(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本明細書に記載の液体吸収能力試験方法に従って測定された場合に12g/gを超える液体吸収能力を呈し、本明細書に記載の固体漏出試験方法に従って測定された場合に8.5未満の固体漏出Lr値を呈し、本明細書に記載の細孔容積分布試験方法により測定された場合に、繊維性構造体に存在する細孔合計容積の少なくとも43%が半径91μm〜140μmの細孔で存在するような細孔容積分布を呈し、前記繊維性構造体が複数のフィラメントと複数の固体添加物とを含み、前記固体添加物の少なくとも1つが木材パルプ繊維を含み、前記木材パルプ繊維が、南部針葉樹クラフトパルプ繊維、北部針葉樹クラフトパルプ繊維、ユーカリパルプ繊維、及びアカシアパルプ繊維からなる群から選択され、前記フィラメントの少なくとも1つが熱可塑性ポリマー又は天然ポリマーを含み、前記熱可塑性ポリマーが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記天然ポリマーが、デンプン、デンプン誘導体、セルロース、セルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、繊維性構造体。
前記繊維性構造体が、本明細書に記載の引っ張り強度試験方法に従って測定された場合に5.0Nを超えるCD濡れ開始時引っ張り強度を呈する、請求項1に記載の繊維性構造体。
前記繊維性構造体が、本明細書に記載の細孔容積分布試験方法により測定された場合に、前記繊維性構造体に存在する細孔合計容積の少なくとも45%が半径91μm〜140μmの細孔で存在するような細孔容積分布を呈する、請求項1に記載の繊維性構造体。
前記繊維性構造体が、本明細書に記載の細孔容積分布試験方法により測定された場合に、前記繊維性構造体に存在する細孔合計容積の少なくとも30%が半径121μm〜200μmの細孔で存在するような細孔容積分布を呈する、請求項1に記載の繊維性構造体。
前記繊維性構造体が、本明細書に記載のローション放出試験方法に従って測定された場合に、0.25gを超えるローション放出を呈する、請求項6に記載の繊維性構造体。
【発明を実施するための形態】
【0021】
定義
本明細書で使用するとき、「繊維性構造体」は、フィラメント及び/又は繊維を含む構造体を意味する。一実施例では、繊維性構造体は、例えば、赤ちゃん用拭取り布といった湿式拭取り布などの拭取り布である。例えば、「繊維性構造体」と「拭取り布」は、本明細書では互換的に使用され得る。一実施例では、本発明による繊維性構造体は、機能を果たすために、構造体内でフィラメント及び/又は繊維が規則正しく配列している構造体を意味する。別の例では、本発明による繊維性構造体は不織布である。
【0022】
繊維性構造体の製造プロセスの非限定例としては、既知の湿式抄紙法、カード処理及び/又はスパンレース処理プロセスなどのエアレイド抄紙法が挙げられる。このようなプロセスは典型的には、湿式媒質、より具体的には水性媒質、又は乾式媒質、より具体的には気体媒質、すなわち空気を媒質としたもののいずれかの媒質中の懸濁液の形状の繊維組成物を調製する工程を含む。湿式法で用いる水性媒質は、繊維スラリーと称する場合が多い。続いて、繊維スラリーを用いて、フォーミングワイヤ又はベルトに複数の繊維を堆積させ、初期の繊維性構造体が形成されるようにし、その後、繊維を合わせて乾燥及び/又は接着することによって、繊維性構造体を得る。繊維性構造体の更なる加工は、最終繊維性構造体が形成されるように実行され得る。例えば、典型的な抄紙法では、最終的な繊維性構造体は、抄紙の最後にリールに巻きつけられると共に、その後、最終製品、例えば衛生ティッシュ製品に変換してよい繊維性構造体である。
【0023】
本発明の繊維性構造体は、均質であってもよく、又は積層されていてもよい。積層されている場合、繊維性構造体は、少なくとも2つ、及び/又は少なくとも3つ、及び/又は少なくとも4つ、及び/又は少なくとも5つの層を含んでよい。
【0024】
一実施例では、繊維性構造体は、不織布である。
【0025】
本明細書で使用するときの本発明の目的の、及びEDANAに定義されるような「不織布ウェブ」は、任意の手段によってウェブに形成されており、かつ製織又は編み組みを除いた任意の手段によって一緒に接合され得る、任意の特質又は起源の、繊維、連続フィラメント又は細切れ糸からなるシートを意味する。湿式ミリングにより得られるフェルトは、不織布ではない。湿式ウェブは、これらが最少でも50重量%の人工繊維、フィラメント又は非植物由来の他の繊維を300以上である半径に対する長さの比率で含有するか、あるいは、最小でも30重量%の人工繊維、フィラメント又は非植物由来の他の繊維を600以上である半径に対する長さの比率及び0.40g/cm
3の最大かさ密度で含有するならば、不織布である。
【0026】
本発明の繊維性構造体は、共形成(co-formed)繊維性構造体であってもよい。
【0027】
本明細書で使用するとき、「同時形成した繊維性構造体」は、その繊維性構造体が、少なくとも2つの異なる材料の混合物であって、その材料の少なくとも1つが、ポリプロピレンフィラメントのようなフィラメントを含み、その第1の材料とは異なる少なくとも1つの他の材料が、繊維及び/又は微粒子のような固体添加物を含む混合物を含むことを意味する。一実施例では、同時形成した繊維性構造体は、繊維(木材パルプ繊維、及び/又は吸収性ゲル材、及び/又は充填剤粒子、及び/又は微粒子点接着粉末、及び/又は粘土)、並びにフィラメント(ポリプロピレンフィラメントなど)のような固体添加物を含む。
【0028】
本明細書で使用するとき、「固体添加物」は、繊維及び/又は微粒子を意味する。
【0029】
本明細書で使用するとき、「微粒子」は、粒状物質又は粉末を意味する。
【0030】
本明細書で使用するとき、「繊維」及び/又は「フィラメント」は、見掛け上の長さが見掛け上の幅を大きく上回っている、すなわち、長さと直径との比率が少なくとも約10である細長い微粒子を意味する。本発明の目的では、「繊維」は、上記のような細長い微粒子のうち、長さが5.08cm(2インチ)未満の微粒子であり、「フィラメント」は、上記のような細長い微粒子のうち、長さが5.08cm(2インチ)以上の微粒子である。
【0031】
繊維は、典型的には事実上連続していないと考えられる。繊維の非限定例としては、木材パルプ繊維、レーヨンが挙げられ、これらとしては、ビスコース、リオセル、綿;ウール;絹;黄麻;亜麻布;カラムシ;麻布;亜麻;ラクダ毛;洋麻;並びに、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、天然ポリマー(デンプン、デンプン誘導体、セルロース及びセルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、キチン、キトサン、ポリイソプレン(シス及びトランス)、ペプチド、ポリヒドロキシアルカノエートなど)、ポリオレフィンのコポリマー(ポリエチレン−オクテンなど)から製造される合成スフ、生分解性又は堆肥化可能な熱可塑性繊維(ポリ乳酸フィラメント、ポリビニルアルコールフィラメント及びポリカプロラクトンフィラメントなど)が挙げられるがこれらに限定されない。繊維は、単成分であってもよく、又は、多成分であってもよく、例えば、二成分フィラメント、円形、非円形フィラメント及びこれらの組み合わせなどである。
【0032】
フィラメントは、典型的には事実上連続しているか、ほぼ連続していると考えられる。フィラメントは、相対的に繊維より長い。フィラメントの非限定的な例としては、メルトブローン及び/又はスパンボンドフィラメントを含む。紡糸してフィラメントにできる材料の非限定的な例としては、天然ポリマー(デンプン、デンプン誘導体、セルロース及びセルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、キチン、キトサン、ポリイソプレン(シス及びトランス)、ペプチド、ポリヒドロキシアルカノエートなど)と、合成ポリマー(ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィンのような熱可塑性ポリマーを含む熱可塑性ポリマーフィラメント、例えば、ポリプロピレンフィラメント、ポリエチレンフィラメント、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム(吸収性ゲル材)フィラメント、並びに、ポリエチレン−オクテンのようなポリオレフィンのコポリマー、ポリ乳酸フィラメント、ポリビニルアルコールフィラメント、及びポリカプロラクトンフィラメントのような生分解性又は堆肥化可能な熱可塑性繊維が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。フィラメントは、モノコンポーネントであってもマルチコンポーネントであってもよく、例えばバイコンポーネントフィラメントであってよい。
【0033】
本発明の一実施例では、「繊維」は抄紙用繊維を指す。本発明で有用な抄紙用繊維には、木材パルプ繊維として一般的に既知のセルロース繊維が含まれる。利用可能な木材パルプには、クラフト(Kraft)パルプ、亜硫酸パルプ、及び硫酸塩パルプなどの化学パルプ、並びに例えば、砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、及び化学的に改質したサーモメカニカルパルプを包含するメカニカルパルプが挙げられる。しかしながら、化学パルプが、これから作製されたティッシュシートに触知できる優れた柔軟性を付与することから、好ましいことがある。落葉樹(以下、「広葉樹材」とも呼ばれる)及び針葉樹(以下、「針葉樹材」とも呼ばれる)の両方に由来するパルプが使用できる。広葉樹繊維及び針葉樹繊維は混合することができ、あるいは、複数の層に堆積させて、層状ウェブを提供することができる。広葉樹及び針葉樹繊維の層状化を開示する目的で、米国特許第4,300,981号及び同第3,994,771号を本明細書に参考として組み込む。また、上記部類のいずれか又は全て、並びに元々の抄紙を容易にするために使用された充填剤及び接着剤などの他の非繊維性物質を含有し得るリサイクル紙から得られる繊維も、本発明に適用可能である。
【0034】
様々な木材パルプ繊維に加えて、他のセルロース系繊維、例えば、綿リンター、レーヨン、リヨセル、及びバガスを本発明で使用することができる。繊維の形状であるか、又は紡糸して繊維にすることができる他のセルロース源としては、草及び穀物源が挙げられる。
【0035】
本明細書で使用するとき、「衛生ティッシュ製品」は、排尿後及び排便後の清拭用の拭き取り用具(トイレットペーパー)、耳鼻咽喉からの排泄物用の拭き取り用具(ティッシュペーパー)、及び多機能の吸収及び清拭用の拭き取り用具(吸収性タオル)として有用である柔らかく低密度の(すなわち<約0.15g/cm
3)ウェブを意味する。本発明の好適な衛生ティッシュ製品の非限定的な例としては、ペーパータオル、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ナプキン、乳児用拭取り布、大人用拭取り布、ウェットタオル、清拭用拭取り布、研磨用拭取り布、化粧用拭取り布、カーケア用拭取り布、特定の機能を発揮する活性剤を含む拭取り布、Swiffer(登録商標)クリーニングワイプ/パッドなどの用品と共に使用するための清拭用基材が挙げられる。衛生ティッシュ製品は、衛生ティッシュ製品のロールを形成するように、芯を中心に、又は芯なしで、自身の上に回旋状に巻き付けられていてもよい。
【0036】
一実施例では、本発明の衛生ティッシュ製品は、本発明による繊維性構造体を含む。
【0037】
本発明の衛生ティッシュ製品は、約10g/m
2〜約120g/m
2、及び/又は約15g/m
2〜約110g/m
2、及び/又は約20g/m
2〜約100g/m
