【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって本発明の第一の態様は、AXL、特にヒトAXLの細胞外ドメインと結合し、AXL活性を少なくとも部分的に阻害する、その断片または派生物を含めたモノクローナル抗体に関する。
【0011】
本発明の抗体は、以下の性質:AXL介在シグナル伝達を低減または妨害する能力、AXLリン酸化を低減または妨害する能力、細胞増殖を低減または妨害する能力、血管新生を低減または妨害する能力、細胞移動を低減または妨害する能力、腫瘍転移を低減または妨害する能力、AXL介在PI3Kシグナル伝達を低減または妨害する能力、およびAXL介在抗アポトーシスを低減または阻害し、それによって例えば抗腫瘍薬を用いた治療に対する細胞の感度を高める能力の少なくとも1つまたは複数をさらに有することが好ましい。さらに、本発明の抗体はAXL、特にヒトAXLに対する高い特異性を示すことができ、他のTyro-3ファミリーのメンバー、例えばMERおよび/またはSKYおよび/または哺乳動物非霊長類AXL、ネズミAXLなどは有意に認識しない。抗体の特異性は、実施例中に記載したように、交差反応性の測定によって決定することができる。
【0012】
用語「活性」は、細胞の表現型、特に、それに限定されないが癌の表現型、例えば、アポトーシスの回避、増殖シグナルの自給自足化、細胞増殖、組織浸潤および/または転移、抗増殖シグナルに対する非感受性(抗アポトーシス)および/または持続的血管新生に影響を与えるAXLの生物機能を指す。
【0013】
用語「AXL介在シグナル伝達」は、AXLと第二のメッセンジャー分子の直接または関節相互作用によって誘発される、第二のメッセンジャー経路の活性化を意味する。
【0014】
用語「AXLリン酸化」は、第二のAXLタンパク質(トランスリン酸化)またはタンパク質キナーゼ活性を有する別のタンパク質のいずれかによる、アミノ酸残基、好ましくはチロシン残基のリン酸化を指す。
【0015】
用語「細胞増殖」は、ヒト細胞、特に、それに限定されないがヒト癌細胞の再生の根底にある全てのAXL関連プロセスを指す。細胞増殖は、細胞DNAの複製、2つの等しい大きさの染色体群への複製DNAの分離、および細胞全体の物理的分離(細胞質分裂と呼ばれる)に貢献する、またはそれらをもたらし、好ましくはAXLリン酸化および/またはAXL介在シグナル伝達を含めた、AXLの非触媒または触媒活性によって刺激または介在され得る。
【0016】
用語「血管新生」は、既存の血管からの新たな血管、特に、それに限定されないが新たな腫瘍供給血管の増殖に貢献する全てのAXL関連プロセスを指す。これらのプロセスには、血管内皮細胞の増殖、生存、移動および発芽、周皮細胞の誘引および移動、および血管安定化のための基底膜形成、血管環流、または間質または新生腫瘍細胞による血管新生因子の分泌などの多数の細胞事象があり、好ましくはAXLリン酸化および/またはAXL介在シグナル伝達を含めた、AXLの非触媒または触媒活性によって刺激または介在され得る。
【0017】
用語「転移」は、癌細胞が原発性腫瘍から分散し、リンパ管および/または血管に浸透し、血流中を循環し、身体中の他の場所の正常組織中の遠方病巣において増殖するのを(転移)支援する全てのAXL関連プロセスを指す。特にそれは、転移の根底にあり、好ましくはAXLリン酸化および/またはAXL介在シグナル伝達を含めた、AXLの非触媒または触媒活性によって刺激または介在される、増殖、移動、固定非依存性、アポトーシスの回避、または血管新生因子の分泌などの腫瘍細胞の細胞事象を指す。
【0018】
用語「AXL介在抗アポトーシス」は、プログラムされた細胞死(アポトーシス)から、ヒト細胞、好ましくは、それに限定されないがヒト癌細胞を予防する、全てのAXL関連プロセスを指す。特にそれは、増殖因子離脱、低酸素症、化学療法剤または放射線への露出、Fas/Apo-1受容体介在シグナル伝達の開始を介したアポトーシスの誘導から、ヒト細胞、好ましくは、それに限定されないがヒト癌細胞を予防し、好ましくはAXLリン酸化および/またはAXL介在シグナル伝達を含めた、AXLの非触媒または触媒活性によって刺激または介在されるプロセスを指す。
【0019】
さらに本発明は、AXLに対するその結合活性がKD=10
-5M以下、好ましくはKD=10
-7M以下、最も好ましくはKD=10
-9M以下である抗体を含む。AXLに対する本発明の抗体の結合活性がKD=10
-5M以下であるかどうかは、当業者によって知られている方法によって決定することができる。例えば、Biacoreを用いた表面プラズモン共鳴法、および/またはELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、EIA(酵素イムノアッセイ)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、または蛍光抗体技法、例えばFACSを使用して活性を決定することができる。
【0020】
第二の態様では、抗体は少なくとも1つの抗原結合部位、例えば1つまたは2つの抗原結合部位を有することができる。さらに抗体は、少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖および少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖を含むことが好ましい。免疫グロブリン鎖は可変ドメイン、および場合によっては定常ドメインを含む。可変ドメインは、相補性決定領域(CDR)、例えばCDR1、CDR2および/またはCDR3領域、およびフレームワーク領域を含むことができる。用語「相補性決定領域(CDR)」は当技術分野で十分に定義されており(例えば、HarlowおよびLane、「Antibodies、a Laboratory Manual」、CSH Press、Cold Spring Harbour、1988を参照)、抗原と主に接触する抗体の可変領域内のアミノ酸の延長部分を指す。
【0021】
本発明のさらなる態様は、
(a)配列番号16、22、28に示すCDRH1、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRH1配列、
(b)配列番号17、23、29に示すCDRH2、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRH2配列、および
(c)配列番号18、24、30に示すCDRH3、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRH3配列
からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含む少なくとも1つの重鎖アミノ酸配列、
ならびに/または
(d)配列番号13、19、25に示すCDRL1、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRL1配列、
(e)配列番号14、20、26に示すCDRL2、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRL2配列、および
(f)配列番号15、21、27に示すCDRL3、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRL3配列
からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含む少なくとも1つの軽鎖アミノ酸配列
を含む、AXLの細胞外ドメインと結合する、その断片または派生物を含めた抗体、
またはAXLの細胞外ドメイン上の同じエピトープを認識するモノクローナル抗体に関する。
【0022】
好ましい実施形態では、抗体は、
(a)配列番号16に示すCDRH1、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRH1配列、
(b)配列番号17に示すCDRH2、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRH2配列、および
(c)配列番号18に示すCDRH3、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRH3配列
からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含む重鎖、
ならびに/または
(d)配列番号13に示すCDRL1、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRL1配列、
(e)配列番号14に示すCDRL2、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRL2配列、および
(f)配列番号15に示すCDRL3、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRL3配列
からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含む軽鎖を含み、
またはAXLの細胞外ドメイン上の同じエピトープを認識するモノクローナル抗体である。
【0023】
さらなる好ましい実施形態では、抗体は、
(a)配列番号22に示すCDRH1、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRH1配列、
(b)配列番号23に示すCDRH2、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRH2配列、および
(c)配列番号24に示すCDRH3、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRH3配列
からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含む重鎖、
ならびに/または
(d)配列番号19に示すCDRL1、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRL1配列、
(e)配列番号20に示すCDRL2、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRL2配列、および
(f)配列番号21に示すCDRL3、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRL3配列
からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含む軽鎖を含み、
またはAXLの細胞外ドメイン上の同じエピトープを認識するモノクローナル抗体である。
【0024】
他のさらなる好ましい実施形態では、抗体は、
(a)配列番号28に示すCDRH1、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRH1配列、
(b)配列番号29に示すCDRH2、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRH2配列、および
(c)配列番号30に示すCDRH3、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRH3配列
からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含む重鎖、
ならびに/または
(d)配列番号25に示すCDRL1、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRL1配列、
(e)配列番号26に示すCDRL2、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRL2配列、および
(f)配列番号27に示すCDRL3、またはそれと1もしくは2アミノ酸異なるCDRL3配列
からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含む軽鎖を含み、
またはAXLの細胞外ドメイン上の同じエピトープを認識するモノクローナル抗体である。
【0025】
別の実施形態では、本発明は、配列番号8、10、12からなる群から選択される重鎖アミノ酸配列、もしくは少なくともその可変ドメイン、もしくはそれと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列、および/または配列番号7、9、11からなる群から選択される軽鎖アミノ酸配列、もしくは少なくともその可変ドメイン、もしくはそれと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む抗体、またはAXLの細胞外ドメイン上の同じエピトープを認識する抗体を対象とする。
【0026】
本明細書で使用する、2つのポリペプチド配列間の「配列同一性」は、その配列間で同一であるアミノ酸の割合を示す。本発明の好ましいポリペプチド配列は、少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0027】
特に好ましい実施形態では、抗体は11B7、11D5、10D12またはAXLの細胞外ドメイン上の同じエピトープを認識する抗体からなる群から選択される。
【0028】
抗体は天然および/または合成起源の任意の抗体、例えば哺乳動物起源の抗体であってよい。定常ドメインは、存在する場合、ヒト定常ドメインであることが好ましい。可変ドメインは、哺乳動物可変ドメイン、例えばヒト化またはヒト可変ドメインであることが好ましい。抗体はキメラ、ヒト化またはヒト抗体であることがより好ましい。
【0029】
本発明の抗体は、IgA型、IgD型、IgE型、IgG型またはIgM型、好ましくは、それらに限定されないが、IgG1型、IgG2型、IgG3型、IgG4型、IgM1型およびIgM2型を含めた、IgG型またはIgM型であってよい。最も好ましい実施形態では、抗体はヒトIgG1型、IgG2型またはIgG4型の抗体である。
【0030】
前に論じたように、幾つかのアイソタイプの抗体が存在する。生成する抗体はこのようなアイソタイプを最初に有している必要はなく、そうではなくて生成する抗体は任意のアイソタイプを有することができること、および当技術分野でよく知られている従来の分子生物学の技法を使用して適切な発現ベクターにおいて、分子的にクローニングされたV領域遺伝子またはクローニングされた定常領域遺伝子またはcDNAを使用すること、および次いで当技術分野で知られている技法を使用して宿主細胞中で抗体を発現させることによって抗体のアイソタイプを変えることができることは理解されよう。
【0031】
用語抗体は、抗体の少なくとも1つの抗原結合部位を有する「断片」または「派生物」を含む。抗体断片には、Fab断片、Fab'断片、F(ab
')
2断片、およびFv断片がある。
【0032】
抗体の派生物には、単鎖抗体、ナノボディ、およびダイアボディがある。抗体の派生物は、AXLと結合する抗体様結合活性を有する足場タンパク質も含み得る。
【0033】
本発明の文脈内では、本明細書で使用する用語「足場タンパク質」は、その中でアミノ酸挿入、置換または欠失が十分許容される、露出表面積を有するポリペプチドまたはタンパク質を意味する。本発明により使用することができる足場タンパク質の例は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)由来のタンパク質A、オオモンシロチョウ(Pieris brassicae)由来のビリン結合タンパク質、または他のリポカリン、アンキリン反復タンパク質、およびヒトフィブロネクチンである(BinzおよびPluckthun、Curr Opin Biotechnol、16:459〜69頁、2005中に総説)。足場タンパク質の工学処理は、安定的にフォールディングしたタンパク質の構造フレームワーク上または中への親和機能の移植または組み込みとしてみなすことができる。親和機能は、本発明によるタンパク質の結合親和性を意味する。足場は結合特異性を与えるアミノ酸配列から構造上分離することができる。一般に、このような人工親和性試薬の開発に適していると考えられるタンパク質は、合理的、または最も一般的には、in vitroで提示された人工足場ライブラリー中での結合作用物質の、AXL、精製タンパク質または細胞表面上に提示されたタンパク質のいずれかに対するパニングなどの、組合せタンパク質工学処理技法、当技術分野で知られている技術によって得ることができる(Skerra、J.Mol.Recog.、Biochim Biophys Acta、1482:337〜350頁、2000;Binz and Pluckthun、Curr Opin Biotechnol、16:459〜69頁、2005)。さらに、抗体様結合活性を有する足場タンパク質は足場ドメインを含有するアクセプターポリペプチドから誘導することができ、足場ドメインをドナーポリペプチドの結合ドメインと接合して、ドナーポリペプチドの結合特異性を、アクセプターポリペプチドを含有する足場ドメインに与えることが可能である。挿入結合ドメインは、例えば抗AXL抗体の少なくとも1つのCDR、好ましくは配列番号13〜30の群から選択される少なくとも1つのCDRを含むことができる。例えばポリペプチド合成、コードアミノ酸の核酸合成を含めた当業者に知られている様々な方法によって、ならびに当業者によく知られている様々な形の組換え法によって挿入を実施することができる。
