特許第5770306号(P5770306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770306
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】手術器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   A61B17/16
【請求項の数】16
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-544990(P2013-544990)
(86)(22)【出願日】2010年12月24日
(65)【公表番号】特表2014-507180(P2014-507180A)
(43)【公表日】2014年3月27日
(86)【国際出願番号】CH2010000330
(87)【国際公開番号】WO2012083468
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2013年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】591073555
【氏名又は名称】アーオー テクノロジー アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(74)【代理人】
【識別番号】100173587
【弁理士】
【氏名又は名称】西口 克
(74)【代理人】
【識別番号】100173602
【弁理士】
【氏名又は名称】赤津 悌二
(74)【代理人】
【識別番号】100183139
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 稜
(74)【代理人】
【識別番号】100191569
【弁理士】
【氏名又は名称】浅沼 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ブリアンツァ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】シュウイン,ロナルド
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/158115(WO,A1)
【文献】 特表2010−508498(JP,A)
【文献】 実開昭63−011015(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/16
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部分(3)、後部分(4)、および長手方向軸(5)と一体になる長手方向シャフト(2)から成り、且つその長手方向軸(5)周りで時計回り方向および反時計回り方向に回転可能な手術器具(1)において、更に:
A)その二つの方向のうち一方にシャフト(2)を回転することにより骨に穴をあけるための第一の手段(6);
B)その二つの方向のうち他方にシャフト(2)が回転したときに骨組織を粉砕するための第二の手段(7);および
C)シャフト(2)と連結されたトルクセンサ(10)
から成る手術器具(1)。
【請求項2】
シャフト(2)は、K‐ワイヤまたはロッドの形式である、請求項1に記載の手術器具(1)。
【請求項3】
第一および/または第二の手段(6、7)は、シャフト(2)の先端部分(3)に位置する、請求項1または2に記載の手術器具(1)。
【請求項4】
第一の手段(6)は、一つまたは二つの鋭利なカッティング・エッジから成る、請求項1乃至3のいずれかに記載の手術器具(1)。
【請求項5】
第二の手段(7)は、長手方向軸(5)周りで一方向に延在する一つ以上の粉砕あご(11)から成り、また、前記カッティング・エッジ(13)の反対側に配置される、請求項4に記載の手術器具(1)。
【請求項6】
前記先端部分(3)は、シャフト(2)の内部を通り、且つ長手方向軸(5)周りで一方向に延在する一つ以上の溝(9)から成り、各溝(9)は、前記先端部分(3)の少なくとも先端面(17)に延在するカッティング・エッジを形成する、請求項5に記載の手術器具(1)。
【請求項7】
前記先端部分(3)は、二つの溝(9)から成り、各溝は、前記長手方向軸(5)と直交した断面において互いの関係で180°の角度で配置される、請求項6に記載の手術器具(1)。
【請求項8】
一つ以上の粉砕あご(11)は、カッティング・エッジ(13)の反対側の一つの溝(9)に位置する粉砕面(14)をそれぞれ有する、請求項5に記載の手術器具(1)。
