特許第5770307号(P5770307)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770307
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】施設情報提示装置及び施設情報提示方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20150806BHJP
   B60L 3/00 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   G01C21/26 A
   B60L3/00 S
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-549038(P2013-549038)
(86)(22)【出願日】2011年12月16日
(86)【国際出願番号】JP2011079184
(87)【国際公開番号】WO2013088569
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2014年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112760
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 五雄
(72)【発明者】
【氏名】舘野 実
(72)【発明者】
【氏名】長藤 健二
【審査官】 上野 力
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−262525(JP,A)
【文献】 特開2010−078484(JP,A)
【文献】 特開2006−112932(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/079230(WO,A1)
【文献】 特開2009−204363(JP,A)
【文献】 特開2011−174711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
B60L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電施設の周辺にある複数の周辺施設の各々の利用に費やされる標準的な時間を示す標準時間に基づいて、施設情報を提示する施設情報提示装置であって、
前記充電施設で移動体の蓄電池を充電する時間である充電時間を算出する算出部と;
前記算出部により算出された充電時間、及び、前記標準時間に基づき、前記充電施設の周辺にある複数の周辺施設の中から、1又は複数の周辺施設を選択する選択部と;を備え、
前記選択部は、前記算出された充電時間以上の標準時間の周辺施設を前記標準時間が前記充電時間に近い順で提示するために、前記算出された充電時間以上の標準時間の周辺施設の中から1又は複数の周辺施設を選択する、
ことを特徴とする施設情報提示装置。
【請求項2】
前記選択部により選択された周辺施設の中から、利用者により指定された周辺施設までの前記充電施設からの移動経路を導出する導出部を更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の施設情報提示装置。
【請求項3】
前記選択部は、過去における前記指定の傾向を考慮して、前記提示すべき1又は複数の周辺施設を選択する、ことを特徴とする請求項2に記載の施設情報提示装置。
【請求項4】
充電施設の周辺にある複数の周辺施設の各々の利用に費やされる標準的な時間を示す標準時間に基づいて、施設情報を提示する施設情報提示装置において使用される施設情報提示方法であって、
前記充電施設で移動体の蓄電池を充電する時間である充電時間を算出する算出工程と;
前記算出工程において算出された充電時間、及び、前記標準時間に基づき、前記充電施設の周辺にある複数の周辺施設の中から、1又は複数の周辺施設を選択する選択工程と;を備え、
前記選択工程では、前記算出された充電時間以上の標準時間の周辺施設を前記標準時間が前記充電時間に近い順で提示するために、前記算出された充電時間以上の標準時間の周辺施設の中から1又は複数の周辺施設を選択する、
ことを特徴とする施設情報提示方法。
【請求項5】
請求項4に記載の施設情報提示方法を演算部に実行させる、ことを特徴とする施設情報提示プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の施設情報提示プログラムが、演算部により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設情報提示装置、施設情報提示方法及び施設情報提示プログラム、並びに、当該施設情報提示プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、蓄電池に蓄えられた電気エネルギを駆動用エネルギとして使用する電気自動車の普及が進んでいる。こうした電気自動車により移動する場合には、移動中に充電施設で車載蓄電池に充電することが必要となる場合がある。
【0003】
ところで、車載蓄電池の充電は、充電量にもよるが、従来のガソリン自動車の場合における給油と比べて、一般に長い時間を要する。そこで、車載蓄電池の充電に要する時間を有効に利用するための技術が提案されている。
【0004】
こうした従来の提案技術の一つの例として、車載蓄電池の残量により走行可能な範囲に位置する充電施設の情報、及び、当該充電施設の周辺施設の名称の情報を提示する技術がある(特許文献1参照(以下、「従来例1」という))。この従来例1の技術では、車載蓄電池の残量に基づいて充電施設のそれぞれでの充電時間を算出する。引き続き、走行可能な範囲に位置する充電施設ごとに、周辺施設名称及び充電時間を関連付けて表示する。そして、表示された情報を参照して利用者が指定した充電施設を、立ち寄るべき充電施設として設定するようになっている。
【0005】
また、従来の提案技術の他の例として、目的地までの車両の走行経路における充電施設の位置の情報、及び、当該充電施設の周辺の観光施設等の情報を提示する技術がある(特許文献2参照(以下、「従来例2」という))。この従来例2の技術では、目的地までの車両の走行経路の案内表示とともに、充電施設の位置の情報、及び、当該充電施設の周辺の観光施設等の名称及び位置を表示するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−174711号公報
【特許文献2】特開2006−112932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来例1では、充電施設の情報、充電時間情報、及び、当該充電施設の周辺施設の名称の情報が提示される。また、上述した従来例2では、充電施設の情報、充電時間情報、並びに、当該充電施設の周辺施設の名称及び位置の情報が提示される。このため、充電施設での充電時間を有効に活用するためには、当該充電施設の周辺施設の利用のために消費する時間を、利用者が見積もることが必要となる。しかしながら、立ち寄った経験のある周辺施設であれば、その施設の利用のために消費する時間を、精度良く見積もることができるが、全く利用したことがない施設については、その施設の利用のために消費する時間を、精度良く見積もることができない。
【0008】
