特許第5770320号(P5770320)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ファナック株式会社の特許一覧

特許5770320コネクタのコンタクトの接触状態監視装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770320
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】コネクタのコンタクトの接触状態監視装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20150806BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20150806BHJP
   H01R 12/73 20110101ALI20150806BHJP
【FI】
   H01R13/64
   H01R43/00 Z
   H01R12/73
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-13774(P2014-13774)
(22)【出願日】2014年1月28日
(65)【公開番号】特開2015-141805(P2015-141805A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2015年2月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】柴田 幸雄
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−270120(JP,A)
【文献】 特開2007−059345(JP,A)
【文献】 特公平06−068988(JP,B2)
【文献】 特開平05−091659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/64
H01R 12/73
H01R 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、
信号送出側のプリント板に設けられ、前記信号送出側のプリント板から入力される信号と、前記信号送出側のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して受信側のプリント板で受信した信号を前記コネクタのコンタクトを経由して前記信号送出側のプリント板に返信し前記信号送出側のプリント板に到達した信号の論理を比較し、
一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置。
【請求項2】
電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、
前記コネクタで接続されたプリント板の両方に設けられ、第一のプリント板から入力される信号と、前記第一のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して第二のプリント板で受信した信号を前記コネクタのコンタクトを経由して前記第一のプリント板に返信し前記第一のプリント板に到達した信号の論理を比較し、
第二のプリント板から入力される信号と、前記第二のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して第一のプリント板で受信した信号を前記コネクタのコンタクトを経由して前記第二のプリント板に返信し前記第二のプリント板に到達した信号の論理を比較し、
一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置。
【請求項3】
電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、
受信側のプリント板に設けられ、信号送出側のプリント板からの信号を前記信号送出側のプリント板のコネクタの複数コンタクトに接続し、コネクタの複数のコンタクトを経由して前記受信側のプリント板で受信した複数の信号の論理を比較し、
一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置。
【請求項4】
電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、
前記コネクタで接続されたプリント板の両方に設けられ、
第一のプリント板からの信号を前記第一のプリント板のコネクタの複数コンタクトに接続し、コネクタの複数のコンタクトを経由して第二のプリント板で受信した複数の信号の論理を比較し、
第二のプリント板からの信号を前記第二のプリント板のコネクタの複数コンタクトに接続し、コネクタの複数のコンタクトを経由して前記第一のプリント板で受信した複数の信号の論理を比較し、
一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置。
【請求項5】
電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、
前記コネクタで接続されたプリント板のいずれかに設けられ、第一のプリント板から入力される信号と、前記第一のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して第二のプリント板で受信した信号を前記コネクタのコンタクトを経由して前記第一のプリント板に返信し前記第一のプリント板に到達した信号の論理を比較するとともに、
前記第二のプリント板からの信号をコネクタの複数のコンタクトに接続し、コネクタの複数のコンタクトを経由して第一のプリント板で受信した複数の信号の論理を比較し、
