特許第5770206号(P5770206)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770206
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】組織厚を分析する手術用切断器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20150806BHJP
   A61B 17/3201 20060101ALI20150806BHJP
   A61B 17/28 20060101ALI20150806BHJP
   A61B 18/00 20060101ALI20150806BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   A61B17/32 330
   A61B17/32 320
   A61B17/28 310
   A61B17/36 330
   A61B17/39 310
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-545993(P2012-545993)
(86)(22)【出願日】2010年12月6日
(65)【公表番号】特表2013-515565(P2013-515565A)
(43)【公表日】2013年5月9日
(86)【国際出願番号】US2010059139
(87)【国際公開番号】WO2011078959
(87)【国際公開日】20110630
【審査請求日】2013年12月6日
(31)【優先権主張番号】12/647,134
(32)【優先日】2009年12月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】スウェンスガード・ブレット・イー
(72)【発明者】
【氏名】スミス・ブレット・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ローラン・ライアン・ジェイ
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−523105(JP,A)
【文献】 特開2009−189838(JP,A)
【文献】 特開2009−090113(JP,A)
【文献】 特開2006−334417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
A61B 17/28
A61B 17/3201
A61B 18/00
A61B 18/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術器具であって、
組織をクランプするエンドエフェクタであって、
可動作業部と、
前記エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さを感知する、組織厚モジュールを有する使い捨てカートリッジと、を備える、エンドエフェクタと、
前記組織厚モジュールと通信する制御回路であって、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さが指定の厚さ範囲内にない場合に、前記可動作業部の作動を阻止する、制御回路と、を備え
前記組織厚モジュールが、前記制御回路にデータを通信し、前記データが、
前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さを示すデータと、
前記使い捨てカートリッジのカートリッジタイプを示すデータと、を含み、
前記制御回路が、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さを示す前記データと、前記使い捨てカートリッジの前記カートリッジタイプを示す前記データとを含む、前記組織厚モジュールによって前記制御回路に通信された前記データに基づいて、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織が、前記使い捨てカートリッジに対する前記指定の厚さ範囲内にあるかどうかを判定するようにプログラムされ、
前記制御回路が固体メモリを備え、前記固体メモリが、2つ以上のカートリッジタイプに対する前記組織の最小厚データおよび最大厚データを含む厚さ範囲データを記憶し、
前記処理装置が、前記組織厚モジュールによって前記制御回路に通信された前記データに基づいて、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さを示す前記データを、前記エンドエフェクタ内の前記使い捨てカートリッジの前記カートリッジタイプに対する記憶された厚さ範囲データと比較することによって、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織が、前記使い捨てカートリッジに対する前記指定の厚さ範囲内にあるかどうかを判定するようにプログラムされる、手術器具。
【請求項2】
前記エンドエフェクタが、
第1及び第2の対向するジョー部材を有し
前記使い捨てカートリッジが前記第1のジョー部材内に位置付けられる、請求項1に記載の手術器具。
【請求項3】
前記組織厚モジュールがホール効果感知器を備え、
前記第2のジョー部材が磁石を備え、前記ホール効果感知器が、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さを示す、前記磁石からの磁場強度を感知する、請求項2に記載の手術器具。
【請求項4】
前記手術器具が、
前記可動作業部を駆動する駆動シャフトと、
前記駆動シャフトを作動させる電動モータと、
前記電動モータに電力を供給する電池パックと、を更に備え、
前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さが指定の厚さ範囲内にない場合に、前記制御回路が前記電動モータの作動を阻止する、請求項に記載の手術器具。
【請求項5】
前記組織厚モジュールが、前記制御回路とワイヤレス通信する、請求項に記載の手術器具。
【請求項6】
前記組織厚モジュールが、視覚的表示装置とワイヤレス通信する、請求項に記載の手術器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
手術用ステープラーは、組織を長手方向に切断し、同時に切断に対向する側部に一筋のステープルを取り付けるために用いられる。かかる器具は、通常は協働する1対のジョー部材を有するエンドエフェクタ(end effector)を含み、この器具が内視鏡又は腹腔鏡での適用を意図される場合、このエンドエフェクタはカニューレ通路を通過することができる。ジョー部材の1つは、横方向に間隔を置いて配置された少なくとも2列のステープルの列を有するステープルカートリッジを、それぞれのメス溝(knife channel)の側面に1つずつ受容する。もう一方のジョー部材は、カートリッジ内のステープルの列と整列したステープル成形ポケットを有するアンビルを画成する。この器具は、往復運動する複数のくさび型部を含み、この複数のくさび型部は、遠位に駆動されるとステープルカートリッジの開口部を通過し、ステープルを支持するドライバに係合してアンビルに向けたステープルの発射を達成する。クランプされた組織を切断し同時に締結(例えば、ステープル留め)するために、同時に切断器具(又はナイフ)がジョー部材に沿って遠位方向に引き付けられる。
【0002】
内視鏡での適用のために好適な手術用ステープラーの例は、「Surgical stapling instrument having separate distinct closing and firing systems」と題される米国特許公開第2004/0232196 A1号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。使用時に、臨床医は、発射に先立って組織の位置決めを行うためにステープラーのジョー部材を組織の上で閉じることができる臨床医が、ジョー部材が適正に組織を把持していることを決定すると、次に手術用ステープラーを発射することができ、それによって組織の切断及びステープル留めが行われる。同時に行われる切断及びステープル留め作業は、それぞれ切断のみ及びステープル留めのみを行う異なる手術器具により、かかる作業を順次行うことで引き起こされ得る合併症を回避する。
