(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770243
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】配線支持金具用台座具
(51)【国際特許分類】
H02G 3/22 20060101AFI20150806BHJP
H02G 1/06 20060101ALI20150806BHJP
H02G 9/08 20060101ALI20150806BHJP
F16B 7/04 20060101ALI20150806BHJP
F16B 7/18 20060101ALI20150806BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
H02G3/22 260
H02G1/06
H02G9/08
F16B7/04 301M
F16B7/18 C
F16B5/02 W
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-212702(P2013-212702)
(22)【出願日】2013年10月10日
(65)【公開番号】特開2015-77020(P2015-77020A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2013年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000136686
【氏名又は名称】株式会社ブレスト工業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】松川 晃治
【審査官】
甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−140985(JP,A)
【文献】
特開2004−140984(JP,A)
【文献】
特開2013−090494(JP,A)
【文献】
特開平05−336642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/22−3/40
H02G 1/00−1/10
H02G 9/00−9/12
F16B 7/00−7/22
F16B 5/00−5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付面がわで開口されている断面で溝形を呈する取付ベースに、取付面に固定させる1個の固定部と、取付ベースの開口部の両側縁に沿って所定間隔毎に取付ベースの外方に突出形成されていて、取付面に当接される適数の爪片から成る回転防止部と、取付ベースの上側部面に載置される配線部材を固定支持する配線支持金具を係合支持させるよう、取付ベースの上側部に開穿配列した隣接する対状の支持孔から成る適数の支持部とを設けたことを特徴とする配線支持金具用台座具。
【請求項2】
固定部は、取付ベースのほぼ中央位置に配置されていて、支持部は固定部を中心として対称的に配列してある請求項1に記載の配線支持金具用台座具。
【請求項3】
回転防止部の爪片は、固定部位置から取付ベースの端部側に至るに伴い高さを次第に高くしてある請求項1または2に記載の配線支持金具用台座具。
【請求項4】
支持部の支持孔には、配線部材の配線方向に沿う前後の孔縁から取付ベースの内方に向けて折曲延設された支持片の端縁に波形状の係合縁を形成してある請求項1乃至3のいずれかに記載の配線支持金具用台座具。
【請求項5】
固定部は、取付面に設けられたオネジアンカー材に嵌め合わせる固定孔によって形成してある請求項1乃至4のいずれかに記載の配線支持金具用台座具。
【請求項6】
支持部における隣接する対状の支持孔相互間の取付ベースの上側部位には、支持孔の孔縁を取付ベースの内方側に折曲あるいは彎曲させて配線保護部となしてある請求項1乃至5のいずれかに記載の配線支持金具用台座具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば道路トンネル内でその壁面に沿って各種のケーブル、電線管等を配線・配管するとき、配線作業を簡単迅速に行うことができ、しかも彎曲しているトンネル壁面であってもこの彎曲面に沿ってしっかり固定でき、容易に脱落することなく配線状態を長期にわたり安定的に維持できるようにした配線支持金具用台座具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばトンネル壁面に沿ってケーブル、電線管等を配線・配管するに際し、壁面に取り付けた台座に、例えば対状にあるいは門字形に構成された配線支持金具によって挟み込んだり跨ぐようにしたりしてケーブル類等を係合することで固定支持しており、例えば特許文献1に示される配管類用締付け固定具がある。