特許第5770092号(P5770092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5770092ヒトHIG1ポリペプチドに対するモノクローナル抗体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770092
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】ヒトHIG1ポリペプチドに対するモノクローナル抗体
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/18 20060101AFI20150806BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20150806BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20150806BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20150806BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20150806BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20150806BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20150806BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20150806BHJP
【FI】
   C07K16/18ZNA
   C12N15/00 A
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/00 101
   C12N5/00 102
   G01N33/53 D
   !C12P21/08
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-534263(P2011-534263)
(86)(22)【出願日】2010年9月29日
(86)【国際出願番号】JP2010066893
(87)【国際公開番号】WO2011040429
(87)【国際公開日】20110407
【審査請求日】2013年8月26日
(31)【優先権主張番号】特願2009-226517(P2009-226517)
(32)【優先日】2009年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
【微生物の受託番号】IPOD  FERM BP-11266
【微生物の受託番号】IPOD  FERM BP-11267
(73)【特許権者】
【識別番号】000000354
【氏名又は名称】石原産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 文法
(72)【発明者】
【氏名】近藤 由隆
【審査官】 北村 悠美子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−507405(JP,A)
【文献】 国際公開第01/023426(WO,A1)
【文献】 Proc. Natl. Acad. Sci.,2006年,Vol.103, No.28,p.10636-10641
【文献】 Clinical Cancer Research,2000年,Vol.6,p.480-487
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 16/00−16/46
C12N 15/00−15/90
CAplus/MEDLINE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトHIG1ポリペプチドに対するモノクローナル抗体であって、ヒトHIG1ポリペプチドの1-19位のアミノ酸配列に含まれる少なくとも一つのエピトープに結合し、全長ヒトHIG1ポリペプチドに対する解離定数(Kd)が9×10-10 M以下である抗体。
【請求項2】
重鎖及び軽鎖の可変領域が以下のCDRを有する、請求項1に記載の抗体:
配列番号1のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、
配列番号2のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、
配列番号3のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、
配列番号4のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、
配列番号5のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、
配列番号6のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3。
【請求項3】
重鎖及び軽鎖の可変領域が以下のCDRを有する、請求項1に記載の抗体:
配列番号7のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、
配列番号8のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、
配列番号9のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、
配列番号10のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、
配列番号11のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、
配列番号12のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗体から得られる抗原結合性の抗体断片。
【請求項5】
標識化又はタグ化された請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項6】
標識化又はタグ化された請求項に記載の抗体断片。
【請求項7】
請求項2又は3に記載の抗体をコードする塩基配列からなるDNA。
【請求項8】
請求項に記載のDNAを含む発現ベクター。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体を産生する細胞株。
【請求項10】
受託番号FERM BP-11266又はFERM BP-11267のハイブリドーマ。
【請求項11】
請求項1〜3及び5のいずれか一項に記載の抗体又は請求項4若しくは6に記載の抗体断片を含むヒトHIG1ポリペプチドを検出するための試薬。
【請求項12】
請求項11に記載の試薬を含む測定キット。
【請求項13】
請求項1〜3及び5のいずれか一項に記載の抗体又は請求項4若しくは6に記載の抗体断片を用いたヒトHIG1ポリペプチドの検出方法。
【請求項14】
請求項1〜3及び5のいずれか一項に記載の抗体又は請求項4若しくは6に記載の抗体断片を含む低酸素状態、低グルコース状態又は虚血状態の検査試薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトHIG1ポリペプチドの1-19位のアミノ酸配列に含まれる少なくとも一つのエピトープに結合するモノクローナル抗体に関する。更に、本発明は、該抗体から得られる抗体断片、該抗体の可変領域をコードするDNA、該DNAを含む発現ベクター、該抗体を産生する細胞株、該抗体又は抗体断片を含む試薬、並びに該抗体又は抗体断片を用いたヒトHIG1ポリペプチドの検出方法及び検査試薬に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化に伴い癌、心疾患及び脳血管疾患の割合は益々増加する一方にある。そして、これら疾患の共通点として血液循環障害に伴う「低酸素」が挙げられる。生体内に潜む異常な低酸素状態を確実に感度よく検出することができれば、これら三大疾患の早期発見を可能とするばかりでなく、早期治療や新規治療法の開発にも貢献できると考えられる。