【請求項9】
前記先端部分(3)は、周囲面(16)から成り、そこでの各粉砕面(14)は、前記周囲面(16)に対して90°と同等かそれ以上の角度で取り囲む、請求項8に記載の手術器具(1)。
【請求項10】
各溝(9)は、前記シャフト(2)の前記長手方向軸(5)と平行して延在する側面のカッティング・エッジを形成する、請求項6乃至9のいずれかに記載の手術器具(1)。
【請求項11】
前記先端部分(3)は、前記周囲面(16)から成り、そこでの各溝(9)は、前記周囲面(16)に対して鋭い切り角で取り囲むすくい面(15)を定める、請求項9に記載の手術器具(1)。
【請求項12】
前記先端部分(3)は、前記すくい面(15)に対して鋭い角度で取り囲む先端面(17)から成る、請求項11に記載の手術器具(1)。
【請求項13】
更に、骨組織を粉砕するための第二の方向にシャフト(2)を回転することができる弾性装置から成る、請求項1乃至12のいずれかに記載の手術器具(1)。
【請求項14】
トルクセンサ(10)は、シャフト(2)に取り付けられた歪ゲージから成る、請求項1乃至13のいずれかに記載の手術器具(1)。
【請求項15】
トルクセンサ(10)により計測されたトルクに関連する信号は、無線テレメトリによりインジケータに伝わる、請求項1乃至14のいずれかに記載の手術器具(1)。
【請求項16】
前記トルクセンサ(10)は、骨組織を粉砕するための第二の手段(7)によりシャフト(2)上に及ぶトルクを計測する、請求項1乃至15のいずれかに記載の手術器具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載の手術器具、多孔質体の局所的機械抵抗を計測するための請求項17の前段に記載の方法、および、海綿骨の質を評価するための請求項20の前段に記載の手術器具の使用に関する。
【0002】
局所的機械抵抗を計測する公知のプローブは、一般に予め骨の内部に挿入されたK‐ワイヤ上を滑らせるカニューレが挿入されたプローブから成る。しかしながら、挿入している間、K−ワイヤはたいてい僅かに変形し、K‐ワイヤとプローブの挿管の内表面との間で接触域が変化する結果となる。K‐ワイヤとプローブとの間の接触域が大きいほど、K‐ワイヤがより変形するほど、(プローブの内表面に垂直な力をもたらし)K‐ワイヤとプローブとの間の摩擦力は高くなる。プローブとK‐ワイヤとの間の摩擦力が高くなるほど、(人為的に)記録されたトルクは高くなるだろう。骨ミネラル密度が低くなるほど、このバイアスの重みは高くなる。この変動摩擦トルクを無視することは、外科医に間違った決定を行うことを導き得る。
【背景技術】
【0003】
国際公開第2008/052367号パンフレットから、多様な密度および/または多孔率を有する多孔質体内部の局所的機械抵抗を測定する方法が知られている。この公知の装置は、多孔質体の局所的機械抵抗を計測できるブレードと一体の先端部を有する軸部と一体の道具から成り、多孔質構造体の内部に予備開孔された穴の底部まで該先端部を押し込んだ後に、該道具をその長手方向軸周りで回転させる。特に、海綿骨組織において多孔質骨の局所的機械抵抗を計測する時は、穿孔は海綿骨組織の周辺のより硬い皮質骨組織を貫いて予備開孔されなければならない。それ故、この公知の装置は、別個の道具を用いることにより穴が予め開口されていなければならないという欠点を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、海綿骨において穴をあけることを可能にする手術器具を提供し、且つ単独の器具を用いることにより該海綿骨の質を評価することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1に記載の特徴を示す手術器具、請求項17に記載の特徴を示す多孔質体の局所的機械抵抗を計測する方法、および、請求項20に記載の海綿骨の質を評価する手術器具の使用とともに、該提起された課題を解決する。
【0006】
本発明の利点は、本質的には:
− 骨内部への開孔および該骨の質の計測が単独の器具のおかげで容易であり、
− 該プローブと公知プローブのガイドワイヤとの間で摩擦を回避することであり、
− 器具を小型化することの可能性であり;または
− 将来のインプラントの構造と大きさの互換性を有し、該プローブの再設計と閾値評価を実質的に不要することである。
【0007】
好ましくは、骨の皮質は、別個の穴あけビットを用いてあけられている。従って、該手術器具を用いることで海綿骨によって引き起こされる抵抗のみが計測されるように、トルク計測は該手術器具と該皮質との間の摩擦による影響を受けない。