一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置。
【請求項6】
電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、
信号送出側のプリント板に設けられ、前記信号送出側のプリント板から入力されるパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル化した信号と、
前記信号送出側のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して受信側のプリント板で受信したパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル信号として前記信号送出側のプリント板に返信する信号入力・出力回路を前記受信側のプリント板に設け、
前記信号入力・出力回路からのシリアル信号を前記コネクタのコンタクト経由で前記信号送出側プリント板に返信することにより前記信号送出側プリント板に到達したシリアル信号の論理を比較し、
一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置。
【請求項7】
電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、
受信側のプリント板に設けられ、信号送出側のプリント板から入力されるパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル信号として前記受信側のプリント板に送出する信号入力・出力回路を前記信号送出側プリント板に設け、前記信号入力・出力回路からのシリアル信号をコネクタのコンタクト経由で前記受信側のプリント板に送出することにより前記受信側のプリント板に到達したシリアル信号と、
前記信号送出側のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して前記受信側のプリント板で受信したパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル化した信号の論理を比較し、
一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置。
【請求項8】
電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、
前記コネクタで接続されたプリント板の両方に設けられ、信号送出側のプリント板から入力されるパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル信号として受信側のプリント板に送出するとともに前記シリアル信号と、
前記信号送出側のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して前記受信側のプリント板で受信したパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル信号として前記信号送出側のプリント板に送出することにより前記信号送出側のプリント板に到達したシリアル信号の論理を比較し、
前記信号送出側のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して前記受信側のプリント板で受信したシリアル信号と、
前記受信側のプリント板で受信したパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル化した信号の論理を比較し、
一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置。
【請求項9】
電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、
前記コネクタで接続されたプリント板の両方に設けられ、第一のプリント板から入力されるパラレル信号と第二のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して前記第一のプリント板で受信したパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル信号として前記第二のプリント板に送出するとともに、
前記シリアル信号と、
前記第一のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して前記第二のプリント板で受信したパラレル信号と前記第二のプリント板から入力されるパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル
信号として前記第一のプリント板に送出することにより前記第一のプリント板に到達したシリアル信号の論理を比較し、
前記第一のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して前記第二のプリント板で受信したシリアル信号と、
前記第二のプリント板で受信したパラレル信号と前記第二のプリント板から入力されるパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル化した信号の論理を比較し、
一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置。
【請求項10】
前記監視回路の入力部にヒステリシスを持たせ、
そのヒステリシスをもった入力のLowからHighに遷移する場合のスレッショルド電圧を信号を送り出す側のHighの出力電圧以下でかつ信号を受ける側のHighの入力電圧以上とし、