この固定具は、リップ溝形鋼製の配管用取付部材をその奥部壁にてトンネル等の天井面にねじ止め固定し、配管用取付部材の開口部に形成された係合部に、ケーブル類等を挟み込んで相互にねじ止めされる一対の押え部材の係止部を係合するようにして成る。そして、この固定具は、トンネルの天井面、壁面等に沿って所定間隔毎に配設し、配管用取付部材相互間に架け渡しながら押え部材によってケーブル類等を支持固定するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2909404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1に示される固定具によると、配管用取付部材のトンネル天井面等への固定は、配管用取付部材の奥部壁の外側面を当接させるようにするから、配管用取付部材自体を複数箇所で固定しなければならず、固定作業が面倒であるばかりでなく、配管用取付部材自体の回転等に伴う位置ずれが生じ、配管支持形態が変動するおそれがある。
【0005】
また、特許文献1には示されていないが、所定の取付面に配置し取り付けた断面溝形の台座金具に配線・配管用取付部材を固定して、台座金具相互間で配管類を架け渡すようにして配管・配線する場合、配線・配管用取付部材自体の台座金具に対する配線・配管の位置決めには、これらの配線・配管用取付部材を係合させる部位を台座金具それぞれにいわゆる墨出しによって表示する必要があるから、手間が掛かり面倒である。
【0006】
しかも、これらの配線・配管用取付部材の取付作業は、トンネル内でケーブル類等を配線・配管によって延線させるのに従いこれらの配線・配管長さに対応するから、配線・配管用取付部材自体の固定、固定部位の位置決め墨出しも膨大な作業量となるばかりでなく、費用も掛かるものであった。
【0007】
そこで本発明は上述したような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、その目的は主としてトンネル壁面、天井面等の取付面に各種ケーブル、電線管等の配線部材等を配線・配管支持するに際し、彎曲している取付面であっても簡単に取付固定でき、取付後の1点支持状態であっても台座具自体が取付面に対し回転することなく取付安定性に優れると共に、架け渡される配線部材の配線位置を容易に確認しながら配線支持金具による配線部材の係合支持を確実にし、配線部材の配線支持の取付安定性を向上できるようにした配線支持金具用台座具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、後述する発明を実施するための形態における使用符号を付記して説明すると、取付面Tがわで開口されている断面で溝形を呈する取付ベース1に、取付面Tに固定させる1個の固定部10と、取付ベース1の開口部の両側縁に沿って所定間隔毎に取付ベース1の外方に突出形成されていて、取付面Tに当接される適数の爪片21から成る回転防止部20と、取付ベース1の上側部面に載置される配線部材Pを固定支持する配線支持金具40を係合支持させるよう、取付ベース1の上側部に開穿配列した隣接する対状の支持孔31から成る適数の支持部30とを設けたことを特徴とする。
固定部10は、取付ベース1のほぼ中央位置に配置されていて、支持部30は固定部10を中心として対称的に配列して構成することができる。
回転防止部20の爪片21は、固定部10位置から取付ベース1の端部側に至るに伴い高さを次第に高くして構成することができる。
支持部30の支持孔31には、配線部材Pの配線方向に沿う前後の孔縁から取付ベース1の内方に向けて折曲延設された支持片32の端縁に波形状の係合縁33を形成することができる。
固定部10は、取付面Tに設けられたオネジアンカー材Uに嵌め合わせる固定孔11によって構成することができる。
支持部30における隣接する対状の支持孔31相互間の取付ベース1の上側部位には、支持孔31の孔縁を取付ベース1の内方側に折曲あるいは彎曲させて配線保護部35となすことで構成することができる。
【0009】
