(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770264
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】濡らした汚損生地のポリマー粒子を用いた洗浄法
(51)【国際特許分類】
D06L 1/16 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
D06L1/16
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-504341(P2013-504341)
(86)(22)【出願日】2011年4月12日
(65)【公表番号】特表2013-529260(P2013-529260A)
(43)【公表日】2013年7月18日
(86)【国際出願番号】GB2011050725
(87)【国際公開番号】WO2011128680
(87)【国際公開日】20111020
【審査請求日】2014年2月10日
(31)【優先権主張番号】1010591.4
(32)【優先日】2010年6月24日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1006076.2
(32)【優先日】2010年4月12日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】511201288
【氏名又は名称】ゼロス・リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジエンキンス,ステイーブン・デレク
【審査官】
平井 裕彰
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−532201(JP,A)
【文献】
特開昭52−069416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06L1/00〜 3/16
D06F1/00〜51/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚損した生地の洗浄法であって、濡らした生地を、洗剤配合物と組み合わせて適用される複数のポリマー粒子を含んでなる配合物で処理することを含んでなり、該洗剤配合物が別個の化学構成要素に分割され、そして該化学構成要素が洗濯サイクル中の異なる時点で加えられることを特徴とし、
ここで、配合物の洗浄部分が主洗濯サイクルの前または最中に加えられ、そして配合物の残りの部分が洗濯工程からポリマー粒子を除去した後に後処理として加えられる、
上記洗浄法。
【請求項2】
洗浄成分が、界面活性剤、酵素、酸化剤および漂白剤から選択される少なくとも1成分を含んでなり、該界面活性剤が場合により、非イオン性、および/またはアニオン性、および/またはカチオン性界面活性剤、および/または両性および/または両性イオン性および/または半極性非イオン性界面活性剤から選択され、該酵素が場合によりヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、他のセルラーゼ、他のキシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、[ベータ]−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼおよびアミラーゼまたはそれらの混合物から選択され、そして該酸化剤または漂白剤が場合により過酸化化合物から選択され、該過酸化化合物が場合により過酸化水素、無機ペルオキシ塩および有機ペルオキシ酸から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記酸化剤または漂白剤が化学活性化剤により、および/またはその添加前に主洗濯とは別に該物質を加熱することにより活性化される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
後処理成分が、再汚染防止剤、香料および蛍光増白剤から選択される少なくとも1種の成分を含んでなり、該再汚染防止剤が場合によりポリエチレングリコール、ポリアクリレートおよびカルボキシメチルセルロースから選択され、該香料が場合によりアルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテルおよびニトリルアルケン、およびそれらの混合物の少なくとも1種を含んでなり、そして該蛍光増白剤が場合により、スチルベン誘導体、ベンズオキサゾール、ベンズイミダゾール、1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン、クマリン、1,3,5−トリアジン−2−イルおよびナフタルイミドから選択される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
上記洗剤配合物がさらに、ビルダー、キレート剤、染料移行抑止剤、分散剤、酵素安定化剤、触媒物質、酸化剤または漂白活性剤、ポリマー分散剤、粘土除去剤、発泡抑制剤、染料、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、澱粉、担体、向水性物質、加工助剤および顔料から選択される少なくとも1つの成分を含んでなる、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
