特許第5770081号(P5770081)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770081
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】引戸連動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 17/00 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   E05F17/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2011-289462(P2011-289462)
(22)【出願日】2011年12月28日
(65)【公開番号】特開2013-139668(P2013-139668A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2014年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145895
【氏名又は名称】株式会社小林製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000169329
【氏名又は名称】アトムリビンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(72)【発明者】
【氏名】小林 大輔
(72)【発明者】
【氏名】谷 直紀
(72)【発明者】
【氏名】原 秀太郎
(72)【発明者】
【氏名】飯島 弘久
【審査官】 佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−82933(JP,A)
【文献】 特開2003−82929(JP,A)
【文献】 特開2004−36150(JP,A)
【文献】 実開平5−24863(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00− 17/00
E05D 15/00− 15/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引戸に取り付けられ、隣接する引戸に係合してこの隣接引戸と連動して前記引戸を開閉する引戸連動装置であって、
上記引戸の開閉方向に沿って延設されるとともに上記開閉方向に沿って延びるスライダ挿通用の開口を有する基体と、
この基体の内部に収納された複数のガイド体と、
これらの複数のガイド体に掛け渡され、周回可能に張設された無端状体と、
上記無端状体に固定され、上記スライダ挿通用の開口を通して上記隣接引戸に係合されるスライダとを備え、
上記基体は、第1基体、および、この第1基体に、一部重なる状態で上記開閉方向へスライド移動可能に取り付けられた第2基体を有する基体本体部と、この基体本体部の内側に上記開閉方向にスライド移動可能に配設された中間基体とを有し、上記基体本体部が上記第2基体と上記第1基体との相対的な上記スライド移動により伸縮可能に構成され、
上記複数のガイド体は、上記第1基体に取付けられた第1ガイド体と、この第1ガイド体よりも第2基体側の第1基体に取付けられた第2ガイド体と、上記第2基体に取付けられた第3ガイド体と、この第3ガイド体よりも第1基体側の第2基体に取付けられた第4ガイド体と、上記開閉方向について上記第1ガイド体及び第2ガイド体間の中間基体に取付けられた第5ガイド体と、上記開閉方向について上記第3ガイド体及び第4ガイド体間の中間基体に取付けられた第6ガイド体と、を含み、
上記無端状体は、第1ガイド体から第6ガイド体の張設について、2本まとめた状態で、第5ガイド体から第2ガイド体に延び、この第2ガイド体、第1ガイド体、第3ガイド体、第4ガイド体の順に掛け回されることにより各ガイド体において反対方向に折り返されて第6ガイド体へ導かれており、
上記一対のスライダのそれぞれは、第1ガイド体及び第3ガイド体に掛け渡された上記2本のそれぞれに取り付けられ、
上記中間基体は、上記第1基体及び上記第2基体の相対的なスライド移動に応じて、上記第1基体に対する変位量の絶対値と上記第2基体に対する変位量の絶対値とが等しくなる位置に移動可能に構成されていることを特徴とする引戸連動装置。
【請求項2】
上記ガイド体は、上記基体に回転自在に取り付けられたプーリであることを特徴とする請求項1に記載の引戸連動装置。
【請求項3】
上記プーリのうち、上記無端状体の2本まとめた部分が掛け渡される第1ガイド体、第2ガイド体、第3ガイド体および第4ガイド体は、軸心方向に重ね合わされるとともに各々が独立して回転可能な2連プーリであることを特徴とする請求項2に記載の引戸連動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物や家具などの構造物の開口部を複数枚の引戸で開閉する場合に、開閉操作に伴って引戸を連動させる引戸連動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物などにおける開口部においては、間口の有効利用等のため、引戸を複数枚設けることがある。このように複数枚の引戸を設けた場合には、一枚ずつ引戸を開閉操作することが面倒である等の理由から、一枚の引戸の開閉操作に伴い他の引戸を連動させる引戸連動装置が設置されるものが見受けられるようになっている。
【0003】
このような引戸連動装置の中に、引戸連動機構をユニット化して取り扱い利便性を高めたものがある(特許文献1参照)。
【0004】
具体的には、この引戸連動装置は、引戸の開閉方向に沿って延びるとともにこの引戸の上端面または下端面に掘込みして取り付けられる掘込ベースと、掘込ベースの内部の長手方向両端部にそれぞれ回転自在に設けられるプーリと、これらのプーリ間に掛け渡される無端状ワイヤと、このワイヤに固定され隣接引戸に係合されるスライダとが一体組付されてユニット化されたものが知られている。
【0005】
この引戸連動装置においては、このユニットを例えば3枚引戸のうち真ん中の引戸に掘込み設置して、プーリ間に掛け渡されたワイヤのそれぞれに固定されたスライダを前後の引戸に係合させるだけで、これらの3枚の引戸を連動開閉することができ、設置時の取り扱い性、汎用性、操作性を向上させることができる点で有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−82933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、開口部の間口は、住宅事情等により様々あり、またこの開口部に嵌め込まれる引戸の戸幅や枚数も状況に応じて広狭種々存在する。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1記載の引戸連動装置においては、ユニット化されている点で便利ではあるものの、掘込ベースの長さが決まっているので、引戸の戸幅に応じて種々の寸法の装置を用意しなければならず、汎用性の面で十分に満足のいくものではなかった。