(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電力供給制御手段により前記回生電力を前記空調機に供給する場合に、前記空調機による前記乗りかご内の空調性能を向上させるように、前記空調機による温度制御および風量制御を行なう空調制御手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッド駆動型エレベータの制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータの制御装置の構成を示す図である。
このエレベータ10は、所定の駆動電力を受けて回転動作する電動機11と、この電動機11の回転軸に取り付けられて回転するシーブ12と、このシーブ12に巻き掛けられたロープ13の両端に吊り下げられた乗りかご14とカウンタウェイト(釣り合い重り)15などを備える。
【0012】
また、乗りかご14の駆動系として、商用電源16と、この商用電源16の交流電圧を直流電圧に変換する整流器17と、直流電圧のリプルを平滑化する平滑コンデンサ18と、直流電圧を可変電圧可変周波数の交流電圧に変換するインバータ19と、このインバータ19により供給される電動機11の電流を検出するインバータ電流検出装置20などを備える。
【0013】
なお、商用電源16は三相電源である。この三相電源による交流電圧が整流器17で全波整流され、平滑コンデンサ18にてリプル分が吸収されて直流に平滑化される。この平滑化された直流がインバータ19に与えられ、所定周波数の交流電圧に変換されて電動機11に駆動電力として供給される。
【0014】
このような電力供給により、電動機11が回転駆動され、これに伴いシーブ12が回転し、そこに巻き掛けられたロープ13を介して乗りかご14とカウンタウェイト15が昇降路内をつるべ式に昇降動作する。
【0015】
また、このエレベータ10は、乗りかご14の運転速度などを制御するための運転制御装置21を備える。
図2に運転制御装置21の構成を示す。この運転制御装置21は、速度指令部22と、速度検出部23と、速度制御部24と、荷重検出スイッチ部25と、荷重信号演算部26と、トルク指令判断部27と、インバータ電流制御部28などから構成される。
【0016】
速度指令部22は、図示せぬエレベータ制御盤から電動機11の運転指令を受けて、速度指令値を出力する。速度検出部23は、電動機11の現在の速度を検出する。速度制御部24は、速度指令値と速度検出値との偏差を求め、その偏差をなくすようなトルク指令を出力する。
【0017】
荷重検出スイッチ部25は、乗りかご14の荷重を検出するためのスイッチであり、例えば荷重値に応じて選択的にオン動作する複数のスイッチからなる。荷重信号演算部26は、荷重検出スイッチ部25から出力される荷重信号に基づいてトルク補償値を演算する。
【0018】
トルク指令判断部27は、速度制御部24から出力されたトルク指令値と荷重信号演算部26から出力されたトルク補償値とを加算して得られる最終的なトルク指令値が許容範囲内にあるか否かを判断する。その結果、トルク指令値が許容範囲外であれば、許容範囲内に収めるようにリミッタをかける。
【0019】
インバータ電流制御部28は、インバータ電流検出装置20によって検出された電流値とトルク指令判断部27から出力されるトルク指令値とに基づいて、電動機11に流す電流をトルク指令値に合わせて制御する。
【0020】
このエレベータ10は、前述した構成に加え、ハイブリッド駆動系として、さらに、エレベータ用蓄電装置である蓄電装置30、充放電回路31、蓄電制御装置32を備える。蓄電装置30は、ハイブリッド駆動型エレベータにおける電力供給手段であり、例えばニッケル水素電池や、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池などの2次電池や、電気2重層コンデンサといった大容量キャパシタなどからなり、回生運転時に電力供給ラインに生じる回生エネルギー(電力)を蓄えておき、次の力行運転時に前述のように蓄えた回生エネルギー(電力)を電力供給ラインに放電することで省電力化を図るものである。
【0021】
充放電回路31は、蓄電装置30に対する充放電を切り替えるための回路である。この充放電回路31は、インバータ19への電力供給ラインである直流母線間に並列に接続される充電用スイッチング素子33および放電用スイッチング素子34、これらのスイッチング素子33,34の共通接続部に接続され、直流電力を平滑化する機能を有する直流リアクトル35などから構成される。
【0022】
蓄電制御装置32は、直流母線間電圧つまり平滑コンデンサ18の電圧を監視し、その電圧値に基づいて乗りかご14の運転状態が回生運転または力行運転であるかを判断し、その運転状態に応じて充放電回路31を制御して蓄電装置30に対する充放電を行うものである。
【0023】
具体的には、この蓄電制御装置32は、直流母線間電圧(平滑コンデンサ18の電圧)を検出する電圧検出部41と、充放電回路31を駆動して蓄電装置30に対する充放電を制御する充放電制御部42と、蓄電装置30の電圧を検出する電圧検出部43と、この電圧検出部43によって検出された蓄電装置30の電圧変化を監視する電圧変化監視部44と、電圧指令を出す電圧指令部45と、蓄電装置30に流れ込む電流を検出する電流検出部46などから構成される。
【0024】
商用電源16から供給された三相交流電圧は整流器17にて直流電圧に変換された後、インバータ19にて所望の交流電圧に変換されて電動機11に供給される。その際に、乗りかご14が回生運転になると、インバータ19から入力端子側に回生エネルギーが戻されるので、直流母線間電圧は上昇することになる。
【0025】
通常のエレベータでは、直流母線間電圧が一定値以上になったときに、インバータ19の入力端子側に設けられたスイッチング素子51を制御して回生抵抗52にてエネルギーを熱消費していた。これに対し、ハイブリッド駆動式エレベータでは、この回生エネルギーを有効利用するために蓄電装置30を備える。
【0026】
ここで、蓄電装置30を備えたハイブリッド駆動式エレベータにおける回生エネルギーの充電と放電の動作について簡単に説明しておく。
【0027】
(a)回生エネルギーの充電動作
上述したように、乗りかご14の回生運転時には、インバータ19から入力端子側に回生エネルギーが戻されるので、平滑コンデンサ18に回生エネルギーが蓄積され、インバータ19への電力供給ラインである直流母線間の電圧は徐々に上昇する。このときの電圧上昇は蓄電制御装置32内の電圧検出部41にて検出される。
【0028】
ここで、蓄電制御装置32では、直流母線間の電圧が予め設定された基準値以上となると、電圧指令部45により蓄電装置30への充電に適した電圧となるまで降圧してから、充放電回路31内の充電用スイッチング素子33をONして蓄電装置30に充電を行う。
【0029】
このときの蓄電装置30の電圧変化は電圧検出部43を通じて電圧変化監視部44にて監視され、電圧指令部45に与えられる。この際、蓄電装置30に流れ込む電流を電流検出部46にて検出し、充放電制御部42にて充電電流を制御する。これにより、回生エネルギーを蓄電装置30に蓄えることが可能となる。
【0030】
(b)回生エネルギーの放電動作
乗りかご14の力行運転時には、平滑コンデンサ18で平滑化された直流がインバータ19に供給されるので、インバータ19への電力供給ラインである直流母線間電圧は停止時よりも降下する。このときの電圧降下は蓄電制御装置32内の電圧検出部41にて検出される。
【0031】
蓄電制御装置32では、直流母線間電圧が予め設定された基準値よりも下がると、電圧指令部45にて設定された目標値まで蓄電装置30の電圧を昇圧して直流母線間電圧に突き合わせることで、充放電回路31内の放電用スイッチング素子34をONして蓄電装置30に蓄積された回生エネルギーを電力供給ラインへ放電する。この際、蓄電装置30から流れ出す電流を電流検出部46にて検出し、充放電制御部42にて放電電流を制御する。
【0032】
図3は、第1の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータの乗りかご内の機器の機能構成例を示す図である。
本実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータは、
図3に示すように、空調装置として、乗りかご14内に空調制御装置53および空調機54を設ける。この空調機54は例えばエアコンやファンであり、空調制御装置53の制御下で乗りかご14内の空調を行なう。また、乗りかご14内には、回生運転時に生じたエネルギーである回生エネルギーを、呼びの登録されていない待機中における乗りかご14内の空調用に蓄電するための空調用蓄電装置55を備える。