この結果、充電に必要な時間と、実際の施設利用のために消費した時間とが大きく異なってしまう事態が発生する場合があり得る。このため、利用した経験がない周辺施設であっても、充電施設での充電待ちに際して当該周辺施設を利用した場合に、当該利用のために消費する時間と充電時間との乖離時間を低減することができる技術が待望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、充電施設での車載蓄電池の充電に要する時間の有効な活用を支援することができる新たな施設情報提示装置及び施設情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1の観点からすると、充電施設の周辺にある複数の周辺施設の各々の利用に費やされる標準的な時間を示す標準時間に基づいて、施設情報を提示する施設情報提示装置であって、前記充電施設で移動体の蓄電池を充電する時間である充電時間を算出する算出部と;前記算出部により算出された充電時間、及び、前記標準時間に基づき、前記充電施設の周辺にある複数の周辺施設の中から、1又は複数の周辺施設を選択する選択部と;を備え、前記選択部は、前記算出された充電時間以上の標準時間の周辺施設を前記標準時間が前記充電時間に近い順で提示するために、前記算出された充電時間以上の標準時間の周辺施設の中から1又は複数の周辺施設を選択する、ことを特徴とする施設情報提示装置である。
【0011】
本発明は、第2の観点からすると、充電施設の周辺にある複数の周辺施設の各々の利用に費やされる標準的な時間を示す標準時間に基づいて、施設情報を提示する施設情報提示装置において使用される施設情報提示方法であって、前記充電施設で移動体の蓄電池を充電する時間である充電時間を算出する算出工程と;前記算出工程において算出された充電時間、及び、前記標準時間に基づき、前記充電施設の周辺にある複数の周辺施設の中から、1又は複数の周辺施設を選択する選択工程と;を備え、前記選択工程では、前記算出された充電時間以上の標準時間の周辺施設を前記標準時間が前記充電時間に近い順で提示するために、前記算出された充電時間以上の標準時間の周辺施設の中から1又は複数の周辺施設を選択する、ことを特徴とする施設情報提示方法である。

【0012】
本発明は、第3の観点からすると、本発明の施設情報提示方法を演算部に実行させる、ことを特徴とする施設情報提示プログラムである。
【0013】
本発明は、第4の観点からすると、本発明の施設情報提示プログラムが、演算部により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る施設情報提示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る施設情報提示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図3】本発明の一実施例に係る施設情報提示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図4図3の充電施設情報の内容を説明するための図である。
図5図3の施設情報提示装置による施設情報提示処理を説明するためのフローチャートである。
図6A図5のステップS18における周辺施設情報の提示例(その1)を説明するための図である。
図6B図5のステップS18における周辺施設情報の提示例(その2)を説明するための図である。
図7図5のステップS19における利用施設への経路導出処理を説明するためのフローチャートである。
図8】導出された経路の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図1を参照して説明する。
【0017】
<構成>
図1には、第1実施形態に係る施設情報提示装置700Aの概略的な構成が示されている。この図1に示されるように、施設情報提示装置700Aは、移動体MVに搭載される。
【0018】
本第1実施形態では、移動体MVには、蓄電池910と、ECU(Electronic Control Unit)920とが装備されている。また、本第1実施形態では、移動体MVには、位置検出部930と、表示部940とが装備されている。
【0019】
ここで、上記の蓄電池910には、移動体MVの駆動用エネルギが蓄えられる。かかる駆動用エネルギを利用して移動体MVが移動する。この蓄電池910には、各所で開設されている充電施設で駆動用エネルギを充電可能となっている。
【0020】
上記のECU920は、移動体MVの状態を検出する各種のセンサによる検出結果を収集する。そして、ECU920は、収集された検出結果に基づいて、移動体MVの走行の制御に有用な様々なパラメータ値を導出しつつ、移動体MVの走行の制御や管理を行う。
【0021】
本第1実施形態では、ECU920より導出されるパラメータ値には、蓄電池910の満充電容量及びエネルギ残量の現在値が含まれている。そして、ECU920は、蓄電池910の満充電容量及びエネルギ残量の現在値を施設情報提示装置700Aへ送る。
【0022】
上記の位置検出部930は、移動体MVの現在位置を検出する。そして、位置検出部930は、検出された現在位置を施設情報提示装置700Aへ送る。
【0023】
なお、本実施形態では、GPS(Global Positioning System)測位法により、移動体MVの現在位置を検出するようになっている。
【0024】
上記の表示部940は、施設情報提示装置700Aから送られた表示用データを受ける。そして、表示部940は、当該表示用データに従って、画像表示を行う。
【0025】
施設情報提示装置700Aは、上述の要素910〜940が配設されている環境において動作する。この施設情報提示装置700Aは、取得部710と、保持部720Aと、算出部730と、選択部740Aと、入力部750とを備えている。
【0026】
上記の取得部710は、位置検出部930から送られた現在位置を取得する。そして、取得部710は、取得された現在位置を算出部730へ送る。
【0027】
上記の保持部720Aは、地図情報、充電施設情報、及び、単位走行距離あたりのエネルギ消費量を示すエネルギ消費情報(以下、「単位距離あたりのエネルギ消費情報」と呼ぶ)を保持する。ここで、充電施設情報には、複数の充電施設のそれぞれに関連付けられて、充電施設の識別子、充電施設の位置、充電能力(充電速度)、充電後の滞在可否、及び、周辺施設情報が登録されている。また、周辺施設情報には、複数の周辺施設のそれぞれに関連付けられて、周辺施設の種類、周辺施設の名称、及び、周辺施設の利用に費やされる標準的な時間を示す標準時間が登録されている。
【0028】
なお、「標準時間」は、複数の周辺施設のそれぞれに関する、標準的な滞在時間と、充電施設と周辺施設との往復に費やす標準的な時間との和の時間となっている。ここで、往復時間は、充電施設を出発点として当該周辺施設を訪問する際に、標準的な交通手段(徒歩、路線バス等)を利用した場合の往復時間となっている。
【0029】
上記の算出部730は、取得部710から送られた現在位置を受ける。また、算出部730は、入力部750から送られた施設情報提示指令を受ける。なお、本第1実施形態では、施設情報提示指令には、満充電の指定、又は、次に充電することを予定している充電施設(以下、「次充電施設」と呼ぶ)の指定がパラメータとして含まれるようになっている。ここで、利用者が、次充電施設の指定をパラメータとして含む施設情報提示指令を行う場合としては、例えば、目的地に充電施設がある場合に、目的地になるべく早めに到着するため、目的地に到達するために最低限必要な駆動用エネルギを充電しようとする場合に、次充電施設として目的地の充電施設を指定した施設情報提示指令を行う場合等が挙げられる。なお、ここでいう「次充電施設」には、蓄電池910への充電のための設備が自宅にある場合には、自宅を含めることも可能である。
【0030】