【0034】
前に示しているように、抗体、その抗体断片または派生物の特異性は、CDRのアミノ酸配列に存在する。抗体の可変ドメイン(重鎖VHおよび軽鎖VL)は、4つの比較的保存されたフレームワーク領域すなわち「FR」に隣接する、超可変領域と時折呼ばれる3つの相補性決定領域を含むことが好ましい。しばしば、抗体の特異性は、VH鎖のCDRなどの1つのCDR、または複数のCDRによって決定または大部分が決定される。当業者は、前に記載したCDRを有する抗体、その抗体断片または派生物の可変ドメインは、さらに改善された特異性および生物機能の抗体の構築に使用することができることを、容易に理解するはずである。本発明に関する限り、前に記載した可変ドメインの少なくとも1つのCDRを含み、添付の実施例中に記載した抗体と実質的に同じ、類似または改善された結合性を有利に有する、抗体、その抗体断片または派生物を包含する。添付の配列表中に列挙する少なくとも1つのCDRを含み本発明の実施形態によって必要とされる抗体から始めて、高い特異性および/または親和性のために、当業者は最初に同定したモノクローナル抗体または異なる抗体由来のさらなるCDRを組合せることができる。CDR移植は当技術分野でよく知られており、元の特異性が保持される限り、それを使用して、本発明の抗体、その断片または派生物の特異的親和性および他の性質を微調整することもできる。抗体、断片または派生物が元のドナー抗体の少なくとも2個、より好ましくは少なくとも3個、さらにより好ましくは少なくとも4個または少なくとも5個、および特に好ましくは全6個のCDRを含むことは有利である。本発明のさらなる代替では、異なる最初に同定したモノクローナル抗体由来のCDRを新たな抗体構成要素において組合せることができる。これらの場合、重鎖の3個のCDRは同じ抗体に由来し、一方軽鎖の3個のCDRはいずれも異なる抗体(ただしいずれも同じ抗体由来)に由来することが好ましい。本発明の抗体またはそれらの対応する免疫グロブリン鎖は、当技術分野で知られている従来の技法を使用して、例えば単独または組合せのいずれかで、当技術分野で知られているアミノ酸の欠失、挿入、置換、付加、および/または組換え、および/または任意の他の修飾を使用することによってさらに修飾することができる。免疫グロブリン鎖のアミノ
酸配列の根底にあるDNA配列中にこのような修飾を導入するための方法は当業者によく知られている、例えば、Sambrook、Molecular Cloning A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory(1989)N.Yを参照。
【0035】
抗体、その抗体断片または派生物は、治療目的で場合によっては脱免疫状態にする。脱免疫状態の抗体は、Tヘルパーリンパ球によって認識され得るエピトープを欠くまたはそれらが少ないタンパク質である。前記エピトープの同定の仕方の一例は、Tangri et al.、(J Immunol.174:3187〜96頁、2005)中に示される。脱免疫状態の抗体断片またはその派生物の製造は、米国特許第6,054,297号、米国特許第5,886,152号および米国特許第5,877,293号中に記載されたのと同様に実施することができる。
【0036】
一実施形態では、本発明の抗体は、重鎖および/または軽鎖の一部分が、特定種に由来するかまたは特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一または相同であり、一方鎖の残り部分が、別の種に由来するかまたは別の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体、およびそれらが望ましい生物活性を示す限りこのような抗体の断片中の対応する配列と同一または相同である、「キメラ」抗体(免疫グロブリン)を特に含む(米国特許第4,816,567号、Morrison et al.、Proc.Natl.Acad.Sci. USA、81:6851〜6855頁(1984))。キメラ抗体の生成は、例えばWO89/09622中に記載されている。
【0037】
好ましくは、本発明は、配列番号38、39、41、42からなる群から選択される重鎖アミノ酸配列、もしくは少なくともその可変ドメイン、もしくはそれと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列、および/または配列番号37、40からなる群から選択される軽鎖アミノ酸配列、もしくは少なくともその可変ドメイン、もしくはそれと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むキメラ抗体、またはAXLの細胞外ドメイン上の同じエピトープを認識する抗体を指す。
【0038】
さらなる実施形態では、本発明の抗体はヒト化または完全ヒト抗体である。ヒト化型の抗体は、キメラ化またはCDR移植などの当技術分野で知られている方法に従って生成することができる。ヒト化抗体を産生するための別の方法は当技術分野でよく知られており、例えばEP-A10239400およびW090/07861中に記載されている。一般に、ヒト化抗体は、ヒト以外である供給源からそこに導入された1つまたは複数のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、「輸入」可変ドメインから典型的に得られる「輸入」残基と呼ばれることが多い。非ヒト起源のCDRまたはCDR配列とヒト抗体の対応する配列を置換することによって、Winterおよび同僚(Jones et al.、Nature、321:522〜525頁(1986)、Riechmann et al.、Nature、332:323〜327頁(1988)、Verhoeyen et al.、Science、239:1534〜1536頁(1988))の方法に従い、例えばヒト化を実施することができる。したがって、このような「ヒト化」抗体はキメラ抗体であり(米国特許第4,816,567号)、この場合実質的に完全ではないヒト可変ドメインが非ヒト種由来の対応する配列によって置換されている。実際、ヒト化抗体は典型的には、幾つかのCDR残基およびおそらく幾つかのFR残基が、非ヒト抗体中の類似部位由来の残基によって置換されているヒト抗体である。
【0039】
好ましくは、本発明は、配列番号44、45からなる群から選択される重鎖アミノ酸配列、もしくは少なくともその可変ドメイン、もしくはそれと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列、および/または配列番号43、46からなる群から選択される軽鎖アミノ酸配列、もしくは少なくともその可変ドメイン、もしくはそれと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むヒト化抗体、またはAXLの細胞外ドメイン上の同じエピトープを認識する抗体を指す。
【0040】
完全ヒト抗体を生成するための1つの方法は、最大1000kbただしそれ以下の大きさの、ヒト重鎖遺伝子座およびkappa軽鎖遺伝子座の生殖細胞形状断片を含有するように工学処理された、XenoMouse(登録商標)系統のマウスの使用による。Mendezら、(Nature Genetics 15:146〜156頁、1997)、およびGreenおよびJakobovits、(J.Exp.Med.188:483〜495頁、1998)を参照。XenoMouse(登録商標)系統は、AMGEN、Inc.(以前はABGENIX、Fremont、CA)から入手可能である。
【0041】
