【文献】
MOTOI,M. et al,Oxetane derivatives and their polymers for designing functional polymers containing a soft, somewhat,Bulletin of the Chemical Society of Japan,1989年,Vol.62, No.5,p.1572-81
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
カチオン重合性を有する他の化合物が、1分子内にオキセタン環、エポキシ環、ビニルエーテル基、ビニルアリール基から選ばれる官能基を1個のみ有する化合物である請求項1に記載のラジカル重合性樹脂。
請求項1又は2に記載のラジカル重合性樹脂以外のラジカル重合性化合物が、1分子内に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルアリール基、ビニルエーテル基、ビニルオキシカルボニル基から選ばれる官能基を1個以上有する化合物である請求項4に記載のラジカル重合性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[オキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル化合物]
本発明のオキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル化合物は、式(1)で表される。式中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、R
2は水素原子又はアルキル基を示す。Aは炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示す。
【0019】
式(1)中、R
2におけるアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基(なかでも、炭素数1〜3のアルキル基)が好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル基などの直鎖状アルキル基;イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、イソヘキシル、s−ヘキシル、t−ヘキシル基などの分岐鎖状アルキル基などが挙げられる。本発明においては、なかでも、メチル基又はエチル基が好ましい。
【0020】
式(1)中、Aは炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示す。本発明においては、なかでも、優れた耐熱性と柔軟性とを兼ね備える硬化物を形成することができる点で、下記式(a1)で表される直鎖状アルキレン基、又は下記式(a2)で表される分岐鎖状アルキレン基が好ましい。尚、式(a2)の右端はエステル結合を構成する酸素原子と結合する。
【化2】
[式(a1)中、n1は4以上の整数を示す。式(a2)中、R
3、R
4、R
7、R
8は同一又は異なって水素原子又はアルキル基を示し、R
5、R
6は同一又は異なってアルキル基を示す。n2は0以上の整数を示し、n2が2以上の整数の場合、2個以上のR
7、R
8はそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい]
【0021】
式(a1)中のn1は4以上の整数を示し、好ましくは4〜20の整数であり、特に好ましくは4〜10の整数である。n1が3以下の場合、重合して得られる硬化物の柔軟性が低下する傾向がある。
【0022】
式(a2)中のR
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8におけるアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基(なかでも、炭素数1〜3のアルキル基)が好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル基などの直鎖状アルキル基;イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基などの分岐鎖状アルキル基などが挙げられる。本発明におけるR
3、R
4としては水素原子が好ましく、R
5、R
6としてはメチル基、エチル基が好ましい。
【0023】
式(a2)中のn2は0以上の整数を示し、好ましくは1〜20の整数であり、特に好ましくは1〜10の整数である。
【0024】
式(1)で表されるオキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル化合物の代表的な例としては、以下の化合物を挙げることができる。
【化3】
【0025】
式(1)で表されるオキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル化合物は、例えば、下記式(2)
【化4】
(式中、R
2は前記に同じ。Xは脱離性基を示す)
で表される化合物と、下記式(3)
HO−A−OH (3)
(式中、Aは前記に同じ)
で表される化合物を、塩基性物質存在下、液相一相系で反応させて下記式(4)
【化5】
(式中、R
2、Aは前記に同じ)
で表されるオキセタン環含有アルコールを得、得られたオキセタン環含有アルコールを(メタ)アクリル化することにより合成することができる。
【0026】
