【文献】
Impact of Stand-alone L-GW support,3GPP TSG SA WG2 Meeting #80 TD S2-103495,2010年 9月 3日,pp.1-17
【文献】
rSRVCC access transfer preparation alternative #1 update,3GPP TSG SA WG2 Meeting #84 TD S2-111861,2011年 4月15日,pp.1-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の無線基地局を用いる特許文献1の構成では、1つの無線基地局にトラヒックが集中することを回避し得る。しかし、無線基地局より上位のノード(すなわち、インターネット等の外部ネットワークにより近いノード)が共通である場合には、無線基地局の負荷分散は図れるものの、トラヒックがその上位のノードに集中する結果として無線通信システム全体のスループットの向上が実現されない可能性がある。
【0005】
以上の事情を考慮して、本発明は、より上位のノードにおいて負荷分散を実行可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の無線通信システムは、アクセスポイント名が割り振られ、外部ネットワークとのアクセスポイントとして機能するように構成されたパケットゲートウェイと、第1サービングゲートウェイおよび第2サービングゲートウェイを含む、前記パケットゲートウェイと接続された複数のサービングゲートウェイと、複数の前記サービングゲートウェイと接続され、論理経路の確立を制御する交換局と、前記交換局と接続された無線基地局と、前記無線基地局と無線通信可能なユーザ装置とを備え、前記第1サービングゲートウェイは、前記パケットゲートウェイへ接続するための第1接続情報と、前記第2サービングゲートウェイへ接続するための第2接続情報と、前記交換局へ接続するための第3接続情報とを記憶する記憶部と、前記パケットゲートウェイに前記第2接続情報を送信し、前記第2サービングゲートウェイに前記第1接続情報および前記第3接続情報を送信し、前記交換局に前記第2接続情報を送信する接続情報送信部とを備え、前記パケットゲートウェイの前記アクセスポイント名に対応する第1論理経路が前記第1サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立されている場合に、前記パケットゲートウェイは、前記アクセスポイント名に対応し前記第1論理経路とは異なる第2論理経路を、前記第2サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立することを要求する論理経路確立要求を、前記第2接続情報を用いて前記第2サービングゲートウェイへ送信し、前記第2サービングゲートウェイは、受信した前記論理経路確立要求に基づいて、前記交換局に対する論理経路確立要求を、前記第3接続情報を用いて前記交換局へ送信し、前記交換局は、当該交換局に対する論理経路確立要求に応じて、前記第2論理経路を確立するように前記無線基地局および前記ユーザ装置を制御した後、前記第2接続情報を用いて前記第2サービングゲートウェイへ論理経路確立応答を送信し、前記第2サービングゲートウェイは、受信した前記論理経路確立応答に基づいて、前記パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を、前記第1接続情報を用いて前記パケットゲートウェイに送信し、前記パケットゲートウェイは、当該パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を受信する。
【0007】
以上の構成によれば、同一のパケットゲートウェイを経由して確立される複数の論理経路、すなわち、同一のアクセスポイント名が割り振られる複数の論理経路が、相異なる複数のサービングゲートウェイを介して確立されることが可能なので、トラヒックが集中する可能性の高い上位ノードであるサービングゲートウェイの通信負荷が分散される。したがって、無線通信システム全体のスループットが向上され得る。また、1つのアクセスポイント名が複数の論理経路(第1論理経路、第2論理経路)に対応することが可能であるので、同一のアクセスポイントを利用しつつ(すなわち、サービスを分割せずに)、サービングゲートウェイの負荷分散を実現し得る。
【0008】
また、本発明の別の無線通信システムは、アクセスポイント名が割り振られ、外部ネットワークとのアクセスポイントとして機能するように構成されたパケットゲートウェイと、第1サービングゲートウェイおよび第2サービングゲートウェイを含む、前記パケットゲートウェイと接続された複数のサービングゲートウェイと、複数の前記サービングゲートウェイと接続され、論理経路の確立を制御する交換局と、前記交換局と接続された無線基地局と、前記無線基地局と無線通信可能なユーザ装置とを備え、前記第1サービングゲートウェイは、前記パケットゲートウェイへ接続するための第1接続情報と、前記第2サービングゲートウェイへ接続するための第2接続情報と、前記交換局へ接続するための第3接続情報とを記憶する第1記憶部と、前記パケットゲートウェイに前記第2接続情報を送信し、前記第2サービングゲートウェイに前記第1接続情報および前記第3接続情報を送信する第1接続情報送信部とを備え、前記第2サービングゲートウェイは、前記第2接続情報を記憶する第2記憶部と、前記交換局に前記第2接続情報を送信する第2接続情報送信部とを備え、前記パケットゲートウェイの前記アクセスポイント名に対応する第1論理経路が前記第1サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立されている場合に、前記パケットゲートウェイは、前記アクセスポイント名に対応し前記第1論理経路とは異なる第2論理経路を、前記第2サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立することを要求する論理経路確立要求を、前記第2接続情報を用いて前記第2サービングゲートウェイへ送信し、前記第2サービングゲートウェイは、受信した前記論理経路確立要求に基づいて、前記交換局に対する論理経路確立要求を、前記第3接続情報を用いて前記交換局へ送信し、前記交換局は、当該交換局に対する論理経路確立要求に応じて、前記第2論理経路を確立するように前記無線基地局および前記ユーザ装置を制御した後、前記第2接続情報を用いて前記第2サービングゲートウェイへ論理経路確立応答を送信し、前記第2サービングゲートウェイは、受信した前記論理経路確立応答に基づいて、前記パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を、前記第1接続情報を用いて前記パケットゲートウェイに送信し、前記パケットゲートウェイは、当該パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を受信する。
【0009】
以上の構成によれば、前述の無線通信システムと同様の作用及び効果が奏される。さらに、第2サービングゲートウェイが自局の第2接続情報を交換局に直接的に送信するので、第1サービングゲートウェイから間接的に送信する場合と比較して、より新しい第2接続情報が交換局に送信され得る。
【0010】
本発明の好適な態様において、無線通信システムは、各々が前記無線基地局である第1無線基地局および第2無線基地局を含み、前記第1論理経路は、前記第1無線基地局および前記第1サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立され、前記第2論理経路は、前記第2無線基地局および前記第2サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立される。
