(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記液体の流れ方向を変えるための前記手段は、前記液体の往復運動を提供するために、前記液体が第1のポートから分配されて前記第1のポートとは異なる第2のポートへと引かれる第1の流れ方向と、前記液体が前記第2のポートから分配されて前記第1のポートへと引かれる第2の流れ方向とを逆転させる、請求項1に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
用語「液体の往復移動」及び「液体の往復」は、本明細書において互換的に使用される。本明細書において使用するとき、双方の用語とも、哺乳類の口腔表面にわたって、第1の流れ方向から第1の流れ方向と反対の第2の流れ方向へと、液体の流れ方向を前後に変更することを意味する。
【0010】
「効果的なフィット又は封止」とは、口腔内の複数の表面上又はその周囲に液体を方向付けるための手段の間の封止のレベルが、使用される液体量を低減又は最小化し、ユーザーの快適性を維持する(例えば、窒息又は嘔吐を避ける)ように使用中にトレイから口腔内に漏れる液体の量が十分に低いものであることを意味する。制限を意図しないが、嘔吐とは、軟口蓋、咽頭壁、扁桃領域又は舌の付け根の刺激によって生じる咽喉の奥の反射的な(すなわち、意図的な運動ではない)筋肉収縮であり、異物が咽頭及び気管に侵入することを防ごうとする防御運動を意図するものとして理解される。嘔吐運動は個人によってばらつきがある(例えば、口のどの領域がこれを刺激するか)。嘔吐の身体的な原因に加え、嘔吐に対する心理的要素が存在し得る(例えば、窒息に対する恐怖がある人々は、口内に何かが入ると容易に嘔吐し得る)。
【0011】
本明細書において使用するとき「液体を運搬する手段」とは、それによって、本発明によるシステム及び装置全体にわたって液体が移動又は移送され得る構造を含み、非限定的に経路、導管、管、ポート、ポータル、チャネル、ルーメン、パイプ及びマニホールドが挙げられる。液体を運搬するためのこのような手段は、液体の往復運動を提供する装置及び口腔表面上及びその周囲に液体を方向付ける手段に使用され得る。このような運搬手段はまた、液体を収容するためのリザーバから、方向付け手段に液体を提供し、かつ往復運動手段に液体を提供する(リザーバが往復運動手段を収納する手持ち式装置内に収容されていても又は基部ユニットに収容されていても)。運搬手段はまた、基部ユニットから手持ち式装置内に収容される液体リザーバに液体を提供する。例えば、ヒトなどの哺乳類の口腔に有益効果を提供するために有用な方法、装置及びシステムが本明細書において記載される。
【0012】
方法は、口腔の複数の表面を、所望の有益効果を口腔に提供するために有効な液体と接触させることを含む。このような方法において、口腔の複数の表面にわたる液体の往復運動が、所望の有益効果を口腔に提供するために有効な条件下で提供される。複数の表面の液体との接触は、実質的に同時に行われ得る。実質的に同時とは、口腔の複数の表面全てが必ずしも流体と同時に接触するわけではないが、表面の大部分が同時に接触するか又は全ての表面が同時に接触する場合と同様の全体効果を短時間の間に提供することを意味する。
【0013】
口腔内に所望の有益効果を提供するための条件は、求められる特定の環境、状況及び効果によって変化し得る。異なる変数は、これらが液体の特定の速度を生じるという点において相互依存的である。速度要件は、いくつかの実施形態における配合の関数であり得る。例えば、速度、添加物(例えば、研磨剤、ずり減粘剤など)及び配合物の一般的な流量特性の変化により、同じレベルの有効性を生成するためのジェットの速度要件は変化し得る。求められる特定の有益効果を達成するための適切な条件を提供するために検討され得る要因としては、非限定的に、液体蒸気の速度及び/又は流量及び/又は圧力、液体の脈動、液体のスプレー形状又はスプレーパターン、液体の温度及び液体の往復運動周期の周波数が挙げられる。
【0014】
液体圧力、すなわち、ジェットを通じて出る前のマニホールド圧力は、約0.5psi(3447.4Pa)〜約30psi(206.8kPa)又は約3〜約15psi(約20.7〜約103.4kPa)、又は約5psi(34.5kPa)であり得る。液体の流量は、約10mL/s〜約60mL/s、又は約20mL/s〜約40mL/sであり得るより大きくかつより高品質のジェットは、所与の圧力/速度においてより高い流量を必要とすることに留意すべきである。パルス周波数(パルス長さ及び供給量(mL/パルス))は約0.5Hz〜約50Hz、又は約5Hz〜約25Hzであり得る。供給パルスデューティー・サイクルは約10%〜100%、又は約40%〜約60%であり得る。100%においてはパルスが存在せず、代わりに液体の連続的な流れが存在することに留意すべきである。供給パルス容積(全てのジェット/ノズルを通じた合計容積)は約0.2mL〜約120mL又は約0.5mL〜約15mLであり得る。噴出されるパルスの速度は約4cm/s〜約400cm/s、又は約20cm/s〜約160インチ/sであり得る。真空デューティー・サイクルは約10%〜100%又は約50%〜100%であり得る。真空は常に100%であることに留意する。容量供給と真空比率は、約2:1〜約1:20又は約1:1〜1:10であり得る。
【0015】
本開示の利益を一度有すると、当業者は、特定の状況及び求められる所望の利益によって、様々な要因が調節及び選択され得ることを認識する。
【0016】
液体は、求められる有益効果を提供するために有効な少なくとも1つの成分又は薬剤を、口腔表面と接触したときに有益効果を提供するために有効な量で含む。例えば、液体としては、非限定的に洗浄剤、抗菌剤、鉱化剤、減感剤及び白化剤からなる群から選択される成分を含み得る。いくつかの実施形態において、2種類以上の液体が単一の期間に使用され得る。例えば、洗浄溶液が口腔に適用され得、その後、例えば白化剤又は抗菌剤を含有する第2溶液が続く。溶液はまた、単一の適用によって2種類以上の利益を達成するために複数の薬剤を含み得る。例えば、以下で更に記載されるように、溶液は洗浄剤及び有害な状態を改善するための薬剤の両方を含み得る。加えて、口腔に2つ以上の有益効果を提供するために、単一の溶液が有効であり得る。例えば、溶液は口腔を洗浄し、かつ抗菌剤として作用するか、又は口腔を洗浄し、かつ歯を白化する単一の薬剤を含み得る。
【0017】
口腔の美的外観を改善するために有用な液体は、口腔内で歯を白化するために白化剤を含み得る。このような白化剤としては、非限定的に、過酸化水素及び過酸化カルバミド、又は歯に適用される際に過酸化水素水を生成し得る他の薬剤が挙げられる。このような薬剤は、リンス、歯磨き粉及び白化ストリップなどの口腔ケア白化製品に関連する分野において周知である。他の白化剤としては、シリカ、重炭酸ナトリウム、アルミナ、アパタイト及びバイオグラスなどの研磨剤を含み得る。
【0018】
研磨剤は歯を洗浄及び/又は白化するように作用し得る一方で、いくつかの研磨剤はまた、エナメルの欠損及び歯の小管の露出により生じる歯の過敏症を改善するように作用し得る。例えば、バイオグラスなどのいくつかの物質の粒径(例えば、直径)は、露出した小管を遮蔽し、したがって歯の感度を低減するために有効であり得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、液体は、3〜6の炭素原子を有するアルコールを含有する抗菌組成物を含み得る。液体は抗菌口腔洗浄組成物、特に低減したエタノール含有量を有するか又は実質的にエタノールを含まず、歯垢、歯肉疾患及び口臭を防ぐために高い効果を提供するものであってよい。3〜6個の炭素原子を有するアルコールは脂肪族アルコールであることに留意する。3つの炭素を有する特定の脂肪族アルコールは、1−プロパノールである。
【0020】
一実施形態において、液体は、(a)抗菌有効量のチモール及び1つ以上の他の精油、(b)約0.01%〜約70.0% v/v、又は約0.1%〜約30% v/v、又は約0.1%〜約10% v/v又は約0.2%〜約8% v/vの、3〜6個の炭素原子を有するアルコール及び(c)ビヒクルを含む、抗菌組成物を含み得る。アルコールは1−プロパノールであり得る。液体ビヒクルは水性又は非水性であり得、特定の稠度を有する組成物を提供するために増粘剤又はゲル化剤を含み得る。水及び水/エタノール混合物は、好ましいビヒクルである。
【0021】
液体の別の実施形態は、(a)抗菌有効量の抗菌剤、(b)約0.01%〜約70% v/v、又は約0.1%〜約30% v/v、又は約0.2%〜約8% v/vのプロパノール及び(c)ビヒクルを含む、抗菌組成物である。本実施形態の抗菌組成物は、従来技術のエタノールシステムと比較して意外な優れた供給システムを呈する。利用され得る代表的な抗菌剤としては、非限定的に、精油、塩化セチルピリジニウム(CPC)、クロルヘキシジン、ヘキセチジン、キトサン、トリクロサン、臭化ドミフェン、フッ化第一スズ、可溶性ピロリン酸塩、酸化亜鉛が挙げられるがこれに限定されない酸化金属、ペパーミント油、セージ油、血根草、二カルシウム水和物、アロエ、ポリオール、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、及びクエン酸亜鉛などが挙げられるがこれに限定されない金属塩などが挙げられる。本実施形態の特に好ましい態様は、例えば、約30% v/v以下、又は約10% v/v以下、又は約3% v/vの1−プロパノールを有する口腔洗浄剤などの、抗菌口腔組成物を対象とする。
【0022】
液体の更に別の実施形態は、(a)抗菌有効量のチモール及び1つ以上の他の精油、(b)約0.01〜約30.0% v/v、約0.1%〜約10% v/v、又は約0.2%〜約8% v/vの3〜6個の炭素原子を有するアルコール、(c)約25% v/v以下の量のエタノール、(d)少なくとも1種類の界面活性剤、並びに(e)水を含む、エタノールを低減した抗菌口腔洗浄組成物である。好ましくは、エタノール及び3〜6個の炭素原子を有するアルコールの合計濃度は、30% v/v以下、又は25% v/v以下、又は22% v/v以下である。
【0023】
別の実施形態において液体は、(a)抗菌有効量のチモール及び1つ以上の他の精油、(b)約0.01〜約30.0% v/v、約0.1%〜約10% v/v、又は約0.2%〜約8% v/vの3〜6個の炭素原子を有するアルコール、(c)少なくとも1種類の界面活性剤、並びに(d)水を含む、エタノールを含まない抗菌口腔洗浄組成物である。
【0024】
3〜6個の炭素原子を有するアルコールは好ましくは、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、第三級ブタノール及び対応するジオールから選択される。1−プロパノール及び2−プロパノールが好ましく、1−プロパノールが最も好ましい。
【0025】
例えば、歯垢の形成、食物微粒子、バイオフィルムなどの除去又は分解など、洗浄によって口腔の口内衛生を一般的に改善することに加えて、本発明は口腔内の有害な状態を改善し、口腔の美的外観を改善する(例えば、歯の白化)ために有用である。有害な状態としては、非限定的に、虫歯、歯肉炎、炎症、歯周病と関連する症状、口臭、歯の感度及び菌感染などが挙げられる。液体自体は様々な形態であり得るが、ただしこれらは本発明の装置及び方法の使用に好適な流動特性を有する。例えば、液体は、溶液、エマルション及び分散液からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、液体は液相(例えば、水相)中に分散した微粒子(例えば、研磨剤)を含み得る。このような場合において、研磨剤は、口腔表面に適用されるために、水相中に実質的に均一に分散する。他の実施形態において、水中油型又は油中水型エマルションが使用され得る。このような場合、液体は場合によって、連続的な水相中に実質的に均一に分散した非連続的な油相、又は連続的な油相中に実質的に均一に分散した非連続的な水性相を含む。更に他の実施形態において、液体は、薬剤がキャリア中に溶解しているか又はキャリア自体が所望の有益効果を提供するための薬剤とみなされ得る(例えば、通常内部に他の薬剤が溶解しているアルコール又はアルコール/水混合物)溶液であり得る。
【0026】
家庭用の用途に好適であり、歯及び/又は歯肉領域の複数の表面上に液体を方向付けるように適合された歯科用洗浄装置などの口腔ケア装置、加えてこのような装置を利用する方法及びシステムが本明細書において開示される。いくつかの実施形態において、口腔の表面は、液体と実質的に同時に接触する。本明細書において使用するとき、歯肉領域への言及は、非限定的に歯肉縁下部ポケットへの言及を含む。口腔の洗浄及び/若しくは美的外観の一般的な改善並びに/又は歯及び/若しくは歯肉領域の有害な状態の改善を提供し、それによって歯及び/又は歯肉領域の口腔衛生を改善するために効果的な条件下において、往復運動により歯及び/又は歯肉領域の複数の表面上に実質的に同時に適切な液体が方向付けられる。例えば、1つのこのような装置は、歯の表及び裏表面並びに隣接歯間領域上で液体を前後に往復運動させることによって洗浄周期を生成する一方で使用する洗浄液の量を最小化することにより、適切な洗浄液を使用して歯及び/又は歯肉領域を洗浄しかつ歯垢除去する。
【0027】
液体の往復運動を提供する本発明の装置は、液体の往復運動を制御する手段を含む。制御手段は、液体を口腔の複数の表面上に方向付けるための手段に及びここから液体を運搬するための手段を含む。本明細書において以下でより詳細に記載されるように、いくつかの実施形態において、液体の往復運動を提供するための手段は、液体を受容及び排出するための複数のポータル、液体がそれを通じて運搬される複数の経路又は導管、及び液体の往復運動を提供するために液体の流れ方向を変えるための手段を含む。制御手段は、論理回路及び/又は機械的に制御された回路によって制御され得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、往復運動を提供するための装置は、液体を収容するためのリザーバに装置取り付けるか又は接続するための手段を含み得る。リザーバは装置に取り外し可能に取り付けられ得る。この場合において、リザーバ及び装置は、一方を他方に取り付けるための手段を含み得る。プロセスの完了後、リザーバは廃棄されて別のリザーバと交換されてもよく、又は再充填されて再使用されてもよい。他の実施形態において往復運動する装置は装置と一体のリザーバを含む。本明細書において記載される、装置が基部ユニットに取り付けられ得る実施形態において、リザーバは、装置と一体であっても又は装置に取り外し可能に取り付けられていても、基部ユニットの一部を形成する供給リザーバから充填され得る。基部ユニットが使用される場合、装置及び基部ユニットは一方を他方に取り付けるための手段を含む。
【0029】
装置は、液体を往復運動させるための手段を駆動するための電源を含む。例えば電池(再充電可能又は使い捨て)などの電源が、装置内(例えば、装置のハンドル内)に収容され得る。基部ユニットが利用され得る場合、基部は装置に出力を提供するための手段を含み得る。他の実施形態において基部ユニットは、装置内に含まれる再充電可能な電池を再充電するための手段を含み得る。
【0030】