2、及び/又は約30〜90g/m
2の坪量を示してよい。更に、本発明の衛生ティッシュ製品は、約40g/m
2〜約120g/m
2、及び/又は約50g/m
2〜約110g/m
2、及び/又は約55g/m
2〜約105g/m
2、及び/又は約60〜100g/m
2の坪量を示してよい。一実施例では、衛生ティッシュ製品は、本明細書に記載の坪量試験方法に従って測定された場合に55g/m
2未満及び/又は50g/m
2未満及び/又は47g/m
2未満及び/又は45g/m
2未満及び/又は40g/m
2未満及び/又は35g/m
2未満及び/又は20g/m
2超及び/又は25g/m
2超及び/又は30g/m
2超の坪量を呈する。
【0038】
一実施例では、本発明の衛生ティッシュ製品は、本発明に記載のCD濡れ開始時引っ張り強度試験方法に従って測定された場合に5.0N超及び/又は5.5N超及び/又は6.0N超のCD濡れ開始時引っ張り強度を呈し得る。
【0039】
本発明の衛生ティッシュ製品は、(95g/インチ
2)で測定した場合)約0.60g/cm
3未満及び/又は約0.30g/cm
3未満及び/又は約0.20g/cm
3未満及び/又は約0.10g/cm
3未満及び/又は約0.07g/cm
3未満及び/又は約0.05g/cm
3未満及び/又は約0.01g/cm
3〜約0.20g/cm
3及び/又は約0.02g/cm
3〜約0.10g/cm
3の密度を呈し得る。
【0040】
本発明の衛生ティッシュ製品は、柔軟剤、一時的湿潤紙力増強剤、恒久的湿潤紙力増強剤、バルク柔軟剤(bulk softening agents)、シリコーン、湿潤剤、ラテックス、特に表面パターンを付けるラテックス、乾燥紙力増強剤(カルボキシメチルセルロース及びデンプンなど)、並びに、衛生ティッシュ製品の中及び/又は上に含めるのに適したその他のタイプの接着剤のような接着剤を含んでよい。
【0041】
本明細書で使用するとき、「重量平均分子量」は、Colloids and Surfaces A.Physico Chemical & Engineering Aspects,Vol.162,2000,pg.107〜121に見出されるプロトコルに従って、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて決定される重量平均分子量を意味する。
【0042】
本明細書で使用するとき、「坪量」は、ポンド/3000ft
2又はg/m
2と記録されたサンプルの単位面積当たりの重量である。
【0043】
本明細書で使用するとき、「積層体」は、繊維性構造体及び/又は拭取り布をきちんと重ねたものを指す。積層体内の最上部及び最底部の拭取り布を除いて、積層体内に少なくとも3枚の拭取り布が存在するという仮定で、各拭取り布は、積層体内のそれ自体の直接上及び下の拭取り布と直接向かい合わせで接触している。更に、上から見ると、拭取り布は、積層体の最上部の拭取り布のみが視認可能であるように、互いの上に積み重ねられているか重ね合わされている。積層体の高さは、積層体内の最底部の拭取り布の底部から積層体内の最上部の拭取り布の上部までで測定され、ミリメートル(mm)単位で与えられる。
【0044】
「液体組成物」及び「ローション」は、本明細書では互換的に使用され、水、水溶液などの純粋な液体、コロイド、エマルション、懸濁液、溶液及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない任意の液体を指す。本明細書で使用するとき、用語「水溶液」は、少なくとも約20重量%、少なくとも約40%又は少なくとも約50%が水であり、かつ約95重量%又は約90重量%以下が水である溶液を指す。
【0045】
一実施例では、液体組成物は、水又は別の液体溶媒を含む。一般に、液体組成物は、繊維性構造体の構造全体に含浸するために十分粘度の低いものである。別の例では、液体組成物は、主に繊維性構造体表面に存在し、少量が繊維性構造体の内部構造に存在する。更なる例では、液体組成物は繊維性構造体により放出可能に運搬され、すなわち、液体組成物は繊維性構造体上又は繊維性構造体内に運搬され、ある種の力を繊維性構造体に印加することにより、例えば、繊維性構造体で表面を拭き取ることにより、繊維性構造体から容易に放出可能である。
【0046】
本発明で使用される液体組成物は、主に水中油エマルションであるが、これに限定されない。一実施例では、本発明の液体組成物は、少なくとも80重量%及び/又は少なくとも85重量%及び/又は少なくとも90重量%及び/又は少なくとも95重量%の水を含む。
【0047】
繊維性構造体上又は繊維性構造体内に存在する場合、液体組成物は、繊維性構造体の坪量の約10%〜約1000%、及び/又は繊維性構造体の坪量の約100%〜約700%、及び/又は繊維性構造体の坪量の約200%〜約500%、及び/又は繊維性構造体の坪量の約200%〜約400%の濃度で存在し得る。
【0048】
液体組成物は、酸を含んでもよい。本発明の液体組成物中で使用できる酸の非限定例は、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、グリコール酸、グルタル酸、マロン酸、サリチル酸、グルコン酸、高分子酸、リン酸、カルボン酸、フマル酸及びフタル酸並びにこれらの混合物である。好適な高分子酸としてはホモポリマー、コポリマー及びターポリマーを挙げることができ、好適な高分子酸は少なくとも30モル%のカルボン酸基を含有し得る。本明細書で有用な好適な高分子酸の具体例としては、直鎖ポリ(アクリル)酸並びにそのイオン性及び非イオン性両方のコポリマー(例えば、マレイン酸−アクリル酸コポリマー、スルホン酸−アクリル酸コポリマー及びスチレン−アクリル酸コポリマー)、約250,000未満、好ましくは約100,000未満の分子量を有するこれらの架橋ポリアクリル酸、ポリ(α−ヒドロキシ)酸、ポリ(メタクリル)酸、並びに、カラギナン酸(carageenic acid)、カルボキシメチルセルロース及びアルギン酸が挙げられる。一実施例では、液体組成物は、クエン酸及び/又はクエン酸誘導体を含む。
【0049】
液体組成物はまた、pHを低下させるために使用される酸(1つ又は複数)の塩を含有してもよく、又は、繊維性構造体に緩衝特性を付与するために別の弱塩基を含有してもよい。緩衝応答は、遊離酸とその塩との間に生じる平衡に起因する。これにより、繊維性構造体は、赤ちゃん又は成人において排尿後又は排便後にみられるような比較的大量の体外排泄物と遭遇するにもかかわらず、その全体pHを維持することが可能になる。一実施形態では、酸の塩は、クエン酸ナトリウムであり得る。ローション中に存在するクエン酸ナトリウムの量は、ローションの0.01〜2.0%、又は0.1〜1.25%、又は0.2〜0.7%であり得る。
【0050】
一実施例では、液体組成物は、防腐剤化合物を全く含有しない。
【0051】
上記成分に加えて、液体組成物は添加成分を含んでもよい。本発明の液体組成物中に存在してもよい添加成分の非限定例としては、ワセリン、コレステロール及びコレステロール誘導体、ジグリセリド及びトリグリセリド(ヒマワリ油及びゴマ油など)、シリコーン油(ジメチコンコポリオール、カプリリルグリコールなど)及びアセトグリセリド(ラノリン及びその誘導体)などのワックス、乳化剤が挙げられる皮膚コンディショニング剤(皮膚軟化剤、保湿剤);安定剤;アニオン性、両性、カチオン性及び非イオン性界面活性剤などの界面活性剤、着色剤、EDTAなどのキレート化剤、日焼け止め剤、可溶化剤、香料、乳白剤、ビタミン、キサンタンガムなどの粘度調整剤、収れん剤及び外用鎮痛剤が挙げられる。
【0052】
「予め湿らせておいた」及び「湿式」は本明細書では互換的に使用され、一般的な水分不透過性容器又は包装材内への梱包に先立って液体組成物で湿らせた繊維性構造体及び/又は拭取り布を指す。このような予め湿らせておいた拭取り布は、「湿式拭取り布」及び「ウェットタオル」とも呼ぶことができ、赤ちゃん並びにそれよりも年長の子供及び成人における使用に好適であり得る。
【0053】
「飽和荷重」及び「ローション荷重」は、本明細書では互換的に使用され、繊維性構造体又は拭取り布に適用される液体組成物の量を指す。一般に、適用される液体組成物の量は、拭取り布からなる最終製品に対し最大の効果を提供する規模で選択され得る。飽和荷重は、典型的には、乾燥した拭き取り製品のグラム当たりの液体組成物のグラムとして表される。
【0054】
飽和荷重は、多くの場合、飽和パーセントとして表され、繊維性構造体若しくは拭取り布上又は繊維性構造体若しくは拭取り布内に存在する液体組成物が表す、乾燥した(液体組成物が全く含まれない)繊維性構造体又は拭取り布の質量の百分率として定義される。例えば、1.0の飽和荷重(すなわち、100%飽和)は、繊維性構造体若しくは拭取り布上又は繊維性構造体若しくは拭取り布内に存在する液体組成物の質量が乾燥した(液体組成物が全く含まれない)繊維性構造体又は拭取り布の質量に等しいことを示す。
【0055】
以下の等式を使用して、繊維性構造体又は拭取り布の飽和荷重を計算する。
【数1】
【0056】
「飽和勾配指数」(SGI)は、積層体の上部の拭取り布がどれだけ良好に水分を保持するかの尺度である。拭取り布の積層体のSGIは、下記のように測定され、積層体内の最上部の拭取り布に対する積層体内の最底部の拭取り布の平均ローション荷重の比率として計算される。理想的な拭取り布の積層体は約1.0のSGIを有し、すなわち、最上部の拭取り布は最底部の拭取り布と同程度に保水する。上記実施形態では、積層体は、約1.0〜約1.5のSGIを有する。
【0057】
繊維性構造体又は拭取り布積層体についての飽和勾配指数は、積層体の上部の設定数の繊維性構造体又は拭取り布の飽和荷重に対する積層体の底部の同じ数の繊維性構造体又は拭取り布の飽和荷重の比率として計算される。例えば、およそ80カウントの拭取り布積層体に関しては、飽和勾配指数は、底部及び上部から10枚の拭取り布を用いる比率であり、およそ30カウントの拭取り布積層体に関しては底部及び上部から5枚の拭取り布が用いられ、30未満に関しては底部及び上部から1枚のみの拭取り布が用いられる。以下の等式は、80カウントの積層体の飽和勾配指数の計算の例を示す。
【数2】
【0058】
飽和プロファイル又は濡れ勾配は、飽和勾配指数が1.0超である場合に、積層体に存在する。飽和勾配指数が1.0を著しく超える(例えば、約1.5である)場合には、ローションは、積層体の上部から滴り、容器の底部に溜まり、その結果、積層体の底部に最も近い繊維性構造体又は拭取り布の濡れと比較して積層体内の最上部の繊維性構造体又は拭取り布の濡れに顕著な違いが存在し得る。例えば、完璧な容器の拭取り布は、飽和勾配指数1.0を有し、最底部の拭取り布及び最上部の拭取り布は、保存中等しい飽和荷重を維持するであろう。全ての拭取り布の水分を維持させるにあたり、拭取り布を過飽和させる追加の液体組成物は必要とされない(これをすると、典型的には最下部の拭取り布が水浸しになる)。
【0059】
本明細書で使用するとき、「水分パーセント」又は「水分%」又は「水分濃度」は、100×(繊維性構造体の質量に対する繊維性構造体内に含有される水の質量の比率)を意味する。上記等式の積は、%として報告される。
【0060】
本明細書で使用するとき、「表面張力」は、液体組成物と空気の間の境界面における力を指す。表面張力は、典型的には、センチメートル当たりのダイン(ダイン/cm)で表される。
【0061】
本明細書で使用するとき、「界面活性剤」は、好ましくは境界面に向かって配向する物質を指す。界面活性剤としては、当該技術分野において既知の様々な界面活性剤が挙げられ、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤及びこれらの混合物が挙げられる。
【0062】