【0008】
本発明による手術器具は、特に、骨のような、多孔質構造体の密度および構造が変化し、とりわけ、非常に硬い表層を有する、多孔質体の局所的機械抵抗の計測に適している。
【0009】
該局所的機械抵抗の計測は、与えられた角度方向(例えば、切削工具用に世界で使用される基準の時計回り方向)にシャフトをその長手方向軸周りで回転させることにより行われるので、シャフト先端の先端部は骨を切ることができ、また、一旦該シャフトがその反対の角度方向(例えば、反時計回り方向)にその長手方向軸周りで回転すれば、該先端部は分離したトルクの計測を行うことができる。該トルク計測は、シャフトをトルクセンサに堅く接続することにより行われる。
【0010】
該二重の特徴は、先端部の構造について、カッティング・エッジを切る方向に、または平面を計測方向に向けるように変更することにより可能となる。切断と計測との違いは、該先端部と該骨との間の相互作用にあり:計測表面が骨組織を変形させる間、該カッティング・エッジはできなくなるまで骨組織を鋭角な部分に切り分ける。平面から取り戻せる該トルク信号は、全ての材料において、カッティング・エッジから取り戻せる信号より著しく高いものと当然予想できる。
【0011】
更に、該平面はワイヤの切断特性に影響を与えないであろうし、また、該カッティング・エッジはトルク計測に影響を与えないであろう。
【0012】
海綿骨において局所的機械抵抗を計測するため、外科医は最初に皮質骨組織を貫く穴をあけ、また必要であれば第一の角度方向にシャフトを回転させることにより海綿骨内部のある深さまで穴をあけ、該先端部の位置を確認するためにX線写真を撮り、また、適切な場合には、該先端部の計測位置に到達するまでそっと更に該シャフトを骨組織に打ち込む。次に、外科医は第二の反対の角度方向に該シャフトを回転させて、計測を行う。
【0013】
計測の間、該計測に関係しないシャフトの部分は骨組織のみによって囲まれている。理論上、該シャフトと海綿骨に作られた穴との間の摩擦は、局所的機械抵抗の計測によって記録されたトルクのマグニチュードよりも低いマグニチュードの少なくとも一種類のトルクを生じさせるものと推測できる。該骨組織と金属シャフトとの間の摩擦は、金属間の摩擦よりも非常に小さい。更に、完全な円筒状の穴をあけることは極めて難しいので、接触面は減少する。
【0014】
該手術器具のシャフトの好適な材料は、316Lステンレス医療スチールである。
【0015】
該手術器具のある特別な実施態様において、該シャフトはK‐ワイヤまたはロッドの形式である。
【0016】
該手術器具の更なる実施態様において、第一および/または第二の手段は、該シャフトの先端部分に位置する。
【0017】
該手術器具の他の実施態様において、第一の手段は、一または二の鋭利なカッティング・エッジから成る。これは海綿骨組織の内部へ穴をあけることを可能にする。
【0018】
該手術器具の他の実施態様において、第二の手段は、長手方向軸周りで一方向に延在する一つ以上の粉砕あごから成り、好ましくは第一の手段と一体となり、また、前記カッティング・エッジの反対側に配置される。該一つ以上の粉砕あごは、予備開孔の前に海綿骨内部に押し込まれた時に、該反対方向へのシャフトの回転によって生じたトルクを計測することを可能にする。
【0019】
該手術器具の他の実施態様において、前記先端部分は、シャフトの内部を通り、且つ長手方向軸周りで一方向に延在する一つ以上の溝から成り、各溝は、前記先端部分の少なくとも先端面に延在するカッティング・エッジを形成する。あるいは、該先端部分は、鋭利または平らな穴あけビットとして構成され得るものであり、そこでのカッティング・エッジの反対側に位置するそのブレードの部分は、粉砕あごを形成する。
【0020】
該手術器具の再度他の実施態様において、前記先端部分は二つの溝から成り、各溝は、前記長手方向軸と直交した断面において互いの関係で180°の角度で配置される。
【0021】
該手術器具の更なる実施態様において、一つ以上の粉砕あごは、カッティング・エッジの反対側の一つの溝に位置する粉砕面をそれぞれ有する。
【0022】
該手術器具の更なる実施態様において、前記先端部分は周囲面から成り、そこでの各粉砕面は、前記周囲面に対して90°と同等かそれ以上の角度で取り囲む。該粉砕面および該周囲面の交線で形成されるエッジは、丸くまたは斜めにすることができる。
【0023】
該手術器具の再度他の実施態様において、各溝は、前記シャフトの前記長手方向軸と平行して延在する側面のカッティング・エッジを形成する。
【0024】
