクション14を含む。第2フィルターセクション14は、第1フィルターセクション12に対して同軸であり、第1フィルターセクション12の後方に位置している。喫煙品は、後方の近位端1bおよび前方の遠位端1aを画定し、近位端1bは、使用の際に喫煙品のユーザーに近い方の端部である。
【0012】
喫煙品の第2部分は、さらにタバコロッド11および/または第1フィルターセクション12の円周の周りで延びた円筒状管形状のスリーブ13を含む。スリーブ13の材料は、いくつかの実施において実質的に空気不透過性であってもよく、紙の円筒として形成してもよい。タバコロッドと第1フィルターセクションは、ユニットとしてスリーブ13内で長手方向軸の周囲で回転するような寸法に形成される。第2フィルターセクション14は、第1フィルターセクション12に隣接するスリーブ13のマウスピース端部にある。第2フィルターセクション14は、しっかりとスリーブ内に取り付けられ、固定されている。第1および第2フィルターセクションは、好ましくは従来のろ過材、例えばセルロースアセテートトウで作製されている。ろ過材は、シート材、好ましくは紙、例えばプラグラッパーで包まれてもよい。
【0013】
さらなる例示によって、喫煙品のいくつかの実施態様には喫煙品の換気を調整することができるように構成された換気システムが設けられている。換気システムは、いくつかの実施において、1つ以上の換気領域を含み、これは第1部分および第2部分の1つまたはそれぞれにおいて換気開口部または空気透過性材を供するおよび/または画定する。例えば、スリーブの換気領域および第1および第2フィルターセクションの周囲のシート材の層が位置合わせされると、空気が第1および第2フィルターセクションの胴体内に流れる。換気は、第1部分に対する第2部分の回転位置を選択することによって選択される。喫煙品は、さらに喫煙品の長手方向軸を中心にした第1および第2部分の相対的な回転を制限するように構成された回転制限手段(制限機構)を含んでもよい。回転制限手段は、所定の範囲内に回転を制限するように構成してもよい。いくつかの態様において所定の回転範囲は、あらゆる所望の角度増分、例えば5度、10度または15度ずつ増えていって約90から約180度の角度の範囲にあればよく、例えば約120度回転可能であってもよい。
【0014】
種々の実施態様において、回転制限手段は、第1部分に画定された第1端面22と第2部分に画定された第2端面24を含む。いくつかの態様において第1端面22は、第1フィルターセクション12の端面であり、および/または第2端面24は、第2フィルターセクション14の端面である。第1および第2端面22、24は、第1および第2フィルターセクション12、14の長手方向端部を形成する実質的に長手方向に向いた面である。第1および第2端面22、24は、第1および第2部分の表面に向いている。第1および第2端面22、24は、第1部分と第2部分の回転を制限するように構成されている。図に示すように第1および第2部分は、第1および第2端面が間隔26によって長手方向に離れているときに回転することができる。第1および第2端面22、24の少なくとも一部が接触または係合することによってさらなる回転を制限し、実質的に回転を妨げる。
【0015】
第1部分は、第2部分に対して所定の長手方向位置で回転自在である。喫煙品は、第1および第2部分の相対的な長手方向の移動を制限するための制限機構を含んでもよい。制限機構の例示的実施態様について以下に説明する。
【0016】
第1および第2端面22、24は、第1および第2端面22、24が接触している間、回転によって第1および第2部分の間の長手方向の移動が実質的に生じないように構成されている。いくつかの例では第1部分の隣接する材料は第1端面の材料も形成し、および/または第2部分の隣接する材料は、第2端面も形成する。いくつかの態様において第1および第2部分は、第1および第2端面22、24がろ過材で形成されるようにろ過材で形成される。いくつかの例では第1および第2端面が係合すると、第1端面22を形成するろ過材と第2端面24を形成するろ過材間の摩擦によって実質的にさらなる回転が妨げられる。この摩擦は、第1および第2端面の領域の一部のみが係合するときにさらなる回転を抑制する。
