特許第5769916号(P5769916)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5769916導体または半導体基板上に堆積させたカーボンナノチューブマットの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769916
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】導体または半導体基板上に堆積させたカーボンナノチューブマットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 31/02 20060101AFI20150806BHJP
   C23C 28/00 20060101ALI20150806BHJP
   B01J 23/745 20060101ALI20150806BHJP
   B01J 37/12 20060101ALI20150806BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20150806BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20150806BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20150806BHJP
   H01L 21/285 20060101ALI20150806BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   C01B31/02 101F
   C23C28/00 B
   B01J23/745 M
   B01J37/12
   B01J37/02 301P
   B01J37/02 301J
   H01L21/90 B
   H01L21/285 C
   H01L21/28 301Z
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2009-153277(P2009-153277)
(22)【出願日】2009年6月29日
(65)【公開番号】特開2010-6696(P2010-6696A)
(43)【公開日】2010年1月14日
【審査請求日】2012年6月8日
(31)【優先権主張番号】0854326
(32)【優先日】2008年6月27日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】510225292
【氏名又は名称】コミサリア ア レネルジー アトミック エ オ ゼネルジー アルテルナティブ
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
(74)【代理人】
【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100094640
【弁理士】
【氏名又は名称】紺野 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ディジョン
(72)【発明者】
【氏名】アデリーヌ、フルニエ
【審査官】 山口 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−292216(JP,A)
【文献】 特開2007−161575(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/115453(WO,A1)
【文献】 特開2007−268319(JP,A)
【文献】 特開2007−252970(JP,A)
【文献】 特開2007−070158(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/028851(WO,A1)
【文献】 特開2003−273112(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/061078(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B31/00−31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体または半導体基板上にカーボンナノチューブマットを製造する方法であって、
少なくとも一層以上の金属層を含んでなる触媒複合体であって、前記基板上に堆積したアモルファスシリコン層と、前記アモルファスシリコン層上に堆積している前記金属層とを含んでなる、前記触媒複合体を、前記基板上に形成する工程、
前記金属層の酸化処理を行う工程、および
前記酸化処理された金属層上にカーボンナノチューブを成長させる工程、
を含んでなり、
前記金属層が鉄からなり、
前記金属層の酸化処理がプラズマまたは連続プラズマにより行われる、
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記酸化処理が、第一の圧力および第一のエネルギーで第一のプラズマを用いる第一酸化工程と、前記第一の圧力よりも高い第二の圧力および前記第一のエネルギーよりも低い第二のエネルギーで第二のプラズマを用いる第二酸化工程と、を含んでなる、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記プラズマ誘起による酸化が室温において行われる、請求項またはに記載の方法。