該手術器具のもう更なる実施態様において、前記先端部分は前記周囲面から成り、そこでの各溝は、前記周囲面に対して鋭い切り角で取り囲むすくい面を定める。
【0025】
該手術器具の他の実施態様において、前記先端部分は、前記すくい面に対して鋭い角度で取り囲む先端面から成る。
【0026】
他の実施態様において、該手術器具は、更に、骨組織を粉砕するための第二の方向に該シャフトを回転することができる弾性装置から成る。粉砕処置のためには、約120度の該シャフトの回転で十分である。これは、該弾性装置または代わりに手動によって行われる。関心領域により計測されたトルクは、直接法で大腿骨では総計1‐4Nm、また、上腕骨では総計0.5‐1.2Nmになる。
【0027】
他の実施態様において、トルクセンサは、該シャフトに取り付けられた歪ゲージから成る。
【0028】
該手術器具のもう他の実施態様において、該トルクセンサにより計測されたトルクに関連する信号は、無線テレメトリによりインジケータに伝わる。
【0029】
該手術器具のもっと他の実施態様において、前記トルクセンサは、骨組織を粉砕するための第二の手段により該シャフト上に及ぶトルクを計測する。
【0030】
ある特別な実施態様において、該方法は、ステップb)の前に、X線装置を用いることにより該シャフトの先端部分の位置を制御するサブ‐ステップから成る。
【0031】
該方法の更なる実施態様において、前記多孔質体は、骨または骨片、好ましくは大腿骨近位部であり、該方法は、ステップc)の後に、ステップc)の下で計測された該トルクの計測値に基づいて決定するステップから更に成り、それは:
i. 股関節スクリューまたは股関節ブレードを埋め込むのに足りる骨密度および/または多孔率を示すように、計測された該トルクの数値が十分高い場合、または、
ii. 計測された該トルクの数値が、骨セメントが股関節スクリューまたは股関節ブレードのシャフト周辺の骨組織を増大させるのに適用する範囲にある場合、または、
iii. 計測された該トルクの数値がとても低いために、股関節プロテーゼを埋め込まなければならない場合、
に行われる。
【0032】
本発明のある特別な実施態様を、以下の添付の図面を参照し、以下の実施例において詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明による手術器具の実施態様の側面図を示す。
図2図1におけるII−IIラインに沿った先端部分の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1および2は、長手方向軸5、先端部分3、および後部分4と一体になる長手方向シャフト2と、その長手方向軸5周りで時計回り方向に回転することにより骨に穴をあけるための第一の手段6と、その長手方向軸5周りで反時計回り方向に回転することにより骨組織を粉砕するための第二の手段7と、シャフト2と連結されたトルクセンサ10とを含む手術器具1の実施態様を示す。該トルクセンサ10は、シャフト2が反時計回り方向に回転された時の、該骨組織の分離したトルクを計測するように構成される。
【0035】
該シャフト2は、本質的に円筒形であり、且つK‐ワイヤのサイズを有することができる。該シャフト2の後部分4は、該シャフト2が回転し且つ軸方向に固定される方法でトルクセンサ10と連結できるように、多角形、例えば、六角形の横断面に構成できる。該トルクセンサ10は、駆動ユニットと一体となることができて、且つ該シャフト2と反対側の該トルクセンサ10の端部で同軸上に延在する多角形、例えば、六角形のボルトを設けることができるので、該シャフト2は、該トルクセンサ10と連結される、例えば、ドリルチャック12により該トルクセンサと固定することができる。該シャフト2と該トルクセンサ10から成る機構は、駆動ユニットと連結することができる。あるいは、該トルクセンサ10は、該シャフト2に取り付けられる歪ゲージから成り得る。歪ゲージへ供給される電力は、スリップ・リングまたは無線テレメトリにより歪ゲージへ伝えることができる。該トルクセンサ10の歪ゲージにより計測されたトルクに関連する信号は、同様にスリップ・リングまたは無線テレメトリによってインジケータ手段および/または他の電子機器、例えば、コンピュータに伝えることができる。更に、電子アナログ‐デジタルコンバータ(A/Dコンバータ)を該シャフト2に取り付けることができる。
【0036】