以上の構成によれば、サービングゲートウェイのレベルだけでなく無線基地局のレベルでも負荷分散が実行されるので、負荷分散がより効果的に実現される。したがって、無線通信システム全体のスループットがより向上され得る。
【0011】
本発明の好適な態様において、前記第1無線基地局は、第1セルを形成し、第1周波数帯にて前記ユーザ装置と無線通信可能であり、前記第2無線基地局は、前記第1セルより小さい第2セルを形成し、前記第1周波数帯よりも周波数が高い第2周波数帯にて前記ユーザ装置と無線通信可能である。
以上の構成によれば、より高い周波数帯を用いたスループットの高い通信経路と、より低い周波数帯を用いた安定性の高い通信経路とを併用して無線通信が実行され得るので、スループットの向上と安定した無線通信とが同時に実現され得る。
【0012】
本発明のサービングゲートウェイは、アクセスポイント名が割り振られ、外部ネットワークとのアクセスポイントとして機能するように構成されたパケットゲートウェイと、第1サービングゲートウェイおよび第2サービングゲートウェイを含む、前記パケットゲートウェイと接続された複数のサービングゲートウェイと、複数の前記サービングゲートウェイと接続され、論理経路の確立を制御する交換局と、前記交換局と接続された無線基地局と、前記無線基地局と無線通信可能なユーザ装置とを備える無線通信システムにおける第1サービングゲートウェイであって、前記パケットゲートウェイへ接続するための第1接続情報と、前記第2サービングゲートウェイへ接続するための第2接続情報と、前記交換局へ接続するための第3接続情報とを記憶する記憶部と、前記パケットゲートウェイに前記第2接続情報を送信し、前記第2サービングゲートウェイに前記第1接続情報および前記第3接続情報を送信し、前記交換局に前記第2接続情報を送信する接続情報送信部とを備え、前記パケットゲートウェイの前記アクセスポイント名に対応する第1論理経路が前記第1サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立されている場合に、前記第2接続情報は、前記アクセスポイント名に対応し前記第1論理経路とは異なる第2論理経路を、前記第2サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立することを要求する論理経路確立要求を、前記パケットゲートウェイが前記第2サービングゲートウェイへ送信するのに用いられ、前記第3接続情報は、前記第2サービングゲートウェイが、受信した前記論理経路確立要求に基づいて、前記交換局に対する論理経路確立要求を前記交換局へ送信するのに用いられ、前記第2接続情報は、さらに、前記交換局が、当該交換局に対する論理経路確立要求に応じて、前記第2論理経路を確立するように前記無線基地局および前記ユーザ装置を制御した後、前記第2サービングゲートウェイへ論理経路確立応答を送信するのに用いられ、前記第1接続情報は、前記第2サービングゲートウェイが、受信した前記論理経路確立応答に基づいて、前記パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を、前記パケットゲートウェイに送信するのに用いられる。
【0013】
本発明のネットワークは、アクセスポイント名が割り振られ、外部ネットワークとのアクセスポイントとして機能するように構成されたパケットゲートウェイと、第1サービングゲートウェイおよび第2サービングゲートウェイを含む、前記パケットゲートウェイと接続された複数のサービングゲートウェイと、複数の前記サービングゲートウェイと接続され、論理経路の確立を制御する交換局と、前記交換局と接続され、ユーザ装置と無線通信可能な無線基地局とを備え、前記第1サービングゲートウェイは、前記パケットゲートウェイへ接続するための第1接続情報と、前記第2サービングゲートウェイへ接続するための第2接続情報と、前記交換局へ接続するための第3接続情報とを記憶する記憶部と、前記パケットゲートウェイに前記第2接続情報を送信し、前記第2サービングゲートウェイに前記第1接続情報および前記第3接続情報を送信し、前記交換局に前記第2接続情報を送信する接続情報送信部とを備え、前記パケットゲートウェイの前記アクセスポイント名に対応する第1論理経路が前記第1サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立されている場合に、前記パケットゲートウェイは、前記アクセスポイント名に対応し前記第1論理経路とは異なる第2論理経路を、前記第2サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立することを要求する論理経路確立要求を、前記第2接続情報を用いて前記第2サービングゲートウェイへ送信し、前記第2サービングゲートウェイは、受信した前記論理経路確立要求に基づいて、前記交換局に対する論理経路確立要求を、前記第3接続情報を用いて前記交換局へ送信し、前記交換局は、当該交換局に対する論理経路確立要求に応じて、前記第2論理経路を確立するように前記無線基地局および前記ユーザ装置を制御した後、前記第2接続情報を用いて前記第2サービングゲートウェイへ論理経路確立応答を送信し、前記第2サービングゲートウェイは、受信した前記論理経路確立応答に基づいて、前記パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を、前記第1接続情報を用いて前記パケットゲートウェイに送信し、前記パケットゲートウェイは、当該パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を受信する。
【0014】
本発明の別のネットワークは、アクセスポイント名が割り振られ、外部ネットワークとのアクセスポイントとして機能するように構成されたパケットゲートウェイと、第1サービングゲートウェイおよび第2サービングゲートウェイを含む、前記パケットゲートウェイと接続された複数のサービングゲートウェイと、複数の前記サービングゲートウェイと接続され、論理経路の確立を制御する交換局と、前記交換局と接続され、ユーザ装置と無線通信可能な無線基地局とを備え、前記第1サービングゲートウェイは、前記パケットゲートウェイへ接続するための第1接続情報と、前記第2サービングゲートウェイへ接続するための第2接続情報と、前記交換局へ接続するための第3接続情報とを記憶する第1記憶部と、前記パケットゲートウェイに前記第2接続情報を送信し、前記第2サービングゲートウェイに前記第1接続情報および前記第3接続情報を送信する第1接続情報送信部とを備え、前記第2サービングゲートウェイは、前記第2接続情報を記憶する第2記憶部と、前記交換局に前記第2接続情報を送信する第2接続情報送信部とを備え、前記パケットゲートウェイの前記アクセスポイント名に対応する第1論理経路が前記第1サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立されている場合に、前記パケットゲートウェイは、前記アクセスポイント名に対応し前記第1論理経路とは異なる第2論理経路を、前記第2サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立することを要求する論理経路確立要求を、前記第2接続情報を用いて前記第2サービングゲートウェイへ送信し、前記第2サービングゲートウェイは、受信した前記論理経路確立要求に基づいて、前記交換局に対する論理経路確立要求を、前記第3接続情報を用いて前記交換局へ送信し、前記交換局は、当該交換局に対する論理経路確立要求に応じて、前記第2論理経路を確立するように前記無線基地局および前記ユーザ装置を制御した後、前記第2接続情報を用いて前記第2サービングゲートウェイへ論理経路確立応答を送信し、前記第2サービングゲートウェイは、受信した前記論理経路確立応答に基づいて、前記パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を、前記第1接続情報を用いて前記パケットゲートウェイに送信し、前記パケットゲートウェイは、当該パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を受信する。