【0017】
フィルターの第1および第2セクションは、長手方向軸を画定する。横方向面がこの長手方向軸に直角な面として画定される。いくつかの態様において第1および第2端面の一方または両方が横方向面に対して角度が付けられ、即ち横方向面に対して平行ではない。いくつかの態様において第1および第2端面は、横方向面に対して同じ角度で延びてもよい。例えば、その角度は、約10〜45度であってもよい。またその角度は、約10〜30度または約15〜25度の所望の角度であってもよい。
【0018】
いくつかの実施態様では回転前の初期の状態において、第1端面と第2端面は、互いに平行に延びる。第1端面および/または第2端面は、平面であってもよい。初期の状態では第1および第2端面22、24は、好ましくは互いに平行に延び、横方向面に対して同じ角度で延びる。
【0019】
いくつかの実施態様では第1端面および第2端面22、24は、最初は約0.5mm〜約2mmの長手方向の間隔26を置いて離れている。長手方向の間隔は、1mm〜1.5mmまたは1.2mm〜1.6mmまたは0.5mm超または約1.4mmであってもよい。長手方向の間隔によって第1および第2部分が係合する前に回転する際の回転角度が決まる。従って、長手方向の間隔26は、予め決められた意図的な隙間である。また端面の傾斜角度によっても第1および第2部分が係合する前に回転する際の回転角度が決まる。第1および第2部分は、係合した際の緊張によって変形することが知られており、予測される緊張および変形は、所定の範囲内に回転を制限するために喫煙品の構成を決める際に考慮される。
【0020】
第1および第2端面の間の長手方向の間隔26は、最初は第1および第2端面の全領域に亘って均一であってもよい。いくつかの実施態様では長手方向の間隔は、第1および第2端面が横方向面に対して同じ角度で同じ向きに延びている際に均一であってもよい。第1部分が第2部分に対して回転すると、第2端面からの第1端面の一部の長手方向の離れ度合いが小さくなる。
【0021】
図に示すようにスリーブ13は、好ましくは第2部分に貼り付けられ、第1および第2端面に延びている。スリーブ13は、第1および第2端面およびその間の長手方向の間隔26を囲み、これらを覆う。
【0022】
スリーブ13に1つ以上の第1換気領域30を設けてもよい。いくつかの例ではスリーブ13は、好ましくは単独の長手方向位置でその円周の一部のみに亘って円周方向に延びた単独の第1換気開口部30を含む。第1換気開口部30は、円周方向に延びた幅の狭いスリット形状であることが好ましい。
【0023】
タバコユニット11、12は、1つ以上の第2換気領域32を含んでもよい。いくつかの実施態様ではタバコユニット11、12は、好ましくは単独の長手方向位置でその円周の一部のみに亘って円周方向に延びた単独の第2換気開口部32を含んでもよい。第2換気開口部32は、円周方向に延びた幅の狭いスリット形状であることが好ましい。第2換気開口部32は、タバコユニット、例えば第1フィルターセクション12内に空気を流入させる。第2換気開口部32は、ろ過材を囲むシート材の層を介して第1フィルターセクション12のろ過材内に空気を流入させる開口部または空気透過領域である。
【0024】
第1および第2換気領域30、32を介した換気は、開口部の位置合わせ、即ち喫煙品の第2部分に対する喫煙品の第1部分の回転位置によって決まる重なり領域に依存する。
【0025】
いくつかの実施態様ではスリーブ13は、1つ以上のさらなる換気領域34を含んでもよい。換気領域34は、喫煙品の第1および第2部分の回転位置から独立して換気を行ってもよい。これらさらなる換気領域34は、喫煙品に対して基本レベルまたは最小限の換気を行う。換気領域34によって空気がスリーブを介して第2フィルターセクション14内に流れる。第2フィルターセクション14は、多孔性の紙ラッパー(例えばプラグラッパー)に囲まれたろ過材を含んでもよく、または換気空気を第2フィルターセクション14のろ過材内に入らせる換気領域34と一致する換気領域を有してもよい。さらなる換気領域34は、円周方向に一列に延びている複数の開口部34を含んでもよい。