XenoMouse(登録商標)系統のマウスの生成は、1990年1月12日に出願された米国特許出願第07/466,008号、1990年11月8日に出願された米国特許出願第07/610,515号、1992年7月24日に出願された米国特許出願第07/919,297号、1992年7月30日に出願された米国特許出願第07/922,649号、1993年3月15日に出願された米国特許出願第08/031,801号、1993年8月27日に出願された米国特許出願第08/112,848号、1994年4月28日に出願された米国特許出願第08/234,145号、1995年1月20日に出願された米国特許出願第08/376,279号、1995年4月27日に出願された米国特許出願第08/430,938号、1995年6月5日に出願された米国特許出願第08/464,584号、1995年6月5日に出願された米国特許出願第08/464,582号、1995年6月5日に出願された米国特許出願第08/463,191号、1995年6月5日に出願された米国特許出願第08/462,837号、1995年6月5日に出願された米国特許出願第08/486,853号、1995年6月5日に出願された米国特許出願第08/486,857号、1995年6月5日に出願された米国特許出願第08/486,859号、1995年6月5日に出願された米国特許出願第08/462,513号、1996年10月2日に出願された米国特許出願第08/724,752号、1996年12月3日に出願された米国特許出願第08/759,620号、2001年11月30日に出願された米国特許出願公開第2003/0093820号、および米国特許第6,162,963号、米国特許第6,150,584号、米国特許第6,114,598号、米国特許第6,075,181号および米国特許第5,939,598号、ならびに日本国特許第3068180B2号、日本国特許第3068506B2号、および日本国特許第3068507B2号中で論じられ示されている。1996年6月12日に付与公開された欧州特許第EP0463151B1号、1994年2月3日に公開された国際特許出願第WO9402602号、1996年10月31日に公開された国際特許出願第WO9634096号、1998年6月11日に公開された国際特許出願第WO9824893号、2000年12月21日に公開された国際特許出願第WO0076310号も参照。前に挙げた特許、出願、および参照文献のそれぞれの開示は、それらの全容が参照により本明細書に組み込まれている。
【0042】
別の手法において、GenPharm International、Inc.を含めた他社が「小遺伝子座」手法を利用している。小遺伝子座手法では、Ig遺伝子座由来の数片(個々の遺伝子)の封入によって外因性Ig遺伝子座を模倣する。したがって、1つまたは複数のVH遺伝子、1つまたは複数のDH遺伝子、1つまたは複数のJH遺伝子、mu定常領域、および通常は第二の定常領域(好ましくはガンマ定常領域)が、動物に挿入するための構築体に形成される。この手法はSuraniらへの米国特許第5,545,807号、およびそれぞれLonbergおよびKayへの米国特許第5,545,806号、米国特許第5,625,825号、米国特許第5,625,126号、米国特許第5,633,425号、米国特許第5,661,016号、米国特許第5,770,429号、米国特許第5,789,650号、米国特許第5,814,318号、米国特許第5,877,397号、米国特許第5,874,299号、および米国特許第6,255,458号、KrimpenfortおよびBernsへの米国特許第5,591,669号および米国特許第6,023.010号、Bernsらへの米国特許第5,612,205号、米国特許第5,721,367号、および米国特許第5,789,215号、およびChoiおよびDunn、およびGenPharm Internationalへの米国特許第5,643,763号、1990年8月29日に出願された米国特許出願第07/574,748号、1990年8月31日に出願された米国特許出願第07/575,962号、1991年12月17日に出願された米国特許出願第07/810,279号、1992年3月18日に出願された米国特許出願第07/853,408号、1992年6月23日に出願された米国特許出願第07/904,068号、1992年12月16日に出願された米国特許出願第07/990,860号、1993年4月26日に出願された米国特許出願第08/053,131号、1993年7月22日に出願された米国特許出願第08/096,762号、1993年11月18日に出願された米国特許出願第08/155,301号、1993年12月3日に出願された米国特許出願第08/161,739号、1993年12月10日に出願された米国特許出願第08/165,699号、1994年3月9日に出願された米国特許出願第08/209,741号中に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれている。欧州特許第0546073B1号、国際特許出願第WO9203918号、国際特許出願第WO9222645号、国際特許出願第WO9222647号、国際特許出願第WO9222670号、国際特許出願第WO9312227号、国際特許出願第WO9400569号、国際特許出願第WO9425585号、国際特許出願第WO9614436号、国際特許出願第WO9713852号、および国際特許出願第WO9824884および米国特許第5,981,175号も参照、これらの開示はそれらの全容が参照により本明細書に組み込まれている。
【0043】
Kirinもマウスからのヒト抗体の生成を実証しており、その中ではミクロ細胞の融合によって、染色体の大きな切片、または染色体全体が導入されている。それらの開示が参照により本明細書に組み込まれている、欧州特許出願第773288号および欧州特許出願第843961号を参照。さらに、KirinのTcマウスとMedarexの小遺伝子座(Humab)マウスの異種交配の結果である、KMTMマウスが生成されている。これらのマウスは、KirinマウスのヒトIgHトランス染色体およびGenpharmマウスのkappa鎖トランス遺伝子を有する(Ishidaら、Cloning Stem Cells 4:91〜102頁、2002)。
【0044】
ヒト抗体はin vitro法によって誘導することもできる。適切な例には、ファージディスプレイ(CAT、Morphosys、Dyax、Biosite/Medarex、Xoma、Symphogen、Alexion(以前はProliferon)、Affimed)リボソームディスプレイ(CAT)、酵母ディスプレイなどがあるが、それらに限定されない。
【0045】
治療目的で、抗体は治療エフェクター基、例えば放射性基または細胞毒性基と結合させることが可能である。
【0046】
診断目的で、抗体を標識することができる。適切な標識には、放射性標識、蛍光標識、または酵素標識がある。
【0047】
本発明によって利用するさらなる抗体は、いわゆる異種抗体である。マウスにおけるヒト抗体などの異種抗体の産生に関する一般原理は、例えばWO9110741、WO9402602、WO9634096およびWO9633735中に記載されている。
【0048】
前に論じたように、本発明の抗体は、例えばFv、Fab
'およびF(ab
')
2、ならびに単鎖を含めた、完全抗体以外の様々な形で存在することができる。例えばW08809344を参照。
【0049】
望む場合、本発明の抗体を重鎖および/または軽鎖の可変ドメインにおいて突然変異させて、抗体の結合性を変えることが可能である。例えば、1つまたは複数のCDR領域中に突然変異を施して、AXLに関する抗体のKdを増大または低下させること、または抗体の結合特異性を変えることが可能である。部位特異的突然変異誘発における技法は当技術分野でよく知られている。例えば、SambrookらおよびAusubelら上記を参照。さらに、生殖細胞と比較してAXL抗体の可変領域中で変化することが知られているアミノ酸残基において、突然変異を施すことができる。別の態様では、突然変異を1つまたは複数のフレームワーク領域中に導入することができる。フレームワーク領域または定常ドメイン中に突然変異を施して、AXL抗体の半減期を増大させることが可能である。例えばWO0009560を参照。フレームワーク領域または定常ドメイン中に突然変異を施して、抗体の免疫原性を変えること、別の分子との共有または非共有結合用の部位を与えること、または補体結合などの性質を変えることも可能である。単鎖突然変異抗体中のフレームワーク領域、定常ドメインおよび可変領域の各々において突然変異を施すことができる。あるいは、単鎖突然変異抗体中のフレームワーク領域、可変領域または定常ドメインの1つのみにおいて突然変異を施すことができる。