【請求項4】
前記基板が窒化チタンまたは窒化タンタルからなる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記カーボンナノチューブマットが第一および第二導電層の相互接続用のビアを製造するために製造され、
前記第一導電層上に拡散バリアが堆積されており、前記拡散バリアおよび前記第一導電層は共に前記導体または半導体基板を形成し、
前記触媒複合体が前記基板上のビアホールの底部に形成されており、
前記カーボンナノチューブの成長時間は、前記カーボンナノチューブの長さが前記ビアホールの深さよりも大きくなるように決定される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒複合体を前記ビアホールの底部に形成する工程が、
前記拡散バリア上に前記アモルファスシリコン層を堆積させる工程、
前記アモルファスシリコン層上に誘電体層を堆積させ、続いて前記誘電体層上に前記第二導電層を堆積させる工程、および
前記ビアホールを前記エッチングマスクで被覆して、前記アモルファスシリコン層に達するまでエッチングを行う工程、
を含んでなる、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記ビアホールをエッチングする工程に続いて、前記金属層を堆積させ、前記マスクを除去して、前記触媒複合体を前記ビアホールの底部に局在化させる、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記ビアホールをエッチングする工程に続いて、前記マスクを除去し、前記金属層を堆積させて、前記触媒複合体を前記ビアホールの底部に局在化させ、前記第二導電層を前記金属層で被覆する、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記触媒複合体を前記ビアホールの底部に形成する工程が、
前記拡散バリア上に誘電体層を堆積させ、続いて前記誘電体層上に第二導電層を堆積させる工程、
前記ビアホールをエッチングマスクで被覆して、前記アモルファスシリコン層に達するまでエッチングを行い、前記マスクを除去する工程、および
前記金属層を堆積させ、続いて前記第二導電層上に存在する前記触媒複合体が除去されるように化学的−機械的研磨を行い、前記触媒複合体を前記ビアホールの底部に局在化させる工程、を含んでなる、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記金属層を、イオンビームスパッタリング手段によって堆積させる、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカーボンナノチューブの分野に関する。本発明は、とりわけ集積回路のビアの製造に適用できる。
【背景技術】
【0002】
近年、集積回路の種々の層を相互接続するのにカーボンナノチューブを利用することが、多くの研究主題とされている。その優れた導電性や電気的、熱的安定性は、カーボンナノチューブ(CNT)が極小径のビアを形成するのに非常に適していることを意味する。国際公開WO01/61753号パンフレットには、CNTから形成したビアの例が記載されている。
【0003】
ビアをCNTから形成した場合の、ビアの本質的特徴の一つにその電気抵抗が挙げられ、電気抵抗は、単位面積あたりのナノチューブの密度に依存する。特に、ビア中のCNTマットは、銅の電気抵抗に匹敵するためには、ナノチューブの密度を1011〜1013cm−2のオーダーにしなければならない。これらカーボンナノチューブは、ビアの底部に配置された半導体基板または導電層に接続している必要がある。
【0004】
上記のようなCNT密度を得るための成長方法として、近年、アルミナやMgOなどの酸化物から成長を開始させることが考えられている。例えば、G. Zhongらの文献(「0.5cm垂直配向した単層型カーボンナノチューブの成長動力学」、Chem. B (Letters), 111(8), 1907-1910, [2007])には、アルミナ層の上にSWCNT(単層型カーボンナノチューブ)マットを成長させる方法が記載されている。より正確には、PECVD(プラズマ化学気相成長法)によってCNTを基板上に成長させる前に、Si基板を事前に、カソードスパッタリングによって形成されたAl(0.5nm)/Fe(0.5nm)/Al(≧5nm)からなる触媒積層体で被覆する。ナノチューブの成長を開始させる鉄ナノ微粒子を形成するために、減圧雰囲気下で試料の温度を上昇させる前処理が必要である。
【0005】
後記するように、酸化層は、集積回路中の相互接続を形成するのに不適当である。
【0006】
したがって、本発明の目的は、酸化層の前堆積を行うことなく、導体または半導体材料上に高密度のカーボンナノチューブマットを製造する方法を提供することである。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、導体または半導体基板上にカーボンナノチューブマットを製造する方法であって、