【0026】
いくつかの実施態様ではスリーブ13は、実質的に円周方向に延びた分離線36を含んでもよい。スリーブは、分離線36に沿って前方部分と後方部分に簡単に割れるように構成されている。後方部分は、第2フィルターセクション14に貼り付けられている。前方部分は、例えば接着剤によって第1フィルターセクション12に貼り付けられている。選択的にスリーブ13の前方部分は、タバコロッド11および第1フィルターセクション12を接続する。分離線36は、スリーブ13のシート材(例えば紙)を通る複数のミシン目によって形成してもよい。使用の際スリーブの前方および後方部分は、最初は接続されている。喫煙品は、換気領域34および予め決められた初期の第1および第2換気領域30、32の位置合わせによって設定される画定された初期の換気を有してもよい。いくつかの実施においてスリーブは、タバコユニットに対して容易に回転できない(またはスライドできなり)。タバコユニットに対してスリーブ13の後方部分に回転力を加えることによって、スリーブ13が分離線36に沿って破断する。その後スリーブ13は、回転可能になり、第1および第2換気領域の位置合わせによって換気を変えることができる。
【0027】
スリーブおよび/またはタバコユニットの換気領域は、レーザーによる開口部として形成してもよい。例えばレーザーでスリーブとタバコユニットに位置合わせされた換気開口部を同時に作製してもよい。これとは別に換気開口部は、機械的な切断工具でスリットとして形成してもよい。いくつかの実施では換気開口部を切り抜き領域として形成してもよい。いくつかの実施では換気領域は、空気透過性材で形成してもよく、これは透過性材として製造されたものまたは開口部を加えるまたは処理によって透過性にしたもののいずれかである。
【0028】
第1部分に対する第2部分の位置は、複数の不連続位置の間の割送りされた回転を行うように構成された割送り機構または割送り手段で調節してもよい。選択的に割送り手段は、選択された位置へのまたはからの移動を表す可聴音を発する、即ち音響放出する。割送り手段は、例えば第1フィルターセクション12のタバコユニットに第1割送りセクション(または面)18を含んでもよい。第1割送りセクションは、スリーブ13の第2割送りセクション(または面)19と係合する。割送り手段は、限定された範囲内の回転、例えば90または120度内で複数の割送り位置、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも5つまたは7つの割り送り位置を供する。
【0029】
例示的な割送り手段では第1割送りセクション18は、第2割送りセクションの突起と係合可能な複数の窪みまたは凹みを有する。これら窪み/凹みは、好ましくは波形の外面を形成し、これは実質的にまたは完全に長手方向に、即ち喫煙可能な部材によって画定された中央軸に対して平行に延びた尾根によって隔てられた複数の長尺の溝を含む。
【0030】
第2割送りセクション19は、第1割送りセクション18と係合可能な1つ以上の突起を含んでもよい。これら突起は、スリーブ13から半径方向内方に延びるように折りたたまれるシート材からなる1つ以上の層によって形成された1つ以上の係止爪を含んでもよい。「係止爪」なる用語は、割送りセクションと係合して、2方向に割送り移動するあらゆる種類の突起を意味することを意図している。係止爪は、基材20に形成してもよく、これはシート材、例えば紙であってもよい。基材は、スリーブ13の内面に貼り付けてもよい。基材は角張った頂点を形成する直立したシート材の尾根として係止爪を形成するために折り曲げてもよい。係止爪は実質的に三角形の断面を有してもよい。割送り手段は、第1および第2部分間の回転の範囲を限定するために構成された回転制限手段とは別のものであってもよい。
【0031】
