特許第5770253号(P5770253)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770253
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】射出成形機の加熱筒保護カバー
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/74 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   B29C45/74
【請求項の数】7
【全頁数】51
(21)【出願番号】特願2013-252530(P2013-252530)
(22)【出願日】2013年12月5日
(65)【公開番号】特開2015-107616(P2015-107616A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2014年12月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】今村 博史
【審査官】 宮本 靖史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−123374(JP,A)
【文献】 特開2000−263592(JP,A)
【文献】 特開平07−088894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00 − 45/24
B29C 45/46 − 45/63
B29C 45/70 − 45/72
B29C 45/74 − 45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱筒の全周を覆う射出成形機の加熱筒保護カバーであって、
前記加熱筒保護カバーは、ケーブルを前記加熱筒保護カバーの外側に出すためのケーブル通過部を有し、
前記ケーブル通過部には、折り返しを備えていることを特徴とする射出成形機の加熱筒保護カバー。
【請求項2】
加熱筒の全周を覆う射出成形機の加熱筒保護カバーであって、
前記加熱筒保護カバーは、分割可能な複数のカバー部材から構成され、互いに接合されるそれらカバー部材のうちの一部または全部に、互いに接合される一方のカバー部材または両方のカバー部材にケーブル通過部を形成する切欠きが設けられ、前記加熱筒保護カバーを構成する全ての保護カバー部材を加熱筒に組付けることにより、加熱筒の全周を覆い、且つ、前記保護カバー部材の加熱筒保護カバーを構成するその他のカバー部材との境界に設けられたケーブル通過部形成用の切欠きによりケーブルを加熱筒保護カバーの外側に出すためのケーブル通過部を形成されるようにした、射出成形機の加熱筒保護カバー。
【請求項3】
前記加熱筒保護カバーは、互いに接合されるカバー部材の境界となる分割線が、加熱筒の軸方向における前記加熱筒保護カバーの前端から後端まで延びていることを特徴とする請求項2に記載の射出成形機の加熱筒保護カバー。
【請求項4】
前記加熱筒保護カバーは、互いに接合されるカバー部材の境界となる分割線が、閉じていることを特徴とする請求項2に記載の射出成形機の加熱筒保護カバー。
【請求項5】
前記加熱筒保護カバーは、互いに接合されるカバー部材同士が脱落防止ボルトにより接合されることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1つに記載の射出成形機の加熱筒保護カバー。
【請求項6】
前記互いに接合されるカバー部材同士は、一方のカバー部材には、第1の穴を有する第1の面部を有し、他方のカバー部材には、第1の面部に平行で第1の穴に対応する位置に第2の穴がある第2の面部と、第2の面部に平行で第2の面部の穴と同軸上に第1のボルト固定部がある第3の面部とを有し、第1の穴、第2の穴に挿通され、第1のボルト固定部にねじ込まれる脱落防止ボルトにより、互いに接合されるカバー部材同士は接合されることを特徴とする請求項5に記載の射出成形機の加熱筒保護カバー。
【請求項7】
前記ケーブル通過部は、折り返しがあることを特徴とする請求項乃至6の何れか1つに記載の射出成形機の加熱筒保護カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機に関し、特に、射出成形機の加熱筒保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機の加熱筒には電熱ヒータが設置されており、樹脂を溶融するために必要な熱量を供給している。この熱量の供給は、電熱ヒータと加熱筒の直接接触による熱伝導によって行われて、加熱筒は温められる。このため射出成形機には、高温になる電熱ヒータと加熱筒に、作業者の身体が直接接触することを防止する加熱筒保護カバーが取り付けられている。
【0003】
特許文献1には、加熱シリンダの外側を囲む2重カバーを備え、この2重カバーは、保温カバーとその外側に設けられた遮熱カバーとからなり、加熱筒に保温カバーを接合する保温カバー傾斜部に一端が接合された保温カバー取付部よりも、保温カバーに遮熱カバーを接合した遮熱カバー垂直面部に形成した遮熱カバー取付部を低位置に配設したカバーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−6276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
加熱筒用電熱ヒータの電力供給ケーブルが加熱筒の全周を覆う加熱筒保護カバーの内側に設置されている場合がある。加熱筒の全周を覆う加熱筒保護カバーの内側は熱がこもるため高温となり、加熱筒用電熱ヒータの電力供給ケーブルの使用環境として好ましくない。しかし、電熱ヒータの電力供給ケーブルを加熱筒の外側に出すようにするために、加熱筒保護カバーを大きく切り抜いた場合は、切り抜いた箇所から加熱筒が露出して危険である。
【0006】
また、一般的に加熱筒には、加熱筒用電熱ヒータが複数個使用されていて、それぞれの電熱ヒータの電力供給ケーブルは結束バンド等で一つに束ねられているため、この結束を解くことなく、加熱筒用電熱ヒータの電力供給ケーブルだけを加熱筒保護カバーの外側に出すことは構造上困難である。
【0007】
また、特許文献1に開示されるカバーは、加熱筒の熱が遮熱カバーに伝わり難くした構造であり、特に加熱筒用電熱ヒータの電力供給ケーブルの使用環境を改善させるものではない。
【0008】
そこで本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決するために、加熱筒保護カバーの外側にケーブルを出すことにより、ケーブルの使用環境を改善することが可能な射出成形機の加熱筒保護カバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、加熱筒の全周を覆う加熱筒保護カバーにおいて、加熱筒用電熱ヒータの電力供給ケーブルや熱電対ケーブルなどを加熱筒保護カバーの外側に出すための穴を有する。または、加熱筒の全周を覆う加熱筒保護カバーが複数のカバー部材によって構成され、少なくとも1個のカバー部材には、各ケーブルを加熱筒保護カバーの外側に出すための穴を形成するための切欠きが設けられていて、複数のカバー部材を加熱筒に組付けることにより、加熱筒の全周を覆い、且つ各ケーブルを加熱筒保護カバーの外側に出すための穴を形成する。
【0010】
本発明による加熱筒保護カバーは、加熱筒の全周を覆い、熱がこもって高温になっている加熱筒保護カバーの外側にケーブルを出すことにより、ケーブルの使用環境を改善させることができる。また、本発明による加熱筒保護カバーは、ケーブルだけを加熱筒の全周を覆う加熱筒保護カバーの外側に出すことが可能であり、加熱筒の露出する部分も最小限に抑えることができる。
【0011】
本願の請求項1に係る発明は、加熱筒の全周を覆う射出成形機の加熱筒保護カバーであって、前記加熱筒保護カバーは、ケーブルを前記加熱筒保護カバーの外側に出すためのケーブル通過部を有し、前記ケーブル通過部には、折り返しを備えていることを特徴とする射出成形機の加熱筒保護カバーである。