本明細書で使用するとき、「視認可能」は、電気スタンドなどの備品に挿入された一般的な60ワット白熱灯バルブの光を妨げない状態で30.48センチメートル(cm)又は12インチ(in)の距離で見たときに裸眼により見ることができることを指す。本明細書で使用するとき、「視覚的に異なる」は、拭取り布が子供の皮膚の清拭などの通常使用に用いられた場合に、予め湿らせて置いたかどうかによらず、容易に視認可能である及び区別可能である不織布拭取り布の特性であるということになる。
【0063】
本明細書で使用するとき、「機械方向」又は「MD」は、繊維性構造体作製装置、及び/又は衛生ティッシュ製品製造機を通って繊維性構造体が流れる方向と平行な方向を意味する。
【0064】
本明細書で使用するとき、「機械横方向」又は「CD」は、繊維性構造体作製装置、及び/又は衛生ティッシュ製品製造機の幅と平行であり、かつ、機械方向と垂直である方向を意味する。
【0065】
本明細書で使用するとき、「プライ」は個別の一体繊維性構造体を意味する。
【0066】
本明細書で使用するとき、「複数のプライ」は、実質的に連続的で互いに向かい合わせの関係で配置された2つ以上の個別の一体繊維性構造体を意味し、多プライ型繊維性構造体及び/又は多プライ型衛生ティッシュ製品を形成する。個別の一体繊維性構造体は、例えば幾重かに折りたたむことによって、多プライ型繊維性構造体を効果的に形成できるとも考えられる。
【0067】
本明細書で使用するとき、「細孔合計容積」は、半径が2.5μm〜1000μmの範囲である各細孔の流体を保持する空隙容積(明細書に記載されている細孔容積試験法に従って測定した値)の和を意味する。
【0068】
本明細書で使用するとき、「細孔容積分布」は、細孔半径の関数としての、流体を保持する空隙容積の分布を意味する。繊維性構造体の細孔容積分布は、本明細書に記載されている細孔容積試験法に従って測定する。
【0069】
本明細書で使用するとき、冠詞「a」及び「an」は、例えば「アニオン性界面活性剤(an anionic surfactant)」又は「繊維(a fiber)」など、本明細書で使用する場合、特許請求された又は記載された物質の1以上を意味するものと理解される。
【0070】
百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、重量で計算される。百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0071】
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、構成成分又は組成物の活性濃度に関するものであり、市販の供給源に存在する可能性がある不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除く。
【0072】
繊維性構造体
驚くことに、本発明の繊維性構造体は、本明細書に記載の液体吸収能力試験方法に従って測定した場合、他の既知の構造化及び/又は非平滑化繊維性構造体よりも高い液体吸収能力を呈する。
【0073】
図1は、本発明の繊維性構造体及び/又は拭取り布が、液体吸収能力と固体漏出の新規組み合わせを含むことを示す。
【0074】
図2は、本発明の繊維性構造体及び/又は拭取り布が、新規細孔容積分布を呈することを示す。
【0075】
本発明の繊維性構造体は、複数のフィラメント、繊維などの複数の固体添加物、及び、フィラメントと固体添加物との混合物を含んでよい。
【0076】
図3及び4は、本発明による繊維性構造体の実施例の概略図を示している。
図3及び4に示されているように、繊維性構造体10は、同時形成繊維性構造体であってよい。繊維性構造体10は、ポリプロピレンフィラメントのような複数のフィラメント12と、木材パルプ繊維14のような複数の固体添加物を含む。フィラメント12は、フィラメント12を繊維性構造体10に紡糸及び/又は形成するプロセスの結果として、ランダムに配列されていてもよい。木材パルプ繊維14は、繊維性構造体10の全体に、x−y平面でランダムに分散されていてもよい。木材パルプ繊維14は、繊維性構造体全体に、z方向で非ランダムに分散されていてもよい。一実施例(図示せず)では、木材パルプ繊維14は、1つ以上の外側のx−y平面の表面上に、z方向沿いの繊維性構造体内部よりも高濃度で存在する。
【0077】
図5は、本発明による別の例の繊維性構造体10aの断面のSEM顕微鏡写真を示しており、微小領域15a及び15bからなる非ランダム反復パターンを含む繊維性構造体10aを示している。微小領域15a(典型的には「ピロー」と称される)は、微小領域15b(典型的には「ナックル」と称される)とは異なる共通示強性値を示す。一実施例では、微小領域15bは連続的又は半連続的な網状組織であり、微小領域15aは、この連続的又は半連続的な網状組織内の別個の領域である。共通示強性はキャリパーであってよい。別の実施例では、共通示教性は密度であってよい。
【0078】
図6に示されているように、本発明による繊維性構造体の別の例は、層状繊維性構造体10bである。層状繊維性構造体10bは、ポリプロピレンフィラメントのような複数のフィラメント12と、複数の固体添加物(この実施例では木材パルプ繊維14)とを含む第1の層16を含む。層状繊維性構造体10bは、ポリプロピレンフィラメントのような複数のフィラメント20を含む第2の層18を更に含む。一実施例では、第1の層16と第2の層18は、フィラメント及び/又は固体添加物の集合体からなる、境界が明瞭なゾーンである。複数のフィラメント20を第1の層16の表面上に直接堆積して、第1の層16と第2の層18を含む層状繊維性構造体を形成してよい。
【0079】
更に、層状繊維性構造体10bは、
図6に示されているように、第3の層22を含んでもよい。第3の層22は複数のフィラメント24を含んでよく、このフィラメントは、第2の層18のフィラメント20、及び/又は第1の層16のフィラメント16と同じであっても、異なっていてもよい。第3の層22を加えた結果、第1の層16は、第2の層18と第3の層22との間に配置され、例えば、挟み込まれる。第2の層と対向するように、第1の層16の表面上に複数のフィラメント24を直接堆積して、第1の層16、第2の層18、第3の層22を含む層状繊維性構造体10bを形成してよい。
【0080】
図7に示されているように、層状繊維性構造体10cを含む、本発明による別の例の繊維性構造体の断面の概略図を提供する。層状繊維性構造体10cは、第1の層26と、第2の層28と、任意で第3の層30とを含む。第1の層26は、ポリプロピレンフィラメントのような複数のフィラメント12と、木材パルプ繊維14のような複数の固体添加物を含む。第2の層28は、いずれかの好適なフィラメント、固体添加物、及び/又はポリマーフィルムを含んでよい。一実施例では、第2の層28は複数のフィラメント34を含む。一実施例では、フィラメント34は、多糖類、多糖類誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択したポリマーを含む。
【0081】
更に別の実施例では、本発明の繊維性構造体は、100重量%のフィラメントからなる2つの外層と、100重量%の繊維からなる内層と、を含み得る。
【0082】
本発明による繊維性構造体の別の実施例では、繊維性構造体10cの層である代わりに、材料形成層26、28、及び30が複数のプライの形状であってよく、このプライの2つ以上を組み合わせて、繊維性構造体を形成してよい。熱接着、及び/又は接着剤結合などによって、この複数のプライを合わせて接着して、多プライ繊維性構造体を形成してもよい。
【0083】
本発明による本発明の繊維性構造体の別の実施例は、
図8に示されている。繊維性構造体10dは、2つ以上のプライを含んでよく、1つのプライ36は、本発明によるいずれかの好適な繊維性構造体、例えば、
図3及び4に示されている繊維性構造体10を含み、別のプライ38は、いずれかの好適な繊維性構造体、例えば、ポリプロピレンフィラメントのようなフィラメント12を含む繊維性構造体を含む。プライ38の繊維性構造体は、網、並びに/又はメッシュ、並びに/又は、外部環境及び/若しくは少なくとも、プライ38の繊維性構造体と少なくとも最初に接触する場合のある液体に、繊維性構造体10dの1つ以上の部分を暴露させる細孔を含むその他の構造体の形状であってよい。プライ38に加えて、繊維性構造体10dはプライ40を更に含んでもよい。プライ40は、ポリプロピレンフィラメントのようなフィラメント12を含む繊維性構造体を含んでもよいと共に、プライ38の繊維性構造体と同じであっても異なっていてもよい。
【0084】
熱接着及び/又は接着剤結合などによって、プライ36、38、及び40の2つ以上を合わせて接着して、多プライ繊維性構造体を形成してもよい。接着作業の後、特に熱接着作業の後は、繊維性構造体10dのプライを見分けるのは困難である場合があり、接着前は別々であったプライを互いから分離しようとしても困難であろうという点で、繊維性構造体10dは、視覚的及び/又は物理的に、層状の繊維構造体と似ている場合がある。一実施例では、プライ36は、坪量が少なくとも約15g/m
2、及び/又は少なくとも約20g/m
2、及び/又は少なくとも約25g/m
2、及び/又は少なくとも約30g/m
2、最大で約120g/m
2、及び/又は100g/m
2、及び/又は80g/m
2、及び/又は60g/m
2である繊維性構造体を含んでもよく、プライ38及び42が存在する場合、プライ38及び42は独立してかつ単独で、坪量が約10g/m
2未満、及び/又は約7g/m
2未満、及び/又は約5g/m
2未満、及び/又は約3g/m
2未満、及び/又は約2g/m
2未満、及び/又は約0g/m
2、及び/又は0.5g/m
2である繊維性構造体を含んでよい。
【0085】
プライ38及び40が存在する場合、プライ38及び40は、固体添加物、今回の場合、プライ36の繊維性構造体の上及び/又は中の木材パルプ繊維14を保持するのを助ける場合があり、それによって、木材パルプ繊維14がプライ36の繊維構造体から遊離する結果、糸くず及び/又はほこりを軽減する(プライ38及び40が無いプライ36の繊維性構造体を含む単プライの繊維性構造体と比較した場合)。
【0086】
本発明の繊維性構造体は、いずれかの好適な量のフィラメントと、いずれかの好適な量の固体添加物を含んでよい。例えば、本発明の繊維性構造体は、繊維性構造体の乾燥重量比率で約10%〜約70%、及び/又は約20%〜約60%、及び/又は約30%〜約50%のフィラメントと、繊維性構造体の乾燥重量比率で約90%〜約30%、及び/又は約80%〜約40%、及び/又は約70%〜約50%の固体添加物(木材パルプ繊維など)を含んでよい。一実施例では、本発明の繊維性構造体はフィラメントを含む。
【0087】
本発明のフィラメント及び固体添加物は、本発明による繊維性構造体中に、フィラメントの固体添加物に対する重量比が少なくとも約1:1、及び/又は少なくとも約1:1.5、及び/又は少なくとも約1:2、及び/又は少なくとも約1:2.5、及び/又は少なくとも約1:3、及び/又は少なくとも約1:4、及び/又は少なくとも約1:5、及び/又は少なくとも約1:7、及び/又は少なくとも約1:10であるように存在してよい。
【0088】
本発明の繊維性構造体、及び/又はこのような繊維性構造体を含むいずれかの衛生ティッシュ製品に対して、エンボス加工作業、印刷作業、房生成作業、熱接着作業、超音波接着作業、穿孔作業、表面処理作業(ローション、シリコーン、及び/又はその他の材料の塗布など)、折り畳み、並びにこれらの混合のようないずれかの後加工作業を施してよい。
【0089】
本発明のフィラメントを作製するのに適したポリプロピレンの非限定的な例は、Lyondell−Basell及びExxon−Mobilから市販されている。
【0090】