【0003】
このような例として、特許文献1には、患者の体液のオステオポンチン(OPN)のレベルを検出し、そのレベルを予め決定された値と比較することを含む、癌患者の腫瘍低酸素症を診断する方法が開示されている。
【0004】
Hypoxia induced gene 1(HIG1)は、低酸素状態で誘導される遺伝子の一つとして2000年に報告された(非特許文献1)。HIG1はグルコース濃度の低下によっても誘導される。HIG1はミトコンドリアの内膜に局在し、低酸素状態での細胞死を抑制する機能があるのではないかと考えられているが、その詳細は未だ明らかになっていない。また、特許文献2及び3においても、低酸素誘導遺伝子HIG1及びHIG2の塩基配列、並びにコードされるポリペプチド配列が開示されている。
【0005】
抗体を用いたHIG1分子の解析方法に関して、これまでにモノクローナル抗体の使用事例はなく、2006年にウサギ抗血清を用いて解析された報告があるのみである(非特許文献2)。しかし、このようなポリクローナル抗体では一定した品質の抗体を安定して供給することは困難であり、また、非特異的な抗体も多く含まれることから分子レベルの詳細な解析を行うには限界がある。
【0006】
また、上記特許文献2及び3にも、ヒトHIG1ポリペプチドに対するモノクローナル抗体を実際に取得した実施例は何ら開示されていない。
【0007】
それ故、上記問題を解決するため、ヒトHIG1ポリペプチドに対して高い親和性を持ち、特異的に反応するモノクローナル抗体の出現が待望されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0044862号明細書
【特許文献2】国際公開第99/48916号
【特許文献3】国際公開第01/23426号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Denko, N., Schindler, C., Koong, A., Laderoute, K., Green, C., and Giaccia, A. Clinical Cancer Research, Vol.6, p.480-p.487, 2000
【非特許文献2】Wang, J., Cao, Y., Chen, Y., Chen, Y., Gardner, P., and Steiner, D. F. Proceedings of the National Academy of Sciences, Vol.103, p.10636-p.10641, 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ヒトHIG1ポリペプチドに対して高い親和性を持つモノクローナル抗体を提供することを目的とする。更に、本発明は、該抗体から得られる抗体断片、該抗体の可変領域をコードするDNA、該DNAを含む発現ベクター、該抗体を産生する細胞株、該抗体又は抗体断片を含む試薬及び検査試薬、該抗体又は抗体断片を用いたヒトHIG1ポリペプチドの検出方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、ヒトHIG1ポリペプチドの抗原エピトープを含むペプチド断片を免疫した動物のリンパ組織細胞とミエローマ細胞のハイブリドーマを作製することにより、ヒトHIG1ポリペプチドに結合する高親和性のモノクローナル抗体を作製することができるという知見を得た。本発明は、これら知見に基づき完成されたものであり、次のモノクローナル抗体等を提供するものである。
【0012】
項1.ヒトHIG1ポリペプチドに対するモノクローナル抗体であって、ヒトHIG1ポリペプチドの1-19位のアミノ酸配列に含まれる少なくとも一つのエピトープに結合する抗体。
【0013】
項2.マウスモノクローナル抗体である、項1に記載の抗体。
【0014】
項3.全長ヒトHIG1遺伝子を含む発現ベクターで形質転換された細胞で発現させることにより得られるポリペプチドに結合する、項1又は2に記載の抗体。
【0015】
項4.前記細胞が大腸菌又はヒト細胞である、項3に記載の抗体。
【0016】
項5.全長ヒトHIG1ポリペプチドに対する解離定数(Kd)が9×10-10 M以下である、項1〜4のいずれか一項に記載の抗体。
【0017】
項6.Fc領域がヒト由来である、項1〜5のいずれか一項に記載の抗体。
【0018】
項7.定常領域がヒト由来である、項1〜5のいずれか一項に記載の抗体。
【0019】
項8.相補性決定領域(CDR)以外の領域がヒト由来である、項1〜5のいずれか一項に記載の抗体。
【0020】
項9.重鎖及び軽鎖の可変領域が以下のCDRを有する、項1〜8のいずれか一項に記載の抗体:
配列番号1のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、
配列番号2のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、
配列番号3のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、
配列番号4のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、
配列番号5のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、
配列番号6のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3。
【0021】
項10.重鎖及び軽鎖の可変領域が以下のCDRを有する、項1〜8のいずれか一項に記載の抗体:
配列番号7のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、
配列番号8のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、
配列番号9のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、
配列番号10のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、
配列番号11のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、
配列番号12のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3。
【0022】
項11.項1〜10のいずれか一項に記載の抗体から得られる抗体断片。
【0023】
項12.Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFvフラグメント又は単鎖抗体である、項11に記載の抗体断片。
【0024】
項13.標識化された項1〜10のいずれか一項に記載の抗体。
【0025】
項14.前記標識化が酵素、蛍光物質、放射性化合物又はビオチンによるものである、項13に記載の抗体。
【0026】
項15.標識化された項11又は12に記載の抗体断片。
【0027】
項16.前記標識化が酵素、蛍光物質、放射性化合物又はビオチンによるものである、項15に記載の抗体断片。
【0028】
項17.タグ化された項1〜10のいずれか一項に記載の抗体。
【0029】
項18.前記タグ化がFlag、Myc、HA、GST又はヒスチジンによるものである、項17に記載の抗体。
【0030】
項19.タグ化された項11又は12に記載の抗体断片。
【0031】
項20.前記タグ化がFlag、Myc、HA、GST又はヒスチジンによるものである、項19に記載の抗体断片。
【0032】
項21.項9又は10に記載の抗体の軽鎖又は重鎖の可変領域をコードする塩基配列からなるDNA。
【0033】
項22.項21に記載のDNAを含む発現ベクター。
【0034】
項23.項22に記載の発現ベクターで形質転換されてなる形質転換体。
【0035】
項24.項17又は18に記載の抗体をコードする塩基配列からなるDNA。
【0036】
項25.項24に記載のDNAを含む発現ベクター。
【0037】
項26.項19又は20に記載の抗体断片をコードする塩基配列からなるDNA。