液体の往復運動を提供するための装置は、装置を、口腔の複数の表面に液体を方向付けるための手段(例えば、適用トレー又はマウスピース)に取り付けるための手段を含む。いくつかの実施形態において方向付け手段は、口腔の複数の表面と液体との実質的に同時の接触を提供する。取り付け手段は、マウスピースの装置への取り外し可能な取り付けを提供し得る。いくつかの実施形態において、多数のユーザーが自らのマウスピースを、往復運動手段を含む単一の装置と共に使用し得る。他の実施形態において、取り付け手段はマウスピースに取り外し不可能な取り付けを提供してもよく、よってマウスピースは装置の一体部分である。上記の往復運動を提供するための装置は、他の装置構成要素も含むハウジング内に収容されてもよく、本明細書において以下に記載される、液体を方向付け手段に提供するために好適な手持ち式装置を提供する。
【0031】
液体を口腔の表面上に方向付けるための手段(例えば、適用トレー又はマウスピース)は、多数の構成要素を含む。方向付け手段は、液体を複数の表面に近接するように維持するためのチャンバ(すなわち、液体接触チャンバ(LCC))を含む。「近接する」とは、液体が表面と接触した状態に維持されることを意味する。LCCは、マウスピースの前方内側壁部及び後方内側壁部、並びにマウスピースの前方内側壁部と後方内側壁部との間に延び、これと一体の壁部又は膜、及びいくつかの実施形態においては後方歯肉封止膜によって境界される空間によって画定される。前方及び後方内側壁部と共に、その間に延びる壁部及び後方歯肉封止膜がLCC膜(LCCM)を形成する。液体との均一かつ最適な接触を提供するために、歯に適合するマウスピースの配置によって、LCCMの一般的形状は、「U」又は「n」の形状である。LCCMは、特定の方向付け手段によって、可撓性又は剛性であり得る。膜は、LCCMの基本膜として配置され得る。LCCMの前方及び後方内側膜はそれぞれ、複数の開口部又はスロットを含み、液体がこれらを通じて口腔の複数の表面と接触するように方向付けられる。
【0032】
快適性を提供し、ユーザーの嘔吐反射を最小化するために、大きさ、形状、厚さ、材料、歯/歯肉の周囲に生成される容積、ノズル設計及び配置(これはマニホールド及び歯肉縁部封止と共に口腔及び歯と関連する)と関連して、LCCM設計が最大有効性のために最適化され得る。上記の組み合わせが、歯及び歯肉領域と液体との有効な接触を提供する。
【0033】
LCCMは、既知の体積を有する、制御され、分離された環境(すなわち、LCC)を提供し、歯及び/歯肉領域を液体と接触させ、その後、消費された液体、並びに細片、歯垢などをLCCから、口腔全体を液体、細片等に曝露することなく除去する。これは、液体の摂取の可能性を低減する。LCCMはまた、例えば、十分な洗浄を提供するために著しい流量が必要とされる場合に、個別のノズルを引くことなく、液体の流量及び圧力の増加を可能にする。LCCMはまた、口腔全体ではなくLCCの内部の領域のみが液体と接触するために、必要とされる際の液体量及び流量の低減を可能にする。LCCMはまた、歯及び歯肉領域上、これらを通じた及びこれらの周囲の液体との接触の制御された供給量及び持続時間を可能にし、液体と接触する領域上の液体のより高い濃度を可能にし、それによって液体のより有効な制御及び供給を提供する。
【0034】
LCCMの壁部の厚さは、必要な物理的性能特性を提供する一方で含有材料を最小化し性能を最適化するため、0.2mm〜1.5mmの範囲であり得る。LCCMの内側壁部と歯との間の距離は、最大快適性を提供する一方でカスタマイズ及びLCC容積要件を最小化するため、約0.1mm〜約5mmであってもよく、より典型的には、約2.5mmの平均距離である。
【0035】
マウスピースの寸法及び形状は、好ましくは、上の歯及び下の歯の両方のための3つの基本的な自在寸法を利用するが、設計は、個別のユーザーに快適性及び機能性を保証するために必要に応じて、異なるレベルのカスタマイズを可能にする機構を提供する。装置は、これが口の中で正しい位置にあるときのみ動作することを可能にする、スイッチ機構を組み込んでもよい。マウスピースは、口腔の複数の表面と液体との実質的に同時の接触を提供するために、上方区分及び下方区分の両方を含み得る。別の実施形態において、上方区分及び下方区分は、ユーザーの上の歯又は下の歯及び歯肉上で使用され得る単一のブリッジを使用して洗浄され得る(最初に洗浄のために一部分に配置され、その後、洗浄のために他の部分に配置される)。
【0036】
マウスピースの内側壁部内に収容される、本明細書においてスロット、ジェット又はノズルとしても称される開口部(これを通じて液体が方向付けられる)の数及び位置は変動し、使用状況及び環境、特定のユーザー及び求められる有益効果に基づき決定される。開口部の断面形状は、円形、楕円形、台形又は口腔の表面と液体との効果的な接触を提供する他の任意の形状を提供する他の形状であり得る。開口部の位置及び数は、所望の利益効果を提供するために有効な様々なスプレーパターンの液体ジェットを方向付けるように設計され得る。開口部直径は、効果的な洗浄、並びに平均ジェット速度及び適用範囲を提供するために、約0.1〜約3mm、又は約0.2mm〜約0.8mm、又は約0.5mmであり得る。
【0037】
口腔と液体とが接触する際に、最適な開口部の配置及び方向/角度は、歯間、上部、側部、後部及び歯肉ポケット表面を含むがこれに限定されない領域の実質的に全ての歯表面を適用範囲とすることを可能にする。別の実施形態において、開口部は、速度、密度及びファンパターン(完全な円錐、扇型、部分的円錐、ジェット)を調節するために、又は配合の検討により、異なる洗浄、適用範囲及びスプレーパターンを提供するために、異なる寸法及び異なる形状であり得る。ノズルはまた、管状に設計されてもよく、及び/又はLCCMから延びて方向付けられたスプレーを提供してもよく、又はホーススプリンクラーシステムと同様に歯にわたって拡張した適用範囲を提供するためにスプリンクラー様の機構として機能してもよい。ノズルは好ましくは、LCCMの内側壁部と一体であり、任意の数のアセンブリ又は当該分野において既知の形成技術によって内側壁部内に組み込まれ得る(機械加工、射出成型などを通じて膜内にインサート成型される)。
【0038】
LCCMは、エチレンビニルアセテート(EVA)、熱可塑性エラストマー(TPE)又はシリコーンなどのエラストマー材料であってもよく、内側壁部の移動を可能にし、最小限の機械的構造でより大きなジェット適用領域を提供し、最適な性能を達成するための体積流量要件を低減する一方で、歯と直接接触した際に歯を保護するためにより柔軟でより可撓性の材料を提供する。可撓性膜はまた、その歯に適合する能力のために、広範なユーザーにとって許容可能な嵌合具を提供し得る。あるいは、LCCMは、剛性又は半剛性の材料(例えば、限定されないが熱可塑性)で作製され得る。
【0039】
別の実施形態において、LCCMはまた研磨要素、例えば、フィラメント、テクスチャ、磨き要素、添加物(シリカなど)、他の洗浄及び/又は処理要件、加えて限定されないが処理、洗浄及び配置のために歯とLCCMとの間の最小限の距離を保証するために使用され得る他の形状要素を含む。
【0040】
LCCMは、限定されないが、機械加工、射出成型、吹込み成形、押出成形、圧縮成型及び/又は真空成型などの、様々な方法により形成され得る。これはまたマニホールドと共に形成されつつマニホールド回路をLCC内に組み込む及び/又はマニホールド上にオーバーモールドされて最小アセンブリで一体構成を提供し得る。
【0041】
一実施形態において、LCCMは別個に作製されて、その後、接着剤、エポキシ、シリコーン、ヒートシール、超音波溶接及び熱接着材を含む任意の数の組み立て及び封止技術を使用して、マニホールドに組み立てられてもよい。LCCMは、マニホールドと組み立てた際に、これがいずれの追加的構成要素も用いずに好ましいデュアルマニホールド設計を効果的かつ効率的に形成するような方法で設計される。
【0042】
いくつかの実施形態において、LCCMは、歯肉封止領域を生成するように設計又は使用され得る。いくつかの実施形態において、LCC内に真空が適用され、これはマウスピースとの係合を改善して口腔内で歯肉との正の封止を形成する。他の実施形態では、口腔内でLCCMの外側に圧力が適用され、これはマウスピースの係合を改善し、口腔内で歯肉との正の封止を形成する。更に別の実施形態において、特定のユーザーに関して口腔内に挿入された際にカスタム再使用可能な弾力的封止を提供するために、最初の使用中にマウスピースの周囲に義歯様接着剤が適用され得る。これはその後、歯肉に対し及び以降の用途において、適合しかつ生の封止を提供するために弾性的に剛性となる。別の実施形態において、封止は適用され及び/又は各使用の後に交換又は処分され得る。
【0043】
方向付け手段はまた、液体を収容しかつ前方内側壁部の開口部を通じてLCCに液体を提供するための第1マニホールド及び液体を収容しかつ後方内側壁部の開口部を通じてチャンバに液体を提供するための第2マニホールドを含む。この設計は、どの操作が行われているかによって、多くの異なる選択肢を提供する。例えば、洗浄操作において、液体ジェットをLCC内に、歯に直接、LCCの一方の側部から第1マニホールドから供給し、その後、歯の周囲の液体を、LCCの他方の側部から、第2マニホールドへと排出し/引き、制御された歯間、歯肉ライン及び表面の洗浄を提供することが好ましい場合がある。LCCの一方の側部からの流れは、脈動作用で多数回繰り返され得、その後、流れが逆転されて、一定期間及び/又は多数の周期にわたり、第2マニホールドから液体ジェットを供給し、歯の裏側を通じて第1マニホールド内へと液体を排出する/引く。このような液体作用は、乱流の、反復可能の及び可逆の流れを生じ、したがって口腔の表面周囲に液体の往復運動を提供する。
【0044】
別の実施形態において、マニホールドは、単一マニホールド設計であり得、同じジェットの対を通じて同時に液体の押し引きを提供するか、又は任意の数のマニホールド区画であり液体供給、並びに洗浄及び液体処理剤の除去における更に高い制御を提供する。複数マニホールドにおいてまた、専用供給及び除去マニホールドを有するように設計され得る。マニホールドはまた、LCCMと一体である及び/又はその内部にあるように設計され得る。
【0045】
マニホールドの材料は、半剛性熱可塑性樹脂であり、これは液体の制御された流れの間に崩壊又は破裂しないために必要な剛性を提供するが、マウスピースの挿入、封止/配置及び除去のためにユーザーの口内にフィットする際に一定の柔軟性を提供する。製作の複雑性、構成要素の数及び金型費用を最小化するため、LCCMと組み合わせる際にデュアルマニホールドが生成される。マニホールドはまた、適合性のある熱可塑性エラストマー(TPE)が挙げられるがこれらに限定されないより低いジュロ硬度のエラストマー材を使用し、歯/歯肉により柔軟な外側の「感触」を提供するために、多成分であってもよい。マニホールドは、限定されないが、機械加工、射出成型、吹込み成形、圧縮成型及び/又は真空成型などの、様々な方法により形成され得る。
【0046】
方向付け手段はまた、液体を第1マニホールドに及びここから運搬するための第1ポートと、液体を第2マニホールドに及びここから運搬する第2ポートと、口腔内の方向付け手段の効果的な封止(すなわち、歯肉封止)を提供するための手段とを含む。いくつかの実施形態において、第1ポート及び第2ポートは、第1マニホールド及び第2マニホールドに及びここから液体を運搬するように、かつマウスピースを液体をマウスピースに提供する手段に取り付けるように、機能し得る。他の実施形態において、方向付け手段は、方向付け手段を、液体を方向付け手段に提供するための手段に取り付けるための手段を更に含み得る。
【0047】
図1は、本発明による装置を利用するシステムの実施形態の概略図である。図面はシステム200を表し、構成要素は、口腔内の液体の往復運動を提供する手段202、液体を口腔の複数の表面に方向付ける手段(この場合においては適用トレー100として示される)、及び液体供給リザーバ290を含む。液体の往復運動を提供するための手段としては、この実施形態においては、供給/回収装置210、往復式流量制御装置230、システム全体にわたって液体を運搬するための管212、216及び292、並びに液体一方向弁214、218及び294を含み得る。管232及び234は、往復式流量制御装置230から適用トレー100への液体の運搬を提供する。
【0048】
いくつかの実施形態において、供給/回収装置210は、ピストンポンプであり得る。液体供給リザーバ290は、ガラス、プラスチック又は金属から作製され得る。液体供給リザーバ290は、システム200と一体であり、再充填可能であり得る。いくつかの実施形態において、液体供給リザーバ290は、交換可能な液体供給源、例えば、システム200に取り外し可能に接続された単回又は複数回使用カートリッジであり得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、液体供給リザーバ290及び/又は管212、292は、口腔の表面に適用するために、適用トレー100に方向付ける前に液体を予備加熱するための熱源を含み得る。温度は、使用中にユーザーに有効性及び快適性を提供するために有効な範囲内に維持されるべきである。
【0050】
本明細書において以下で詳細に記載される適用トレー100は、管232、234及び更なる取り付け手段(図示されない)により往復運動手段202と一体であるか又は取り外し可能に接続され得る。これは食物微粒子を捕捉するための、容易に洗浄可能なフィルターを内部に備え、1又は2つの側部を有し得る。口腔内(例えば、歯及び歯肉周囲)に位置付けられたとき、トレー100は歯肉に対して効果的なフィット又は封止を形成し、液体を口腔の表面(例えば、歯の表面)に対して方向付けるための手段を含む。
【0051】
液体供給リザーバ290内の液体は、管292を通じて供給/回収装置210に流れる。管292を通じた液体流量は、一方向弁294によって制御される。液体は、供給/回収装置210から、管212を通じて往復式流量制御装置230に流れる。一方向弁214は、管212を通じた液体流量を制御する。液体は、流量制御装置230の流れ方向設定によって、管232又は234のいずれかを通じて往復式流量制御装置230から適用トレー100に流れる。液体は、適用トレー100から、管234又は232のいずれかを通じて往復式流量制御装置230に戻り、管216を通じて往復式流量制御装置230から供給/回収装置210に流れる。一方向弁218は、管216を通じた液体流量を制御する。
【0052】
供給/回収装置210の作用は、論理回路によって制御され得、論理回路は往復運動周期を開始するプログラム、往復運動周期を実行するためのプログラム(すなわち、液体を歯の周囲で往復運動させ、それによって口腔に有益効果、例えば歯の洗浄を提供する)、往復運動周期及び、使用間又はプリセット若しくは自動洗浄期間にシステムを洗浄するための自己洗浄周期の最後に適用トレー100を内容排出するプログラムを含み得る。
【0053】
図示されないが、一連のスイッチ及びインジケータライトを有するフェースパネルがまた、システム200内に組み込まれ得る。スイッチは、ON/OFF、適用トレー100の充填、往復運動プログラムの実行、システム200の内容排出及びシステム200の洗浄を含むがこれらに限定されない。インジケータ、ディスプレイライトは、電源投入、充電、往復運動プログラムの実行、システム内容排出、洗浄結果又はフィードバック及び操作中の自己洗浄周期を含む。適用トレー100への方向付けの前に液体が予備加熱される実施形態において、ディスプレイライトは、液体が使用のために適切な温度にあることを示すために使用され得る。