酵素および漂白剤/酸化剤を含んでなる化学構成要素が、洗濯サイクル中の異なる時点で加えられる、請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
香料および漂白剤を含んでなる化学構成要素が、洗濯サイクル中の異なる時点で加えられる請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
上記生地が、プラスチック材料、革、紙、厚紙、金属、ガラス、木材または織物類を含んでなる請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
上記ポリマー粒子がポリアルケン、ポリアミド、ポリエステルまたはポリウレタンを含んでなり、該ポリアミド粒子が場合によりナイロン6またはナイロン6,6のビーズを含んでなり、そして該ポリエステル粒子が場合によりポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートのビーズを含んでなる請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
上記ポリマー粒子が直線状または架橋化された発泡型または非発泡型であり、そして中実または中空である請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
水と生地の比が2.5:1から0.1:1重量/重量の間になるように、水が系に加えられる請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ポリマー粒子と生地の比が30:1から0.1:1重量/重量の範囲である請求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
上記方法の洗浄工程が、5℃から95℃の間の温度で10分から1時間の間の時間行われる請求項1ないし12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
バッチ法または連続法を含んでなる請求項1ないし13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
生地が織物を含んでなる請求項1ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は生地(substrate)の処理に関する。より詳細には本発明は、洗剤が洗浄系に新規投入法(dosing)により加えられる、ポリマー粒子に基づく洗浄処理の使用が関与する生地の洗浄法に関し、ここで洗濯サイクル中の異なる時点で加えられる洗剤はそれらの構成化学部分に分割される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
従来の湿式洗浄(wet cleaning)は主に織物にとって主要な方法であり、比較的大量の水が適切な洗剤配合物(detergent formulation)と組み合わせて提供される洗濯作用(washing action)に日常的に依存している。これらの配合物はそれらの構成(make−up)が大変複雑であるが、典型的には特定の染み(stains)の除去に生物学的作用を提供するために一連の酵素を含むか、または含まない界面活性剤と、高度に着色された染みを中和するための酸化または漂白成分とをそれらに関係する活性化剤(activators)と一緒に組み合わせて含んでなる。さらに配合物は一般に水の硬度を制御するためのビルダー(builder)、除去した染みが織物の表面に再付着することを防止するための再汚染防止剤、期待されるレベルの香りを確実に付けるための香料、ならびにさらに特に白い衣類について再付着の影響を隠すための蛍光増白剤(optical brighteners)を含む。
【0003】
通例の湿式洗浄法では、洗剤配合物は通常、全てを一回で投入するものとして加えられるか、また予備洗濯および主洗濯に分けられ、ここでは柔軟剤または他の配合添加剤が別々に使用される。しかし生じる問題は洗濯が進むにつれて織物表面の洗剤配合物中の特定の化学品部分にかなりの希釈が生じ、その結果、良好な洗濯は再汚染防止剤、香料および蛍光増白剤が洗浄された織物から除去されることを犠牲にして行われる。洗剤配合物のこれら3つの部分は、洗浄品質が評価される場合に消費者のニーズに最も合わせる手段となる。したがって通例の湿式洗浄法では、洗浄した最終的な織物表面上にこれら3つの部分が十分な量で確実に存在して留まるように、全てを一回で投入する洗剤配合物にはこれらの化学品が効果的に過剰に添加されている。当然この方法では洗浄法の全体的な化学品の添加量が上がり、もちろん洗剤配合物自体の経費も上がる。
【0004】
特許文献1に開示された方法において、その洗浄法は本質的に有機溶媒を含まず、そして限られた量の水を必要とする洗浄用配合物を使用し、これにより重要な環境的利益を提供する。すなわちこの発明者は汚損した生地を洗浄する方法を開示し、その方法は濡らした生地を、複数のポリマー粒子を含んでなる配合物で処理することを含んでなり、ここで該配合物は有機溶媒を含まない。
【0005】
しかしこの方法は従来技術に勝る有意な利点を提供するものの、結果としてこの方法で使用される洗剤配合物とポリマー粒子との間に相互作用を生じる可能性がある。すなわちポリマー粒子による数種の配合物成分の早過ぎる除去が、別の方法で達成できるものより劣る洗浄および再汚染の成績を生じることが分かった。これが本発明が取り組もうとする課題である。