【0038】
項27.項26に記載のDNAを含む発現ベクター。
【0039】
項28.項25又は27に記載の発現ベクターで形質転換されてなる形質転換体。
【0040】
項29.項1〜10のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体を産生する細胞株。
【0041】
項30.受託番号FERM BP-11266又はFERM BP-11267のハイブリドーマ。
【0042】
項31.項1〜20のいずれか一項に記載の抗体又は抗体断片を含むヒトHIG1ポリペプチドを検出するための試薬。
【0043】
項32.酵素免疫測定用である、項31に記載の試薬。
【0044】
項33.ウエスタンブロッティング用である、項31に記載の試薬。
【0045】
項34.免疫組織染色用である、項31に記載の試薬。
【0046】
項35.細胞の低酸素状態評価用である、項31に記載の試薬。
【0047】
項36.細胞の低グルコース状態評価用である、項31に記載の試薬。
【0048】
項37.細胞の虚血状態評価用である、項31に記載の試薬。
【0049】
項38.項31〜37のいずれか一項に記載の試薬を含む測定キット。
【0050】
項39.項1〜20のいずれか一項に記載の抗体又は抗体断片を用いたヒトHIG1の検出方法。
【0051】
項40.項1〜20のいずれか一項に記載の抗体又は抗体断片を含む低酸素状態、低グルコース状態又は虚血状態の検査試薬。
【発明の効果】
【0052】
本発明により、ヒトHIG1ポリペプチドの1-19位のアミノ酸配列に含まれる少なくとも一つのエピトープに結合するモノクローナル抗体を提供することができる。本発明のモノクローナル抗体により、ヒトHIG1ポリペプチドを高感度で検出、解析及び定量することができる。従って、本発明のモノクローナル抗体を用いれば、低酸素状態、低グルコース状態又は虚血状態を診断することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】実施例1で得られたモノクローナル抗体を使用したELISA競合反応試験の結果を示すグラフである。AはハイブリドーマISK-MMH-TK1、BはハイブリドーマISK-MMH-TK2の結果を示す。
図2】実施例1で得られたモノクローナル抗体を使用したウエスタンブロッティングの結果を示す図である。
図3】実施例1で得られたモノクローナル抗体を使用した細胞免疫染色の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明のモノクローナル抗体等について詳細に説明する。
【0055】
モノクローナル抗体
本発明のモノクローナル抗体は、ヒトHIG1ポリペプチドに対するモノクローナル抗体であって、ヒトHIG1ポリペプチドの1-19位のアミノ酸配列に含まれる少なくとも一つのエピトープに結合することを特徴とする。
【0056】
本発明のモノクローナル抗体のクラスは特に限定されないが、好ましくはIgGクラスの抗体である。例えばマウス抗体のIgG1、IgG2a、IgG2b及びIgG3に属する抗体である。
【0057】
ヒトHIG1(Hypoxia induced gene 1)は、低酸素状態及びグルコース濃度の低下によって誘導される遺伝子であり、ヒトHIG1ポリペプチドは主にミトコンドリアの内膜に局在すると考えられている。ヒトHIG1の塩基配列及びコードされるポリペプチド配列は、非特許文献1、特許文献2及び3に記載されている。
【0058】
本発明のモノクローナル抗体としては、マウス、ラット、ウシ、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、モルモット等に由来する抗体を挙げることができるが、好ましくはマウスモノクローナル抗体である。
【0059】
本発明の抗体は、好ましくは全長ヒトHIG1遺伝子を含む発現ベクターで形質転換された細胞で発現させることにより得られるポリペプチドに結合することを特徴とする。当該細胞としては、例えば大腸菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞(ヒト細胞、マウス細胞等)等を使用することができるが、中でも大腸菌及びヒト細胞が好ましい。本発明のモノクローナル抗体は、当該抗体を作製するために免疫に用いた部分ペプチドに反応するだけではなく、ヒトHIG1ポリペプチドが生理的に発現している状態でも当該ポリペプチドに反応できる。
【0060】
本発明のモノクローナル抗体の全長ヒトHIG1ポリペプチドに対する解離定数(Kd)は、好ましくは9×10-10 M以下、より好ましくは3×10-10 M以下である。当該解離定数は競合ELISA、表面プラズモン共鳴などにより測定することができる。
【0061】
本発明のモノクローナル抗体は、好ましくはヒト化抗体であり、ヒト化抗体とは、ヒトの抗体に構造が類似した抗体のことをいい、そのような抗体としては、Fc領域がヒト由来である抗体、定常領域がヒト由来である抗体、相補性決定領域以外の領域がヒト由来である抗体等が挙げられる。これらのヒト化抗体は公知(US4816567、Nature, Vol.321, p.522-p.525, 1986などに記載)の方法により作製することができる。
【0062】
本発明のモノクローナル抗体は、好ましくは、重鎖の可変領域のアミノ酸配列として、配列番号1〜3のアミノ酸配列を含有し、軽鎖の可変領域のアミノ酸配列として、配列番号4〜6のアミノ酸配列を含有する。また、本発明のモノクローナル抗体は、好ましくは、重鎖の可変領域のアミノ酸配列として、配列番号7〜9のアミノ酸配列を含有し、軽鎖の可変領域のアミノ酸配列として、配列番号10〜12のアミノ酸配列を含有する。
【0063】
本発明のモノクローナル抗体は、更に好ましくは、重鎖及び軽鎖の可変領域が、配列番号1のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、配列番号2のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、配列番号3のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、配列番号4のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、配列番号5のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3を含む。また、本発明のモノクローナル抗体は、更に好ましくは、重鎖及び軽鎖の可変領域が、配列番号7のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、配列番号8のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、配列番号9のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、配列番号10のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、配列番号11のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3を含む。
【0064】
本発明のモノクローナル抗体の可変領域におけるフレームワーク領域(FR領域)の配列は、ヒトHIG1ポリペプチドの1-19位のアミノ酸配列に含まれる少なくとも一つのエピトープに対する結合活性に影響がない限り、特に限定されない。
【0065】
本発明の抗体断片は、本発明の抗体、又は当該抗体をコードする遺伝子の配列情報から作製することができる。抗体断片としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv等が挙げられる。
【0066】
Fabとは、IgGをシステイン存在下パパイン消化することにより得られる、L鎖とH鎖フラグメントから構成される分子量約5万の断片である。本発明のFabは、上記モノクローナル抗体をパパイン消化することにより得ることができる。また、当該FabをコードするDNAをベクターに組み込み、当該ベクターを用いて形質転換した形質転換体によりFabを製造することもできる。