また、本実施形態では、運転制御装置21は、乗りかご14が、呼びの登録されている運転中であるか、呼びの登録されていない待機中であるかを示す信号を乗りかご14内の空調制御装置53に出力する。
【0033】
この空調制御装置53は、呼びの登録されている運転中であることを示す信号を運転制御装置21から入力した場合には、商用電源からの図示しないテールコードを介した電力を空調機54に供給するとともに、当該空調機54の動作を制御する。
【0034】
一方、空調制御装置53は、呼びの登録されていない待機中であることを示す信号を運転制御装置21から入力した場合には、省エネのために、空調機54への商用電源からのテールコードを介した電力の供給を停止する。
ただし、この待機中でも、空調制御装置53は、空調用蓄電装置55に電力が蓄電されている場合は、この蓄電された電力を空調機54に供給するとともに、空調機54の動作の制御を行なう。これにより、待機中でも、回生運転時に発生したエネルギーを利用して、商用電源からの電力の省エネを行ないつつ、乗りかご14内の空調装置を動作させることができる。
【0035】
また、乗りかご14内に空調用の電源制御装置を別途設けるようにしてもよい。この場合、電源制御装置は、呼びの登録されている運転中であることを示す信号を運転制御装置21から入力した場合には、商用電源からの図示しないテールコードを介した電力を空調制御装置53や空調機54に供給する。空調制御装置53は、この電力を得て、空調機54の動作を制御する。
【0036】
また、電源制御装置は、呼びの登録されていない待機中であることを示す信号を運転制御装置21から入力した場合に、省エネのために、空調制御装置53や空調機54への商用電源からのテールコードを介した電力の供給を停止する。
ただし、本実施形態では、待機中でも、電源制御装置は、空調用蓄電装置55に電力が蓄電されている場合は、この蓄電された電力を空調制御装置53や空調機54に供給する。空調制御装置53は、この電力を得て、空調機54の動作を制御する。
この場合、電源制御装置を設けない場合と比較して、待機時に空調制御装置53への商用電源からの電力の供給も停止できるので、電源制御装置の使用電力を空調制御装置53の使用電力より低くすれば、乗りかご14内の機器のさらなる省エネを実現できる。
【0037】
また、本実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータは、従来技術に比した特徴としての構成である、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえるか否かを判定するための構成として、電力供給制御装置60をさらに備える。この電力供給制御装置60は、蓄電状態検出部61および蓄電可否判定部62を有する。
【0038】
蓄電状態検出部61は、蓄電装置30の電圧値を蓄電制御装置32の電圧検出部43から得ることで、蓄電装置30の現在使用可能な充電容量を検出する。
蓄電可否判定部62は、満充電容量に対する現在の充電状態を示すSOCの範囲の上限値を内部メモリに記憶しており、蓄電状態検出部61により検出した充電容量がSOCの範囲の上限値に達しているか否かを判定する。
【0039】
この蓄電可否判定部62は、検出済みの充電容量がSOCの範囲の上限値に達していなければ、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえると判定する。一方、蓄電可否判定部62は、検出済みの充電容量がSOCの範囲の上限値に達していれば、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえないと判定する。
【0040】
また、本実施形態では、従来技術に比した特徴としての構成である、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえない場合に、回生運転時に生じたエネルギーを蓄電装置30以外、例えば空調機54やエレベータ設置建屋内の電気機器に供給するための構成として、電力供給制御装置60は、電力供給制御部63、電力変換部64、供給先切り替え部65をさらに有する。
また、駆動系の電力供給ラインに対する電気的な接続先を充放電回路31と電力変換部64との間で切り替えるためのスイッチ71がさらに設けられる。
【0041】
電力変換部64は、駆動系の電力供給ラインと当該電力変換部64とが電気的に接続されている場合に、電力供給ラインから得たエネルギーである直流電力を交流電力に変換する。
また、電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53との間にはスイッチ72aが設けられる。また、電力変換部64とエレベータ設置建屋内の電気機器との間にはスイッチ72bが設けられる。
【0042】
ここで、電力供給制御部63の動作について説明する。
電力供給制御部63は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえると蓄電可否判定部62が判定した場合に、乗りかご14の昇降方向や荷重値の情報を運転制御装置21から取得する事で、乗りかご14の現在の運転状態が回生運転であるか否かを判定する。
【0043】
この電力供給制御部63は、この判定により、乗りかご14の現在の運転状態が回生運転であると判定した場合には、回生運転時に生じたエネルギーを蓄電装置30に蓄電するために、駆動系の電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に接続され、かつ、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替える。
【0044】
また、本実施形態の特徴として、電力供給制御部63は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえないと蓄電可否判定部62が判定した条件下で、乗りかご14の現在の運転状態が回生運転であると判定した場合には、回生運転時に生じたエネルギーを蓄電装置30ではなく電力変換部64に供給するために、駆動系の電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続され、かつ、電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替える。
【0045】
また、電力供給制御部63は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえると蓄電可否判定部62が判定しても、乗りかご14の現在の運転状態が回生運転でない、つまり力行運転であると判定した場合は、駆動系の電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に接続され、かつ、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替える。これにより、蓄電装置30に蓄電されたエネルギーを力行運転時に電力供給ラインに供給できる。
【0046】
次に、供給先切り替え部65の動作について説明する。
供給先切り替え部65は、乗りかご14内の空調制御装置53と電力変換部64との間のスイッチ72a、およびエレベータ設置建屋内の電気機器と電力変換部64との間のスイッチ72bをオンオフすることで、電力変換部64とエレベータ設置建屋内の電気機器との間、または、電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53との間を電気的に接続したり切り離したりする。
【0047】
次に、乗りかご14内の空調制御装置53と電力変換部64との間のスイッチ72aの切り替えの条件について説明する。供給先切り替え部65は、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続されている条件下で、エレベータの点検運転中、つまり点検のための手動運転中であることを示す情報を運転制御装置21から入力したなど、乗りかご14内の空調機54の動作が不要である条件を満たす場合には、スイッチ72aをオフ状態として、電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53との間を電気的に切り離す。
一方、供給先切り替え部65は、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続されている条件下で、エレベータの通常運転中、つまり呼び登録に応じた運転中であることを示す情報を運転制御装置21から入力したなど、空調機54の動作を要する場合には、スイッチ72aをオン状態として、電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53との間を電気的に接続する。
【0048】