【0015】
本発明の論理経路確立方法は、アクセスポイント名が割り振られ、外部ネットワークとのアクセスポイントとして機能するように構成されたパケットゲートウェイと、第1サービングゲートウェイおよび第2サービングゲートウェイを含む、前記パケットゲートウェイと接続された複数のサービングゲートウェイと、複数の前記サービングゲートウェイと接続され、論理経路の確立を制御する交換局と、前記交換局と接続された無線基地局と、前記無線基地局と無線通信可能なユーザ装置とを備える無線通信システムにおける論理経路確立方法であって、前記第1サービングゲートウェイにおいて、前記パケットゲートウェイへ接続するための第1接続情報と、前記第2サービングゲートウェイへ接続するための第2接続情報と、前記交換局へ接続するための第3接続情報とを記憶することと、前記パケットゲートウェイに前記第2接続情報を送信し、前記第2サービングゲートウェイに前記第1接続情報および前記第3接続情報を送信し、前記交換局に前記第2接続情報を送信することとを備え、前記パケットゲートウェイの前記アクセスポイント名に対応する第1論理経路が前記第1サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立されている場合に、前記パケットゲートウェイにおいて、前記アクセスポイント名に対応し前記第1論理経路とは異なる第2論理経路を、前記第2サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立することを要求する論理経路確立要求を、前記第2接続情報を用いて前記第2サービングゲートウェイへ送信することと、前記第2サービングゲートウェイにおいて、受信された前記論理経路確立要求に基づいて、前記交換局に対する論理経路確立要求を、前記第3接続情報を用いて前記交換局へ送信することと、前記交換局において、当該交換局に対する論理経路確立要求に応じて、前記第2論理経路を確立するように前記無線基地局および前記ユーザ装置を制御した後、前記第2接続情報を用いて前記第2サービングゲートウェイへ論理経路確立応答を送信することと、前記第2サービングゲートウェイにおいて、受信した前記論理経路確立応答に基づいて、前記パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を、前記第1接続情報を用いて前記パケットゲートウェイに送信することと、前記パケットゲートウェイにおいて、当該パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を受信することとを備える。
【0016】
本発明の別の論理経路確立方法は、アクセスポイント名が割り振られ、外部ネットワークとのアクセスポイントとして機能するように構成されたパケットゲートウェイと、第1サービングゲートウェイおよび第2サービングゲートウェイを含む、前記パケットゲートウェイと接続された複数のサービングゲートウェイと、複数の前記サービングゲートウェイと接続され、論理経路の確立を制御する交換局と、前記交換局と接続された無線基地局と、前記無線基地局と無線通信可能なユーザ装置とを備える無線通信システムにおける論理経路確立方法であって、前記第1サービングゲートウェイにおいて、前記パケットゲートウェイへ接続するための第1接続情報と、前記第2サービングゲートウェイへ接続するための第2接続情報と、前記交換局へ接続するための第3接続情報とを記憶することと、前記パケットゲートウェイに前記第2接続情報を送信し、前記第2サービングゲートウェイに前記第1接続情報および前記第3接続情報を送信することと、前記第2サービングゲートウェイにおいて、前記第2接続情報を記憶することと、前記交換局に前記第2接続情報を送信することとを備え、前記パケットゲートウェイの前記アクセスポイント名に対応する第1論理経路が前記第1サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立されている場合に、前記パケットゲートウェイにおいて、前記アクセスポイント名に対応し前記第1論理経路とは異なる第2論理経路を、前記第2サービングゲートウェイを介して前記パケットゲートウェイと前記ユーザ装置とに確立することを要求する論理経路確立要求を、前記第2接続情報を用いて前記第2サービングゲートウェイへ送信することと、前記第2サービングゲートウェイにおいて、受信された前記論理経路確立要求に基づいて、前記交換局に対する論理経路確立要求を、前記第3接続情報を用いて前記交換局へ送信することと、前記交換局において、当該交換局に対する論理経路確立要求に応じて、前記第2論理経路を確立するように前記無線基地局および前記ユーザ装置を制御した後、前記第2接続情報を用いて前記第2サービングゲートウェイへ論理経路確立応答を送信することと、前記第2サービングゲートウェイにおいて、受信した前記論理経路確立応答に基づいて、前記パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を、前記第1接続情報を用いて前記パケットゲートウェイに送信することと、前記パケットゲートウェイにおいて、当該パケットゲートウェイに対する論理経路確立応答を受信することとを備える。
【発明を実施するための形態】
【0018】
第1実施形態
1(1). 無線通信システムの構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る無線通信システムCSのブロック図である。無線通信システムCSは、ユーザ装置UEと、無線基地局eNBと、交換局MMEと、第1サービングゲートウェイSGW1と、第2サービングゲートウェイSGW2と、パケットゲートウェイPGWとを要素として備える。また、ネットワークNWは、無線通信システムCSが備える以上の要素のうちユーザ装置UE以外の要素を全て備える。
【0019】
無線通信システムCS内の各要素は、所定のアクセス技術(Access Technology)、例えば3GPP規格(Third Generation Partnership Project)に規定されるLTE/SAE(Long Term Evolution / System Architecture Evolution)に従って通信を実行する。3GPP規格に規定された用語に従うと、ユーザ装置UEはUser Equipmentであり、無線基地局eNBはevolved Node Bであり、交換局MMEはMobile Management Entityであり、第1サービングゲートウェイSGW1及び第2サービングゲートウェイSGW2の各々はServing Gatewayであり、パケットゲートウェイPGWはPacket Data Network (PDN) Gatewayである。本実施形態では、無線通信システムCSがLTE/SAEに従って動作する形態を例示して説明するが、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。本発明は、必要な設計上の変更を施した上で、他のアクセス技術にも適用可能である。
【0020】
ユーザ装置UEは、無線基地局eNBと無線通信することが可能である。ユーザ装置UEと無線基地局eNBとの無線通信の方式は任意である。例えば、下りリンク通信ではOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用され得、上りリンク通信ではSC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)が採用され得る。