繊維性構造体内のいずれかの疎水性又は非親水性材(ポリプロピレンフィラメントなど)を親水性変性剤によって表面処理及び/又は溶融処理してもよい。表面処理用の親水性変性剤の非限定的な例としては、トリトンX−100のような界面活性剤が挙げられる。フィラメントを紡糸する前に、ポリプロピレン溶融物のような溶融物に加える溶融処理用の親水性変性剤の非限定的な例としては、Polyvel,Inc.から市販されているVW351及び/又はS−1416、並びに、Cibaから市販されているIrgasurfのような親水性変性溶融添加剤が挙げられる。親水性変性剤は、当該技術分野において既知のいずれかの好適なレベルで疎水性又は非親水性材と会合させてもよい。一実施例では、親水性変性剤は疎水性又は非親水性材と、その疎水性又は非親水性材の乾燥重量比率で約20%未満、及び/又は約15%未満、及び/又は約10%未満、及び/又は約5%未満、及び/又は約3%未満〜0%のレベルで会合させる。
【0091】
本発明の繊維性構造体は、任意の添加物を、それぞれ存在する場合、繊維性構造体の乾燥重量比率で約0%以上、及び/又は約0.01%以上、及び/又は約0.1%以上、及び/又は約1%以上、及び/又は約2%以上で約95%、及び/又は約80%以下、及び/又は約50%以下、及び/又は約30%以下、及び/又は約20%以下の個々の濃度で含むことができる。任意の添加物の非限定的な例としては、永久湿潤強度向上剤、一時湿潤強度向上剤、乾燥強度向上剤(カルボキシメチルセルロース及び/又はデンプンなど)、柔軟化剤、繊維くず減少剤、不透明度向上剤、湿潤剤、吸臭剤、芳香剤、温度指示剤、着色剤、染料、浸透性材料、微生物増殖検出剤、抗菌剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0092】
本発明の繊維構造体は、それ自体が衛生ティッシュ製品であってもよい。繊維性構造体は、ロールを形成するように、芯を中心に回旋状に巻き付けられていてもよい。繊維性構造体は、多プライ衛生ティッシュ製品を形成するように、プライとして1つ以上の他の繊維性構造体と組み合わされてもよい。一実施例では、本発明の共形成繊維性構造体は、共形成衛生ティッシュ製品のロールを形成するように、芯を中心に回旋状に巻き付けられていてもよい。衛生ティッシュ製品のロールは、芯がなくてもよい。
【0093】
本発明の繊維性構造体は、本明細書に記載の液体吸収能力試験方法に従って測定された場合に、少なくとも2.5g/g及び/又は少なくとも4.0g/g及び/又は少なくとも7g/g及び/又は少なくとも12g/g及び/又は少なくとも13g/g及び/又は少なくとも13.5g/g及び/又は約30.0g/gまで及び/又は約20g/gまで及び/又は約15.0g/gまでの液体吸収能力を呈し得る。
【0094】
拭取り布
上記のように、繊維性構造体は、拭取り布を形成するために利用され得る。「拭取り布」は、硬質表面、食品、無生物物体、玩具及び身体部分を清拭する際に使用される一片の材料(通常は不織布材料)を説明する一般用語であり得る。特に、多くの現在入手可能な拭取り布は、排便後の肛門周囲部の清拭を対象にしている場合がある。他の拭取り布は、顔又は他の身体部分の清拭に利用できる。複数の拭取り布を任意の好適な方法により一緒に結合してミトンを形成してもよい。
【0095】
拭取り布を製造する材料は、通常使用時に破断に抵抗するのに十分な程度に強くあるべきであるが、それでも子供の柔らかい皮膚などの使用者の皮膚に対して柔軟性を提供するべきである。加えて、材料は、少なくとも、使用者の清拭実践の持続時間の間その形状を維持可能であるべきである。
【0096】
拭取り布は、通常、便利な操作を可能にするために、十分な寸法のものであり得る。典型的には、拭取り布は、製造プロセスの一部としてこのような寸法に切断され及び/又は折り畳まれる。場合によっては、拭取り布は、消費者梱包時に多くの場合積層され綴じ込まれる別個の拭取り布を提供するように個々の部分に切り出され得る。他の実施形態では、拭取り布は、ウェブが所定の幅に切り離されて折り畳まれ、個々の拭取り布が使用者によりウェブから分離できるような手段(例えば、穿孔)を提供されているウェブ形態であり得る。好適には、個々の拭取り布は、約100mm〜約250mmの長さ、及び、140mm〜約250mmの幅を有し得る。一実施形態では、拭取り布は、約200mmの長さと約180mmの幅、及び/又は、約180mmの長さと約180mmの幅、及び/又は、約170mmの長さと約180mmの幅、及び/又は約160mmの長さと約175mmの幅であり得る。拭取り布の材料は、通常、柔らかく可撓性であり得、潜在的に、その清拭性能を高めるための構造化表面を有す る。
【0097】
拭取り布が2種以上の材料のラミネートであり得ることも本発明の範囲内である。市販のラミネート又は意図的に構築されたラミネートは、本発明の範囲内である。ラミネート化材料は、超音波結合、接着剤、糊、溶融結合、熱接合、熱接着及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない任意の方式で一緒に接合又は結合され得る。本発明の別の代替的実施形態では、拭取り布は、不織布材料の1つ以上の層とフィルムの1つ以上の層を含むラミネートであり得る。このような任意のフィルムの例としては、ポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルムが挙げられるが、これに限定されない。ラミネートである不織布材料の代表的ではあるが非限定な例は、16gsmの不織布ポリプロピレンと0.8mmで20gsmのポリエチレンフィルムのラミネートである。
【0098】
拭取り布はまた、水流交絡又はスパンレースなどのプロセスによりこれらの柔軟性及び質感を向上させるために処理され得る。拭取り布は、米国特許第5,143,679号に記載のリングロール、米国特許第5,518,801号に記載の構造的伸張、米国特許第5,914,084号、同第6,114,263号、同第6,129,801号及び同第6,383,431号に記載の圧密化、米国特許第5,628,097号、同第5,658,639号及び同第5,916,661号に記載の延伸開繊、国際公開第2003/0028165(A1)号に記載の差別伸張、並びに、米国特許出願公開第2004/0131820(A1)号及び同第2004/0265534(A1)号に記載の他の固体状態形成技術などの物理的処理、基材の部分又は全てを疎水性及び/又は親水性にすること及びこれらに類するものが挙げられるがこれらに限定されない化学的処理、加熱、熱接合及びこれらに類するものによる繊維の柔軟化が挙げられるがこれらに限定されない熱処理、並びにこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない様々な処理にかけられ得る。
【0099】
拭取り布は、少なくとも約30g/m
2及び/又は少なくとも約35g/m
2及び/又は少なくとも約40g/m
2の坪量を有し得る。一実施例では、拭取り布は、少なくとも約45g/m
2の坪量を有し得る。別の例では、拭取り布の坪量は、約100g/m
2未満であり得る。別の例では、拭取り布は、約45g/m
2〜約75g/m
2の坪量を有し得、更に別の実施形態では約45g/m
2〜約65g/m
2の坪量を有し得る。
【0100】
本発明の一実施例では、拭取り布の表面は、本質的に平坦であり得る。本発明の別の例では、拭取り布の表面は、隆起している及び/又は陥没している部分を場合により含有し得る。これらは、ロゴ、しるし、商標、地図パターン、基材が清拭することを目的とされる表面(すなわち、幼児の身体、顔など)のイメージの形態であり得る。これらは、拭取り布の表面上にランダムに配置されてもよく、あるいは、一部の形状の反復パターンであってもよい。
【0101】
本発明の別の例では、拭取り用品は、生分解性であり得る。例えば、拭取り布は、ポリエステルアミド又は高湿潤強度セルロースなどの生分解性材料から製造され得る。
【0102】
本発明の一実施例では、繊維性構造体は、赤ちゃん用拭取り布などの予め湿らせておいた拭取り布を含む。複数の予め湿らせておいた拭取り布は、一方を他方の上に積層してもよく、プラスチック容器又はフィルム包装紙などの容器に収容させてもよい。一実施例では、予め湿らせておいた拭取り布の積層体(典型的には積層体当たり約40〜80の拭取り布)は、約50〜約300mm及び/又は約75〜約125mmの高さを呈し得る。予め湿らせておいた拭取り布は、ローションなどの液体組成物を含み得る。予め湿らせておいた拭取り布は、積層体の上部から積層体の底部に全てのローションが滴ることなく、液体不透過性容器又はフィルムパウチ内で積層体中に長期にわたって保存され得る。予め湿らせておいた拭取り布は、本明細書に記載の液体吸収能力試験方法に従って測定された場合に、少なくとも2.5g/g及び/又は少なくとも4.0g/g及び/又は少なくとも7g/g及び/又は少なくとも12g/g及び/又は少なくとも13g/g及び/又は少なくとも13.5g/g及び/又は約30.0g/gまで及び/又は約20g/gまで及び/又は約15.0g/gまでの液体吸収能力を呈し得る。
【0103】
別の例では、予め湿らせておいた拭取り布は、約1.5〜約6.0g/gの飽和荷重(乾燥拭取り布の重量(g)に対する液体組成物の重量(g))を呈し得る。液体組成物は、約20〜約35及び/又は約28〜約32ダイン/cmの表面張力を呈し得る。予め湿らせておいた拭取り布は、本明細書に記載の動的吸収時間試験方法に従って測定された場合に、約0.01〜約0.4及び/又は約0.01〜約0.2及び/又は約0.03〜約0.1秒の動的吸収時間(DAT)を呈し得る。
【0104】
一実施例では、予め湿らせておいた拭取り布は、約50〜約300mm及び/又は約75〜約200mm及び/又は約75〜約125mmの高さを呈する予め湿らせておいた拭取り布の積層体内に存在し、ここで、予め湿らせておいた拭取り布の積層体は、約1.0〜約2.0及び/又は約1.0〜約1.7及び/又は約1.0〜約1.5の飽和勾配指数を呈する。
【0105】
本発明の繊維性構造体又は拭取り布は、予め湿らせておいた繊維性構造体又は拭取り布を形成するために、液体組成物で飽和荷重を加えられ得る。荷重は、それぞれ、あるいは、繊維性構造体又は拭取り布が積層体内(液体不透過性容器内又は包みの中など)に配置された後、生じ得る。一実施例では、予め湿らせておいた拭取り布は、拭取り布の重量(g)あたり約1.5g〜約6.0g及び/又は約2.5g〜4.0gの液体組成物で飽和荷重を加えられ得る。
【0106】
本発明の繊維性構造体又は拭取り布は、保存及び消費者に対する最終販売にわたって、プラスチック容器又はシール可能な包装などの液体不透過性であり得る容器の内部に配置され得る。拭取り布は、折り畳まれてもよく、及び、積層されてもよい。本発明の拭取り布は、C折り畳み(C-folding)、Z折り畳み(Z-folding)及び四ツ折り(quarter-folding)などの様々な既知の折り畳みパターンのいずれかで折り畳まれ得る。Z折り畳みパターンの使用は、拭取り布の折り畳んだ積層体が重なり部分で綴じ込まれるのを可能にし得る。あるいは、拭取り布は、各拭取り布の間に穿孔を有し、液体不透過性であり得る容器から次々に分与するために積層体内に配置され得又はロールに巻かれ得る材料の連続片を含んでもよい。
【0107】
本発明の繊維性構造体又は拭取り布は、審美的魅力をもたらし得る印刷を更に含んでもよい。印刷の非限定例としては、図、パターン、字、絵及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0108】
本発明の繊維性構造体を更に例示する目的で、表1に、既知及び/又は市販の繊維性構造体と、本発明による2つの繊維性構造体の特性を示す。
【表1】
【0109】
表2に、既知及び/又は市販の繊維性構造体と、本発明による繊維性構造体の平均細孔容積分布を示す。
【表2-1】
【表2-2】
【表3-1】
【表3-2】
【0110】
繊維性構造体の製造方法
本発明による繊維性構造体の製造方法の非限定的な例が
図9に示されている。