そのヒステリシスをもった入力のHighからLowに遷移する場合のスレッショルド電圧を信号を送り出す側のLowの出力電圧以上でかつ信号を受ける側のLowの入力電圧以下とすることにより、信号を受ける側の回路が誤動作する前に不一致信号を出力することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1つに記載の電子機器の接触状態監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタのコンタクトの接触状態を監視する接触状態監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタを備えた各種装置の製造部門における検査時や市場(フィールド)での稼動中、コネクタのコンタクトどうし(オスとメスのピンどうし)の接触が悪いと誤動作するが、誤動作が発生した場合、コネクタのコンタクトの接触が悪いかどうか分からない。例えば製造部門における装置の組み立てる際のコネクタ嵌合の時に、コンタクト間に絶縁物を噛み込んだとしても、コネクタのコンタクトの接触が悪いとは断定できず、挿し直して動作するようになってコンタクトの接触性が悪かったのではと推測することしかできない。
【0003】
また例えば市場(フィールド)でコネクタを備えた装置が稼動中、正常に動作していたユニット類(プリント板)に障害が発生した場合、その障害内容によって、障害が発生したと思われるプリント板を交換する。ところが、そのプリント板を調べても問題なし(いわゆる不再現)の場合がある。このような不再現の場合において、障害発生の原因として考えられるものにコネクタのコンタクトの接触不良が挙げられる。しかし、コネクタのコンタクトの接触不良の場合は抜き差しを行うと正常に戻る場合が多く、接触不良であったことを特定することが難しい。
【0004】
コネクタどうしが正常な状態にあるかどうかを監視する技術が、特許文献1〜3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平6−68988号公報
【特許文献2】特開平5−91659号公報
【特許文献3】特開平2−172174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
背景技術の欄で説明したように、コネクタどうしが正常な状態にあるかどうかを監視する技術は従来公知であったが、コネクタの個々のコンタクトの接触状態は監視していなかった。そして、コネクタの抜き差しを行うと接触状態が良好になる場合が多く、コネクタの個々のコンタクトの接触状態を監視していなかったため、コネクタの各コンタクトの接触状態が分からなかった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、コネクタのコンタクトの接触状態を監視する接触状態監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、信号送出側のプリント板に設けられ、前記信号送出側のプリント板から入力される信号と、前記信号送出側のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して受信側のプリント板で受信した信号を前記コネクタのコンタクトを経由して前記信号送出側のプリント板に返信し前記信号送出側のプリント板に到達した信号の論理を比較し、一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置である(図1図3が対応する)。
【0008】
請求項2に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、前記コネクタで接続されたプリント板の両方に設けられ、第一のプリント板から入力される信号と、前記第一のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して第二のプリント板で受信した信号を前記コネクタのコンタクトを経由して前記第一のプリント板に返信し前記第一のプリント板に到達した信号の論理を比較し、第二のプリント板から入力される信号と、前記第二のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して第一のプリント板で受信した信号を前記コネクタのコンタクトを経由して前記第二のプリント板に返信し前記第二のプリント板に到達した信号の論理を比較し、一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置である(図7図9が対応する)。
【0009】
請求項3に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、受信側のプリント板に設けられ、信号送出側のプリント板からの信号を前記信号送出側のプリント板のコネクタの複数コンタクトに接続し、コネクタの複数のコンタクトを経由して前記受信側のプリント板で受信した複数の信号の論理を比較し、一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置である(図4図6が対応する)。
【0010】
請求項4に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、前記コネクタで接続されたプリント板の両方に設けられ、第一のプリント板からの信号を前記第一のプリント板のコネクタの複数コンタクトに接続し、コネクタの複数のコンタクトを経由して第二のプリント板で受信した複数の信号の論理を比較し、第二のプリント板からの信号を前記第二のプリント板のコネクタの複数コンタクトに接続し、コネクタの複数のコンタクトを経由して前記第一のプリント板で受信した複数の信号の論理を比較し、一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置である(図10図12が対応する)。