請求項2に係る発明は、加熱筒の全周を覆う射出成形機の加熱筒保護カバーであって、 前記加熱筒保護カバーは、分割可能な複数のカバー部材から構成され、互いに接合されるそれらカバー部材のうちの一部または全部に、互いに接合される一方のカバー部材または両方のカバー部材にケーブル通過部を形成する切欠きが設けられ、前記加熱筒保護カバーを構成する全ての保護カバー部材を加熱筒に組付けることにより、加熱筒の全周を覆い、且つ、前記保護カバー部材の加熱筒保護カバーを構成するその他のカバー部材との境界に設けられたケーブル通過部形成用の切欠きによりケーブルを加熱筒保護カバーの外側に出すためのケーブル通過部を形成されるようにした、射出成形機の加熱筒保護カバーである。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記加熱筒保護カバーは、互いに接合されるカバー部材の境界となる分割線が、加熱筒の軸方向における前記加熱筒保護カバーの前端から後端まで延びていることを特徴とする請求項2に記載の射出成形機の加熱筒保護カバーである。
請求項4に係る発明は、前記加熱筒保護カバーは、互いに接合されるカバー部材の境界となる分割線が、閉じていることを特徴とする請求項2に記載の射出成形機の加熱筒保護カバーである。
請求項5に係る発明は、前記加熱筒保護カバーは、互いに接合されるカバー部材同士が脱落防止ボルトにより接合されることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1つに記載の射出成形機の加熱筒保護カバーである。
【0013】
請求項6に係る発明は、前記互いに接合されるカバー部材同士は、一方のカバー部材には、第1の穴を有する第1の面部を有し、他方のカバー部材には、第1の面部に平行で第1の穴に対応する位置に第2の穴がある第2の面部と、第2の面部に平行で第2の面部の穴と同軸上に第1のボルト固定部がある第3の面部とを有し、第1の穴、第2の穴に挿通され、第1のボルト固定部にねじ込まれる脱落防止ボルトにより、互いに接合されるカバー部材同士は接合されることを特徴とする請求項5に記載の射出成形機の加熱筒保護カバーである。
請求項7に係る発明は、前記ケーブル通過部は、折り返しがあることを特徴とする請求項乃至6の何れか1つに記載の射出成形機の加熱筒保護カバーである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、加熱筒保護カバーの外側にケーブルを出すことにより、ケーブルの使用環境を改善することが可能な射出成形機の加熱筒保護カバーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態1において、射出成形機の加熱筒、ノズル、水冷ジャケットについて、加熱筒保護カバーを取り付ける前の状態を示す図である。
図2】実施形態1の加熱筒保護カバーの形状を示す図である。
図3】実施形態1の加熱筒保護カバーを射出成形機の加熱筒に取り付ける直前の状態を示す図である。
図4】実施形態1の加熱筒保護カバーを射出成形機の加熱筒に取り付けた状態を示す図である。
図5】実施形態2において、射出成形機の加熱筒、ノズル、水冷ジャケットについて、加熱筒保護カバーを取り付ける前の状態を示す図である。
図6】実施形態2の加熱筒保護カバーを射出成形機の加熱筒に取り付ける直前の状態を示す図である。
図7】実施形態2の加熱筒保護カバーを射出成形機の加熱筒に取り付けた状態を示す図である。
図8】実施形態3の加熱筒保護カバーの第1の加熱筒保護カバー部材を射出成形機の加熱筒に取り付けた後の状態を示す図である。
図9】実施形態3の加熱筒保護カバーの第2の加熱筒保護カバー部材の形状を示す図である。
図10】実施形態3において、第1の加熱筒保護カバー部材に第2の加熱筒保護カバー部材を取り付けた状態を示す図である。
図11】実施形態4の加熱筒保護カバーを射出成形機の加熱筒に取り付ける直前の状態を示す図である。
図12】実施形態4の加熱筒保護カバーを射出成形機の加熱筒に固定した状態を示す図である。
図13】実施形態5において、射出成形機の加熱筒、ノズル、水冷ジャケットについて、加熱筒保護カバーを取り付ける前の状態を示す図である。
図14】実施形態5において、第1の加熱筒保護カバー部材を射出成形機の加熱筒に取り付けた後の状態を示す図である。
図15】実施形態5の加熱筒保護カバーの第2の加熱筒保護カバーの形状を示す図である。
図16】実施形態5において、第1の加熱筒保護カバー部材に第2の加熱筒保護カバー部材を取り付けた状態を示す図である。
図17】実施形態6において、第1の加熱筒保護カバー部材を射出成形機の加熱筒に取り付けた後の状態を示す図である。
図18】実施形態6における脱落防止ボルトの詳細を示す図である。
図19】実施形態6の加熱筒保護カバーの第2の加熱筒保護カバーの形状を示す図である。
図20】実施形態6において、第1の加熱筒保護カバー部材に第2の加熱筒保護カバー部材を取り付けた状態を示す図である。
図21】実施形態6の加熱筒保護カバーの第3の加熱筒保護カバーの形状を示す図である。
図22】実施形態6において、第1の加熱筒保護カバー部材に第2の加熱筒保護カバー部材および第3の加熱筒保護カバー部材を取り付けた状態を示す図である。
図23】実施形態7において、射出成形機の加熱筒、ノズル、水冷ジャケットについて、加熱筒保護カバーを取り付ける前の状態を示す図である。
図24】実施形態7において、第1の加熱筒保護カバー部材を射出成形機の加熱筒に取り付けた後の状態を示す図である。
図25】実施形態7の加熱筒保護カバーの第2の加熱筒保護カバーの形状を示す図である。
図26】実施形態7において、第1の加熱筒保護カバー部材に第2の加熱筒保護カバー部材を取り付けた状態を示す図である。
図27】実施形態7の加熱筒保護カバーの第3の加熱筒保護カバー部材の形状を示す図である。
図28】実施形態7において、第1の加熱筒保護カバー部材に第2の加熱筒保護カバー部材および第3の加熱筒保護カバー部材を取り付けた状態を示す図である。
図29】実施形態8において、第1の加熱筒保護カバー部材を射出成形機の加熱筒に取り付けた後の状態を示す図である。
図30】実施形態8における脱落防止ボルトの詳細を示す図である。
図31】実施形態8の射出成形機の加熱筒の第2の加熱筒保護カバー部材の形状を示す図である。
図32】実施形態8において、第1の加熱筒保護カバー部材に第2の加熱筒保護カバー部材を取り付けた状態を示す図である。
図33】実施形態8の射出成形機の加熱筒の第3の加熱筒保護カバー部材の形状を示す図である。
図34】実施形態8において、第1の加熱筒保護カバー部材に第2の加熱筒保護カバー部材および第3の加熱筒保護カバー部材を取り付けた状態を示す図である。
図35】実施形態9において、射出整形機の加熱筒の第1の加熱筒保護カバー部材を射出成形機の加熱筒に取り付けた後の状態を示す図である。
図36】実施形態9の射出成形機の加熱筒の第2の加熱筒保護カバー部材の形状を示す図である。
図37】実施形態9において、第1の加熱筒保護カバー部材に第2の加熱筒保護カバー部材を取り付けた状態を示す図である。
図38】実施形態9の射出成形機の加熱筒の第3の加熱筒保護カバー部材の形状を示す図である。
図39】実施形態9において、第1の加熱筒保護カバー部材に第2の加熱筒保護カバー部材および第3の加熱筒保護カバー部材を取り付けた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
<実施形態1>
以下、本発明の第1の実施形態について図1図2図3図4を参照して説明する。本実施形態は、「請求項1」と「請求項7」に基づいた実施形態である。
図1に加熱筒保護カバー20を取り付ける前の加熱筒1を示す。本実施形態において加熱筒用電熱ヒータは3個あり、各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12によって端子ボックス4,5,6の加熱筒周方向における位相がそれぞれ異なる。水冷ジャケット3は加熱筒1の根元部のスクリュ(図示せず)の低温部を包囲するように配設され、射出装置の本体に固定される。水冷ジャケット3にはスクリュを冷却するために水が供給される。
【0017】
図2に本実施形態における加熱筒保護カバー20の形状例を示す。本実施形態における加熱筒保護カバー20は、加熱筒1の軸に対して垂直な面によって得られる断面図が八角形の中空の角柱形であり、加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル通過用の穴21およびケーブル通過用切欠き22を有する。前記ケーブル通過用の穴21およびケーブル通過用切欠き22は、加熱筒保護カバー20を加熱筒1に取り付けた際に、各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9が前記加熱筒用電熱ヒータ10,11,12に接続する部分の近傍となるようにそれぞれ配置されていることが望ましいが、前記ケーブル通過用の穴21およびケーブル通過用切欠き22と加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9を一対一に対応させなくても良い。なお、図中のケーブルは電力供給ケーブルを意味する。