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、引戸の戸幅に応じて柔軟に対応することができ、汎用性や設置時の取り扱い性をより向上させた引戸連動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、この発明に係る引戸連動装置は、引戸に取り付けられ、隣接する引戸に係合してこの隣接引戸と連動して前記引戸を開閉する引戸連動装置であって、上記引戸の開閉方向に沿って延設されるとともに上記開閉方向に沿って延びるスライダ挿通用の開口を有する基体と、この基体の内部に収納された複数のガイド体と、これらの複数のガイド体に掛け渡され、周回可能に張設された無端状体と、上記無端状体に固定され、上記スライダ挿通用の開口を通して上記隣接引戸に係合されるスライダとを備え、上記基体は、第1基体、および、この第1基体に、一部重なる状態で上記開閉方向へスライド移動可能に取り付けられた第2基体を有する基体本体部と、この基体本体部の内側に上記開閉方向にスライド移動可能に配設された中間基体とを有し、上記基体本体部が上記第2基体と上記第1基体との相対的な上記スライド移動により伸縮可能に構成され、上記複数のガイド体は、上記第1基体に取付けられた第1ガイド体と、この第1ガイド体よりも第2基体側の第1基体に取付けられた第2ガイド体と、上記第2基体に取付けられた第3ガイド体と、この第3ガイド体よりも第1基体側の第2基体に取付けられた第4ガイド体と、上記開閉方向について上記第1ガイド体及び第2ガイド体間の中間基体に取付けられた第5ガイド体と、上記開閉方向について上記第3ガイド体及び第4ガイド体間の中間基体に取付けられた第6ガイド体と、を含み、上記無端状体は、第1ガイド体から第6ガイド体の張設について、2本まとめた状態で、第5ガイド体から第2ガイド体に延び、この第2ガイド体、第1ガイド体、第3ガイド体、第4ガイド体の順に掛け回されることにより各ガイド体において反対方向に折り返されて第6ガイド体へ導かれており、上記一対のスライダのそれぞれは、第1ガイド体及び第3ガイド体に掛け渡された上記2本のそれぞれに取り付けられ、上記中間基体は、上記第1基体及び上記第2基体の相対的なスライド移動に応じて、上記第1基体に対する変位量の絶対値と上記第2基体に対する変位量の絶対値とが等しくなる位置に移動可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、上記基体本体部は、第1基体と、この第1基体に対して一部重なって上記開閉方向にスライド移動可能に取り付けられる第2基体とを有することにより、上記引戸の開閉方向に伸縮可能に構成されているので、引戸の戸幅に応じて基体本体部を伸縮することによりこの戸幅に柔軟に対応することができ、換言すると引戸の戸幅に応じて種々の寸法設定の引戸連動装置を用意する必要がなく、汎用性及び設置時の取り扱い性をより高めることが可能になる。
【0012】
また、上記基体本体部を伸縮させると、第1ガイド体と第3ガイド体との間の無端状体も伸縮させる必要があるが、無端状体が上記のように各ガイド体に掛け回されているので、基体本体部の伸縮に伴い、第2ガイド体と第5ガイド体との位置関係および第4ガイド体と第6ガイド体との位置関係が、第1ガイド体と第3ガイド体との位置関係と逆向きに変化する。つまり、例えば第1ガイド体と第3ガイド体とが離れると、第2ガイド体と第5ガイド体、第4ガイド体と第6ガイド体とが近づき、これらの近づいた距離の総和が、第1ガイド体と第3ガイド体とが離れた距離と等しくなる。一方、第1ガイド体と第3ガイド体とが近づくと、第2ガイド体と第5ガイド体、第4ガイド体と第6ガイド体とが離れ、これらの離れた距離の総和が、第1ガイド体と第3ガイド体とが近づいた距離と等しくなる。このため、無端状体を弛ませることなく第1ガイド体と第3ガイド体との離隔距離を適切に調整することができる。この場合、中間基体が第1基体及び第2基体の相対的なスライド移動に応じて、第1基体に対する変位量の絶対値と第2基体に対する変位量の絶対値とが等しくなる位置に移動可能に構成されているので、このような位置に中間基体を移動させた後は、基体中心に対する各スライダの位置が変化することがない。このため、基体本体部の伸縮により基体中心から位置がずれたスライダを無端状体から一旦取外し、伸縮後の基体中心に対応する無端状体の位置にスライダを再度取付け直す必要がない。
【0013】
上記ガイド体は、無端状体に対して係合してその移動を円滑にガイドできるものであれば、具体的な構成を特に限定するものではなく、例えば無端状体に対して円滑に摺接する低摩擦体(例えば低摩擦円筒体)などを使用してもよいが、上記ガイド体は、上記基体に回転自在に取り付けられたプーリであるのが好ましい。
【0014】
また、この場合、上記プーリのうち第1〜第4プーリは、上記無端状体の途中経路の2本まとめて掛け回される部分に設けられるものであるので、軸心方向に重ね合わされるとともに各々に上記無端状体の各部位(一方経路部分と他方経路部分)が掛け回されて独立して回転可能な2連プーリであるのが好ましい。このように構成すれば、無端状体の円滑な移動を比較的簡単に構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る引戸連動装置によれば、引戸の戸幅に応じて基体本体部を伸縮することができ、この伸縮に応じてスライダの可動範囲も適切に伸縮することができるので、引戸の戸幅に柔軟に対応することができ、引戸の戸幅に応じて種々の寸法設定の装置を用意する必要がなく、汎用性及び設置時の取り扱い性をより高めることができる。また、中間基体が第1基体及び第2基体の相対的なスライド移動に応じて、第1基体に対する変位量の絶対値と第2基体に対する変位量の絶対値とが等しくなる位置に移動可能に構成されているので、このような位置に中間基体を移動させた後は、基体中心に対する各スライダの位置が変化することがない。このため、基体本体部の伸縮により基体中心から位置がずれたスライダを無端状体から一旦取外し、伸縮後の基体中心に対応する無端状体の位置にスライダを再度取付け直す必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の引戸連動装置が適用される引戸の概略を示す斜視図である。
図2図1のII−II線による断面図である(但し、プーリは省略して表す)。
図3】前記引戸連動装置の基体を収縮した状態(実線部分)で同装置を示す外観斜視図である。
図4】前記引戸連動装置の伸長状態を示す分離斜視図である。
図5】前記引戸連動装置の収縮途中を示す分離斜視図である。
図6】前記引戸連動装置の収縮状態を示す分離斜視図である。
図7】同装置の第1基体を分解した状態で示す斜視図である。
図8】同装置の第1基体を示す平面図である。
図9】同装置の第1基体および第2基体を示す左側面図である。
図10】同装置の第2基体を分解した状態で示す斜視図である。
図11】基体本体部の伸縮に伴うスライダ移動の説明図であり、(a)は基体本体部を収縮させる前の状態におけるスライダの位置を示す概念図で、(b)は基体本体部を収縮させた後の状態におけるスライダ位置とスライダを移動させる位置との関係を示す概念図である。
図12】無端状体の説明図であり、(a)は基体本体部を伸長した場合における無端状体の掛け渡し状態を示す図で、(b)は基体本体部を収縮した場合における無端状体の掛け渡し状態を示す図である。
図13】同装置のスライダの主要部材を示す正面図である。
図14】同装置を4枚引戸に適用した場合の構成説明図である。
図15】同装置を5枚引戸に適用した場合の構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態の引戸連動装置は、上端部がガイドレールに案内支持される吊下式引戸について適用したものであるが、非吊下式の引戸等、複数枚の引戸があればその他引戸にも当然に適用することができる。
【0018】
図1に、本実施形態の引戸連動装置が適用される引戸構造を示す。図2は基体本体部を収縮状態としたときの引戸連動装置を示す縦断面図(但し、プーリは省略して表す)である。なお、以下、便宜上、各図における+X方向を右方向、+Y方向を後方向、+Z方向を上方向として説明するが、これらの方向の表現については特に限定されるものではなく、単に本実施形態の装置における相対的な位置関係を表したものである。
【0019】
この引戸構造は、開口部に隣接する壁Wの前側に前方開放型の戸袋が設置され、この戸袋から2枚の引戸D1、D2が引き出されることにより開口部が閉塞されるものである。これらの引戸D1、D2は、全開状態で戸袋において完全に重複する状態に配置されており、全閉状態においても一部が重複する状態で配置されている。またこれらの引戸D1、D2は、それぞれ上端部に左右一対のガイドローラRが設けられ、このガイドローラRが、開口部の上部枠に取り付けられたガイドレール(不図示)に案内支持されて開口部を開閉する。なお、引戸D1には、図1に示すように、開閉操作用の取手D11が設けられている。