【0011】
請求項5に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、前記コネクタで接続されたプリント板のいずれかに設けられ、第一のプリント板から入力される信号と、前記第一のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して第二のプリント板で受信した信号を前記コネクタのコンタクトを経由して前記第一のプリント板に返信し前記第一のプリント板に到達した信号の論理を比較するとともに、前記第二のプリント板からの信号をコネクタの複数のコンタクトに接続し、コネクタの複数のコンタクトを経由して第一のプリント板で受信した複数の信号の論理を比較し、一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置である(図13図15が対応する)。
【0012】
請求項6に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、信号送出側のプリント板に設けられ、前記信号送出側のプリント板から入力されるパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル化した信号と、前記信号送出側のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して受信側のプリント板で受信したパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル信号として前記信号送出側のプリント板に返信する信号入力・出力回路を前記受信側のプリント板に設け、前記信号入力・出力回路からのシリアル信号を前記コネクタのコンタクト経由で前記信号送出側プリント板に返信することにより前記信号送出側プリント板に到達したシリアル信号の論理を比較し、一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置である(図16図18が対応する)。
【0013】
請求項7に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、受信側のプリント板に設けられ、信号送出側のプリント板から入力されるパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル信号として前記受信側のプリント板に送出する信号入力・出力回路を前記信号送出側プリント板に設け、前記信号入力・出力回路からのシリアル信号をコネクタのコンタクト経由で前記受信側のプリント板に送出することにより前記受信側のプリント板に到達したシリアル信号と、前記信号送出側のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して前記受信側のプリント板で受信したパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル化した信号の論理を比較し、一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置である(図16図18が対応する)。
【0014】
請求項8に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、前記コネクタで接続されたプリント板の両方に設けられ、信号送出側のプリント板から入力されるパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル信号として受信側のプリント板に送出するとともに前記シリアル信号と、前記信号送出側のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して前記受信側のプリント板で受信したパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル信号として前記信号送出側のプリント板に送出することにより前記信号送出側のプリント板に到達したシリアル信号の論理を比較し、前記信号送出側のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して前記受信側のプリント板で受信したシリアル信号と、前記受信側のプリント板で受信したパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル化した信号の論理を比較し、一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置である(図19図21が対応する)。
【0015】
請求項9に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器に実装された複数のプリント板を接続し、該複数のプリント板の間で信号を送受信するためのコネクタのコンタクトの接触状態を監視する装置であって、前記コネクタで接続されたプリント板の両方に設けられ、第一のプリント板から入力されるパラレル信号と第二のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して前記第一のプリント板で受信したパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル信号として前記第二のプリント板に送出するとともに、前記シリアル信号と、前記第一のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して前記第二のプリント板で受信したパラレル信号と前記第二のプリント板から入力されるパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル信号として前記第一のプリント板に送出することにより前記第一のプリント板に到達したシリアル信号の論理を比較し、前記第一のプリント板から前記コネクタのコンタクトを経由して前記第二のプリント板で受信したシリアル信号と、前記第二のプリント板で受信したパラレル信号と前記第二のプリント板から入力されるパラレル信号をある一定時間毎にパラレルロードした信号をシリアル化した信号の論理を比較し、一致しない場合に不一致信号を出力する信号監視回路を有することを特徴とする電子機器の接触状態監視装置である(図22図24図25図27が対応する)。