【0018】
前記ケーブル通過用切欠き22には、ケーブル通過用切欠き22の端部と加熱筒用電熱ヒータ10の電力供給ケーブル7が擦れて同ケーブルを傷めることが無いように折り返し23が設けられている。前記折り返し23は切欠きの全方向にあることが望ましいが、少なくとも加熱筒用電熱ヒータ10の電力供給ケーブル7が引き出される方向にあれば良い。
【0019】
図3に本実施形態における加熱筒保護カバー20を加熱筒1に取り付ける直前の状態を示す。本実施形態における加熱筒保護カバー20の加熱筒1への取付け方は、まず、加熱筒保護カバー20のケーブル通過用の穴21に加熱筒用電熱ヒータ11の電力供給ケーブル8の末端部(コネクタ部8a)を通しておく。次に加熱筒保護カバー20をノズル2側から加熱筒1に通して、加熱筒1の水冷ジャケット3に固定する。この際にケーブル通過用切欠き22と水冷ジャケット3によって形成される穴に加熱筒用電熱ヒータ10のケーブル7を通す。その後、加熱筒用電熱ヒータ12の電力供給ケーブル9の末端部を引っ張り、同ケーブル9をノズル2側から加熱筒保護カバー20の外側に出す。
【0020】
以上により図4に示すように、本実施形態における加熱筒保護カバー20を加熱筒1に取り付けることができる。また、本実施形態において、加熱筒1内の温度を測定するために加熱筒1の側部に取り付けられる熱電対に接続されるケーブルを、加熱筒保護カバー20の外側に出すためのケーブル通過用の穴およびケーブル通過用の切欠きを用意しても良い。実施形態1以外の他の実施形態も同様である。
【0021】
また、本実施形態における加熱筒保護カバー20として、加熱筒1の軸に対して垂直な面によって得られる加熱筒保護カバーの断面図が多角形、円、半月などの様々な形状の加熱筒保護カバーを使用しても良い。
【0022】
<実施形態2>
以下、本発明の第2の実施形態について図5図6図7を参照して説明する。本実施形態は、「請求項2」および「請求項4」に基づいた実施形態である。
本実施形態における加熱筒保護カバー30は、第1の加熱筒保護カバー部材31と第2の加熱筒保護カバー部材32と第3の加熱筒保護カバー部材33と第4の加熱筒保護カバー部材34と第5の加熱筒保護カバー部材35と第6の加熱筒保護カバー部材36とから構成される。
【0023】
図5に加熱筒保護カバー30を取り付ける前の加熱筒1を示す。本実施形態における加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は、側面方向に位置する端子ボックス4,5,6から下方向に出たのち加熱筒1の軸方向に向きを変えて延びている。このとき各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は1本合流する度に結束バンド14で1つに束ねられている。
【0024】
図6に本実施形態における加熱筒保護カバー30を加熱筒1に取り付ける直前状態を示す。本実施形態における加熱筒保護カバー30の第1の加熱筒保護カバー部材31と第3の加熱筒保護カバー部材33と第5の加熱筒保護カバー部材35は、加熱筒1の中心軸を通る水平面から上方部分の加熱筒を覆うアーチ形状である。本実施形態における加熱筒保護カバー30の第2の加熱筒保護カバー部材32と第4の加熱筒保護カバー部材34と第6の加熱筒保護カバー部材36は、加熱筒1の中心軸を通る水平面から下方部分の加熱筒を覆うアーチ形状であり、各加熱筒用電熱ヒータ10,11の電力供給ケーブル7,8を加熱筒保護カバー30の外側に出すケーブル通過部を形成するためのケーブル通過部形成用の切欠き38を有する。また、第1の加熱筒保護カバー部材31と第2の加熱筒保護カバー部材32、第3の加熱筒保護カバー部材33と第4の加熱筒保護カバー部材34、そして、第5の加熱筒保護カバー部材35と第6の加熱筒保護カバー部材36がそれぞれ蝶番37で接続されている。
【0025】
次に、各加熱筒保護カバー部材31,32,33,34,35,36の加熱筒1への固定について説明する。
まず、第1の加熱筒保護カバー部材31を第2の加熱筒保護カバー部材32が開いた状態で加熱筒1の水冷ジャケット3に固定する。そして、第2の加熱筒保護カバー部材32を閉じて、第1の加熱筒保護カバー部材31に固定する。次に、第3の加熱筒保護カバー部材33を第4の加熱筒保護カバー部材34が開いた状態で第1の加熱筒保護カバー部材31に固定する。そして、第4の加熱筒保護カバー部材34を閉じて、第3の加熱筒保護カバー部材33に固定する。次に第5の加熱筒保護カバー部材35を第6の加熱筒保護カバー部材36が開いた状態で第3の加熱筒保護カバー部材33に固定する。そして、第6の加熱筒保護カバー部材36を閉じて、第5の加熱筒保護カバー部材35に固定する。
【0026】
以上により、加熱筒保護カバー30を加熱筒1に固定することができる。このとき、図7に示すように、ケーブル通過部形成用の切欠き38が設けられていることから、第2の加熱筒保護カバー部材32と第4の加熱筒保護カバー部材34との境界および第4の加熱筒保護カバー部材34と第6の加熱筒保護カバー部材36との境界において、ケーブル通過部39が形成される。このケーブル通過部39から、結束バンド14によって一つに束ねられた加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9の結束を解くことなく、各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9を加熱筒保護カバー30の外側に出すことができる。また、本実施形態におけるケーブル通過部39には実施形態1の図2のような折り返しがあっても良い。
【0027】
<実施形態3>
以下、本発明の第3の実施形態について図5図8図9図10を参照して説明する。本実施形態は、「請求項2」および「請求項3」に基づいた実施形態である。本実施形態における加熱筒保護カバー50は、第1の加熱筒保護カバー部材51と第2の加熱筒保護カバー部材52とから構成される。図5に加熱筒保護カバー50を取り付ける前の加熱筒1を示す。本実施形態における加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は、側面方向に位置する端子ボックス4,5,6から下方向に出たのち加熱筒1の軸方向に向きを変えて延びている。このとき各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は1本合流する度に結束バンド14で1つに束ねられている。
【0028】
図8に本実施形態における加熱筒保護カバー50の第1の加熱筒保護カバー部材51を加熱筒1の水冷ジャケット3に取り付けた状態を示す。第1の加熱筒保護カバー部材51は、第1の溶接ナット53を有する第1の面部54と第1の面部54に垂直である第2の面部55と、第1の面部54と第2の面部55とを接続する接続部の二つの平面部56,56とを有する。本実施形態における第1の面部54と第2の面部55とを接続する接続部は、直角曲げの二つの平面部(接続部の平面部56,56)からなる。また、本実施形態における溶接ナット(第1の溶接ナット53)は、面部に開けた穴の同軸上に溶接したナットのことである。
【0029】
図9に本実施形態における加熱筒保護カバー50の第2の加熱筒保護カバー部材52の形状例を示す。第2加熱筒保護カバー部材52は、第1の溶接ナット53に対応する位置に第1の穴(穴57)を有する第3の面部58を有し、第3の面部58に垂直で、第1の加熱筒保護カバー部材51に取り付ける際に、第1の加熱筒保護カバー部材51の第2の面部55より上方に位置するようになる第4の面部59と、第3の面部58と第4の面部59とを接続する接続部の二つの平面部61,61を有する。本実施形態における第3の面部58と第4の面部59とを接続する接続部は、135度の角度を成すように曲げられた二つの平面部(接続部の平面部61,61)からなる。
【0030】
また、第2の加熱筒保護カバー部材52には、第2の加熱筒保護カバー部材52が第1の加熱筒保護カバー部材51に取り付ける際に、各加熱筒用電熱ヒータ10,11の電力供給ケーブル7,8を加熱筒保護カバー50の外側に出すケーブル通過部を形成するためのケーブル通過部形成用の切欠き60,60を有する。