【0054】
歯を洗浄するためにシステム200を使用する1つの方法は以下である。第1工程において、ユーザーは適用トレー100を口腔内で歯及び歯肉領域の周囲に位置付ける。ユーザーはトレー100を閉じ、それによって歯肉と、歯と、トレー100との間の効果的なフィット又は封止を達成する。本発明によるシステムの使用において、ユーザーはスタートボタンを押して洗浄プロセスを開始する。洗浄プロセスは以下である。
1.供給/回収装置210が起動されて、洗浄液を液体供給リザーバ290から、管292及び一方向弁294を通じて引き始める。
2.一度供給/回収装置210が十分に充填されると、供給/回収装置210が起動されて、洗浄液を管212、一方向弁214、往復式流量制御装置230及び管232を通じて適用トレー100に分配し始める。洗浄液は、それぞれ一方向弁218及び294により、管216及び292を通じて流れるのを妨げられる。
3.供給/回収装置210が起動され、洗浄トレー100から、管234を通じ、その後、往復式流量制御装置230を通じ、その後、管216及び一方向弁218を通じて洗浄液を引き始める。一方向弁214により、洗浄液が管212を通じて流れるのを妨げられる。供給/回収装置210を十分に充填するために十分な洗浄液が存在しない場合、追加的な洗浄液が液体供給リザーバ290から管292及び一方向弁294を通じて引かれ得る。
4.液体流の方向がその後、逆転される。
5.洗浄液を往復運動させるため、流れ方向が逆転された後に工程2及び3が繰り返され、管234及び232をそれぞれ使用して供給/回収装置210と適用トレー100との間で洗浄液を循環させる。
6.記載される往復運動周期が、洗浄のために必要とされる時間が経過するまで、又は所望の周期数が完了するまで継続する。
【0055】
工程2と工程3との間には遅延が存在することがあり(一方向又は双方向において)、液体が流れずに歯と接触させられる滞留時間を可能にする。
【0056】
図2は、本発明による装置を使用するシステムの第1の代替実施形態の概略図である。図面はシステム300を示し、構成要素は、口腔内の液体の往復運動を提供する手段302、液体リザーバ370、液体供給リザーバ390、及び液体を口腔内の複数の表面上及びその周囲に方向付ける手段(この場合においては適用トレー100として示される)を含む。流体の往復運動を提供する手段としては、供給装置310、回収装置320、往復式流量制御装置330、管312、322、372、376及び392、並びに溶液一方向弁314、324、374、378及び394を含み得る。管332及び334は、往復式流量制御装置330から適用トレー100への液体の運搬を提供する。
【0057】
いくつかの実施形態において供給装置310及び回収装置320は、個別の単動ピストンポンプであり得る。他の実施形態において、供給装置310及び回収装置320は、複動ピストンポンプとして一緒に収容され得る。液体リザーバ390及び液体リザーバ370は、ガラス、プラスチック又は金属から作製され得る。液体供給リザーバ390は、システム300と一体であり、再充填可能であり得る。いくつかの実施形態において、液体供給リザーバ390は、システム300に取り外し可能に接続された交換可能な液体供給源であり得る。
【0058】
いくつかの実施形態において、液体供給リザーバ390、液体リザーバ370又は管312、372、392のいずれかが、口腔内の複数の表面に適用するために、適用トレー100内に方向付ける前に液体を予備加熱するための熱源を含み得る。温度は、使用中にユーザーに快適性を提供するために有効な範囲内に維持されるべきである。
【0059】
適用トレー100は、管332、334及び他の取り付け手段(図示されない)により、洗浄往復運動手段302と一体であるか又はこれに取り外し可能に接続され得る。
【0060】
液体供給リザーバ390内の液体は、管392を通じて液体リザーバ370に流れる。リザーバ370内の液体は、管372を通じて供給装置310に流れる。管372を通じた液体流量は、一方向弁374によって制御される。供給装置310から、液体は管312を通じて往復式流量制御装置330に流れる。一方向弁314は、管312を通じた液体流量を制御する。液体は、流量制御装置330の流れ方向設定によって、管332又は334のいずれかを通じて往復式流量制御装置330から適用トレー100に流れる。液体は、適用トレー100から、管334又は332のいずれかを通じて往復式流量制御装置330に戻り、管322を通じて往復式流量制御装置330から供給/回収装置320に流れる。一方向弁324は、管322を通じた液体流量を制御する。最終的に洗浄液は、回収装置320から管376を通じて液体リザーバ370に流れる。一方向弁378は、管376を通じた液体流量を制御する。
【0061】
供給装置310及び回収装置320は、論理回路によって制御され、これは往復運動周期を開始するプログラム、往復運動周期を実行するプログラム(すなわち、溶液を口腔の複数の表面の周囲で往復運動させ、それによって口腔に有益効果を提供する)、往復運動周期及び、使用間、又はプリセット若しくは自動洗浄期間にシステムを洗浄するための自己洗浄周期の最後に適用トレー100を内容排出するプログラム含み得る。
【0062】
システム300はまた、例えば、ON/OFF、適用トレー100の充填、洗浄プログラムの実行、システム300の内容排出、及びシステム300の洗浄などのスイッチ、並びに電源投入、充電、周期プログラムの実行、装置内容排出、結果又はフィードバック及び操作中の自己洗浄周期が挙げられるがこれらに限定されないインジケータ又はディスプレイライトを含み得る。適用トレー100への方向付けの前に液体が予備加熱される実施形態において、ディスプレイライトは、液体が使用のために適切な温度にあることを示すために使用され得る。
【0063】
歯を洗浄するためにシステム300を使用する1つの方法は以下である。使用前に、液体供給チャンバ390内の洗浄液が、管392及び一方向弁394を通じて洗浄液リザーバ370に流れる。いくつかの実施形態において、液体供給リザーバ390はここでシステム300から分離される。
【0064】
第1工程において、ユーザーは適用トレー100を口腔内で歯及び歯肉領域の周囲に位置付ける。ユーザーはトレー100を閉じ、それによって歯肉と、歯と、トレー100との間の効果的なフィット又は封止を達成する。ユーザーはスタートボタンを押して洗浄プロセスを開始する。洗浄プロセスは以下である。
1.供給装置310が起動されて、洗浄液を洗浄液リザーバ370から、管372及び一方向弁374を通じて引き始める。
2.一度供給/回収装置310が十分に充填されると、供給/回収装置310が起動されて、洗浄液を管312、一方向弁314、往復式流量制御装置330及び管332を通じて適用トレー100に分配し始める。
3.回収装置320が、供給装置310の起動の後に、又はこれと同時に起動されて、適用トレー100から、管334、往復式流量制御装置330、管322及び一方向弁324を通じて洗浄液を引き始める。一方向弁374により、洗浄溶液が管372を通じて流れるのを妨げられる。いくつかの実施形態において、供給装置310及び回収装置320は、論理回路により、同容量の流量が供給装置310から分配されて、回収装置320内に引かれるように、協調して機能するように制御される。
4.回収装置320は、管376及び一方向弁378を通じて、洗浄液リザーバ370への洗浄溶液の分配を開始するように起動される。一方向弁324により、洗浄液が管322を通じて流れることを妨げられる。供給装置310がまた起動されて、洗浄液を洗浄液リザーバ370から、管372及び一方向弁374を通じて引き始める。
5.洗浄液を往復運動させるため、流れ方向が逆転された後に工程2及び3が繰り返され、管334及び332をそれぞれ使用して供給/回収装置320と適用トレー100との間で洗浄液を循環させる。
6.洗浄液を循環させるため、工程2〜4が繰り返され、洗浄液リザーバ370と適用トレー100との間で洗浄液を循環させる。
7.洗浄に必要とされる時間が経過するまで、又は所望の周期数が達成されるまで、プロセスを実行し続ける。
【0065】
図3は、本発明による装置を使用するシステムの第2の代替実施形態の概略図である。図面はシステム400を示し、構成要素は、口腔内の液体の往復運動を提供する手段402、液体リザーバ470、液体供給リザーバ490、及び液体を口腔内の複数の表面上に方向付ける手段(この場合においては適用トレー100として示される)を含む。往復運動を提供する手段402としては、供給装置410、回収装置420、往復式流量制御装置430、管412、422a、422b、472、476及び492、並びに溶液一方向弁414、424a、424b、474、478a、478b及び494を含み得る。管432及び434は、往復式流量制御装置430から適用トレー100への液体の運搬を提供する。
【0066】
本実施形態において、供給装置410及び回収装置420は、複動ピストンポンプとして、共通ピストン415と共に一緒に収容される。液体リザーバ490及び液体リザーバ470は、ガラス、プラスチック又は金属から作製され得る。液体供給リザーバ490は、システム400と一体であり、再充填可能であり得る。いくつかの実施形態において、液体供給チャンバ490は、システム400に取り外し可能に接続された交換可能な液体供給源であり得る。
【0067】
いくつかの実施形態において、液体供給チャンバ490、液体リザーバ470又は管412、472、492のいずれかが、歯への適用のために適用トレー100内に方向付ける前に、洗浄溶液を予備加熱するための熱源を含み得る。温度は、使用中にユーザーに快適性を提供するために有効な範囲内に維持されるべきである。
【0068】
適用トレー100は往復運動手段402と一体であるか、又は管432、434及び他の取り付け手段(図示されない)により、これに取り外し可能に接続され得る。
【0069】
液体供給チャンバ490内の液体は、管492を通じて液体リザーバ470に流れる。リザーバ470内の液体は、管472を通じて供給装置410に流れる。管472を通じた液体流量は、一方向弁474によって制御される。供給装置410から、液体は管412を通じて往復式流量制御装置430に流れる。一方向弁414は、管412を通じた液体流量を制御する。液体は、流れ方向によって、管432又は管434を通じて往復式流量制御装置430から適用トレー100に流れる。液体はやはり流れ方向によって、適用トレー100から管434又は管432を通じ、往復式流量制御装置430に戻り、往復式流量制御装置430から管422a及び422bを通じて回収装置420へと流れる。一方向弁424a及び424bは、管を通じた流量を制御する。最終的に、液体は回収装置420から管476a及び476bを通じて液体リザーバ470へと流れる。一方向弁478a及び478bは、管を通じた流量を制御する。
【0070】
供給装置410及び回収装置420は、論理回路によって制御され、これは往復運動周期を開始するプログラム、往復運動周期を実行するプログラム(すなわち、溶液を口腔の複数の表面の周囲で往復運動させ、それによって口腔に有益効果を提供する)、この周期及び、使用間又はプリセット若しくは自動洗浄期間にシステムを洗浄するための自己洗浄周期の最後に適用トレー100を内容排出するプログラム含み得る。
【0071】
システム400はまた、例えば、ON/OFF、適用トレー100の充填、洗浄プロセスの実行、システム400の内容排出、及びシステム400の洗浄などのスイッチ、並びに洗浄周期並びに電源投入、充電、周期プログラムの実行、装置内容排出、及び操作中の自己洗浄周期が挙げられるがこれに限定されないインジケータ又はディスプレイライトを含み得る。適用トレー100への方向付けの前に液体が予備加熱される実施形態において、ディスプレイライトは、液体が使用のために適切な温度にあることを示すために使用され得る。
【0072】
歯を洗浄するためにシステム400を使用する1つの方法は以下である。使用前に、供給リザーバ490内の洗浄液が管492及び一方向弁494を通じて洗浄液リザーバ470に流れる。いくつかの実施形態において、液体供給リザーバ490はここでシステム400から分離される。
【0073】
第1工程において、ユーザーは適用トレー100を口腔内で歯及び歯肉領域の周囲に位置付ける。ユーザーはトレー100を閉じ、それによって歯肉と、歯と、トレー100との間の効果的なフィット又は封止を達成する。ユーザーはスタートボタンを押して洗浄プロセスを開始する。洗浄プロセスは以下である。
1.ピストン415が起動されて、洗浄液を洗浄液リザーバ470から、管472及び一方向弁474を通じて供給装置410に引き始める。これを達成するため、ピストン415は右から左へと平行移動する(
図3の「R」から「L」)。
2.一度供給/回収装置410が十分に充填されると、供給/回収装置410が起動されて、洗浄液を管412、一方向弁414、往復式流量制御装置430及び管432を通じて適用トレー100に分配し始める。これを達成するため、ピストン415は左から右へと平行移動する(
図3の「L」から「R」)。ピストン415の「L」から「R」への動きにより、回収装置420は、管434、往復式流量制御装置430、管422a及び一方向弁424aを通じて適用トレー100から洗浄液を引き始める。洗浄液は、一方向弁474及び424bにより、管472及び422aを通じて流れるのを妨げられる。回収装置420内のあらゆる過剰な洗浄液は、管476b及び一方向弁478bを通じて洗浄液リザーバ470へと分配され始める。一方向弁424bにより、洗浄液が管422bを通じて流れることが防がれる。
3.洗浄溶液を循環させるため、工程1及び2が繰り返され、洗浄溶液リザーバ470と適用トレー100との間で洗浄液を循環させる。
4.洗浄に必要とされる時間が経過するまで、又は所望の周期数が達成されるまで、プロセスを実行し続ける。
【0074】
図1、
図2及び
図3に記載される各実施形態は、往復式流量制御装置(それぞれ
図1、
図2、
図3の230、330、430)。本発明による往復式流量制御装置の実施形態の斜視図及び分解図が、それぞれ
図6a及び
図6bに示される。図面は、ハウジング510及び分流器520を有する往復式流量制御装置500を示す。ハウジング510は、ポート514、515、516及び517を有する。分流器520は、ハウジング510の内側壁部によって画定される空間を占め、流体流れを分流するためのパネル522及び位置調節器524を有する。
【0075】
図6cは、その第1位置にある往復式流量制御装置500の断面図である。この位置において、
図1の管212の液体などの、流入する液体流532が、ポート515を通じて往復式流量制御装置500に入る。この液体は、流出する液体流534として(すなわち、
図1の管232内の液体)ポート514を通じて往復式流量制御装置500を出る。
図1の管234内の液体などの、戻る液体流536が、ポート517を通じて往復式流量制御装置500に再び入る。この液体は、流出する液体流538として(すなわち、
図1の管216内の液体)ポート516を通じて往復式流量制御装置500を出る。
【0076】
図6dは、その第2位置にある往復式流量制御装置500の断面図である。この位置において、
