(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発光セルの幅に対する当該発光セルの厚さの比率は、当該発光セルに対する前記透明絶縁層の全反射角度のタンジェント値と同じ、又は、当該タンジェント値より大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の発光素子。
前記透明絶縁層は、前記発光セルを形成する半導体物質の屈折率より小さな屈折率を有する物質から形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の発光素子。
前記インジウム酸化物は、Mg、Ag、Zn、Sc、Hf、Zr、Te、Se、Ta、W、Nb、Cu、Si、Ni、Co、Mo、Cr、Mn、Hg、Pr、及びLa系の元素よりなる群から選択される少なくとも一つの元素を含むことを特徴とする請求項11に記載の発光素子。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子(Light Emitting Diode:LED)は、光通信の
ような通信分野、コンパクトディスクプレーヤー(Compact Disc Play
er:CDP)、及びデジタル多機能ディスクプレーヤー(Digital Versa
tile Disc Player:DVDP)などの装置でデータの伝送又はデータの
記録及び読み取りのための手段として広く使用されており、大型屋外電光板、LCD(L
iquid Crystal Display)のバックライト、及び照明などに応用範
囲を広げている。
【0003】
既存の半導体発光素子の基板は、サファイア基板を利用してきた。サファイア基板は、
GaN発光セルの厚さを5μm以上に容易に成長させうる。しかし、サファイア基板は、
高価であり、そのサイズに制限があり、大面積の安価のシリコン基板上にGaN発光セル
を形成することが試みられてきた。
【0004】
シリコン基板上にGaN発光セルが成長した発光素子は、GaN発光セルとシリコンと
の間の格子定数差及び熱膨張係数の差により、GaN発光セルに多くのクラックが発生し
うる弱点を有する。このようなクラック発生を抑制するために、シリコン基板上に形成さ
れるGaN発光セルの成長厚さは、一般的に、1.0μm以内に限定される。しかし、一
定レベル以下の厚さを有するGaN発光セルは、駆動電圧を上昇させる。一方、シリコン
基板は、GaN発光セルから放出される光を一部吸収することにより、光出力を低下させ
る。
【0005】
図1は、シリコン基板に複数の発光セルがアレイ形態に配列されたマトリックス型のデ
ィスプレイの一例を示す。
【0006】
図1に示すように、一つのシリコン基板110上に個別的に発光源を形成するGaN系
の半導体発光セル120が格子形態に配置されている。各発光セル120は、個別的に動
作される。そして、一つの基板110で発光セル120全体を駆動することにより目的と
する画像を表現できる。前記のような発光セルは、矩形で約100μmの幅を有し、隣接
する発光セル間の距離は約10μmである。
【0007】
このようなアレイ形態の発光セルを有する一般的なディスプレイは、シリコン基板11
0上に低温窒化アルミニウム(LT−AlN)バッファ層が形成され、その上にGaN系
の半導体物質層が形成された構造を有する。このような構造によれば、残留応力の低下に
よりGaN系の半導体物質層の欠陥及びクラックを減らし得る。しかし、このような構造
の素子は、複雑な工程を要求し、特に、光出力が低いという短所を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係る半導体発光ダイオー
ド及びその製造方法を詳細に説明する。この過程で、図面に示す層や領域の厚さは、説明
の理解を助けるために誇張して示したことに留意せねばならない。
【0030】
図2Aは、本発明の好ましい一実施の形態に係る発光素子を示す図である。
【0031】
図2Aに示すように、本実施の形態における発光素子は、基板210と、基板210上