【0021】
無線基地局eNBは、交換局MME並びに第1サービングゲートウェイSGW1及び第2サービングゲートウェイSGW2と有線にて接続される。交換局MMEは、無線基地局eNBの他、第1サービングゲートウェイSGW1及び第2サービングゲートウェイSGW2と有線にて接続される。第1サービングゲートウェイSGW1及び第2サービングゲートウェイSGW2は、相互に有線で接続される他、各々がパケットゲートウェイPGWと有線にて接続される。パケットゲートウェイPGWは、各サービングゲートウェイSGWと接続される他、無線通信システムCSの外部ネットワークであるインターネットINに接続される。すなわち、パケットゲートウェイPGWは、外部ネットワークとのアクセスポイントとして機能する。
【0022】
パケットゲートウェイPGWには、アクセスポイント名(Access Point Name,APN)が割り振られている。アクセスポイント名は、ユーザ装置UEがインターネットINに接続する際に使用されるパケットゲートウェイPGWを識別する識別子である。異なるパケットゲートウェイPGWには異なるアクセスポイント名が割り振られる。
【0023】
1(2). ユーザ信号および制御信号の送受信
図1を再度参照して、無線通信システムCSにおけるユーザ信号および制御信号の送受信について説明する。
図1において、実線がユーザ信号(音声信号、データ信号等のユーザデータを示す信号)の送受信に用いられる経路を示し、破線が制御信号の送受信に用いられる経路を示す。換言すると、実線はUプレーン(ユーザプレーン,User Plane)のインタフェースを示し、破線はCプレーン(制御プレーン,Control Plane)のインタフェースを示す。以上のインタフェースにおいては、原則として、3GPPに規定されるEPS(Evolved Packed System)のプロトコル構成が採用される。また、本構成においては、サービングゲートウェイSGW同士が、UプレーンおよびCプレーンのインタフェースによって通信可能となっている。
【0024】
図1の例において、ユーザ装置UEは、2通りの経路を用いてインターネットINと接続し得る。すなわち、ユーザ装置UEは、無線基地局eNBと第1サービングゲートウェイSGW1とパケットゲートウェイPGWとを経てインターネットINへ向かうUプレーン経路、および無線基地局eNBと第2サービングゲートウェイSGW2とパケットゲートウェイPGWとを経てインターネットINへ向かうUプレーン経路を用いて通信を実行することが可能である。
【0025】
無線通信システムCS内において、ユーザ信号の送受信は論理的な経路であるベアラ(Bearer)を用いて実行される。ベアラ(EPSベアラ)は、交換局MMEの制御に基づいて、ユーザ装置UEを1つの端点、パケットゲートウェイPGWをもう1つの端点として確立される。ベアラには、ユーザ装置UEがネットワークNWにアタッチされる際に確立されるデフォルトベアラ(default bearer)と、デフォルトベアラが確立されている際にユーザ装置UEまたはパケットゲートウェイPGWからの要求に基づいて確立される個別ベアラ(dedicated bearer)とが含まれる。ベアラは、アクセスポイント名APNに基づいて識別され得る。すなわち、ベアラはアクセスポイント名APNに対応する。デフォルトベアラと1以上の個別ベアラは同時に確立され得、ユーザ装置UEは、複数のベアラを同時に用いて通信を実行することが可能である。
【0026】
1(3). 個別ベアラの確立
従来の技術によれば、個別ベアラは、デフォルトベアラが確立されているサービングゲートウェイSGWを経由して確立される。以上の場合、ユーザ装置UEがデフォルトベアラと個別ベアラとを同時に用いて通信を実行すると、1つのサービングゲートウェイSGWにトラヒックが集中し、ひいては無線通信システムCS全体のスループットが低下する可能性がある。そこで、本実施形態では、デフォルトベアラが確立されているサービングゲートウェイSGWとは異なるサービングゲートウェイSGWを経由して個別ベアラが確立される。
【0027】
図2を参照して、本実施形態の個別ベアラ確立動作の一例を説明する。
図2の例では、当初、ユーザ装置UEとパケットゲートウェイPGWとにデフォルトベアラが確立されていると想定する。パケットゲートウェイPGWには、アクセスポイント名として「APN1」が割り振られている。デフォルトベアラは、無線基地局eNBおよび第1サービングゲートウェイSGW1を介して確立されており、パケットゲートウェイPGWのアクセスポイント名である「APN1」に対応している。ユーザ装置UEは、デフォルトベアラを用いてインターネットINとデータ信号を送受信可能である。
【0028】
なお、EPSベアラ(デフォルトベアラ、個別ベアラ)は、ユーザ装置UEと無線基地局eNBとに確立される無線ベアラ(RB)と、無線基地局eNBとサービングゲートウェイSGWとに確立されるS1ベアラ(S1B)と、サービングゲートウェイSGWとパケットゲートウェイPGWとに確立されるS5/S8ベアラ(S5/S8B)とから構成される。
【0029】
無線通信システムCS内のノードは、それぞれ固有の接続情報CNを有する。接続情報CNには、そのノードのIPアドレス、TEID(トンネルエンドポイントID)、ネットワークアドレス、接続規制情報等が含まれ得る。IPアドレスは、無線通信システムCS内でそのノードを一意に識別するアドレス値である。TEIDは、ノード間を論理的に接続するトンネル(例えば、GTPトンネル)の端点を識別する識別子である。ネットワークアドレスは、無線通信システムCSが複数のサブネットに分割されている場合に、そのノードが属するサブネットを識別するアドレス値である。接続規制情報は、そのノードへの接続が可能か否か(そのノードへの接続を規制すべきか否か)を示す情報である。例えば、そのノードが輻輳している場合、または、そのノードに何らかの障害が発生している場合、そのノードの接続規制情報は「接続不可」を示す。
【0030】
無線通信システムCS内のノードは、他のノードの接続情報CNに基づいて他のノードを識別し、ユーザデータ、制御データ等の送受信を実行する。すなわち、あるノードが他のノードに接続する際には、その「他のノード」の接続情報CNを使用する。以下、特に、パケットゲートウェイPGWに接続するための接続情報を第1接続情報CN1と称し、第2サービングゲートウェイSGW2に接続するための接続情報を第2接続情報CN2と称し、交換局MMEに接続するための接続情報を第3接続情報CN3と称する。なお、サービングゲートウェイSGWおよび交換局MMEは、自局に接続される無線基地局eNBの接続情報を予め記憶している。逆もまた同様に、無線基地局eNBは、自局に接続されるサービングゲートウェイSGWおよび交換局MMEの接続情報を予め記憶している。
【0031】
ステップS100は、第1サービングゲートウェイSGW1が他ノードの接続情報CNを取得するステップである。ステップS100において、第1サービングゲートウェイSGW1は、第1接続情報CN1をパケットゲートウェイPGWから取得して記憶し(S102)、第2接続情報CN2を第2サービングゲートウェイSGW2から取得して記憶し(S104)、第3接続情報CN3を交換局MMEから取得して記憶する(S106)。なお、各接続情報CNを取得する順番、頻度等は任意である。
【0032】
ステップS200は、第1サービングゲートウェイSGW1が接続情報CNを他ノードに送信するステップである。ステップS200において、第1サービングゲートウェイSGW1は、パケットゲートウェイPGWに第2接続情報CN2を送信し(S202)、第2サービングゲートウェイSGW2に第1接続情報CN1および第3接続情報CN3を送信し(S204)、交換局MMEに第2接続情報CN2を送信する(S206)。なお、各接続情報CNを送信する順番、頻度等は任意である。各ノード(パケットゲートウェイPGW、第2サービングゲートウェイSGW2、交換局MME)は、接続情報CN(CN1,CN2,CN3)を受信して記憶する。