【0006】
特許文献1の方法は一般に、従来の湿式洗浄法に大変良く似た洗剤配合物を使用するが、不十分な洗浄および再汚染の類の問題を取り扱うために、生じ得る化学品添加量を高くする考え方は、現実的にも経済的にも合理的な選択ではない。結果として、本発明者は今
、改変した方法を考案し、この方法は洗濯サイクルの異なる時点で加えられる構成化学部分に配合物を分割する洗剤の投入法を提供することによりこれらの難題に取り組む。これにより全体的な化学品の添加量が減るだけでなく、洗浄能に最も効果的になると思われる場合には、配合物のより高価な部分を追加することもできる。その結果、従来の全てを一回で投入する洗剤配合物と比べて、かなりの経費節減を達成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第A−2007/128962号パンフレット
【発明の概要】
【0008】
発明の要約
このように本発明の第一の観点に従い、汚損生地の洗浄法が提供され、該方法は濡らした生地を洗剤(detergent)配合物と組み合わせて適用される複数のポリマー粒子を含んでなる配合物で処理することを含んでなり、該洗剤配合物は別個の化学構成要素(chemical constituents)に分割され、そして該化学構成要素が洗濯サイクル中の異なる時点で加えられることを特徴とする。
【0009】
具体的には、要求される染みの除去の程度を提供するために、配合物の洗浄部分(cleaning parts)が主洗濯サイクルの前または最中に加えられるが、配合物の残りの、より高価な、したがってより価値のある追加部分は、洗濯工程からポリマー粒子を除去した後に後処理として加えられることが必要である。一般には洗浄成分は界面活性剤、酵素および酸化剤または漂白剤を含んでなるが、後処理成分は例えば再汚染防止剤、香料および蛍光増白剤を含む。
【0010】
特許請求する方法により洗浄される生地には、例えばプラスチック材料、革、紙、厚紙、金属、ガラスまたは木材を含む任意の広い範囲の生地を含んでなることができる。しかし実際には該生地は、織物類(textile fibre)を含んでなることが最も好ましく、これは綿などの天然繊維、または合成の織物類、例えばナイロン6,6もしくはポリエステルのいずれかでよい。
【0011】
このポリマー粒子は任意の広範な種々のポリマーを含んでなることができる。具体的にはポリエチレンおよびポリプロピレンのようなポリアルケン、ポリエステルおよびポリウレタンを挙げることができ、これらは直線状もしくは架橋化されてよく、そして発泡型もしくは非発泡型でよい。しかし好ましくは、該ポリマー粒子はポリアミドもしくはポリエステル粒子、最も特別にはナイロン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートの粒子を、最も好ましくはビーズ状で含んでなる。該ポリアミドおよびポリエステルは、水性の染み/汚損の除去に特に効果的となる一方、ポリアルケンは油に基づく染みの除去に特に有用となることが分かった。場合により上記ポリマー物質のコポリマーを本発明の目的に使用することができる。
【0012】
種々のナイロンまたはポリエステル−ホモもしくはコ−ポリマーを使用することができ、それらには限定するわけではないがナイロン6、ナイロン6,6、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートがある。好ましくはナイロンは、5000〜30000ダルトン、好ましくは10000〜20000ダルトン、最も好ましくは15000〜16000ダルトンの範囲の分子量を有するナイロン6,6ホモポリマーを含んでなる。ポリエステルは典型的にはASTM D−4603のような溶液技術により測定した時、0.3〜1.5dl/gの範囲の固有粘度測定値に対応する分子量を有する。
【0013】
ポリマー性粒子は、良好な流動性および織物類との密な(intimate)接触を可
能とする形状およびサイズである。円筒状、球状または立方形のような様々な形状の粒子を使用することができ、例えば環状、犬の骨形(dog−bone)および円形を含む適切な断面形を使用できる。粒子は滑らか、または不規則な表面構造を有することができ、そして中実(solid)または中空構築物であることができる。粒子は好ましくは5〜500mg、好ましくは10〜100mg、最も好ましくは10〜30mgの範囲の平均質量を有するようなサイズである。円筒状ビーズの場合では、好適な粒子直径は1.0〜6.0mm、より好ましくは1.5〜4.0mm、最も好ましくは2.0〜3.0mmの範囲であり、そしてビーズの長さは好ましくは1.0〜4.0mmの範囲であり、より好ましくは1.5〜3.5mm、そして最も好ましくは2.0〜3.0mmの範囲である。
【0014】
一般に球状ビーズに関して、球の好適な直径は1.0〜6.0mm、より好ましくは2.0〜4.5mm、最も好ましくは2.5〜3.5mmの範囲である。
【0015】
本発明の方法は、これまでに述べたような広い種類の生地に応用することができる。より詳細には天然および合成の織物類の範囲にわたって応用することができるが、ナイロン6,6、ポリエステルおよび綿の布帛に関して特定の応用を見出す。
【0016】