以上のように構成された本発明に係る配線支持金具用台座具にあって、取付ベース1は、取付面Tに設けられた例えばオネジアンカー材Uに固定部10を嵌め合わせ、ナット材Nをねじ込むことで取付面Tに取り付けられ、回転防止部20の爪片21が取付面Tに強く圧止することで、1個の固定部10によって取付面Tに取り付けられても、1点支持状態の取付ベース1自体を回転させることがない。
取付ベース1のほぼ中央部に配した固定部10によって、取付面Tに設けられたオネジアンカー材Uに対する例えばナット材Nによるねじ込み固定時の締め付けは、取付ベース1の端部側に至るに伴い次第に高くなる爪片21を取付面Tに対して一層圧接させる。と同時に、取付面Tが彎曲していても、取付ベース1自体を彎曲面に沿って反り返り状に彎曲させることで密着させ、取付安定性を向上させる。
支持部30の対状の支持孔31は、その間における配線保護部35にて所定の配線部材Pを載置させて位置決めさせると共にその被覆等を損傷させずに、配線部材Pを跨ぎあるいは挟持する配線支持金具40の係合部を挿入させて係合させる。また、支持孔31に折曲延設した支持片32の係合縁33は、配線支持金具40における係合部41を係合位置決めさせ、配線部材Pの支持固定後での支持安定性を確保させ、外部からの衝撃、外力等によって離脱、抜脱等が生じても、支持している配線部材Pを落下させない。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以上説明したように構成されているため、主としてトンネル壁面、天井面等の取付面Tに各種ケーブル、電線管等の配線部材P等を配線・配管支持するに際し、彎曲している取付面Tであってもその彎曲面に沿って取付ベース1を固定部10の1点支持で取付固定でき、配線部材Pの配線方向に沿って多数で取り付けることでもその作業を簡単に連続的に遂行でき、作業能率を向上できる。また、1点支持による取付後でも本発明に係る台座具自体が取付面Tに対して、取付面Tに圧接する回転防止部20が取付ベース1を回転させることがないから、取付安定性に優れ、設置状態を向上させる。しかも、多数の台座具相互間で架け渡されて配線される配線部材Pの配線位置は、支持部30における隣接する対状の支持孔31相互間の部位として容易に確認できると共に、その対状の支持孔31に対して配線支持金具40を確実に係合支持させ、配線部材Pの固定を確実にし、配線部材Pの配線支持の取付安定性を向上させることができる。
【0011】
すなわちこれは本発明において、取付面Tがわで開口されている断面で溝形の取付ベース1に、取付面Tに固定させる1個の固定部10と、取付ベース1の開口部に沿って取付面Tに当接される適数の爪片21から成る回転防止部20と、取付ベース1の上側部に配線する配線部材Pを支持する配線支持金具40を係合支持させるよう、取付ベース1の上側部に開穿配列した隣接する対状の支持孔31から成る適数の支持部30とを設けたからである。これによって、彎曲しているトンネル壁面等への簡単な作業による確実な取付支持、配線部材Pの支持位置の確認、載置、配線支持金具40による配線部材Pが脱落しない確実な固定支持等を図ることができる。
【0012】
また、固定部10は取付ベース1のほぼ中央位置に配置され、支持部30は固定部10を中心として対称的に配列されていることで、取付ベース1自体の1点支持を可能にし、配線支持すべき複数の配線部材Pを重量的にでもバランスよく支持できる。
【0013】
取付ベース1に設けた回転防止部20は、1個の固定部10によって取付ベース1を取付面Tに取り付けても、固定部10部位による締め付けに伴い取付面Tに強く圧接し、その爪片21が取付面Tに引っ掛かり、しかもその爪片21は取付ベース1の開口縁の両側で配置形成されていることと相俟ち、取付ベース1自体が1点で支持されていてもいずれの方向にでも取付ベース1自体を回転させない。また、この爪片21は、固定部10位置から取付ベース1の端部側に至るに伴い高さを次第に高くしてあるから、固定部10による1点で取付面Tに強く締め付けられるときは取付ベース1の端部側の爪片21が一層強く反り返り状で取付面Tに圧接し、彎曲している取付面Tであっても取付ベース1を密着させ、取付安定性を向上できる。
【0014】
しかも、1点支持でも取付ベース1は回転されずに取付安定性に優れるから、取付ベース1自体を取り付ける例えばねじ止め作業も簡単であり、配線方向に沿って多数で取付ベース1を取り付けるにしてもその作業を極めて効率的に遂行させる。
【0015】