図1の管212の液体などの、流入する液体流532が、ポート515を通じて往復式流量制御装置500に入る。この液体は、流出する液体流534として(すなわち、
図1の管234内の液体)ポート516を通じて往復式流量制御装置500を出る。
図1の管232内の液体などの、戻る液体流536が、ポート517を通じて往復式流量制御装置500に再び入る。この液体は、流出する液体流538として(すなわち、
図1の管216内の液体)ポート514を通じて往復式流量制御装置500を出る。
【0077】
図1の適用トレー100の液体の往復運動は、往復式流量制御装置500をその第1位置と第2位置との間で切り替えることによって達成される。
【0078】
本発明による往復式流量制御装置の第1の代替実施形態の斜視図が
図7aに示される。図は、ハウジング560、流量制御ブロック570及び設定ピン580を有する往復式流量制御装置550を示す。ハウジング560は、ポート564、565、566及び567を有する。流量制御ブロック570は、ハウジング560の内側壁部によって画定される空間を占め、液体流を分流するための経路又は導管571、572、573及び574を有する。
【0079】
図7bは、その第1位置にある(設定ピン580が「out」位置にある)流量制御装置550の平面図である。第1位置において、
図1の管212の液体などの、流入する液体流592が、ポート564を通じて往復式流量制御装置550に入る。液体は、制御ブロック570の経路573を通じて流れ、流出する液体流594として(すなわち、
図1の管232内の液体)ポート566を通じて往復式流量制御装置550を出る。
図1の管234内の洗浄液などの、戻る液体流596が、ポート567を通じて往復式流量制御装置550に再び入る。液体流は、制御ブロック570の経路571を通じて流れ、流出する液体流598として(すなわち、
図1の管216内の液体)ポート565を通じて往復式流量制御装置550を出る。
【0080】
図7cは、その第2位置にある(設定ピン580が「in」位置にある)流量制御装置550の平面図である。第2位置において、
図1の管212の液体などの、流入する液体流592が、ポート564を通じて往復式流量制御装置550に入る。液体流は、制御ブロック570の経路574を通じて流れ、流出する液体流594として(すなわち、
図1の管234内の液体)ポート567を通じて往復式流量制御装置550を出る。
図1の管232内の液体などの、戻る液体流596が、ポート566を通じて往復式流量制御装置550に再び入る。液体流は、制御ブロック570の経路572を通じて流れ、流出する液体流598として(すなわち、
図1の管212内の液体)ポート565を通じて往復式流量制御装置550を出る。
【0081】
図1の適用トレー100の液体の往復運動は、往復式流量制御装置550をその第1位置と第2位置との間で切り替えることによって達成される。
【0082】
本発明による往復式流量制御装置の第2の代替実施形態の分解図、加えて斜視図が
図8a及び
図8bにそれぞれ示される。図面は、ハウジング620及び流量制御バレル630を備える往復式流量制御装置610を示す。ハウジング620はポート621、622、623及び624を有する。流量制御バレル630は、ハウジング620の内側壁部によって画定される空間を占め、液体流を分流するための経路633、634、635及び636、並びに位置調節器632を有する。
【0083】
図8cは、その第1位置にある往復式流量制御装置610の側面図である。第1位置において、流入する液体流がポート621を通じて往復式流量制御装置610に入る。液体は、制御バレル630の経路634を通じて流れ、ポート623を通じて往復式流量制御装置610を出る。戻る液体が、ポート624を通じて往復式流量制御装置610に再び入る。液体は、制御バレル630の経路633を通じて流れ、ポート622を通じて往復式流量制御装置610を出る。
【0084】
図示されないが、往復式流量制御装置610は、位置調節器632を90°回転させることによって、その第2位置に配置され得る。第2位置において、流入する液体流がポート621を通じて往復式流量制御装置610に入る。液体は、制御バレル630の経路636を通じて流れ、ポート624を通じて往復式流量制御装置610を出る。戻る液体が、ポート623を通じて往復式流量制御装置610に再び入る。液体は、制御バレル630の経路636を通じて流れ、ポート622を通じて往復式流量制御装置610を出る。
【0085】
図1、2又は3の適用トレー100の液体の往復運動は、往復式流量制御装置610をその第1位置と第2位置との間で切り替えることによって達成される。
【0086】
本発明による往復式流量制御装置の第3の代替実施形態の斜視図及び分解図が、それぞれ
図9a及び
図9bに示される。図面は、キャップ720、分流ディスク730及び基部740を備える往復式流量制御装置710を示す。キャップ720は、キャップポート722及び724を有する。基部740は、基部ポート742及び744を有する。分流ディスク730は、キャップ720と基部740との間に配置され、液体流を分流するためのパネル735及び歯車の形態の位置調節器732を有する。
【0087】
図9cは、その第1位置にある往復式流量制御装置710の平面図である。この位置において、
図1の管212の液体などの、流入する液体流が、基部ポート742を通じて往復式流量制御装置710に入る。
図1の管232の液体などの液体が、キャップポート722を通じて往復式流量制御装置710を出る。
図1の管234の液体などの戻る流体が、キャップポート724を通じて往復式流量制御装置710に再び入る。
図1の管216の液体などの液体が、基部ポート744を通じて往復式流量制御装置710を出る。
【0088】
図9dは、その第2位置にある往復式流量制御装置710の平面図である。この位置において、
図1の管212の液体などの、流入する液体流が、基部ポート742を通じて往復式流量制御装置710に入る。
図1の管234の液体などの液体が、キャップポート724を通じて往復式流量制御装置710を出る。
図1の管232の液体などの戻る流体が、キャップポート722を通じて往復式流量制御装置710に再び入る。
図1の管216の液体などの液体が、基部ポート744を通じて往復式流量制御装置710を出る。
【0089】
図1の適用トレー100の液体の往復運動は、往復式流量制御装置710をその第1位置と第2位置との間で切り替えることによって達成される。キャップポート722及び724、並びに基部ポート742及び744の直径に対するパネル735の幅が、往復式流量制御装置710の性能にとって重要であることが見出された。パネル735の幅が、いずれかの直径と同等以上である場合、キャップポート722及び724、並びに基部ポート742及び744の1つ以上が、往復運動の一部の間において、遮蔽又は分離される場合があり、最適以下の性能又は装置の故障を生じる。この状態を回避するために、パネル735内にチャネルが位置してもよい。
【0090】
本発明による往復式流量制御装置の第4の代替実施形態の斜視図及び側面図が、それぞれ
図10a及び
図10bに示される。図面は、キャップ760、分流ディスク770及び基部780を備える往復式流量制御装置750を示す。キャップ760は、キャップポート762及び764を有する。基部780は、基部上ポート781、782、784及び785、並びに基部下ポート783及び786を有する。基部上ポート781及び782は合流して基部下ポート783を形成し、基部上ポート784及び785は合流して基部下ポート786を形成する。分流器770はキャップ760と基部780との間に配置され、液体流を分流するための二重ギア770a及び770bを有する。
【0091】
図10cは、その第1位置にある往復式流量制御装置750の平面図である。この位置において、
図1の管212の液体などの流入する液体は、基部下ポート783を通じて往復式流量制御装置750に入り、一方で基部上ポート784は遮蔽される。歯車770aは、液体が基部上ポート781を通じて基部780を出るように設定される。
図1の管232の液体などの液体が、キャップポート762を通じて往復式流量制御装置750を出る。
図1の管234の液体などの戻る流体が、キャップポート764を通じて往復式流量制御装置750に再び入る。歯車770bは、液体が基部上ポート785を通じて基部780に入るように設定される。
図1の管216の液体などの液体が、基部ポート786を通じて往復式流量制御装置750を出る。
【0092】
図10dは、その第2位置にある往復式流量制御装置750の平面図である。この位置において、
図1の管212の液体などの、流入する液体流が、基部ポート783を通じて往復式流量制御装置750に入る。歯車770bは、基部上ポート785が遮蔽される間に、基部上ポート782を通じて基部780を出るように設定される。
図1の管234の液体などの液体が、キャップポート764を通じて往復式流量制御装置710を出る。
図1の管232の液体などの戻る流体が、キャップポート762を通じて往復式流量制御装置750に再び入る。歯車770aは、基部上ポート781が遮蔽される間に、基部上ポート784を通じて基部780に入るように設定される。
図1の管216の液体などの液体が、基部ポート786を通じて往復式流量制御装置750を出る。
【0093】
図1の適用トレー100の液体の往復運動は、往復式流量制御装置750をその第1位置と第2位置との間で切り替えることによって達成される。第1位置と第2位置との間にあるとき、流れの交差により最適以下の動作又は装置の故障を生じ得る、流れの遮蔽が排除される。
【0094】
本発明による往復式流量制御装置の第5の代替実施形態の斜視図が
図11aに示される。図は、流路831、832、833、834、835、836、837及び838並びに分流器820を備える往復式流量制御装置810を示す。流路831は、分岐して流路832及び833を形成する。流路834は分岐して流路835及び836を形成する。流路833及び836は合流して流路837を形成し、流路832及び835は合流して流路838を形成する。分流器820は、流路831、832、833、834、835、836、837及び838に隣接するように配置され、かつロッド822、ドライバ824、並びに液体流を分流するための流量制御要素825、826、827及び828を有する。
【0095】
図11bは、その第1位置にある往復式流量制御装置810の平面図である。ドライバ824は、流量制御要素825及び828がそれぞれチャネル833及び835を通じた液体の流れを阻止する一方で、流量制御要素826及び827がそれぞれチャネル836及び832を通じた流れを可能にするように設定される。この位置において、
図1の管212の液体などの流入する液体は、流路831を通じて往復式流量制御装置810に入る。液体は流路832を通じ、流路838へと流れる。
図1の管232の液体などの液体が、流路838を通じて往復式流量制御装置810を出る。
図1の管234の液体などの戻る流体が、流路837を通じて往復式流量制御装置810に再び入る。
図1の管216内の液体など、液体は流路836を通じ、流路834へと流れ、流路834を通じて往復式流量制御装置810を出る。
【0096】
図11cは、その第2位置にある往復式流量制御装置810の平面図である。ドライバ824は、流量制御要素826及び827がそれぞれチャネル836及び832を通じた流れを阻止する一方で、流量制御要素828及び825がそれぞれチャネル833及び835を通じた液体の流れを可能にするように設定される。この位置において、
図1の管212の液体などの流入する液体は、流路831を通じて往復式流量制御装置810に入る。液体は流路833を通じ、流路837内へと流れる。
図1の管234の液体などの液体が、流路837を通じて往復式流量制御装置810を出る。
図1の管232の液体などの戻る流体が、流路838を通じて往復式流量制御装置810に再び入る。
図1の管216内の液体など、液体は流路835を通じ、流路834へと流れ、流路834を通じて往復式流量制御装置810を出る。
【0097】
図1の適用トレー100の洗浄液の往復運動は、往復式流量制御装置810をその第1位置と第2位置との間で切り替えることによって達成される。
【0098】
図4は、本発明による装置を使用するシステムの別の代替実施形態の概略図である。図示されるように、システム10は口腔の複数の表面上に流体を方向付けるための手段(この場合、適用トレー100として示され、ハウジング12内に収容される)、位置センサー24と係合するピストン22を有するピストンポンプ20、論理回路30、電源32、液体供給リザーバ40、液体保持リザーバ42、管52、54、56、58、液体流弁62、64、66、68及び圧力変換器72、74を含む。
【0099】
ハウジング12は、必要な構成要素を保持することができ、必要なコネクタを保持するための手段である。システム10が手持ち式の大きさである実施形態において、ハウジング12は充電基部ステーションに機械的かつ電気的に係合する。
【0100】
示される実施形態において、ポンプ20は複動ピストンポンプの形態で示されるが、一対の単動ポンプ又は他の同等のポンプが使用され得ることが想到される。ポンプが複動ピストンポンプである場合、ポンプはピストン22、第1チャンバ26及び第2チャンバ28を含む。ピストン22は、位置センサー24と係合する。圧力変換器72、74はそれぞれ、第1チャンバ26及び第2チャンバ28の圧力を測定する。
【0101】
液体供給リザーバ40及び液体保持リザーバ42は、ガラス、プラスチック又は金属から作製され得る。供給リザーバ40は、ハウジング12と一体であり、再充填可能であり得る。いくつかの実施形態において、供給チャンバ40は、ハウジング12に取り外し可能に接続された、置換可能な溶液供給源であり得る。保持リザーバ42は、周期(例えば、洗浄周期)の最後に使用された溶液を保存するために使用される。保持リザーバ42はまた、使用された溶液を排出するためのポート又は他の手段(図示されない)を含み得る。
【0102】
以下で記載されるように、管52、54、56、58及び液体流弁62、64、66、68は、ポンプ20、液体供給チャンバ40、液体保持リザーバ42及び適用トレー100を接続する。
【0103】
いくつかの実施形態において、供給リザーバ40及び/又は管52、54は、口腔の複数の表面に適用するために、適用トレー100に方向付ける前に液体を予備加熱するための熱源を含み得る。温度は、使用中にユーザーに快適性を提供するために有効な範囲内に維持されるべきである。
【0104】
電源32は、電気的であり、すなわち置換可能又は充電可能な電池の形態であり得る。
【0105】
適用トレー100はハウジング12と一体であるか、管54、56及び他の取り付け手段(図示されない)により、これに取り外し可能に接続され得る。これは食物微粒子を捕捉するための、容易に洗浄可能なフィルターを内部に備え、1又は2つの側部を有し得る。更に、歯に適用される際、トレー100は、歯肉に対して効果的なフィット又は封止を形成し、口腔の表面に対して液体を方向付けるための手段を含む。
【0106】