洗浄系にさらなる滑らかさ(lubrication)を提供し、そしてそれにより系内の輸送(transport)の特性を改善するために、水が系に加えられる。すなわち系へのビーズの添加後に、洗剤配合物の洗浄部分(一般的には界面活性剤、酵素および酸化剤もしくは漂白剤)の生地へのより効率的な移動(transfer)が促進され、そして物質から汚損および染みの除去がより容易に起こる。場合により、汚損生地は洗浄装置に入れる前に水道水(mains or tap water)で濡らすことにより湿らせてもよい。いずれにしても洗濯処理は水と生地の比を好ましくは2.5:1から0.1:1重量/重量の間、より好ましくはこの比を2.0:1から0.8:1の間にして行うために、水が本方法に加えられ、特に好ましい結果は1.5:1、1.2:1および1.1:1のような比率で達成された。
【0017】
通常は再汚染防止剤、香料および蛍光増白剤を含んでなる、洗剤配合物中の後処理成分は、洗濯工程からポリマー粒子を除去した後にすすぎサイクルの一部として加えられる。これにより洗剤配合物は、全てを1回で投入する洗剤投入を介して日常的に加えられる場合よりも低濃度で、生地との直接的相互作用を促進する。したがって、この投入法により生じる化学品の付加量の全体的減少、ならびに経費節減の両方が存在する。さらに改善された洗浄能力も観察される。
【0018】
加えて特許請求する多成分投入系の使用では、広い範囲の洗浄する化学品の使用を提供する。なぜなら、従来の洗剤の配合物(cleaning product formulation)では、例えば酵素と組み合わせた酸化剤の使用、または香料成分と塩素に基づく漂白剤との相互作用の可能性のように、洗浄成分の選択が生成する配合物の非適合性および安定性により限定される可能性があるからである。前者の場合、酸化剤が工程の早すぎる段階で酵素を殺すことにより、洗浄は悪い影響を受ける可能性があり、一方後者の場合では香料が漂白剤の匂いに負けることになる恐れがある。これらの成分の別個の添加を採用することにより、そのような難題は回避される。
【0019】
具体的な態様では、配合物の酸化または漂白成分を主洗濯とは別に例えば混合タンク中で予備加熱する可能性が促進され、これによりこの成分を洗濯系に加える前に化学的にさらに活性とすることができる。この予備混合に必要な水の量は少なくすることができるので、そのような加熱に消費される電力(power)はほとんど無く、したがって高度に活性な酸化または漂白化学品を、電力の使用、すなわち経費という意味での不利をほとんど被ることなく加えることができる。故にこれは主洗濯サイクル時間の低減、または消費
電力の低減のいずれかを介してさらに利点を提供することができると同時に、1回の投入法と比べた時に同等の洗浄を維持し、ここで1回の投入法では、酸化または漂白化学品の同等な化学的活性化に1回の全洗濯量を加熱することが必要となり、これは比較すると遅く、しかも経費がかかる方法となる。
【0020】
本発明の別の態様では、酸化または漂白成分は、洗剤配合物中に都合よく包含され得る化学的活性化剤により活性化されることができる。
【0021】
本発明の第一観点の方法は、バッチ式および連続式の両方の小または大規模法のいずれかで使用することができ、したがって家庭用および工業用の洗浄法の両方に応用を見出す。
【0022】
また本発明は、先に開示した多成分投入法に従い使用したポリマー粒子の洗浄も構想するので、洗浄チャンバーおよび少なくとも1つの投入区画を含んでなる装置をこの目的に使用することができ、該少なくとも1つの区画は洗剤配合物の少なくとも1つの成分を含むように適合されている。適切な装置が例えば、国際出願第PCT/GB2011/050243号、同第PCT/GB2010/051960号、および同第PCT/GB2010/094959号明細書に開示されている。数回の洗浄サイクル(一般的には10〜12回)後、ポリマーの洗浄粒子は汚損されるようになるが、それらは再使用を促進するために洗浄して再使用することができ、これは明らかに重要な経済的利点を提供する。このように本発明の第三の観点にしたがい、汚損されたポリマー粒子の洗浄法が提供され、該方法は該ポリマー粒子を洗剤配合物で処理することを含んでなる。場合により該洗剤配合物は、洗浄工程の異なる時点で該化学構成要素を添加するために、別個の化学構成要素に分割される。好ましくは該方法は上記装置を使用して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の態様を、添付の図面を参照してさらにこれから記載する。
【
図1】本発明の多−成分投入法を使用して行われる洗濯サイクルを具体的に説明する。
【
図2】染色したサンプルの地色の白度という意味で、単回および多回投入洗浄法の洗浄性能の比較を表す。
【
図3】綿への皮脂/顔料の染みの洗浄に応用した場合に、単回および多回投入洗浄法の洗浄性能の比較を表す。
【
図4】ポリエステル/綿への皮脂/顔料の染みの洗浄に応用した場合に、単回および多回投入洗浄法の洗浄性能の比較を表す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
発明の詳細な記載
本発明の第一の観点による方法では、ビーズ対生地の比が一般に30:1から0.1:1の重量/重量の範囲、好ましくは10:1から1:1の重量/重量の範囲であり、特に好ましい結果が5:1から1:1の重量/重量比の間、そして最も特別には約2:1の重量/重量比で達成される。このように例えば5gの布帛(fabric)の洗浄に、10gのポリマー粒子が使用される。