かかる施設情報提示指令を受けると、算出部730は、その時点で取得部710から送られた現在位置に基づいて、保持部720内の充電施設情報を参照して、これから充電を行おうとしている充電施設を特定する。引き続き、算出部730は、特定された充電施設での充電に要する時間(充電時間)を算出する。そして、算出部730は、算出された充電時間、及び、特定された充電施設の識別子を選択部740Aへ送る。
【0031】
なお、算出部730による充電時間算出処理の詳細については、後述する。
【0032】
上記の選択部740Aは、算出部730から送られた充電時間及び充電施設の識別子を受ける。そして、選択部740Aは、充電時間及び識別子に基づいて、保持部720内における当該識別子により特定される充電施設に関連付けられた周辺施設情報を参照して、周辺施設の選択を行う。
【0033】
引き続き、選択部740Aは、選択された周辺施設を提示するための表示用データを生成する。そして、選択部740Aは、生成された表示用データを表示部940へ送る。この結果、周辺施設の情報が、表示部940に表示され、利用者に提示される。
【0034】
上記の入力部750は、キーボード等を備えて構成される。この入力部750に対して、利用者が施設情報提示命令の入力を行うことにより、上述した施設情報提示指令が算出部730へ送られる。
【0035】
<動作>
次に、上記のように構成された施設情報提示装置700Aによる施設情報提示処理について説明する。
【0036】
この施設情報提示処理は、入力部750に対して、これから充電を行おうとしている充電施設に到着した移動体MVの利用者が、施設情報提示命令の入力を行うと開始する。かかる施設情報提示命令の入力が行われると、入力部750が、施設情報提示指令を算出部730へ送る。
【0037】
施設情報提示指令を受けた算出部730は、まず、取得部710を介して、位置検出部930から送られている現在位置を収集する。引き続き、算出部730は、収集された現在位置に基づいて、保持部720内の充電施設情報における充電施設の位置を検索し、これから充電を行おうとしている充電施設を特定する。
【0038】
次に、算出部730は、施設情報提示指令により、満充電の指定、又は、次充電施設までの走行のための充電の指定のうち、いずれの充電態様が指定されているかを判定する。満充電が指定されていた場合には、算出部730は、ECU920から送られている満充電容量及びエネルギ残量、並びに、保持部720内における当該特定された充電施設の充電能力に基づいて、満充電となるまでの充電時間を算出する。
【0039】
一方、次充電施設までの走行のための充電が指定されていた場合には、算出部730は、まず、保持部720内の地図情報を参照して、次充電施設までの標準的な走行距離を算出する。引き続き、算出部730は、算出された走行距離、保持部720に保持されている単位距離あたりのエネルギ消費情報、並びに、ECU920から送られているエネルギ残量に基づいて、標準的な充電量を算出する。
【0040】
次に、算出部730は、算出された標準的な充電量に余裕係数(例えば、「1.2」)を乗じて、充電すべき最終的な充電量を算出する。そして、算出部730は、算出された最終的な充電量と、保持部720内における当該特定された充電施設の充電能力に基づいて、充電時間を算出する。
【0041】
なお、余裕係数は、次充電施設までの走行を確保するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0042】
以上のようにして充電時間が算出されると、算出部730は、算出された充電時間を選択部740Aへ送る。また、算出部730は、算出された充電時間に加えて、特定されている充電施設の識別子を選択部740Aへ送る。
【0043】
充電時間及び充電施設の識別子を受けた選択部740Aは、まず、保持部720A内において、当該識別子に関連付けて登録されている充電後の滞在可否を参照し、現在位置の充電施設では、充電後の滞在が可能であるか否かを判定する。充電後の滞在が可能である場合には、選択部740Aは、当該識別子に関連付けられて登録されている複数の周辺施設の中から、充電時間以上の標準時間が設定されている周辺施設を、標準時間が充電時間に近い順に、所定数(例えば、5個)を上限として、選択する。この結果、周辺施設の利用後に充電施設に戻ったときには充電が完了しており、直ちに、充電施設から出発できる周辺施設が、当該充電施設にとっての不要な充電装置の占有時間が短い順に選択される。
【0044】
一方、充電後の滞在ができない場合には、選択部740Aは、当該識別子に関連付けられて登録されている複数の周辺施設の中から、充電時間以下の標準時間が設定されている周辺施設を、標準時間が充電時間に近い順に、所定数を上限として、選択する。この結果、充電施設の滞在制限に抵触しない範囲で、周辺施設の利用後に充電施設に戻ったときからの充電待ち時間が短い順に、周辺施設が選択される。
【0045】
こうして周辺施設の選択が終了すると、選択部740Aは、選択結果を、周辺施設の種類及び名称を含めて表示部940に表示させるための表示用データを生成する。そして、選択部740Aは、生成された表示用データを表示部940へ送る。
【0046】
選択部740Aから送られた表示用データを受けた表示部940は、表示用データに従って、選択部740Aにより選択された周辺施設の情報を表示する。この結果、周辺施設の情報が、利用者に提示される。
【0047】
以上説明したように、本第1実施形態では、入力部750に対して、これから充電を行おうとしている充電施設に到着した移動体MVの利用者が、施設情報提示命令の入力を行うと、算出部730が、まず、取得部710が取得した現在位置を収集する。引き続き、算出部730が、収集された現在位置に基づいて、保持部720内の充電施設情報における充電施設の位置を検索し、これから充電を行おうとしている充電施設を特定する。
【0048】
次に、算出部730が、保持部720内に保持されている当該特定された充電施設の充電能力及び充電量に基づいて、充電時間を算出する。そして、選択部740Aが、算出された充電時間、及び、保持部720内に保持されている当該特定された充電施設に関連付けられて登録されている複数の周辺施設のそれぞれの利用に費やされる標準的な時間を示す標準時間に基づいて、利用者に対して提示すべき周辺施設を選択し、選択された周辺施設の情報を、表示部940に表示させる。
【0049】
したがって、本第1実施形態によれば、充電施設での移動体搭載の蓄電池の充電に要する時間の有効な活用を支援することができる。
【0050】
また、本第1実施形態では、利用者により満充電が指定された場合には、算出部730が、ECU920から送られている満充電容量及びエネルギ残量、並びに、特定された充電施設の充電能力に基づいて、満充電となるまでの充電時間を算出する。このため、満充電となるための充電時間を精度良く算出することができる。
【0051】
また、本第1実施形態では、次充電施設までの走行のための充電が指定されていた場合には、算出部730が、保持部720内の地図情報を参照して、次充電施設までの標準的な走行距離を算出した後、算出された走行距離、保持部720に保持されている単位距離あたりのエネルギ消費情報、並びに、ECU920から送られているエネルギ残量に基づいて、標準的な充電量を算出する。次に、算出部730が、算出された標準的な充電量に余裕係数を乗じて、充電すべき最終的な充電量を算出した後、算出された最終的な充電量と、保持部720内における当該特定された充電施設の充電能力に基づいて、充電時間を算出する。このため、次充電施設までの走行を確保するために適切な充電時間を算出することができる。
【0052】