【0033】
ステップS300は、個別ベアラを確立するステップである。パケットゲートウェイPGWは、アクセスポイント名「APN1」に対応する個別ベアラを、第2サービングゲートウェイSGW2を介してパケットゲートウェイPGWとユーザ装置UEとに確立することを要求するベアラ確立要求(Create Bearer Request)を、第2接続情報CN2を用いて第2サービングゲートウェイSGW2へ送信する(S302)。第2サービングゲートウェイSGW2は、受信したベアラ確立要求に基づいて、交換局MMEに対するベアラ確立要求を、第3接続情報CN3を用いて交換局MMEへ送信する(S304)。
【0034】
交換局MMEは、交換局MMEに対するベアラ確立要求に応じて、個別ベアラを確立するための(より具体的には、個別ベアラを構成する無線ベアラを確立するための)ベアラ設定要求(Bearer Setup Request)を無線基地局eNBに送信する(S306)。無線基地局eNBは、受信したベアラ設定要求に応じて、無線基地局eNBとユーザ装置UEとに無線ベアラを設定する指示を含む無線設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration)をユーザ装置UEへ送信する(S308)。ユーザ装置UEは、受信した無線設定メッセージに基づいて、個別ベアラに対応する無線ベアラを確立するように自装置の設定を変更し、その設定が完了した旨を示す無線設定完了メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Complete)を無線基地局eNBに送信する(S310)。無線基地局eNBは、無線設定完了メッセージをユーザ装置UEから受信すると、個別ベアラに対応する無線ベアラが確立されたことを示すベアラ設定応答(Bearer Setup Response)を交換局MMEに送信する(S312)。ベアラ設定応答を受信した交換局MMEは、ベアラ確立応答(Create Bearer Response)を、第2接続情報CN2を用いて第2サービングゲートウェイSGW2に送信する(S314)。すなわち、交換局MMEは、ベアラ確立要求に応じて、個別ベアラを確立するように無線基地局eNBとユーザ装置UEとを制御した後、第2サービングゲートウェイSGW2に送信へベアラ確立応答を送信する。
【0035】
第2サービングゲートウェイSGW2は、受信したベアラ確立応答に基づいて、パケットゲートウェイPGWに対するベアラ確立応答を、第1接続情報CN1を用いてパケットゲートウェイPGWに送信する(S316)。パケットゲートウェイPGWは、そのパケットゲートウェイPGWに対するベアラ確立応答を受信する。
【0036】
以上の個別ベアラ確立動作が実行される結果として、アクセスポイント名「APN1」に対応し第1サービングゲートウェイSGW1を経由するデフォルトベアラがそのまま維持されつつ、同じアクセスポイント名「APN1」に対応する個別ベアラが、第2サービングゲートウェイSGW2を介してパケットゲートウェイPGWとユーザ装置UEとに確立される。すなわち、本実施形態の構成によって、同一のアクセスポイント名APNを有する複数のベアラが、相異なるサービングゲートウェイSGWを介して確立される。
【0037】
1(4). 各要素の構成
1(4)−1. ユーザ装置の構成
図3は、本実施形態に係るユーザ装置UEの構成を示すブロック図である。ユーザ装置UEは、無線通信部110と制御部120とを備える。音声・映像等を出力する出力装置およびユーザからの指示を受け付ける入力装置等の図示は便宜的に省略されている。
【0038】
無線通信部110は、無線基地局eNBと無線通信を実行するための要素であり、送受信アンテナと、無線基地局eNBから無線信号(電波)を受信して電気信号に変換する受信回路と、データ信号・制御信号等の電気信号を無線信号(電波)に変換して送信する送信回路とを含む。
【0039】
制御部120は、通信制御部122とデータ送受信部124とを備える。通信制御部122は、ユーザ装置UEと無線基地局eNBとの通信を制御する要素であり、無線通信部110を介して無線基地局eNBと制御信号を送受信する。すなわち、通信制御部122はCプレーン上の通信を実行する。例えば、通信制御部122は、前述の個別ベアラの確立において、無線基地局eNBから受信した無線設定メッセージに基づいて、無線ベアラを確立するように無線通信部110およびデータ送受信部124を設定する。より具体的には、受信した無線設定メッセージが示す無線ベアラIDおよび無線ベアラQoSに従って無線通信を実行するように、無線通信部110およびデータ送受信部124を設定する。データ送受信部124は、確立されたベアラを用いて、無線通信部110を介して無線基地局eNBとデータ信号を送受信する。すなわち、データ送受信部124はUプレーン上の通信を実行する。
【0040】
制御部120並びに制御部120に含まれる通信制御部122及びデータ送受信部124は、ユーザ装置UE内の不図示のCPU(Central Processing Unit)が、不図示の記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。
【0041】
1(4)−2. 無線基地局の構成
図4は、本実施形態に係る無線基地局の構成を示すブロック図である。無線基地局eNBは、無線通信部210とネットワーク通信部220と制御部230とを備える。無線通信部210は、ユーザ装置UEと無線通信を実行するための要素であり、ユーザ装置UEの無線通信部110と同様の構成を有する。ネットワーク通信部220は、ネットワークNW内の他のノード(交換局MME、第1サービングゲートウェイSGW1、第2サービングゲートウェイSGW2等)と通信を実行するための要素であり、有線または無線で他のノードと電気信号を送受信する。
【0042】
制御部230は、通信制御部232とデータ送受信部234とを備える。通信制御部232は、上位ノード(交換局MME等)からの指示(制御信号)に基づいてユーザ装置UEとの通信を制御する要素であり、ネットワーク通信部220を介して交換局MMEと制御信号を送受信するとともに、無線通信部210を介してユーザ装置UEと制御信号を送受信する。すなわち、通信制御部232はCプレーン上の通信を実行する。例えば、通信制御部232は、前述の個別ベアラの確立において、交換局MMEから受信したベアラ確立要求に応じて、無線設定メッセージをユーザ装置UEに送信し、無線ベアラを確立させる。以上の無線設定メッセージが無線ベアラIDおよび無線ベアラQoSを示すことは、前述の通りである。データ送受信部234は、確立されたベアラを用いて、無線通信部210を介してユーザ装置UEとデータ信号を送受信(中継)すると共に、ネットワーク通信部220を介してサービングゲートウェイSGW(SGW1,SGW2)とデータ信号を送受信(中継)する。すなわち、データ送受信部234はUプレーン上の通信を実行する。
【0043】
制御部230並びに制御部230に含まれる通信制御部232及びデータ送受信部234は、無線基地局eNB内の不図示のCPUが、不図示の記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。
【0044】
1(4)−3. 交換局の構成