【0003】
モータ駆動のエンドカッターは、当該技術分野において既知である。このようなデバイスでは、電動モータが器具の切断及び締結作業に電力を供給する。モータに電力を供給するために、器具のハンドルに位置付けられる搭載電池を使用することもまた既知である。「Motor−driven surgical cutting and fastening instrument with loading force feedback」と題され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0175952 A1号は、1つのそのようなモータ駆動の手術器具を説明する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの一般的な態様において、本発明は、エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さが指定の厚さ範囲内にない場合に、器具の作動がロックアウトされる、組織をクランプするエンドエフェクタを有する手術器具を目的とする。様々な実施形態によると、エンドエフェクタは、エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さを感知する組織厚モジュールを備える。手術器具はまた、組織厚モジュールと通信(例えば、ワイヤレス通信)する制御回路を備える。制御回路は、エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さが指定の厚さ範囲内にない場合に、エンドエフェクタの作業部の作動を阻止する。そのようにして、エンドエフェクタ内でクランプされる組織が多すぎる又は少なすぎる場合、器具の作動がロックアウトされ得る。これは、器具が、発射されるべきではない状況で発射することを阻止する。
【0005】
様々な実装によると、エンドエフェクタは、第1及び第2の対向するジョー部材と、第1のジョー部材内に位置付けられた使い捨てカートリッジ(使い捨てステープルカートリッジ等)とを備える。組織厚モジュールは、使い捨てカートリッジの一部であり得、ホール効果感知器を備えることができる。第2のジョー部材は、磁石を備えることができ、ホール効果感知器は、エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さを示す、磁石からの磁場強度を感知する。組織厚モジュールは、制御回路にデータを通信し、そのデータは(i)エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さを示すデータ、及び(ii)使い捨てカートリッジのカートリッジタイプを示すデータを含む。制御回路は、組織厚モジュールによって制御回路に通信されたデータに基づいて、エンドエフェクタ内でクランプされた組織が、使い捨てカートリッジに対する指定の厚さ範囲内にあるかどうかを判定するようにプログラムされた処理装置を備えることができる。その点について、制御回路は、1つ又は2つ以上のカートリッジタイプに対する厚さ範囲データを記憶する固体メモリを備えることができる。処理装置は、組織厚モジュールによって制御回路に通信されたデータに基づいて、エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さを示すデータを、エンドエフェクタ内の使い捨てカートリッジのカートリッジタイプに対する記憶された厚さ範囲データと比較することによって、エンドエフェクタ内でクランプされた組織が、使い捨てカートリッジに対する指定の厚さ範囲内にあるかどうかを判定するようにプログラムされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の様々な実施形態が、以下の図に関連する例により、本明細書に記載される。
図1】本発明の様々な実施形態による手術器具の図。
図2】本発明の様々な実施形態による手術器具の図。
図3】本発明の様々な実施形態による手術器具のエンドエフェクタ及びシャフトの分解図。
図4】本発明の様々な実施形態による手術器具のエンドエフェクタ及びシャフトの分解図。
図5】本発明の様々な実施形態による手術器具のエンドエフェクタ及びシャフトの分解図。
図6】本発明の様々な実施形態によるエンドエフェクタの図。
図7】本発明の様々な実施形態によるエンドエフェクタの図。
図8】本発明の様々な実施形態による組織厚モジュールのブロック図。
図9】本発明の様々な実施形態によるモータ制御回路のブロック図。
図10】本発明の様々な実施形態による無線モジュールのブロック図。
図11】本発明の様々な実施形態によるモータ制御回路によって実行されたプロセスのフローチャート。
図12】本発明の様々な実施形態による手術器具の図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に開示されるデバイスの構造、機能、製造、及び使用、並びに方法の原理について総合的な理解を提供するために、本発明の特定の実施形態を以下に記載する。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の例を添付の図面に示す。本明細書で詳細に説明し、添付の図面に示すデバイス及び方法は、非制限的な実施形態であり、これらの実施形態の範囲は、「特許請求の範囲」によってのみ定義されることが、当業者には理解されよう。1つの実施形態に関連して示され又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。そのような修正及び変形は、添付の「特許請求の範囲」に含まれることが意図される。
【0008】
広くは、本発明の実施形態は、器具のエンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さが許容限度外にある(例えば、厚すぎる又は薄すぎる)場合に、器具の発射を阻止する手術器具を目的とする。そのようにして、器具は、発射されるべきではない状況での発射を阻止され得る。組織の厚さが器具に対する許容限度内にない場合、操作者(例えば、臨床医)は、例えば組織の厚さを調整するか、又はカートリッジを変えることができる。
【0009】
器具は、様々な実施形態によって、モータ駆動器具か、又は手動器具であってもよい。図1及び2は、本発明の様々な実施形態によるモータ駆動の手術用切断及び締結器具10を描写する。図示された実施形態は、直線状の内視鏡器具であり、本明細書に記載される器具10の実施形態は、一般的に、直線状の内視鏡手術用切断及び締結器具である。しかしながら、本発明はそのように制限されるものではないこと、及び本発明の他の実施形態により、器具は、円形又は湾曲エンドカッター等の別のタイプの内視鏡器具であってもよいことに留意されたい。更に、器具は、腹腔鏡器具又は開放器具等の非内視鏡的手術用切断及び締結器具であってもよい。
【0010】
図1及び2に示される手術器具10は、ハンドル6、シャフト8、及びシャフト8に接続されたエンドエフェクタ12を備える。様々な実施形態において、エンドエフェクタ12は、関節運動枢動点14を中心として関節運動させ得る。関節運動制御部16がハンドル6に隣接して設けられることにより、エンドエフェクタ12を、関節運動枢動点14を中心として回転させることができる。図示される実施形態において、エンドエフェクタ12は、組織をクランプし、切断し、ステープルするためのエンドカッターとして機能するように構成されるが、他の実施形態において、捕捉器具、カッター、ステープラー、クリップ用具、アクセスデバイス、薬物/遺伝子治療デバイス、超音波、及び高周波デバイス又はレーザーデバイス等の異なるタイプの手術用デバイスのエンドエフェクタが、使用されてもよい。高周波デバイスに関する更なる詳細は、どちらもその全体が参照により組み込まれる、米国特許第5,403,312号、及び「Surgical cutting and fastening instrument having RF electrodes」と題された2008年2月14日出願の米国特許出願第12/031,573号において見られる。