該先端部分3は、先端部8と、周囲面16と、図1におけるII−IIラインに沿った断面において互いの関係で180°の角度で配置される先端面17および二つの溝9を有する。該二つの各溝9は、該先端部分8の該先端面17で軸方向にあけられ、また、前記シャフト2の後部分4へ向かう前記先端部8から計測される長さLにより該シャフト2の長手方向軸5周りで一方向に該先端面17から延在している。各溝9は、該先端部分3の周囲面16および先端面17と交わる凹面を定める。カッティング・エッジ13は、該先端部分3の先端面17と一体である前記凹面の交線に沿って前面に向かって延在する。該カッティング・エッジ13の側面部は、前記シャフト2の長手方向軸5と平行して延在するので、該シャフトは、該先端部分3の計測位置に到達するまでそっと更に骨組織に打ち込むことができる。
【0037】
各溝9によって定められる該凹面は、切る方向に向き且つ周囲面16に対する鋭い切り角で取り囲むすくい面15を定める。更に、該先端部分3の先端面17は、前記すくい面15に対して同じ鋭い角度で取り囲むことができる。二つの溝9によって定められる該カッティング・エッジ13は、その長手方向軸5周りで時計回り方向に該シャフト2が回転することにより骨に穴をあけるための第一の手段6を形成する。
【0038】
該シャフト2が長手方向軸5周りで反時計回り方向に回転することにより骨組織を粉砕するための第二の手段7は、その長手方向軸5周りで一方向に延在する二つの粉砕あご11から成る。該粉砕あご11は、各溝9によって定められ且つそれぞれの該すくい面15の反対側に位置する前記凹面の部分である粉砕面14を有する。従って、該粉砕面14は、粉砕する方向を向いており、それは、本実施態様では反時計回りの方向である。該粉砕あご11は、該シャフト2の先端部分3および該第一の手段6と一体となる。各粉砕あご11は、該先端部分3の一部分に配置され、それは、二つの溝9の間とそれぞれのカッティング・エッジ13の反対側に位置する。各粉砕面14は、該先端部分3の周囲面16に対して90°と同等かそれ以上の角度で取り囲むことができる。
【実施例1】
【0039】
大腿骨近位部において埋め込まれる髄内釘の近位部に固定する手順の間、以下のステップが行われる。
1) 適当な照準ガイドを該髄内釘の近位端にしっかり固定し;
2) 組織保護スリーブならびに錐ブッシュおよび外套針を含む外套針の組合せを望ましい位置における該照準ガイド内部へ挿入し;
3) ガイドワイヤ照準装置を該照準ガイドに取り付け;
4) X線装置を用いることにより該髄内釘の挿入深度を調整し;
5) 該X線装置の正側面の位置における該髄内釘の定位を調整し;
6) 該外套針の先端の領域内に突き刺して切り込みを入れ、また、該外套針の組合せが軟組織を貫いて側面の皮質骨表面にまで進められ;
7) 該外套針を除去し;
8) 側面の皮質を開き;
9) 手術器具1のシャフト2を該錐ブッシュ内部に挿入し;
10) 該シャフト2を進め、且つ時計回り方向で回転させることにより、所要の深度で大腿骨頚部または大腿骨頭部の内部へ穴をあけ;
11) X線装置を用いることにより、該シャフト2の先端部8の位置を制御し;
12) 該シャフト2の先端部8が、大腿骨頚部または大腿骨頭部の内部に挿入されるブレードもしくはスクリューの先端部の計画位置で正確に位置されるように、該シャフト2を大腿骨頭部の表面との推奨される距離に到達するまでそっと打ち込み;
13) 該シャフト2を反時計回り方向で回転させることにより、骨密度および/または多孔率に関連するトルクの計測を行い;
14) 前のステップの下で計測されたトルクの計測値に基づいて次の場合に決定され;
a) 股関節スクリューまたは股関節ブレードを埋め込むのに足りる骨密度および/または多孔率を示すように、計測された該トルクの数値が十分高い場合;または、
b) 計測された該トルクの数値が、骨セメントが股関節スクリューまたは股関節ブレードのシャフト周辺の骨組織を増大するのに適用される範囲にある場合;または、
c) 計測された該トルクの数値がとても低いので、股関節プロテーゼを埋め込まなければならない場合;
15) 適切な股関節プロテーゼまたはブレードを選択し;
16) 錐ブッシュを除去し;
17) 該股関節スクリューまたはブレードの挿入に必要であれば、側面の皮質および海綿骨の穴を拡げ;
18) もし必要であれば、骨セメントを適用し;
19) 該股関節スクリューまたはブレードを挿入し;そして、
20) ガイド照準ガイドを除去する。
【0040】
本発明について種々の記載が上記されているが、種々の特徴は単独で、またはこれらを所望により組み合わせて用いることもできる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されるように定められる。
図1
図2