図5は、本実施形態に係る交換局MMEの構成を示すブロック図である。交換局MMEは、ネットワーク通信部410と制御部420と記憶部430とを備える。ネットワーク通信部410は、ネットワークNW内の他のノード(無線基地局eNB、第1サービングゲートウェイSGW1、第2サービングゲートウェイSGW2等)と通信を実行するための要素であり、有線または無線で他のノードと電気信号を送受信する。記憶部430は、通信制御に関する情報、特に自局を含む各ノードの接続情報CNを記憶する。記憶部430に記憶される接続情報CNには、特に、第2サービングゲートウェイSGW2の第2接続情報CN2が含まれる。
【0045】
制御部420は通信制御部として機能する。制御部420は、無線通信システムCSの通信制御を実行する要素であり、無線基地局eNB、サービングゲートウェイSGW(SGW1,SGW2)等とネットワーク通信部410を介して制御信号を送受信する。また、制御部420は、サービングゲートウェイSGW等からの制御信号に含まれる接続情報CNを取得して記憶部430に記憶する。すなわち、制御部420はCプレーン上の通信を実行する。例えば、制御部420は、前述の個別ベアラの確立において、第1サービングゲートウェイSGW1から受信したベアラ確立要求に応じて、個別ベアラを確立するためのベアラ設定要求を無線基地局eNBに送信する。また、制御部420は、無線基地局eNBから受信したベアラ設定応答に応じて、第2接続情報CN2を用いて第2サービングゲートウェイSGW2にベアラ確立応答を送信する。
【0046】
制御部420は、交換局MME内の不図示のCPUが、記憶部430に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。
【0047】
1(4)−4. サービングゲートウェイの構成
図6は、本実施形態に係るサービングゲートウェイSGW(SGW1,SGW2)の構成を示すブロック図である。サービングゲートウェイSGWは、ネットワーク通信部510と制御部520と記憶部530とを備える。ネットワーク通信部510は、ネットワークNW内の他のノード(交換局MME、他のサービングゲートウェイSGW、パケットゲートウェイPGW等)と通信を実行するための要素であり、有線または無線で他のノードと電気信号を送受信する。記憶部530は、通信制御に関する情報、特に自局を含む各ノードの接続情報CNを記憶する。記憶部530に記憶される接続情報CNには、特に、パケットゲートウェイPGWの第1接続情報CN1、他のサービングゲートウェイSGWの第2接続情報CN2、および交換局MMEの第3接続情報CN3が含まれる。
【0048】
制御部520は、通信制御部522とデータ送受信部524とを備える。通信制御部522は、上位ノード(パケットゲートウェイPGW)からの指示(制御信号)に基づいて無線通信システムCSの通信制御を実行する要素であり、交換局MME、他のサービングゲートウェイSGW、パケットゲートウェイPGW等とネットワーク通信部510を介して制御信号を送受信する。また、通信制御部522は、他ノードからの制御信号に含まれる接続情報CNを取得して記憶部530に記憶する。すなわち、通信制御部522はCプレーン上の通信を実行する。例えば、通信制御部522は、前述の個別ベアラの確立において、接続情報CN(CN1,CN2,CN3)を各ノード(パケットゲートウェイPGW、他のサービングゲートウェイSGW、交換局MME等)へ送信する。すなわち、通信制御部522は、接続情報送信部として機能し得る。また、通信制御部522は、パケットゲートウェイPGWから受信したベアラ確立要求に応じて、交換局MMEに対するベアラ確立要求を第3接続情報CN3を用いて交換局MMEに送信するとともに、無線基地局eNBから受信したベアラ確立応答に応じて、パケットゲートウェイPGWに対するベアラ確立応答を第1接続情報CN1を用いてパケットゲートウェイPGWに送信する。
【0049】
データ送受信部524は、確立されたベアラを用いて、ネットワーク通信部510を介して、無線基地局eNBおよびパケットゲートウェイPGWとデータ信号を送受信(中継)する。すなわち、データ送受信部524はUプレーン上の通信を実行する。
【0050】
制御部520並びに制御部520に含まれる通信制御部522及びデータ送受信部524は、サービングゲートウェイSGW(SGW1,SGW2)内の不図示のCPUが、記憶部530に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。
【0051】
1(4)−5. パケットゲートウェイの構成
図7は、本実施形態に係るパケットゲートウェイPGWの構成を示すブロック図である。パケットゲートウェイPGWは、ネットワーク通信部610と外部ネットワーク通信部620と制御部630と記憶部640とを備える。ネットワーク通信部610は、ネットワークNW内の他のノード(サービングゲートウェイSGW等)と通信を実行するための要素であり、有線または無線で他のノードと電気信号を送受信する。外部ネットワーク通信部620は、インターネットINと通信を実行するための要素であり、必要に応じて電気信号(データ信号)のプロトコル変換を実行する。記憶部640は、通信制御に関する情報、特に自局を含む各ノードの接続情報CNを記憶する。記憶部640に記憶される接続情報CNには、特に、第2サービングゲートウェイSGW2の第2接続情報CN2が含まれる。また、記憶部640は、パケットゲートウェイPGWに割り当てられたアクセスポイント名APNを記憶する。
【0052】
制御部630は、通信制御部632とデータ送受信部634とを備える。通信制御部632は、個別ベアラを新たに確立すべき契機が発生するのに基づいて無線通信システムCSの通信制御を実行する要素であり、サービングゲートウェイSGW(SGW1,SGW2)等とネットワーク通信部610を介して制御信号を送受信する。「個別ベアラを新たに確立すべき契機」としては、確立中のベアラのQoSとは異なるQoSを要求する新たな種別の通信の発生(例えば、デフォルトベアラでウェブブラウジング用のデータが送受信されている場合において、新たにストリーミング用のデータが発生)、デフォルトベアラが経由しているサービングゲートウェイSGWの通信負荷の増大、等が例示される。また、制御部630は、他ノードからの制御信号に含まれる接続情報CNを取得して記憶部640に記憶する。すなわち、制御部630はCプレーン上の通信を実行する。例えば、制御部630は、前述の個別ベアラの確立において、アクセスポイント名APNに対応する個別ベアラを確立することを要求するベアラ確立要求を、第2接続情報CN2を用いて第2サービングゲートウェイSGW2へ送信するとともに、第2サービングゲートウェイSGW2からベアラ確立応答を受信する。
【0053】
データ送受信部634は、ネットワーク通信部610を介して受信したユーザ装置UE発のデータ信号を、外部ネットワーク通信部620を介してインターネットIN(インターネットIN内の外部サーバ)に送信(中継)するとともに、外部ネットワーク通信部620を介してインターネットIN(インターネットIN内の外部サーバ)から受信したデータ信号を、ネットワーク通信部610を介してユーザ装置UEに送信(中継)する。
【0054】
制御部630並びに制御部630に含まれる通信制御部632及びデータ送受信部634は、パケットゲートウェイPGW内の不図示のCPUが、記憶部640に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。
【0055】
1(5). 本実施形態の効果
以上に説明した第1実施形態によれば、同一のパケットゲートウェイPGWを経由して確立される複数のベアラ(デフォルトベアラ、個別ベアラ)、すなわち、同一のアクセスポイント名APNが割り振られる複数のベアラが、相異なる複数のサービングゲートウェイSGW(SGW1,SGW2)を介して確立されることが可能なので、トラヒックが集中する可能性の高い上位ノードであるサービングゲートウェイSGWの通信負荷が分散される。したがって、無線通信システムCS全体のスループットが向上され得る。