少なくとも1層以上の金属層を含んでなる触媒複合体を、前記基板上に堆積させる工程、
前記金属層の酸化処理を行う工程、および
前記酸化処理された金属層からカーボンナノチューブを成長させる工程、
を含んでなる方法により規定されるものである。
【0008】
好ましくは、前記酸化処理は、プラズマによる酸化手段または連続プラズマによる酸化手段により行われる。
【0009】
本発明の変形態様によれば、前記酸化処理は、第一の圧力および第一のエネルギーで第一のプラズマを用いる第一酸化工程と、前記第一の圧力よりも高い第二の圧力および前記第一のエネルギーよりも低い第二のエネルギーで第二のプラズマを用いる第二酸化工程と、を含む。
【0010】
前記プラズマ誘起による酸化は、室温において行われる。
【0011】
有利には、前記触媒複合体は、アモルファスシリコン層上に堆積した金属層を含み、前記アモルファスシリコン層は前記導体基板上に堆積している。
【0012】
基板は、とりわけ窒化チタンまたは窒化タンタルからなるものであってよく、金属層は鉄またはコバルトからなるものであってよい。
【0013】
本発明は、 第一および第二導電層を相互接続するためのビアを製造する方法であって、
前記第一導電層上に拡散バリアを堆積させる工程、
第一アモルファスシリコン層と前記拡散バリア上に堆積した金属層とを含んでなる触媒複合体を、ビアホールの底部に形成する工程、
前記金属層の酸化処理を行う工程、および
前記酸化処理された金属層上にカーボンナノチューブを成長させる工程、を含んでなり、
前記成長時間が、前記カーボンナノチューブの長さが前記ビアホールの深さよりも大きくなるように決定される方法にも関する。
【0014】
有利には、前記拡散バリア上に前記アモルファスシリコン層を堆積させる工程、
前記アモルファスシリコン層上に誘電体層を堆積させ、続いて前記誘電体層上に前記第二導電層を堆積させる工程、および
前記ビアホールをエッチングマスクで被覆して、前記アモルファスシリコン層に達するまでエッチングを行う工程、
を含む。
【0015】
前記ビアホールをエッチングする工程に続いて、前記金属層を堆積させ、前記マスクを除去して、前記触媒複合体を前記ビアホールの底部に局在化させる。
【0016】
有利には、前記ビアホールをエッチングする工程に続いて、前記マスクを除去し、前記金属層を堆積させて、前記触媒複合体を前記ビアホールの底部に局在化させ、前記第二導電層を前記金属層で被覆してもよい。
【0017】
本発明の実施態様によれば、前記拡散バリア(520)上に誘電体層(540)を堆積させ、続いて前記誘電体層上に第二導電層(550)を堆積させる工程、
前記ビアホールをエッチングマスク(560)で被覆して、前記アモルファスシリコン層(530)に達するまでエッチングを行い、前記マスクを除去する工程、および
前記金属層(570)を堆積させ、続いて前記第二導電層上に存在する前記触媒複合体が除去されるように化学的−機械的研磨を行い、前記触媒複合体を前記ビアホールの底部に局在化させる工程、を含んでなる。
【0018】
好ましくは、前記金属層を、イオンビームスパッタリング手段によって堆積させる。
【0019】
有利には、前記酸化処理が、プラズマによる酸化手段または連続プラズマによる酸化手段により、室温において行われる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、第一の種類の基板上に、本発明による方法の一例の手段によって得られたナノチューブマットを示したものである。
図2図2は、この第一の種類の基板上に、先行技術として知られる方法によって得られたナノチューブマットを示したものである。
図3図3は、第二の種類の基板上に、本発明による方法の他の一例の手段によって得られたナノチューブマットを示したものである。
図4図4は、この第二の種類の基板上に、先行技術として知られる方法を用いると、カーボンナノチューブが得られなかったことを示したものである。
図5A図5Aは、本発明の一実施態様によるビアの製造方法を示したものである。
図5B図5Bは、本発明の一実施態様によるビアの製造方法を示したものである。
図5C図5Cは、本発明の一実施態様によるビアの製造方法を示したものである。
図5D図5Dは、本発明の一実施態様によるビアの製造方法を示したものである。
図5E図5Eは、本発明の一実施態様によるビアの製造方法を示したものである。
図5F図5Fは、本発明の一実施態様によるビアの製造方法を示したものである。
図5G図5Gは、本発明の一実施態様によるビアの製造方法を示したものである。
図5H図5Hは、本発明の一実施態様によるビアの製造方法を示したものである。
図5F-1】図5F−1は、図5A図5Hに示された方法の第一の変形によるビアの製造方法の特定の行程を示したものである。
図5G-1】図5G−1は、図5A図5Hに示された方法の第一の変形によるビアの製造方法の特定の行程を示したものである。
図5H-1】図5H−1は、図5A図5Hに示された方法の第一の変形によるビアの製造方法の特定の行程を示したものである。
図5F-2】図5F−2は、図5A図5Hに示された方法の第一の変形によるビアの製造方法の特定の行程を示したものである。
図5G-2】図5G−2は、図5A図5Hに示された方法の第一の変形によるビアの製造方法の特定の行程を示したものである。