【0031】
第2の加熱筒保護カバー部材52の第4の面部59を第1の加熱筒保護カバー部材51の第2の面部55の上に位置するようにして、第2の加熱筒保護カバー部材52の第1の穴(穴57)にボルトを通し、第1の加熱筒保護カバー部材51の第1の溶接ナット53(図8)に締め込むことにより、第2の加熱筒保護カバー部材52を第1の加熱筒保護カバー部材51に取り付けることができる。このとき、図10に示すように第1の加熱筒保護カバー部材51の第2の面部55の一部と第2の加熱筒保護カバー部材52の第4の面部59の一部が互いに重なることによりケーブル通過部が形成され、このケーブル通過部から結束バンド14によって一つに束ねられた加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9の結束を解くことなく、各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9を加熱筒保護カバー50の外側に出すことができる。
【0032】
また、本実施形態において、加熱筒保護カバー50の材料の厚さがボルトのねじピッチに対して充分厚い場合は、第1の溶接ナット53を使用する代わりに、加熱筒保護カバー50に雌ネジ溝を直接加工しても良い。また、第1の加熱筒保護カバー部材51の第1の面部54と第2の面部55とを接続する接続部の二つの面部(接続部の平面部56,56)、および、第2の加熱筒保護カバー部材52の第3の面部58と第4の面部59とを接続する接続部の二つの平面部(接続部の平面部61,61)には、一つの平面または曲面または複数の折り曲げ平面を用いても良い。また、本実施形態におけるケーブル通過部には実施形態1の図2のような折り返しがあっても良い。
【0033】
<実施形態4>
以下、本発明の第4の実施形態について図5図11図12を参照して説明する。本実施形態は、「請求項2」および「請求項3」に基づいた実施形態である。本実施形態における加熱筒保護カバー70は、第1の加熱筒保護カバー部材71と第2の加熱筒保護カバー部材72とから構成される。図5に加熱筒保護カバー70を取り付ける前の加熱筒を示す。本実施形態における加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8、9は、側面方向に位置する端子ボックス4,5,6から下方向に出たのち加熱筒1の軸方向に向きを変えて延びている。このとき各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は1本合流する度に結束バンド14で1つに束ねられている。
【0034】
図11に本実施形態における加熱筒保護カバー70を加熱筒1に取り付ける直前状態を示す。加熱筒保護カバー70は、第1の加熱筒保護カバー部材71と第2の加熱筒保護カバー部材72が蝶番74で接続されている。第1の加熱筒保護カバー部材71には5つの面部があり、加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9が接続される端子ボックス4,5,6付近を除く全周を覆っている。
【0035】
第2の加熱筒保護カバー部材72は、加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9が接続される端子ボックス4,5,6付近を覆うことができるように、蝶番74で第1の加熱筒保護カバー部材71に接続されている。第2の加熱筒保護カバー部材72は、第2の加熱筒保護カバー部材72が加熱筒1の水冷ジャケット3に固定される際に、各加熱筒用電熱ヒータ10,11の電力供給ケーブル7,8を加熱筒保護カバー70の外側に出すケーブル通過部を形成するためのケーブル通過部形成用の切欠き73,73を有する。
【0036】
次に、加熱筒保護カバー70の加熱筒1への固定について説明する。図11に示すように、第2の加熱筒保護カバー部材72が開いた状態で加熱筒保護カバー70を加熱筒1のノズル先端側から加熱筒1の軸方向に入れて、第1の加熱筒保護カバー部材71を加熱筒1の水冷ジャケット3にボルトで固定する。次に第2の加熱筒保護カバー72を矢印の方向に閉じて、第2の加熱筒保護カバー72を水冷ジャケット3の側面にボルトで固定する。以上により、加熱筒保護カバー70を加熱筒1に固定することができる。このとき、図12に示すように第1の加熱筒保護カバー部材71の一部と第2の加熱筒保護カバー部材72の一部が互いに重なることによりケーブル通過部が形成され、このケーブル通過部から結束バンド14によって一つに束ねられた加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9の結束を解くことなく、加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9を加熱筒保護カバー部材70の外側に出すことができる。また、本実施形態におけるケーブル通過部には実施形態1の図2のような折り返しがあっても良い。
【0037】
<実施形態5>
以下、本発明の第5の実施形態について図13図14図15図16を参照して説明する。本実施形態は、「請求項2」と「請求項3」に基づいた実施形態である。本実施形態における加熱筒保護カバー80は、第1の加熱筒保護カバー部材81と第2の加熱筒保護カバー部材82とから構成される。
【0038】
図13に加熱筒保護カバー80を取り付ける前の加熱筒1を示す。本実施形態において加熱筒用電熱ヒータ10,11,12は3個あり、各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12によって端子ボックス4,5,6の位置が加熱筒周方向の位相がそれぞれ異なる。
【0039】
図14に本実施形態における加熱筒保護カバー80の第1の加熱筒保護カバー部材81を加熱筒1の水冷ジャケット3に取り付けた状態を示す。第1の加熱筒保護カバー部材81は、第1の溶接ナット83を有する第1の面部84と、第1の面部84と45度の角度を成す第2の面部85と、第2の面部85に平行な第3の面部86とを有し、第1の面部84と第2の面部85および第3の面部86とを接続する接続部の二つの平面部87,87を有する。本実施形態における第1の面部84と第2の面部85および第3の面部86とを接続する接続部は、直角曲げの二つの平面部(接続部の平面部87,87)からなる。また、本実施形態における溶接ナット(第1の溶接ナット83)は、実施形態3の第1の溶接ナット53と同じである。
【0040】
図15に本実施形態における加熱筒保護カバー80の第2の加熱筒保護カバー部材82の形状を示す。第2の加熱筒保護カバー部材82は、第1の穴(穴94)を有する第4の面部88と、第4の面部88と45度の角度を成す第5の面部89と、第5の面部89に平行な第6の面部90とを有し、第4の面部88と第5の面部89とを接続する接続部の一つの平面部92と第5の面部89と第6の面部90とを接続する接続部の一つの平面部91とを有する。
【0041】
また、第2の加熱筒保護カバー部材82には、第2の加熱筒保護カバー部材82が第1の加熱筒保護カバー部材81に取り付ける際に、各加熱筒用電熱ヒータ10,11の電力供給ケーブル7,8を加熱筒保護カバー80の外側に出すケーブル通過部を形成するためのケーブル通過部形成用の切欠き93,93を有する。第2の加熱筒保護カバー部材82の第5の面部89を第1の加熱筒保護カバー部材81の第2の面部85の上に位置するように、且つ第2の加熱筒保護カバー部材82の第6の面部90を第1の加熱筒保護カバー部材81の第3の面部86の上に位置するようにして、第2の加熱筒保護カバー部材82を移動させて、ボルト(図示せず)を第1の穴94を通して第1の溶接ナット83(図14)に締め込むことにより、第2の加熱筒保護カバー部材82を第1の加熱筒保護カバー部材81に取り付けることができる。図16に示すように第1の加熱筒保護カバー部材81の第2の面部85の一部と第2の加熱筒保護カバー部材82の第5の面部89の一部、および第1の加熱筒保護カバー部材81の第3の面部86の一部と第2の加熱筒保護カバー部材82の第6の面部90の一部が互いに重なることによりケーブル通過部を形成し、このケーブル通過部から加熱筒用電熱ヒータ10,11の電力供給ケーブル7,8を加熱筒保護カバー80の外側に出すことができる。
【0042】