【0020】
これらの引戸D1、D2のうち、壁W側の引戸D2の下端部に、引戸D2の開閉方向(以下単に「開閉方向」という場合には引戸D2の開閉方向をいう)Aに沿った収納溝部D12が設けられ、この収納溝部D12に本実施形態の引戸連動装置1が収納状態に取り付けられている。
【0021】
この引戸連動装置1は、隣接する引戸D1に係合するとともに壁Wに係合して、隣接引戸D1の開閉操作に伴って引戸D2を連動開閉するものである。また、この引戸連動装置1は、図3に示すように伸縮可能に構成されていて、収納溝部D12の開閉方向Aの長さ寸法に応じた長さに調整できる。図3において、実線が収縮状態を示し、二点鎖線が伸長状態を示す。
【0022】
図4図5および図6は、共に引戸連動装置1を示す分解斜視図であり、図4は伸長状態を示し、図5は少し収縮させた状態を示し、図6は更に収縮させた状態を示す。
【0023】
上記引戸連動装置1は、その基本構成として、開閉方向に沿って延びる基体2(図2参照)と、この基体2の内部に収納された複数プーリ21〜26(ガイド体に相当)と、これらのプーリ21〜26間に移動可能に張設された無端状ワイヤ10(無端状体に相当)と、このワイヤ10に固定され隣接引戸D1または壁Wに係合されるスライダ11、11(図2参照)とを備え、これらの基本構成2、10、11、21〜26がユニット化されている。
【0024】
基体2は、横断面視において縦長偏平矩形状の長尺筒状体に形成された基体本体部2Aと、その基体本体部2Aの内部に配設された中間基体5とを備え、基体本体部2Aは開閉方向(引戸D2の戸幅方向)に伸縮可能に構成されている。すなわち、本実施形態の基体本体部2Aは、内外2重筒状構造となっており、内外の各筒状部が、それぞれ長手縦方向に半分に分割されて、後方側の半割内筒状体及び前方側の半割外筒状体とが上端部の一部において連結された第1基体3と、前方側の半割内筒状体及び後方側の半割外筒状体とが上端部の一部において連結された第2基体4とを備え、これらの第1基体3および第2基体4が、開閉方向Aに相対的に移動可能に取り付けられることにより伸縮可能に構成されている。
【0025】
この基体本体部2Aの内側に設けられた前記中間基体5は、一対の板状部材を対向させた構成となっている。この中間基体5は基体本体部2Aの内側を開閉方向Aに沿った一定範囲内でスライドできる。
【0026】
以下に、基体本体部2Aをより具体的に説明する。すなわち、第1基体3は、開閉方向に沿って延びる長尺筒状であり、この第1基体3に対して開閉方向にスライド移動可能に取り付けられた第2基体4も長尺筒状であり、基体本体部2Aの両端部に対応する第1及び第2基体3、4における一端部は、エンドキャップ12により塞がれている。このエンドキャップ12は、後述するプーリ支持部材27、28の一部を構成するものである。
【0027】
上記第1及び第2基体3、4は、図6に示す基体本体部2Aの収縮状態において、全長(開閉方向の長さ)において重なり合うように構成されているとともに、図4に示す基体本体部2Aの伸長状態において、それぞれの近接端部が重なり合うように構成されている。
【0028】
本実施形態では、上記のように、第1基体3と第2基体4とが略同様に構成されているため、まず第1基体3について説明し、続いて第2基体4について第1基体3と異なる点を含めつつ一部省略して説明する。
【0029】
図7は、第1基体を示す分解斜視図である。図8は第1基体の分解平面図であり、図9は同基体の分解左側面図である。なお、図9には、第2基体を分解した状態も併せて示している。
【0030】
第1基体3は、上記後方側の半割内筒状体を構成する第1半割内フレーム31(一方の半割内筒状部に相当)と、上記前方側の半割外筒状体を構成する第1半割外フレーム32(一方の半割外筒状部に相当)とを備え、これらフレーム31、32が対向配置されて上端部の一部において連結されることにより、下方が溝状に開放された筒状に構成されている。
【0031】
具体的に、第1半割内フレーム31は、図7及び図9に明示するように、左側面視において略逆コ字状を呈する。すなわち、第1半割内フレーム31は、上下方向に延びる側壁部31aと、この側壁部31aの上端から前方に突出する上フランジ部31bと、この上フランジ部31bから更に前方に突出する一端側及び他端側連結舌片31c、31eと、側壁部31aの下端から前方に突出する下フランジ部31dとを備える。
【0032】
一端側連結舌片31cと他端側連結舌片31eとは、この第1半割内フレーム31と第1半割外フレーム32とを連結するためのものである。
【0033】
図8に明示するように、第1半割内フレーム31の長手方向について、一端側連結舌片31cは、第1半割内フレーム31の左端部から前側へ突設され、他端側連結舌片31eは、第1半割内フレーム31の右端から上記長手方向について所定の長さ左側に変位した部分から前側へ突設されている。この長手方向の変位量は、後述する第2基体4の一端側連結舌片41c、42cの左右方向長さに対応して設定され、本実施形態では、この一端側連結舌片41c、42cの左右方向長さに略一致するように設定されている。
【0034】
また、一端側連結舌片31cと他端側連結舌片31eの前側への突出量は、後述する第2半割内フレーム41の上フランジ部41bを考慮して設定され、基体本体部2Aの収縮状態において該上フランジ部41bに干渉しないようになされている。
【0035】
一方、第1半割外フレーム32は、図7及び図9に明示するように、左側面視において略コ字状を呈する。すなわち、第1半割外フレーム32は、上下方向に延びる側壁部32aと、この側壁部32aの上端から後方に突出する上フランジ部32bと、この上フランジ部32bから更に後方に突出する一端側及び他端側連結舌片32c、32eと、側壁部32aの下端から後方に突出する下フランジ部32dとを備える。
【0036】
この第1半割外フレーム32の側壁部32aは、第1半割内フレーム31の側壁部31aに比べて高さ方向の寸法が大きく設定され、各連結舌片31cと32c、31eと32eが各々重合された状態で、第1半割外フレーム32の下フランジ部32dが第1半割内フレーム31の下フランジ部31dよりも下方に配置される。
【0037】
一端側連結舌片32cと他端側連結舌片32eとは、第1半割内フレーム31の連結舌片31c、31eと同様に構成され、これらと同じ範囲及び長さにわたって突設されている。すなわち、図9に明示するように、一端側連結舌片32cは、第1半割内フレーム31の一端側連結舌片31cと同様に、第1半割外フレーム32の左端部から後側へ突設され、一方、他端側連結舌片32eは、第1半割内フレーム31の他端側連結舌片31eと同様に、第1半割外フレーム32の右端から上記長手方向について所定の長さ左側に変位した部分において後側へ突設されている。この右端からの変位量、および一端側連結舌片32cと他端側連結舌片32eの後方への突出量については、上記半割内フレーム31の一端側連結舌片31cと他端側連結舌片31eと同様である。なお、上記突出量については、第2半割外フレーム42の上フランジ部42bを考慮して設定されている。
【0038】
これらの第1半割内外両フレーム31、32は、上端部の一部、すなわち各連結舌片31cと32c、31eと32eにおいて連結されている。具体的には、図7に示すように第1半割外フレーム32の各連結舌片32c、32eが、第1半割内フレーム31の対応する各連結舌片31c、31eに上側から重合され、これらが固定具35、36(例えばねじなど)によって締結されることにより、第1半割内外両フレーム31、32は互いに連結される。
【0039】