喫煙品は、スリーブ13がタバコユニット上を長手方向に移動するのを制限するように構成してもよい。例えば第1割送りセクション18の溝および選択的に尾根は、第1部分の前方および後方の隣接する部分より短い半径を有してもよい。第2割送りセクション19は、第2割送りセクションが第1割送りセクション内に長手方向に維持されるように前方および後方で隣接する部分と係合するように構成されている。第1割送りセクションは、第1および第2部分間の長手方向の相対移動を妨げるために第2割送りセクションと実質的に同じ長手方向の幅を有してもよい。
【0032】
第1および/または第2フィルターセクションは、吸着剤添加物を含んでもよい。いくつかの例では吸着剤添加物は、炭素、例えばチャコールおよび特に活性チャコールであってもよい。これとは別に吸着剤添加物は樹脂であってもよい。樹脂は、架橋ポリスチレン基質に結合されたキレート配位子のようなポリアミン群によるイオン交換樹脂でよく、例えばダイヤイオン(Diaion)(RTM)CR20がある。いくつかの態様において吸着剤添加物を第1フィルターセクション12のろ過材内に分布させてもよい。吸着剤添加物は、ろ過材中に実質的に均一に分布させてもよい。吸着剤添加物は、粒状の炭素であってもよい。
【0033】
図1はある程度形成された状態の喫煙品を示している。スリーブ13は、第1および第2フィルターセクション12、14の周りに巻かれて、円柱を形成するブランクである。第1および第2フィルターセクション12、14は、ブランクが第2フィルターセクション、第2割送りセクションおよび選択的に分離線36の前方の第1部分の周囲に包まれ、貼り付けられる際に長手方向に間隔が空けられる。
【0034】
図2は初期の状態の喫煙品を示している。第1および第2フィルターセクション12、14は、均一な間隔26によって長手方向に離されている。第1および第2フィルターセクション12、14は、1つ以上のフィルターエレメントを含んでもよい。フィルターエレメントは、同軸に接続された別個に形成されたフィルターのセクションであってもよい。例えば第2フィルターセクション14は、前方フィルターエレメント14aとこれと同軸の後方フィルターエレメント14bを含んでもよい。前方フィルターエレメント14aは、第2フィルターセクション14の第1端面を画定してもよい。前方フィルターエレメント14aは、最初は第1フィルターセクション12と一体に形成されてもよく、単独の角度が付けられた切断によって分離され、第1および第2端面22、24を形成してもよい。いくつかの態様において前方フィルターエレメント14aは、後方フィルターエレメント14bと異なる特徴を有してもよい。例えば前方フィルターエレメント14aは、上述したような吸着剤添加物を含んでもよく、これは第1フィルターセクション12に存在してもよい。後方フィルターエレメント14bは、吸着剤添加物を含んでもよく、または含まなくてもよい。
【0035】
間隔またはチェンバー26は、スリーブ13に囲まれている。喫煙品は、ある程度形成された状態で示されており、スリーブ13は、第1および第2端面の間の一方の側面の隙間の周囲のみに延びている。製造の際にはスリーブ13は、フィルターセグメントの周囲で丸められ、フィルターセグメントの全円周の周囲に延びた円柱を形成してもよい。
【0036】
図3は上述したような喫煙品1をさらに示している。
図2の断面図は、A−A線を介したものである。
【0037】
使用の際、第1および第2端面は、最初は予め決められた間隔26によって長手方向に離されている。第1部分は、第1の回転という意味で第2部分に対して第1の最大回転位置へと、そして第2の回転という意味で第2の最大回転位置へと回転させてもよい。回転の範囲は、第1および第2の最大回転位置の間の角度が付けられた回転変位によって規定される。第2部分に対する第1部分の回転位置が喫煙品の換気の度合いを決めるようにしてもよい。
【0038】
第2端面に対する第1端面の回転によって、第2端面24の一部が第1端面22の方へと長手方向に移動する。第1および第2端面が最も近くなるポイントは、係合が行われる実施態様においては第1および第2端面が係合するまで、分離幅が小さくなる。分離幅の変化は、所定の長手方向位置での角度が付けられた面の相対的な回転によるものである。係合は実質的にさらなる回転を妨げ、従って第1および第2部分は最大限回転することになる。