また、本実施形態において、加熱筒保護カバー80の材料の厚さがボルトのねじピッチに対して充分厚い場合は、第1の溶接ナット83を使用する代わりに、加熱筒保護カバー80に雌ネジ溝を直接加工しても良い。また、第1の加熱筒保護カバー部材81の第1の面部84と第2の面部85とを接続する接続部の二つの平面部(接続部の平面部87,87)には、一つの平面または曲面または複数の折り曲げ平面を用いても良い。また、本実施形態におけるケーブル通過部には実施形態1の図2のような折り返しがあっても良い。
【0043】
<実施形態6>
以下、本発明の第6の実施形態について図5図17図18図19図20図21図22を参照して説明する。本実施形態は、「請求項2」と「請求項3」と「請求項5」に基づいた実施形態である。本実施形態における加熱筒保護カバー100は、第1の加熱筒保護カバー部材101と第2の加熱筒保護カバー部材102と第3の加熱筒保護カバー部材103とから構成される。
【0044】
図5に加熱筒保護カバー100を取り付ける前の加熱筒1を示す。本実施形態における加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は、側面方向に位置する端子ボックス4,5,6から下方向に出たのち加熱筒1の軸方向に向きを変えて延びている。このとき各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は1本合流する度に結束バンド14で1つに束ねられている。
【0045】
図17に本実施形態における加熱筒保護カバー100の第1の加熱筒保護カバー部材を加熱筒1の水冷ジャケット3に取り付けた状態を示す。第1の加熱筒保護カバー部材101は、第1の穴を有する第1の面部105と第2の穴を有する第2の面部106と第1の面部105と第2の面部106とを接続する接続部の一つの面部(接続部の平面部104)とを有する。第1の穴および第2の穴には、脱落防止ボルト116,116が挿通されている。そのため、第1の穴と第2の穴はそれぞれ脱落防止ボルト116,116で隠れている。脱落防止ボルト116の詳細を図18に示す。本実施形態における脱落防止ボルト116は、首付ボルト107をカバー部材の穴(第1の穴,第2の穴)に首部108とねじ部109を挿通した後、抜け止めワッシャ110でカバー部材を挟むように取付けたものである。
【0046】
図19に本実施形態における加熱筒保護カバー100の第2の加熱筒保護カバー部材102の形状を示す。第2加熱筒保護カバー部材102は、第1の穴に対応する位置に第1の溶接ナット115aを有する第3の面部111を有し、第3の面部111に垂直で、第1の加熱筒保護カバー部材101に取り付けた際に加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9より上方に位置するようになる第4の面部112と、第4の面部112と第3の面部111とを接続する接続部の二つの平面部113,113とを有する。
【0047】
本実施形態における第3の面部111と第4の面部112とを接続する接続部は、直角曲げの二つの平面部(接続部の平面部113,113)からなる。また、第2の加熱筒保護カバー部材102には、第2の加熱筒保護カバー部材102が第1の加熱筒保護カバー部材101に取り付けられる際に、各加熱筒用電熱ヒータ10,11の電力供給ケーブル7,8を加熱筒保護カバー100の外側に出すケーブル通過部を形成するためのケーブル通過部形成用の切欠き114,114を有する。
【0048】
第2の加熱筒保護カバー部材102は、第1の加熱筒保護カバー部材101の第1の穴に挿通された脱落防止ボルト116によって取り付けられる。第2の加熱筒保護カバー部材102を移動させて、第1の穴の脱落防止ボルト116を第1の溶接ナット115a(図19)に締め込むことにより、図20に示すように第2の加熱筒保護カバー部材102を第1の加熱筒保護カバー部材101に取り付けることができる。
【0049】
図21に本実施形態における加熱筒保護カバー100の第3の加熱筒保護カバー部材103の形状を示す。第3加熱筒保護カバー部材103は、第2の穴に対応する位置に第2の溶接ナット115bを有する第5の面部117を有し、第5の面部117に垂直で、第1の加熱筒保護カバー部材101に取り付ける際に第2の加熱筒保護カバー部材102の第4の面部112より上方に位置するようになる第6の面部118と、第6の面部118と第5の面部117とを接続する接続部の二つの平面部119,119とを有する。
【0050】
本実施形態における第5の面部117と第6の面部118とを接続する接続部は、135度の角度を成すように曲げられた二つの平面部(接続部の平面部119,119)からなる。また、第3の加熱筒保護カバー部材103には、第3の加熱筒保護カバー部材103が第1の加熱筒保護カバー部材101に取り付けられる際に、各加熱筒用電熱ヒータ10,11の電力供給ケーブル7,8を加熱筒保護カバーの外側に出すケーブル通過部を形成するためのケーブル通過部形成用の切欠き118a,118aを有する。本実施形態における溶接ナット(第1の溶接ナット115a、第2の溶接ナット115b)は、実施形態3の第1の溶接ナット53(図8参照)と同じである。第3の加熱筒保護カバー部材103の第6の面部118を先に取り付けられている第2の加熱筒保護カバー部材102の第4の面部112の上に位置するようにして、第3の加熱筒保護カバー部材103を移動させて、第1の加熱筒保護カバー部材101の第2の穴に挿通した脱落防止ボルト116を第2の溶接ナット115b(図21)に締め込むことにより、第3の加熱筒保護カバー部材103を第1の加熱筒保護カバー部材101に取り付けることができる。
【0051】
図22に示すように第4の面部112の一部と第6の面部118の一部が互いに重なることにより、ケーブル通過部を形成し、このケーブル通過部から結束バンド14によって一つに束ねられた各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9の結束を解くことなく、各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9を加熱筒保護カバー100の外側に出すことができる。
【0052】
また、本実施形態において、加熱筒保護カバー100の材料の厚さが脱落防止ボルト116のねじピッチに対して充分厚い場合は、第1の溶接ナット115a,第2の溶接ナット115bを使用する代わりに、加熱筒保護カバー100に雌ネジ溝を直接加工しても良い。また、第1の加熱筒保護カバー部材101の第1の面部105と第2の面部106とを接続する接続部の一つの平面部(接続部の平面部104)に曲面または複数の折り曲げ平面を用いても良い。また、第2の加熱筒保護カバー部材102の第3の面部111と第4の面部112とを接続する接続部の二つの平面部(接続部の平面部113,113)および第3の加熱筒保護カバー部材103の第5の面部117と第6の面部118とを接続する接続部の二つの平面部(接続部の平面部119,119)に一つの平面または曲面または複数の折り曲げ平面を用いても良い。また、本実施形態におけるケーブル通過部には実施形態1の図2のような折り返しがあっても良い。
【0053】
<実施形態7>
以下、本発明の第7の実施形態について図23図24図25図26図27図28を参照して説明する。本実施形態は、「請求項2」と「請求項3」と「請求項5」に基づいた実施形態である。本実施形態における加熱筒保護カバー120は、第1の加熱筒保護カバー部材121と第2の加熱筒保護カバー部材122と第3の加熱筒保護カバー部材123とから構成される。
【0054】
図23に加熱筒保護カバー120を取り付ける前の加熱筒1を示す。本実施形態における加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は、下方向に位置する端子ボックス4,5,6から水平方向に出たのち加熱筒の軸方向に向きを変えて延びている。このとき各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は1本合流する度に結束バンド14で1つに束ねられている。
【0055】
図24に本実施形態における加熱筒保護カバー120の第1の加熱筒保護カバー部材121を加熱筒1の水冷ジャケット3に取り付けた状態を示す。第1の加熱筒保護カバー部材121は、第1の穴を有する第1の面部126と第2の穴を有する第2の面部127と第1の面部126と第2の面部127とを接続する接続部の一つの平面部(接続部の平面部124)とを有する。第1の穴および第2の穴には、脱落防止ボルト125,125が挿通されている。そのため、第1の穴と第2の穴は脱落防止ボルト125,125で隠れている。本実施形態における脱落防止ボルト125は、実施形態6の脱落防止ボルト116(図17参照)と同じである。