式(2)中、Xは脱離性基を示し、例えば、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子(なかでも、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい);p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等のスルホニルオキシ基;アセチルオキシ基等のカルボニルオキシ基などの脱離性の高い基を挙げることができる。
【0027】
前記塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;水素化ナトリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸水素塩;有機リチウム試薬(例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、ter−ブチルリチウム等)、有機マグネシウム試薬(グリニャール試薬:例えば、CH
3MgBr、C
2H
5MgBr等)等の有機金属化合物等を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0028】
前記「液相一相系」とは、液相が二相以上あるものではなく一相のみの場合を意味し、液相が一相であれば固体を含んでいてもよい。前記溶媒としては、式(2)で表される化合物と、式(3)で表される化合物の両方を溶解することができればよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;THF(テトラヒドロフラン)、IPE(イソプロピルエーテル)などのエーテル;DMSO(ジメチルスルホキシド)等の含硫黄系溶媒;DMF(ジメチルホルムアミド)等の含窒素系溶媒等を挙げることができる。
【0029】
[ラジカル重合性樹脂]
本発明に係るラジカル重合性樹脂は、上記式(1)で表わされるオキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル化合物を単独で、又はカチオン重合性を有する他の化合物[カチオン重合性を有し、上記式(1)で表されるオキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル化合物とは異なる化合物である。以後、「他のカチオン重合性化合物」と称する場合がある]と共にカチオン重合して得られる。
【0030】
上記式(1)で表されるオキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル化合物は、1分子内にカチオン重合部位であるオキセタン環と、ラジカル重合部位である(メタ)アクリロイル基を有するため、単独でカチオン重合、又は他のカチオン重合性化合物と共にカチオン共重合することにより、下記式で表されるラジカル重合性樹脂を合成することができる。尚、カチオン共重合には、ブロック共重合、ランダム共重合等が含まれる。
【化6】
(式中、R
1、R
2、Aは上記に同じ)
【0031】
本発明に係るラジカル重合性樹脂としては、なかでも、より柔軟性に優れた硬化物を形成することができる点で、上記式(1)で表わされるオキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル化合物と他のカチオン重合性化合物をカチオン共重合することにより得られる樹脂が好ましく、ラジカル重合性樹脂を構成する全モノマーのうち、前記式(1)で表わされるオキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル化合物由来のモノマーの占める割合としては、0.1重量%以上(好ましくは1〜99重量%、特に好ましくは10〜80重量%)が好ましい。
【0032】
他のカチオン重合性化合物としては、例えば、オキセタン環、エポキシ環、ビニルエーテル基、ビニルアリール基等のカチオン重合性基を1分子内に1個以上有する化合物等を挙げることができる。
【0033】
オキセタン環を1分子内に1個以上有する化合物としては、例えば、トリメチレンオキシド、3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3−エチル−3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(クロロメチル)オキセタン、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、ビス{[1−エチル(3−オキセタニル)]メチル}エーテル、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビシクロヘキシル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]シクロヘキサン、3−エチル−3−{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
【0034】
エポキシ環を1分子内に1個以上有する化合物としては、例えば、グリシジルメチルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシルレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;酪酸(R)−グリシジル等の脂肪酸のグリシジルエステル類等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
【0035】