【0025】
先に述べたように、本発明の方法は織物類の洗浄に特定の応用を見出すものである。そのような洗浄系で採用される条件は、従来の織物類の湿式洗浄に適用される条件と大変一致しており、その結果、一般に条件は布帛の性質および汚損の程度により決まる。このよ
うに典型的な手順および条件は当業者に周知な手順および条件と一致し、布帛は一般に本発明の方法に従い処理され、例えば5℃から95℃の間の温度で、10分から1時間の間の時間行われ、次いで水ですすぎ、そして乾燥させる。
【0026】
得られる結果は、織布(textile fabric)を用いた従来の湿式洗浄手順を行った場合に観察された結果と大変一致している。本発明の方法で処理した布帛で達成される洗浄および染みの除去の程度は大変良好に見え、大抵は除去することが難しい疎水性の染みおよび水性の染みおよび汚損に関して特に顕著な結果が達成されている。またこの方法は、染色工程後の織物類に適用される洗い流し(wash−off)処理での、ならびに紡績および製織のような工程の後に存在する可能性があるゴミ、汗、機械油および他の混入物を除去する織物の処理に使用する精錬(scouring)工程で応用を見出す。洗浄工程の終わりに繊維に付着しているポリマー粒子が観察されるという問題は無く、そしてこのような粒子は続いて、例えば国際出願第PCT/GB2011/050243号、同第PCT/GB2010/051960号、および同第PCT/GB2010/094959号明細書に開示されている洗浄装置を使用して洗濯物(washload)から取り出すことができる。
【0027】
さらに先に述べたように、ポリマー粒子の再使用が可能であること、ならびに粒子は洗浄処理で十分に再使用できるようになることが示された。
【0028】
先に考察したように、洗剤配合物の主成分は洗浄成分および後処理成分を含んでなる。一般には洗浄成分は界面活性剤、酵素および酸化剤または漂白剤を含んでなり、一方、後処理成分は例えば再汚染防止剤、香料および蛍光増白剤を含む。
【0029】
しかし洗剤配合物は場合により例えばビルダー、キレート剤、染料移行抑止剤、分散剤、酵素安定化剤、触媒物質、漂白剤または酸化剤活性剤、ポリマー分散剤、粘土除去剤、発泡抑制剤、染料、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、澱粉、担体、向水性物質(hydrotropes)、加工助剤および/または顔料のような1もしくは複数の他の添加剤を含むこともできる。
【0030】
適切な界面活性剤の例は、非イオン性、および/またはアニオン性、および/またはカチオン性界面活性剤、および/または両性および/または両性イオン性および/または半極性非イオン性界面活性剤から選択することができる。界面活性剤は一般に洗浄組成物の約0.1%から、約1%から、さらに約5重量%から、洗浄組成物の約99.9%まで、約80%まで、約35%まで、またはさらに約30重量%までのレベルで存在する。
【0031】
この組成物は、洗浄能および/またはファブリックケア(fabric care)の利点を提供する1もしくは複数の洗剤としての酵素を含むことができる。適切な酵素の例には限定するわけではないが、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、他のセルラーゼ、他のキシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、[ベータ]−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼおよびアミラーゼ、またはそれらの混合物がある。典型的な組み合わせは、アミラーゼと共にプロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼおよび/またはセルラーゼのような酵素の混合物を含んでなることができる。
【0032】
場合により酵素安定化剤を洗浄成分中に含むこともできる。これに関して、洗剤中で使用するための酵素は種々の技術、例えば組成物中に水溶性のカルシウムおよび/またはマグネシウムイオン源と包含させることにより安定化させることができる。
【0033】
この組成物は1もしくは複数の漂白剤または酸化化合物および関連する活性剤を含むことができる。そのような漂白剤または酸化化合物の例には、限定するわけではないが、過酸化水素を含む過酸化化合物、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩のような無機ペルオキシ塩、およびモノ過硫酸塩(例えば過ホウ酸ナトリウム四水和物および過炭酸ナトリウム)、ならびに過酢酸、モノペルオキシフタル酸、ジペルオキシドデカン二酸、N,N’−テレフタロイル−ジ(6−アミノペルオキシカプロン酸)、N,N’−フタロイルアミノペルオキシカプロン酸およびアミドペルオキシ酸のような有機ペルオキシ酸がある。
【0034】