固定具35は、連結舌片31e、32eに対しては外側からこれらを連結するように取付られ、連結舌片31c、32cに対してはこれらを連結するとともに、後述するプーリ支持部材27のベース部材50を連結するように取付けられる。固定具36は、内側からベース部材50、および連結舌片31c、32cを連結するように取付けられる。ここで、連結舌片31cと連結舌片32cとの連結部を第1連結部33といい、連結舌片31eと連結舌片32eとの連結部を第2連結部34という。
【0040】
なお、図7図8に示すように、一端側連結舌片31c、32cにはそれぞれ貫通孔31g、切欠き部32gが設けられ、これらの貫通孔31g、切欠き部32gは位置決め用に用いられる。この点については、後述する。また、第2基体4についても同様である。
【0041】
第1半割内外両フレーム31、32が連結された第1基体3は、上方における長手方向の一部および下方に開口した筒状体として構成されている。具体的には、第1基体3は、各上フランジ部31b、32bの先端が離間配置され、これらの間に、第2基体4の後述する連結舌片41c、42c、41e、42eがスライド移動可能に構成されている。
【0042】
次に、第2基体4について説明する。図10は、第2基体を分解した状態で示す斜視図である。
【0043】
第2基体4は、その基本構成としては垂直軸を中心に第1基体3を180度回転させたものであり、第1基体3と同様に、上記前方側の半割内筒状体を構成する第2半割内フレーム41(他方の半割内筒状部に相当)と、上記後方側の半割外筒状体を構成する第2半割外フレーム42(他方の半割外筒状部に相当)とを備え、これらフレーム41、42が上端部の一部において連結されることにより下方が溝状に開放された筒状に構成されている。この第2基体4について、簡単に説明する。
【0044】
すなわち、第2半割内フレーム41は、図10に示すように、上下方向に延びる側壁部41aと、この側壁部41aの上端から後方に突出する上フランジ部41bと、この上フランジ部31bから更に後方に突出する一端側及び他端側連結舌片41c、41eと、側壁部41aの下端から後方に突出する下フランジ部41dとを備える。
【0045】
図10に示すように、第2半割内フレーム41の長手方向について、一端側連結舌片41cは第2半割内フレーム41の右端部において後側へ突設され、第1半割内フレーム31の一端側連結舌片31cと同一の左右長さに設定されている。
【0046】
また、他端側連結舌片41eは第2半割内フレーム41の左端から上記長手方向について所定の長さ変位した部分において後側へ突設されている。この左端からの変位量は、第1基体3の一端側連結舌片31c、32cの長さに対応して設定され、本実施形態では、この一端側連結舌片31c、32cの長さに略一致するように設定されている。
【0047】
一方、第2半割外フレーム42は、図10に示すように、上下方向に延びる側壁部42aと、この側壁部42aの上端から前方に突出する上フランジ部42bと、この上フランジ部32bから更に前方に突出する一端側及び他端側連結舌片42c、42eと、側壁部42aの下端から前方に突出する下フランジ部42dとを備える。
【0048】
一端側連結舌片42cと他端側連結舌片42eとは、第2半割内フレーム41の連結舌片41c、41eと同様に構成され、これらと同じ範囲及び長さにわたって設けられ、突出量についても、連結舌片41c、41eと同様である。なお、一端側連結舌片41c、42cには、それぞれ貫通孔41g、切欠き部42gが設けられ、これら貫通孔41g、切欠き部42gは位置決め用に用いられる。
【0049】
これらの第2半割内外両フレーム41、42は、上端部の一部、すなわち各連結舌片41c、42c、41e、42eにおいて連結されている。ここで、連結舌片41cと42cとの連結部を第3連結部43といい、連結舌片41eと42eとの連結部を第4連結部44という。
【0050】
これらの第2半割内外両フレーム41、42が連結された第2基体4は、上方の一部および下方に開口した筒状体として構成されている。具体的には、第2基体4は、各上フランジ部41b、42bの先端が離間配置され、基体本体部2Aの収縮状態において、これらの間に第1基体3の連結舌片31c、32c、31e、32eが配置される。
【0051】
第2基体4を第1基体3に対して開閉方向にスライド移動可能に取り付けるには、例えば次のようにして両基体3、4を組み付ける。
【0052】
すなわち、第1基体3の各第1半割内外フレーム3132を組み付ける際に、長手方向についてこれらの左方の連結舌片31c、32cと右方の連結舌片31e、32eとの間に、他端側連結舌片41eが位置するように第2基体4の第2半割内フレーム41を配置する。そして、この第2半割内フレーム41の一部を収容した状態で、固定具35、36により第1基体3の各連結舌片31c、32cを相互に連結して第1連結部33を形成し、この第1連結部33の内側にプーリ支持部材27のベース部材50を連結する。また、固定具35により各連結舌片31e、32eを相互に連結して第2連結部34を形成する。この状態では、長手方向について第1基体3の左方の第1連結部33と右方の第2連結部34との間であって、前後幅方向について各第1半割内外両フレーム31、32の上フランジ部31b、32bの間に、第2基体4の他端側連結舌片41eが位置し、この他端側連結舌片41eの先端面は上フランジ部32bの先端面に略突き合わされた状態となる。
【0053】
続いて、第1基体3に一部が収容された第2半割内フレーム41の各連結舌片41c、41eに、図10に示すように第2基体4の第2半割外フレーム42の対応する連結舌片42c、42eを重合して両者をねじなどの固定具35、36により連結する。このとき、連結舌片41cと連結舌片42cとの連結部に対しては内側から固定具36を取り付けることにより、連結舌片41cと連結舌片42cとを連結して第3連結部43が形成されるとともに、この第3連結部43の内側にプーリ支持部材28のベース部材50が連結される。加えて、外側からベース部材50に達するように固定具35が取付けられる。また、連結舌片41eと連結舌片42eとの連結部に対しては、外側から固定具35により連結舌片41eと連結舌片42eとを連結することにより第4連結部44が形成される。また、第1基体3の第1連結部33と第2連結部34との間において、第2基体4の第4連結部44が移動可能であり、この移動範囲において第2基体4は、第1基体に対して開閉方向にスライド移動することができる。このとき、第4連結部44が第1連結部33に当接した状態のとき、第3連結部43が第2連結部34に当接するようにしてもよい。
【0054】
この第1および第2基体3、4は、基体本体部2Aの収縮状態において、図2および図10に一部示すように、第1半割内フレーム31の各連結状片31c、31eが、第2半割内フレーム41の上フランジ部41bに突き合わされた状態となり、逆に第2半割内フレーム41の各連結舌片41c、41eが、第1半割内フレーム31の上フランジ部31bに突き合わされた状態となる。また、第1半割外フレーム32の各連結状片32c、32eが、第2半割外フレーム42の上フランジ部42bに突き合わされた状態となり、第2半割外フレーム42の各連結状片42c、42eが、第1半割外フレーム32の上フランジ部32bに突き合わされた状態となる。
【0055】
このように組み付けられた第1および第2基体3、4の内側には図2図4図6に示すように前記中間基体5が設けられている。中間基体5は、対向する一対の板状部材51、52を有し、これら板状部材51、52の間には3つのプーリ22、25、26が配されており、これらのうちの2つのプーリ25、26の軸部25b、26bの両端部が板状部材51、52のそれぞれに取付けられ、これら軸部25b、26bにより板状部材51、52が所定の姿勢に保持されている。なお、本実施形態では軸部25b、26bにより板状部材51、52を連結しているが、別途連結部材を用いて板状部材51、52を連結してもよい。
【0056】