ビニルエーテル基を1分子内に1個以上有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、1−メチル−3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−メチル−2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−ヒドロキシメチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、p−キシレングリコールモノビニルエーテル、m−キシレングリコールモノビニルエーテル、o−キシレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、ペンタエチレングリコールモノビニルエーテル、オリゴエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノビニルエーテル、テトラプロピレングリコールモノビニルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノビニルエーテル、オリゴプロピレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
【0036】
ビニルアリール基を1分子内に1個以上有する化合物としては、例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、酢酸4−ビニルフェニル、(4−ビニルフェニル)ジヒドロキシボラン、(4−ビニルフェニル)ボラン酸、(4−ビニルフェニル)ボロン酸、4−エテニルフェニルボロン酸、4−ビニルフェニルボラン酸、4−ビニルフェニルボロン酸、p−ビニルフェニルホウ酸、p−ビニルフェニルボロン酸、N−(4−ビニルフェニル)マレインイミド、N−(p−ビニルフェニル)マレイミド、N−(p−ビニルフェニル)マレインイミド等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
【0037】
本発明における他のカチオン重合性化合物としては、なかでも、柔軟性及び耐熱性に優れた硬化物を形成することができる点で1分子内にオキセタン環、エポキシ環、ビニルエーテル基、ビニルアリール基から選ばれる官能基を1個のみ有する化合物が好ましく、特に、トリメチレンオキシド、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3−エチル−3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン等のオキセタン環を1分子内に1個のみ有する化合物、グリシジルメチルエーテル、酪酸(R)−グリシジル等のエポキシ基を1分子内に1個のみ有する化合物等が好ましい。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0038】
カチオン重合反応は溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
【0039】
また、カチオン重合反応には重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤としては、カチオン重合を起こし得るものであれば特に限定されることがなく、公知慣用のカチオン重合開始剤、酸発生剤等を使用することができ、例えば、過塩素酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等のプロトン酸;3フッ化ホウ素、臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、5塩化アンチモン、塩化第2鉄、4塩化スズ、4塩化チタン、塩化水銀、塩化亜鉛等のルイス酸等を使用することができる。また、その他、ヨウ素、トリフェニルクロロメタン等を使用することもできる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0040】
カチオン重合反応における重合開始剤の使用量としては、例えば、カチオン重合性化合物(式(1)で表されるオキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル化合物と他のカチオン重合性化合物の総重量)に対して、例えば0.01〜50重量%程度、好ましくは0.1〜20重量%程度である。
【0041】
また、カチオン重合反応は重合禁止剤の存在下で行ってもよい。重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、p−tert−ブチルカテコール、モノ−t−ブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、α−ナフトール、ニトロフェノール等のキノン・フェノール系禁止剤、チオエーテル系禁止剤、亜リン酸エステル系禁止剤等を挙げることができる。
【0042】
ラジカル重合性樹脂の重量平均分子量は、例えば500以上(例えば、500〜100万程度)であり、好ましくは3000〜50万である。ラジカル重合性樹脂の重量平均分子量が上記範囲を下回ると、ラジカル重合して得られる硬化物の柔軟性が低下する傾向がある。
【0043】
[ラジカル重合性樹脂組成物]
本発明に係るラジカル重合性樹脂組成物は、ラジカル重合性化合物として上記ラジカル重合性樹脂を含むことを特徴とする。
【0044】
ラジカル重合性樹脂組成物中に占める上記ラジカル重合性樹脂の割合としては、例えば5重量%以上であり、実質的にラジカル重合性樹脂組成物が上記ラジカル重合性樹脂のみで構成されていてもよい。本発明においては、なかでも、より柔軟性に優れる硬化物を形成することができる点で、ラジカル重合性樹脂組成物中に占める上記ラジカル重合性樹脂の割合が10重量%以上が好ましく、特に60〜90重量%が好ましい。ラジカル重合性樹脂組成物中に占める上記ラジカル重合性樹脂の割合が5重量%を下回ると、ラジカル重合により硬化して得られる硬化物の柔軟性が低下する傾向がある。
【0045】