図9に示されている方法は、複数の固体添加物14を複数のフィラメント12と混合する工程を含む。一実施例では、固体添加物14は、SSK繊維及び/又はユーカリ(Eucalytpus)繊維のような木材パルプ繊維であり、フィラメント12はポリプロピレンフィラメントである。固体添加物14は、ハンマーミル42から固体添加物散布機44を介してフィラメント12の流れに供給するなどして、フィラメント12と組み合わせて、フィラメント12と固体添加物14との混合物を形成してもよい。フィラメント12は、メルトブローダイ46からメルトブローすることによって作製してもよい。固体添加物14とフィラメント12との混合物をベルト48のような回収装置上に回収して、繊維性構造体50を形成する。回収装置は、微小領域からなる非ランダム反復パターンのような表面パターンを示す繊維性構造体をもたらすパターン付きベルト及び/又は成形ベルトであってよい。成形ベルトはその上に、加工中に繊維性構造体50に付与される三次元パターンを有してよい。例えば、
図10に示されているように、パターン付きベルト52は、ファブリック54のような補強構造体を含んでもよく、ファブリック54の上には、ポリマー樹脂56が、あるパターンで塗布されている。このパターンは、ポリマー樹脂56からなる連続的又は半連続的な網状組織58を含んでよく、網状組織58内には、1つ以上の別個の溝60が配列されている。
【0111】
本発明の一実施例では、フィラメントを紡糸する少なくとも1つのフィラメント形成穴、並びに/又は、2列以上及び/若しくは3列以上のフィラメント形成穴を含むダイを用いて、繊維性構造体を作製する。穴の少なくとも1列は、2つ以上、及び/又は3つ以上、及び/又は10個以上のフィラメント形成穴を含む。フィラメント形成穴に加えて、ダイは、気体放出穴(一実施例では、フィラメント形成穴から形成されるフィラメントを細くする空気放出穴)のような流体放出穴を含む。1つ以上の流体放出穴をフィラメント形成穴と連携させて、流体放出穴から出る流体が、フィラメント形成穴から出るフィラメントの外面に対して(ナイフエッジダイのように角度をなすのではなく)平行又は実質的に平行になるようにしてよい。一実施例では、流体放出穴から出る流体は、フィラメント形成穴から形成されるフィラメントの外面と、30°未満、及び/又は20°未満、及び/又は10°未満、及び/又は5°未満、及び/又は約0°の角度で接触する。フィラメント形成穴の周りに、1つ以上の流体放出穴を配列してよい。一実施例では、1つ以上の流体放出穴を単一のフィラメント形成穴と連携させて、その1つ以上の流体放出穴から出る流体が、その単一のフィラメント形成穴から形成される単一のフィラメントの外面と接触するようにする。一実施例では、流体放出穴によって、気体、例えば空気のような流体が、中空フィラメントを形成するときに起きるようにフィラメントの内面と接触するのではなく、フィラメント形成穴から形成されるフィラメントの外面と接触できるようにする。
【0112】
一実施例では、上記のダイは、流体放出穴の中に配置されたフィラメント形成穴を含む。流体放出穴62は、
図11に示されているように、フィラメント形成穴64と同心円状に又は実質的に同心円状に配置してもよい。
【0113】
繊維性構造体50がパターン付きベルト又は例えば、貫通空気乾燥布地のような織布などの回収装置上に形成された後、繊維性構造体50は、例えば、繊維性構造体が依然として回収装置上にある間に圧延され得る。加えて、繊維性構造体50に、エンボス加工、熱接着、房生成作業、水分付与作業、及び表面処理作業のような後工程作業を施して、最終的な繊維性構造体を形成してもよい。繊維性構造体に施され得る表面処理作業の一例は、エラストマー結合剤、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)、ラテックス、及び他のエラストマー結合剤の表面適用である。このようなエラストマー結合剤は、消費者が使用する際に繊維性構造体から生成される繊維くずを減らすのに役立ち得る。エラストマー結合剤は、繊維性構造体の1つ以上の表面に、あるパターン、特に微小領域からなる非ランダム反復パターンで、又は、繊維性構造体の表面(単一又は複数)の全体を覆うか、若しくは実質的に覆う形で塗布してよい。
【0114】
一実施例では、繊維性構造体50、及び/又は最終的な繊維性構造体は、1つ以上の他の繊維性構造体と組み合わせてもよい。例えば、別の繊維性構造体、例えばフィラメントを含む繊維性構造体(ポリプロピレンフィラメント繊維性構造体など)を繊維性構造体50、及び/又は最終的な繊維性構造体の表面と結合させてもよい。ポリプロピレンフィラメント繊維性構造体は、ポリプロピレンフィラメント(繊維性構造体50中のフィラメントのポリマーと同じであっても異なっていてもよい第2のポリマーを含むフィラメント)を繊維性構造体50、及び/又は最終的な繊維性構造体の表面上にメルトブローすることによって形成してよい。別の実施例では、ポリプロピレンフィラメント繊維性構造体は、繊維性構造体50中のフィラメントのポリマーと同じであっても異なっていてもよい第2のポリマーを含むフィラメントを回収装置の上にメルトブローして、ポリプロピレンフィラメント繊維性構造体を形成することによって形成してよい。続いて、ポリプロピレンフィラメント繊維性構造体を繊維性構造体50、又は最終的な繊維性構造体と組み合わせて、2プライの繊維性構造体、繊維性構造体50又は最終的な繊維性構造体が、例えば
図6に示されているように、2プライのポリプロピレンフィラメント繊維性構造体の間に配置されている場合には3プライの繊維性構造体を作製してもよい。ポリプロピレンフィラメント繊維性構造体は、熱接着作業によって、繊維性構造体50又は最終的な繊維性構造体に熱接着してもよい。
【0115】
更に別の実施例では、繊維性構造体50、及び/又は最終的な繊維性構造体をフィラメント含有繊維性構造体と組み合わせて、多糖類フィラメント繊維性構造体(デンプンフィラメント繊維性構造体など)のようなフィラメント含有繊維性構造体が、例えば
図8に示されているように、2つの繊維性構造体50、又は2つの最終的な繊維性構造体の間に配置されるようにしてよい。
【0116】
本発明の一実施例では、本発明による繊維性構造体の製造方法は、複数のフィラメント及び場合により複数の固体添加物を組み合わせて、本明細書に記載の本発明の繊維性構造体の特性を呈する繊維性構造体を形成する工程を含む。一実施例では、フィラメントは、熱可塑性フィラメントを含む。一実施例では、フィラメントは、ポリプロピレンフィラメントを含む。更に別の実施例では、フィラメントは、天然ポリマーフィラメントを含む。この方法は、繊維性構造体を繊維性構造体の圧延などの1つ以上の加工操作にかけることを更に含み得る。更に別の例では、この方法は、微小面積の非ランダムな繰り返しパターンを作り出すパターン付きベルト上にフィラメントを付着させる工程を更に含む。
【0117】
更に別の実施例では、微小領域からなる非ランダム反復パターンを含む繊維性構造体50の2つのプライを相互に連携させて、突出微小領域(ピローなど)が、形成される2プライの繊維性構造体の内側に向くようにしてもよい。
【0118】
繊維性構造体50の製造プロセスは、エンボス加工、印刷、変形、表面処理、熱接合、切断、積層又は、当業者にとって既知のその他の後形成作業を行うための変換作業と密接に連結していてもよく(この場合、繊維性構造体は、変換作業に進める前に、輪状に巻き込んでロールにする)、又は、直接連結していてもよい(この場合、繊維性構造体は、変換作業に進める前に、輪状に巻き込んでロールにはしない)。本発明の目的上は、直接的な連結は、例えば、繊維性構造体50を輪状に巻き込んでロールにしてから解いて、変換作業に進めるのではなく、繊維性構造体50を直接変換作業に進めることができることを意味する。
【0119】
一実施例では、繊維性構造体は、エンボス加工され、シートに切り出され、繊維性構造体の積層体内に回収される。
【0120】
本発明のプロセスは、消費者が使用するのに好適な繊維性構造体及び/又はこのような繊維性構造体を含む衛生ティッシュ製品の個々のロール及び/又はシート及び/又はシートの積層体を調製する工程を含んでいてもよい。
【0121】
本発明の繊維性構造体の製造プロセスの非限定的な例:
プロセス実施例1
Lyondell−Basell PH835ポリプロピレン:Lyondell−Basell Metocene MF650Wポリプロピレン:Exxon−Mobil PP3546ポリプロピレン:Polyvel S−1416湿潤剤の20%:27.5%:47.5%:5%ブレンドを乾式混合し、溶融ブレンドを形成する。この溶融ブレンドを溶融押出機に通して475°Fまで加熱する。横断方向1インチ当たり192個のノズルを有する39.4cm(15.5インチ)幅のBiax 12列スピナレット(Biax Fiberfilm Corporationから市販されている)を使用する。192個のノズルのうち横断方向1インチ当たり40個のノズルは、0.046cm(0.018cm)の内径を有するのに対し、残りのノズルは中実である(すなわち、ノズルに開口部がない)。約0.19グラム/穴/分(ghm)の溶融ブレンドを開放ノズルから押し出し、溶融ブレンドからメルトブローンフィラメントを形成する。約375 SCFMの圧縮空気を加熱して、紡糸口金における温度が202℃(395°F)になるようにする。約475g/分のGolden Isle(Georgia Pacific製)4825という半処理SSKパルプをハンマーミルによって脱フィブリル化して、SSK木材パルプ繊維(固体添加物)を形成する。温度約29〜32℃(85〜90°F)及び相対湿度(RH)約85%の空気をハンマーミルの中に引き込む。約1200 SCFMの空気により、パルプ繊維が固体添加物散布機に移送される。固体添加物散布機はパルプ繊維の方向を変えて、パルプ繊維を横断方向に分布させ、パルプ繊維が10.2cm×38.1cm(4インチ×15インチ)の横断方向(CD)スロットを通じて、(メルトブローンフィラメントの流れに対して)垂直な形でメルトブローンフィラメントの中に注入されるようにする。形成ボックスは、メルトブローンフィラメント及びパルプ繊維が混合される領域を包囲する。この形成ボックスは、この混ぜ合わせる区域に入るか、又はこの混ぜ合わせる区域から漏れる空気の量を減少させるように設計されているが、10.2cm×38.1cm(4インチ×15インチ)の追加の散布機が、冷却用空気を加えるように設計されている固体添加物散布機の反対側にある。この追加の散布機を通じて、約1000 SCFMの約27℃(80°F)の空気を加える。形成される真空によって空気が回収装置(パターン付きベルトなど)を通して吸引され、その結果、混合されたメルトブローンフィラメント及びパルプ繊維が収集され、非ランダムな繰り返し微小領域のパターンを有する繊維性構造体が形成される。この方法により形成された繊維性構造体は、繊維性構造体の乾燥重量比率で約75%のパルプと、繊維性構造体の乾燥重量比率で約25%のメルトブローンフィラメントとを含む。
【0122】
場合により、上記のように形成した繊維性構造体の片側又は両側に、スクリムなどのメルトブローンフィラメントのメルトブローン層を加えることができる。このメルトブローン層の付加は、消費者が使用する際に繊維性構造体から生成される繊維くずを減らすのに役立つことができ、好ましくは繊維性構造体の任意の熱接着作業前に実行される。外層のメルトブローンフィラメントは、反対側の層上、又は中心層中に使用されるメルトブローンフィラメントと同じであっても、又は異なっていてもよい。
【0123】
繊維性構造体は、繊維性構造体のロールを形成するように回旋状に巻き付けられていてもよい。繊維性構造体のロールの端縁部は、固着領域を生成するための材料に接触させてもよい。
【0124】
プロセス実施例2