この中間基体5は、第1プーリ21と第3プーリ23との間を開閉方向Aにスライド可能に設けられており、そのスライドの際に第2プーリ22及び第4プーリ24と干渉しないように、以下のように構成されている。即ち、両板状部材51、52の片方、例えば51には、開閉方向Aに沿って長い長孔51aが形成されており、その長孔51aの内側に軸部22bを挿通させることで第2プーリ22との相対的な移動を妨げないようになっている。また、両板状部材51、52の左側の下側には、第4プーリ24との相対的な移動を妨げないように開閉方向Aに沿って長い切欠51b、52bが形成されている。
【0057】
前記長孔51aの長さL2(図4図12参照)は、第1基体3が収縮する際の距離L1(図11参照)の最大値と同一かまたは少しだけ長く設定されている。
【0058】
次に、基体2に収納された複数のプーリ21〜26について、図4図6に基づき説明する。
【0059】
プーリとしては、第1基体3に取り付けられた第1プーリ21および第2プーリ22と、第2基体4に取り付けられた第3プーリ23および第4プーリ24と、中間基体5に取り付けられた第5プーリ25および第6プーリ26とが設けられている。
【0060】
第1プーリ21は第1基体3の第2基体4から遠い左側端部の位置に設けられ、第2プーリ22は第1プーリ21よりも第2基体4側(右側)であって第1基体3の箇所に設けられ、第3プーリ23は第2基体4の第1基体3から遠い右側端部の位置に設けられ、第4プーリ24は第3プーリ23よりも第1基体3側(左側)であって第2基体4の箇所に設けられ、第5プーリ25は開閉方向について第1プーリ21および第2プーリ22間であって中間基体5の箇所に設けられ、第6プーリ26は開閉方向について第3プーリ23および第4プーリ24間であって中間基体5の箇所に設けられている。
【0061】
開閉方向(左右方向)Aでの各プーリ21〜26の位置は、図4に示す基体本体部2Aの伸長状態において、第1プーリ21が最も左側に位置し、第3プーリ23が最も右側に位置し、第2プーリ22および第4プーリ24が左右中央部に位置し、第5プーリ25が第1プーリ21と第2プーリ22の間に位置し、第6プーリ26が第3プーリ23と第4プーリ24の間に位置する。なお、伸長状態において、第2プーリ22および第4プーリ24については、左右方向の同じ位置であっても、異なる位置に配してもよい。また、他のプーリ21、23、25、26については、左右対称位置に配置してもよいが、必ずしも左右対称位置に配置する必要はない。但し、左右対称位置に配置しない場合にあっても、第5プーリ25が第1プーリ21と第2プーリ22の間に位置し、第6プーリ26が第3プーリ23と第4プーリ24の間に位置する条件を満足させる必要がある。
【0062】
そして、基体2を収縮させると、一定距離を保持する第1プーリ21と第2プーリ22との間において、第5プーリ25が第1プーリ21に接離するように移動し、一定距離を保持する第3プーリ23と第4プーリ24との間において、第6プーリ26が第3プーリ23に接離するように移動する。
【0063】
各プーリ21〜26は、図4図6に示すようにプーリ本体部(ホイール)21a〜26aと、このプーリ本体部21a〜26aを回動可能に支持する軸部21b〜26bとを有し、軸部21b〜26bはいずれも前後方向に沿って設けられる。第1プーリ21の軸部21bおよび第3プーリ23の軸部23bは、後述するプーリ支持部材27、28に取付けられ、第2プーリ22の軸部22bは、その一端(後端)が第1半割内フレーム31に取付けられることで片持ち支持されていて、他端側は前記長孔51aを挿通し、その挿通部分にはプーリ本体部22aが前記一対の板状部材51、52の間において配設されている(図10参照)。第4プーリ24の軸部24bは、その一端(前端)が第2半割内フレーム41に取付けられることで片持ち支持されていて、他端側にはプーリ本体部24aが設けられている。第5プーリ25の軸部25bの両端および第6プーリ26の軸部26bの両端は、前述したように一対の板状部材51、52に取付けられている。なお、軸部21b〜26bの取付けには、ねじ等の固定具が用いられる。
【0064】
次に、前記プーリ支持部材27、28について、具体的に説明する。第1プーリ21を支持するプーリ支持部材27と、第3プーリ23を支持するプーリ支持部材28とは略同様に構成されているので、プーリ支持部材27について説明して、プーリ支持部材28については図12にプーリ支持部材27の符号に対応する符号を付して説明を省略する。
【0065】
プーリ支持部材27は、第1基体3の第1連結部33に取り付けられるベース部材50と、このベース部材50で支持される固定用フレーム51と、この固定用フレーム51に取付られる前記第1プーリ21とを備える。ベース部材50は、図示を省略しているが、第1半割内フレーム31と第1半割外フレーム32との間に嵌め込まれ、前述したように2つの固定具35、36により第1連結部33に取付けられている。
【0066】
ベース部材50の下端部50aは第1半割外フレーム32の下フランジ部32dよりも上側に位置し、左側面50bは第1基体3の左側開口を塞ぐ前記エンドキャップ12として機能するようになっている。また、ベース部材50の右側側面には、第1プーリ21が入る凹部50cが第1基体3の内側に設けられ、凹部50cの下側にはスライダ11を端部位置で停止させるストッパー部50eが設けられ、上面には位置決め用の突起50dが設けられている。
【0067】
この突起50dは、第1連結部33における第1半割内フレーム31の上フランジ部31cに設けた貫通孔31gと第1半割外フレーム32の上フランジ部32cに設けた切欠き部32gとに挿通され、これにより第1半割内フレーム31、第1半割外フレーム32およびプーリ支持部材27のベース部材50を位置決めする。
【0068】
また、プーリ支持部材28の突起50dは、同様に、第2半割内フレーム41の上フランジ部41cに設けた貫通孔41gと第2半割外フレーム42の上フランジ部42cに設けた切欠き部42gとに挿通され、これにより第2半割内フレーム41、第2半割外フレーム42およびプーリ支持部材28のベース部材50を位置決めする。
【0069】
固定用フレーム51は、図示を省略しているが、前側壁部と後側壁部とが上部左側の連結部で連結された形状を有し、この固定用フレーム51の前後の両壁部は、図12に示すように、上下方向について基体2の下部において第1プーリ21を回転可能に支持する。
【0070】
第1プーリ21のプーリ本体部21aは、軸心方向にホイールが重ね合わされた、いわゆる2連プーリであり、各ホイールが独立して回転可能に軸部21bに支持されている。2連プーリの各ホイールの周面には、無端状ワイヤ10が掛け回されるV溝が刻設されている。
【0071】
次に、図4〜6、図11および図12を用いて、無端状ワイヤ10について説明する。
【0072】
無端状ワイヤ10は、鋼製ワイヤであり、一本の長尺ワイヤの両端部を連結することにより構成されている。この無端状ワイヤ10は、そのプーリ21〜26に対して張設されており、これらのプーリ21〜26の掛け渡し状態で周回移動可能に構成されている。また、無端状ワイヤ10は、そのプーリ21〜26に対する張設について、図11図12に示すように、一端部の輪状部分101が第5プーリ25に掛け回され、この第5プーリ25から順に第2プーリ22、第1プーリ21、第3プーリ23、第4プーリ24および第6プーリ26に掛け渡され、この第6プーリ26にワイヤ10の他端部の輪状部分102が掛け回されている。
【0073】