【0067】
Fab'とは、下記のF(ab')2のH鎖間のジスルフィド結合を切断することにより得られる分子量が約5万の断片である。本発明のFab'は、上記モノクローナル抗体をペプシン消化し、還元剤を用いてジスルフィド結合を切断することにより得ることができる。また、当該Fab’をコードするDNAをベクターに組み込み、当該ベクターを用いて形質転換した形質転換体によりFab’を製造することもできる。
【0068】
F(ab')2とは、IgGをペプシン消化することにより得られる、L鎖とH鎖フラグメントとから構成されるFab'がジスルフィド結合で結合した分子量約10万の断片である。本発明のF(ab')2は、上記モノクローナル抗体をペプシン消化することにより得られる。また、当該F(ab')2をコードするDNAをベクターに組み込み、当該ベクターを用いて形質転換した形質転換体によりF(ab')2を製造することもできる。
【0069】
Fvとは、H鎖可変領域とL鎖可変領域からなる抗体断片である。本発明のFvは、上記モノクローナル抗体のH鎖可変領域及びL鎖可変領域をコードするDNAをベクターに組み込み、当該ベクターを用いて形質転換した形質転換体によりFvを製造することができる。
【0070】
scFvとは、H鎖可変領域とL鎖可変領域からなるFvを、適当なペプチドリンカーで連結した抗体断片である。本発明のscFvは、上記モノクローナル抗体のH鎖可変領域及びL鎖可変領域をコードするDNAを用いてscFv発現用ベクターを構築し、当該ベクターを用いて形質転換した形質転換体によりscFvを製造することができる。
【0071】
本発明のモノクローナル抗体及び抗体断片は、酵素、蛍光物質、放射線化合物、ビオチン等により標識化されていてもよい。上記酵素としては、ペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリフォスファターゼ等が、上記蛍光物質としては、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリトリン(PE)等が、放射線化合物としては、125I、131I等が挙げられる。
【0072】
本発明のモノクローナル抗体及び抗体断片はタグ化されていても良く、当該タグとしては、Flag、Myc、HA(ヘマグルチニン)、GST(グルタチオンS-トランスフェラーゼ)、ヒスチジン等が挙げられる。当該タグ化された抗体又は抗体断片は、本発明の抗体及び抗体断片をコードするDNAにタグをコードするDNAを付加し、該DNAをベクターに組み込み、該ベクターを用いて形質転換した形質転換体により製造することができる。
【0073】
本発明のモノクローナル抗体は、例えば、ヒトHIG1ポリペプチドの1-19位のアミノ酸配列を有するペプチドを、動物に免疫して得られたハイブリドーマから産生することができる。
【0074】
上記ペプチドはそのままでは免疫応答を起こし得ないほどに分子量が小さいので、適当なタンパク質にコンジュゲートされ、免疫原として使用される。使用されるコンジュゲートとしては、ウシ血清アルブミン、卵白アルブミン、キーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)等が挙げられるが、特にキーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)が好ましい。上記免疫原は、免疫の前に、その免疫反応を増強させるために、適当なアジュバントと混合させることができる。
【0075】
免疫に用いられる動物としては、例えば哺乳動物としてはマウス、ラット、ウシ、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、モルモット等が挙げられるが、マウスが特に好ましい。
【0076】
本発明のモノクローナル抗体は、例えばヒトHIG1ポリペプチドの1-19位のアミノ酸配列を有するペプチドにKLHをコンジュゲートしたものを免疫原としてハイブリドーマを作製した後、上記ペプチドに反応する抗体を産生するハイブリドーマを選択、クローニングし、これが産生するモノクローナル抗体を精製することで得られる。免疫の惹起は、通常1 ng〜10 mgの量の免疫原を10〜14日の日数を開けて1〜5回に分けた操作で行うことができる。十分な免疫後、抗体産生能を有する細胞が集積している器官(脾臓やリンパ節)を動物から無菌的に摘出し、細胞融合時の親株とする。なお、摘出する器官としては、脾臓又はリンパ節が好ましい。細胞融合のパートナーとしては、ミエローマ細胞が用いられる。ミエローマ細胞には、マウス由来、ラット由来、ヒト由来等があるが、マウス由来が好ましい。細胞融合には、不活化センダイウイルスを用いる方法、ポリエチレングリコールを用いる方法、細胞電気融合法等が挙げられるが、不活化センダイウイルスを用いる方法が、融合効率が高く、且つ簡便で好ましい。細胞融合しなかった脾臓細胞やミエローマ細胞とハイブリドーマとの選択は、例えばHATサプリメント(ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン)を添加した血清培地で培養することで行うことができる。
【0077】
ヒトHIG1ポリペプチドに対する抗体を産生するハイブリドーマの選択は、前述の培養上清を採取し、ヒトHIG1ポリペプチドの1-19位のアミノ酸配列を有するペプチドを固相化したプレートでのELISAにより行うことが好ましい。ELISAの結果、強い発色がみられたウェルを選択し、そのウェルの細胞をクローニングに供する。抗体産生ハイブリドーマを選別し単一化する作業(クローニング)には、限界希釈法、フィブリンゲル法、セルソーターを用いる方法等があるが限界希釈法が簡便で好ましい。これにより、目的とするモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを獲得することができる。
【0078】
上記方法により得られたハイブリドーマを培養することで、培養上清中にモノクローナル抗体を得ることができる。さらに、大量のモノクローナル抗体を得るには、インビボおよびインビトロによる方法があり、目的に応じて選択することができる。培養上清やマウス腹水からのモノクローナル抗体の精製は、硫酸アンモニウム塩折法、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィー等により行われるが、精製純度や簡便性を考慮するとアフィニティークロマトグラフィーが最も好ましい。さらに高純度のモノクローナル抗体を得る必要がある場合には、アフィニティークロマトグラフィーの後に最終精製としてゲルろ過クロマトグラフィーやイオン交換クロマトグラフィー等を行うのが好ましい。
【0079】
細胞株
本発明の細胞株は、上記モノクローナル抗体を産生することを特徴とする。
【0080】
当該細胞株としては、前述する方法により製造されるハイブリドーマが挙げられ、特にマウス脾臓細胞と同系マウスミエローマ細胞とのハイブリドーマが好ましい。
【0081】
本発明の細胞株は、好ましくは、受託番号FERM BP-11266又はFERM BP-11267のハイブリドーマである。
【0082】
抗体の可変領域をコードする塩基配列からなるDNA
本発明のDNAは、上記モノクローナル抗体の軽鎖又は重鎖の可変領域をコードする塩基配列からなることを特徴とする。
【0083】
具体的には、配列番号1のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、配列番号2のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、及び配列番号3のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を有する重鎖可変領域をコードするDNA、配列番号4のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、配列番号5のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3を有する軽鎖可変領域をコードするDNA、配列番号7のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、配列番号8のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を有する重鎖可変領域をコードするDNA、並びに配列番号10のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、配列番号11のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3を有する軽鎖可変領域をコードするDNAが挙げられる。