次に、エレベータ設置建屋内の電気機器と電力変換部64との間のスイッチ72bの切り替えの条件について説明する。供給先切り替え部65は、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続されている条件下で、内部の計時回路により現在時刻を検出し、エレベータ設置建屋内の電気機器が深夜は使用されない場合で、かつ、現在時刻が属する時間帯が深夜であるなど、電力供給ラインから建屋内の電気機器への電力の供給が不要である条件を満たす場合には、スイッチ72bをオフ状態として、電力変換部64とエレベータ設置建屋内の電気機器との間を電気的に切り離す。
【0049】
一方、供給先切り替え部65は、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続されている条件下で、現在時刻が属する時間帯が前述した深夜以外であるなど、電力供給ラインから建屋内の電気機器への電力の供給を行なった方が望ましい条件を満たす場合には、スイッチ72bをオン状態として、電力変換部64とエレベータ設置建屋内の電気機器との間を電気的に接続する。
【0050】
駆動系の電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続される条件下で、エレベータ設置建屋内の電気機器と電力変換部64との間、または、電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53と電力変換部64との間を電気的に接続した場合には、この電力変換部64との接続先に対し、当該電力変換部64により変換した電力が供給される。この結果、回生運転時に生じたエネルギーを蓄電装置30以外に供給することができる。
【0051】
また、建屋内の電気機器は、回生エネルギーを得ていない場合は、商用電源からの電力を得て動作する。
一方、電力供給制御装置60は、回生エネルギーが得られる場合は、建屋内の電気機器に供給される電力として、商用電源から供給される電力に対して回生運転時に供給される電力が優先されるように制御する。
【0052】
具体的には、このように回生運転時に供給される電力が商用電源から供給される電力に対して優先されるように、電力供給制御装置60は、建屋内の電気機器のうち、回生運転時に生じる電力の供給先となる少なくとも一部の所定の機器と商用電源との間の図示しないスイッチを開放するなどして、商用電源から当該機器への電力の受電を停止させ、かつ、これらの機器と電力変換部64との間のスイッチ72bをオン状態とする。
【0053】
また、乗りかご14内の空調装置である空調制御装置53、空調機54は、呼びの登録されている運転中において、回生エネルギーを得ていない場合は、商用電源からの電力を得て動作する。
一方、電力供給制御装置60は、運転中において回生エネルギーが得られる場合は、乗りかご14内の空調装置に供給される電力として、商用電源から供給される電力に対して回生運転時に供給される電力が優先されるよう制御する。
具体的には、このように回生運転時に供給される電力が優先されるように、電力供給制御装置60は、運転中において回生エネルギーが得られる場合は、乗りかご14内の空調装置については、回生運転時に生じる電力の供給先となる空調装置と商用電源との間の図示しないスイッチを開放するなどして、商用電源から空調装置への電力の受電を停止させ、かつ、空調装置と電力変換部64との間のスイッチ72aをオン状態とする。
【0054】
次に、
図1に示した構成のハイブリッド駆動型エレベータの動作について説明する。
図4は、第1の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータによって実行される運転制御処理の流れを示すフローチャートである。
まず、蓄電状態検出部61は、蓄電装置30の電圧値を蓄電制御装置32の電圧検出部43から得ることで、蓄電装置30の現在使用可能な充電容量を検出する(ステップS1)。
次に、蓄電可否判定部62は、蓄電状態検出部61により検出した充電容量が、蓄電装置30の満充電容量に対する現在の充電状態を示すSOCの範囲の上限値に達しているか否か、つまり蓄電装置30へのさらなる充電が行なえるか否かを判定する(ステップS2)。
【0055】
蓄電可否判定部62は、蓄電状態検出部61により検出した充電容量が、前述したSOCの範囲の上限値に達している、つまり蓄電装置30へのさらなる充電が行なえないと判定した場合には(ステップS2のNO)、この判定結果を電力供給制御部63に出力する。
【0056】
電力供給制御部63は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえないとの判定結果を蓄電可否判定部62から入力した場合には、乗りかご14の現在の運転状態が回生運転であるか否かを判定し(ステップS3)、現在の運転状態が回生運転であると判定した場合には(ステップS3のYES)、駆動系の電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続され、かつ電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替える(ステップS4)。
この結果、電力変換部64は、回生運転時に生じた、電力供給ラインからのエネルギーである直流電力を交流電力に変換する(ステップS5)。
【0057】
そして、電力変換部64と電気的に接続される供給先、ここでは乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54、またはエレベータ設置建屋内の電気機器に対し、電力変換部64からの電力が供給される。この供給先は、供給先切り替え部65によるスイッチ72aやスイッチ72bの切り替え状態により定まる。
【0058】
具体的には、電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53との間のスイッチ72aがオン状態の場合は、電力変換部64からの電力が乗りかご14内の空調制御装置53に供給され、乗りかご14内の空調用蓄電装置55に蓄電されるようになる。
【0059】
この場合、回生運転時に発生したエネルギーを乗りかご14内の空調装置に供給することになるので、商用電源からの電力を当該空調装置に供給する場合と比較して電気料金のコストが生じない。そこで、電力供給制御部63は、乗りかご14内の気温が通常より快適になるよう指示するための指示信号を乗りかご14内の空調制御装置53に出力してもよい。この場合、空調制御装置53は、この指示信号を入力すると、空調機54による設定温度を乗りかご14内の気温が通常より快適になるように設定したり空調機54による風量を増加させたりする。
【0060】
また、電力変換部64とエレベータ設置建屋内の電気機器との間のスイッチ72bがオン状態の場合は、電力変換部64からの電力がエレベータ設置建屋内の電気機器に供給される(ステップS6)。
【0061】
一方、蓄電可否判定部62は、ステップS2にて、蓄電状態検出部61により検出した充電容量がSOCの範囲の上限値に達していない、つまり蓄電装置30へのさらなる充電が行なえると判定した場合には(ステップS2のYES)、この判定結果を電力供給制御部63に出力する。
【0062】
電力供給制御部63は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえるとの判定結果を蓄電可否判定部62から入力した場合には、駆動系の電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に接続され、かつ、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替える(ステップS7)。
この結果、乗りかご14の現在の運転状態が回生運転である場合は、この回生運転時に生じた、電力供給ラインからのエネルギーは、充放電回路31を介して蓄電装置30に蓄電される。また、現在の運転状態が力行運転である場合は、蓄電装置30に蓄電されたエネルギーが電力供給ラインに供給される。
【0063】
また、電力供給制御部63は、ステップS3にて、現在の運転状態が回生運転でない、つまり力行運転と判定した場合には(ステップS3のNO)、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえるとの判定結果を蓄電可否判定部62から入力した場合と同様に、この力行運転において、蓄電装置30に蓄電されたエネルギーを電力供給ラインに供給するために、駆動系の電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に接続され、かつ、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替える(ステップS7)。