【0011】
器具10のハンドル6は、エンドエフェクタ12を作動させるためのクロージャトリガー18及び発射トリガー20を含み得る。異なる外科的動作を行うためのエンドエフェクタを有する器具は、異なる数又はタイプのトリガー、又はエンドエフェクタ12を操作するための他の適当な制御要素を有し得る点は認識されるであろう。エンドエフェクタ12は、細長いシャフト8によってハンドル6から分離されている様子が示されている。一実施形態において、臨床医又は器具10の操作者は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Geoffrey C.Hueilらによる「Surgical Instrument Having An Articulating End Effector」と題された米国特許出願公開第2007/0158385 A1号により詳細に記載されるように、関節運動制御部16を利用することによって、シャフト8に関連するエンドエフェクタ12を、関節運動させることができる。
【0012】
この例において、このエンドエフェクタ12は、とりわけ、ステープルチャネル22及びアンビル24などの枢動可能に平行移動可能なクランピング部材を含み、これらは、アンビル24がクランプされた位置にある場合に、エンドエフェクタ12によりクランプされた組織の効果的なステープリングと切断とを確保するために必要な間隔で保持されている。ハンドル6は下向きに延在するピストルグリップ26を備え、臨床医がピストルグリップ26の方向にクロージャトリガー18を旋回させて引き寄せて、アンビル24をエンドエフェクタ12のステープルチャネル22の方向に締める又は閉じることによって、アンビル24とチャネル22との間に位置する組織をクランプすることができる。発射トリガー20は、クロージャトリガー18の更に外側に設けられている。クロージャトリガー18が、閉鎖位置に固定されると、発射トリガー20は、ピストルグリップ26の方向にわずかに回転して、操作者が片手で操作できるようになる。次いで、操作者が発射トリガー20をピストルグリップ12の方向に旋回させて引き寄せることによって、エンドエフェクタ12にクランプされた組織をステープリングし、切断することができる。他の実施形態において、アンビル24の他に、異なるタイプのクランピング部材が使用される場合がある。ハンドル6はまた、使用者が手でピストルグリップ26を握る際に使用者の手の甲の上に位置し得る上部28を含むことができる。
【0013】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では臨床医が器具10のハンドル6を握ることについて用いられる点は認識されるであろう。したがって、エンドエフェクタ12は、より近位のハンドル6に対して遠位となる。便宜上、また説明を明確にするため、本明細書では「垂直」及び「水平」といった空間的な用語を図面に対して使用する点も更に認識されるであろう。しかしながら、手術器具は、多くの配向及び配置において使用され、これらの用語は、制限的及び絶対的であることが意図されない。
【0014】
使用操作時には、クロージャトリガー18が最初に作動され得る。臨床医は、エンドエフェクタ12の配置に満足した時点で、クロージャトリガー18をピストルグリップ26に近接した完全に閉じた固定された位置へと引き戻すことができる。クロージャトリガー18を引き戻すことで、アンビル24を下向きに回転させ、アンビル24とチャネル27との間の組織をクランプする。次いで発射トリガー20を作動させることができる。発射トリガー20の作動は、エンドエフェクタ12内の切断器具に、クランプされた組織を切断させ、エンドエフェクタ内の締結具に、切断された組織を締結させる。臨床医が圧力を開放したときに、発射トリガー20は開放位置(図1及び2に示される)に戻る。ハンドル6の解放19ボタンは、押圧された場合に固定されたクロージャトリガー18を解放し得る。解放ボタン19は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Surgical cutting and fastening instrument with closure trigger locking mechanism」と題された、米国特許出願公開第2007/0175955号に開示されるように、様々な形態で実装され得る。
【0015】
エンドエフェクタ12は、発射トリガー20が使用者によって後退される際に、エンドエフェクタ12内でクランプされた組織を切断するための、ナイフ等の切断器具を含むことができる。エンドエフェクタ12はまた、例えば、ステープル、高周波電極、接着剤等の切断器具によって切断される組織を締結するための手段を備えることができる。エンドエフェクタ12の考えられる構成に関する更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、以下の特許出願及び公開特許出願:米国特許出願第5,709,680号、同第5,688,270号、同第7,000,818号、米国特許公開第2005/0173490 A1号、同第2006/0025809 A1号、同第2007/0102453 A1号、同第2007/0102452 A1号、同第2009/0206134 A1号、及び同第2009/0206124 A1号において見られる。
【0016】
器具10はまた、クロージャトリガー18が閉鎖(又は後退)すると、エンドエフェクタを閉じる(又はクランプする)ための閉鎖システムも備えることができる。クロージャトリガー18を後退させることによって、エンドエフェクタ12のアンビル24を閉じる(又はクランプする)ための例示的な閉鎖システムの実施形態に関する更なる詳細は、以下の米国特許参照文献に提供され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる:米国特許公開第2004/0232196 A1号、同第2007/0125956 A1号、同第2007/0158385 A1号、同第2007/0175962 A1号、同第7,464,849号、及び上述の段落で引用された参照文献。
【0017】
器具10のシャフト8内に位置付けられた長手方向に可動又は回転可能な駆動シャフトは、エンドエフェクタ12内の切断器具及び締結手段を駆動/作動させることができる。器具10のハンドル6のピストルグリップ部26に位置付けられた電動モータは、駆動シャフトを直接的又は間接的(ギア駆動系を介して)駆動するために使用されてもよい。様々な実施形態において、モータは、おおよそ25,000RPMの最大回転を有する直流ブラシ駆動モータであってもよい。他の実施形態において、モータは、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッピングモータ、又は任意の他の好適な電動モータであってもよい。リチウムイオン電池等の、電池(又は「電源」若しくは「電力パック」)が、モータに隣接するハンドル6のピストルグリップ部26に提供されてもよい。電池は、モータ制御回路を介してモータに電力を供給する。様々な実施形態によると、直列に接続されている多数の電池セルが、モータに電力を供給するための電源として使用されてもよい。更に、電源は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0018】