【0084】
本発明のDNAは、化学合成、生化学的切断/再結合などの常法で作製することができる。当該DNAは、ヒトHIG1ポリペプチドの1-19位のアミノ酸配列に含まれる少なくとも一つのエピトープに結合する抗体又は抗体断片の作製等に使用することができる。
【0085】
本発明の発現ベクターは、上記DNAを含むことを特徴とし、本発明の発現ベクターを用いて宿主細胞を形質転換することができる。使用するベクターの種類は、本発明のDNAを発現可能に組込むことができ、且つ宿主細胞で発現できるものであれば特に限定されない。宿主細胞としては、本発明の発現ベクターにより形質転換され、本発明のDNAを発現できるものであれば特に限定されないが、例えば、COS細胞、CHO細胞等の動物細胞を挙げることができる。
【0086】
ヒトHIG1ポリペプチドを検出するための試薬
本発明の試薬は、ヒトHIG1ポリペプチドを検出するための試薬であって、上記モノクローナル抗体又は抗体断片を含むことを特徴とする。
【0087】
当該試薬の用途としては、酵素免疫測定(ELISA)用、ウエスタンブロッティング用、免疫組織染色用、細胞の低酸素状態評価用、細胞の低グルコース状態評価用、細胞の虚血状態評価用等が挙げられる。
【0088】
ELISA法は、一般的な競合法、サンドイッチ法等の手法に従って行うことができる。
【0089】
ELISA法は例えば次のようにして行うことができる。標準抗原(ヒトHIG1ポリペプチド)を適当な担体に固定化し、ブロッキングする。次いで、ヒトHIG1ポリペプチドを含有する試料と本発明の抗体を上記固定化標準抗原と接触させて、本発明の抗体-試料中のヒトHIG1ポリペプチド免疫複合体及び本発明の抗体-標準抗原免疫複合体を競合的に生成させる。生成した本発明の抗体-標準抗原免疫複合体の量を測定し、予め作製した検量線から試料中のヒトHIG1ポリペプチドの量を決定することができる。
【0090】
また、ELISA法では、本発明の抗体を第一抗体として用い、この第一抗体に対する第二抗体を標識して用いることもできる。この場合は本発明の抗体-ヒトHIG1ポリペプチド免疫複合体の量は、これに結合した標識第二抗体の標識量を測定することにより容易に求めることができる。上記方法の変法として、標識した第二抗体を用いることなく、第一抗体を例えば酵素で標識して利用することもできる。
【0091】
ウエスタンブロット法は、例えば、試料液をアクリルアミドゲル電気泳動させた後、メンブレンに転写し、本発明の抗体と反応させ、生成する反応物(免疫複合体)を、標識第二抗体を用いて検出することにより行うことができる。
【0092】
本発明の測定キットは、上記試薬を含むことを特徴とする。当該測定キットは、上記試薬に加え、好ましくは使用される測定法に必要な試薬が必要量備えられたものである。このようなキットとしては、例えば、ELISA法を用いてヒトHIG1ポリペプチドの検出を行うためのキットであって、本発明のモノクローナル抗体又は抗体断片が、固相吸着用抗体及び/又は検出用標識化抗体として用いられ、当該検出用標識化抗体はHRPにより標識され、その他のELISA法に必要となる試薬(例えばマイクロプレート、抽出溶液、緩衝液等)が備えられたキットが挙げられる。
【0093】
ヒトHIG1ポリペプチドの検出方法
本発明の方法は、ヒトHIG1ポリペプチドを検出する方法であって、上記モノクローナル抗体又は抗体断片を使用することを特徴とする。
【0094】
当該方法は、ウエスタンブロット法、イムノブロット法、酵素免疫測定法(ELISA)、放射免疫測定法(RIA)、化学発光免疫測定法(CLIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、ラテックス凝集反応測定(LA)、免疫比濁法(TIA)、イムノクロマト法等の常法に従い行うことができる。本発明の方法では、特にELISA及びウエスタンブロット法が好ましい。また、当該方法は、インビトロで行うことが好ましい。
【0095】
本発明の方法によれば、ヒトHIG1ポリペプチドを高精度、高感度で検出することができる。この検出結果は、低酸素状態、低グルコース状態及び虚血状態の評価に役立つものであり、これによって、癌、心疾患、及び脳血管疾患の早期発見のための有効な指標を得ることができる。
【0096】
検査試薬
本発明の検査試薬は、低酸素状態、低グルコース状態又は虚血状態の検査試薬であって、上記モノクローナル抗体又は抗体断片を含むことを特徴とする。
【0097】
当該検査試薬により、ウエスタンブロット法、イムノブロット法、酵素免疫測定法(ELISA)、放射免疫測定法(RIA)、化学発光免疫測定法(CLIA)、蛍光免疫測定法(FIA)ラテックス凝集反応測定(LA)、免疫比濁法(TIA)、イムノクロマト法等の検出法によってヒトHIG1ポリペプチドを定量あるいは定性的に測定することで、低酸素状態、低グルコース状態又は虚血状態を検査することができる。本発明の検査試薬は、好ましくは体外検査試薬として使用される。更に、本発明は、当該検査試薬を含む検査用キットも提供する。
【0098】
また、本発明のモノクローナル抗体又は抗体断片は、癌等の治療に使用することも期待できる。
【実施例】
【0099】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
【0100】
〔実施例1〕モノクローナル抗体の調製
(1)抗原の調製
1-1) ヒトHIG1部分ペプチド(20アミノ酸)の合成
ヒトHIG1ポリペプチドの1-19位のアミノ酸配列のN末に、キャリアタンパク質複合体形成用にシステインを付加した部分ペプチドCMSTDTGVSLPSYEEDQGSK(配列番号13)(20アミノ酸)(以後、HIG1p20と略す)を、株式会社東レリサーチセンター(東京)にペプチド合成を委託し作製した(純度98%)。
【0101】
1-2) ハプテン−キャリアタンパク質複合体の作製
ハプテン−キャリアタンパク質複合体作製キット(PIEERCE Biotechnology社、No.77607、MBS法)を用いて、HIG1p20とキャリアタンパク質との複合体作製を行った。即ち、10 mg/mLのマレイミド活性化キャリアタンパク質0.2 mLと1 mg/mLのHIG1p20合成ペプチド0.2 mLを混合し、室温で2時間静置し反応した。その後、10 mMリン酸緩衝生理食塩水、pH7.4(PBS)で4℃、24時間透析を行った。キャリアタンパク質としてキーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)あるいは牛血清アルブミン(BSA)を用いた。
【0102】
(2)動物の免疫
2 mg/mLの抗原(HIG1p20-KLH)を、等量のフロイント完全アジュバント(CFA)(SIGMA社製、F-5881)と混合してエマルジョンを作製したのち、0.1 mL(抗原0.1 mg)/匹ずつ、BALB/cマウス(雌、6〜8週齡)の尾根部皮内に免疫した。2週間後、0.1 mg/mLの抗原と等量のAlumアジュバント(PIERCE社製、77140)との混合液を0.2 mL(抗原0.01 mg)/匹ずつ腹腔内に追加免疫を行った。初回免疫時から1〜2週間間隔で尾静脈より採血を行い、抗体価の確認を行った。
【0103】
(3)抗体価の測定
抗体価は酵素免疫測定法(ELISA)を用いて測定した。すなわち、抗原としてHIG1p20-BSAを10μg/mL(50 mM炭酸緩衝液、pH9.6、SIGMA、No.C3041)の濃度で50μL/wellずつ、室温で96ウェルプレート(IWAKI、No.3801-096)にコーティングした。0.05w/v% Tween20を含むPBS(PBS-T)で3回洗浄後、10v/v% Fetal Bovine Serum(10%FBS)を含むPBSで1時間ブロッキングした。ブロッキング液を吸入除去後、10% FBSを含むPBS-T(10% FBS-PBS-T)で段階(2百倍、2千倍、2万倍)希釈したマウス血清を50μL/wellずつ入れて室温で1時間静置した。