また、本第1実施形態では、充電を行おうとしている充電施設の利用に際して、当該充電施設における充電後の滞在が可能である場合には、選択部740Aは、当該充電施設に関連付けられて登録されている複数の周辺施設の中から、充電時間以上の標準時間が設定されている周辺施設を、標準時間が充電時間に近い順に、所定数を上限として、選択する。このため、周辺施設の利用後に充電施設に戻ったときには充電が完了しており、直ちに、充電施設から出発できるので、当該充電施設にとっての不要な充電装置の占有時間が短い順に選択することができる。
【0053】
また、本第1実施形態では、充電を行おうとしている充電施設の利用に際して、当該充電施設における充電後の滞在ができない場合には、選択部740Aは、当該充電施設に関連付けられて登録されている複数の周辺施設の中から、充電時間以下の標準時間が設定されている周辺施設を、標準時間が充電時間に近い順に、所定数を上限として、選択する。このため、充電施設の滞在制限に抵触しない範囲で、周辺施設の利用後に充電施設に戻ったときからの充電待ち時間が短い順に、周辺施設が選択することができる。
【0054】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図2を参照して説明する。
【0055】
<構成>
図2には、第2実施形態に係る施設情報提示装置700Bの概略的な構成が示されている。この図2に示されるように、施設情報提示装置700Bは、上述した第1実施形態の施設情報提示装置700Aと比べて、保持部720Aに代えて保持部720Bを備える点、選択部740Aに代えて選択部740Bを備える点、及び、導出部760を更に備える点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
【0056】
なお、入力部750は、利用者により利用施設の指定入力が行われた場合には、利用施設指定を、導出部760へ送るようになっている。
【0057】
上記の保持部720Bは、本第2実施形態における充電施設情報を保持している。かかる本第2実施形態における充電施設情報は、上述した第1実施形態における保持部720Aに保持される充電施設情報に、複数の周辺施設のそれぞれに関連付けられて、周辺施設の位置が更に登録された周辺施設情報が、複数の充電施設のそれぞれに関連付けられて登録されている情報となっている。
【0058】
上記の選択部740Bは、上述した選択部740Aの処理に加えて、選択された周辺施設の識別子が付加された周辺施設の選択結果を、導出部760へ送る。かかる点を除いて、選択部740Bは、選択部740Aと同様の処理を行う。
【0059】
上記の導出部760は、選択部740Bから送られた選択結果を受ける。そして、入力部750から送られた利用施設指定を受けると、現在位置の充電施設から当該指定された利用施設までの経路を導出する。こうして導出された経路のデータは、スマートフォン等の画面表示能力を有する携帯端末950へ、無線通信を利用して送られる。
【0060】
<動作>
次に、上記のように構成された施設情報提示装置700Bによる施設情報提示処理について説明する。
【0061】
施設情報提示装置700Bでは、入力部750に対して、これから充電を行おうとしている充電施設に到着した移動体MVの利用者により施設情報提示命令が入力された後、選択部740Bによる周辺施設の選択までは、上述した施設情報提示装置700Aによる処理と同様の処理が行われる。こうして周辺施設の選択が終了すると、選択部740Bは、選択された周辺施設の識別子が付加された周辺施設の選択結果を、導出部760へ送る。
【0062】
また、周辺施設の選択が終了すると、選択部740Bは、上述した選択部740Aの場合と同様に、選択結果を、周辺施設の種類及び名称を含めて表示部940に表示させるための表示用データを生成する。そして、選択部740Bは、生成された表示用データを表示部940へ送る。この結果、第1実施形態の場合と同様に、周辺施設の情報が、表示部940に表示されて、利用者に提示される。
【0063】
こうして表示部940に表示された周辺施設を参照した利用者が、入力部750を操作して、表示されている周辺施設の1つを利用施設として指定する指定入力を行うと、入力部750は、利用施設指定を導出部760へ送る。この利用施設指定を受けると、導出部760は、指定された周辺施設までの現在位置の充電施設からの経路を導出する。
【0064】
かかる経路の導出に際して、導出部760は、まず、保持部720Bから、指定された周辺施設の位置と、当該指定された周辺施設が関連付けられている充電施設(すなわち、現在位置の充電施設)の位置とを読み取る。引き続き、導出部760は、保持部720B内の地図情報を参照して、現在位置の充電施設から当該指定された利用施設までの経路を導出する。そして、導出部760は、導出された経路のデータを、利用者が保有する携帯端末950へ、無線通信を利用して送る。
【0065】
当該導出された経路のデータを受けた携帯端末950は、そのデータを内部に格納する。そして、携帯端末950では、当該導出された経路の表示指令が利用者により行われると、当該導出された経路を表示する。
【0066】
以上説明したように、本第2実施形態では、上述した第1実施形態と同様にして、利用者に対して提示すべき周辺施設を選択し、選択された周辺施設の情報を、表示部940に表示させる。したがって、本第2実施形態によれば、第1実施形態の場合と同様に、充電施設での移動体搭載の蓄電池の充電に要する時間を有効の活用を支援することができる。
【0067】
また、本第2実施形態では、選択された周辺施設の情報の表示結果を参照した利用者が、入力部750を操作して、表示されている周辺施設情報のうちから指定すると、導出部760が、充電を行っている充電施設から、指定された周辺施設までの経路を導出する。そして、導出部760が、導出結果を、利用者が保有する携帯端末950へ送る。このため、利用者が、当該充電施設と当該指定された周辺施設との往復に際して、携帯端末950に当該導出された経路を、適宜参照することがでるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0068】
[実施形態の変形]
なお、上記の第1及び第2実施形態の施設情報提示装置では、装置外部の位置検出部による現在位置の検出結果を取得するようにした。これに対し、装置の外部に利用できる位置検出部がない場合には、施設情報提示装置における取得部が、位置検出部の現在位置の検出機能を実行する構成としてもよい。
【0069】
また、上記の第1及び第2実施形態の施設情報提示装置では、装置外部のECUから満充電容量及びエネルギ残量が報告されるものとした。これに対し、装置の外部から満充電容量及びエネルギ残量の少なくとも一方の報告を受けることが困難な場合には、報告を受けることが困難な値を得るためのセンサ等を、施設情報提示装置が備える構成としてもよい。
【0070】
また、上記の第1及び第2実施形態では、施設情報提示装置の構成要素の全てが、移動体に搭載されるようにした。これに対し、取得部を除く任意の構成要素を、遠隔地に配置されたサーバ装置が備えるようにし、当該サーバ装置と通信可能な端末装置を移動体に搭載する構成としてもよい。
【0071】
また、上記の第1及び第2実施形態では、充電態様として、満充電の指定、及び、次充電施設までの走行のための充電の指定の2種類の指定ができるようにした。これに対し、充電態様として、充電量の指定、充電料金の指定、確保すべき走行距離の指定等を更に行うことができる構成としてもよい。
【0072】