配線部材Pを支持する配線支持金具40を係合支持させる支持部30は、隣接して対状にして組み合わせられる支持孔31によるから、それらの支持孔31に、配線部材Pを例えば跨いだ状態で配線支持金具40を係合させれば足り、しかも、配線部材Pを配線するために載置させる位置は、組み合わせられる支持孔31の相互間として確認できるから、従来のようにその目印をその都度、表示する墨出し作業の必要はなく、作業を簡素化できる。
【0016】
また、支持孔31に係合させた配線支持金具40は、支持孔31の配線方向に沿った前後の孔縁に設けた支持片32によって、波形状の係合縁33を有していることと相俟ち、配線支持金具40をしっかりと係合させ、位置ずれを生じさせず、配線方向に沿う配線支持金具40のいずれか1個が脱落することがあっても、他の配線支持金具40に影響を与えず、その支持状態を長期にわたり維持し、保守点検を容易にさせる。
【0017】
支持部30における隣接する対状の支持孔31相互間には配線保護部35を設けてあり、この配線保護部35上に配線部材Pを載置させても、支持部30における隣接する対状の支持孔31相互間の取付ベース1の上側部位には、支持孔31の孔縁を取付ベース1の内方側に折曲あるいは彎曲させて配線保護部35となしてあるから、配線部材Pを損傷させず、しかも、従来であれば使用されていた保護材を別に用意する必要もない。
【0018】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明を実施するための一形態を示す使用状態時の分解斜視図である。
【
図2】同じく
図1におけるA−A線に沿う断面を含む取付ベースの開口がわから見た要部斜視図である。
【
図3】同じく
図1におけるB−B線に沿う断面を含む取付ベースの上側部がわから見た要部斜視図である。
【
図4】同じく
図1におけるC−C線に沿う断面を含む取付ベースの上側部がわから見た要部斜視図である。
【
図5】同じくトンネルの壁面に取り付けたときの使用状態の側断面図である。
【
図6】同じく1本の配線部材を支持するに好適な実施例における斜視図である。
【
図7】同じく2本の配線部材を支持するに好適な実施例における斜視図である。
【
図8】同じく6本の配線部材を支持するに好適な実施例における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1は、取付面Tである例えば道路トンネルの壁面・天井面等のがわで開口されている断面で溝形を呈する取付ベースである。この取付ベース1には、取付面Tに固定するためにねじ止め固定させる固定部10、取付面Tに当接して取付ベース1自体の回転を防止させる回転防止部20、所定のケーブル、電線管等の配線部材Pを固定支持する支持部30が設けられている。
【0021】
取付ベース1自体は、例えば所定肉厚の溝形鋼材にて形成されており、後述するように配線部材Pを例えば跨いで取付ベース1に固定支持する配線支持金具40を自身の内部に係合支持させるに足りる幅員、深さ(高さ)を備えると共に、固定支持する配線部材P数に対応する長さに形成されている。図示例にあっては、1本の配線部材Pを固定支持する場合(
図6参照)、あるいは2本(
図7参照)、4本(
図1参照)、6本(
図8参照)の配線部材Pを固定支持する場合等に対応して、所定長さに切断形成されるものとしてあるが、配線部材P数はこれらに限定されるものではない。
【0022】
また、取付ベース1自体は、トンネルにおける彎曲面の彎曲度が例えばR=4000mm程度であった場合でも、取付ベース1のほぼ中央に配した固定部10位置による締め付けによって、その彎曲度に沿って密着できる程度で取付ベース1自体が反り返り状に彎曲可能となるようにしてある。
【0023】
固定部10は、取付ベース1の奥部壁部分である上側部に設けられており、トンネルの取付面Tに例えば突出状に設けられるオネジアンカー材Uに嵌め合わせられる例えば円形状の固定孔11として上側部に開穿形成され、この固定孔11から外出されるオネジアンカー材Uのオネジ部分にナット材Nがねじ込まれるようになっている。そして図示のように、この固定部10は、ナット材N、そのワッシャー、バネ座金等を位置決めさせ、若干でも収納されるようにした窪み状の段差部12を固定孔11の周縁に形成してあり、その強度も維持できるようにしてある。
【0024】
尚、図示を省略したが、取付位置に対応して取付面Tに埋設したメネジアンカーに、固定孔11を貫挿させた取付ボルトをねじ入れることで、取付ベース1を取付面Tに取り付けるようにしても良い。
【0025】
また、この固定部10は、1本の配線部材Pを固定支持するものとして取付ベース1が形成される場合には、取付ベース1自体の一方の端部に位置決めされていて、他方の端部に支持部30が配される(