この結果、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえる場合であっても、現在の運転が力行運転であれば、蓄電装置30に蓄電されたエネルギーが電力供給ラインに供給される。
【0064】
以上のように、第1の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータでは、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえない場合で、かつ、回生運転を行なっている場合には、この回生運転により生じたエネルギーをエレベータ設置建屋内の電気機器や乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給する事ができる。よって、回生運転により生じたエネルギーを蓄電装置30へ充電できない場合でも、この回生運転により生じたエネルギーを有効に活用する事ができるようになる。
【0065】
さらに、本実施形態では、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえない場合でも、乗りかご14の現在の運転状態が力行運転である場合は、駆動系の電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に切り離されて、電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に接続される。これにより、蓄電装置30に蓄電されたエネルギーを力行運転時に電力供給ラインに供給できる。
【0066】
また、本実施形態では、空調制御装置53は、呼びの登録されていない待機中であることを示す信号を運転制御装置21からテールコードを介して入力した場合には、省エネのために、空調機54への商用電源からのテールコードを介した電力の供給を停止するが、回生エネルギーが空調用蓄電装置55に蓄電されている場合は、この蓄電された電力を空調機54に供給するとともに、空調機54の動作の制御を行なう。
よって、呼びの登録されていない待機中であって、省エネのために商用電源からの電源供給を停止しても、空調機54の動作の制御を行なうことができる。
【0067】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータの構成のうち
図1に示したものと同一部分の説明は省略する。
本実施形態では、回生運転時に発生したエネルギーは建屋内の電気機器に直接供給されるのではなく、エレベータ設置建屋内の、当該建屋内の電気機器に供給するための電力を蓄電する建屋用蓄電装置に供給されて当該蓄電装置に蓄電される。
そして、本実施形態では、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえない場合において、建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量を検出し、この検出結果が、当該建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行えず、回生運転時に発生したエネルギーは建屋内への電力として余剰であるとみなせる結果である場合には、回生運転時に発生したエネルギーを建屋側ではなく乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給する事を特徴としている。
【0068】
図5は、第2の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータの制御装置の構成例を示す図である。
本実施形態では、エレベータ設置建屋内に建屋用蓄電装置が設置され、スイッチ72bは、建屋用蓄電装置と電力変換部64との間に接続される。
【0069】
また、本実施形態では、第1の実施形態で説明した構成に加え、電力供給制御装置60は、建屋内蓄電状態検出部81および建屋側蓄電可否判定部82をさらに有する。
建屋内蓄電状態検出部81は、エレベータ設置建屋内の建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量を検出する。
【0070】
また、建屋側蓄電可否判定部82は、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続されている条件下で、建屋内蓄電状態検出部81により検出した充電容量が、当該建屋用蓄電装置の満充電容量に対する現在の充電状態を示すSOCの範囲の上限値に達しているか否か、つまり建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえるか否かを判定する。
【0071】
供給先切り替え部65は、建屋内蓄電状態検出部81により検出した充電容量が、前述したSOCの範囲の上限値に達していない、つまり建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえることを建屋側蓄電可否判定部82により判定した場合は、回生運転時に生じたエネルギーを建屋用蓄電装置に供給するために、スイッチ72bをオン状態として、建屋内の図示しないコンバータを介して、電力変換部64と建屋用蓄電装置との間を電気的に接続する。
【0072】
一方、供給先切り替え部65は、建屋内蓄電状態検出部81により検出した充電容量が、前述したSOCの範囲の上限値に達している、つまり建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえないことを建屋側蓄電可否判定部82により判定した場合には、回生運転時に発生したエネルギーは建屋内への電力として余剰であるとして、回生運転時に生じたエネルギーが建屋用蓄電装置に供給されなくするために、スイッチ72bをオフ状態として電力変換部64と建屋用蓄電装置との間を電気的に切り離す。
【0073】
この場合で、供給先切り替え部65は、エレベータの通常運転中であれば、回生運転時に生じたエネルギーを建屋用蓄電装置ではなく、乗りかご14内の空調装置である空調制御装置53や空調機54に供給するために、スイッチ72aをオン状態として電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53との間を電気的に接続する。
【0074】
この結果、回生運転時に発生したエネルギーは、建屋用蓄電装置に供給されなくなる一方で、乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給され、空調用蓄電装置55に蓄電されるようになる。
【0075】
次に、
図5に示した構成のハイブリッド駆動型エレベータの動作について説明する。
図6は、第2の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータによって実行される運転制御処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、エレベータは通常運転であるとする。また、初期状態では、蓄電装置30の現在使用可能な充電容量は、当該蓄電装置30のSOCの範囲の下限値に近く、かつ、建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量は、当該蓄電装置のSOCの範囲の下限値に近いとする。
本実施形態では、第1の実施形態で説明したように、電力供給制御部63は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえないとの判定結果を蓄電可否判定部62から入力した場合で、乗りかご14の現在の運転状態が回生運転である場合には、駆動系の電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続され、かつ、電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替える。
この結果、電力変換部64は、回生運転時に生じた、電力供給ラインからのエネルギーである直流電力を交流電力に変換する。ここまでの動作は第1の実施形態で説明したステップS1からS5までの動作に該当する。
【0076】
以降の動作は本実施形態における第1の実施形態に比した特徴的な動作となる。まず、ステップS5によるスイッチ71の切り替えがなされると、電力供給制御部63は、この切り替えを行なった旨を示す信号を建屋内蓄電状態検出部81に出力する。
建屋内蓄電状態検出部81は、電力供給制御部63からの信号を入力すると、エレベータ設置建屋内の建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量を検出する(ステップS21)。
【0077】
そして建屋側蓄電可否判定部82は、建屋内蓄電状態検出部81により検出した充電容量が、建屋用蓄電装置の満充電容量に対する現在の充電状態を示すSOCの範囲の上限値に達しているか否か、つまり建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえるか否かを判定する(ステップS22)。