使用中、供給リザーバ40内の液体が第1管52を通じてポンプ20の第1チャンバ26に流れる。第1管52を通じた液体流は、第1弁62によって制御される。液体流は、ポンプ20の第1チャンバ26から、第2管54を通じて適用トレー100に流れる。第2弁64は、第2管54を通じた液体流を制御する。液体流は、適用トレー100から、第3管56を通じ、ポンプ20の第2チャンバ28に流れ、第3弁66によって制御される。ポンプ20の第2チャンバ28は、第4管58によって保持リザーバ42に接続する。第4管58を通じた液体流は、第4弁68によって制御される。
【0107】
論理回路30は、周期の開始時に適用トレー100を液体で充填させるプログラムと、周期を実行する、すなわち、液体を口腔の複数の表面(例えば、歯及び歯肉)の周囲で往復運動させ、それによって有益効果(例えば、歯の洗浄)を提供するプログラムと、この周期及び、使用間又はプリセット若しくは自動洗浄期間にシステムを洗浄するための自己洗浄周期の最後に適用トレー100を内容排出するプログラムとを含み得る。論理回路30は、液体の漏れを検出する手段、加えて周期中に比較的一定の容積の液体を保持するために、漏れを補充する手段を含む。
図4に示される実施形態において、液体の漏れを検出する手段は、第1チャンバ26及び第2チャンバ28内にそれぞれ位置する圧力変換器72、74を使用する。
【0108】
図示されないが、一連のスイッチ及びインジケータライトを有するフェースパネルがまた、システム10内に組み込まれ得る。スイッチは、ON/OFF、適用トレー100の充填、往復運動プログラムの実行、システム10の内容排出及びシステム10の洗浄を含むがこれに限定されない。インジケータ、ディスプレイライトは、電源投入、充電、往復運動プログラムの実行、システム内容排出、洗浄結果又はフィードバック及び操作中の自己洗浄周期を含む。適用トレー100への方向付けの前に洗浄液が予備加熱される実施形態において、ディスプレイライトは、液体が使用のために適切な温度にあることを示すために使用され得る。
【0109】
歯を洗浄するためにシステム10を使用する1つの方法は以下である。第1工程において、ユーザーは適用トレー100を口腔内で歯及び歯肉領域の周囲に位置付ける。ユーザーはトレー100を閉じることによって圧力を適用し、それによって歯肉と、歯と、トレー100との間の効果的なフィット又は封止を達成する。ユーザーは、スタートボタンを押して、トレー100の表面と洗浄される歯との間に画定される空間への、洗浄溶液の充填を開始する。論理回路30は、以下の洗浄プロセスを制御する。
1.第1弁62が開き、第2弁64が閉じ、ピストン22がその一番左の位置まで移動し、供給リザーバ40から第1管52を通じてポンプ20の第1チャンバ26内へと液体を引く。
2.第1弁62が閉じる一方で、第2弁64、第3弁66及び第4弁68が開く。ピストン22がその一番右の位置まで移動し、第2管54を通じて適用トレー100へと液体を推進する。
3.適切にシステムを充填するため、圧力変換器72、74両方で既定の圧力が検出され、適切な量の液体がチャンバ26及び28内に収容されたことを示すまで、上記のように工程1及び工程2が繰り返され、液体をポンプ移送する。チャンバ26及び28は、量が使用中の適用トレーを通じた及び口腔の複数の表面の周囲の液体の往復運動を維持するために効果的である限りにおいて、完全に又は部分的に充填され得る。
4.第1弁62及び第4弁68が閉じる一方で第2弁64及び第3弁66は開いたままである。
5.ピストン22は、その左から右の位置、及びその反対へと周期移動し、液体を表面(例えば、適用トレー100内の歯)にわたって前後に循環させるように促進する。
6.圧力変換器72又は74のいずれかによって圧力の損失が検出される場合、工程1〜3が繰り返されて、ポンプ20の第1チャンバ26及び第2チャンバ28の液体の適切な容積を維持する。
7.有益効果(例えば、洗浄)を達成するために必要な時間が経過するまで、周期が完了するまで、又はシステムが圧力を増加させることなく多数回循環し、液体源が使い果たされたことを示すまで、プロセスを実行し続ける。
【0110】
適用トレー100に入る前に液体が予備加熱される実施形態において、温度センサーが回路内に組み込まれてユーザーに溶液が使用するためには冷たすぎることを警告し、溶液の加熱方法が提供される。
【0111】
いくつかの実施形態において、
図5に示されるように、多数の液体源が使用され得る。図は、システム10の液体供給部分のみを示す(
図4)。論理回路30は以下のプロセスを制御する。
1.第1弁62aが開き、弁62b、62c及び第2弁64が閉じ、ピストン22がその一番左の位置まで移動し、供給リザーバ40aから、管52a及び52を通じ、ポンプ20の第1チャンバ26へと液体を引く。
2.第1弁62aが閉じる一方で第2弁64、第3弁66及び第4弁68が開く。ピストン22がその一番右の位置まで移動し、第2管54を通じて適用トレー100へと液体を推進する。
3.システムを完全に充填するため、工程1及び2が繰り返され、圧力が両方の圧力変換器72、74で検出されるまで液体をポンプ移送する。
4.第1弁62及び第4弁68が閉じる一方で第2弁64及び第3弁66は開いたままである。
5.ピストン22は、その左から右の位置へと周期移動し、液体を適用トレー100の口腔の表面にわたって前後に循環するように促進する。
6.圧力変換器72又は74のいずれかで圧力損失する場合、ポンプ20の第1チャンバ26及び第2チャンバ28内で圧力が回復される際に工程1〜3が繰り返されてシステムを再充填する。
7.時間が経過するか、周期が完了するか、又はシステムが圧力を増加させることなく多数回循環し、液体源が使い果たされたことを示すまで、プロセスを実行し続ける。
8.第1弁62aが閉じ、弁62bが開き、弁62cは閉じたままであり、工程1〜7が繰り返され、液体は供給リザーバ40b内にある。
9.第1弁62aが閉じたままであり、弁62bが閉じ、弁62cが開き、工程1〜7が繰り返されて、洗浄溶液は液体供給リザーバ40cにある。
【0112】
この手順は、各供給リザーバに追加的に液体を供給して、無制限に繰り返され得ることに留意するのが重要である。加えて、最終的な液体供給リザーバは水又は他の洗浄液を含んでもよく、かつシステムは洗浄のためにパージされ得る。
【0113】
口腔衛生システムは、基部ステーション、口腔内の複数の表面の周囲の液体の前後運動を提供する手段を含むハンドピース、及び適用トレー又はマウスピースが挙げられるがこれらに限定されないいくつかの主要構成要素を含み得る。システムは家庭用の用途に好適であり、歯の複数の表面上に液体を同時に方向付けるように適合される。装置は洗浄溶液を使用して歯を洗浄し、かつ歯垢を除去し、洗浄溶液は前後に往復運動されて、洗浄周期を生じ、使用する洗浄溶液を最小化する。装置は、手持ち式であり得、又は卓上若しくはカウンタートップ装置の形態であり得る。
【0114】
基部ステーションは、ハンドピース内の再充電電池を充電し、液体リザーバを保持し、診断構成要素を収容し、ユーザーにフィードバックを提供し、場合によりマウスピースを洗浄する。
【0115】
ハンドピースは、リザーバからマウスピースに液体を供給する駆動ポンプを有する。流れ方向は、専用ポンプ(その方向を逆転するなど)、可逆性逆止弁又は他の同様の手段による液体制御弁調節で、往復運動し得る。周期の各段階における周期時間及び流速は可変であり、いくつかの実施形態においては、各個別のユーザーに対してカスタマイズされる。ハンドピースは、充填プロセス、並びに洗浄及び/又はパージプロセスを実行する。ハンドピース及び/又は基部ステーションはプロセスの各段階においてユーザーにフィードバックを提供してもよく、場合によって診断情報を報告してもよい。
【0116】
ハンドピースは審美的に心地の良いものであり、ユーザーの手にとって快適な把持/感触を有する。重量及びバランスは、高質の感触を提供する一方で快適かつ効率的な使用に良好に適している。快適性、把持、感触、並びにハンドピースの適切な位置付け及び把持位置の補助のために、指グリップ及び/又はタッチポイントが適切に位置付けられる。基部ステーションはまた、審美的に心地良いものでありハンドピースが容易かつ確実に適所に結合することを可能にする。基部ステーションは、ハンドピースが一度結合されるとこれを適所に固定しても、しなくてもよい。
【0117】
装置の第3の主要構成要素は、適用トレー又はマウスピースである。
【0118】
図12は、本発明による装置と共に使用される、適用トレー100などの口腔の複数の表面に液体を向けるための手段の第1実施形態の平面斜視図である。
図13は、
図12の適用トレー100の底面斜視図である。図面は、外側前方壁部112、外側後方壁部114、内側前方壁部116、内側後方壁部118及び基底膜(例えば、バイトプレート156)を有する適用トレー100を示す。内側前方壁部ジェットスロット132は、内側前方壁部116上に位置し、一方で内側後方壁部ジェットスロット134は、内側後方壁部118上に位置する。
図12及び
図13に示される内側前方壁部ジェットスロット132及び内側後方壁部ジェットスロット134は、ジェットスロット構成の単に一実施形態である。第1ポート142及び第2ポート144は、外側前方壁部112を通じて適用トレー100に入る。
【0119】
図12及び
図13は、適用トレー100の実施形態を表し、ここでユーザーの上の歯及び下の歯並びに/又は歯肉領域は、所望の有益効果を提供するために液体と実質的に同時に接触する。他の実施形態において、適用トレー100は、ユーザーの上の歯若しくは下の歯及び/又は歯肉領域のみを洗浄及び/又は処理するように設計され得ることが理解される。
【0120】
図14及び
図15はそれぞれ、
図12の適用トレー100の垂直及び水平の断面図である。図面は、外側前方壁部112及び内側前方壁部116によって境界される空間として画定される第1マニホールド146を示す。第2マニホールド148は、外側後方壁部114及び内側後方壁部118によって境界される空間として画定される。液体接触チャンバ(LCC)154は、内側前方壁部116、内側後方壁部118、及び基底膜156によって画定される。
【0121】
動作の一実施形態において、液体が圧力により第1ポート142を通じて第1マニホールド146に入り、その後、内側前方壁部ジェットスロット132を通じてLCC 154に入る。真空が第2ポート144上で引かれ、内側後方壁部ジェットスロット134を通じ、第2マニホールド148内及び最終的には第2ポート144内に液体を引く。この実施形態において、液体ジェットは、LCC 154の一方の側部から、歯及び/又は歯肉領域の前方表面へと向けられ、LCC 154の他方の側部から第2マニホールドへと、歯及び/又は歯肉領域の表面を通じて、その間及びその周囲に方向付けられ、制御された、歯間、歯茎ライン、表面及び/又は歯肉領域の洗浄又は処理を提供する。次に、マニホールド内の流れが逆転される。洗浄液は、圧力によって第2ポート144を通じて第2マニホールド148に入り、その後、内側後方壁部ジェットスロット134を通じてLCC 154に入る。真空が第1ポート142上で引かれて、内側前方壁部ジェットスロット132を通じて第1マニホールド146、及び最終的には第1ポート142内に液体を引く。この実施形態の第2部分において、液体ジェットは歯及び/又は歯肉領域の後方表面上に方向付けられ、歯及び/又は歯肉領域の表面を通じ、この間及び周囲に方向付けられる。多くの周期を通じた交互の圧力/真空は、乱流の、反復可能の及び可逆の流れを生じ、口腔の複数の表面付近に液体の往復運動を提供し、口腔の表面と液体とを実質的に同時に接触させ、それによって所望の有益効果を提供する。
【0122】
別の実施形態において、一方又は両方のマニホールドを通じて液体を同時に供給し、LCC 154に大量の液体送り、一定時間にわたって歯を浸漬し、その後、一定時間の後に一方又は両方のマニホールドを通じてLCC 154を空にすることが好ましい場合がある。ここで、洗浄液又は処理液は圧力により、第1ポート142を通じて第1マニホールド146に、第2ポート144を通じて第2マニホールド148に入り、その後、内側前方壁部ジェットスロット132及び内側後方壁部ジェットスロット134を通じて同時にLCC 154に入る。LCC 154を空にするため、第1ポート142を通じて第1マニホールド146に、第2ポート144を通じて第2マニホールド148に、真空が同時に引かれる。洗浄又は処理液は、内側前方壁部ジェットスロット132及び内側後方壁部ジェットスロット134を通じて、第1マニホールド146及び第2マニホールド148に引かれる。
【0123】
第1マニホールド146及び第2マニホールド148に異なる液体組成物を供給することがまた可能である。改善された洗浄有効性又は処理効果のために、異なる液体組成物が、その後、LCC内で混合し得る。
【0124】
図16は、本発明による装置と共に使用される適用トレー1100の第2実施形態の平面、後方斜視図である。
図17は
図16の適用トレー1100の前方斜視図であり、
図18は
図16の適用トレーの平面図である。図面は適用トレー1100を示し、上部1102、底部1104、第1部分1142、第2部分1144及び上記適用トレーの前部にしっかりと取り付けられた支持プレート1108を有する。第1部分1142及び第2部分1144は、適用トレー1100に入り、支持プレート1108を通じて延びる。
【0125】
任意の急速脱着構造(例えば、返し部)1110が支持プレート1108に取り付けられ、適用トレー1100を、適用トレーに液体を提供する手段(例えば、
図4に示されるような、装置10のハウジング12に収容され得る)に急速及び容易に取り付け、その後、分離することを可能にする。ハウジングは、このような急速脱着返し部又は同様の急速脱着構造を取り付け可能な係合により受容するために効果的な構造を含み、これは適用トレーをハウジングに取り外し可能に接続する。使用された若しくは着用された適用トレーを置換するため、又は別のユーザーのために適用トレーを交換するために、急速脱着オプションは使用され得る。いくつかの実施形態において単一のユーザーが、異なるオプションの流れ特性、例えば、洗浄ノズルの数、ノズル速度、スプレーパターン及び位置、適用範囲など、を変更するために、適用トレーを交換し得る。
【0126】
図16〜19は、適用トレー1100の実施形態を表し、ここでユーザーの上の歯及び下の歯並びに/又は歯肉領域は、液体と実質的に同時に接触する。他の実施形態において、適用トレー1100は、ユーザーの上の歯若しくは下の歯又は歯肉領域を液体と接触させるように設計され得ることが理解されるべきである。
【0127】
上部1102は前方液体ルーメン1102a、1102b、1102c及び1102d、後方液体ルーメン1102e、1102f及び1102g、第1マニホールド1146、第2マニホールド1148、基底膜1156及び後方歯肉封止膜1158を有する。前方液体ルーメン1102a、1102b、1102c及び1102dは全て第1マニホールド1146によって接続され、任意により(
図16〜19に示されるように)、これらの長さの全て又は一部に沿って互いに接続する。同様に、後方液体ルーメン1102e、1102f及び1102gは全て第2マニホールド1148によって接続され、任意により、これらの長さの全て又は一部に沿って互いに接続する。
【0128】
底部1104は、上部1102の鏡像であってもよく、前方液体ルーメン1104a、1104b、1104c及び1104d、後方液体ルーメン1104e、1104f及び1104g、第1マニホールド1146、第2マニホールド1148、基底膜1156及び後方歯肉封止膜1158を有する。前方液体ルーメン1104a、1104b、1104c及び1104dは全て第1マニホールド1146によって接続され、任意により(