本発明に係るラジカル重合性樹脂組成物には、上記ラジカル重合性樹脂の他に、ラジカル重合性を有する化合物であって、上記式(1)で表されるオキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル化合物とは異なる化合物(以後、「他のラジカル重合性化合物」と称する場合がある)を含有していてもよい。
【0046】
他のラジカル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルアリール基、ビニルエーテル基、ビニルオキシカルボニル基等のラジカル重合性基を1分子内に1つ以上有する化合物等を挙げることができる。
【0047】
(メタ)アクリロイル基を1分子内に1つ以上有する化合物としては、例えば、1−ブテン−3−オン、1−ペンテン−3−オン、1−ヘキセン−3−オン、4−フェニル−1−ブテン−3−オン、5−フェニル−1−ペンテン−3−オン等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
【0048】
(メタ)アクリロイルオキシ基を1分子内に1つ以上有する化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メタクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシ)エチルイソシアネート、2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
【0049】
(メタ)アクリロイルアミノ基を1分子内に1つ以上有する化合物としては、例えば、アクリル酸モルホリン−4−イル、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
【0050】
ビニルアリール基を1分子内に1つ以上有する化合物、ビニルエーテル基を1分子内に1つ以上有する化合物としては、上記他のカチオン重合性化合物において挙げられた例と同様の例を挙げることができる。
【0051】
ビニルオキシカルボニル基を1分子内に1つ以上有する化合物としては、例えば、ギ酸イソプロペニル、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル、酪酸イソプロペニル、イソ酪酸イソプロペニル、カプロン酸イソプロペニル、吉草酸イソプロペニル、イソ吉草酸イソプロペニル、乳酸イソプロペニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
【0052】
本発明における他のラジカル重合性化合物としては、なかでも、より優れた耐熱性を持つ硬化物を形成することができる点で、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上(特に2つ)有する化合物が好ましい。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0053】
本発明に係るラジカル重合性樹脂組成物としては、より優れた耐熱性を持つ硬化物を形成することができる点で、ラジカル重合性樹脂と共に他のラジカル重合性化合物を含むことが好ましい。ラジカル重合性樹脂と他のラジカル重合性化合物の配合比(前者/後者:重量比)としては、例えば95/5〜5/95、好ましくは95/5〜20/80、特に好ましくは95/5〜60/40である。ラジカル重合性樹脂の配合割合が上記範囲を外れると、得られる硬化物の柔軟性が低下する傾向がある。
【0054】
また、本発明に係るラジカル重合性樹脂組成物には重合開始剤を添加してもよく、添加しなくともよい。重合開始剤としては、公知慣用の熱重合開始剤、光ラジカル重合開始剤などのラジカル重合を起こし得るものを特に限定されることなく使用することができる。
【0055】
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0056】
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノンベンジル、ベンジルジメチルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジメトキシアセトフェノン、ジメトキシフェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ジフェニルジサルファイト等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0057】
重合開始剤には、光吸収エネルギーの重合開始遊離基への転換を強めるための相乗剤を添加してもよい。相乗剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸、ジメチルアミノ安息香酸メチル等のアミン;チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アセチルアセトン等のケトン等を挙げることができる。
【0058】
ラジカル重合性樹脂組成物に重合開始剤を添加する場合、その添加量としては、ラジカル重合性樹脂組成物中のラジカル重合性化合物(ラジカル重合性樹脂と他のラジカル重合性化合物の総重量)に対して0.01〜50重量%程度、好ましくは0.1〜20重量%程度である。
【0059】
さらに、本発明に係るラジカル重合性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて他の添加物を添加してもよい。他の添加物としては、例えば、硬化膨張性モノマー、光増感剤(アントラセン系増感剤等)、樹脂、密着性向上剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、溶剤、無機又は有機粒子(ナノスケール粒子等)、フルオロシラン等の公知慣用の各種添加剤を挙げることができる。