【0050】
さらなる態様では、抗体はエフェクター機能を有する定常ドメインを有する可能性があり、それによって細胞表面上の抗体、その抗体断片または派生物と結合したAXL発現細胞は免疫系機能によって攻撃される可能性がある。例えば、抗体は補体を固定し、補体依存性細胞障害(CDC)に関与することができる。さらに、抗体は単球およびナチュラルキラー(NK)細胞などのエフェクター細胞上のFc受容体と結合し、抗体依存性細胞毒性(ADCC)に関与することができる。
【0051】
他のさらなる態様では、本発明の抗体は、療法治療、好ましくは過剰増殖性疾患、心臓血管疾患、特にアテローム性動脈硬化症および血栓形成、糖尿病関連疾患、特に糸球体肥大または糖尿病性腎症、および特にAXLの発現、過剰発現または活動亢進と関係がある、それを伴う、またはそれによって引き起こされる障害の治療に適用可能である。過剰増殖性疾患は、AXLの発現、過剰発現または活動亢進と関係がある、それを伴う、またはそれによって引き起こされる障害、例えば乳癌、結腸癌、肺癌、腎臓癌、濾胞性リンパ腫、骨髄性白血病、皮膚癌/メラノーマ、グリア芽腫、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、バレット食道および食道癌、胃癌、膀胱癌、子宮頸癌、肝臓癌、甲状腺癌、および頭頸部癌などの癌、または過形成および腫瘍性疾患または他のAXL発現もしくは過剰発現過剰増殖性疾患から選択されることが好ましい。
【0052】
別の態様では、本発明の抗体は、前述の障害の1つを治療するための、抗腫瘍薬との同時投与に使用することができる。
【0053】
本明細書で使用する同時投与は、抗腫瘍薬、好ましくはアポトーシス誘導性抗腫瘍薬との、本発明の抗体の投与を含む。用語同時投与は、1つの組成物の形または2つ以上の異なる組成物の形での、本発明の抗体と抗腫瘍薬、好ましくはアポトーシス誘導性抗腫瘍薬の投与をさらに含む。同時投与は、同時(すなわち同じときに)または連続的に(すなわち一定間隔で)、本発明の抗体と抗腫瘍薬、好ましくはアポトーシス誘導性抗腫瘍薬を投与することを含む。
【0054】
本発明はさらに、本発明の抗体、その抗体断片または派生物をコードする核酸分子に関する。前に記載した抗体、その抗体断片または派生物をコードする本発明の核酸分子は、例えばDNA、cDNA、RNA、または合成によって生成したDNAもしくはRNA、または単独または組合せでこれらの核酸分子のいずれかを含む組換えによって生成したキメラ核酸分子であってよい。核酸分子は、遺伝子全体もしくはその相当部分またはその断片および派生物に対応するゲノムDNAであってもよい。ヌクレオチド配列は天然に存在するヌクレオチド配列に対応する可能性があり、1つまたは多数のヌクレオチド置換、欠失または付加を含有する可能がある。本発明の特に好ましい実施形態では、核酸分子はcDNA分子である。
【0055】
好ましくは、本発明は、
(a)配列番号7〜12、13〜30、37〜42、43〜46のポリペプチドをコードする核酸配列、
(b)配列番号1〜6、31〜36に示す核酸配列、
(c)(a)または(b)中の配列のいずれかと相補的な核酸、および
(d)ストリンジェントな条件下で(a)、(b)または(c)とハイブリダイズすることができる核酸配列
からなる群から選択される単離核酸分子に関する。
【0056】
用語「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」は、2つの核酸断片が、例えばSambrookら、「Expression of cloned genes in E.coli」in Molecular Cloning:A laboratory manual(1989)、Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York、USA中に記載された標準ハイブリダイゼーション条件下で、互いにハイブリダイズすることを意味する。このような条件は、例えば約45℃での6.O×SSC中でのハイブリダイゼーション、次に50℃で2.O×SSC、好ましくは65℃で2.O×SSC、または50℃で0.2×SSC、好ましくは65℃で0.2×SSCを用いた洗浄ステップである。
【0057】
本発明はさらに、本発明の核酸分子を含むベクターに関する。前記ベクターは、例えばファージ、プラスミド、ウイルスまたはレトロウイルスベクターであってよい。レトロウイルスベクターは、複製可能または複製欠損である可能性がある。後者の場合、ウイルス増殖は一般に相補的宿主細胞中でのみ起こり得る。
【0058】
本発明の核酸分子は、宿主中での増殖の選択可能マーカーを含有するベクターと結合させることが可能である。一般に、プラスミドベクターを、リン酸カルシウム沈殿物または塩化ルビジウム沈殿物などの沈殿物中、または荷電脂質との複合体中、またはフラーレンなどの炭素系クラスターに導入する。ベクターがウイルスである場合、宿主細胞への施用前に適切なパッケージ細胞系を使用してin vitroでそれをパッケージすることができる。
【0059】
好ましくは、本発明のベクターは発現ベクターであり、この場合核酸分子は1つまたは複数の制御配列と作動可能に連結し、原核生物および/または真核生物宿主細胞中での転写および場合によっては発現を可能にする。前記核酸分子の発現は、核酸分子の転写、好ましくは翻訳可能なmRNAへの転写を含む。真核生物細胞、好ましくは哺乳動物細胞中での発現を確実にする制御エレメントは、当業者によく知られている。それらは通常、転写の開始を確実にする制御配列、および場合によっては転写の停止および転写産物の安定化を確実にするポリ-Aシグナルを含む。他の制御エレメントは、転写および翻訳エンハンサーを含むことができる。原核生物宿主細胞中での発現を可能にする考えられる制御エレメントは、例えば大腸菌(E.coli)におけるlac、trpまたはtacプロモーターを含み、真核生物宿主細胞中での発現を可能にする制御エレメントの例は、酵母におけるAOXIまたはGAL1プロモーター、または哺乳動物および他の動物細胞におけるCMV-、SV40-、RSV-プロモーター(ラウス肉腫ウイルス)、CMV-エンハンサー、SV40-エンハンサーまたはグロブリンイントロンである。転写の開始を担うエレメント以外に、このような制御エレメントは、ポリヌクレオチドの下流にSV40-ポリ-A部位またはtk-ポリ-A部位などの、転写停止シグナル部位も含み得る。この文脈において、Okayama-BergのcDNA発現ベクターpcDV1(Pharmacia)、pCDM8、pRc/CMV、pcDNA1、pcDNA3(Invitrogen)またはpSPORTI(GIBCOBRL)などの、適切な発現ベクターが当技術分野で知られている。前記ベクターは、発現ベクターおよび/または遺伝子導入または標的ベクターであることが好ましい。レトロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、またはウシパピローマウイルスなどのウイルスに由来する発現ベクターは、標的細胞集団への本発明のポリヌクレオチドまたはベクターの送達に使用することができる。当業者によく知られている方法を使用して組換えウイルスベクターを構築することができる。例えば、Sambrook、Molecular Cloning A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory(2001、第三版)N.Y.およびAusubel、Current Protocols in Molecular Biology、Green Publishing Associates and Wiley Interscience、N.Y.(1994)中に記載された技法を参照。あるいは、本発明の核酸分子は、標的細胞への送達用のリポソームに再構築することができる。
【0060】
本発明はさらに、本発明のベクターを含む宿主に関する。
【0061】