に相互に離隔して設けられ、半導体物質の積層により形成される少なくとも二つの発光セ
ル240と、発光セル240の間に順次に積層される反射層220及び透明絶縁層230
と、発光セル240上面を覆う透明電極250と、を備える。基板210は、Siから形
成されうる。
【0032】
反射層220は、発光セル240で発生した光を反射し易い物質が好ましく、例えば、
金属層、複数の誘電層、又は一対の金属層及び誘電層が一対以上繰り返し積層されたもの
から形成されうる。透明絶縁層230は、発光セル240から放出された光が外部に出射
されうる光透過性物質でありながら、また電極間の短絡を防止できる絶縁性物質であるこ
とが好ましく、例えば、SiO
2、SiN
x、Al
2O
3、HfO、ZrO、TiO
2、
及びZnOよりなる群から選択される少なくとも一つから形成される。透明電極250は
、金属又は透明導電性酸化物(TCOs)から形成されうる。金属は、Au、Pd、Pt
、Ru、及びNiよりなる群から選択される何れか一つから形成されうる。透明導電性酸
化物は、亜鉛酸化物(ZnO)又はインジウム酸化物(In Oxide)から形成され
うる。インジウム酸化物は、Mg、Ag、Zn、Sc、Hf、Zr、Te、Se、Ta、
W、Nb、Cu、Si、Ni、Co、Mo、Cr、Mn、Hg、Pr、及びLa系の元素
よりなる群から選択される少なくとも一つの元素と結合されて形成されうる。
【0033】
発光セル240は、順次に積層された下部GaN層242、活性層244、及び上部G
aN層246を備える。活性層244として、In
xAl
yGa
1−x−yNのGaN系
のIII−V族窒化物の化合物半導体層を使用することが好ましい。ここで、活性層244
は、多重量子ウエルまたは単一量子ウエル構造を有してもよく、このような活性層244
の構造は、本発明の技術的範囲を制限しない。
【0034】
図2Bは、本実施の形態に係る半導体発光素子の平面図である。
【0035】
図2Bに示すように、基板210の上面に複数の発光セル240は互いに離れて位置し
ている。このような構成とすると、窒化物半導体の残留応力を減少させ、Si基板上に形
成されうるクラックを減らすことができる。
【0036】
基板210と発光セル240との間にバッファ層(第1バッファ層)260を更に備え
る。バッファ層260は、例えば、GaN系のIII−V族窒化物半導体層である。
【0037】
透明絶縁層230と反射層220の厚さの和は、電極との短絡を減らし、各発光セル2
40の絶縁性を向上させるために、発光セル240の厚さと同じであるか、またはそれよ
り大きいことが好ましい。また、透明絶縁層230は、光の屈折を助けるために、活性層
244、上部GaN層246、および下部GaN層242より屈折率の小さな物質である
ことが好ましい。透明絶縁層230の厚さは、反射層220が更に多い光を反射させるた
めに、反射層220の厚さより更に厚いことが好ましい。
【0038】
図2Cは、活性層244から放出された光が、反射層220で反射されることを示す図
である。
【0039】
図2Cに示すように、透明絶縁層230に入射する角度が発光セル240の屈折率ns
に対する透明絶縁層の屈折率niの全反射角度より小さければ(ea<sin
−1(ni
/ns))、活性層244の側面から放出された光が、外部に容易に放出されうる。この
ために、発光セル240の幅(L)に対する発光セル240の厚さ(H)は、全反射角度
eaのタンジェント値より大きいか、同じに(H/L>=tan(ea))形成されるこ
とが好ましい。したがって、発光セル240の厚さは、光が外部に放出される効率を向上
させるために、活性層244で発生した光を透明絶縁層230との界面を通過させるサイ
ズになることが好ましい。
【0040】
このような透明絶縁層230、透明電極250、及び反射層220の形成、ならびに各
層の厚さの規定は、半導体発光素子の光放出率を向上させうる。
【0041】
図3は、本発明の好ましい他の実施の形態に係る本発明の発光素子を示す図である。