【0060】
本発明に係るラジカル重合性樹脂組成物は、加熱処理及び/又は光照射を行うことによりラジカル重合反応を促進し、硬化物を形成することができる。加熱処理を行う場合、その温度としては、反応に供する成分や触媒の種類などに応じて適宜調整することができ、例えば20〜200℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは70〜120℃程度である。光照射を行う場合、その光源としては、例えば、水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、メタルハライドランプ、太陽光、電子線、レーザー光等を使用することができる。また、光照射後、例えば50〜180℃程度の温度で加熱処理を施して硬化を進行させてもよい。
【0061】
ラジカル重合反応は常圧下で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの何れであってもよい。
【0062】
本発明に係るラジカル重合性樹脂組成物をラジカル重合することによって得られる硬化物の形状としては特に制限されることがなく、例えばフィルム状、ファイバー状等を挙げることができる。フィルム状硬化物は、例えば、アプリケーター等を使用して上記ラジカル重合性樹脂組成物を均一の厚みとなるように基材等の上に塗布し、加熱処理及び/又は光照射を行うことによりラジカル重合反応を促進して製造することができる。ファイバー状硬化物は、例えば、シリンジ等を使用して上記ラジカル重合性樹脂組成物を定量的に押出し、押出されたラジカル重合性樹脂組成物に加熱処理及び/又は光照射を行うことによりラジカル重合反応を促進して製造することができる。
【0063】
こうして得られる硬化物は、柔軟性及び耐熱性に優れる。そのため、本発明に係るラジカル重合性樹脂組成物は、導波路(光導波路、混載基板など)、光ファイバー、応力緩和型接着剤、封止剤、アンダーフィル、インクジェット用インク、カラーフィルター、ナノインプリント、フレキシブル基板などの分野、特にフレキシブル光導波路、柔軟接着剤、アンダーフィルなどの分野で特に有用である。
【実施例】
【0064】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0065】
実施例1(ラジカル重合性樹脂の製造)
開始剤滴下ライン、窒素ライン、温度計を装着した3口フラスコに、トルエン 3.78g、下記式で表される3−エチル−3−(3−アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルプロピルオキシメチル)オキセタン(EOXTM−NPAL)8.82g(34.67mmol)、4−メトキシフェノール 0.039gの混合液(モノマー混合液)を仕込み、25℃に調温した。次いで、トルエン 0.093gと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体 0.016g(0.11mmol)の混合液を送液ポンプで2時間かけて定量的に滴下した。滴下終了後4時間保持したのち、これを5倍量のメタノール(4−メトキシフェノール 0.1%含有)で沈殿精製を行い、真空乾燥機中(40℃、フルバキューム)で20時間保持することにより、無色透明の液状樹脂(1)を得た。
該液状樹脂(1)のポリスチレン換算重量平均分子量は24800であった。
【化7】
【0066】
実施例2(ラジカル重合性樹脂の製造)
開始剤滴下ライン、窒素ライン、温度計を装着した3口フラスコに、トルエン 19.98g、EOXTM−NPAL 8.82g(34.67mmol)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン(商品名「OXT−212」、東亞合成(株)製)23.56g(0.10mol)、4−メトキシフェノール 0.039gの混合液(モノマー混合液)を仕込み、25℃に調温した。次いで、トルエン 5.60gと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体 0.95g(6.60mmol)の混合液を送液ポンプで2時間かけて定量的に滴下した。滴下終了後4時間保持したのち、これを5倍量のメタノール(4−メトキシフェノール 0.1%含有)で沈殿精製を行い、真空乾燥機中(40℃、フルバキューム)で20時間保持することにより、無色透明の液状樹脂(2)を得た。
該液状樹脂(2)のポリスチレン換算重量平均分子量は8200であった。
【0067】
実施例3(ラジカル重合性樹脂の製造)
開始剤滴下ライン、窒素ライン、温度計を装着した3口フラスコに、トルエン 20.40g、EOXTM−NPAL 8.82g(34.67mmol)、OXT−212を39.26g(0.17mol)、4−メトキシフェノール 0.039gの混合液(モノマー混合液)を仕込み、25℃に調温した。次いで、トルエン 5.60gと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体 0.95g(6.60mmol)の混合液を送液ポンプで2時間かけて定量的に滴下した。滴下終了後4時間保持したのち、これを5倍量のメタノール(4−メトキシフェノール 0.1%含有)で沈殿精製を行い、真空乾燥機中(40℃、フルバキューム)で20時間保持することにより、無色透明の液状樹脂(3)を得た。
該液状樹脂(3)のポリスチレン換算重量平均分子量は8300であった。
【0068】
実施例4(ラジカル重合性樹脂の製造)