図16〜19に示されるように)、これらの長さの全て又は一部に沿って互いに接続する。同様に、後方液体ルーメン1104e、1104f及び1104gは全て第2マニホールド1148によって接続され、任意により、これらの長さの全て又は一部に沿って互いに接続する。
【0129】
図16及び
図17は、4つの前方液体ルーメン(1102a、1102b、1102c及び1102d)及び3つの後方液体ルーメン(1102e、1102f及び1102g)を有する上部1102を示すが、上部1102はまた、2つ、3つ、5つ、6つ又は7つの前方又は後方液体ルーメンで形成されてもよい。同様に、底部1104は4つの前方液体ルーメン(1104a、1104b、1104c及び1104d)及び3つの後方液体ルーメン(1104e、1104f及び1104g)を有するものとして示され、底部1104はまた、2つ、3つ、5つ、6つ又は7つの前方又は後方液体ルーメンで形成され得る。
【0130】
上記の液体接触チャンバ(LCC)1154aは、前方液体ルーメン(1102a、1102b、1102c及び1102d)、後方液体ルーメン(1102e、1102f及び1102g)、基底膜1156、及び歯肉封止膜1158によって画定される上部1102に位置する。図示されないが、底部1104はまた、前方液体ルーメン(1104a、1104b、1104c及び1104d)、後方液体ルーメン(1104e、1104f及び1104g)、基底膜1156及び後方歯肉封止膜1158によって画定されるLCC 1154bを有する。
【0131】
複数ルーメン設計は、流れ及び真空のための双方向又は専用ルーメンを提供し、これらは自己強化性であり、したがって使用中に真空下で崩壊するか、又は圧力下で破裂せず、構造的一体性を最大化する一方で、挿入中、使用中及び除去の際にユーザー快適性のために、全体的な適用トレー1100の大きさを最小化する。この低減した大きさはまた、口腔内の適用トレーの向上した効果的な封止を提供する。
【0132】
多数のルーメン(1102a、1102b、1102c、1102d、1102e、1102f、1102g、1104a、1104b、1104c、1104d、1104e、1104f及び1104g)は、上記のように接続され、これらはルーメンヒンジ区分(
図17の1103)を形成する。これは、各ルーメンの間のルーメンヒンジ区分1103の柔軟性のために、X、Y及びZ方向への適合性を提供する複数ルーメン設計を生じ得る。この設計は、様々な異なるユーザーの歯及び歯肉のトポグラフィーへの効果的及び実行可能な適合性を可能にし、歯肉を刺激することなく効果的な歯肉の封止を提供し、それぞれの歯の周囲での液体洗浄ジェットの動的な位置付けを可能にし、近位及び歯間洗浄作用を得る。複数のルーメンがまた第1マニホールド1146及び第2マニホールド1148に取り付けられる。これは、生じ得る異なる咬合に適応するため、更なる2段階の動きを提供する、二次可撓性関節部を形成する。
【0133】
後方歯肉封止膜1158は、可撓性及び自在封止機構を提供し、口腔内への漏れを最小化する一方で、流れを歯の上及び周囲に向け直し、届きにくい場所(HTRP)に達する処理/洗浄領域を最大化する。膜は歯及び歯肉の周囲に形成するために、ルーメン長手方向軸にわたり弾性機能を提供し得る。
【0134】
基底膜1156は、口腔内の効果的なフィット又は封止に必要とされる可撓性を提供し、ジェットが歯及び/又は歯肉表面に戻るように向け直され、流れることを可能にする。
【0135】
任意により、適用トレー1100はまた、必要に応じて歯肉封止構成要素を含む場合があり、これは前方液体ルーメン1102a、1102b、1104a及び1104b及び後方液体ルーメン1102e及び1104e(歯から最も遠い部材)に取り付けられ得る。
【0136】
任意により、フィラメントタフトなどの摩擦要素はまた、顕著に適用トレー1100の大きさを増加させるか、又はユーザー快適性若しくは適用トレー1100内の液体流に影響することなく、ルーメンヒンジ区分1103のいずれかを通じて配置又は固定され得る。
【0137】
内側前方壁部ジェットスロット1132は上部1102及び底部1104の内側前方壁部上に位置し、一方で内側後方壁部ジェットスロット1134は上部1102及び下部1104の内側後方壁部上に位置する。1つの内側前方壁部ジェットスロット1132及び内側後方壁部ジェットスロット1134が
図13〜16に示され、内側前方壁部ジェットスロット1132及び内側後方壁部ジェットスロット1134の数、形状及び大きさは、歯及び歯肉の洗浄に影響し、洗浄液のジェットを様々なスプレーパターンに方向付けるように設計され得る。
図16〜
図19に示される内側前方壁部ジェットスロット1132及び内側後方壁部ジェットスロット1134は、ジェットスロット構成の単に一実施形態である。
【0138】
図16及び
図17は、適用トレー1100の実施形態を表し、ここでユーザーの上の歯及び下の歯並びに/又は歯肉領域の表面は、所望の有益効果を提供するために液体と実質的に同時に接触する。他の実施形態において、適用トレー1100は、ユーザーの上の歯若しくは下の歯及び/又は歯肉領域とのみ接触するように設計され得ることが理解されるべきである。
【0139】
図19は、
図16の適用トレー1100の表面を一部切り取った図である。図はマニホールド1146及び第2マニホールド1148を示す。洗浄操作の一実施形態において、洗浄液は、第1ポート1142を通じてポンプ移送され、第1分流器1143を通じて第1マニホールド1146に入る。液体は、前方液体ルーメンポート1147を通じて、前方液体ルーメン1102a、1102b、1102c、1102d、1104a、1104b、1104c及び1104dに入る。洗浄液はその後、内側前方壁部ジェットスロット1132を通じてLCC 1154a及び1154bに入る。真空が第2ポート1144上で引かれ、内側後方壁部ジェットスロット1134を通じて、後方液体ルーメン1102e、1102f、1102g、1104e、1104f及び1104g内に洗浄液を引く。液体は、後方液体ルーメンポート1149を通じて第2マニホールド1148に入り、次に第2分流器1145を通じ、最終的には第2ポート1144に入る。
【0140】
この実施形態において、洗浄液のジェットは最初に、LCCの一方の側から、第1マニホールド1146から歯及び/又は歯肉領域の前方表面に方向付けられ、LCCの他方の側から第2マニホールド1148へと、歯及び/又は歯肉領域の表面を通じて、その間及びその周囲に方向付けられ、制御された、歯間、歯茎ライン、表面及び/又は歯肉領域の洗浄又は処理を提供する。
【0141】
次に、マニホールド内の流れが逆転される。洗浄液が第2ポート1144を通じてポンプ移送され、第2分流器1145を通じて第2マニホールド1148に入る。液体は、後方液体ルーメンポート1149を通じて後方液体ルーメン1102e、1102f、1102g、1104e、1104f及び1104gに入る。洗浄液はその後、内側後方壁部ジェットスロット1134を通じてLCC 1154a及び1154bに入る。真空が第1ポート1142に引かれ、内側前方壁部ジェットスロット1132を通じて、前方液体ルーメン1102a、1102b、1102c、1102d、1104a、1104b、1104c及び1104dに洗浄液を引く。液体は前方液体ルーメンポート1147を通じて第1マニホールド1146に入り、その後、分流器1143を通じて最終的に第1ポート1144に入る。
【0142】
この実施形態の第2部分において、洗浄液のジェットは歯及び/又は歯肉領域の後方表面上に方向付けられ、歯及び/又は歯肉領域の表面を通じ、この間及び周囲に方向付けられる。多くの周期を通じた交互の圧力/真空は、乱流の、反復可能の及び可逆の流れを生じ、口腔の複数の表面付近に液体の往復運動を提供し、口腔の表面と液体とを実質的に同時に接触させ、それによって所望の有益効果を提供する。
【0143】
別の実施形態において、一方又は両方のマニホールドを通じて液体を同時に供給し、LCC 1154a及び1154bに大量の液体送り、一定時間にわたって歯を浸漬し、その後、一定時間の後に一方又は両方のマニホールドを通じてLCCを空にすることが好ましい場合がある。ここで、洗浄又は処理液は、第1ポート1142を通じて第1分流器1143を介して第1マニホールド1146に、かつ第2ポート1144を通じて第2分流器1145を介して第2マニホールド1148に同時にポンプ移送される。液体はその後、前方液体ルーメンポート1147を通じて前方液体ルーメン1102a、1102b、1102c、1102d、1104a、1104b、1104c及び1104dに、後方液体ルーメンポート1149を通じて後方液体ルーメン1102e、1102f、1102g、1104e、1104f及び1104gに、同時に入る。洗浄液はその後、内側前方壁部ジェットスロット1132及び内側後方壁部ジェットスロット1134を通じてLCC 1154a及び1154bに入る。LCCを空にするため、第1ポート1142を通じて第1マニホールド1146に、第2ポート1144を通じて第2マニホールド1148に真空が同時に引かれる。洗浄又は処理液は、内側前方壁部ジェットスロット1132及び内側後方壁部ジェットスロット1134を通じて、第1マニホールド146及び第2マニホールド148に引かれる。
【0144】
第1マニホールド1146及び第2マニホールド1148に異なる液体組成物を供給することがまた可能である。改善された洗浄有効性又は処理効果のために、異なる液体組成物がその後、LCC内で混合し得る。デュアルマニホールド設計においては、各マニホールドに別個の液体供給リザーバから供給することが好ましい場合があり(例えば、複動ピストンポンプ構成)、一方の供給ラインが第1マニホールド1146に供給するように接続し、他方のピストン供給ラインが第2マニホールド1148に液体を供給しここから取り除く(例えば、一方のマニホールドが液体を供給され、第2マニホールドが液体を取り除く、及びその逆)。
【0145】
他の実施形態において、前方液体ルーメン1102a、1102b、1102c、1102d、1104a、1104b、1104c及び1104dの前方液体ルーメンポート1147に、又は後方液体ルーメン1102e、1102f、1102g、1104e、1104f及び1104gの後方液体ルーメン1149に弁が配置されて、ルーメンを異なる時期に(洗浄/処理周期の異なる時点において)パルス間隔で係合させることにより、改善された機能を提供する。例として、一実施形態において、全てのルーメンが液体ポンプ/真空機能と関わらない。主に歯肉と係合する、前方液体ルーメン1102a及び1104a、並びに後方液体ルーメン1102e及び1104eは、液体真空機能とのみ関わる。これは、液体の口腔内への漏れを防ぐために役立つ。弁はまた、可変の流れを可能にし、液体シンク機能に対するより低い抵抗を可能にし、液体供給中におけるより少ないポンプ移送及びしたがって液体速度を可能にする。
【0146】
更に他の実施形態において、個別の内側前方壁部ジェットスロット1132又は内側後方壁部ジェットスロット1134は、ダックビル弁又は傘状弁などの一体化された一方向弁を有してもよく、これらの特定のジェットからの一方向のみの流れを可能にする。これは、LCC内の圧力/供給に対して真空を増加させるために有効であり得る。
【0147】
いくつかの実施形態において、上記の摩擦要素の歯に対する移動は、液体(ジェットスロット又は乱流による)、可撓性適用トレー1100の脈動による膜の移動、摩擦要素を振動させるための外部振動機構、ユーザーの顎の動き又は外部駆動手段による歯の周囲の適用トレー1100の線形又は回転移動が挙げられるがこれらに限定されない単一又は組み合わせた機構によって適用され得る。
【0148】
他の実施形態において、ゲルなどの柔軟性のある基材が、後方歯肉封止膜1158の近位に配置されてもよく、適用トレー1100が、口の奥に快適にフィットすることを可能にする。あるいは、適用トレー1100の端部は、マウスピースの長さを各個別のユーザーのための適切な長さに延長又は減少させるための機構又は取り付け部材を有してもよく、セミカスタムフィットを提供する。
【0149】
複数ルーメン設計の製造は、押出成形、射出成型、真空、吹込み又は圧縮成形などの既存の利用可能な製造及び組み立てプロセスを利用して実行可能である。他の実行可能な技術としては、急速原型製造技術、例えば3D印刷及び他の加法技術加えて減法技術が挙げられる。
【0150】
適用トレーは、各個別のユーザーのためにカスタム製造されてもよく、又は個別のユーザーによって使用前にカスタム可能であってもよい。適用トレーのカスタム製造のために、真空成形型がユーザーの歯及び歯肉印象から直接又は間接的に作製されてもよく、これは歯の模型を形成し、次に必要なクリアランス及び流路を形成するために修正され得る。これらの真空成型型は、CAD及び急速原型製造プロセスを使用して低費用で作製することができる。
【0151】
1つの作製方法は、真空成型を通じて個別の構成要素シェルを作製することである。低費用の方法により、非常に薄い壁部構造の真空成型が可能である。構成要素の形状は、適用トレーの大きさの最小化を可能にする連結機構及び構造的形状を提供するように設計される。組み立てられるとき、製造された構成要素は、必要なマニホールド及び流れ構造(双方向及び/又は専用マニホールド)を形成し、歯を処理/洗浄するために必要な性能特性を提供する。
【0152】
カスタマイズされたマウスピースは、ユーザーの歯の形状に基づいており、したがってマウスピースと歯との間の一定の距離を生成し、より一定した洗浄/処理経験を提供し得る。二部分シェルのそれぞれの材料は異なってもよく、したがって、これが歯/歯肉と接触する部分における柔軟な材料(内部シェル上)、及び外部シェル上における、剛性及び全体形状を維持するためのより硬い材料を可能にする。
【0153】
カスタマイズ可能な適用トレーにおいて、予備製造されたマニホールド、ノズル及びチャネルを含むトレー予備成形品(スポーツガード又は歯ぎしり装具と同様)は大量生産される。トレー予備成形品は、吹込み成形、真空成型、射出成型及び/又は圧縮成形が挙げられるがこれらに限定されない様々な既知の製造技術によって製作され得る。予備成形品に使用される材料は、低温で変形可能なプラスチック材料である。予備成形品は、必要なクリアランス、洗浄及び/又は処理性能を提供するために、歯の上に適用される必要なスペーサーと共に使用される。一度クリアランス構成要素が歯に適用されると、柔軟にするために予備成形品は電子レンジによって又は熱湯の中に配置することによって加熱される。柔軟な予備成形品は、ユーザーの歯及び歯肉領域上に適用されて、カスタマイズされた適用トレーを生じる。
【0154】
適用トレーは、適用中及び使用中の、位置付け、快適性及び性能を最大化するための弾性適合性を可能にするため、圧迫機構と一体化され得る。例えば、ばね様要素、例えば、シム(shins)、クリップ及び弾性バンドが、歯肉上及び歯肉に対するフィットを提供し得る。
【0155】
MPルーメンの材料は、より低いジュロ硬度の可撓性材料(25ショアA)から、より硬い材料より剛性の材料(90ショアA)の範囲であり得、好ましくは40〜70ショアAである。
【0156】