【0042】
図3に示すように、本実施の形態の発光素子は、基板210と発光セル240との間に
GaN層320を備える。
【0043】
本実施の形態の発光素子は、基板210とGaN層320との間にバッファ層(第2の
バッファ層)310を更に備える。バッファ層310は、例えば、GaN系のIII−V族
窒化物半導体層である。
【0044】
GaN層320は、別途のバッファ層の助けなしにも下部GaN層242の成長を容易
にし、GaN層320の下部の広い接触面積を介して電流が通過されるため、基板を介し
た電流の流れを向上させうる。
【0045】
以下では、図面を参照して本発明の発光素子の製造方法を詳細に説明する。
【0046】
図4Aないし
図4Dは、本発明の好ましい更に他の実施の形態に係る発光素子の製造方
法を示す工程図である。
【0047】
図4Aないし
図4Dに示すように、基板210上に透明絶縁層230を形成する第1ス
テップ(
図4A)、透明絶縁層230に少なくとも一つのホールhを形成する第2ステッ
プ(
図4B)、ホールhに発光セル240を形成する第3ステップ(
図4C)、及び発光
セル240を覆う透明電極410を形成する第4ステップ(
図4D)を含む。基板210
は、Siから形成されうる。
【0048】
第3ステップは、下部GaN層242、活性層244、及び上部GaN層246を順次
に形成するステップを含む。活性層244として、In
xAl
yGa
1−x−yNである
GaN系のIII−V族窒化物の化合物半導体層を使用することが好ましい。ここで、活性
層244は、多重量子ウエルまたは単一量子ウエル構造を有してもよく、このような活性
層244の構造は、本発明の技術的範囲を制限しない。
【0049】
透明絶縁層230の厚さは、絶縁性を向上させるために、発光セル240の厚さと同じ
か、さらに厚く形成されることが好ましい。透明絶縁層230は、光の屈折を助けるため
に、活性層244、上部GaN層246、及び下部GaN層242の屈折率より小さな物
質から形成されることが好ましく、例えば、SiO
2、SiN
x、Al
2O
3、HfO、
ZrO、TiO
2、及びZnOよりなる群から選択される少なくとも一つの物質から形成
される。透明電極410は、光透過性に優れ、電流が通じ得る物質、例えば、金属又は透
明導電性酸化物(TCOs)から形成されうる。金属は、Au、Pd、Pt、Ru、及び
Niよりなる群から選択される一つの物質から形成されうる。透明導電性酸化物は、亜鉛
酸化物(ZnO)又はインジウム酸化物(InOxide)から形成されうる。インジウ
ム酸化物は、Mg、Ag、Zn、Sc、Hf、Zr、Te、Se、Ta、W、Nb、Cu
、Si、Ni、Co、Mo、Cr、Mn、Hg、Pr、及びLa系の元素よりなる群から
選択される少なくとも一つの元素と結合されて形成され得る。
【0050】
図5Aないし
図5Eは、本発明の好ましい更に他の実施の形態に係る発光素子の製造方
法を示す工程図である。本実施の形態は、上述した実施の形態と第4ステップが異なる。
したがって、第1〜第3ステップについての説明は省略する。
【0051】
図5Aないし
図5Cに示すように、本実施の形態の製造方法における第4ステップは、
透明絶縁層230及び発光セル240を覆う反射電極520を形成するステップを含み(
図5A)、反射電極520上に熱伝達層530を形成するステップ(
図5B)を更に含む
。また、本実施の形態の第4ステップは、基板210を除去するステップ(
図5C)を更
に含み、発光セル240の下面を覆う透明電極(下側透明電極)510を形成するステッ
プ(
図5d)を更に含む。
【0052】
熱伝達層530は、発光層で発生する熱を効果的に放出させるために、熱伝導性の高い
物質から構成され、例えば、Cu、Si、及びCu合金よりなる群から選択される一つの
物質から形成されうる。また、Cu熱伝導層を利用する場合、電気伝導性に優れているた
め、電流が発光セル240に容易に流れ得る。
【0053】
ここで、発光セル240から透明電極510に向かって放出された光は、透明電極51