前記宿主は、原核生物または真核生物細胞または非ヒトトランスジェニック動物であってよい。宿主中に存在する本発明のポリヌクレオチドまたはベクターは宿主のゲノムに組み込むことができる、またはそれは、染色体外に維持することができるかのいずれかである。この点において、本発明の核酸分子は、「遺伝子標的化」および/または「遺伝子置換」、突然変異遺伝子の修復、または相同的組換えによる突然変異遺伝子の作製に使用することができることも理解される。例えば、Mouellic、Proc.Nat!.Acad.Sci.USA、87(1990)、4712〜4716頁、Joyner、Gene Targeting、A Practical Approach、Oxford University Pressを参照。
【0062】
宿主は、細菌、昆虫、真菌、植物、動物、哺乳動物または、好ましくはヒト細胞などの、任意の原核生物または真核生物細胞であってよい。好ましい真菌細胞は、例えばサッカロミセス属(genus Saccharomyces)の細胞、特にサッカロミセスセレヴィシエ種(species S.cerevisiae)の細胞である。用語「原核生物」は、本発明の変異体ポリペプチドの発現のためにポリヌクレオチドで形質転換またはトランスフェクトすることができる、全ての細菌を含むことを意味する。原核生物宿主は、グラム陰性菌およびグラム陽性菌、例えば大腸菌、ネズミチフス菌(S.typhimurium)、セラチアマルセッセンス(Serratia marcescens)および枯草菌(Bacillus subtilis)などを含むことができる。当業者に一般に知られている技法のいずれかを使用することによって、突然変異型の本発明の変異体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを使用して、宿主を形質転換またはトランスフェクトすることができる。融合、作動可能に連結した遺伝子を調製し、および細菌または動物細胞中でそれらを発現させるための方法は当技術分野でよく知られている(Sambrook、Molecular Cloning A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory(2001、第三版)。その中に記載された遺伝子構築体および方法は、例えば原核生物宿主中での、本発明の変異体抗体、その抗体断片または派生物の発現に利用することができる。一般に、挿入核酸分子の有効な転写を容易にするプロモーター配列を含有する発現ベクターは、宿主と共に使用される。発現ベクターは、複製起点、プロモーター、およびターミネーター、ならびに形質転換細胞の表現型の選択を与えることができる特異的遺伝子を典型的には含有する。形質転換原核生物宿主を発酵槽中で増殖させ、当技術分野で知られている技法に従い培養して、最適な細胞増殖を達成することが可能である。本発明の抗体、その抗体断片または派生物は、次いで増殖培地、細胞溶解物、または細胞膜分画から単離することができる。微生物または他に発現された本発明の抗体、その抗体断片または派生物の単離および精製は、例えば調製クロマトグラフィー分離、およびモノクローナルまたはポリクローナル抗体の使用を含む分離などの免疫学的分離などの、任意の従来の手段によるものであってよい。
【0063】
本発明の好ましい実施形態では、宿主は細菌、真菌、植物、両生類または動物細胞である。好ましい動物細胞には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、3T3細胞、NSO細胞およびヒト細胞を含めた幾つかの他の細胞系、例えばPer.C6があるが、それらに限定されない。別の好ましい実施形態では、前記動物細胞は昆虫細胞である。好ましい昆虫細胞には、SF9細胞系の細胞があるが、それらに限定されない。
【0064】
本発明のより好ましい実施形態では、前記宿主はヒト細胞またはヒト細胞系である。前記ヒト細胞には、ヒト胚腎臓細胞(HEK293、293T、293フリースタイル)があるが、それらに限定されない。さらに、前記ヒト細胞系には、HeLa細胞、ヒト肝細胞癌細胞(例えばHepG2)、A549細胞があるが、それらに限定されない。
【0065】
本発明は、本発明の抗体を産生するために使用することができる、1つまたは複数の本発明の核酸分子を含むトランスジェニック非ヒト動物も提供する。抗体はヤギ、ウシ、ウマ、ブタ、ラット、マウス、ウサギ、ハムスターまたは他の哺乳動物の組織または乳、血液もしくは尿などの体液において産生し、そこから回収することができる。例えば、米国特許第5,827,690号、米国特許第5,756,687号、米国特許第5,750,172号、および米国特許第5,741,957号を参照。前に記載したように、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含む非ヒトトランスジェニック動物は、AXLまたはその一部分を用いた免疫処置によって生成することができる。
【0066】
本発明はさらに、抗体を調製するための方法であって、前記抗体の合成を可能にする条件下で本発明の宿主を培養するステップ、および前記培養物から前記抗体を回収するステップを含む方法に関する。
【0067】
形質転換宿主を発酵槽中で増殖させ、当技術分野で知られている技法に従い培養して、最適な細胞増殖を達成することが可能である。発現した後、本発明の完全抗体、それらの二量体、個々の軽鎖および重鎖、または他の免疫グロブリン型は、硫安沈殿法、親和性カラム、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などを含めた、当技術分野の標準手順に従い精製することができる。Scopes、「Protein Purification」、Springer-Verlag、N.Y.(1982)を参照。本発明の抗体またはその対応する免疫グロブリン鎖は、次いで増殖培地、細胞溶解物、または細胞膜分画から単離することができる。例えば、微生物に発現された本発明の抗体または免疫グロブリン鎖の単離および精製は、例えば調製クロマトグラフィー分離、および例えば本発明の抗体の定常領域を対象とするモノクローナルまたはポリクローナル抗体の使用を含む分離などの免疫学的分離などの、任意の従来の手段によるものであってよい。
【0068】
本発明の抗体は、例えば薬剤標的化およびイメージング用途で、他の成分とさらに結合させることが可能であることは、当業者には明らかであろう。抗体または抗原の発現後に、結合部位とこのような結合を化学的に実施することができ、または結合産物をDNAレベルで本発明の抗体または抗原に工学処理することができる。次いでDNAを適切な宿主系中で発現させ、かつ必要な場合、発現したタンパク質を回収し復元させる。
【0069】
本発明の好ましい実施形態では、抗体を放射性同位体または毒性化学療法剤などのエフェクターと結合させる。これらの抗体結合体は、除去するための細胞、例えばAXLを発現する癌細胞を標的化する際に有用であることが好ましい。本発明の抗体/抗体断片と例えば放射性同位体の結合は、腫瘍治療に対する利点をもたらす。化学療法および他の形の癌治療とは異なり、放射性同位体-抗体の組合せの放射免疫治療または投与は、周囲の正常、健常組織に対して最小の損傷で癌細胞を直接標的化する。好ましい放射性同位体には例えば
3H、
14C、
15N、
35S、
90Y、
99Tc、
111In、
125I、
131Iがある。
【0070】
さらに、ゲルダナマイシン(Mandlerら、J.Natl.Cancer Inst.、92(19)、1549〜51頁(2000)およびメイタンシン、例えばメイタンシノイド薬剤、DM1(Liuら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93:8618〜8623頁(1996)およびオーリスタチン-Eまたはモノメチルオーリスタチン-E(Doroninaら、Nat.Biotechnol.21:778〜784頁(2003)またはカリケアミシト(calicheamicit)などの毒性化学療法剤と結合しているとき、本発明の抗体を使用して癌を治療することができる。酸性または還元条件下または特異的プロテアーゼへの露出で薬剤を放出する異なるリンカーは、この技術と共に利用される。本発明の抗体は、当技術分野で記載されるように結合させることが可能である。
【0071】
本発明はさらに、本発明の抗体、核酸分子、ベクター、宿主、または本発明の方法によって得られる抗体を含む医薬組成物に関する。
【0072】