材料は、所望の設計及び性能属性を達成するため、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリウレタン(PU)、又は多成分(材料及び硬度の組み合わせ)であり得る。
【0157】
ジェット開口部又はスロットは、穴あけ又は穿孔などの二次操作によって作製され得るか又は成形中に形成され得る。あるいは、ジェット開口部又はスロットは適用トレーに挿入されて、増加した耐摩耗性及び又は異なるジェット性能特性を提供する場合があり、摩擦洗浄要素又は他の構成要素と組み合わされて洗浄及び/又は処理効果を向上させ得る。
【0158】
図20〜23は、適用トレー1200の実施形態を表し、ここではユーザーの上の歯又は下の歯及び歯肉領域のみが液体と接触する。他に記載されるように、他の実施形態において、適用トレー1200はユーザーの上の歯及び下の歯両方、並びに歯肉領域に実質的に同時に接触するように設計され得ることが理解されるべきである。
【0159】
図20は、本発明による装置と共に使用される適用トレー1200の第3実施形態の平面、前方斜視図である。
図21は、
図20の適用トレー1200の実施形態の平面後方図であり、
図22は、
図20の適用トレー1200の底面後方図である。図面は、外側前方壁部1212、外側後方壁部1214、内側前方壁部1216及び内側後方壁部1218を有する適用トレー1200を示す。内側前方壁部ジェットスロット1232は、内側前方壁部1216上に位置し、一方で内側後方壁部ジェットスロット1234は、内側後方壁部1218上に位置する。第1ポート1244及び第2ポート1242は、外側前方壁部1212を通じて適用トレー1200に入る。
【0160】
図20〜23に示されるように、内側前方壁部ジェットスロット1232及び内側後方壁部ジェットスロット1234の数及び位置は、代表的であり、本適用トレーの範囲を制限することを意図しない。内側前方壁部ジェットスロット1232及び内側後方壁部ジェットスロット1234の実際の数、形状及び大きさは、歯及び歯肉の洗浄に影響し、洗浄液のジェットを様々なスプレーパターンで方向付けるように選択又は設計され得る。
図20〜
図22に示される内側前方壁部ジェットスロット1232及び内側後方壁部ジェットスロット1234は、ジェットスロット構成の単に一実施形態である。
【0161】
図23は、
図20の適用トレー1200の垂直断面図である。図面は、外側前方壁部1212及び内側前方壁部1216によって境界される空間として画定される第1マニホールド1246を示す。第2マニホールド1248は、外側後方壁部1214及び内側後方壁部1218によって境界される空間として画定される。液体接触チャンバ(LCC)1254は、内側前方壁部1216、内側後方壁部1218及び内側基底壁部1250によって画定される。
【0162】
動作の一実施形態において、洗浄液は圧力によって第1ポート1244を通じて第1マニホールド1246に入り、その後、内側前方壁部ジェットスロット1232を通じてLCC 1254に入る。真空が第2ポート1242に引かれ、内側後方壁部ジェットスロット1234を通じて第2マニホールド1248に、最終的には第2ポート1242に洗浄液を引く。この実施形態において、洗浄液のジェットは、LCCの一方の側部から、歯の前方側面へと向けられ、LCCの他方の側部から第2マニホールドへと、歯を通じて、その間及びその周囲に方向付けられ、制御された、歯間、歯茎ライン、表面及び/又は歯肉領域の洗浄を提供する。次に、マニホールド内の流れが逆転される。洗浄液は、圧力によって第2ポート1242を通じて第2マニホールド1248に入り、その後、内側後方壁部ジェットスロット1234を通じてLCC 1254に入る。真空が第1ポート1244上で引かれて、内側前方壁部ジェットスロット1232を通じて第1マニホールド1246、及び最終的には第1ポート1244内に洗浄液を引く。この実施形態の第2部分において、洗浄液のジェットは歯の後方側面上に方向付けられ、歯及び/又は歯肉領域を通じ、この間及び周囲に方向付けられる。多くの周期を通じて圧力/真空を交互に生じることにより、乱流の、反復可能の及び可逆の流れを生じ、それによって口腔の表面の上及び周囲に液体の往復運動を提供する。
【0163】
第1マニホールド1246及び第2マニホールド1248に異なる液体組成物を供給することがまた可能である。改善された洗浄有効性のために、異なる液体組成物がその後、LCC内で混合し得る。デュアルマニホールド設計においては、各マニホールドに別個のチャンバから供給することが好ましい場合があり(例えば、複動ピストンポンプ構成)、一方の供給ラインが第1マニホールド1246に供給するように接続し、他方のピストン供給ラインが第2マニホールド1248に供給しここから取り除く(一方のマニホールドが供給され、第2マニホールドが取り除く、及びその逆)。
【0164】
本発明の手持ち式装置の実施形態が、
図24a〜24eに示される。
図24aはハンドピース3000の分解図であり、これは適用トレーに液体をポンプ移送し、及びここから液体を引き、したがって適用トレーとの間に液体の往復運動を提供する。この実施形態において、装置3000は、ポンプ区分、真空区分、往復運動区分、並びにポンプ移送及び駆動区分を有するように、モジュラー方式で設計される。モジュラー構成は、より容易な製造設計(DFM)を可能にし、組み立て及び修理が容易である。実施形態はまた、装置の大きさ加えて動作に使用される液体量を最小化するように設計される。
【0165】
装置3000は、排出パイプ3010a及び3010b、往復運動流量制限装置710、入口ディスク上方区分3050、入口ディスク下方区分3090、起泡破裂プレート3115及び供給円筒充填管3112を有する供給円筒スリーブ3110、セパレータプレート3210、3310、真空端部ディスク3250、3290、真空ピストン3270、真空円筒スリーブ3410、ピストンロッド3460、インデックスシャフト3470並びに分流器駆動歯車3472を含む。
【0166】
装置3000のポンプ区分の分解図が
図24bに示される。図は往復運動流量制限装置710のキャップ720に取り付けられた出口パイプ3010a、3010bを示す。歯車の形態の位置調節器732を有する分流ディスク730が、キャップ720内に配置され、基部740上に位置する。Oリング736が、分流ディスク730と基部740との間にある。基部ポート742及び744は、基部740を通っている。液体流を分流するためのパネル735は、分流ディスク730内に配置される。入口ディスク上方区分3050は、入口ディスク上方区分ポート3051、3052、3053及び3054を有し、封止ガスケット3030によって基部740から分離している。入口ディスク下方区分3090は、入口ディスク下方区分ポート3091、3092、3095、3096を有する。二重フラップ弁3070は、入口ディスク上方区分3050と入口ディスク下方区分3090との間にあり、二重フラップ弁3070の2つのフラップが入口ディスク下方区分ポート3091及び3092の上、並びに入口ディスク上方区分ポート3052及び3053の下にある。入口ディスク下方区分ポート3091は、一方向弁3093を含み、液体が入口ディスク上方区分ポート3052から二重フラップ弁3070を通じて入口ディスク下方区分ポート3091に流れることを可能にする。入口ディスク下方区分ポート3092は、一方向弁3094を含み、液体が入口ディスク下方区分ポート3092から二重フラップ弁3070を通じて入口ディスク上方区分ポート3053に流れることを可能にする。入口ディスク下方区分3090は、供給円筒スリーブ3110の上部に配置される。供給装置が供給円筒スリーブ3110に沿って配置される一方で、供給ピストン3130は、供給円筒スリーブ3110によって画定される容積内に配置される。起泡破裂プレート3115は、円筒スリーブ3110の周囲に配置される。供給容積3114は、供給円筒スリーブ3110から供給ピストン3130の容積を除したものとして定義される容積である。
【0167】
図24cは、装置3000の真空区分の分解図である。図は、セパレータプレート3210を示し、セパレータプレートポート3212及び3214は、真空端部ディスク3250の上部に配置される。真空端部ディスク3250は、真空端部ディスクポート3251及び3252を有する。フラップ弁3230a及び3230bは、セパレータプレート3210と真空端部ディスク3250との間にある。フラップ弁3230a及び3230bは、真空端部ディスクポート3251及び3252の上、並びにセパレータプレートポート3212及び3214の下にある。真空端部ディスクポート3251は一方向弁3253を含み、液体が真空端部ディスクポート3251からフラップ弁3230aを通じてセパレータプレートポート3214に流れることを可能にする。真空端部ディスクポート3252は一方向弁3254を含み、液体がセパレータプレートポート3212からフラップ弁3230bを通じて真空端部ディスクポート3252に流れることを可能にする。真空端部ディスク3250の下に配置される真空ピストン3270は、ピストンロッド孔3272を含み、ここをピストンロッド3460が通過する。真空ピストン3270の下には真空端部ディスク3290があり、これはセパレータプレート3310の上部に配置されている。真空端部ディスク3290は、真空端部ディスクポート3291及び3292を有する。セパレータプレート3310は、セパレータプレートポート3312及び3314を有する。フラップ弁3230c及び3230dは、真空端部ディスク3290とセパレータプレート3310との間、真空端部ディスクポート3291及び3292の上、並びにセパレータプレートポート3312及び3314の下にある。真空端部ディスクポート3291は、一方向弁3293を含み、液体が真空端部ディスクポート3291から、フラップ弁3230cを通じてセパレータポート3314の方に流れることを可能にする。真空端部ディスクポート3292は一方向弁3294を含み、液体がセパレータプレートポート3312からフラップ弁3230dを通じて真空端部ディスクポート3292に流れることを可能にする。
【0168】
図24dは、装置3000のポンプ区分及び駆動区分の駆動システムの側面図である。モーター3420はシャフト3422を駆動し、シャフト3422は、クランクシャフトアーム3430a及び3430b、並びにウォームギア3450に連結される。クランクシャフトアーム3430a及び3430bは、クランクシャフト連結アーム3435に連結され、これはピストンロッド3460に連結される。ピストンロッド3460が真空ピストン3270、及び(図示されないが)供給ピストン3130に取り付けられる。インデックスシャフト3470はウォームギア3450と接触しており、分流歯車3472に連結される。シャフト3412が回転するときクランクシャフトアーム3430a、3430b及びクランクシャフト連結アーム3435がシャフト3422の回転運動を、ピストンロッド3460の線形往復運動に変換し、それによって真空ピストン3270及び供給ピストン3130が上下に移動する。同時に、ウォームギア3450がシャフト3422の回転運動をインデックスシャフト3470の回転運動に変換する。インデックスシャフト3470は分流駆動歯車3472を回転させ、これは往復式流量制御装置710の位置調節器732に連結されている。
【0169】
図24eは、装置3000の表面を一部切り取った図であり、ポンプ区分、真空区分、並びにポンプ及び駆動区分の構成要素間の空間的関係を示す。円筒容積3412は、ポンプ区分、真空区分、並びにポンプ及び駆動区分の構成要素が占めていない、真空円筒スリーブ3410の容積であり、示される実施形態の液体リザーバとして機能する。装置3000の一般的な操作は以下である。
1.装置3000に洗浄液が十分に充填される。液体は最初、真空円筒スリーブ3410の円筒容積3412内に位置する。
2.ユーザーが、例えば適用トレー100又は1100など、適用トレーの任意の実施形態をその口内に挿入する。装置3000がセンサー(圧力センサー、近接センサーなど)によって起動され得るか又は装置はユーザーによって起動され得る。洗浄周期が開始される。
3.ピストンロッド3460の「下方ストローク」により、供給ピストン3130は、円筒容積3412の底部から液体を引く。液体は、供給円筒充填管3112、入口ディスク下方区分ポート3095、入口ディスク上方区分ポート3051、入口ディスク上方区分ポート3052、二重フラップ弁3070及び入口下方区分ポート3091の一方向弁3093を通じ、供給容積3114内へと流れる。供給円筒充填管3112の入口ポート3116が管の下部に位置し、洗浄/処理のために必要な合計液体量を最小化し、供給容積3114内に空気を引き込むことを避けることが好ましい。
4.ピストンロッド3460の「上方ストローク」により、供給ピストン3130が、一方向弁3094を有する入口ディスク下方区分ポート3092を通じて液体を推進する。液体は、二重フラップ弁3070を通じ、入口ディスク上方区分ポート3053を通じ、最終的に往復式流量制御装置710の基部ポート742を通じて流れる。
5.往復式流量制御装置710を通じた液体流は、
図9c及び
図9dを使用して既に記載された。要するに、往復式流量制御装置710がその第1位置(
図9c)にあるとき、入口ディスク上方区分3053から流入する液体が基部ポート742を通じて往復式流量制御装置710に入る。液体はキャップポート722を通じて往復式流量制御装置710を出て、出口パイプ3010bに流入する。出口パイプ3010aを通じて流入する、戻る液体がキャップポート724を通じて往復式流量制御装置710に再び入る。液体は基部ポート744を通じて往復式流量制御装置710を出る。往復式流量制御装置710がその第2位置(
図9d)にあるとき、入口ディスク上方区分3053から流入する液体が基部ポート742を通じて往復式流量制御装置710に入る。液体はキャップポート724を通じて往復式流量制御装置710を出て、出口パイプ3010aに流入する。出口パイプ3010bを通じて流入する、戻る液体がキャップポート722を通じて往復式流量制御装置710に再び入る。液体は基部ポート744を通じて往復式流量制御装置710を出る。
図1の適用トレー100の洗浄液の往復運動は、往復式流量制御装置710をその第1位置と第2位置との間で切り替えることによって達成される。
図24dに示されるように、往復運動流量制御装置710のその第1位置と第2位置との間の切替は、シャフト3422の回転運動をインデックスシャフト3470の回転運動に変換するウォームギア3450によって達成される。インデックスシャフト3470は分流駆動歯車3472を回転させ、これは往復式流量制御装置710の位置調節器732に連結されている。この実施形態においては連続的に回転するものとして示されるが、往復式流量制御装置710は、別のモーターなどの別個の手段によって駆動されてもよい。また、往復式流量制御装置710をその第1位置と第2位置との間で切り替えるための時間間隔は、いくつかの実施形態において約1〜約100秒、又は約2〜約10秒であり得、洗浄/処理の結果にわたって変化してもよい。