0を介して外部に放出される。一方、発光セル240から反射電極520に向かって放出
された光は、反射電極520で反射される。Si基板を除去すれば、Si基板が吸収する
光が外部に放出されるため、光放出率が向上しうる。したがって、これは、高出力の半導
体発光素子の製造時に利用可能である。
【0054】
図6Aないし
図6Cは、本発明の好ましい一実施の形態に係る発光素子の製造方法を示
す工程図である。
【0055】
図6Aないし
図6Cに示すように、本実施の形態における製造方法の第1ステップは、
基板210と透明絶縁層230との間に反射層610を形成するステップを更に含み(図
6A)、第2ステップは、基板210が露出されるまで、透明絶縁層230及び反射層6
10にホールhを形成する(
図6B)。反射層610は、活性層244で発生した光を反
射させやすい物質が好ましく、例えば、金属層、複数の誘電層、又は、一対の金属層及び
誘電層が一対以上繰り返して積層されたものから形成されうる。
【0056】
図6Cに示すように、第3ステップは、下部GaN層242と基板210との間にバッ
ファ層(第1バッファ層)620を形成するステップを更に含みうる。バッファ層620
は、GaN系のIII−V族窒化物半導体層でありうる。
【0057】
透明絶縁層230と反射層610の厚さの和は、電極との短絡を減らし、各発光セル2
40の絶縁性を向上させるために、発光セル240の厚さと同じか、さらに厚く形成され
ることが好ましい。透明絶縁層230の厚さは、反射層610が更に多い光を反射させる
ために、反射層610の厚さより更に大きく形成されることが好ましい。発光セル240
の幅に対する発光セル240厚さの比率は、発光セル240に対する透明絶縁層230の
全反射角度のタンジェント値と同じか、さらに大きく形成されることが好ましい。
図2は
、前記のような方法により得られた発光素子の断面構造を示す。
【0058】
図7Aないし
図7Cは、本発明の好ましい他の実施の形態に係る発光素子の製造方法を
示す工程図である。
【0059】
図7Aないし
図7Cに示すように、第1ステップは、基板210と透明絶縁層230と
の間にGaN層710及び反射層720を順次に形成するステップを更に含み(
図7A)
、第2ステップは、透明絶縁層230及び反射層720に、GaN層710が露出される
までホールhを形成するステップを含むこと(
図7B)を特徴とする。反射層720は、
活性層244で発生した光を反射させやすい物質が好ましく、例えば、金属層、複数の誘
電層、又は一対の金属層及び誘電層が一対以上繰り返し積層されたものから形成されうる
。
【0060】
GaN層710は、別途のバッファ層の助けなしに、下部GaN層242の成長を容易
にするだけでなく、GaN層710の下部に広い接触面積を介して電流が通過するため、
基板210を介した電流の流れを向上させる。
【0061】
図7Cに示すように、第1ステップは、基板210とGaN層710との間にバッファ
層(第2バッファ層)730を形成するステップを更に含みうる。バッファ層730は、
GaN系のIII−V族窒化物半導体層でありうる。
【0062】
透明絶縁層230と反射層720の厚さの和は、発光セル240の厚さと同じか、さら
に厚く形成されることが好ましい。透明絶縁層230の厚さは、反射層720の厚さより
更に厚く形成されることが好ましい。発光セル240の幅に対する発光セル240の厚さ
の比率は、発光セル240に対する透明絶縁層230の全反射角度のタンジェント値と同
じか、さらに大きく形成されることが好ましい。
図3は、前記のような方法により得られ
た発光素子の断面構造を示す図である。
【0063】
このような本発明の方法及び装置は、理解を助けるために、図面に示された実施形態を
参考に説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変
形及び均等な他の実施形態が可能であるということが理解できるであろう。したがって、
本発明の真の技術的な保護範囲は、特許請求の範囲により決まらねばならない。