【0104】
PBS-Tで3回洗浄後、10% FBS-PBS-Tで1000倍に希釈したアルカリフォスファターゼ標識2次抗体(抗マウスIgG、SIGMA社、No.A3563)を50μL/wellずつ入れて室温で1時間静置した。PBS-Tで5回洗浄後、1 mg/mLのp-ニトロフェニルフォスフェート(SIGMA、No.N9389)を含む0.1Mグリシン緩衝液(pH10.4)を100μL/wellずつ入れ、37℃で20分間反応させた。反応後、405 nmの吸光度を測定した(SPECTRAmax250、Molecular Devices社)。その結果、血清の2万倍希釈溶液においても、抗原に対する抗体価の上昇が確認された。
【0105】
(4)細胞融合及び抗体産生ハイブリドーマのクローニング
抗体価の上昇が確認されたマウスの脾臓細胞とミエローマ細胞X-63-Ag8.653とを、5:1の割合でセンダイウイルス・エンベロープ(Hemagglutinating virus of Japan envelope; HVJ-E)法(石原産業株式会社製、GenomONE-CF細胞融合用キット, No.CF004)により細胞融合し、HAT(Gibco、No.21060-017)およびHT(Gibco、No.11067-030)を含む10% FBS含有RPMI-1640培地(SIGMA、No.R8785)でハイブリドーマの選択培養を行った。細胞融合10〜12日目にハイブリドーマ培養上清を回収し、抗体価の測定(前記(3)参照)と同様の手法でELISAによるスクリーニングを行った。
【0106】
上記スクリーニングで選抜されたハイブリドーマの細胞数を測定後、0.5個/wellとなるように96ウェルプレートにまきこみ、限界希釈法によるクローニングを行った。同様にして、ELISAによるスクリーニングで陽性となったハイブリドーマについて再度サブクローニングを行い、ISK-MMH-TK1およびISK-MMH-TK2を選抜した。これらの培養上清中の抗体についてアイソタイピング(Mouse Monoclonal Antibody Isotyping Test kit、DSファーマバイオメディカル、No.MMT1)を行った結果、それぞれIgG1κおよびIgG3κであった。
【0107】
ここで得られたハイブリドーマISK-MMH-TK1およびISK-MMH-TK2は、平成21年8月18日付で、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305-8566茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)にそれぞれ受託番号FERM P-21835およびFERM P-21836として寄託されている。また、これらの細胞株は、現在国際寄託に移管されており、その受託番号はそれぞれFERM BP-11267およびFERM BP-11266である。
【0108】
〔実施例2〕HIG1-Flagタンパク質の調製
(1)形質転換体の作製
本実施例において、HIG1は特に言及しない限りヒトHIG1を示す。
【0109】
E.coliコンピテントセル(Rosetta(DE3)、Novagen No. 709543)10μLとグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)-HIG1-Flag発現プラスミドpGST-HIG1-Flag(pGEX 6P-1(GE Healthcare社)のMultiple Cloning SiteにHIG1、さらにHIG1の下流にFlagタグ配列を挿入したプラスミド)1μLを混合、氷冷30分、42℃で30秒ヒートショック処理し、氷冷2分後、100μL SOC培地(Novagen No. 709543、付属品)で希釈、37℃で1時間振とう培養した。その後、LB(20μg/mLカナマイシン、34μg/mLクロラムフェニコール、10 mg/mLペプトン、5 mg/mL酵母エキス、10 mg/mL塩化ナトリウム、pH7.4)プレートに塗布し組換え体コロニーを作製した。
【0110】
(2)培養・集菌
プレートに出現した1コロニーを100 mLのLB培地に添加し、フラスコ内37℃、300 rpmで一晩培養を行った。上記の培養液全量を1.5LのLB培地に混合し、37℃、150 rpmでOD600=0.6まで培養した。15℃にて30分静置後、イソプロピル-β-チオガラクトピラノシド(IPTG)(ナカライテスク社)を終濃度0.5 mMとなるよう添加し15℃で約16時間フラスコ内で振とう培養した。遠心分離した菌体の湿重量を測定し、湿菌体1 gあたり5 mLの超音波破砕用バッファー(50 mM Tris-HCl(pH8.0)、0.15 M NaCl、1 mM EDTA)に懸濁した。氷冷下で超音波破砕(15秒、インターバル30秒、5セット)後、TritonX-100を0.2w/v%となるように添加し、4℃で30分間転倒混和した。菌体破砕液を4℃、10000gで 30分遠心後、その遠心上清を0.45μmフィルターをパスさせた。GST-HIG1-FlagのGSTとHIG1-Flagの間には、PreScission Protease認識配列が存在するので、以下の手順でGSTの切断を行い、HIG1-Flagを調製した。即ち、GSTカラム(GSTrap FF、GE Healthcare社 No.17-5130-01)に、フィルターでパスした菌体破砕液、PreScission Protease反応溶液(50mM Tris-HCl(pH7.5)、0.15 M NaCl、1mM EDTA、1mM DTT)、PreScission Protease(GE Healthcare社No.27-0843-01)溶液を順次通し、カラムを4℃で一晩静置しGSTを切断した後、GSTカラムにPreScission Protease反応溶液を加え、HIG1-Flag溶液を回収した。この溶液を透析膜(Spectra/Por6 MWCO:1000、Spectrum Laboratories Inc.、No.132636)を用いてPBSに置換することによってHIG1-Flag溶液を得た。
【0111】
〔実施例3〕本発明のモノクローナル抗体の性質の検討1
本実施例では、モノクローナル抗体のHIG1ポリペプチドに対する特異性をELISA競合反応試験により確認した。
【0112】
すなわち、固相抗原として実施例2で得られたHIG1-Flagを2.5μg/mL(50 mM 炭酸緩衝液pH9.6、SIGMA、No.C3041)の濃度で50μL/wellずつ、室温で1時間プレートにコーティングした。PBS-Tで3回洗浄後、10% FBSを含むPBS(10% FBS-PBS)で1時間ブロッキングした。PBS-Tで3回洗浄後、実施例1で得られた抗体培養上清のPBS-T希釈液と競合物質の希釈溶液(PBS-Tで段階希釈)とを混合し、室温で1時間反応した。上記反応液をプレートに50μL/wellずつ入れてさらに室温で1時間静置した。なお、抗体培養上清の希釈率は競合物質がない時の吸光度が1付近となるよう予備試験にて前もって決定した(ISK-MMH-TK1は2万倍希釈、ISK-MMH-TK2は3200倍希釈)。また競合物質としてHIG1-Flag(0.167μg/mLから公比3倍で8段希釈)、KLH(100μg/mLから公比3倍で8段希釈)、またはGST(100μg/mLから公比3倍で8段希釈)を用いた。PBS-Tで3回洗浄後、10% FBS-PBS-Tで1000倍希釈したアルカリフォスファターゼ標識2次抗体(抗マウスIgG)を50μL/wellずつ入れて室温で1時間静置した。PBS-Tで5回洗浄後、1 mg/mLのp-ニトロフェニルフォスフェートを含む0.1Mグリシン緩衝液 (pH10.4)を100μL/wellずつ入れ、37℃で1時間反応させた。反応後、405 nmの吸光度を測定した。実施例1で得られたISK-MMH-TK1とISK-MMH-TK2についての結果を図1に示す。
【0113】