図5H-2】図5H−2は、図5A図5Hに示された方法の第一の変形によるビアの製造方法の特定の行程を示したものである。
図5I-2】図5I−2は、図5A図5Hに示された方法の第一の変形によるビアの製造方法の特定の行程を示したものである。
【発明の詳細な説明】
【0021】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい態様を読むことにより明らかになるだろう。
【0022】
本発明によるCNTの成長方法は、酸化性雰囲気中で金属触媒の前処理を行うと、カーボンナノチューブの成長が開始するという驚くべき知見に基づくものである。
【0023】
より正確には、成長触媒として働く金属層、例えばFeまたはCoの層を、先ず導体または半導体上に堆積させる。本明細書中、用語「基板」とは、カーボンナノチューブが成長する基板を意味するものと理解される。特に、一般的な意味において、基板上に堆積した導体または半導体の層は、それ自体を導体または半導体と呼んでもよい。
【0024】
次に、酸化性雰囲気中での処理が、ナノチューブが成長する前の試料上で行われる。
【0025】
特定の事例において、金属触媒層を堆積させる前に基板上にアモルファスシリコン層を堆積させるのが有利である。例えば、基板が、窒化チタン(TiN)または窒化タンタル(TaN)のような拡散バリアとして使用される材料である場合、触媒系は、厚みが数ナノメートル、好ましくは1〜10nmのアモルファスシリコン層と、厚みが約1ナノメートル〜数ナノメートル、好ましくは0.5〜5nmの金属層とからなるバリアであってよい。
【0026】
酸化処理は、異なる組成および/または異なる条件下(例えばエネルギー、圧または温度)での酸化プラズマあるいは連続酸化プラズマ処理としてもよい。二種の連続プラズマが用いられる場合、第一のプラズマは高エネルギープラズマおよび/または第二よりも低圧でのプラズマであってよい。例えば、高エネルギー、好ましくは0.1〜1W/cmで、低圧、好ましくは0.05〜1mbarでのプラズマに続いて、低エネルギー、好ましくは0.05〜0.5W/cmで、高圧、好ましくは例えば0.2〜10mbarでのプラズマを使用してもよい。
【0027】
プラズマに使用されるガスは、純酸素または空気、すなわち、実質的に酸素/窒素の混合物や、その他、酸素とアルゴン、ヘリウムもしくはキセノン等の不活性ガスとの混合物であってよい。
【0028】
プラズマは、典型的には高周波プラズマが使用される。
【0029】
全ての場合において、酸化処理、とりわけ酸化プラズマ処理は、室温または高温、例えば約500℃の温度で行われる。
【0030】
触媒系の酸化処理は、金属触媒の酸化状態を変更するために実施される。他の全ての場合と同様に、触媒の酸化状態が成長の種類を決定することが示されている。酸化状態では、ナノチューブの底部から急速な成長が始まり、一方、非酸化状態では、ナノチューブの上部からの成長となる。そして、酸化金属触媒は、基板から優先的に新たなナノチューブを成長させ、結果的に、得られるナノチューブの単位面積あたりの密度が高くなる。得られたナノチューブは単層型(SWCNT)または多層型(MWCNT)であってよい。
【実施例】
【0031】
本発明者らは、本発明によるカーボンナノチューブマットの製造方法のいくつかの例を以下に示す。
【0032】
例1
使用した基板は、アルゴンイオン照射によって酸化した単結晶シリコンであった。触媒系は、アルゴンイオンビームスパッタリング手段によって酸化したシリコン上に堆積した1nmの鉄層からなるものであった。
【0033】
そして、鉄層に、2つの連続空気プラズマを用いて室温および0.4mbarの圧力で酸化プラズマ処理を施した。
【0034】
試料を、RFソースに接続された電極上に配置した。
【0035】
相対的に高エネルギーを有する第一プラズマは、試料に照射しながら試料を酸化できるように、試料上に120Vの自己バイアス電圧を誘起した。
【0036】
相対的に低エネルギーを有する第二プラズマは、65Vの自己バイアス電圧を誘起した。
【0037】
酸化処理が完了した後、試料を0.2mbarの水素分圧下で560℃に加熱した。
【0038】
そして、アセチレン、ヘリウムおよび水素の混合ガス(それぞれ、10Ncm/分、50Ncm/分、50Ncm/分の流量)を1時間、0.24mbarの圧力で反応器に導入することによって、ナノチューブが成長した。ナノチューブ成長は560℃で行われた。
【0039】
これらの条件下で、図1のSEM写真に示されるような、小径(5nm)で60μmの長さの4×1011cm−2の密度を有するマットが得られた。
【0040】
図2には、鉄層の前酸化を行わなかった以外は上記と同様の条件下で得られたナノチューブを比較として示す。得られたナノチューブは、図1に示されたナノチューブより著しく短く(6μm)、より大きな径(12nm)である。
【0041】
例2
本例は、鉄層の堆積方法が異なる以外は上記と同様である。シリコンをフッ化水素酸でウエットエッチングした後、電子ビーム蒸着によって鉄層を堆積させた。その後の成長行程は例1と同様にして行った。得られた結果は上記で得られた結果と非常に近似している。
【0042】
例3