図6参照)。2本、4本、6本等の配線部材Pを固定支持するものとして取付ベース1が形成される場合(
図1、
図7、
図8参照)には、取付ベース1自体の中央部に位置決めされることで、配線荷重支持時のバランス、作業容易性等が図れるように考慮する。もとより、支持すべき配線部材P数に対応して取付ベース1の長さが選定されるとき、配線部材P数が奇数で設定される場合であっても可能な限り中央部に位置決めされることが望ましい。
【0026】
回転防止部20は、取付ベース1の開口部の両側縁に沿って所定間隔毎に取付ベース1の外方に突出形成させてある適数の爪片21として設けられており、図示のように開口部縁から取付ベース1の側外方がわに向かって、僅かに取付ベース1の側部壁に対して例えば135度で折曲させることで延設したほぼ台形状を呈する翼状に形成されている。また、この爪片21は、取付ベース1の開口部がわが取付面Tに当接されたときに、その端縁が取付面T上に僅かにでも引っ掛かる程度でいわば噛み合うように傾斜状態で起立されており、取付ベース1自体が取付面Tに当接したときの位置ずれを生じさせないようにしている。このため、例えば固定部10によって取付ベース1自体がその開口部がわで取付面Tに1点支持状態で固定されたとしても、爪片21が取付面Tに引っ掛かり、1点で支持している固定部10を中心にしてでも回転しないものとなるようにしている。
【0027】
この回転防止部20における爪片21は、図示のように例えば後述する支持部30におけるそれぞれの配線部材Pの支持部位の両側にほぼ一致させて配設されているも、その配設位置はこれに限定されない。
【0028】
また、この回転防止部20の爪片21において、取付ベース1における中央部がわから端部がわに至ると、その高さすなわち取付ベース1の開口部縁からの突出長さがやや大きくなるようにしてあり、取付ベース1を取付面Tに当接させたときに取付ベース1自体の中央部部分が僅かにでも取付面Tから浮いているような僅かな間隙が設定されるようにしてある。こうすることで、
図5に示すように固定部10部位で取付ベース1自体が取付面Tに固定されると、取付ベース1の端部がわの爪片21が取付面Tに強く圧接され、ナット材Nによるオネジアンカー材Uに対する締め付け力を最大限に活用できて端部がわの爪片21に対する回転防止力を一層強力にさせる。
【0029】
支持部30は、取付ベース1の上側部に配列形成されており、取付ベース1にほぼ直交させて配線される配線部材Pそれぞれを固定支持する所定の配線支持金具40を係合する隣接する対状の支持孔31として形成され、対状で組み合わせられる支持孔31相互間には配線部材Pが載置される配線保護部35が形成されている。この支持部30自体は、配線支持すべき配線部材P数に対応して取付ベース1に形成されるもので、
図6に示すように1本の配線部材Pを支持する場合には一対の支持孔31から成り、
図7に示すように2本の配線部材Pを支持する場合には例えば固定部10の両側に配した計2対の支持孔31から成り、
図1に示すように4本の配線部材Pを支持する場合には同じく例えば固定部10の両側に配した計4対の支持孔31から成り、
図8に示すように6本の配線部材Pを支持する場合には同じく例えば固定部10の両側に配した計6対の支持孔31から成る。もとより、支持すべき配線部材Pが増加する場合には、これに対応した数対の支持孔31が配列形成されるのは勿論である。
【0030】
支持孔31自体は、支持すべき配線部材Pの大小径に対応するよう取付ベース1の長さ方向に沿って所定の幅員を備えた平面で例えば矩形状に開口形成されていて、隣接して組み合わせられる支持孔31における内側の孔縁相互位置では小径の配線部材Pに、外側の孔縁相互位置では大径の配線部材Pに対応する配線支持金具40の係合部41が挿入係合されるようにしてある。
【0031】
また、支持孔31は、配線部材Pの配線方向に沿う前後の孔縁に、この孔縁から取付ベース1の内方に向けて、図示のように例えば取付ベース1の上側部に対してほぼ45度で折曲延設された支持片32の端縁に例えばローレット加工による例えば矩形角形の波形状の係合縁33を形成して成る。この係合縁33の窪み部分に、配線支持金具40の係合部41が係合されることで配線支持金具40自体の位置ずれを阻止し、支持すべき配線部材Pの安定的、確実な支持が図れるようにしている。尚、係合縁33は角波形状に限定されないのは勿論である。また、係合縁33における窪みは、対状に組み合わせられる支持孔31において、その一方では3個にし、他方では2個にしてあると共に、配線保護部35における配線支持位置の中心に対して相互で非対称位置に配置形成する。こうすることで、配線支持すべき配線部材Pの大小に伴い使用される異なる配線支持金具40の幅員、その係合位置等に対応させることができ、また、対状の係合部41のいずれか一方が少なくとも係合するものとなり、支持後の配線支持金具40による支持位置がずれることがないようにしている。