以下により詳細に記載されるように、モータの操作は、器具10のハンドル6内で、モータ及び電池パック付近に位置付けられる、処理装置又はマイクロコントローラに基づく制御回路によって制御されてもよい。制御回路は、エンドエフェクタ12の対向するジョーの間(例えば、ステープルチャネル22及びアンビル24)でクランプされた組織の厚さに関して、エンドエフェクタ12から入力を受信することができる。制御回路は、ワイヤレスで、又は有線接続を介して、エンドエフェクタ12の組織厚感知モジュールと通信することができる。制御回路が、組織厚感知モジュールからの入力に基づいて、クランプされた組織が許容限度内にない(例えば、厚すぎる又は薄すぎる)ことを判定すると、制御回路はモータの操作をロックアウトし、それによって器具の操作を阻止する。制御回路を説明する前に、エンドエフェクタ12及び組織厚感知モジュールの説明が提供される。
【0019】
図3は、本発明の様々な実施形態によるエンドエフェクタ12の図である。図示される実施形態に示されるように、エンドエフェクタ12は、既に言及されたチャネル22及びアンビル24に加えて、切断器具32、スレッド33、チャネル22内に取り外し可能に位置するステープルカートリッジ34、及び螺旋状のネジシャフト36を含み得る。切断器具32は、例えばナイフであってよい。アンビル24は、チャネル22の近位端に接続された枢動ピン25において枢動可能に開閉することができる。アンビル24は更にその近位端において、アンビル24を開閉するために機械的閉鎖システムの構成要素に挿入されるタブ27を含むことができる。クロージャトリガー18が作動される、つまり、器具10の使用者によって引き寄せられる際、アンビル24は、枢動ピン25を中心に、クランプ位置又は閉鎖位置内に旋回し得、そうしてチャネル22とアンビル24との間の組織をクランプする。エンドエフェクタ12によるクランピングが満足すべきものである場合、操作者は、ナイフ32とスレッド33をチャネル22に沿っての長手方向に移動させるために発射トリガー20を作動でき、それによってエンドエフェクタ12内にクランプされた組織が切断される。スレッド33がチャネル22に沿って動くことにより、ステープルカートリッジ34のステープル(図示されない)が切断された組織を通じて閉じたアンビル24に対して打ちこまれ、アンビル24がステープルを折り曲げて切断組織を締結する。様々な実施形態において、スレッド33はカートリッジ34と一体の要素であってもよい。その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Shelton,IVらの「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING AN E−BEAM FIRING MECHANISM」と題された、米国特許第6,978,921号は、そのような2ストロークの切断及び締結器具についてより詳細に記載している。スレッド33をカートリッジ34の一部とすることにより、ナイフ32が切断操作後に後退した時にもスレッド33は後退しないようにしてもよい。
【0020】
図4〜5は、様々な非制限的な実施形態に基づくエンドエフェクタ12及びシャフト8の分解図であり、図6は、同側面図である。図の実施形態に示されるように、シャフト8は、旋回連結要素44によって旋回可能に連結された近位クロージャチューブ40及び遠位クロージャチューブ42を含み得る。遠位クロージャチューブ42は開口部45を含み、下記に詳述するように開口部45内にアンビル24のタブ27が挿入されることでアンビル24が開閉される。クロージャチューブ40、42の内部には、近位スパインチューブ46が配置され得る。近位スパインチューブ46の内部には、ベベルギア・アセンブリ52を介して第2(又は近位)駆動シャフト50と通信する主回転(又は近位)駆動シャフト48が配置され得る。第2駆動シャフト50は、螺旋状ネジシャフト36の近位駆動ギア56と噛み合う駆動ギア54に接続されている。垂直ベベルギア52bは近位スパインチューブ46の遠位端の開口部57内に位置し、開口部57内で枢動し得る。遠位スパインチューブ58は、第2駆動シャフト50及び駆動ギア54、56を収容するために用いられる。総称的に、主要駆動シャフト48、第2駆動シャフト50、及び関節運動アセンブリ(例えば、ベベルギア・アセンブリ52a〜c)は、本明細書において「主要駆動シャフトアセンブリ」と称されることがある。
【0021】
ステープルチャネル22の遠位端に配置されたベアリング38が螺旋状駆動ネジ36を受容することにより、螺旋状駆動ネジ36はチャネル22に対して自由に回転することが可能である。螺旋状ネジシャフト36が、ナイフ32の螺刻開口部(図に示されていない)と干渉することにより、シャフト36の回転によってナイフ32がステープルチャネル22内で遠位方向又は近位方向に(回転方向に応じて)並進運動する。したがって、発射トリガー20の作動によって主駆動シャフト48が回転させられると、ベベルギア・アセンブリ52a〜cが第2駆動シャフト50を回転させ、これにより、駆動ギア54、56が噛み合っているために螺旋状ネジシャフト36が回転し、これによりナイフ駆動部材32がチャネル22に沿って長手方向に移動してエンドエフェクタ内にクランプされた任意の組織を切断する。スレッド33は例えばプラスチックで形成することができ、傾斜した遠位面を有し得る。スレッド33がチャネル22を移動するに従って、傾斜した前面がステープルカートリッジ内のステープルを、クランプされた組織を貫通してアンビル24に対して押し上げる、すなわち駆動することができる。アンビル24がステープルを折り曲げることによって、切断された組織をステープリングする。ナイフ32が後退すると、ナイフ32とスレッド33とが分離し、それによってスレッド33はチャネル22の遠位端に残される。
【0022】
図示される実施形態において、エンドエフェクタは、切断器具32を駆動するために、回転可能な、螺旋状のネジシャフト36を使用する。そのような螺旋状の駆動ネジが、回転する駆動部材が使用される実施形態において、使用されてもよい。他の実施形態において、長手方向に往復する駆動部材が、切断器具に電力を供給するために使用されてもよい。エンドエフェクタ12は、そのような長手方向に往復する駆動部材に適するように、適宜改善されてもよい。そのようなエンドエフェクタに関する更なる詳細は、米国特許第7,140,528号及び同第7,000,819号において見られ得、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0023】
様々な実施形態によると、取り外し可能なステープルカートリッジ34は、ステープルチャネル22(ステープルカートリッジ34を含む)とアンビル24との間に、エンドエフェクタ12内でクランプされた組織の厚さを感知する組織厚感知モジュールを備えることができる。様々な非制限的な実施形態によると、図7に示されるように、組織厚感知モジュール60は、ステープルが発射される際にステープルカートリッジ34のステープルの邪魔をしないように、ステープルカートリッジ34の遠位端62に位置付けられてもよい。図8は、様々な実施形態による組織厚感知モジュール60のブロック図である。図8に示されるように、組織厚感知モジュール60は、組織厚感知器64、コントローラ65、無線モジュール70、及び電源74を備えることができる。コントローラ65は、処理装置(CPU)66及びメモリ装置68を備えることができる。様々な実施形態において、組織厚感知器64は、例えば、図7に示されるように、アンビル24の遠位端80に位置付けられた磁石78からの磁場に基づいて、エンドエフェクタ12内でクランプされた組織の厚さを検出する、ホール効果感知器を備えることができる。臨床医が、クロージャトリガー18を後退させることによってアンビル24を閉じる際、磁石78は、感知器64の近くで下向きに回転し、それによって、感知器64によって検出される磁場は、アンビル24が閉鎖(又はクランプされた位置)に回転するにつれて変化する。磁石78からの、感知器64によって感知される磁場の強度は、エンドエフェクタ12が閉鎖(又はクランプ)位置にある場合に、チャネル22とアンビル24との間でクランプされた組織の厚さを示す、チャネル22とアンビル24との間の距離を示す。