また、1つのアクセスポイント名APNが複数の論理経路(デフォルトベアラ、個別ベアラ)に対応することが可能であるので、同一のアクセスポイントを利用しつつ(すなわち、サービスを分割せずに)、サービングゲートウェイの負荷分散を実現し得る。1つのアクセスポイント名APNが1つのベアラのみに対応可能な構成では、新たなベアラを確立する際に、新たなアクセスポイント名APNに対応するベアラ、すなわち、現在使用中のサービスとは異なるベアラを確立する必要がある。以上の構成では、単一のサービスのみを使用可能なユーザについては、サービングゲートウェイSGWの負荷分散が不可能であるという問題がある。また、複数のサービスを使用可能なユーザについては、複数のアクセスポイントを使用しなければ(すなわち、サービスを分割しなければ)サービングゲートウェイSGWの負荷分散が不可能であり、単一サービス内でのサービングゲートウェイSGWの負荷分散は不可能であるという問題がある。本実施形態の構成によれば、以上のような問題を解消することが可能である。
【0056】
第2実施形態
本発明の第2実施形態を以下に説明する。以下に例示する各実施形態において、作用、機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の説明を適宜に省略する。
【0057】
2(1). 個別ベアラの確立
図8を参照して、第2実施形態の個別ベアラ確立動作の一例を説明する。
図8の動作フローは、ステップS200のみが第1実施形態(
図2)の動作フローと異なり、他の点については第1実施形態の動作フローと同様である。
【0058】
ステップS200は、第1サービングゲートウェイSGW1および第2サービングゲートウェイSGW2が接続情報CNを他ノードに送信するステップである。ステップS200において、第1サービングゲートウェイSGW1は、パケットゲートウェイPGWに第2接続情報CN2を送信し(S202)、第2サービングゲートウェイSGW2に第1接続情報CN1および第3接続情報CN3を送信する(S204)。第2サービングゲートウェイSGW2は、交換局MMEに第2接続情報CN2を送信する(S208)。なお、各接続情報CNを送信する順番、頻度等は任意である。各ノード(パケットゲートウェイPGW、第2サービングゲートウェイSGW2、交換局MME)は、接続情報CN(CN1,CN2,CN3)を受信して記憶する。
【0059】
第2サービングゲートウェイSGW2(通信制御部522)は、第1サービングゲートウェイSGW1から接続情報CN(CN1,CN3)を受信するのに応じて交換局MMEへ第2接続情報CN2を送信してもよいし、接続情報CNの受信とは無関係に交換局MMEへ第2接続情報CN2を送信してもよい。また、第1サービングゲートウェイSGW1が第2サービングゲートウェイSGW2へ接続情報CNを送信する際に、「第2接続情報CN2を交換局MMEへ送信する指示」を併せて送信し、その指示に応じて第2サービングゲートウェイSGW2が交換局MMEへ第2接続情報CN2を送信してもよい。
【0060】
各ノード(パケットゲートウェイPGW、第2サービングゲートウェイSGW2、交換局MME)は、接続情報CN(CN1,CN2,CN3)に基づいて、第1実施形態と同様に、個別ベアラを確立する(S300)。
【0061】
2(2). 本実施形態の効果
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用及び効果が奏される。さらに、第2サービングゲートウェイSGW2が自局の第2接続情報CN2を交換局MMEに直接的に送信するので、第1サービングゲートウェイSGW1から間接的に送信する場合と比較して、より新しい第2接続情報CN2が交換局MMEに送信され得る。
【0062】
第3実施形態
3(1). 無線通信システムおよび無線基地局の構成
図9は、本発明の第3実施形態に係る無線通信システムCSのブロック図である。第3実施形態の無線通信システムCSは、無線基地局eNBとして、マクロ無線基地局eNB1とスモール無線基地局eNB2とを含む。マクロ無線基地局eNB1およびスモール無線基地局eNB2の構成は、第1実施形態(
図4)の無線基地局eNBの構成と同様である。ユーザ装置UEは、マクロ無線基地局eNB1およびスモール無線基地局eNB2のいずれか一方、または双方と同時に、無線通信することが可能である。
【0063】
マクロ無線基地局eNB1は、交換局MME及び第1サービングゲートウェイSGW1と有線にて接続される。スモール無線基地局eNB2は、交換局MME及び第2サービングゲートウェイSGW2と有線にて接続される。また、マクロ無線基地局eNB1とスモール無線基地局eNB2とは、有線または無線にて相互に通信可能である。
【0064】
図10は、マクロ無線基地局eNB1がその周囲に形成するマクロセルC1およびスモール無線基地局eNB2がその周囲に形成するスモールセルC2を示す図である。各セルCの中に、各無線基地局のアンテナが模式的に示されている。作図の便宜上、マクロセルC1が示される平面とスモールセルC2が示される平面とが相違しているが、実際には、同一の平面(地表等)上にマクロセルC1とスモールセルC2とが重畳され得る。
【0065】
セルC(マクロセルC1,スモールセルC2)は各無線基地局(マクロ無線基地局eNB1,スモール無線基地局eNB2)からの電波がユーザ装置UEに有効に到達する範囲である。したがって、ユーザ装置UEは、ユーザ装置UE自身が在圏するセルCに対応する無線基地局eNBと無線通信可能である。
【0066】
スモール無線基地局eNB2は、マクロ無線基地局eNB1と比較して小規模であり無線送信能力(平均送信電力、最大送信電力等)も小さい。また、スモール無線基地局eNB2が無線通信に用いる周波数帯(第2周波数帯、例えば3.5GHz帯)は、マクロ無線基地局eNB1が無線通信に用いる周波数帯(第1周波数帯、例えば2GHz帯)よりも周波数が高く、伝搬損失が大きい。したがって、スモールセルC2はマクロセルC1よりも面積が小さい。結果として、概略的には、第2周波数帯(スモール無線基地局eNB2)を用いた無線通信よりも第1周波数帯(マクロ無線基地局eNB1)を用いた無線通信の方が安定性が高い場合が多い。他方、周波数が高い周波数帯ほど広い帯域幅を用いて無線通信を実行可能であるので、通信品質が保たれるのであれば、より高い第2周波数帯を用いた無線通信の方が、第1周波数帯を用いた無線通信と比較して、より高いスループットが得られる場合が多い。
【0067】
スモールセルC2がマクロセルC1の内部に重層的に形成される(オーバレイされる)ことを考慮すると、ユーザ装置UEがスモールセルC2に在圏する場合、そのユーザ装置UEは、そのスモールセルC2を形成するスモール無線基地局eNB2及びそのスモールセルC2を包含するマクロセルC1を形成するマクロ無線基地局eNB1と無線通信可能である。
【0068】
3(2). 個別ベアラの確立
第1実施形態(
図2)および第2実施形態(
図8)では、デフォルトベアラおよび個別ベアラは共通の無線基地局eNBを経由して確立される。以下の例では、デフォルトベアラは、マクロ無線基地局eNB1および第1サービングゲートウェイSGW1を介してパケットゲートウェイPGWとユーザ装置UEとに確立され、個別ベアラは、スモール無線基地局eNB2および第2サービングゲートウェイSGW2を介してパケットゲートウェイPGWとユーザ装置UEとに確立される。以下では、マクロ無線基地局eNB1を経由するベアラ(この例ではデフォルトベアラ)をマクロベアラと称し、スモール無線基地局eNB2を経由するベアラ(この例では個別ベアラ)をスモールベアラと称する場合がある。
【0069】
図11を参照して具体的に説明する。
図11の例では、当初、マクロ無線基地局eNB1および第1サービングゲートウェイSGW1を経由して、ユーザ装置UEとパケットゲートウェイPGWとにデフォルトベアラが確立されていると想定する。