【0039】
本開示の実施態様は、喫煙品または喫煙品用のフィルター集合体を含んでもよい。フィルター集合体は、選択的にさらなる部材で喫煙材源に取り付け可能であり、これにより上述した回転制限手段を有する喫煙品を形成する。フィルター集合体は、第1端面を画定する第1フィルターセクションを含む第1部分と第2端面を画定する第2フィルターセクションを含む第2部分を含んでもよい。第1フィルターセクションは、第2フィルターセクションに対して回転可能であり、第1および第2端面は、第1部分と第2部分の回転を制限するために係合するように構成されている。
【0040】
本開示は喫煙品の例示的な製造方法を提供する。ある実施態様では本発明の方法は、第1部分に第1端面を形成すること、第2部分に第2端面を形成することを含む。選択的に第1端面と第2端面は、第1および第2部分を分離する単独の切断部によって形成され、この切断部は、横方向面に対して角度を付けてもよい。第1および第2部分は、例えば第1部分の少なくとも一部を囲むスリーブによって第1部分が第2部分に対して回転可能になるように接続してもよい。第1および第2端面は係合可能であり、第1部分と第2部分の回転を制限する。第1および第2端部は、長手方向に分離することによって接続される。
【0041】
第1および第2端面は、フィルターセクションの端面として形成されると説明した。これとは別に第1および/または第2端面は、ろ過材以外の材料で形成してもよい。例えばタバコロッドは、角度が付けられた端面を形成してもよく、これは実質的に上述したようにフィルターセクションの端面と係合可能である。これとは別に端面の一方または両方を異なる材料からなる挿入部材に形成してもよい。
【0042】
第1および第2端面は、平面であると説明した。これとは別に第1および第2端面の一方または両方が平面でなくてもよい。例えば第1および第2端面の一方または両方に段を設けるまたは湾曲してもよい。
【0043】
第1および第2端面は、横方向面に対して同じ角度が付けられていると説明した。これとは別に第1および第2端面は、横方向面に対して異なる角度で延びてもよい。
【0044】
第1および第2端面は、初期の状態で平行であるとして説明した。これとは別に第1および第2端面は、初期の状態で平行でなくてもよい。初期の状態において第1および第2端面は、互いに角度が付けられてもよい。例えば第1および第2端面は、最初は接触していてもよく、これにより一方向のみの回転が可能になる。
【0045】
第1割送りセクションは、第1および第2部分間の相対的な長手方向の移動を妨げるために第2割送りセクションと実質的に同じ長手方向部分を有すると説明した。これとは別に第1割送りセクションは、割送り機構が長手方向の移動を制限しないように第2割送りセクションより大きい長手方向部分を有してもよい。喫煙品は、第1および第2部分の間の長手方向の移動を妨げるためにさらなる係合面を含んでもよい。
【0046】
すべての実施態様のいずれの特徴を別の実施態様のあらゆる特徴と組み合わせてもよい。
【0047】
本発明の実施形態は、例えば非限定の実施例、排出に関する規制、構成成分、試験法、および/またはそのようなものによって、適用法および/または規制に適合するように構成されている。例えば、選択された実施態様が、使用者による調整の前後に、適用法に適合するように構成されていてもよい。そのような実施は、全ての使用者の選択可能位置で適用法に適合するように構成されていてもよい。いくつかの実施態様では、本発明は、本発明を実施する喫煙品が全ての使用者の選択可能位置で、必要な規制法試験に、例えば非限定の実施例、試験閾値/紙巻きタバコ排出および/または煙構成成分の上限によって、合格するまたはそれを上回るように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】米国特許第4,700,725号