【0024】
コントローラ65のメモリ装置68は、1つ又は2つ以上の固体読み出し専用メモリ(ROM)装置及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)装置を備えることができる。様々な実施形態において、CPU 66及びメモリ装置(1つ若しくは複数)68は、単一集積回路(IC)、又は複合ICに組み込まれてもよい。ROMメモリ装置(1つ又は複数)は、フラッシュメモリを備えてもよい。ROMメモリ装置(1つ又は複数)は、コントローラ65のCPU 66によって実行されるコード命令を記憶することができる。更に、ROMメモリ装置(1つ又は複数)は、カートリッジ34のカートリッジタイプを示すデータを記憶することができる。つまり、例えば、ROMメモリ装置(1つ又は複数)は、ステープルカートリッジ34のモデルタイプを示すデータを記憶することができる。以下に更に説明されるように、器具10のハンドル6内のモータ制御回路は、特定のステープルカートリッジ34に対する指定の組織厚範囲に基づいて、エンドエフェクタ12内でクランプされた組織が、厚すぎるか、又は薄すぎるかを判定するために、組織厚情報及びステープルカートリッジ34のモデルタイプを利用することができる。無線モジュール70は、無線データ通信プロトコルを使用して、器具10のハンドル6内のモータ制御回路とワイヤレス通信する、低電力の、2方向無線モジュールであってもよい。様々な実施形態によると、無線モジュール70は、ヒト組織を通しての伝送に好適な通信周波数を使用して、モータ制御回路と通信することができる。無線モジュール70とモータ制御回路との間の通信は、MICS(Medial Implant Communication Service)周波数バンド(402〜405MHz)、好適な産業、科学及び医療用(ISM)無線バンド(433MHzの中心周波数、又は915MHzの中心周波数等)、あるいは任意の他の好適なヒト組織透過性の周波数バンドを使用することができる。電源74は、組織厚感知モジュール60の構成要素に電力を供給するための好適な電池セル、例えば、リチウムイオン電池又はいくつかの他の好適な電池セル等、を備えることができる。
【0025】
図9は、様々な、非制限的な実施形態によるモータ制御回路100の図である。モータ制御回路100は、器具10のハンドル6内に、例えば、モータ104及び電池パック106とごく接近し、シャフト8によってエンドエフェクタ12内の組織厚感知モジュール60から距離を置かれて、位置付けられてもよい。そのため、モータ制御回路100は、本明細書に記載されるように、組織厚感知モジュール60とワイヤレス通信することができるが、他の実施形態において、モータ制御回路100と組織厚感知モジュール60との間のシャフト8を通る線を用いてそれらの間の通信を行う有線接続が存在してもよい。
【0026】
図9に示されるように、モータ制御回路100は、様々な実施形態によると、電力切り替え回路101、コントローラ108、及び無線モジュール110を備えることができる。無線モジュール110は、組織厚感知モジュール60の無線モジュール70と通信することができる。したがって、無線モジュール100は、無線モジュール70と同一の周波数で操作し、かつ同一の通信プロトコルを使用する、低電力モジュールであってもよい。図10に示されるように、無線モジュール70、100はどちらも、様々な実施形態によると、伝送及び受信アンテナ200、202、アンテナスイッチ204、伝送/受信スイッチ206、無線周波数変調器/復調器208、符号器/複号器(codec)210、及びベースバンド処理装置212を備えることができる。モータ制御回路100及び組織厚感知モジュール60のアンテナ200、2002は、例えばマイクロストリップアンテナであってもよい。
【0027】
電力切り替え回路101は、様々な実施形態によると、電池パック106からモータ104に電力を接続するために、モータ104と電池パック106とを集合的に接続する、電力スイッチ103、及び正/逆スイッチ102を備えることができる。様々な実施形態において、正/逆スイッチ102は、その極性によってモータ104が正回転するか、又は逆回転するかを判定する、双極/双投リレーを備えることができる。コントローラ108は、スイッチ102〜103の操作を制御することができる。様々な実施形態において、コントローラ108は、処理装置(CPU)114及びメモリ116を備えるマイクロコントローラとして実装され得る。メモリ116は、固体ROM及び/又はRAMメモリ装置を備えてもよい。ROMメモリ装置(1つ又は複数)は、処理装置114によって実行される命令コードを備えることができる。処理装置114及びメモリ116は、単一ICに統合されてもよく、又は複合ICが使用されてもよい。モータ制御回路100のコントローラ108及び無線モジュール112は、電池パック106から電力を供給されてもよい。
【0028】
図9に示されるように、コントローラ108は、多数の入力を受信することができ、それらの入力の処理に基づいて、スイッチ102〜103を制御して、それによって器具10のモータ104を適切に制御することができる。コントローラ108への入力は、発射入力120、切断器具位置入力122、及び任意の他の好適な入力を含んでもよい。発射入力120は、臨床医がエンドエフェクタ12内でナイフによる切断ストロークを開始するために発射トリガー20を後退させたかどうか、及び臨床医が切断ストロークを終了するために発射トリガー20から手を放したかどうか等の、発射トリガー20の状態を示すことができる。発射入力120は、発射トリガー20に応答して、比例スイッチ等の感知器からのものであってもよい。切断器具位置入力122は、切断ストロークの過程における、エンドエフェクタ12内での切断器具34の位置を示すことができる。コントローラ108は、切断器具34が切断ストロークの終わり付近か又は終わりにあるか等、切断ストローク内での切断器具34の位置を判定するために、この入力を使用することができる。切断器具34が切断ストロークの終わりに近づくにつれて、コントローラ108は、モータ104の回転率を減らすことができ、切断器具34が切断ストロークの終わりに達する際、モータ104の回転を逆転させることができる。コントローラ108はまた、切断器具が、エンドエフェクタ12の近位端でその元の定位置に近い場合、切断器具が後退される場合にはモータ104の回転率を減らすことができ、切断器具が完全に後退される場合にはモータ104を止めることができる。比例発射トリガースイッチに関する更なる詳細は、以下の米国特許参照文献に提供され、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる:米国特許公開第2007/0175957号、同第2007/0175958号、及び同第2007/0175959号。切断器具位置感知器を持つ器具に関する更なる詳細は、以下の米国特許参照文献に提供され、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる:米国特許出願第12/235,782号、同第12/235,972号。
【0029】