図11の例において、接続情報CNを取得するステップS100および接続情報CNを送信するステップS200は、第1実施形態と同様である。なお、第1実施形態のステップS200に代えて、第2実施形態のステップS200に基づいて接続情報CNの送信を実行する構成も採用可能である。
【0070】
個別ベアラを確立するステップS300において、パケットゲートウェイPGWが第2サービングゲートウェイSGW2にベアラ確立要求を送信すること(S302)、及び、第2サービングゲートウェイSGW2が交換局MMEにベアラ確立要求を送信すること(S304)は、前述の実施形態と同様である。
【0071】
交換局MMEは、交換局MMEに対するベアラ確立要求に応じて、個別ベアラを確立するためのベアラ設定要求を、自局に接続されるスモール無線基地局eNB2に送信する(S306)。スモール無線基地局eNB2は、受信したベアラ設定要求に応じて、スモール無線基地局eNB2とユーザ装置UEとに無線ベアラを設定する指示を含む無線設定メッセージをユーザ装置UEへ送信する(S308)。ユーザ装置UEは、受信した無線設定メッセージに基づいて、個別ベアラに対応する無線ベアラを確立するように自装置の設定を変更し、その設定が完了した旨を示す無線設定完了メッセージをスモール無線基地局eNB2に送信する(S310)。スモール無線基地局eNB2は、無線設定完了メッセージをユーザ装置UEから受信すると、個別ベアラに対応する無線ベアラが確立されたことを示すベアラ設定応答を交換局MMEに送信する(S312)。以降の動作は前述の実施形態と同様である。
【0072】
以上の個別ベアラ確立動作が実行される結果として、アクセスポイント名「APN1」に対応し、マクロ無線基地局eNB1および第1サービングゲートウェイSGW1を経由するデフォルトベアラがそのまま維持されつつ、同じアクセスポイント名「APN1」に対応する個別ベアラが、スモール無線基地局eNB2および第2サービングゲートウェイSGW2を介してパケットゲートウェイPGWとユーザ装置UEとに確立される。すなわち、本実施形態の構成によって、同一のアクセスポイント名APNを有する複数のベアラが、相異なる無線基地局eNBおよび相異なるサービングゲートウェイSGWを介して確立される。
【0073】
なお、前述の通り、第1周波数帯を用いたマクロ無線基地局eNB1との無線通信の方が、第2周波数帯を用いたスモール無線基地局eNB2との無線通信よりも安定性が高いことを鑑みると、ユーザ装置UEは、個別ベアラ確立後に無線通信を実行するに当たり、送受信される情報の重要性または遅延の許容度等に応じてマクロベアラとスモールベアラとを選択すると好適である。例えば、交換局MMEが、マクロベアラを用いて音声信号を送受信する一方、スモールベアラを用いてデータ信号を送受信するようにユーザ装置UEを制御すると好適である。また、第1周波数帯を用いたマクロ無線基地局eNB1との無線通信の方が安定性が高いので、ユーザ装置UE自体の制御(例えば、ユーザ装置UEの送信電力制御、ハンドオーバ制御等)に関する制御信号は、マクロ無線基地局eNB1を介して交換局MMEからユーザ装置UEへ送信されると好適である。
【0074】
3(3). 本実施形態の効果
第3実施形態によれば、前述の実施形態と同様の作用及び効果が奏される。また、サービングゲートウェイSGW(SGW1,SGW2)のレベルだけでなく無線基地局eNB(eNB1,eNB2)のレベルでも負荷分散が実行されるので、負荷分散がより効果的に実現される。したがって、無線通信システムCS全体のスループットがより向上され得る。さらに、より高い周波数帯を用いたスループットの高い通信経路で大容量の情報(データ信号等)を送受信し、より低い周波数帯を用いた安定性の高い通信経路で重要な情報(制御信号,音声信号等)を送受信する場合には、スループットの向上と重要情報の安定した送受信とが同時に実現され得る。
【0075】
変形例
以上の実施の形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以上の実施の形態および以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない限り適宜に併合され得る。
【0076】
4(1). 変形例1
以上の実施形態においては、第1サービングゲートウェイSGW1および第2サービングゲートウェイSGW2は、UプレーンおよびCプレーンのインタフェースによって相互に通信可能である。しかしながら、第1サービングゲートウェイSGW1および第2サービングゲートウェイSGW2が、Cプレーンのインタフェースのみによって相互に通信可能である構成(制御信号のみが送受信される構成)も採用され得る。
【0077】
4(2). 変形例2
パケットゲートウェイPGWに割り振られるアクセスポイント名APNは、1つに限定されず、複数のアクセスポイント名APNが1つのパケットゲートウェイPGWに割り振られることも可能である。
【0078】
4(3). 変形例3
以上の実施形態では、各ノードの通信制御部(122,232,420,522,632)が制御する論理経路はベアラである。しかし、各ノードの通信制御部(122,232,420,522,632)が、他の論理経路、例えばIP(Internet Protocol)レベルのセッションを制御してもよい。
【0079】
4(4). 変形例4
以上の実施形態では、デフォルトベアラが第1サービングゲートウェイSGW1を経由して確立されている状態において、個別ベアラが第2サービングゲートウェイSGW2を経由して確立される。しかしながら、同一のアクセスポイント名APNに対応する個別ベアラは複数確立され得る。例えば、デフォルトベアラおよび1つの個別ベアラが第1サービングゲートウェイSGW1を経由して確立されている状態において、前述の実施形態に基づいて、別の個別ベアラが第2サービングゲートウェイSGW2を経由して確立される構成も採用され得る。
【0080】
4(5). 変形例5
以上の実施形態では、無線基地局eNBの接続情報CNは、予め他のノード(交換局MME、サービングゲートウェイSGW等)に記憶されるが、無線基地局eNBが自局の接続情報CNを他のノードに送信し、他のノードが受信した無線基地局eNBの接続情報CNを記憶する構成も採用され得る。
【0081】
4(6). 変形例6
以上の実施形態では、パケットゲートウェイPGWが、個別ベアラを確立するトリガ(要求)を生成する。しかしながら、ユーザ装置UEが、個別ベアラを確立するトリガ(要求)を生成する構成も採用され得る。例えば、ユーザ装置UEのユーザが新たに動画ストリーミング配信を要求した場合に、そのユーザ装置UE(通信制御部122)が、動画ストリーミング配信に適したQoSを有する個別ベアラの確立をネットワークNW側(例えば、パケットゲートウェイPGW)に要求してもよい。
【0082】
4(7). 変形例7
ユーザ装置UEは、各無線基地局eNB(eNB1,eNB2)と無線通信が可能な任意の装置である。ユーザ装置UEは、例えば、フィーチャーフォンまたはスマートフォン等の携帯電話端末でもよく、デスクトップ型パーソナルコンピュータでもよく、ノート型パーソナルコンピュータでもよく、UMPC(Ultra-Mobile Personal Computer)でもよく、携帯用ゲーム機でもよく、その他の無線端末でもよい。
【0083】
4(8). 変形例8
無線通信システムCS内の各要素(ユーザ装置UE、無線基地局eNB(eNB1,eNB2)、交換局MME、サービングゲートウェイSGW(SGW1,SGW2)、パケットゲートウェイPGW)においてCPUが実行する各機能は、CPUの代わりに、ハードウェアで実行してもよいし、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルロジックデバイスで実行してもよい。