基板として窒化タンタル(TiN)を用いた。本例の触媒系は、5nmのアモルファスシリコン上に2nmの鉄層を設けたものであった。アモルファスシリコン層および鉄層を、同じ真空サイクルによって、イオンビームスパッタリング手段により堆積させた。
【0043】
そして、酸化プラズマ処理が例1と同様の条件下で行われ、次いでナノチューブを成長させた。
【0044】
これらの条件下において、図3に示されるように、長さ32μm、密度2×1011cm−2のナノチューブ高密度マットが得られた。
【0045】
図4に前酸化処理を行わなかったTiN層上に堆積させた単層の鉄層を用いた場合を比較として示す。従って、この層上にはナノチューブの形成は観測されなかった。
【0046】
本発明によるCNTマットの製造方法は、相互接続部品の製造、とりわけ、集積回路中のビアの製造に使用されてよい。
【0047】
図5A〜5Hは、本発明による方法を用いた相互接続部品の製造方法の種々の工程を示したものである。
【0048】
図5Aは、ビアが形成される導体または半導体基板510を示したものである。すでに上記したように、この基板は、バルク基板(図示せず)上に堆積させた、Ti,Ta,W,Cu等からなる単金属層または他の半導体層であってよい。基板510は、窒化チタン(TiN)等からなる拡散バリア520で被覆される。金属層および拡散バリアは当業者に公知の方法によって堆積させる。
【0049】
図5Bに示される次の工程において、アモルファスシリコン層530が、拡散バリア520上に堆積する。当該層530の厚みは約5nm程度でよい。
【0050】
次に、図5Cに示されるようにして、SiOまたはSi等の誘電体層540を、アモルファスシリコン層上に堆積させ、次いでTiN層等の導電層550を堆積させる。
【0051】
図5Dに示された次の工程は、マスキングを行い、そしてマスクにより規定されたパターンにドライエッチング手段によりエッチングを行うことからなる。エッチングはアモルファスシリコン層530に達したところで終了する。
【0052】
次に、図5Eに示されるように、エッチング工程は、希薄フッ化水素酸中で行われる。フッ化水素酸によりアモルファスシリコンは脱酸素され、ビアの側壁541は、側面のみがエッチングされる。
【0053】
このウエットエッチング工程の後すぐに、試料を真空系に戻し、イオンビームスパッタリング手段によって、金属層570,571(例えば2nm厚の鉄層)を堆積させる。イオンビームは通常入射である。ビアの側面は、図5Fに示されるように、マスクによって形成された遮蔽およびビームの直進性により、金属層は堆積しない。
【0054】
次に、図5Gに示されるように、樹脂とそれに続く樹脂上に堆積した鉄層の部分571とを除去し、そして酸化処理、例えばプラズマまたは数種の連続プラズマを用いた酸化を、室温で同じ真空サイクル内にて行う。
【0055】
次に、ナノチューブ成長工程を同じ真空サイクル内にて行う。これを行うために、試料を昇温し、反応混合物、例えばヘリウムをキャリアガスとしたアセチレンおよび水素を、チャンバー内に導入する。成長時間は、ナノチューブがビアの深さを超える長さになるように決定する。
【0056】
次いで、ナノチューブが導体層550の表面と面一になるように、試料を機械的に研磨する。必要に応じてさらに金属層を堆積させて、層520と層550との電気接続を改善するようにしてもよい。
【0057】
本発明の第一の変形によれば、ビアの製造方法は、上記の図5A〜5Eに示される工程で始まり、以下の工程に続く。
【0058】
図5F−1において、すなわち希薄フッ化水素酸中でのエッチングの後、レジストマスクを除去し、次いで図5G−1に示されるように、金属層、例えば1nmの鉄層を堆積させ、酸化工程を同じ真空サイクルにおいて行う。
【0059】
次に、ナノチューブを上記と同様の条件下で成長させる。ナノチューブは、ビアの底部に堆積した鉄層570上でのみ成長し、上部層571では成長しない。これは、TiN(またはTaN)層上にある金属(鉄)層およびアモルファスシリコン層からなる触媒複合体のみがナノチューブの成長を可能にするからである。
【0060】
そして上記したように上部に残っている層571を除去する機械的研磨工程や、必要に応じて行うさらなる導体層の堆積工程を経て製造工程が終了する。
【0061】
本発明の第二の変形によれば、ビアの製造方法は、アモルファスシリコンの堆積を除く以外は、上記の図5A〜5Eに示される工程で始まる。
【0062】
希薄フッ化水素酸中でのエッチングおよびレジスト除去の後の構成は、図5F−2に示される通りである。この構成は、図5F−1に示された構成と、アモルファスシリコン層がない点で相違することに注意すべきである。
【0063】
図5G−2において、触媒複合体を形成するためアモルファスシリコン層530および金属層570を同じ真空サイクルにおいて堆積させる。
【0064】
図5I−2において、試料の化学的−機械的研磨を行い、残った金属層571およびアモルファスシリコン層531を除去する。次いで触媒複合体上で酸化工程が行われる。
【0065】
図5I−2に示すナノチューブ成長工程は、図5Hに示したのと同じである。
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5F-1】
図5G-1】
図5H-1】
図5F-2】
図5G-2】
図5H-2】
図5I-2】
図1
図2
図3
図4