【0078】
建屋側蓄電可否判定部82は、ステップS22にて、建屋内蓄電状態検出部81により検出した充電容量がSOCの範囲の上限値に達していない、つまり建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえると判定した場合には(ステップS22のYES)、この判定結果を供給先切り替え部65に出力する。
【0079】
供給先切り替え部65は、建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえるとの判定結果を建屋側蓄電可否判定部82から入力した場合には、回生運転時に発生したエネルギーは建屋内に対しては余剰ではないとみなし、回生運転時に生じたエネルギーを建屋用蓄電装置に供給するために、スイッチ72bをオン状態として、電力変換部64と建屋用蓄電装置との間を電気的に接続する。すると、回生運転時に生じたエネルギーは、建屋用蓄電装置に蓄電される(ステップS23)。
【0080】
この建屋用蓄電装置に蓄電された電力は、建屋内の停電が発生するなど、商用電源から建屋内の電気機器への電力の供給が行えなくなった場合に、この建屋内の電気機器への電力の供給を行なうために使用される。このようにして、蓄電装置30への充電が行なえない場合でも、回生運転で発生したエネルギーを有効に活用するべく、建屋用蓄電装置へ蓄電できる。
【0081】
一方、建屋側蓄電可否判定部82は、建屋内蓄電状態検出部81により検出した充電容量が、前述したSOCの範囲の上限値に達している、つまり建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえないと判定した場合には(ステップS22のNO)、この判定結果を電力供給先切り替え部65に出力する。
【0082】
供給先切り替え部65は、建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえないとの判定結果を建屋側蓄電可否判定部82から入力した場合には、回生運転時に発生したエネルギーは建屋内への電力として余剰であるとみなし、回生運転時に生じたエネルギーを蓄電装置30や建屋用蓄電装置ではなく乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給するために、スイッチ72bをオフ状態として、電力変換部64と建屋用蓄電装置との間を電気的に切り離し、かつ、スイッチ72aをオン状態として、電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53との間を電気的に接続する(ステップS24)。
この結果、回生運転時に発生したエネルギーは、蓄電装置30や建屋用蓄電装置に供給されなくなる一方で、乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給されて、空調用蓄電装置55に蓄電されるようになる(ステップS25)。
【0083】
この場合、回生運転時に発生したエネルギーを乗りかご14内の空調装置に供給することになるので、商用電源からの電力を当該空調装置に供給する場合と比較して電気料金のコストが生じない。
そこで、建屋側蓄電可否判定部82は、乗りかご14内の気温が通常より快適になるよう指示するための指示信号を乗りかご14内の空調制御装置53に出力する。空調制御装置53は、この信号を入力すると、空調機54による設定温度を乗りかご14内の気温が通常より快適になるように設定したり空調機54による風量を増加させたりする(ステップS26)。
【0084】
具体的には、冷房運転の必要時において乗りかご14内の気温を通常より快適にするために、例えば、建屋側蓄電可否判定部82は、空調機54により冷房運転を行なっている際に設定温度を通常より低くするための指示信号を乗りかご14内の空調制御装置53に出力すればよい。
また、暖房運転の必要時において乗りかご14内の気温を通常より快適にするために、例えば建屋側蓄電可否判定部82は、空調機54により暖房運転を行なっている際に設定温度を通常より高くするための指示信号を乗りかご14内の空調制御装置53に出力すればよい。なお、建屋側蓄電可否判定部82からの指示信号は運転制御装置21に出力するようにして、この運転制御装置21が当該指示信号を空調制御装置53に出力するようにしてもよい。S23またはS26の後はS1に戻る。
【0085】
以上のように、第2の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータでは、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえない場合で、エレベータ設置建屋内の電気機器用の建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行えず、回生運転時に発生したエネルギーが建屋内への電力として余剰である場合に、このエネルギーを建屋用蓄電装置に供給させずに、乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給する。
よって、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえない場合で、かつエレベータ設置建屋内の電気機器用の建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行えばない場合でも、回生運転により生じたエネルギーを有効に活用する事ができるようになる。
【0086】
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。この変形例では、建屋用蓄電装置に対するさらなる充電が行なえる場合には、回生エネルギーを蓄電装置30へ充電せずに建屋用蓄電装置に充電する。また、建屋用蓄電装置に対するさらなる充電が行なえない場合で、蓄電装置30に対するさらなる充電が行なえる場合には、回生エネルギーを蓄電装置30へ充電し、さらに、建屋用蓄電装置に対するさらなる充電が行なえず、かつ蓄電装置30へのさらなる充電が行えない場合に、回生運転時に発生したエネルギーを乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給することを特徴としている。
【0087】
図7は、第2の実施形態の変形例におけるハイブリッド駆動型エレベータの制御装置の構成例を示す図である。
この変形例では、
図5に示した構成と異なり、電力供給制御装置60の建屋側蓄電可否判定部82は電力供給制御部63と接続される。また、電力供給制御装置60の蓄電可否判定部62は、電力供給制御部63および供給先切り替え部65と接続される。
【0088】
次に、
図7に示した構成のハイブリッド駆動型エレベータの動作について説明する。
図8は、第2の実施形態の変形例におけるハイブリッド駆動型エレベータによって実行される運転制御処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、エレベータは通常運転であるとする。
この変形例では、まず、電力供給制御装置60の建屋内蓄電状態検出部81は、エレベータ設置建屋内の建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量を検出する(ステップS21b)。
【0089】
そして建屋側蓄電可否判定部82は、建屋内蓄電状態検出部81により検出した充電容量が、建屋用蓄電装置の満充電容量に対する現在の充電状態を示すSOCの範囲の上限値に達しているか否か、つまり建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえるか否かを判定する(ステップS22b)。
【0090】
建屋側蓄電可否判定部82は、ステップS22bにて、建屋内蓄電状態検出部81により検出した充電容量がSOCの範囲の上限値に達していない、つまり建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえると判定した場合には(ステップS22bのYES)、この判定結果を電力供給制御部63に出力する。この判定時における現在の運転状態は回生運転であるとする。
【0091】
電力供給制御部63は、建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえるとの判定結果を建屋側蓄電可否判定部82から入力した場合には、駆動系の電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続され、かつ電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替え、この切り替えた旨を示す信号を供給先切り替え部65に出力する。