【0056】
図25に本実施形態における加熱筒保護カバー120の第2の加熱筒保護カバー部材122の形状を示す。第2加熱筒保護カバー部材122は、第1の穴に対応する位置に第1の溶接ナット130を有する第3の面部128を有し、第3の面部128に垂直で、第1の加熱筒保護カバー部材121に取り付ける際に加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9より上方に位置するようになる第4の面部129と、第4の面部129と第3の面部128とを接続する接続部の二つの平面部131,131とを有する。本実施形態における第4の面部129と第3の面部128とを接続する接続部は、直角曲げの二つの平面部(接続部の平面部131,131)からなる。
【0057】
第2の加熱筒保護カバー部材122を移動させて、第1の加熱筒保護カバー部材121の第1の穴の脱落防止ボルト125を第1の溶接ナット130(図25)に締め込むことにより、図26に示すように第2の加熱筒保護カバー部材122を第1の加熱筒保護カバー部材121に取り付けることができる。
【0058】
図27に本実施形態における加熱筒保護カバー120の第3の加熱筒保護カバー部材123の形状を示す。第3加熱筒保護カバー部材123は、第2の穴に対応する位置に第2の溶接ナット136を有する第5の面部132を有し、第5の面部132に垂直で、第1の加熱筒保護カバー部材121に取り付ける際に第2の加熱筒保護カバー部材122の第4の面部129より上方に位置するようになる第6の面部133と、第6の面部133と第5の面部132とを接続する接続部の二つの平面部135,135とを有する。
【0059】
本実施形態における第6の面部133と第5の面部132とを接続する接続部は、直角曲げの二つの平面部(接続部の平面部135,135)からなる。また、第3の加熱筒保護カバー部材123には、第3の加熱筒保護カバー部材123が第1の加熱筒保護カバー部材121に取り付ける際に、各加熱筒用電熱ヒータ10,11の電力供給ケーブル7,8を加熱筒保護カバー120の外側に出すケーブル通過部を形成するためのケーブル通過部形成用の切欠き134,134を有する。本実施形態における溶接ナット(第1の溶接ナット130,第2の溶接ナット136)は、実施形態3の第1の溶接ナット53(図8参照)と同じである。第3の加熱筒保護カバー部材123の第6の面部133を、先に取り付けられている第2の加熱筒保護カバー部材122の第4の面部129の上に位置するようにして、第3の加熱筒保護カバー部材123を移動させて、第1の加熱筒保護カバー部材121の第2の穴の脱落防止ボルト125を第2の溶接ナット136(図27)に締め込むことにより、第3の加熱筒保護カバー部材123を第1の加熱筒保護カバー部材121に取り付けることができる。
【0060】
図28に示すように第4の面部129の一部と第6の面部133の一部が互いに重なることによりケーブル通過部を形成し、このケーブル通過部から結束バンド14によって一つに束ねられた各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9の結束を解くことなく、各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9を加熱筒保護カバー120の外側に出すことができる。
【0061】
また、本実施形態において、加熱筒保護カバー120の材料の厚さが脱落防止ボルト125のねじピッチに対して充分厚い場合は、第1の溶接ナット130,第2の溶接ナット136を使用する代わりに、加熱筒保護カバー120に雌ネジ溝を直接加工しても良い。また、第1の加熱筒保護カバー部材121の第1の面部126と第2の面部127とを接続する接続部の一つ平面部(接続部の平面部124)に曲面または複数の折り曲げ平面を用いても良い。また、第2の加熱筒保護カバー部材122の第3の面部128と第4の面部129とを接続する接続部の二つの平面部(接続部の平面部131,131)および第3の加熱筒保護カバー123の第5の面部132と第6の面部133とを接続する接続部の二つの平面部(接続部の平面部135,135)に一つの平面または曲面または複数の折り曲げ平面を用いても良い。また、本実施形態におけるケーブル通過部には実施形態1の図2のような折り返しがあっても良い。
【0062】
<実施形態8>
以下、本発明の第8の実施形態について図29図30図31図32図33図34を参照して説明する。本実施形態は、「請求項2」と「請求項3」と「請求項5」と「請求項6」に基づいた実施形態である。本実施形態における加熱筒保護カバー140は、第1の加熱筒保護カバー部材141と第2の加熱筒保護カバー部材142と第3の加熱筒保護カバー部材143とから構成される。
【0063】
図5に加熱筒保護カバー140を取り付ける前の加熱筒1を示す。本実施形態における加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は、側面方向に位置する端子ボックス4,5,6から下方向に出たのち加熱筒1の軸方向に向きを変えて延びている。このとき各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は1本合流する度に結束バンド14で1つに束ねられている。
【0064】
図29に本実施形態における加熱筒保護カバー140の第1の加熱筒保護カバー部材141を加熱筒1の水冷ジャケット3に取り付けた状態を示す。第1の加熱筒保護カバー部材141は、第1の穴を有する第1の面部146と第2の穴を有する第2の面部147と第1の面部146と第2の面部147とを接続する接続部の一つの平面部(接続部の平面部144)とを有する。第1の穴および第2の穴には、脱落防止ボルト145,145が挿通されている。そのため、第1の穴と第2の穴は、脱落防止ボルト145,145に隠れている。脱落防止ボルト145の詳細を図30に示す。本実施形態における脱落防止ボルト145は、首部149,ねじ部150を備え、首部が長い首付ボルト148をカバー部材の穴に挿通した後、抜け止めワッシャ151でカバー部材を挟むように取付ける。
【0065】
図31に本実施形態における加熱筒保護カバー140の第2の加熱筒保護カバー部材142の形状を示す。第2の加熱筒保護カバー部材142は、第1の穴に対応する位置に第3の穴(穴157)を有する第3の面部152と、第3の面部152に平行で第3の穴(穴157)と同軸上に第1の溶接ナット158を有する第4の面部153とを有する。本実施形態では、平面を矩形波状に曲げることにより、第3の面部152と第4の面部153が形成されていて、第3の面部152と第4の面部153とを接続する接続部の一つの平面部を第5の面部154とする。さらに、第2の加熱筒保護カバー部材142は、第4の面部153に垂直で、第1の加熱筒保護カバー部材141に取り付けた際に加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9より上方に位置するようになる第6の面部155を有する。
【0066】
また、第2の加熱筒保護カバー部材142には、第2の加熱筒保護カバー部材142が第1の加熱筒保護カバー部材141に取り付ける際に、各加熱筒用電熱ヒータ10,11の電力供給ケーブル7,8を加熱筒保護カバー140の外側に出すケーブル通過部を形成するためのケーブル通過部形成用の切欠き156,156を有する。
【0067】
第2の加熱筒保護カバー部材142は、第1の加熱筒保護カバー部材141の第1の穴の脱落防止ボルト145によって取り付けられる。第2の加熱筒保護カバー部材142を移動させて、第1の穴の脱落防止ボルト145を第3の穴(穴157)に通し、第1の溶接ナット158(図31)に締め込むことにより、図32に示すように第2の加熱筒保護カバー部材142を第1の加熱筒保護カバー部材141に取り付けることができる。
【0068】