漂白剤または酸化活性剤は当該技術分野では周知であり、そして特定の例には過剰加水分解性(perhydrolysable)N−アシルまたはO−アシル残基を含む化合物がある。これら化合物の具体例は、コハク酸、安息香酸およびフタル酸無水物、テトラアセチル−グリコールウリル(TAGU)、およびN,N,N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)のようなカルボン酸エステルのような水不溶性化合物、ならびにアセチルサリチル酸、グルコースペンタ−アセテート(GPA)、およびフェノールおよび置換フェノールの種々のエステル、例えばアセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(SABS)、ベンゾイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(SBOBS)、およびノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(SNOBS)を含む水溶性誘導体がある。
【0035】
適切なビルダーを配合物に含めることができ、それらには限定するわけではないが、ポリリン酸塩のアルカリ金属、アンモニウムおよびアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類およびアルカリ金属炭酸塩、アルミノケイ酸塩、ポリカルボン酸塩化合物、エーテル ヒドロキシポリカルボン酸塩、無水マレイン酸とエチレンまたはビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、およびカルボキシメチル−オキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸およびニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の種々のアルカリ金属、アンモニウムおよび置換アンモニウム塩、ならびにメリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸のようなポリカルボン酸塩、およびそれらの可溶性塩がある。
【0036】
また組成物は、任意に1もしくは複数の銅、鉄および/またはマンガンキレート剤および/または1もしくは複数の染料移行抑止剤も含んでよい。
【0037】
適切なポリマー染料移行抑止剤には、限定するわけではないが、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルイミダゾール、ポリビニルオキサゾリドンおよびポリビニルイミダゾールのコポリマーまたはそれらの混合物がある。
【0038】
場合により洗剤配合物は、分散剤を含むこともできる。適切な水溶性有機材料は、ホモ−またはコポリマー酸またはそれらの塩であり、ここでポリカルボン酸は、2個以下の炭素原子により互いに離された少なくとも2つのカルボキシル基を含んでなることができる。
【0039】
該再汚染防止剤は、それらの作用が物理−化学的であり、そして例えばポリエチレングリコール、ポリアクリレートおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)のような物質を含む。
【0040】
場合によりこの組成物は香料を含むこともできる。適切な香料は、一般に多成分の有機
化学配合物であり、これはアルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテルおよびニトリルアルケンおよびそれらの混合物を含むことができる。残留する芳香を提供する、十分に持続性のある市販の化合物には、Galaxolide(1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ(g)−2−ベンゾピラン)、Lyral(3−および4−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチル)シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、およびAmbroxan((3aR,5aS,9aS,9bR)−3a,6,6,9a−テトラメチル−2,4,5,5a,7,8,9,9b−オクタヒドロ−1H−ベンゾ[e][1]ベンゾフラン)がある。市販されている完全に配合された香料の一例は、Symrise(登録商標)AGにより供給されるAmour Japonaisである。
【0041】
適当な蛍光増白剤は、いくつかの有機化学的クラスに属するが、中でも最もよく使用されているのはスチルベン誘導体であり、一方、他の適当なクラスにはベンズオキサゾール、ベンズイミダゾール、1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン、クマリン、1,3,5−トリアジン−2−イル、およびナフタルイミドがある。そのような化合物の例には、限定するわけではないが、4,4’−ビス[[6−アニリノ−4(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ビス[[6−アニリノ−4[(2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、二ナトリウム塩、4,4’−ビス[[2−アニリノ−4[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−6−イル]アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、二ナトリウム塩、4,4’−ビス[(4,6−ジアニリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、二ナトリウム塩、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、4,4’−ビス[(2−アニリノ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−6−イル)アミノ]−2,2’−スチルベンジスルホン酸、二ナトリウム塩、および2,5−ビス(ベンズオキサゾール−2−イル)チオフェンがある。