具体的には、図11に明示するように、無端状ワイヤ10は、一端部101が第1プーリ21に掛け回され、この第1プーリ21から延びるワイヤ部分103、104が、2本まとめて第2プーリ22に対しそれぞれ上側から下側に掛け回されて反対方向に折り返される。この折り返されたワイヤ部分103、104は、第1プーリ21に対しそれぞれ上側から下側に掛け回されて更に反対方向に折り返され、それぞれ基体2の下部において第3プーリ23に延びる。そして、第3プーリ23に延びるワイヤ部分103、104は、第3プーリ23に対し下側から上側に掛け回されて更に反対方向に折り返され、それぞれ第4プーリ24に対し上側から下側に2本まとめて掛け回されて反対方向に折り返され、ここからワイヤ部分103、104が分かれて無端状ワイヤ10の他端部102が第6プーリ26に掛け回される。以下場合にあっては、ワイヤ部分103、104をそれぞれ一方経路部分103、他方経路部分104ということがある。なお、無端状ワイヤ10の一端部101、他端部102は、2本まとめて第1〜第4プーリ21〜24に掛け回したときの両側の各端部をいう。
【0074】
なお、無端状ワイヤ10の途中経路において一方経路部分103と他方経路部分104とが2本まとめて掛け回される第2プーリ22、第1、第3および第4プーリ21、23、24は前同様の2連プーリであり、両経路部分103、104は別個のホイールに掛け回される。また、第5プーリ25及び第6プーリ26は、単一のホイールからなるものである。
【0075】
次に、プーリ21〜26の軸部の高さ、外径について説明する。プーリ21〜26の軸部の高さ、外径については、ワイヤ10が干渉し難く、またワイヤ10が可及的に水平になるように設けられている。但し、第2プーリ22と第5プーリ25との間、及び第4プーリ24と第6プーリ26との間のワイヤ10は除く。なお、水平となるようにする理由は、基体2を伸縮させてもワイヤ10の張り具合に変化が発生するのを抑制するためである。
【0076】
具体的には、以下のように構成される。図12に示すように、各プーリ21〜26の軸の高さ方向の位置関係について、第2および第5プーリ22、25の軸部22b、25bは略同じ高さ位置に設けられ、第1および第3プーリ21、23の軸部21b、23bおよび第4および第6プーリ24、26の軸部24b、26bは略同じ高さ位置に設けられている。加えて、軸部22bが一番高く、その軸部22bよりも軸部25bが少し低く、軸部24b、26bが同じ高さで前記軸部25bよりも少し低く、軸部21b、23bが同じ高さで前記軸部24b、26bよりも少し低くなっている。一方、各プーリ21〜26の外径については、以下のようになっている。
【0077】
第2プーリ22の下端が第5プーリ25の下端よりも低く、第1プーリ21の上端が第5プーリ25の下端よりも低くなるように外径が設定されていて、第2プーリ22の下端から第1プーリ21に導かれるワイヤ部分103、104が、第5プーリ25と干渉することなくほぼ水平方向になるように構成されている。また、第1プーリ21と第3プーリ23の外径は同一となっていて、第1プーリ21の下端から第3プーリ23の下端に導かれるワイヤ部分103、104は、水平になっている。第3プーリ23の上端と第4プーリ24の上端は同一高さで、第6プーリ26の上端はそれよりも少し低くなるように各プーリ23、24、26の外径が設定されていて、これにより第3プーリ23の上端から第4プーリ24の上端に導かれるワイヤ部分103、104は第6プーリ26と干渉せず水平となるように構成されている。そして、一番低い高さ位置を通る、つまり第1プーリ21の下端と第3プーリ23の下端を通る2本のワイヤ部分103、104のそれぞれにスライダ11が設けられている。
【0078】
次に、図2図12図13を用いてスライダ11について説明する。
【0079】
図13はスライダの一部を分解した状態で示す正面図である。
【0080】
スライダ11は、第1および第3プーリ21、23間に掛け渡された無端状ワイヤ10の各経路部分103、104にそれぞれ固定されており、左側のプーリ支持部材27のストッパー部50eと、右側のプーリ支持部材28のストッパー部50eとの間をスライドすることができるようになっている。これらのスライダ11のうち、図2に示すように、一方のスライダ11は隣接引戸D1の下部に戸側受け部材13を介して係止され、他方のスライダ11は壁Wの下部に壁側受け部材14を介して係止される。これらの各スライダ11は、同一の構成を有しているので、図2において右側のスライダ11について説明し、左側のスライダ11の説明は省略する。
【0081】
スライダ11は、基体本体部2Aに摺接してスライダ11の移動をガイドするガイド部材110と、このガイド部材110との間で無端状ワイヤ10を挟着するカバー111と、ガイド部材110と壁側受け部材14とを連結する連結部材15とを備える。
【0082】
ガイド部材110は、合成樹脂の一体成形品であり、左方に開口するワイヤ収容溝110aが左右方向の全長に亘って設けられている。このワイヤ収容溝110aの深さは、上記カバー111との間で無端状ワイヤ10を挟着できる範囲に設定されている。このワイヤ収容溝110a沿いには、左右一対(不図示)の孔部110cが設けられ、カバー111の後述するワイヤ係合部111aが収容されるようになっている。また、ガイド部材110の左側部には、カバー111が嵌合される嵌合部110bが凹設されている。
【0083】
また、ガイド部材110の右側部には、図2および図13に明示するように、第2半割内フレーム41の下フランジ部41dが挿通される第1ガイド溝110dが左右方向の全長に亘って設けられている。詳細には、この第1ガイド溝110dは、下フランジ部41d先端に上方突出リブが設けられているため、この先端部形状に対応して屈曲形成されている。
【0084】
さらに、ガイド部材110の右側部には、第1ガイド溝110dの下方において、第1半割外フレーム32の下フランジ部32dが挿通される第2ガイド溝110eが左右方向の全長に亘って設けられている。詳細には、この第1ガイド溝110eは、下フランジ部32dの先端に下方突出リブが設けられているため(図2参照)、この先端部形状に対応して屈曲形成されている。
【0085】
これらの第1および第2ガイド溝110d、110eの奥底面は、基体本体部2Aの収縮状態において、各下フランジ部41d、32dの先端面の双方に摺接するように構成されている。また、図示していないが、これらのガイド溝110d、110eの左右方向両端部は、テーパー状に拡がって、基体2の伸長状態において第1基体3と第2基体4との重複部分に差し掛かる際に、各下フランジ部41d、32dが該ガイド溝110d、110e内に導入され易くなっている。
【0086】
カバー111は、合成樹脂の一体成形品であり、正面視逆L字状に構成された本体部111bと、本体部111bのガイド部材110側の側面に突設された左右一対(不図示)のワイヤ係合部111aと備える。このワイヤ係合部111aは、上方に鈎状に屈曲されて無端状ワイヤ10を抱持するように構成されている。
【0087】
カバー111は、ワイヤ係合部111aに無端状ワイヤ10を抱持させ、このワイヤ係合部111aが上記孔部110cに収容された状態で、ガイド部材110の嵌合部110bに取り付けられ、この状態でガイド部材110との間において無端状ワイヤ10が挟持される。
【0088】
なお、スライダ11と無端状ワイヤ10との取付は、両者が相対的に移動しないように取り付けられていれば良く、本実施形態のようにガイド部材110とカバー111との間に無端状ワイヤ10を挟持するものに限らず、例えば無端状ワイヤ10に係合部材を固設して該係合部材とガイド部材とを固定するものや、ワイヤの両端部をスライダを介して連結するもの、或いはワイヤの両端部を連結する前にスライダの所定の孔に挿通させてこの状態で固定するもの等であってもよい。
【0089】
連結部材15は、図2に示すように、金属板をコ字状に屈曲して構成され、一端部にガイド部材110がねじなどで取り付けられるとともに、他端部に壁側受け部材14にねじなどで取り付けられる。
【0090】
なお、戸側受け部材13は、隣接引戸D1の対向面下部における閉方向の端部(図1の右端部)に取り付けられ、壁側受け部材14は、壁Wの対向面下部における開方向の端部(図1の左端部)に取り付けられ、これにより引戸D1、D2を連動させて、開口部を閉塞、開放できるように構成されている。
【0091】