もちろん、コントローラ108はまた、無線モジュール110を介して組織厚感知モジュール60から入力データを受信する。組織厚感知モジュール60からの入力データは、(i)組織厚感知モジュール60の感知器64によって感知される際の組織厚データ、及び(ii)組織厚感知モジュール60のメモリ68内に記憶される、ステープルカートリッジ34のモデルタイプを示すカートリッジモデルデータを含むことができる。このデータに基づいて、モータ制御回路100のコントローラ108は、エンドエフェクタ12内でクランプされた組織が、特定のステープルカートリッジ34に対する指定の範囲内にあるかどうかを判定することができる。組織の厚さが、指定の範囲内にある場合、コントローラ108は、電力がモータ104に接続されるように、(他の入力データが適切であると仮定して)スイッチ102〜103を制御することができる。一方で、組織の厚さが指定の範囲内にない場合、コントローラ108は、電源がモータ104に接続されず、それによって組織の厚さに基づいてモータ104をロックアウトし、器具10の操作を阻止するように、スイッチ103を制御することができる。
【0030】
図11は、様々な実施形態によるコントローラ108によって実行されたプロセスのフローチャートである。プロセスは、メモリ116に記憶される実行コードによって、処理装置114によって実行され得る。プロセスは、コントローラ108が、エンドエフェクタ12内でクランプされた組織の厚さが特定のステープルカートリッジ34に対する指定の範囲内にあるかどうかを判定する、工程150で開始してもよい。コントローラ108は、感知器64からの組織厚データを、特定のステープルカートリッジ34に対する指定の範囲と比較することによって、これを判定することができる。コントローラ108は、(i)組織厚感知モジュール60から伝送されたステープルカートリッジモデルデータ、及び(ii)テーブルが多数のステープルカートリッジのモデルタイプに対する指定の厚さ範囲を示すデータを記憶する、コントローラのメモリ116内のルックアップテーブル(又は他のデータ記憶構造)を使用して、ステープルカートリッジに対する指定の厚さ範囲を判定することができる。指定の厚さ範囲は、各モデルタイプに対する最小厚及び最大厚を含むことができる。例えば、異なるカートリッジモデルタイプは、異なる長さのステープルを有することができる。より長いステープルは、より短いステープル長さを持つカートリッジよりもエンドエフェクタ内でより多くの組織を収容することが可能である。したがって、厚さの上限は、より長いステープルを持つカートリッジに対してより大きくなり得、厚さの下限は、より短いステープル長さを持つカートリッジに対してより低くなり得る。クランプされた組織の厚さが、カートリッジ34のモデルタイプに対する最小厚よりも小さいか、又は最大厚よりも大きい場合、組織の厚さは指定の範囲外である。
【0031】
組織の厚さがステープルカートリッジ34に対する指定の範囲外の場合、プロセスは工程152へ進み、そこでコントローラ108が、電力スイッチ103が開放の不伝導状態になるように電力スイッチ103を制御し、そうして電池パック106からの電力がモータ104に連結されないようになる。したがって、モータ104は、電力を受信せず、操作からロックアウトされ、それによってエンドエフェクタ12の作動を阻止する。一方で、組織の厚さがステープルカートリッジ34に対する指定の範囲内にある場合、プロセスは工程154に進み、そこでコントローラ108が、発射トリガー20が後退されたかどうかを発射入力120に基づいて判定する。指定範囲内にない場合、プロセスは工程152に進み、電池パック106からの電力はモータ104に連結されない。一方で、発射トリガー20が後退される場合、プロセスは工程156に進み、そこでコントローラ108が、切断器具位置入力22に基づいて切断器具34の切断ストロークにおける位置を判定する。切断器具の位置が正ストロークにある場合、プロセスは工程158に進み、そこでコントローラ108が、正/逆スイッチ102に制御信号を出力し、正/逆スイッチ102をモータ104に電力を連結する状態にし、モータ104が正回転するようになる。逆に、切断器具の切断ストロークにおける位置が、モータ104の逆回転を必要とする場合は、プロセスは工程160に進み、そこでコントローラ108が、正/逆スイッチ102に制御信号を出力し、正/逆スイッチ102をモータ104に電力を連結する状態にし、モータ104が逆回転するようになる。プロセスは、器具10を用いる外科的処置の間中、進行中の様態で実行することができる。そうして、手術中に何らかの理由で組織の厚さが範囲外に出ると、コントローラ108は、組織厚モジュール60から受信されたリアルタイムの組織厚データに応答して、適切な処置を取ることができる。
【0032】
図9に戻り、コントローラ108はまた、例えば回転率、回転方向等の、モータ104の状態に関して、モータ104からフィードバックを受信することができる。コントローラ108は、モータ104を制御する際にそのデータを使用することができる。更に、コントローラ108は、1つ又は2つ以上の出力デバイス124に制御信号を出力することができる。出力デバイス124は、照明器(例えば、発光ダイオード)等の可視インジケータ、及び/又はスピーカー等の視覚的インジケータを備えてもよい。例えば、出力デバイス124は、器具のハンドル6の外側に位置付けられ、器具10の使用中に、器具10の操作者に可視の多数のLEDを備えてもよい。1つのLEDは、クランプされた組織の厚さがステープルカートリッジに対する指定の厚さ範囲内にある場合に点灯されてもよく、第2のLEDは、クランプされた組織の厚さがステープルカートリッジに対する指定の厚さ範囲外である場合に点灯されてもよく、第3のLEDは、モータ104が正回転している場合に点灯されてもよく、第4にLEDは、モータ104が逆回転している場合に点灯されてもよい、等である。
【0033】
更に、他の実施形態において、組織厚モジュール60からの伝送は、モータ制御回路100以外の受信機によって受信されてもよい。例えば、図12を参照して、組織厚モジュール60からの伝送は、視覚的表示装置160及び/又はコンピュータシステム170によって受信されてもよい。視覚的表示装置160は、組織厚モジュール60との通信のための高周波無線モジュール162を備えることができる。組織厚モジュール60からのデータに基づく画像は、表示装置160上に表示され得る。こうして、臨床医は、器具10を用いた手術の間中、クランプされた組織の厚さに関するリアルタイムのデータを見ることができる。視覚的表示装置160は、CRTモニタ、プラズマモニタ、LCDモニタ、又は任意の他の好適な視覚的表示モニタ等の、モニタを備えることができる。同様に、コンピュータシステム170は、組織厚モジュール60と通信するための高周波無線モジュール172を備えてもよい。コンピュータシステム170は、メモリ装置(例えば、ROM又はハードディスクドライブ)内に、組織厚モジュール60からのデータを記憶することができ、処理装置を用いてデータを処理することができる。
【0034】
本明細書に記載の手術器具は、1回の使用の後に廃棄されるように設計することができ、又はこれらは複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後、再使用のために再調整されることができる。再調整は、手術器具を分解する工程、続いて特定の部分を洗浄又は交換する工程、及びその後の再組み立ての工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、手術器具は分解することができ、デバイスの任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は除去することができる。特定の部品を洗浄及び/又は交換すると、手術器具は、再調整設備において、あるいは外科的処置の直前に手術チームによって、後で使用するために再組み立てすることができる。手術器具の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを、当業者は理解されよう。そのような技術の使用と、それにより調整された手術器具は全て本出願の範囲内にある。
【0035】