6.本実施形態において、装置3000の真空区分は、ピストンロッド3460の「上方ストローク」及び「下方ストローク」両方の間に有効である。真空ピストン3270は、複動式であり、真空ピストン3270の上方及び下方ストロークの両方によって適用トレー100から液体を引く。往復式流量制御装置710の基部ポート744を通じて流れる液体は、入口ディスク上方区分ポート3054を通じて流れ、入口ディスク下方区分ポート3096を通じて継続し、真空戻り管3411に到達する。真空戻り管3411の液体はその後、真空容量3275a及び3275bに引かれる。真空容積3275aは、真空端部ディスク3250と真空ピストン3270との間の容積である。真空容積3275bは、真空端部ディスク3290と真空ピストン3270との間の容積である。ピストンロッド3460の「上方ストローク」の間、真空戻り管3411の液体はセパレータプレートポート3312を通じて引かれ、フラップ弁3230d、一方向弁3294及び真空端部ディスクポート3292を通じて流れ、真空容積3275bに到達する。ピストンロッド3460の「下方ストローク」の間、真空戻り管3411の液体はセパレータプレートポート3212を通じて引かれ、フラップ弁3230b、一方向弁3254及び真空端部ディスクポート3222を通じて流れ、真空容積3275aに到達する。上記のようにこの実施形態における真空ピストン3270は複動式であり、真空ピストン3270の上方ストローク及び下方ストロークの両方において、適用トレー100から液体を引く。したがって、真空容積3275bが真空戻り管3411から液体を引いている間、真空容積内3275aの液体が円筒容積3412にポンプ移送されている。逆に、真空容積3275aが真空戻り管3411から液体を引いている間、真空容積内3275bの液体が円筒容積3412にポンプ移送されている。ピストンロッド3460の「上方ストローク」の間、真空容積3275aの液体が、真空端部ディスクポート3251を通じてポンプ移送され、一方向弁3253、フラップ弁3230a及びセパレータプレートポート3214を通じて流れ、円筒容積3412に到達する。ピストンロッド3460の「下方ストローク」の間、真空容積3275bの液体が、真空端部ディスクポート3291を通じてポンプ移送され、一方向弁3293、フラップ弁3230c及びセパレータプレートポート3314を通じて流れ、円筒容積3412に到達する。
7.周期はピストンロッド3460の「上方ストローク」及び「下方ストローク」を含む周期を継続し、装置3000を通じた液体の移動は、上記の工程3〜6の通りである。
【0170】
真空容積3275a及び3275bの合計容積と、供給容積3114との比率は、例えば、1:1、任意により約3:1以上、又は約4:1以上など、任意の範囲であり得る。供給ピストン3130は、ポンプ/真空周期の「半分」にわたってのみ液体を供給する一方で、真空ピストン3270は周期全体にわたって機能するため、適用トレー100に供給される液体量と、適用トレー100から引かれる液体量の比は、1周期当たり8:1である。複動真空ピストン3270はまた、ストロークの半分の間に真空を提供し、ここで供給ピストン3130は液体を供給せず、適用トレー100から液体を回収し、加えて適用トレー100から口腔内に漏れた追加的な液体を排除する機会を増す。試験は、1ストローク当たりの液体吸引と液体供給の最小の体積比3:1を示し、これは、トレーが縁部歯肉封止(これは自在(広範な人々にフィットするように設計されている)適用トレー100設計の実施形態において生じ得る)を有する際に適用トレー100から口腔内への漏れを最小化するために必要な真空を提供した。
【0171】
いくつかの実施形態において、真空ポンプ3270は単動式である。しかしながら、複動真空ピストン3270は、いくつかの利点を示し得る。
【0172】
いくつかの実施形態において、円筒容積3412は、発泡を低減するための空気分離器を有し得る。また、ポンプ/真空システムが圧力過剰になるか固着/故障しないように、通気口が必要とされることがある。液体が通気口から飛散することを避けるため、通気口が円筒容積3412のセパレータプレートポート3214及び3314の出口と反対側にあってよい。加えて、液体が通気口から飛散する可能性を更に低減するため、円筒容積3412を2つの半体に分割する壁部が存在してもよい。
【0173】
一般的に、円筒容積3412は、供給システムから引かれるよりも多くの液体が真空システムから円筒容積3412に供給されるため、通気口を付される。過剰分(空気)が、円筒容積3412の通気口から排出される。通気口は、傘状弁(これにより空気は逃れることができるが、同じ開口部からリザーバに入ることはできない)若しくは双方向弁などの弁、又は通気孔を使用し得る。通気口を通じた液体の損失を更に低減するため、円筒容積3412を二部分に分割するための壁部が使用され得る。一方の側面は供給ラインを含み、他方の側面は通気口を含む。円筒容積3412内の液体からの空気の分離を最適化するため、リザーバ内、供給ラインの下に空気分離器が配置され得る。液体が供給ラインから円筒容積3412内に落ちると、これは、孔を有する中実プレートであり得る空気分離器を通過する。これは液体が通過するのを可能にする一方で、連行空気を排除し、2つの液体状態(液体と空気)の分離を助ける。空気分離器は、孔を有する角度付き中実棚、らせん状傾斜面、孔を有するらせん状傾斜面、孔を有する2つ以上の段階の角度付き棚、多数のらせん状傾斜面(ねじの多数の開始点と同様(ボトルキャップなど))、液体が落ちる際に接触する不規則に位置するボスなどの様々な設計を有してもよく、分離を補助する。
【0174】
一実施形態において、手持ち式装置は、再充電可能な電池を有する内蔵型携帯ユニットであり、液体供給のためのモーター駆動ピストンポンプを有し、液体流を制御するための機構を有し、温度を特定の範囲内に維持し、モジュラー型の設計であり、ユーザーの手に非常に適した人間工学性を有する。ハンドピースが基部ステーション内にあるとき、これは電池を再充電し、基部ステーション内の液体リザーバからハンドピース内の液体リザーバを再充填し、基部ステーションとサンプル及び/又は診断情報を交換する。これはまた洗浄プロセスを経てもよい。
【0175】
図25a〜25dは、歯洗浄システム2000の実施形態の表現例を示す。図は、歯洗浄システム2000を示し、手持ち式装置2220、基部ステーション2240及び基部ステーション液体リザーバ2250を示す。基部ステーション液体リザーバ2250は、装置2220内の液体リザーバを再充填するために使用される。適用トレー2100は、装置2220に取り付けられるものとして示される。
【0176】
この実施形態において、基部ステーション液体ポート2245は、これを通じて洗浄液又は処理液が基部ステーション液体リザーバ2250から装置2220内の液体リザーバに通過する導管である。液体は基部ステーション液体リザーバ2250を出て基部ステーション液体リザーバポート2255を通じ、ポート2225を通じて装置2220内の液体リザーバに入る。
【0177】
基部ステーション2240内にあるとき、装置2220の内部電池は再充電され、装置2220内の液体リザーバは基部ステーション2240内の液体リザーバから再充填される。装置2220内のいずれかの診断情報が、基部ステーション2240と交換される。装置2220また洗浄プロセスを経てもよい。
【0178】
他の実施形態において、逆止弁を有するピストンポンプは、液体供給のために使用される。
【0179】
更に他の実施形態において、回転ピストンポンプが液体供給のために使用される。ポンプは当業者にとって既知であり、ピストンはこれが往復運動すると共に回転し、したがって動作にいずれの弁も必要としない。駆動モーターの回転方向を逆転すると、液体流方向が逆転する。
【0180】
更に他の実施形態において、隔膜ポンプ、歯車ポンプ又は複動ピストンポンプが液体供給のために使用される。複動ピストンポンプの場合、液体システムが充填される際に、このポンプの種類はマウスピースへの液体流の方向を往復運動させる利益を有する。給気気圧シリンダー、ハンドポンプ、又は回転ポンプが、システムを駆動するために使用され得る。
【実施例】
【0181】
4人の被験者が本発明による装置を使用し、装置及び装置を利用する方法の有効性を、細菌の除去及び殺菌の観点から評価する試験が実施された。使用される終了点方法の1つは、アデノシン三リン酸(ATP)発光及び合計生菌数による、細菌生存度判定を含んだ。0.1%ペプトン水により、基準サンプルの適切な希釈が作製された。抗菌作用を停止させるために、リンセート(rinsate)及びゆすぎ後のサンプルが中和されて、PO
4中和剤により希釈された。
図16〜19(自在マウスピース)及び
図20〜23(カスタム・フィット)に記載されるものと実質的に同様のマウスピースが試験で使用され、そのうちの1つが水を使用して、他方がCool Mint Listerine(登録商標)口内洗浄剤(CML)で試験された。
【0182】
合計生菌細胞数及び合計口臭有機体数を含む、コロニー形成ユニット(CFU/mL)を測定する合計細胞数が、それぞれ使用された。被験者から採られたサンプルは、嫌気条件において35〜37℃で5日間にわたって培養された。相対的な光単位(RLU)は、サンプル中のATPの量の尺度である。RLU値がより高いと、より多くのATPが存在し、より多くの生細菌が存在した。ゆすぎの前(基準)及び後に被験者から採られた各サンプル、加えてゆすぎ後に回収されたリンセートに関して合計細胞数(CFU/mL)及びRLUが判定された。
【0183】
被験者は、5mL水で10秒間、口腔をゆすいだ。被験者に円錐管中にゆすいだ水を吐かせ、その後、この管内に更に1mLの唾液を吐かせることによって基準実施例を回収した。各被験者はその後、2人が各マウスピース設計を使用して水で、2人が各マウスピース設計を使用してCool Mint Listerineで口腔をゆすいだ。各被験者に関してリンセートがその後、回収され、20mLが円錐管内に配置された。各被験者はその後、ゆすぎ前と同様に、5mLの水で10秒間ゆすぎを繰り返し、ゆすぎ後のサンプルが円錐管内に回収された。サンプルが中和され、希釈され、平板培養され、その後、5日間にわたって培養されて、細胞数及びATPが測定された。結果が表1〜3に表される。被験者1 BLは液体に水を使用し、自在マウスピースを使用した。被験者2 BLは液体に水を使用し、カスタムフィットマウスピースを使用した。被験者3 BLは液体にCMLを使用し、自在マウスピースを使用した。被験者4 BLは液体にCMLを使用し、カスタムフィットマウスピースを使用した。
【表1】
【表2】
【表3】
【0184】
結論
ゆすぎ後の生菌数データは、水によるゆすぎ及びCMLによるゆすぎの両方において、同様の顕著な低減を示した。リンセート生菌数データもまた、水でのゆすぎにおいて基準からの顕著な低減を、CMLのゆすぎにおいて基準からの更に顕著な低減を示した。水リンセートに存在する対数的な低減は、抗菌剤を使用しない処理における、機械的な細菌の除去を示唆する。CMLにおける、より高い対数的低減の存在は、処理における機械的作用と抗菌作用との組み合わせを示唆する。
【0185】
いくつかの実施形態が記載されてきたが、本発明の領域は他の可能なバリエーションを包含し、可能な等価物を含む、添付された請求項の内容によってのみ制限されることが理解されるべきである。
【0186】
〔実施の態様〕
(1) 哺乳類の口腔に有益効果を提供するために使用するのに好適な口腔ケア装置であって、前記装置は、
液体が前記有益効果を提供するために有効な条件下で口腔の複数の表面と接触する際に前記口腔の前記有益効果を提供するために有効な前記液体の往復運動を提供するための手段を含む、口腔ケア装置。
(2) 前記液体の往復運動を提供するための前記手段が、前記液体の前記往復運動を制御するための手段を含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記往復運動を制御するための前記手段が、前記液体を前記複数の表面上に方向付けるための手段に及びここから前記液体を運搬するための手段を含む、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記液体の往復運動を提供するための前記手段を制御するための論理回路を更に含む、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記往復運動を制御するための前記手段が機械的に制御された回路を含む、実施態様2に記載の装置。
(6) 前記往復運動を制御するための前記手段が、前記液体の流れ方向を変えるための手段を含む、実施態様3に記載の装置。
(7) 前記液体の往復運動を提供するための前記手段が、前記液体を受容及び排出するための複数のポータルと、前記液体が内部で運搬される複数の経路と、前記液体の往復運動のための前記手段を通じた前記液体の流れ方向を変更するための手段とを含む、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記液体を収容するための液体リザーバを前記装置に取り付けるための手段を更に含む、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記液体を収容するために、前記装置に取り付けられたリザーバを更に含む、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記取り付け手段が、前記リザーバの前記装置への取り外し可能な取り付けを提供する、実施態様8に記載の装置。
【0187】
(11) 前記取り付け手段が、前記リザーバの前記装置への取り外し不可能な取り付けを提供する、実施態様8に記載の装置。
(12) 前記装置を、前記液体を前記複数の表面上に方向付けるための手段に取り付けるための手段を更に含む、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記取り付け手段が、前記装置の前記方向付け手段への取り外し可能な取り付けを提供する、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記取り付け手段が、前記装置の前記方向付け手段への取り外し不可能な取り付けを提供する、実施態様12に記載の装置。
(15) 前記装置を基部に取り付けるための手段を更に含む、実施態様1に記載の装置。
(16) 前記基部が、前記装置に電力を提供するための手段を含む、実施態様15に記載の装置。
(17) 前記基部が、前記液体を前記装置に取り付けられた前記リザーバに提供するための基部リザーバを含む、実施態様15に記載の装置。
(18) 前記液体の往復運動を提供するため電源を更に含む、実施態様1に記載の装置。
(19) 前記電源は前記装置内に収容される、実施態様18に記載の装置。
(20) 前記液体を収容するためのリザーバを更に含む、実施態様1に記載の装置。
【0188】
(21) 前記液体の往復運動を提供するための前記手段が、ポンプ移送のための手段と、真空を提供するための手段と、前記液体の流れ方向を変更するための手段と、前記往復運動手段を通じて前記液体を運搬するための手段と、前記液体を前記口腔の前記複数の表面上に方向付けるための手段に及びここから、前記液体を運搬するための手段とを含む、実施態様1に記載の装置。
(22) 前記液体の往復運動を提供するための前記手段が、前記液体を収容するためのリザーバを更に含む、実施態様21に記載の装置。
(23) 往復運動を提供するための前記手段の全体にわたって前記液体を運搬するための手段を含む、実施態様1に記載の装置。
(24) 往復運動を提供するための前記手段の全体にわたって前記液体を運搬するための手段を含む、実施態様3に記載の装置。