Lyondell−Basell PH835ポリプロピレン:Lyondell−Basell Metocene MF650Wポリプロピレン:Exxon−Mobil PP3546ポリプロピレン:Polyvel S−1416湿潤剤の20%:27.5%:47.5%:5%ブレンドを乾式混合し、溶融ブレンドを形成する。この溶融ブレンドを溶融押出機に通して約207℃(405°F)まで加熱する。横断方向1インチ当たり192個のノズルを有する39.4cm(15.5インチ)幅のBiax 12列スピナレット(Biax Fiberfilm Corporationから市販されている)を使用する。192個のノズルのうち横断方向1インチ当たり64個のノズルは、0.046cm(0.018cm)の内径を有するのに対し、残りのノズルは中実である(すなわち、ノズルに開口部がない)。約0.21グラム/穴/分(ghm)の溶融ブレンドを開放ノズルから押し出し、溶融ブレンドからメルトブローンフィラメントを形成する。約500 SCFMの圧縮空気を加熱して、紡糸口金における温度が202℃(395°F)になるようにする。約1000g/分のGolden Isle(Georgia Pacific製)4825という半処理SSKパルプをハンマーミルによって脱フィブリル化して、SSK木材パルプ繊維(固体添加物)を形成する。約32℃(90°F)の温度及び約75%の相対湿度(RH)の空気をハンマーミルの中に引き込む。約2000 SCFMの空気により、パルプ繊維が2つの固体添加物散布機に移送される。固体添加物散布機はパルプ繊維の方向を変えて、パルプ繊維を横断方向に分布させ、パルプ繊維が2つの10.2cm×38.1cm(4インチ×15インチ)の横断方向(CD)スロットを通じて、(メルトブローンフィラメントの流れに対して)垂直な形でメルトブローンフィラメントの中に注入されるようにする。形成ボックスは、メルトブローンフィラメント及びパルプ繊維が混合される領域を包囲する。この形成ボックスは、この混合領域に入る又はこの混合領域から出ることができる空気の量を減少させるように設計されている。2つのスロットをメルトブローンフィラメント紡糸口金の反対側にて互いに反対方向に配向させる。形成される真空によって空気が回収装置(パターン無し形成ベルトなど又は貫通空気乾燥布地など)を通して吸引され、その結果、混合されたメルトブローンフィラメント及びパルプ繊維が回収され、繊維性構造体が形成される。この方法により形成された繊維性構造体は、繊維性構造体の乾燥重量比率で約80%のパルプと、繊維性構造体の乾燥重量比率で約20%のメルトブローンフィラメントとを含む。
【0125】
場合により、上記のように形成した繊維性構造体の片側又は両側に、スクリムなどのメルトブローンフィラメントのメルトブローン層を加えることができる。このメルトブローン層の付加は、消費者が使用する際に繊維性構造体から生成される繊維くずを減らすのに役立つことができ、好ましくは繊維性構造体の任意の熱接着作業前に実行される。外層のメルトブローンフィラメントは、反対側の層上、又は中心層中に使用されるメルトブローンフィラメントと同じであっても、又は異なっていてもよい。
【0126】
繊維性構造体は、繊維性構造体のロールを形成するように回旋状に巻き付けられていてもよい。繊維性構造体のロールの端縁部は、固着領域を生成するための材料に接触させてもよい。
【0127】
繊維性構造体の非限定的実施例
繊維性構造体実施例1
本発明による予め湿らせておいた拭取り布は、以下のように調製される。
図12に示される熱接合パターンを含む約44g/m
2の本発明の繊維性構造体に、拭取り布の坪量の約358%の平均飽和荷重まで、本発明による液体組成物で飽和荷重を加える。次に拭取り布にZ折り畳みを行い、これを
図13に示すように約82mmの高さまで積層体内に配置する。
【0128】
繊維性構造体実施例2
本発明による予め湿らせておいた拭取り布は、以下のように調製される。
図12に示される熱接合パターンを含む約61g/m
2の本発明の繊維性構造体に、拭取り布の坪量の約347%の平均飽和荷重まで、本発明による液体組成物で飽和荷重を加える。次に拭取り布にZ折り畳みを行い、これを
図13に示すように約82mmの高さまで積層体内に配置する。
【0129】
繊維性構造体実施例3
本発明による予め湿らせておいた拭取り布は、以下のように調製される。通常第二非限定プロセス実施例で上述したように製造される、約65g/m
2の坪量を呈し、
図12に示されるような熱接着パターンを含む本発明の繊維性構造体に、拭取り布の坪量の約347%の平均飽和荷重まで本発明による液体組成物で飽和荷重を加える。次に拭取り布にZ折り畳みを行い、これを
図13に示すように約82mmの高さまで積層体内に配置する。
【0130】
試験方法
特に指示がない限り、定義の節で記載されたものを含む本明細書に記載の全ての試験及び次の試験方法は、試験に先立つ24時間にわたって、約23℃±2.2℃)の温度、及び50%±10%の相対湿度に調節された部屋で調湿されたサンプルに対して行われる。全ての試験はこうした調節された部屋の中で行われる。
【0131】
本明細書に記載の乾燥試験方法(液体吸収能力、細孔容積分布、坪量及び動的吸収時間)について、繊維性構造体又は拭取り布が、その繊維性構造体又は拭取り布の約100重量%以上の水分濃度を呈するように液体組成物を含む場合には、以下の予備調湿手順を試験前に繊維性構造体又は拭取り布に対して行う必要がある。繊維性構造体又は拭取り布がその繊維性構造体又は拭取り布の約100重量%未満であるが約10重量%超の水分濃度を呈するように繊維性構造体又は拭取り布が液体組成物を含む場合には、乾燥試験方法を完了させるのに先立って、繊維性構造体又は拭取り布がその繊維性構造体又は拭取り布の3重量%未満の水分を含有するようになるまで85℃のオーブンで繊維性構造体又は拭取り布を乾燥させる。
【0132】
繊維性構造体又は拭取り布の約100重量%以上の水分濃度を含む繊維性構造体又は拭取り布を予備調湿するために、以下の手順を用いる。繊維性構造体又は拭取り布を5杯のバケツに各2Lの新しい蒸留水(水は23℃±2.2℃の温度である)中に連続して浸漬することにより、繊維性構造体又は拭取り布を十分に飽和させる。5つのバケツの各々において20秒にわたって繊維性構造体又は拭取り布を各バケツの一方から他方へと少なくとも5回、しかしながら10回以下動かすことにより、繊維性構造体又は拭取り布を水中で穏やかに揺り動かす。繊維性構造体又は拭取り布を取り出し、次に、繊維性構造体又は拭取り布がその繊維性構造体又は拭取り布の3重量%未満の水分を含有するようになるまで、85℃のオーブン内に水平に配置する。繊維性構造体又は拭取り布が3%未満の水分を呈するようになったらオーブンから取り出し、試験に先立って24時間にわたって繊維性構造体又は拭取り布を約23℃±2.2℃及び50%±10%の相対湿度で均衡化させる。繊維性構造体及び/又は拭取り布が圧縮されないように注意する必要がある。
【0133】
本明細書に記載の濡れ試験方法(固体漏出、CD濡れ開始時引っ張り強度、ローション放出、飽和荷重及び飽和勾配指数)について、繊維性構造体又は拭取り布がその繊維性構造体又は拭取り布の0重量%〜約100重量%の水分濃度を含む場合には、以下の予備調湿手順を試験前に繊維性構造体又は拭取り布に対して行う必要がある。繊維性構造体又は拭取り布が約100%以上の水分濃度を含む場合には、以下の予備調湿手順は、繊維性構造体又は拭取り布に対して行わない。
【0134】
繊維性構造体又は拭取り布の0重量%〜100重量%未満の水分濃度を含む繊維性構造体又は拭取り布を予備調湿するために、繊維性構造体又は拭取り布に対して3.5g/gの飽和荷重を達成するために一定量の蒸留水を繊維性構造体又は拭取り布に添加する。
【0135】
繊維性構造体又は拭取り布に3.5g/g飽和荷重を加えた後、試験に先立って24時間にわたって繊維性構造体又は拭取り布を約23℃±2.2℃及び50%±10%の相対湿度で均衡化させる。繊維性構造体及び/又は拭取り布が圧縮されないように注意する必要がある。
【0136】
乾燥試験方法
液体吸収能力試験方法
EDANA 10.4−02をモデルとしている以下の方法は、あらゆる繊維性構造体又は拭取り布の液体吸収能力を測定するのに好適である。
【0137】
5つのサンプルの平均液体吸収能力を得ることができるように、試験のための予備調湿/調湿繊維性構造体又は拭取り布の5つの実施例を準備する。
【0138】
材料/設備
1.把手付きの平坦なスチールワイヤ金網サンプルホルダー(Humboldt Manufacturing Companyから市販)、及び、メッシュサイズ20を有し少なくとも120mm×120mmの全体寸法を有する平坦なステンレススチールワイヤ金網(McMaster−Carrから市販)
2.サンプルを取り付けたサンプルホルダーを下記の試験液中におよそ20mmの深さまで浸すのに好適な寸法の皿
3.サンプルホルダー上の適所にサンプルを保持するためのバインダークリップ(Staplesから市販)
4.リングスタンド
5.小数第四位まで読み取れる天秤
6.ストップウォッチ
7.試験液:脱イオン水(固有抵抗>18メガオーム・cm)
【0139】
手順
5つの別個の液体吸収能力測定のために繊維性構造体又は拭取り布の5つのサンプルを準備する。個々の試験片を5つのサンプルからおよそ100mm×100mmの寸法に切り出し、個々の試験片の重量が1グラム未満である場合には、試験片を一緒に積層して、全体で少なくとも1グラムの重量になるセットを作製する。十分な量の上記試験液で皿を満たし、部屋の試験条件で均衡化させておく。試験片をクリップで上記ワイヤ金網サンプルホルダーに取り付ける前に、試験片の質量を第一測定に関して記録する。気泡の発生を避けるよう努めながら、サンプルホルダーを試験液におよそ20mmの深さまで沈め、そのまま60秒にわたって静置しておく。60秒後、サンプル及びサンプルホルダーを試験液から取り出す。バインダークリップを1つを残して全て取り外し、そのバインダークリップでサンプルホルダーをリングスタンドに取り付け、サンプルを垂直に引っ掛け、合計120秒にわたって排水させる。排水期間終了後、サンプルホルダーからサンプルを穏やかに取り外し、サンプルの質量を記録する。残りの4つの試験片又は試験片セットについてこの手順を繰り返す。
【0140】
液体吸収能力の計算
液体吸収能力は、試験される繊維性構造体又は拭取り布のグラム当たりの液体組成物のグラムを単位として報告される。液体吸収能力は、行われる各試験について以下のように計算される。
【数3】
【0141】
この等式中、M
iは試験を開始するのに先立っての試験片のグラム単位での質量であり、M
Xは試験手順の完了後の同一物のグラム単位での質量である。液体吸収能力は、典型的には、サンプル当たり少なくとも5回の試験の数的平均として報告される。
【0142】
細孔容積分布試験方法
細孔容積分布測定は、TRI/Autoporosimeter(TRI/Princeton Inc.(Princeton,NJ))上で行われる。TRI/Autoporosimeterは、多孔質材料の細孔容積分布(例えば、有効細孔半径2.5〜1000μmの範囲内の異なるサイズの細孔容積)を測定するための自動コンピュータ制御機器である。無料配布の自動機器ソフトウェア、2000年1月配布、及びデータ処理ソフトウェア、2000年1月配布が、データの取り込み、分析及び出力のために使用される。TRI/Autoporosimeterについての更なる情報、その操作及びデータ処理については、本明細書に参考として組み込まれるJournal of Colloid and Interface Science 162(1994), p163〜170に見出すことができる。
【0143】
本出願で使用する時、細孔容積分布の測定は、周囲の空気圧が変化する時に多孔質材料に入る液体の増分を記録することを伴う。試験チャンバ中のサンプルは、精密制御された空気圧の変化に暴露される。液体を保持できる最大の孔のサイズ(半径)は、空気圧の関数である。空気圧が増加(減少)するにつれて、異なるサイズの孔グループが液体を排出(吸収)する。各グループの細孔容積は、相当する圧力で機器により測定された時のこの液体の量と等しい。孔の有効半径は、次の関係により圧力差に関係する。