【0016】
本願の請求項10に係る発明は、前記監視回路の入力部にヒステリシスを持たせ、そのヒステリシスをもった入力のLowからHighに遷移する場合のスレッショルド電圧を信号を送り出す側のHighの出力電圧以下でかつ信号を受ける側のHighの入力電圧以上とし、そのヒステリシスをもった入力のHighからLowに遷移する場合のスレッショルド電圧を信号を送り出す側のLowの出力電圧以上でかつ信号を受ける側のLowの入力電圧以下とすることにより、信号を受ける側の回路が誤動作する前に不一致信号を出力することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1つに記載の電子機器の接触状態監視装置である(図30図32が対応する)。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、コネクタのコンタクトの接触状態を監視する接触状態監視装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態1を説明する図である。
図2図1におけるS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。
図3図1における信号監視回路の一例を示す図である。
図4】実施形態1の変形例を説明する図である。
図5図4におけるS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。
図6図4における信号監視回路の一例を示す図である。
図7】実施形態2を説明する図である。
図8図7におけるS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。
図9図7における信号監視回路の一例を示す図である。
図10】実施形態2の変形例を説明する図である。
図11図10におけるS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。
図12図10における信号監視回路の一例を示す図である。
図13】実施形態2の他の変形例を説明する図である。
図14図9におけるS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。
図15図9における信号監視回路の一例を示す図である。
図16】実施形態3を説明する図である。
図17図16におけるS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。
図18図16における信号監視回路の一例を示す図である。
図19】実施形態3の変形例1を説明する図である。
図20図19におけるS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。
図21図19における信号監視回路の一例を示す図である。
図22】実施形態3の変形例2を説明する図である。
図23図22におけるS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。
図24図22における信号監視回路の一例を示す図である。
図25】実施形態3の変形例3を説明する図である。
図26図25におけるS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。
図27図25における信号監視回路の一例を示す図である。
図28】プリント板1からプリント板2へ、プリント板2からプリント板1へ行く信号において、その信号を発生させるクロックが同期している場合の実施形態を示す図である。
図29図28におけるS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。
図30】接触抵抗が上昇する時の検出を行う実施形態4(EX−OR)を示す図である。
図31】接触抵抗が上昇する時の検出を行う実施形態5(パラレルロードシフトレジスタ)を示す図である。
図32】入力部にヒステリシスをもつ信号監視回路を追加した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
コネクタのコンタクトが接触不良となる場合は、大きな衝撃でコンタクトの接触が一瞬離れる(外れる)場合やコンタクト間に絶縁物をはさみこんで接触不良を起こしかけている場合や経年変化で接触状態がだんだん悪くなる(接触抵抗が大きくなる)場合などが考えられる。
【0020】
本発明は、コネクタの各信号を周期毎に監視することにより、異常が発生したことを検出し不一致の信号を出力する、また、接触抵抗が上昇している場合は障害発生が起こる前に不一致の信号を出力する構成である。本発明のコネクタのコンタクトの接触状態を監視する監視装置の実施形態を以下に説明する。
【0021】
<実施形態1>