両抗体とも0.7-6.2 ng/mLの範囲でHIG1-Flagを定量的に測定することが可能であった。HIG1-Flagに対するモノクローナル抗体の解離定数Kd値は、「Antibody engineering; A Practical Approach(Edited by McCaffety J., et al.), Chapter 4, 77-97, IRL Press Oxford」を参考に算出した。その結果、それぞれのクローンが産生するモノクローナル抗体のKd値は、ISK-MMH-TK1は2.2×10-10 M、ISK-MMH-TK2は1.7×10-10 Mであった。
【0114】
〔実施例4〕本発明のモノクローナル抗体の性質の検討2
本実施例では、モノクローナル抗体のウエスタンブロッティングでの反応性を確認した。
【0115】
実施例2で作製したHIG1-FlagをSDS-PAGE(15w/v%ゲル)後、クリアブロットメンブレン(アトー、No.AE-6667)に転写した後、5w/v%スキムミルク(森永乳業)入りの0.1w/v% Tween20を含有した20 mMトリス緩衝生理食塩水(TBS-T)で4℃、16〜18時間ブロッキング操作を行った。本実施例における以後の操作は特に言及しない限り室温で行った。ブロッキング液を除去後、10% FBS-PBS-Tで0.5μg/mLの濃度に調製した実施例1で得られた抗体培養上清と1時間反応を行った。メンブレンをTBS-Tで3回洗浄後、TBS-Tで5000倍希釈した2次標識抗体(Anti-Mouse IgG, HRP-Linked Whole Ab Sheep、GE Healthcare、No.NA931-100UL)で1時間反応した。続いてTBS-Tで3回洗浄後、発光基質のECL Plus Western Blotting Detection Reagents (GE Healthcare、No.RPN2132)と5分間反応させ、LAS-3000ルミノイメージアナライザー(FUJIFILM)にて解析した。結果を図2に示す。
【0116】
その結果、ISK-MMH-TK1では3.25 ng-15 ng、ISK-MMH-TK2では15 ng-60 ngの範囲でHIG1-Flagタンパク質の用量に依存したバンドが検出された。
【0117】
〔実施例5〕本発明のモノクローナル抗体の性質の検討3
本実施例では、細胞に遺伝子導入し発現させたHIG1分子への反応性を確認した。
【0118】
SAS(ヒト舌扁平上皮癌)細胞3×104個/wellを48ウェル培養プレート(Corning、No.3548)に10% FBS含有D’MEM(SIGMA、No.D5796)液に懸濁、播種し1日培養(37℃、5%CO2)後、Lipofectamine 2000(Invitrogen、No.11668-027)とpCAG-Flag-HIG1(CAGプロモーター下流にFlagタグ配列、さらにその下流にHIG1配列を挿入したプラスミド)のプラスミドDNAとのコンプレックスを添加することにより遺伝子導入し、さらに1日培養した。その後PBSで2回洗浄後、以下の方法にて免疫染色を行った。即ち、4w/v%パラフォルムアルデヒドにて細胞を固定(室温、10分間)し、PBSで1回洗浄後、0.2w/v%TritonX-100を含むPBSで室温、5分間処理した。続いてPBSで2回洗浄し、1w/v%BSAを含むPBSで4℃、16〜18時間ブロッキング処理した後、10% FBS-PBS-Tで0.5μg/mLの濃度に調製した実施例1で得られた抗体培養上清と1時間室温で反応を行った。なお、陰性対照として、市販のコントロールマウス抗体(IgG1κfrom murine myeloma, SIGMA社 No.M9269-1MG)を使用した。次にPBSで3回洗浄後、10% FBS-PBS-Tで500倍希釈したAlexaFlour488蛍光標識抗マウスIgG抗体(Invitrogen、No.A11017)で室温1時間反応した。さらにPBSで3回洗浄後、蛍光顕微鏡(OLYMPUS、No.IX70)にて観察した。なお本実施例の洗浄操作は全て室温で実施した。結果を図3に示す。
【0119】
〔実施例6〕本発明のモノクローナル抗体の可変領域の解析
ISK-MMH-TK1およびISK-MMH-TK2の可変領域の遺伝子配列を以下の方法により解析した。
【0120】
ハイブリドーマISK-MMH-TK1およびISK-MMH-TK2より、RNeasy Mini kit(QIAGEN社)を用いて、総RNAを抽出した。得られた総RNAはReady-To-Go You-Prime First Strand Beads(GE Healthcare社)を用いて逆転写反応を行い、cDNAを合成した。逆転写反応に使用したプライマーは、L鎖、H鎖各々の定常領域にマッチするように設計した。それらプライマーの配列は以下の通りである。
L鎖(ISK-MMH-TK1, ISK-MMH-TK2共通) cgactagtcgactggtgggaagatggatacag(配列番号14)
ISK-MMH-TK1のH鎖 cgacaagtcgactagcccttgaccaggcatcc(配列番号15)
ISK-MMH-TK2のH鎖 cgactagtcgactagcctttgacaaggcatcc(配列番号16)
【0121】
これらcDNAを鋳型として、以下のPCR反応を行った。即ち、GeneAmp PCR system 9700(Applied Biosystems社)を用いて94℃30秒、55℃30秒、72℃30秒 のステップを10サイクルした後、94℃30秒、60℃30秒、72℃30秒 のステップを20〜25サイクル繰り返すPCR反応を行った。PCR酵素にはEx Taq(TaKaRa社)を使用した。PCR反応に使用したプライマーセットは、L鎖、H鎖各々の可変部位を増幅するために、リーダー配列、定常領域にマッチするようにそれぞれ設計した。それらプライマーの配列は以下の通りである。
L鎖(ISK-MMH-TK1,ISK-MMH-TK2共通) ctgwtgttctggattcctg(配列番号17) 及び cgactagtcgactggtgggaagatggatacag(配列番号14、逆転写にも使用)
ISK-MMH-TK1のH鎖 ctcctgtcaktaactkcaggt(配列番号18) 及び cgacaagtcgactagcccttgaccaggcatcc(配列番号15、逆転写にも使用)
ISK-MMH-TK2のH鎖 tgttgacagycvttcckggt(配列番号19) 及び cgactagtcgactagcctttgacaaggcatcc(配列番号16、逆転写にも使用)
※w=a又はt, k=t又はg, y=t又はc, v=a, c又はg
【0122】
PCR増幅産物を2w/v%アガロースゲル電気泳動し、単一バンドであれば、QIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社)で精製し、複数バンドの場合には、泳動ゲルより目的のDNA断片を含む部分を切り出し、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社)を用いて精製した。これら、精製したPCR増幅産物をシークエンス反応の鋳型DNAとして用いた。BigDye Terminator Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems社)及びPCR反応の際に使用した各プライマーを用いてシークエンス反応を行い、3100-Avant Genetic Analyzer(Applied Biosystems社)でシークエンス解析した。シークエンス反応の際に使用したプライマーの配列は以下の通りである。
L鎖(ISK-MMH-TK1,ISK-MMH-TK2共通) ctgwtgttctggattcctg(配列番号17) あるいは cgactagtcgactggtgggaagatggatacag(配列番号14)
ISK-MMH-TK1のH鎖 ctcctgtcaktaactkcaggt(配列番号18) あるいは cgacaagtcgactagcccttgaccaggcatcc(配列番号15)
ISK-MMH-TK2のH鎖 tgttgacagycvttcckggt(配列番号19) あるいは cgactagtcgactagcctttgacaaggcatcc(配列番号16)
【0123】