本明細書で使用する用語「組成物」は、少なくとも1つの本発明の化合物を含む。このような組成物は、医薬または診断用組成物であることが好ましい。
【0073】
前記医薬組成物は、薬剤として許容される担体および/または希釈剤を含むことが好ましい。本明細書で開示する医薬組成物は、AXLの発現、過剰発現または活動亢進と関係がある、それを伴う、またはそれによって引き起こされる障害、例えば過剰増殖性疾患、心臓血管疾患、特にアテローム性動脈硬化症および血栓形成、糖尿病関連疾患、特に糸球体肥大または糖尿病性腎症の治療に部分的に有用であり得る。前記障害は、癌、例えば乳癌、結腸癌、肺癌、腎臓癌、濾胞性リンパ腫、骨髄性白血病、皮膚癌/メラノーマ、グリア芽腫、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、バレット食道および食道癌、胃癌、膀胱癌、子宮頸癌、肝臓癌、甲状腺癌、および頭頸部癌などの癌、または他の過形成および腫瘍性疾患または他のAXL発現もしくは過剰発現疾患だけには限られないが、これらを含む。
【0074】
本明細書の用語「活動亢進」は、負の調節の欠如および/または機能不全によって引き起こされる可能性がある、制御不能なAXLシグナル伝達を指す。例えば負の調節は、タンパク質の脱リン酸化、分解および/またはエンドサイトーシスを含む。さらに、制御不能なAXLシグナル伝達は、AXLアミノ酸配列の変化をもたらす、体細胞または生殖細胞のいずれかの遺伝子変化の結果であり得る。
【0075】
適切な医薬担体、賦形剤および/または希釈剤の例は当技術分野でよく知られており、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、油/水エマルジョンなどのエマルジョン、様々な型の湿潤剤、滅菌溶液などを含む。このような担体を含む組成物は、よく知られている従来の方法によって製剤化することができる。これらの医薬組成物は、適切な用量で対象に投与することができる。適切な組成物の投与は、異なる方法によって、例えば静脈内、腹膜内、皮下、筋肉内、局所、皮内、鼻腔内、または気管支内投与によって実施することができる。本発明の組成物は、例えば脳のような外部または内部標的部位への遺伝子銃送達によって、標的部位に直接投与することもできる。投薬レジメンは担当医および臨床学的要因によって決定され得る。医療分野においてよく知られているように、任意の一人の患者に関する投薬は、患者のサイズ、体表面積、年齢、投与する個々の化合物、性別、投与の時間および経路、一般的健康状態、および同時に投与される他の薬剤を含めた多くの要因に依存する。タンパク質性医薬活性物質は用量当たり1μg〜100mg/体重1kgの量で存在する可能性があるが、しかしながら、特に前述の要因を考慮して、この例示的な範囲より下または上の用量が想定される。レジメンが持続注入である場合、それはさらに一分間当たり体重1kg当たり1pg〜100mgの範囲でなければならない。
【0076】
定期評価によって進行をモニターすることができる。本発明の組成物は局所または全身に投与することができる。非経口投与用の調製物には、滅菌水性溶液または非水性溶液、懸濁液、およびエマルジョンがある。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。水性担体には、水、アルコール/水溶液、生理食塩水および緩衝培地を含むエマルジョンまたは懸濁液がある。非経口賦形薬には、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンガー液、または固定油がある。静脈内賦形薬には、液体および栄養補給剤、電解質補給剤(リンガーデキストロースに基づく補給剤など)などがある。例えば抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、および不活性ガスなどの、防腐剤および他の添加剤が存在してもよい。さらに、本発明の医薬組成物は、医薬組成物の意図する用途に応じてさらなる作用物質を含むことができる。医薬組成物は、例えば追加的な抗腫瘍薬、小分子阻害剤、抗腫瘍剤または化学療法剤のような、さらなる活性作用物質を含むことが特に好ましい。
【0077】
本発明は、好ましくは少なくとも1つのさらなる抗腫瘍薬と組合せた本発明の抗体である抗AXL抗体を含む、医薬組成物にも関する。前記組合せは、例えば異常な細胞増殖を阻害する際に有効である。
【0078】
多くの抗腫瘍薬が、現在当技術分野で知られている。一般にこの用語は、過剰増殖性障害を予防、軽減および/または治療することができる全ての作用物質を含む。一実施形態では、抗腫瘍薬は、抗体または免疫調節タンパク質だけには限られないがこれらを含めた、治療用タンパク質の群から選択される。別の実施形態では、抗腫瘍薬は、分裂阻害剤、キナーゼ阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、挿入剤、抗生物質、増殖因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、抗生存因子、生物反応修飾物質、抗ホルモン、例えば抗アンドロゲン、および抗血管新生剤からなる小分子阻害剤または化学療法剤の群から選択される。
【0079】
本明細書に示す抗体と組合せて使用することができる抗腫瘍薬の具体例には、例えばゲフィチニブ、ラパチニブ、サニチニブ、ペメトレキセド、ベバシスマブ、セツキシマブ、イマチニブ、トラスツマブ、アレムツマブ、リツキシマブ、エルロチニブ、ボルテゾミブなどがある。本明細書に記載し特許請求する組成物において使用する他の具体的な抗腫瘍薬には、例えばカペシタビン、ダウノルビシン、ダウノマイシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、エソルビシン、ブレオマイシン、マホスファミド、イフォスファミド、シトシンアラビノシド、ビス-クロロエチルニトロソウレア、ブサルファン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ミトラマイシン、プレドニゾン、ヒドロキシプロゲステロン、テストステロン、タモキシフェン、ダカルバジン、プロカルバジン、ヘキサメチルメラミン、ペンタメチルメラミン、ミトキサントロン、アムサクリン、クロラムブシル、メチルシクロヘキシルニトロソウレア、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、シクロホスファミド、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン(CA)、5-アザシチジン、ヒドロキシウレア、デオキシコフォルマイシン、4-ヒドロキシペルオキシシクロホスホルアミド、5-フルオロウラシル(5-FU)、5-フルオロデオキシウリジン(5-FUdR)、メトトレキセート(MTX)、コルヒシン、タキソール、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、トリメトレキセート、テニポシド、シスプラスチンおよびジエチルスチルベストロール(DES)などの化学療法剤がある。一般に、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy、15th Ed.1987、1206〜1228頁、Berkowら編、Rahway、N.Jを参照。特に好ましいのは、アポトーシスを誘導するような抗腫瘍薬である。
【0080】
記載したAXL抗体と共に使用するとき、このような抗腫瘍薬は、個別(例えば、5-FUおよび抗体)、連続的(例えば、一定期間の時間5-FUおよび抗体、次にMTXおよび抗体)、または1つまたは複数の他のこのような抗腫瘍薬との組合せで(例えば、5-FU、MTXおよび抗体、または5-FU、放射線治療剤および抗体)使用することができる。
【0081】
用語抗腫瘍薬は、例えば照射または放射線治療として治療手段も含むことができる。
【0082】
本発明の医薬組成物は人間医学において使用することができ、かつ獣医学用途でも使用することができる。
【0083】
さらに本発明は、過剰増殖性疾患、心臓血管疾患、特にアテローム性動脈硬化症および血栓形成、糖尿病関連疾患、特に糸球体肥大または糖尿病性腎症、および特にAXLの発現、過剰発現または活動亢進と関係がある、それを伴う、またはそれによって引き起こされる障害の診断、予防または治療用の医薬組成物を調製するための、本発明の抗体、本発明の核酸分子、ベクター、宿主、または本発明の方法によって得た抗体の使用に関する。