好ましくは、本明細書に記載される手術器具は、手術前に処理される。まず、新しい又は使用済みの器具を得て、必要に応じて洗浄する。次に、器具を滅菌することができる。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの、閉鎖かつ密閉された容器に器具を置く。次いで容器及び器具を、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を貫通することができる放射線野の中に配置する。この放射線によって、器具上及び容器内の細菌が殺菌される。滅菌された器具は、その後、無菌容器内で保管することができる。密封容器は、それが医療施設内で開封されるまで、器具を無菌に保つ。
【0036】
様々な実施形態において、器具10のいくつかの構成要素は、器具10が滅菌された後に、器具10に挿入され得る取り外し可能、交換可能パックの一部であってもよい。例えば、図9を参照して、様々な実施形態において、電池パック106、コントローラ108、及び無線モジュール110は、器具が滅菌された後に器具10のハンドル6に挿入され得る、取り外し可能、交換可能パック140の一部であってもよい。例えば、取り外し可能、交換可能パック140は、器具が滅菌された後に器具10に無菌で移されてもよい。そのような実施形態において、パック140は、モータ104、切り替え回路101、入力120、122、及び出力デバイス124等に接続するための適切な外部コネクタを有してもよい。そのような実施形態において、したがって、パック140は、複数の器具10で再使用され得る。カートリッジ34は、各使用の後に処分されてもよい。
【0037】
上述の実施形態は、ステープルカートリッジを有する直線状のエンドカッターデバイスとの関連において、説明された。組織厚モジュール60及び対応する制御回路100が、クランプされた組織の厚さが手術において重視すべき事柄であるところで、組織をクランプするために使用されたエンドエフェクタを有する任意の手術器具においても、使用され得ることに留意されたい。例えば、組織厚モジュール60及び対応する制御回路100は、腹腔鏡デバイス等の、円形エンドカッター又は他のタイプの切断/締結デバイスにおいて使用され得る。更に、組織厚モジュール60及び対応する制御回路100は、切断された組織を締結するためにステープルを使用するデバイスにおいて使用される必要はないが、上述のように、切断された組織を締結する他の手段を使用する器具においてもまた使用され得る。また、組織厚モジュール60及び対応する制御回路100は、モータを有する器具において使用される必要はない。そのような実施形態において、器具10は、発射を阻止するために機械的ロックアウトを採用することができる。1つのそのようなロックアウト機構は、米国特許出願公開第2006/0025811号において記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0038】
様々な実施形態において、したがって、本発明は、組織をクランプするエンドエフェクタ12を備える手術器具10を目的とする。様々な実施形態において、エンドエフェクタ12は、可動作業器具(例えば、切断器具)34、及びエンドエフェクタ12内でクランプされた組織の厚さを感知する組織厚モジュール60を備える。手術器具10はまた、エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さが指定の厚さ範囲内にない場合に、制御回路が作業器具の作動を阻止する、組織厚モジュールと通信する制御回路100を備える。様々な実装により、エンドエフェクタは、第1及び第2の対向するジョー部材22、24、並びに組織厚モジュールが使い捨てカートリッジの一部である、第1のジョー部材22に位置付けられた使い捨てカートリッジ34(使い捨てステープルカートリッジ等)を備える。更に、組織厚モジュールはホール効果感知器64を備え、第2のジョー部材は磁石78を備えることができ、ホール効果感知器は、エンドエフェクタが閉じた(又はクランプ)位置にある場合に、エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さを示す、磁石からの磁場強度を感知する。更に、組織厚モジュールは、制御回路にデータを通信し、データは、(i)エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さを示すデータ、及び(ii)使い捨てカートリッジのカートリッジタイプを示すデータ、を含む。
【0039】
制御回路は、エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さを示すデータ及び使い捨てカートリッジのカートリッジタイプを示すデータを含む、組織厚モジュールによって制御回路に通信されたデータに基づいて、エンドエフェクタ内でクランプされた組織が、使い捨てカートリッジに対する指定の厚さ範囲内にあるかどうかを判定するようにプログラムされる処理装置114を備えることができる。更に、制御回路は、1つ又は2つ以上のカートリッジタイプに対する厚さ範囲データを記憶する固体メモリ116を備えることができる。処理装置は、組織厚モジュールによって制御回路に通信されたデータに基づいて、エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さを示すデータを、エンドエフェクタ内の使い捨てカートリッジのカートリッジタイプに対する記憶された厚さ範囲データと比較することによって、エンドエフェクタ内でクランプされた組織が、使い捨てカートリッジに対する指定の厚さ範囲内にあるかどうかを判定するようにプログラムされ得る。
【0040】
更に、手術器具は、駆動シャフト48、50を作動させる電動モータ104と、電動モータに電力を供給する電池パック106を更に備えてもよい。制御回路は、エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さが指定の厚さ範囲内にない場合に、電動モータの作動を阻止することができる。
【0041】
更に、様々な実施形態において、組織厚モジュールは、制御回路とワイヤレス通信する。組織厚モジュールは、第1の無線モジュールを備えることができ、制御回路は、第2の無線モジュールを備えることができ、第1の無線モジュールが、第2の無線モジュールとワイヤレス通信する。更に、組織厚モジュールは、遠隔の視覚的表示装置又は遠隔コンピュータシステムと通信することができる。
【0042】
本発明は代表的な設計を有するものとして記載されてきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正され得る。本出願はしたがって、その一般原理を使用して、本発明のあらゆるバリエーション、用途、又は適合を包含することを意図される。更に、本出願は、本発明が関連する当該技術分野の既知又は慣用の実施方法の範囲内に入る、本開示からの逸脱を包含することを意図される。
【0043】
〔実施の態様〕
(1) 手術器具であって、
組織をクランプするエンドエフェクタであって、
可動作業部と、
前記エンドエフェクタ内でクランプされた組織の厚さを感知する、組織厚モジュールと、を備える、エンドエフェクタと、
前記組織厚モジュールと通信する制御回路であって、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さが指定の厚さ範囲内にない場合に、前記可動作業部の作動を阻止する、制御回路と、を備える、手術器具。
(2) 前記エンドエフェクタが、
第1及び第2の対向するジョー部材と、
前記第1のジョー部材内に位置付けられた使い捨てカートリッジであって、前記組織厚モジュールが、前記使い捨てカートリッジの一部である、使い捨てカートリッジと、を備える、実施態様1に記載の手術器具。
(3) 前記組織厚モジュールがホール効果感知器を備え、
前記第2のジョー部材が磁石を備え、前記ホール効果感知器が、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さを示す、前記磁石からの磁場強度を感知する、実施態様2に記載の手術器具。
(4) 前記組織厚モジュールが、前記制御回路にデータを通信し、前記データが、