また、上記の第1及び第2実施形態では、充電しようとしている充電施設に関連付けられている周辺施設のそれぞれの標準時間と、当該充電施設の充電後の滞在可否に基づいて、情報提示すべき周辺施設の選択を行うようにした。これに対し、滞在時間が制限されている場合には、その制限時間を加味して、また、時間帯により滞在可否が変化する場合には、その制限時間帯を加味して、情報提示すべき周辺施設の選択を行うようにしてもよい。また、季節、天候、時間帯を更に考慮して、情報提示すべき周辺施設の選択を行うようにしてもよい。
【0073】
さらに、利用者の嗜好、周辺施設の利用推奨度等を更に考慮して、情報提示すべき周辺施設の選択を行うようにしてもよい。ここで、利用者の嗜好、周辺施設の利用推奨度等を予め登録するようにしてもよい。また、利用者の嗜好については、第2実施形態の場合における利用施設の指定傾向から、利用者の嗜好を推定するようにしてもよい。
【0074】
また、上記の第1及び第2実施形態では、画像表示により、選択された周辺施設の情報を提示するようにした。これに対し、画像表示とともに、又は、画像表示に代えて、音声出力により、選択された周辺施設の情報を提示するようにしてもよい。
【0075】
また、上記の第2実施形態では、無線通信を利用して、経路データを携帯端末へ送るようにした。これに対し、携帯端末に有線通信用のコネクタ部が用意されている場合には、当該コネクタ部に着脱可能なケーブルを用いて、有線通信により、経路データを携帯端末へ送るようにしてもよい。
【0076】
また、上記の第1及び第2実施形態では、これから充電を行おうとしている充電施設に到着した移動体の利用者が、入力部に対して施設情報提示命令の入力を行うと、施設情報提示処理が開始し、位置検出部により検出されている現在位置に基づいて、これから充電を行おうとしている充電施設を特定するようにした。これに対し、これから充電を行おうとしている充電施設を目指す途中の経路(走行中、停車中、駐車中、休憩中等を含む)において、当該充電施設の周辺施設情報を提示できるようにしてもよい。
【0077】
この場合には、当該充電施設を目指す途中の経路で、入力部に対して、充電を行おうとしている充電施設、及び、満充電又は次充電施設までの走行のための充電という充電態様を指定した施設情報提示命令の入力を行うと、まず、その時点における移動体の現在位置及び当該充電施設の位置に基づいて、当該充電施設までの走行距離が算出される。引き続き、算出された走行距離及び単位距離あたりのエネルギ消費情報に基づいて、当該充電施設に到着するまでのエネルギ消費量が推定された後、推定されたエネルギ消費量及び現時点でのエネルギ残量に基づいて、当該充電施設への到着時点におけるエネルギ残量が推定される。以後、上述した第1又は第2実施形態における施設情報提示処理と同様の処理が実行されて、当該充電施設の周辺施設情報が提示される。
【0078】
さらに、移動体が、充電を行う予定の充電施設へ向う走行を始める前に、例えば自宅内といった、移動体から離れた場所で、充電を行う予定でいる充電施設の周辺施設情報の提示を行うことができるようにしてもよい。こうした機能の実現のための一の構成例としては、移動体に搭載された施設情報提示装置が外部と通信可能な通信機能を有し、常時、動作する構成とするとともに、当該施設情報提示装置と通信可能な端末装置が備える入力部を利用した施設情報提示命令の入力と、当該端末装置が備える表示部による施設情報提示を可能とする構成がある。
【0079】
この場合には、端末装置の入力部に対して、充電を行おうとしている充電施設、及び、満充電又は次充電施設までの走行のための充電という充電態様を指定した施設情報提示命令の入力を行うと、その旨が移動体に配設された施設情報提示装置に送られる。当該施設情報提示装置では、まず、その時点における移動体の現在位置及び当該充電施設の位置に基づいて、当該充電施設までの走行距離が算出される。引き続き、算出された走行距離及び単位距離あたりのエネルギ消費情報に基づいて、当該充電施設に到着するまでのエネルギ消費量が推定された後、推定されたエネルギ消費量及び現時点でのエネルギ残量に基づいて、当該充電施設への到着時点におけるエネルギ残量が推定される。以後、上述した第1又は第2実施形態における施設情報提示処理と同様の処理が実行され、当該充電施設の周辺施設情報が得られると、当該周辺施設情報が、端末装置に送られ、端末装置の表示部により提示される。
【0080】
また、移動体から離れた場所で、充電を行う予定でいる充電施設の周辺施設情報の提示を行うことができるようにする他の構成例としては、上述した第1又は第2実施形態における施設情報提示処理と同等の処理を行う情報処理装置を別途用意する構成がある。この場合には、当該情報処理装置の入力部に、移動体の現在位置、充電を行おうとしている充電施設、及び、満充電又は次充電施設までの走行のための充電という充電態様を指定した施設情報提示命令の入力を行うようにする。かかる入力が行われた場合、当該情報処理装置では、まず、移動体の現在位置及び当該充電施設の位置に基づいて、当該充電施設までの走行距離が算出される。引き続き、算出された走行距離及び単位距離あたりのエネルギ消費情報に基づいて、当該充電施設に到着するまでのエネルギ消費量が推定された後、推定されたエネルギ消費量、及び、移動体のECUと通信によって得られる現時点でのエネルギ残量に基づいて、当該充電施設への到着時点におけるエネルギ残量が推定される。以後、上述した第1又は第2実施形態における施設情報提示処理と同様の処理が実行され、当該充電施設の周辺施設情報が、当該情報処理装置の提示部により提示される。
【0081】
なお、当該情報処理装置と移動体の位置検出部との通信を可能とすれば、当該情報処理装置の入力部への移動体の現在位置の入力を省略することができる。
【0082】
なお、上記の第1及び第2実施形態の施設情報提示装置の入力部以外の部分を、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)等を備えた演算部としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、施設情報提示装置における処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
【実施例】
【0083】
以下、本発明の施設情報提示装置の一実施例を、図3図8を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0084】
[構成]
図3には、一実施例に係る施設情報提示装置100の概略的な構成が示されている。なお、施設情報提示装置100は、上述した第2実施形態の施設情報提示装置700B(図2参照)の一態様となっている。
【0085】
施設情報提示装置100は、電気モータを駆動機構とし、道路上を走行する移動体MVとしての車両CRに搭載される。この車両CRには、蓄電池210と、ECU220とが装備されている。また、本実施例では、車両CRには、位置検出部930としてのGPS受信ユニット230と、表示部940としての表示ユニット240とが搭載されている。
【0086】
ここで、上記の蓄電池210には、車両CRの駆動用エネルギが蓄えられる。かかる駆動用エネルギを利用して車両CRが走行する。この蓄電池210には、各所で開設されている充電施設で駆動用エネルギを充電可能となっている。
【0087】
上記のECU220は、車両CRの状態を検出する各種のセンサによる検出結果を収集する。そして、ECU220は、収集された検出結果に基づいて、車両CRの走行の制御に有用な様々なパラメータ値を導出しつつ、動力モータの制御、バッテリー管理等を行う。
【0088】
なお、本実施例では、ECU220より導出されるパラメータ値には、蓄電池210の満充電容量及びエネルギ残量の現在値が含まれている。そして、ECU220は、蓄電池210の満充電容量及びエネルギ残量の現在値を施設情報提示装置100へ送る。