【0042】
ここで
図1を参照して、本発明の第一の観点による洗濯サイクルを具体的に説明する。まず衣類が最初に洗浄装置の洗浄チャンバーに入れられ、その後、ポリマービーズおよび洗濯水がそれに加えられ、そして洗剤配合物の洗浄成分(界面活性剤、酵素および酸化剤または漂白剤の少なくとも1つを含んでなる)の投入量が装置に入れられる。次に洗浄サイクルが行われ、その後、ビーズを装置から取り出した後に、水および再汚染防止剤、香料および蛍光増白剤のような後処理成分の存在中ですすぎ操作が行われる。残存する化学品および液体の抽出が行われた後、洗濯した衣類が装置から取り出される。
図1に示すように、ポリマービーズの洗浄は、衣類の洗浄操作の間に任意に行うことができる。
【0043】
本発明によるビーズの洗浄工程は、一般には10〜12回の洗濯毎に行われるが、洗濯工程中のビーズ表面を高度に活性に保つことを可能にする。好ましくはビーズ洗浄は、界面活性剤(非イオン性および/またはアニオン性および/またはカチオン性)の個々の投入量、および場合により例えば水酸化ナトリウム/カリウム、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、または他の酸化剤または漂白剤および先に述べた活性化剤から選択される他のより強力な化学品を、水とビーズの比が好ましくは0.5〜3リットルの水/ビーズ(1kg)の範囲となるように水量に加えることにより行われる。
【0044】
本発明を以下の実施例および関連する説明を参照することによりこれからさらに具体的に説明するが、その範囲を限定することはない。
【実施例】
【0045】
洗浄試験は1組の試験および対照条件(表1を参照)を使用して行った。すなわちこの試験は国際出願第PCT/GB2011/050243号明細書に記載されている好適な洗浄装置の使用が関与し、本発明の方法に従い行ったが(“Xeros Plus”Mu
lti Dose)、対照は同じ装置だが単回の洗剤投入法を使用し、ここで洗剤は主洗濯の開始時に加えた(“Xeros Plus”Single Dose)。それぞれの場合で洗濯量は同一組成の混合衣類であり、全体で12kgであった。洗剤成分は:
●界面活性剤−Christeynsにより供給されたMulan 200S;
●過酸化水素(酸化成分)−Procter & Gambleにより供給されたACE
B;
●テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)(酸化成分活性剤)−Warwick Chemicalsにより供給された;
●蛍光増白剤−Clariantにより供給されたLeucophor BMB;および●香料−Symrise(商標)AGにより供給されたAmour Japonais
であった。
【0046】
染みを洗濯物に付けて、洗剤に負荷をかけた(stress)(6オフWFK PCMS−55
05−05x05 スタンダード インダストリー/コマーシャル ランドリー ステイン モニターに12オフWFK SBL2004模倣皮脂グリース染色シートを加えた)。後者は約8g/洗濯物(kg)の皮脂レベルを作成するために使用し、そしてこれにより使用する洗剤に負荷をかけた。
【0047】
【表1】
【0048】
Xeros Plus Multi DoseおよびXeros Plus Single Doseサイクルを等しい28℃の洗濯温度で行った。Xeros Plus Multi Doseサイクルを使用する場合、酸化成分およびその活性剤を主洗濯とは別に混合タンク中で60℃に加熱するための設備を利用することが可能であり、そしてこの方法を添加前に成分を化学的により活性にさせるために使用した。しかし先に観察されたように、少量の60℃の水を加えても周囲温度の他の洗濯成分が低いレベルの全体温度を保つので、このサイクル中の洗濯温度は28℃に達しただけであった。表1に示すように、いかなる酸化成分または活性剤も加えずに(これは主洗濯の開始時点ですでに加えられた)、同量の60℃の水をXeros Plus Single Doseサイクルでの洗濯サイクル中の同じ段階で加えたことに注目されたい。したがってXeros Plus Single Doseサイクルへのこの追加の加熱水の目的は、洗濯工程を通して28℃の同じ最終洗濯温度までXeros Plus Multi Doseの場合に適用したものと同一の温度プロファイルを確実にするためであった。したがってこれら2サイクルの間の唯一の差異は、洗剤の添加手段であった(すなわちサイクルを通して成分の多回投入に対して、主洗濯の開始時に全ての成分を1回で投入する)。両サイクルの全体のサイクル時間(洗濯、ビーズ分離およびすすぎを含む)は、90分で同一であった。表1に示すように、両方の手順で3回のすすぎプログラムを使用し、Xeros Plus
Multi Doseサイクルでは蛍光増白剤および香料を最後のすすぎで加えた。
【0049】
洗浄レベルは、色の測定を使用して評価した。WFK染色モニターの反射率の値は、パーソナルコンピューターに接続したDatacolor Spectraflash SF600分光光度計を使用して、10°の標準観察(standard observer)を採用し、UV成分を含め、そして表面光沢成分を除く光源D