前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さを示すデータと、
前記使い捨てカートリッジのカートリッジタイプを示すデータと、を含む、実施態様3に記載の手術器具。
(5) 前記制御回路が、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さを示す前記データと、前記使い捨てカートリッジの前記カートリッジタイプを示す前記データとを含む、前記組織厚モジュールによって前記制御回路に通信された前記データに基づいて、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織が、前記使い捨てカートリッジに対する前記指定の厚さ範囲内にあるかどうかを判定するようにプログラムされた、処理装置を備える、実施態様4に記載の手術器具。
(6) 前記制御回路が固体メモリを備え、前記固体メモリが、1つ又は2つ以上のカートリッジタイプに対する厚さ範囲データを記憶する、実施態様5に記載の手術器具。
(7) 前記処理装置が、前記組織厚モジュールによって前記制御回路に通信された前記データに基づいて、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さを示す前記データを、前記エンドエフェクタ内の前記使い捨てカートリッジの前記カートリッジタイプに対する記憶された厚さ範囲データと比較することによって、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織が、前記使い捨てカートリッジに対する前記指定の厚さ範囲内にあるかどうかを判定するようにプログラムされる、実施態様6に記載の手術器具。
(8) 前記手術器具が、
前記可動作業部を駆動する駆動シャフトと、
前記駆動シャフトを作動させる電動モータと、
前記電動モータに電力を供給する電池パックと、を更に備え、
前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さが指定の厚さ範囲内にない場合に、前記制御回路が前記電動モータの作動を阻止する、実施態様7に記載の手術器具。
(9) 前記組織厚モジュールが、前記制御回路とワイヤレス通信する、実施態様8に記載の手術器具。
(10) 前記組織厚モジュールが、視覚的表示装置とワイヤレス通信する、実施態様9に記載の手術器具。
【0044】
(11) 前記組織厚モジュールが、遠隔コンピュータシステムとワイヤレス通信する、実施態様9に記載の手術器具。
(12) 前記組織厚モジュールが、第1の無線モジュールを備え、
前記制御回路が、第2の無線モジュールを備え、前記第1の無線モジュールが、前記第2の無線モジュールとワイヤレス通信する、実施態様9に記載の手術器具。
(13) 前記使い捨てカートリッジが、使い捨てステープルカートリッジを含む、実施態様2に記載の手術器具。
(14) 前記可動作業部が、切断器具を備える、実施態様1に記載の手術器具。
(15) 手術用切断及び締結器具であって、
エンドエフェクタであって、
開放位置と閉鎖位置との間で可動な第1及び第2の対向するジョー部材と、
前記ジョー部材が前記閉鎖位置にある場合に、前記第1のジョー部材と前記第2のジョー部材との間でクランプされた組織を切断する、可動切断器具と、
前記第1のジョー部材の遠位端における、磁石と、
前記第2のジョー部材内の使い捨てカートリッジであって、前記使い捨てカートリッジが、前記第1のジョー部材と前記第2のジョー部材との間でクランプされた組織の厚さを感知する組織厚モジュールを備え、前記組織厚モジュールが、前記磁石から磁場強度を感知するホール効果感知器を備え、前記磁場強度が、前記第1のジョー部材と前記第2のジョー部材との間でクランプされた前記組織の前記厚さを示す、使い捨てカートリッジと、を備える、エンドエフェクタと、
前記切断器具を駆動する駆動シャフトと、
前記組織厚モジュールと通信する制御回路であって、前記制御回路が、前記組織厚モジュールによって前記モータ制御回路に通信されたデータに基づいて、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織が、前記使い捨てカートリッジに対する指定の厚さ範囲内にあるかどうかを判定するようにプログラムされた処理装置を備え、かつ前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さが、前記使い捨てカートリッジに対する前記指定の厚さ範囲内にない場合に、前記駆動シャフトの作動を阻止する、制御回路と、を備える、手術用切断及び締結器具。
(16) 前記組織厚モジュールが、前記制御回路にデータを通信し、前記データが、
前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さを示すデータと、
前記使い捨てカートリッジのカートリッジタイプを示すデータと、を含む、実施態様15に記載の手術器具。
(17) 前記制御回路が固体メモリを備え、前記固体メモリが、1つ又は2つ以上のカートリッジタイプの厚さ範囲データを記憶する、実施態様16に記載の手術器具。
(18) 前記処理装置が、前記組織厚モジュールによって前記制御回路に通信された前記データに基づいて、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さを示す前記データを、前記エンドエフェクタ内の前記使い捨てカートリッジの前記カートリッジタイプに対する記憶された厚さ範囲データと比較することによって、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織が、前記使い捨てカートリッジに対する前記指定の厚さ範囲内にあるかどうかを判定するようにプログラムされる、実施態様17に記載の手術器具。
(19) 前記組織厚モジュールが、前記制御回路とワイヤレス通信する、実施態様15に記載の手術器具。
(20) 前記器具が、
前記駆動シャフトを作動させる電動モータと、
前記モータに電力を供給する電池と、を更に備え、
前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さが、前記使い捨てカートリッジに対する前記指定の厚さ範囲内にない場合に、前記制御回路が前記モータの作動を阻止する、実施態様15に記載の手術器具。
【0045】
(21) 手術器具であって、
組織をクランプするエンドエフェクタであって、
第1及び第2の対向するジョー部材と、
可動作業部と、
前記第1のジョー部材内に位置付けられたカートリッジと、
前記第1のジョー部材と前記第2のジョー部材との間にクランプされた組織の厚さを感知する、前記カートリッジ上の厚さ感知器と、
前記厚さ感知器と通信するマイクロコントローラであって、前記カートリッジのカートリッジタイプを示すデータを記憶する、マイクロコントローラと、
前記マイクロコントローラと通信する無線モジュールと、を備える、エンドエフェクタと、
前記無線モジュールと通信する制御回路であって、
前記制御回路が、前記無線モジュールからデータを受信し、前記データが、
前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さを示すデータと、
前記使い捨てカートリッジの前記カートリッジタイプを示すデータと、を含み、
前記制御回路が、前記制御回路に通信された前記データに基づいて、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織が、前記使い捨てカートリッジに対する指定の厚さ範囲内にあるかどうかを判定し、
前記制御回路が、前記エンドエフェクタ内でクランプされた前記組織の前記厚さが、前記使い捨てカートリッジに対する前記指定の厚さ範囲内にない場合に、前記可動作業部の作動を阻止する、制御回路と、を備える、手術器具。
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