【0032】
前記配線保護部35は、対状となる支持孔31相互間の取付ベース1の上側部位に形成されており、対状となる支持孔31の相互の内側となる孔縁を取付ベース1の内方側に折曲あるいは彎曲させることにより、例えば絞り加工によって僅かに彎曲させることで形成されており(
図5参照)、載置される配線部材Pの外側面との接触面積を少なくし、配線部材Pの外側面が保護されるようにしている。こうすることで、配線支持金具40による係合支持時で従来から使用されている保護台座部材を省略できる。
【0033】
もとより、
図1に示すように配線保護部35上に例えば取付ベース1を跨いで取付ベース1に弾発的でも嵌め合わせられる保護材36を、配線保護部35と配線部材Pとの間に介在されるように配置するも差し支えない。この保護材36によって、配線部材Pの被覆等を保護し、その損傷防止を一層向上させる。
【0034】
また、この配線保護部35上に配線部材Pが位置決めされるから、その目印となるよう載置部分を指示する例えば小径窪み状の指示印37を配線保護部35の上面に形成してあり、こうすることで、複数の支持部30によって多数の支持孔31が連続的に配列されていても、配線部材Pの載置位置を容易に判別できるようにしている。
【0035】
尚、図示例にあっての配線支持金具40は、配線部材Pを跨ぐよう左右で一対の側部とこの側部を連結している上側部とから正面ほぼ溝形を呈すると共に、側部の下部にフック状の係合部41を形成し、配線部材P上に被せた保護盤に対し上側部の外方からねじ入れ圧止する固定ネジ42を備えて成るものとしてある。この配線支持金具40は、図示例に限らないのであり、例えば取付ベース1の上側部に係合された状態で配線部材Pの左右両側から挟み込んで互いにねじ止めされる対状の挟持部材から成るものであっても良く、場合によっては支持部30に挿通されるバンド材とされることもある。
【0036】
次にこれの使用の一例を説明すると、例えば道路トンネル等の壁面である取付面Tに所定数のケーブル、電線管等の配線部材Pを配線等するとき、その配線数に対応した支持部30を備えた取付ベース1が選択使用される。そして、配線方向に沿って所定間隔毎に取付面Tにオネジアンカー材Uを突出状にして配列して設けておく。次いで、配線方向に対してほぼ直交させた向きにした取付ベース1の固定部10をオネジアンカー材Uに位置決めさせて嵌め合わせ、ナット材Nをねじ込み締め付けることで取付ベース1を取付面Tの配線位置に対応させて取り付ける。取付に際し、爪片21の高さによって取付ベース1自体の中央部が取付面Tに対して若干でも間隙が生じて浮いている場合でも、ナット材Nをオネジアンカー材Uに強くねじ込むことで、取付ベース1自体を彎曲している取付面Tに沿って強制的にでも反り返り状に彎曲させて締め付け、取り付ける。
【0037】
次いで、支持部30における隣接して対状になる支持孔31相互間に配されている指示印37を目印として所定のケーブル、電線管等の配線部材Pをあてがい載置し、所定の配線支持金具40の係合部41を支持孔31内に装入して所定位置の係合縁33に噛み合わせ、配線部材Pを跨ぎ、あるいは挟持させてねじ止め固定する。
【0038】
このように対状で組み合わせられる支持孔31に係合する配線支持金具40によって所定の配線部材Pを固定支持するのであり、1本の配線部材Pに限らず、複数本の配線部材Pに対しても同様に固定支持する。
【0039】
尚、使用の一例としてトンネルの壁面に取り付ける場合として説明したが、トンネル内に限らず、他の壁面例えばビルその他の建築物における壁面、天井面等においても同様に使用可能であり、取付面に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0040】
N…ナット材 P…配線部材
T…取付面 U…オネジアンカー材
1…取付ベース
10…固定部 11…固定孔
12…段差部
20…回転防止部 21…爪片
30…支持部 31…支持孔
32…支持片 33…係合縁
35…配線保護部 36…保護材
37…指示印
40…配線支持金具 41…係合部
42…固定ネジ