以上のように構成された引戸連動装置1は、引戸D2の幅に応じて伸縮することができる。この引戸連動装置1の作動について、図1図2図4〜6、図11図12を用いて説明する。
【0092】
図11は、基体本体部の伸縮に伴うスライダ移動の説明図であり、(a)は基体本体部を収縮させる前の状態におけるスライダの位置を示す概念図で、(b)は基体本体部を収縮させた後の状態におけるスライダ位置とスライダを移動させる位置との関係を示す概念図である。
【0093】
基体本体部2Aの伸縮は、第1基体3と第2基体4との重なり部分を小さくすると、図11(a)に示すように伸長し、前記重なり部分を小さくすると、図11(b)に示すように収縮する。このとき、基体本体部2Aの伸縮により、プーリ21〜26の基体2に対する開閉方向Aの位置が変化するが、無端状ワイヤ10を張設状態に保持することができる。
【0094】
より詳細に説明する。ここで、図11(a)に示す伸長状態において、2つのスライダ11が共に基体中心Oに位置し、基体中心Oから第1プーリ21の中心Yまでの開閉方向Aの距離をX、基体中心Oから第3プーリ23の中心Zまでの開閉方向Aの距離をXとする。なお、基体中心Oとは、第1プーリ21と第3プーリ23との間の中心、または第2プーリ22と第4プーリ24との間の中心をいう。
【0095】
図11(a)に示す収縮前の状態から基体本体部2Aを収縮させる。なお、この収縮において、図11(b)に示すように、中間基体5が第2基体4に対してスライドせずに、第1基体3が第2基体4に対して距離L1だけスライドしたものと仮定する。
【0096】
このとき、基体本体部2Aの収縮により、第1基体3に取付けられた第1プーリ21と第2プーリ22とが一定の位置関係を維持して同じ方向に距離L1だけ移動し、第1プーリ21の中心Yから基体中心Oまでの距離がL1だけ短くなるが、第2プーリ22から第5プーリ25までの距離がL1と同じ長さ分だけ長くなる。よって、無端状ワイヤ10の張設状態が保持されることになる。
【0097】
このような収縮に伴って、基体中心Oが第1プーリ21から遠ざかった位置に移動し、その移動後の基体中心O′と移動前の基体中心Oとの距離は、L1/2となる。このとき、第1プーリ21の中心Yから基体中心Oまでの距離がL1だけ短くなっても、第2プーリ22から第5プーリ25までの距離がL1と同じ長さ分だけ長くなる関係上、2つのスライダ11が共に基体中心Oに位置したままであるので、見掛け上、両スライダ11の位置が移動後の基体中心O′からL1/2だけ左側へずれた状態になる。
【0098】
そこで、中間基体5を右側へL1/2だけスライド移動させ、つまり第5プーリ25および第6プーリ26を破線にて示すように、右側へL1/2だけスライド移動させることにより、両スライダ11の位置を基体中心O′に一致させることが可能になる。このとき、中間基体5の第1基体3に対する変位量Δ1(L1/2)の絶対値と、中間基体5の第2基体4に対する変位量Δ2(L1/2)の絶対値とが等しくなる位置に、中間基体5が位置するようになる。なお、変位量Δ1およびΔ2は、基体本体部2Aを伸縮させる前の初期状態から、中間基体5をスライド移動させた後までの変位量を言う。
【0099】
以上のことは、上記仮定とは逆に、基体本体部2Aの収縮により、中間基体5が第1基体3に対してスライドせず、第2基体4が第1基体3に対して距離L1だけスライドした場合も同様である。すなわち、第2基体4に取付けられた第3プーリ23と第4プーリ24とが一定の位置関係を維持して同じ方向に距離L1だけ移動し、第3プーリ23の中心Zから基体中心Oまでの距離がL1だけ短くなるが、第4プーリ24から第6プーリ26までの距離がL1と同じ長さ分だけ長くなる。よって、無端状ワイヤ10の張設状態が保持されることになる。
【0100】
そして、中間基体5を左側へL1/2だけスライド移動させ、つまり第5プーリ25および第6プーリ26を左側へL1/2だけスライド移動させることにより、両スライダ11の位置を基体中心に一致させることが可能になる。この場合も前同様に、変位量Δ1(L1/2)の絶対値と変位量Δ2(L1/2)の絶対値とが等しくなる位置に、中間基体5が位置することとなる。
【0101】
なお、中間基体5は第1基体3及び第2基体4の動きと連動して動くように構成しておらず、第1基体3及び第2基体4の動きに対して独立して動き、例えば、中間基体5が第1基体3と接触している場合にはその第1基体3によりスライドし、中間基体5が第2基体4と接触している場合にはその第2基体4によりスライドすることも起こり得る。このような状況下で、収縮の際に中間基体5が左右に移動して両スライダ11a、11bがずれても、そのずれが左右対称に発生するため、中間基体5が第1基体3及び第2基体4のいずれか一方とのみ位置関係が変わる前述の場合と同様に、変化量Δ1の絶対値と変化量Δ2の絶対値とが等しくなる位置に、中間基体5を移動させ得る。
【0102】
したがって、この引戸連動装置1においては、基体本体部2Aを収縮させ、これにより第1プーリ21と第3プーリ23とが近づくと、第2プーリ22と第5プーリ25、第4プーリ24と第6プーリ26とが離れ、これらの離れた距離の総和が、第1プーリ21と第3プーリ23とが近づいた距離と等しくなるため、基体本体部2Aを収縮させても無端状ワイヤ10を張設状態に保持することができる。加えて、長孔51aの内側に軸部22bを挿通させて第2プーリ22との相対的な移動を妨げず、また、両板状部材51、52の左側の下側に設けた切欠51b、52bにより第4プーリ24との相対的な移動を妨げないように構成されているので、中間基体5を移動させることが可能であるとともに、中間基体5の第1基体3に対する変化量Δ1の絶対値と、中間基体5の第2基体4に対する変化量Δ2の絶対値とが等しくなる位置に、中間基体5を移動させることができる。
【0103】
以上のことは、基体本体部2Aを伸長させるときも同様であり、基体本体部2Aを伸長させても無端状ワイヤ10を張設状態に保持することができ、かつ、変化量Δ1の絶対値と変化量Δ2の絶対値とが等しくなる位置に、中間基体5を移動させることができる。但し、この伸長の場合は、第1プーリ21と第3プーリ23とが離れると、第2プーリ22と第5プーリ25、第4プーリ24と第6プーリ26とが近づき、これらの近づいた距離の変化量が負の値になるため、変化量Δ1および変化量Δ2に関しては絶対値を用いている。なお、基体本体部2Aの伸縮に伴って移動する第2プーリ22の軸部22bは長孔51aを通り、基体本体部2Aの伸縮に伴って移動する第4プーリ24は板状部材51、52の左側の下側に設けられた切欠き部を通る。
【0104】
上述した中間基体5の移動に関しては、本実施形態では中間基体5が基体2の内部に設けられているため、中間基体5を直接移動させることに代えて、各スライダ11や、第1プーリ21と第3プーリ23の間の無端状ワイヤ10を利用してもよい。その場合は、両スライダ11が開閉方向両側の移動可能限、例えば本実施形態では前記ストッパー部50eに当接させればよい。これにより両スライダ11が基体中心を挟んだ左右対称の位置である両側の移動可能限(端部位置)に位置させることができる。その後、必要に応じて、一方のスライダ11を基体中心に移動させると、残りのスライダも基体中心に移動する。
【0105】
したがって、本実施形態による場合には、基体本体部2Aの伸縮により各スライダ11の位置は変化することになるが、中間基体5を開閉方向に変位させることで、各スライダ11の位置を所望位置、例えば基体2の開閉方向Aの中央位置またはスライダ11の移動可能限となる端部位置(前記ストッパー部50eに当接する位置)に揃えることができる。その結果、基体本体部2Aの全長を戸幅に応じた所定長さに保持しておけば、両スライダ11を中央位置や端部位置にセットすることができるので、各スライダ11と係合される受け部材13、14を所定の位置に予め取付けておいても、その受け部材13、14に対して各スライダ11を位置合わせすることなく、各スライダ11の連結部材15を該当する受け部材13、14に取付けることが可能になる。