【0144】
圧力差=[(2)γcosΘ]/有効半径
式中、γ=液面張力、Θ=接触角である。
【0145】
典型的には、孔には、多孔質材料中の空隙、穴又は溝のような用語が考えられる。この方法は、定数及び装置制御圧に基づいて有効孔半径を計算するために上記の方程式を使用するということに注意することが重要である。上記の方程式は、均一の円筒形の孔を仮定している。通常、自然の孔及び製造された多孔質材料は、完全には円筒形でないし、全て均一でもない。そのため、ここで記録された有効半径は、顕微鏡使用などの他の方法により得られた空隙寸法の測定と完全に一致しない場合もある。しかしながら、これらの測定は、材料間の空隙構造の相対的な差を特徴付けるために許容できる手段を提供する。
【0146】
装置は、液体を吸収するため圧力を減少する(孔径を増加する)、又は液体を排出するため圧力を増加する(孔径を減少する)のいずれかにより、試験チャンバの空気圧をユーザー指定の増加分で変えることにより動作する。各圧力増加分での吸収液体容積は、直前の圧力設定と最新の設定との間の全ての細孔のグループの累積容積である。
【0147】
TRI/Autoporosimeterのこの用途では、この液体は、99.8重量%の蒸留水中のオクチルフェノキシポリエトキシエタノール(Union Carbide Chemical and Plastics Co.(Danbury,CT.)からのTriton X−100)の0.2重量%溶液(溶液の比重は約1.0である)である。機器の計算の定数は、ρ(密度)=1g/cm
3、γ(表面張力)=31ダイン/cosΘ=1である。0.22μmのMillipore Glass Filter(Millipore Corporation(Bedford,MA)、カタログ番号GSWP09025)を試験チャンバの多孔質プレート上で用いる。約24g重量のプレキシガラスプレート(機器と共に供給された)がサンプル上に、サンプルがミリポア・フィルター上に確実に平らに置かれるように設置される。追加のおもりはサンプル上に設置されない。
【0148】
残りのユーザー指定の入力は以下に記載される。この用途の細孔径(圧力)(μmを単位とする有効細孔半径)の順序は、2.5、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、225、250、275、300、350、400、500、600、800、1000である。この順序は、乾燥している繊維性構造体又は拭取り布で開始し、細孔の設定が大きくなるのに応じて、そのサンプルは飽和される(典型的には、この手順及び機器については、第一の吸収と称する)。
【0149】
繊維性構造体又は拭取り布サンプルが試験されるのに加えて、試験チャンバ内の任意の表面及び/又は端部について考慮するために、ブランク条件(プレキシガラスとミリポア・フィルターの間にサンプルが存在しない)の試験を行う。このブランク条件について測定される任意の細孔容積は、試験される繊維性構造体又は拭取り布サンプルの適用可能な細孔分類から減算される。ブランク条件を減算して結果が0又は負である場合には、細孔範囲について0と報告する。このデータ処理は、手動で又は利用可能なTRI/Autoporosimeterデータ処理ソフトウェア、2000年1月配布を用いて達成されることができる。
【0150】
全細孔容積率(%)は、特定の細孔半径範囲における流体の容積を細孔合計容積で除した値を得ることによって計算される百分率である。TRI/Autoporosimeterは、ある範囲内の細孔半径の流体の容積を出力する。得られる第1のデータは、細孔半径「5.0マイクロメートル」のものであり、半径2.5〜5.0マイクロメートルの細孔寸法で吸収される流体を含む。得られる次のデータは、細孔半径「10マイクロメートル」のものであり、半径5.0〜10マイクロメートルの細孔寸法で吸収される流体を含む(以下同様。)この論理に従うと、半径91〜140マイクロメートルの範囲内において保持される容積を得るには、「100マイクロメートル」、「110マイクロメートル」、「120マイクロメートル」、「130マイクロメートル」、及び最後に「140マイクロメートル」という表題の細孔半径範囲で得られる容積を合計することになる。例えば、91〜140マイクロメートルの細孔半径の全細孔容積率(%)=(91〜140マイクロメートルの細孔半径の流体の容積)/細孔合計容積である。細孔合計容積は、2.5マイクロメートル〜1000マイクロメートルの細孔半径の流体の全ての容積の和である。
【0151】
坪量試験方法
坪量は、繊維性構造体又は拭取り布に対するあらゆる最終用途ローション、洗浄溶液又は他の液体組成物などの適用に先立って、測定され、本明細書で下記に記載するように修正されたEDANA 40.3−90(1996年2月)に従う。
【0152】
1.好ましくは予め切り出された金属ダイ及びダイプレスを用いて、繊維性構造体又は拭取り布の試験片を特定の既知の寸法に切断する。各試験片は、典型的には、少なくとも0.01m
2の面積を有する。
【0153】
2.天秤を用いて、各試験片のグラム単位の質量を測定し、等式(1)を用いて平方メートル当たりのグラム(gsm)で坪量(単位面積当たり質量)を計算する。
【数4】
【0154】
3.繊維性構造体又は拭取り布サンプルについては、全ての試験片についての数的平均坪量を報告する。
【0155】
4.限られた量の繊維性構造体又は拭取り布が入手可能でありさえすれば、坪量は、可能な限り最大の矩形である一試験片の坪量として測定及び報告され得る。
【0156】
動的吸収時間(DAT)試験方法
DATは、繊維性構造体又は拭取り布が試験液を吸収する能力及び試験液が繊維性構造体又は拭取り布により吸収されるのにかかる時間の尺度を提供し、これは今度はどれだけよく繊維性構造体又は拭取り布が液体を繊維性構造体又は拭取り布の中に吸収するかの尺度として使用される。
【0157】
DAT試験方法は、一滴の液体組成物が繊維性構造体又は拭取り布と接触した瞬間からその一滴が繊維性構造体又は拭取り布により吸収される時点までの一滴の液体組成物の寸法を測定し、この場合は一滴のローション寸法を測定する。この方法は、時間に対する一滴の寸法の変化率も測定する。低DAT及び低開始時接触角値により特徴付けられる繊維性構造体又は拭取り布は、高DAT及び/又は高開始時接触角値により特徴付けられるものよりも吸収性が高くなり得る。
【0158】
繊維性構造体又は拭取り布の動的吸収力試験(DAT)測定は、Thwing Albert DAT Fibro 1100(Thwing Albert,PA)を利用して行われる。The DAT Fibro 1100は、多孔質材料上の一滴の液体組成物の接触角及びその一滴の液体組成物が繊維性構造体又は拭取り布の中に吸収されるのにかかる時間を測定するための自動化コンピューター制御機器である。接触角は、繊維性構造体又は拭取り布と繊維性構造体又は拭取り布に接触している液体組成物の表面に対する接線により形成される角度を指す。自動化接触角試験機を用いるシート材料の吸収力についてのより多くの情報は、ASTM D 5725−95に見出すことができる。
【0159】
DAT接触角測定は、材料の吸収特性における相対的差異を特徴付けるために当該技術分野において使用される手段を提供する。
【0160】
機器は、繊維性構造体又は拭取り布の表面上に直接放出される小さな一滴の液体組成物の容積及び放出パルスを制御することにより作動する。繊維性構造体又は拭取り布に定着しその中に吸収されるようになる液体組成物の滴として作り出される高さ、底面及び角度は、内部の較正済みグレイスケールに基づいて測定される。この用途において、DAT Fibro 1100シリーズモデル(多孔質吸収性紙基材用高速カメラ解像)は、製造者の指示に従い、0.292較正スレッドを用いて、較正される。機器は、ストロークパルス8、カニューレチップ340、滴底面208及び紙位置134で4マイクロリットル(μL)の一滴の液体組成物を放出するように設定する。
【0161】
試験される繊維性構造体又は拭取り布サンプルは、長さおよそ1.27cm(0.5インチ)でかつ試験機器に付随するサンプルスレッドの幅を超えないように切り出される。繊維性構造体又は拭取り布サンプルは、取り扱い中のくびれ及び構造変化を最小化させるように繊維性構造体又は拭取り布サンプルのMD方向に沿って切り出される。繊維性構造体又は拭取り布サンプル、並びに、繊維性構造体又は拭取り布上に滴る液体組成物は、少なくとも4時間にわたって23℃±2.2℃及び50%の相対湿度に均衡化させておく。液体組成物は、新しい乾燥注射器(直径0.9mm、部品番号1100406、Thwing Albert)に少なくとも半分は充填することにより、調製される。注射器は試験に先立って対象の液体組成物ですすぐべきであり、これは、液体組成物で3回連続して充填/空にすることにより達成することができる。本測定では、使用される液体組成物は、水性組成物が30ダイン/cmの表面張力を呈するような濃度で、蒸留水と、非イオン性界面活性剤、すなわち、Triton(登録商標)X 100(Dow Chemical Companyから市販)と、を含有する水性組成物である。繊維性構造体又は拭取り布及び液体組成物は、製造者の指示に従って機器に充填される。制御ソフトウェアは、液体組成物を繊維性構造体又は拭取り布上に放出し、以下のパラメーターを測定するように設計されている:液体組成物が繊維性構造体又は拭取り布の中に吸収される時間、接触角、底面、高さ及び容積。
【0162】
繊維性構造体又は拭取り布の各面について液体組成物の滴が繊維性構造体又は拭取り布により吸収されるのにかかる時間に関して合計10回の測定が行われる。報告されるDAT値(秒単位)は、繊維性構造体又は拭取り布の20個の測定値(各面から10個)の平均である。
【0163】
濡れ試験方法
固体漏出試験方法
以下の方法を用いて、繊維性構造体又は拭取り布についての固体漏出値を測定する。
【0164】
まず、固体漏出試験に使用される試験組成物を調製する。8.6gのGreat Value Instantチョコレートプリンミックス(WalMartから入手可能−低カロリー又は無糖プリンミックスは使用しない)を計量することにより、試験組成物を調製する。10mLの蒸留水を8.6gのミックスに添加する。滑らかになるまでミックスを撹拌して、プリンを作る。プリンに覆いをし、使用前に2時間にわたって23℃±2.2℃にて静置しておき、プリンミックスの水和を徹底させる。
【0165】
Great Value Instantチョコレートプリンミックスは、http://www.walmart.com/ip/Great−Value−Chocolate−Instant−Pudding−3.9−oz/10534173で購入することができる。Great Value Instantチョコレートプリンミックスに列挙されている成分は以下のものである:砂糖、改質食用デンプン、デキストロース、アルカリ処理ココアパウダー、リン酸二ナトリウム、2%未満の脱脂粉乳含有、ピロリン酸四ナトリウム、食塩、天然及び人工香料、モノグリセリド及びジグリセリド(発泡抑制)、パーム油、Red 40、Yellow 5、Blue 1、二酸化チタン(色のため)。アレルギー注意:牛乳含有、微量の卵、アーモンド、ココナッツ、ペカン、ピスタチオ、ピーナッツ、小麦及び大豆を含有。
【0166】
取り扱いの容易さから無菌舌圧子を用いて注射器に試験組成物を移す。
【0167】