【0089】
上記のGPS受信ユニット230は、複数のGPS衛星からの電波の受信結果に基づいて、車両CRの現在位置の擬似座標値を算出することにより、車両CRの現在位置を検出する。こうして検出された現在位置は、施設情報提示装置100へ送られる。
【0090】
上記の表示ユニット240は、液晶表示パネル等の表示デバイスを備えて構成される。この表示ユニット240は、施設情報提示装置100から送られた表示用データを受ける。そして、表示ユニット240は、当該表示用データに従って、画像表示を行う。
【0091】
なお、車両CRに搭乗する施設情報提示装置100の利用者は、画面表示能力を有する携帯端末250を保有しており、車両CRへの搭乗時には、携帯端末250を携帯しているものとする。
【0092】
施設情報提示装置100は、上述の要素210〜250が配設されている環境において動作する。この施設情報提示装置100は、図3に示されるように、取得部710、算出部730、選択部740B及び導出部760としての制御ユニット110と、保持部720Bとしての記憶ユニット120と、入力部750としての入力ユニット130とを備えている。
【0093】
上記の制御ユニット110は、中央処理装置(CPU)を備えて構成されている。この制御ユニット110は、所定のプログラムを実行することにより、上述した取得部710、算出部730、選択部740B及び導出部760の機能を果たす。なお、制御ユニット110による処理については、後述する。
【0094】
上記の記憶ユニット120は、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置を備えて構成され、施設情報提示装置100において利用される様々な情報データが記憶される。こうした情報データには、地図情報121、充電施設情報122、及び、単位走行距離あたりのエネルギ消費量を示すエネルギ消費情報(以下、「単位距離あたりのエネルギ消費情報」とも呼ぶ)123が含まれている。この記憶ユニット120には、制御ユニット110がアクセスできるようになっている。なお、充電施設情報122の詳細については、後述する。
【0095】
上記の入力ユニット130は、施設情報提示装置100の本体部に設けられたキー部、あるいはキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、音声入力する構成を採用することもできる。
【0096】
この入力ユニット130を利用した入力により、施設情報提示装置100の動作内容の設定が行われる。例えば、満充電の指定、又は、次充電施設までの走行のための充電の指定のうち、いずれかの充電態様の指定ができる。また、後述するようにして選択され、表示ユニット240に表示された周辺施設の1つを利用施設として指定することができる。
【0097】
次に、上述した充電施設情報122について説明する。充電施設情報122では、複数の充電施設#j(j=1,2,…)のそれぞれに関連付けられて、充電施設の識別子IDTj、充電施設の位置POSj、単位時間あたりの充電量を示す充電能力PWAj、充電後の滞在可否、及び、周辺施設情報#jが登録されている。ここで、周辺施設情報#jには、複数の周辺施設#(j,k(k=1,2,…))のそれぞれに関連付けられて、周辺施設の種類PKjk、周辺施設の名称NMjk、周辺施設の利用に費やされる標準的な時間を示す標準時間TSjk、及び、周辺施設の位置PSjkが登録されている。
【0098】
ここで、充電施設情報122の内容については、制御ユニット110が、通信ネットワークを介して、充電施設の情報を保有しているサーバ装置から定期的に取得し、更新するようになっている。なお、標準時間TSjkは、周辺施設ごとの事前調査により予め定められる。
【0099】
なお、「標準時間TSjk」は、周辺施設#(j,k)のそれぞれに関する、標準的な滞在時間と、充電施設#jと周辺施設#(j,k)との往復に費やす標準的な時間との和の時間となっている。ここで、往復時間は、充電施設#jを出発点として周辺施設#(j,k)を訪問する際に、標準的な交通手段(徒歩、路線バス等)を利用した場合の往復時間となっている。
【0100】
[動作]
次に、以上のように構成された施設情報提示装置100の動作について、制御ユニット110により実行される処理、すなわち、施設情報提示処理に主に着目して説明する。
【0101】
なお、ECU220は、満充電容量、及び、エネルギ残量の現在値を、逐次、施設情報提示装置100の制御ユニット110へ送っているものとする。また、GPS受信ユニット230は、現在位置の検出結果を、逐次、当該制御ユニット110へ送っているものとする。
【0102】
施設情報提示装置100による施設情報提示処理は、入力ユニット130に対して、これから充電を行おうとしている充電施設に到着した車両CRに搭乗している利用者が、施設情報提示命令の入力を行い、入力ユニット130が、施設情報提示指令を制御ユニット110へ送られると、開始する。
【0103】
施設情報提示指令を受けた制御ユニット110は、図5に示されるように、まず、ステップS11において、GPS受信ユニット230から送られている現在位置を収集する。引き続き、ステップS12において、制御ユニット110が、収集された現在位置に基づいて、記憶ユニット120内の充電施設情報122における充電施設の位置を検索し、これから充電を行おうとしている充電施設を特定する。
【0104】
なお、識別子が「IDT1」の充電施設が特定されたものとして、以下の説明を行う。
【0105】
次に、ステップS13において、制御ユニット110が、施設情報提示指令により、満充電の指定がなされたか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS13:Y)には、処理はステップS14へ進む。
【0106】
ステップS14では、制御ユニット110が、満充電時間(TF)の算出を行う。かかる満充電時間(TF)の算出に際して、制御ユニット110は、まず、ECU220から送られている満充電容量(FV)、及び、エネルギ残量の現在値(RV)を収集する。引き続き、制御ユニット110は、記憶ユニット120内の充電施設情報122において識別子IDT1に関連付けられている充電能力の値PWA1を読み取る。
【0107】
次に、制御ユニット110は、次の(1)式により、充電時間として、満充電時間(TF)を算出する。
TF=(FV−RV)/PWA1 …(1)
こうして充電時間が算出されると、処理は、後述するステップS17へ進む。
【0108】
上述のステップS13における判定の結果が否定的であった場合(ステップS13:N)には、利用者により指定された次充電施設への到達用の充電時間(TN:以下、「次充電施設用充電時間」と呼ぶ)を算出するために、処理はステップS15へ進む。なお、次充電施設として、識別子が「IDT2」の充電施設が指定されたものとして、以下の説明を行う。
【0109】
ステップS15では、制御ユニット110が、記憶ユニット120内の充電施設情報122において識別子IDT1,IDT2に関連付けられている充電施設の位置POS1,POS2を読み取る。引き続き、制御ユニット110は、記憶ユニット120内の地図情報121を参照して、次充電施設までの標準的な走行距離(RL)を算出する。
【0110】
次に、ステップS16において、制御ユニット110が、次充電施設用充電時間TNを算出する。かかる次充電施設用充電時間(TN)に際して、制御ユニット110は、まず、ECU220から送られている満充電容量(FV)、及び、エネルギ残量の現在値(RV)を収集する。引き続き、制御ユニット110は、記憶ユニット120内の充電施設情報122において識別子IDT1に関連付けられている充電能力(PWA1)、及び、単位距離あたりのエネルギ消費情報123(CR)を読み取る。