図1にプリント板1とプリント板2がコネクタで接続されている回路例を示す。この場合は、プリント板1が信号送出側のプリント板であり、プリント板2が受信側のプリント板である。なお、以下同様な回路において、信号送出側のプリント板と受信側のプリント板の考え方はこの場合と同じである。
【0022】
図1に示されるように、プリント板1に信号監視回路5が設けられているとする。図1に、プリント板1からコネクタ3のコンタクト4を経由してプリント板2に行く信号(以下プリント板1からプリント板2に行く信号)をS1〜Sn+2、プリント板2からコネクタ3のコンタクト4を経由してプリント板1に戻される信号(以下プリント板2からプリント板1に戻される信号)をS1’〜Sn+2’とした場合の回路例を示す。
【0023】
プリント板1からプリント板2に行く信号S1〜Sn+2およびプリント板2からプリント板1に戻される信号S1’〜Sn+2’はプリント板1の信号監視回路5に入力される。
【0024】
図2はS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。信号S1からSn+2の信号変化(HighからLow、LowからHighへの変化)は図示されていないクロックに同期しているものとする。
【0025】
図3図1における信号監視回路5の一例を示す図である。信号監視回路5は、排他的論理和回路6、論理和回路7、フリップフロップ回路8を備えている。信号監視回路5のCMPCLK30は図示されていないクロックと同期しており、n逓倍(n≧1)または1/n(1/n<1)分周されているものとする。信号S1からSn+2の信号変化は、CMPCLK30の立上りと同期しているとする。
【0026】
信号S1とS1’、S2とS2’、・・・Sn+2とSn+2’は排他的論理和回路(以下、「EX−OR」という)6にて論理がとられ、同じ論理ならば0に、異なる論理であれば1が出力される。各EX−OR6の出力は論理和回路(以下、「OR」という)7の入力となる。OR7の出力(OR出力35)はフリップフロップ(以下、「FF」という)8の入力となる。FF8はCMPCLK30の立下りにてFF8の出力に伝達されるものとする。OR7の出力(OR出力35)は、対応する信号のタイミングのずれによりグリッチがでる場合がある。ここでは分かり易くするため、またグリッチの部分は使用しないため、タイミングのずれによるグリッチは示していない。OR7の出力(OR出力35)は、FF8のクロックであるCMPCLK30のセットアップ時間、ホールド時間を満足するものとする。なお、他の実施形態も同じである。
【0027】
図3に示される信号監視回路5では、論理の不一致の場合に出力される不一致信号40は通常0であるが、論理の不一致がありFF8の出力がHighとなった時、不一致信号40はHighとなる。この出力は図示されていないアラーム処理回路に入力される。プリント板1で処理されるのか、プリント板2で処理されるのか、両方で処理されるのかはどちらでもよい。他の実施形態も同様である。
尚、論理の不一致の場合に出力される不一致信号40は、回路の作り方により論理0でも論理1でもどちらでもよい。他の記述部分も同様である。
【0028】
図2はS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。S1’〜Sn+2’はプリント板1→コネクタ3のコンタクト4→プリント板2→コネクタ3のコンタクト4→プリント板1と信号が伝わるためS1〜Sn+2とは遅延が生じるが、煩雑となるため対応する信号は遅延なしで記述している。
【0029】
経年変化等で、コネクタ3のコンタクト4の接触状態が悪くなり(例えばオープン)、Sn+2とSn+2’の信号波形に論理の不一致が生じたとする。Sn+2とSn+2’のEX−OR6は論理の不一致によりHigh出力となり、OR7はHigh出力となり、FF8の出力はCMPCLK30の立下りでHighとなるので、論理の不一致の場合に出力される不一致信号40はHighとなる。
【0030】
図1から図3では信号をプリント板2からプリント板1に戻しているが、図4図5図6のように、同一信号をそれぞれ2本送ってもよい。他の記述部分も同様である。図4は実施形態1の変形例である同一信号をそれぞれ2本送る場合を説明する図である。図5図4におけるS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。図6図4における信号監視回路5の一例を示す図である。
【0031】
この場合(図4参照)の長所としてはタイミングを合わせやすいこと、短所は、同一信号の2本のコンタクト4が同時に不良(例えばオープン不良)となった場合、不良であるにも関わらず、同じ電圧レベルになることが考えられるので、片方はプルアップ、もう片方はプルダウンするなど工夫が必要であることである。
【0032】
<実施形態2>
図7はプリント板1からプリント板2へ行く信号をS2、・・・、Sn、Sn+2、プリント板2からプリント板1に戻される信号をS2’、・・・、Sn’、Sn+2’とし、プリント板2からコネクタ3のコンタクト4を経由してプリント板1へ行く信号(以下プリント板2からプリント板1へ行く信号)をS1、S3、・・・、Sn+1、プリント板1からコネクタ3のコンタクト4を経由してプリント板2に戻される信号(以下プリント板1からプリント板2に戻される信号)をS1’、S3’、・・・、Sn+1’とした場合の回路例を示す。
【0033】
図7のプリント板1の信号監視回路5aのCMPCLK30−1は図示されていないクロック(1)と同期しており、n逓倍(n≧1)または1/n(n<1)分周されているものとする。信号S2、・・・、Sn、Sn+2の信号変化は、CMPCLK30−2の立上りと同期しているとする。
【0034】