図33に本実施形態における加熱筒保護カバー140の第3の加熱筒保護カバー部材143の形状を示す。第3加熱筒保護カバー部材143は、第2の穴に対応する位置に第4の穴(穴166)を有する第7の面部160と、第7の面部160に平行で第4の穴(穴166)と同軸上に第2の溶接ナット159を有する第8面部161とを有する。本実施形態では、平面を矩形波状に曲げることにより、第7の面部160と第8の面部161が形成されていて、第7の面部160と第8の面部161とを接続する接続部の一つの平面部を第9の面部162とする。さらに、第3の加熱筒保護カバー部材143は、第8の面部161に垂直で、第1の加熱筒保護カバー部材141に取り付ける際に第2の加熱筒保護カバー部材142の第6の面部155より上方に位置するようになる第10の面部163と、第10の面部163と第8の面部161を接続する接続部の二つの平面部165,165とを有する。本実施形態における第10の面部163と第8の面部161とを接続する接続部は135度の角度を成すように曲げられた二つの平面部(接続部の平面部165)からなる。
【0069】
また、第3の加熱筒保護カバー部材143には、第3の加熱筒保護カバー部材143が第1の加熱筒保護カバー部材141に取り付ける際に、各加熱筒用電熱ヒータ10,11の電力供給ケーブル7,8を加熱筒保護カバー140の外側に出すケーブル通過部を形成するためのケーブル通過部形成用の切欠き164,164を有する。本実施形態における溶接ナット(第1の溶接ナット158,第2の溶接ナット159)は、実施形態3の溶接ナット53(図8参照)と同じである。第3の加熱筒保護カバー部材143の第10の面部163を、先に取り付けられている第2の加熱筒保護カバー部材142の第6の面部155の上に位置するようにして、第3の加熱筒保護カバー部材143を移動させて、第1の加熱筒保護カバー部材141の第2の穴の脱落防止ボルトを第4の穴(穴166)に通し、第2の溶接ナット159(図33)に締め込むことにより、第3の加熱筒保護カバー部材143を第1の加熱筒保護カバー部材141に取り付けることができる。
【0070】
図34に示すように、第2の加熱筒保護カバー部材142の第6の面部155の一部と第3の加熱筒保護カバー部材143の第10の面部163の一部が互いに重なることにより、ケーブル通過部を形成し、このケーブル通過部から結束バンド14によって一つに束ねられた各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9の結束を解くことなく、各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9を加熱筒保護カバー140の外側に出すことができる。
【0071】
また、本実施形態では、第2の加熱筒保護カバー部材142の第4の面部153に平行で外側に位置する第2の加熱筒保護カバー部材142の第3の面部152が、第1の加熱筒保護カバー部材141の第1の面部146と当たることによって、第1の加熱筒保護カバー部材142の第1の溶接ナット158を有する第4の面部153と第1の面部146との間隔が第5の面部154によって保持されているので、首部が長い脱落防止ボルト145の軸方向の移動に自由度がある。これによって複数箇所ある脱落防止ボルト145を1本ずつ第1の溶接ナット158から抜き出したとしても、第1の加熱筒保護カバー部材141の第1の面部146を変形させることは無い。このことは第3の加熱筒保護カバー部材143の第7の面部160と第8の面部161と第9の面部162と第1の加熱筒保護カバー部材141の第2の面部147も同様である。
【0072】
また、本実施形態において、加熱筒保護カバー140の材料の厚さが脱落防止ボルト145および抜け止め付ボルトのねじピッチに対して充分厚い場合は、第1の溶接ナット158,第2の溶接ナット159を使用する代わりに、加熱筒保護カバー140に雌ネジ溝を直接加工しても良い。また、第1の加熱筒保護カバー部材141の第1の面部146と第2の面部147とを接続する接続部の一つの平面部(接続部の平面部144)、および、第2の加熱筒保護カバー部材142の第5の面部154および第3の加熱筒保護カバー143の第9の面部162に曲面または複数の折り曲げ平面を用いても良い。また、第3の加熱筒保護カバー143の第8の面部161と第10の面部163とを接続する接続部の二つの平面部(接続部の平面部165,165)に一つの平面または曲面または複数の折り曲げ平面を用いても良い。また、本実施形態におけるケーブル通過部には実施形態1の図2のような折り返しがあっても良い。
【0073】
<実施形態9>
以下、本発明の第9の実施形態について図35図36図37図38図39を参照して説明する。本実施形態は、「請求項2」と「請求項3」と「請求項5」と「請求項6」に基づいた実施形態である。本実施形態における加熱筒保護カバー170は、第1の加熱筒保護カバー部材171と第2の加熱筒保護カバー部材172と第3の加熱筒保護カバー部材173とから構成される。
【0074】
図23に加熱筒保護カバー170を取り付ける前の加熱筒1を示す。本実施形態における加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は、下方向に位置する端子ボックス4,5,6から水平方向に出たのち加熱筒1の軸方向に向きを変えて延びている。このとき各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9は1本合流する度に結束バンド14で1つに束ねられている。
【0075】
図35に本実施形態における加熱筒保護カバー170の第1の加熱筒保護カバー部材171を加熱筒1の水冷ジャケット3に取り付けた状態を示す。第1の加熱筒保護カバー部材171は、第1の穴を有する第1の面部174と第2の穴を有する第2の面部175と第1の面部174と第2の面部175とを接続する接続部の一つの平面部(接続部の平面部191)とを有する。第1の穴および第2の穴には、脱落防止ボルト176,176が挿通されている。そのため、第1の穴と第2の穴は、脱落防止ボルト176,176に隠れている。本実施形態における脱落防止ボルト176は、実施形態8の脱落防止ボルト145(図29参照)と同じである。
【0076】
図36に本実施形態における加熱筒保護カバー170の第2の加熱筒保護カバー部材172の形状を示す。第2の加熱筒保護カバー部材172は、第1の穴に対応する位置に第3の穴(穴182)を有する第3の面部177と、第3の面部177に平行で第3の穴(穴182)と同軸上に第1の溶接ナット181を有する第4の面部178とを有する。本実施形態では、平面を矩形波状に曲げることにより、第3の面部177と第4の面部178が形成されていて、第3の面部177と第4の面部178とを接続する接続部の一つの平面部を第5の面部179とする。さらに、第2の加熱筒保護カバー部材172は、第4の面部178に垂直で、第1の加熱筒保護カバー部材171に取り付け際に加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9より上方に位置するようになる第6の面部180を有する。
【0077】
第2の加熱筒保護カバー部材172を移動させて、第1の穴の脱落防止ボルト176を第3の穴(穴182)に通して、第1の溶接ナット181(図36)に締め込むことにより、図37に示すように第2の加熱筒保護カバー部材172を第1の加熱筒保護カバー部材171に取り付けることができる。
【0078】
図38に本実施形態における加熱筒保護カバー170の第3の加熱筒保護カバー部材173の形状を示す。第3の加熱筒保護カバー部材173は、第2の穴に対応する位置に第4の穴(穴187)を有する第7の面部183と、第7の面部183に平行で第4の穴(穴187)と同軸上に第2の溶接ナット188を有する第8の面部184とを有する。本実施形態では、平面を矩形波状に曲げることにより、第7の面部183と第8の面部184が形成されていて、第7の面部183と第8の面部184とを接続する接続部材の一つの平面部を第9の面部185とする。
【0079】
さらに、第3の加熱筒保護カバー部材173は、第8の面部184に垂直で、第1の加熱筒保護カバー部材171に取り付ける際に第2の加熱筒保護カバー部材172の第6の面部180より上方に位置するようになる第10の面部186と、第10の面部186と第8の面部184を接続する接続部の二つの平面部190,190とを有する。本実施形態における第10の面部186と第8の面部184とを接続する接続部は、直角曲げの二つの平面部(接続部の平面部190,190)からなる。
【0080】