【0092】
供給先切り替え部65は、電力供給制御部63からの信号を入力すると、回生運転時に生じたエネルギーを建屋用蓄電装置に供給するために、スイッチ72bをオン状態として、電力変換部64と建屋用蓄電装置との間を電気的に接続する(ステップS23b)。すると、回生運転時に生じたエネルギーは、電力変換部64および建物内のコンバータを介して建屋用蓄電装置に蓄電される(ステップS24b)。
【0093】
一方、建屋側蓄電可否判定部82は、建屋内蓄電状態検出部81により検出した充電容量が、前述したSOCの範囲の上限値に達している、つまり建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえないと判定した場合には(ステップS22bのNO)、この判定結果を電力供給制御部63に出力する。
【0094】
電力供給制御部63は、建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえないとの判定結果を建屋側蓄電可否判定部82から入力した場合には、乗りかご14の現在の運転状態が回生運転であるか否かを判定する(ステップS25b)。
【0095】
電力供給制御部63は、乗りかご14の現在の運転状態が回生運転でない、つまり力行運転であると判定した場合は、(ステップS25bのNO)、この力行運転において、蓄電装置30に蓄電されたエネルギーを電力供給ラインに供給するために、駆動系の電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に接続され、かつ、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替える(ステップS28b)。この結果、力行運転において蓄電装置30に蓄電されたエネルギーが電力供給ラインに供給される。
【0096】
また、電力供給制御部63は、現在の運転状態が回生運転であると判定した場合には(ステップS25bのYES)、この判定結果を蓄電状態検出部61に出力する。
蓄電状態検出部61は、現在の運転状態が回生運転であるとの判定結果を電力供給制御部63から入力すると、蓄電装置30の電圧値を蓄電制御装置32の電圧検出部43から得ることで、蓄電装置30の現在使用可能な充電容量を検出する(ステップS26b)。
【0097】
次に、蓄電可否判定部62は、蓄電状態検出部61により検出した充電容量が、蓄電装置30の満充電容量に対する現在の充電状態を示すSOCの範囲の上限値に達しているか否か、つまり蓄電装置30へのさらなる充電が行なえるか否かを判定する(ステップS27b)。
【0098】
蓄電可否判定部62は、ステップS27bにて、蓄電状態検出部61により検出した充電容量がSOCの範囲の上限値に達していない、つまり蓄電装置30へのさらなる充電が行なえると判定した場合には(ステップS27bのYES)、この判定結果を電力供給制御部63に出力する。
【0099】
電力供給制御部63は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえるとの判定結果を蓄電可否判定部62から入力した場合には、駆動系の電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に接続され、かつ、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替える(ステップS28b)。これにより電力供給ラインと蓄電装置30とを電気的に接続できるようになる。
この結果、回生運転時に生じた、電力供給ラインからのエネルギーは、充放電回路31を介して蓄電装置30に蓄電される(ステップS29b)。
【0100】
一方、蓄電可否判定部62は、蓄電状態検出部61により検出した充電容量が、前述したSOCの範囲の上限値に達している、つまり蓄電装置30へのさらなる充電が行なえないと判定した場合には(ステップS27bのNO)、この判定結果を電力供給制御部63および供給先切り替え部65に出力する。
【0101】
電力供給制御部63は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえないとの判定結果を蓄電可否判定部62から入力した場合には、駆動系の電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続され、かつ、電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替える。この結果、電力変換部64は、回生運転時に生じた、電力供給ラインからのエネルギーである直流電力を交流電力に変換する。
【0102】
そして、供給先切り替え部65は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえないとの判定結果を蓄電可否判定部62から入力すると、回生運転時に生じたエネルギーを建屋用蓄電装置ではなく乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給するために、スイッチ72bをオフ状態として、電力変換部64と建屋内の電気機器との間を電気的に切り離し、かつ、スイッチ72aをオン状態として、電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53との間を電気的に接続する(ステップS30b)。
この結果、回生運転時に発生したエネルギーは、建屋用蓄電装置に供給されなくなる一方で、乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給されて、空調用蓄電装置55に蓄電されるようになる(ステップS31b)。
【0103】
この場合、回生運転時に発生したエネルギーを乗りかご14内の空調装置に供給することになるので、商用電源からの電力を当該空調装置に供給する場合と比較して電気料金のコストが生じない。
そこで、建屋側蓄電可否判定部82は、乗りかご14内の気温が通常より快適になるよう指示するための指示信号を乗りかご14内の空調制御装置53に出力する。空調制御装置53は、この信号を入力すると、空調機54による設定温度を乗りかご14内の気温が通常より快適になるように設定したり空調機54による風量を増加させたりする(ステップS32b)。S29bまたはS32bの後はS21bに戻る。
【0104】
以上のように、第2の実施形態の変形例におけるハイブリッド駆動型エレベータでは、エレベータ設置建屋内の電気機器用の建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行えず、かつ、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえず、回生運転時に発生したエネルギーが建屋内への電力として余剰であるとみなせる場合に、このエネルギーは、建屋用蓄電装置に供給させずに、乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給する。
よって、エレベータ設置建屋内の電気機器用の建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行なえない場合で、かつ、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえない場合でも、回生運転により生じたエネルギーを有効に活用する事ができるようになる。
【0105】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、第1の実施形態で説明したように蓄電装置30に対するさらなる充電が行なえない場合で、かつ、乗りかご14内の気温が、当該乗りかご14内の急速冷却を要する気温である場合には、回生運転時に発生したエネルギーを乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給し、かつ、空調機54による乗りかご14内の急速冷却がなされるように制御することを特徴としている。
【0106】
図9は、第3の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータの制御装置の構成例を示す図である。
図10は、第3の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータの乗りかご14内の機器の機能構成例を示す図である。
本実施形態では、第1の実施形態で説明した構成に加え、電力供給制御装置60は、急速冷却判定部91をさらに有する。また、乗りかご14内に気温検出部92が設けられる。
【0107】
気温検出部92は、乗りかご14内の気温を検出し、この検出結果を急速冷却判定部91に出力する。