【0084】
前述の過剰増殖性疾患は、任意の新生組織形成、すなわち組織の任意の異常および/または制御不能な新たな増殖を含む。本明細書で使用する用語「組織の制御不能な新たな増殖」は、増殖制御の機能不全および/または消失に依存する可能性がある。過剰増殖性疾患は、腫瘍疾患および/または転移性または浸潤性癌などの癌を含む。
【0085】
本発明の使用の好ましい実施形態では、前記過剰増殖性疾患は、特に乳癌、結腸癌、肺癌、腎臓癌、濾胞性リンパ腫、骨髄性白血病、皮膚癌/メラノーマ、グリア芽腫、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、バレット食道および食道癌、胃癌、膀胱癌、子宮頸癌、肝臓癌、甲状腺癌、および頭頸部癌などの癌、または過形成および腫瘍性疾患、または他のAXL発現もしくは過剰発現過剰増殖性疾患である。
【0086】
さらに別の実施形態では、本発明は、前述の障害の1つの治療用の抗腫瘍薬と同時投与するための医薬品を製造するための、抗AXL抗体、好ましくは本発明の抗体の使用を言及する。
【0087】
さらなる好ましい実施形態によれば、本発明は、薬剤耐性癌の治療用の医薬組成物を製造するための抗AXL抗体の使用を対象とする。特に好ましい実施形態では、抗AXL抗体は請求項1から22において定義するモノクローナル抗体である。
【0088】
さらに本発明は、本発明の抗体、本発明の核酸分子、ベクター、宿主、または本発明の方法によって得た抗体、および場合によっては薬剤として許容される担体を含む診断用組成物に関する。
【0089】
本発明の診断用組成物は、サンプルを本発明の抗体と接触させるステップ、およびサンプル中のAXLの存在を検出するステップを含む、異なる細胞、組織または別の適切なサンプル中の哺乳動物AXLの望ましくない発現、過剰発現または活動亢進の検出において有用である。したがって、本発明の診断用組成物は、過剰増殖性疾患の発症または疾患状態を評価するために使用することができる。
【0090】
さらに、AXLを発現する癌細胞などの悪性細胞を、本発明の抗体を用いて標的化することができる。したがって、本発明の抗体と結合した細胞は、補体系などの免疫系機能または細胞媒介性細胞障害によって攻撃され、それによって癌細胞の数を減らすまたは癌細胞を撲滅する可能性がある。これらの考慮事項は、転移および再発腫瘍の治療にも同様に当てはまる。
【0091】
本発明の別の態様では、本発明の抗体を標識基と結合させる。このような抗体は診断用途に特に適している。本明細書で使用する用語「標識基」は、検出可能なマーカー、例えば顕著なアビジンによって検出することができる放射標識アミノ酸またはビオチニル部分を指す。抗体などのポリペプチドおよび糖タンパク質を標識するための様々な方法は当技術分野で知られており、本発明を実施する際に使用することができる。適切な標識基の例には、以下の:放射性同位体または放射性核種(例えば
3H、
14C、
15N、
35S、
90Y、
99Tc、
111In、
125I、
131I)、蛍光基(例えばFITC、ローダミン、ランタニドリン光体)、酵素基(例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光基、ビオチニル基、または二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)があるが、それらに限定されない。
【0092】
特定の態様では、標識基を様々な長さのスペーサーアームによって結合させて、考えられる立体障害を減らすことが望ましい可能性がある。
【0093】
別の実施形態では、本発明は、AXL発現細胞の存在を評価する方法であって、本発明の抗体とそれらの/その表面上にAXLを有する疑いがある細胞または組織を接触させるステップを含む方法に関する。サンプル中のAXL発現を検出するのに適した方法は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)または免疫組織化学法(IHC)であってよい。
【0094】
ELISAアッセイはマイクロタイタープレート形式で実施することができ、この場合、例えばマイクロタイタープレートのウエルはAXL抗体と吸着する。ウエルを洗い流し、乳タンパク質またはアルブミンなどのブロッキング剤で処理して、検体の非特異的吸着を妨げる。その後ウエルを試験サンプルで処理する。試験サンプルまたは標準を洗い流した後、例えばビオチンとの結合によって標識した二次AXL抗体でウエルを処理する。過剰な二次抗体を洗浄除去した後、例えばアビジン結合ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)および適切な発色性基質を用いて標識を検出する。試験サンプル中のAXL抗原の濃度は、標準サンプルから開発した標準曲線との比較によって決定する。
【0095】
IHC用に、パラフィン包埋組織を使用することができ、この場合、組織は例えばキシレン中で最初に脱パラフィン処理し、次いで例えばエタノールで脱水し、蒸留水で洗い流す。ホルマリン固定およびパラフィン包埋によってマスキングした抗原性エピトープは、エピトープアンマスキング、酵素消化またはサポニンによって露出させることが可能である。エピトープアンマスキングのために、パラフィン切片を、スチーマー、水浴または電子レンジ中で20〜40分間、例えば2NのHCl溶液(pH1.0)などのエピトープ回収溶液中で加熱することができる。酵素消化の場合、組織切片は例えばプロテイナーゼK、トリプシン、プロナーゼ、ペプシンなどの異なる酵素溶液中において37℃で10〜30分間インキュベートすることができる。
【0096】
エピトープ回収溶液または過剰な酵素を洗い流した後、組織切片をブロッキングバッファーで処理して非特異的相互作用を予防する。一次AXL抗体は適切な濃度で加える。過剰な一次抗体を洗い流し、室温において10分間ペルオキシダーゼブロッキング溶液中で切片をインキュベートする。別の洗浄ステップ後、例えば酵素のアンカーとして働くことができる基で標識した二次標識抗体と共に、組織切片をインキュベートする。したがって例は、ストレプトアビジン結合ホースラディッシュペルオキシダーゼによって認識されるビオチン標識二次抗体である。抗体/酵素複合体の検出は、適切な発色性基質とのインキュベートによって実施する。
【0097】
他の実施形態では、本発明は、AXL機能を阻害する方法であって、抗体がAXL機能を阻害することができる条件下で、本発明の抗体とそれらの/その表面上にAXLを有する疑いがある細胞または組織を接触させるステップを含む方法に関する。接触はin vitroまたはin vivoであってよい。
【0098】
本発明はさらに、過剰増殖性疾患、心臓血管疾患、特にアテローム性動脈硬化症および血栓形成、糖尿病関連疾患、特に糸球体肥大または糖尿病性腎症を治療する方法であって、適切な用量の本発明の抗体、その抗体断片または派生物をそれを必要とする患者に投与するステップを含む方法に関する。過剰増殖性疾患は、AXLの発現、過剰発現または活動亢進と関係がある、それを伴う、またはそれによって引き起こされる障害、例えば乳癌、結腸癌、肺癌、腎臓癌、濾胞性リンパ腫、骨髄性白血病、皮膚癌/メラノーマ、グリア芽腫、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、バレット食道および食道癌、胃癌、膀胱癌、子宮頸癌、肝臓癌、甲状腺癌、および頭頸部癌などの癌、または過形成および腫瘍性疾患、または他のAXL発現もしくは過剰発現過剰増殖性疾患から選択されることが好ましい。
【0099】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、治療する癌は薬剤耐性癌である。
【0100】
本発明はさらに、疾患を治療する方法であって、本発明の抗体を哺乳動物に投与し、前記疾患がAXLの発現または活性の異常なレベルと直接的または間接的に関係がある方法に関する。
【0101】
最後に本発明は、抗AXL抗体、好ましくは本発明の抗体、その抗体断片または派生物、前記構成要素をコードする核酸分子および/または本発明のベクターを含むキットに関する。
【0102】
本明細書に開示する化合物を含む全ての実施形態は、医薬品を調製するために単一化合物または組合せとして使用することができる。