第3の加熱筒保護カバー部材173には、第3の加熱筒保護カバー部材173が第1の加熱筒保護カバー部材171に取り付ける際に、各加熱筒用電熱ヒータ10,11の電力供給ケーブル7,8を加熱筒保護カバー170の外側に出すケーブル通過部を形成するためのケーブル通過部形成用の切欠き189,189を有する。本実施形態における溶接ナット(第1の溶接ナット181,第2の溶接ナット188)は、実施形態3の溶接ナット53(図8参照)と同じである。第3の加熱筒保護カバー部材173の第10の面部186を先に取り付けられている第2の加熱筒保護カバー部材172の第6の面部180の上に位置するようにして、第3の加熱筒保護カバー部材173を移動させて、第1の加熱筒保護カバー部材171の第2の穴の脱落防止ボルト176を第4の穴に通して、第2の溶接ナット188(図38)に締め込むことにより、第3の加熱筒保護カバー部材173を第1の加熱筒保護カバー部材171に取り付けることができる。
【0081】
図39に示すように、第2の加熱筒保護カバー部材172の第6の面部180の一部と第3の加熱筒保護カバー部材173の第10の面部186の一部が互いに重なることによりケーブル通過部を形成し、このケーブル通過部から結束バンド14によって一つに束ねられた各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9の結束を解くことなく、各加熱筒用電熱ヒータ10,11,12の電力供給ケーブル7,8,9を加熱筒保護カバー170の外側に出すことができる。
【0082】
また、本実施形態では、第2の加熱筒保護カバー部材172の第4の面部178に平行で外側に位置する第2の加熱筒保護カバー部材の第3の面部177が、第1の加熱筒保護カバー部材171の第1の面部174と当たることによって、第1の溶接ナット181を有する第4の面部178と第1の面部174との間隔が第5の面部179によって保持されているので、首部が長い脱落防止ボルト176の軸方向の移動に自由度がある。これによって複数箇所ある脱落防止ボルト176を1本ずつ第1の溶接ナット181から抜き出したとしても、第1の加熱筒保護カバー部材171の第1の面部174を変形させることは無い。このことは第3の加熱筒保護カバー部材173の第7の面部183と第8の面部184と第9の面部185と第1の加熱筒保護カバー部材171の第2の面部175も同様である。
【0083】
また、本実施形態において、加熱筒保護カバー170の材料の厚さが脱落防止ボルトのねじピッチに対して充分厚い場合は、第1の溶接ナット181,第2の溶接ナット188を使用する代わりに、加熱筒保護カバーに雌ネジ溝を直接加工しても良い。また、第1の加熱筒保護カバー部材171の第1の面部174と第2の面部175とを接続する接続部の一つの平面部(接続部の平面部191)および第2の加熱筒保護カバー部材172の第5の面部179および第3の加熱筒保護カバー部材173の第9の面部に曲面または複数の折り曲げ平面を用いても良い。また、第3の加熱筒保護カバー部材173の第8の面部と第10の面部とを接続する接続部の二つの平面部(接続部の平面部190,190)に一つの平面または曲面または複数の折り曲げ平面を用いても良い。また、本実施形態におけるケーブル通過部には実施形態1の図2のような折り返しがあっても良い。
【0084】
上述した各実施形態において、「分割されるカバー部材から構成され、互いに接合されるカバー部材のうち一部または全部に関して、互いに接合される一方のカバー部材または両方のカバー部材にケーブル通過部形成用の切欠きが設けられ、」とあるが、互いに接合されるカバー部材の全ての接合部に前記ケーブル通過部形成用の切欠きがある必要は無い。例えば実施形態2の第1の加熱筒保護カバー部材と第2の加熱筒保護カバー部材との接合部には、ケーブル通過部形成用の切欠きは必要ない。また、前記ケーブル通過部形成用の切欠きは、加熱筒保護カバーを加熱筒に取り付けた際に、各加熱筒用電熱ヒータの電力供給ケーブルが前記加熱筒用電熱ヒータに接続する部分の近傍にケーブル通過部が形成されるようにそれぞれ配置されていることが望ましいが、前記ケーブル通過部と加熱筒用電熱ヒータの電力供給ケーブルを一対一に対応させなくても良い。
【符号の説明】
【0085】
1 加熱筒
2 ノズル
3 水冷ジャケット
4 端子ボックス
5 端子ボックス
6 端子ボックス
7 ケーブル
8 ケーブル
8a コネクタ部
9 ケーブル
10 電熱ヒータ
11 電熱ヒータ
12 電熱ヒータ
13 矢印
14 結束バンド

20 加熱筒保護カバー
21 ケーブル通過用の穴
22 ケーブル通過用切欠き
23 折り返し

30 加熱筒保護カバー
31 第1の加熱筒保護カバー部材
32 第2の加熱筒保護カバー部材
33 第3の加熱筒保護カバー部材
34 第4の加熱筒保護カバー部材
35 第5の加熱筒保護カバー部材
36 第6の加熱筒保護カバー部材
37 蝶番
38 ケーブル通過部形成用の切欠き
39 ケーブル通過部

50 加熱筒保護カバー
51 第1の加熱筒保護カバー部材
52 第2の加熱筒保護カバー部材
53 第1の溶接ナット
54 第1の面部
55 第2の面部
56 接続部の平面部
57 穴
58 第3の面部
59 第4の面部
60 ケーブル通過部形成用の切欠き
61 接続部の平面部

70 加熱筒保護カバー
71 第1の加熱筒保護カバー部材
72 第2の加熱筒保護カバー部材
73 ケーブル通過部形成用の切欠き
74 蝶番

80 加熱筒保護カバー
81 第1の加熱筒保護カバー部材
82 第2の加熱筒保護カバー部材
83 第1の溶接ナット
84 第1の面部
85 第2の面部
86 第3の面部
87 接続部の平面部
88 第4の面部
89 第5の面部
90 第6の面部
91 接続部の平面部
92 接続部の平面部
93 ケーブル通過部形成用の切欠き
94 第1の穴

100 加熱筒保護カバー
101 第1の加熱筒保護カバー部材
102 第2の加熱筒保護カバー部材
103 第3の加熱筒保護カバー部材
104 接続部の平面部
105 第1の面部
106 第2の面部
107 首付ボルト
108 首部
109 ねじ部
110 抜け止めワッシャ
111 第3の面部
112 第4の面部
113 接続部の平面部
114 ケーブル通過部形成用の切欠き
115a 第1の溶接ナット
115b 第2の溶接ナット
116 脱落防止ボルト
117 第5の面部
118 第6の面部
118a ケーブル通過部形成用の切欠き
119 接続部の平面部
120 加熱筒保護カバー
121 第1の加熱筒保護カバー部材
122 第2の加熱筒保護カバー部材
123 第3の加熱筒保護カバー部材
124 接続部の平面部
125 脱落防止ボルト
126 第1の面部
127 第2の面部
128 第3の面部
129 第4の面部
130 第1の溶接ナット
131 接続部の平面部
132 第5の面部
133 第6の面部
134 ケーブル通過部形成用の切欠き
135 接続部の平面部
136 第2の溶接ナット

140 加熱筒保護カバー
141 第1の加熱筒保護カバー部材
142 第2の加熱筒保護カバー部材
143 第3の加熱筒保護カバー部材
144 接続部の平面部
145 脱落防止ボルト
146 第1の面部
147 第2の面部
148 首付ボルト
149 首部
150 ねじ部
151 抜け止めワッシャ
152 第3の面部
153 第4の面部
154 第5の面部
155 第6の面部
156 ケーブル通過部形成用の切欠き
157 穴
158 第1の溶接ナット
159 第2の溶接ナット
160 第7の面部
161 第8の面部
162 第9の面部
163 第10の面部
164 ケーブル通過部形成用の切欠き
165 接続部の平面部
166 穴

170 加熱筒保護カバー
171 第1の加熱筒保護カバー部材
172 第2の加熱筒保護カバー部材
173 第3の加熱筒保護カバー部材
174 第1の面部
175 第2の面部
176 脱落防止ボルト
177 第3の面部
178 第4の面部
179 第5の面部
180 第6の面部
181 第1の溶接ナット
182 穴
183 第7の面部
184 第8の面部
185 第9の面部
186 第10の面部
187 穴
188 第2の溶接ナット
189 ケーブル通過部形成用の切欠き
190 接続部の平面部
191 接続部の平面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
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図20
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図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39