また、急速冷却判定部91は、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続されており、かつ、供給先切り替え部65により、電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53との間が電気的に接続されている条件下で、気温検出部92により検出した気温が、乗りかご14内の急速冷却を要するとみなせる所定値以上であるか否かを判定する。
【0108】
本実施形態では、急速冷却判定部91は、気温検出部92により検出した気温が、乗りかご14内の急速冷却を要するとみなせる所定値以上であると判定した場合は、乗りかご14内の急速冷却の指示信号を乗りかご14内の空調制御装置53に出力する。
空調制御装置53は、この指示信号を入力すると、乗りかご14内が急速冷却されるように、例えば、空調機54による風量を急速冷却前における通常の風量より強くなるように制御する。
【0109】
次に、
図9に示した構成のハイブリッド駆動型エレベータの動作について説明する。
図11は、第3の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータによって実行される運転制御処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態では、第1実施形態で説明したように、電力供給制御部63は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえないとの判定結果を蓄電可否判定部62から入力した場合で、乗りかご14の現在の運転状態が回生運転である場合には、駆動系の電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に接続され、かつ、電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替える。
【0110】
この結果、電力変換部64は、回生運転時に生じた、電力供給ラインからのエネルギーである直流電力を交流電力に変換する。ここまでの動作は第1の実施形態で説明したステップS1からS5までの動作に該当する。
【0111】
そして、電力変換部64と電気的に接続される供給先である乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54、またはエレベータ設置建屋内の電気機器に対し、電力変換部64からの電力が供給される。
ここでは、電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53との間のスイッチ72aがオン状態であり、電力変換部64からの電力が乗りかご14内の空調制御装置53に供給され、乗りかご14内の空調用蓄電装置55に蓄電されるとする。
また、電力変換部64とエレベータ設置建屋内の電気機器との間のスイッチ72bはオン状態で、電力変換部64からの電力がエレベータ設置建屋内の電気機器に供給され、この旨を示す信号が供給先切り替え部65から急速冷却判定部91に出力されるとする(ステップS30)。
【0112】
そして、本実施形態における特徴的な動作として、乗りかご14内の気温検出部92は、乗りかご14内の気温を検出し、この検出結果を急速冷却判定部に出力する(ステップS31)。
急速冷却判定部91は、電力変換部64からの電力がエレベータ設置建屋内の電気機器に供給される旨を示す信号を供給先切り替え部65から入力している場合で、気温検出部92により検出した気温が乗りかご14内の急速冷却を要するとみなせる所定値以上であると急速冷却判定部91により判定した場合(ステップS32のYES)、乗りかご14内の急速冷却の指示信号を乗りかご14内の空調制御装置53に出力する(ステップS33)。空調制御装置53は、この指示信号を入力すると、乗りかご14内が急速冷却されるように、空調機54による風量を増加させる。
【0113】
よって、例えば、乗りかご14の運転状態が待機中となって長時間が経過し、乗りかご14内の空調用蓄電装置55内の現在使用可能な充電容量が減少して待機中における乗りかご14内の空冷が行えなくなり、なおも待機中の状態が継続するなどして、乗りかご14内の気温が著しく上昇した場合でも、この温度を速やかに下げて乗客が快適に乗りかご14を利用可能にすることができる。
【0114】
一方、急速冷却判定部91は、気温検出部92により検出した気温が所定値未満であると急速冷却判定部91により判定した場合(ステップS32のNO)、第1の実施形態と同様に、乗りかご14内の気温が通常より快適になるよう指示するための指示信号を乗りかご14内の空調制御装置53に出力する。
空調制御装置53は、この信号を入力すると、空調機54による設定温度を乗りかご14内の気温が通常より快適になるように設定したり空調機54による風量を通常より増加させたりする(ステップS34)。
【0115】
以上のように、第3の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータでは、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえない場合で、乗りかご14内の気温が、当該乗りかご14内の急速冷却を要する気温である場合に、空調制御装置53は、この指示信号を入力すると、乗りかご14内が急速冷却されるように、空調機54による風量を通常より増加させる。よって、乗りかご14内の気温が著しく上昇した場合でも、この温度を速やかに下げて乗客が快適に乗りかご14を利用可能にすることができる。
【0116】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
本実施形態では、第1の実施形態で説明したように、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえる場合において、この蓄電装置30の現在使用可能な充電容量がSOCの範囲の下限値に近く、第2の実施形態で説明した建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量が低く、回生運転時に発生したエネルギーが建屋用蓄電装置に供給される状況である場合に、回生運転時に発生したエネルギーが建屋用蓄電装置に効率よく供給されるように、空調機54による設定温度や風量の設定変更の頻度を減少させることで、回生運転時に発生したエネルギーに対する、空調機54の制御のための使用頻度を緩やかにして、空調機54での電力消費を抑えることを特徴としている。
【0117】
図12は、第4の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータの制御装置の構成例を示す図である。
本実施形態では、
図5に示した、第2の実施形態で説明した構成に加え、電力供給制御装置60は、電力余剰レベル検出部101をさらに有する。この電力余剰レベル検出部101は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえると蓄電可否判定部62により判定した場合に、蓄電状態検出部61による充電容量の検出結果が高レベルおよび低レベルに区分された電力余剰レベルのいずれに属するかを検出する。この高レベルとは、低レベル時と比較して、蓄電装置30の現在使用可能な充電容量が当該蓄電装置30のSOCの範囲の上限値に近いレベルである。また、低レベルとは、高レベル時と比較して、蓄電装置30の現在使用可能な充電容量が当該蓄電装置30のSOCの範囲の下限値に近く、建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量が当該建屋用蓄電装置のSOCの範囲の下限値に近いとみなせるレベルである。
【0118】
このように、蓄電装置30の現在使用可能な充電容量が当該蓄電装置30のSOCの範囲の下限値に近い場合に、建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量が当該建屋用蓄電装置のSOCの範囲の下限値に近いとみなせるのは、第2の実施形態で説明したように、初期状態では、蓄電装置30の現在使用可能な充電容量は、当該蓄電装置30のSOCの範囲の下限値に近く、かつ、建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量は、当該蓄電装置のSOCの範囲の下限値に近く、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえる条件では、回生運転時に生じたエネルギーを建屋用蓄電装置ではなく蓄電装置30へ充電するようにしているからである。
【0119】
また、これに限らず、電力余剰レベル検出部101は、建屋内蓄電状態検出部81による検出結果が当該建屋用蓄電装置のSOCの範囲の上限値に達していない場合に、この検出結果が、当該建屋用蓄電装置のSOCの範囲の上限値に近い高レベルに属するか、当該SOCの範囲の下限値に近い低レベルに属するかを判定するようにしてもよい。