シークエンス解析の結果、推測されるPCR反応で増幅されたDNA断片の配列(プライマー配列部分は小文字で表記)、及び、そのDNA配列をもとに変換したアミノ酸配列、及び当該アミノ酸配列から決定された各CDRのアミノ配列は以下の通りであった。尚、各CDRのアミノ酸配列は、Infection and Immunity, Vol.68, p.1871-p.1878, 2000を参考に決定した。
【0124】
ISK-MMH-TK1 L鎖(DNA配列)
ctgwtgttctggattcctgCTTCCAGCAGTGATGTTTTGATGACCCAAACTCCACTCTCCCTGCCTGTCAGTCTTGGAGATCAAGCCTCCATCTCTTGCAGATCTAGTCAGAGCATTGTACATAGTAATGGAAACACCTATTTAGAATGGTACCTGCAGAAACCAGGCCAGTCTCCAAAGCTCCTGATCTACAAAGTTTCCAACCGATTTTCTGGGGTCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGATCAGGGACAGATTTCACACTCAAGATCAGCAGAGTGGAGGCTGAGGATCTGGGAGTTTATTACTGCTTTCAAGGTTCACATGTTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATCAAACGGGCTGATGCTGCACCAActgtatccatcttcccaccagtcgactagtcg(配列番号20)
【0125】
ISK-MMH-TK1 H鎖(DNA配列)
ctcctgtcaktaactkcaggtGTCCTCTCTGAGGTCCAGCTGCAACAGTCTGGACCTGAGCTGGTGAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGATTTCCTGCAAGACTTCTGGATACACATTCACTAAATACACCATGCACTGGGTGAAGCAGAGCCATGGAAAGAGCCTTGAGTGGATTGGAGGTATTAATCCTAACAATGGTGGTAGTAGGTATGACCAGAAGTTCAGGGGCAAGGCCACATTGACTGTAGACAAGTCCTCCAGCACAGCCTACATGGAGTTCCGCAGCCTGACATCTGAGGATTCTGCAGTCTATTACTGTGCAAGAGACTTTGTTTACTGGGGCCAAGGGACTCTGGTCACTGTCTCTGCAGCCAAAACGACACCCCCATCTGTCTATCCACTGGCCCCTGGATCTGCTGCCCAAACTAACTCCATGGTGACCCTGggatgcctggtcaagggctagtcgacttgtcg(配列番号21)
【0126】
ISK-MMH-TK2 L鎖(DNA配列)
ctgwtgttctggattcctgCTTCCAGCAGTGATGTTGTGATGACCCAAATTCCACTCTCCCTGCCTGTCAGTCTTGGAGATCAAGCCTCCATCTCTTGCAGATCTACTCAGAGCCTTGTACACAGTAATGGAAACACCTATTTACATTGGTTCCTGCAGAAGCCAGGCCAGTCTCCAAAGCTCCTGATCTACAAAGTTTCCAACCGATTTTCTGGGGTCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGATCAGGGACAGATTTCACACTCAAGATCAGCCGAGTGGAGGCTGAGGATCTGGGAGTTTATTTCTGCTCTCAAAGTAAATATGTTCCTCGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATCAAACGGGCTGATGCTGCACCAActgtatccatcttcccaccagtcgactagtcg(配列番号22)
【0127】
ISK-MMH-TK2 H鎖(DNA配列)
tgttgacagycvttcckggtATCCTGTCTGATGTGCAGCTTCAGGACTCAGGACCTGGTCTGGTGAAACCTTCTCAGACAGTGTCCCTCACCTGCACTGTCACTGGCATCTCCATCACCACTGGAAATTTCAGATGGAGCTGGATCCGGCAGTTTCCAGGAAACAAACTGGAGTGGATAGGGTACATATACTACAGTGGTACCATTACCTACAATCCATCTCTCACAAGTCGAACCACCATCACTAGAGACACTTCCAAGAACCAATTCTTCCTGGAAATGAACTCTTTGACTGCTGAAGACACAGCCACATACTACTGTGCACGAGAACTCTACGGCTACGGGTACTTCGATGTCTGGGCCGCAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCTACAACAACAGCCCCATCTGTCTATCCCTTGGTCCCTGGCTGCAGTGACACATCTGGATCCTCGGTGACACTGggatgccttgtcaaaggctagtcgactagtcg(配列番号23)
【0128】
ISK-MMH-TK1 L鎖(アミノ酸配列)
LXFWIPASSSDVLMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCFQGSHVPWTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPVD*S(配列番号24)
【0129】
ISK-MMH-TK1 H鎖(アミノ酸配列)
LLSXTXGVLSEVQLQQSGPELVKPGASVKISCKTSGYTFTKYTMHWVKQSHGKSLEWIGGINPNNGGSRYDQKFRGKATLTVDKSSSTAYMEFRSLTSEDSAVYYCARDFVYWGQGTLVTVSAAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKG*STC(配列番号25)
【0130】
ISK-MMH-TK2 L鎖(アミノ酸配列)
LXFWIPASSSDVVMTQIPLSLPVSLGDQASISCRSTQSLVHSNGNTYLHWFLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSKYVPRTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPVD*S(配列番号26)
【0131】
ISK-MMH-TK2 H鎖(アミノ酸配列)→上記DNA配列の3塩基目からアミノ酸に変換
LTXXXGILSDVQLQDSGPGLVKPSQTVSLTCTVTGISITTGNFRWSWIRQFPGNKLEWIGYIYYSGTITYNPSLTSRTTITRDTSKNQFFLEMNSLTAEDTATYYCARELYGYGYFDVWAAGTTVTVSSATTTAPSVYPLVPGCSDTSGSSVTLGCLVKG*STS(配列番号27)
※Xは混合プライマーの2種類以上の塩基(w=a又はt, k=t又はg, y=t又はc, v=a, c又はg)に相当する部分である。
※ *は終止コドンである。
【0132】
ISK-MMH-TK1 (CDRのアミノ酸配列)
重鎖CDR1:KYTMHG(配列番号1)
重鎖CDR2:INPNNGGSRYDQKFRG(配列番号2)
重鎖CDR3:DFVY(配列番号3)
軽鎖CDR1:RSSQSIVHSNGNTYLE(配列番号4)
軽鎖CDR2:KVSNRFS(配列番号5)
軽鎖CDR3:FQGSHVP(配列番号6)
【0133】
ISK-MMH-TK2 (CDRのアミノ酸配列)
重鎖CDR1:TGNFRWS(配列番号7)
重鎖CDR2:YIYYS GTITYNPSLTS(配列番号8)
重鎖CDR3:RELYGYGYFDV(配列番号9)
軽鎖CDR1:RSTQSLVHSNGNTYLH(配列番号10)
軽鎖CDR2:KVSNRFS(配列番号11)
軽鎖CDR3:SQSKYVP(配列番号12)
図1
図2
図3
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]