図9に回路例を示す。図7のプリント板1からプリント板2へ行く信号、S2、・・・、Sn、Sn+2と、プリント板2からプリント板1に戻されるS2’、・・・、Sn’、Sn+2’の対応する信号(S2とS2’、・・・、SnとSn’、Sn+2とSn+2’)は、図9の信号監視回路5aのEX−OR6aにて論理がとられ、同じ論理ならば0に、異なる論理であれば1が出力される。各EX−OR6aの出力はOR7aの入力となる。OR7aの出力(OR出力35a)はFF8aの入力となる。FF8aはCMPCLK30−1の立下りにてFF8aの出力に伝達されるものとする。FF8aの出力が不一致信号40−1出力となる。通常不一致信号40−1は0であるが、FF8aの出力がHighとなった時、不一致信号40−1はHighとなる。この出力は図示されていないアラーム処理回路に入力される。
【0035】
図7のプリント板2の信号監視回路5bのCMPCLK30−2は図示されていないクロック(2)と同期しており、n逓倍(n≧1)または1/n(n<1)分周されているものとする。信号S1、S3、・・・、Sn+1の信号変化は、CMPCLK30−2の立上りと同期しているとする。
【0036】
図7のプリント板2からプリント板1へ行く信号S1、S3、・・・、Sn+1と、プリント板1からプリント板2に戻されるS1’、S3’、・・・、Sn+1’の対応する信号(S1とS1’、S3とS3’、・・・、Sn+1とSn+1’)は図9の信号監視回路5bのEX−OR6bにて論理がとられ、同じ論理ならば0に、異なる論理であれば1が出力される。各EX−OR6bの出力はOR7bの入力となる。OR7bの出力(OR出力35b)はFF8bの入力となる。FF8bはCMPCLK30−2の立下りにて出力に伝達されるものとする。FF8bの出力が不一致信号40−2の出力となる。通常不一致信号40−2は0であるが、FF8bの出力がHighとなった時、不一致信号40−2はHighとなる。この出力は図示されていないアラーム処理回路に入力される。
【0037】
図8はS1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’のタイミング図である。S1’〜Sn+2’は、プリント板2→コネクタ3のコンタクト4→プリント板1→コネクタ3のコンタクト4→プリント板2またはプリント板1→コネクタ3のコンタクト4→プリント板2→コネクタ3のコンタクト4→プリント板1と信号が伝わるためS1〜Sn+2とは遅延が生じるが、煩雑となるため対応する信号は遅延なしで記述している。
【0038】
経年変化等で、コネクタ3のコンタクト4の接触状態が悪くなり(例えばオープン)、Sn+2とSn+2’の信号波形に論理の不一致が生じたとする。Sn+2とSn+2’のEX−ORは論理の不一致によりHigh出力となり、OR7aはHigh出力となり、FF8aの出力はCMPCLK30−1の立下りでHighとなり、不一致信号40−1はHighとなる。
【0039】
尚、S1〜Sn+2、S1’〜Sn+2’において対応する信号(S1とS1’、・・・、Sn+2とSn+2’)の遅延を小さくしたい場合は、図10図11図12のように信号を2分岐させてそれぞれをコネクタ3のコンタクト4経由で相手のプリント板に送り信号監視回路に接続する。
【0040】
また信号監視回路を1つにしたい場合は、例えばプリント板1のみに信号監視回路を置く場合、プリント板1からプリント板2へ行く信号はプリント板2から比較用信号を戻し、プリント板2からプリント板1へ行く信号はプリント板2から2分岐でプリント板1へ信号を送る。図13図14図15にその場合の実施形態を示す。但し、2分岐で信号を送る時、少ない確率であるが、同時に接触不良となった場合に一致しているとみなされてしまうので、実施形態1で説明したように、同一信号の2本のコンタクト4が同時に不良(例えばオープン不良)となった場合不良であるにも関わらず、同じ電圧レベルになることが考えられるので、片方はプルアップ、もう片方はプルダウンするなど工夫が必要である。
【0041】
ここで、実施形態3からの実施形態について主たる考え方について述べる。コネクタ3のコンタクト4が接触不良となる場合は、大きな衝撃でコンタクト4の接触が一瞬離れる(外れる)場合、コンタクト4間に絶縁物をはさみこんで接触不良を起こしかけている場合、経年変化で接触状態がだんだん悪くなる(接触抵抗が大きくなる)場合などが考えられることを述べた。これらの接触不良は電気的な動作ではないため、μs以内に接触が復活することは考え難い。つまり、数十μs以上接触が悪い状態が継続すると考えられる。
【0042】
よって単にコンタクト4の接触状態を監視する場合、信号の変化毎に監視する必要はなく、ある時間のインターバル毎に行えばよいと考えられる。インターバル毎にシリアルにて信号の監視を行うことにより、コネクタ3のコンタクトピンの数を減らすことができる。
【0043】
<実施形態3>
図16のようにプリント板1とプリント板2がコネクタ3で接続されており、プリント板1からプリント板2へ信号が送られるとする。回路例としてプリント板1に信号監視回路5を置き、プリント板2に信号入力・出力回路9を置く。図18はその内部回路である。図18(a)は信号監視回路5、図18(b)は信号入力・出力回路である。図17はタイミングチャートである。
【0044】
ある時間のインターバル毎にコネクタ3のコンタクト4に接続される信号を、図18に示される各々のパラレルロードシフトレジスタ10−1,10−2に入力する。プリント板2の信号入力・出力回路9のパラレルロードシフトレジスタ10−2のデータをシリアル信号としてプリント板1の信号監視回路5に送り、パラレルロードシフトレジスタ10−1のデータと比較する。
【0045】