【0120】
本実施形態では、空調制御装置53は、時間帯などに応じて空調機54による設定温度や風量の設定を変更している。また、本実施形態では、検出した電力余剰レベルが低レベルに属する場合は、建屋内の建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量もSOCの範囲の下限値に近く、建屋内の建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量が低いとみなし、空調制御装置53は、空調機54による設定温度や風量の設定変更の頻度を減少させる、例えば設定変更の時間間隔を長くすることで、回生運転時に発生したエネルギーに対する、空調機54の制御のための使用頻度、つまり空調機54への電力供給の頻度を緩やかにして、空調機54での電力消費を抑える。このような動作を行なえば、建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量が低い場合でも、この建屋用蓄電装置へのエネルギーの供給を効率よく行なうことができる。
【0121】
次に、
図12に示した構成のハイブリッド駆動型エレベータの動作について説明する。
図13は、第4の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータによって実行される運転制御処理の流れを示すフローチャートである。
まず、蓄電状態検出部61は、蓄電装置30の電圧値を蓄電制御装置32の電圧検出部43から得ることで、蓄電装置30の現在使用可能な充電容量を検出する(ステップS1)。次に、蓄電可否判定部62は、蓄電状態検出部61により検出した充電容量が、蓄電装置30の満充電容量に対する現在の充電状態を示すSOCの範囲の上限値に達しているか否か、つまり蓄電装置30へのさらなる充電が行なえるか否かを判定する(ステップS2)。
【0122】
蓄電可否判定部62は、ステップS2にて、蓄電状態検出部61により検出した充電容量がSOCの範囲の上限値に達していない、つまり蓄電装置30へのさらなる充電が行なえると判定した場合には(ステップS2のYES)、この判定結果を電力供給制御部63および電力余剰レベル検出部101に出力する。この判定時における運転状態は回生運転であるとする。また、建屋内蓄電装置の現在使用可能な蓄電容量は、当該蓄電装置のSOCの上限値には達していないものとする。
【0123】
電力供給制御部63は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえるとの判定結果を蓄電可否判定部62から入力した場合には、駆動系の電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に接続され、かつ、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替える(ステップS41)。この結果、回生運転時に生じた、電力供給ラインからのエネルギーは、充放電回路31を介して蓄電装置30に蓄電される。
【0124】
そして、本実施形態における特徴的な動作として、電力余剰レベル検出部101は、蓄電装置30へのさらなる充電が行なえるとの判定結果を蓄電可否判定部62から入力した場合には、建屋用蓄電装置の使用可能な充電容量を効率よく増加させる必要があるか否かを判定するために、蓄電状態検出部61による充電容量の検出結果が電力余剰レベルの高レベルまたは低レベルのいずれに属するかを検出し、この電力余剰レベルの検出結果を供給先切り替え部65に出力する(ステップS42)。
【0125】
供給先切り替え部65は、電力余剰レベルが高レベルとの検出結果を電力余剰レベル検出部101から入力した場合(ステップS43のNO)、蓄電装置30の現在使用可能な充電容量が、低レベル時と比較して当該蓄電装置30のSOCの範囲の上限値に近く、建屋内の建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量が低いとはいえないため、建屋用蓄電装置の使用可能な充電容量を効率よく増加させる必要はないとみなし、電力供給制御部63により、駆動系の電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に切り離され、かつ、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替えた上で、第2の実施形態で説明したステップS24以降、つまり、供給先切り替え部65により電力変換部64と建屋用蓄電装置との間を電気的に切り離して、電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53との間を電気的に接続し、回生運転時に発生したエネルギーを蓄電装置30や建屋用蓄電装置に供給せずに、乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給する動作がなされる。
【0126】
一方、供給先切り替え部65が、電力余剰レベルが低レベルとの検出結果を電力余剰レベル検出部101から入力した場合(ステップS43のYES)、高レベル時と比較して、蓄電装置30の現在使用可能な充電容量がSOCの範囲の下限値に近く、建屋内の建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量もSOCの範囲の下限値に近く、当該建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量が低く、この充電容量を効率よく増加させるべきとみなし、電力供給制御部63により、駆動系の電力供給ラインと充放電回路31とが電気的に切り離され、かつ、電力供給ラインと電力変換部64とが電気的に切り離されるようにスイッチ71を切り替えた上で、供給先切り替え部65によりスイッチ72bをオン状態として、電力変換部64と建屋用蓄電装置との間を電気的に接続し、かつ、スイッチ72aをオン状態として、電力変換部64と乗りかご14内の空調制御装置53との間を電気的に接続する(ステップS44)。この結果、回生運転時に発生したエネルギーは、建屋用蓄電装置に蓄電され、また、乗りかご14内の空調制御装置53や空調機54に供給され、空調用蓄電装置55に蓄電されるようになる。
【0127】
ただし、空調制御装置53は、電力余剰レベルが高レベルの場合と比較して、空調機54による設定温度や風量の設定変更の頻度を減少させ、回生運転時に発生したエネルギーに対する、空調機54の制御のための使用頻度を緩やかにして、空調機54での電力消費を抑える(ステップS45)。このような動作を行なえば、回生運転時に発生したエネルギーを建屋内蓄電装置へ効率よく供給し、当該建屋内蓄電装置への蓄電を効率よく行なうことができる。 また、蓄電可否判定部62は、蓄電状態検出部61により検出した充電容量が、前述したSOCの範囲の上限値に達している、つまり蓄電装置30へのさらなる充電が行なえないと判定した場合には(ステップS2のNO)、この判定結果を電力供給制御部63に出力する。以降の動作は第2の実施形態で説明したステップS3以降の動作と同じである。S23またはS45の後はS1に戻る。
【0128】
以上のように、第4の実施形態におけるハイブリッド駆動型エレベータでは、建屋用蓄電装置の現在使用可能な充電容量が低い状況である場合に、空調機54への電力供給の頻度を減少させるので、回生運転時に発生したエネルギーを建屋内蓄電装置へ効率よく供給し、当該建屋内蓄電装置への蓄電を効率よく行なうことができる。
【0129】
また、蓄電装置30へのさらなる充電が行える場合に、この蓄電装置30に対する充放電も行なえるように、電力余剰レベルが高レベルであるときは電力供給制御部63によりスイッチ71を充放電回路31と電力変換部64との間で所定時間ごとに切り替え、電力余剰レベルが低レベルにあるときは、回生運転時に建屋用蓄電装置に効率よく充電を行なえるように、電力供給制御部63によりスイッチ71を充放電回路31と電力変換部64との間で高レベル時より長い所定時間ごとに切り替えるようにしてもよい。
【0130】
また、電力余剰レベルが低レベルである場合で、建屋用蓄電装置へのさらなる充電が行える場合には、回生運転時に生じたエネルギーを建屋用蓄電装置へ充電できるように、供給先切り替え部75によりスイッチ72bをオン状態にして電力変換部64と建屋用蓄電装置とが電気的に接続されるようにしてもよい。
【0131】
これらの各実施形態によれば、回生運転時に生じるエネルギーを有効に活用することが可能になるハイブリッド駆動型エレベータの制御装置を提供することができる。
発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。