【0111】
次に、制御ユニット110は、次の(2)式により、次充電施設に到達するためのエネルギ量NEVを算出する。
NEV=C・RL・CR …(2)
ここで、定数C(>1)は余裕係数であり、次充電施設までの走行を確保するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0112】
次いで、制御ユニット110は、値NEVが値FV(満充電容量の値)よりも大きいか否かを判定する。そして、値NEVが値FVよりも大きな場合には、「次充電施設の指定が適当ではない」旨を表示ユニット240に表示させ、新たな次充電施設の指定を、利用者に促す。この後、新たな次充電施設が指定されると、制御ユニット110は、ステップS15からの処理を再度実行する。
【0113】
値NEVが値FV以下の場合には、制御ユニット110は、充電量の値(CV)を、次の(3)式により算出する。
CV=NEV−RV …(3)
【0114】
次に、制御ユニット110は、値CVが正の値であるか否かを判定する。そして、値CVが正の値でない場合には、「充電の必要がない」旨を表示ユニット240に表示させ、直ちに出発可能であることを利用者に通知する。
【0115】
値CVが正の値である場合には、制御ユニット110は、次充電施設用充電時間(TN)を、次の(4)式により、算出する。
TN=CV/PWA1 …(4)
そして、処理はステップS17へ進む。
【0116】
ステップS17では、制御ユニット110が、情報を提示すべき周辺施設の選択を行う。かかる周辺施設の選択に際し、制御ユニット110は、まず、記憶ユニット120内の充電施設情報122を参照し、識別子IDT1に対応する充電施設#1(すなわち、ステップS12において特定された充電施設)における滞在可否を判定する。そして、充電後の滞在が可能である場合には、制御ユニット110は、識別子IDT1に関連付けられて登録されている複数の周辺施設の中から、算出された充電時間以上の標準時間が設定されている周辺施設を、標準時間が充電時間に近い順に、所定数(例えば、5個)を上限として、選択する。この結果、周辺施設の利用後に充電施設に戻ったときには充電が完了しており、直ちに、充電施設から出発できる周辺施設が、当該充電施設にとっての不要な充電装置の占有時間が短い順に選択されることになる。
【0117】
なお、ステップS12において特定された充電施設が、充電施設#2のように、充電後の滞在ができない場合(図4参照)には、制御ユニット110は、当該識別子に関連付けられて登録されている複数の周辺施設の中から、充電時間以下の標準時間が設定されている周辺施設を、標準時間が充電時間に近い順に、所定数を上限として、選択する。この結果、充電施設の滞在制限に抵触しない範囲で、周辺施設の利用後に充電施設に戻ったときからの充電待ち時間が短い順に、周辺施設が選択されることになる。
【0118】
次いで、ステップS18において、制御ユニット110は、選択結果を、施設の種類及び施設を含めて表示ユニット240に表示させるための表示用データを生成する。そして、制御ユニット110は、生成された表示用データを表示ユニット240へ送る。
【0119】
制御ユニット110から送られた表示用データを受けた表示ユニット240は、表示用データに従って、制御ユニット110により選択された周辺施設の情報を表示する。この結果、周辺施設の情報が、利用者に提示される。
【0120】
なお、図6Aには、上述したステップS12において特定された充電施設が、識別子IDT1に対応する充電施設のように、充電後の滞在が可能であり(図4参照)、算出された充電時間が1時間であった場合に、ステップS18において表示ユニット240に表示される周辺施設情報の例が示されている。また、図6Bには、上述したステップS12において特定された充電施設が、識別子IDT2に対応する充電施設のように、充電後の滞在ができず(図4参照)、算出された充電時間が1時間であった場合に、ステップS18において表示ユニット240に表示される周辺施設情報の例が示されている。
【0121】
次に、ステップS19において、制御ユニット110が、利用施設への経路の導出処理を行う。かかる利用施設への経路の導出処理に際しては、図7に示されるように、まず、ステップS21において、制御ユニット110が、利用施設への経路案内の不要指定が入力ユニット130に入力されたか否かを判定する。この判定の肯定的であった場合(ステップS21:Y)には、制御ユニット110は、ステップS19の利用施設への経路の導出処理を終了した後、施設情報提示処理を終了する。
【0122】
ステップS21における判定の結果が否定的であった場合(ステップS21:N)には、処理はステップS22へ進む。このステップS22では、上述したステップS18において表示ユニット240に表示された周辺施設情報を参照した利用者が、情報が表示されている周辺施設の1つを利用施設として指定した否かを判定することにより、利用施設が指定されたか否かを判定する。
【0123】
ステップS22における判定の結果が否定的であった場合(ステップS22:N)には、処理はステップS21へ戻る。そして、ステップS21,S22の処理が繰り返される。
【0124】
利用者による利用施設の指定入力が行われ、ステップS22における判定の結果が肯定的となると(ステップS22:Y)、処理はステップS23へ進む。このステップS23では、制御ユニット110が、現在位置の充電施設から当該指定された利用施設までの経路を導出する。かかる経路の導出に際して、制御ユニット110は、まず、記憶ユニット120内の充電施設情報122から、現在位置の充電施設(すなわち、上述したステップS12において特定された充電施設)の位置と、当該指定された利用施設の位置とを読み取る。引き続き、制御ユニット110は、記憶ユニット120内の地図情報121を参照して、現在位置の充電施設から当該指定された利用施設までの経路を導出する。
【0125】
次いで、ステップS24において、制御ユニット110が、導出された経路のデータを、利用者が保有する携帯端末250へ、無線通信を利用して送る。そして、他の周辺施設への経路案内も利用者が欲することを考慮して、処理はステップS21へ戻る。かかる経路のデータを受けた携帯端末250では、当該導出された経路の表示指令が利用者により行われた場合に、当該導出された経路の表示が可能となる。
【0126】
以後、ステップS21〜S24の処理が繰り返され、経路案内が不要となるまで、利用施設への経路導出処理が行われる。そして、利用施設への経路案内の不要指定が入力ユニット130に入力されると、上述したように、制御ユニット110は、ステップS19の利用施設への経路の導出処理を終了した後、施設情報提示処理を終了する。
【0127】
なお、携帯端末250における利用施設への経路の表示例が、図8に示されている。
【0128】
以上説明したように、本実施例では、入力ユニット130に対して、これから充電を行おうとしている充電施設に到着した車両CRの利用者が、施設情報提示命令の入力を行うと、制御ユニット110が、まず、GPS受信ユニット230から送られている現在位置を取得する。引き続き、制御ユニット110が、収集された現在位置に基づいて、記憶ユニット120内の充電施設情報122における充電施設の位置を検索し、これから充電を行おうとしている充電施設を特定する。
【0129】