一定周期毎に各信号(S1〜Sn+2)の状態(HかLか)を、LOAD信号を例えばLOWにすることにより、図18のパラレルロードシフトレジスタ10−1およびパラレルロードシフトレジスタ10−2にロードする。尚、以下の実施形態もLowでロードとする。図17のようにLOAD信号がHighになるとSFCLK信号の立上りエッジによりパラレルロードシフトレジスタ10−1のSOUT36−1からS1〜Sn+2およびパラレルロードシフトレジスタ10−2のSOUT36−2からS1x〜Sn+2xの状態を順次シリアル信号として出力する。SOUT36−2はプリント板1の信号監視回路5の入力SIN1と接続されているので、図18の比較器11で比較し、もし一致していなければSFCLKの立下りで不一致信号40を出力する。この出力は図示されていないアラーム処理回路に入力される。尚、比較器の出力信号にラッチを持たせて、図17の点線のように不一致信号40の出力を保持させてもよい。以下の実施形態も同じである。
【0046】
図19図20図21は、それぞれのプリント板1,2に信号監視回路5g,5hを置いて、相手から送られてきたデータと自分が持っているデータとをお互いに比較する場合の実施形態である。
【0047】
図22図23図24はプリント板1からプリント板2へ信号が送られ、またプリント板2からプリント板1へ信号が送られる場合のプリント板1からプリント板2へ送られた信号を比較、プリント板2からプリント板1へ送られた信号を比較する場合の実施形態である。
【0048】
図25図26図27はプリント板1からプリント板2へ信号が送られ、またプリント板2からプリント板1へ信号が送られる場合においてプリント板1とプリント板2上の信号監視回路5p,5qでプリント板1からプリント板2への信号およびプリント板2からプリント板1への信号の両方の信号を比較する場合の実施形態である。
【0049】
なお、本発明の実施形態では、プリント板1からプリント板2へ、プリント板2からプリント板1へ行く信号において、その信号を発生させるクロックは1系統としたが、信号を発生させるクロックの系統が複数ある場合は、1系統で説明しものを複数の系統に拡張すればよい。また、本発明の実施形態は、2つのプリント板で説明したが、3つ以上の複数のプリント板に適用してもよく、コネクタで接続されるプリント板の枚数には制限はない。
【0050】
なお、上述した本発明の実施形態では、プリント板1からプリント板2へ、プリント板2からプリント板1へ行く信号において、その信号を発生させるクロックは非同期としたが、同期の場合は例えば図28図29のようにプリント板1からプリント板2へ、プリント板2からプリント板1へ行く信号を分ける必要がなく、どちらの方向の信号もパラレルロードシフトレジスタにロードでき、シリアル信号として送出し、シリアル信号を受信した側で比較することができる。これは、非同期として分けた回路において、すべての回路について適用できる。
【0051】
次に、接触抵抗が上昇する際の検出方法の実施形態を説明する。コンタクトの接触抵抗が上昇しているまたは上昇しつつある場合の検出例は以下の通りである。図30図31に実施形態を示す。
【0052】
図30は、EX−ORの入力にヒステリシスを持たせたものである。ヒステリシスとは信号がLowからHighに上昇していく時とHighからLowに下降していく時でスレッショルドレベルが異なるものであり、信号がLowからHighに上昇していく時のHighとみなす電圧がVT+、HighからLowに下降していく時のLowとみなす電圧がVT−である。
【0053】
送る信号のHighの電圧をVOH、Lowの電圧をVOLとし、受ける側の入力電圧のHighの電圧をVIH(Highとみなすスレッショルド電圧を含む)、Lowの電圧をVIL(Lowとみなすスレッショルド電圧を含む)とすると、このVT+とVT−をVT+=VIHレベル+α<VOH、VT−=VILレベル−β>VOLに対応させておけば、実際にその信号を使う入力は、High側αのマージンで、Low側βのマージンで、その信号を受けることができるので誤動作せず、ヒステリシスをもった入力はHigh側α、Low側βのマージンを切った時点で一致せずとなるので、実際に誤動作する前にワーニングまたはアラームとすることができる。図31にパラレルロードシフトレジスタの入力について示したが、図30と同様な考え方である。
【0054】
図32に入力部にヒステリシスをもつ信号監視回路を追加した例を示す。入力部にヒステリシスをもつ信号監視回路からは、信号が一致していなければ不一致信号40−Aを出力する。この出力は図示されていないワーニング処理回路に入力される。この場合はまだ誤動作には至らないので、コネクタのコンタクトの接触が良くないなどの警告をすることになる。入力部にヒステリシスをもたない信号監視回路からは、信号が一致していなければ不一致信号40−Bを出力する。この出力は図示されていないアラーム処理回路に入力される。この場合は誤動作につながるので、装置を止めてコネクタのコンタクトの接触不良などの表示を行なうことになる。
【符号の説明】
【0055】
1 プリント板
2 プリント板
3 コネクタ
4 コンタクト
5 5a,5b,5c,5d,5g,5h,5j,5k,5p,5q,5A,5B 信号監視回路
6,6a,6b,6c,6d 排他的論理和回路
7,7a,7b,7c,7d,7−1,7−2 論理和回路
8,8a,8b,8c,8d,8−1,8−2 フリップフロップ回路
9 信号入力・出力回路
10,10−1,10−2,10−11,10−12,10−21,10−22 パラレルロードレジスタ
11,11−1,11−2,11−11,11−22 比較器
30,30−1,30−2 CMPCLK
35,35a,35b, OR出力
40,40−1,40−2,40−A,40−B 不一致信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図26