65下で、3cmの観察口を使用して各染色について測定した。CIE L
★色座標を各染色モニターで各染色について取り、そしてこれらの値を各染色タイプについて平均した。より高いL
★値がより良い洗浄を示すことに注目されたい。結果を表2にまとめる。
【0050】
【表2】
【0051】
表2から分かるように、Xeros Plus Multi DoseサイクルはXeros Plus Single Doseサイクルに対して圧倒的に優れた洗浄を与えた。試験した13個の染色タイプの中で、10個がXeros Plus Multi Doseサイクルで優れた洗浄を示し、1つの場合では両サイクルで同等の洗浄が観察され、一方、2個がXeros Plus Single Doseでの洗浄が優れていることを示しただけだった。
【0052】
次に地色の白度について染色モニター裏材について、ならびにステイン10Dおよび20Dに関する皮脂グリースの除去について分析して(表1参照)、可視スペクトル(400−700nm)にわたりこれらの波長依存性を検査した。低温洗濯温度でのグリースの除去は、ポリマービーズを用いた洗浄の重要な利点であり、そして特に多成分投入法と組み合わせた時に洗浄力に対して有利である。上記と同じ分光光度計の配置を使用して、反射率を可視波長の関数として測定して、色の強度値(K/S)を決定し、そしてこれらを
図2〜4に示す。低いK/S値は、より良い地色の白度、および所定の波長での洗浄を示すことが観察された。
【0053】
図2から、染色モニターの裏材の地色の白度はXeros Plus Multi Doseサイクルで改善されたことが明らかとなる。これは最後のすすぎへの蛍光増白剤の後期添加の効果である(表1参照)。ここで重要なことは、420−480nm範囲のK/S値が改善され、これにより材料により青みがかった色合いを与え(これは可視スペクトルの青の端だからである)、そして多くの使用者が一般にこれをかなり性能が強化されたと考える。また単回投入に対して、多成分投入法を使用することにより、洗浄力に対し
て蛍光増白剤のレベルを下げる範囲が存在することも明らかに示される。視覚評価試験も行って、6名の有志がこの効果を評価した。試験染色モニター上の全ての符合を覆って先入観を防ぎ、そして6名全ての有志がXeros Plus Multi Doseサイクルを使用して洗濯した時に、染色モニターの裏材について優れた地色の白度を示した。
【0054】
Xeros Plus Multi Doseサイクルを使用した皮脂/顔料についての洗浄性能(
図3および4を参照)は、ここでも綿(ステイン10D)およびポリエステル/綿生地(ステイン20D)について優れていることが示された。この染色の低温除去は、洗濯物に応用するための重要な原動力であるので特に興味深い。なぜならこれは本発明により経験されるように、極めて重要であるが低い洗濯温度で成功裏に除去することは大変難しいからである。したがってそのような性能の改善は、洗浄力に対する多成分投入の利点をここでも明らかに示している。
【0055】
最後に、官能試験を上記と同じ6名の有志で行って、両サイクルで使用した染色モニターの鮮明さ/芳香を評価した。ここでも試験染色モニター上の全ての符合を覆って先入観を防ぎ、そして4名の有志はXeros Plus Multi Doseサイクルでより新鮮な香りがこれらのモニターで生じたと考え、さらに1名の有志は2つを識別することができなかったが、残りの有志はXeros Plus Single Doseサイクルがより新鮮な香りを生成したと考えた。したがってここでも、洗浄力に関して多成分投入法が強く好ましいことが証明された。
【0056】
本明細書の記載および特許請求の範囲を通して、用語「含んでなる」および「含む」およびその変形は、「含むが限定しない」ということを意味し、そしてそれらは他の部分、添加物、成分、完成体(integer)または工程を排除することを意図しない(排除しない)。本明細書の記載および特許請求の範囲を通して、単数形は文脈が他に要求しない限り、複数形を包含する。特に不定冠詞を使用する場合、文脈が他に要求しない限り、明細書では単数形と同様に複数形を想定していると理解される。
【0057】
本発明の特定の観点、態様または実施例と関連して記載する形、完成体、特徴、化合物、化学的部分または基は、それらがその方法で適合する限り本明細書に記載する他の観点、態様または実施例に応用可能と理解すべきである。本明細書(添付する特許請求の範囲、要約および図面を含む)に開示したすべての特徴、および/またはそのように開示した方法または工程のすべての段階は、少なくともそのような特徴および/または段階の幾つかが相互に排他的である場合の組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本発明は前記態様の詳細に限定されない。本発明は本明細書に開示した(添付する特許請求の範囲、要約および図面を含む)特徴の任意の新しい1つ、または任意の新規組み合わせ、あるいはそのように開示した任意の方法または工程の段階の任意の新しい1つ、または任意の新規組み合わせにも及ぶ。
【0058】
読者の注目は、本出願に関連する本明細書と同時に、または以前に提出され、そして本明細書と共に公開調査されているすべての文献および文書に向けられ、そしてすべてのそのような文献および文書の内容は引用により本明細書に編入する。