開始剤滴下ライン、窒素ライン、温度計を装着した3口フラスコに、トルエン 20.40g、下記式で表される3−エチル−3−(4−アクリロイルオキシブチルオキシメチル)オキセタン(EOXTM−BAL)8.33g(34.44mmol)、OXT−212を39.26g(0.17mol)、4−メトキシフェノール 0.039gの混合液(モノマー混合液)を仕込み、25℃に調温した。次いで、トルエン 5.60gと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体 0.95g(6.60mmol)の混合液を送液ポンプで2時間かけて定量的に滴下した。滴下終了後4時間保持したのち、これを5倍量のメタノール(4−メトキシフェノール 0.1%含有)で沈殿精製を行い、真空乾燥機中(40℃、フルバキューム)で20時間保持することにより、無色透明の液状樹脂(4)を得た。
該液状樹脂(4)のポリスチレン換算重量平均分子量は34800であった。
【化8】
【0069】
比較例1(ラジカル重合性樹脂の製造)
開始剤滴下ライン、窒素ライン、温度計を装着した3口フラスコに、トルエン 3.78g、3−エチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン(商品名「OXT−10」、大阪有機化学工業(株)製)5.85g(34.77mmol)、4−メトキシフェノール 0.039gの混合液(モノマー混合液)を仕込み、25℃に調温した。次いで、トルエン 0.093gと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体 0.016g(0.11mmol)の混合液を送液ポンプで2時間かけて定量的に滴下した。滴下終了後4時間保持したのち、これを5倍量のメタノール(4−メトキシフェノール 0.1%含有)で沈殿精製を行い、真空乾燥機中(40℃、フルバキューム)で20時間保持することにより、無色透明の液状樹脂(5)を得た。
該液状樹脂(5)のポリスチレン換算重量平均分子量は11900であった。
【0070】
実施例5〜50、比較例2〜4
下記表1〜3に示す組成及び配合割合に従って配合し、ラジカル重合性樹脂組成物を得た。尚、表中の数値は重量部を示す。
【0071】
評価
実施例5〜50及び比較例2〜4で得られたラジカル重合性樹脂組成物について、下記方法により重合して硬化物を得、得られた硬化物について柔軟性及び耐熱性を評価した。
【0072】
[フィルム状硬化物の形成(1)]
上記実施例5〜27及び比較例2〜4で得られたラジカル重合性樹脂組成物を非シリコーン系離型フィルム基材(商品名「T789」、ダイセルバリューコーティング(株)製)上に塗布し、続いて、約100μmの厚みになるようにスペーサーを入れて、もう一枚の非シリコーン系離型フィルム基材(商品名「T789」、ダイセルバリューコーティング(株)製)で圧着し、85℃で1時間加熱処理を施して、厚さ約100μmのフィルム状硬化物を得た。
【0073】
[フィルム状硬化物の形成(2)]
上記実施例28〜50で得られたラジカル重合性樹脂組成物を非シリコーン系離型フィルム(「T789」、ダイセルバリューコーティング(株)製)基材上に約100μmの厚みになるよう塗布し、続いて、約100μmの厚みになるようにスペーサーを入れて、もう一枚の非シリコーン系離型フィルム基材(商品名「T789」、ダイセルバリューコーティング(株)製)で圧着し、ベルトコンベアー式紫外線照射装置(商品名「UVC−02516S1AA02」、ウシオ電機(株)製)を用いて紫外線(照射エネルギー:約2J、波長:320−390nm)を照射することにより、厚さ約100μmのフィルム状硬化物を得た。
【0074】
[ファイバー状硬化物の形成]
上記実施例28〜50で得られたラジカル重合性樹脂組成物をシリンジに注入して定量的(3mL/秒)に押出し、押出されたラジカル重合性樹脂組成物に紫外線(照射エネルギー:1方向あたり1.5W/cm
2、波長:365nm)を照射することにより、直径が50〜2000μmであるファイバー状硬化物が得られた。
【0075】
[柔軟性評価]
上記実施例5〜50及び比較例2〜4で得られたラジカル重合性樹脂組成物を硬化して得られた、厚さ約100μmのフィルム状硬化物を棒に巻きつけて、クラック(ひび割れ)発生の有無を目視で観察し、下記基準で評価した。
評価基準
半径1mmの棒に巻きつけてクラック(ひび割れ)が見られなかったとき:◎
半径2mmの棒に巻きつけてクラック(ひび割れ)が見られなかったとき:○
半径2mmの棒に巻きつけてクラック(ひび割れ)が見られたとき:×
【0076】
[耐熱性評価]
上記実施例5〜50及び比較例2〜4で得られたラジカル重合性樹脂組成物を硬化して得られた、厚さ約100μmのフィルム状硬化物を熱分析装置(商品名「TG−DTA6300」、セイコー電子工業(株)製)を用いて熱重量分析した。
図1に示すように、初期の重量減少のない、或いは漸減しているところの接線と、急激に重量減少が起こっているところの変曲点の接線が交叉するところの温度を熱分解温度T(℃)とし、下記基準に従って評価した。
評価基準
熱分解温度T(℃)が260℃以上:○
熱分解温度T(℃)が260℃未満:×
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
尚、表中の記号等は下記化合物を示す。
B1:1,10−ビス(アクリロイルオキシ)デカン[=1,10−デカンジオールジアクリレート](和光純薬工業(株)製)
B2:アクリル酸ドデシル[=ラウリルアクリレート](和光純薬工業(株)製)
無機微粒子:表面処理シリカ(商品名「SC2500−SVJ」、(株)アドマテックス製)
PS:ポリスチレン
PMMA:ポリメチルメタクリレート
V601:2,2'−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(商品名「V601」、和光純薬工業(株)製)