【0106】
また、以上のように中間基体5が移動した後は、基体中心に対する各スライダ11の位置が変化することがない。このため、基体本体部2Aの伸縮により基体中心から位置がずれたスライダ11を無端状ワイヤ10から一旦取外し、伸縮後の基体中心に対応する無端状ワイヤ10の位置にスライダ11を再度取付け直す必要がない(但し、無端状ワイヤ10から取外さずに無端状ワイヤ10の別の位置にスライダ11を取付け直す場合も含む)。
【0107】
更に、この引戸連動装置1によれば、引戸D2の開閉方向(各図において左右方向)に伸縮可能に構成され、この伸縮に応じてスライダ11の可動範囲である第1及び第3プーリ21、23間に掛け渡された無端状ワイヤ10の対応部位の長さをも適切に調節することができるので、引戸D1、D2の戸幅に応じて基体本体部2Aを伸縮することによりこの戸幅に柔軟に対応することができる。このため、引戸の戸幅に応じて各種寸法の引戸連動装置を用意する必要がなく、汎用性に優れているとともに、装置1の設置時に現場の引戸に応じて柔軟に長さ寸法を調整することができるので、その取り扱い性を高めることができる。
【0108】
更にまた、中間基体5のスライド移動に際し、無端状ワイヤ10が各プーリ21〜26に掛け回されているので、無端状ワイヤ10のスライド移動に伴い各プーリ21〜26が従動回転するので、無端状ワイヤ10の円滑な周回移動を確保することができる。しかも、無端状ワイヤ10の途中経路におけるプーリ21〜24は、いわゆる2連プーリであるので、無端状ワイヤ10の一層円滑な移動を比較的簡単に構成することができる。
【0109】
更にまた、本実施形態において、各スライダ11は、図2図13に示すように、第1ガイド溝110dの奥底面に第1または第2半割内フレーム31、41の下フランジ部31d、41dが摺接されるとともに、第2ガイド溝110eの奥底面に第1または第2半割外フレーム32、42の下フランジ部31d、42dが摺接され、これによりそのスライド移動が案内される。
【0110】
更にまた、これらの各スライダ11は、内側及び外側の両フレームに対応してガイド溝110d、110eが設けられているので、基体本体部2Aの伸長状態において、第1および第2基体3、4が互いに重なり合っていない領域に位置する場合でも、いずれかのガイド溝110d、110eに下フランジ部31d、32d、41d、42dが摺接されるので、基体本体部2Aの伸縮に拘わらず、スライダ11の移動を確実かつ簡単にガイドすることができる。
【0111】
このように構成された引戸連動装置1が設置された本実施形態の引戸構造においては、隣接引戸D1の開閉操作に伴って、該隣接引戸D1側のスライダ11が移動する。このスライダ11の移動に伴って、無端状ワイヤ10の両端部が掛けられた第5プーリ25と第6プーリ26との間で周回移動するものの、壁W側のスライダ11が固設されているので、無端状ワイヤ10が掛け渡されているプーリ21〜26に開閉作動力が作用し、これにより引戸D2も開閉移動する。引戸連動装置1の各プーリ21〜26の一部は動滑車に相当し、隣接引戸側スライダ11の移動量に対し半分の移動量となる。これにより、隣接引戸D1の戸幅の2倍の移動量に対し、引戸D2は戸幅分だけ移動することになるので、全開状態において戸袋において重ね合わされた引戸D1、D2は、全閉状態において開口部を閉塞することができる。
【0112】
なお、以上に説明した引戸連動装置1は、本発明の引戸連動装置の一実施形態であり、その具体的構成等についてはその趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0113】
(1)上記実施形態の引戸連動装置1は、開口部を2枚の引戸D1、D2で開閉する戸袋(前面開放型の戸袋)付きの引戸に適用したものであるが、引戸の枚数は複数枚であれば良く、枚数が多くなれば、引戸連動装置を複数設けることにより容易に全引戸を連動させることができる。
【0114】
例えば、図14に示すように、開口部両側の縦枠Eの間に配した4枚の引戸D1〜D4にこの引戸連動装置1を適用する場合には、引戸D2、D4の下部に引戸連動装置1A、1Bが設置され、引戸D2を挟む引戸D1には、引戸D2側の面であって閉方向側部位に受け部材13が配設され、一方の引戸D3には、引戸D2側の面であって開方向側部位に受け部材14が配設され、加えて、同じく引戸D3には、引戸D4側の面であって閉方向側部位に受け部材13が配設された構成とする。
【0115】
更に、図15に示すように、開口部両側の縦枠Eの間に配した5枚の引戸D1〜D5にこの引戸連動装置1を適用する場合には、上記の構成に加えて、引戸D5には、引戸D4側の面であって開方向側部位に受け部材14が配設された構成とする。
【0116】
(2)上記実施形態では、基体2内に配置されるプーリ21〜26に加えて、またはこれらプーリ21〜26のいずれか1つまたは2以上の代わりに、無端状ワイヤ10の張り状態を調節することができる付設プーリを設けてもよい。例えば、プーリ21の代わりに付設プーリを設ける場合には、軸部21bを左方へ押圧する力を付与する構成とされる。その押圧する力の付与手段としては、ばねやゴム等が用いられる。
【0117】
また、上述のようにプーリ21〜26に加えて、付設プーリを設ける場合、プーリ間の無端状ワイヤ10部分を上向きまたは下向きに押して張り状態を調節する構成としてもよい。
【0118】
(3)上記実施形態では、高さ方向(上下方向)に細長い基体2が用いられ、前後方向に沿った軸心を有するプーリ21〜26が配設されているが、これに限定されるものではなく、例えば上記実施形態を横倒し状態に用いて、高さ方向に沿った軸心を有するプーリが配設されたものであってもよい。
【0119】
(4)上記実施形態では、引戸連動装置1が引戸D2の下部(具体的には下端部)に設けられているが、引戸D2の上部(例えば上端部)に用いられるものであってもよい。この場合には、引戸連動装置1を上下反転して用いるだけでよく、これに応じて各部が適宜設計される。
【0120】
また、キッチンシンク周りなどに設置される家具等では、引戸の中央部に設ける場合も考えられる。この場合、引戸の対応箇所に溝状のスリットが設けられる。
【0121】
(5)上記実施形態では、無端状体として輪状の鋼製ワイヤ10を用いたものについて説明したが、無端状体は鋼製ワイヤに限らず、鉄製ワイヤなどその他のワイヤでもよく、またゴム製、合成樹脂製、化学繊維製の種々の無端状ベルトを用いるものであってもよい。
【0122】
(6)上記実施形態では、ガイド体として回転自在に基体2に取り付けられたプーリ21〜26が用いられているが、ガイド体としては無端状体に対して係合してその移動を円滑にガイドできるものであれば、具体的な構成を特に限定するものではなく、例えば無端状体に対して円滑に摺接する低摩擦円筒体などを使用してもよい。
【0123】
(7)上記実施形態では、第1および第2基体3、4について、内外両半割フレーム31、32、41、42から構成されるものが用いられているが、第1および第2基体3、4の具体的構成についてはこれに限定されるものではなく、例えば単に互いに嵌め合わされる内外筒状体から構成された第1および第2基体を用いるものであってもよい。この場合には、外筒体に取り付けられるガイド体を基体内部に突出させるために内筒体の対応箇所に溝状のガイド体挿通孔を設ける必要がある。
【符号の説明】
【0124】
D1 隣接引戸
D2 隣接引戸
1 引戸連動装置
2 基体
2A 基体本体部
3 第1基体
4 第2基体
5 中間基体
21 第1プーリ(第1ガイド体に相当)
22 第2プーリ(第2ガイド体に相当)
23 第3プーリ(第3ガイド体に相当)
24 第4プーリ(第4ガイド体に相当)
25 第5プーリ(第5ガイド体に相当)
26 第6プーリ(第6ガイド体に相当)
10 無端状ワイヤ(無端状体に相当)
11 スライダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15