一片の蝋紙の風袋重量。蝋紙の坪量は、約35gsm〜約40gsmである。蝋紙は、Reynolds Companyからブランド名Cut−Riteで供給されている。蝋紙上で0.6±0.05gの試験組成物を検量する。試験される繊維性構造体又は拭取り布の5つのサンプルを準備する。繊維性構造体又は拭取り布の5つのサンプルを、必要であれば、150mm×150mmの寸法に切り出す。5つのサンプルのうちの1つは、対照サンプル(試験組成物が適用されていない)である。平坦な表面上で、繊維性構造体又は拭取り紙の外面と蝋紙の間に試験組成物が配置されるように、二層構造を作り出すために半分に折り畳んだ繊維性構造体又は拭取り布の残りの4つの試験サンプルのうちの1つの上に試験組成物と共に蝋紙を配置する。蝋紙上におもりを置く際におもりを押さえつけないようにして、例えば、10秒にわたって、蝋紙上に直径4.13cm(1 5/8インチ)で500gの釣り合いおもりを穏やかに配置する(約3.45kPa(0.5psi)を生じる)。500グラム釣り合いおもりは、McMaster−Carr Companyから入手可能である。10秒後、おもりを取り外し、繊維性構造体又は拭取り布を穏やかに広げる。事実上の「第二層」の内面(内向きに面する繊維性構造体又は拭取り布の部分の表面であって、試験組成物が適用される繊維性構造体又は拭取り布の部分の裏側ではない、表面)から視認可能である固体の色を調べる。Hunter Color Lab Scanを使用して、この内面を調べる。色は、時間を経て拡散し得る。そこで、良好なサンプル間比較を行うために一定の時間間隔(蝋紙上におもりを置いた後10分以内)で拭取り布を調べる。繊維性構造体又は拭取り布の残りの試験サンプルに対して試験組成物適用手順を繰り返す。
【0168】
分析される繊維性構造体又は拭取り布の各試験サンプルの内面上に存在する色は、次に、Hunter Color Lab機器を用いて分析される。
【0169】
Hunter Color Lab Scan手順
(較正)
1.スケールをXYZに設定する。
2.観測器を10に設定する。
3.両方の照明をD65に設定する。
4.手順を無しに設定し、OKをクリックする。
5.読み取り手順が無しに設定されているかどうかを確認する。
6.緑色の板をポートに置き、サンプル読み取りをクリックする。サンプルIDを緑色と入力する。
7.白色の板をポートに置き、サンプル読み取りをクリックする。サンプルIDを白色と入力する。
8.較正エクセルファイルを開き、ファイル保存をクリックし、今日の日付を入力する。
9.ハンター色の試験ページに戻り、XY&Z数をハイライトし、編集、コピーをクリックする。
10.今日の較正シート及びペースト数を数値読み取りセルで開く。実際の値に対して数値読み取りをチェックする。数値は規格内であるべきである。
11.較正レポートを印刷する。
【0170】
(試験)
1.アクティブビューをクリックする。
2.スケールをCielabに設定する。
3.両方の証明をCに設定する。
4.観測器を2に設定する。
5.手順を無しに設定する。
6.OKをクリックする。
7.全てクリアをクリックする。
8.対照サンプルをスキャンして、対照サンプルのL値を測定及び記録する。
9.上記の繊維性構造体又は拭取り布からおもりを取り外した後、試験サンプルを開き、上記の事実上の「第二層」の内面を分析できるように機器ポート上に繊維性構造体又は拭取り布の試験サンプルを配置する。機器の汚染を避けるために試験サンプルの上部に新しい一片の蝋紙を置く。
10.サンプル読み取りをクリックして、試験サンプルのL値を測定及び記録する。サンプルの名称を入力する。OKをクリックする。残りの試験サンプルについてこれを繰り返す。
11.4つの試験サンプルのL値を測定及び記録した後、4つの試験サンプルのL値を平均する。
12.対照サンプルのL値と4つの試験サンプルの平均L値との間の差を測定することにより試験された繊維性構造体又は拭取り布についての固体漏出Lr値を計算する。
【0171】
報告される固体漏出Lr値は、繊維性構造体又は拭取り布の対照サンプルと試験サンプルとの間のHunter Color LabからのL色値の差である。20未満及び/又は15未満及び/又は10未満及び/又は5未満及び/又は2未満の固体漏出Lr値が望ましい。この値が低いほど、繊維性構造体又は拭取り布は固体漏出をより多く防ぐ。
【0172】
Great Value Instantチョコレートプリンミックス試験組成物に対する好適な等価物は、上記試験方法において使用するために以下の手順により作ることができる。
【0173】
まず、試験目的のための試験組成物を調製する。試験組成物を作るために、乾燥粉末ミックスを最初に作る。乾燥粉末ミックスは、脱水角切りトマト(Harmony House又はNorthBay)、脱水ホウレンソウフレーク(Harmony House又はNorthBay)、脱水キャベツ(Harmony House又はNorthBay)、全オオバコ外皮(Now Healthy Foodsから入手可能、600μm分画で篩にかけて600μm超の粒子を回収し、次に250〜300μm粒子に磨砕される)(あるいは、篩にかけて250〜300μmの粒子を回収する粉末としてBarry Farmから入手可能)、パルミチン酸(95% Alfa Aeser B20322)及びステアリン酸カルシウム(Alfa Aeser 39423)を含む。次に、Provesta(登録商標)000及びOhly(登録商標)HTC(どちらもOhly Americas(Hutchinson,MN)から市販)として市販されている食品グレートイースト粉末を添加する。
【0174】
野菜の粉砕を行う必要がある場合には、IKA A11ベーシックグラインダー(VWR又はRose Scientific LTDから市販)を使用する。野菜を粉砕するために、野菜フレークを粉砕ボウルに加える。印まで充填する(金属カップ内、充填し過ぎないこと)。5秒にわたって電力をオンにする。停止する。粉末を5回たたく。電力にオンする(5秒にわたって)、停止する、粉末をたたく(5回)という手順を更に4回繰り返す。300μm以下の粉末が回収されるように、300μm孔篩の上部に600μm孔篩を積層することにより、粉砕した粉末を篩にかける。300μmを超える残った粉末は全て一度再粉砕する。300μm以下の粉末を回収する。
【0175】
下の表3にある以下の濃度で上記成分を混合することにより、試験組成物を調製する。
【表4】
【0176】
パルミチン酸/ステアリン酸カルシウムブレンドは、20.005gのパルミチン酸と10.006gのステアリン酸カルシウムのブレンドを一緒に粉砕し、そこから300μm以下の粉末を回収することにより、調製される。
【0177】
試験組成物を作るために、23℃±2.2℃の蒸留水21gを、好適な容器中で使用される表3に上述されている固体粉末プレミックス9g毎に添加する。舌圧子を用いて、ペーストであり得る組成物が均質になるまで、組成物を撹拌する(約2分の撹拌)。容器を一片のアルミホイルでゆるくカバーし、23℃±2.2℃にて2時間にわたって静置する。次に4滴のFD&C Red Dye #40を添加し、完全に混合するまで撹拌する(約2分の撹拌)。試験組成物は、固体漏出試験において使用する準備ができている。
【0178】
CD濡れ開始時引っ張り強度試験方法
以下の試験方法に概略を記載する修正したEDANA 20.2.89方法を用いて、繊維性構造体又は拭取り布のCD濡れ開始時引っ張り強度を測定する。
【0179】
実験室用ペーパーカッター又はテンプレート及びメス(ハサミでない、試験片はERT 130に従ってきれいに切り出されなければならない)を用いて、使用される繊維性構造体又は拭取り布の50±0.5mmの幅(MD)及び150mm超の長さ(CD)の試験片を5つ切り出す(動力計の噛み合い部の間に100mmの距離を得ることができるように)。
【0180】
引張試験機(動力計)を一定速度の引張(100mm/分)及び幅50mmの噛み合い部(損傷無しでこれらの完全幅にわたってしっかりと切断サンプルを保持することができる)で使用して、力−伸張曲線を記録するためのシステムに適合させる。
【0181】
試験される切片を引張試験機の噛み合い部に配置する(噛み合い部は100mm±1mmで離れている)。
【0182】
一定速度の引張(100mm/分)を適用し、力−伸張曲線を記録する。
【0183】
破断がクランプ内に生じるか又は任意の破断が噛み合い部に到達するかしたあらゆる試験切片からの結果を放棄する。
【0184】
力−伸張曲線のスケールを確立する。力−伸張曲線を用いて、ニュートン(N)単位でCD濡れ開始時引っ張り強度を測定する。印加力についての複数のピーク値が試験中に生じる場合、切片のCD濡れ開始時引っ張り強度として最も高い値を取り、これを試験報告に記録する。5つのサンプルから平均CD濡れ開始時引張り強度を得るために繊維性構造体拭取り布からの追加の切片についてこの手順を繰り返した。この平均は、四捨五入して0.1N単位で記録されたCD濡れ開始時引っ張り強度(N)の平均である。
【0185】
ローション放出試験方法
繊維性構造体又は拭取り布のローション放出は、決められた圧力及び機器のデフォルト速度を用いて、画定された領域にわたって繊維性構造体又は拭取り布で拭うことにより測定される。
【0186】
拭取りプロセスをシミュレートできる拭取り装置を使用する。好適な拭取り装置は、Manfred Fuhrer GmbH(D−60489 Frankfurt,GERMANY)から入手可能である。皮膚類似物(Konrad Hornschuch AG(74679 Weissbach,GERMANY)から入手可能な自己接着DC固着箔40cm×40cm)が配置される表面を拭取り装置は有する。拭取り装置は、皮膚類似物に8.5g/cm
2の拭取り圧を印加する拭取りハンド(180mm×78mm)が取り付けられた機械的アームを更に有する。
【0187】
試験を行うために、皮膚類似体を拭取り装置の表面上に置く。ニトリル/パウダーフリー手袋を付けて、試験される繊維性構造体又は拭取り布を計量してその初期質量を得る。折り畳んだ場合には繊維性構造体又は拭取り布を開き、既に積層した皮膚類似体上に配置する。拭取りハンドを繊維性構造体又は拭取り布の上に穏やかに配置する。拭取りハンドの拭取り動作が行われるときに繊維性構造体又は拭取り布の180mm×78mm部分のみが皮膚類似体と接触するようになるように、繊維性構造体又は拭取り布を拭取りハンドにしっかりと取り付ける。拭取り装置をオンにし、3回の拭取り動作を行うようにする。第一拭取り動作は、拭取りハンド及びそれに取り付けられた繊維性構造体又は拭取り布を含む拭取りアームの90°ストロークである。第二拭取り動作は、第一拭取り動作が動いたのと同じ部分の皮膚類似体にわたっての90°戻りストロークである。第三拭取り動作は、第一拭取り動作と同様の、拭取りハンド及びそれに取り付けられた繊維性構造体又は拭取り布を含む拭取りアームの別の90°ストロークであり、第一及び第二拭取り動作と同じ部分の皮膚類似体にわたって動く。拭取りハンドから取り外している間に皮膚類似体上の繊維性構造体又は拭取り布を拭取らないように、拭取りハンドから繊維性構造体又は拭取り布を注意して取り外す。繊維性構造体又は拭取り布を再び計量して、最終質量を得る。繊維性構造体又は拭取り布についてのローション放出は、繊維性構造体又は拭取り布の初期重量と繊維性構造体又は拭取り布の最終重量の差である。皮膚類似体を乾燥したティッシュで清拭する。この手順を再び繰り返して、次の繊維性構造体又は拭取り布を計量しその初期質量を得る。報告されるローション放出値は、10個の試験された繊維性構造体又は拭取り布の平均ローション放出値である。
【0188】
本明細書に開示した寸法及び値は、記述された正確な数値に厳しく限定されるものと理解すべきでない。むしろ、特に言及しない限り、そのようなそれぞれの寸法は、記述された値と、その値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0189】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0190】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。