次に、制御ユニット110が、充電施設情報122内の当該特定された充電施設の充電能力を考慮して、充電時間を算出する。引き続き、制御ユニット110が、算出された充電時間、及び、充電施設情報122内の当該特定された充電施設に関する複数の周辺施設のそれぞれの利用に費やされる標準的な時間を示す標準時間に基づいて、利用者に対して提示すべき周辺施設を選択する。そして、制御ユニット110は、選択された周辺施設の情報を、表示ユニット240に表示させる。
【0130】
したがって、本実施例によれば、充電施設での車両搭載の蓄電池の充電に要する時間の有効な活用を支援することができる。
【0131】
また、本実施例では、利用者により満充電が指定された場合には、制御ユニット110が、ECU220から送られている満充電容量及びエネルギ残量、並びに、特定された充電施設の充電能力に基づいて、満充電となるまでの充電時間を算出する。このため、満充電となるための充電時間を精度良く算出することができる。
【0132】
また、本実施例では、次充電施設までの走行のための充電が指定されていた場合には、制御ユニット110が、記憶ユニット120内の地図情報121を参照して、次充電施設までの標準的な走行距離を算出した後、算出された走行距離、記憶ユニット120に記憶されている単位距離あたりのエネルギ消費情報123、並びに、ECU220から送られているエネルギ残量に基づいて、必要な充電量を算出する。次に、制御ユニット110が、算出された充電量と、記憶ユニット120内における当該特定された充電施設の充電能力に基づいて、充電時間を算出する。このため、次充電施設までの走行を確保するために適切な充電時間を算出することができる。
【0133】
また、本実施例では、充電を行おうとしている充電施設の利用に際して、当該充電施設において充電後の滞在が可能である場合には、制御ユニット110が、当該充電施設に関連付けられて登録されている複数の周辺施設の中から、充電時間以上の標準時間が設定されている周辺施設を、標準時間が充電時間に近い順に、所定数を上限として、選択する。このため、周辺施設の利用後に充電施設に戻ったときには充電が完了しており、直ちに、充電施設から出発できる周辺施設を、当該充電施設にとっての不要な充電装置の占有時間が短い順に選択することができる。
【0134】
また、本実施例では、充電を行おうとしている充電施設の利用に際して、当該充電施設における充電後の滞在ができない場合には、制御ユニット110が、当該充電施設に関連付けられて登録されている複数の周辺施設の中から、充電時間以下の標準時間が設定されている周辺施設を、標準時間が充電時間に近い順に、所定数を上限として、選択する。このため、充電施設の滞在制限に抵触しない範囲で、周辺施設の利用後に充電施設に戻ったときからの充電待ち時間が短い順に、周辺施設が選択することができる。
【0135】
また、本実施例では、選択された周辺施設の情報の表示結果を参照した利用者が、表示されている周辺情報のうちから指定すると、制御ユニット110が、充電を行っている充電施設から周辺施設までの経路を導出する。そして、制御ユニット110が、導出結果を、利用者が保有する携帯端末250へ送る。このため、利用者が、当該充電施設と当該指定された周辺施設との往復に際して、携帯端末250に当該導出された経路を、適宜参照することがでるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0136】
[実施例の変形]
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0137】
例えば、上記の実施例の施設情報提示装置では、装置外部の位置検出部としてのGPS受信ユニットによる現在位置の検出結果を取得するようにした。これに対し、装置の外部に利用できる位置検出部がない場合には、施設情報提示装置が位置検出部を備える構成としてもよい。
【0138】
また、上記の実施例の施設情報提示装置では、装置外部のECUから満充電容量及びエネルギ残量が報告されるものとした。これに対し、装置の外部から満充電容量及びエネルギ残量の少なくとも一方の報告を受けることが困難な場合には、報告を受けることが困難な値を得るためのセンサ等を、施設情報提示装置が備える構成としてもよい。
【0139】
また、上記の実施例では、施設情報提示装置の構成要素の全てが、車両に搭載されるようにした。これに対し、施設情報提示装置の機能の一部を果たす装置、遠隔地に配置されたサーバ装置が備えるようにし、車載の装置と当該サーバ装置とをネットワークを利用して通信可能な構成としてもよい。
【0140】
また、上記の実施例では、充電態様として、満充電の指定、及び、次充電施設までの走行のための充電の指定の2種類の指定ができるようにした。これに対し、充電態様として、充電量の指定、充電料金の指定、確保すべき走行距離の指定等を更に行うことができる構成としてもよい。
【0141】
また、上記の実施例では、充電しようとしている充電施設の周辺施設のそれぞれの標準時間と、当該充電施設の充電後の滞在可否に基づいて、情報提示すべき周辺施設の選択を行うようにした。これに対し、滞在時間が制限されている場合には、その制限時間を加味して、また、時間帯により滞在可否が変化する場合には、その制限時間帯を加味して、情報提示すべき周辺施設の選択を行うようにしてもよい。また、季節、天候、時間帯を更に考慮して、情報提示すべき周辺施設の選択を行うようにしてもよい。
【0142】
さらに、利用者の嗜好、周辺施設の利用推奨度等を更に考慮して、情報提示すべき周辺施設の選択を行うようにしてもよい。ここで、利用者の嗜好、周辺施設の利用推奨度等を予め登録するようにしてもよい。また、利用者の嗜好については、利用施設の指定傾向から、利用者の嗜好を推定するようにしてもよい。
【0143】
また、上記の実施例では、画像表示により、選択された周辺施設の情報を提示するようにした。これに対し、画像表示とともに、又は、画像表示に代えて、音声出力により、選択された周辺施設の情報を提示するようにしてもよい。
【0144】
また、上記の実施例では、無線通信を利用して、経路データを携帯端末へ送るようにした。これに対し、携帯端末に有線通信用のコネクタ部が用意されている場合には、当該コネクタ部に着脱可能なケーブルを用いて、有線通信により、経路データを携帯端末へ送るようにしてもよい。
【0145】
また、上記の実施例では、利用施設への経路の提示は、携帯端末のみにより行われるようにしたが、携帯端末に加えて、又は、携帯端末に代えて、表示ユニットにより行われるようにしてもよい。
【0146】
また、上記の実施例では、施設情報提示装置を単独の装置として構成するようにしたが、例えば、カーナビゲーション装置に本発明の施設情報提示装置の機能を実装するようにしてもよい。
【0147】
また、上記の実施例についても、上述した実施形態の変形例として説明した、「これから充電を行おうとしている充電施設を目指す途中の経路において、当該充電施設の周辺施設情報を提示できるようにする変形」や、「車両が、充電を行う予定の充電施設へ向う走行を始める前に、当該車両から離れた場所で、充電を行う予定でいる充電施設の周辺施設情報の提示を行うことができるようにする変形」を行うことができる。
【0148】
また、制御ユニット110が実行するプログラムは、CD−ROM,DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
【0149】
また、上記の実施例では、プログラムの実行により、制御ユニット110が、取得部、算出部、選択部及び導出部の機能を実現することにしたが、これらの機能の全部又は一部を専用のハードウエア資源で実現するようにしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8